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1950-04-13 第7回国会 衆議院 電気通信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十三日(木曜日)     午後二時三十一分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 高塩 三郎君   理事 中村 純一君 理事 橋本登美三郎君    理事 松本 善壽君 理事 受田 新吉君    理事 江崎 一治君 理事 今井  耕君       中馬 辰猪君  出席国務大臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君  出席政府委員         電気通信政務次官 圖司 安正君         電気通信監   山下知二郎君         電気通信事務官         (施設局長)  林  一郎君  委員外出席者         電気通信事務次         官       靱   勉君         專  門  員 古田 弘苗君 四月七日  委員山口六郎次辞任につき、その補欠として  山口喜久一郎君が議長指名委員に選任され  た。 同月八日  委員澁谷雄太郎君、田中啓一君及び長谷川四郎  君辞任につき、その補欠として池田正之輔君、  井上信貴男君及び福田繁芳君が議長指名で委  員に選任された。 同月十三日  理事福田繁芳君の補欠として川崎秀二君が理事  に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した覇件  理事の互選  電信電話料金法の一部を改正する法律案内閣  提出第四三号)(参議院送付)  電気通信事業公共企業体移行に関する件   請願  一 下土井下竹莊両局間に直通電話架設の請    願(若林義孝君外二名紹介)(第一五八    号)  二 東北地方無線通信施設拡充整備請願(    苫米地義三君外一名紹介)(第一六二号)  三 葛巻小田及び田部郵便局間に電信電話    事務開始請願山本猛夫紹介)(第二    三〇号)  四 電信従業員宿舎改善及び増設に関する請    願(江崎一治君外四名紹介)(第三八二    号)  五 都城宮崎間電話地下ケーブル敷設促進の    請願瀬戸山三男君外四名紹介)(第四二    〇号)  六 歌垣郵便局電信電話事務開始促進請願    (淺香忠雄紹介)(第四九一号)  七 旭川釧路間無装荷電話ケーブル敷設の請    願(伊藤郷一君紹介)(第四九五号)  八 門司電話局大里分局設置並びに自動方式切    替促進請願江田斗米吉君外一名紹介)    (第五五三号)  九 逓信従業員定員増加に関する請願加藤    充君外一名紹介)(第六一五号) 一〇 逓信従業員定員増加に関する請願土橋    一吉君外一名紹介)(第六九七号) 一一 在外同胞引揚に関するラジオ放送請願(    小川平二君外一名紹介)(第七二八号) 一二 電線共架による遠隔地部落電話普及拡充    に関する請願降旗徳弥紹介)(第一一    六二号) 一三 狙牛内郵便局電信電話事務開始請願(    飯塚定輔紹介)(第二七四号) 一四 出雲、掛合両局間に直通電話架設請願(    大橋武夫紹介)(第一一九〇号) 一五 衣川村に電話架設請願小澤佐重喜君外    一名紹介)(第一二五八号) 一六 十文字町を増田市内通話区域に編入の請    願(飯塚定輔紹介)(第二一七四号) 一七 青笹村に電話架設請願野原正勝君紹    介)(第一四二七号互) 一八 芳川局電話浜松局に変更の請願(竹山    祐太郎君紹介)(第一四九三号) 一九 仙台電話局自動式電話機設置請願(庄    司「郎君紹介)(第一八六四号) 二〇 滑川町電話局電話交換方式改善に関する    請願内藤友明紹介)(第一九八四号) 二一 富山、新川間及び上市、新川間に直通電架    設の請願佐伯宗義紹介)(第二〇五九    号) 二二 尾鷲漁業無線電信局無線電信周波数増設    に関する請願石原圓吉紹介)(第二〇    七三号) 二三 日本電話設備株式公社業務移管に伴う従    業員引継に関する請願土井直作君紹年)    (第二一一九号) 二四 田島町から鬼怒川を経て今市町に至る間に    電話架設請願菅家書大君紹介)(第二    一二七号)     —————————————
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより会議を開きます。  議事に入ります前に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。去る七日理事福田繁芳君が委員辞任せられ、理事が一名欠員になつておりますので、この際委員長において理事を一名御指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 辻寛一

    辻委員長 それでは川崎秀二君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 辻寛一

    辻委員長 次に電信電話料金法の一部を改正する法律案議題として審査を進めます。質疑があればこれを許します。御質疑がなければ、本案に対する質疑は終了いたしたいと存じます。  これより討論に入ります。討論の通告があります。これを許します。江崎一治君。
  5. 江崎一治

    江崎(一)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となつております電信電話料金法の一部を改正する法律案に対しまして、反対意見を述べたいと存じます。  吉田内閣の一年間の政治の実績を見ますと、町には失業者があふれ、中小企業者と農民は税金のためにすつかり痛めつけられ、まつたく不景気な世の中になつてしまつたのであります。そこでこの全国的な人民大衆吉田内閣に対する反撃を押えるために、今や政府はどうしても警察を強くしなければならぬという事態に立ち至つたのであります。そこでこの警察拡充強化する一つの現われといたしましてこの電信電話料の値上げをやる。そうして警察関係電話を増強しようというわけであります。共産党は、ほんとうの人民大衆のための警察であるならば、これは双手をあげて大いに賛成でありますが、一部の資本家の利益のために、人民大衆を痛めつけるというような警察制度の一部分の拡充強化のための本案に対しては、反対意見を述べる次第であります。
  6. 辻寛一

  7. 松本善壽

    松本(善)委員 電信電話料金法の一部を改正する法律案に対しましては、自由党といたしましては賛成でございます。  その理由といたしましては、電信電話料金において、警察電話一般電話と特殊な差別をするということは、その必要度から見ても根本的なあり方ではないと思います。私たち一般的にこれを考察いたしましても、当然しかるべきものだと思います。また別の見地から考えまするときにおいて、すなわち電気通信なるものは特別会計になつておるのでありますが、文化の機関である電信電話の戰争後の荒廃からの復興という問題に対しましては、われわれ大いに意をいたしておるのでありまするが、また警察電話は、電気通信省の主管となつた今日におきましても、一般電信電話よりもはるかに荒廃しているのであります。こう考察いたしまするときに、警察童話によつて一般のサービスが低下するというあり方は、当然私たちとしてこれを黙過することはできないのであります。従いまして後者の意味におきましても、本案に対して賛成せざるを得ないという結論が見出されるものであります。簡單でありまするが、これをもつて賛成いたす次第であります。
  8. 辻寛一

