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1950-02-07 第7回国会 衆議院 農林委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月七日(火曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君   理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君    理事 井上 良二君 理事 小林 運美君    理事 山口 武秀君 理事 寺島隆太郎君    理事 吉川 久衛君       足立 篤郎君    安部 俊吾君       宇野秀次郎君    河野 謙三君       中村  清君    原田 雪松君       平澤 長吉君    渕  通義君       守島 伍郎君    山本 久雄君       石井 繁丸君    高田 富之君       横田甚太郎君    寺本  齋君       中垣 國男君    小平  忠君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         農林政務次官  坂本  實君         (大臣官房会計         課長)         農林事務官   伊東 正義君         (農政局長)         農林事務官   藤田  巖君         (農地局長)         農林事務官   山添 利作君         (畜産局長)         農林事務官   山根 東明君         (蚕糸局長)         農林事務官   最上 章吉君         食糧庁長官   安孫子藤吉君         林野庁長官   三浦 辰雄君  委員外出席者         農林事務官   山内 一夫君         農 林 技 官 三宅 三郎君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 昭和二十四年十二月二十一日  食糧増配に関する決議案井上良二君提出、決  議第一二号) 同月二十四日  鳥川岳国有林一部借地に関する請願庄司一郎  君紹介)(第一号)  山林関係予算増額に関する請願井上知治君紹  介)(第七号)  肥料配給公団職員不当免職取消請願木村  榮君外三名紹介)(第三四号) 昭和二十五年一月十八日  農業協同組合のこうじ製造事業に関する請願(  山村新治郎君外一名紹介)(第一一四号)  小松島町の塩害耕地復旧対策に関する請願外一  件(生田和平紹介)(第一二〇号)  十津川、紀の川綜合開発事業施行促進請願(  前田正男君外三名紹介)(第一二九号)  農地委員会経費増額請願鍛冶良作紹介)  (第二三一号)  菓子原料用砂糖割当増加請願木村公平君紹  介)(第一四三号)  菓子統制撤廃請願木村公平紹介)(第  一四五号)  いも類及び雑穀統制撤廃請願木村公平君  紹介)(第一四四号)  富山県下の農村救済に関する請願内藤友明君  紹介)(第一五三号)  農林中央金庫の融資わく拡大並び長崎出張所  昇格の請願岡西明貞紹介)(第一五四号)  菜種の供出制度改善に関する請願岡西明貞君  紹介)(第一五五号)  昭和二十四年産米雑穀生産数量補正に関す  る請願中曽根康弘紹介)(第一六四号)  一部保有農家保有米等に関する請願中村幸  八君紹介)(第一七一号)  岩手川口藪川国有林間森林開発鉄道敷設促  進の請願野原正勝紹介)(第一七二号)  パンの品質改善並びに配給機構改革に関する請  願(野村專太郎君外一名紹介)(第一七三号)  農業協同組合営利事業禁止に関する請願(河  原伊三郎紹介)(第一八一号)  北海道土地改良事業に関する請願小川原政  信君紹介)(第一九四号)  蚕糸業振興対策に関する請願大和田義榮君外  十三名紹介)(第三〇一号)  木崎村地区未墾地買収中止請願山崎猛君外  一名紹介)(第二一一号)  農地委員会補助金増額請願大村清一君紹  介)(第二一六号)  細江村のかんがい用水路施設費国庫補助請願  (岡村利右衞門紹介)(第二一九号) 同月二十一日  いも類完全利用工業化に関する請願(八木一  郎君紹介)(第二三七号)  主食配給価格引下げ請願高田富之紹介)  (第二五一号)  主食配給に関する請願外一件(苅田アサノ君外  三名紹介)(第二五二号)  北海道土地改良事業に関する請願浦口鉄男  君紹介)(第二七六号)  食糧政策及び農地改革等に関する請願足鹿覺  君紹介)(第二八〇号)  肥料配給改善に関する請願小平久雄紹介)  (第二八一号)  買収林野開墾等に関する請願野原正勝君紹  介)(第三一〇号)  山崎せき改修工事施行請願小林運美君紹  介)(第三一一号) 同月二十四日  食糧事務所職員定員増加に関する請願足立  篤郎紹介)(第三三九号)  東経百三十度以東機船底曳網漁業者に対する労  務用主食配給基準量改正請願井之口政雄君  外一名紹介)(第三四六号)  宮村の農地改革徹底に関する請願高田富之君  外三名紹介)(第三四八号)  消費生活協同組合主食配給取扱に関する請願  (岡良一紹介)(第三七九号)  西春村外四箇町村用排水路改修に関する請願  (多武良哲三紹介)(第三九五号)  浦野館村所在の上野せき改修工事費国庫補助の  請願小笠原八十美紹介)(第四一二号)  競馬課税控除率引下げ請願小笠原八十美  君紹介)(第四一三号)  五郷村外三箇用水改良事業助成請願(小笠  原八十美紹介)(第四一四号)  土地改良法施行令第五十三条の適用に関する請  願(山本猛夫紹介)(第四一八号)  農地委員会存続等請願土倉宗明君外二名紹  介)(第四四〇号) 同月三十日  島原半島の開拓道路開設に関する請願(坪内八  郎君紹介)(第四五三号) の審査を本委員会に付託された。 昭和二十四年十二月二十四日  水害復旧耕地事業に対する国庫補助等陳情書  (第二号)  土地改良事業に関する全額国庫補助陳情書  (第四号)  肥料増配に関する陳情書  (第五号)  治山事業に対する国庫補助増額陳情書  (第一二号)  農林水産金融円滑化に関する陳情書  (第二一号)  肥料公団廃止陳情書  (第三二号)  主要食糧供出に関する陳情書  (第三四号)  治山治水対策に関する陳情書  (第  四〇号)  農地改革打切り反対陳情書  (第  五二号)  同  (第五七号)  食糧事務所検査員の増員に関する陳情書  (第六二号)  樹苗養成事業に対する国庫補助増額陳情書  (第六四号)  農業災害補償法中一部改正陳情書  (第六七号)  関西地方治山事業緊急促進に関する陳情書  (第九  〇号)  林業振興に関する陳情書  (第九  四号)  治山治水事業振興に関する陳情書  (第九五号)  地方競馬課税控除率低減に関する陳情書  (第一〇三  号)  早場米奨励金に関する陳情書  (一〇四号)  陰樹伐採法制定に伴いはぜ樹除外陳情書  (第一一六号)  北海道における国営競馬地方競馬の交流に関  する陳情書  (第一一  七号)  早場米奨励金に関する陳情書  (第一  一八号)  中央作況決定審議会知事代表加入陳情書  (第一二四号) 昭和二十五年二月六日  中京国営競馬場設置陳情書  (第一四六号)  競馬法一部改正陳情書  (第一五九号)  油糧需給調整規則に関する陳情書  (  第一六四号)  農地改革打切り反対陳情書外一件  (第  一七二号)  農業災害補償制度拡充強化に関する陳情書  (第一八四号)  農地改革打切り反対陳情書  (第一八五  号)  同(  第一九二号)  農地改良事業に関する陳情書  (第二〇六号)  稲熱病防除資材購入費国庫補助陳情書  (第二二三号)  埼玉県下における二十四年度米割当基準是正  の陳情書  (第二二六号)  造林事業法案制定促進陳情書  (第二二八号)  食糧供出に関する陳情書  (第二三三号)  農地改革打切り反対陳情書  (第  二三五号)  わら工品に対する緊急施策陳情書  (第二  五九号)  農業災害による損失耕地補償に関する陳情書  (第二八一号)  農業災害補償制度改正に関する陳情書  (  第二八二号)  早川林道改修工事施行陳情書  (第二八八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  農林行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議を開きます。  本日は先日の理事会決定を願いました通り、まず農林大臣より農政一般に関する説明を聴取いたしたのち、各局長より各局予算に関する説明を求めたいと思いますが、いまだ大臣出席がありませんから、各局予算につきまして各局長より説明をお願いいたします。  それでは先ず大臣官房予算につきまして伊東政府委員よりお願いいたします。
  3. 伊東正義

    伊東(正)政府委員 ただいま委員長より御指名がありましたので、全般的な御説明等大臣がなされますので、私単に官房だけに限定しまして簡単に御説明いたします。  官房予算といたしまして、皆さんのお手元参考資料として私の方で昭和二十五年度予算要求説明資料という資料を差上げてありますが、その中に昭和二十五年度一般会計歳出予算要求事項別表というのがありまして、前年度と対照いたしておりますので、それをごらん願いますとけつこうかと思います。これには農林省一般会計全部につきまして、前年度予算と今年度予算、それから農林省大蔵省に要求しました金額、こういうものを比較してあります。この表は官房以下ずつと各局一般会計全部につきまして、今申し上げましたように、三十四年度予算額査定額をあげてあります。査定額というのは、今国会に提出しておりますところの予算であります。その左の概算要求額というのは、農林省が当初大蔵省へ要求しました金額であります。そういうふうに比較いたしまして、三段にわけて書いてあります。  官房予算と申しますのは、昨年の機構改革総務局と前の官房一緒になりまして、前の総務局と古い官房両方予算一緒なつたものでありますが、この予算では、特に一々御説明いたすような予算は少いのでありまして、特に問題になるような予算についてだけ、簡単に御説明いたさうと思います。  この上の方の一、二、三、四というのは、従来の予算の立て方で、大体農林省全般共通経費というようなものをここに入れておるのでありまして、たとえば全額の大きい四番目の厚生課などの約三億という予算が入つておりますが、これは農林省全般退官退職の手当でありますとか、あるいは共済組合交付金というようなものが入つておりますので、金額が大きくなつておりますが、特に農林政策に何か関係があるというところまでの予算は入つておりません。  それから五番、六番もただ人件費事務費が入つておるだけでありまして、たいした予算ではございません。  七番目の農林金融行政に関する予算、これも備考のところにちよつと書いてありますが、大体この中で大きな金額は、農業関係長期資金の造成と申しますと、協同組合貯蓄奨励でありますが、そういうふうな関係のものに補助をするというような経費をこれに組んでおります。  次の八番目の渉外事務処理、これも大体人件費事務費だけでありまして、特に説明いたすようなものは入つておりません。  それから九番目の農林行政施策浸透というのがありますが、これは司令部等からも大分サゼスチョンのある予算でありまして、弘報関係予算相当に入つております。これはたとえば文化映画作製費でありますとか、あるいは農林省と県と一緒になつて農村巡回相談をいたしますとか、あるいは農林省関係印刷物を各末端協同組合に配付いたしまして、農林政策末端への浸透をはかつて行くというような費用がここに入つておるのであります。  それから次の十番目でありますが、これは今まではわずかな金額で、重要農林政策調査をやつておつたのでありますが、いよいよ農業問題も国際経済の中へ入りまして、いろいろ外国農業事情等相当研究しなければならぬ、外国経済事情がすぐに資本の農業にも響いて来るというような関係なつて来ますので、これは人もふやし、従来よりも規模を大きくして、いろいろな重要事項調査をしようというのでありまして、おもに海外事情調査等でありますが、そういうような経費を昨年よりは大分増額して組んでおります。  