運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-04-13 第7回国会 衆議院 農林委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十三日(木曜日)     午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 野原 正勝君 理事 八木 一郎君   理事 藥師神岩太郎君 理事 山村新治郎君    理事 井上 良二君 理事 山口 武秀君       青木  正君    足立 篤郎君       遠藤 三郎君    小淵 光平君       河野 謙三君    原田 雪松君       平野 三郎君    渕  通義君       守島 伍郎君    石井 繁丸君       高田 富之君    小平  忠君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君         農林事務官         (農地局長)  山添 利作君  委員外出席者         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 四月十二日  岩内古宇郡下国有林過伐防止に関する請願(  浦口鉄男紹介)(第二三二一号)  津田沼町所在国有農地同町農地委員会に移管  促進の請願多田勇紹介)(第二三四五号)  でん粉事業保護育成に関する請願田中啓一  君紹介)(第二二四八号)  食糧事務所職員定員増加に関する請願(青柳  一郎紹介)(第二三八九号)  東北地方国有林野特別措置法制定に関する請願  (野原正勝紹介)(第二四一四号)  同(飯塚定輔君外一名紹介)(第二四一五号)  同(小笠原八十美君外一名紹介)(第二四一六  号)  同(圓谷光衞君外一名紹介)(第二四一七号)  福岡県下裸供出農家に対する主食の還元配給に  関する請願平井義一紹介)(第二四三二  号)  農業恐慌対策に関する請願佐藤親弘君外五名  紹介)(第二四五四号)  米麦包装規則改正反対に関する請願玉置實君  紹介)(第二四六一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任に関する件  自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法  律案内閣提出第一四五号)  肥料取締法案内閣提出第一五四号)     —————————————
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議を開きます。  議事に入る前に小委員補欠選任を行います。去る三日林業対策小委員であります高田富之君が委員を辞任せられましたので、本小委員が一名欠員となつております。これは先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは林業対策小委員高田富之君を指名いたします。     —————————————
  4. 小笠原八十美

    小笠原委員長 まず肥料取締法案議題といたします。  この際御報告いたしたいことがあります。本日自由党の藥師神委員より、本案に対する修正案委員長の手元に提出されております。これは印刷物として各委員に配付いたしておる通りであります。以上御報告いたします。  それでは本案に対する質疑に入ります。質疑通告がありませんのでこれを省略し、ただちに本案に対する修正案趣旨説明提出者より聴取いたしたいと存じます。藥師神君。
  5. 藥師神岩太郎

    藥師神委員 ただいま議題になつております肥料取締法案に対する修正案内容を簡単に御説明申し上げます。   附則第四項の次に次の一項を加える。   (農林省設置法改正)  5 農林省設置法昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。    第四條第二十三号を次のように改める。    二十三号農薬農産種苗及び肥料登録並びに肥料の仮登録を行うこと。以上であります。
  6. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて修正案に対する説明は終りました。  引続き本案及び修正案一括議題とし討論に入ります。この際討論通告がありませんのでこれを省略し、ただちに本案及び修正案採決を行います。採決の順序は、まず修正案について採決した後、原案について採決をいたします。  それではまず藥師神委員提出による修正案採決を行います。本修正案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  7. 小笠原八十美

    小笠原委員長 起立総数。よつて修正案は可決いたしました。  次に原案について採決いたしますが、ただいま修正ときまりました部分は、原案に一項を加える修正案でありますので、本案原案について採決いたします。  本案原案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  8. 小笠原八十美

    小笠原委員長 起立総数。よつて本案全会一致をもつて修正議決いたしました。  この際委員会報知品書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  9. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。     —————————————
  10. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次に自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案議題とし、その質疑を継続いたします。小平委員
  11. 小平忠