    辻委員長 これより電信電話料金法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  9. 辻寛一

    辻委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なおお諮りいたします。本案に関する報告書に関しては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決します。     —————————————
  11. 辻寛一

    辻委員長 次に本委員会に付託になりました請願二十九件中、本日公報に掲載いたしました二十四件を議題として審査を進めます。日程は、紹介議員の御出席の御都合もあり、委員長において適宜変更いたしますから、御了承願います。なお紹介議員のお見えになりません請願につきましては、先例により委員の方にかわつてその趣旨を説明していただくことにいたしたいと思います。  では日程第一、下土井下竹莊両局間に直通電話架設請願若林義孝君外二名紹介文書表第一五八号を議題とし、紹介議員の説明を求めます。紹介議員がお留守でありまするので、飯塚君かわつて御説明願います。
  12. 飯塚定輔

    飯塚委員 日程第一の下土井下竹莊両局間に直通電話架設に関する請願でありますが、本請願要旨は岡山県御津郡と上房郡は隣接しておるので、住民物資の交流は密接不離関係にあるが、電話連絡には三中継を要し、近々一里の距離で、通話に一日を要する現状であります。ついては下土井下竹莊両局間の短距離に直通電話を架設していただきたいというのであります。
  13. 辻寛一

    辻委員長 政府の御所見を求めます。
  14. 圖司安正

    圖司政委員 請願の御趣旨はまことにごもつともと存ぜられますけれども、何分にも終戰後社会情勢の変化もございまするし、また限られた電通の予算でもありまするようなわけで、請願趣旨十分尊重をいたしまするが、ただいまただちに架設するということに関しましては、遺憾ながら当分のうちは実施不可能と思われる次第でございます。     —————————————
  15. 辻寛一

    辻委員長 日程第二、東北地方無線通信施設拡充整備請願苫米地義三君外一名紹介文書表第一六二号。飯塚君かわつて御説明願います。
  16. 飯塚定輔

    飯塚委員 この請願は、東北地方無線通信施設拡充整備請願であります。東北地方は、全国的な風水害、雪害により、通信施設が損傷して、その影響するところは常に大であります。これら非常災害だけでなく、常時の運用にも無線通信施設整備が必要であります。ついては青森、室蘭聞、秋田、函館間、盛岡、山形間に、それぞれ常時連絡無線通信施設増設していただきたいという請願であります。
  17. 圖司安正

    圖司政委員 御趣旨を尊重いたしまして、昭和二十四年十二月一日から開通いたして、すでに業務を開始いたしておるような次第であります。     —————————————
  18. 辻寛一

    辻委員長 日程第三、葛巻小田及び田部郵便局間に電信電話事務開始に関する請願山本猛夫紹介文書表第二三〇号、飯塚君、かわつて御説明願います。
  19. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、岩手岩手葛雀町並びに二品郡田部一帯は、近来酪農及び林業が発展し、去年の夏、省営自動車小鳥谷線が開通されたが、台風による山田線の不通は、葛雀町を経て東北本線に至る路線輸送量を増大し、さらに沼宮内線は冬期にとかく不通がちでありますために、小鳥谷線の使命は重大となつて来たのであります。かかる重要路線であるにもかかわらず、その中間に位する葛巻小田及び田部の各郵便局区間電信電話が架設されていないことは、まことに地方民にとり不便をもたらしておるのであります。ついては同区間電信電話事務を開通せられたいというのであります。
  20. 圖司安正

    圖司政委員 御請願のうち、葛巻局につきましては、すでに通話事務を開通いたしております。田部局につきましても、本年三月一日に通話事務を開始いたしました。小田局につきましては、予算の制約を受けまして、遺憾ながら二十五年度計画には困難でございます。しかし三十六年度以降の計画におきまして、でき得る限りすみやかに実施いたしたいと考えております。なお三局相互間の直通線架設につきましては、小田局通話事務開始をまつて、具体的に考慮いたしたいと存じます。     —————————————
  21. 辻寛一

    辻委員長 日程第四、電信従業員宿舎改善及び増設に関する請願江崎一治君外四名紹介文書表第三今一号、江崎一治君。
  22. 江崎一治

    江崎(一)委員 請願者全逓大阪中央電信局支部吉本利治君というのでありますが、本請願要旨は、電信従業員には、通信時分の短縮、事故の絶滅等、能率の増進が強く要請されておりますが、通信機器のはなはだしく不完全な状態では、これらの成否は従業員の双肩にかかつておるのであります。しかるに従業員の大を占める地方出身の青少年を初めといたしまして、住宅難のために万全な職務の遂行ができないのであります。ついては従業員宿舎費の復活、増額による改善及び増設等措置をすみやかにとつていただきたいというのが、この請願要旨であります。
  23. 圖司安正

    圖司政委員 宿舎増設につきましては、従来国費と共済組合資金によりまして、設置いたしておつたのでありますが、さらに一般建物借上げによりましても、鋭意拡充に努めて参つたような次第でございます。なお本年度におきましては、新営予算といたしまして九千万円のほか、共済組合資今による新築並びに買收、及び一般建物借上げによつて増設予定でございます。また宿舎の修理とか、あるいは改善につきましても、従来非常な努力を拂つて参りましたが、本年度はさらに住み心地のよい宿舎をつくるために、あらゆる努力を傾けたいと存じます。     —————————————
  24. 辻寛一

    辻委員長 日程第九、逓信従業員定員増加に関する請願加藤充君外一名紹介文書表第六一五号、並びに日程第一〇、逓信従業員定員増加に関する請願土橋一吉君外一名紹介文書表第六九七号、右両件を一括議題に供します。
  25. 江崎一治

