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1950-02-21 第7回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十一日(火曜日)     午後一時四十分開議  出席委員    委員長 鈴木 明良君    理事 江花  靜君 理事 奈良 治二君    理事 丹羽 彪吉君 理事 鈴木 義男君    理事 船田 享二君       根本龍太郎君    松岡 駒吉君       木村  榮君    黒田 寿男君  出席国務大臣         郵 政 大 臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君         国 務 大 臣 増田甲子七君  出席政府委員         宮内庁次長   林  敬三君         郵政政務次官  坪川 信三君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     白根 玉喜君         郵政事務官         (簡易保險局         長)      金丸 徳重君         電気通信事務官         (大臣官房審議         室長)     鳥居  博君  委員外出席者         專  門  員 龜卦川 浩君         專  門  員 小關 紹夫君     ――――――――――――― 二月十五日  山口六郎次君が議長指名委員補欠選任さ  れた。 同月十六日  委員木村榮辞任につき、その補欠として神山  茂夫君が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員神山茂夫辞任につき、その補欠として木  村榮君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十五日  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第四〇号(予) 同月二十日  日本国憲法八條規定による議決案内閣提  出) 同月十六日  日本安全保障態勢確立のため総選挙実施に関  する請願淺沼稻次郎君外一名紹介)(第七五  六号)  恩給法臨時特例改正に関する請願福井勇君紹  介)(第八二三号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第八二五号)  同外一件(塩田賀四郎紹介)(第八二五号) 同月二十日  恩給法臨時特例改正に関する請願外一件(田嶋  好文君紹介)(第八五六号)  元軍人傷い者の恩給増額並びに療養費国庫負担  の請願外一件(永田節紹介)(第九二五号) の審査を本委員会に付託された。 同月十八日  恩給法臨時特例の一部改正に関する  陳情書(第  四二九号)  中央出先機関廃止陳情書  (第四六一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法  律案内閣提出第一六号)  電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二四号)  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第四〇号)(予)  日本国憲法八條規定による議決案内閣提  出)     ―――――――――――――
  2. 鈴木明良

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず去る二月十五日、本委員会予備審査のため付託になりました郵政省設置法の一部を改正する法律案、及び昨二月二十日本委員会に付託されました日本国憲法八條規定による議決案一括議題といたしまして、それぞれ提案理由説明を求めたいと存じます。小沢郵政大臣。     —————————————
  3. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 ただいま議題に相なりました郵政省設置法の一部を改正する法律案提案理由について、簡單に御説明申し上げます。  今般政府におきましては、政府部内の各種審議会の整理を行うこととなりましたのに伴いまして、郵政省におきましても、調査審議機関である「簡易生命保險郵便年金事業審議会」を廃止いたしまして、同審議会所掌事務郵政審議会に移管することといたしました。従いまして郵政省設置法を案の通り改正いたしたいと考える次第であります。  以上何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決あらんことを希望する次第でであります。
  4. 鈴木明良

    鈴木委員長 次に、日本国憲法八條規定による議決案議題といたし、政府側説明を求めたいと思います。宮内庁次長林政府委員
  5. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 ただいまから日本国憲法八條規定による議決案提案理由説明いたします。  皇室経済法第二條によりますと、天皇その他内廷にある皇族が、一年内になされる賜與または譲受けの財産の價額が百二十万円に達した後は、その後の期間においてなされるものは、すべて国会議決を要することとなつております。しかしながら、これらの方々が特に災害の場合の罹災者に対するお見舞、あるいは各種の御奨励等のためになされる賜與価額は、一箇年間に二百五十万円近くに上ると見込まれるのでありまして、これらは、たとえば災害に対する御見舞等のごとく、その都度実際の必要に当面して国会議決を経ることが事実上困難である場合も多く、またその目的も定まつておりますので、この際例年のごとくあらかじめ価額を限り、一括議決をいただきたいと存ずるのであります。  昨年度におきましても、本案とまつたく同様の趣旨をもつて、二百五十万円を限度とする議決願つたのでありますが、本年度におきましても、昨年同様の額をこの際一括議決をお願いする次第でございます。何とぞよろしく御審議あらんことを御願いいたします。     —————————————
  6. 鈴木明良

    鈴木委員長 まず電気通信省設置法の一部を改正する法律案、及び郵政省設置法の一部を改正する法律案日本国憲法八條規定による議決案一括して質疑に入りたいと思います。御質疑はありませんか。
  7. 木村榮

