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1950-02-03 第7回国会 衆議院 電気通信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月三日(金曜日)     午後二時開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 高塩 三郎君   理事 中村 純一君 理事 橋本登美三郎君    理事 松本 善壽君 理事 江崎 一治君       淺香 忠雄君    降旗 徳弥君       土井 直作君  出席国務大臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君  出席政府委員         電気通信政務次         官      尾形六郎兵衞君         電波監理長官  網島  毅君         (電波庁法規経         済部長)         電気通信事務官 野村 義男君  委員外出席者         専  門  員 吉田 弘苗君 二月三日  委員庄司一郎君辞任につき、その補欠として池  田正之輔君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  電波法案内閣提出第五号)  放送法案内閣提出第六号)  電波監理委員会設置法案内閣提出第七号)     ―――――――――――――
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより会議を開きます。  この際連合審査会開会につきましてお諮りいたします。ただいま本委員会において審査中の電波監理委員会設置法案につきまして、内閣委員会は、昨日本委員会連合審査会を開くことに決したのでありますが、本法案行政機構に関するものであります関係上、昨年本委員会に付託されますときには、特に内閣委員会連合審査会を開くべきであるとの希望をされておりましたこと等より勘案いたしますれば、当然本委員会といたしましても、この議決をいたすことが至当であろうと存ずるのであります。つきましては電波監理委員会設置法案について、内閣委員会連合審査会を開くことに決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めましてさように決します。なお開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上決したいと存じますが、ただいまのところ来る二月九日午前十時より開くことにいたしたいと存じておりますが、確定いたしました上は公報でお知らせいたします。     ―――――――――――――
  4. 辻寛一

    辻委員長 これより前会に引続き、電波法案放送法案及び電波監理委員会設置法案一括議題とし、質疑を続行いたします。橋本君。
  5. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 要約して申し上げます。この前大臣お答え願いたいという質問をしたのは、せんだつて承知のように行政制度審議会の小委員会ですか、あれによつて行政簡素化目的でもつて、いろいろの案が付議されておりますけれども、その中にも電気通信省公共企業体に移すべきであるというような結論が出ておるようであります。なお内閣にある電信電話復興審議会、この小委員会公共企業体にするのが適当であろう、こういう結論なつたように聞いておるのでありますが、この問題に対して大臣はどう考えられるかということが第一問。  第二問は、すでに鉄道及び専売公社公共企業体になつておる。類似的な事業であるいわゆる電信電話、省の関係しておる事業も、当然軌を同じゆうして行うべきであるが、今日まで遅れているということについては、どういうふうな事情があるのであろうか。なおまた国家公務員法施行せられて、現業者というものが国家公務員法によつて拘束されるために、非常な不便がある。従つて当然に公共企業体に移る方がいいのじやないか。もしそういうような事情ばかりでなくして、電信電話の方の復興を急速に行うというような状態から言うと、現在のような国家予算の範囲内では、なかなかこれは行われにくい。従つてこの目的を達成するためには公共企業体、こういうような性格をとつて建設資金民間及び外資の導入をはかること、あるいは運営上の従来の欠陷を除去する。こういう方面からも急速に、これは自分意見であるが、公共企業体に移す方がいいのじやないかと思うが、当局においてはこれについてどういうお考えを持つておられるか。もし当局においてそうした考えのもとに多少あるというならば、当然本委員会はそれらの事業体には直接の関係がある国会委員会だから、法制的にこれを正式にかけるということが困難であるとするならば、非公式に何らかの形でこの問題を本委員会に諮問なり、あるいは研究題目として出す意向はないかどうか、こういうことに大体盡きるのですが、以上とりあえず大臣からお答え願いたいと思います。
  6. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 お答えしますが、電信電話公共企業体という問題が、最近新聞紙にもありますし、また電信電話審議会で大体そういう方向に向くような情勢に置かれておることは事実であります。およそこの問題はお話したことがたびたびありますが、電信電話審議会というのはどうして生れたかと言いますと、まず現在の電信電話現状から見て、これで国民諸君が満足しておるかどうか。これでは満足できないとすれば、最近の経済あるいは政治その他の情勢から、どの程度まで電話というものが拡張せられなければならぬか。それから現在のサービスが非常に劣惡であります。このサービス国民要望するような線に持つて行くのにはどうすればいいか、いわゆる電信電話復興あるいは拡張ということ、あるいはサービス改善ということを主眼として、そういう方向に進むのには一体どういうことをすることによつて可能であろうかということを、電信電話審議会に諮問しておつたのであります。その結論が今お話のように、まだ決定はいたしませんけれども、大体この委員会の空気が、現在では少くとも日本では三百万個程度電話が入用であろう。もちろん個人的には四百万個あるいは二百五十万個という意見もありましたが、要するに総合いたしますと、三百万個程度電話があつて、初めて日本の産業あるいは文化の水準が維持できるのではないか、こういうような考え方に大体一致いたしております。ところが三百万個の電話拡張するのにはどれだけの資金がいるか、またどれだけの資材がいるか、そうしてその資金をどうして得るかというような問題が、次々と問題になつて来たので、その問題を解決する一つ方法として、はたして官営でいいかどうか、また公共企業体の方がいいか、また民営がいいか、こういうふうにだんだん掘り下げて検討が進められて参つておるのであります。要は大きな目的である電話拡張復興あるいはサービス改善という、この大きな三つの狙いを達成する手段として、いわゆる経営体の問題が論議せられ、結論において今お話のように、大体民営の長所を取入れた公共企業体が適当じやないかというような結論が出そうになつております。しかしまだ正式な結論ではありません。そういうような状態になつておりますし、一方二、三日前の新聞にも出ましたが、行政制度審議会の方では、行政機構簡素化あるいは機構の改革というような線で、内閣からの諮問に応じておるのでありますが、これにも電気通信省の現在の事業公共企業体にすることが適当であろう。それからそうなつた場合には、運輸省と郵政省を合併することが適当じやないかというような御意見があるそうです。しかしこれは私の直接の所管ではありませんので、委員の一、二の人から聞きますと、まだこれも決定した案じやないのです。ただ昨年の十二月ごろに委員懇談会の席上、こんなものはどうだろうというようなことを考えたのが、二、三日前の新聞に出たのであつて、まだ結論は得ておらぬそうであります。これに対して、それではお前はどう考えておるかというような質問でありますが、要するに先ほど申し上げました三つの大きな目的を達成するために、公共企業体がいいという結論委員会で出ました場合には、その結論基礎にして政府でさらに再検討して、そうして最後結論を得たいと思つておりますが、今私自身にも自分考えを持つてはおりますが、今ここで私の意見を私見として申し上げることは、かえつて誤解を招くおそれがあると思いますから、私の所見は、一応現在の段階ではお答えしないことにいたしておきます。しかしながらいずれにいたしましても、先ほども申し上げたような順序になつて、漸次この問題については検討されておりますので、政府といたしましてもこれに並行して、今検討を続けておることは事実であります。以上であります。
  7. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 大臣お答えの中で、一つ触れておらぬところがありますが、本委員会政府としていまだ具体的な案を提案することは、法規上不可能ではありますけれども、一応各種の委員会政府に対する参考意見として、そういうような委員会の成案が答申せられる。こういう状況から見て、一応この国会意思をきく。もちろんそれらの会議国会代表者も入つておるわけでありますが、しかしこれは国会代表として入つておるのではなくて、個人の資格で入つておるのでありますから、その人たち賛成であつても、必ずしも国会意思がそこにあるとも言いにくいのであります。便宜上本委員会成規議題ではないにいたしましても、何らかの方法で本委員会意見を求める処置があるかどうかお伺いいたします。
  8. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 御承知のようにこの委員会は、国会法あるいは議事規則に基く正式な委員会でありますので、今お話のように正式にまだ政府態度決定していない案を、どうだろうといつて出すわけには行かぬと思うのであります。しかしながら皆さんの御希望によつて懇談会等を設けて今の審議会と並行し、あるいは政府研究と並行して御審議願つて、よりよき改善をはかるということに対しては、一向私の方では異議を申しませんが、しかしさりとて、ぜひやつてくれというようなことは、法規上認められておりませんから、正式に御検討願いたいということは、政府からは言えないと思うのであります。要は委員会自身のお考えで、これはやろうじやないかというような場合に、資料がないとか、あるいはこういうものを出せというような場合、あるいは今までの経過を報告しろという場合がありましたら、何どきでも参上いたしまして経過を報告し、また資料を出すことにやぶさかではないのであります。
  9. 松本善壽

