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1949-12-20 第7回国会 衆議院 通商産業委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十日(火曜日)     午前十一時四十一分開議  出席委員    委員長代理理事 神田  博君    理事 小金 義照君 理事 村上  勇君    理事 今澄  勇君 理事 有田 喜一君    理事 風早八十二君 理事 山手 滿男君       阿左美廣治君    岩川 與助君       門脇勝太郎君    關内 正一君       高木吉之助君    多武良哲三君       中村 幸八君    福田 篤泰君       福田  一君    前田 正男君       柳原 三郎君    伊藤 憲一君       田代 文久君    河野 金昇君  出席国務大臣         経済安定本部総         務長官     青木 孝義君  出席政府委員         通商産業政務次         官       宮幡  靖君         (資源庁電力局         長)         通商産業事務官 武内 征平君         (資源庁石炭生         産局長)         通商産業技官  田口 良明君         物価政務次官  坂田 英一君         (物価庁第三部         長)         経済安定事務官 川上 為治君  委員外出席者         経済安定事務官 藤田  勇君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君         專  門  員 越田 清七君 十二月九日  委員川上貫一君辞任につき、その補欠として伊  藤憲一君が議長の指名で委員に選任された。 十二月二十日  理事川上貫一君の補欠として風早八十二君が理  事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  委員派遣承認要求に関する件  電気に関する件     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。委員長にはさしつかえがありますので、私が委員長の職務を行います。まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。去る九日川上貫一君が、委員を辞任せられたのでありますが、同君は理事でありましたので、その補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例によりまして、委員長において御指名いたしたいと存じますが、この取扱いに、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは風早八十二君を理事に指名いたします。
  4. 神田博

    神田委員長代理 次に委員派遣に関する件について、お諮りいたします。本日の理事会におきまして、目下院の内外を通じて、重大な問題に相なつておりまする鉱害問題について、その状況を実地に調査し、現地において、関係官民より実情を聴取するため、山口県及び福岡県に委員派遣する必要があると、協議がととのつたのでありますが、派遣期間は、来年一月四日より向う七日間とし、派遣委員は、一応各派の理事として、議長委員派遣承認申請をいたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 神田博

    神田委員長代理 御異議なしと認めます。それではそのようにに取扱いいたします。
  6. 神田博

    神田委員長代理 次に電気に関する件を議題といたしまして、調査を進めたいと思います。本件につきましては、先般政府側に、本委員会経済安定委員会連合審議会における一致した意見をもつて、要望された点があつたようでございました。これにつままして政府側から、何らかの御説明を得たいと思います。
  7. 坂田英一

    坂田政府委員 衆議院委員会におかれまして、十日、十一日両日にわたつて、いろいろな御質疑もあり、御意見も承つたわけでありますが、十一日に衆議院委員会から、政府に対して要望の点申入れがありまして、その間いろいろとごもつともともの点も、若干ございまするような関係からいたしまして、司令部とも折衝いたしたわけでありますが、結局大局的見地に立ちまして、まず実施するということに、相なりましたようなわけであります。もちろんその間におきまして、第四・四半期火力石炭割当の増加の問題とか、あるいは電力量割当を均衡に、地域的にするといつたような問題につきましては、御了承を得まして、さようにいたすことに、相なつておるわけでありますが、なおその間において、若干の不備な点もなきにしもあらずと、私どもも実は感じておる点があるのでございまして、引続き関係方面に折衝いたしたい部面も残されながら、大局的見地に立ちまして、十三日実施ということに相なりましたような次第であります。地域差の問題、あるいは超過料金等につきまして、なおこの料金だけで直接救済し得ない部面が、既設工場等において、地域的にあることも了承いたしておるのでありまして、これらの問題につきましては、特に大きな影響のあるものについては、たとえば補給金のある物資については、補給金操作により、その他公定価格のあるものにつきましては、それぞれの価格操作等も、若干試みることによりまして、でき得る限りその急激な変更を、避けて行くということを、あわせ実行いたしたいというつもりでおります。御了承願いたいと存じます。
  8. 神田博

    神田委員長代理 ただいま物価庁坂田政務次官より、当委員会及び経済安定委員会協同申入れに対する政府側措置について、報告がございましたが、これについて御質疑がございますならば、発言を許したいと思います。
  9. 門脇勝太郎

    門脇委員 電力料改訂があるということは、かねがね伺つてつたのでふります。ちようど今月の五日から十二日まで、大体議会自然休会に入つたということでありましたので、私どもそういつたような議会事情に応じまして、実は地方の方へ報告演説参つたのであります。留守中に突如として、十三日から電力料改訂がある、こういつたような御予定のために、急遽委員会が開催されたということを、帰つて聞いたわけでありまして、自然その十日、十一日の委員会には、私ども不参をいたしたわけであります。そこで私どもそれを聞いて、端的に申しますると、非常に不満に思つた。いやしくもこの電力料の問題は、現在国家の産業復興と、不可分の問題でありまして、非常に重要な問題でありまするが、そういつたような重要な問題を御決定になるのに、国会に対してほとんど無視されたかのような感じがある。十日、十一日の委員会のごときも、十三日に改訂になる直前でありまして、しかもその委員会も好意的に、政府の方から委員会の方に御詰問があつたのでなくして、むしろ委員会の方で自発的に、開会を要請したというようなことも聞いたのでありまして、いろいろな事情を聞きますると、電力料改訂は、政府権限だけでやれる行為であつて、別に協賛を得る必要はない、こういつたことになつておるそうでありまして、そういつたような規定によつて、おやりになつていることとは思いまするが、しかしこういつたような産業全般興隆と、不可分密接な、非常に重大な関係にある問題は、たとい規定のいかんにかかわらず、もつ国会に対して——特にこの通産委員会に対しては、積極的にしかるべき御協議があつてしかるべきものだと、私は考えるわけであります。その点対しまして非常に遺憾に考えます。今後も政府は、そういつたようなぐあいで、権限があるからかつてにやるのだといつたような考え方であるのかどうかということを、まず第一お伺いしたいと、こう思うわけであります。
  10. 宮幡靖

    宮幡政府委員 門脇委員が御不在のためにも、委員会経過等を御承知なくして、政府の処置対して委員としての立場からの、いろいろな御意見を承りました。その点につきましては、個人としてはまつたく御同感だと申し上げること、やぶさかでないわけでありますが、事情はここで詳しく申し上げるまでもなく、現在の政府におきまして全面的に国会の御意向を、尊重いたして行いますことが、許される場合と許されない場合とがあることは、門脇委員すでに御承知通りであります。十一日に本委員会並びに経済安定委員会からのお申出は、確かに承りましたが、なお先ほど坂田政務次官からも、御説明のありましたよう、なお検討いたしたい点がないわけではないのでありまして、ことにこれを実施に移す運用の面におきましても、細大綿密なるところの考慮を拂うべきである。このことは政府といたしましても、考えているわけでありまして、お申出の趣旨に従いまして善処すべく、努力を続けたわけでありますが、いろいろな情勢は、翌十二日おいて閣議決定を経なければならないような段階なりまして、十二日閣議決定をいたしまして、十三日実施に移したわけであります。この実施の実際の効果は、大よそ三十日くらいの期間を要するのでありまして、明年一月十三日ごろから、この方に移りかわつて行く途中に、経過的な措置をいたす期間もございますので、その間に、何とかいたしたいという面は、順次是正のために、ただいま努力を続けております。ことに御指摘の各産業に及ぼします影響というものについては、通商産業省といたしましては、それぞれの産業のそれぞれの特異性なり、その立場に立ちまして、ただいま全力をあげて、この影響の修正というような問題につきまして、思いをめぐらして、それぞれ最善の交渉を続けているわけでありまして、この点ぜひ御了承をいただきたいと思うのであります。法律的に申せば、国会にお諮りしなくてもよい、料金改訂ではございますが、趣旨といたしましては、あくまでも国会審議権を尊重いたしまして、実際問題としては、常々御相談を申し上げて、いろいろ御意見に基いて、善処いたしたいという気持は、ただいままでも将来にわたつても、かわりないことを、この際つけ加えて申し上げます。
  11. 門脇勝太郎

    門脇委員 今政務次官の御答弁で、大体了承できるのでありますが、(「できない」と呼ぶ者あり)できぬと言えばできぬのでありますが、しかしどうも虚心怛懐考えて、そういつたような規定をたてにとつて委員会等もつと好意的、積極的に御相談なさるべき筋合いのことを、どうもとかく煙たがられるという感じが深い。これは一つの感じでありますから、既定的はつきりと言えませんが、要するわれわれが感謝して、いかもどうも政府のやり方は親切だというような感じを持つくらいに、もつとこれから先は積極的、自発的に、そういつたことはよろしく御協議願いたいということを、特に希望するわけであります。私ども先ほど申しますよう、自然休会ということで安心して、出かけたわけでありまして、地方へ帰りますと、突如として政府の発表がありまして、産業が非常に驚きまして、いろいろ陳情があつたのであります。私地元のことを申しますと恐縮でありますが、鳥取県のごときは中国地区として、電力料金が二・六倍の値上げなつたということを、訴えられたのであります。はたして二・六倍の値上げになつているかどうかということを、一応お伺いしたいと思います。
  12. 川上為治

    川上政府委員 中国地方電力料金値上りつきましては、全国的に見まして、地域差の問題と、超過料金の問題で、比較的ほかの地域よりも高い状況つております。しかしながら全般的見まして、二倍半になつているというような点つきましては、これは電力料種類別に計算いたしませんと、はつきりその数字は出て来ないわけでありますが、それを総計いたしましても、そんなになるというようは考えられません。これは定額料金あるいは大口需用電力料金、その他いろいろなことがありまして、そういう点を一々見ますと、二倍あるいは二倍半なつているものもありますけれども、全体で二倍半くらいなつているというような点つきましては、なおこまかく中国地区ついて当つてみませんと、はつきりしたことは申し上げかねますけれども、私ども数字的に申しますと、それほど大きくないじやないかというふう考えられます。
  13. 門脇勝太郎

    門脇委員 内容、数字の問題につきましては、私も的確な資料を持つておりませんから、これを正確に突きかねるのでありますが、大体総平均して三割二分の値上りなるということは、かねて御説明によつて伺つてつたわけであります。それに対しまして若干の地域差がつく。この地域差の問題につきましては、いろいろそれは議論もありますが、いかしあらゆる角度から検討して、若干のものはこれはやむを得ぬじやないかとも考えておつたわけであります。ただいまの御答弁よりましても、はたして鳥取県が二・六倍なるかどうかということつきましても、そうでないというはつきりした御答弁もないわけであります。それは少し、一番極端な例かもしれませんが、要するに地方によりましては相当驚くべきほどの値上りつているということは、今回の改訂の結果おいて、現われているわけであります。そこで政府として、いわゆる産業全般の今後の興隆ということよりか、現在の廃業自体が成立つか成立たぬかといつたようなことを、ひとつ痛切にお考え願いたいのであります。そのときの説明では、これは鳥取県の問題でありますが、二・六倍の値上りなると、電力をたくさんに使用する種類化学的工業、こういつたようなものは当然この料金の改変よつて、成立たないのだということを、非常に悲観的言つておりました。こちらへもどつて、実はそのことを同僚議員諸君に話しましたところが、中国地区九州地区四国地区、こういつたところはやはり同じような影響があるそうでありまして、続々地元からそれに対する陳情団が、御上京なつたという話も聞いたのであります。政府がそういつたような、事業が成立たないような極端なことを、急激にここで実施されるということは、わが国の産業復興経済の再建といつたような線とあわせて、はたして妥当であるかどうかということ、非常に疑問を持つのであります。そういつたことに対しますところの、御見解をお伺いしたい。
  14. 坂田英一

