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1950-03-11 第7回国会 衆議院 通商産業委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十一日(土曜日)     午後一時五十六分開議  出席委員    委員長代理理事 神田  博君    理事 澁谷雄太郎君 理事 今澄  勇君    理事 有田 喜一君 理事 風早八十二君       首藤 新八君    江田斗米吉君       門脇勝太郎君    關内 正一君       高木吉之助君    田中伊三次君       田中 彰治君    多武良哲三君       中村 幸八君    福田 篤泰君       福田  一君    前田 正男君       高橋清治郎君    柳原 三郎君       河野 金昇君  出席国務大臣         通商産業大臣  池田 勇人君  出席政府委員         通商産業政務次         官       宮幡  靖君         通商産業事務官         (資源庁鉱山局         長)      徳永 久次君  委員外出席者         議     員 栗山長次郎君         大蔵事務官         (主税局業務課         長)      木村 秀弘君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君         專  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 三月八日  輸出信用保険法案内閣提出第九一号) 同月九日  不正競争防止法の一部を改正する法律案内閣  提出第九七号)  小型自動車競走法案栗山長次郎君外四十一名  提出衆法第五号) 同月十日  帝国石油株式会社法を廃止する法律案内閣提  出第二七号)(参議院送付) 同月九日  特別鉱害復旧臨時措置法案の修正に関する請願  (岩川与助紹介)(第一二四七号)  東北七県の配電事業分割公営並びに同地区連絡  送電設備建設に関する請願内海安吉君外五名  紹介)(第一二五七号)  電気料金地域差設定反対請願池見茂隆君  外一名紹介)(第一三一三号)  電気料金値下げ並びに電力割当制是正に関する  請願田島ひで紹介)(第一三一五号)  電気事業分断及び電気料金値上げ反対に関する  請願春日正一紹介)(第一三三二号)  電気料金値下げ請願春日正一紹介)(第  一三三三号)  雨竜村補水地区拡張並びに発電事業費国庫補助  の請願篠田弘作紹介)(第一三六三号)  配電事業公営に関する請願神田博紹介)(  第一三六五号) の審査を本委員会に付託された。 同月六日  東北地方電気事業確立陳情書  (第五三〇  号)  工業技術庁陶磁器試験所移転反対に関する陳  情書(第五三二  号)  福岡市に繊維製品検査所支所設置陳情書  (第五三四号)  日本発送電株式会社琴浦火力発電所存続陳情  書  (  第五五〇号)  大淀川自家発電所返還に関する陳情書  (第五五八号)  東北電気事業確立に関する陳情書  (第五六〇号)  電気事業分断中止陳情書  (第五六六  号) 同月九日  元東田川郡営の電気事業返還に関する陳情書  (第五七  五号)  電気料金地域差に関する陳情書  (第六〇一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  帝国石油株式会社法を廃止する法律案内閣提  出第二七号)(参議院送付)  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (内閣提出第七〇号)  輸出信用保険法案内閣提出九一号)  不正競争防止法の一部を改正する法律案内閣  提出第九七号)  小型自動車競走法案栗山長次郎君外四十一名  提出衆法第五号)  連合審査会開会に関する件     ―――――――――――――
  2. 神田博

    神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。  ただいまより去る二月二十八日、三月八日及び三月九日にそれぞれ本委員会に付託せられました内閣提出の、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案輸出信用保険法案不正競争防止法の一部を改正する法律案及び栗山長次郎君外四十一名提出小型自動車競走法案を順次議題として、提案理由説明を求めます。  まず中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案について、政府説明を求めます。     —————————————
  3. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま議題となりました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につき、提案理由を御説明申し上げます。  中小企業等協同組合法は、昨年七月一日施行されました中小企業協同組織に関する基本法でありまして、旧商工協同組合法に基く商工協同組合は、本年二月末日までに本法事業協同組合に、旧市街地信用組合法に基く市街地信用組合は、本年八月末日までに本法信用協同組合組織変更することを要することと相なつておりますが、中小企業金融現状にかんがみ、右の市街地信用組合組織変更は、特に早急になされることが要望されております。しかして市街地信用組合におきましては、組合員数の千人を越えるものがかなりの部分を占めておりまして、中には一万人以上の組合も珍らしくない現状であります。この傾向は今後信用協同組合の発達に伴い、ますます著しくなると考えられますが、これらの組合においては現行法総代会に関する規定のもとでは、円滑なる組合運営はもちろんのこと、信用協同組合への移行すら不可能であります。従いましてこの点からいたしまして特に次の三点の改正、すなわち第一に総代選挙総会以外でも行い得るものとすること、第二に総代定数選挙ごと法定数を下らなければさしつかえないようにすること、第三に総代任期を法定することの三点の改正は急を要すると考えるものであります。  まず右の第一点について御説明申し上げますと、現行法によりますれば、総代総会において選挙することになつておりますが、総代会を設けることができるような組合は、組合員数も多く地区も広汎でありますので、総代を必ず総会において選挙するということは、時に非常な困難を伴いますので、これを全組合員の意思が公平かつ容易に反映されるよう地区別選挙区を設けて選挙を行うとか、その他定款の自由に定める方法にゆだねることが必要であります。  第二点につきまして、現行法は、総代定数が常時組合員総数の十分の一であることを要求しておりますが、協同組合自由加入自由脱退を原則とするため、組合員数は常に変動いたしますので、総代定数に関しまして一定の基準時点を明確にすることが必要であります。  第三点は、現行法によれば総代任期には制限がありませんが、組合民主化見地から総代任期最高限を定め、組合員総代に対す批判の機会を与えようとするものであります。この際総代任期は、役員のそれと歩調を合せて最長三年とするのが妥当であると考えております。  本改正案は、法律案としてはきわめて簡単なものでありますが、さきにも述べました通り市街地信用組合信用協同組合への組織変更に関連し、特に急を要しますので、何とぞよろしく御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを御願いいたす次第であります。
  4. 神田博

  5. 池田勇人

    池田国務大臣 政府は、さきに第六回臨時国会提出いたしました輸出信用保険法案につきまして、先国会終了後さらに鋭意慎重な検討を進めて参つたのでありますが、今回ようやくその成案を得るに至りましたので、ここに新たな構想に基く輸出信用保険法案提出して、御審議を仰ぐ次第であります。  申すまでもなく、元来海外との取引は、国際情勢変動等に伴う経済上及び政治上の諸制約を受けるものでありまして、国内取引とは比較にならぬ大きな危険を伴いまするため、輸出業者取引上の不安にさらされつつ、輸出契約の締結あるいは輸出品生産集荷等あたり金融機関輸出業者に対する資金の融通等もきわめて消極的となるの余儀なきに至るのでありまして、これが輸出伸長の著しい障害となつていることは、すでに御高承の通りであります。  元来輸出取引に伴う危険に対する不安の排除につきましては、通常買手側よりの信用状の開設によりまして、これらの危険を担保する商習慣となつておりますが、国際間の情勢変動によりましては、信用状のみによつては担保することの困難な各種のいわゆる非常危険が生ずることがあるのであります。これらの場合における非常危険を担保するためには特別の保険措置を講ずる必要があり、この措置がない場合には、輸出取引に関する輸出業者の積極的な活動は期待しがたいのが実情であります。  政府におきまして、先国会輸出信用保険法案提出いたしましたのは、これら輸出貿易に伴う海外の特殊な危険を保険する制度を実施することにより、金融上等に生ずる不安を除き、輸出業者または関係生産業者等輸出取引に関する活動を活発化いたし、もつて刻下緊急の要務である輸出振興をはかりたいと考えたことによるのでありまして、今回提出いたしました輸出信用保険法案も、またこの趣旨に従うものにほかならないのであります。ただ先国会提案いたしました輸出信用保険法案におきましては、荷為替手形保険することにより、貨物船積後の危険を担保するにとどまつたのでありますが、これでは輸出振興上の実効を期することが困難と考えられまするため、先国会における審議状況、業界の反響、関係方面意向等それぞれ参酌いたしまして、輸出契約成立後は、ただちにこの保険に加入して危険の救済を受け得ることとし、かつ保険技術上の見地から、本法により保険会社をして行わしめまする輸出信用保険及び政府の行いまする再保険についての法文の規定を整備いたしまして、ここにあらためて輸出信用保険法案提案いたす次第であります。  何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを切望いたします。
  6. 神田博