十一番目は、これはたいした予算ではありませんで、従来のリンク物資でありますとか、あるいは労務物資配給の適正をはかるということからこの予算が入つて来ましたもので、従来のままの予算をここに計上してあります。  それから十二番目でありますが、これは国家公務員法施行になりまして、職階制でありますとか、いろいろな給与の関係大分手間のかかる仕事がふえて参りましたので、そのために新しく人を置いてこの法律の施行の万全を期して行く必要から、人事院等からも大分要求がありまして、各省大体共通のような形でこの予算を新しく組んでおります。  十三番目に、農林畜水産物輸出促進とありますが、これも全然新規通りました予算であります。内容といたしましては、安本、通産省との関係におきまして、農林関係物資輸出計画を立てまして、関係の方面と相談いたしますとか、農林省といたしましては、通産省一緒にやつているのでありますが、どういう物資が必要かという認定などの仕事もあるのであります。そういうものも、本省だけではなくて、地方出先機関でもそういう認定をやらせて、輸出入の促進をやつて行くという関係で、これは貿易関係を重視したということで新規にこの予算が計上されているような次第であります。  次の農林物資輸出検査は、今御説明している印刷物の十五ページの輸出品検査所と一本の予算でありますが、予算組織別に組みました関係上、こういうふうに両方にわけたのでありまして、金額輸出品検査所が一億九百万、前段の方が七百九十万とありますが、これは合計されまして輸出品検査金額とごらん願いたいのであります。これは昨年よりも金額がふえているのでありまして、農林省といたしましては、例の輸出品取締法ですか、あの関係で昨年度あたりは大分クレーム問題等が出ました関係上、従来貿易公団でやつておりました組織を、そのまま引継いで二十四年度はやつたのでありますが、どうしても人手が足りぬということで、大分問題も出て参りますし、輸出品向上ということから考えまして、検査所出張所支所等も大分増加して、貿易促進をはかつて行くという意味合からいたしまして、人も二百数十名ふやしましてこの機構を充実したようなわけであります。  次の十五番目は物資割当の命でありますが、これも物資割当の金を十八ページの上にある資材調整事務所の金が二億四千八百万円上つております。これを一緒にごらん願いたい。この十五番目は本省関係資用、それから十八ページにありますのは地方資材調整事務所関係費用ということで、わけて書いてあります。これはごらん願えばわかりますように、二十四年度に比較いたしますと金額は大分減つておるわけであります。これは御承知のように、指定生産資材割当でありますとか、資材統制関係大分解除になりますので、機構を縮小いたしまして、人間も大体九百人程度二十四年度より落しまして一応ここに載せておるのであります。しかしこの資材調整事務所の問題につきましては、あるいは後ほど大臣からお話があるかとも思いますが、これは大分問題でありまして、一応この予算を組みますときに、機構の問題として県移管の問題があつたのであります。それはたとえば国営競馬の問題とか、あるいは資材調整事務所も県に移管したらどうかという話も大分あつたのでありますが、一応予算には競馬国営競馬という形で組んでおる。資材調整事務所もやはり農林省地方出先機関として予算に組んでいたのでありますが、最近あるいはこれを県の方へ委譲しようかという話合いにも今なつております。まだ最後の決定として私から申し上げかねますが、今この問題につきましてはそういう動きがあります。もしもこれが地方委譲ということになりました場合には、この予算を一応補助金として、この使途については補助金として県に出して行くというようにいたす考えでおりますが、これも機構がはつきりきまりましてから、県にやるか、あるいは国にそのまま置くかということが、予算上その決定によりまして、これを動かすかどうかというようなことに相なるわけなのであります。  大体官房予算は以上の程度であります。
  4. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次に農政局予算につきまして、藤田農政局長より説明を願います。
  5. 藤田巖

    藤田政府委員 お手元にお配りをいたしました昭和二十五年度農政局予算概要というのがありますので、それでごらんをいただきたいと思います。  一般会計について申し上げてみますと、農政局関係予算は二十四年度――これは本局及び場所を含めまして、総計で四十九億八千三百六十三万二千円でありますが、昭和二十五年度におきましては四十二億五千七百九十一万三千円、そういうふうになつておるわけであります。大体農政局関係予算は、昭和二十四年度の当初予算と、それから補正予算相当増額いたしておりますが、その額と大体同じ程度でございまして、ただ減少をいたしております理由は、一つ肥料配給公団赤字補填、そういう金が昭和二十四年度には約三億五千万円組まれておりましたのが、二十五年度におきましてはこれを見込む必要がないということ、それからもう一つ農業保険費におきまして、昨年度におきまして麦の災害が非常に多かつたために、補正予算をもつて約四億程度要求をいたして通つております。その金が落ちておるのであります。総額におきましては、二十四年度の本予算及び補正予算合計額と大体似ておるような数字に相なつておるわけであります。  次に農政局予算のうちで特におもなものを簡単に御説明をいたしますと、まず農政局関係予算では、農業生産増強関係というふうな費目があります。そこに三、四、五、六、八、九、一〇というふうに二八まで拾い上げるとあるわけでありますが、三の食糧増産確保に必要な経費、これは昨年度と大体同じ程度でありまして、米麦その他主要食料農産物増産対策の推進をはかりまして、特に農業生産計画を実行し、優良種苗需給調整施設等徹底を期するために必要な本省事務費人件費と、都道府県の指導施設及びばれいしよ、とうもろこし原種圃設置費補助なつております。本年度特に加わりましたのは、新規事業といたしましてとうもろこし原種圏補助、これをいたしますのが食糧増産確保に必要な経費のうち新規なつております。これが六百万円程度とれております。前年に比して金額が減になつておりますのは、病害虫防除費用を別途経費として別に経費を組みかえましたために減つたのであります。実質上の減少ではございません。  次に一〇の単作地帯対策でございますが、これは昨年は北海道温床苗代に対しましての設置費助成を約一億計上いたしたのでありますが、今年度北海道のみならず東北北陸地方等寒冷地に属する地帯水稲作につきましても、これは非常に不安定でございますので、これらの地帯の稲作を安定化し、増産をはかるために特に保温折衷苗代普及奨励をはかる。それから寒冷地帯に適する紫雲英採種圃を設置して地方向上をはかるという意味合いをもちまして、本年度は約一億四千万円増額をいたしております。それでもう少しこまかく申しますと、水稲保温折衷苗代設置補助――これは東北北陸地帯でありますが、この金が約九千三十万円でございまして、これは苗代が大体四百二七万坪、坪当り二十一円五十銭という計算で計上いたしております。それから水稲温床苗代設置福助、これは従来北海道に対するものでありまして、これが昨年程度、一億二十九万七千円であります。大体二百九十八万五千坪程度坪当り三十三円六十銭計算にいたしております。それから紫雲英採種圃設置補助、これは金が五千七百三十二万円程度、四万二千反、一反当り千三百六十一円、こういうふうな計算をいたしておるのであります。  次に農作物病害虫防除であります。この農作物病害虫防除に必要な経費は、昨年は九千百五十二万一千円でありましたのが、本年は三千九百六万五千円でありまして、非常に減少しておるようでありますが、これは実は昨年度補正予算で、二十四年度は非常にいもちが発生いたしましたが、そのいもち補助といたしまして、八千八百万円というものが認められております。今回はその金が落ちております。それ以外につきましての増加があつたわけでありまして、内容を申しますと、ばれいしよのリングロツトの駆除予防費補助が約四百六十万円、アメリカシロヒトリの補助が五百万円、害虫駆除予防費補助といたしまして、これは一般にいろいろのものがあるであろうということを予想いたしましての一般的な補助でありますが、これが九百六十万円、それからその他本年におきましては、植物防疫法の実施と関連をいたしまして、機動防除用動力噴霧機を二百三十台購入をいたし、これを無償で貸付するという趣旨からいたしまして、千六百十万円、これが計上いたされておるわけであります。  それから次に農薬検査であります。この金が非常に昨年度と比べまして減つておるのでありますが、これは御承知通り、昨年度緊急農薬管理費といたしまして、肥料公団農薬を一時管理をするというその管理費を見込んでおりまして、この金が大体一千四百六十万円あつたのであります。農薬生産需給事情相当順調になつて参りましたので、二十五年度会計年度におきましては、この金が落ちておりますために減額になつておるのであります。  次には農家経済安定関係施設といたしましての農業共済保険補助関係であります。これは昨年は二十四億、ございましたのが、ことしは二十億でありますが、これも先ほど申しましたように、昨年度補正予算で麦の保険金の支払いの不足に充てますために、約四億程度補正予算が計上されて、実施しております。それ以外の部分につきましては、これは昨年補正予算において増額いたしましたと同じ金額が二十五年度において認められたということであります。  次に農業調整に関する経費でございます。これが昨年度は十六億三千六百五十一万二千円でありますが、本年度におきましては十五億九千二百四十五万円であります。これは御承知通り農業計画を実施いたしますについて、農業調整委員会がこの仕事に当るわけでありまして、農業調整委員会仕事するのについて必要な費用と相なつております。これも二十四年度補正予算相当額増額をいたしましてその増額いたしましたのがそのまま二十五年度においても認められておるのでありまして、ただ全体の額として減少いたしておりますのは、これは今回の昭和二十五年度からは、市町村の農業調整委員会農地委員会と統合をして一緒になり、農業委員会として発足することに相なります。そういうふうな関係委員会の数が減少いたしますに伴つて減少でございまして、これも実質上は補正予算と同じ単価で認められておるわけであります。  以上は大体一般会計についてのおもな事項でありますが、特別会計につきましては、農業共済保険特別会計、これは別途昭和二十五年度農業共済保険特別会計予算説明という印刷物がございます。それをごらんいただきたいと思います。大体歳入全部の総額が、農業勘定において四十二億二千六百九十七万三千円に相なつております。その内訳は再保険料は三億一千二百二十三万二千円、それから一般会計からの受入れが十億二千九百二十万五千円、この内訳歳入不足補填金としてて二十五年度は九億一千五百二十万六千円が計上されておりますけれども、もう一つは蚕繭共済掛金を国庫で負担するようになりましたその金額は一億一千三百九十九万九千円になつております。食糧管理特別会計の中からの受入れが二十六億九千二百一万一千円であります。その内訳は水稲が二十一億、陸稲が一億、麦が三億九千万円、かように相なつております。  歳出のおもなるものはこれは保険金の約二十八億五千五百五十七万五千円、農業共済組合連合会の交付金が大体六千四百五十五万円計上いたしてあります。なお他会計への繰入れが五千百九十九万五千円と申しますのは、これは二十三年度水陸稲につきまして再保険が不足いたしましたために、日銀から約四億三千万円、預金部から約六億六千万円、合計して十億九千万円借入れをいたしております。その借入金の利子がここに計上されておるわけであります。なおその他予備費といたしまして十二億五千四百五十四万一千円、これが歳出として見積りをしておるわけであります。  その他家畜勘定はその次に書いてございますように、再保険料は十億七千二百五十三万四千円、一般会計からの繰入れが一億七千六百八万八千円、これも補正予算において新しく認められました死亡廃用共済掛金の二分の一を国庫で負担する、この金が歳入として計上されております。前年度からの繰越金、未経過再保険料六億三千四百四十四万八千円、こういうふうに相なつております。歳出につきましてもそこに載つております資料でごらんいただきたいと思います。  以上大体におきまして農業共済再保険の特別会計は、これは昭和二十四年度特別会計とその負担のぐあいも全然同じでございます。そのベースもかわりありません。