    松本(善)委員 放送法案電波法案電波監理委員会設置法案の三法案が出ることになりましたことは、非常に私どもけつこうだと思うのでありますが、この三法案に対してはすみやかに国会承認を得て、一日も早く目的であるところの民間放送を、われわれがこの世の中に出さなくちやならぬという責務を感ずるのであります。その概念的な面においては賛成でありまするが、法文的な考え方から言いますと、私どもがこれらの法案を全面的に納得するというところまでにはなり得ないように私は考えるのであります。従いまして大臣も非常に忙しいのでありましようから、簡單質問いたしまして、詳細についてはあるいはまた機会があると思いますので、次会に譲りたいと思いますが、要点のみをお答え願いたいと思います。  電波管理委員会の件でありますが、この法案がいいとか惡いとかいうことは別にして委員がどういう形で選考されるだろうか。また現在法案が通ると同時に委員常任委員会に諮るのかどうか。あるいは法案は通過したが、その後において内閣その他において決定するのかどうかという点でございます。次に経営委員会のメンバーについても同様でございます。  第二点といたしまして、放送法案におきますところの経理方法でありますが、私どもといたしましては会計検査院が会計の監査をやるという法文については反対するものでありまするが、この点について私は自主的なる民間放送法案が生れたということであるならば、経理というものは真に民間人でなければならぬということは、概念としてつかめるのじやないか。しからば何を好んで会計検査院というようなやつかいなものを持つて来て、また国会承認を得なければならぬという、この條文のよつて来る原因を簡單けつこうでありますから、御説明願いたいのであります。  次に第三点でありまするが、放送法案罰則規定でございます。御承知のように五十三條には協会の役員とか、または職員について、かたい罰則規定が設けられておるようでありますが、実際問題といたしましては、放送に関する案件について、職員がどれだけ賄賂をとり云々というような問題はないと思うのでありまするが、一般的なるところの罰則規定をここに準用した。こういう考え方はもちろん私たちとしては納得できない限りでもありませんけれども、実際文化的な面を取上げようとするこの電通委員会において、むしろ破格的にこうした面を刷新してみたいと私は考えまするがゆえに、職員というものに対する罰則規定を削除願いたいと思うのであります。この三点についてお答え願いたいと思います。
  10. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 監理委員会委員の選任の問題でありますが、これは法文にも明記してありまする通り内閣総理大臣が推薦して国会の同意を求めるということになつております。従つてこの委員会はかりに法律施行が今年の四月一日から施行になる場合におきましても、四月一日には委員会がなくてはならぬのでありますから、その以前に、つまりこの法案が通過しましていろいろな準備が整いますれば、ただちに委員の選考にかかりまして、そして総理大臣が三月中に国会承認を得まして四月一日からその委員がすぐに仕事ができるようにしようとしております。  それから会計検査院の問題ですが、この問題は政府部内でも相当研究され、論議されて参つたのであります。従つてこの会計検査院監査がなくとも、自主的に公共企業体にまかせてもいいのじやないかという意見もあるのでありますが、しかし御承知のようにこれは一つ独占的機関でありまして、聽取料をとるのも、この公共企業体だけがとりまして、民間放送の方では聽取料をとらないという、免税の保護等、すべていわゆる国営的な感じが非常に多いのでありまして、こういう公共的なものは、一般官庁に準ずるような監督方法をすることがいいのじやないかという考え方が勝を制しまして、現在のような法案なつた次第でございますが、しかし松本君の説は私も相当傾聽すべき議論だと思いますので、最後の御決定になる場合には、適当に御研究になつて態度をおきめになつてけつこうだと思います。
  11. 網島毅

    網島政府委員 私より罰則の問題についてお答えいたします。第五十三條の罰則が、こういう文化的な放送協会というようなものに対しては、不適当じやないかという御質問だと思いますが、先ほど大臣から御説明いたしましたように、この協会は非常に公共的の色彩の強い協会でございまして、強制的に法律でもつて一般聽取者協会との間の契約を強制しておるというような状態にもなつております。このような非常に公共性の強いいろいろな機関といたしましては、現在いろいろな営団でありますとか、あるいは金庫、日本勧業銀行、その他いろいろな銀行、それから会社といたしましても日本製鉄株式会社、その他いろいろなこういう公共性の強い会社もございますが、これらに関しましては経済関係罰則の整備に関する法律というのがございまして、その法律によりましてその役職員が全部このわいろをとつたときの罰則規定されておるのでありまして、この協会に対しましてもそれとまつたく同じ形をとつたのでありまして、やむを得ないのではないかというふうに考えておる次第であります。
  12. 松本善壽

    松本(善)委員 この三点については一応了承するものであります。最後に私は、この三法案が通過いたしましたという仮定に立つて、次に考えてみたいことは、しからば民間放送が盛んになつて来るということはもちろん言えるのでありましようが、この民間放送というものに対して、いわゆる通信大学というもののあり方もそこに考えてみて、そして教育的なあり方通信機関を利用してやる。NHKでやつておりますところの簡單な普通講座的なテキストも相当あるようでありますが、むしろそういうものを徹底的に整理統合いたしまして、いわゆる私学校、その他大学令によるところのものが、もしこの文化機関を通じて、職場あるいは住居において随時学問ができるようになれば、私も非常にけつこうだと思つておるのでありますが、この点につきましては大臣はどういうお考えでありますか。もしも通信事業を通じての教育方面に対しての文化事業に対してお考えがあれば、その抱負経綸をこの席上において簡單にお聞きしたいと思うのであります。
  13. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 放送番組の問題のようですが、放送番組は原則としてこの法律に書いてあります通り政府は関與しないで、どこまでも自由な、自主的な放送をやつてもらうことを念願いたしております。従つて松本君の言われるように通信機関を利用して、一つ社会教育制度的なものに重点を置いてやれというような国民希望がありますれば、おそらく民間放送におきましても、また公共企業体放送でもやることと思いますが、また社会要望を充たさなければ、それだけの信用がなくなるのでありまして、ことに今後民間放送企業体との競争を認めますから、自然国民諸君要望というものに競争して、タツチして行くと思うのであります。そういう意味で松本君の考えておるようなことが、十分行われて行くのではないか。しかし政府はこれに対しては関與いたしません。
  14. 松本善壽

