○
宮幡政府委員 ちよつと
今澄委員に御了解を得たいのでありますが、
速記録にあるという御
指摘でありますが、これは取調べて申し上げます。前
大臣が、
事業家を長年体験せられた立場で、大いに
事業家的な
考えから、接収したというような自家
発電はすみやかに返すべきである、でき得べくんば立法
措置を講じてもひとつこれをやりたい、こういう意思を表明されたことは、私もほのかに知
つておりますが、本国会ですみやかにやるというほど、かく明快のことではなからうと思います。もしそれ以上の現わし方でありましたならば、これは
考え方と、それを実行したいという意欲の中に少し瞬間的な矛盾でもあつたことと思いますので、御了承をいただきたいと思います。なおこの点を申し上げておきますが、自家
発電のものは返すという問題を、いろいろ検討していることは事実であります。そしてすみやかに元の方にお返しするということが御説の
通り正しいと
考えていることは、前
大臣が申した
通りかわ
つておりません。先般の
審議会においてもこの問題を御
審議いただきました。われわれが
考えましても
現状においてお返しすることのできないのは、残念ながら
四国の
電気は返すことができません。これは
四国の全体の民生安定に
影響がありますので、住友から
お話がありましてもお返しすることは断然お断りしなければならない現段階であります。その他のものはもしできるものがあるならば、かねがね前
大臣も申したような方向について
一つでも二つでも返したい、こういうことで検討を続けて参りましたが、信越
方面にあります志久見川という
発電所、これは
水力がありますが、これを直江津の信越化学でありますが、この工場からの自家
発電を国管のもとに押えたのでありますので、これだけは現段階において返しても、その他の
産業用や一般の
電力に
影響がなかろうから、今返せるのはその
程度である、まだまだ返したいということの
基本方針には狂いがないが、これを実行する時期において
考えるならば、今は志久見川第一、第二
発電所だけである、かような答申を得ているような
状況でありますので、この点は御了解をいただきたいのであります。なお前
大臣以来検討して参りました、先ほど現
大臣に御
質問のありました集排法の問題であります。これも吉田内閣の方針が一貫しないという御
指摘もありましたので、簡単に申させていただきますと、ただいまも集排法の指定は取消しにな
つておりません。従
つてこれを法律一点張りで片づけますならば持株
会社整理
委員会において、この分担処理をすべきであります。しかしながらこれが
日本産業経済及び民生の安定に
影響することが至大であるがゆえに、特に
関係方面でも
考慮せられまして、その
電力行政の衝にある
通産省において、特別な
審議会等をつく
つて検討するように配慮せられたのでありますが、この点も特に御了承願いたい。しかしながら集排法の指定にはずれての
分割でない、こういうことはぜひとも御了解をいただいておきたいのであります。それから先ほどの分担して
電源開発ができるか、このねらいは大きな問題でありまして、これがもし誤
つて伝えられますと、まつたく
政府の施策は
国民の生活を忘れたことになります。そこで私企業にした方がよろしいということは
大臣も申しておりまして、創意によ
つてこれを片づけたいと申しますが、もし
電力料金のプール
計算その他において
地域差等をカバーいたしまして、
電源のないところにおいて、不利な條件において
電力の供給を受けるものが、有利な條件のもとにおきます方々と同じような状態に置かれて、長くそうせられることは、その
産業の合理化を妨げることになります。依存的な
経済でありまして、いつもその保護に温存するところの
産業となりまして、将来これが自立し、大成するとは
考えられません。一日も早く、不利な條件があるならば、すなわち努力と誠実と創意とくふう等を凝らしまして、その不利な條件を克服して参るところに、初めて
産業の自立があり、
経済の安定があると私
どもは
考えておるのであります。従いまして、もし
九州地区に不利な條件があるというならば、
火力発電の建設はさらに促進せられるでありましよう。あるいはあらゆる
水力の
開発にも熱意が込められまして、一日も早く不利な條件を克服するための努力が、この私企業によ
つて拂われるところに、多大の期待を持
つております。但し瞬間的には、もしきわめて不平等な差が起きますならば、これを調整することは実情に即したものでありますから、
大臣の案といたしまして先ほど申し上げたような賦課金制度によ
つて、暫定的にこの
措置を講じて行きたいと
考えておるのでありまして、
現実はまず第一に
電源の
開発、
資金を動員する。見返り
資金については
大臣が言われました
通り、その見返り
資金が永久性がないということも御
承知の
通りであります。しこうして
電源開発は数千億を要すると予想せられております。資本蓄積がない
現状の
日本におきまして、これを現在のように財政
資金を
産業資金に投下することも許されない。のみならず将来にわたりまして
政府が数千億の
資金を投ずる時期が近々あろうとは思いません。これを私企業にいたしまして、
電気事業はあらゆるものについて担保力ができ、
経営の収益性が現われて来るならば、あえて国内のみに依存することなくしても、
電気事業の公益性に照し合せまして、有効適切な
資金が供給せられるということは、われわれが
自由経済の中に進めたいという意欲の現われでありまして、これは吉田内閣、昨年以来の一貫した方針でありまして、たとい
大臣がかわ
つても、この主義主張がかわ
つておらないということを御了解いただきたいのであります。