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本多国務大臣 行政機構の
改革につきましては、
政府も鋭意
研究中でございますが、実は
行政制度審議会という御
承知の
機関も設けられておりますので、そこで一応十分な検討をいただいて、答申を得た上で案をつくりたいというふうに、ただいまのところ考えておるのでございます。前回の
国会で
相当行政機構の
縮減整理ができたのでありますけれども、まだいろいろな面におきまして、
整理統合すべき点があるように認みられますので、御
研究を願
つておる次第でございます。ただいま申し上げましたような
状態でありますので、
政府として
決定案はないのでありますけれども、その
行政制度審議会において、今日
研究の途上いろいろ現われておりまする
意見を、御参考のために申し上げますならば
——これはまだきまつた会の
意見とはな
つておりませんけれども、まず建設省の
機構等につきましては、これを
国土省というような
構想のもとに、
山林、河川、すなわち治山、
治水方面を重点に、そういうものを統合してはどうかというような考え方、さらに
農林省につきましては、
山林を除外して水産、農産の
食糧省というような
構想をも
つて研究していただいておる
人たちもあります。さらに
安本の
機構につきましては、すでに
統制経済に基く
安本の使命というものは、だんだん縮小して参りましたのでこの
安本を総合企画的な
機関として、これに
予算というものを統合して、そうして
安本を廃止するとともに、
予算と企画を統合した官庁を
総理府の外局として設けてはどうか、という
研究も進められております。
さらに
地方行政機関との
関係は、御
承知のように、
地方行政調査委員会議というものが発足いたしますので、これにかけまして、それによ
つて地方行政の
分野と国の
行政の
分野が、それぞれはつきりしわけされることと存じます。その
地方行政調査委員会議の
決定の線に
従つて、これに
関係のある文部省、厚生省、
農林省等の仕事がそれぞれ縮小されて行くものと考えております。
さらに
通商産業省は、御
承知のように前
国会で発足したばかりの新しい
機構であります。この
通商産業省の
機構は、
物動計画と申しますか、
計画経済を前提とする産業の振興ということにな
つておりますので、非常に
尨大なものにな
つておるのでありますが、これがだんだん従来の
商工省というような形の方へ還元して行くものとこういうふうに考えられております。
統制がだんだん縮小するに従いまして、
統制に
関係のある
事務を担当していた
機構が
整理され、それに
伴つて人員も縮小されて行く、こういう方向でただいま
研究を進めております。
この際特に御報告を申し上げておきたいと存じますのは、
審議会等の
整理でありますが、終戦後
行政の
民主化という線に沿うために、あらゆる
行政と言えば行き過ぎかもしれませんが、この
審議会等にかけて
方針を
決定するというような仕組にな
つて参りましたために、その数が非常に多くなりまして、現在法律上根拠のあるもの、ないものひつくるめまして、
審議会は三百を越えておるのであります。これもそれぞれ情勢の推移に
従つて、必要な
機関ではあるけれども、おのおの軽重がありますから、なるべくこれを
整理したいという
方針を
閣議で
決定いたしまして、この
整理に当つたのでありますが、この約三百の
審議会の全体の
委員の数は七千名以上にも上
つておりますし、またこれを運営するための経費も一億円を越していると考らえれますので、これは相当思い切
つた整理をしたいと考えて、結局
各省と折衝の結果、約半分を
整理することに
方針が
決定いたしました。これは
閣議でさような
方針を
決定いたしましたので、それぞれ
関係各省の
機構の
改正等とな
つて、これから皆さんの御
審議を煩わすことになるわけでございます。
以上のような
状態でありまして、ただいまのところ、
政府として持
つておる案はないのでありますが、ただ縮小して行きたい、
整理して行きたいという
方針に
従つて、
研究を進めておるような
状態でございます。どうかよろしくお願いいたしたいと存じます。