  6. 小笠原八十美

    小笠原委員長 各局予算説明は途中でありますが、大臣出席されましたから、農政一般に関しましてその説明を聴取いたすことといたします。森農林大臣
  7. 森幸太郎

    ○森国務大臣 えらい遅れまして二、三各主管について御説明したようでありますから、あるいは数字等重複する点があるかと存じますが、一応所管の予算内容について説明をいたしたいと存じます。  昭和二十五年度農林省所管の予定経費の要求額は一般会計において、二百九億二千八百九十八万円でありまして、これを二十四年度当初予算額二百十四億五千四百三十一万円と比較いたしますと、五億二千五百三十三万円の減少となり、二十四年度補正予算を含めた年間予算総額四百五十五億四千三百四十八万円に比較いたせば、二百四十六億一千四百五十万円の減少となります。  このやうに二十四年度に比し大幅の減少を示しておりますのは、二十四年度補正予算に食糧管理特別会計繰入れ百七十億九千三百万円、薪炭需給調節特別会計繰入れ五十四億七千万円があるためであります。従つて二十四年度予算年間総額から、これら両特別会計繰入れを除いた二百二十九億八千四十八万円と比較いたしますと、二十五年度予算は十四億三千八百五十一万円の減少となり、国の一般会計予算要求総額減少一一%弱でありますが、これに比較いたしまして、農林省所管は六%強の減少にとどまつております。  なお二十五年度は、シヤウプ勧告によりまして、若干の補助金、約一億四千七百万円が地方財政平衡交付金に吸収されましたし、森林害虫駆除の関係が、公共事業費から一般会計に組みかえられ、これが二十五万円の増でありますが、また国有林野事業特別会計の独立採算の見地から、従来同特別会計に計上されていた林業試験場費、これが八百八万円減少しております。及び国有林治山事業事務費が、一般会計に組みかえられ、また第一水産講習所関係経費は、所管がえによつて文部省の予算に組みかえられる等、予算の組み方に若干の変動があつたわけであります。  これらの予定経費要求額は、お手元に差上げてあります予定経費要求書に定めるところに従い、部、款、項、目、節に区分して支出する予定でありますが、その重要な事項について説明いたしますと、次の通りであります。  第一に、わが国民経済復興と安定えの要請上、何と申しましても緊要欠くべからざるものは、食糧事情の安定でありまして、これがため一般会計におきましては、食糧の増産関係に六十二億九百四十八万円、食糧供出関係に三十六億九千二百九万円を予算いたし、これらを合せますと、一般会計予算要求額の四七%弱に達し、農林省といたしまして、全力をこの点に傾倒しているわけであります。なおこのほか、食糧管理特別会計におきましても、食糧事情の安定上三百四十万トンに上る食糧輸入を予定いたしております。  食糧増産関係六十二億九百四十八万円については、このうち農政局に二十三億六千九百二十五万円、動植物検疫に五千九十五万円、肥料検査所に一千八十四万円、農薬検査所に六百三十五万円、ばれいしよ原々種農場に九千百七十一万円、農業改良局に六億八千五百六十一万円、畜産局に八千三百七十二万円、種畜牧場に二億七百七十四万円、食糧庁に二十六億九千二百一万円を予算いたしたものでありまして、三十四年度の三十三億九千四十一万円に対し、一億六千七百六十八万円減少しておりますが、一般会計総額に対する比率におきましては、二十四年度の一四・七%、前に述べた両特別会計への繰入れを除いて計算したものでありますが、十五・四%と多少増加し、大体において二十四年度の規模を踏襲しております。  この経費は、申すまでもなく、食糧の増産をはかり、農家経済の安定とわが国経済の復興を促進いたしますために、農民諸君に対するこれが適切なる指針を与え、進歩せる農業技術の普及、優良なる種苗の確保、農業用諸資材の適正なる配給確保等の事業を行いますとともに、農業経営に甚大なる影響を及ぼす天災や病虫害等に対する対策といたしまして、共済保険制度を実施するための経費であります。食糧増産関係六十二億九百四十八万円のうち、農業共済保険制度を実施するための経費が一番大きく、四十七億七十七万円を占めておりまして、特に二十五年度は、二十四年度における麦の被害の実情にかんがみ、異常災害が発生した場合の支払基金として、農業共済保険特別会計に繰入れる経費九億一千五百二十万円を要求いたしております。このほか食糧増産関係で、二十四年度とかわつております点は、第一に、単作地帯対策に力を入れまして、二十五年度北海道のみならず、東北、北陸等寒冷単作地帯の稲作を安定し増産をはかりますために、水稲保温折衷苗代水稲温床苗代及び紫雲英採種圃設置に要する経費補助二億四千七百九十一万円を要求しております点を、第二に、二十四年度補正予算で成立しました病害虫の防除を、本格的に実施することにいたしました点、第三に、農業改良普及員を二千五百名増員いたしまして、進歩せる農業技術の普及をはかりました点、第四に、優良種牡畜の利用拡大をはかり、家畜の改良増殖を促進いたしますために、新たに人工授精施設に必要な経費を要求いたしました点等であります。  食糧供出関係経費は三十六億九千二百九万円でありまして、このうち農政局に計上されてあります十五億九千二百四十五万円は、主要食糧の生産及び供出を確保するために、農業調整委員会の運用によつて、生産及び供出数量の事前割当、補正等を行い、それに必要な諸資材の計画的割当農業計画を樹立実施するための経費であり、農業改良局に計上されてあります一億一千六百六十六万円、及び作物報告事務所に計上されてあります十九億七千三百六十万円は、右の農業計画に必要な耕地面積、作付面積、予想収穫高、推定実収高、地方調査等の諸調査を行うための経費でありまして、二十五年度は特に農作物の被害状況を明らかにし、補正割当を適正にするために、新たに被害調査を実施せることにいたしております。そのほか食糧庁に食糧管理に関する諸調査に要する経費九百三十七万円を予算いたしております。  食糧供出関係経費は、二十四年度の四十一億三十四万円に比し、四億八百二十五万円減少しておりますが、これは主として農作物調査に要する諸経費の節約によるものであり、また市町村農業調整委員会が八月から農地委員会と合体いたしまして、農業委員会となります関係上、委員会の数を農地委員会に合せて減らしましたため、若干減少を見ております。  次に農地改革のために三十億六千五十万円、このうち二十九億九千三万円を農地局に、七千四十七万円を農地事務局に予算いたしております。この経費は、申すまでもなく農地解放についての残務及び経理事務の促進、牧野の解放、並びに開拓事業のための未墾地の取得、売渡し事業を行う経費でありまして、既墾地及び牧野関係に二十四億五千三百六十三万円、未墾地関係に六億六百八十七万円を予算いたしております。二十四年度の農地改革費三十九億七千八百七十七万円に比し、二十五年度は九億一千八百二十七万円を減少し、総体の比率におきましても、二十四年度の一七%から三%弱減少しておりますのは、農地改革事業も大体において一段落に達し、所期の目的を着々達成したことによるのでありまして、農地改革実行の第一線の末端機関であります市町村農地委員会も二十五年度からは書記二名を一名に減じ、八月から市町村農業調整委員会と合体し、農業委員会として発足するわけであります。  次に開拓事業のために十九億一千六十三万円、このうち農地局に十六億六千二百八十二万円を、農地事務局に二億四千七百八十万円を予算いたしております。もつとも開拓事業につきましては所管外ではありますが、後に述べまする公共事業費に五十一億八千三百二十九万円を要求いたしてありまして、一般会計ではそれに要する事務費と入植及び営農に関する適切な指導に要する人件費その事の諸施設に要する経費が要求されておるわけでありまして、そのほか開拓者資金融通特別会計におきまして、入植者の営農資金及び共同施設資金を十一億八千九百八十万円融資することになつておりますが、その貸付金及び同特別会計の国債、借入金利子の財源として十三億六千五百七十五万円を一般会計より繰入れることとしてあります。  申すまでもなく、国内開拓の事業は、食糧増産の基本的対策でありますとともに、海外引揚農民吸収の適切な対策でありますので、公共事業費における開拓事業費も大幅に増加し、一般会計における開拓関係経費の比重も九%強に達し、農林省として大いに力を入れておるところであります。  次に治山治水のために十一億四千四百六十五万円を林野庁に予算してあります。戦時戦後を通ずる山林の過伐濫伐は、年々水害の累増となつて現われております現状にかんがみ、すみやかにこれに対処して、治山治水事業を実施し、国土の保安をはかりますことは、経済復興と民生安定の急務でありまして、保安林制度を整備拡充し、民有林の施業案を普及して、その経営を計画的ならしめ、過伐濫伐を防止して造林を奨励するために必要な経費を計上したものでありまして、ほかに森林の害虫駆除に要する経費、治山及び造林事業を実施する公共事業費の事務費を見ております。公共事業費におきましては所管外でありますが、後に述べますように、この関係で四十億の経費が要求してあります。  治山治水関係では、二十四年度の八億七千五百九十九万円に比し、二十五年度は三億六千八百六十六万円を増加しており、総体の比率におきましても二十四年度の三・八%から二十五年度は五・四%と増加し治山治水に力を入れておることがわかるわけであります。  次に試験研究及び調査研究のために、十七億四千七百八十九万円、そのうち系統的な、試験研究機関による、試験研究費を十三億三千四百万円予定しておりまして、これを農業改良局に一億八百九十八万円、農業研究所に一億四千九百四十二万円、農業試験場に三億五千三百四十六万円、農業総合研究費に二千百七十五万円、農事改良実験費に一億七百六十七万円、蚕糸試験場に一億五千六百四十一万円、家畜衛生試験場に二億二千三百十一万円、食糧研究所に二千五十二万円、林業試験場に一億三千九百十五万円、水産研究所に二億六百八十四万円を予算いたしております。その他調査研究費といたしまして農業改良局に九千七百五十六万円、作物報告事務所に二億五千七百四十五万円、水産庁に四千九百三万円、林野庁に百八十一万円、蚕糸局に三百二十三万円、官房に四百六十八万円、合計四億一千三百七十九万円を予算いたしております。申すまでもなく試験研究及び調査は技術の発達と経済の進歩の原動力でありまして、わが国のごとく経済の発達の遅れている国におきましては、あらゆる分野において試験研究と調査の必要は痛切に感ぜられるところでありますが、わけても零細な生産者が狭小な国土にゐ集し、技術と経済の発展が他産業に比し特に遅れております農林水産業におきましては、その必要性はなおさら大きいのであります。この意味におきまして試験研究と調査は特に重視いたしまして懸案の試験研究機関の整備統合も結論を得まして、二十四年度の十五億八千四百四十八万円に対し、二十五年度は十七億四千七百八十九万円と二億余円を増加し、総体の比率におきましても、二十四年度の六・九%から八・四%へと増加しておるわけであります。  次に統制の撤廃ないし緩和は、二十五年度予算編成の基本方針となつておりますが、農林省関係におきましても大幅に統制を緩和ないし撤廃いたしまして、統制関係経費は二十四年度の二十五億二千六百八十九万円から七億五千三百八十一万円ヘと実に十七億七千三百八万円を減少し、総体の比率におきましては、二十四年度の一一%から三・六%へと大幅の低下を示しております。今その主なるものをあげますれば、物資の需給調整及び物資割当関係――指定生産資財等におきましては、二十四年度の五億四千八百八十八万円から三億一千三百四十九万円へと二億三千五百三十九万円の減少なつており、指定農林物資の集荷配給、繭及び副蚕糸の配給割当、指定農林物資の検査、薪炭の配給統制、鮮魚介及び加工水産物の集出荷配給につきましては、統制の撤廃を予定して経費を要求してありませず、肥料公団及び食糧配給公団に対する交付金は廃止し、その他統制の全般にわたりましてその緩和と経費の節減をはかつてあります。  