    松本(善)委員 関連事項としてもう一つ。夢のごとき考えをしてはなはだ申訳ありませんけれどもテレビジヨンというものが、今後少くともわれわれの目の前に――これは時間の問題であると思いますが、現われると思のでありますが、この見地に立つては、大臣はどういうお考えを持つておられるか。その抱負並びに経綸について所感を述べていただきたいと思います。
  15. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 テレビジヨンの問題は、これは近く日本にも普及されまして、またすみやかに普及されることがわれわれの念願であります。現在でも実際に日本製テレビジヨン機械もございますが、購入価格が、すなわち生産価格が非常に高いので、一般にこれが用いられるようになるのには、もう少し聽取機の値段が安くなることが、結局そういう時期が早く来ることになるのじやないかと思のでありまして、現に通信メーカーの方におきましても、この製作についてはあらゆる角度から検討を続けて、低廉なしかもりつぱな機械ができ上ることを研究し、また研究されつつありますから、従つてそう遠い時期じやない時代に、このテレビジヨン時代が出現することと考えております。
  16. 松本善壽

    松本(善)委員 一応私の質疑は打切ります。
  17. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 実は昨日電波長官からお答えがあつたのですが、もう少し大臣からはつきりしたお答えをお聞きしたいと思うのは、これは法律論から申し上げるのではないのですが、今回放送協会が、従来の公益法人から公共企業体になるわけですが、現在の放送協会の実態というものは、御承知のように六千人の会員によつて最初始められて、その後の蓄積によつて、今日は相当多額の資産を有しておるわけであります。もちろん成立の当時においては、これを唯一の機関として設けるというような事情もあつて、特殊の政府保護があつたということは事実でありますけれども、それにいたしましても、今回この一片の法律案によつて、それらの財産公共企業体に移される。こういう問題は、もし公共的な国のためにこういうことが当然行われるという観点に立てば、きのうも申し上げたのですが、新聞事業その他においてもあり得ることである。ただ現実の問題としては、新聞のごときは幾つもあり、かつまた独占事業ではないのでありますから、実際上は行われないのではありますが、もしこれがフアシズム的な全体主義政権が行われた場合においては、それらをこういうふうな法的根拠をもつて行うことができる、これは従来もあり得たことであります。従つて自由経済といいますか、民主主義経済のもとにおいては、また思想のもとにおいては、この法律は一応特殊な法律である、こういうように考えざるを得ない。従つて今後こういうような問題に対する政府当局考え方を根本として明らかにしてもらいたい。こういうことが一応国会法律によつて簡單に右から左に、これを極端な言葉で言えば、第三者の財産法律によつて沒收し得る、こういうことであると、これは大きな問題であります。しかしこの問題に限つては、もちろん社会通念から考えても、公共企業体に移すことについては異論はないのでありますけれども、法理論的にこれを推し進めれば、他の場合においても行われ得る。従つて民主主義的な政治を基本とする吉田内閣及びわが党としては、原則論的には重大問題が内蔵せられておると考えざるを得ないのであります。この点をまず大臣お答えを願いたい。  第二の問題は、これは電波長官からでけつこうでありますが、きのうちよつと述べたのですけれども料金の問題です。この料金契約法については、質疑を終つておますから申し上げませんが、月額三十五円とする、こういうような金額が明記せられておりますが、もちろんこれについてはわれわれこの金額を明示すべきものではないという見解で、いずれ修正意見を出したいと思つておりますけれども、もし月額三十五円ということを明記したといたしますれば、この基礎というものが現状においてはたして妥当であるかどうか。大体われわれの承知しておるところでは、この三十五円の料金というものは、昭和二十三年の七、八月ごろに決定せられたものであつて新聞値上げの後において決定せられて、それ以来は値上げをせられていないようであります。その当時から今日まで考えれば、賃金ベースの変更もあり、その他公定物価引上げ等もあるのみならず、最近においては電気料金も上つておる。こういうことを考慮せられてなお三十五円という金額を入れられたのか。あるいはその他の事情によつてとりあえず三十五円という金額を取入れられたのか。その点具体的な数字等をお持ちでありましようから、物価庁との交渉の過程についても、電波長官から詳しく御説明を願いたいと思います。
  18. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 この法律全般に関するいわゆる他人の所有権を沒收するような形になる法制は、大体自由主義経済に反するではないかというようなお話でありますが、もちろんわれわれはどこまでも自由主義経済でありますから、個人所有権というものを保護する立場で今後進みます。ただ問題はなるほど現在の放送協会というものが営利会者でありますれば、その議論がはつきり出て来るのでありますけれども社団法人で、一つ寄付行為でなつたのだ。すなわちこの事業それ自体が利益を得るためではなく、またその会社、その法人そのものが、利益を得ることを主としたものではなくして、まつたく公共的な見地に立つたいわゆる公益法人として誕生したのでありますから、従つてこういう法律になるのでありますが、いやしくも営利会社であり、また財産をふやすことを目的として出ました商事会社のような場合には、かくのごとき法律は断じて行われないと考えております。しかしながらそれでも御承知のように現在の法人の清算とか何とかありまするけれども利益の配当という考えは現在の放送協会にはないのであります。しかし最初寄付行為のあつた金額だけは――もちろん貨幣の価値は違いますけれども、額面だけでも返すことが妥当であろうというので、全額これを返すことに考えております。それは結局当初の目的寄付行為であるということ、それからいわゆる商事会社ではないという点から、こういう法律が出たのでありまして、先ほど申し上げました通り、今後こういう法律がどんどん出て、個人所有権を侵害するということは全然ないと考えております。  それから料金の問題でありまするが、まず第一に料金を法で確定することがいいか惡いかということも、議論があります。従つてこういう料金等の点までも、一々国会へ出して法律を改正するというのではなくして監理委員会あたりの認可を得た場合においては、料金を改訂できるという制度にすることがいいじやないかという議論も、非常に参考に値する議論でありまして、政府でもいろいろ議論がわかれましたが、結論においてはやはり国民の負担で、税と同じようなものであるという見地から、法律で成文化するようになつた次第であります。  それから料金値上げの問題でありますが、料金値上げ問題は、新聞紙の値上げと同時に、安本、物価庁あたりでも検討されていますし、非公式でありまするが、現に協会の方からも私の方に対しまして、現在ではやつて行けないから、何とか料金値上げしてくれというような認がありましたが、私はこの問題についてはこう考えております。なるほど現在この料金では収支のバランスがつかないということも考えられるけれども、現在政府のとつている政策は、いわゆる賃金ベースというものは動かさないという方針でありますので、たとい一銭でも一厘でも国民の負担を増加するような政策は、当分しないことが適当ではないかという見地から、私は、さしあたりわれわれのねらつておる日本経済の安定を来すまでは、やはりがまんしてもらつて、この料金でやつていただきたいという気持でおります。
  19. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 今の大臣の御説明の趣旨はよくわかるのでありまするけれども、御承知のように昨年の一月から賃金ベースが約倍に増額せられておる。あるいはその他の公定価格も昨年七月に改訂を見ておるのであります。この料金が二十三年に決定されておるといたしますれば、今後この法案従つて国際放送までやるとか、その他相当に文化事業としての附帶的な事業も行わなければならぬ場合においてあまりにきゆうくつな予算によつてこれをやらしめるということは、実際上不可能に近いものではないか。同時にまたそれがために文化事業が促進せられずして、コーポレーシヨンになつたために活動がにぶるという状態であつては、せつかくコーポレーシヨンに移した趣旨というものが、十二分に発揮できないということも考えられます。もちろん政府のいわゆる低賃金といいましようか、低物価政策というものも考慮に入れなければなりませんが、最近において新聞値上げになつておる現状から考えても、同じような性格を帶びる放送事業に対しましても、政府としては当然考慮すべき余地があるのではなかろうか。かつまた法案をつくつた場合において、今後これだけの事業を行う上において十分であるという御見解であるならば別でありまするけれども、その点について電波長官の具体的数字がもしありますれば、御研究の結果をお伺いしたいと思います。
  20. 網島毅