    江崎(一)委員 請願者大阪電報局内全逓信労働組合大阪地区本部、木村二二外七十名、並びに全逓信労働組合和歌山地区本部委員喜長茂野嵩外三百五十名の請願であります。本請願要旨は、昭和二十四年八月十二日の人員整理のため、大阪府下逓信事業は、職場で必要な人員がなくなつたために、運営は特に惡化しておるというのであります。そこでただちに人員増加措置を講じなければ、事業の再建は不可能であるから、すみやかに人員を補充され、まだそのときは職場で最も事務に精通していた、定員法による被整理者を優先的に採用してもらいたいというのがその要旨であります。日程第十も同じです。
  26. 圖司安正

    圖司政委員 ただいま定員増加請願でありますが、調べてみますと、近畿通信局管内におきましては、現在のところ二百七十六名の過員に相なつております。和歌山通信部におきましては、同じく十七名の過員でございます。御承知のように定員法関係がございまして、ただちに定員増加するという御趣旨に沿うわけには参らないのでございますが、できるだけ配置転換に努めまして、御趣旨を尊重いたして参りたいと存じます。  なお整理されました方々の優先採用の件でございますけれども、いろいろな観点から、できるだけ御趣旨に沿うようには努めますが、努めがたい点もあるいはあるのではないかと考えられる向きもなきにしもございません。     —————————————
  27. 辻寛一

    辻委員長 日程第五、都城宮崎間電話地下ケーブル線敷設に関する請願瀬戸山三男君外四名紹介文書表第四二〇号を議題といたします。
  28. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願は、都城市議会議長永井堅二からの請願でございますが、都城市は霧島平野中心地であり、交通並びに経済文化中心地でありますが、通信交通施設はきわめて不備で、空中架線七回線は、年々増加して行く電気通信の需要に追いついて行けないのであります。ついてぱ当局においては、台風による断線予防のため、同市宮崎市間の地下ケーブル敷設計画を完了されたと聞きますが、社会公共の福祉と地方文化向上のため、右計画をすみやかに実施せられたいという趣旨であります。
  29. 圖司安正

    圖司政委員 現在福岡から久留米、熊本を経て都城に至り、さらに鹿児島に通ずる地下ケーブル施設は、すでに完成いたしております。また都城から大分に通ずる電話地下ケーブル施設は、五箇年計画中の一環としてすでに計画され、昭和二十五年度の概計予算におきましても、その一部は都城宮崎間の工費として約八千八百万円を計上いたして、実現努力いたしておるのでありますが、予算削減のため、やむを得ず昭和二十六年度以降に持越しとなつた次第でございます。以上のような事情でございますので、地下ケーブル施設の施工につきましては、計画はいたしておりましたが、建設資金の掣肘を受けまして、予定通りに進行せず、種々御迷惑をおかけしておりますが、今後ともその実現につきましては、十分努力いたして参りたいと存じます。     —————————————
  30. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第六、歌垣郵便局電信電話事務開始促進請願淺香忠雄紹介文書表第四九一号、飯塚君、かわつて御説明願います。
  31. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願は、大阪府豊能郡歌垣村及び田尻村は、大阪府の極北に位し、大阪市、京都市、池田市及び隣接町村との交通は、物資の運搬、商取引等産業発展に伴い、盛んでありますが、両村の加入局である歌垣郵便局電信電話事務がないために、両村の産業取引並びにその発展に多大の支障を来しております。つきましては、すみやかに同局に電信電話事務を開始せられたいという請願でございます。
  32. 圖司安正

    圖司政委員 御趣旨につきましては、昭和二十二年度以来、再度請願があるのでありまして、当局といたしましても十分にその趣旨を尊重いたしておるような次第でございます。しかしながら諸般の事情から、なかなか即時趣旨に沿うというわけにも参りませんので、いろいろと検討いたしました結果、なるべく昭和二十五年度中に実施いたしたい心組みをもちまして、御趣旨に沿いたいと存じます。     —————————————
  33. 辻寛一

  34. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、釧路市は終戦以来東北海道経済界中心地として、人口八万五千余、取引関係全国に及び、通信連絡も数を増しつつありますが、現在の電話施設状況ではとうてい用をなさず、地方産業経済政治文化等発展に及ぼす影響はまことに大であります。昭和二十五年度中に旭川から帯広間に無装荷電話ケーブル敷設される由でありますが、これを釧路市まで延長して、昭和二十五年度中にその敷設実現せられたいという請願であります。
  35. 圖司安正

    圖司政委員 昭和二十五年度におきましては、お話通り旭川帯広間を二箇年継続工事として、一部予算を計上してございます。従つて予算が承認されましたあかつきにおきましては、旭川帯広間のケーブル施設実現することと相なりますが、帯広釧路間はさらに今後の予算状況を見まして、できるだけ早い機会に御希望に沿いたいと存じます。     —————————————
  36. 辻寛一

    辻委員長 日程第八、門司電話局大里分局設置並びに自動方式切替促進請願江田斗米吉紹介文書表第五五三号、飯塚君、御説明願います。
  37. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨を申し上げますが、門司市は、戰前においては市外電話料の金額は、全国十二市中の一つに数えられ、九州本土とを結ぶ最重要地関係から、その利用度はきわめて高いのでございます。しかるに職後、長ケーブル線の腐朽その他により、同市電話施設現状は、常時下通二分の一以上というみじめなありさまであります。ついては本省においても、大里電話分局設置及び自動式切替企画があるというようなお話でありますが、同企画をすみやかに実施せられたいというのであります。
  38. 圖司安正

    圖司政委員 請願の御趣旨につきましては、当局におきましても十分認めておるところでございます。本土九州との連絡上占める門司市の重要性にかんがみまして、現在北九州及び下関一帯を一丸とした電話整備計画を検討中でございます。大里電話分局設置につきましても、これが結論を待つてから具体的に研究いたしたいと存じます。  次に、自助式切替につきましても、現在緊急自動式切替を迫られておる局が、全国で三十有余もあるのでございまして、二十五年度中にこれを実施するものは、わずかに十四局にすぎないのでございます。従つて趣旨に沿うことは、二十五年度中においては困難な模様でございます。  なおケーブル線路につきましては、昭和二十四年第四・四年期におきまして、整備工事が認証されまして、工事は二十五年度第一・四半期中に着手する予定に相なつております。     —————————————
  39. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第一一、在外同胞引揚に関するラジオ放送請願小川平二君外一名紹介請願文書表七二八号、飯塚君、願います。
  40. 飯塚定輔