二十五年度において要求しおります統制関係経費は七億五千三百八十一万円でありまして、これを官房に六千五百四十三万円、資材調整事務所に二億四千八百五万円、農政局に一千九百四十七万円、畜産局に五百四十二万円、食糧庁に九千五百三十万円、林野庁に三十二万円、水産庁に六百二十九万円を予算いたしております。  以上申し上げました食糧増産、供出関係、農地改革、開拓事業、治山治水、試験研究、統制関係経費総額は、百八十五億九百二十四万円に上り、二十五年度一般会計要求総額の八八%強を占めております。右のほか申し落しました一般会計重要事項につきまして簡単に申し上げますと、まず輸出関係では農林省水産物の輸出入促進輸出品の検査のために官房に一千三百三十五万円、輸出品検査所に一億九百八十二万円、合計一億二千三百十七万円を予算いたしておりまして、これは二十四年度の二千三百十四万円に比べまして一億円余の増加なつております。  協同組織関係では農政局に四千百七十二万円、水産庁に一千八百五十五万円、計六千二十七万円を予算し、農漁民の啓蒙と組合役職員等の教育等によつて、農漁村における協同組合運動の自主的発達をはかり、農漁村民主化の促進をはかつております。経費の額については二十四年度と大差はありません。  農村工業及び副業の振興につきましては、農政局に一千五百八十六万円、農村工業指導所に三百七十五万円、計一千九百六十一万円を予算いたし、農家経済の安定を期しております。二十四年度予算一千九十二万円に比し八百六十九万円の増加なつております。  養蚕及び蚕糸業の振興につきましては、さきに述べました蚕糸試験場の試験研究費のほかに養蚕振興対策に必要な経費として一千二十二万円、蚕糸の技術改良に必要な経費として六千九百八十二万円、蚕糸業の指導監督に必要な経費として一千七百八十九万円、合計九千七百九十三万円を蚕糸局に予算し、為替レートの関係や海外市場の変化等の関係から深刻な影響をこうむつておりますわが国蚕糸業及び養蚕業に対し、海外需要に即応した進歩せる技術の普及によつて製糸業や養蚕業の経常を能率化するとともに、蚕病予防のために蚕種の検査を行う等養蚕及び製糸業の振興に努めているわけであります。この経費も二十四年度の八千七百六十九万円に比し、一千二十四万円の増加なつております。  次に家畜衛生のためにはさきに述べました家畜衛生試験場の試験研究費のほか畜産局に二億一千五百二十五万円、家畜衛生試験場に獣疫血清製造費として七千四百七十五万円、計二億九千万円を予算いたしておりまして、家畜疾病の予防及び治療、家畜衛生技術の浸透向上と繁殖障害の除去による生産率の向上をはかるとともに、家畜薬の取締り及びその検査を実施するわけであります。この経費も二十四年度の二億七千四百五十五万円に比し一千五百四十六万円増加しております。  最後に水産関係におきましては、漁業制度改革のために三億八千三百六十三万円を水産庁に予算いたし、新漁業法に基づきますところの新しい漁場秩序を樹立することによりまして、漁業生産力を向上させるとともに、民主的な漁業調整委員会制度の運用によつて、漁業の民主化を期待いたしておるわけであります。そのほか水産増殖のために二千四百八十六万円、沿岸漁業の取締りと指導監督のために一億七千五百七十九万円、合計二億九千百十一万円を水産庁に予算いたしまして、水産界における生産力の増強をはかつております。これらの経費は二十四年度に比し、漁業制度改革において二億五千四百六十一万円、増殖及び取締りにおいて一億三千八百九十九万円と大幅に増加しております。  以上で一般会計に対する概略の説明を終りまして、次に所管外として要求されておりますが、特に密接な関係がありますので、農林水産業関係の公共事業費について概略説明いたしたいと思います。  農林水産業関係の公共事業費の要求総額は二百十八億四千万円でありまして、二十四年度の百七十億四千九百七十八万円に比べますと、四十七億九千二十二万円の増加なつておりますが、公共事業費全体が六百六億六千万円から九百七十億へと大幅に増加しておりますために、公共事業費総要求額に対する農林水産業関係公共事業費要求額の比率は、二十四年度の二八%から二二%へと低下しております。農林水産業関係の公共事業費要求額二百十八億四千万円は、農業に百工十七億、七二%、林業に四十九億五千万円、二三%、水産業に十一億九千万円、五%という配分になつております。  まず農業関係について申し上げますと、農業関係要求総額百五十七億のうち、約四六%に当る七十二億が災害復旧費に充てられておりまして、そのうち六十億六千七百八万余円が農業公共施設災害の復旧に、十一億三千二百九十一万余円が耕地災害復旧費の補助に充てられております。二十四年度農業施設災害復旧事業費は四十七億四百六十九万円でありまして、二十五年度はこれに対し、二十四億九千五百三十一万円の増加なつており、災害復旧に重点が向けられております。特に二十四年度予算におきましては、耕地災害復旧費の補助は打切られ、融資をもつてまかなうこととされたのでありますが、融資も円滑を欠き、利子も相当額に上りますので、農家経済の安定をはかるため、二十四年度補正予算に五億円を計上いたしまして再び補助の対象とし、二十五年度はこれを十一億余円増額要求したわけであります。  災害復旧費を除く八十七億円につきましては、その三九%に当る三十三億一千六百七十万円が土地改良事業費に、四六%に当る三十八億八千三百三十万円が開墾事業費に、一五%に当る十三億が干拓事業費に充てられておりまして、これを二十四年度に比べますと、土地改良事業費において七億四千百七十六万円の増、開墾事業費において四億三千九百三十五万円の増、干拓事業費において四億八千六百三十万円の増、総体で十六億六千七百四十二万円の増加となり、土地改良事業費の増加が一番大きいわけでありまして、土地改良事業に重点が向けられております。  林業につきましては、総要求額四十九億五千万円のうち、造林事業に十九億二千九百十五万円、三九%、治山事業に二十億七千八十五万円、四二%、林道開設に五億五千万円、一一%、災害林道復旧に四億、八%が要求されておりまして、治山事業が最も多く、総額の四二%、次いで造林事業が三九%となつております。これを二十四年度に比べますと、造林事業において五百七十六万円の増、治山事業において八億五千九百六十九万円の増、林道改設において七千九百六十九万円の増、林道災害復旧において四千五百二十九万円の減少となり、結局林業全体として八億九千九百八十五万円の増加なつております。右の増額要求のうち、治山事業が八億五千九百六十九万円で大部分を占め、治山事業に重点を向けておりますことは明らかであります。  なお水産施設につきましては、十一億九千万円を要求しておりまして、このうち漁港修築費が七億五千万円、災害漁港復旧費が四億四千万円であります。これを二十四年度に比較いたしますと、二億二千七百六十四万円の増加なつております。  以上述べました通り、二十五年度における公共事業費要求の特徴は、災害復旧に重点が置かれておることでありまして、農業関係におきましては、その四六%に当る七十二億が、林業におきましては、治山事業災害復旧とを合せ、林業総額の四七%に当る二十三億二千九百十五万円が、水産業におきましては、その三七%に当る四億四千万円が災害復旧費に充てられておるわけであります。  なお前に述べましたように、二十五年度要求額は農林水産業とも二十四年度に比し増加しておりますが、公共事業費要求総額との相対的比率におきましては、農業は二十四年度の一九・八%から一六・三%へ林業は二十四年度の六・七%から五%へ水産業は二十四年度の一・六%から一・二%へとそれぞれ低下しておるわけであります。  引き続きまして、特別会計につきごく簡単に御説明申し上げます。  食糧管理特別会計におきましては、歳入歳出四千八百三億二千四百十九万円でありまして、二十四年度歳入歳出、四千八百四十五億六千百二十二万円に比べまして、四十二億三千八百三万円の減少なつております。予想される輸入食糧の増大や、主要食糧の単価の改訂等を見込みましても、なお四十二億余万円の減少を来しておりますのは、歳入につきましては、食糧配給公団納付金の廃止による減少六十一億三千四十九万円と物品払下代等雑収入の減少二十五億一千四百五十二万円を見込んでおるためであり、歳出につきましては、二十四年度四百九十三億九千八百八十四万円に上りました、いも類買上げの経費減少しているためであります。従いまして食糧売払い代金のみについて見ますれば、二十四年度の三千三百七十一億五千五百七万円から三千五百八十八億六千六百四十一万円と二百十七億一千百三十四万円の増加となり、いも類を除いた食糧買入代金のみについて見ますれば、二十四年度の二千六百七十四億七千六百七十八万円から三千百十七億九千七百五十六万円と四百四十三億二千七十八万円の増加なつております。輸入食糧につきましては、三百四十万トンを見込んでおり、いも類につきましては食糧買入代金の総額の範囲内において、実行上必要なる数量の買入を行うことになつております。  農業共済保険特別会計は、農業勘定におきまして、歳入歳出四十二億二千六百九十七万円で、二十四年度の五十三億三千六百八十六万円に比し十一億九百八十九万円の減少なつておりますが、これは歳入につきましては、主として借入金収入の減少、歳出につきましては、主として農業共済組合連合会に対する交付金減少と、国債整理基金特別会計繰入れの減少によるものであります。また家畜勘定におきましては、二十四年度の十八億十五万円に対し、二十五年度は十八億八千三百十万円でありまして、八千二百九十四万円の増加なつておりますが、これは前年度の引受けにかかる未経過保険料の収入増と、保険事故発生による再保険金支払に必要な経費増加によるものであります。業務勘定では二十四年度の一千三百九十三万円に比し、二十五年度は二千九百七十八万円と一千五百八十四万円を増加しておりますが、これは再保険事務の整備拡充による人件費、事務員の増加によるものであります。  森林火災保険特別会計におきましては、歳入歳出五千八百六十二万円でありまして、二十四年度の四千四百二十二万円に比し一千四百四十万円の増加なつておりますが、これは主として未経過保険料と無事戻金支払の財源に充てる支払備金受入れ収入の増によるものであり、漁船再保険特別会計歳入歳出二億九千六十一万円でありまして、二十四年度予算の二億八千四百一十三万円と大差のないところであります。  次に自作農創設特別会計におきましては歳入において六十四億三千四百八十一万円で、二十四年度の四十九億三千二百七十九万円に比し十五億一千二百万二円の増加なつておりますが、これは前年度決算剰余金の受入れが二十四年度の二十二億から四十九億八千七十三万円へと二十七億余万円増加しておるためであり、また歳出におきましては、六十三億九千六百五十三万円で、二十四年度の二十七億七千四百七十二万円と大幅に三十六億二千百八十一万円を増加しておりますが、これは農地証券を繰上げ償還いたします関係上、農地証券の償却金及び償却手数料が大幅に増加して四十八億八千二百五十万円に上つておるためであります。     〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕  開拓者資金融通特別会計歳入歳出は十三億九千八百四十四万円でありまして、二十四年度の二十一億四百七十三万円に比し七億六百二十九万円の減少でありますが、これは開拓者に対する融通資金の縮小に伴うものであります。  国有林野事業特別会計におきましては、歳入歳出百五十一億円でありまして、二十四年度の百三十億三千二百七十七万円に比し二十億六千七百二十三万円の増加でありますが、これは林道事業、造林事業及び治山治水事業等の経費に充てるため、米国対日援助見返り資金特別会計から三十億円を受入れているためでありまして、事業の経営面におきましては、景気の後退のために縮少を余儀なくされ、素材、製材、薪炭等直営生産物の売払い収入は、二十四年度の百一億二千五百五十八万円から二十五年度は九十億二千百八十五万円と十一億三百七十三万円の減少を示しております。  終りに国貨競馬特別会計の投票券勘定におきましては、歳入歳出五十七億八千四百十七万円でありまして、二十四年度の六十七億七千五百二十七万円に比べ九億九千百十万円を減少しておりますが、これは税金の関係や競輪との競争、一般的購買力の低下等による勝馬投票券発売金の収入減少を見込んだためであります。従いまして業務勘定の方も、二十四年度の二十六億二千八百四十八万円に比ベ二十五年度歳入歳出は、二十二億六千九百七十八万円と三億五千八百七十万円の減少なつております。  以上所管の予定経費要求のごく概略を御説明いたしました次第でありますが、よろしく御審議をお願いいたします。