    網島政府委員 ただいま大臣から御説明がございましたように、この問題につきましては物価の主管庁であるところの物価庁において、いろいろ検討されておりますし、また私どもの方にもいろいろそういう申出がありまして、いろいろ検討はしておりますが、まだはつきりした数字は出ておりません。従いましてきよう数字につきまして御説明申し上げることのできないのは、非常に遺憾に存じます。
  21. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 大臣質問する項目について、先に質問いたします。まず放送法案でありますが、この法案によりますと、現在の放送協会を改組することになつておりますが、この実質的なねらいは一体どういうところにあるかを説明していただきたい。
  22. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 先ほども話しました通り、現在の放送協会は大正四年に、電信電話法とか何とかいう法律によつて設立されたものであります。従つてその当時の電気科学と申しましようか、そういう電気に関する科学的研究が予想されないほど発達した今日においては、どうしてもその時勢に適応した法律で律することが国民生活に当てはまることであろうという考えと、それからただいま申しましたように放送協会は、一つ独占事業のように現在扱われております。こういう独占事業というものは、やはりだんだん公共的な姿に返つて行くように、法律保護を與えると同時に、また国家主権者である国民が納得できるような監査をし、監督をし、調査をして行くことが適当だろうというねらいで、現在の組織をかえるというのが、この法律のできた根本の理由であります。
  23. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この法案の第一條第二号には、特に「放送による表現の自由を確保する」ということが強調してあるのですが、現在の放送協会ではこういう点が不十分なのでしようか。
  24. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 現在の放送協会も、大体この法律通り行われておりますが、ただいま話した通り放送法案というようなこまかいものではないから、この法律で「表現の自由を確保する」と明記をして、はつきりした方がよいという趣旨で、この明文を入れたのであります。
  25. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 政府国民に対して民間放送が開始されるということ、すなわちこの放送が民主化されるということを表省板に、ずいぶん宣伝をやつて来たのでありますが、実際にこの放送法案のふたをあけてみると、実はNHKに対して第一番目に聽取料の法的確認である。第二番目には三十億の放送債券の発行の権限を付與するということ、第三番目には土地收用法の適用である。第四番目に所得税、法人税の免税、五番目には実質的な中波における周波数の独占というような、NHKの独占を強化するような形で現われておりますが、それはまつたく羊頭を掲げて狗肉を売るような結果になりはしないかと思いますが、その点はいかでしようか。
  26. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 それはお話のように独占を認めて、独占を強化しております。それだけ公益性が多いという意味です。
  27. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 第一條の第三号につきまして質問を申し上げたいのですが、同号には、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」というように書いてありますが、政府のいわゆる健全な民主主義というのは、科学的社会主義をも含んでおるかどうか。その点について説明してもらいたいと思います。
  28. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 この問題は見方によつて、民主主義が違います。現在江崎君の民主主義と私らの民主主義は違うように、いろいろと解釈するでしようが、それはそのときの裁判なり、そのときの社会情勢に対応して、あるいは含むと解釈する裁判も出て来るでありましよう。それは解釈の自由であつて、われわれの主張する民主主義は、わが党の主張する民主主義という意味です。
  29. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 自分質問しているのは、政府のいわゆる民主主義というものの中に、科学的社会主義というものを含んでいるのかどうかということで、イエスかノーというお答えを求めているのです。
  30. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 だから今の答弁は入つていないという意味です。
  31. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 民主主義に対する論議はここではやりません。  最後に聞きたいのは、教育委員でも公選している。それだのに電波行政の指導権をがつちりにぎるところの電波監理委員会では、非常に非民主的な方法がとられている。すなわち総理大臣のお墨付という形で選んで行くということは、不適当ではないかと思いますが、その点はいかがでしようか。
  32. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 江崎君は少し誤解されているのだと思いますが、この委員会は、今まで單独で行政というものが行われておつた。たとえば電気通信大臣が一人で最後の電波の割当その他の行政処分をやつておつた。ところがむしろ一人できめると独裁的になるから、七人か八人かの叡知を集めて、そういう総合した意見で電波の行政を行おうというのですから、かえつて民主主義になつているわけですが、どこが民主主義でないと言うのですか。
  33. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 これはもつと広い範囲に、全国的に国会議員が選ばれると同じような形で選ばるべきではないか。教育委員でさえ公選されているじやないですか。そういう意味です。
  34. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 そういう構想もできるのでありますが、これは御承知のように一つの行政官庁です。これは教育委員会というものとは少し違いまして、内閣の全部の行政の中の中の一分派であります。従つて大体において政府が行政権をいうものを握つておりますから、政府考えている適当な人物を選んで、その人に民主的に行政をやつてもらいたいというのがこの委員会でありまして、選挙をよるというふうなことになると、政府の行政権というものは全然関係なくなつてしまうおそれがある。御承知のように日本の憲法では、行政権が政府に属することになつておりますから、憲法でも改正にならぬ限りは、それはちよつと困難だと思います。
  35. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 電波監理委員会設置法の附則の第二項に、委員並びに委員長につきまして、総理大臣が任命するということになつておりますが、これについての政府のお考えをお伺いいたしたい。
  36. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 これは先ほどお話したように、内閣総理大臣が推薦して承認を求めるのであります。従つてこの法案が通過いたしますれば、さつそく政府の責任において選定し、推薦して、国会承認を求めることにいたします。
  37. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 そうするとまだ予定した人はないというわけですか。
  38. 小澤佐重喜

