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1950-04-04 第7回国会 衆議院 電気通信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月四日(火曜日)     午後一時四十八分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 高塩 三郎君    理事 中村 純一君 理事 松本 善壽君    理事 江崎 一治君 理事 今井  耕君       池田正之輔君    川崎 秀二君       河口 陽一君  出席国務大臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君  出席政府委員         電気通信事務官         (大臣官房人事         部長)     楠瀬 熊彦君         電波監理長官  網島  毅君  委員外出席者         電気通信事務次         官       靱   勉君         電気通信技官         (電波庁施設監         督部長)    長谷 愼一君         衆議院参事         (法制局第三部         長)      鮫島 眞男君         專  門  員 吉田 弘苗君 三月二十九日  委員淺沼稻次郎辞任につき、その補欠として  戸叶里子君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員中村純一辞任につき、その補欠として上  林山榮吉君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員上林榮吉辞任につき、その補欠として  中村純一君が議長指名委員に選任された。 四月四日  中村純一君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 一月十八日  下土井、下竹荘両局間に直通電話架設請願(  若林義孝君外二名紹介)(第一五八号) 同月二十一日  葛巻、小田及び田部各郵便局間に電信電話事務  開始の請願山本猛夫紹介)(第二三〇号) 三月二十七日  仙台電話局自動式電話機設置請願庄司一  郎君紹介)(第一八六四号)  滑川町電話局電話交換方式改善に関する請願  (内藤友明紹介)(第一九八四号) 四月一日  富山、新川間及び上市、新川間に直通電話架設  の請願佐伯宗義紹介)(第二〇五九号)  尾鷲漁業無線電話局無線電信周波数増設に関  する請願石原圓吉紹介)(第二〇七三号)  日本電話設備株式会社業務移管に伴う従業員  引継に関する請願土井直作紹介)(第二一  一九号) の審査を本委員会に付託された。 三月二十九日  箕島郵便局の昇格に伴う電話施設拡充に関する  陳情書  (第六八八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  電波法案内閣提出第五号)  放逸法案内閣提出第六号)  電波監理委員会設置法案内閣提出第七号)     ―――――――――――――
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  この場合ちよつと申し上げますが、司令部技術顧問としてジユネーブに出られまして、周波数割当の国際会議に出張中でありました電波庁施設監督部長長谷愼一君が、先般帰朝されましたので、御紹介申し上げます。
  3. 長谷愼一

    長谷説明員 長谷でございます。いろいろお世話になると思いますが、何分御指導をお願いいたします。
  4. 辻寛一

    辻委員長 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。去る三月三十日、理事中村純一君が委員辞任され、理事が欠員になりましたが、翌三十一日再び同君が委員に選任されましたので、この際委員長より、中村純一君を再び理事指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認め、中村純一君を理事指名いたします。     —————————————
  6. 辻寛一

    辻委員長 電波法案放送法案及び電波監理委員会設置法案の三案を一括議題といたし、質議を続行いたします。中村純一君。
  7. 中村純一

    中村(純)委員 放送法案に関しまして、若干のお尋ねをいたしたいと思います。まず同法の附則第九号及び十六号に関連する問題でございまするが、該当の條項によりますると、新しい日本放逸協会最初收支予算事業計画及び資金計画は、電気通信大臣認可を受けなければならない。またこれに関しては、本法三十七條国会承認に関する規定適用はないということを、規定をいたしておるのでございまするが、ここにいわゆる最初予算と申しますることは、どういう意味を持つておるものであるか。すなわち普通ならば、これは最初の一年分の予算をむろん意味するものでございましようけれども、年度の途中におきまして、これらの予算あるいは事業計画資金計画等変更する必要が生じて参つた場合におきまして、この修正の案をつくりました場合、それはいわゆる最初予算の中に属するものとして、国会提出されないものであるか。あるいはここにいわゆる最初というのは、文字通り最初に初めて出したものだげをさすものであつて、途中における修正変更の必要を生じた場合の案件は、これは法律の本文に立ち返りまして、三十七條手続によつて国会提出せらるるものであるか。その辺に対する政府見解を承りたいりであります。
  8. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 お答えしますが、このお尋ね趣旨は、いずれもこの経過規定内容でありまして、この経過規定趣旨からかんがみましても、本来でありますれば、当然三十七條適用を受けて、国会承認を受けるのが順序でありまするが、今回に限つてこれは不可能でありまするので、経過的に暫定的な措置を設けた次第であります。従いまして最初という文字は、第一回という意味“ありまして、もしこの九号、十六号によつて措置されたものが、途中で変更あるいは補正、追加等のある場合におきましては、それは当然国会の三十七條規定にもどるという趣旨考えております。
  9. 中村純一