    木村(榮)委員 ちよつと皇室のことについてお尋ねしたいのですが、昨年に約五十万円お使いになつた内訳は御存じありませんか。
  8. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 昭和二十四年度、すなわち本年度は今進行中でございますが、その中のおもなるものをあげますと、キテイ台風による災害について東京都、神奈川県、群馬県、千葉県に出しておられます。また栃木県は震災お見舞出しておられます。また佐賀県、鹿兒島県、宮崎県福岡県等にはジユデイス台風災害お見舞出しておられます。また暴風雨によります鹿兒島、長崎、福岡大分愛媛等水害に対するお見舞出しておられます。また北海道においては古平町及び夕張市に大火災がありました これに対する救恤お金出しておられます。それから社会事業の方には、各種優良社会事業団体に対して奨励金出しておられます。また結核予防協会に対しても、事業奨励のおぼしめしをもつてお金出しておられますし、救世軍などにも出しておられます。それから日本学士院には恩賜賞の資としてお金出しておられます。また発明協会などにも出しておられます。そのほか学術奨励のおぼしめしをもつて、先ほどの学士院がこれに当りますが、金一封を出しておられます。また赤十字にも出しておられます。大体そういうような内容であります。
  9. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますとその額は、口数が相当多いから一回々々はわずかなものですな。
  10. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 一つにいたしますと、そう大して——たとえば例をあげますと、先ほどの水害震災などは一つの県について多いのは三万円、少いのは五千円というような程度でございます。学士院については五万円、発明協会が一万円、それから共同募金には十万円お出しになつている。大体そんなようなことであります。
  11. 木村榮

    木村(榮)委員 今年度予算を見ますと、皇室費は約二千万円ふえておりますが、ふえたおもな理由を御説明願いたい。
  12. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 これは今提案になつております救恤その他学術奨励のための賜與をなさる予算とは別の問題でございまして、この賜與をなさるのは皇室内廷費、すなわち法律によつて定額になつております二千八百万円の中からさかれましてお出しになるのであります。今木村議員がおつしやいました皇室費予算がふえているのはどういうわけかというお話の方のは、いわゆる国家象徴として公に皇室が活動されるための費用でございます。それから宮廷の荒廃したのを、雨漏りを直すとか、暴風でさくがこわれたのを直すとか、そういうような費用でございます。特に本年度ふえておりますのは——大体昨年度と同様でありますが、少しばかりその費用がふえておりますのは、一番おもなるものは戰争以来皇居その他の関係建造物が、ずつとそのままに捨てて放任された形になつてつたのですが、大分年月がたつて来ていたみがひどくなつて来ましたので、それらの木造建築物の修繕を若干行う。これによるところの増額が一番おもなものであります。その他に汽車賃が上りましたとか、公定価格にいろいろ変更がありましたとかいうもので、大蔵省の基礎の計算でもつて上りましたのが、それによつて少し予算の編成も上つております。
  13. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと大体一般的に見ておもに営繕費関係のものがふえたというわけですね。
  14. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 営繕必要年齢に参つております部分がおもでございます。そのほかに、たとえばガソリンの公定価格がかわりますとか、汽車賃がかわりますとか、そういうものに基いての機械的な増加というものが見込まれております。
  15. 鈴木義男

    鈴木(義)委員 ちよつとお尋ねをしておきたいのですが、キテイー台風とか水害等によつて国民に損害が生じましたときに、従来のように皇室が特別の財産を持つておられて、お見舞というか賜與をされることは了解できるのでありますけれども、今度のような象徴としてわれわれの税金から奉るという形になつておりまする場合に、キテイー台風とか水害等については国家として心配するはずであつて天皇が特にお見舞というようなものを出されることが適当であるかどうか、かなり問題ではないかと思います。社会事業とか共同募金発明協会、そういうことはよかろうと思うのでありますが、そういう点について当局としてはどうお考えになつておるか、承つておきたいと思います。
  16. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 鈴木さんのおつしやいますのも一つの御意見だと存じますが、これは先ほど申し上げましたように、陛下の私生活をなさいます費用として国家から認められまして、法律できめられました二千八百万円という御生活費、その他私生活的なことを主としてなさいます費用、いわゆる昔で言いますと御内帑金、そういうものの中から節約されまして、そうして特に気の毒な人に対して、国家としてもちろん盡すべきだけは盡すわけでございますが、そのほかに気持だけでも御救恤になる。こういう精神のものでございまして、皇室国民に対する気持及び国民のこれを受けられる気持というものを靜かに考えてみますと、やはり国家象徴として、国民の統合の象徴としての天皇としては、おやりになることは有意義であろう、かように考えておる次であります。
  17. 木村榮

