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1950-03-27 第7回国会 衆議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十七日(月曜日)     午後二時開議  出席委員    委員長代理理事 小川原政信君    理事 江花  靜君 理事 奈良 治二君    理事 船田 享二君       淺香 忠雄君    玉置 信一君       圓谷 光衞君    永井 英修君       吉武 惠市君    木村  榮君       松岡 駒吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増田甲子七君  出席政府委員         総理府事務官         (新聞出版用紙         割当局長)   鈴木 政勝君         特別調達庁長官 根道 廣吉君         総理府事務官         (特別調達庁長         官官房長)   岩永 賢一君         行政管理庁次長 大野木克彦君         地方自治政務次         官       小野  哲君         総理府事務官         (地方自治庁連         絡行政部長)  高辻 正巳君         外務政務次官  川村 松助君         外務事務官         (政務局長)  島津 久大君         運輸事務官         (大臣官房長) 荒木茂久二君         電気通信政務次         官       圖司 安正君         電気通信事務官         (大臣官房審議         室長)     鳥居  博君  委員外出席者         運輸事務官         (大臣官房文書         課長)     土井 智喜君         專  門  員 龜掛川 浩君         專  門  員 小關 紹夫君     ————————————— 三月二十七日  委員井上知治君、佐藤榮作君、丹羽彪吉君、水  田三喜男君及び山口六郎次君辞任につき、その  補欠として玉置信一君、永井英修君、圓谷光衞  君、淺香忠雄君及び吉武惠市君が議長の指名で  委員に選任された。     ————————————— 三月二十七日  総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一〇三号)(参議院送付)  審議会等整理に伴う厚生省設置法等の一部を  改正する法律案内閣提出第一〇九号)(参議  院送付)  社会保險審議会社会保險医療協議会社会保  險審査官及び社会保險審査会設置に関する法  律案内閣提出第一三〇号)(予) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一号)(参議院送付)  電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二四号)  総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一〇三号)(参議院送付)  新聞出版用紙割当に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一〇四号)  審議会整理に伴う厚生省設置法等の一部を改  正する法律案内閣提出第一〇九号)(参議院  送付)  運輸省設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第一一九号)  特別調達庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一二七号)  北海道開発法案内閣提出第一二八号)     —————————————
  2. 小川原政信

    小川原委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため、理事の私が委員長職務を行います。  本日はまず去る三月二十五日本委員会に付託されましな特別調達庁設置法の一部を改正する法律案及び北海道開発法案について、政府提案理由説明を求め、質疑行つた後、本日の日程について質疑の後、討論採決に入りたいと存じます。  まず特別調達庁設置法の一部を改正する法律案について、政府提案理由説明を求めます。根道政府委員。     —————————————
  3. 根道廣吉

    根道政府委員 特別調達庁設置法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  特別調達庁設置法は、昨年の六月一日から施行になつたものでありますが、その後多少の情勢の変化がありましたので、本改正を必要とするに至りました次第でありまして、その概要を申し上げますならば、第一は、審議会に関する規定を設けた点でありまして、特別調達庁には従来五つの審議会があつたのでありますが、これを三つに整理して、今度設置法に入れることにいたしたわけであります。  第二は、来年度から終戰処理費所管が、大蔵省所管から総理府所管に移ることになりましたので、これに応ずる規定を各部の所掌事務中に規定したことであります。  第三は、東京特別調達庁調達に関する企画立案及び地方局指導監督に專念する本庁と、調達現業を行う東京調達局とに分離したことであります。従来特別調達庁本庁は、全国の約四割にわたる調達現業地方局監督とをあわせ行つておりましたが、本庁が多量の現業事務をみずから行うことは適当でないと認めまして、本庁の従来の五部制を四部制に圧縮いたしまして、企画立案地方局指導監督に專念する簡素強力な機構といたしまして、別に東京の大部分職員をもつて現業に專念する東京調達局を置くこととしたわけであります。  第四は、従来附則に、規定してありました地方局管材部の名称を管財部に改めて、これを第十六條中に移しまして、接收不動産事務、特に解除不動産補償事務解除財産処理事務に万全を期することといたしたことであります。  第五は、附則、旧法による特別調達庁職員で、特別調達庁設置法による新機構に引継いだ職員勤務年月数を、恩給年限に通算することといたした次第であります。  本改正案概要は以上の通りでありますので、何とぞすみやかに御審議をお願い申し上げる次第であります。
  4. 小川原政信