    小平(忠)委員 自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案につきましてまず改正根本的趣旨に関して、実は大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、大臣はまだお見えになつておりませんので、後刻お見えになりましてからお伺いいたしたいと思いますが、幸い本改正の最も責任をお持ちになつておりますし、また農地局長であられる山添さんがお見えになつておりますので、山添局長に以下お伺いをいたしたいと思います。  最初にお伺いいたしたい点は、終戦後日本農業は百八十度の一大転換を見るに至りまして、特に農地改革という、日本農業界にとりましては、画期的なここに一つの大変革を見たのでありますが、この第二次農地改革によりまして、今日日本農村日本農業はどうなつておるかということを考えてみまするのに、現段階において、確かに農村民主化は着々実現されつつあるということは、これは了承できますが、反面に、現在のような体制で行つたならば、また再びわが国農村は、かつての農奴的な非常にしいたげられた面に追い込まれるのではないかということを憂えるのであります。と申しますのは、この農地改革によつて現在経営を細分化せられ、農業経営実態というものは、小作農から自作農に転換されたとはいいますものの、今日の段階における実態というものは、私は農家経済というものが楽になつた、また楽になりつつあるということは断定できないと思います。その具体的な例を一々申し上げますと、相当時間もかかりますので、一、二の例をあげてみまするならば、一時は農地改革によつて小作から自作になつたという一つの喜び、また自分土地であるという愛着によつて自分土地をかわいがるという面においては、確かにプラスではあつたでしようが、しかしその後における農業経営実態というものは、資金難、あるいは資材難、各種の面において、非常に苦しい現状であります。かかる見地において、最近においては土地を持つことがかえつて苦しいというような現状であります。こういつたような点から、農地局長は、この第二次農地改革の実行、特に政府提案理由説明の中にもあります通り、この農地改革事務も、あるいはその遂行もほぼ完成に近づいて、あとは単に整理の段階であるという御説明でありますが、はたしてそのような実情であるか。現在の農地改革といい、また現在の程度において、政府考えておるような実態があるかないかということについては、私は多分の疑問を持やます。しかしその問題はあとにお伺いすることにいたしまして、現在の段階において、はたして当初計画されたような実績を上げ得たのか、さらに今後これをどうなさるお考えか、この基本的な考え方について、まず局長にお伺いいたしたいわけであります。
  12. 山添利作

    山添政府委員 農地改革の問題につきまして、ただいま小平委員がお述べになりました事柄につきましては、まず農地改革ということについての考え方の範囲を限定してかかりませんと、意見がいろいろわかれると思うのでありまして、農地改革そのものは、これは日本農村民主化生産力発展ということをねらいといたしまして、農地関係についての基礎的な改革行つたということであります。しかしながら、農民解放、その社会的及び経済的地位安定向上ということは、何も土地改革だけで達成されることではない。土地改革の問題は、その基本的な政策一つである。こういう限度があるわけであります。従つて現在の農村実情が、広い意味における農業並びに農村の安定、生産力発展向上ということが達成されておるかどうかということにつきましては、今小平さんがお述べになりましたような観察は、私どももいたしておるのであります。しかしこういう固有の土地改革という意味から申しますれば、所定の目的を達したということは、計数的にも申し上げられるのでありまして、従つて全体といたしましての、農業政策全般についての考え方はいろいろあるでございましよう。また実態ということも、いろいろあなたのお述べになりましたようなことについても心配をしておる一人ではありますけれども、狹い意味における土地改革農地改革という意味におきましては、所期の目的を達しておる、こういう見方をしておるわけであります。
  13. 河野謙三

    河野(謙)委員 小平委員の御了解を得まして、緊急に農地局長に二、三お尋ねしたいことがあるのであります。  第二点は肥料の問題ですが、肥料公団指定商——これは主として大部分農業協同組合でありますが、これに対する手数料が安きに失するということで、昨年の秋、これをさかのぼつて現行の手数料に直すということをきめられまして、これは農林省責任ある当局からも、肥料公団責任者たる総裁からも、指定商の会合において言明されておることは事実でありますもところがその後指定商に対する手数料引上げが、さかのぼつて実施されていない。聞くところによりますと、現在これが出るか出ないかわからないというような段階に至つておるやに聞いておるのでありますけれども、なおこの手数料引上げについての引当て金は、公団に一億数千万円か二億数千万円の金が、確かに準備積立てしてあるということでありますが、これは一体どういうことになるのか、これをまず第一点にお伺いしたいと思います。  それから、その次には、最近またまた公団中間口銭運賃の面においてふくらんでおる。その理由は、聞くところによりますと、肥料が非常に潤沢になつて来た。一方農家の引取りが非常に惡いということで、公団手持ち期間が延びて来た。それがために公団運賃が、従来七百円であつたものを大幅に千八十円に引上げたということを聞いておりますが、これははたして事実であるかどうか。もし千八十円に引上げたとすれば、千八十円に引上げ基礎調査として従来の七百円の運賃に対して、公団実績がはたして幾らであつたか。これは当然基礎調査としてお調べになつておると思う。私の考えておるところでは、従来の七百円は、七百円を相当下まわつたそれ以下の安い運賃であがつておるはずだ。しかるにさらにそれを上げるにいたしましても、その基礎調査ができておると思いますので、それを向いたということと、もう一つは、一方において製造会社からは、従来の公団は十日払いでしたものを、公団金融梗塞という意味で一箇月払いにするというようなことで、これも製造会社農林省公団の間で問題を起しておるということでありますけれども、これらについていかなる経過になつておるか、またいかなる結末をつけられたか。これをお伺いしたいと思います。
  14. 藤田巖