    木村(榮)委員 今度天皇四国の方へ行かれるようなうわさですが、ほんとに行かれますか。
  18. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 四国の方からかねて行幸の希望を申して来られてもおりますので、大体三月の中ごろこちらをお立ちになつて、三月一ぱいの予定で四国をおまわりになるという計画のもとに、今準備をいたしておる次第であります。
  19. 木村榮

    木村(榮)委員 そういつた場合の費用は大体招待者側の方でみんな負担して、天皇の方からは金は一銭もいらぬのですか。それとも相当経費はかかるのですか。
  20. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 皇室といたしましてはその場合に陛下以下随員——これはきわめてわずかの数でございますけれども、その人たちの参ります旅費、宿泊費、そういうものは一切宮内庁費用でまかないます。それから地方においてはできるだけありのままの姿をごらんになるというのを目標にいたしておりますので、特にそのために費用をかけることのないようにということは、宮内庁側からも地方にお願いをいたしております。また内閣といたしましても閣議でその旨を決定いたしまして、特別の費えというものが極力ないようにということをお願いしておる次第であります。
  21. 木村榮

    木村(榮)委員 向うから来てくれということを宮内庁の方へ交渉して、そうして行かれる建前になつておるのですが、その場合、時節柄どうも出ぬといつたふうなことを返答なさるわけには行かぬのですか。
  22. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 それは皇室の方の御都合でどうしても妥当でない、あるいは国全体の情勢から見て妥当でないというときには、出ないということを言うこともできると思います。
  23. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、今の段階においては行つた方がきわめて妥当だ、こういうふうに大体お考えになつておるわけなんですね。
  24. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 おつしやる通りでございます。
  25. 木村榮

    木村(榮)委員 その点どういう意味合いで大体妥当あるか妥当でないかといつたふうなことを、何かそういつた場合には協議なさるような機関でもあつて協議なさるか。あるいはまた天皇の方へそのことを申し出るか。天皇意見を聞くか。またはそういつたことはやらなくて末端の方で——宮内庁の方の高官の方が協議してきめるか。あるいは政府とも協議してきめるか。そんな手続はどうなつておりますか。
  26. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 地元希望意見というものが一番の根本になるわけでございますが、そういうものがありました場合に、宮内庁としては行かれるべきかいなかということはよく考えます。それから内閣とも相談をいたします。そうして陛下のおぼしめしも承つて、それらが一致した場合に行われる、こういうことに相なるわけでございます。
  27. 鈴木明良

    鈴木委員長 先ほど議題にいたしました電気通信省設置法の一部を改正する法律案郵政省設置法の一部を改正する法律案についての御質疑はございませんか。
  28. 木村榮

    木村(榮)委員 郵政省の方なんですが、この簡易生命保險郵便年金事業審議会というものを廃止して、郵政審議会になるとどんな利益があるのですか。
  29. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 これは電気通信省設置法のときも大体木村君にお答えいたしましたが、政府行政簡素化、歳出の節約という方面から、従来の委員会制度で廃止しあるいは簡素化することによつて、しかも事務にさしつかえないという場合においては、これを極力簡素化するというような方針のもとに、従来法律政令あるいは閣議決定等によつて訪けられました審議会の三百のうち、その半数である百五十程度にこの審議会を減らそうという議が決定いたしまして、その一環としてただいまの委員会が廃止され、郵政審議会で合議されますが、申すまでもなく両方の委員会は、政令で定めた員数あるいは委員で構成しておりますけれども、二つの委員会がありますと、たとえば二十名の定員のところが二つあるというようなことになると、ちようど倍だけ、わずかなものでありますけれども、雑費等もかかる。また事務費等もかかりますから、これを一つにまとめまして、委員も約半分の数で審議してもらうことによつて事務簡素化されると同時に、費用の幾分なりとも節約できるという趣旨であります。
  30. 木村榮