  8. 松浦東介

    ○松浦委員長代理 これにて農林大臣説明は終りました。  それでは引続きまして農地局の予算につきまして山添政府委員よりその説明をお願いいたします。     〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
  9. 山添利作

    ○山添政府委員 まず公共事業費から御説明いたしますが、お手元昭和二十五年度公共事業予算書、農林省農地局というのがお配りしてございますから、それをごらんいただきます。  ただいま農林大臣から御説明がありましたように、土地改良費並びに災害復旧費を含めまして、二十五年度においては百五十七億でございます。二十四年度においては補正予算の二十一億を含めまして百二十億でありまして、その間三十六億の増加と相なつております。この経費を通常の土地改良並びに災害復旧にわけますると、通常の土地改良の方は八十五億円であります。災害復旧の方は七十二億円と相なつておるのであります。この通常の土地改良八十五億円は昨年の六十八億円に比べますと十六億円の増加をいたしておるのでありまして、なおこの八十五億円を水等に関しまする土地改良と、それから開墾、干拓関係にわけてみますると、土地改良事業費の方は三十三億円で、開墾及び干拓を含めましての経費は五十一億円と粗なつておるわけであります。これを項目別にごく簡単に御説明いたします。一般公共事業費の土地改良事業費として一番目に国営灌がい排水事業費というのがございます。これは本年度十三億円でありまして、昨年の九億五千万円に比べますと三億九千万円増加しております。地区にいたしますとこれは同数でありますが、二十五年度に新しく加えます地区は奈良県の旱害を救うための十津川の方の総合開発計画がございます。それから児島湾を締め切りまして、これを淡水化しまして、あの地方の干拓地の用水源に充てる。また交通等の便をはかる、こういう二箇所が新しくつけ加わることになつております。  それから飛ばしまして五番目に灌がい排水事業費補助というのがございます。府県営灌がい排水は十三億円でございまして、昨年の十一億余円から比べますと一億四千万円ふえております。この府県営灌がい排水の中には大規模のものと小さいものとございまして、五百町歩以上でかつ工事がむずかしいというものは大規模としており、それ以外のものを小規模としておるのでありますが、十三億円を大小にわけますと、大規模に属するものが八億五千万円、二十四年度が七億一千万円で、昨年と比較いたしまして一億四千万円大規模の方がふえておるのであります。それ以外に属しまするものは金額は昨年と同額でございます。それぞれ地区が完了いたしますものがございますので、その完了いたしますものにつきましては、ほぼ同数を新しい地区としてつけ加えてやつて行きたいという考えでおります。  それから団体営灌がい排水九千九百万円、昨年はこれが一億五千八百万円でありまして、減少が五千九百万円ということに相なつております。これは御承知のように小さい団体営の灌がい排水の問題の存するところでございます。本年五千九百万円を割当てておりますけれども、実はこれはその次にございまする小規模の土地改良事業補助の中の耕地整理等の中の内地分を加えますると、まあ大体昨年並ということに相なるのでありまして、この点につきましては関連して申し上げますればこういうふうでございまするので、主として見返り資金の運用によりまして補足をし、小さい工事を進めて行きたいという方策をとつておることは御承知通りであります。その見返り資金は二十四年度十九億、二十五年度三十七億五千万円という予定であります。  その次の六番目は小規模の土地改良事業補助でございまして、耕地整理と暗渠排水客土とがございますが、このうち暗渠排水及び客土につきましては、内地は神助をやらないで、北海道についてのみこの助成をいたしておるのでありまして、この小規模の土地改良事業は、内地、北海道にわけてみますると、内地は五千三百万円、北海道は一億四千七百万円、すなわち北海道においては暗渠排水客土というものがおもな仕事をなしておるのでございます。  次に開拓事業費のうち開墾事業費でございます。この開墾事業費としてあげてございますのは、内地分でございます。この国営開墾及び代行開墾という経費は昨年と同額でございまして、これは水の関係あるいは道路をつくるという開墾建設工事に属するものもでございまするが、全然昨年度と同額でございます。この開墾事業費関係で四億五千八百万円ふえておりまするのはこれは次に出て参りまする開墾作業補助並びに入植施設費の方でふえておるのでございます。開墾作業補助は内地は本年九億円、昨年五億円に比較いたしまして、三億八千万円増加いたしておりまするのは単価の増加をいたしたのでありまして、賃金の見積り方を通常のところまで引上げたというのがこの増加なつておる次第であります。次の小団地補助工事を飛ばしまして、入植施設費でありますがこれは住宅等の経費でございます。これにつきましても単価並びに戸数におきましてある程度増加を来しております。次に二番目の干拓計画費を飛ばしまして、北海道開墾事業費、これが十億円、昨年から見ますると、一億三千万円増加をいたしておるのでありますが、この増加をいたしました理由も、建設工事におきましては昨年と同様でございまするが、開墾作業費の単価を増額いたしましたこと等によりまして、増加をいたしたのであります。以上が開墾並びに土地改良の経費でございまするが、なおこのほかに御承知のごとく見返り資金を特別使用する、すなわち財政資金と同じように注ぎ込む。直轄地区に限定されておりまするが、直轄地区に相当注ぎ込むという計画がございまして、それがすベての公共事業費を含めまして、総額百十億円の計画でありまするが、農業方面にどれだけ割当てられまするか、未決定でございますけれども、その分だけはさらにこの八十五億円から増加をいたすことを期待いたしておるわけであります。  災害につきましては、本年非常に力を入れられたところでありまして、原則的に申しまして、昭和二十二年度以前のものにつきましては、これを全部二十五年度で終る。二十三年度につきましては、半分までは終る。二十四年度の、昨年の災害につきましては、補正予算と合せまして三分の一を終了する。こういう計画に相なつておるのでありまして、この七十二億円につきましては、認証の際にはさらに増額になるであろうということを期待いたしておるのであります。なお災害防止施設費、防水溜池、温水溜池、旱害恒久というのがまん中辺にございまするが、これは従来やつておりました施設で、元来から申しますると、これは多くの一般土地改良に属するものでありまして、災害復旧とかではないのでありまするが、二十五年度予算といたしましては、その中に含めて計上をいたしたような次第であります。大体以上が公共事業費に関する事柄でございます。  一般予算につきましては先ほど農林大臣から詳細なる御説明がありましたので、特につけ加えて申し上げることはありませんが、農地局関係の新しい経費といたしましては、土地改良法の施行に関する経費が一億三千万円ばかり計上いたしてございます。この土地改良法の施行に関しまする経費のうちでもいわゆる公共事業費に属するもの及び公共事業の計画に属するものは公共事業費の中に入つております。この中の主たる経費は組合の指導監督のために人員を設置いたしますほかに、農地の交換分合のための補助費の四千六百万円及び、従来耕地整理事業を済ませまして換地処分が完結していないこういう仕事促進のために三千八百万円ばかりを計上いたしております。なお農林大臣及び農政局長より農地委員会農業調整委員会との統合についてのお話がございましたが、その関係につきまして農地改革の関係費用についてちよつと申し上げておきます。この問題になりますのは、結局新しく市町村における農業調整委員会農地委員会が統合されるのでございますが、年間を通じてその経費がどういうことになるかということが問題になるのであります。これにつきましては二つの委員会を持つておりました二十四年度におきまして一市町村の金額農地委員会農業調整委員会を合せまして、すなわち農地委員会は十八万二千円、農業調整委員会は十二万三千円で合計三十万円でございましたが、二十五年度におきましては八月までは農地委員会農業調整委員会はわかれております。それから先は農業委員会一本になるのでありますが、これを通計いたしますと委員会経費は一市町村当り二十二万円ということでありまして、本年度から見ますと八万円減少するわけでありますが、しかしながら委員が統合になるのでありますから、その関係をにらみ合せますと三十万円が二十二万円になるということで、事務費等につきましては本年よりも明年度の方におきましてゆとりが減ることに相なつておるのであります。なお農地改革費の中で、登記の費用がいろいろ問題がありまするが、二十四年度補正予算におきまして、一億一千万円の補正予算を計上いたしたのであります。二十五年度におきましては、三千六百万円ばかり計上をいたしております。また国有林の牧野を開放いたしますための測量等の経費が四千五百万円計上をいたしております。もとよりこの金額はいろいろ所要の経費から比べますると若干少いのでございまするが、その辺はくふうをいたしまして、本年度中に国有林の方の開放は済ましてしまいたいという計画を持つております。おおむねそういう程度でございます。
  10. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて農地局の説明は終りました。この際残余の各局説明は午後一時半より聴取することといたしまして、暫時休憩いたします。     午後零時二十分休憩      ――――◇―――――     午後一時五十一分開議
  11. 小笠原八十美

    小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  それでは畜産局の予算につきまして山根政府委員よりその説明を求めます。山根政府委員
  12. 山根東明

    ○山根政府委員 畜産局の所管の予算につきましてお手元に配付してございます二十五年度予算要求説明資料に基いて簡単に私から御説明をいたします。横書に項目別に金額を書いてあります十六ページ以降にまとめてございますので、そこをごらん願いたいと思います。  この表を総計していただくとわかると思うのでありますが、念のため私から便宜最初に総括して申し上げますと、私の方の予算の総計は一般会計において六億七千二百七十八万一千円になります。この内訳は畜産本局で三億一千三百七十四万三千円、種畜牧場の経営費が二億一千三百九十二万円、家畜衛生試験場が一億四千五百十一万八千円でございます。合せまして最初申しましたように六億七千二百七十八万一千円、これが畜産局所管の一般会計予算総額でございます。  このほかに特別会計として競馬施行に必要な経費が八億三千九百二万円計上してございます。このほかに平衡交付金として地方庁へ交付されます金額を、便宜私の方の関係のもののみをトータルしてみますと、二千百六十三万二千六百円、以上が畜産局所管事項に関しまする予算総額でございます。  内訳についてお手元資料に基いて特に重要な問題を拾い上げて御説明いたします。一の畜産局一般行政、二の種畜法施行、これは特に申し上げることはありません。昨年と大体同じ金額でもありますし、同じ考え方で組んであります。  次に種畜の確保、これがここにありますように三千四百四十七万一千円計上してございますが、これは国が必要な種畜を購買いたしまして、必要な個所にこれを貸付するという施設でございます。これは私どもの方としては、生産地の刺激にもなりますし、また遅れております生産地をこれによつて開発して行きたいという考え方で、今後力を入れて行きたいと考えております仕事でございまして、昨年度も同じような施設はいたしたのでありますが、若干経費増額いたしまして、昨年はたしか二千五百万円くらいでありましたか、本年は三千四百四十七万一千円に増額いたして、購買家畜の頭数なり範囲を広げて参りたいと考えております。  