    坂田政府委員 中国の方の大体の値上り関係を見ますと、小口電力で四割八分、大口電力、これはいろいろな情勢つて違いますけれども、大体五百キロワツトで、月の使用電気力量か十万キロワツト・アワーといたしますと、大体四割七分くらいの値上りなろうかと思います。またこの電力料値上げが総体的見ますならば、大体のところ三割二分くらいの見当であります。これは二月以来からの問題でありまして、電力料は得にいろいろの産業関係、また電力事業運営合理化を促進するというような意図もありまして、非常に低くこれを抑えられていたということは、これは皆さんも御了承通りでありまして、どうしても必要な原価は入れてもらいたい。これよつて電力のいろいろのサービスの問題、その他すべて電力開発問題等にも、関連するのでありまして、どうしても必要な原価は、入れなければならないということに相なりますと、やはり最小限度に見て、三割二分程度の現在の値上りということは、やむを得ないことであると、存ぜられるのであります。ただその間において、地域的の差の問題、その他超過料金等の問題ついて、地方実態から見ますと、いわゆる既設業務において、ある地方は楽であるが、ある地方相当苦しいということは、今お話通り実情であると思うのであります。しかしながら原則といたしまして、やはり電力料の自然的な実態から見まして、コストの安く現われるところは、その基盤の上に立つて産業の発展をはかるという原則論については、これは皆さん方も御了承いただけることであると存ずるのでありますが、ただ過渡期において、著しく高くなりますような地帯においては、経過的に見まして急激にいろいろ大きな影響を與えるといつたようなことにつきましては、私どもも、今門脇委員からお話になりました点につきましては、ごもつともであると存ずるのでありまして、でき得る限りその影響を勘案しつつ、原則論にもどつて、この原価主義の現在の改訂趣旨に向つて行きたい、かように存ずるのであります。ただこの地域差というものにつきましては、もちろん勘案する必要がありまするので、実は電力量超過料金関係をも、勘案いたしまして、電力量割当につきましては、均一にするというようなことをも、折衝いたしまして、了承を得、そうしてこの地域的な非常に大きな違いは、でき得る限り電力割当によつて操作して行きたいという考え方を持ち、また二面におきましては、この超過料金の場合におきましても、火力電力の安くつく地帯は、電力料金を安くするといつたようなことも勘案され、なおそれによつても著しき影響を受ける産業等につきましては、またその産業特殊の——たとえばカーバイト、あるいは硫安といつたようなものにつきましては、でき得る限り普通料金によるところの電力割当操作というものでやつて参りたい。なお影響の大きなものにつきましては、目下通産省とも御相談をいたしまして、補給金のある物資につきましては、先ほど申しましたように、補給金操作により、もちろん補給金のないものにつきましては、たびたび申し上げておるのでありますが、大体三割二分程度の、電力料の上ることを予想いたしまして、補給金の額も組んであるようなわけであります。ただ地域的に、その操作をいかにするかといつたような点につきましても、検討を加えておるような次第であります。そのほかさような点についての、調和的な点につきましては、電力以外の他の点につきまして、十分裏打ちをして行くように努力をして参りたい、かように考えておるような次第であります。
  15. 門脇勝太郎

    門脇委員 私が地元陳情を受けました値上り率数字と、ただいまのお話数字とは、大分開きがありますので、これはひとつ政府におかれましても、もつとはつきり御調査を願い、また私ども数字的に、もつ地元事情調査いたしましてから、あらためてまたいろいろ折衝いたしたい思います。ただ今お話なつた安い電力料金——すなわち電力発生地でありますが、安いところにそれに応じて、大体理想的な採算のもとに事業を計画すればいいのだ、こういうお話でありましたが、これから先の事業の建設という場合には、当然そういつたことが中心的に考えられるわけでありますが、しかしすでに現在それだけの設備があつて事業をしておるのでありますからして、急に電力料金の安いところに、そういつたような施設を移転するといいましても、実際的にそう簡單にはできないわけでありまして、結局現在の事業地相当従業員もおり、相当の四囲の環境また設備があるわけであります。そこで現在の事業地において、電力相当中心的にたくさん使う事業であつて、あらゆる角度からずつと世間並み採算をして、決してこの事業が不当な経営でないという場合に、電力料が高いために、どうしてもその事業が引合わないのだという切実な事業がある場合におきましては、個個にそれに対しまして、適当に料金減免等が、できるべきでありまするが、それは絶対にできないのでありまするが、その辺のところをお伺いしておきたい。
  16. 川上為治

    川上政府委員 先ほど鳥取地方におきましては、電力料金が二倍半くらいになるというふうなお話がありましたが、政務次官からお話がございましたように、平均いたしましては三割二、三分、ものによりましては地域差の問題、あるいは超過料金の問題で、それ以上になるものもあるわけでありまするが、どういう方面に一番産業的に影響があるかと申し上げますと、これも従来委員会で、たびたび申し上げておきましたが、硫安とか、あるいは石灰窒素カーバイド特殊鋼、ガスというようなものにつきまして、相当影響がありますけれども、ほかのものにつきましては、そのコストに対しまして、電力料の占めておりまする割合が、きわめて少いのでありまして、大きな目から見ますと、非常に大きな値上りになるということは、それらの物資については、あまり言えないのじやないかというふうに、考えられるのであります。しかしながら今申し上げました硫安とか、石灰窒素カーバイドあるいは特殊鋼というようなものにつきましては、地域によりましては、相当大きな影響がありますので、これらの補給金のある物資につきましては、極力価格影響させないで、補給金の内部で操作したいというような考えを持ちきて、いろいろ私どもの方で、第四四半期割当とからみまして、操作いたしましたのですが、大体硫安につきましては、ある程度生産減になりますけれども、現在の補給金の中で、価格的な操作も十分やれますし、その生産減につきましては、この十月、十一月に相当硫安増産になつておりますので、この三月までの需給関係から申しますれば、ほとんど問題はないということになつております。それからソーダ灰とか、あるいは苛性ソーダにつきましては、これまた現在の補給金のわくで、何とかできるというようなことで、出産に対しましても、そう大きな影響はないようであります。石灰窒素につきましても、硫安と同様でありまして、ある程度影響はありますけれども、これまた補給金で、ある程度操作をいたしまして、ただ若干の生産減につきましては、先ほども申し上げましたように十月、十一月に相当肥料増産になつておりますので、需給関係からいつては、ほとんど第四・四半期においては、問題はないというような状況になつております。それ以外の補給金のついていない物資で、価格統制をしておるもの、たとえばカーバイトとか、あるいはアルミニウムとか、そういうようなものにつきましては、ある程度影響がありますけれども、これにつきましては価格改訂をする方法、それからまたそれらのものに対しましては割当をよけいやつて超過料金拂つて電力を使うという方面を、極力少くしたいというような考えでおります。その他の方面につきましては、これは先ほど申し上げましたように、非常にたくさんの物資が、電力影響が非常に大きいというのではありませんので、ほんの一部の限られた物資が、相当影響が大きいということになりますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように割当の問題で、極力調整したいと考えております。ただそういうような物資について、特別に割引をするというような問題につきましては、これは非常に困難であると考えられます。もちろんあまりひどいのにつきましては、今後いろいろ折衝いたしまして、研究いたしたいと思うのでありますが、第一義的には、やはり割当の問題とかそうした方面で、調整をしたいというふうに、私どもの方では考えております。
  17. 門脇勝太郎

    門脇委員 ただいまのお話は、結論において補給金のない物資については、もし事業経営が困難であつても、電力料改訂には応じがたいというような結論になるわけでありまして、非常に人情味のない薄情な結論を、お持ちになつておるようでありますが、これはまたひとつそのときどきの情勢に応じまして、われわれ迫力を持つに折衝するということで、障害を打開いたしたい。なおこういつたような電力料問題に端を発して、今後はその地方々々の特有な、いわゆる簡易発電といいますか、それぞれの事情に応じて、適当な発電施設をいたしたいというような気運が、相当濃厚であり、またそうしなければ、地方における事業の基礎というものが、確保されないわけであります。今後そういつたような地方的な、個々の発電等に対しましては、一体政府はどういつたような方針を持つておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  18. 宮幡靖

    宮幡政府委員 門脇委員から、なかなか痛烈な御質問で、何とお答えしていいか、ちよつと困るのでありますが、門脇委員御自身も、事情は十分おわかりだと思いますので、御意見の点は、承つておきたいと思います。それから電気の問題の根本的解決は、御承知のように国内に残された電力資源開発をいたすことによらなければ、これは抜本的の解決はいたさないのであります。これも十分御了承のはずでありまして、幸い長い間待望しておりました電下電源開発に対する見返り資金の供給も、きわめて小部分でありますが、第一次の御許可がありまして、十八億が供給されることになりました。これらのものが順次重ねて行われて参りますならば、根本的解決に進むだろう。要するにいろいろな地域的な、あるいは産業別的な不均衡というような問題につきましては、それらの問題をまたなければ、根本的には解決しませんが、運用の面では十分御意見を考慮いたしまして、善処さしていただきたいと思うのであります。また御質問の小水力の発電等を、許すかというお話でありますが、これは有効な電力の供給ができるといたしますならば、その経営組織体等にとらわれず、ぜひすみやかにやつていただきたい。場合によりますれば、この方面を積極的に御慫慂申し上げるというような立場も、とらなければならないではなかろうか。かように考えております。さよう御了承願いたいと思います。
  19. 神田博

    神田委員長代理 暫時休憩いたします。     午後零時十七分休憩午後二時三十一分開議
  20. 小金義照

    ○小金委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  この際御報研いたします。休憩前に議長あてに提出しておきました委員派遣承認中請書は、議院運営委員会におきまして、派遣委員の数、十名を、五、六名に減ずることとして、議長一任に決定いたしました。以上御報告申し上げます。これから電気に関する件の質疑を継続いたします。今澄勇君。
  21. 今澄勇

    今澄委員 私は、過日小金委員長代理を通じて、われわれ通産委員並びに安本委員の全委員一致の意見として政府へ申し入れた二條項、すなわち今次の電力料金値上げは、地域別にも産業別にも、非常に不備なところが多いから、これはいま少しく慎重に検討して、各界の代表を集めて結論を出すまで、その実施方を延期されたいというのが、第一点。第二点は、このような電力料金値上げのごとき重要な措置は、常設の委員会として、経済安定並びに通産の委員会等が、常に開かれておるのでありますから、政府はこのような措置をする前に、これらの国会の常設委員会で諮られたいという、二項目を申し入れたことは、委員長承知通りであります。その結果、今日午前中の委員会において、委員長代理から、政府代表にこれが説明を要求し、その説明を承つたのでありますが、私はそれを了承することはできません。第一、このような通産並びに安本の両委員会が、委員全体の一致した意見ということで、與野党の別なく、申し入れた條項に対して、当の責任者である安本長官も姿を見せないということは、まことに不熱意もきわまるものであると思います。私は、このわれわれが申し入れた二條項に対して、一体どういう御見解を持たれ、どういうおつもりで、電気料金値上げを断行されたかを、まず安本長官にお伺いをいたしたいと思います。
  22. 青木孝義