    飯塚委員 在外胞引揚げ促進を輿論に訴えるため、長野県在外同胞帰還促進家族連盟では、同委員長ラジオ放送長野放送局に申請しました。しかるに同放送局ではその放送原稿を見て、その原稿による放送を拒否したのであります。これは同原稿中にある在外同胞の数が、国際問題に触れるからという理由らしいのでありますが、その数字は連合国司令部の発表のものであつて、その数に触れないで、引揚げ事情を訴えることは不可能であります。ついてはこの問題を徹底的に調査されて、同原稿支障のない点のみについても放送し得るよう、長野放送局にも適当の措置を購ぜられたいというのであります。
  41. 圖司安正

    圖司政委員 現在日本放送協会放送番組放送内容等編集権に関する事項につきましては、協会自主的運営にゆだねられているのでございまして、協会におきましては、連合軍司令部から指示されました日本に與うる放送準則にのつとりまして、日本放送協会放送準則を制定し、これにより放送を行うことに相なつておるのでございます。従つて政府といたしましては、協会命令等によつて強制することはできませんけれども、御趣旨の点に関しましては、十分に尊重いたしまして、日本放送協会に伝えたいと存ずる次第であります。     —————————————
  42. 辻寛一

    辻委員長 日程第一二、電線共架による遠隔地部落電話普及拡充に関する請願降旗徳弥紹介文書表二一六二号、飯塚君、かわつて御練明願います。
  43. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、豪雪地帯における交通はきわめて至難で、遭難死することしばしばでありますが、部落電話によつて部落交通量の三分の一を救い、雪による遭難死の八割までも救うことができるのであります。ついては、電線共架による遠隔部落への電話普及拡充せられたいというのであります。
  44. 圖司安正

    圖司政委員 降雪地帯、また交通至難な地域に対しましては、電話普及拡充につきましても「従来種々なる努力を拂つてつておるのでございます。しかしながら何分にも資金の調達その他の点において十分御趣旨に沿いがたい事情にありますことは、御了承願いたいと存じます。電文通信省の発足以来、特に真剣にこの点についての対策は練りつつあるのでございますけれども、何分にも山間僻地等まで村落電話、多数共同電話市街簡易公衆電話、こうした新たなる三制度を創設いたしまして、御趣旨に沿うべく努力いたしておるのでございますけれども、なかなか行書たつおらない点は御了承願いたいと存じます。いずれにいたしましても、十分御趣旨を尊重いたして、それに沿うて今後即時実現をはかつて参りたいと存じます。     —————————————
  45. 辻寛一

  46. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願趣旨も、日程第二一と同じような意味が含まれて上りまして、非常に寒村僻地であるこの雄牛内地域に対して、電信電話の急速なる開設をお願いしておるのでございます。組半内地域は、山間に位する大きな村落といたしまして、非常に地域が広いのであります。従つて郵便局におきましても一同一村内に無集配局が二箇所ございます。しかし集配局であるところの増田町の郵便局からは十一キロを隔てており、本村内の郵便局との間は六キロ隔てております。  産業面から考えますと、広大なる地域を要する山間部落でありますために、薪炭その他、山の資源の開発に非常に役立つのでありまして、本村内の住民遠隔地の利用ということと、村内の連絡ということもございますので、ぜひこれを実現していただきたいという長年のお願いでございますから、この点十分御考慮願いたいと思います。
  47. 圖司安正

    圖司政委員 請願の御趣旨は十分に了承できるのでございますけれども、現在全国におきまして電信電話事務の未開始局は、いまだ三百五十余局もあるのでございます。当局といたしましては、毎年約五十局程度開始いたしておるのでございますが、何分にも予算の制約もございますし、昭和二十五年度計画の中には入れておりますけれども、ただちに実施いたすことには参らないのであります。二十六年度以降におきまして、なるべくすみやかに請願の御趣旨に沿いたいと存じます。     —————————————
  48. 辻寛一

    辻委員長 残余の請願審査は後刻に譲りまして、この際橋本登美三郎君より電気通信事業公共企業体移行に関して発言を求められておりますので、これを許します。
  49. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 ただいま委員長から議題としてお話のありました電気通信事業公共企業体移行に関する決議案の経緯でありますが、御承知のようにすでに内閣におきましては、民間のそれぞれの経験者を委員といたしまして、電信電話復興審議会あるいは行政審議会などが設けられて、これに関する協議を進められておるのであります。「最近電信電話復興審議会におきましても、答申案が決定せられて、政府に答申が行われておるようでありますが、それを拝見いたしますと、現在の電気通信事業は、現在のままでは急速なる復興は困難である。それは経営形態及び運営上において、従来の官業組織をもつてしては、なかなか急速なる復興が困難であるからして、これは民営的な公共企業体に移すべきであるという御意見のようであります。なおまた行政審議会におきましては、鉄道あるいは專売が公社として公共企業体の発足を遂げておる今日、かつまた電気通信事業の実態からも考えて、これを公共企業体に移すことが妥当である。こういうような見解を述べられておるようであります。こういうことは実際上の研究にまつ必要がありますけれども、本院においても、これは一応国家機構の刷新、変革でありますから、これらに対して十二分の関心を持つておつた次第でありますけれども、これらの諸関係、審議会の情勢を考え、かつまた現在の経済情勢あるいは社会情勢等をにらみ合せまして、当然電気通信事業が公共企業体に移ることが妥当ではないか。こういう見解から、移行を促進する決議案を提案したいと考えているわけであります。これにつきましては当局においても適当の参考資料もおありでありましようし、かつまた当局のお考えをこの際お伺いいたしまして、皆さんの御賛同を得て、本会議に決議案を提出したいと考えるものであります。
  50. 辻寛一