    木村(榮)委員 そのことはわかるのですが。むしろこういつた場合は、郵政審議会の方を廃止して、特殊的なものである簡易生命保險郵便年金事業審議会の方がむしろあつた方がいいのではないですか。郵政審議会の方は非常に大ざつぱで、政府行政機関の中でもこういつたものを扱うところはたくさんある。これはかりにやめてもそう大してさしつかえはない。むしろこういつた特殊的な審議会の方が、審議会性格上妥当ではないかと思うのですが、その点はどうお考えになりますか。
  31. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 郵政省において郵政審議会と、今廃止しようという件との度合いの問題になつて来ますが、郵政審議会は原則として郵政関係の一切の行政事務に対する諮問事項を諮問する委員会で、これは原則的な委員会であります。しかし片一方の方は保險局関係保險に関する事項だけを審議するのでありますから、その件数も少いし、むしろ例外的な委員会を廃止して、原則的なものに統合するという考え方が正当であろう、こう考えて今申し上げた通り郵政審議会を残して、他の委員会を廃止するのであります。
  32. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、だんだんそういう專門的審議会というものがなくなるが、元来審議会性格はそういつた專門的な問題を特に討議をして、そうしてそれを全般的なものに反映させて行くのが私は目的だと思う。そういつたものがどんどんなくなつて行つて郵政審議会にすべて合一して行けば、今度は郵政審議会が非常に大きな権限を持つてしまつて大臣次官郵政審議会の言うことを聞くというふうになる危險性があるのです。大体今度の機構改革というものは、そういうふうなねらいであつてアメリカ式委員会制度を非常に強化している。こういうふうなねらいがあるのではないのですか。
  33. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 そういうねらいはありません。つまり郵政審議会権能が大きくなると言いますけれども、これは諮問機関でありますから、その意見は十分尊重しますけれども、その委員の方に次官だの大臣が意思に反して押えられるということは全然ございませんから、御安心なさつてください。
  34. 木村榮

    木村(榮)委員 それはなかなかうまいことをおつしやる。なとえば電気通信省の方の審議会も廃止した。小沢大臣は、この前審議会設置には木村たちは反対したのだから、今度木村君は賛成であろう、こういうふうな御発言であつた。なるほどこれはうまく言いますとそういうことになるのです。だけれどもこの裏には、この審議会を廃止するが、そのかわりに今度は電波監理委員会ですか、総理府の外局か何かになる。それができるわけです。今度はそこに権限が移つてしまつて委員会がなくなつたかわりに、非常に大きな権限を持つて、いわゆる統制機関のようなものが再生されて来る。こういつたらいでこの審議会が廃止されるのであつて、決して大臣のおつしやるような簡素化じやない。簡素化というのは、ただそこだけをとつた場合は簡素化になるが、根本的にこれをやつて行くと簡素化どころではなくて強化である。強化というのは非常な行政措置的な強化を上からやつて来る、こういうふうな危險性がある。これはそうだとはおつしやらぬでしようが、私たちはそう見ております。だからこんな小出しのことをやらなくて、もつと大胆率直にパタツとやつて向うさんの言う通り最初はやつておるのだけれども、しまいには電気通信省もなくなつて公共企業体になる。郵政省は早い話が徳川時代のカバンをぶら下げてやつているのだから、もうけにならぬから小さい局ぐらいに将来はしてやる、こういう目的だというわけじやないのですか。
  35. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 大分木村君は裏の裏ばかり考えているようですが、私どもは裏も表も一緒に法案として出しております。従つて木村君が邪推しておるような事実は少しもございません。というのは電波監理委員会というものは一つ行政機関であります。従来までは独立官庁でやつてつたもの、たとえば電気通信大臣だけでその行政処分をしておつたものを、單独行政ではややもすれば相当の惡影響がある場合があるから、これは複数委員がおつて、そうして複数委員行政処分をすることが適当だという見地の委員会があればありますし、ただいまの問題になつておる審議会は、政府あるいは各省諮問機関であります。だから行政機関である委員会制度諮問機関である今問題になつておる委員会とは、全然別個の形で論議されるべき問題であつて、この委員会をだんだん狭めて、しまいには行政処分官庁であるところの委員会制に持つて行くことは毛頭考えておりません。
  36. 木村榮