    中村(純)委員 ただいまの点はそれで了承いたしました。  次には三十七條に関しまする問題でございまするが、この條文によりますると、協会收支予算事業計画資金計画は、電波監理委員会審査を経た後に、内閣を経て国会提出をして、国会承認を受けなければならないということに相なつておるのでございます。むろん日本放逸協会は、これまでは社団法人という形において、運営をせられておつたのでございます。従来といえどもむろん公共的な性格を持つてつたことは間違いないのでありまするが、この法律の成立を見ました場合におきましては、これはさらに特別なる立法による、特別なる公共的な性格を持つた国民的な機関という性格がますますはつきりし、ますます拡充せられて参るのであります。従いましてこの見地からいたしまして、この協会事業運用に関する基本的の問題が国会提出せられて、その承認を受けなければならないということは、やはり一つ考え方であろうと私ども思うのでありますけれども、同時に日本放送協会業務内容というものは、いわば言論機関、あるいは新聞通信社のような仕事に、非常に類似した内容を持つておるものでありまして、時々刻刻に起つて来るところのいろいろの社会現象に絶えず遅れないで、マツチして運用されなければならないところの、基本的な性格を持つておるものであります。加うるにこの協会事業運営の基本問題を決するにあたりまして、まず協会の内部において経営委員会が設けられ、さらにまた電波監理委員会審査を経ることになつておるのであります。しかもこれらの二つの委員会委員は、いずれも国会承認を経て、委員が任命せられることになつておる。すなわちきわめて民主的な形態と実質を持つた委員会において審査せられる過程を経て、そうして最終的に国会にこれが提出せらるものでありますので、かような点をあわせ勘案いたしまするときにおきまして、国会において審査し、承認を受けるところの対象であるこの收支予算事業計画資金計画等は、協会事業活動機動性と申しますか、自主性と申しますかを、十分に確保する必要があるという見地からいたしまして、これらのものはごく要点的な部分に関するものだけで、十分にその目的を達し得るものと私どもは考えておるのでございますが、その点についての政府の御見解を承りたいのであります。
  10. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 お答えいたしますが、この規定の中にあります毎事業年度收支予算を、国会承認を経るというようにするのが妥当であるかどうかという問題でありまして、さらにもし妥当であるとするならば、その提出するところの形態、あるいは実際の審議する目標は、どういうところに置いてあるかという御質問でありますが、この点につきましては、政府で立案するに際しましても、いろいろ中村君の所論のような議論もありまして、相当検討もいたしたのでありますが、結論において、聽取料が法定化されまして、国民法律の力によつて負担するという形、ちようど国民の税金と同じような態勢を整える以上は、その取立てた聽取料收支というものは、国家国民の代表である国会が、主管という形はよろしくないであろう。こういう意味から、一応承認を受けることが適当という結論になつたのであります。しかしながらこの公共企業体は、單純に官庁行政と同じように考えることは、かえつてこの企業体の発展なり、運用というものを、相当に阻害するおそれがあるのでありまして、どこまでもやはり企業体の形が望ましいのでありまして、一つの彈力性をある程度持つということによつて、この事業国民諸君に対する希望にこたえるゆえんであると考えまするので、今申し上げました承認ということは、官庁予算のように、たとえば款項目を設けるとか、節を設けるとかいうこまかい問題ではなくして、予算大綱というもの、この運営は大体この程度で行くならけつこうであろうという、国会監査ができる程度のものを出せば足りる、こういうふうに考えております。しかもこの普通の国家予算とは違いまして、款項目にわたつて修正をするとか何とかするというような問題ではなくして、結局一括してイエスノーかというような形、たどえば他の法律にもありますし、この法律にもありますが、委員の任命については総理大臣が推薦して、国会がこれを承認しなければならない。その承認と同じような範囲で、イエスノーかということだけを国会承認を願う趣旨であります。従つて国会審議に対しましても、予算委員会等に出る問題ではなくして、おそらく主管委員会にこの問題を付託する場合には、かかるような構想で出しております。しかしこれは事国会に関する問題でありますから、国会の方々の御意見も十分承つて、適当に処置をしたいと思つております。
  11. 中村純一

    中村(純)委員 ただいまの御答弁で大体わかりましたが、なお類似の問題が、たとえば三十八條、三十九條、四十條等にあるのでありまして、この類似事項につきましても、これはやはり御同様のお心持と考えるのでありますが、その点を念のために伺つておきます。
  12. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 まつたくその通りであります。
  13. 中村純一

    中村(純)委員 ただいま国会審議及び承認等対象となるその事柄内容につきまして伺つたのでありますが、次にお伺いいたしたいのは、ただいま大臣の御答弁の中にも触れておられましたが、国会における審議手続と申しますか、方法の問題であるのであります。この種のものが国会承認を受けなければならないということは、おそらくこれは他に類例のない処理方法であろうと考えます。ことに事柄本質が、だだいま大臣から御答弁のありましたように、これはむろん国家予算そのものではないのであります。またいわゆる政府関係機関予算でもないと私は考えておるのでございます。何となれば、政府関係機関といわれておりますものは、各種の公団あるいは鉄道專売公社のごとく、その資本金政府出資にかかり、またその団体の收支が、結局国の予算と直接の関連を持つておりまするものでありまして、この種のものは、形をかえた国家予算であると考えてしかるべき本質を持つておるものでございまするが、この放送協会收支予算等に関しましては、これはまつたくその性質を異にいたしておるものでございまして、国家本来の予算財政等とは無関係のものでありますがゆえに、ただいま大臣がその御答弁において一端を触れられましたごとく、国会におきますところの審議方法等につきましても、ただいま申し上げましたようなこの事柄本質従つて、最も簡便直裁なる方法によつてこれが審査せられ、承認が與えられるような手続になることが、当然であろうと考えておるのでございます。この点は大臣のただいまの御答弁の中にも触れられておりましたが、事が重大な点でございますから、なお重ねて御答弁をいただくか、さらにまた国会法制局のお方のお考えも承ることができれば、なお仕合せであります。
  14. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この公共企業体が、專売公社あるいは日本国有鉄道と、どういうふうに性格が違うか。こういう問題については、私は現段階では、設立事情等からして、違つておると考えるけれども、大きなねらいは同一だと思つております。いわゆる專売公社にいたしましても、日本国有鉄道にいたしましても、公共企業体という運営が一番いい。そういう結論に対しては同じものだと思いますが、従来の国有鉄道あるいは專売公社は、全部日本政府資金で発足し、経営して参つたものが、公社になつたのであります。これは政府では一文出資もなくて、同じような公共企業体になるのでありますから、そこに違いがあります関係上、予算上の措置にいたしましても、一方は従来の官庁機構とほとんど同じような予算審議の仕方になつております。これは今申し上げた通り資金関係が、政府一文出資しておりません。しかし公共企業体としてのねらいは、まつたく同じであります。そういう関係から、專売公社国有鉄道と同じような審議をするのではなくして、もつともつと簡單審査を願うという趣旨けつこうじやないかと思います。たとえば労働関係法適用にいたしましても、一方は行政機構からいわゆる公社なつた。これは一般組合から公共企業体になつたのでありますから、公共企業体労働関係法というものは、これには適用しないというような点も、趣旨同一でありますけれども、今までの経過、あるいは設立された出資金は非常に異なつております。片方は今まで民間の会社が、公共性帶びて公共企業体に近づいたものだ。一方は完全な行政機構であつたものが、だんだんに企業体化されて来た。そこに距離があります。これがあるために審議にあたつても、それだけの違いが出て来るものと考えます。
  15. 川崎秀二