    藤田政府委員 指定商手数料の問題でありますが、これは河野委員お話通り、われわれとしては、ぜひこれについては公平に解決をいたしたいということで、従来もその意向でやつておるわけでありますが、遺憾ながらまだ決定を見ておらないわけであります。しかしながら農林省としては、さらにそれに対しては望みを一捨てずに、これについては極力通りますように努力してもらいたい、さように思つております。  それから公団中間経費でございますが、これが七百円を千八十円に引上げられるのはどういうわけかということであります。これは従来公団が、農家に押しつけ配給をするというふうなことがよく言われております。それから相当価格も高くなつて参りますし、農家金詰まり関係もございますので、そう前広に肥料をとるということも困難になつて参ります。勢い公団手持ちをする期間が多くなるというふうなこととにらみ合せて、これを計算いたしたわけであります。ただこれについて、大蔵省との関係におきましては、そういうふうなことをいたしましても、そのために補給金が増額されるということは困るというふうなお話もあるわけであります。なお公団の運用についてでありますが、現在の中間経費がもつと安くあがつて行くではないかというふうなお話でございますが、詳細の資料は現在持ち合せてはおりませんが、われわれといたしましては、その点の経費の使い方については嚴重に調べておりまして、公団がかりに利益が出ますようなものについては、これはもちろん剰余金として国庫に返すべきものである、そういうふうなことでやつて参りたいと思つております。私の記憶いたしておりますところでは、必ずしも公団経費がそんなに安くあがてしおるというふうにも記憶はいたしておらないわけであります。それからメーカーに対するサイトが、現在たしか十五日かと思つております。十五日払いにきちんきちんと払つておりますのを、このサイトを一月に延ばしたいという意向は、実は私どもの方でそれを持つておりまして公団の方にも話をいたし、製造業者方たちにも、その話を今しておるわけであります。と申しますのは、公団は御承知の通りこの七月をもつて廃止する、こういうふうな建前で進んでおるわけであります。そういうふうなことをいたしますと、現在のメーカーに対するサイトが十五日でありますが、七月以降を考えてみますと、メーカー自身自分の力で金融をし、サイト関係もおそらく自由になりますれば二箇月以上になるだろう、そう考えられるわけです。従つて突如としてその際にサイトが長くなつて来るということになりますと、無敵な変動をメーカーに与えるわけでありますから、私どもといたしましてはだんだんとこのサイトを延ばして行く。十五日のものを一月に延ばし、さらにこれをだんだん延ばして行きまして、いつ公団の運命がどうなりましても、メーカーがそのために事業経営いたします上に非常に大きな、何と申しますか、異つたような状態にならないように、だんだんとそういう状態に馴致して行きたいということで、とりあえずそのサイトを延ばすことを提案しておるわけであります。しかしながらこの点についても、私どもは、必ずしもそうむりむりにこれをべんにどうするということも考えておりませんので、現在はメーカーの方から案を出させる、それから通産省の方からも御意見伺い、あるいは公団意見伺つて、そこはひとつよく相談をいたしまして、われわれの理想としては、七月までに少くとも肥料の取扱いが自由になりました場合に、決済においてはそういうふうな従来の自由取引においていたしました程度期間、つまり二箇月程度にはこれを持つて行きたい、そういうふうな方法考えておふわけであります。
  15. 河野謙三

    河野(謙)委員 私がお尋ねしておることを大分誤解をされておるようでありますが、まず第一点は、協同組合その他の指定商手数料が安きに失するから、さかのぼつて返しますということでへ引当金もつくり——あなた方も公団総裁も、お互いに公開の席でお約束されて、拍手喝采を受けた場面もあるのであります。しかるにそれを、会の段階でなおかつそういうことを実現すべく努力するということであれば、今まで一体全国協同組合指定商にお約束になつたことは、どうなさるのか。必ず返しますと言つて言明された以上、どこまでもその線に沿つて大蔵省の問題がありましたら大蔵省の問題はどこまでも政府の内部において引受けて、公約を果されなければいかぬ。その確信ある御弁明を私はいただかなければ困ると思う。もしかりに確信が、困難な事情でなくなつたとするならば、いち早く今までの公約に対して、経過を発表して、取消すべきものは取消と、修正すべきものは修正さるべきだと考えるのであります。それを私は第一点にお伺いしたいさ思います。  第二点は、私は公団が濫費しておるとか、費用が余つておるとかいうことをお尋ねしておるわけではない。ただ手数料の七百円のものを千八十円にされるには、一体この手数料計算基礎として、これは物価庁が主としてやるのでありましようけれども計算基礎として、過去の予算の七百円に対して実績幾らになつておるかということがまず調査できなければ、その上に積み上げる金額というものは出て来ない。それをもしやらないでやつたとすれば、非常な怠慢であり、無責任であります。でありますから、今までの七百円に対して、実績幾らにあがつたかということがわかつてつたら、知らせていただきたい。これを私は多いとか、少いとか言うのではない。それから千八十円にしましたその内容には、幾日間ぐらい持たせるという基礎、幾日間手持もさせるかという基礎伺いたい。二月分持たせるか、三月分持たせるか、その千八十円に上げました内容伺いたい。というのは、一方において製造会社の方を十五日——十日なら十日で締め切つて、十日払いにいたしますから、あなたのおつしやるように十五日払いであります。従来の十五日を一箇月払いにするということは、私は反対ではありません。そうされることは妥当だと思いますけれども、一方製造会社の方は支払いを延期する。一方自分の方は、手数料手持ち期間を延ばすということで手持料を上げて、駅長さんではないけれども上り下りからとるということはいけないと思う。上り下りからとるのなら、片方から半分、片方から半分、こういうのならいいが、その計算基礎をはつきりしてもらいたい。その点がはつきりしませんから、対メーカー交渉にしましても、メーカー交渉が進まない。一方千八十円の内容がわからぬから、その方も私たちは疑いを持つ、こういうことになる。その点を私は伺いたい。くどく申し上げますけれども、過去の実績において、予算とどういうふうになつたか。その結果、積み上げたものは幾らであうて、その積み重ねた数字の内容は何箇月分のものであつて、その間の倉敷金利はどうなつておるかということのこまかい内容伺いたい。そうではありませんと、よけいなことでありますけれども農林省でいかにメーカーの方に折衝されましても、その点の基礎がはつきりしないと、メーカーの方の折衝も進まないと思う。だからその点をひとつ伺いたいと思う。
  16. 藤田巖