    小川原委員長代理 これにて政府提案理由説明を終了いたしました。御質疑はありませんか。質疑がありましたならば願いたいと思います。——質疑がなければ、北海道開発法案をやることにいたしますが、まだ官房長官が見えられませんのであとにいたします。     —————————————
  5. 小川原政信

    小川原委員長代理 次に外務省設置法の一部を改正する法律案電気通信省設置法の一部を改正する法律案総理府設置法の一部を改正する法律案新聞出版用紙割当に関する法律の一部を改正する法律案審議会等整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案運輸省設置法等の一部を改正する法律案一括議題といたしまして質疑に入ります。御質疑はありませんか。
  6. 木村榮

    木村(榮)委員 今度できました運輸省技術研究所に入る人は、今国有鉄道に勤めている人ですか。それとも他から入つて来るのですか。
  7. 土井智喜

    土井説明員 お答え申し上げます。このたびの運輸技術研究所は、従来運輸省にございました船舶試験所等を統合いたしますが、そのほかに鉄道技術研究所は、日本国有鉄道として運輸省から昨年六月以来分離しておりますので、その部分研究職員は、今度運輸省の方へ参ることになるわけであります。
  8. 木村榮

    木村(榮)委員 その研究所へ入つた場合、今まで持つておりました、たとえば鉄道のパスとか、病院その他官舎といつたふうなものは、やはり依然として利用できますか。それともそういうような特権はなくなるのですか。
  9. 土井智喜

    土井説明員 お答えいたします。国鉄職員運輸省官吏になる場合、これはたとえば共済組合というような待遇の点は、そのまま存続いたすことになります。従いまして病院等厚生施設は、共済組合に関する限りは引続いて継続されるわけでございます。なおそのほかの公務員と、それから国鉄職員との待遇の問題につきましては、今の運輸省官吏国鉄職員との関係と同じになるわけであります。
  10. 木村榮

    木村(榮)委員 今度船舶業者の面が、来月からかわつて来るわけなんですが、今まで船舶運営会運営委員会でやつていたのが、今度は各船主責任においてやるといつたふうにかわるわけだと思うのですが、その結果、来月ぐらいから現在就職しております船員の中で、相当職を失う。従つて相当な人数の失業者が出るだろういうことがうわさされておりますが、それに対して運輸省の方ではどのくらいと見ていらつしやるか。対策をお考えなつておるか、承つておきたいと思います。
  11. 荒木茂久二

    荒木政府委員 御承知のように、四月一日から船舶運航態勢がかわりますけれども、そのために船員失業者を出すということは起きないであろう。同時にまた起さないようにいたしたいと、運輸省ではせつかく対策を講じておるわけであります。
  12. 木村榮

    木村(榮)委員 もしその場合、船主の方の採算上とかその他のいろいな関係で、どうしても雇つておけないといつたふうな場合は、何か補助とか何とかいう方法はないのですか。
  13. 荒木茂久二

    荒木政府委員 今出ております予算に四十二億円の補助金が入つておるわけでありますが、その補助金は、内航船舶繋船に対してのみ補助金を出す、こういうことになつております。従いまして繋船に関するその補助金が出るということにつきまして、その海運業者補助金を受けます限度において、やはり予備員を保有しておくことの可能な部分ができて来ることと思いますので、今ただちに首を切らなければならぬという事態にはならない、こういうふうに考えております。
  14. 木村榮

    木村(榮)委員 繋船の問題ですが、繋船という限度は何ですか。たとえば北海道東京間をやる場合に、ほんとうはその船の速力、能力をもつてすれば何航海できるということがわかつておりますね。ところが荷物がないとか、その他いろいろな事情で、わずか一航海か二航海しかやらぬ。これは半ば繋船状態が来ると思うのです。そういつたものは繋船と見ないで、とにかく全然繋船したものというのは、どのくらいな標準になるのですか。
  15. 荒木茂久二