  7. 池田勇人

    池田国務大臣 不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、提出理由を御説明いたします。  経済上における自由競争は現代の経済発展の原動力であり、大いに奨励さるべきであります。しかし、この自由競争も適正な手段によつてこそ初めて経済再建の基盤となり得るのでありますが、わが国事業者の中には、往往にしてただ目前の個人的利潤を追求するに急なあまり、ややもすれば不公正な方法を用いる者があり、たとえば他人の氏名、商標等と類似のものを使つて商品誤認、混同を生ぜしめたり、原産地表示を詐称したり、あるいは他人信用を毀損したりするなどでありまして、従来国内におきましても問題があつたばかりでなく、国際市場におきましてもわが国信用を落したことがしばしばあつたのであります。そもそも現行不正競争防止法は、国内法制の欠陥を満たすためよりも、工業所有権保護同盟条約のへーグ改正条約に加入する準備として、昭和九年に制定せられたものでありまして、条約に基く最小限の義務を規定しているにすぎない状況でありますから、今後貿易振興をはかり、事業者の公正健全な活動国際的信用を確保するためには、この法律現状に即して改正することが望ましく、また我が国の事業者要望にも沿うものと思われるのであります。なお本改正法案のうち「商品原産地又は品質内容数量等について虚偽の印象を与えるような表示を禁止」する点につきましては、関係方面より特に強く指摘せられている関係もありますが、政府としましては、かかる指摘をまつまでもなく、自由競争に立脚した経済の健全かつ公正な運営のために、不公正な競争を行うことのないように、法制上の措置を講ずる必要を痛感しておりましたので、ここに本改正案を上程する次第であります。  以下本改正案要点を御説明いたします。第一は、不正競争防止法第一条第一項各号に掲げる行為をする者に対しては、その者が不正競争目的をもつてするといなとを問わず、被害者はその行為のさしとめを請求し得ることとした点であります。すなわち不正競争防止の範囲が拡大されることになつたのであります。  第二は故意または過失により、不正競争防止法第一条第一項各号に掲げる行為をする者は、損害賠償の責に任ずることであります。すなわち善意の行為者にはその行為のさしとめを請求し得るのみとし、故意または過失の場合のみ損害賠償の請求をなし得ることといたしました。  第三は不正競争目的をもつて不正競争防止法第一条第一項第一号ないし第三号に掲げる行為をした者及びあとで述べますように本条に新たに加えました行為をした者に対し、刑罰を科することとした点であります。すなわち現在は第四条の違反行為以外については罰則規定はなかつたのでありますが、新たに三年以下の懲役または二十万円以下の罰金の規定を設け、不正競争目的をもつてする行為者に対する制裁を強化いたしました。  第四は不正競争防止法第一条第一項第一号及び第三号に掲げる行為について、新たに輸出する行為を加えた点であります。すなわち単に国内において商品販売もしくは拡布する場合のみでなく、その商品輸出して、仕向地誤認を起す場合を追加しましたのは、今後の外国取引において一層国際的信用を確保せんがためであります。  第五は、商品もしくはその広告にその商品産出製造もしくは加工された国以外の地において産出製造もしくは加工されたような誤認を生ぜしめる表示をなし、またはこれを表示した商品販売拡布もしくは輸出する行為も、不正競争防止法第一条第一項各号に掲げる行為と同様に扱うこととした点であります。これは従来わが国商品が、往々外国産の商品であるかのごと誤認のおそれある表示をして、外国人から非難せられましたので、今後貿易振興をはかる一方において、国際的信用を確保するために設けたものであります。  第六は、商品もしくはその広告に、その商品品質内容もしくは数量につき誤認を生ぜしむる表示をなし、またはこれを表示した商品販売拡布もしくは輸出する行為も、本法第一条第一項各号に掲げる行為と同様に扱うこととした点であります。これも従来わが国商品には、その品質内容または数量について誤れる印象を与えるような表示をしたものも少からず見受けられましたので、今後消費者保護及びわが国国際的信用を確保するために、新しく設けたものであります。  第七は、第五条の罰則の強化その他若干軽微な字句の整理をしたことであります。  以上申し上げました点が、この法案提出理由並びに改正要点であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします。
  8. 神田博

    神田委員長代理 次に小型自動車競走法案に対して提出者説明を求めます。栗山長次郎君。 昭和二十五年三月一日提出衆法第五号)通商産業委員会付託     —————————————    小型自動車競走法案   右の議案を提出する。    昭和二十五年三月一日    提出者     栗山長次郎  有田 二郎     江崎 真澄  大野 伴睦     神田  博  小金 義照     佐藤 榮作  澁谷雄太郎     周東 英雄  高橋 英吉     中島 守利  永井 要造     根本龍太郎  廣川 弘禪     星島 二郎  村上  勇     渡邊 良夫  足鹿  覺     井上 良二  猪俣 浩三     石川金次郎  今澄  勇     受田 新吉  勝間田清一     田中織之進  堤 ツルヨ     土井 直作  西村 榮一     前田 種男  松井 政吉     松本 七郎  水谷長三郎     米窪 滿亮  荒木萬壽夫     有田 喜一  川崎 秀二     北村徳太郎  千葉 三郎     —————————————
  9. 栗山長次郎

    栗山長次郎君 ご審議をいただきます小型自動車競争法案につき、各会派にわたる四十二名の提出者にかわつて提案理由を御説明させていただきます。  自動車性能向上特に将来日本が多量に輸出し得る可能性を持つ小型自動車製造向上、これにつきましては各国の例を調ベましても、競走によつてエンジン及び車体の性能向上させることが最も早道であり、また効果的であるということがはつきりいたしておりますことと、先般全国のモーターサイクル競走会を開催いたしまして、舶来車和製車との性能を実際に点検いたしましたところ、二割ないし三割の速力における差がありまして、内地品が劣勢なのであります。また英国などの一例を申し上げますと、一九二〇年ごろは英国あたり競走車として、時速五十五マイル余がせいぜいでありましたが、昨年あたりPTレースなどの実績を見ますと、八十九マイル強になつております。そうしてそれは競走によつて性能向上されたものであるという競走性能向上に、非常に寄与する部面が強調されております。自動車性能はいろいろな点で検討ができますが、一番簡単なのは速力の優劣でありますことは御想像の通りでありまして、日本品速力において非常に劣勢であることは、日本品品質そのものが悪いという結論的印象海外に与えますので、輸出の支障になることこれより大きなものはないと存じます。そのような観点で、どうしてもわが国自動車、ことに小型自動車性能を著しく上げたい、それには競走によつてこれを刺激し、奨励することが捷径であるという観点が、本法案を組みました一つのおもなる理由であります。  他のいま一つ理由は、地方財政に寄与するという点でございますが、地方財政と申しましても、自動車競走はどこの地方自治体でも実施し得るというほど簡単なものではございませんので、都道府県を単位といたしまして、各都道府県ごとにこれを実施する、そうしてその実施に当りました都道府県財政に寄与するという組立てをいたしたのでございますが、車券の売上金を一〇〇といたしますと、その七五は払いもどし金として投票者に配当する。あと百分の二十五残りますが、そのうち百分の五以内に該当するものは、都道府県がこれを実施するにあたつて、この実際の運営は府県みずからがこれに当ることはほとんど不可能でありますから、各都道府県一つ競走会というものを社団法人によつて設立することによりまして、これが運営の衝に当る、その費用として百分の五以内をこちらの方に振り向ける。あと百分の二十残りますが、そのうちの百分の三を国庫に納入する。その国庫の納入につきましては、いろいろ立案中議論のあつたことでございますが、通産省当局要望とすれば当然なことながら、その百分の三の納入せられたるものは、自動車全般振興のために、国庫からいわゆるひもつきで支出せらるベきようにという意向であつたのでありますが、その結論手続中達することができませんので、ごらんになるようなことになつており、すなわち売価上金の百分の三はそのまま国庫に入り、もし自動車振興のために使うとすれば、他の予算措置を講ずる必要がありますので、大蔵大臣通商産業大臣をしておられまする池田さんあたりのその辺に対する御考慮が、今から願いたく存ずるわけであります。そうしますと百分の十七が施行者である当該都道府県所得分になるのでありますが、都道府県の支出もかなりになりますので、実際にネツトとして都道府県財政収入になるものは、百分の八ないし百分の十と想定いたしております。これも売上金高が相当の額になりますから、百分の八ないし百分の十と申しましても、金額においては大きいものであつて、これが都道府県財政に寄与いたします場合には、その管内の道路の修理であるとか、失業者に対する救済方法であるとかの事柄にも向け得るというような関心を、提出者は持つておる次第でございます。  この運営は中央の官庁を離れて地方自治体、今申し上げました都道府県を主体にして、地方自治を大いに尊重し、同時に実施の衝に当る競走会及び競走会の連合体としてできます連合会に重点を置き、しこうして国際的なものにまで将来これを発展せしめ、冒頭に申し上げました輸出促進の一助といたしまして、やがては海外日本選手車及び選手を派遣する、もしくは優秀なる車の展示会をなし、出版物記録等もどんどん海外に出し、やがては海外から選手選手車を迎えて、わが国においても主要なる箇所でレース実施するというような将来の予想を持つております。競争場であるとか、また基準手続に当ります事柄は、主管省となります通産当局が省令として定めることとなつておりまして、すでにその案の要綱はできておりますから、御審議の進むに従いまして、補助説明員として通産省の方から御協力願うつもりでございます。何とぞ御審議の上本案の成立いたしますように、おとりはからい願いたくお願い申し上げます。
  10. 神田博

    神田委員長代理 これにて各案の提出理由説明は終りました。     —————————————
  11. 神田博

    神田委員長代理 この際高橋清治郎君より発言を求められております。事緊急を要する御質問であるとのことでありますから、これをお許しいたします。高橋清治郎君。
  12. 高橋清治郎

    高橋(清)委員 皆様御存じごとく、過般来全鉱連が無期限ストに突入しておるのであります。そして新聞紙上によりますと、十七箇所の製錬所の熔鉱爐の火がとまつたということであります。これにつきまして、通産省におきましてはいかなる処置をとつておるか、また実際にこの十七箇所の製錬所の熔鉱爐の火がとまつたかどうか、その実際をひとつ説明していただくと同時に、これに対していかなる対策をとつておるか、その具体的方法をお示しを願いたいと思うのであります。日本産業の基礎をなすところの製錬所の熔鉱爐がとまつたということは、重大な問題であると私は思うのであります。しかるに先ほど宮幡次官に製錬所の熔鉱爐がとまつたじやないかということをお尋ねいたしましたところ、そういうことがあつたかというようなお話でありましたので、当局者としてかくごとき迂遠なることではまことに心細い次第であります。どうか責任のあるそして実際はどういう状態になつておるか、そして経営者組合側との間に通産省はいかなるお考えを持つておるか、ひとつその辺の大臣の御意見を承りたいと思います。
  13. 池田勇人

    池田国務大臣 けさほどの新聞金属鉱山熔鉱爐が一部とまたつということを聞きましたので、さつそく調査を命じたのでありますが、ただいまのところまだ確実な報告がありません。私は通産大臣といたしまして、金属鉱山のみならず、電産関係問題等につきまして、できるだけ早く円満に労資協調ができますように、関係当局といたしまして努力いたしておるのであります。先般製鉄関係は幸いに協調ができまして、非常に喜んでおるところであります。今後とも労資協調につきましては、できるだけ関係当局といたしまして円満なる妥結が早急にできるよう、努力を続けて行きたいと考えております。
  14. 高橋清治郎