次の種畜牧場管理に必要な経費、家禽の増殖奨励に必要な経費、酪農振興に必要な経費、これはいずれも本省におけるそれぞれの項目に必要な人件費事務費等でございまして、昨年度と大体大差ない額を計上いたしております。  次に北海道畜産施設に必要な経費、これは北海道の特殊性にかんがみまして、北海道における畜産振興の人件費を私の方の予算に計上しておるものでございまして、これも昨年度と大体同じであります。  次に人工受精施設に必要な経費二千四百七十万円とございますが、これはまつたく新規経費でございます。人工受精につきましては、すでに実際には今日まで一部行われて来ておるのでありますが、本年度から私どもの方では予算化いたしまして、人工受精所の設置並びにそこに繋養をいたします種畜の飼養費でありますとか、あるいは人工受精に必要な器具機械の設置費、さらに管理人の人件費等を補助いたしまして、全国で二百六十箇所の人工受精施設を本年度は新しく設けたいということで、従来までなかつた予算でありますが、今年は二千四百七十万円を計上いたしたのであります。  次の有畜営農の奨励に必要な経費、自給飼料の増産供給確保に必要な経費、統制飼料の生産並びに供給確保に必要な経費、牧野改良に必要な経費、これも例年計上いたしまして御審議をお願いいたしておりますると同じような考え方で、大体金額にも大した異同のない金額を計上してございます。次に家畜疾病予防に必要な経費でございますが、これも家畜伝染病の予防のために本省相当の人数を置いておるのであります。このほかに獣医師の試験でありますとか、あるいは装蹄師の試験のために必要な経費等を含みまして、この家畜疾病予防に必要な経費千百六十六万四千円、これも特に新しい項目ではございません。  次に家畜生産率向上に必要な経費、これも新しい経費ではございませんで、職員の経費若干でありますが、地方に対する補助金、委託費等が盛られてあります。  家畜衛生技術浸透向上に必要な経費三千五百五十三万七千円、これは大部分は御承知と思いますが、地方に家畜衛生指導所を設けているのであります。これに対する補助金でありまして、施設は一昨年から始めたのでありますが、実施した経過にかんがみまして、非常に効果をあげているように実は考えております。また府県側もこの設置を要望していますので、今後も数年間は引続いてこの施設に対しては助成をいたしたい、かような考えで本年度も全国に八十箇所分の指導所を設ける予算を、この三千五百万円の主たる内容にいたしているのであります。  次に家畜薬事に必要な経費、これも前年同様でございます。家畜菜検査に必要な経費でございますが、これは従来家畜衛生試験場で家畜薬の検査を試験場の経費としてやつておつたのでありますが、御承知のように衛生試験場でみずから相当な家畜薬を製造いたしているのでありまして、これを同じ主体が検定いたしますことは、いろいろな点でおもしろくありませんので、新しく別途の機関を設けまして、家畜衛生試験場でつくる家畜薬の検査を、新しく設けた機関で別の人格でこれを検定して行きたいという意味で計上いたしたのであります。そういう意味では形としては新規であります。ただ従来の家畜衛生試験場の経費の中に、同じような仕事費用が計上されてあつたので、こちらへ若干増額して組みかえたというような形になつております。  次に家畜疾病予防に必要な経費であります。これは例の殺畜手当等の手当金を主たるものとしているのでありまして、昨年の前国会で手当金の額が引上げられたのに伴いましてこの金額も前年度に比べましてそれに応じて若干増額いたしてあるわけであります。  指定飼料配給に必要な経費、これは飼料の切符を切る経費でありまして、前年通りであります。  次に家畜衛生試験場に関する経費であります。これは衛生試験場の経費といたしまして六千六百六十九万九千円、これは先ほどちよつと申しましたように、私の方の国立衛生試験で、いろいろな血清類、家畜薬の製造をいたしておりますと同時に、家畜伝染病に関する各種の調査研究をいたしております。そのために必要な経費六千六百六十九万九千円であります。  次に伝貧研究に必要な経費三百六十六万六千円でございます。伝貧は御承知のように、わが国の家畜伝染病として、昔から非常に問題になつております病気でありまして、従来家畜衛生試験場でごくわずかな経費で研究を続けておつたのでありますが、今もつて世界的にもなお病原菌が発見されない。この研究がまつたく進まないという実情でありますので、本年度は若干経費増額いたしまして、伝貧研究に必要な経費として三百六十六万六千円を計上したのであります。この研究を完璧にするために、これで十分とは考えておらないのでありますけれども、前年度よりはある程度増額されたことを申しそえておきます。  獣疫血清製造に必要な経費、これは先ほどちよつと混同いたしましたが、家畜衛生試験場において血清製造のために必要な経費と申しました六千六百万円のほかに、七千四百万円余の経費が計上してございまして、合計いたしまして一億四千五百十一万八千円でございます。  次に十六ページをめくつていただきたいと思いますが、ここに種畜牧場とある項がございます。これは畜産局の主管でございますが、このうち、家畜の増殖奨励一億八千二百十四万九千円、家禽の増殖奨励二千五百五十九万七千円、飼料作物種子供給確保に必要な経費が六百十七万四千円で、合せまして二億一千三百九十二万円になつております。  この表で酪農振興は本年はゼロになつております。前年度予算が四百九十三万六千円計上されております。これについて簡単に申し上げますと、種畜牧場は従来種馬所、種馬育成場、種鶏場というような名前で、それぞれ戦争中続いて来ておりました国営の牧場を、種畜牧場という名目に統一いたしまして、引続いて国が経営して参つておつたのであります。その後私どもとしては、この牧場がもちろんわが国畜産振興上相当な効果を収めて参つておつたと確信いたしているのでありますが、関係方面の意向等によりますと、やはりこうした種畜事業は行く行くは民営に移すべきものであつて、国は手を引くべきものであるというような考え方があるようであります。その現われが昨年以来具体的に現われまして、昨年もある程度の牧場を整備いたしたようなことであります。本年の予算におきましても遺憾ながらごくわずかではありますが、経費にして一般家畜増殖奨励の面において約一割、家禽の増殖奨励の面において約二割の人件費が、節約を余儀なくされたのであります。これに応じて事業費等も絶対額は昨年とあまりかわりはありませんが、単価増その他から見ますと、この事業費ではある程度牧場の整備をいたさなければならないような事情に立ち至つているのでありまして、種畜牧場の二億一千三百九十二万円、この上にある三つの項目は、前年度も同じような項目があつたわけでありますが、これは内容としては牧場経営の規模を若干縮小しなければならないような事情になつていることを申し上げておきます。酪農が落ちましたのはこれは御承知と思いますが、和牛にホルスタインをかけて、新乳牛の仕事をこの牧場でやつておつたのでありまして、できました雑種を牧場に繋養いたしまして運営をして参つたのでありますが、本年度からは新乳牛を牧場に繋養することを認められなくなりまして、新乳牛の施設としては、ただ民間におけるそうした仕事に種畜を供給する等の形で、引続いて私どもの方で関係はいたして参りますけれども、牧場における繋養を廃止することによりまして、昨年四百九十万円ありました経費が、今年はゼロになつた。こういう事情でございます。  以上が一般会計でありまして、トータルをもう一度申し上げますと、六億七千二百七十八万一千円であります。  次に特別会計では、先ほど私からも申しましたし、また大臣からもちよつとお話があつたようでありますが、競馬施行に必要な経費を八億三千九百万円計上いたしております。競馬につきましては、一応国営で年間続ける計画のもとに予算は計上いたしております。売上げの面におきましては、実は昨年度予算よりは相当減つております。これは昨年度一箇年の実績を見まして、なかなか売行きがいろいろな関係で思わしくありませんので、今年はかたくそれを見なければならなかつたような関係で、この特別会計の馬券の売上げの予算も昨年よりは相当内輪目になつております。しかしながら施行に必要な経費は昨年より若干ふえております。これは人件費の単価が上りました等のことに関連いたしまして、ただいま申し上げましたように八億三千九百万円に計上いたしたのであります。  以上が畜産局所管の経費の全貌でございます。
  13. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次に蚕糸局の予算につきまして、最上政府委員よりその説明を求めます。
  14. 最上章吉

    ○最上政府委員 蚕糸局の昭和二十五年度におきまする予算につきまして、昭和二十五年度予算要求説明資料に基きまして説明を申し上げます。  その八ページをごらん願いたいと存じますが、蚕糸局本局の予算におきましては、昭和二十五年度におきまして一億四百九万八千円でございまして、前年度に比べて百六十二万六千円の増加に相なつております。そのほかに、これはあとの方にございますが、蚕糸試験場におきまして一億五千六百四十一万二千円の予算を要求いたしました。これは昨年度の蚕糸試験場の予算に比べまして五百十八万七千円の増額なつておるのであります。それから生糸検査所に必要な経費といたしまして九千六百四十二万一千円の予算を計上いたしました。これは昨年度に比べまして二百六十六万円の減少なつております。その本局と蚕糸試験場と生糸検査所の三者を合計いたしますと三億五千六百九十三万一千円に相なりまして、昨年に比べまして千八百六万四百円の増になつております。そのほかに一般平衡資金といたしまして、九百五十万四千円、地方自治庁移管の分といたしまして二百七万九千円計上いたしておりますので、全部を合計いたしますと三億六千八百五十一万四千円となりまして、本年度予算に比べまして千六百九十六万二千円の増額なつておるのでございます。  この説明資料に基きまして、概略各項につきましておもなところの御説明を申し上げますが、まず第一に蚕糸局一般行政費といたしまして二百九十一万八千円要求をいたしておりますが、これは本年度に比べまして百九万四千円の減になつております。これは生糸の割当実施に要する事務費等を削除いたしたためでございます。  次に蚕糸業指導監督といたしまして千七百八十九万五千円の予算を要求しておるのでございますが、このうちで一番大きな予算増加理由は、繭検定所の負担金を八百十五万九千四百円増加をいたしまして、一千十九万六千四百円となつたことでございます。繭検定は、御承知のように法律で強制されておるのでありますが、前年度までには検定員の養成あるいは設備の補修というようなことがおもな項目であつたのでありますが、本年度からは作業費も加えまして全国四十九箇所の繭検定所に対しまして約一千万円の予算を計上したということが、増加の大きな原因になつておるのでございます。なおその項目におきまして、人件費等は、行政整理等の関係もございまして約二百五十万円の減になつておるのであります。  次に蚕糸の技術改良の問題でございます。これは六千九百八十二万五千円の要求をいたしておるのでございますが、その増額の一番大きな原因は蚕業技術指導所設置費補助が八百六十一万四千円増加いたしておるのでございまして、これは現在二百四十箇所ございまする蚕業技術指導所に対しまして、その基本金額をある程度増加するとともに、その指導所の箇所を四十箇所増加いたしましたために八百六十一万円の要求増加なつておるのであります。なおもう一つその項目の中におきまする増加の大きな原因といたしまして、蚕業技術指導強化費におきまして六百万円の要求をいたしておるのでございまして、これは蚕業技術指導を強化するということが蚕糸業の合理化のためにも非常に大きな問題でございますので、蚕業技術指導所の末端の普及指導を強化するという意味におきまして六百万円の増額を要求いたしたのでございます。この点は技術員の身分安定というような問題が最近大きな問題になつておるのでございますが、この蚕業技術指導所の普及強化のために今後もこの種の経費を要求いたしまして、末端におきまする普及の強化に努むるとともに、技術員の身分の安定にも資したい、かような考えから要求いたしたのでございます。  なお次の養蚕振興対策費でございますが、これは約七百万円が平衡資金の方に回つておりますので、根本において大きな相違はないのでございます。  なお蚕糸経済調査実施におきましても、印刷費等の増加によるある程度増額でございまして、根本においては大きな変化はございません。  なお蚕糸取引の指導管理、繭及び副蚕糸の配給割当は、統制の廃止によりましてこれは削除いたしたのでございます。  また蚕糸調査会の経費は、一部を蚕糸技術改良等に要する経費の方に組みかえましたので、予算の目といたしましては落ちておるのでございます。  かように試験場及び検査所等におきましては、根本的に大きな変化はございませんが、今次の予算におきまして一番増加の項目となりましたのはこの繭検定所に対しまする負担金を八百万円増したことと、それから蚕業技術指導所設置費といたしまして四十箇所ふやしまて二百八十箇所としたための八百万円の増加、蚕業技術指導所強化費といたしまして六百万円増加した。これだけが昨年の予算と大きくかわつておるところであります。  総額について繰返し申しますが、糸局関係におきましては二十五年度は三億六千八百五十一万四千円でございまして、本年度予算に比較いたしますと一千六百九十六万二千円の増加なつておるのでございます。簡単でございますが蚕糸局の二十五年度予算につきまして御説明を申し上げた次第でございます。