    川崎委員 ただいまの中村君の質問と同様の角度からの質問でありますが、大臣からいま一度明快に御答弁願いたいことは、三十七條二項によつて内閣を経て国会收支予算及び事業計画及び資金計画提出して、その承認を得なければならぬということになつておりますが、この文面そのものを読んだだけでは、今中村君が質問された疑義が出て来るわけであります。ことに日本国有鉄道法のこの條文とひとしい條文を読んでみますと、そのあとへ持つて来て、予算形式内容については、大蔵大臣及び運輸大臣の協議によつてこれを定め、国会承認をしたものに従うというような意味のことがはつきり書いてあります。今の答弁によつて、ようやく全貌がわかつてつたのでありますけれども、答弁によつて初めて解釈が明らかになるというような法律では、私は不備ではないかということを感ずるのであります。何ゆえに三十七條関連條項において、予算形式内容についてはどういうふうにするということをうたわなかつたか。この点を伺つておきたいと思います。
  16. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 お答えしますが、川崎君のお答えのように、うたうことも一つのりくつであります。従つて私はまつこうから川崎君の考え方を反駁するものではないのですが、しかしながら先ほども申し上げました通り日本国有鉄道の方で予算の出し方までも設けたということは、どこまでも国家資本でやつたものであつて形式的にはどうしても今までの国家予算と同じような程度で、国会承認あるいは審議を仰がなければならぬという建前が、非常に大きく現われておりますし、私の方では先ほど申し上げました通り、これは政府出資ではないのであつて、ただ聽取料というものを法文化する以上は、やはりどうしてもその結末であるところの予算というものを、国会において一応承認する形でなければ、つじつまが合わぬという点を考えまして、むしろ予算形式等を国がただ決定しまして、しかも国務大臣がその予算形式まで定めるということになりますと、非常に官僚主義といいますか、政府の圧力が加わるような形になりますので、むしろこれは避けて、こういう形式等もあまり用いないで、できるだけ実質的な形のものを出す方がよかろう。こういう趣旨で出したのでありますが、しかし議論をいたしますと、川崎君の議論は決してこれに反駁を加える議論ではないと思つております。感じからそういうような結果になつております。
  17. 川崎秀二

    川崎委員 それから電波監理委員会が出します收支予算事業計画及び資金計画は、国会提出して、その承認を求むる議案となりますか。あるいは予算案となりますか。これは衆議院参議院が異なつた議決というか、衆議院承認をしなかつた、あるいは衆議院承認して参議院承認しなかつたというような場合も今後予想せられますので、議案であるか、予算案であるか。明快に御答弁願いたいと思います。
  18. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 これは私の考えでは、予算案ではなくして、議案であると考えております。
  19. 松本善壽

    松本(善)委員 予算について專門的な監査という立場からいいますならば、はなはだ今までの大臣の御答弁は不明瞭であり、不十分であると思うのであります。しからば実際にどういう予算議案として出て来るか。それをどういう形において監査をなすかという、このやり方について、もしも疑義を生じないとしたならば、これはまつたく頭が足らないということをみずから肯定しなくてはならぬのでございます。しからば政府出資金に対するところの監査というものは、監督監査、いわゆる強制的な職権をもつて監査するだけの権能があるのだ。かつまた今のような協会におけるがごとき監査をなさんとする場合においては、どういう監査をするかというと、すなわち指導監査という面にのみタツチし得るものだと私は考えております。あくまでも、たとえば言葉は言い過ぎかもわからないけれども、摘発監査のごとき監査も、おそらくなすだろうというような恐怖感を抱かしめるのは、はなはだもつて遺憾であつて、あくまでも指導監査というものはなし得るのだという考え方を私は持つておるのでありますが、この点について大臣はどう考えられておるか。技術的な面においてはつきりイエスノーか、まずお答え願いたいと思います。
  20. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 どうも私は松本君の御指摘のように、少し頭が足らぬのでよくわかりませんけれども、何條の御質問ですか。
  21. 松本善壽

    松本(善)委員 これは予算に対して会計検査院監査をする案件であります。中村君が言つたことの関連事項であります。
  22. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 これはただいまの承認事項に基きまして、その承認事項に適合した歳入歳出があるかないかということを、官庁会計監査と同じ趣旨で、これを監査することになつております。
  23. 松本善壽

    松本(善)委員 監査をなすという場合においては、しからば政府出資金と同じような監査をなすのかどうか。この点を一応お伺いしておきます。
  24. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 松本君も御承知の通り政府予算とこの予算建前は違つております。たとえば政府予算は、款項目にわたつて非常に詳細な予算が編成されて、それが国会承認を経て実行に移るのであります。従つて会計検査院も、その国会の議決した内容を詳細に検討して、はたして国会承認通り会計收支ができておるかどうかを、詳細に調べることになります。しかしこの法案が成立いたしますれば、その予算大綱だけの承認ということになります。その大綱に基いて、はたして国会承認した通り收支を、協会が正確にやつておるかどうかということになりますから、勢いこの予算審議願つた範囲でありますから、国会会計に対する会計検査院仕事と、これに対する会計検査院仕事は、おのずから片方大綱だけの仕事となり、片方は詳細にわたる款項目節にわたるということになつておると思います。
  25. 松本善壽