    高橋(清)委員 ただいまの大臣の御答弁によりますと、まだこの熔鉱爐のとまつたという確報がないというようなお話でございますが、すでに新聞紙上において発表されておるかくごとき重大なることは、必ず迅速に報告されておらなければならぬと私は思うのであります。しかるにいまだにその報告がないということは、本省の方の督励が悪いのか、あるいは出先官庁のこれに関するところの熱意がないのかどららかであると思うのであります。いずれにしてましも、これは通産省責任であると思うのであります。かくごときことはすみやかに報告をさせ、また報告を得て正確なるものを今後御答弁あらんことを希望して私の質問を打切りたいと思います。
  15. 風早八十二

    風早委員 関連して……今回のこの金鉱連ストというものは、これは申すまでもなく労働組合の三月攻勢の一環であります。つまりなぜこれが起つて来たかということは、現吉田内閣が給与問題について非常に低賃金を、相もかわらず押しつけているというその一貫した政策をまだ捨てない、そして今度の二十五年度予算におきまして、また六千三百円ベースを向う一年間くぎづけにするこういう政策をとつた。これが民間の労働組合にも非常な大きなシヨツクを与えておるというところから、当然にその自衛権の発動として実力行使に及んだものであると、われわれは考えるのであります。この全責任は私はどこまでも現吉田内閣の賃金政策にあると考えるのでありますが、その対策はもちろんでありますから、この低賃金政策をこの際根本的に再検討し、改めるということでなければ、この対策にはなり得ないと考えるのでありますが、この点について池田大蔵大臣通産大臣の御所見を伺いたい。
  16. 池田勇人

    池田国務大臣 私は何も低賃金でくぎづけにするという考えは持つていないのであります。御承知の通り経済三原則が出されましてから、やはりその企業に利潤があつてからこそ、賃金もたくさん出せるようになるのでありますから、企業ができるだけ立ち直つて、高能率、高賃金に行かしたいものだと考えておる次第であります。公務員の給与につきましては、他の機会に申し上げましたように、わが経済再建に非常な悪影響をもたらします危険がありますので、今の現状でしばらくがまんしていただきたいというので、予算案も御審議つておるのでありますが、政府は今後とも公務員の生活の状況をできるだけよくいたしますために、実質賃金の引上げにつきまして考えて行きたいと思つて、研究を続けておるのであります。
  17. 風早八十二

    風早委員 今ここで賃金論をしてもしようがないのですが、しかし今のような御説明では、今民主野党から提出になりました緊急質問に対するお答えになつておらないと思う。これは低賃金政策、つまり現在の六千三百円べースというものが失敗しておる一つの証拠が、ここに現われて来ておるという意味において、この対策を考えなければならぬということを、私は指摘しておるのでありまして、それに対して、ただ今まで通りの政策を繰返すというだけでは、ますますこういう事態が拡大されて行くことになるのでありますが、それに対する責任は当然政府が負われますか。
  18. 池田勇人

    池田国務大臣 政府責任と言つても、御質問がはつきりいたさないのでありますが、政府といたしましては、わが国経済が安定し、国民生活が向上するように努力はいたしておるのであります。
  19. 風早八十二

    風早委員 そういう抽象的な、ただ安定に努力しておると言われるようなことは、もう百万べんも聞いておるのでありますが、具体的にこの金鉱のストに対してどういう手を打たれるか。これは通産省としても、実際日本の製鉄事業の運営上、これは重大な最も根本的な問題であると考えます。それが一日でも火が消えたら莫大な減産になるわけでありまして、それをそうせざるを得ないようなはめに労働者を陥れるということについて、この際対策を立てなければならぬ。これが一応事実とすれば、どういう策を持つておるかということを承つておるわけでありますが、それについては何らお答えがないのですが、この点について大臣はどう考えておられますか。
  20. 池田勇人

    池田国務大臣 製鉄関係の争議は円満に妥結したのであります。今御質問になりました点は、金属鉱山の問題だと思うのであります。この点につきましては、われわれは関係当局といたしまして、労資の間に、円満にして適正な妥協が成立するよう、努力いたしております。それをまたわれわれは期待をいたしておる次第であります。     —————————————
  21. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員長代理 昨十日、本委員会に付託になりました帝国石油株式会社法を廃止する法律案議題として審議を進めます。質疑に入ります。風早八十二君。
  22. 風早八十二

    風早委員 帝石法が廃止になるということになりますと、いよいよこれで帝石は、商法の適用を受ける民間の会社になるわけでありますが、他方におきまして、この国会においては、すでに商法の改正案が出ておる。これによつて、これからはこういう方面に外資を入れるなり、あるいは外商がみずから経営するなり、こういつた問題が出て来ておるわけでありますが、それと睨み合せますと、これから先、日本の石油産業に対しましても、つまり原油の生産並びにその精製事業に対しましても、外資や、また外商が進出して来るという問題が当然起つて来ると思うのであります。この問題は、日本の民族産業を擁護する立場から、非常に重要な問題を含んでおるのでありまして、この立場から、私は二、三御質問してみたいと思います。  まず、今まで大体は精油が入つておつたと思うのでありますが、これからはいわゆる重油、原油がどんどんと入つて来るというように聞いておるのでありますが、大体どれくらい、この原油を入れる計画を立てておられるか、また今後、それがますます増大して行くというような見通しがあるのか、こういう原油の輸入について、大体のところをお答え願いたい。きようは池田大蔵大臣が来ておられるようでありますから、これは特に池田大蔵大臣通産大臣にお伺いいたしたいと思います。
  23. 池田勇人

    池田国務大臣 数字にわたりますので、政務次官よりお答えいたすことにいたします。
  24. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいまのお尋ねの原油の輸入の問題でございますが、風早委員も御承知の通り、昨年までは精油で輸入いたしておりまして、今年に入りまして、実際的に太平洋岸の七精油工場の再開が、実施に移つたようなわけであります。従つてこれに対応いたしまする重油の輸入が、それぞれ計画されております。これも十分御承知だと思いますが、昭和石油に関しまする原油の輸入は、ポンド貨をもちまして輸入することになる。その他はガリオアを通じて輸入されることになつております。ところがポンド地域のいろいろのフアンドの関係、その他これを取扱いますバイヤーの関係において、資力不十分というような問題で、昭和石油の方のポンド輸入は、計画はされましたが、これが実施に移されないような状況であります。従いまして援助資金をもつて今後輸入が継続されるわけでありますので、日本政府としましては、所要の石油製品の調整にさしつかえない輸入を懇請することにおいては、極力努力いたしますが、年間計画等におきまして、どれだけの重油の輸入が達成せられるかということは、希望としては持つておりまするが、その実現につきましては、責任ある御答弁を申し上げられない状況にあります。
  25. 風早八十二

    風早委員 その輸入の量そのものが発表できないわけですか。これはすでに新聞雑誌その他にも、いくらも出ております。こういう数字は根拠がないものでありましようか。大体この問題は、今後日本国内の原油生産というものに、入つて来る原油というものは非常に影響を与えるのでありまして、その意味でどれくらい入つて来るか。またいかなる価格で入つて来るか。この問題は非常に重要だと思うのです。そういう点について、もう少し数学的にも出していいたきたい。
  26. 宮幡靖

    宮幡政府委員 原油の輸入が新聞等に発表されておるが、日本政府としてはこの数字を知らないのか、こういうような御意見もあつたと思いまするが、もちろん風早委員も御承知の通り日本で生産いたしまするところの石油製品というものを一括して申し上げますと、国内消費量の約一割しかないわけであります。あと九割を輸入にまつということが、当然考えられるわけであります。しかしながら精製油が輸入されておりました当時のように、ガソリンのようなものでとつてみましても、国内の年間の需要量は、おおむね二十七万キロ・リツターぐらいでありますが、これに対して、ガリオア資金を通じまする精製油の輸入によつて日本内地で消費を許されましたものは、大体十七万キロ・リツター程度のものでございます。従いまして希望といたしましては、国内産が一割しかないので、九割の輸入を要請することは、先ほども申しましたように、政府として努力はいたします。しかし輸入がそれだけ達成せられるかどうかということは、援助資金を通じてのことでありますから、確定的な数字は申し上げられないわけであります。あくまで国民の需要を満たすだけの原油の輸入があるように努力はいたしますが、新聞に書いてある数字等が、はたして的確であるかどうかというような裏づけは、この際、政府としては申し上げかねるわけであります。
  27. 風早八十二

    風早委員 新聞に書いてあることがどうかというわけではないのでありまして、実際はどうかということを聞いておるわけであります。この点をお答えを願いたい。
  28. 宮幡靖

    宮幡政府委員 実際におきましては、日本の希望いたしまする七割ぐらいの輸入が、達成せられるではないかという希望的観測を持つておりますが、何百万バーレルというような数字は、ただいま申し上げかねるわけであります。
  29. 風早八十二

    風早委員 その場合の輸入価格はどういう基準で、大体いくらぐらいで入るわけですか。ついでに申しますが、同時に国内の原油と、いろいろ原価上の差異はどれくらいになつておるか。それもついでにお知らせいただきたい。
  30. 宮幡靖

    宮幡政府委員 国産原油は九千三百二十五円がマル公でありますが、現在輸入されました外国原油のC・I・Fの価格は、六千二百円から三百円程度に当るのでありますから、従つてその差額は約三千円あるわけであります。これがために国内の乏しい資源に、長期の開発の努力を加えまして、せつかく掘り出しあるいは汲み出しましたる原油に対しまする、非常な圧迫になるのではなかろうかというようなことも考えられますので、この点につきましては、一応保護関税主義をとりまして、関税において調節することをいたしたい、ただいまこの点を交渉しております。同時に万一関税におきましても、なお国内の石油資源開発を促進、保護することができないというような状況でありましたならば、価格調整公団によります価格プールをいたしまして、国内産を圧迫しないように、たとい一割でありましても、これをさらに一割五分、二割増産の過程に持ち込むよう努力をいたしたい、かように考えております。
  31. 風早八十二

