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1950-04-25 第7回国会 衆議院 内閣委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十五日(火曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 鈴木 明良君    理事 江花  靜君 理事 小川原政信君    理事 鈴木 義男君 理事 木村  榮君    理事 船田 享二君       池田正之輔君    岡田 五郎君       佐々木盛雄君    首藤 新八君       田中伊三次君    渡邊 良夫君       松岡 駒吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君        国 務 大 臣 山口喜久一郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (理財局経済課         長)      吉田 信邦君         大蔵事務官         (国税庁総務部         長)      正示啓次郎君         海上保安庁長官 大久保武雄君         海上保安庁次長 稻垣 次郎君         中央経済調査庁         次長      奥村 重正君         経済調査官         (中央経済調査         庁監査部長)  木村  武君  委員外出席者         議     員 受田 新吉君         議     員 松澤 兼人君         專  門  員 龜卦川 浩君         專  門  員 小關 紹夫君 四月二十日  委員岡西明貞君、黒澤富次郎君、田中不破三君、田渕光一君及び松本善壽辞任につき、その補  欠として井上知治君、田中萬逸君、坪川信三君、牧野寛索君及び水田三喜男君が議長指名で委  員に選任された。 同月二十一日  委員飯塚定輔君及び首藤新八辞任につき、そ  の補欠として根本龍太郎君及び佐藤榮作君が議  長の指名委員に選任された。 同月二十四日  委員江花靜辞任につき、その補欠として田中  伊三次君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  委員井上知治君、坂本實君、佐藤榮作君、坪信  三君、奈良治二君及び水田三喜男辞任につき、その補欠として江花靜君、渡邊良夫君、首藤新  八君、池田正之輔君岡田五郎君及び佐々木盛  雄君が議長指名委員に選任された。 同日  江花靜君及び木村榮君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 四月二十一日  引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法  律案受田新吉提出衆法第二〇号) 同月二十二日  地方財政委員会設置法案内閣提出第一八〇  号) 同月二十一日  傷い軍人軍属に対する恩給制度改正請願(大  内一郎君紹介)(第二八〇七号)  元軍人恩給復活に関する請願庄司一郎君紹  介)(第二八五五号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十日  水産省設置陳情書  (第八三二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会に関する件  海上保安庁法の一部を改正する法律案内閣提  出第一六六号)  経済調査庁法の一部を改正する法律案内閣提  出第一六七号)  大蔵省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一七六号)  地方財政委員会設置法案内閣提出第一八〇  号)  引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法  律案受田新吉提出衆法第二〇号)     ―――――――――――――
  2. 鈴木明良

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  本日の日程に入ります前に、理事補欠選任を行いたいと存じます。江花靜君及び木村榮君が委員辞任せられ、再び委員補欠選任いたされました。つきましては理事補欠選任を行いたいと存じますが、理事補欠選任委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  3. 鈴木明良

    鈴木委員長 御異議なければ、江花靜君及び木村榮君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 鈴木明良

    鈴木委員長 本日はまず去る四月二十一日本委員会に付託せられました受田新吉提出にかかる引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案について、提案者趣旨弁明をお願いいたします。受田新吉君。     —————————————
  5. 受田新吉

    受田新吉君 ただいま議題に上せていただきました引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案提案者といたしまして、その趣旨弁明をいたしたいと思います。  この引揚同胞対策審議会設置されましたのは、御承知通り第二国会で満場一致決議されました引揚同胞対策に関する決議案趣旨に基きまして、特に引揚げ促進の問題、遺家族、留守家族の援護の問題、帰還者更生対策としての就労、就農、医療等に関する問題、帰還者在外資産の問題、そのほか帰還同胞に関する諸般の事項を特に審議会によつて審議するというものであります。ところが当時この引揚げ問題は年内引揚げが完了するという目標のもとに、最後段階における引揚げ対策として、この決議趣旨に基いて審議会ができたのでありまするが、結果として引揚げが完了せず、昨年もこの件につきましては年内に完了という目標でやつたにかかわらず、なお完了しないで、今年に持越され、先般ソ連政府権限委讓されたタス通信は、遂に最終段階数字として、引揚げは完了した、戰犯者が二千数百名と病人が九名残つているだけであるという報道がされております。しかし結果から見て、依然としてまだ引揚げが完了していないわけでありまして、この数字によつてもなお二千有余名と、病人も残つておるということなのであります。ところが渉外局発表を見ますと、三十数万の者がまだ残つておるのでありますし、その大きな食い違いに対して、国民は非常に疑惑を抱いておつたのであります。ただいまも私ソ連大使館引揚げ促進陳情を試みて帰つたばかりでありますが、ソ連当局も、タス通信は正式な政府声明であるから、これ以上皆様に申し上げることはないというお話があつたのであります。けれども、ソ連発表によつても、残留者がまだ戰犯その他二千数百名おることははつきりしておるのでありますから、その引揚げが完了するまでという問題と、もう一つは、渉外局発表によつて中共地区その他にも相当の者が残つておられることもはつきりしておるのでありますから、そういう在外同胞引揚げ促進という問題はまだ完了しておらぬのであります。ところがこの審議会は、このままで行きますと、この八月三十一日をもつて期限が切れるのでありまして、この国会がもはや残り少なになつた今日、臨時国会を期待することも今のところ考えられないことだし、この際国会の終末にあたつて、たいへん皆様にも御むりでありましようが、この審議会を一年間延長するという、附則の第七條の規定改正する法律案提出して、皆様の御審議をいただきたいと思う次第であります。  特にこの引揚げ問題は、引揚げ促進と同時に、引揚げた後における更生対策とか、在外資産の問題とか、まだまだたくさんの問題があるのでありまして、こういう問題をひつくるめて引揚同胞対策審議会最後努力をしてもらうという必要がある。こういうふうに考えまして、皆様の御支持をいただきたいと思う次第であります。特に引揚同胞対策について努力して来た責任者の一人として、この法案提出し、最後の一人に至るまで引揚げが完了するまで、国民は総力をあげてその人たちに愛の手を差伸べてやる、これは政治家責任であります。またこちらに引揚げて来られた方々に対しても、われわれの愛の政治の力によつてこれを救つてあげるという点からも、この引揚同胞対策審議会——もはや最終段階引揚げであるから八月でいいじやないかという意見も一部にありますが、しかしながら最後の一人にまでわれわれの真の大衆政治を実現するという意味からは、どうしてももう一年間延長して、この問題の解決までわれわれの誠意を盡して政治力をこういうところにまでも及ぼすという努力が必要だと思いまして、くれぐれもこれに御賛同をいただくことをお願いする次第であります。  簡單でありまするが、この法律案改正内容について、私の所見を加えまして趣旨弁明を申し上げた次第でありまして、何とぞ御賛同をいただきまして、この案が法律として通りまするようにお願い申し上げたいと思います。
  6. 鈴木明良