    松本(善)委員 しからばお尋ねしたい。片方においては款項目にわたる監査である。片方においては粗雑なるところの監査である。こう簡單に抽象的に言われるが、粗雑でも簡單でもいいが、どういうような科目がしからばあるかということをお尋ねしたい。たとえば一般官庁会計において款項目節というものがある。目までは大体今までは流用は認めない。移用も大蔵大臣認可を得なければ認めてないはずです。しかしながら一般予算面をながめる場合において、そういう款項目節というようなものに対して、官庁行政その他において詳細にはこれはもちろんわれわれ納得できるけれども、しからば協会における收支予算というものは、どういうものを立てるべきものであるか。どういう勘定科目処理方によつて、この收支予算というものは成立し得べきであるか。あるいはどういう科目というものがあつて、その科目科目がこのくらいのところ、たとえば款項目節であるならば款項とか、あるいは一般経理事業においては、これは商法規定において勘定科目というものは決定するのであるけれども、しかしながら協会が與えるところの科目というものは、どういう科目を設けるのであるか。そうして、どのくらいの監査というものであるかということが、具体的にあるべきであると思う。ただ單に漠然として、省略した監査をやるのだというあいまいな監査なら、むしろやめた方がいいと思う。この点について大臣の御意見を伺いたいのであります。
  26. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 さつきの川崎君の質問が結局その現れでありまして、予算の詳細にわたる審査方法、あるいは予算書の編成というものを、日本国有鉄道と同じようにするべきが至当であるのじやないかということに対して答えたから、それで松本君はおわかりだろうと思いますが、要は政府が現在の方針といたしまして、そういう詳細なものではなくして、予算大綱的なものの承認を得る予定であつて、その大綱とは何ぞやということは、この法律が通過いたしましてから最も適切なるものを出して、御審議を願うことになると思います。
  27. 松本善壽

    松本(善)委員 大臣は大物であるから、大綱というものはわからぬ、こうおつしやる。なるほどそうだろうけれども、しからば事務当局、あるいは協会者たちが、この案件についてどういう科目内容についてどのくらいのものであるかということは、当然商法規定によつてあるべきはずである。大綱という漠然たる言葉によつて言いのがれするということは、はたはだ迷惑千万である。ことにまさに公共企業体として生れんとする協会が、税金的な立場において料金というものは決定するはずである。従つてその監査云々ということは、今始まつた問題ではないのである。従つてこの点において、大綱をと簡單にぼかすということは、はなはだ遺憾である。こういうことは法律通つて、しかる後に決定する問題であるということは、はなはだもつてけしからぬと思う。このくらいのことは、必ず商法規定によつてやるべきだし、結論が出ぬはずはないと思う。その点において大臣がわからないならば、放送局側政府委員でもけつこうであります。詳しく述べていただきたい。かんじんなところであるから、詳しく述べてもらいたい。
  28. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 私はわからないから答えないというのではない。これからきまるのだということは、どういう形できまるかということは、この法律を読んでもらえばわかる。この法律が通過すれば、設立委員会ができて、設立委員会において、どういう方法予算を出すかということがこれからきまるのであつて、今きまつていないものを私に話せと言つたつて話せつこないです。
  29. 松本善壽

    松本(善)委員 きまつていないから話せない。むろんそれは一応了承できますが、しかし監査をいたすとすれば、官庁のごとき監査をするのではなくて、指導監査である。しかるにどういう科目監査するかという、大綱勘定科目もできていない。これは大臣もわかつていないと言うけれども、指導監査であるならば、こういうことは当然わかるべき性質のものであると思う。たとえば商法によつて、それはどういう勘定科目にすべきであるか、大綱はきまつておるはずである。それをただ詳細は法律案が通つてからだと言うけれども、大体協会というものは、今までやつて来た形においても想像できると思う。しからば今まで協会がやつて来た科目については、どういう科目についてどういう監督をするのかということは、当然答えらるべきものであると思うが、その点ひとつお答え願いたい。
  30. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 お答えすることはないのだけれども、お話します。要するにこの予算大綱を、どういう方法国会承認を求めるかということは、設立委員会がきまりまして、この附則の第九項によつて、「設立委員は、定款並びに最初收支予算事業計画及び資金計画を作成して、電気通信大臣認可を受けなければならない。」つまりその詳細については、設立委員が確定するのです。しかし松本君の質問はそうじやないようだ。今どういう構想を持つておるか、現在放送協会がどういう予算收支をしておるかという事実ならば、幾らでも答えます。君の言うのは、いわゆる法律に基く協会收支予算を具体的に説明しろということだから、それはさまつていないから論明できないというだけで、私自身がそれに対してどういう構想を持つておるかということならば、幾らでも話します。
  31. 松本善壽

    松本(善)委員 大臣は私の質問に対して、二つの考え方答弁をしておるようであります。第一の、この監査には官庁監査、いわゆる監督監査と、それから指導監査と、二つの考え方があるはずであるが、この法案が通つたならば、指導監査という面に立つて、今までの政府事業と違つた監査権が行使されるのだということも、もちろん私わかるのでありますが、しからば次の第二の答弁内容としていただいたところの、いわゆる構想ということでございますが、もしもその構想をおつしやつていただけるということでありますれば、現在NHKがやつておる。これはエグザンプルでもよろしゆうございますが、現在やつておる勘定科目その他に対して——今後もしもやるとしたならば、現在の形ではないからして、むしろ法案が通つた後にはそういうものがないから答える必要はない。こう言われればもちろんそうでありますが、現在のNHKの勘定科目その他において、どういうような監査を行おうとするか。大臣も構想ならば答えてもよいと言われるので、その点でひとつお答えいただきたい。
  32. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 これはまつたくの構想であつて、私には認可権はあるけれども、これをこしらえる権限はないのであつて、私がどういうものを要望しておるかといえば、私の構想では、たとえば資本收入というものを大体見まして、前期繰越剰余金というものを設け、さらに收入の面では資本收入と事業收入と二つにわけて、資本收入の中に放送債、長期借入金、長期貸付金返還金、買却固定資産代金、減価償却引当匡、減債用放資勘定もどし入れというような款を設けまして、それから事業收入につきましては、聽取料に雑收入、こういうような構想を持つております。また支出の面におきましては、資本支出の建設費、投資、放送債償却積立金繰入あるいは諸返還金、それから大きく事業支出といたしまして、放送費、技術費、業務費、技術研究費、職員養成費、管理費、減価償却費、放送債発行差金償却、それから支拂利息、予備金、後期繰越剰余金等を考えておりますが、これはたびたび申し上げる通り、確定案ではないのであつて、私がどういうとを今考えているかといえば、こういうことを考えている。しかし決定権は設立委員にあるのであつて、私は認可をすればいいことになつております。それから現実の放送協会の歳入の問題ですが、これは現実にどうなりましても、今度は姿がかわるのでありますから、参考にはなるかもしれませんけれども、現存NHKでやつている予算のやり方を、全面的に承認するというようなことはおそらくないと思います。
  33. 松本善壽