  15. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次に林野庁の予算につきまして、三浦政府委員よりその説明を求めます。
  16. 三浦辰雄

    ○三浦政府委員 それでは林野庁の方の予算を御説明申し上げます。  林野庁の方の予算は、詳細はお手元に配つてあるわけでありますが、一般経費といたしましては、二十四年度の九億に対しまして、十八億になつてた。しかしその十八億は薪炭特別会計一般に入つた五億、それから松の虫害の関係のものが二億四千万円、国有林の特別会計関係で、これはあとで一言触れたいのですが、藩制の昔からある治山工事を必要とする場所について一般会計に持つて来たものが千八百万円、林業試験場を従来国有林特別会計でやつておつたものを、一般費に持つて来たものが一億三千万円、その合計がおよそ九億でありまして、結局実質的には、一般会計においては大差がないということになります。ただこの中で一つかわりますのは、農業技術の改良普及に相対応するように、林業におきましても、規模は違い、方法は違いまするが、二十五年度からはその発足を見る六千六百万円がこれに含まれておるという点でございます。  それから公共事業費の関係でございますが、公共事業費はお手元にあります資料によつて見ていただきますごとく、造林において約三割五分、治山事業において約倍額、こういうふうに一応増加を見ましたが、例の五箇年計画というものに対しましては、まださらに行かない。そこで造林のごときはここに別途金融の措置を講じて、ぜひ五箇年計画に合せて参りたいという問題がございます。公共事業費は二十四年度の四十億に対して、二十五年度におきましては、今御審議をいただいておりますものは四十九億五千万円でございますが、その二十四年度の公共事業費のうち、四億五千万円程度のものが一般会計に移りました関係上、実質はその差額である九億のほかに四億五千万円がふえた。こういうような状況でありますが、農林省におきまする公共事業費の全体から見ると、資料にあります通り、全体の事業においては比重が低くなつて来ておる。こういう点は今日まだ山林の振興をはからなければならない、治山、治水の振興をはからなければいかぬというのに対して、いささか物足りなさを感ずるものであります。  それから国有林野の特別会計に移りますが、従来ありました国有林野特別会計と、薪炭の需給調整特別会計と森林火災の特別会計がございます。そのうちの薪炭特別会計につきましては、今回二十五年度からは一般会計に移る。その一般会計に移ります要点は、二十五年度の収入未済の一部分、また問題であつた帳簿面と実物との不足であるおよそ十億の金の糾明によつて出て来る分、これを合せて収入を五億と見、そうして未支払いの分を、事務費等を入れまして五億という見方で、とんとんにできております。私ども運用といたしましては、この問題の不足である薪炭の糾明をはかつて、もつと増大をはからなければいかぬ予算なつております。  それから国有林野特別会計でございますが、これに対して一つ大きな問題がございます。二十四年度は百三十億で、二十三年度までありました公債の発行長期の借入れを、たとえば二十三年度十四億あつたわけでありますが、二十四年度においてはいわゆるドツジラインそのものの関係上一切を認められませんで、百三十億を予算総額として実行して参つたのであります。ところが二十五年度におきましては、山林の濫伐を緩和するためには国有林みずからもある程度の減伐をしなければならないということからいたしまして、およそ五百万石の減産をいたしました。五千三百万石の二十四年度の予定に対しまして五百余万石を減らした四千八百万石というものが、二十五年度におきます伐採量であります。この四千八百万石は正常伐採量に比べてなおまだ多いのでありますが、一挙にその理想線まで持つて参るわけに行かないいろいろな事情がございまして、さようないたし方をしておる。それによりまして二十四年度に比べて収入の減が約十一億、そうであればそこに百二十億の予算でなければならないわけでありまするが、そうしたのでは従来の濫伐の跡地におきますところの造林であるとか、あるいは奥地における林道であるとか、あるいは今日進めなければならない作業の機械化であるとか、こういうようなことが全然行われませんので、そこに新たに三十億といういわゆる米国の対日援助見返り資金からのこの会計への投入を資産の増として認められることになるというのが、御審議を願つておる国有林の今年度の特色でございます。その三十億のうち六億八千八百万円は、従来の民有林の苗木関係に対する補助二億二千万円ばかりが今年度削られたのに対して、民有林の造林を促進するために種子苗木養成に充てる内容なつているのであります。これが国有林の特別会計の概要であります。従いまして国有林といたしましては、造林並びに奥地の林道に従来の非常にむりにむりを重ねた経営の行き方が多少緩和される見込みでございます。  森林火災保険につきましては二十四年度とほとんど同じでありまして、助成によりますところの造林地の全部をこの火災保険に入れることを依然として目標としております。実績においても過去においては全部が入つておるような状況で、二十五年度も同様少くとも補助でできた造林は全部火災保険にかけたい、またかけ得ると思つております。またの機会もあるようでありまするから、簡単に一応概要を申し上げました。
  17. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて林野庁の予算説明は終りました。  この際本会議の都合によりまして午後三時まで休憩いたします。     午後二時二十九分休憩      ――――◇―――――     午後三時十分開議
  18. 小笠原八十美

    小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  それでは農業改良局の予算につきまして、三宅説明員よりその説明を願います。
  19. 三宅三郎

    ○三宅説明員 局長がちよつと出張しておりますので、私かわつて御説明申し上げます。なお統計調査関係につきましては、後ほど山内管理課長から説明を申し上げます。  予算といたしまして、改良局として一般行政は一応減つておりますが、特に大した問題はございません。  第二にあげてございます普及員の養成、これも今後農業改良普及員の質を向上いたさなければなりませんので、その講習関係施設予算でございます。  第三の農業改良普及事業、その内容といたしましては御承知の改良普及員の要望が非常に多うございますので、明年度二千五百人増加をするというのがこの主体でございます。そのほかには改良普及員の用いますところの土壌の検定をする器具とか、そういつたような費用補助金が幾分増加されております。  四番目の農業実務講習施設、これは農民の若い人たちに、技術に科学的な基礎を持たせるという意味の施設でございまして、従来の農民道場を改組いたし、新しい農村の子弟の訓育機関にしようというのがこの施設でございます。これは特に新しい施設をつくるのではございませんで、従来の施設をそういつた方面に利用して行くというものでございます。  次の農業技術研究調査、これは研究部の方の仕事でございまして、試験研究機関に対して試験研究の調査を委託するとか、そういつたような費用でございます。  次の農業経済研究調査、これも従来からやつております研究調査でありますが、特に新しい点といたしましては農業簿記の改善研究費でございます。  次に農業近代化の問題でございますが、特に新しい点といたしましては、小水力発電の問題を強く取上げております。  八番から十番までの関係は統計調査関係でございますので、後ほど御説明申し上げます。  十一番の農家負担の合理化、これは昨年度までの予算でございましたが、明年度は遺憾ながらなくなつ予算でございます。  それから十四ページに飛びまして、試験研究機関の予算が入れてあります。これは御承知のように試験研究機関を整備統合するという問題を過去一年半にわたつて研究討議いたしまして、その結果明年度より従来の農事試験場、園芸試験場、茶業試験場、畜産試験場、開拓試験場、この五つの中央の試験場を一応一つにまとめまして、これを新たに農業研究所といたしました。内容といたしましては特に拡充するのではございませんが、試験研究の総合的な能率的な指導をねらつたものでございます、次の農業試験場、これは地域農業試験場とも申しまして、全国を七地域にわけてその各地域に一つずつ農事試験場を置きます。その内容といたしましては従来ございました農事試験場の事業あるいは畜産試験場の事業、開拓研究所の事業、そういうものを適当にまとめまして、試験研究の能率化をはかるという意味で設けたのでございます。次の農事改良実験所、これは従来から設けられております百十ばかりの試験場でございまして、これは実は整備統合の方針といたしましては、農業試験場あるいは地方の府県の試験場等に一部は統合する予定でございましたが、予算等の関係から明年度は従来通りにこれを一応農業改良実験所として継続して行くという方針にきまつたわけでございます。  以上私の方の研究部と普及部の関係予算につきまして簡単に御説明をいたしました。統計調査関係につきましては山内管理課長から御説明を申し上げます。
  20. 山内一夫