    風早委員 関税の問題でありますが、これは関税の方の業務課長も来ておられるようでありますので、そちらの方から伺つてもいいのですが、大体今度の関税の根本の方式はどういうことになつておるか。大体新聞あたりでも散見するところによりますと、今度は従量税から従価税になるということが、一般的に言われておる。食糧などについても無税だという、べら棒な方針が報道せられておりますが、石油に関してはどうなつておるか。これもやはり新聞紙上で見ますと、特に石油だけについては従量税でやる。従量税になりますと、ただ同様な非常に安い関税になるわけであります。現在業界が特に要望しております価格差が非常にはなはだしいという点をどうして埋めるかという点について、特に関税の設定並びにその引上げについては、強い要望があるように思うのであります。そういう点で政府はどういう態度をとつておられるか。特に石油だけがもしも従量税であるとするならば、いかなる根拠でそういうふうな従量税ということにされるのか、それらの点について御説明願いたい。
  32. 池田勇人

    池田国務大臣 ただいま関税定率法の改正検討中であるのであります。御承知の通り従来定率法には、従量税と従価税があるのでありまして、現在のように、ずつと以前とはよほど貨幣価値が違つて参りました場合におきましては、私はつとめて従価税に向つて行くべきだという考えのもとに検討を続けておるのであります。各国の定率法を見ましても、やはり従量税と従価税二段構えになつておりますが、傾向としては従価税の方に行く傾向になつておるのであります。ただ課税の便宜上従量税が今跡を絶つというわけに行かない状況であるのであります。  次に御質問の米、大麦等につきまして、無税にするというようなことが新聞に出ておつたようでありますが、これは何もそういうようにきまつたわけではございません。ただいまわれわれはやはり保護関税主義をとつてつておりまするが、ただ現状におきましては、もう十数年来課税の建前で、臨時にいわる免除の方法で行つておるのであります。ただいまの状況では、私の考えでは保護関税をとるが、現状では別途に免税の方法で行きたいと考えておる次第であります。
  33. 風早八十二

    風早委員 食糧についてはまた別の機会に預つておきますが、石油について特に従量税をとるというような話が出ておるのでありますが、もしそうだとしたら、その場合には一体どういうつもりで従量税にされるのか。これが今通産大臣も言明せられましたように、全体の方向としては従価祝というようなことでありますが、特に石油について特例を設けるという意味はどういうところにあるのか。これがすでに業界の意向とはその結果において少くも非常に相反しておることになるのではないかと考えるのでありますが、その点もう少し納得の行く根拠を説明していただきたい。特別にこの点について、何か指示でもあるならば、そういう点もひとつ明らかにしていただきたい。
  34. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、先般参議院におきまして、本法案の御審議を願つておりますとき、下条委員から、従量七円という新聞発表があつたが、さようなことが実行されるような状況になつておるか、こういうお尋ねでありました。そのときもお答えいたしておきましたが、ただいま保護関税を設けたいという気持をもちまして、交渉はいたしておりまするが、従量七円というような従量税を設けようなどという考えを政府としては持つておらないのみならず、その新聞の報道の出所につきまして、ここにおります鉱山局長をして関係筋のデイビジヨンにつきまして、あるいはセクシヨンにつきまして、それぞれ調査をいたさせましたが、ただいまさような報道の出ました根拠を知ることができない状況であります。少くともただいま通産大臣の立場において大蔵大臣がお答えいたしましたように、石油鉱業の特質からも考えまして、十分保護措置を講じなければなりません。これが従量税で行くか、従価税で行くかは、先ほどの関税定率法を考えておりますことによりまして、十分解決されると思つております。  輸入食糧の問題は、風早委員がお預けになりましたから、こちらも触れませんが、輸入補給金のあるものと、しからざるものとの間には、関税政策もおのずから差異があることと考えております。新聞報道のような関税を設けようといたしておらないことだけは、この際はつきり申し上げておきます。
  35. 風早八十二

    風早委員 政府の一応の御見解はそれでわかります。しかしながら実際の見通しとして、どうなるかということがさらに問題になると思うのであります。こういつたような問題については、一般的に、政府当局の御答弁の場合に、もう少しありのままを率直に出していただきたいのであります。実はこの前産業復興公団法の一部改正法が出ましたときにも、われわれは今後産業復興公団には、特に新しい一つの任務が加わるのではないか、つまり、新しい制度に関連して緊急物資といつたようなものの備蓄という任務が、加わるのではないかということを伺つたのでありますが、一向に知らぬ存ぜぬで、宮幡政務次官もさつぱりお答えがない。しかしながら今日においては各般の点がだれにも明らかになつておる。そうして産業復興公団は明らかに一手でこれらの特別な物資の備蓄関係の仕事を引受けることになつて来ておる、というようなことでありまして、いつも法案の実際の審議にあたつた場合には、質疑応答に何らお答えがないが、やがて結局はわれわれの質疑がそのまま実現して来るといつたような事態が、しばしばあるのでありまして、この際も、これはわれわれが日本の関税自主権の擁護の立場から、どこまでも日本の業界の総意を十分に反映した政策を、とられんことを切望したいのであります。幸いに宮幡政務次官は、この点では、従量税七円といつたようなべらぼうなことは考えていないという話でありまして、その考えでおられないことは、はなはだけつこうですが、それの実現の見通しを、はたして政府は持つておるのか、その力を持つておるのか、この点について御回答願いたい。
  36. 宮幡靖

    宮幡政府委員 産業復興公団のことにお話が来たのでありますが、産業復興公団法の一部改正法律案は、御承知の通り従来復興金庫から融資を受けたのでありますが、それが受けられないので預金部資金の流用を受けるという資金繰りの法案でありまして、それが備蓄であるとか、あるいは御指摘の、緊急という言葉で今日は言つていますが、当時の速記録を回顧いたしますと、戦略物資を備蓄するんじやないが、そういう含みをもつてつておられたが、さような意図は持つておらない。また現段階においても、戦略物資を備蓄しようなどという計画は持つておりません。従いましてこの点あなたの戦略物資という定義と、われわれの考えておる定義との間に開きがあることは、見解の相違でありまして、たとえば災害復旧用といたしまして、ただいま市価が非常に暴落いたしております関係で、放出しようと計画しております綿布等を、備蓄物資として産業復興公団に処理いたします等は、これが戦略物資だという御見解であるならば、私はこれに対しては弁明はいたしません。しかしながらさような含みをもつて答弁はいたしておりません。それでありまするから、この点については何もかもわかつていて御質問になるような気がいたしますので、特に風早委員の御了解を得たいのであります。  それから関税の問題につきましては大蔵省の所管でありまするが、大臣が兼任でありますので、この点は非常に好都合であります。前々風早委員及びあなたの政党の方々は、現在の内閣には自主性がないじやないかというお尋ねであります。自主性がないものに、従量七円ということは困るから、それには応じないと言つて、はたしてやれるのかやれないのかというお尋ねでありますが、これも答弁するよりも御判断をいただきたい。しかしながら少くとも現在の政府におきましては、保護目的を達しない関税を設けないように努力することには、最大の努力を惜しまないものである、こういうことをはつきり申し上げておきます。しかしながら日本政府は自主性がないじやないかという一言をもつて破砕せられれば、何と答弁いたしましても御満足行かないものであると考えておりますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
  37. 風早八十二

    風早委員 産業復興公団のことを別に今言いたくない。ただ引合いに出しただけですが、あれは何も今度預金部資金から金を融通する道を開くというだけの問題ではない。その問題は、新しく産業復興公団がこれから何をするかということと無関係ではあり得ない。その意味で、これから産業復興公団は何をするかということを聞いたわけです。戦略物資という名称は、むろんわれわれは最も端的に本質を現わしたものとして言つたに過ぎないのでありまして、どういう名称であろうとも、内容が問題であります。すずであるとか、アセトンであるとか、あるいははんだであるとか、こういつたようなものがいろいろありますが、これらのものを日本産業の実際の生産のどういう面に使われるか。これがまた国際的にどういう役割を持つている品物であるか。これらの実際の滞貨状況はどうであるかという点を御判断になれば、わかると思います。われわれは何もかもわかつていて聞くわけじやない。新聞に出ていることをただしたいから、政府にほんとうのところを言つてもらいたいから聞いているわけでありまして、わかつておるなら聞く必要もない、どこまでもはつきりさせたいという意味で聞いているのです。はつきりしなければ、新聞に出ていることをわれわれは根拠にしないというだけで、御自分自身の責任のある資料を出さなければ、われわれ論議のしようがないわけであります。そういう意味で、確かめたいために聞いているのであります。今までの経験から言えば、新聞に出ていることは大体間違いないのでありまして、ただ政府責任を免れているだけである。もう少し責任ある事実に基いて、答弁していただきたいという趣旨でありますから御了承願いたいと思うのであります。  先に進みまして、今の関税自主権の問題でありますけれども、今頭から関税自主権があるともないとも、われわれは言つておるわけではない。一体あるのかないのかということを聞いておるのであります。そういうぎこちない質問をしたくないけれども、われわれはどこまでも関税自主権を擁護したいという立場をとつておるので、その意味で、一体政府はほんとうに日本の国民経済の実態に即して、その利益の上に立つて、自主的にこの関税問題を扱つておられるのかを聞いておるのである。もしそうだとすれば、この石油だけを特に従量税にするということ自身が、当然おかしくなつて来る。ましてや七円というようなことは、ほとんど無税に近いのでありまして、それによつて国内原油との価格差を埋めることは、何ほどもできないわけであります。この国内原油との価格差を大幅に埋めて行かなければ、重要な役割を演じている国内の原油生産、並びにその製油事業に対して、非常に大きな打撃を与えるわけであります。政府はしからばいかなる積極的な施策を用意しておられるか、この点についてお尋ねいたしたい。
  38. 池田勇人

    池田国務大臣 関税定率法を従量税にするか、従価税にするか、やはりこれは税率との見合いによつてきまる場合もあるのであります。先ほどもちよつと触れましたように、課税の技術上従量税である方が、便利な場合もあるのであります。従いまして、私は石油を従量税にするか、従価税にするかということは、税率とかみ合いで検討して行くべき問題だと思います。しかして今関税定率法につきましては、せつかく大蔵省の方において検討中であるので、石油の関税がどれだけになるかということを申し上げる段階に至つておりません。
  39. 風早八十二