    木村(榮)委員 これは直接関連がないのですが、この予算などを見ますと、大蔵省預金部の金が相当出て来るのです。御承知のように、大蔵省預金部の金は、郵便貯金だとかそういつたものが圧倒的に多いと思うのです。従つてそういう場合に大蔵省預金部がやる措置に対して、今度は郵政大臣あるいは電通大臣としての立場から、あなたのところで集めたものであるから、これには相当おれにも文句があるというふうなことはあるものですか、それともできますか。
  37. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 現在預金部会計は、お話のように郵便貯金の金と、簡易保險積立金年金積立金、それから厚生保險保險金とこの四つ五つを集めたものが、大蔵省預金部会計になつているのであります。しかしこの預金部会計運用については、いろいろ検討しなければならぬ点はたくさんあると思いますが、現在の運用方針預金部資金運用委員会というものがありまして、その專門の委員会意見を聞いて、大蔵大臣がこれを運用いたしております。しかし大蔵大臣運用するにあたつては、常に閣議に了解を求めておりますから、国務大臣である郵政大臣もその場合に発言する権能は持つております。権能は持つおりますけれども、大蔵大臣主管大臣でありまして、閣議に持つて来るものは大蔵大臣考えだけで持つて来るということになります。
  38. 木村榮

    木村(榮)委員 今廃止される簡易生命保險郵便年金事業審議会で、大蔵省預金部の金の運用が相当問題になつて、そうして大蔵省預金部が他へ出す場合に、ここからもある程度意見を出すといつたふうなことはあるのですか。全然そういつたふうなところまではこの審議会はタツチしていないのですか。
  39. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 預金部資金運用に関しましては、今廃止しようという委員会は何の権限もありせん。関係もありません。別個委員会です。
  40. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に質疑はありませんか。
  41. 松岡駒吉

    松岡委員 簡易生員保險郵便年金事業審議会を廃止しまして一つにしてしまうということは、一面から言えばたいへんいいことであるが、今まで簡易生命保險郵便年金事業審議会に、委員を委嘱する場合において考慮されたような点は、今回委員会が統合された後においても考慮されますか。
  42. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 松岡さんにお答えしますが、大体数は減りましようけれども、今までの考え方、この委員会考えられた御趣旨を織り込んで、審議会に加味して行きたいと思つております。     —————————————
  43. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に質疑がなければ、社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑はありませんか。——江花委員よりこの問題について発言を求められております。これを許すに御異議ありませんか。
  44. 鈴木明良

    鈴木委員長 御異議なしと認めます。江花靜君。
  45. 江花靜

    江花委員 ちううど内閣官房長官がおいでになつておりますので、この席にふさわしい質問かどうか疑問がありますけれども、お伺いしておきたいと思います。  今度参議院選挙が行われますについて、官界かち相当多数の高級職員が、それぞれ立候補するようにとりざたされております。中にはすでに辞表出し運動をやつておられる方もあるようであります。官界から参議院その他に人材を送り出すことは、もちろんこれは異論のないことでありますが、ただ選挙に立候補をもくろんでいる際に、官費で大々的な事前運動をやる。各地方にいろいろな視察の名目を立てて出張して運動する。各省各局別あるいは地方配当予算は、自分の思うままになる、こういうような言辞をする者があるという風説もだんだんとあるのであります。特にこれはそういうことがあつてはならぬし、またそういうことのないことを祈るのでありますが、辞表を提出する前に、自分の部下といいますか、部内の人事について、自分選挙を有利に導くために人事をやる。論功行賞的の人事事前にやる。こういうようなこともだんだんと聞こえて来る。こういうことがありますれば、これはまことに政府の威信を失墜することでありますし、またほかの部面から出られるところの候補者に対して、役所に勤めておつた人が不当なハンデイキヤツプをつけて、有利な條件で出ることになつて選挙の公正も害されるおそれがありますから、私はそういうことは万ないとは信じますが、この点に関しまして官房長官の御見解と、なおこのことに対する官房長官の御方針について、はつきりした御答弁をお願いしたいと思います。
  46. 増田甲子七

