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藤田政府委員 将来の
肥料の需給の見通しでありますが、これはいろいろの條件が違いますと、その見通しもかわるので、推定することが非常に困難であります。大体
農業用の
肥料の需要量の調査を先般行つたわけでありまして、それによる需要量の調査は、大体その当時の
価格の六割
値上げになるということを前提といたしまして、どの
程度の需要量があるということを調査したのであります。それで集まりました数字は、
農業用の総需要数量が二百十五万トン、それから燐酸質
肥料が百四十九万トン、カリ質
肥料が四十九万トンであります。それから
農業用以外の需要も若干ございますので、それも考慮いたしました総需要数量というものを出しますと、大体窒素質
肥料が二百三十万トン、それから燐酸質
肥料が百六十万トン、カリ質
肥料が五十三万トン、こう推定されるのであります。これは私
どもといたしましては、なお正確に調査をいたしませんと、はつきりしたことも言えないと思いますが、通常言われておりますところの窒素質
肥料は、約二百万トンないし二百三、四十万トンという数字に大体な
つて来ておると思います。それから燐酸質
肥料が百六十万トン
——従来は百四十万トンと言われておりますが、百四十万トンないし百六十万トンというものがいいところの数字ではないか。カリ質
肥料が五十三万トン、これは率直に言いまして、少し多く出ているというふうに私
どもは感じております。三十万トンないし四十万トン
程度でいいのじやないかと
考えております。
従つてなおこの数字につきましては
検討を必要としますが、大体の常識的な
考え方から申しますと、窒素質
肥料は大体現在
程度で何とかして行く、それから過燐酸が少し足りない、それからカリはなお需要がある。こういう
状態が大体常識的な判断じやないかと思います。いろいろ先ほどから
河野委員からも
お話がございましたが、
日本の国内の
生産数量は、昭和二十五
肥料年度の
生産見込みを
考えますと、大体百八十万トンないし百八十五万トンくらいであります。国内だけでまかなうといたしますと、なお需要量に足りないということが
考えられるのであります。特に本
肥料年度は、先ほど
河野委員から
お話のございましたように、
外安及び
硝安の
輸入が相当参
つておりますので、昭和二十四
肥料年度のことを
考えますと、窒素質
肥料は、想像がいろいろあるのではつきりいたしませんが、約二十万トンないし四十万トン
程度は
不足になるだろうかというふうに
考えます。しかし来年のことを
考えますと、御
承知の
通り従来
肥料はガリオア資金で入
つて来ておるのであります。来年は
肥料は全部ガリオア資金では入らないというふうな見込みもどうもありそうであります。
従つて私
どもといたしますと、本
肥料年度については、さような事情で大体まかなえるかと思いますが、来年からの
輸入ということを
考えますと、なおそこに若干のあぶない点もあるわけであります。やはり
肥料の問題は、当座だけの問題でなく、将来の見通しも
考えて
需給推算を立てて行くことがかたくはないかと
考えております。需給はかような
状態でありますが、これも
一つは有効需要をどう見るかということでありまして、
肥料代の値上りが有効需要に相当影響することも当然であります。最近
肥料がだんだん高くなりましたために、配給辞退の現象が局部的には起
つておることも
承知いたしておりますが、なお
肥料の
やみ価格その他から
考えますと、下足のところもあるように
考えております。私
どもといたしましては、配給辞退の原因がはたしてどこにあるか、
農家でほんとうに
肥料がいらないのか、あるいは金詰まりの
関係でほしいけれ
どもとらないのか、そこをはつきり見きわめて、それぞれそれに対応した
対策を立てることが必要であろうと思う。現在でも県または
公団に対して、配給辞退の原因が、
農家がほんとうに割当てた数量はいらないという
希望であるならば、これはほかへまわす、しかしながら、ほしいけれ
ども金がないから今とれないというふうな問題については、われわれといたしましては、できるだけ必要な
肥料は
農家に渡るような諸施策を
考えまして、そうして
農業生産の基礎資材であります
肥料については、やはり確保して行くことが本筋じやないだろうかというような
考え方で、今いろいろ研究いたしております。