    荒木政府委員 ちよつと御質問趣旨がわかりませんが。
  16. 木村榮

    木村(榮)委員 たとえば私の県は島根県ですが、あの隠岐汽船というのは、今二隻で交互にやつております。ところが石炭代その他の関係で、二隻を動かすと会社が持てません。べらぼうな費用がかかる。しようがないから、一隻は繋船したことになつてしまうのです。しかし実際はたまたまやらぬと荷物がつかえたり、いろいろな事情があつてやるわけなのです。これは繋船と言えば繋船ですが、たまに、一箇月に一回とか、二箇月に三回とか動かすわけなのです。そういつた場合はどうなるのですか。
  17. 荒木茂久二

    荒木政府委員 政府補助いたしますのは、一箇月以上継続して繋船したものでなければ補助を出しちやいかない、こういうことにスキヤツプ・インのなにが出ておりますので、ときどきたまにでも動かして、一月以上継続しないというものに対しては補助は出ないわけであります。
  18. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、完全に一箇月以上繋船せなければならない理由とか、その他の條件というものはどんなふうな方法で御調査なさいますか。
  19. 荒木茂久二

    荒木政府委員 それは政府がきめるわけでございませんで、荷動きによつてきまるわけでございまして、荷動きがあれば繋船する必要もありませんし、また荷物があれば繋船する期間が少くて済む、こういうわけでございまして、一に経済界事情によります荷物の動きによつて支配されるものと考えます。
  20. 木村榮

    木村(榮)委員 それはそうでしようが、しかし動かせば損だということがわかつておる。ほんとう繋船してしまえばいいわけですが、繋船してしまうと一般のお客や何かが困るわけです。特に佐渡島なんかもそういうことがあるのではないかと思いますが、私なんかの県の隠岐汽船なんかも困つている。動かせば損が行く。繋船した方がいいけれども、実際は繋船できない、こういつた点は何か特別な——補助金も少々は出ておりますけれども、そういつた事情ほんとうに認めて、何か特別な補助というものは、今のところできませんか。
  21. 土井智喜

    土井説明員 お答えいたします。ただいまの御説例でございますが、船舶運営会の今まで定期傭船をいたしておりましたのは——今度船主へ返ります分は主として貨物船でございます。不定期貨物船でございますので、定期旅客船等につきましては、従来も船主自分で運航しておりました。それの方の補助金は、別に海上運送法によりまして支給されておるわけなのであります。
  22. 小川原政信

    小川原委員長代理 他に御質疑はございませんか。  他に御質疑がなければ、ただいま議題となりました六法案一括議題として、これより討論に入ります。
  23. 木村榮

    木村(榮)委員 他のは省略いたしまして、用紙割当の方なのですが、これはこの前からこの割当庁設置法はもうやめるということをしばしば言明なさつておりますが、今日まだ実現できない。しかもあの法案は御承知のように、最初は用紙の供給が不足しておるから、国家経済の現状によつて云々ということがうたつてある。その後の状況を見ますと、一般商業紙なんかは全国的に大体一割ないし二割の増配を行つておる。しかも最近は夕刊を各社ともどんどんと大幅に出す。しかもこの間聞きますと、あれは統制外のせんか紙だといつたふうな御説明があつたのですが、これはそういうことを言わなければならぬから言つてあるだけで、ほんとうはうそなのです。そういうふうな状況であるにかかわらず、労働組合機関紙とか、あるいはまた農民組合その他政党の機関紙といつたものに対しては、一つ増配もしない。増配申込みをやつて一つも実現させないといつたふうなことは、これはきわめて一方的なやり方である。巧みに言論出版の自由を圧殺するものだ、そういつた意味合いから、この際私たちはこの法案を廃止していい時期に来たと思うのであります。そういう立場から私は今度の改正案には反対意見を持つておるわけであります。特に最近の状況を見ますと、割当審議会というものが不公平であつてなつておらぬ、そういつたことを考えまして、廃止していただきたい、これが私の反対理由であります、あとは省略いたします。
  24. 小川原政信

  25. 江花靜

    江花委員 自由党を代表しましてただいま提案なつております諸法案賛成をいたします。このたびの諸法案提出された趣旨は、いずれも他の法令との関係で、文言その他を整理する、あるいは先ほど来の政府の方針としまして審議会の廃止あるいは整理というものに即応した改正であります。全面的に賛意を表します。
  26. 小川原政信