    藤田政府委員 第一問は、これは私どももその通り考えておりまして、その趣旨をたしかお話したことを記憶しております。従つて従来とも交渉しておるわけでありますが、いまだ解決しておらないわけであります。今後ともやはり従来の考え方通り、さらに交渉をいたしまして、早く解決をつけたい。もしこれがどうしてもつかないという場合は、その際にどうするんだということを明らかにして行きたい、かように思います。第二問につきましては、従来七百円の公団中間経費、この実績がどうなつておるか、なおこれを千八十円に上げた場合、たとえば倉庫保管期間がどうなるかという点につきましては、これは私現在資料の持ち合せがございませんので、これは次の折にでも資料に提出いたしまして、資料に基いて御説明したい、かように考えております。
  17. 小平忠

    小平(忠)委員 先ほど農地局長からまことに理解のある御答弁をいただいたわけであります。私は本改正案に対しまする基本的な問題といたしまして、幸いに大臣がお見えになりましたから、大臣に基本的な点についてお伺いいたしたいと思います。まず本案改正点内容に入ります前に、大臣にお伺いいたしたい点は、今回の第二次農地改革によりまして、政府のお考えは、大体予期以上の成果を収めたという見解でございます。その点はわれわれも了とされる点ではありますが、しかし土地政策として根本的な問題は、ただいま農地局長もおつしやいましたように、単に農地改革だけをもつてして日本農業近代化をはかれるというもので、はないことはもちろんであります。戦時中強行された略奪農業を挽回し、日本農業近代化をはかる方向に行きますためには、やはり何といつて未墾地を徹底的に解放する、さらに既墾地土地改良あるいは治山治水等による災害復旧、これを徹底的にやらなければならぬということはもちろんのことであります。その場合に、その基本的な問題の中で、私は特に大臣にお伺いいたしたい点は、第二次農地改革が大体予期以上の成果を収めたから、これで気をゆるめるということではいけないのではないかと考えるわけであります。というのは、日本農業経営実態、特に立地的要件から見るときに、どうしても私は第二次農地改革によつてまだ不徹底な点を、さらにやらなければならぬと思うのであります。すなわち現在われわれがどうしてもこうしなければならぬと考えております点は、不耕作地幸所有地並びに可耕未墾地牧野採草地あるいは薪炭林などの、徹底的な解放をなすべきだと考えるのでありますが、この点について大臣はいかようにお考えになられておりますか、大臣の所見をお伺いいたします。
  18. 森幸太郎