    鈴木委員長 これにて提案者趣旨弁明は終了いたしました。御質疑はありませんか。
  7. 江花靜

    江花委員 提案者にちよつとお伺いしますが、この審議会予算の概要を御説明願いたい。
  8. 受田新吉

    受田新吉君 この予算は最初の出発にあたりまして、一年八十万円をもつて計上されて来たのであります。そうしてそこに掲げたように、委員も各方面関係者がこれに関係しておるのでありますし、会長は厚生大臣がなるというのでありますので、経費の点においては非常に節約もできる立場にあるのであります。ところが八十万円の予算的措置が当然法律の通過とともに起つて来ると思いまするが、この点についても皆様のいろいろな御質問をいただきたいと思います。
  9. 江花靜

    江花委員 提案者の御説明によりますと、八十万円かの予算はそうたいしたものではないと思いますが、ここに第五條の第一項の終りでありますか、その他の職員若干名とありますが、これはあまり大げさに定員を書くというようなことも必要ではないかもしれませんが、引揚げ仕事が必要だとこの法律で認めたということになりますと、若干名というと、一万名と言つて——そんなことはないでしようが、へりくつを言えばそういうことになります。やはり一応何人以内というようなことまで嚴重に考える必要はないか、この点どういう御意見ですか。
  10. 受田新吉

    受田新吉君 これは何名とはつきり人数、人員規定するということでなくて、現実には職員はほとんど置かれないのではないかと思います。これは厚生省関係者の御出席があると非常に好都合なのでありますが、今のところ事務はその他の関係各省、特に厚生省関係の人が兼務でサービスでやつておるというふうに私は考えておるのであります。その点ここにはつきりした人員規定することは必要はない。若干名としても予算に影響するような結果にはなつて来ないのであります。     —————————————
  11. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に御質疑はありませんか——質疑がなければ、次に去る四月二十二日付託されました地方財政委員会設置法案議題といたし、政府提案理由説明を求めます。本多国務大臣。     —————————————
  12. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいま議題となりました地方財政委員会設置法案につきまして、その提案理由及び内容概略につきまして、簡單に御説明申し上げます。  申すまでもなく地方自治確立強化は、わが国再建基本施策として、終戰以来鋭意政府の意を用いて参つたところでありまして、地方自治法施行以来地方行財政制度全般にわたり、相次いで画期的な制度改革が断行せられるとともに、これら地方自治に関する諸制度改革と歩調を一にして、中央政府地方公共団体との関係もまた大きい変革を遂げ、さきに内務省が解体廃止せられまして以来、政府部内にあつて地方自治拡充に関する業務をつかさどる機関についても、幾たびか機構改革が行われ、現在総理府外局である地方自治庁が、その任に当つていることはすでに御承知通りであります。しかしながら、地方自治の現状は、このようなたび重なる制度大改革にもかかわらず、いまだ必ずしも十分な成果をあげるに至つてはおらず、ことに地方財政の困窮と、その自主性の欠如とは、地方自治確立の前途に深い暗影を投じておりますとともに、国務大臣を長官とし、配するに地方自治委員会議をもつてする現在の地方自治庁機構をもつてしては、とかく地方財政に関する地方公共団体意思十分政府の施策に反映せられないのでありまして、ひつきようするに、自主的地方財政確立強化するためには、地方自治庁という機構そのものがまことに遺憾なことではありますが、その設立当初の意図に反して、必ずしも強力な機関たり得ないことを認めざるを得ないのであります。  時あたかもシヤウプ税制調査団勧告発表の次第もあり、政府は、この勧告の趣旨を十分尊重し、長年の懸案であつた地方税財政制度全般にわたつて、画期的な大改革を行いますとともに、特に地方自治における最弱点である、地方財政関係確立に強い力を持つ機関設置の必要を痛感し、ここに現存の地方自治庁とは別箇の機関として、新たに地方財政に関する地方団体の強力な利益擁護機関として、国、都道府県及び市町村相互の間における財政の調整をはかり、地方自治の本旨の実現を推進する機関として、内閣総理大臣の所轄のもとに、地方財政委員会設置することとし、本法案の御審議を願うことといたしたのであります。  次に本法案内容につきまして、概略説明申し上げます。本法案は大体におきまして、五つの部分から成立つております。まずその第一点は、本委員会任務及び所掌事務の範囲であります。地方自治権確立強化の過程が進んで参りますにつれ、政府部内におきまして、地方自治のことに当る機関任務にもまた変化が生じて参りますことは当然でありますが、ことに今回断行せんといたしまする地方税財政制度大改革に伴いまして、中央におけるこの種機関任務につきましても、地方自治の根基たるべき自主的地方財政確立強化に重点を置かなければならなくなつたことは当然であります。本委員会設置はまさしくこのような地方自治の現段階における要請に即応せんとするものでありまして、政府部内にあつて相当程度独立権限を行使しつつ、地方財政自主権確立を推進し、地方財政に対する一方的な国家意思の支配を排除するとともに、国家財政地方財政及び地方公共団体財政相互間の調整をはからんとするものであります。換言いたしますならば、本委員会は、形式上は総理府外局でありますが、相当広汎な独立権限を有し、地方税法地方財政平衡交付金制度等地方税財政制度の円滑なる運営確保の責めに任ずるとともに、地方税財政制度全般について絶えず必要な調査、研究を行い、必要事項については、随時あるいは国会及び内閣意見を申出、あるいはまた関係機関に必要な助言を行い、もつて地方自治の進展に資するところあらんとするものであります。  その第二点は、委員会組織であります。以上のような本委員会任務重要性と、特殊性格とに基き、本委員会は、地方自治に関しすぐれた識見を有する者について、内閣総理大臣が任命する五人の委員をもつて組織することとし、委員のうち三人は全国都道府県知事連合組織全国市長会連合組織及び全国町村長会連合組織がそれぞれ推薦した者を含まなければならないこととし、その利益代表機関としての色彩を組織の上に強く反映せしめることとし、また委員の罷免につきましては、一定の分限規定を設けて、政府の一方的措置を排除いたしまして、その独立性を強くし、地方公共団体意思が国家により一方的に不当に抑圧せられることのないよう措置を講ずることといたしたのであります。  その第三点は、委員会の持つべき権限であります。本委員会権限といたしましては、委員会設置趣旨にかんがみ、従来内閣総理大臣権限に属しておりました地方税財政に関する諸権限のうち、地方税財政制度に関する法律案企画立案権を除き、他はすべてあげてこれを本委員会に委讓することとし、その独立性を強化するため、地方財政委員会規則制定権及び委員会所要経費確保に関する請求権を付與し、随時地方財政に関する必要な意見国会内閣及び関係機関に申し出る権限を與えるとともに、地方財政の状況を毎年国会及び内閣に報告する義務を課して、国会及び内閣との連絡の緊密化をはかり、聽聞の権限及び義務を規定してその業務運営の適正を期し、もつて地方公共団体利益の正当なる擁護者たる地位の確保をはかつているのであります。  その第四点は、委員会事務部局であります。地方財政委員会の持つべき性格と、その任務とにかんがみ、委員会に置かれる事務部局としては、官房のほか財務部税務部の二部とし、前者は地方財政平衡交付金法及び地方税関係法規を除く地方財政関係法令の施行の事務に当り、後者は地方税関係事務の執行に任ずることといたしております。  その第五点は、地方自治庁設置法の一部改正及びその他関係諸法令の一部改正であります。まず地方自治庁設置法の一部改正でありますが、地方財政委員会設置に伴い、地方自治庁任務及び所掌事務の範囲について変更が生じて参ります結果、本法律案附則において、地方自治庁設置法の一部に所要の改正を加えることといたしたのであります。すなわち、第一に地方財政に関する強力な地方公共団体利益擁護機関として、本委員会設置せられます結果、地方自治庁は、国と地方公共団体相互間の連絡機関たることを主要性格とし、地方行財政及び地方公務員制度に関する法令案の立案に当るとともに、あわせて地方自治に関する内閣総理大臣権限行使の補佐に当ることをもつてその任務とすることとし、地方財政委員会と相並び長短相補いつつ、地方自治確立の推進に邁進することといたしたのであります。  第二に、従来地方公共団体利益擁護任務を持つておりました地方自治委員会議は、新たに強力な地方公共団体利益擁護機関たる地方財政委員会設置することとなりました結果、その性格地方自治庁諮問機関に改め、その構成人員もその性格にふさわしいものに改正することといたしたのであります。  第三に、その事務部局でありますが、財政部関係事務の大幅な地方財政委員会への委讓に伴い、従来の部制はこれを廃止し、簡素かつ能率的な構成をとることといたしたのであります。  最後地方自治法地方財政法等その他の諸法律改正であります。地方財政委員会設置によりまして、既存の諸法律中に規定せられております内閣総理大臣及び地方自治庁長官地方財政に関する諸権限のうち、相当部分が地方財政委員会に委讓せられます結果、本法案附則におきまして必要事項改正し、字句の整備を行つたのであります。  以上が、本法案提案理由及びその内容概略でありますが、なお最後に本委員会設置の時期について一言申し述べておきたいと存じます。本委員会設置は、今回断行せんといたしておりまする地方税制度改正地方財政平衡交付金制度の実施と一体不可分のものでありまして、当初これら諸改革の実施と同じく、本年四月一日発足を目途といたしておつたのでありますが、関係方面との折衝に意外の日時を費さざるを得ないこととなりました結果、予想外提案を遅延いたさざるを得ないこととなつたのであります。もとより法案成立の上は、ただちに発足いたすべく準備を怠るものではございませんが、何とぞこの間の事情をとくと御了承の上、愼重御審議を重ねられ、すみやかに御議決あらんことをお願いいたす次第であります。
  13. 鈴木明良