    小川原委員長代理 これにて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。ただいま議題となりました六法案に対しまして賛成の方の御起立を願います。
  27. 小川原政信

    小川原委員長代理 起立多数。よつて各案は原案の通り可決いたしました。  各案に対する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  28. 小川原政信

    小川原委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。     —————————————
  29. 小川原政信

  30. 増田甲子七

    増田国務大臣 北海道開発法案提案理由及びその内容概略を御説明申し上げます。 国民経済復興と人口問題の解決とは、現在わが国が当面する緊急かつ重要な課題でありまして、そのために資源開発を必要とすることは言をまたないのでありますが、国土の狭小なわが国にとりましては、未開発資源の今なお豊富に存在する北海道を急速に開発することが国家的要請であると存ずるのでございます。北海道開発は明治の初年以来行われて来たのでありますが、四国の二倍に九州を加えた面積の地に、現在なお人口わずかに四百万人を擁するにすぎず、その産業もおおむね原始的段階の域を脱していない状態にあるのであります。このような経済的後進地開発は、総合的な計画のもとに、経費を重点的に使用するのでなければ、十分な効果を期待できないのでありますが、現在北海道開発事業関係行政機関が個別的に立案施行しているのでありまして、その間に総合性統一性を欠き、北海道に投入される国の事業費効率発揮上はなはだ遺憾の点が多いのであります。これらの点にかんがみまして、政府国策として強力に北海道における資源の総合的な開発を行うことを緊急と考え、これに関する基本的事項規定するため、本法案提案することにいたしたのであります。  次に法案内容概要を御説明いたします。  第一條は、この法律目的規定しているのであります。すなわちこの法律は、北海道における資源の総合的な開発に関する基本的事項規定することを目的とする旨を規定しているのであります。開発に関する基本的事項として、第二條以下に規定されている事項は、第一に北海道総合開発計画に関する事項、第二は北海道開発庁に関する事項、第三に北海道総合開発審議会に関する事項であります。  第二條及び第三條は、北海道総合開発計画に関する規定であります。北海道総合開発計画とは、北海道における土地、水面、山林、鉱物、電力その他の資源を総合的に開発するための計画を言うのでありまして、国は国民経済復興及び人口問題の解決に寄與するため、北海道総合開発計画を樹立し、これに基く事業昭和二十六年度から実施する旨を規定し、国が国策として北海道総合開発を強力に遂行する意図を明示したのであります。なお北海道開発計画は、国が樹立し実施するのでありますが、これに関係地方公共団体の意向を十分に反映せしめる必要がありますので、関係地方公共団体開発計画に関し内閣意見を申し出ることができることとしたのであります。  第四條以下は主として北海道開発庁に関する規定であります。北海道総合開発計画を樹立し、これを推進するためには、中央にこれを專管する強力な行政機関の存することを必要と考え、新たに総理府の外局として国務大臣を長とする北海道開発庁設置することといたしたのであります。北海道開発庁は、北海道総合開発計画について調査し、立案する機関でありますが、同時に開発計画に基く事業の実施に関する関係行政機関事務の調整及び推進に当る権限を有するものといたしております。  北海道総合開発計画は、前述のように昭和二十六年度からの計画でありますが、北海道開発庁は、昭和二十五年度においても国の執行する北海道開発に関する事業に関し必要な事項を調査することができるように附則に所要の規定を設けてをります。  北海道開発庁には、長官の下に次長以下の常勤職員が置かれますが、別に非常勤の参與十人以内が置かれることになつております。参與関係行政機関職員のうちから長官が命じ、庁務参與させるものでありまして、これにより北海道開発庁の任務の遂行にあたり、関係行政機関との連絡協調につき遺憾なきを期そうとするものであります。  第八條から第十條までは、北海道開発審議会に関する規定であります。北海道総合開発計画の調査、立案等にあたつては、広く各方面の知識経験を活用する必要がありますので、北海道開発庁付属機関として北海道開発審議会を置くこととしたのであります。  北海道開発審議会は、両議院の議員、北海道知事北海道議会議長及び学識経験のある者のうちから内閣総理大臣の任命する委員二十人以内で組織することとし、北海道総合開発計画に関する重要事項について調査審議して、北海道開発庁長官に建議し、また北海道開発庁長官の諮問に応じて調査審議することとしたのであります。  北海道総合開発につきましては、事の重要性にかんがみ、すでにこの法律案骨子等について、学識経験者意見を聞くため、事実上の審議会が開催されておつたのでありますが、これは北海道開発庁設置されますと不要となるわけであります。しかし北海道開発庁準備等事情もあり、昭和二十五年六月一日から、発足することといたしてありますので、それまでの間右審議会を法制化し、総理府付属機関たる北海道総合開発審議会とし、引続き北海道総合開発に関する事項を調査審議せしめ、北海道開発庁に引継ぐことといたしたいと考え、これに関する規定附則に設けたのであります。  以上をもつて法案提案理由及び内容概略説明といたします。何とぞ愼重御審議の上、可決せられるようお願いいたします。
  31. 小川原政信