    風早委員 国内産の原油——帝石が出しております原油というものと、それから輸入原油というものとは、これを精製します場合その性質、性能と言いますか、その素質においてどういうふうな違いがあるか、この点をひとつ専門家から御説明を願いたい。
  40. 徳永久次

    ○徳永政府委員 ただいま国産原油と輸入原油との違いについての御質問でございますが、石油は実は非常にむずかしい品物でございまして、私も十分御満足の行く御答弁はできかねると思います。と申しますのは、輸入原油もただいまのところでは、戦後初めて昨年の暮れ以来入つたということでございまして、入りました原油の種類もきわめて限られたものでございます。ただ今回入りました原油と、国産の原油と比べました場合に、製品のとれぐあいから申しますと、国産の原油の方がはるかに良質だというふうに言われております。輸入原油の方が一応今のところは劣つておりまするが、これもとる装置によつて出るものが、いろいろかわつて行くという事情もあるわけであります。大ざつぱに見まして、ただいま申しました概数で一キロ当りで申しまして、一つの原油からいろいろな品物ができるわけでありますが、できます原油の価格というものを見まして、輸入原油によりますれば、約一万円の製品ができるであろう。それに対しまして国産原油によりますれば、少くとも一万二千円くらいの製品がとれるであろうというふうに言われておるのであります。国産原油につきましては、過去のデーターもきわめて正確に整備されておりまするので、その推定は誤りないのでありますが、今回入りました輸入原油につきましては、まだ試験処理と申しますか安定した操業の段階に入つておりませんので、ただいま申し上げましたものは目下わかつておる状況におきます推定としての評価というふうに、御了解いただきたいのであります。ただ御承知のように輸入原油と申しましても、これは非常に範囲が広いわけでございまして、過去におきまして日本が使いなれておりました種類の原油が、今後入りますならば、今のような国産原油との開きがどの程度になるかという問題は、また事情が違つて来る性質のものでございます。これはもつぱら原油の性質によることでございますので、私が先ほど来申し上げましたことは、ただいままでに入つております原油と、国産の原油との比較というふうに、御了解願いたいと思います。
  41. 風早八十二

    風早委員 そうしますと、この日本産の原油は、潤滑油などでは輸入原油よりも、はるかに適性であるというふうなことは言つてさしつかえないわけですか。
  42. 徳永久次

    ○徳永政府委員 ある程度さようなことが言えると思います。
  43. 風早八十二

    風早委員 ちよつと池田通産大臣に伺いたいのですが、最近日石とカルテツクスで、四日市であるとか、あるいは岩国なんかの旧燃料廠、こういうものの払い下げの申請中であるというふうなことも、新聞紙上において伝わつておりますが、そういうふうな事実があるのでありますか。もし事実があるとすれば、これらの燃料廠の払い下げの結果、日本の今後の石油の供給力というふうなものに、実際どういう影響があるのか、これらについても大蔵大臣から伺いたいと思います。
  44. 池田勇人

    池田国務大臣 昔の軍の施設にかかる工場等について、払い下げの申請があることは事実であります。しかしわれわれはどこをどれだけの価格で、いつ払い下げるともまだきまつておりません。やはりこの問題は、先ほど来お話がありましたように、原油がほとんど大部分輸入でありますので、また原油の輸入の方法についても、民間輸入ばかりというわけでもないのであります。将来の問題として研究しなければならぬ問題だと考えております。
  45. 風早八十二

    風早委員 しかしこれは常識から考えても、きまつているの、いないのというそういう段階でないと思います。もちろんそれは法律的に、そういうふうな許可があつたとか、認可があつたというようなことは、まだないかもしれませんが、実際問題としてどういうふうに動いているか、これはカルテツクスなんかが入つて参りまして、商法もまだ改正になりませんし、いろいろまだ法規上の準備態勢ができておらないという現状で、それはもうはつきりこれらのことがすベてきまつたということは、当然言えないわけでありますが、しかしこれは本国会に予算も通つたことでありますし、各種の法案もすでに出ていることであります。当然これは予想されることなのでありまして、そういう意味で、もう少しこの実態をここで政府説明していただかなければ、これは判断のしようがないわけであります。われわれが非常に問題にするのは、こうやつて外資、外商がどんどん入つて来る。日本の原油設備、あるいはまた精製設備も相当優秀なものであると考えるのでありますが、これらはやはり結局尨大な資本を持つた外資が入つて来て、これを掌握してしまうということが、もし起つて来るとすれば、これは日本の将来にとつても、非常に大問題なのでありまして、その意味でそういつたような動きが実際にあるかどうか、あれば、やはりこれに対しては政府はどういう方向へ進めておられるのか、やはりこれらのことを明らかにしていただきたい。いずれはこれは明らかになることでありますから、今やはり大臣として、これらの点についてここに国民の前に明らかにしていただきたいと思います。
  46. 池田勇人

    池田国務大臣 この問題につきましては、一般の事業と同じように考えまして、外資が来ます場合においては、われわれは原則としては、自由にしたいという気持がありますけれども、やはり国際貸借の関係上、またただいまは占領治下でありますので、これに沿つたような気持で行きたいと思うのであります。お話のように私は外資を気ぎらいする者ではありません。しかしやはり日本の企業は、われわれの手でなるべくやりたいという気持を持つているのであります。
  47. 宮幡靖

    宮幡政府委員 大綱は、外資導入については、大臣のお答えいたした通りでありますが、御質問の問題であります四日市、岩国の燃料廠というお話でありましたが、やはりこれも御承知の通り、一応賠償施設でありますので、現在のところこれを自由にどういうふうにいたそうということもできません。あれをどうやりたいという希望の申出は相当数量あります。しかしそれは日本政府として許すということはできない段階にありまして、特に関係の向きとも話合いますと、昨年許されました精油所、工場数にして七社九工場という精油所の精油作業が完全に操業された上に、四日市であるとかあるいは岩国の燃料廠の転用問題を考えていいのじやないか、こういうような状況にありますので、あれはどうするのだ、あすこで精油事業をやつてみたい、あるいは輸入原油にしろ、国産原油にしろ、やつて行きたいという御希望の申出はときどきありますが、賠償施設でもあり、客観情勢もさようでありますので、ただいまのところ、この問題については積極的な考えを持つておりません。
  48. 風早八十二

    風早委員 大臣への質問は終りますがどうもせつかく大臣に率直に、いろいろ伺いたいと思つているのですが、大臣は一番お答えが少いのであつて、はなはだ遺憾千万であります。この問題は非常に重要でありまして、大体今度の国会では、本委員会にはやがて鉱業法案も出ます。また火薬類取締法案なんかも出ます。いずれも今度はいよいよ外資、外商が、日本の民族の独立上、非常に影響のあるこれらの産業に対して、あるいは鉱山権、鉱業権を、これら外国資本が持つことができるとか、あるいはまた火薬等の製造販売にも携わることができるとかいつたような道が、開かれる可能性があるわけでありまして、こういうふうなことが次々に出て来ているわけであります。こういうことを並んでその原油生産並びに精製の問題は非常に重要だと思う。向うから入つて来る原油に対して、これの放出について、これはもちろん司令部の方の権限があるだろうと考えるのでありますが、いやしくも日本国内で帝石が生産いたします原油について、これもまた同様に、その放出については、またその生産するものの放出については、やはり向うさんの許可がいるといつたようなことはこれは一体どういうことなんですか。
  49. 徳永久次

    ○徳永政府委員 私からお答え申し上げます。御承知のようにただいまのところでは、石油及び石油製品ほとんどすべてが、いわゆる対日援助資金によつて買いつけ、国内への供給をまかなつている状況でございまして、その関係からいたしますと、国産原油の割当も、これはできる製品の何がしのものを国内消費に認めるか、従つて残りの不足分のどういうものをどれだけ輸入しなければならないかということとも、密接な関連を持つておることは、十分に御想像つくと思うのであります。そういう一環として処置されている関係でございます。私ども特にそれが石油だけが異つて、特別のものであるというふうにも了解していないわけであります。われわれのビジネスとして考えましても、事はそうならざるを得ないのではないかというぐあいに考えるわけであります。
  50. 神田博

    神田委員長代理 風早君に休憩してもらつて、次は門脇勝太郎
  51. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 大臣お急ぎのようでありますから、一問だけ大臣にお答え願つてあとまたゆつくり政務次官にお伺いしたいと思います。  帝国石油会社法の廃止によりまして、帝石会社は従来の国策会社の境域から離れまして、今後は純然たる民間会社となるわけでありまするが、大体戦時中において非常時体制のもとに立法されましたことは、非常にむりが多いこと、矛盾が多いこと、これは私が喋々するまでもないのであります。この帝石会社のごときもその一例でありまして、戦時中において非常時体制のもとに、従来のあらゆる民間会社が有しておりましたところの石油鉱区を、極端な言葉を使いまするならば、一切を強奪してそうして、帝石会社というものに権利を帰属せしめて、この会社をつくつたということは、明瞭に今から振りかえつてみて批評できると思うのであります。現在帝石会社が全国の原油の総生産量の九五%を持つておるというようなことでありまするが、そういうことを戦時中にむりに敢行せられたために、従来長い歴史を持ちますところの民間のあらゆる会社が、自己の一番重要資産というものをば、そこに強奪されたわけでありまして、これに対しましては、従来の民間各会社が非常に遺憾の意を持つておることは、これまた私が喋々するまでもないと考えるわけであります。そこでこのいわゆる自由経済時代に復帰した今日、これに対処するために政府は思い切つて、そういつたような戦時中の行き過ぎをこの際是正をして、元に復元をすることが一番公平なことと考えるのでありますが、この帝石会社が戦時中にいわゆる強奪しましたところの各鉱区を、元の所有の民間会社にこれを復元せしむることが、私は正しい政治であり、至当な方策であると考えるのでありますが、これに対して政府はどう考えておられまするか、この一問だけ大臣からお答えを願いたいと思います。
  52. 池田勇人