    鈴木委員長 これにて政府提案理由説明は終了いたしました。御質疑はありませんか——質疑がなければこの際お諮りいたします。本案について地方行政委員会より連合審査会を開きたい旨の申出がありますので、地方行政委員会連合審査会を開きたいと思いますが、御異議はありませんか。
  14. 鈴木明良

    鈴木委員長 御異議がなければさようとりはからいます。     —————————————
  15. 鈴木明良

    鈴木委員長 次にこの際経済調査庁法の一部を改正する法律案について、山口国務大臣より意見を求めたいと存じます。
  16. 山口喜久一郎

    山口国務大臣 ただいま突然委員長より意見をということでありまするが、政府としては原案通り御承認をいただきたいのでありまして、承るところによれば、建設委員会の方から本法案の第一條の二の「経済調査庁は、前條に規定する事務の外、特別調達庁及び法令による公団業務調査及び経理監査を行うことができる。」この條項について特別調達庁という字句を除外するかのごとき御意見があつたように承つておるのでありまするが、特別調達庁所管大臣として、御承知のごとく特別調達庁総理府外局として、独立官庁のごとく見受けられるのでありまして、私が総理にかわつて特別調達庁所管大臣をいたしておるような次第であります。この特別調達庁に対して経済調査庁の方で、これが会計経理監査をやるというようなことは、一面憲法に抵触する、憲法違反になる疑いがあるというような意味も承つておるのでありますが、政府としてはさようには解釈していないのであります。また今日まで特別調達庁監査の結果が、重要所見として私の手元へ経済調査庁から参つております。その報告によれば、特別調達庁保管調達解除物件処理状況、こういうものに対しても精細な調査を行われておるのでありまして、御承知のごとく、すでに解除物件として売り拂つてもさしつかえないものが、昨年の十月の調査で約七十三億円に上つております。またこれが保管料月々五千七百万円程度に上つておるのであります。こういうものをすみやかに処理することによつて国家財政の一助ともなり、また月々六千万円になんなんとする保管料拂つておるというような問題に対する隘路がどこにあるか、こういう点に関しましても、所管大臣として、私が直接監督する上においても、経済調査庁のごとき機構がある限りにおきましては、この機能を十分発揮してもらうようにすることが、私の責任を全うするゆえんでもある、かように解釈をいたしておるような次第であります。またその他機構改革に対する意見というような面についても、いろいろ意見を具申して参つております。また対連合軍との関係あるいはこれが調節、そういう問題とか、または変則的解除による物品の購入またはこれの売り拂いの径路というようなことに対して、詳細な説明も受けておるのであります。また売り値と比較にならないところの寄託価格をもつて購入しておるというような点とか、その他各種の政府が行う行政上の措置に対するいろいろの意見も聽取しておるような次第であります。会計検査院と重複するではないかという御意見もごもつともでありますが、私の方といたしましては、会計経理監査というよりもむしろ事務執行上に対する諸種のネツクを発見してもらう、いわゆる政府行政上の手助けになつてもらう、こういう意味合いからも、建設委員会において具申された御意見には、どうもわれわれとしても同意いたしかねる点があるのでありまして、やはり第一條の二の「経済調査庁は、前條に規定する事務の外、特別調達庁及び法令による公団業務調査及び経理監査を行うことができる」というこの條項は、政府原案通りお認めをいただきたい、かように存じておるような次第であります。
  17. 鈴木明良