    小川原委員長代理 これにて政府提案理由説明は終了いたしました。何か御質問ありませんか。
  32. 江花靜

    江花委員 今北海道開発法案の配付を受けまして拝見しますと、国民経済復興及び人口問題の解決に寄與するために、北海道総合開発計画を樹立する、そのためにこういう法律ができるということに承つたのであります。それで北海道はもちろん今官房長官の御説明のありました通り、いろいろなまだ未開発資源もあり、ことに最近ではあそこが日本の領土の北端にもなつたというような見地から、いろいろな特殊の事情があると思いますから、その点はきわめて適当な考えとも思いますが、二、三の点についてお伺いしたいのは、もし開発計画が、こういう日本国民経済復興あるいは人口問題の解決というようなものになるとすれば、日本全体の国土計画というような見地から、北海道がその一環として、あるいは重要な一環として考えらるべきものではないか。單に北海道庁開発計画というような、いわば部分的なもの、場あたり的にも考えられるような方法で十分であるかどうかという点が一つであります。  もう一つは、国務大臣北海道開発庁長官として、いろいろな機関北海道開発審議会というものがあるようでありますが北海道知事がやはりこういう開発に関するいろいろ重要な事項についての権限をもちろん持つておると思うのです。しかるに北海道知事審議会の一参與として北海道道会議長というものと一緒に加わつておるだけであります。もちろん衆議院、参議院から加わる者は、北海道の出身の方が大体なられることになるかと思いますが、これはやはり自治という見地からいつても、北海道知事一つ権限といいますか、職務範囲とどういう関連になるのか、この二点をお聞かせ願いたいと思います。
  33. 増田甲子七

    増田国務大臣 江花さんにお答え申し上げます。御質問の点はいずれもごもつともな点だと拝承いたします。第一の点は、国全体の開発計画というものがありまして、北海道総合開発計画ももとより日本の四つの島を含めた全体の総合国土開発計画相互連関性を持ち、しかもその一環として計画を樹立されなければならない、こうわれわれは考えておる次第であります。  それから第二の点でございますが、北海道知事がこの北海道総合開発計画について主導的立場を持たなければならないという御質問も一応ごもつともであります。道というものが北海道総合開発計画なり、北海道の繁栄をはかるために自治団体として存在することは当然でありまして、道会議長あるいは知事がこういうことについて主たる責任を持つことは当然であります。しかし一面江花さんも御承知通り、たとえば通産省、建設省、あるいは農林省等がそれぞれ、国費を直接に北海道に投下いたしまして、国の事業として北海道開発をいたしております。しかしながら各省庁相互連関性において、終戰後においていささか欠けるうらみがあるのでありましで、そういう意味合いから北海道開発国幣を十分に投じてやる——各省各庁においておのおの自分の最善と信ずるところをもとよりやつてはおるのでございますが、やはり各庁各省の間において総合性なり、連関性がなければいかぬという意味においてその前提となる開発計画はぜひとも総合性ある開発計画を立て、その執行は各省、各庁において行つてもらわなければならない、こういう立場をとつた次第であります。しこうして国の行う計画自治団体の行う開発計画と密接なる連関性を持ち、有機的に働かなければならないのでありますから、北海道知事北海道議会議長あるいはもつと広く申しますと、北海道の各市町村は総合開発計画についてもつと関心を持たなければならないし、また発言権を持たなければなりませんから、明文を設けまして、第十條に北海道知事北海道議会議長、これは必ず入れなければならないということにしてあります。御説のような御趣旨はここの中にうたい込んであると考えておる次第であります。
  34. 木村榮