    池田国務大臣 考え方といたしましては、まことに同感であるのであります。ただ何と申しましても十年内外の間、あるいは五、六年のものもありますが、そういう間に事情の変更が起つておりますので、原則として前の所有者にただちに返すということは、なかなか困難なことがあるのではないかと思つておるのであります。戦前あるいは戦争中に強奪したというお言葉でございますが、また実際上そういうふうな場合が多かつたのでございます。しこうしてその場合また前の人は、おおむね株式を持つているとか何とかいうことになつていると思うので、考え方といたしましてはまことに同感でございまして、われわれが電力の再編成の問題につきましても、そういう気持が腹の底にあるのであります。しからば全部その通りにしてしまうかと申しますと、これは今言つたように既成事実が相当発生しておりますので、むずかしい場合も具体的には起つて来るかと考えております。
  53. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 今の質問に関連して伺いますが、大臣のお言葉のごとく、すでに長いものは十年近くも経過しておるので、その後のいろいろな経緯によつてなかなかそう思い切つて、そういうこともできがたいようなお話でございまするが、現在、現に利用してない、いわゆる遊休的な鉱業権というものが相当あるように聞き及んでおります。そういう遊休的なものは、現在の作業には直接に関係はないのでありまするから、せめて全部が返せなかつたら、そういう遊休施設だけでも、それを最初評価しました価格で株式の開放をすると同時に、減資によつて元の会社に返すというようなことでもやることが妥当だと考えておりますが、これにつきまして御意向を承りたいと思います。
  54. 池田勇人

    池田国務大臣 今ただちに法律を設けて返せというところまでは、私は行かぬと思うのでありますが、これは特定の場合に、会社と前の所有者とで話がつけば、一般の法制のもとにでき得ると考えておるのであります。
  55. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 この法律が通過しまして、一般会社法になりますと、民間会社でありまするから、単に利害のみによつて今後の経営が終始されるわけでありまして、政府の命令権というものが行われなくなるのであります。やはりこの帝石会社法がある間に、そういつたようなことも御処理されるという御意図はありませんか。
  56. 宮幡靖

    宮幡政府委員 お尋ねの点をごく率直簡明に申し上げますと、集中排除法の指令によりまして、帝石が持つていまする鉱区に対しまする施設が、日本の全部の鉱区分布の五割以上に及ぶことは許されないわけであります。かたかた特別損失補填に伴います整備計画の認可を受けておりますから、とにかく九割幾ら手持になつていると御指摘がありましたが、帝石におきましては五割以下の鉱区しか持てない状況になるように、ただいま整備計画に伴いまして、それぞれ未開発鉱区等を処分しておる状態でございます。この点は御心配ないと思います。どうぞさよう御了承をいただきたいと思います。
  57. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 そういたしますると、この法律の廃止をいたしましても、ただいま御説明がありましたことは順調に進行中である、こういうことに承知してよろしいのですか。
  58. 宮幡靖

    宮幡政府委員 整備計画の認可の劾力は、そのまま残つておりまするから、整備計画認可の条件に従つて処理されているものと思います。
  59. 風早八十二

    風早委員 池田通産大臣にお伺いいたしますが、この前に米、英、カナダの三国金融会談でも、イギリスの石油資本というものは、大体西ドイツの設備を使う、アメリカの方は大体アジアの方というような、大体の分担が一応きまつたように伝えられておりますが、そういうところから、たとい一割といえども非常に重要な潤滑油を生産し得る帝石の重油生産設備並びにその精製設備、こういつたものに対して、やはりアメリカ資本というものが、非常にこれを掌握するという方向が出ておるように思うのです。そういう点で私は今後の日本の原油、並びに精製、この方面に対する将来というもの、これは非常にいろいろと考えさせられるのでありますが、そういう点について、大臣はどういう観測をされ、かつ意見を持つておられるか。つまり広く日本の石油業というものとアメリカ資本との関係について、全体的にどういう見通しを持つておられますか、この点ひとつ大臣としての大きな抱負を伺いたい。
  60. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど申し上げたことで尽きると思うのであります。わが国におきましては非常に資本が枯渇しておりますので、経済再建に必要な資本は、私は入れて行きたいと思つております。しかし事業はできるだけ日本人の手でやつて行きたいという気持を持つておるのであります。
  61. 風早八十二

    風早委員 大臣に対する質問はなお次会に留保しておきまして、次の質問に移りますが、原油輸入の外貨資金については、今どういうことになつておりますか、政務次官からでもお伺いいたしたいと思います。
  62. 宮幡靖

    宮幡政府委員 最初太平洋の七社の精油工場の再開が許されました当時においては、昭和石油の分はポンド地域からコンマーシヤル・ベースで輸入することになつておりました。先刻も申しましたように、その方面がやつぱりポンド貨の都合によりまして、一応輸入が達成せられないような状況になりまして、ただいまガリオア資金を通じて参るのでありますが、援助資金によつて油の輸入が違成せられているというのが現状であります。
  63. 風早八十二

    風早委員 援助資金によつてまかなわれる部分は、これは一つ問題があるのです。一体その外貨資金がどれくらいこれに充てられているのか、これは援助資金によつてまかなわれるとなれば、それは一体どのくらい充てられることになるのかということを伺いたいのですが、これは大蔵大臣にお伺いすることにいたしまして、先ほど徳永局長に伺つたあとの続きをやりたいのですが、その場合、この見返り資金による重油の輸入については、もちろんその放出について司令部の方に権限がある。しかし見返り資金とは関係のない国内の原油生産物に対して同様に放出の権限が向うにあるということは、どうも納得が行かない。どういうわけでそういうようになつているのか、特別にそういつたような何か指令でも出ているのか、そういう点をお伺いいたします。
  64. 宮幡靖

    宮幡政府委員 お尋ねの点も実はよく了解できないのでありますが、先ほど申しましたガソリンで言いましても、年間二十七万キロリツトルくらいほしいものが、国内産とそれから輸入精製油と加えまして十六、七万キロリツトルしか供給ができないような状態であります。従いましてそこにやはり石油製品の割当統制ということを、当然行わなければならない。しかのみならず先ほどの外油と国内油との間の価格の相違等は、やはりプールして参らなければならない、かようなことがありまして、全面的に統制が行われているわけであります。しかしながら現在の状況においてまだ足りないので、いろいろ昨年来懇請を続けて参りまして、本年の一月は約二割に当りますところの増配を許される、かようなことでありまして、石油製品全体の不足の折柄でありますから、ガリオア資金によつて輸入いたしますものも、国内産のものも打つて一丸といたしまして、これを全体につきまぜて割当をするという制度は、私どもの考えでは妥当だと思つておるのであります。その点について御意見がございましても、他に別にこれに対して特に石油をこうしろというような関係方面の指示を受けたことはないことだけを申し上げるのでありまして、そのほかは現在のガリオア資金につながつております物資の統制と趣きを同じうしているものだ、かように御了解いただきたいと思うのであります。
  65. 風早八十二

    風早委員 宮幡次官は通産次官でありまして、むろん他の官庁のことや、また文書等は読んでおられないかもしれません。だからあるいは御存じないかもしれないが、いささか今の御答弁は私のお尋ねしている点からはずれていると思います。これははつきり外部ではわかりません。経済安定本部の動力局の石油需給という資料がありますが、現在わが国で消費している石油製品の約九割は、米国の対日援助物資として日本政府に放出せられたものであるが、これはいいのです。これら輸入品のみでなく、国産原油からの製品、その他特殊物件等に属する製品もすべて需要部分別、用途別にそれぞれ使用目的を一にして、関係方面から放出物資として割当を行うことが書いてある。その点われわれとしてふに落ちない、そういうところまで干渉される筋合いのものではなかろうじやないかという意味で言つているわけであります。
  66. 宮幡靖

    宮幡政府委員 私のお答えは風早委員は御満足がいかないというお話でありますが、御質問に対して真向から的中したお答えをしたつもりであります。ガリオア資金につながつた援助物資でありますから、国内産のものも合せましてやはり統制を今までやつて来た、今後においてこれをどうするかという問題は課題でありまして、安本の発表がうそでもなければ、それが現実の問題であります。その他の問題につきましてもやはり援助物資において大部分を調弁いたしておりまするものは、さようなところまで干渉されてよいのかどうかということは、現在の政府としてはここで何とも申し上げかねますが、やむなき統制の事実であろうと考えております。現政府は御承知のように統制は大きらいであります。かようなことは率先いたしまして廃止する方向に努力して参りたいと考えております。
  67. 風早八十二

    風早委員 結局統制の大きらいなと言われる現政府が、われわれから見てまつたく不必要であるという程度に統制を受けておられるという点も、また明らかであると思う。この関税の自主制の問題にしましても、こういつた国内原油製品の割当放出にしましても、これはみな国内の実際の必要から割り出されておるのでなくして、やはりこういつた外国資本の一つの需給関係なり、またその必要関係なりから割り出されてやつておる。その統制にまつたくそのままこれをのんで服従しておられるということが明らかになつたわけなのであります。結局先ほどの関税の自主権の問題も、これによつてやはり政府はみずからこれを放棄しておられるということを認められたものだと、われわれは認めざるを得ないのであります。  きようの質問の続行について、委員長にお諮りいたしますが、私が初め討議したときはまだ私一人だつたけれども、まだほかに質問をされるという方があとから出て来られたというのでありまして、一人で独占するというそしりを免れるために、きようは私はこれを保留いたします。次会に大蔵大臣を呼んでいただいて、あらためて質疑を継続したいと思います。
  68. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 委員会質問は丁寧懇切は非常にけつこうなのですが、ある一部の党派の方が非常に時間を余計に食うということは、今まで円満協調目的としておつた委員長のやり方からすれば、もつともなのですけたども、われわれが委員として聞いておりましても、あまりに冗長に過ぎて、本来の議案から逸脱するような言動が非常に多くいたされておる。それがために時間を費すことが非常に多いのですが、もしそういうようなやり方で議事を進行すると、議事に非常に支障を来すものです。委員会も非常に忙しいために、あるいは本会議の間を縫つて短時間に、あるいは大臣が忙しいのにむりに来てもらうというような場合において、そう長時間を費されることは、非常に他の会派が迷惑をするのです。そういうふうなことでありますから、委員長はつとめて委員の方々に発言を許されるお心持はよくわかるのでありますが、しかしあまりに極端にならないように、それは特に御注意を願いたいと思います。その点について、もし必要があるならば理事会を開いて、ある程度まで時間の割当制を実施しまして、そうして各党にやはり時間の割当をするように、これから先、方針をきめていただきたいと思います。
  69. 神田博