    鈴木委員長 何か御質疑はありませんか。
  18. 江花靜

    江花委員 山口大臣にひとつお教えを受けたいと思うのであります。内閣委員会使命は、申すまでもなく、どうしても現業——現業と言うと変ですが、具体的に所掌事務を持つた方の委員会なら、もちろん官庁はやはり仕事の効果を急ぐとか、あるいはいろいろな関係上やむを得ざる結果としてそれにとらわれ、そうしてついには法なり官庁なりの体系を逸脱したりするというようなことになる。ある官庁一つ仕事を強く効率的に上げようとすれば、やはり他の方に対して非常な障害を與えるというようなことになることは御承知通りであります。それを内閣委員会は、いわば調整するというか、そういうことのないように、一つのバランスがとれるようにするのが大体の使命でありまして、具体的な法に従つて仕事内容内閣委員会にはないわけであります。機構とか制度とかいうことの番人であるわけであります。そういう意味で申し上げるのでありますが、従来官庁に対しましては、もちろん普通の私法人とかあるいは個人とかと違いまして、いろいろな権限が付與されて特別な扱いを受けておるのでありまして、その点において、また世間一般もお役所のやることはということで、一応信頼を置いて今日まで来たわけであります。これを今日の言葉で言えば、官庁自主性と申しますか、そういうものを広汎に認められておるわけであります。そこで官庁事務に対しましての監査、監督あるいは指導というような方面には、従来そういう機能を営むものとして広い意味において、第一に憲法にも認められておる会計検査院の制度があります。もう一つは、御承知通り、犯罪の疑いがあつたという場合には、司法権の発動がここにあるわけであります。もう一つは各主務大臣を最高とし、かつ中核とする普通の行政長官の指揮監督権の問題であります。この三つでもつて役所を締めて来たのが従来の体系であるように私どもは理解するのであります。そこで今度経済調査庁というものを設けられて、さらにまたそれと並んで各官庁を締める——締めるというと語弊がありますが、にらみをきかせ、手をつける、そういう制度山口大臣は今後設けられる御意思があるのかどうか。そういう体系をおつくりになるというのであるか、それをまず承りたい。
  19. 山口喜久一郎

    山口国務大臣 ただいまのお説のごとく、本質的には経済調査庁というようなものができることがいいか惡いかということに対しましては、私は江花君と意見を同一にいたしております。しかしながら、経済調査庁という制度がある限りにおきましては、特別調達庁のごとき、総理府外局として直接国務大臣がその局の長官でない、いわゆる所管大臣としてこの業務を担当しておるというようなことに相なりますれば、あくまでも所管大臣として国とか国会に対しては十分の責任を負わなければなりません。しかし責任を負おうとするならば、またこの調達業務全般にわたつても、これを知悉する必要もあり、またこれが改善あるいは機構改革等に関しましても、将来ともいろいろみずからの意見を持つていなければなりません。こういう意味合いにおいて、私はただいま賠償庁の長官として、また特別調達庁は私が所管をいたしておるのでありますが、日々その業務に携わつていないわけであります。すべて特別調達庁長官に委任しておるわけであります。しかしあくまでも国に対する責任内閣すなわち私の方で負わなければならない次第であります。こういう次第であつて、昨年以来特別調達庁長官国務大臣をもつて任ずるというような行政組織法の一部を改正することを私は主張し、また考慮しておつたような次第でありまするが、このことがまだ実現していない今日の場合といたしましては、十分国及び国会に対する責任を果す意味においては、ただいま御指摘くださいました條項は存置していただきたい、こう思う次第であります。会計検査院との関係においては、経済調査庁があるために、会計検査院の検査を受くる必要がないという場合においては、憲法違反という重大な問題が起り得るかもしれませんが、会計検査院と並行し、あるいはまた別途の意味において、この業務の実態を調査するというようなことは、決して憲法に抵触するようなことはあり得ないと考えております。私としてはあくまでも所管事項に対する責任を負うためにも本條項を残していただいて、これを有効に利用さしていただきたいと思います。また会計検査院において、会計経理に対する検査が行われますので、私の方もまた経済調査庁とも連絡をとりまして、その会計検査院の行わるる権能を侵さない他の面において、より多くの効果をあげたい、かように考えておる次第であります。
  20. 江花靜

    江花委員 大臣のお気持はよくわかるのでありますが、会計検査院と経済調査庁の今やろうとしておる仕事、この相互の関連、あるいは権限関係いかんというようなことは、これは大体法律効果も違うようでありますし、またいろいろな調べ方も、多少りくつをつければりくつのつけ得ることでありますが、ただ先ほど申し上げました通り、大臣は自分の仕事について国会に対して責任を非常にお感じになる、これはまことに当然でもあり、また敬意を表するものでありますが、しかし反面、さればといつて先ほど申し上げたように、内閣委員会としては單に一省あるいは庁というようなものの仕事の実効をあげたいというだけの観点からは了承できないのであります。全体の法体系、従つて官庁一つの職務権限調整ということに重点を置いて考える必要がありますので、今申し上げました通り経済調査庁というようなものは、極端に申しますれば私は思いつきの案である、経済調査庁が今ほとんど統制が撤廃になつて仕事がなくなつて、若干そういう方に男ぶりをあげているから、さつそくこれをこつちの方に利用してやろうという考え方で——これも実際私は理論としては必ずしも惡いことであるとは思いません。しかし再三申した通り、今日官庁に対する監督というか、監視というか、そういう面においては、国の予算については会計検査院がこれをやる、それから犯罪があつた場合には、捜索権の発動として司法権が発動せられる、最も大切なことは、本属長官長官として責任を持つて自分の部内の職務を指揮監督する、従つて職員の身分も指揮監督する、こういう大体三本建によつて今までの日本の官庁機構に対しての締りをつけて来たわけでありますが、もし経済調査庁というようなものにそういうことを許しますと、結果においては今度は四本建というようなかつこうにもなる。さらにほかの官庁にもそういう全般的な監査というようなことをやればやれるのだという例を開くことになりますから、私どもの立場から言えば、相当重要なことではなかろうかと考えられるわけであります。今特別調達庁の監督については、やや上の方が国務大臣として責任を負いかねるようなかつこうになつているということでありますが、これまた研究した結果、政府に欠陷があればお改めになることがけつこうであると考えております。結局自分のほんとうの職責としてやらなければならぬ仕事を、ほかの方の借物を借りて来て責めをふさぐ、惡口を申せばこういう結果にもなる。そういうふうになつては、せつかくわれわれの尊敬する苦労人の国務大臣のお言葉とも思えない。ことに特別調達庁のめんどうを見ておられて、それをどうもおれの手には負えないから、経済調査庁を借りて来てやらせるのだというようなふうにもとれる。そういうような便法で一つのことをイージー・ゴーイングなやり方をするとすれば、われわれ内閣委員としての職責は立て通せない。もしも長官一人の手では監督なり指導なりを負いきれないというのであれば、負われるような方法を專任の国務大臣なり何なり置いてやつてもらう。これは自分の部隊を統卒しきれぬから、ほかの方から借りて来て統卒するというようにも聞えるのでありまして、大臣のお言葉とも思えない、非常に残念に思うわけであります。こういうことにつきましても、官庁自主性を持つております。それゆえにこそ先ほど申しました通り、一般の私の人や私の法人なんかと違つて、非常に広汎な重要な執務を許しているわけであります。これにも弊害はありましよう。今日のようにいろいろなスキヤンダルが出て参りますればなおさら気をもまれるのはごもつともであります。しかし責任を感ぜられるあまり、実効を急がれることははなはだ妥当を欠く例だと思います。そういう考えを私は持つわけであります。もしどうしてもおやりになりたいとおつしやるならば、経済調査庁の職務権限、あるいは執務の内容というものを相当大幅にかえなければならない。たとえば司法的な捜索的な目で仕事をしておる人が、同時に平常の官庁事務監査をやるという例は、日本の行政ではまだたくさんはないと思うのであります。そういう点、今のスタツフで初めてそういうことを全面的に法によつて認めていいかどうか、いろいろな問題もありますので、相当重大だと思いますが、大臣は強硬に今御主張になられるお気持かどうかお伺いしたい。
  21. 山口喜久一郎