    木村(榮)委員 一つ私のわからぬ点を聞いておきますが、第二條の第二項に「開発計画は、北海道における土地、水面、山林、鉱物、電力その他の資源を総合的に開発するための計画とし、その範囲については、政令で定める。」となつておりますが、その範囲というのはどんな意味ですか。
  35. 増田甲子七

    増田国務大臣 木村さんにお答え申し上げます。第二條の第二項の開発計画は、これこれを総合的に開発するための計画として、その範囲については政令で定めるということは、結局この土地、水面、山林、鉱物、電力その他の資源といいますと、相当重要資源のことでございますが、これらを総合的に開発するための計画である。しこうしてこの土地をどの範囲まで含ませるか、水面をどの範囲まで含ますかといつたようなこと、また山林につきましても、かりに民有林と官有林とがあるといたします。その民有林と官有林について、たとえば十勝のこれこれの官有林は入るとか入らないとか、鉱物にいたしましても、たとえば水銀と石炭は入るけれども、硫化鉱は入るとか入らないとか、そういうことを政令でさらに定める趣旨でありまして、大体において総合的に北海道全体を開発いたしたいのでありますから、疑義が起きたときにおいて政令で定めるとおとりくださつたらいいと思います。積極的にこの範囲を第二條第二項があるにかかわらず政令で特定するということでなしに、疑義が起きたような場合にその範囲を政令で定める。その範囲とは土地、水面、山林、鉱物、その他の資源開発計画を立てて開発いたしますが、その資源の範囲で政令で特定するという意味に御了解くださればけつこうでございます。
  36. 永井英修

    永井(英)委員 聞くところによりますと、国土開発法を提案になるということを聞いておりますが、その総合開発北海道開発との関係——先ほどちよつと言われたようでありますが、実際に総合開発法律が出た場合に、この北海道開発との関連はどういうふうになるか、その点伺います。それからもう一つは、安定本部が大体総合計画をやるのでありますが、安定本部と北海道開発法はほとんど関連性がないように見受けられますが、この点はいかがですか。
  37. 増田甲子七

    増田国務大臣 永井さんの御質問は先ほどの江花さんの御質問と連関のある問題だと思います。すなわち先ほど江花さんから、北海道開発計画は国全体の総合開発計画と密接不離の関係を持たなければならぬ、こういうような意味の御質問がありまして、それに対してお答えいたしましたが、御説の通りでございまして、国土全体の総合開発計画一環として北海道総合開発計画があるべきものである、こう考えております。しかしながらわれわれが北海道総合開発計画を立て、これが実施の推進に当るために、特に法案を設け、それから北海道開発庁を設けんとするゆえんのものは、ただいま提案理由にも申し上げました通り、終戦後においては北海道がただ一つ日本に残されたる資源方面におけるホープになつておる。この四つの島にわれわれ八千万の日本国民が平和にして幸福なる生活を送らなければならぬように相なつたことにつきましては、北海道に賦存する資源はこれを科学的の総合性のある計画のもとに開発して、国民生活の安定向上に資しなくてはならない。他の三つの島と比較いたしまして、その内容が非常に違うのでありまして、明治二十七年ごろまでは北海道開発日本全体が非常に努力したのでありますが、海外発展といつたような傾向になりまして後は、北海道はどつちかと申しますと、多少遺棄されたと申すとあるいは語弊があるかもしれませんが、忘れられたような形になつておるのであります。北海道に賦存する各種資源開発しておる程度が内地に比べますと、格段の相違がある次第でありまして、態様が非常に違う。でありますから北海道開発計画というものは、全国四十六都道府県ございますが、四十六都道府県のその一つであるといつたような意味において開発したのでは、時間もかかるし、また国民全体の期待にも沿い得ないから、特にここは重点的に力を入れまして、率直に申しますと、資源見地から見ますと、北海道はまだセミコロニー——そういう言葉を使つていいか惡いか疑問でございますが、資源見地から見ますと、まだ未開発地域である。その点は東北等も未開発の地域が相当ございますが、しかし本州、四国、九州とは比較にならない程度において、開発がされていないところでございますから、特に開発法を設け、それから北海道開発庁といつたような役所をつくり、総合開発計画を樹立することをこの專管事務とする。また開発計画の遂行について、各省、各庁を推進する。抽象的な仕事でございますが、まだ企画庁といつたような一つの役所がもつぱら存在しておる理由がある、こういう見地から、これから皆様に御審議を願い、また可決、通過、成立を願う次第でありまして、もとより永井さんの御説の通り総合開発計画一環でなくてはなりません。たとえば電力を日本が数千万キロワツト起すというような場合に、北海道割当がどのくらいであるかということが、北海道自身の電力資源開発ということとまた結びついて、調和がとれていないといけないのでありまして、石炭についても、あるいは水産資源につきましても、いずれも国土全体の総合開発計画と調和がとれた、その一つの要素という意味で開発されなくてはならぬ、こう私どもは確信いたしております。そこで国土全体の総合開発計画につきましては、ただいま内閣に、閣議決定を基礎といたしまして、北閣道開発審議会と同様の国土総合開発審議会が設けられております。ここにおいて北海道を含む全国土総合開発計画を樹立しようとしておりますが、まだ実はその運びに至つておりません。今回政府において、国土総合開発法という法律提出いたそうとしております。その中身をあらかじめ申し上げますと、総合国土開発法の企図するところは、総合国土開発審議会というものを内閣に付置いたしまして、その事務局に安本の建設局なら建設局を使いたいと考えております。安本事務局が国土総合開発審議会事務局になつて、そこで樹立される総合国土開発審議会開発計画一環に、北海道総合開発計画は相なる次第でございます。ほんとう一つのところで全部やればいいじやないかという御説も出ると思いますが、北海道は今申しました特別の性質がございますから、特に一つの庁をつくりまして、りつぱな総合開発計画を立て、これを実施に移したい。またこれが推進に当らしめたい、こういうつもりなのでございます。
  38. 小川原政信