    松本(善)委員 一応大臣が言わんとするであろうことはキヤツチできるのであるが、私の質問の仕方が悪いせいかもしれませんけれども、まだ納得できないところがある。たとえば今言つた勘定科目でいうと、おそらく官庁会計監査をやるという形式に相なると思うのであります。実際しからば監査をしてみろと言われた場合においてなすならば、大体そういう方面をやる。結論においてはその精神がどこにあるかということで、監査に対する報告内容がかわつて来るであろうと思う。たとえば詳細な調べとか何とかいうことは、勘定科目を当らないと、全部調べることはできないのであるからして、その限界というものは、実際やる者にとつては非常にデリケートな問題になるであろうと思うのであります。従いまして私が再度尋ねることは、はなはだ迷惑千万だということに相なるかもしれませんけれども、納得できないのはその点であります。  しからば指導監査という面において、協会がどうした方がいいだろうかという、むしろ私の構想なり考えなりを申してみたいと思うのであります。指導監査というものは、業体がたとえば資本というものを認める社会においては、資本がみだりに使われているか、いわゆる経営の内容において、経営の目的に背馳するような方向に使われているかどうか、こういうことを監査するのである。しかしながらそれ以上の内容に入つて、その資本はどういうふうに使われる、どういう形において使われる、どういう形において使われないからそれはいけないのだというふうに見ると、結論摘発監査に相なるのである。これが、いわゆる官庁の形における会計監査の実際のあり方である。かく私は考えておりますがゆえに、その答弁でははなはだ物足りないと申すものであります。  次に協会というものが生れることは、もちろんこれは考うべき問題である。法案が通るならば協会はでき上る、これは当然であるけれども、しかしながら協会は、現在存在する協会が、あるいは形はかわるというけれども、おそらくそこにもある通り電気通信大臣云々によつては一年間有効であるという料金の徴收方にもある通りであつて、それは政府としても言いのがれすることはできない、かく私は考えている。従つてその監査方法内容については、どこら辺まですべきであるかというような方針をお立てになられるということは、賢明な策であろうと私は考えるのであります。以上は私の考えであるから、御答弁は願わないでけつこうであります。以上で私の質問は終ります。
  34. 中村純一

    中村(純)委員 先ほど来の私の質疑を継続いたしたいと思います。ちようど衆議院法制局当局者もおいでになつておりますので、重ねて法制当局者の御意向も承つておきたいのでございます。それは先ほど私は三十七條その他の條文におきまして、国会において審議し、その承認を得べき対象とするところの收支予算事業計画等に関しましては、これは諸般の理由によつて、きわめて要点的な内容であつてよろしいのではないかということを、政府お尋ねを申し上げましたところ、まつたく同様の意見であるという大臣の御答弁を得たのであります。  次に私は、その国会における審査のやり方、手続等に関しましても、この收支予算事業計画等は、本来の国家予算とはむろん違うし、また現在の各種政府機関のそれとも異なつたものであるから、それとは別個な、簡素な手続によつてしかるべきではないかということを、政府お尋ねいたしましたところ、それまた賛成であるという意味の御答弁を得たのでございまするが、国会妙法制当局としては、どういうお考えでございましようか。これも念のために伺つておきたいのであります。
  35. 鮫島眞男

    ○鮫島法制局第三部長 お答え申し上げます。御質問の第一点は、三十七條規定によりまして、協会国会承認を受けまするどころの收支予算、これが国の予算あるいはその他の政府機関予算であるかどうかというような御趣旨であろうと思いますが、協会に対しましては、国は何らの出資をいたしておらないのでありまして、ここでいう收支予算承認というのは、單なる協会の内部を監査とか、監督するためのものでありますので、これは国とか、そういうものの予算には入らないと思います。その点は明白ではないか、こう思つております。  それから第二の点は、国会承認を求めて参りました際に、国会側におきまして、すなわち委員会なり本会議において承認すべきやいなや、あるいはその点に変更を加えるべきではないかというようなことを御審議なさるのでございますが、それにつきましては、そういうような承認、不承認、あるいは変更すべきではないかという、そういう審議ができる程度のものであれば、もちろんそれで十分であろうと思います。その形式国家予算の場合のように、詳細にわたるべきであるかどうかということは、この委員会なり本会議審議なさるについて、あれほど詳細でなければ審議できない。あるいはあれほどでなくとも、この程度でもつて国会側としては審議するに足りるという、むしろ国会側の御意向によるのでありまして、この点、法制的にどうならなければならぬということは申し上げられません。結局承認を得るに足るだけの形式を備えておればいいというふうに考えております。
  36. 中村純一

    中村(純)委員 ただいまの御答弁は、審査対象となる内容についてのことでございましたが、その手続の点はいかなることでありましようか。私どもも、先ほど大臣の御答弁にありましたように、これは他の予算とは違うのであるから、従つて手続上も、憲法その他できめられておる国家予算審査手続とは異なるところの手続であつてさしつかえない。さらに具体的に——これは多少希望も入るのでありますが、申し上げますならば、該当委員会において直接に審査して、本会議においてさらにこれを決定をする。こういう手続でよかろうと私どもは考えておるのでありますが、いかがでありましようか。
  37. 鮫島眞男