    神田委員長代理 澁谷君の発言に対してお答えいたします。ただいま澁谷君から、委員会審議時間、各党の関係等につきましてお述べになられたようでありますが、委員長もまことに同感でございます。今日までさような、何といいますか、円満を基礎にいたしましてやつてつたのでありますが、お述べになられたようなことが高じて参りますならば、理事会等に諮りまして、適当な方法を講じたいと思います。お答え申しておきます。次は門脇君。
  70. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 さつきの質問に続きまして、私は簡単明快にひとつ質問申し上げたいと思います。政府の持株がまだ相当数あるようでありますが、これらに対しては、政府は一体どういう方針であるかということが一つ。  それからその次は、現在こういつたような、特別会社法によつてできております会社であるがために、従来の総裁、副総裁等の役員は、これは政府任命であつたように私は伺つたのでありますが、今回普通会社法の会社になることによつて、そういうような政府任命等の制度はもちろんなくなるわけであります。なくなるわけでありますが、この法規の移行の過渡期において、特にまた政府がまだ相当株式を持つてつて、発言権がある。こういう場合において、この総裁、副総裁等の、現在の役員はどういつたふうなことに考えておられるかということを、これは人事問題の焦点になつておりますから、これに対する政府の率直な御見解をお伺いしたい。
  71. 宮幡靖

    宮幡政府委員 伺つた前の方の、政府の持株の問題でありますが、これは御承知のように、第六回国会におきまして、政府の出資金を解除いたしまして、そうしてその株式の処分ができますようにしていただきまして、これは証券処理調整協議会の方で放出手続をとつております。ただいま、その全部が処理せられましたかどうかにつきまして、ここに資料を持つておりませんので、政府出資の全体は大体二億三千万円だと覚えております。これに該当する株式の処理がどうできておりますか、資料を整えて次の機会にお答えいたしたいと思います。  第二番目の御質問でありますが、これは今度帝石なるものが普通の商法の会社になりますについては、この改正によりまする趣旨に基いての株主総会を開催せられまして、そこで定款変更の決議をいたされまして、その定款変更の決議に対しましては、認可というやかましいことでなくて、一応従来の特別法でというお申出があるのでありますが、それに対しましては過渡的に、もしあやまつ措置があるといたしますならば、従来の特別法の関連から行きまして、適当なる勧奨と申しますか勧告をいたしたい。かように思つておりますが、おおむね民間の一般の商法の対象に入るのでありますから、株主総会の自主的な決議におまかせいたしまして、人事等の干渉もいたさない方針でおります。
  72. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 次に、先ほど風早委員からも、るる御質問があつたことと若干重複するようでありますが、私は簡単に申し上げて簡単に御返事願えればよいのでありますから、あらためてお伺いいたします。これは将来の一般会社法の株主の立場として、多少営業上の擁護という立場から、相当不安があると思います。現在の年間の日本の需要高の大体二割弱しか内地の生産量がない。しかも内地の生産量が非常に割高である。現在公定価格九千三百二十五円一ぱい一ぱい生産費がかかる。これに対して新しく始められた輸入の原価は、六千三百円であるといつたようなことで、これは将来この会社の経営にあたりまして、相当大きな不安の材料と相なるわけでありますが、一般会社法の会社になれば、もちろんそれらに対して政府が何ら保護の義務もなくなるわけであります。しかしながら燃料というものは、これは非常に重要な地位にあるものでありますから、特にそういつたような産業の助成政策は必要だと考えるのであります。先ほど、るる風早委員の御質問に対して御答弁もあつたのでありますが、会社の営業の擁護という建前から、この法律の移行に際して、政府はそういつた考えをお持ちになつておるか、どうかお伺いしたい。
  73. 宮幡靖

    宮幡政府委員 前々から申し述べましたように、帝石の特別法が消滅いたしますと、石油資源開発法によります助成を一層強化して参りたい。本年度あたりの助成金につきましては、まだはなはだ遺憾の点が多いのでありまして、明年度、明後年度等にわたりまして、この助成法によります助成の、十分な目的が達成できるような予算措置も講じたいと思つております。しかして帝石が非常に不安な立場に置かれるじやないかという御意見の見方も一つでありまして、これを否定するものではありませんが、自由企業制度の中に国の産業を置きます以上は、一特定会社に対して保護を加うべきではないことはもちろんであります。しかし産業全般としての保護は、当然行わなければならないのでありまして、先刻風早委員にお答えいたしましたように価格の調整につきましては、価格調整公団で——もつとも四月一日から今の石油のマル公改訂の議が進んでおりまして、よりより折衝中でありまして、九千三百二十五円と六千三百円の、おおむね三千円くらいの違いのものをいかにいたすべきか。関税において達成せられるものが幾らであるか。価格補助におきましてどれだけか。これら措置を合せまして、国内産業がそれによつて萎靡沈滞いたさない方法を、産業を対象として、一帝石会社を対象としてでなく、考えております。
  74. 門脇勝太郎

    ○門脇委員 私の質問は以上であります。
  75. 神田博

    神田委員長代理 次は今澄勇君。
  76. 今澄勇

    今澄委員 この帝国石油の法律については、いろいろ質疑応答がありましたので、私は明日通産大臣質問申し上げる部分を除いて、ここで簡単に御質問いたします。その前に石油に関係のあることですが、石油を使つている自動車の問題で、宮幡さんにちよつとお伺いします。  このたび二月十日付で、司令部から四九年型の新しい外国車が初めて払下げになつた。これは大体時価に直して一億円程度の車であります。ところがこの車が二月十日に通産省へ払い下げられて、通産省は、大和と国際タクシー、これに全部払い下げられる。その払下げの値段は、為替の今のマル公であるところの六十五万円程度で、大体内地相場二百万円くらいの車が払い下げられる。それに対して全国の自動車運営業者が、非常にこの問題を重視して、いろいろと陳情をいたしております。そこで私は次の機会に内国貿易課長の御出席を願つて、詳細な点の御説明を願いたいのでありますが、宮幡次官はこの問題を御承知であるかどうか。それから運輸省がこれらの自動車を直轄してナンバ一を下したり、いろいろな問題を出しておるのであるが、運輸省と通産省との間にこれらの問題をめぐつて、いろいろ紛争があるということでありますが、事実でありますかどうか。それから今の払下げを東京だけ、しかも二社だけにしていることが、非常に大きな疑惑のまなこを全自動車業者に与えているが、こういつた問題についてどういうふうにお考えになつておるか、この三点について御存じになつている点だけでもひとつ……
  77. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいまの問題のこまかい点はよく存じておりません。しかしながら大綱は大体承つております。国際自動車が三万台のバイヤーの自動車を供給しているわけでありまして、この車はおおむね豊田の製作にかかるものをつかつてつたのであります。ところがこれが性能上いろいろな欠陥がありまして、現在たしか五十台だつたと思いますが、これを一応払い下げいたしまして、そしてその代車として四九年型を入れようというプランが進んだようであります。これはおおむねバイヤー側の希望が入れられたように仄聞いたしております。そこで入つて参りますものを、バイヤーの自動車の供給の用を弁じております国際自動車に払い下げられる。そうして今まで使つておりますものを今度は民間の豊田なら豊田、あるいはその他の会社において気に入るように、性能のいいものに直しまして、改装いたしました上において一般に売る、かような方法でやつたことを聞いております。なお詳しい問題につきましては次の機会に渡辺内国貿易課長からお答えしていただきます。さような構想でやりました。どうも通商産業省が何かいろいろなことをやりますと、いろいろ誤解を受けますので、なおさらこの際明らかにしておきたいと思います。経過はさようなもので、現在国際自動車でやつておりますところの自動車性能が悪いので、代車を入れようというわけであります。今度は国際自動車に供給いたしまするガソリン等も円建て支払いということになり、一箇月の使用量が百五十リツター、かような制限を受けておりまして、これはすべて外国資金から申しますとO・A・Sフアンド、O・Sフアンド、T・Sフアンド、かような関係を通じますものでありますから、その詳細は得心の行くようなお答えをしたいと思います。なおこれをめぐりまして運輸省との間に何かやりとりがあるのではないかというお話でありますが、これはタイヤにつきましても、あるいは自動車それ自身につきましても、とかく所管争いのあることでありまして、何とも申訳ないと思つております。しかしこの問題について直接論争等のかわされましたことは現在のところ知つておりません。これはまた渡辺課長にお答えさせることにいたします。
  78. 今澄勇