    小澤國務大臣 いろいろ推薦して来たり、またわれわれも心には描いておりますけれども法案が通過する以前にそれを具体的に進めることは、むしろ国会を無視することになるのではないかという考えから、この法案が通過してから、一切のことをやろうと考えております。
  39. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 網島政府委員質問しますが、昨日この委員会に配付されました「一月二十七日衆議院電気通信委員会における江崎委員質疑に対する資料」というのがありますが、この中に「第三地域会議日本に割当てられることになつた周波数」というのがありますが、この第三地域というのはどういう意味ですか。
  40. 網島毅

    網島政府委員 この第三地域というのは、現在のアトランテイツク・シテイー條約におきまして、全世界を三つの地域にわけておりまして、第一地域は大体ヨーロツパを中心にした地域であり、第二地域は南北米、第三地域は極東地域であります。そこで全世界的に影響のある短波單位の割当につきましては、現在ジユネーブに周波数準備委員会というものがございまして、そこでいろいろ検討されております。それから全世界には関係ないけれども、相当広範囲に関係するという周波数、たとえば三千九百キロサイクル以下の周波数につきましては、先ほど御説明した三つの地域の中で、それぞれ関係各国が集まつていろいろ協議しているわけであります。従いましてこの第三地域と申しますのは、大体極東を中心とした地域でございます。
  41. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この中で、業務別の周波数の割当は、どういう経過できめられたのですか、その点を御説明願いたいと思います。
  42. 網島毅

    網島政府委員 これは大体現在日本において使われているところの波長を基礎といたしまして、それに将来の施設の拡充、並びに現在の波長の組み方、そういうものを若干考慮に入れて、第三地域会議に要求いたしまして、そうしてその会議の結果、一応日本に割当てるということになつたらしいのでございます。
  43. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 そうすると、この具体的な業務に対しての割当は、日本がこの原案を出して、それが承認されたという形ですか。
  44. 網島毅

    網島政府委員 そうであります。日本から原案を出しまして、それが会議の席上でいろいろ検討されたのでありますが、もちろん日本からの原案はこれよりさらに多い数字であります。ところが各国ともこの辺の周波数に対しては、相当熾烈な要望がありまして、必ずしも日本の要求する通りにはなつておりませんけれども、この結果を見ましても、さしむきの用途には十分たえ得るのではないかと考えておる次第であります。
  45. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この割当を見ますと、二十七日の委員会にも申し上げましたように、特に漁業関係の周波数の割当が、非常に少いと考えられるのであります。そのときに私岩手県の宮古というところの実例を出しまして、漁船一隻一回に対する通信時間が非常に短いというふうに言つたのであります。網島政府委員は三分あるから大丈夫だと言われたのでありますが、実際三分ありますか。
  46. 網島毅

    網島政府委員 宮古につきましては、実際三分ございます。それは私どもの調べによつて間違いないと思つております。  それから漁業関係の周波数が足りないのではないかというお話でございまするが、先般も御説明申しましたように、漁業に使われる波長帶というものは、非常に狭いのであります。従いましてほかの一般の固定局その他の業務のように、なかなかとりにくいのであります。幸いこの表にもありまするように、現在漁業に関しましては約十八波使つておりまするが、それがこの第三地域会議におきましては、一応三十七波使えるというような状況になつておりますので、これが実際本ぎまりになつたあかつきにおきましては、相当緩和されるのではないかと考えております。
  47. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この表によりますと、警察が四十五波使つておりますが、この中で漁業関係に振向けられるものは出ないのですか。
  48. 網島毅

    網島政府委員 それは全然できません。それは警察に使う波長の部分と、それから漁業に使う波長の部分とは、全然別個でありまして、相互の融通はつき得ないのであります。そういうような状態でありますので、相互の融通は不可能であります。
  49. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 非生産的な部門に非常によけい申請したから、こういう結果になつたのではありませんか。初めから漁業その他産業方面にもつとよけいとるように申請すれば、そのような割当になつたはずだと思うのですが、念のために戰前におけるところの警察の持つておつた占有周波数が、一体幾らぐらいあつたかということをあわせ御回答願いたいと思います。
  50. 網島毅

    網島政府委員 漁業その他生産的な面の要求が少かつたのではないかという御質問ですが、そういうことは絶対にございません。私どもといたしまして全力を盡して、むしろ生産的方面の、しかも現在非常に込み合つておる波長の獲得には努力したつもりであります。  警察通信の波長についての御質問でございますが、戰前はこの方面の波長は非常に僅少でありました。と申しますのは、先般お話し申し上げたように、戰前におきましては日本における一般の周波数のほとんど九〇%は、軍部が使つておりまして、民間が使い得るという波長は非常に少かつたのであります。しかも民間の使い得た波長といたしましても、それはどうしても無線を使わなければやれないような方面、たとえば国際通信でありますとか、あるいは漁船、あるいは商船、そういうような移動通信、そういう方面の周波数がほとんど全部でありました。従つて警察といわず、鉄道といわず、気象といわず、いわゆる陸上における固定地点間の波長というものは、ほとんどゼロに近かつたのでありますが、戰争によりまして日本の国内有線通信網は非常に大きな打撃を受けまして、無線を使わなければとうてい緊急通信にすらさき得ないという状態になりましたので、警察のみならず、鉄道、気象その他国内一般の公衆通信、そういう方面に相当数の波長をさきまして、有線通信の弱い面を補つておる状態であります。これは先般もお話申し上げましたように、有線通信が漸次強化されて参りますならば、漸次この波長は他の方面に振向けられるはずだと思つております。
  51. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 ちよつと話が元にもどりますが、宮古の一隻の通信時間が三分あるという御回答でありますけれども昭和二十四年四月逓信省の出された漁業無線通信取扱要綱という本があります。これの十六ページに、宮古の通信時間の表がございます。宮古には船が九十八隻あるのでありますが、これの一回の通信時間が平均すると二十五分です。そうなりますとこれは十五秒になります。特に正午には自分の位置を知らせなければならぬために、この時間の取合いが非常にはげしい、これが実態です。今綱島政府委員の御答弁の内容と、大分実情は違うように思うが、この点はいかがですか。
  52. 網島毅

    網島政府委員 今お示しの資料は手元にございませんが、昭和二十四年の十一月の資料、これは海上無線通信の調査した月報でございますが。昨年十一月の資料に基きますと、宮古につきましては所属船舶数が三十六隻ございまして、一隻当りの通信時間が三分三十六秒ということになつております。
  53. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 この点はあとにしまして、それでは電波法の三十四條について御質問をしたいのですが、この條項によりますと、「義務無線電信には、左に掲げる條件に適合する補助装置を備えなければならない。但し、船舶安全法第四條第一項第三号の船舶に施設する無線電信であつて、電波監理委員会規則で定めるものについては、この限りでない。」この限りではないというのが問題でありますが、一体現在の私設無線電信無線電話規則の三十一條に「船舶ニ施設スル私設無線電信ニハ特ニ指定スル場合ヲ除クノ外左ノ條件ニ適合スル補助設備ヲ装置スベシ」というように、これは強制しておる。しかるにこれでは電波監理委員会が適当にこれを指示することによつて、この補助装置を免除することができる。こういうことは現在の漁船その他の船舶が、非常にりつぱなものができたからこうしたのかどうか。実は逆だと思うのですが、こういうことになつた理由をひとつはつきり説明してもらいたい。
  54. 網島毅