    辻委員長 ただいまの橋本君の御発言について、御意見なり、御発言がありましたらどうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  51. 辻寛一

    辻委員長 御意見がないようでありますので、ただいまの橋本君の発言の趣旨に沿いまして委員長の手元におきまして決議案の草案を一応つくりましたので、これを朗読いたしまして、御意見を伺いたいと思います。    電気通信事業公共企業体移行に関する決議案(草案)   わが国電気通信事業は、戰後における当局者の努力にもかかわらずその復興遅々として進まず、就中電話事業にあつては、復旧拡張計画はなお頗る不充分であり、加うるにその設備の大半は依然老朽に委せられ、サービスも亦甚だ低下している状況にあつて、国民の要望に隔ること遠く、惹いては産業の振興、文化の進展に惡影祥を及ぼしていることは、極めて憂慮に堪えない。   由来本事業は、高度の公共性を有する一面その本質はあくまで企業的性格を帯びるものであり、これが経営の円滑と伸長とを期するには、経営形態、及び運営の全般に亘つて、充分な自主性と機動性とが與えられなければならないにもかかわらず、現在においては、原則的に一般行政官庁を規律する準則によつて拘束されているので、これがため本事業の健全なる発達に多大の障害を與えているものと認められる。   よつて政府は上述の障碍を除去するため本事業の経営形態を公共企業体に移行するとともに、その運営諸般の方途につき再検討を邊げ、企業活動を阻害する原因の一切を除去すべきである。本院は、政府が速かに右に関する施策を決定することを要望するものである。   右決議する。 こういつた意味の決議案にいたしたいと思いますが、これにつきまして御意見がありますれば、との場合承つておきたいと思います。
  52. 中村純一

    ○中村(純)委員 ただいま委員長より朗読されました草案は、その趣旨においてまことに適当と思うのでありますが、本件はなかなか重要問題でありますし、またいろいろと重要問題でありますし、またいろいろと関係する方面も多いことでありますので、御趣旨はまことにけつこうでありますが、しかし案文等につきましては、さらに愼重にこれを検討する必要もあろうかと思われますので、皆さんにおいて、ただいま委員長の朗読されました趣旨を御了承願いまして、案文の作成については委員長に御一任することにされたらいかがかと思いますが、この点お諮りを願いたいと思います。
  53. 辻寛一

    辻委員長 ただいま中村委員から御発言がありました通り、先ほど私が朗読いたしました趣旨につきまして御賛成を願えますれば、決定的な案文につきましては、委員長におまかせ願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」ど呼ぶ者あり〕
  54. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めまして、さように決します。なおそれができ上りましたあかつきにおきましては、ただいまの趣旨に御賛成委員の方々を提出者どいたします。決議案は議員提出の形式で本院に提出いたすべく、その手続をとることにいたします。さよう御了承願いたいと存じます。
  55. 江崎一治

    江崎(一)委員 提案者にお伺いしたいのですが、この電通事業を民営に移すというと、どういう点において利益が出て来るか。その点を具体的にお話願いたいと思います。
  56. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 今の江崎委員からの御質疑でありますが、現在電気事業は、目下法案審議中でありますが、見返力資金の本年度百二十億出資ということで、法案がつくられつつあります。この見返り資金を本年度出資とした事情は、仄聞するところによると、従来のように見返り資金を公債目当にして行うということは、少くとも利子を支拂うという建前から、インフレーンヨンの傾向を助長する。こういう趣旨から一応出資金の形式を政府が行うことにしようというように、われわれは聞いておるのでありますが、この見返り資金による出資、あるいは公債発行ということも、将来長くを考えることが相当に困難ではないか。しかるに国家財政から考えると、こういう厖大な金額が国家の支出によつて行われるということは、相当に困難がある。従つて公共企業体に移すことによつて、それが債券発行なり、こういうような形式で資金を求めることが、実際上必要になつて来るのではないかと思うのであります。これがまず財政上における第一の点であります。  第二は、従来の官業として行う場合には、サービス本位の事業であるにかかわらず、これは国営事業であるために、サービス及び会計上においてもなかなかそれが改善は行いにくい。国有鉄道が日本鉄道として公社になつたゆえんのものも、運営上において少くとも民営の非常にいいところを取入れ、そうして官業としての形態を整えようというところに、やはり公共企業体への移行が行われたものと考えるのであります。こういうような状態から考えまして、一応経営形態を公共企業体に移すことによつて、民営に行われておるいい点が取入れられて、そこで活発な電信電話の復興あるいは運営ということが遂げられるのではないか。こういうような結論からして、公共企業体に移すべし、こういう意見を持つておるものであります。
  57. 江崎一治

    江崎(一)委員 国鉄の公共企業体へ移行されてからの状況を見ますと、鉄道関係の労働者が非常に労働強化が重なつておるという実情でありますが、こういう点においてやはり電通関係も、それと類似のことになりはせぬかという心配があるのですが、その点はいかかですか。
  58. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 ただいまの御質疑ですが、もちろんわれわれ現在の日本国有鉄道の状態について、詳しく調査はしておりませんが、現在逓信従業員は国家公務員の適用を受けておる。これによつて当然受けるべき政治的な自由とその他のいわゆる団体交渉権の取得とか、こういう点が労働運動の面においても阻害せられておる。従つてこれが公共企業体となれば、公共企業体労働関係法によつて、ある程度の労働者の自由とかあるいは権利が承認せられることになる。そういう意味から考えれば、原則的に公共企業体に移すことの方が、労働運動をして円滑ならしめ、かつまた労働者の立場を擁護する。われわれはこういう建前になると考えるのであります。
  59. 江崎一治

    江崎(一)委員 今度の国鉄裁定の場合にもそうであつたように、政府は公共企業体労働関係法によつて規定されたどころの、公共企業体労働組合員の利益を守るということに良心的でないと思うのです。そういう点において、民営による能率化と言いますが、実は労働者の犠牲において行われる危險があるということにつきまして、はなはだ私は危惧を持つものであります。その点十分に研究の上、この問題については意見を述べたいと思いますが、今回はこれくらいにしておきます。
  60. 辻寛一