    森国務大臣 お説まことにごもつともであります。開墾してさしつかえない箇所におきましては、なお開墾の必要を認める場合におきましては、開墾いたします。
  19. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣がそのような抽象的な御答弁をなされますならば、私はここに徹底的に問題を取上げて、具体的な批判をし、追及をいたしたいと思います。そのような御答弁を私は伺おうと思つたのではない。もちろん第二次農地改革によつて予期以上の成果を収めたということは、私は根本的に否定するわけではない。しかしその面においても、これは単にわれわれが言うだけでなく全国農民あるいは農地委員会等におきましても、強く指摘されておる面がたくさんある。単に大臣が今、開墾を可能とし、あるいはできるような所はやりたいと思いますというような、そのような抽象的なお考えでは、この問題は場合によつては政治問題化しますよ。私は、大臣は確たる方針を派して、この委員会にかくあらねばならぬという所信を、端的に披瀝されて、われわれが納得し得る点があればいいのであります。決してわれわれは反対せんがための反対などはいたしません。だから私は、今具体的に例を申し上げたのは、単にそういつた抽象論をお伺いする意味で申し上げたのではないのであります。すなわちどうしてもやらなければならぬと考える点、この表現の仕方は、人によれば第三次農地改革をやるのだ、第三次農地改革を断行せよと言う人もありますが、私はそういう言葉は使わない。すなわち現在の第二次農地改革に引続きやらなければならぬ問題について私は例を取上げたですからもう一ぺん申し上げます。不耕作地主が所有している所有地解放する御意思があるかないか。次は可耕未墾地さらに牧野採草地薪炭林これらも解放される御意思がありますかどうかということを、お伺いするのでありますが、もしこれらを解放する御意思があるならば、どのような方法によつてなされるか。御意思がないならば、どういう理由によつてこれをやろうとなされないのか。それをわれわれの納得し得る御説明伺いたいと思います。     〔委員長退席藥師神委員長代理着席
  20. 森幸太郎

    森国務大臣 抽象的な答弁とおつしやるが、あなたも抽象的な御質問でありますから、抽象的なお答えになるわけであります。不耕作地主の持つておるものは法律によつて解放いたします。耕作しておる地主のものは解放することはできません。また農地改革に伴うて薪炭林解放しろというようなことは考えておりません。
  21. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣がそのような御回答ならば、あえて私はこの面について繰返し申し上げませんが、しからば、次の点において、大臣がどうしても御答弁を願わなければならぬようなぐあいに、私の質問が惡いと言うなら、私の質問を上手に持つて行くようにいたします。そういたしますとごの農地改革を、現在のでこぼこをならし、あるいはその不備な点を是正するということについては、大臣考えないわけではないという点でありますが、しからば私は、単に小作地を自作地に転換するとか、あるいは交換分合といつたような問題だけを取上げておるだけではいけない。土地政策について根本問題は、何といつて土地改良ではないかと思う。この土地改良の面については、御承知のように農林省当局も非常に熱心に何とかしなければならぬということで、御努力されていることは認めるのであります。ところがこの現状というものは、大臣も御承知のように、今年度の予算は、金額においては昨年よりも公共事単費、その他が幾分増額されておることは認めるりでありますが、その公共事業費全体の率から見ますと、これは毎年丸々低下いたしております。さらに災害復旧の面においても、もちろん同じであります。さらに土地改良に対するところの融資の面についても、御承知のようにこれは前回大臣にお伺いしたのでありますが、例の見返り資金であります。これも全面的に期限になつて二十四年度は打切つたというような問題、これらはこの農地改革と並行して、農地改革後における大きな手段として他作農が自作になつた、自分土地なつたら、大いに食糧増産に励まうというこの考え方をさらに助長するためには、やはり生産を上げ得るような土地改良を思い切つてやらなければ自分土地に対する愛着というものは失われて、再びまた他作農に転落するということが予期されるのであります。これはどうしても、政府が思い切つた土地に対する保護政策土地改良を積極的にやらねばならぬ。これをやらなかつたならば、せつかく農地改革をやつても、また私は逆転するのじやないかと考えるのであります。この点に対して、大臣に、しからばほんとうに土地改良を、あるいは災害復旧を推進する、大いにやるのだという腹構えが、大臣が就任されてから幾たびもその問題については言及されたけれども、私は大臣が本気になつてやるのだという点については、了解しかねるわけです。ですから、今度のこの改正法をめぐりまして、この内容につきましても、これから逐次お伺いいたすつもりでありますが、この改正をやるにつきましても、基本的な問題、まず大臣考え方を承らなければ、私は何のために今回の改正をなさるのかわからない。従いまして、大臣はこの土地改良あるいは災害復旧について、それは額はふえているのだからやるのだと言いましても、現実問題といたしましては、建設、展生面の公共事業費のわくから見ると問題になりません。毎年々々パーセンテージにおいては減額されておる現状であります。これをいかなる理由によつて全体の面から減額するのか、さらに関係当局のお考えも、私は仄聞いたすところによりますと、非常に悲観すべきものがあると思つておりますが、これについても、大臣日本の約四七%に近い農民の親として、父として、真に農民のことを考えるならば、関係当局に対して土地改良なり、日本農業はかくあらねばならぬという点を、私は心魂を打ち込んで折衝をし、ぶつかるならば、現在のような、非常に融資の面においても、あるいは各種の農業政策の面においても、行き詰まりはある程度打開し得るのじやないかと考えるのでありますが、その点について、大臣の最近のお考え方をお伺いいたしたいと思います。
  22. 森幸太郎