    ○鮫島法制局第三部長 御説明の点はその通りでよろしいかと思います。
  38. 中村純一

    中村(純)委員 これまでの質疑応答によりまして、私のお尋ねいたしたい点は、ことごとく明瞭になつたのでございまするが、これらの諸点は、政府だけでおきめになるわけにも行きますまいし、この手続等のごとき問題は、国会としてきめるべき問題だと思うのでありますが、少くとも当面この問題を審査いたしておりまする本委員会において、もし皆さんの御賛成を得られるならば、委員会としても同様な希望を持つており、考え方を持つておるということになつておりますると、今後の取扱い上はなはだ好都合かと思うのであります。その点を一つ委員長から皆さんにお諮りを願つたらいかがかと思うのであります。  問題の点は、繰返して申し上げますると、第一には、この附則に規定しておりまするところの最初收支予算事業計画等は、これは文字通り最初に出るものだけを使用するのであつて年度末における使用の変更をする場合には、当然三十七條において国会審査を経べきものであるということが第一点。次には、三十七條及び三十八條、四十條も類似の問題でありますけれども、簡略にいたしまして、三十七條だけを、例示的に申し上げますると、三十七條規定しておりまするところの国会において審査し、承認を與えるところの対象である收支予算事業計画等は、国会において可否の判断を下し得る程度の要点的なものであつてさしつかえないということ、これが第二点。第三点は、国会において審査承認を與えんとする、これらの收支予算事業計画等も、その審査方法は本来の国家予算あるいは政府機関予算審査とは違うところの、別個な、簡素な手続でやる方がよろしい、この三点であります。この際委員会の意向を委員長から聞いておいていただくと、たいへん好都合かと思うのであります。
  39. 辻寛一

    辻委員長 ただいまの中村委員の御発言の内容は、きわめて重要であろうと存じますので、当委員会におきましても、これに対しまして、大体考えをまとめておきたいと存じます。  先ほど来の各位の御質疑に対しまして、政府答弁並びに法制局側の御意見も徴しましたが、大体一致をいたしておるようでありまして、先ほど来述べられました各諸点につきましては、明らかになつたのでありまするが、当委員会におきましても、このように了解することに御異議ありませんか。
  40. 川崎秀二

    川崎委員 私はその提言に賛成でありまするし、ことに最後に言われた三つの点について、今委員会できめられるということを提議されることに、私はまつたく賛成であります。しかしながら先ほど中村委員政府との間の質疑応答は、きわめて妥当ではありまするけれども、中村委員国会の法制当局者との間にとりかわされた問題は、今後この法案が成立した場合における、国会運営手続の問題についての質疑と私は解釈いたします。何ゆえならば、その範囲を越えての御発言もややあつたかと思いまするが、国会議員として法制局当局者に意見を聞くということは、権威の建前上、私はこれを黙過するわけには参りません。従いまして、その部分を除きまして、この提言に対しまして賛成をいたします。
  41. 辻寛一

    辻委員長 ただいま川崎委員からも御発議がありましたが、ごもつともであります。ただ法制局側の意見も参考として承つたという程度に聞きおくことにいたしたいと思います。従いまして、先ほど来の政府との質疑応答によつて明らかになりましたる点を、この場合委員会として了承いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 松本善壽

    松本(善)委員 ただいま中村君、川崎君から話があつたのでありますが、その提案について私も賛成であります。しかしながらこの問題は、中村君が法制局の参考人を呼んだということは、私ども知つていないと思います。もちろん個人であるから——。私、自由党としても、そういう話があれば少しへそを曲げたいところであるが、まあやつたことであるから、決してわが党のやつたことを云々するわけじやなく、むしろ中村君のやつたことは適切であるだろうと私は考える。なぜならば、国会手続上というようなものは、政府で先ほど言いのがれをしておつたけれども、国会できめる性質のものであるということを申された。私はむしろ法制局の方が妥当であると考えておる。であるから、いいことも悪いこともあるだろうけれども、大体において表と裏が出たということはけつこうなことである。むしろ川崎君の方の了解を求めたい。従つて委員会において法制局意見を参照してなさんとする中村君の説に賛成いたします。
  43. 辻寛一

    辻委員長 それでは答弁内容を了承することにいたします。  なお御質疑がありますれば、この際御発言願います。
  44. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 電波監理委員会設置法案関連しまして、質問をしたいと思うのですが、電気通信公報第百四十七号にありますが、電波監理長官委任規程というものが出された。これの第一條の二十七号に、「電波の管理に関する国際的取極を商議し、及び締結すること。」とありますが、これにつきましては、現在の日本の状態におきまして、どういう意味を持つたものか、御説明を願いたいと思います。
  45. 網島毅

    ○網島政府委員 講和條約ができておらない状態において、どういう意味があるかという御質問でございますが、この法律は、講和條約があるとか、あるいはないとかいうことを一応除外いたしまして、日本一つの国として必要な法律をつくり、そして日本がその法律にまつて諸般の行政をやる上において、必要な條項を盛つたものであります。もちろん講和條約ができません間は、まだ占領下にあるわけでありまして、従つてこの法律の若干の部分は、連合軍総司令官その他のいろいろな指令その他によつて制肘を受けるということは、やむを得ないというふうに考えております。ただいまの国際條約に加入するとかしないとか、あるいはどういう協定をするかというようなことは、一応事前に先方と連絡しまして、先方の承認を得て、あるいは場合によりましては、先方の仲介によつてやるということになつております。
  46. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 電波監理委員会設置法の四條の第十七号に「條約により定められた範囲内において電波の管理に関する国際的取極」云々という文章がございますが、この條約というのはどういう意味ですか。特にこれは大臣にお答えを願いたいと思います。
  47. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 電気通信條約です。
  48. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 講和條約がいまだ締結されない現在において、こらいつたような国際的な條約を結んで行こうということが現在行われておりますが、非常に不利な條件下において、この條約を取極めするということは、日本の将来に対して非常に大きな不利を招くかと思いますが、その点はいかがですか。
  49. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 現在締結されておる電気通信條約は、講和條約の成立後にやつた場合と比較いたしまして、決して不利とは考えておりません。
  50. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 イタリーのフローレンスに開かれる国際高周波会議というのがあるそうでありますが、これは一体どういう内容のものでありますか。
  51. 網島毅