    網島政府委員 この電波監理委員会規則で除外するというふうに考えられておりまするのは、現在三百トン未満の漁船を予定しております。この種の船舶は船体が非常に小さいのでありまして、主装置のほかに補助設備を強制するということは、ほとんど不可能であります。またこの種の小型船舶に対しまして補助設備を強制しないということは、決して條約には抵触しないのでありまして、実際上の問題を考慮いたしましてこういうものを除外することにしておる次第であります。
  55. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 いろいろ理由はあるでしようけれども、この電波法案をずつと見ますと、前会にも申し上げましたように、つまり船主側にはこういうふうに非常に寛大にできておる。しかるに乗組員に対する、オペレーターなんかには非常にシビアーである。この点がこの電波法案に非常に露骨に出ておるのではないか。その点はどうでしようか。
  56. 網島毅

    網島政府委員 私どもはそうは考えておらないのであります。船舶安全、人命保全の建前から、必要なものはやむを得ない範囲において、この法律の中に織り込んでおるつもりであります。この船におけるところの人命、財産の保全の問題につきましては、海上における人命安全條約というのがございまして、それに詳細規定されております。これは世界各国が集まりまして、いろいろ研究された成果でございまして、この條約並びにこの條約をもととしてできておりまするところのわが国の船舶安全法においてすら、強制しておらないというものに対しまして、電波法の中においてさらにそれをそれ以上に強制するということは、妥当ではないと私ども考えておるのであります。と申しますのは、この電波法そのものは最初の第一條にございまするように、電波の公平かつ能率的な利用ということが主目的でございまして、この電波法によつて直接船舶安全法、あるいは海上における人命安全條約に規定してあるところの中まで入つて行くということは、むしろ行き過ぎではないかというふうに考えておるからであります。
  57. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 次に三十七條について御質問したいと思います。三十七條に記載してありますところの「船舶に施設する警急自動受信機」、これの使用目的はどういうふうに考えられておりますか。
  58. 網島毅

    網島政府委員 警急自動受信機と申しますのは、船が遭難いたしましたときに発しますところの一定の符号を受けまして、それによつて自動的に警報のベルを鳴らす装置でございます。これは諸外国におきまして船の乗組員、特に無線通信士を節約する意味におきまして、あるいは無線通信士の労働を軽くする意味におきまして、無線通信士がいなくても、SOSその他の遭難通信が自動的に入つて来るということから、いろいろくふうされたものでございまして、わが国におきましても、いろいろこれに対する考案その他研究が行われております。
  59. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 自分のお伺いしたのは、これをどういう目的に使うのかということでありまして、もつとはつきり言いますと、いわゆる人員節約のために使うのか、それとも正規のオペレーターがちやんと勤務しておつて、いわゆるダブル・ウオツチという意味において使うのか、その点を明らかにしてもらいたい。
  60. 網島毅

    網島政府委員 警急自動受信機を備えつけた諸外国におきましては、先ほど申し上げました目的によりまして、それに相応する無線通信士の人員を減らしてもいいことになつております。しかしながらわが国におきましては、今日までの経験その他からかんがみまして、この警急自動受信機をもつてそこまでやるということは、非常に危險であるというふうに考えております。従いまして現在この法案におきましては、この受信機をつけたことによつて、人員の節約をしてもいいというふうには考えておりません。
  61. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 第七十四條について質問申し上げたいと思いますが、七十四條に記載してあります項目を読んでみます。「電波監理委員会は、地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合においては、人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために必要な通信を無線局に行わせることができる。」こういう項目でありますが、これは去年の八月以前にはこの法案に盛られておらなかつた。わざわざここへ盛り込まれたというのはどういうわけか、この点をひとつ御説明願いたいと思います。
  62. 網島毅

    網島政府委員 ただいま昨年の八月以前の法案を引用されての御質問でございますが、八月以前の法案は私どもといたしましても、まだ検討の途中にある法案でございまして、至つて不十分な法案であつた。まだその過程にあつたのであります。従いまして、それになくてこれに入つて来たのはどうかということに関しまして、特にどうのこうのと特別な意図があつたわけでありません。あらためて全般的にこの法案をいろいろ研究いたしました結果、とにもかくにもこの人命の救助、災害の救援、そういうわが国の秩序を維持する上においてどうしても必要な通信は、何とかしてこれを行うようにするということが非常に必要であり、また電波を公益のために有効に使うという手段ではないかと存じているのであります。従いましてそういう場合は、この無線電波というものを最も有効に使う一つの場合であるというふうに考えましたので、この條文を入れた次第であります。
  63. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 それでは第五十二條に記載してあるこの條文で実は十分ではないか。たとえば能代のあの大火のときにも、どんどん無線通信士は非常通信をやつている。それで十分ではないかと思うのですが、特にこの項目を入れられたということがわからない。それと同時にこういう問題は、たとえば新聞、交通通信全部に起り得るわけですから、これは單独立法処置として考えるべきではないか。これをこの電波法から除きまして、單独立法にするということが至当ではないかと思いますが、その点いかがですか。
  64. 網島毅

    網島政府委員 ただいま御引用になりました第五十二條の方は、これは無線局の本来の目的から離れて、自発的にやつてもよいということを規定しているのでございまして、七十四條の方は、これは電波監理委員会が国の一つの行政措置として、こういうことをやつてもいいということをきめているのでありまして、その間には行政的に考えまして相当の開きがあるのであります。私どもといたしましては、第七十四條に書かれておりますような、こういう特別な場合には、国としてこの程度の行政措置はぜひ必要であろうというふうに考えているのであります。このようなものは單独立法にした方がいいのじやないかという御質問でございますが、この問題はやはり電波を公益のために能率的に使うということの一つでございまして、従いまして電波法できめた方がよいと私ども考えている次第であります。
  65. 辻寛一

    辻委員長 江崎君、よろしゆうございますか。
  66. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 私はこれくらいにしておきます。
  67. 辻寛一

    辻委員長 中村君。
  68. 中村純一

    ○中村(純)委員 電波法に関しまして一、二お尋ねをいたしておきたいと思うのであります。その一つは、この法律の何條でありましたか、無線局の免許の年限を区切つている点であります。たしか一般無線局に関しては五箇年以内、放送局に関しては三箇年以内という免許の年限を区切つているのであります。普通一般の無線局においては、その規模も必ずしも大きなものではないと思うのでありますけれども放送目的とする無線局につきましては、これはたとい小電力の放送局でありましても、相当の設備、資金を必要とするわけでありまして、それが免許にあたりまして、あらかじめこういう短い期限を設定せられて、それから先はどうなるかわからぬということでありましては、相当の不安をここに感ぜざるを得ないのであります。これはいかなる理由でかような年限を区切られたのでありまするか。これをむしろ逆に規定をして、何か不都合なことがあつたときには免許を取消すという行き方にして、原則的には年限を区切らない。こういう建前にせられる方が適当ではないかと思うのでありますが、その点に関する御意見を伺いたいと思います。
  69. 網島毅