    山口国務大臣 いろいろ御意見はごもつともなところがあるのでありますが、たとえば国家警察においても、所管大臣として樋貝国務大臣が担当しております。この国家警察の方には、たとえば公安委員会があるというようなことで、また緊密に樋貝大臣とも連絡をとつております。私の場合においては国会においては、私が全責任をもつて当らなければならない。その私に一人のスタツフもない、こういうようなわけであります。またこれはざつくばらんに申し上げれば、この所管大臣は浮び上つておるような形であります。そうしますと、重大な責任を負わなければならない私といたしましては、所管する事項については十分知悉しておかなければなりませんし、またその機構の改善とかいう面においても、相当意見を持たなければならないような、実に妙な制度になつております。江花君が私の立場に立たれる日があれば、おそらく当然私と感を同じうするはずでありまして、むしろこの條項を存置するということについては、特別調達庁の、私を除く全員が反対であかもしれません。そういう立場にあるのであります。私が長官をやつております賠償庁の立場——私は賠償庁の長官として日々業務にタツチいたしておりまするから、この経済調査庁を利用するというようなことは必要を認めません。しかしながら、国会なつたらちよいちよいこういう質問が出るかもしれぬから、こういう答弁をしてくれというような依頼を受けるというかつこうでは、どうもおもしろくないのであります。だからなおさらのこと、私としては、自己の責任を果すためにも必要である。しかしながら、江花君の言われるように、経済調査庁が本質的に必要であるかどうか、こういうことは、また議論は別個でありまして、私も、御説のごとく経済調査庁という制度の有無に関しては、また別個の意見を持つております。しかしながら経済調査庁というような、私において非常に便利な機関がある以上は、この一部を利用さしていただくということが、国会に対する私の責任感からしても、この條項は存置していただきたい、かように存ずる次第であります。
  22. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に御質疑はありませんか。——木村榮君。
  23. 木村榮

    木村(榮)委員 これは経済調査庁の方にお聞きした方がいいかもしれませんが、先ほど国務大臣が、経済調査庁そのものの存置あるいは廃止については、自分も意見を持つておる、こういうことをおつしやつたものでありますから、ちよつと聞いておきます。御承知のように、あれは芦田内閣のときだつたと思うのですが、今の政府党の自由党は、この経済調査庁設置については大反対であつた。地方委員会と法務委員会が連合審査をしたときにも、今考査委員長をやつておる鍛冶委員が、行政権と司法権との問題で、これは非常に疑義があるという点で質問をいたしましたのに対して、当時の政府委員は満足な答弁もできなかつたような、いわばきわめてあいまいな法律によつてできた官庁であります。ところがその後の状態におきまして、私たちの見た目では、経済調査庁の発足いたしました段階における使命は、もはや終つて、必要がなくなつた、こういうのが大体常識じやないかと思うのです。そうなつて来ますと、必要がなくなつたから、今度はその名前のものをそのまま残して、しかも長官は、大体かつての警察関係の高級官吏といつたようなものを主として集めて、相当厖大な機構になつておる。こういつたものの圧力に押されて今の政府が、本来の使命のなくなつたものを、何とかかつこうをつけて置いておかなければどうも困るというので、そもそももう必要でないものを、ほんとうはいらないものを、わざわざこういつたふうな、目的を変更した官庁にやりかえておるわけだと思うのですが、そういうことは大体妥当なことでなくて、やめるものならやめて、あらためて発足さすならさすというのが、私は正しいと思うのですが、その点はどのようにお考えですか。
  24. 山口喜久一郎

    山口国務大臣 どうもむずかしい御質問でございますが、私、先ほど江花君にお答えいたしました通り経済調査庁を存置するかいなやというようなことは、他の機会に論及もしてみたいと思います。しかしながら、経済調査庁が現在の段階においては、全然必要でないとは考えておりません。かくのごとき機関が、漸次戰争経済から戰後の経済へ、つまり統制経済あるいは計画経済をやられておつたときから自由経済に、漸次移行して行くという段階においては、この機能を漸減するというようなことも当然であろうと思いまするが、これを廃止する時期、方法等については、また他の適当な機会に意見を述べさしてもらう方が——今日の場合は少し飛躍し過ぎることではないかと考えております。
  25. 木村榮

    木村(榮)委員 特別調達庁及び公団監査を行うことは、その仕事になつておるのですが、しかしこの前、油糧公団の不正なんかを考査委員会でやつてみますと、公団自体にだけ問題があるのでなくて、やはり外郭団体と申しましようか、他との連絡で、非常にその方がすぐわかる。だから経済調査庁は少くとも本来の任務の面でも、そういつたようなことをやろうと思えば相当やれます。しかしながら一向そのことをやつていない。しかもこの前の国会だつたと思いますが、最近は経済調査庁は、仕事至つてつておらぬじやないかと私が質問したら、いや、今後は脱税の方のことを徹底的にやるように方向をかえたいというような御答弁があつたように記憶しております。ところがこの間、私が大蔵委員会において高橋国税庁長官に、経済調査庁の脱税の問題に対するあれは、大体どの程度できておるかという質問をいたしましたら、あんなものは一つも役に立たぬとあつさり言つておる。私は経済調査庁が発足の当時から関係しておりますが、簡單に言えば実際くだらぬものです。金だけは普通の官僚よりも相当多くとるのです。大体特別会計だから多いのです。そうして相当大きな機構を持つておりながら、一向仕事にならない。油糧公団の例などを見ましても、油糧公団自体よりも外郭団体がたくさん統制上の違反をやつておる。簡單にわかるものを一つもやらない。わかつてつてもやらないと思うのですが、ただ單にこういう権限だけをうんと集めて、いかにもおれが経済界、その他における官庁に対しても、最もにらみがきくのであるといつたふうなことだけになつて、非常に将来惡影響を及ぼす官庁になる危險性が多分にあると思います。賢明な山口大臣はひとつその点をお考えいただきたい。妙なものに監督してもらつては損ですよ。だからその点をよく御調査なつた上で善処願いたいと思います。
  26. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に御質疑はありませんか。——質疑がなければこの際お諮りいたします。経済安定委員会より経済調査庁法の一部を改正する法律案について連合審査会を開きたい旨の申出でありますが、本委員会といたしましては、本案につきましては、すでに建設委員会連合審査会を開きました。重要な議案も山積いたしておりますので、経済安定委員会との連合審査会はこれを開かないことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  27. 鈴木明良

    鈴木委員長 御異議がなければさようとりはからいます。     —————————————
  28. 鈴木明良

    鈴木委員長 次に海上保安庁法の一部を改正する法律案大蔵省設置法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。御質疑はありませんか。
  29. 木村榮