    ○網島政府委員 お答えいたします。この国際高周波放送会議と申しますのは、世界各国の短波の放送の周波数の割当をきめる会議でありまして、この会議におきまして、どこの国はどういう波長をもつて電波の放送をするかということがきまるのであります。その理由は、御承知のように各国がてんでんばらばらに波長を使つてやりますと、衝突を起しまして、混信の結果、聞えなくなるということに相なりまするので、その不利を避けるために、そういう協定をするのであります。それでフローレンスの会議は、昨年メキシコで行われましたと同じような会議の続きでございまして、メキシコの会議におきましては、太陽の黒点のある特定の場合に際しての、波長の割当をやつたのでありますが、御承知の通り太陽の黒点は、十一年を周期としてかわつて参ります。従いまして、他の黒点の場合の波長をもきめなければならないのでありまして、それを昨年の春以来引続き技術委員会で研究して参りました。その研究結果がフローレンスの今回の会議に持ち出されました。そこで協議され、決定されるはずであります。
  52. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この会議には、世界のおも立つた国では、どういう国が参加しておりますか。
  53. 網島毅

    ○網島政府委員 六十数箇国ほとんど全部が参加しております。これはもちろんアトランテイツク・シテイー條約に加入した国でございます。
  54. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 日本がこの会議に出席するということに対して、世界の各国はどういう意見でございますか。
  55. 網島毅

    ○網島政府委員 昨年のメキシコの会議におきましては、わが国はまだ正式に国際電気通信條約に加入しているということがはつきりしなかつたのでありまして、その結果出席させるべきである、あるいはさせるべきでないというようないろいろな意見がございましたが、終局において多数決によつて出席さしつかえないという結果に相なりました。今回のフローレンス会議におきましては、日本が條約に正式に加入しているということが、すでに昨年の管理理事会においてはつきりして来ておりますので、そういう問題はないものと私どもは考えております。
  56. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 ただいま小澤大臣は、まだ講和條約は締結されておらない現在でも、こういつた会議に臨んで、日本は決して不利ではないというような御説明でございましたけれども、何と言つても占領されているということで、やはり言いたいことも言えないという立場になることは明白だと思います。そういうわけで、ぜひこれは講和條約が結ばれてから以後になさるべきものである。また政府が講和條約が締結されない現在、こういうものをやろうということは、むしろなしくずしの講和で、日本がある一つの大きな国に押えられて行くという状態を、そのまま存続しようというような政策に、協調しておられると考えるのでありまして、私非常に遺憾にたえない次第であります。共産党からはつきりこの点は意見を申し上げておきます。  次に、同じく電波監理委員会設置法案の第十七條について御質問を申し上げます。十七條によりますと、「電波監理委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて、電波監理委員会規則を制定することができる。」とありますが、むしろこの電波監理委員会の規則の方が、実質的には非常に大きな影響があると思うのであります。当委員会といたしましては、この規則案がわれわれによつて審議されない限り、これはちよつと同意しかねると思います。どうしてもこの委員会において十分に検討される必要があると思いますが、その点いかがでしようか。
  57. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 これは考えよう、あるいは立法技術によつていろいろありますが、詳細な規則的なものを、ただちに法律で出して行くということは、かえつて複雑になりますので、規則というようなものは比較的簡單に制定できるもので、そのときの情勢に応じた電波行政をやることが適当だという考えで、こういう案を出したのでありますが、しかし監理委員会がこの規則をこしらえる場合には、公聽会を開きまして、十分国民の向く方向を知りながら決定することになつておりますので、この法律が決定してから初めてこの規則ができるのでありますから、今出せと言われても、この法律ができないうちは出すことはできないのであります。そういう意味で出すことができないのでありますから、そういうことをおつしらないで審議を進めていただき
  58. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この監理委員会規則を制定するときには、大衆団体の代表者をこれに加えて、一緒に審議をするというふうにぜひしてもらいたいと思いますが、その点政府はどういうふうに考えていらつしやいますか。
  59. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 これは政府の手を離れて、監理委員会が自主的な立場で決定することになつておりますから、今私がこれを引受けて、江崎君の言うようにやれと言つて命令する権限はなくなりますが、あらゆる機会を通じて、江崎君の言うような意見の浸透するような方法を講じたいと思います。
  60. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 政府に対する行政制度審議会からの答申が参つていると甲いますが、これに対して電通省は、この機構改革に関してどんな方針をもつて現在進んでおられますか。
  61. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この問題については、政府ではまだ詳細な検討は遂げておりません。現在御承知の行政制度審議会で審議し、これも小委員会で大体きまつたというので、新聞に出ておりたような——たとえば私の関係する省では、郵政省と運輸省を一緒にして逓信省にするというような案が出ておりましたが、要するにその詳細については、今はつきり申し上げることができません。しかしこの行政制度審議会を設けた政府考えは、まず従来のような行政機構の複雑化を避けまして、行政機構の簡素化というねらいが一つであります。もう一つは、むだな行政官庁というものはできるだけ省いて、それを簡素化することによつて国の歳出を少くする。極力歳出を少くして、国民負担の軽減に充てることが適当じやないかという、この二つのねらいが、行政制度審議会を設けた理由であります。今江崎君お示しの通り、小委員会で相当の結論を得ているようであります。しかしながら、新聞には出ておりますが、政府へはまだ現在のところ、正式な答申が参つておりません。そこで正式な答申が参りましたならば、この答申案が、はたして政府が当初具体的に企図したような、行政を簡素化することによつて国民に利便を與えるようなものであるかどうか。また費用がどれだけ節約になるかということを検討して、その二つのねらいが貫徹されておりますれば、あるいはそのまま承認するかもしれませんが、いやしくもこのねらいには遠いというような案でありますれば、これは政府としては通す意思がないのであります。要は政府の当初の二つの大きなねらいにあるのであります。これを具体的に申し上げまするならば、運輸省と郵政省を廃止して逓信省をこしらえた場合において、どれだけの経費が節約できるか。この官庁を利用する国民大衆にどれだけ利便があるかということで、利便があればそうしますけれども、ない場合には政府は断じてこれには応じられないということになると思うのでありますが、要は未決定の問題でありまして、根本的な政府考え方だげを申し上げておきます。
  62. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 そうしますと、郵政省並びに電通省に、今臨時雇いというものはどれくらいおりますか、これをひとつお答え願いたいと思います。
  63. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 臨時雇いというものはありません。いわゆる臨時の賃金で雇つている人のことかと思いますが、これはそのときどきによつて違いましよう。たとえば小さい郵便局で配達の人が休んだ。これは病気で休んだのだから、今日はなれている人で、こういうような人を頼もうというように、その日その日によつてかわりますが、多くしたり少くしたり、賃金によつて補充するようなことは、できるだけないようにいたしたいと思います。
  64. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 聞くところによりすすと、現在相当臨時雇いがあるということですが、一体概数はどれくらいありますか。
  65. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 今申しました通り、一定の期間におけるきまつた数は、全然ないのであります。その月その日によつて変動がありますが、現在の賃金水準については訂正いたしたいと思います。なおこまかいことは政府委員からお答えいたします。
  66. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬政府委員 正確な数字はちよつと持つておりませんが、大体全逓に十四万ほどございますが、概数四千名程度ではないかと思つております。なお具体的な数字は調べましてから、……
  67. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 四千名というと相当な数だと思いますが、これは政府が第五国会で通した定員法に、大きな欠陥があつたのではないかと思いますが、その点大臣のお考えを承りたい。
  68. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 行政整理に関しては、少しも欠陥はないと考えております。但しこの四千名とか三千名とかいう数は、その後におきまして新たに設けられた電話交換とか、電報事務とかいうようなものがありまするし、定員法は押えられておりまするし、あるいは配置転換等によりまして、ある局は非常に余つておる。ある局は下であるという場合に、この余つておる方を配置転換が、本人の希望にできる限り沿うようにしたいと思うと、なかなか思うようにできません。そのギヤツプがあるのであつて、決して整理の数は不適格ではございませんが、ただその後における事業量の増によるものも多小ございまするから、こういう問題はおそらく今国会中に、多少の定員法の変更はあると考えております。
  69. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 聞くところによりますると、雑務手から臨時工へ、大体二千名余りがかえられるという話を聞いておるのですが、そういう事実はあろのですか。
  70. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬政府委員 私といたしまして、ただいまそういうことを聞いておりませんが、事情によりましては調べてもよろしゆうございます。
  71. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 そういうやり方をやるつもりか、ないつもりか。それをひとつ承りたい。
  72. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬政府委員 その点は事業の内密にわたりますので、調査の上お答えした方がよろしいと思います。
  73. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 いつそれを報告してもらえますか。
  74. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬政府委員 この次の機会に……。
  75. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 やることによつて、電気通信事業がよくなる場合はやります。しかしながらそういうことをやる場合は、本人の意思を尊重してやりますから、これ以上御答弁する限りでないと思います。
  76. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 三月二十五日に瀬戸内海で、紫雲丸と鷲羽丸の衝突事故が起りましたが、これはむしろ運輸委員会の問題だと思いますが、船舶無線と関係ありますから、ここでお伺い申し上げるのですが、この事情は一体どういうことなんですか。無線関係に非常に不備があつたということを聞いておりますが、その点わがつておりましたら伺いたい。
  77. 網島毅