    森国務大臣 新しく耕地をつくることも必要でありますし、現在の耕地の土質を理化学的に性質を改良して行くということも必要であります。土地改良につきましては、いろいろ御批判もあり御不満もあると思いますが、今日政府といたしましては、予算の許す範囲内において極力土地改良を遂行推進いたしておるわけであります。なお災害復興に対しましても、もちろんほかの災害と同じく、ことに土地の災害に対しては、特別なる施策を練つて、一日も早く災害の復興を期したい、かように考えておるわけでありまして、決しておろそかに考えておるわけでもなし、また関係方面が土地改良等にはなはだ冷淡であるというようなことは、毛頭ないことを御了承願いたいと存じます。
  23. 小平忠

    小平(忠)委員 大臣はことごとく非常に真実と反対の御答弁をなさるのであつて、遺憾にたえないと思います。少くとも私は、現状をぶちまけて、かくあるべきだという点を指摘されて行くことこそ、現在非常につづまれる日本農業を背負つて立つ農林大臣として、心服いたしてもいいと思うのでありますが、ただいまの御答弁では、私はまつたく心服するどころか、不信任案を出すというような考え方を持つのであります。これはじようだんじやない。それで大体そういつたような考え方伺いましたから、これ以上私は追究いたしません。あと山添農地局長に、今回のこの改正法の内容について、私の意見を申し上げ農地局長からお答え願いたいと思います。  第一点は、今度のこの改正法を見ますと、農地牧野の強制買収の打切りというようなこと、これは自作農創設特別措置法の第三條によりますと、二十五年の二月十一日をもつて買收を打ち切るという一応その形式的なお考えをとられたのであります。これは考え方によりますと、昨日井上委員からも御指摘されたのでありますが、強制讓渡といつたようなものは、農村民主化の方向にまだ至つてない、封建制を利用して、お互いに強制させるというような趣旨が見られるわけであります。それで根本的に、ではなぜこの二月十一日をもつて買收打切りとするか、二月十一日というその根拠はどこにあるのか、その点について納得の行く御説明をいただきたいと思うのであります。
  24. 山添利作

    山添政府委員 二月十一日には特別な意味はございません。その当時二月十一日ごろには多分国会にこの改正法案が提案できるだろうという見込みを持つておりました。そこでそのことが一般に公表される時期を時点としたい、こういうわけであります。
  25. 小平忠

    小平(忠)委員 その点わかりました。その点は別に私は追究いたしませんが、この第三條の改正をなさいまして、一応打切るといつた形をとられるのでありますが、こういつた方法によつて、お互い同士でやらせる。非常に表面は民主的に考えられるのでありますが、私はこれはあえてこうなさらなくても、従前のものでさしつかえないのじやないか、こういうふうに思うのであります。政府提案の漠然としたこの説明では、意味がわからないのですが、いかなる理由によつてごの第三條の改正をなさるのか、お伺いしたいと思います。
  26. 山添利作

    山添政府委員 従来政府が買收して、政府から売り渡すということになつておりますけれども、これは会計上のことでありまして、農地証券を用いますとかいうよらな関係でありまして、実際の事情は御承知のように、市町村の農地委員会、都道府県の農地委員会によつて遂行されたのであります。今回は恒久的な制度としては、なるべく簡素な形、あまり複雑でない形でやりたい、かつ農地証券というような制度も、今後においては必要でない、むしろそうでない方が適当である、こういう考え方に基いておるのでありまして、この農地改革の従来における遂行、今後における農地改革成果の保持ということは、やはり農地委員会が主体でやつて行こうということは、今までと今後とかわらないのであります。
  27. 小平忠

    小平(忠)委員 その点は了承いたしますが、農地委員会の任務は、従来と今後もかかわらないという御説明でございました。今回改正内容によりまして、農地委員会並びに農業調整委員会を解体して農業委員会一本にして行くことになり、それから現在たくさん残されておる仕事を、農業委員会という名前でやられて行くからかわらないという御説明であれば、それでいいのでありますが、しかしそれに伴うところの予算とか、あるいは人間の配置とかを考えた場合に、政府はそう考えましても、現状においてはできないのではないかと考えるのであります。ですから、今かわらないとおつしやいますが、農業委員会一本にして、従来町村に二名おつた農地委員会の書記を一名にするというようなことをして、はたして従来とかわらない機構でやれる、かどうか。さらに問題を次に移しますけれども、結局農地委員会の仕事としては、まだたくさん残されております。それを取上げてみますと、まず一筆調査の完全実施もしなければなりません。さらに小作契約の文書化の徹底とか、あるいは農地管理の具体化、土地取上げ、あるいはやみ小作料も一帰しなければなりません。国有農地の整理とか、あるいは土地台帳の整理でありますとか、いろいろ取上げれば、たくさんやる仕事はあるわけであります。農地委員会としては、なすべき仕事をたくさん持つておるにかかわらず、農地委員会農業調整委員会を打切りまして、農業委員会一本にするということが、今の農地局長の従来とかわらないというお考えからいたしましても、どうも納得しかねるのであります。この点は昨日も他の委員から強く指摘されたのでありますけれども、だれが聞いてもわかる、納得の行く説明をいただきたいと思います。
  28. 山添利作