    今澄委員 御親切な答弁で大体わかりましたが、問題の焦点は、この車の払下げにあたつて運輸省と通産省との間に、いろいろと所管争いがあつたということと、その払い下げた値段が時価に対して非常に安いために、全国の業者が、これを大阪においても神戸においてもやりたいということを痛烈に願つておるが、それらのところに品物が行かなかつたということ、それからこれをめぐつて相当な運動資金が使われたということを、自動車をもらつたところが放言をしているというような陳情があるために、非常に疑惑をかもしているということ、それと、自動車のナンバーは、もとより運輸省がこれを決定してつけるものであるにかかわらず、すでにそれらの自動車にナンバーがついている。しかしながら運輸省に聞いてみると、そのようなナンバーを許可した覚えはないと言つておりまして、運輸省側の言明と通産省側の考えとの間に開きがある。さらにもう一点は、これらの自動車日本における運用の問題についても、いろいろと疑惑が残されて、内国貿易課のいわゆる政府の役人の皆さん方がいろいろと話し合われて、ある一定の業者を非常にひいきしたという点に、いろいろ巷の声が集まつておりまするから、この次の機会でけつこうでありますが、内国貿易課長の出席を煩わしまして説明を伺いたいと思いますから、この旨を宮幡さんからお伝え願いたいと思います。  それから石油資源の法律案でありますが、これについてはいろいろ伺いまして、大体政府のお考えのところはわかりました。ただ問題となるところは、何といつても帝国石油会社法を廃止するならば、石油資源開発法等のいわゆる国内石油の開発に関する法律案も、これは当然並行して出されなければならない。しかるにもかかわらず、帝国石油会社法だけは廃止するが、国内資源開発のいろいろな措置問題等については、あまり進捗しておらぬということは、政府が石油の精製部門だけには非常な強力な助力をするけれども、国内原油の増量という点については、そう熱意がないというふうに見られてもしかたがないがこの点についてはどういうふうに考えられておるか。  それから第二点の価格については、さきにいろいろ宮幡次官の御説明がありましたのでわかりました。政府の意見は了承をいたしましたが、私どもは政府のそのような意見とは別に、現行の九千三百二十五円の価格を、もし引下げるというようなことになれば、これは国内原油の石油会社は非常に打撃を受けるから、価格調節公団その他において、これを一体どのようにしてはからわれるかというような具体案が、もし今御用意でありまするならば聞きたい。  第三点は、政府は石油鉱業の助成金を一億三千万円程度という説明が、この前の帝国石油会社法の一部改正のときに宮幡さんから申されましたが、これはその後その数字を多少かえられるような御意思があるかどうか。それから将来これを三億円程度に増額される御意思があるか。それからこれを漸次減らされる予定になつておるか、おさしつかえなければ伺いたいと思います。
  79. 宮幡靖

    宮幡政府委員 先刻も申しました通り、この帝石法の廃止に伴いまして、石油資源開発法にのつとりまして、ますます資源開発の促進をいたしたい、これが政府、ことに当面の省であります通産省の考え方であります。予算的措置についても私から申しましたように、はなはだ現在は至らないものである。年ごとにこれをぜひ進めて参りたい。私は地下資源の専門家でありませんので、詳しいことはよく存じませんが、大体年間二十万キロくらいの石油の原油が生産されておりまして、推定埋蔵量は二百四十万キロ、十年分くらいあるような形でありますが、表面に現われた真偽は別といたしまして、世界的な、十五倍ないし二十倍の地下資源を持つておるということは、石油鉱業というようなものから見ると、正常だといたしましても、ただいま第八層というようなものが発見されたということも報道されております。この方面に大いに力をいたしまして、相当の埋蔵量を予定できるようなところまで、石油資源開発法の力によつてつて参りたい。しかしながらこの法案も十分でないということになりますれば、事態に即応いたしましてぜひとも改正いたして行きたい、かように考えております。  価格の調整の問題につきましては、鉱山局長からさしつかえない程度のこまかいことを申し上げることにいたしたいと思います。
  80. 徳永久次

    ○徳永政府委員 価格の調整の問題につきましては、私詳細に読んでおりませんが、きようの新聞に一部漏れて出たりしておるように存じております。これはただいまの段階は、一応日本政府事務当局間の検討という段階にございます。と申しますのは、私どもが今いろいろ考えております点は、先ほど来問題になつております関税の問題でございますが、先ほど来の議論は、これまた新聞に載つておりましたが、キロ当り七円になるのではないかというお話が中心であつたわけであります。私どもの問題にしておりますのは、その問題ではありませんで、ある程度保護関税をやりたいという考え方で、いろいろやつているのでありますが、それがこの国会に間に合わないということが、およそただいまの進行状態から推測されるわけであります。一方価格の問題は、早急にその後の価格の情勢の変化に応じまして、処理しなければならないという事態になつておりますので、そういたしますと、国産の原油の保護ということのために、関税による保護ということは時間的に期待できないということができて参りますので、その間の何かかわるベき手がいるのではなかろうかということから、ただいま輸入原油と国産原油との価格プールというようなアイデアにつきまして、いろいろな数字をいじくりながら、考え方その他を関係事務当局間で検討しつつあるということでございます。ただ国産原油のマル公そのものにつきましては、現在の九千三百円を下げたら困るじやないかというお話もございますけれども、しかしこれは私ども率直にいろいろと国産原油の採油業者の採算の状況その他を調べておりますが、幾らにしたらいいかということは、ただいま申し上げかねますけれども、ある程度引下げましても、大した打撃は受けない、合理的な操業と申しますか、健全なる操業の打撃にはならないと申しますのは、その後生産が相当順調に進んでおるという面もございまするし、技術上の改善という点も若干進歩を示しておりまするし、そこらの点から申しまして、ある程度は引下げ得るのじやないかということを頭に置いて、作業を進めておるということを御了解願いたいと思います。
  81. 今澄勇

    今澄委員 助成金の問題がちよつと今御答弁がなかつたのでありますが、助成金については、先般きまつた点は一億三千万円ということになつておりますが、もし今後の助成金の見通しと数字がわかつておれば、これももう一ぺんお伺いしたいと思います。
  82. 徳永久次

    ○徳永政府委員 昨日審議院で可決されました明年度の予算案の中に、一億三千何百万円かの石油関係の地質調査及び試掘井助成の奨励金が計上されております。
  83. 今澄勇

    今澄委員 それは今年度のやつですが、将来の見通しはどうです。
  84. 徳永久次

    ○徳永政府委員 御承知のように、終戰後ずつと続けておる費目でございまして、私ども生産助成という考えから申しまして、財政の許す限り増額をはかりたい、またこれまでの経過から申しましても、その助成の結果からいたしまして、資源の確定鉱量の増加ということに、相当寄与いたしておりまして、決してむだな金になつていないということを確信いたしております。
  85. 今澄勇

    今澄委員 助成金は、一億三千万円程度の、今度の予算案に計上されたものでは、われわれはむろん不足であると思う。これはやはり最低三億円くらいがいるものであると私どもは思つているので、いわゆる昭和二十六年度、二十七年度、二十八年度と外国石油がどんどん入つて来るに従つて国内石油資源にどのような助成金を、いかなる計画のもとに出すか、政府の工業政策の一環としての大綱があれば、宮幡氏から承りたい。  それからもう一つの点は、石油の現行価格を割つても、今のお話によると、企業の合理化その他生産状態がいいから、十分採算がとれるというお話でありましたが、これは非常に危険な考え方であつて、現在の国内石油をやつているところの会社が、次々と精製部門に手を伸ばして、精製部門を持たなければやつて行けないということは、石油政策としては、精製部門のみに重点を注いでおるかのごとき感を与えますが、それらについての宮幡さんの見解を、ひとつこの際承りたいと思います。
  86. 宮幡靖

    宮幡政府委員 助成法によります所要の予算を三億ぐらいにしなければ足りないだろうということは、ごもつともでありまして、当面の省といたしましては、もう少し希望もいたしたわけでありますが、要求額が削減されて、本年は一億三千万円になつた。かような状況でありまして、この点はまことに残念に思つております。ことに工業技術の振興という面から非常に力をいたさなければならぬので、工業技術庁の方と合せまして、さらに一段と御希望に、少くとも接近するよう努力いたしたいと思つております。  その次の価格の点でありますが、たとえて申しますと、鉱山局長の説明いたしましたように、多少の値下りはしましても、合理化の線によつて吸収ができる部分があるとこういう意味でありまして、たとえば、一〇%の合理化ができたその場合に、一〇%を値下げしてしまうということでは、企業意欲を阻害してしまいますので、かりにさような構想をもつて一〇%のコストの低下ができたといたしましたならば、若干企業者あるいはこれに携わります勤労者に報ゆるところを残しまして、そしてその余の部分につきまして、消費者の利益のために価格を下げて行く、かような方向に進みたい。むやみに合理化の面を全部ただちに販売価格に持つてつて消費者のみの利益ばかりはかろうということを考えておりません。ただいま折衝の段階にありますので、十分御意見の点を考慮して善処させていただきたいと思います。
  87. 今澄勇

    今澄委員 たいへん時間も経過いたしましたから、最後に一点お願いしたいことは、石油資源開発法は、いろいろ関税の問題その他とも関係があるという話でありますが、この国会には出されないなら出されない、出されるなら、大体いつごろに提出される見込みであるか。それから、当然次の国会にまわさなければ、今のところ間に合わないといつた、具体的な見通しがあれば、宮幡さんから御答弁願いたい。  さらにもう一点念を押上ておきますが、この次の委員会に、今の内国貿易課の責任者を、米軍払下げの自動車の問題で、責任を持つて御答弁願える人を、ひとつ出していただきたいと思います。
  88. 宮幡靖

    宮幡政府委員 石油資源開発法は、残念ながら本国会には間に合いかねると思つております。鋭意努力いたしまして、次の第八国会に提出するような運びにいたしたい、かように考えております。  後段の内国貿易課長は、その上司であります振興局長とともに、次の委員会に必ず出席させるようにいたします。     —————————————
  89. 神田博

    神田委員長代理 この際連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。本日の理事会において決定いたしたのでありますが、まず第一に、目下地方行政委員会において調査中の地方税制に関する件は、近く立法措置の講ぜられんといたしておりまする地方税制改革についての事前調査でありますが、その中には附加価値税、鉱区税、固定資産税、電気ガス税、鉱産税等、通商産業上に重大な影響を与えるものがありまするので、本委員会といたしましては、通商産業行政に関する国政調査の面から、本件に関して、地方行政委員と連合審査会を開会することとして、その申入れを行うこと、第二に、目下法務委員会において審査中の矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案は、受刑者の作業の根本基準を定めるとともに、その作業を確保するために、官用主義の原則を確立せんとするものでありまするが、これが関係産業界に及ぼす影響は、きわめて深刻なるものがあると認められまするので、本案審査のために、法務委員会と連合審査会を開会することとして、その申入れを行うこと、以上でありまするが、以上理事会の決定通り、二つの連合審査会を開会することとし、当該委員会に対しその申入れをするに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めます。それぞれ連合審査会を開会することとし、その申入れを行うことと決定いたします。  なお、両連合審査会開会の日時は、当該委員長と協議の上、追つて公報をもつてお知らせいたします。  本日はこの程度にとどめまして、次回は来る十四日午後一時より開会することとし、これにて散会いたします。     午後四時一分散会