    辻委員長 それでは電気通信事業公共企業体移行に関する決議案を提出するにつきましては、多数の御賛成を得たものといたしまして、前述のような手続を委員長においてとることにいたします。
  61. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 大臣にこの問題に関する御所見、あるいは従来の委員会外の審議の経過をお尋ねしたのでありますが、この際大臣の御発言を願います。
  62. 小澤佐重喜

    ○小澤国務大臣 ごの問題は当委員会におきましてもたびたび質問がありまして答えておつたのでありますが、そもそも本問題の構想の研究を始めましたのは、第五国会と考えておりますが、当院もしくは参議院におきまして、電信電話復興に関する決議案というものが、両院一致のもとに可決されました。私ども政府といたしましても、つとに電信電話の復興は検討して参つたのでありますが、へ’申し上たげ通り国会において、しかも両院で各党派満場一致で、この電信電話の後輿決議案が決定されましたので、政府はさらに勢いを得たと申しましようか、この問題に対する関心を深くいたしまして、そうしてこの決議にことうべく、いろいろ検討して参つたのであります。しかしこの問題はただ單に政府だけで考慮するよりは、学識経験あり、しかも斯道の権威者をまじえたような委員会にかけまして、そうしてその委員会の御意見等を承ることが適切であると考慮いたしたものですから、閣議で決定をいたしまして、その電信電話復興に興する審議会というものか設けられたりであります。この審議会は大体昨年の七月ごろ発足したつもりでありますが、その後数十回にわたりまして決議の趣旨に基き、将来の日本電信電話の拡張あるいは復興に関する諸般の姿を検討されたのであります。いろいろ検討されまして、少くとも近い将来における日本政治経済あるいは文化を基準にして、どの程度の電話が拡張されることが必要であるかということが、まず第一に検討されました。その結果大体二百万個ないし三百万個をさらに増加することが、日本経済状態、政治状態、文化生活に適合するものなりという一応の結論を得たようであります。そうしますとここにさらに三百万個の電話と申しますと、現在百数万個でありますから、これから三倍に近い電話を拡張するのには、一体どれだけの資材、資金が必要になるか。こういう点を検討して参りますと、実に莫大な資金が必要であるということが、簡單に結論づけられたのであります。であるならば、この資金を一体現在のようないわゆる官営で、簡單に獲得ができるものであるかどうか、あるいはこれを今お舌のような公共企業体にすれば可能になるか、あるいは民営にしたらいいかというような問題にまで触れまして、いわゆる運営形態の問題が論議されたのでありますが、もちろん民営というような問題になりますと、公共企業体であるべき、あるいは独占企業体である現在の姿を、一般民業に移すということは、現在の法律あるいは制度から許しませんので、これでは今お話のように民営の長所を織り込んだ公共企業体にする方が、最もよろしいのではないか。こういう結論委員会で得たようであります。その結果ついせんだつて政府に対し、まずごの電信電話の復興、復旧をすみやかになさんとするならば、経営形態を公共企業体に変更することが、かさわしいであろう。そうして公共企業体の内容は、こういうことがいいだろうというような四、五箇條の意見を付しまして、政府に答申して参つたのであります。政府といたしましても、この答申がきわめて適切でもありますが、しかしながら政府として最後の検討をするのには、新しい角度から、あるいは諸般の事情を十分考慮して、最後の政府案を決定しなければならぬと考えまして、現在の答申案に対しまして、私どもの手元で極力そうした面から再検討中であります。従いまして日本政府といたしましては、もちろんこの答申通り実行するというようなことにはなつておりません。おりませんが、主管大臣である私といたしましては、きわめて適切な意見であり、しかもこの発端が先ほどお話申し上げました通り、衆参両院の満場一致の決議で硬求された、その最後の結論でもあるということを深く考慮いたしまして、今極力検討中であります。いずれこの結論を得ますならば、閣議で決定して、日本政府案として抽象的ながら決定をし、さらにこれに関する具体的な法律化を進めるつもりでおるような次第でありまして、今お話なつたように、本決議案がさらに衆議院から決定されますとするならば、ますくわれわれの意を強うして、本問題の解決に処し得るであろうと考えております。
  63. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 ただいまの御説明了承いたしましたが、ただいまお手元に答申がありますれば、参考までに各委員に配付できますれば、配付していただきたいと思います。
  64. 辻寛一

    辻委員長 その答申につきまして、何か御質問でもありますか。
  65. 江崎一治

    江崎(一)委員 この前の委員会でもお伺いしておいたのですが、ちようどこれにも関連があると思いますので、伺いたいと思います。日本政府は今電話のワン・ライン当りどのくらい見積つておるかということをお伺いしたのですが、その後調査しておるというお話であつたのですけれども、きようわかりますか。
  66. 林一郎

    ○林(一)政府委員 きよう表を持つて来るのを失念して、はなはだ申訳ございませんが、大体電話施設に幾らいるかという内容を表現いたすのは困難でありまして、たとえ線路に幾らいくらいるか、あるいは局舎内に幾らいくらいるか、それからこれをずつと全国に引き延ばしまして、市外線を張り、またこれにいろいろな施設をする、その他電話施設に附帯するいろいろな施設をするなど、これらを全部くるめて、電話一つに対して幾らいるかということにするか。あるいはその内容を分析いたしまして、個々にわたつての單価といいますか、そういうものを出すかによつて、大いに違つて参りますが、大体のところは、大都市の市内電話だけの施設といたしましては、四万五千円程度がわれわれの器になつております。それに対しまして、市外線路を敷き、また電線施設もやり、いろいろなことをいたしますと、現在までのところでは、一電話機に直しまして十四、五万円になる。但しこれは電話機の数をうんとふやすような方式にいたしますと、この單価は幾らでも下りますが、大体電話通信網の均整のとれた施設をいたして行きますれば、そういつた数字が、現在までのところ出ているわけであります。     —————————————
  67. 辻寛一