    ○青木国務大臣 ただいまの御質問は、まことにごもつともだと存じますが、この料金改訂の問題につきましては、かねてから電気料金は、他の物価に比較いたしまして低いということで、いろいろわれわれの方といたしましても、研究をいたして参つたのでありますし、また関係筋におきましても、この点につきましては、いろいろと研究を続けて参つてつたのであります。ところが今回の改訂におきましては、いわば電力をできるだけ自由に使い得るというような、一つのアイデアを持つて考えられておるのと、承知をいたしておりますが、まず水力電気というものを基本といたしまして、そうしてその足りない部分は、最近石炭相当に出まわつておりますので、これによつて補いをつけて行くというような考え方で、今回の改訂を行つた次第でございまして、これは関係筋からのメモ等に基きまして、われわれは研究をいたし、今回の改訂を行つた次第でございます。その次に、この間何日であつたか、自分は記憶をいたしておりませんが、そういう言葉があつたように承りましたが、しかしそのときは、大体関係筋からも、そういう通知が参つておりますし、多分閣議の直前であつたかと、記憶いたしておりますが、非常に急いでおりましたために、あるいは御要望の通りに、お答えができなかつたかと思いますが、とにかくも御承知通り、現在改訂いたしましたような内容で、実行をいたした次第でございます。
  23. 今澄勇

    今澄委員 国会へ諮らなかつた点、今後常任委員会に諮るかどうかという点……
  24. 青木孝義

    ○青木国務大臣 これは従来もそういうことになつておりまするが、国会に諮る必要がないということで、お諮りをいたしませなんだのであります。
  25. 今澄勇

    今澄委員 今後はどうですか。
  26. 青木孝義

    ○青木国務大臣 今後も、今のわれわれのやつておりまする状態のもとにおきましては、諮る必要がないというふうに考えております。
  27. 今澄勇

    今澄委員 安本長官の御説明は、しごく明快で、よくわかりました。私は第一点については、後に詳しく御質問いたしますが、第二の、今の御答弁によるというと、通産委員会経済安定の両委員会が一致して、常設の委員会を開いておるのであるから、新国会の常任委員会たるものに対しては、少くとも新聞発表その他をする前に、諮ることが、政府としては当然の措置であるという結論のもとに、申入れたものについて、今度の問題も、なるほど財政法その他の点において、国会の承認を得ないでよろしいということは、明らかでありますが、しかしながら経済安定本部なり、あるいは通産省なりが、そのような大きな問題を、この通産委員会なり、経済安定委員会へ、今後も絶対諮らないで、おやりになるというそのことは、われわれ通産委員全員の意思を、無視したものなりと解釈してもよろしゆうございますか。
  28. 青木孝義

    ○青木国務大臣 われわれは、形式的には今私が申し上げたようなことになつておりまするのでもそういう考えを持つておりまするが、実際には、今後はできるだけそういう重要な問題については、お諮りしたいと自分は考えております。
  29. 今澄勇

    今澄委員 安本長官は、今後も諮らないというお話でございましたが、今度はまた、今後は諮られるということで、まことにどうも、質問のたびに、答弁がかわることは遺憾でありますが、少くとも私は、通産並びに経済安定の両委員会委員が一致して申し入れた、常任委員会政府は重視して、これに事を諮る。これは当然のことであつて、これをもし諮られないとするならば、われわれは重大なる決意を、通産並びに経済安定委員会の名において持ちたい、かように考えておりましたが、今後はお諮りになるということで、一まず了承いたしました。さかのぼつて、第一点でございますが、われわれがその決議をしたのは、十一日の日でございまして、午前中の質疑應答によると、十二日の日に閣議決定なつたということを、私は聞きましたが、もし十二日の日に、会議決定なつたものとすれば、十一日の日に申し入れたわれわれの申入れというものは、十分通つておるはずであると思うのであります。しかも私の聞くところによると、関係筋も、不備な点多多あるをもつて政府がきめたその案については、いろいろ問題もあつた。しかしながらすでに官報にも刷り込んであるし、これは断行しなければ、政府としても面目に関するということで、これを実行することになつたというような情報を、耳にいたしておりますが、もしそのような状態であつたとすれば、この通産と安本の両委員が一致して、これはいろいろの欠点が多いから、再検討すべきであるという申入れをしたにかかわらず、断行するということは、まことに政府としては、いたずらに産業界の混乱を招くのみで、電気料金改訂で、なるほど、値上げをしなければならないであろうという條件は、私どもも認める。しかしながらそれを上げるには方法と、そうして適正なる負担の公平といろいろの問題がある。それらのものを何ら検討しないで、委員会答弁においても、政府みずから各所にこれは矛盾したものであるということを認めながら、しかも先ほど申し上げたような状態において、われわれ通産、安本の一致の申入れにもかかわらず、これが断行されたということについては、最初の安本長官の御答弁と、事情やや異なるものがあると思いますが、詳細にひとつ御説明願いたいと思います。
  30. 青木孝義

    ○青木国務大臣 この電気料金改訂につきましては、大体物価庁が主となりまして、これまでもいろいろと検討をして参つた事柄でございます。そうしてこの電気料金改訂にあたりましては、これまで事務当局からも、いろいろ御説明申し上げたと存じますが、われわれの考慮し得る範囲につきましては、いろいろとあらゆる面から検討をいたしまして、そして関係筋とも折衝をいたしまして、こういうことに相なつた次第でございます。しかしながらこの決定をいたしたにつきましても、なお実行してみなければ、十分に御要求を満たすことができないような、部面もあるであろうし、あるいはまたやつてみることによつて、さらに改めなければならぬというようなことも、起つて来ると思いますが、ともかくも一応のきめは、最善の方法であるという考えで、改訂をいたした次第でございます。
  31. 今澄勇

    今澄委員 私の質問に対して、答弁は適切ではございませんが、深く追究いたしません。そこでこの電力料金値上げに関する十日、十一日両日の質疑応答で……
  32. 小金義照

    ○小金委員長代理 それは八日、九日でですが……
  33. 今澄勇

    今澄委員 八日、九日両日の質疑応答で、私ども結論としたところは、これを実行すれば産業別に、非常に重大な影響を與える。地域的にも、非常に負担のかかり過ぎるところができる。これは全日本の産業の上には、大きな障害をもたらすという結論に、大体通産、安本の合同審査会ではなかつた。それによつてどもは、これはもう少し研究して慎重にやるべきであるということを申し入れたのに、政府はこれを断行して、暫定的措置が一箇月、来月の半ば過ぎには、ぼつぼつそれらの影響が現われるが、もし私どもが指摘した通り影響が現れて、そのために産業経済界に大きな打撃を與え、非常な影響を與えた場合には、われわれの勧告並びに決議を無視して、これを実行されたところの当の責任者である安本長官は責任をとつておやめになるというような、お覚悟があるかどうか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  34. 青木孝義

    ○青木国務大臣 さような覚悟はいたしておりません。
  35. 今澄勇

    今澄委員 さすれば、われわれこの委員会の名において、連合してここに決議をもつて、申し入れたのに、これは無視する。そういうふうな状態が現われるかもしれませんという、さつきの御答弁であるから、そういう状態が現われたならば、責任をおとりになるかと言えば、そういう責任はとらない。そういうことであるならば、私はこの電力料金の問題は、関係方面との折衝その他の客観的情勢から考えて、いろいろ政府として考慮するところが、多多あつたではあろうと思いますが、そういうような心構えで、日本の電力行政を行い、あるいは日本の電気料金を動かすということは、まことに私は国民としては、不満にたえない次第であると思います。そのような無責任な、そのような定見のないやり方をされるということでは、全国の電気需用家並びに電気関係者に、今のあなたの答弁をそのまま伝えるならば、憤激の声は全国に高まると思います。今の安本長官の三つにわたつたお答え、まず第一点は、これはいろいろの條件はあるけれども、あとで影響が現われたならば、直すというつもりで行つたということ、第二点は、そのような実行をしなければならぬことは、関係方面の折衝その他からやむを得なかつたこと、第三点はそれらのことについて、われわれが指摘した通り実情が現われて、産業経済界に重大な打撃を與えても、自分はその責任をとらないという、この三つの点は、かように私がここで再確認をいたしまして、けつこうでございますか。
  36. 青木孝義

    ○青木国務大臣 いろいろと御注意はありがとうございましたが、われわれもこの点については、相当苦心をしてやつて参りました。もちろんやつて見なければ、この後のことはわからないというような部面もありますので、おつしやるような、たとえば地域差におきまする欠点というような点も、われわれも相当考えてやつたことでございますし、また火力料金等の高いことについても、いろいろ考えて見ましたが、何しろ今日の日本の状況では、相当に高い値段になりますが、電気の需用者側が、そういう点について反省もしていただけるということであれば、何とかやつて行けるのではないかという確信のもとに、実行いたしたのでございます。どうかさようひとつ御了承願いたいと存じます。
  37. 今澄勇

    今澄委員 私が繰返し質問をいたしました理由は、この電力料金値上げが実行されて、この態勢で進みますと、来年の一月終りから渇水期を経て、三月の終りに至るまでの間において、今私がここで述べた言葉の何百倍か、強烈な全国的輿論が巻き起るであろうということを、私は想像して、その際に安本長官は、通産委員会において、かくのごとき答弁をいたしたという証拠にしたいと思つて、御質問いたしたのであります。今のあなたのお答えは、まことに政治家としては信念のない言葉である。日本の電力行政並びに産業政策、経済施策の上に確固たる抱負と、経済復興の確信に燃えて、当つておる閣僚の言としては、何としても受けとれないことを、私はここに表明して、以上の点に関する質問を終ります。最後にもう一点は、いろいろ今のような電力料金値上げによる不当な影響を受けておる一般産業について、資産再評価にからんで、特に打撃の大きなものについては、これを考慮して行こうというような含みがあるやに承りましたが、そういうお考えがございますかどうか、安本長官にひとつお願いいたします。
  38. 青木孝義

    ○青木国務大臣 資産再評価について、どういうふうに考えて行くかということについて、まだはつきりしたお答えはできませんが、そういうことの関連において、考えなければならぬということに相なれば、さらに考えてみたいと存じます。
  39. 今澄勇

    今澄委員 少くとも今度の新しい電力料金対策として、地域別に見ても、特に中国のごとく打撃を與えた部面、あるいは産業別に見ても、午前中の御説明にありましたが、いわゆる電力をもととする産業においては、非常なコスト値上りを生ずる。それらの新しい生産原価の問題や、あるいは地域的な産業の問題について、私はこの際資産再評価にからんで、安本はこれらの問題と、資産再評価とをにらみ合せて、乗り切るというような抱負があるものと思いましたが、それらについては、いまだ確定的なお考えもまだないという御答弁だと、承知してよろしゆうございますか。
  40. 宮幡靖