    ○網島政府委員 無線につきましでは、私どもで調査した結果、判明したところによりますれば、無線をつける予定で、願書を出すべく先方で準備しておつた。しかしまだ願書を出さない前に、ああいう事故が起つたというふうに承知しております。
  78. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この事故は無線さえあつたならば、十分防げた事故であるということであります。また無線がないために、衝突した現場へ、宇野という港からたつた五マイルしか距離がないのに、三時間を要しておるのです。これは電波庁あたりで徹底的に、こういう問題の起らないように注意されるべきだと思うのです。その点警告を発しておきます。
  79. 網島毅

    ○網島政府委員 御警告はまことにありがたいのでございますが、これは強制船舶ではございませんので、政府が強制的に無線をつけろということはできないのであります。せいぜい勧奨か指導という程度であります。御趣旨に沿いまして、今後できるだけやります。
  80. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 これはちよつと前のことですが、第六臨時国会で秋田警察電話の件につきまして、公文書の偽造並びに電信法違反、こういう問題について事件があつたのですが、これについて調査の結果報告するということであつたのですが、いまだに報告がありませんが、これは一体どうなんでありますか。
  81. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 調査の結果は、そういうことが事実無根というような情報が入つておりますが、これはなお内容等の詳細な回答は、この次に譲ります。
  82. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この際資料要求をしたいのですが、警察電話、特に今度は無線関係、この無線の通信の系統です。これと割当の周波数、これについて共産党はぜひ知りたいので、出してもらいたい。
  83. 辻寛一

    辻委員長 正式な資料要求は、やはり委員会において決をとつていたしますが、いかがいたしましよう。その必要がございますか。     〔「必要なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 委員会でそういうことを拒絶することができるか。
  85. 辻寛一

    辻委員長 正式な資料の要求は、委員会から要求するわけでありますから、委員会の意向といたしましては、その必要なしということに相なりましたから……。
  86. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 それでは電話の一回線に要する費用を、予算で大体現在どれくらいに見積つておられますか。参考のためにお伺いしたいと思います。
  87. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 今のは関係者が来ておりませんから、答弁の正確を期する意味において次会に譲ります。
  88. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 本日はこのくらいにしておきます。
  89. 辻寛一

    辻委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ電波法案放送法案及び電波監理委員会設置法案に対する質疑は、これにて終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めましてきよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時七分散会