    増田國務大臣 江花委員の御質疑にお答え申し上げます。御質問の御趣旨は、政府は全然御同感申し上げる次第でございます。政府におきましては、公職に従事している者一般について、私あるいは政府としては、江花さんの御指摘のような考えがよろしいのではないか、こう考えておりまするが、とりあえず国家公務員につきまて、来る参議院半数改選の際、立候補せんとする意思を持つておる者は、この際二月二十一日までにやめるようにしてほしいということを、各大臣あて並びに人事院総裁あてに、官房長官名の依命通牒を、先般閣議の了解を得て発した次第でございます。御承知のごとく私の部下である副長官を——これは特別職ではあり、一般職ほど、法規的の関係については、何ら制約がないそうでありまするが、範を示すというような意味において、一般職に先んじて、ほとんど制約のない特別職がまずやめておる状態でありまして、それから安本の副長官だとか、あるいは農林次官とか、今続々やめておる状況でございます。高級職員のみならず、下級職員でありましても、中級職員でありましても、いやしくも官権を濫用するというようなおそれがあるということで、そしりを受けてもいけないという意味から、公正な態度をとらしめておる次第であります。ことに高級職員については、その必要を痛感しておる次第であります。その方針をもつて、将来ともはつきりした態度で望みたい、こう考えております。  なお辞表提出前に、自分選挙に有利なように人事を行うというようなことは、万ないことと確信いたしておりまするが、御指摘のような点がなきを保しがたいとも思いますから、十二分に注意してもらいたい、こう考えております。
  47. 木村榮

    木村(榮)委員 今度の定員法改正案ですが、あれはこの間次官会議できまつたというような新聞の報道が出ていましたが、大体いつごろ、この内閣委員会に付託になるか。政府としてはどういう御方針ですか。
  48. 増田甲子七

    増田國務大臣 定員法は今せつかく審議中でございまして、まだ閣議を経ておりません。できるだけ早く出したいと思つておりますが、期日の点まではまだはつきりわかりかねます。次官会議等においても、まだ審議を結了したわけではありませんが。国会の実質上の審議期間をにらみ合せまして早く提出する必要がある、こう感じまして、せつかく審議をとり急いでおる状況でございます。
  49. 木村榮

    木村(榮)委員 この会期中に出るのは間違いないわけですね。
  50. 増田甲子七

    増田國務大臣 間違いありません。
  51. 松岡駒吉

    松岡委員 社会保障制度審議会に要する経費の二十五年度の要求額を見ますと、職員の数もそう大した数ではないのでありまして、そうして第十九の委託費のところに社会保障制度関係調査委託費というのがある。社会保障制度というような、これだけの厖大な法律案をつくり上げるについての調査費用としては、五十万円という金はあまりにも少額で、こんなことではたしてほんとうに社会保障制度の具体的な調査ができるかどうか、はなはだ心もとないような気がいたしますが、どういうような方法において調査されるのでありましようか。たとえば私どもがちよつと考える点では、今の日本の農村と工業地帶とで何年まで生きるか。死んだ人の職業の履歴がどうであるか。農村で死んだからと言つてもそれが必ずしも農業者であるということには、簡單には言えないのであります。そういう点を調べることなくしては、社会保障制度審議会としては、きわめてずさんなものしかできないのではないかという気がするのであります。たとえば保險会社などに依託して、わずかに五十万ぐらいの金でそういう点の調べがつくという大体のお見込みですか、どうですか。
  52. 増田甲子七

    増田國務大臣 社会保障制度の必要さ、またその基礎となるべき調査がりつぱに行き届いてあることの必要につきましては、御指摘の通りでございます。ただしかしながら、従来は社会保障制度調査会の費用だけでございまして、今度初めて事局務ができたわけであります。事務局は今まではなかつたわけでございまするが、今回初めてつくるにつきましては、政府といたしましてはせつかく行政制度簡素化なり、あるいは行政整理をいたしたばかりでございますから、必要の最小限にとどめたいというわけで、必要の最小限にとどめたのが三百八十六万円という費用になつて現われておるわけでありまするが、りつぱな社会保障制度についての答申を得たいという点につきましての熱情なり希望は、全然費用の多寡には関係しないわけであります。ただ御指摘の通り、五十万円ではやや足りないという御意見も成り立つとは思いまするが、従来調査費というのがほとんどなかつたようなところから、三百八十六万円という金を新しく要求して皆さんにお願いする、こういう段階になつた点についてどうぞ御理解を賜われば幸甚と存ずる次第でございます。
  53. 松岡駒吉

    松岡委員 従来なかつたものを新しく計上されたのであるから、奮発されたのだということに考えてもあるいはいいかもしらぬけれども、これは生じつか五十万ぐらいの金では、基礎的な調査はとうていできないと私は思うので、何とかこれはもう少し増額されるくふうが必要ではないかと思います。
  54. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に御質疑がなければ、本日はこの程度にいたしたいと思います。ただいま木村委員より定員法改正案及び各省各庁の審議会の活動状況の報告の資料を要求せられました。この点については政府と連絡の上すみやかに本委員会に提出したいと思います。 本日はこれにて散会いたします。    後午二時二十三分散会