    宮幡政府委員 今澄委員からのお尋ねは、安本長官へのお尋ねでありますが、資産再評価の問題につきましては、通産省に重大な関連があります。安本の方としては、いずれ事務当局にそれぞれの御研究と、御案があろうと思いますが、この点については、私の方から触れるのが妥当と思いますので、通産省として考えております点を、補足的の意味で、この際申させていただきます。  資産再評価税なるものが、日本の産業経済の組織に及ぼします影響は、今まで予想したよりも、きわめて深刻なものがある。御指摘の電気事業、ガス事業のようなものに対しては、一番鋭い響きが参るということが、研究の結果、おおむね明らかになつたのであります。もし再評価をいたしまして、電気、ガス、鉄道というような大資本を投下してあります事業に対しましては、評価が現在の帳簿価格の四・三倍ないし多くても二十倍を越えた場合には、その会社は税によつて欠損となります。それからまた地方税で設けられます附加価値税によりまして、さらに食い込みが多くなりまして、再評価というものは不可能であるという、一つの結論が出て参つております。従いまして、再評価の問題は、シヤウプ博士の勧告によりまして、強制すべき面が、かなりはつきりと出ておつたのでありますが、通産省としては、各種産業に及ぼします影響を、十分勘案いたしまして、まずもつて再評価税を、各企業に対しまして強制しないという方針をとつていただきたいこと、それから再評価の税の納付につきましては、三年間の分納を原則としていただくこと、しかも三年間に各年次に分納しますところの税額は、再評価によりまして、法人税の課税が軽減されるその税額の限度において、徴収する。おおむねかような線をもちまして、せつかく大蔵省で立案しておりますこの資産再評価税法に対しまして、産業面の立場から、通産省の意見を厳重に申し入れまして、今度近く国会に提案されますが、ただいまの状況におきましては、幸いにいたしまして、産業保護の観点に立ちまして、通産省の意見は、相当程度用いられておるように聞いております。この点は十分考慮いたしたい、かように考えております。
  41. 今澄勇

    今澄委員 今の通産政務次官の、いろいろ詳細なる説明は、よくわかりました。それで私は今の電力地域差にからむ問題と、それからこの資産評価に関連した質問を、重複するので、打切つて同僚議員に譲りますが、結論として、安本長官は、電力値上げの問題についても、何ら御信念がない。資産再評価の問題についても、安本としての計画が、はつきりおわかりになつていないように、私は思います。少くともこのような経済計画の中心庁である安定本部は、こういつた問題について、もつと大きく安本長官として実態を把握した、信頼できる決意を持つていただきたい。かように希望するとともに、本通産委員会としては、われわれが委員会全員の意思をもつてきめたことを、何ら顧みることなく行われたこの電力料金値上げがもたらす、あらゆる影響については、その全責任は政府が持つものだ。私どもは今後この観点に立つて、これらの電力料金値上げがもたらした、あらゆる現象について、今後も、安本長官、並びに通産大臣の責任を追究することを、ここに留保して、質問を終ります。
  42. 小金義照

    ○小金委員長代理  伊藤憲一君。
  43. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 午前中同僚議員からも、また休憩後、今澄委員からも言われましたが、観点がちよつと違いますので、お伺いしたいと思います。  先ほど坂田政務次官も、また宮幡政務次官も、今月の十一にわれわれが連合審査委員会で、満場一致で、あの決議をしたというふうに勘違いして、答弁されているようでありますが、これは十日に値上げするということが、新聞に発表になつた。そして八日と九日に、これを審議した。その発表の前理をしておられる小金君が持つて行きまして、申入れをしたこの全会一致の要望に対し、この要望はいろいろ問題があるから、審議を延ばして、国会に審議をさせろと言つたのです。この期間は、三日に上るから少くとも中三日はる、三日あつたにもかかわらず、われわれに対しては何のあいさつもない——あいさつと申しましても、いわゆる仁義的なあいさつじやなく、実際問題として重要であるから、もつと審議しろということを言つた。もしそうでないとするならば、これは先ほど国会を無視するのでないと言われましたが、これは国会を無視したと解釈せざるを得ないのですが、この点について安本長官でもけつこうですが、宮幡政務次官からも、お答え願いたいと思います。
  44. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま伊藤委員から、誤解があつたのじやないかという、御指摘でありますが、先刻門脇委員からのお尋ねに対して、その点お答えしておきましたので、あとで速記をごらんいただきますれば、そのところはわかると思います。なおそれを若干繰返してみますと、法制的に申しますと、国会に諮らなくてもよいということにはなりますが、国会の権威をあくまで尊重する意味において、御相談を申すべきことは、これは論をまたない。従来もそうであるし、将来もそうであると考えております。こういうことも申しております。それと、この申入れをいただきましたことにつきまして、通産省といたしましては、産業面に打撃の行くことが、非常に大きいことを考慮いたしまして、実際の運用の面において、電気割当とか、あるいは力率等の問題につきましても、十分考慮いたしました結果、運用の面でも、相当の緩和はできることはできるが、なお足らないから、ぜひとも委員会からの御要望もあるので、これを含めて司令部との交渉をいたしたい、こう申しまして、ただいま電力局長は、参議院の方に参りますけれども、いろいろとその衝に当つて、交渉していただきましたやさきに、先刻門脇議員にお答えしたように、十二日にどうしても閣議決定をしなければならないような、客観情勢になつて参りまして、閣議にかけて十三日に発表した。かような状況なつたことを、繰返して申し上げます。私は決して安本その他の官庁のお立場を、弁護しては申しません。通産省といたしましては、ぜひとも委員会の御意向を尊重した方向に、進みたいと考え参つたのでありますが、どうしても情勢が十二日の閣議決定をせなければならないことになつて、十三日に実施されたのでありますから、この点はぜひ御了解いただきたいことを、重ねて申し上げます。特にこの点につきまして、なお伊藤委員からの御要望、また今澄委員からの御質問もありましたので、こういうことを申すべきかどうかはわかりませんが、われわれ主として考えておりますことは、国会が国の最高権威であることには、議論のないことであります。同時に議院、内閣制度をしいております以上、内閣を通じて、行政の監督を国会がいたしますことも、これも明らかであります。しかしながら情勢そのものによつては、立法府と行政府とは、画然たる一線が引かれていいじやなかろうか。これはりくつでなくて、国会政府とが緊密一体となつて、お互いに協議をして進む態勢が、正しいのでありますが、これを理論的に、いずれか決定するということには、若干の疑問を持つておるわけであります。しかし通産省といたしましては、ぜひ御協議いたしまして、お話合いの上でできるならば、これ以上のよい国政はなかろう。かように思つておる次第であります。どうか御了承願いたいと思います。
  45. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 私はなぜそういうことを申し上げるかというと、実際の進行においで国会というものが、無視されておる。それはあとで質問しますが、直接の問題といたしましては、九日には特に共産党の議員側は、時間がなくなりまして、五時で終るというので、たしか四時半ごろになつて質問をしたのであります。重要な問題だけお伺いして、その中で特に再接続手数料と、需用供託金、これは今度の値上げの表を見ますと、電気需用保証金というふうに名前がかわつておりますが、実質的にはかわつておりません。このことについてこういう質問をした。労働者で百二十八円の料金を抑えないような今日の遅配状態、失業の状態において百円、一方において百六十万とか、二百万とかいう電気料を滞納した場合には、五百円しかとらない。こういうことについてお伺いしたいと言つたのに対して、川上政府委員は、第一の問題、すなわち手数料の問題については、いろいろ研究しておりまして、五百キロ未満につきましては、全然かえるか、あるいはもつと額を少くするかという点につきましては、まだはつきりきまつておりません、こういうふうに言つてつたのであります。もう一つは電気需用供託金、これは厖大なものです。これについて電気需用供託金という制度が、今度設けられるかと、私が質問したのに対して、今度の改訂におきましては、供託金制度はやめることにしてあります、こういうことを言つた。ところが十二月三日の電気新聞に発表になつた、値上げの表を見ますると、明確に電気需用保証金というものが復活しております。第一番に五百キロワツト以上に対しては五百円、つまり二百万も三百万も電力料金を洗わぬ者に対しては、五百円で再接続する、百二十八円の電気料が拂えない者には、百円でやるようなことはしないということを言つたのに対して、現実には無視してその通り決定している。これより重大なのは電気需用保証金でありまして、これは平均の電気料の二箇月分を供託をすることができる。こういうふうになつております。これにつきましては、十七日の参議院の本会議で、社会党の栗山良夫君から質問しまして、稲垣通産大臣が答えておりますけれども、しかしこういうようなことに対して、とにかく九日にはこの連合審査会でもつて、こういうことはやめますと言つておきながら、それこれ何らのあいさつもなしに、こういうことを復活したということについて、私はお伺いしたい。
  46. 藤田勇

    ○藤田説明員 お答えいたします。供託金の問題につきましては、向うの方からのメモランダムと申しますか、デイレクティブではございませんが、勧告の中にも明記してございまして、これについてはわれわれも相当司令部の方と折衝いたしたのでありますが、とにかく一応こういう規定を設け、てみろ、こういう強い勧告がございましたので、これを載せたのでございます。しかしながらこれは先般の参議院の栗山委員に対しましての、政府答弁の中にもございましすように、大体こういうものは実際にはとらない、こういう指導方針のもとにやつております。従いましてそのときの答弁をいま一度繰返してみますと、供託金は特殊需用のみに限定いたしまして、なるべく濫用しないように指導するのだ。それから特殊の需用というものは、どういうものかと申しますと、特殊の工事を必要とする臨時供給、あるいは特殊な新規需用者、あるいはまた常例的に滞納をやつている方、こういつたものにのみ行いまして、一般の需用に対しましては、従来通りとらない。こういうふうに指導をしております。
  47. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 これに対して、私は参議院における国務大臣の回答を、ここに持つて来ておりますけれども、しかし問題なのは、ここで少くともこれはやめますということを言明しておきながら、もし復活するのであつたら、この通産委員会及び安定委員会に対して、実はああいう答弁をしたけれども、こういうことになりましたという回答があつて、しかるべきだと思うのですが、どうですか。
  48. 青木孝義

    ○青木国務大臣 これはただいまも事務当局から申し述べておりまするように、大分いろいろな関係から急ぎましたために、御要望におこたえしなかつたというのか、お答えしておいたことがその通りに実行できなかつたというのか、ともかくもそういうことで、お約束したことをその通りに実行しないで、急速にきめてしまつた、こういう点ははなはだ申訳ない次第でございますが、非常に急いでおつたということで、お諮りをせずにきめたような次第でございますが、ひとつその点非常に急いでおつたということで、御了承願いたいと思います。
  49. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 そこでわれわれの決議が問題になるわけです。どだいこれは値上げをする根拠がないのです。現に総括原価については、需用種別原価についても資料を持ち合わせて来ないで、あれは今週ですか、とにかく一週間以内に出すということを約束せられて、わざわざ共産党の控室に、風早委員のところまで断りに来られた。ところが来ておらない。そしてこの前の連合審査会のときに、何が原因で上げるのかと言つたのに対しまして、五千三百円の賃金が、実際には七千百円ベースで拂われているということと、もう一つは、戰争中に焼けた火力発電所を復旧するために、電気料の値上げをするという、こういうむちやな話はない。そこで、基礎になつている原価はどうかということに対して、根拠を示しておらない。だからわれわれはもつと審議させろということを言つておるのです。そこでもし実際にわれわれのことを無視しないで、そして今度の値上げをやつているならば、私は責任を持つて政府に御答弁を願いたいのですが、先ほど問題になつた点から申し上げます。第一番に、先ほど門脇委員からの質問に、中国地方において電気が二・六倍になるという問題があつたわけです。これは実際に私がここで川上第三部長の数字の基礎に基いて計算すると、小口料金中国地方におきましては、二・五七倍になります。ところが小口料金については、これは割当の調整をしないという。そこで一般事業その他についてはどうなのだ、これではやつて行けないじやないかということに対して、割当をもつて調整するということを言つております。すなわち小口の労働者や農民のような勤労階級に対しては、中国地方においては二・五七倍上るということは事実です。しからばほかの大口電力や、あるいは直接産業影響を及ぼす電力はどうかと言つたら、これは割当で調整するという。割当で調整して、こういう大口としての電力料が、現実に軽減されるならば、これはますますもつて大衆収奪になつて来ると思う。その点をもう一回私は確認しておきたい。そうしてそういうことの結果、今度の電力料金というものは、需給規定によりまして、四十五日以内に拂わない場合には切られる。だから四十五日以内云々ということは、今までの集金制度をやめて、税金と同じ性質を帯びるのです。郵便局なり銀行の窓口に行つて、四十五日以内に支拂わなくてはならないという税金の性質を帯びる。すなわち一方において実質上の電気料金の負担というものは、小口需用者にかかつている。大口需用者は、政府説明によると、割当で調整してこれを軽減する。そうすると負担を受けるのは、極端な場合には二・五七倍、これは関東においても小口需用は、二倍を越えております。そうなつたときには税金の性質を帯びて、銀行の窓口か何かに持つて行かなくちやならないということになつて来る。もう一つはそういうことになりますと、今度は電力、その他電燈の場合でも、従量の場合はそうでありますが、メーターを計算する。つまり超過料金関係から計量するということは、一日もゆるがせにできません。これは電気労働者に対して、厖大な労働強化を及ぼすものでありますけれども、こういう点も政府は考慮して、今度の値し上げを決定したのですか。これをお伺いしたい。
  50. 藤田勇