    山添政府委員 ただいまの点は、昨日井上委員から御質問になりました点であります。農地委員会の仕事につきましては、なお残つておる点がありますというよりも、先ほどあなたがお述べになりましたように、今までやりました農地改革基礎にして、土地改良であるとか、その他薪炭林における使用権の設定であるとか、諸般の農民的利益を推進するための機関として、活躍してもらいたいという期待を持つておる、こういう考え方をいたしておるのでございます。ただ農地委員会事務機構である書記の点につきましては、二十五年度から従来の二名が一名に減るわけでございますが、今まで一百万町歩に近い土地の買收、売渡しというような事務を一応完了いたしました後におきましては、恒久的な制度としては、一名が適当と、いますか、まずその程度をもつて満足しなければ、財政上の理由等からいたしまして、やむを得ないと考えております。なるほどさしあたりの経過期間等におきましては、相当不自由な点もあると思いますけれども、今申しますように、財政上の理由から恒久的な制度に切りかえて行くという機会に、こういうことになりますことは妥当だと考えておるわけであります。
  29. 小平忠

    小平(忠)委員 さらにその点につきまして、一応お伺いだけしておきます。これは昨日も指摘されたのでありますが、農業委員会の機構が、村は農業委員会一本の機構で行く。それが今度郡とか県になりますと、二本建になるわけでありまして、非常に流し方が系統立つて行かないように思う。これは今度の改正案によりますと、町村長の権限が非常に強化されるのです。そういうことを考えますと、まだ農業調整委員会土地の割当とか、供出であるとか、大きな仕事を持つておるわけであります。そういつた面において、非常に僕達はありますもののお互いの任務は異なつたものを持つておるわけであります。それを町村団体、郡、県の団体の持たれておる予算を流すにしても、非常にこれは不都合があると思う。さらに階層別の農業委員の実体、比率にいたしましても、非常に公平を欠いておる。これは内容の点をお尋ね申し上げればいいのでありますが、すでに井上委員が昨日説明されております。私は井上委員考えと同じであります。昨日農地局長も、その点は詳細な説明をされましたけれども、結局今申し上げたような点をあげてみますと、よほど今後の運営についてふんどしを締めてかからぬと、切りかえ、において大混乱を来すと見ております。この点について、政府は単に二つのものを一本にするという考えを持つておりますが、簡単にそうはいかぬと思う。その点についてどうするんだという確信について、まだ説明伺つていないのですが、そういつたような矛盾がありますが、それらをどういうふうにきめて行くか、確たる御方針を御説明願いたい。
  30. 山添利作

    山添政府委員 私はもつと深く考えておるのでありまして元来食糧割当といい、農地の問題といい、いずれも農家にとつて基本的な問題であります。そういたしますと、これは農村委員会としては、両面をにらみ合せて取扱つて行くことが、ほんとうは正しいのであります。ただ実際問題といたしまして、食糧割当等の仕事は、政府考えまするほどといいますか、今まで言つておりますほどうまく行かなかつたということは確かでありますし、またああいうむずかしい問題は、今後ともそう画期的にかわつて来るということも考えられないのでありますけれども、いずれにいたしましても、土地という基本的な問題と、それから生ずる食糧の生産割当というような問題は、相関連して考えるべきものである、こういう思想を持つておるのであります。今後食糧事情もかわつて参りますので、割当等の問題はどういうふうになるか存じませんが、考え方としては、そういう点から出発をいたしておるのであります。さて実際の運用面になつて参りますと、両方とも非常に広汎だ仕事を、一つ委員会で扱えるかという問題でありますけれども、これも農地関係の仕事が非常に分量の多いというようなことは、今後はないわけであります。また食糧調整等におきましても、今後は今までとまた様子がかわつて来る。従つて事務的にも分量という点から見て、さほど困るということはないだろうというような、現在では見通しを持つておるのであります。なお村の委員会は一本であるが、上がわかれておるのは非常に煩雑を来すおそれはないかということでございますが、組織といたしましては、下が単純で上の方に行けば分化するということは、これはあたりまえのことであります。その事柄が不便を来すという点もなきにしもあらずでありますが、一方專門的に扱うという面から見れば、わかれておる方が長所であります。比較勘考いたしますれば、今回御審議を願つております制度、方法が適当である。かように考えておるのであります。
  31. 小平忠