    辻委員長 それでは請願審査を続行いたします。日程第一四、出雲、掛合両局間に直通電話架設請願大橋武夫紹介文書表第一一九〇号、飯塚君。
  68. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、島根県飯石郡と簸川郡は隣郡の関係にあつて政治経済等あらゆる面で、両郡の中心地にある出雲市、掛合村は交渉が多いのであるが、出雲郵便局と掛合郵便局とを直結する電話回線がないため、地方民は多大の不利不便をこうむつている。現在出雲、西須佐間、掛合、西須佐間には電話線があるから、これを利用すれば、経済面、資材面に負担を軽くすることもできる。ついては、すみやかに出雲、掛合両局間に直通電話を架設されたいというのであります。
  69. 圖司安正

    圖司政委員 出雲市と掛合村との通話は、現在約三十キロ通話時数でありまして、両地間に回線を設置いたしますことは、現在他区間により以上の輻湊区間が山積いたしております事情のために、現在の予算の範囲内においては、実施困難な状況になつております。しかしながら両地の通話は、出雲、西須佐電信電話線が相当輻湊しているための影響を受けておりますので、本年度第二・四半期で在来の三局線から乙立局を除きまして二局線にするよう、すでに工事命令済みであり、年度内には完成する見込みであ尊ますから、これが完成後には、相当待合時間を短縮し、御請願趣旨に大体沿い得るものと考えます。     —————————————
  70. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第一五、衣川村に電話架設請願、小澤佐重宣君外一名紹介文書表第一二五八号、飯塚君。
  71. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願の便旨は、岩手県胆沢郡衣川村は、延長十五里にわたる山間部落であるため、交通通信が不備で、豊富な農林産資源を持ちながら、その発展が阻害され、教育、文化面においても他村に比して数箇年遅れている現状である。ついては、すみやかに、同村に電話を架設されたいというのであります。
  72. 圖司安正

    圖司政委員 御趣旨の点は、十分当局といたしましても了解いたしまして、本年度中にはできるだけそのように措置いたしたいと考えております。     —————————————
  73. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第一六、十文字町を増田市内通話区域に編入の請願飯塚定輔紹介文書表第七四号。
  74. 飯塚定輔

    飯塚委員 この請願要旨は、秋田県の増田町と十文字町、この両町間における電話の直通といいますか、従来この増田町と十文字町は、ほとんど同一町村とみなされておつたくらい、非常に近い距離に位しておるのであります。戰争前までこの両町間の電話は、増田の市内電話としてケーブル線でつないでおつたのでありますが、戰争中、戰争に使うためにこれをはずされたのであります。現在ではそのために、こういう二キロもないような近い距離にありながら、電話で交渉する場合には、ほとんど自転車で往復するよりも時間がかかるような、非常な不便を感じておるのでありまするが、願わくば、きわめて距離も短いのでありますから、これを戰争前のように、ケーブル線を使つていただいて、市内電話として、特にごの両町は商業都市といいますか、商業の非常に盛んな町でありますために、特にその点御考慮願いたいと思います。
  75. 圖司安正

    圖司政委員 お申出の増田、十文字間の事情につきましては、飯塚委員お話の通りと存じます。従いまして当局といたしましても、十分これが実現に向つて誠意を傾けておるのでございますが、何分にも昭和二十五年度予算は、限られた事情にございますので、本年度中に御趣旨に沿うことは困難な事情に相なつておるのであります。しかし二十六年度以降におきましては、でき得る限り実現努力いたしたいと存じます。     —————————————
  76. 辻寛一

    辻委員長 次に日程第一七、青笹村に電話架設請願、野原圧勝君紹介文書表第一四三七号、飯塚定輔君。
  77. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、岩手県上閉伊郡青笹村の郵便局は、昭和二十四年四月開設されたが、その後電話架設の要望強く、昭和二十四年度には遂に実現されなかつたが、ますますその必要性が増大するから、昭和二十五年にはぜひとも電話架設を許可されたいというのであります。
  78. 圖司安正

    圖司政委員 本請願の件に関しましては、本年度中に実施する運びに相なつております。     —————————————
  79. 辻寛一

    辻委員長 日程第一八、芳川局電話浜松局に変更の請願、竹山祐太郎君紹介文書表第一四九三号。
  80. 飯塚定輔

    飯塚委員 浜松市の東南部にある芳川村、河輪村、五島村は、わが国でも有名なそ菜の温室栽培地であるが、通信機関としては、芳川局に十九本の電話を有するにすぎない。同村内のすべての商取引、官公庁、金融機関との通信は、主として浜松との連絡通信が柱であるが、芳川局電話が長距離電話であるため、浜松市内への通話も、半日以上も連絡にかかり、支障を来している状態である。ついては芳川局電話を、浜松局に変更されたいというのであります。
  81. 圖司安正

    圖司政委員 請願趣旨につきましては、十分にその事情を了承せられるのでございますけれども、現在の交換区域合併の基準として、約五〇%の市外通話数を必要とするので、本件区域合併は、さしむき実施困難であります。しかしながら両局間市外通話サービスの現状はよくないので、交換区域合併の代替措置として、二十五年度において市外電話回線を一回線増設し、両地間の市外通話の待合時間を短縮するよう計画中であります。     —————————————
  82. 辻寛一

    辻委員長 日程第一九、仙台電話局自動式電話機設置請願、庄司一郎君紹介文書表第一八六四号。
  83. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、仙台市は、東北の中心都市として飛躍的発展をしており、行政機構の改革に伴い、中央機関の地方進出等によつて同市電話需要はますノれ増加の一途をたどつている。しかるに電気通信施設はまだ戰前に及ばず、通信業務上多大の支障を来している。ついては近代的都市として発展の過程にある同市現状に順応する電気通信施設の改良、拡充をはかる上に、最も緊要とする施設として、仙台電話局に自動式電話機を設置されたいというのであります。
  84. 圖司安正

    圖司政委員 当局におきしましても、御趣旨まことにごもつともと存じまして、本年度予算に計上いたしまして、第一・四半期に着工の予定でございます。     —————————————
  85. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第二〇、滑川町電話局電話交換方式改善に関する請願内藤友明紹介文書表第一九八四号、飯塚君、願います。
  86. 飯塚定輔