    ○藤田説明員 私が御説明申し上げます。  地域差の点でございますが、これは電燈におきましては、御承知通り定額電燈と、従量電燈がございます。定額電燈につきましては、夏と冬の料金差がありまして、大体四十ワツト二燈をつけておる家庭の定額としては、どのくらい上るかと申しますと、従来夜間を主としてお使いになつていた家庭と、それから書夜間とも使用する需用者の二つにわかれますが、夏におきまして夜間料金が今度廃止になりまして、書夜間料金制一本になりました。従いまして夜間料金のみの従来の需用家は、これは晝夜間料金のかわる、こういう形なるため、全国平均いたしまして、夏は七割八分のアツプなつております。それから従来の晝夜間料金の方は、全国平等に一割九分の値上りなる。それから冬の場合はどうなるかと申しますと、冬は御承知通り地域差が少し入つておりますため、定額電燈の夜間の方が、晝夜間にかわりますと、中国では二割四分——二・四五倍、それから九州が二・三八倍、それから関東あたりでも二・一五倍、こういうことになります。晝夜間を使つておられた方は、一番上るところの中国で六割四分上る、こういうことになります。それから従量電燈は、中国におきましては、大体九燈くらいおつけなつている家庭を標準といたしますと、五割六分の値上りつております。定額は御承知通り夜間が、晝夜間制にかわつたため大きくなつた。こういう点をひとつ御了承願いたいと思います。それから電力料金の方でございますが、これもいろいろ負荷の関係によりまして、相違がございます。大体見ますと、たとえば小口電力つきまして申しますと、需用電力五十キロワツト未満でやつて見ますと、基本料金——今度はこれを需用電力料金と申しますが、基本料金で五割の値上りになつておりまして、それから電力料金では中国では四割四分、それから北陸ではずつと下りまして、〇・六二倍ですから、三割八分の値下りなつております。そういうことで両方合計いたしますと、先ほど午前中に申し上げました通り中国では四割八分の値上げになつております。それ対しまして関東あたりは二割四分、こういうところもございます。一番高いのが九州の五割二分になるわけであります。大口の方は、——これはうんと大口の方はちよつと例をやつておりませんが、大体五十キロワツト以上のもので計算いたしまして、十万キロワツト・アワーぐらい使う場合はどうなるか。これは御承知通りキロワツト・アワーを使えば使うほど、アワー料金地域差が出ておりますから、大きくなる。基本料金の上り方は大体同じでありまして、大体五割程度つております。中国も五割、一番多く上つたところは関西の六割というのが一番上つておりますが、これはアワー料金の方と比載いたしますと、中国は四割七分なつております。しかしこれも先ほど申し上げました通り電力量をうんと使う負荷率が非常よくなるところには、かりに力率料金の割引とか、あるいは負荷率料金よる割引とかを考慮しないとすると、五割から六割くらいなつて来ると思いますが、一応負荷率三〇%程度のもので、大体こういうことなつておりまして、値上り状況は、特に各産業別に見ますと、たとえばカーバイトの場合はどうか、硫安の場合はどうか、石灰窒素の場合はどうかというのがございますが、これは説明を略しまして、それから延滞金のことでありますが、これは御承知通り早取り料金については、調定額を調定いたしまして、十五日以内に拂込みがあつた場合には一割引をする。こういうことなつております。それから十五日を越しまして三十日ですか、経過しますと、結局最初からも言いました四十五日のものつきましては、延滞料を取る。こういうこと相なつております。それから十五日と四十五日の間の三十日分ついては、料金表面のクロスの価格を取る。十五日以内のものは一割引なる。こういう計算なつております。
  51. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 全体として今のような御答弁でなしに願いたい。これはあとでお話します。ただ安本長官にお伺いしたいのですが、今度の値上げを日発でやつて、これを通産大臣が許可した。こういうことなるのですが、この値上げの理由の説明として、五千三百円べースになつているのを、実際には七千百円べースで支拂つている、こういうことを言つているわけです。ところが実際はこれは一月から企業努力と称しまして、すなわち経営自体に内容があると称して、日発では七千百円を支拂つているのです。そうしてこれは今年の四月労組法よる調停委員会かけまして、ダイヤモンドの社長をしておつて——また社長なつたか知りませんが、同時に中労委員会の中立委員である野崎龍七氏が計算した結果、組合が十六億円の黒字があると言つたのに対して、二億の黒字があるという査定をしている。そうして一、二、三月にわたる三月分として千四百五十円を、各営業所その他変電所とか、そういうところよつて名目をかえております。たとえば宴会費とか、旅費とか、手当とか、名目はかえておりますが、実質的には支給している。これは最初千九百円支給するはずであつたが、そうしますと関係当局との数字と合致するというので、五十円だけ削つて千四百五十円ということで支給している。これは四、五、六とは支給しておりませんが、七、八、九にはやはり五百円ずつ名目をかえて同様支給している。それから十一月三十日だと思いますが、八億四千万円を出し得るということを、調停委員会が認めた結果、平均六千円ずつ従業員支給しているのであります。従つて第一点は五千三百円が実際七千百円で拂われていると言うが、これは企業努力つて拂われているのであつて、こういう値上げをする根拠には絶対にならない。いわんや戰災を受けて、火力発電所が焼けたものを、電気料金値上げすることよつて埋め合せするということは、どうも私ども値上げの根拠ならないのでありますが、今回の措置はそういうことを御承知の上でやつておられるか、伺いたい。
  52. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま伊藤委員のお尋ねでありますが、御意見の点は御意見として承つて、なお研究させていただきますが、値上げの根拠につきましては、安本側の説明と、われわれが考えておりますことと、ただいま承りますと若干の食い違いがあるのでありまして、その点はまた適当な機会一致さしていただかねばならぬと思います。通産省といたしまして値上げの根拠と考えておりますのは、五千三百円のべースを基本といたしましたところの賃金べース、それを値上げ前の料金の中に織り込んであつた火力出力を増しますため、昨年度までは三百六十五万トンの石炭をたいておりましたが、今年は四百七十万トンをたく、この原価が織り込んでない。それから約百七十億円と予想されます火力の出力を増しますところの修繕費が、九十六億円しか値上げ前の電力料金のペースは入つておらなかつた。まだほかにもこまかい要素がありますが、大きな点はその三つよりまして、どうしても最初は一・五九倍程度値上げをしなければ、この足りない分が補足されないではなかろうか。こういう状況から本年の三月以来、電気料金値上げの問題が、必至に考えられて参つたのであります。その後一・三二二倍というようなことも、上つてつたわけでありますが、その間日発の経営がお説のようにダイヤモンドの方でお調べの結果二億、労組のお調べは十九億の黒字があつたということでありますが、これは御意見として承つておきますが、その通りだとも、その通りでないとも申し上げる材料を、ただいま持つておりません。要するにさような状況で、一番難点のできましたのは、火力発電使います四百七十万トンの石炭の購入が、困難なつて参りまして、特に配電会社の方に貸してありまするところの売掛金を、大いに回收いたしましたが、なおかづ配炭公団に対します石炭の未拂金が、増嵩して来る形でありましたので、これに対しまして大体十五億円と思いますが、緊急の融資等もいたしまして、実際は二十五億円程度やらなければ火力発電の出力を、来年の二月の一番渇水期おいて、最大の出力を出すことができない予想で、その準備態勢としては、二十五億円くらいの金融が、必要でありまするが、その余はいわゆる関係筋で調べた結果は、赤字融資となるので絶対にいかぬ。料金値上げされた上おいては、赤字融資でないから、つなぎ資金はよかろう、けれども料金値上げされないとすれば、赤字融資であるから、現在よいか悪いかは別として、予算操作の面からして許されないので、不十分なるつなぎ資金をいたしたような現実であります。通商産業省といたしましては、日発が黒字であるということの御指摘は、少し研究さしていただかないと、この際お答えできませんが、値上げの根拠はおおむね指摘しました五千三百円と七千百円ペースの差、石炭の三百六十五万トンが四百七十万トンにふえたこと、火力を来年二月の渇水期に最大出力を出すために補修費を見る。あえて戰災と申すのではありません。それに対し百七十億円程度の補修費が必要なのが、九十六億円値上げ前の料金の中に織り込んであつた。これを是正するための値上げである。かように私どもは主張して参り、またその通りであると、ただいまも信じております。それから従業員に対しまする、各種の臨時の手当の支給につきましては、これは中労委も入つておることだし、日発には日発として経常担当者がありましても労使双方で、お話しくださいました協定に対しましては、通産省において特に不都合だというので、監督権の発動をいたさなければならないと感じます材料のない限り、両者のおとりはからいをそのまま見ておきたい、かような考えでおります。
  53. 風早八十二

    風早委員 安本長官に質問を留保しておきましたが、きよう安本長官が来られましたので、一点だけ伺いたいと思います。それは先ほど門脇委員その他からすでに出ておる認可権の問題でありますが、電力料金の認可権は、これは大臣が持つておるから、従つて国会に諮る必要はないという見解で、国会に諮らなかつたと言われますが、その点について私は根本的に反対です。この認可権というものを一体安本長官は、どういうふうにか考えておられるか、これについて伺いたいのであります。
  54. 青木孝義

    ○青木国務大臣 これは従来電気事業法の第十七條に、これを認可するということについては、政府決定によつて認可する、こう書いてありますので、それに従つた次第でございます。
  55. 風早八十二

    風早委員 大体この認可というものは、すべて政府のやられることは国会できめて、それを政府が執行するというのが建前でありまして、これは民主主義の根本的な原則であることはいうまでもないだろう。何でもかんでも国会で、一々こまかいところまでやるわけに行かないから、そこで一定の範囲内で、これを政府の認可にまかしてあるわけであります。しかしながら問題が非常に重要である。今度のように非常に国民経済、ひいては国民生活に甚大なる影響を與える。これは日本の産業構造をおそらく根本的に変化させるほどの電気事業の再編成の前提であるということは、これはだれも常識としてもわかつておることでありまして、そういう点から非常に甚大な影響がある。この電気料金値上げにつきまして、これは当然政府国会に諮るべきである。そこで初めて民主主義の政府である。つまり国会の政党の政府である。こういうことが言えるであろうと思う。そういう点で今の長官の御答弁では、まつた国会というものを無視しているということに、当然帰着すると思うのでありまして、この点について長官は国会を一体無規しているということをはつきり認められるかどうか。この点を重ねて伺つておきたいと思います。
  56. 青木孝義