    網島政府委員 ただいまの御質問及び御意見の点は、私どももよく了解できるのであります。現に現在無線電信法におきましては、ただいまの御説のように年限を区切つておりません。そのかわりこの法の委任によりまして、行政措置として無線局の免許につきましては、公益上必要な場合には主務大臣がその免許をいつでも取消すぞという條件をつけておるのであります。ところで新しい憲法下におきまして、特に国民の権利の確保につきましていろいろ考慮されている現在におきまして、一ぺん免許をしておいて、政府がその判断によりましていつでも無線局の免許を取消すという、いわゆる伝家の宝刀を持つておつたということは、免許された側から見れば非常に危險なのでありまして、いつもびくびくしていなければいかぬということになるのであります。私どもはこれは必ずしも民主的であり、適切であるとは考えなかつたのであります。一ぺん免許されたものは、その免許されたある一定の條件におきましては、十分その得たところの権利を行使し得るということでなければいけないと存じます。従いまして政府のそういう一方的な伝家の宝刀式の行政措置を、この際やめることにしたのであります。ところが無線通信におきましては、非常に不足な電波を最も有効適切に使わなければならない。そのためにこの電波法が立案され、また電波監理委員会という行政機関が設置される案ができ上つておるのでございまして、その法及び行政機関におきまして適当な行政措置をするためには、やはりここに一定の考慮するチヤンスがなければならないと存じます。従いましてそれをするのには、ある一定の年限を設けまして、そしてその年限のかわり目ごとに、その無線局がはたして初め免許されたときの條件通りに行われておつたかどうか。公益のために有効であつたかどうかということを検討いたしまして、それが十分初めからの目的を達成されておつたということになれば、引続き免許の更新によつて次に延ばして行くのであります。ここに一ぺん免許されたところの無線局に対しまして、その免許を再検討する機関が必要であるという結論に到達したのであります。  ところでこの期限でございまするが、この法案におきましては、一般無線局は五年、放送局は三年ということにしておりまするが、これにつきましては諸外国のいろいろな例にかんがみ、またこの無線局の性質その他にかんがみまして、こういうふうに年限を切つたのでございます。特に放送について三年は短か過ぎるじやないかという意見も、しばしばお聞きしたのでございます。ところでこの放送に関しましては、この放送法によつてつくられまするところの日本放送協会は、施設は別として、一般民間放送に関しましてはもちろん最初免許される場合には、いろいろな條件を考慮いたしまして監理委員会において認可するわけでありますが、それがはたして初めの條件通りうまく運用されて行くかどうかということにつきまして、はつきりした見通しを持つことは非常に困難であります。と申しまするのは、法案にも規定されておりまするように、プログラムの面につきましては政府は一切関與できないことになつておるのでありまして、この放送の、特に重要なプログラムの面が、どういうふうに動いて行くかということにつきましても、それが公益上有効な放送をやつているかどうか。あるいはむしろ逆の放送をやつていやしないかどうかということが、常に行政を担当するものとして必要になつて参ります。そこで放送のように非常に公共性の特に強いものにつきましては、一応三年ということにいたしまして、三年ごとにそれを見直して行く。そのときにおいて過去の実績によりまして、次の免許の更新その他を考えるということにしたのであります。従いましてもちろんこの放送が最初の免許された條件通りに運用されておる場合には、自動的にこの免許の更新が行われるということを、私どもは信じて疑わないのであります。法案の定めるところによりまして運用されておる放送局につきましては、いささかの不安もないじやないかというふうに考えます。現にアメリカにおきましても、放送局につきましては三年という年限が区切られておりますが、一般放送事業社はそれにつきまして、いささかの不安も感じておらないように存じております。
  70. 中村純一

    ○中村(純)委員 ただいまの御説明によりまして、本條の立案の趣旨なり、またこれが運用上の御方針を承ることができまして、大いに了解をいたしたのでございますが、もちろん私どもも現行の行政措置のごとく、極端なことを言えば一応無期限の許可を與えておいて、あとは政府の恣意的な方針によつて、いつでも首切ることができるという建前をとつてもらいたいということを主張するものではないのであります。ただいま御説明のごとく、一定の許可條件に合致しておるならば、これはむしろ本條但書にありまするごとく、再免許を妨げないどころでなく、事実上は自動的にこれが継続して行く趣旨のものである。こういう御答弁でありまするので、その点は了承をいたしたのでございますが、なおそれに関連いたしまして承りたいことは、この許可の條件でありますが、これは本法案にたくさん並べてあるのでございまして、これが法定の許可條件であるわけでありまするが、その内容はほとんど技術的條件であるのであります。他に電波監理委員会規則等において、許可に関する條件と申しまするか、あるいは参考事項とでも申しまするか、何か考えらるる点があるのであるかどうかを伺いたい。
  71. 網島毅

    網島政府委員 この無線局の開設に対する申請がありました場合には、電波監理委員会は第七條の規定によりまして、ここにあけた四つの條件に合つているかどうかということを審査するだけでありまして、この條件に適合しておる場合にはこれを認可しなければならないのであります。これは最初一般説明のときに御説明申し上げましたように、従来電波は政府が持つておるという観念から、これは国民のものだという観念に切りかえた電波法の精神の一つの現われであります。ところでこの條件は大体技術的な條件がおもでありまするが、三といたしまして、財政的基礎がしつかりしておるかどうかというような問題。それから第四といたしまして、この無線局開設の根本基準に合致するかどうかという問題がございます。この根本基準の問題は、相当むずかしい問題でありまして、従いましてこれは技術的というよりも、多分に政策的な意味が盛り込まれる可能性があると考えております。従いましてこれは特に電波監理委員会で、規則でもつてその内容をはつきりしまして、しかもこの規則を定めるときには公聽会を開きまして、いわゆる審理手続を経まして、この電波監理委員会会議にかけまして、いろいろきめるという愼重な態度とつた次第であります。ただいま御質問の何かほかにあるかどうかということは、あるいはこの根本基準という問題に含まれるかと存ずる次第であります。
  72. 中村純一

    ○中村(純)委員 ただいま根本的基準に関するお話がございましたが、ここには抽象的に根本的基準と書いてあるのでございまして、今後いかなる基準をつくるかということは、今後の御研究にかかるところであることは存じますが、何かその点につきましてお考えがあれば承りたいし、またただいまのお話によりますと、免許をすること、あるいはまた免許を拒否、取消しをすること、その行政処分それ自体をきめる場合にあたつて監理委員会でよく関係のところの意見を聽取した上できめるように承つたのでありますが、はたしてそうであるかどうか。
  73. 網島毅