    木村(榮)委員 海上保安庁当局にお尋ねいたしますが、この間中私の生れ故郷の方の、鳥取県の境港のことなのですが、そこの監視艇を使つて宴会をやつておつた。そこへ密貿易か何かの疑いがあるので、国警の方から連絡したところが、きようはみなおらぬからだめだというので逃がした。こういうことがあつたのです。その後の状況を見ますと、あなたの方で調査なさつて調査が完了したというふうなことを聞いていますが、調査なさつたのですか。
  30. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 お答えいたします。ただいまの事件は、多分私の記憶では浜田ではなかつたかと記憶いたしております。その事件はたしか漁船が修理をいたしまして、その試験漁業といいますか、そういうものにたまたま便乘しておつたという報告を受けておる次第であります。海上保安庁といたしましては、いやしくも職員の綱紀を乱るといつたようなことにつきましては、嚴正なる批判と処分をいたしておる次第でありまして、私たちとしてはさような事案に対しては、十分取締りを嚴重にし、責任を明らかにするという方針でおるわけであります。
  31. 木村榮

    木村(榮)委員 私の方の新聞を見ますと、国家警察の責任者があなたのところへ嚴重に抗議を申し込んだ。そうして境の保安署の責任者が声明を出しておる。あなたの方がその両方を調査をして答弁をすることになつておるのですが、存ぜられぬ。しかも浜田じやないかという話はもつてのほかである。これは大事な問題ですよ。浜田じやない。境です。いなかの新聞を見てごらんなさい。大問題です。県の国警の方で本省の方に抗議を申し込んでおる。それに対して境の保安署長は、実は人がいなかつた、こういうことを声明しておる。ところが警察で地元民を調査したところによると、その晩は美保関神社の祭りがあつて、そのために遊覧船に使つたということを地元民は言つておる。酒、魚は地元の漁師が持つてつて、保安署の役人どもがそれに乘つて来て、どんちやんやつておつた、そういうことがある。しかもこのころ、私の方の県では、密漁といいますか、規定外の網を、しかも規定外の漁域に入つて来て、どかどかと網を引いて、沿岸漁民はほとんど困つておるのですが、そういうことに対しては、いくら保安庁の方に頼んでもやつてくれない、こういう状態なのです。そうしてその結果はどういうことを言われますかというと、船が足らないから船をふやしてもらわなければどうにもならぬ、こういうことを盛んに言う。船をふやしてもらいさえすればやるというが、現にある船は遊覧船に使う。あなたの方ではそうした指示をなさつておるのですか。船をふやすために、船を出さぬようにして、船が少いから船をふやせという要求を掲げさす方針になつておるのですか。
  32. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 境の事件でございますと、実はまだ私の手元に報告が参つておりません。十分調査いたしまして、責任を十分明確にいたしたい、かように考えております。なおまた船を所要の場合に出さないとか、あるいはそこに法規違反があるにかかわらず、取締りをいたさないというようなことは、全然ございませんで、むしろ私どもの方は、いかに困難な場合におきましても出て行くということが最大の務めでございます。常にその方針で指導いたしておる次第でございます。
  33. 首藤新八

    首藤委員 海上保安庁の問題につきまして、すでに聞くべきものは聞いたと考えますが、なお二、三疑義がありまするので、この点を御質問いたしたいと存じます。  第十三條に、本部の事務を分掌するものとして保安監部を設定することができるというふうにありますが、その保安監部の事務内容について一応御説明いただきたいと思います。
  34. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 保安監部は、管区海上保安本部の管内におきまして、その海上における全体の指揮を統轄して行う、かような考えであります。これを碎いて申し上げますれば、管区本部は一応司令官でございまして、全体に対する管内の指令を行うということを建前といたしております。海上保安監部と海上保安部とございますが、海上保安監部の方は、陸上における行政権のみならず、海上におきましては、海上部隊の比較的広い所掌管内における指揮を行う。部隊の実際指揮を行う。かような組立てになつておるのであります。
  35. 首藤新八

    首藤委員 先般この政府案によりますると、海上保安部を大阪に置く。そうしてその理由は、他官庁との連絡上便利であるというただ一つのために大阪に置くということでありますが、海上保安そのものの本質的な運営から見ましても、どの点から検討いたしましても、神戸が適当であるということは、万人異論のないところだと考えるのであります。従つて政府の言われたところの保安監部を大阪に置いて、それで他官庁との行政上の事務連絡に当らせるということの方が適当じやないかと思いますが、これに対して長官はいかなる考えを持つておるか承りたい。
  36. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 海上保安監部は主といたしまして部外よりもむしろ部内に対して指示権を持つておるわけでございます。管本の方はその上におりまして、実際の行政を統轄指令をいたすわけでありまして、かような意味におきまして、部外官庁との全般的折衝ということになりますと、管区本部の方がいいであろうと思つております。
  37. 首藤新八

    首藤委員 海上保安本部の本来の事業目的、これは先般も申し上げたのでありまするが、海上の秩序維持、これが最大の目的であつて行政官庁との連絡ということは、私はむしろ従だというように了解しておるのであります。しかも本質的運営をいたしますためには、海洋気象台を初め、あるいは水路の問題、あるいは造船の問題、あるいは他の海運業者との連絡等の問題等々から見まして、大阪よりも神戸の方がはるかに適当であろうと考えるのであります。従つてかような問題を考慮いたしまする際には、やはり本質的な問題に最も重点を置いて考慮すべきではないかと私は考える。そういう意味から他の官庁との連絡というのみであるならば、管区の事務を單に海上ということに限定せずして、陸上、いわゆる他の官庁との連絡事務ということにする方が、本質的な業務の運営士において、はるかに効果的ではないかと考えまするとともに、この海上保安本部が一種の司令部だということになりますれば、その指令はやはり本質的な業務に対するところの指令が重点的であると考えるのであります。かような点から考えましても、管区の業務内容を多少構想をかえまして、他官庁との行政もこの管区にやらせるというふうにかえた方が適当だと思いますが、なおかつ長官は自説を固持されるのでありましようか。
  38. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 建前から申しますれば、管内全部を代表いたしまして、他官庁と折衝いたします場合には、これはやはり管区本部がいたしますことは、理のさすところであると考えられるのであります。ただ保安監部が実際の自分の部隊指揮を委任せられた行政分野の中におきまして、緊急の場合におきまして、他官庁と折衝するということはあり得ると思います。
  39. 首藤新八