    ○青木国務大臣 先ほど私がお答え申し上げました点に、ちよつと訂正を加えさせていただきます。実は私は認可とおつしやいましたので、その意味で認可申し上げましたが、そこが少し違います。電気事業法の第十七條第一項の規定によりまして、第一條第一号の電気事業者の電気料金決定するということで、決定ですから、そのところは訂正をいたします。ただいまの風早委員のお言葉でございますが、その点まことにごもつともでございます。私は従来の行き方をそのまま考えて参りましたので、これまでのやり方についても、もちろん反省を加えるべき点が多々あろうと考えられますが、今回実行いたしました結果につきまして申しますならば、もちろんこれは重要なことでありますから、国会に諮るということについては、私ども実際的にはその通りだと思います。今後とも実行いたして参りたいと思いまするが、何分従来こういうふうにやつて参りましたし、また早急でございましたため、自分としては決して国会を無視するというような考えは、みずからも国会議員でありますので、さような考えは持つておりません。しかしながら電気料金決定につきましては、先ほど申し上げましたような次第でございますのでこれを早急に決定をいたした次第でございます。
  57. 風早八十二

    風早委員 先ほどのお答えでは、事態が非常に急迫しておつて、間に合わなかつたのだというような趣旨であつたと思いますが、今伊藤君から指摘しましたごとく、実際そういうことは理由にならない。これははつきりお認めになると思うのであります。さらにわれわれの全会一致の申入れに対して、全然無視された点につきましては、もう先ほど各委員から十分指摘されましたから、私は繰り返しませんが、結局先ほどの諮る必要がない、またこれからも諮るつもりはないと言われたその考え方が、やはり随所に出て来るところに、根本的な問題があるのでありまして、そういうことでは今日大臣が勤まるとは思わない。特に私はあなたの同僚の学者として、あなたは民主的な学者として、大臣になつておられるのでありますから、なおさら私は残念に思うのです。この重大なる問題の決定にあたつて国会を全然無視し、しかもそういう形式論理を振りまわされることになると、これは専制君主時代の大臣とちつともかわらない。これからわれわれは安んじて政府に政治をまかせることができなくなるわけであります。むろん今後の問題だということになれば、それまででありますけれども、私は大臣に十分責任があるということを申し述べておきたいと思います。さらに責任をとる意思がないということを、今澄委員の質問に対して答弁せられましたが、これは重大なる発言だと思います。こういう決定をするについて、国会相談する必要はない。しかもそれによつて事態が非常に悪化しても、それに対して責任をとらない、これこそまつたく専制君主時代の大臣と、まつたく選ぶところがないのであります。こういう点において徹底的に反省されて、さらに前言を今はつきりと取消していただきたい。とにかくあなたは国会の意思を無視してやられたのであるから、それだけの責任はとらなければならぬ。そのことを今はつきりと言つていただきたい。
  58. 青木孝義

    ○青木国務大臣 ただいまの風早委員のお言葉でございますが、これは将来のことに属するので、お話の点はわれわれもできるだけ注意して、そういうことの起らないように努力もいたします。しかしともかくも確信を持つて、これを実行したのでございますから、先ほどの御質問に対しましては、別にそういうことは考えておらぬと、こう申し上げたのでありまして、ただいまもそうお答え申し上げるよりほかございません。
  59. 風早八十二

    風早委員 その確信なるものがはなはだあやふやなもので、とにかく今まで安本で扱われた諸政策、貿易にしても確信があるからと言つて、年度初めには出されますけれども、その政策はさつぱり実施されないし、根本的に失敗してしまつている。そういう点から見ても、この確信なるものは官僚の独善です。かつてに確信をもつてやられ、国会を全然無視している。そしてこういうような事態が起つても、少しも責任をとらない。これでは民主主義の大臣とは言えない。そう断ずるよりしかたがないと思います。この問題の重要性は、やはりその実質にあるのでありまして、これが日本の産業構造を根本的に変革させるような、重大な意味を持つた電力事業の再編成に、面接関係しているということについては、あなたもお認めになりますか。
  60. 青木孝義

    ○青木国務大臣 これは電力再編成という問題と、かかわりがあるかという最後の点でありますが、ただいまのところ、それらの問題については研究中でありますので、今回の料金改訂が、どれだけのかかわりを持つかというような問題については、ただいまのところではお答えいたしかねます。
  61. 風早八十二

    風早委員 研究中だというようなことを言われるが、実際にこれは非常に関係があるのである。日本の電力というものの、産業全体の構造の中で占めるその関係を見ますれば、今度の地域差の問題は、重要要な影響があるということは言うまでもない。しかも電力再編成の問題は、もう出ているわけであります。新聞などにはもう発表されている。それとこれとの関係は今研究中だというような、そういうあやふやな前提で、今一挙に電力料金値上げをされるということは、まつたく無責任もはなはだしいと思う。先ほど電力料金そのもの面から、いろいろ問題も出ておりましたけれども、こういう根本的な将来への影響ということを、何ら考慮されないで、研究中で倉皇として出されるということは、はなはだ血責任じやないですか。この点については、今電力再編成審議会あたりで、いろいろ審議しておられるという話でありますが、その審議が終らなければ、この問題はわれわれ国会側に対して説明をやらないというのが、今までの政府答弁であつた。そうしてみれば、それと直接の関係のある電力料金についても、同様にこの審議会の審議もまだ終らないのに、これだけを先に上げて、既成事実をつくつてしまうということになると、あなた方は審議会を尊重されると言うが、事実それも無視した結果になるのではないですか。その点は安本長官はどういうお考えですか。
  62. 青木孝義

    ○青木国務大臣 電力再編成についての問題は、特に通産省において審議会を設けておりますので、通産省の方からお答えをしていただきます。
  63. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま承つておりますと、たいへんむずかしく話が進んでいるようでありますが、そのむずかしいとお考えになることも、私個人といたしましては、ごもつとも千万と実は思つております。それで電力料金が……
  64. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 大臣がお急ぎのようですから、お帰りになる前に、ちよつと伺いたいと思いますが……
  65. 小金義照

    ○小金委員長代理 それでは伊藤君簡單に願います。
  66. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 今度の値上げ措置について、日発から各配電会社への電力の卸売値は、きまつているのですか。
  67. 青木孝義

    ○青木国務大臣 ただいま計算中でございまして、まだ決定はいたしておりません。
  68. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 しかしそれはずいぶんむちやな話だと思うのです。卸値も決定しないのに、値上げするということはないと思うのだが、あなたはどう思いますか。ただいま計算中という話は、何を根拠にして値上げをされたのですか。何のために値上げをしたのかわからない。それを御答弁願いたいと思います。
  69. 藤田勇

    ○藤田説明員 電気料金決定は、従来からもそうでございますが、大体日本発送電会社及び九配電会社の総経費を算出いたしまして、一方それに対しまして需用電力を想定いたします。供給力を想定いたしまして、それから販売間におけるキロワツト・アワーがどうなるかということを出します。ソうしますと一方に総括原価が出ます。それから一方に販売のキロワツト・アワーが出ます。これでもつて除しますと、いわゆる電気料金の平均のキロワツト・アワー、販売料金が出ます。これでやつておりまして、その内部は、御承知通り配電会社と、発送電間の問題でありますから、配電会社が発送電の経費をいかに配分を受けるか、要するにどういうふうにしてきめるかということで、これは厳密な意味の統制価格でなくて、結局電気事業者間でもつて話合いをつければいいものだ、こういうふうにしてやつております。まず小売の方をきめろと申しますが、結局その中には発送電の経費も、配電会社の経費も全部入れてやつておる。こういうことで一元的に一つの会社と見なしてやつております。
  70. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 安本長官、それは逆ではないですか。今藤田事務官から言われたことが数字の上に現われて、しかる後に値上げになるということが、ほんとうではないですか。そうでないと、今度の値上げはでたらめにきめたというふうに、解釈してよろしゆうございますね。
  71. 風早八十二

    風早委員 今度のは、総括原価が出てなくて、料金を先にきめて、それから逆にゆるゆると原価を逆算ででもやつて行こうといつたような、そういう建前なのです。これはまぎれもない事実なんだ。その証拠に、先ほど伊藤君から聞かれたように、卸値というものが全然わかつておらない、きまつておらないのです。そういうような事情ですね。これは大臣が先ほど、大臣の腹一つで認可というものが——これはそこへ持つて行くいろいろな議論がありますが、時間がないから結論を言いますと、認可を非常に急いでやられました。それは国会を無視してやられた。そういうふうに大臣が何でもできるというなら、今度はひとつ頭を入れかえて、国会意見を聞かれる——将来は大いに聞くというふうに、さつき訂正されましたから申し上げますが、われわれとしては、大臣が今度は大臣の腹一つできまるのでありますから、この認可を取消す。そういうことに結局ならざるを得ないのです。というのは、今一切の電産の労働者諸君、つまり実際にその仕事をやつて行きます職員諸君は、どういうことであるか、それは今やれないということを言つておる。電気料金値上げをやつても、やれないと言つておるのです。完全にこの点についてはやつておらないのです。政府は十三日からやれということになりましたが、やつておらないのです。おそらく当分やれないと思う。そのやれないというのは、労働者諸君がただやらないという、そんな意地悪いことでやらないのではない。この中に、実際やれないようなしろものを、天降りに持つて来てやれと言つたつて、それは職員としてもやれない。そういうような事態が実は起つておるのです。これをあなたは御存じですか。それを考えれば、やはりこの認可ということについては、今からでも遅くはないですから、まだ実際やつていない間に取消される。そのくらいのことを考えていただきたい。きようは非常に小人数で、委員会としては、まだまだその点については、いろいろな御意見も各委員から承らなけりませんが、私としてははつきりそう申します。認可を一日も早く取消していただきたい。大臣の御意見を伺います。
  72. 青木孝義

    ○青木国務大臣 決定を取消す意思はございません。
  73. 宮幡靖

    宮幡政府委員 中途で切れましたが、料の地域差の問題が、電力再編成に重大な関係があるではないか。お言葉をそのまま承りますと、その通りに分断されるではないかという響きにも、受取れたのでありますが、これは考え方によりましては、まつたく一致するものだということも、決して否定はできないと思います。そうかといつて、現在の状況におきましては、必ずそうなるのだということを納得しなければならないような状況でも、実はないのであります。(「それは実施できないからですよ。」と呼ぶ者あり)そこ今御指摘のありました電力再編成審議会におきまして、いろいろ通産省の諮問機関として検討を続けていただいておりまして、現在の状況は、各主要産業別のヒアリングをやつております。これが数日いたしますと相済みになると思いますので、それらをまとめまして、順次いろいろな計画ができて行く。あるいは私語のように申された、それは実施できないからきまらぬのだというようなことも、あろうと思いますので、そういう重要な問題でありますから、正式に諮問機関から答申のありましたときには、ぜひともこの委員会にお諮りいたしまして、最後の案を練り上げるという構想にして参つた方がよいではないか。かように考えますので、ただいま審議会の方は、主要業者を集めまして、順次ヒアリングを進めておる。かような段階にあることで、電力料金はただちにそれに密着する。しかしながら結論として、絶対に現在予想されますような分断方式にならないということも、私は否定できない。かように申し上げておきたいと思います。
  74. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 さつきの電気料金の問題をあとまわしにしまして、簡単に——値上げの基礎になつております四百六十五万トンの石炭を使うということを前提として、今回の値上げが行われたのですけれども、しからばこれだけの、石炭を使う設備があるとお考えになつておるか、また考えておるばかりでなしに、具体的にそういう資料を持つておるか、これを宮幡政務次官にお尋ねしたい。
  75. 宮幡靖