    網島政府委員 根本基準の内容の御質問でございまするが、この根本基準は電波監理委員会の行政の中で、特に大事な重要な点と考えております。従いまして委員会において十分論議されてきめられる問題だと思いまするが、一応私ども事務当局の素案として考えておりますものは、いろいろな業務、たとえば公衆通信でありますとか、あるいは私設官庁用の事業通信でありまするとか、あるいはその他実験用の無線局でありますとか、そういう業務的な区別に従いまして、それぞれいろいろな條件を考えておるのでございます。もしも素案でよろしかつたら、そういう御了解のもとに、別途刷物にでもして差上げたらどうかというふうに考えております。  それから無線局の免許のときの御質問でございますが、これは法律的にはどうしても無線局の免許を、審議会にかけなければならないということにはなつていない。それは船でありますとか、海岸局でありますとか、だれが見てもこれは必要だというようなものを、一々こういう煩雑な手数を経る必要はないとも考えられます。しかしながら中には非常に重要なものもあるように思うのでありますが、それらに対しましては第七章の第八十三條の聽聞のところに「電波監理委員会は、前項の場合の外、必要と認める事項について聽聞を行うことができる。」という規定がございます。従いまして、委員会におきまして特に重要な事項、たとえば非常にむずかしい問題というふうに考えた場合におきましては、無線局の開設の免許その他につきましても、聽聞が行われることと存ずる次第であります。
  74. 中村純一

    ○中村(純)委員 大体了承いたしましたが、今の私設放送局のごとき重要なる施設の、許認可またはその取消しのごとき場合におきましては、ぜひ聽聞に付していただくことを希望をいたしまして、次の質問に移りたいと思う。  次にこれも何條でありましたか、あまり長い法律ですからよく覚えていないのですが、実験無線局というものとアマチユア無線局というものが、二つ法律上区別をされているのであります。これは実際のケースとして考える場合は、一つの無線局で両方の性格を備えている場合がきわめて多いと思うのでありますが、本法案においてこの二つを区別されたにつきましては、法律適用上何か実益があるのでありますか。
  75. 網島毅

    網島政府委員 実験無線局とアマチユア無線局とは、これは條約の上におきましても区別がしてございます。アマチユア無線局というのは、この第四十條にもございますように、「個人的な興味によつて無線通信を行うために開設する無線局」であります。これは必ずしも機械の改良その他に対する研究ということが伴わなくてもよろしいのであります。無線をやることによつて、外国と通信したり、国内の友達と通信したりという、ただ單に通信を興味本位に取扱つて行くというものでもさしつかえないのであります。條約にいういわゆるアマチユア・バンドというアマチユアのための一つの波長帯がございますが、それもそういう趣旨から出ております。ところで実験無線局でございますが、これは研究所でありますとか、大学でありますとか、あるいは各製造会社、そういうものにおきまして無線機械研究改良、その他実用試験というようなために、実際電波を出して機械の試験をする必要がある。あるいは研究をする必要があるというような場合の無線局のことを言つているのでありまして、従いましてこの両無線局に従事し得る人の資格の範囲も、おのずから違つて来るのであります。また実験無線局はそういう研究あるいは実験を主とした無線局でございますからして、これを日本人も外国人も同じように取扱つているのでありまするが、アマチユアにつきましては先ほどお話したような趣旨からいたしまして、これはわが国におきましては、国内におきましては一応現在の法律において日本人のみにこれを許可する。外国人にはこれを許可しないという区別もしております。そういう意味合いからいたしまして、両方の無線局をそれぞれ別個に取扱つた方が実際的でもあり、また便利でもあるというふうに考えている次第でございます。
  76. 中村純一

    ○中村(純)委員 大体わかりましたが、両方とも特殊の無線局でありまして、これでこの無線局の運用によつて、何か利益を得るとか何とかいうようなことのないものであるのでありますが、この二つの無線局の許可條件等は、あるいは許可の手続等は、他の一般無線局と一から十まで同じ取扱いをされるものであるかどうかを伺いたい。
  77. 網島毅

    網島政府委員 ただいま両無線局の許可手続その他に対する御質問でございますが、お説の通りこれらの無線局は特別な無線局でありまして、一般の無線局と相当違う点がございます。従いまして許可するときのいろいろな書類の内容でありますとか、あるいは手続その他につきましては、監理委員会規則その他におきまして、できるだけ簡易化したいと考えております。
  78. 中村純一

    ○中村(純)委員 規則の取扱上簡易化されるというお話でありますが、法律上簡易化される余地はあるかないか、それを承りたいのと、もう一つは、やはりこれに関連して、第百三條に免許料か何か、料金をとられる規定があります。法律では最高限を示しておるのであつて、それ以下にきめることはむろん可能なのでありますが、この種の無線局につきましては、特にその性質上低額なる料金を定められんことを希望するのであります。その点に対する御意見を承りたい。
  79. 網島毅

    網島政府委員 この免許申請の手続その他に関しましては、第六條にある目的であるとか、理由であるとか、こういうものは審査する上において必要な事項であります。これは同じようでございますが、この中におきましてそれぞれその書き方――具体的に言いますならば、工事設計の書き方の内容、工事費の書き方の内容、無線局の運用費の支弁方法の書き方の内容、そういうものにつきましては、これは委員会規則によりまして、簡易化した方法をとりたいというふうに考えておる次第であります。  次に手数料の問題につきましては、ただいまの御質問の御趣旨にまつたく同感でございまして、この法律でもつて定められておりますのは最高額でございますから、できるだけ安い料金といたしまして、これらの実験無線局、あるいはアマチユア無線局の発達の阻害にならないようにいたしたいと考えておる次第であります。
  80. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 念のためにちよつとお伺いしておきたいのですが、電波法の三十七條の無線方位測定器というのは、レーダーとかローラーとかを含んでおりますか。
  81. 網島毅

    網島政府委員 三十七條の無線方位測定器は、いわゆるいレーダーは含んでおりません。普通の電波方向探知器であります。
  82. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 FM短波無線、これは現在どういうようになつておりますか。聞くところによりますと、去年の八月電気通信研究所の辻堂の分室で試験したらしいが、今年の一月十五日各社が再試験を願い出ることになつております。その後使いものになるのがあつたのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  83. 網島毅

    網島政府委員 FMの問題につきましては、一時特許の問題で若干困難がございましたが、現在はそれぞれの責任においてやつてもよいということになつております。これは特許の問題がまだ解決しておりませんから、後になつてロイアルテイの問題が起るかもしれないということであります。  次に辻堂分室で行われたFMの実験に関しましては、電波監理の主管庁であります電波庁といたしまして、その実験のために波長の割当をいたしただけでありまして、実験の内容そのものは、電気通信研究所と国家地方警察本節と両方共同でやつております。従いまして私から詳細申し上げるデーターを持つておりません。
  84. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 そうしますと、現在パルス・タイム・モジユレーシヨン、こういうシステムはどういうことになつておりますか。
  85. 網島毅

    網島政府委員 パルス・タイム・モジユレーシヨンの通信方式につきましては、日本において使つていけないという制限はございません。
  86. 江崎一治

    ○江崎(一)委員 使うために電通省でいろいろ考えておるではないですか。そういうことを聞いたのですが、その点はどうですか。
  87. 網島毅

    網島政府委員 これは私の所管外の問題でございますので、電気通信省の方にお聞き願いたいと思います。
  88. 辻寛一

    辻委員長 本日はこの程度に止めます。  次会は七日午前十時から開くことにして、散会いたします。     午後三時三十六分散会