    首藤委員 この問題は一応あとまわしにしまして、さらにお聞きいたしたいと思いますのは、聞くところによりますと、大阪に海上保安本部を設置する。それに予算を伴つていないのみならず、その予算相当巨額の費用を必要とすると伺つておりますが、国家経済の困難な折柄、しかも先ほどから申し述べておりまする通り、本質的な業務をやるためには、神戸の方が大阪にまさること万々である。従つて、今日まで神戸に海上保安本部を置いたことも結局さようなあらゆる條件を考慮した結果、神戸が適当であるという断定のもとに、現に神戸に置かれておると思うのであります。その常識を破つて、わざわざ大阪に持つて行く。しかもそのために多額の国費を必要とすることを考えますると、一層大阪に移転することは不適当だと思うのですが、はたして予算をいまだ伴つていないのであるかどうか、この点を一応承りたいと思います。
  40. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 現在大阪には海上保安庁の出先機関でありますところの、海上保安部がございまして、これが適当な建物がなく、現在大阪の港湾に多数分散いたしております関係もございまして、将来これらの改造経費といたしまして、ごく若干の経費予算化いたしておるわけであります。ただ管区本部自体の予算といたしましては、まだ成立はいたしていないわけであります。なおまたその他に管区本部を置きますにつきまして、若干の通信設備がいるかと思いますが、これも目下のところは予算の成立はしていないのでございまして、国会の御協賛を経ましたならば、適当な機会に予算化いたしたいと存じておる次第であります。かような点もございまして大阪が適当とは存じますが、当分の間管区本部を神戸に置くといういうふうに附則でうたつてありますような次第でございます。
  41. 首藤新八

    首藤委員 附則で暫定的に神戸に置くということになつておりますが、もし、暫定的に置いても一向支障がないというところから、私は神戸に置くという最後的の決定を見たと思うのですが、しからば暫定的ということを言わずして、永久に置くということにした方がはるかによいと思いますが、いかがでございましようか。
  42. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 私どもといたしましては、あらゆる設備が完備をいたしましたならば、他官庁との折衝につきましては、大阪の方が適当であるかと考えた次第でございます。
  43. 首藤新八

    首藤委員 しからば将来予算がとれるか、とれないかわからないにもかかわらず、今ただちに大阪に設置するということは、いかにも常識的でないと思うのであります。あくまでも大阪が適当であるというお考えがあるならば、将来予算を請求され、それが通過して、しかる後に大阪に移転するということにして、これを撤回する御意思があるかないか、これをお聞きしたいと思います。
  44. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 先ほど申しましたように、政府といたしましては、なるべく原案を承認願いまして、原案で行きたいと考えております。
  45. 首藤新八

    首藤委員 運輸委員会の方で、この問題を愼重審議いたしました結果、運輸委員会としては神戸に本部を置くことが適当であるという修正に決定し、この修正案をこの委員会提案しておるそうですが、これは事実であるかどうか、委員長にお伺いいたします。
  46. 鈴木明良

    鈴木委員長 ただいまの首藤君の申出は事実であります。
  47. 首藤新八

    首藤委員 後ほどこの運輸委員会の修正意見はできるだけ尊重されて御討議願いたいと思いまするが、同時に今までの政府側の御回答では満足できないのでありまして、これだけの理由で大阪に移転するということは、いかにも首肯できないのでありますから、私はあくまでもこれには反対いたしたいと思いまするとともに、一応他にも質問者がありますから保留いたしまして、私はこれで打切ります。
  48. 岡田五郎

    岡田(五)委員 先ほど政府委員から管区保安本部は指令的に仕事をするのだ、こういうお話でありましたが、現在ございます海上保安本部が、はたして指令的な事務をやつておるのかどうか、その点ちよつと承りたいと思います。
  49. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 現在の管区本部は、一つの特異的な存在を持つておりまして、先般別の委員会でもお答え申し上げたと思いますが、海上保安庁の出発早々の際における諸般の定員その他の問題もございまして、たとえを団警にとつてみますると、団警は管区本部がございまして、同時にその管区本部である県に対しましては、県の警察隊が別に存在しておるわけであります。ところが海上保安庁は現在は管区本部が同時にその県の警察隊といつたようなものをあわせ行つておる次第であります。かような観点からいたしまして、この点は明確に分離をいたしまして、一つの管区本部で指令機関と実際の部隊の行動機関とはこれを分離した方が適当である、かような見解に立つておる次第であります。
  50. 岡田五郎

    岡田(五)委員 現在の組織を拜見いたしますと、海上保安本部、その下に海上保安部というのが数箇所置いてあるようであります。今度の改正案を見ますと、海上保安本部が管区本部になりまして、従来の海上保安部が海上保安監部となり、またその他の事務所ということになるかのように私は考えておるのであります。しかもまた現在において相当指令的な仕事もし、また海上保安本部がいわゆる政府委員的巧妙な言葉で言いますと、機動的な動きをしておると考えるのであります。また指令機関としての本部の海上保安庁というものが、全国的に指令的な事務を果し、また教育的なものについては管区本部、従来の海上保安本部がやるのではないか、その下の実行機関の海上保安監部がいろいろ実行事務をやる、こういうように私は考えるべきであつて、従来とほとんどかわりがない。従来の組織をそのまま使つてちつともさしつかえない。ただ九あるのを六に減すがために、多少地域の異動があつたのではないか、かように私は考えるのでありますが、地域の警戒区域、所管区域の異動のために中心地がずつて行つた、こういう説明ならばいいが、ただいつもの常用語のように、機動的にあるいは指令的にという巧妙な抽象的な言葉をもつて、従来海上保安本部として神戸で十分機能を果し、またいわゆる政府委員の考えておられる指令的な、行政的な仕事をするにしても、神戸からわざわざ大阪に持つて行かれる適当な行政的な理由を私は全然納得できないのであります。  この点につきまして、いくら質問いたしましても、意見の相違ということになるのでありますから、次の質問に移りますが、過般新聞で拜見いたしますと、閣議決定といたしまして海上保安監部をどこそこに置くということを新聞に発表になつておりましたが、はたしてかような事実があるのかどうか、この点を承りたいと思うのであります。
  51. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 海上保安管区本部のもとにおきまする地方行政機関が、地方自治法によりまして国会の御承認を得なければならない筋合いに相なつております。かような次第でありまして、先般海上保安監部以下すなわち海上保安庁の地方出先機関設置予定につきまして、一応閣議決定を見た次第でございます。このうちの海上保安監部について申し上げますれば、海上保安監部は先ほど首藤委員に対してお答え申し上げましたように、相当地方的に広汎な数県を所轄いたしまして、その海上における船舶部隊を使用する体制にいたしております。そこで私どもの原案でありまするところの六管区制で参りますと、いろいろ本部を多くしたために起つて来る若干の支障もあるわけでございます。これをできるだけ監部の設置によつて補いたい、かような建前からいたしまして、監部を五箇所に設置することにいたした次第でありまして、すなわち日本海方面におきましては、従来の新潟の管内について一監部を置く、舞鶴の管内に若干加えましたものに対して一監部を置く、それから名古屋の管内から静岡をとりましたものに対して一監部を置く。近畿地区について神戸に一監部を置く。並びに門司から山口県の半分及び豊後水道にかけまして、門司に一監部を置く、かような監部を置きますと同時に、その他の所要の地に海上保安部を置くということにいたした次第であります。
  52. 岡田五郎

    岡田(五)委員 横浜につきましてはどういうふうにお考えになつておられるでしようか。
  53. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 政府の原案におきましては、横浜には第三管区の管区本部を置きまして、これとは別個に東京湾の方面を所轄いたしますところの海上保安部を置くということにいたしている次第であります。
  54. 岡田五郎