    宮幡政府委員 御指摘の点ごもつともでありまして、ただいま事務当局がおりませんから、どの火力発車所がどこまで進んでおるという、こまかいことは申し上げかねます。しかしながら電力料金値上げが遅れました関係で、先ほど申しました補修費の百七十億円を予定しておりましたのが、九十六億の線でやつております。そのほか、ときどきおしかりをこうむります通り、役所の仕事というのは、なかなか予定通りに進みません。それで火力の復旧というのは、待望しておりましたよりも遅れておることは、事実でありますが、二月には、本年期待いたしましたところの、火力の発電の能力ができるようた段階に、今一生懸命で進んでおります。あるいは一割ぐらいはどうもその目的に達しないのじやないかと思つて心配いたしておりますが、石炭の手配も済みました。修繕の方も、セメント事情等の緩和によりましても今までよりは進んでおりますが、何分にも計画と実施の間にずれがありますので、あるいはおしかりをこうむるようなところも、何割か残るのではないかと心配しておりますが、計画としては。幸いにこの料金値上げということによつて、つなぎ融資もできることになりましたので、進行することが可能であろう、かように考えております。
  76. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 この問題は見解の相違では納まりませんから、具体的に何万キロワツト、何千キロワツトの設備が、どれだけ必要であるかということの資料を出していただきたい。そうしますと、今鶴見、隅田、こういつたようなところから、たくさん火力発電所の再開について請願して来ておりますが、そういうものを復旧する可能性があると、解していいわけですね。
  77. 宮幡靖

    宮幡政府委員 その点は、資料はさつそく整えましてお手元へ差上げるようにいたしたいと思います。それでただいま御指摘の火力発電所の中においては、本年度の台風によりまして浸水等をいたしましても最初復旧すべき数でないものも、復旧しなければならないような状況になつております。これらの進捗稚度につきましても、あるいは計画その他をお示しいたしまして、民の声におこたえできるような資料をつくりたい。かように考えております。
  78. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 電気料金について二、三質問して終りたいと思うのであります。先ほど藤田事務官から御説明がありましたが、きよう川上部長が来ておられないのは非常に残念であります。この前の連合審査会のとき、川上部長は小口電気が二倍、それから大口電燈が一・二五倍、それから小口と大口の電力料が一・三五倍に上る。こういうふうに説明されております。私がこれは單なる地域差でなしに、需用家の層によつて相違があるのではないかと言つたら、これに対する回答として、大体労働者とか、農民とか、こういう、いわゆる昔の言葉で言えば、無産階級の人々の料金は二倍に上る。そうして大口の方はこういう状態である。こういう説明をされております。藤田事務官がいろいろ説明されましたけれども中国という所は、労働者もおれば、農民もおり、大資本家もおる。そういうことでこれを平均いたしますと、四割七分ということになりますけれども、これは中国に住んでおる住民の大半を占める労働者や農民にとつては、実際の統計は二・六倍になるということは、既定の事実であります。こういうことはすでに川上部長が確認された上で言つているのでありますから、その点を私ははつきりさしていただきたい。こう思うのであります。そこでそういうふうになりますと、そうなつ料金でおいて、一方においては大口の方は割当でもつて、つまり電気代が下るようにするということになれば、ますますもつて小口料金の方は固定してしまつて、その固定したものが、今度は税金式にやるということになれば、今言つたように卸値もきまらないうちに、こういうことをきめてしまつておいて、それではまるつきり新しい形でもつて、税金をふんだくると同じ形になるのではないか。これに対して政務次官の御見解を聞きたい。
  79. 宮幡靖

    宮幡政府委員 伊藤委員の論旨を順次伺つておりますると、一応そういう考え方になる面もあると思います。つまり大衆の犠性で、大口消費春が割合楽をするのではないか、こういうことになろうと思います。しかしその徴収の仕方がキップを出して十五日以内には一割負けるぞ、三十日以内に出せばそのままでよい。あとは罰金を取るぞ。かようなことになると、税金の取立てと同じことになる。私はさようなことになると思いますが、先ほど安本大臣からお答え願つたらよいと思つてつたのでありますが、十三日では実際できないではないかということは、風早委員からも御指摘がありましたが、実際に実行に移るのは通産省の見込みとしては、一箇月の準備期間を要すると思うのです。(発言する者あり)これは私の方の見方でありますから、すなおにお聞き取りを願いたいと思います。一月の十三日ごろでなければ、この線が出て来ないだろう。それで先刻門脇委員のお尋ねにもありましたように、その間になお足りないところを、十分研究さしていただきまして、政府自身の答弁の中にも、われわれもし委員席におつて伺つておりますれば、とうてい満足のできないようなところもあるのであります。決して欠陥のないものを政府了承して決定したという意味には、全面的にならないと思います。悪いところはぜひ直すように、皆様の声を聞いて、直接産業関係のある通産省でありますから、でき縛る限り交渉を続けまして、こういうびつこの面を直すように、努力さしていただきたい、かように考えております。きよう大臣が発熱して休んでおりますので、特に大臣からこの際、委員会に向かつて声明していただきたいと思つてつた次第であります。いろいろとお教えをいただきまして、できるだけ直したい。かような熱意を持つておることを、この際申し上げたいと思います。
  80. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 そこで現在電気代の納入率でございますが、これは小口が九〇%、大口電力というよりも工場関係の精力、これは七五%、それから官庁が六〇%、案外国会は佛つていないかもしれません。そうして進駐軍関係の特別調達庁関係は、実に五割です。そこで今度の料金値上げによりまして、四十五日納めないものは切るというのですけれども、そういうものは、かりに国会が納めないとして、おそらく通産省あたりが、一番危いのじやないかと思うのでありますか、どうですか、ほんとうにこれはお切りになりますか。
  81. 宮幡靖

    宮幡政府委員 電気料金の納入状況につきましては、ただいま事務当局がおりませんから、大体のパーセソテージくらいは、私覚えておりますが、伊藤さんの方がおくわしいので、その点は主要でないようですから、一々申さしていただきません。実際四十五日を経過したら切るかどうか。これの運用の面に関しては、まことにあたたかい御配慮で、当の通産省としては、まことにありがたいお言葉であります。伝家の宝刀は抜かぎるがよろしいと、かように考えておるわけであります。
  82. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 そういうことになりますと、中国の場合は二・六倍、東京の場合でも二倍になつた小口需用者だけが、ばたばた切られるということにたるのですが、そういう性質のものであると、伝家の宝刀は抜かないというのは、大口需用者だの、通産省だの、国会つてというふうに、解釈してよろしゆうございますか。
  83. 宮幡靖

    宮幡政府委員 それはたいへん私の言葉が足りませんでした。むしろ大きいのは切りましても、小さい方の人の家庭の文化的化活を阻害するということにならないようにやるのが、妙味あるもめと増えております、これは言葉だけでなく、実際そうしなければ、おそらく輿論というものが、統一できないのじやないかとさえ考えております。伝家の宝刀は抜かざる方がまさつておると、かように運用さして、いただきたいことを申し上げます。
  84. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 そういうことを、私は特にお願いします。これは小口需用者にかわりまして、なるべく——なるべくではない、絶対に抜かないでいただきたい、こう申し上げておきます。  最後に、これは川上部長のお話によりますと、私はうつかりしたのですが、四つの段階に切りましたが、この電気新聞を見ますと、六つにわかれておりますね。定額電燈料金、従量電燈料金、大口電燈、業務用電力小口電力大口電力というようにわかれておりますが、川上部長の説明によりますと、小口電燈が二倍、大口電燈が一・二五倍、そして小口も大口も含めて、これは実は正確には小口が一・四五倍で、大口が一・三五倍ということになります。そうしますと、どうも私ども考えて、ただ大口電燈だけが一・三二二倍う下まわつておるだけでありますから、平均して一・三二二倍の値上りというふうには、考えられないのですが、先ほどのようなこまかいことを言われましても、わかりませんが、一・三二二倍といつて、実際にはもつと上つていたというのでは困るので、実際にはそうなるか、そうならないかということについて、御返答願いたい。
  85. 宮幡靖

    宮幡政府委員 これは私どもからお答えすることは、適切でないかもしれませんが、感じとして申し上げますると、ああいうふうな、どちらかと申しますと、日本の政府当局が独自に勘案したものでない関係上、実施面に移しますともあるいは平均一・三二二倍の値上りに達しなかつた場合、あるいは一・四倍というようなことになるというような面が、私は出て来るではなかろうかと思つております。これこそその場合におきまして、十分先ほど申し上げました通りの誤れるゆえんを指摘いたしまして、是正しなければならぬ問題である。決して現在のものを実施に移しまして、ぴつたり一・三二二倍、少くとも一・三五倍とか、一・三四倍とかいう線に納まるであろうとは、私ども考えておりません。ですからその点は、御意見はきわめて重大だと思います。これは十分そういう実施面に当つて見まして、特に是正しなければならない。つまり余分な犠牲を国民にかけるということは、事業家といわず、あるいは農村の方といわず、どちらに対しても同じだろうと、かように考えております。電力の段階は六段階だと、私どもおぼろげながら覚えております。大口の中に一まとめにして、川上部長が申しましたのは、大口の中でも、事業用の大口と、デパートのようなものが区分されておる。それを一括して大口と申したことだと、かように考えております。
  86. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 これは先ほど、私も含めまして、各同僚議員の質問に伺いましても、たとえば卸値をきめないうちに、値上げをしてしまうなんということは、言語道断であります。そこから実際に電気料をとる場合におきまして、超過料金の問題がありまして、三十日なら三十日に、ぴたんと検針しないと、とれないことになる。そうなるとおそらく私は電気関係の労働者諸君の数をふやすか、あるいはものすごい労働強化をしなければやれない。もう一つは電気料金が税金のような役割を果しまして、支障を来して来る。そういうようなことを勘案し、かつ決定的な問題は、やはり電気事業の再編成にからんでいると思うのでございます。これについてはどうも苦しい答弁をされているようでありますが、今度は少くとも審議会に諮つて、これを尊重すると言つておられるのでありますから、ほんとうは審議会結論が出ないうちに、大体の方向を示したならば、通産委員会なりにお諮りを願つて、十分審議する期間を與えていただきたい。こういうことから考えまして、これは私どもの希望として、申し上げておきますが、先ほど風早委員の言われるように、決定する権利があるとするならば、これはいろいろな点で実施しない方がよろしいと私は考えます。従つてこの決定を取消していただきたいという希望を述べて、質問を終ります。
  87. 宮幡靖

    宮幡政府委員 この際一言申し上げておきますが、先ほどの卸値のきまらないうちに料金を上げたという問題であります。この点には通産省がやはり監督上責任がありますので、通産省の立場をはつきり申し上げておきますが、その方法が旧来やつて来ているのがよいか悪いかということは、これはまた御自由な御見解で、御解釈願つたらいいのであります。いわゆる発電と送電、この二つの事業は、会社の企業体はわかれて、資産の区分等はありましても、そこに関連性を持つておりまして、容易にこれを区分して、個々の原価というものを出すことは困難であります。かような場合には各種の産業ともに、いわゆる総括原価というものを出しまして、発電と送電との間に関しまする関連費を、最後の段階において区分いたす、こういうことになるのが、かような原価をきめますときの原価計算方式、その他の経理方式から生れている当然の措置であります。それをふんで参つておりますので、発送電をそのまま一体と見ました総合原価を見て、しかして関連費を調節いたしましたもので、日発の分が幾らで、卸売が幾らかということをきめるのでありまして、卸売がきまらないということは、御指摘のような矛盾のもとで出発しております。しかしその方法がいいか悪いかということの御批判は、自由でありまして、これはそういう矛盾のもとにおいて出発し、それを通産省は監督の面において見のがしているのではない。かようなことをぜひお含みをいただきたいと思います。
  88. 伊藤憲一