    ○山内説明員 私から統計調査部、並びに地方におきまするところの作物統計部関係予算につきまして、簡単に御説明を申し上げます。  六ページと十八ページでございますが、六ページの方が本省費用なつておりまして、十八ページが地方費用なつております。統計調査関係の二十五年度の要求額は全部で二十四億四千五百七十八万五千円となつております。全体を申し上げますと、農作物調査、経済調査、それから統計関係仕事と、こまかいものがございますが図書の仕事と四本建になつておりまして、各項目につきまして、本省費用と、地方費用というふうに二つの形にわかれております。総額二十四億万円のうち、農作物調査の金が本省地方を通じまして二十億九千万円で、大部分のものは農作物調査費用なつております。それから経済調査費用が七千七百万円ばかりございます。それから統計の方の仕事が二億七千七百万円ばかり、図書関係費用といたしまして、国会図書館の支部が農林省にありますので五十万円、こういうふうになつております。前年度に比べましてどのくらいの額になつておるかと申しますと、前年度が二十九億五千八百万円ほどありましたので、約五億一千万円ばかり二十五年度予算は減額になつております。おもな減額の科目といたしましては、人件費が約二億三千万円ばかり減つておりますが、これは御承知のように昨年の九月に行政整理がありまして、われわれの組織では二割強の削減を受けましたので、その関係費用が二億三千万円ばかり減つております。それから去る二月の一日に、世界全体で農業関係の国際的なセンサスをやりまして、その関係費用が今年は二億五千万円ばかりあつたのでありますが、これが最後の締めくくりの集計の費用だけ残りましたので、その関係費用が約二億円ほど減りました。そういう関係で五億一千三百万円ばかり減つております。それから他方におきまして、多少事業として今年度ふえましたものが被害調査関係仕事で五千万円ばかり、それから漁獲高の推計調査、これは少数統計理論という理論を漁獲高の調査に応用いたしたい。そういうような計画を持つておりまして、これが二千七百万円ばかりふえておるのであります。話が少し前後いたして恐縮でありますが、農作物調査内訳と申しましては、これは御承知のように主要食糧の収量を調査する目的をもつてやつておるわけでありまして、この内容と申しますのは、作付面積の調査をいたしまする作付面積調査それから収穫の予想から、実収高を調査いたしますところの作況調査というのがありまして、それが第二番目、それからもう一つ、各地区別の田畑の地方調査いたします費用が若干入つております。それからもう一つ全体の気象と農作物の成育の関係調査いたします気象感応試験というのが第四番目に入つております。  それから経済調査の方でありますが、経済調査の方は御承知のようにこれは農業会時代からずつと引続きやりましたところの農家経済調査というのが第一番目。それから第二番目には生産費調査、米でありますとか、麦でありますとか、そういつた農作物の生産費調査、それから農村におきます物価、あるいは人夫の賃金を調査いたしますところの物価賃金関係調査、この三つになつております。  それから統計関係仕事と言いますのは、主要農作物以外の統計の調査をやる仕事でありますが、これが標識調査と申しまして、これは統計調査一つの方法の分類でありますが、標識調査というのを使つておりましたもの、それから先ほど申し上げましたところの漁獲高推計調査、その二本建になつております。内容は大体以上の通りでありますが、そのうちことしの昭和二十五年度予算二十四億の内訳を見ますると、約半分十三億は人件費であります。人員関係は今一万五千五百四十九名というのが作報組織に働いておりますが、二十五年度予算におきましては、今申し上げました一万五千五百四十九名にプラスいたしますところの八百九十三名というのが一応予算の上ではプラスになつております。従いまして、もしそれが定員法におきまして実現いたしますれば、われわれの組織では人員は一万六千人を越える。こういう形になるわけであります。八百九十三名の増員は、先ほど新しい事業として申しましたところの被害関係調査、これは供出割当の補正をやる被害調査でございますが、この関係のものが六百五十九名、それから魚獲高調査――先ほど申しました魚獲高の推計調査に必要といたしますところの人員が二百三十四名、こういうふうになつております。それで二十四億の内訳は、今申し上げましたように約五〇%は人事費でありますが、そのほかの費用はわれわれの方の予算はかなり多額でありますけれども、大体におきまして印刷費予算の課目で見ますと消耗品費、備品費でありますが、人夫賃費、これはこの調査の手助けをしてもらうために人夫を雇いますが、その人夫賃であります。それから調査員手当と申しまして、ある程度村の方々に手助けしていただく調査手当という手当が相当多い、こういうふうになつております。大体統計調査関係の御説明は以上の通りであります。
  21. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは次に食糧庁の予算につきまして安孫子政府委員よりその説明を求めます。
  22. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 食糧庁関係予算は、一般会計と食糧管理特別会計両方あるわけでございます。最初に特別会計の方の概要を申し上げたいと存じます。  昭和二十五年度の食糧管理特別会計予算は、歳入歳出とも四千八百三億二千四百万円となつております。これを昭和二十四年度の当初予算に比較いたしますと、三百八十七億二千五百九十万円の増加であります。しかし前年度補正予算がありましたので、この補正予算と合した額から比較いたしますと、前年度に比較いたしまして四百二十三億八千万円の減少なつているのであります。この会計は主要食糧を生産者から買いまして、消費者に対して食糧配給公団を通じて配給を行うに必要な質入代金、運送、保管、加工、集荷業者の手数料並びにこれに伴う人件費等の諸経費を積算するものでありますが、予算の編成にあたりましては、いろいろの角度から慎重に検討を加えて行つて編成をいたしたのであります。その結果主要食糧の生産者価格、買入数量、輸入食糧の買入価格、買入数量、消費者価格、主要食糧の売却数量というようなものについて、一応の見通しを立てなければこの予算は編成できないのであります。その後いろいろ状況の変化もありますが、大体そういう事情も織り込みまして、この予算を編成しておるわけであります。  第一に申し上げますことは、主要食糧の生産者価格の基礎となります農業パリテイー指数をどう見るかということが一番重要な問題になるのであります。この点につきましては、肥料補給金の削減、その他物価及び運賃料金等の改正、あるいは織物消費税の軽減並びに取引高税の廃止等の影響を十分に考慮いたしまして、二十五年産の麦類及びその代替雑穀につきましては、一六四という指数で計算をいたしております。米及びその代替雑穀につきましては、一六八というパリテイー指数を推定いたしておるのであります。従いまして、輸入食糧を通産省から受取りますについて、この会計が買入れるのでありますが、これは四月から十月までに受入れますものにつきましては、ただいま申し上げました一六四のパリテイー指数を、十一月から三月に引取るものにつきましては、一六八のパリテイー指数を元といたしまして計算をいたしておる次第であります。なおこのパリテイー指数が昨年の十二月末に決定されまして、一月一日からの消費者価格算定の基礎は、二十五年度における農業パリテイー指数、それは麦類及びその代替雑穀につきましては、一六二でございます。米及びその代替雑穀は一六九であります。この消費者価格の推定のパリテイー指数と本予算の推定のパリテイー指数との間に食い違いがございます。これは時期の差によつて状況の変化からかような推定をいたしたのでありまするが、いずれにいたしましても、農業パリテイー指数という数字は、そのときにぶつかつてみなければはつきりいたしませんので、この辺のところでこの予算は編成しておるという点を御了承願いたいと思います。  次に超過供出の買入れ価格の問題でございます。これは昭和二十四年産米と同様に、二倍として計算をいたしております。なお米の早期供出奨励金は九月、十月の間の早期供出数量を一千万石と見込んで、一石当り六百円、総額六十億円を計上いたしておる次第であります。二十四年産米につきましては早期供出奨励金は七十億を計上いたしたのでありまするが、実際の支出額は五十二億であつたのであります。前年度に比較いたしますと、十億の減になつております。私どもといたしましては、早場米奨励金について単作地帯農業政策の観点からいたしまして、十分考慮すべきであるという考えを持つておりまするので、その点について、六十億を一応計上はいたしておりますが、状況によりましては、予備費等を計上いたしておりまするので、その点についてことしの出来秋の状況によつて善処いたして参りたいと考えておる次第であります。また二十四年産の追加払いの予算でありますが、麦類は二十四年の三月から二十五年の二月の平均農業パリテイー指数一を五三・〇八と推定いたしまして、買入れ価格決定当時の農業パリテイー指数一四三・一六との差九・九二について計算をいたしております。米は二十四年の七月ないし六月の平均農業パリテイィー指数一六〇・〇一と推定いたしまして、買入れ価格決定当時の農業パリテイー指数一五六・四三との差三・五八について計算をいたしておる次第であります。その結果麦類の追加払いは約三十億、米の追加払いは三十二億円、合せまして五十二、三億円というものを本予算に計上いたしておるわけであります。買入れ数量につきましては、輸入食糧の数量が、二十四年度に比較いたしまして、大幅に増額することが予想されておるのでありますが、大体三百四十万トンの輸入食糧を見込んでおるのであります。この予算編成当時はいも類を全然買わないというような編成内容なつておつたのでありますが、その後の諸情勢並びにわが国の農業経営の上から、国内食糧の需給の上からも、いも類を一定数量だけはぜひ買入れ、売却することが必要であるということを認められますので、予算の積算の上では、いも類の売買はないのでありまするが、その総金額の範囲内で生かんしよ、生ばれいしよについてはこれを買入れ、売却する方針のもとに、予算説明参考書のうちにその趣旨を明らかにいたしておるのであります。以上のような前提のもとに商品費すなわち主要食糧の買上げ数量及び単価を算出いたしておるのであります。一例を申しますと米については普通供出は二千七百五十万石、単価を四千七百十七石、超過供出前年度の分五十万石、翌年度分三百五十万石、五十万石については八千七百円、二百五十万石については九千三百二十四円、かように米、大麦、裸麦、小麦、雑穀、輸入食糧、全部について単価と数量とを以上申しましたような前提のもとに算出いたしておる次第であります。  次に政府の売却価格でありますが、これは消費者価格の基礎となるので、非常に一般の生活費に影響することが大であるのでありますが、一方のこの会計が独立採算の建前をとつておりますから、その点をも十分考慮いたしまして、売却価格を算出いたしておるのであります。商品種といたしましては食糧の買入代金、米及び代替雑穀、麦及びその代替雑穀、輸入食糧米麦の追加払い、早期供出奨励金、包装容器代、なおこれを動かすために必要といたします運搬費、保管費、加工費、その他事業上直接必要とする経費人件費、職員の給与及び備品費、消耗品費通信費、それから食糧証券の利子、予備費、かようなものを総計いたしますと、三千二百八十九億という金額になるのであります。それによつて動かされます数量は玄米石に換算いたしまして五千六百十七万石の石数に相なります。その消費数量五千六百十七万石をもつてただいま申し上げました総計三千二百八十九億円のものを割りますと、石当り五千八百三十六円六十銭になるのであります。これが政府の玄米一石当りの売渡し価格となるわけであります。これを基準といたしまして精米、小麦粉、精麦、雑穀とうもろこし粉、ライ麦、その他一切のものを従来の比率その他を勘案して売却価格を決定いたしておる次第であります。以上申しました内容予算の項目別に申しますと、食糧の収入といたしましては、食糧の売払代が三千五百八十八億、雑収入が七億六千万円、また農業共済保険特別会計へ繰入れます一般会計よりの受入れが二百六十九億円、食糧証券及び借入金の収入が千百八十億円、これで歳入の総計が四千八百三億円ということに相成る次第であります。歳出の面におきましては食糧の買入代が三千百十七億円、運搬賃、保管料、集荷手数料、集荷委託費等の事業経費が三百五十三億八千万円、人件費その他の事務費が四十三億一千二百万円、国債整理基金特別会計への繰入が千二百四十一億円、農業共済保険特別会計への繰入が二十六億九千万円というようなことになつ予算がつくられておるのでございます。  なお以上は特別会計でありますが、食糧庁関係一般会計の分について申し上げますと、食糧庁の一般行政に必要な経費といたしまして千八百万円、それから食糧管理に関する調査に必要な経費、これは管理台帳その他の経費でありますが約九百万円、それから主要食糧の購入通帳の作成に必要な経費、これが千八百万円、なお北陸震災地の農業倉庫の復旧資金の利子補給に必要な経費一千万円、それから食糧管理特別会計へ繰入れに必要な共済掛金、これが二十六億九千万円、それから乳幼児の食糧の需給改善に必要な経費として百六十万円、飲食料品工業振興に必要な経費として三百二十七万円、油糧の供給確保に必要な経費といたしまして六百六十六万円食糧品の配給統制に必要な経費として六千八百四十一万三千円、食糧研究所に必要な経費としつ二千五十二万二千円、以上のような経費があるわけであります。
  23. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて各局予算説明は全部終了いたしました。  なおこの問題に対する質疑は、明八日午前十時より行うこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十二分散会