    小平(忠)委員 それ以上お伺いいたしましても、見解の相違であると存じますから、その点はこの程度にいたしておきたいと存じます。その他いろいろお伺いいたしたい点もございましたが、昨日井上委員から、私のお伺いいたしたい点は質問されまして説明を聞いておりますから、省略いたしますが、最後に一点大臣にお伺いいたしたいと思います。申し上げますと、大臣が非常に質問の仕方が惡いからというようなことでもつて、簡単にいなされてしまうのでありますが、どうかそういうようなことをおつしやつらずに、ひとつ懇切丁寧に御説明をしていただきたいと思います。  その点は、私は農地改革と関連して先ほど申し上げましたように、土地改良というものはいかに重要であるということは、大臣も十分御認識されておるはずであります。その一つの例を申し上げますと、土地改良の中でも、一般に知られていないで、それが非常に実際問題においては大きな問題があるわけです。それは例の心土耕、混層耕で、これは一般内地の本州、九州方面においては知られない。相当農政通の人でも御存じない。心土耕、混層耕と言つても知らない人がある。これは最近の新しい言葉であるかもしれないが、しかし非常に大切な土地改良だと思うわけです。なぜかと言うに、昨年北海道、長野県においで早魃がありました。この旱害というのは、実に最近六十年振りの被害をこうむつたのですが、その大半は結局心土耕、混層耕がなされていない。結局上つらだけが耕されておつてあとは心土のところが耕されておらない。わずかの二週間、三週間のひでりで作物が参つてしまう。それがよく下の心土をひつくり返して、そうして滲透カを与える。それから心土を耕すことによつて早魅も防げると同時に、收穫が大体二倍から三倍半という実績を上げておるという現状であります。この点に対しては、どうしてもこれは個々の農家の力で、トラツクターやあるいはブルトーザなどはとても購入できないわけです。どうしても相当の資金がいるのでありますからして何としても国庫の助成あるいは融資を仰がなければこれはできないのでありますが、これは私は非常に高原の地帯、寒冷の地帯を開墾して、あるいは非常に立地的條件の惡い所を開墾をやつておりますよりは、現に既墾地であつて、ちよつとそれに手を加よれば莫大な生産の上るという面については、私はもう少し農林省が積極的になつていただきたい。今生度なども現にそういう心土耕やあるいは混層耕を、わずか数千万円で少くとも相当の面積を耕し、それから相当の收穫を上げるという見通しがはつきり立つのでありますが、しかし現実問題として資金たり金融の面が伴わないで、それで一頓挫しておるわけです。この面について——ぜひこれは別にそう国家財政、あるいは農林省予算がどうしても差繰りならぬというような、厖大なものはいらないはずです。別に何億の資金、何億という助成を必要とするものではないのであります。北海道のほとんど全体を見ても、大体本年度四、五千万円あれば十分だ。さらに本州、四国、日本全体を入れても、私は一億の金はいらぬと思う。それで非常に厖大な成果を上げ得るという、こういう問題について、大臣はその問題は本年は何とかしてやろうという、ひとつこの際御答弁をいただきたいのでありますが、何か親切なお話を承りたいと思います。
  32. 森幸太郎

    森国務大臣 心土耕の必要なことはもちろんでありますが、これはその地方の土壤の性質によつて、行い得る所と行い得ない所があるのであります。でありますから、一概にどこでも心土耕ができるというものではありません。昔は労力の安い時代におきましては、相当人力で心土耕もやつたわけでありますが、労力の節約欠乏から耕土が浅くなつて従つて肥料の効果力も少くなる。従つて收穫も減退いたしておるのでありますが、労銀との収支関係ということも、農業経営の上で考えなければならぬわけでありますが、しかしこれが地区的に相当広範囲にやれるという場合におきましてはへ機械力も応用し得られるのでありますが、そういうことのでき得る土地におきましては、今お話のように個人経営においてはとうてい機械を購入してやることができませんし、個人が一局部これをやりましても効果がないのであります。やるならばある一定の地区はそういう同一の心土耕をやるということが必要と考えるのでありますが、そういう場合に協同組合等がやるということで資金が必要であれば、喜んで政府は中金を通じまして資金融通のおせわをいたすことはもちろんであります。ことに北海道等におきましては、そういう土地も相当あるわけでございますから、そういう御計画がありますれば、政府も喜んで資金の融通をいたします。
  33. 小平忠

    小平(忠)委員 どうも大臣ありがとうございました。ただいまの御答弁は最近まれなる御答弁でありまして、はつきりそれは政府として融資なりあるいは助成の道を講ずると言明されましたので、これは手続はことし初めてではありません、昨年から非常に関係者が陳情し、切実な歎願をいたしておるものでありまして、本年はこれを実現に移してもらうことの確信がここでできましたから、どうもありがとうございました。
  34. 藥師神岩太郎

    藥師神委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしまして、次会は公報をもつてお知らせすることといたし、本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時五十八分散会