    飯塚委員 冨川県中新川郡滑川町電話局は、相当の年数を経た磁石式單式交換機を使用しているため、通話の故障多く、ために商機の逸脱等の不利不便がはなはだしい。ついては同電話局電話交換方式を、共電式に変更されたいという請願であります。
  87. 圖司安正

    圖司政委員 御趣旨に沿いまして、本年度から実施する運びでございます。     —————————————
  88. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第二一、富山、新川間及び上市、新川間に直通電話架設請願佐伯宗義紹介文書表第三〇五九号。
  89. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、富山県新川郵便局は中新川郡の中心地にあつて、相の木、舟橋、新川三箇村の電話加入を受持つ集配局であるが、近年富山市を初め、上市、滑川、水橋及び雄山各町との交通も著しいが、通信機関、ことに電話の利用面のみ立ち遅れている。ついては本年度中に冨山、新川間及び上市、新川間の單独直通市外電話回線の新設と、各村中の比較的大きな部落ぺの加入電話を設置されたいというのであります。
  90. 圖司安正

    圖司政委員 冨山、新川間及び上市、新川間の通話は、現在富山、上市一新川の三局接続の市外回線で、また新川、雄山間通話は富山中継で同回線によつて行われており、この回線の一日平均通話は百五十二時数で、相当輻湊しており、一方この回線と併行している富山、上市間直通回線も、一日平均通話二百三十二時数に達し、負担過重となつておりますので、富円山、上市、新川、雄山間通話を救済するため、二十五年度において冨山、上市、雄山三局接続電話線を作成するよう計画しております。この回線の新設によつて、前記の富山、上市、新川回線における富山、上市間通話の相当数は新設回線に吸收されるので、新川、上市間、新川、富山間通話は相当改善されることと思いますが、新川局の加入者増設によつて通話が相当輻湊して来ることも考へられますので、その場合は十分に現地の状況を精査の上、二十六年度以降において考慮することといたしたいと思います。なお新規加入者の増設につ一いては、需要に応じ、可及的御希望に沿うよういたします。     —————————————
  91. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第一三、尾鷲漁業無線電話局無線電信周波数増設に関する請願石原圓吉紹介文書表第三〇七三号。
  92. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願要旨は、三重県南部のかつお、まぐろ遠洋漁船約五十隻が、通信の中枢としている尾鷲漁業一無線電話局は、許可されている無線電話が近接の小型漁船を対象として、遠洋の大型漁船とは十分な通信ができず、非常な支障になつている。また全三重県の遠洋漁船に対しては、一局の無線電信局のみでは通信の円滑は期せられず、海上における生命財産の安全な確保に支障を来すから、ぜひとも尾鷲漁業無線電話局に、電信周波数の増設を許可されたいというのであ力ます。
  93. 圖司安正

    圖司政委員 本件は御趣旨まことにごもつともでありまして、当局といたしましてもその目的を達成するよう、目下その状況及び対策について、既設浜島漁業陸上局との関係を含めまして、調査考究中でございます。なるべくすみやかに請願の御趣旨を達成するよう努力いたします。     —————————————
  94. 辻寛一

    辻委員長 日程第二二、日本電斎殿備株式会社の業務移管に伴う従業員引継に関する請願土井直作紹介文書表第三九号、受田新吉君かわつて御説明を願います。
  95. 受田新吉

    ○受田委員 この請願趣旨は、昭和三十一年二月二十五日、総司令部の覚書に基きまして、政府業務移管になつております日本電話設備会社が、今から六年前に、政府の責任で創立せられたものであるから、当従業員の引継ぎは、当然政府の責任において行わるべきである。それで定員上の完全雇用、給與上の保障、身分、地位の保障、業務接收に伴う補償金の明示の四項目につきまして、すみやかに適当なる措置をとつてもらいたいという点にあります。御答弁をお願いいたします。
  96. 圖司安正

    圖司政委員 第一の定員上の完全雇用の問題でありますが、会社の従業員は原則といたしまして、入省希望者全員約千七百名の見込みでございますが、これを全部雇用する方針でござ旧います。しかし公職追放者、国家公務員法等によりまして、公務員として不適当と認められる者は、除外するのもやむを得ないと存じます。  次に給與上の保障の問題でございますが、引継時におきまして、従業員が会社から受けている賃金を保障することは、現行給餌法からも、また現在の当省職員との権衡上から見ても、これはできがたいのでございます。給餌額の決定にあたりましては、現行法令の範囲内において、できるだけ有利にとりはからうつもりでございます。  第三番目の身分、地位の保障でございますが、受入れに際しては、本人の一希望、技能その他の事情を考慮いたしまして、本人に適当と認められる仕事に従事せしめることはもちろんでございます。従業員の所遇につきましては、受入れ従業員相互間及び受入れ従業員と当省職員との間に差別がないように、公正に取扱うつもりでございます。  最後に業務接收に伴う補償の問題でございますが、会社の営業権に対する補償問題に関しましては、現在の見通しとしては相当困難でございますが、御趣旨を参酌いたしまして、何らかの方途について、極力努力いたしておる最中でございます。     —————————————
  97. 辻寛一

    辻委員長 次は日程第二四、田島町から鬼怒川を経て今市町に至る間に電話架設請願、菅家嘉大君紹介文書表第二二一七号、飯塚君。
  98. 飯塚定輔

    飯塚委員 本請願趣旨は、福島県の田島町から鬼怒川を経て今市町に至る間の電話架設に関しては、地元及び各方面において、数年前から要望されておつたのであります。特に奥会津総合開発問題と関連して、国策上から見ましてもまことに重要であります。またこの線は戰時中、軍用線として使用されたものでありまして、補修によつてはただちに開通できるものでありますから、当然開通されたいという趣旨であります。
  99. 圖司安正

    圖司政委員 御趣旨まことにごもつともでございますので、三月十日にはすでに開通済みと相なつております。
  100. 辻寛一

    辻委員長 以上、各請願紹介説明並びに政府当局意見を聽取したのでありますが、これらの請願の詳細については、愼重を期しますため、後日あらためて行いたいと思います。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。これにて散会いたします。     午後三時三十四分散会