    岡田(五)委員 それでは海上保安監部の下に保安部をお置きになり、またそれと同格またはそれの下に従来のような保安署というものをお置きになるおつもりでありますかどうか。
  55. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 現在のところ海上保安管区本部の下に監部またはその他の事務所を置くということに相なつております。海上保安監部の下には警備駐在所または船舶検査事務所を置くというようなことになるわけであります。
  56. 岡田五郎

    岡田(五)委員 これで質問は終りますが先だつての閣議決定はなさいましたのでございますか。先ほど答弁がはつきりしなかつたようですが。
  57. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 閣議決定はいたしたわけであります。
  58. 岡田五郎

    岡田(五)委員 その閣議決定は一応この政府原案が本国会に無修正のまま通るという前提のもとにおいて御決定になつたものとみなしますが、さようでございますか。
  59. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 さようでございます。
  60. 鈴木明良

    鈴木委員長 この際お諮りいたします。松澤兼人君より委員外発言を求められておりますので、これを許したいと存じますが、御異議ありませんか。
  61. 鈴木明良

    鈴木委員長 御異議がなければ発言を許します。松澤兼人君。
  62. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 お許しを得まして簡單に二、三御質問申し上げたいと思います。第一にお聞きいたしたいことは、従来の質問で明らかになつているかと思うのでありますが、管区本部と、それから現在の海上保安本部との機構及び運営の面においてどの程度まで権限が違うのか、その点であります。
  63. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 今度の管区本部と従来の海上保安本部との違いと申しますと、本質的にはないのでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、現在の本部は全般の指示機関であると同時に、その当該地域における実際の行動機関であつたのでありますけれども、新しく設置しようといたしておりますところの管区本部は、行動機関ではなくて、これは指示機関である、この点が違う点でございます。
  64. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 そういたしますと、管区本部におきましては現業的な仕事というものはないか、あるいはほとんどない、そういうふうに了解できるのでありますが、そうでありますかどうかという問題と、それから国家警察の管区の問題と海上保安庁の管区の問題と権限などにおきまして、やはり相当大きな開きがございますか。
  65. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 第一のお尋ねの管区本部に現業ありやという点は、先ほど申し上げましたように、これが船舶の行動機関であるという意味においては、現業ではないのであります。  第二のお尋ねの点は国警の管区本部と大体同じ立て方でございます。
  66. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 次にお尋ねいたしたいことは、結局これは地方的な問題になると思うのでありますが、われわれ聞いておりますところによりますと、大阪港は人工の港湾であつて、施設も十分できておりますることは聞いておりますが、しかし西風が吹きますと荷役に非常に困難であるというようなことも聞いているのであります。そこで最も必要である、たとえば暴風雨、あるいは非常に波が高いとか、あるいは高潮であるとかいつたような、現業的な活動が最も必要であるときに船を出すことができないといつたような欠点があるのではないかと思うのでありますが、そういう事実はございませんかどうか。
  67. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 大阪港が場所的に西風に弱いということは御説の通りであります。ただ管区本部は自分自体が行動機関ではございませんで、自分自体ですべて大阪にこれを集結して、これを大阪より運用する、かようなことはないのでありまして、全体の管内の貿易の諸情勢を総合いたしまして、全体の運用をする、かような次第でございます。
  68. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 大体におきまして地方の出先機関は大阪に集中せられるということは当然でありまして、地方的な問題といたしましてもそれはあたりまえのことだと思うのであります。港湾もしくは海上警備その他遭難というような面におきましては、これはやはりどうしても外国貿易があります神戸に、管区本部なり、あるいは相当実力のある海上保安機構というものを置くことが常識的に申してみてだれしも納得が行くことだと思うのであります。それをなぜ自然的な條件が非常に惡い大阪に置かなければならないかという点がどうしても納得が行かないのです。大久保長官は各官庁との連絡ということを言われておるわけでありますが、しかしそれはあるかもわかりませんが、しかしこの海に関する限りにおきましては、直接陸上の諸機関とそれほど大きな密接な関係というものがあるわけではなく、率直に考えてみますならば、神戸が管区本部を置くのに最も適当な場所であるということをよく了解ができるのでありますが、大久保長官に重ねてその点についてひとつ御表明を願いたいと思います。
  69. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 神戸港が港として非常に優秀な港でありますことは、松澤議員とまつたく御同感でございます。かような次第でございまして、大阪には管区本部を置きまして、総括的な指令をし、これを運用をする上において、実際海上部隊を行動的に指令し、運用する実力機関は神戸に設置をいたしまして、神戸に海上保安監部を置く。かようなふうに現業についてはいたした次第でございます。
  70. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 その点がどうもよくわからないのであります。現在あるものを少しふくらまして、管区的な機構を充実させるということだけでいいのであつて、今ある設備なり、あるいは機能なりというものを、管区の分だけ大阪に持つてつて、そうして監部だけを神戸に残しておく。地理的な関係から言つても、現場がそれだけ離れておることは出動連絡等にもきわめて不便になつて来る。だからもし必要があるならば、現在のままこの機構を拡充して、管区本部的な仕事をさせることが最も適当である。わざわざ管区本部を大阪に持つてつて、監部を神戸に置いておくということは、どうものみ込めないのですが、いかがでしようか。
  71. 大久保武雄

    ○大久保政府委員 神戸大阪間の連絡が不十分であるという御意見に対しましては、現在ただちに移管いたしたといたしますれば、これは即刻にはお示しの通り連絡が不十分であると考えております。そこで政府といたしましては、大阪が適当な建物並びに通信設備を持ちまして、無線によつて全管内に指令連絡ができるまでは、これは移転が困難であると存じます。当分の間は管区本部としては神戸に置く、かように考えておる次第であります。
  72. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 最後に、完全な管区本部が大阪にできましたときには連絡が容易であるし、わけてもかまわないということは確かに了解できるのであります。しかし現在その設備なり、あるいはまた機能なりというものが神戸にあつて、有効に発揮されて、しかも大阪に持つて行くためには数千万円の予算も必要である場合におきまして、これをしいて大阪に持つて行くということは陸上の諸官庁との連絡という、それだけでありますならば、必ずしも大阪に持つて行かなければその機能が発揮できないというふうには考えられないのであります。その点もはやここから先は意見の相違ということになるかもしれませんが、われわれはどうしても現在ある機構をもつと有効に発揮できるということが港湾の関係からいつても、設備の関係からいつても、現在の海上保安本部の神戸にありますものをふくらまして、管区本部的な役割を演ぜしめることが最も適当だ、こう考えますので、これは大久保長官に対する希望でありますが、同時に内閣委員会の諸公におかれましても、ひとつまげて神戸に管区本部を置かれるように御盡力を願いたいと思います。ありがとうございました。
  73. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ本日はこの程度にいたし、明日午前十時より地方行政委員会連合審査会を開き、午後一時より内閣委員会を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時十七分散会