    小川原委員長代理 他に御質疑はありませんか。
  39. 木村榮

    木村(榮)委員 北海道のことと関係のないことで、ちよつとこの際官房長官にお尋ねしておきたいのです。と申しますのは、例の国鉄裁定並びに專売裁定の問題ですけれども、あれは向うさんの何かで払えないというふうにきまつたということですが、政府の方は現在の公務員並びに国鉄、專売の従業員の窮状を考えて、特別な方策をお考えなつておりますか、承つておきたいと思います。
  40. 増田甲子七

    増田国務大臣 專売公社関係の裁定は、第十六條第一項に該当しない、すなわち予算上、資金上支払いが可能になつた次第であります。そこで全面的にこれを受諾いたしました。衆議院の労働委員会においても、われわれの付議した議案が自然消滅になつたということを議決された次第であります。  それから国鉄の裁定は、御承知通り両院において承認がなかつたのでありまして、われわれの見るところでは、裁定は効力を発生しなかつた。すなわち効力の関係においては裁定は消滅した、こう見ております。もとより係争事項なつておることは、木村さんの御承知通りであります。そこでこの裁定の問題と離れて何らかの給与を払えるかどうかということをずつと検討しておりましたが、国鉄全体としては、一般会計から三十億も借りておるというような状況でもあり、多少の余地が出ないでもなかつたのでありますが、この支出も大蔵大臣の流用というものの許可が必要になりまして、各方面それぞれの関係を折衝いたしてみましたけれども、不可能ということになりました。そこで不本意ながら政府といたしましては、支出ができないということに相なりました。  第二次裁定につきましては、予算上、資金上は、ただいまのところ支出は不可能でございますから、公労法第十六條第一項に該当する。そこで去る土曜日に公労法第十六條第二項によりまして、衆議院に付議するという所定の手続を終つております。
  41. 小川原政信

    小川原委員長代理 御質疑がなければ、これにて質疑を終りまして、本日はこの程度にて散会いたし、次会は明日午後一時より開会をいたし、特別調達庁設置法の一部を改正する法律案及び北海道開発法案及び本日付託になりました社会保審議会社会保険医療協議会、社会保険審査官及び社会保険審査会の設置に関する法律案議題といたしたいと思いますから、さよう御了承を願います。なお明日の委員会は第八委員室で行います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五分散会