    ○伊藤(憲)委員 了解しましたが、ただ一点、先ほど日発の黒字の問題につきまして、宮幡政務次官がダイヤモンドの野崎氏の個人の見解のように、解釈されたようでありますが、この人が公の調停委員会に出て、その使用者と労働者を合せまして納得の上で、二億円という黒字を出したということに御解釈を願いたい。それだけ申し添えます。
  89. 小金義照

    ○小金委員長代理 これで通告のありました発言は、全部終りました。  次に中村幸八君より緊急質問の申出があります。この際これを許します。中村幸八君。
  90. 中村幸八

    ○中村(幸)委員 私はこの際農機具の行政所管の問題につきまして、一言政府に質問いたしたいと思います。最近承りますと、内閣におきまして、農機具の行政所管の問題につきまして、特に国内農機具の生産、並びに流通の行政は、これをなるべく農林省に、一元化するというようなおとりきめがあつたとか、お話合いをしたとかいうことを伺つているのであります。ところがこの農機具の生産ないし配給に関する行政所管の問題は、今日に始まつた問題でないのでありまして、かねて国会内におきまして、また政府部内におきまして、さらに業界におきまして、いろいろと論議されて参りました非常に重要な問題であります。これが今日突如として、当委員会にも諮らず、政府において農機具の行政所管の問題につきまして、とりきめをせられたということは、はなはだ遺憾に考えるのであります。私はこの農機具の生産工業は、他の機械生産との関連性にかんがみ、また農機具の各品種間にも密接不離の関係があるというような観点からいたしまして、農機具の生産行政は機械行政の一環として、一元的に運用せられなければならないと考えるのであります。農機具の種類によつて、また輸出用と国内用にわかつて、生産行政を二元化するということは、農機具工業の進展にとつて、まことに有害無益なことであると考えるのであります。そこで私はこの農機具につきましては、従来通りに需要の面、あるいは配給の面におきましては、これを農林省所管とし、生産の面におきましては、通産省の所管とするということが、最も妥当であろうと考えるのであります。この点につきまして、政府の御所見を伺いたいと思います。
  91. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま中村委員の御発言に対しましては、全面的に通産省としては同感どころでなく、そうお願いいたしたい意向であります。御指摘のように農機具の生産行政を、輸出用あるいは国内用等にわけまして、一部農林省に移管する等のことは、これははつきり申しますれば、時代錯誤の観念であろうと思います。機械行政の一環といたしまして、生産行政を担当いたしまする通商産業省において、これを担当することが、実際におきましても、末端におきましても正しいことは、御指摘の通りでございます。ただ食糧確保臨時措置法の中に肥料、農機具、農薬の確保に関する規定がありまして、それが所管の違つた方面にあつてはどうかということで、農機具、特にすき、くわ、かまというような、きわめて原始的な農機具については、ぜひ農林省へ移管してほしいという声は、久しく聞いておりました。しかしながら現在通商産業省として考えますと、——これはあるいは速記に載せてはいけぬかもしれませんから、もし悪ければ、あとから委員長のおとりはからいで、削つていただきますが——最近の年度におきます農機具の生産、特にすきや、かまや、くわというようなものにつきまする資材の割当、これは鋼材が多いのでありますが、それが、今数字を的確に覚えておりませんが、二万トンくらいの鋼材の割当をしておりますが、生産実績は八万トンくらいできておつたような数字が、私の頭に今ちらちらしているのであります。争ういうことになりますと、農機具というものは相当量、これを自由販売の段階に置きますれば、農家がよろしいものを選択して適当なところから、農会なりあるいは農機具の販売店なりで買えるという、旧来の正常経済の形に帰るじやないか。統制しておりますので、さようなやりとりもあろうと思いますが、実際の農林省が希望いたしまする国内用の農機具の需給関係というものは、むしろ農家の自由選択にまかすのかよいということは、資材面、生産の実績等におきまして、実証しておりますので、いまさら食糧確保臨時措置法の項目にとらわれまして、国内用の農機具を農村省に移管してくれろというようなことは、これは行政と申しますか、政治上のやりとりで、閣議決定にもなるべく農林省にという言葉を用いておりますので、なるべくという程度の御意向ならば、各行政庁がセクショナリズムにとらわれて論争することは避けまして、一応承つたという程度でありまして、もとより通商産業省といたしましては、農機具輸出はもとより、国内いろいろな濃度機具にいたしましても、農林省に移管いたしたくないのが、これは引続いての信念であります。また現に野鍛冶の大会等に出席いたしまして、直接業者の声を聞きますと、ことごとく生産を通産省で統轄していただくことに無理がないのだ。もし農林省へ行つたならば、われわれこの野鍛冶というものは、現在の社会生活の中から、必ず放り出されてしまつて、破滅するだろうということで、しばしばその決議を頂戴しているわけであります。どうか当委員会におきまして、幸い中村委員からの御発言がありましたから、全面的にその御意見通りであることを、ぜひお聞き取りくださいまして、何らか適切な御処置をいただき、行政庁間の権力争いというような見にくいことでなく、国会の権威にかけまして、真の農機具の行政ができますように、御配慮をいただきましたならば、しごくけつこうだ、かように考えております。
  92. 中村幸八

    ○中村(幸)委員 ただいまの御答弁で大体わかつたのでありますが、どうか通商業省におかれましては、今後そういう考えで、そういう御決意のもとにお進み願いたいと思います。つきまして、この際私は政府に対しまして、次の三点を要望いたしたいと思います。  その第一は、農機具の生産行政は、通産省において一元的に所管すること、第二には、右を法文上明確化するために、関係省設置法に所用の改正を行うこと、第三は政府は積極的に農機具工業の発展をはかり、特に輸出の振興に努力すること。以上三つの要望事項を当委員会の要望として、政府申入れをしたいと思いまするが、委員長におかれましては、その点お諮りを願いたいと思います。
  93. 風早八十二

    風早委員 この問題は今まで農林委員会でしばしば討議せられておりまして、大体わが党としても意思表示をしておるわけです。それでわれわれとしては、通産委員会としてできるだけ全会一致で、やはり一定の意思表示をしたいと考えるのでありますが、現状につきましていろいろ問題があるのであります。だからこそ農林関係では問題にしておるのだと思います。今のままで行きますと、どうしても生産と計画とが食い違つて参りまして、その結果実際農機具のほしいところに、農機具がうまく行かない。それからさらにそのできた農機具というものが、やはり通産省関係の今までのやり方で、非常に規格が一足しておりまして、その地域地域において、土地やその他の條件で、規格の違つたものがほしいのに、見当出遅いのものが来るために、実際使つておらないという実情は、大体御承知であろうと思いますが、非常にストックが各府県にある。一方では足りないのに、さてやつて来れば使えないという事情である。でありますから、やはりこれはどうしても出産と計画を一致させてほしいというのが、大体農林関係の意向であつたと思うのであります。しかしこれを、われわれ国会議員として見た場合におきましては、結局農林省、それから通産省、この二つの役所の一つの官庁セクト主義といいますか、それずれのなわ張りの問題のようにも見えるわけであります。私たちとしてはその意味でこれには深入りしたくないのであります。またこれに加担するのしないのということは、意味がないと思うのであります。要はこれによつて、真に日本の農業の増産を確保する、そのことはひいては全経済にも、非常にプラスの影響を與えるのでありますから、その点に重点を置いて、たとい通産委員会あるいは通産省といえども、その点にやはり、全体の総合的な政治としての重点を置いて、農民に利益なようにこれを解決して行く。積極的に言えば、やはりこれは農民の自主的な協同組合というようなものにこれをやらせる。政府はこれが力が足りなければ、これに助成をするというような形が、真にその土地々々に合つた農機具の生産が確保され、また配給も確保されるのだと考えるのでありまして、いずれの所管に置くことによつて、より多く果されるかという見地から、この問題は検討して行きたいと思うのであります。そういう問題について、右手政府の側からも動議を出された側からも、御説明があれば幸いだと思います。
  94. 宮幡靖

    宮幡政府委員 風早委員のお説は、見方としてまつたくその通りだと考えておりますが、ただ御指摘の点におきまして、通商省が計画から配給から、全部やつておるような言葉に聞き取れましたところがありましたが、これはただいまでも農林省が計画をいたしまして、そうして配給も農林省がやつておるのでありまして、ただそのあてがわれた数量をつくりまして、そうして計画通り生産を、先途いたしております。しかも先ほども申しましたように、実情割当てました資材よりも、余分にできておるというようなことで、御指摘のような、もし末端に実際渡つておらなければ、これは農林省の下部配給組織に、何らかの欠陥があるのであつて、生産を担当しております通産省には、その点について責めを負うべき点はなかろう。かように考えております。また説明の中にもありましたように、決してなわ張り争いとか何とかいう問題でなく、農機具というものを、輸出と国内とにわけましても、一体どこで段階がつくものであるか、たとえば脱穀機のようなものを一つ取上げてみましても、これは国内でも使えれば、輸出にも使う。沖縄、台湾あたりから盛んに引合いが来ておるという点を、予想いたしますと、今日一つの事業の中において、農機具だけやつておりましても、国内と輸出の区分も困難であります。それから技術の研究におきましても、これは農林省の方で、さような有力な材料をお出しになつても、機械全体を専門にやつております技術研究は、機械局が中心となつて、工業技術庁が工業技術標準のもとに、指導しております。技術の研究等については、これは言葉が過ぎるかもしれませんが、お譲り願つた方がいいのではないか、かように考える面がたくさんあります。それから産業の実際におきましても、農機具をつくつております産業と関連してやつておるものある。その区分は非常に困難である。一つの工場の中に、これは農林省、この部分は通産省などということになりますと、これは一つの企業混乱を起させるというような形もありますので、農林省でやつた方が、農民の最終の利益になるということに対しては、私どもは決して反対するものでありませんが、現在でさえ計画をあてがわれ、計画生産を果しても、末端に行き渡らないということは、その配給をいたしております機構の方に、欠陥があるのであつて、生産をやる方には欠陥がない。先ほど安本大臣に対しても、風早委員から仰せられた通り風早委員を学者としてのりつぱな見方をお持ちになつておるのでありますから、決してセクショナリズムの観点から申し上げるのではありませんが、ぜひこういう点を御了解をいただきまして、機械行政一元化という大目標のもとに、賛意を表していただきたいことをお願いいたすのであります。
  95. 風早八十二

    風早委員 今宮幡次官からの御説明でありますが、その一元化というものが、なかなか問題なのです。大体農業と、いうものが一元化されておれば、そういうことは非常に能率的であると思います。しかし実際には農業生産が地域によつて、條件がまるで違うのです。東北、中国、九州とまるで違うのでありまして、その点はあらかじめ政府も十分に考えられなければならぬと思う。もう一つは、規格の一元化された機械が参りましても、特にトラクターのような場合でも、品物ができまして、も実際買えない。買つても実際使うにたえない、こういう問題が出て来ておる。もらちんくわやすきのようなものは、農林省所管の特定の地域でつくつておりますけれども、それも千差万別で非常に違うのでありまして、そいうような実態に即した生産が、必要なわけです。それが通産省でやれないというはずはない。だからその方針さえかえれば、どこでやつてもかまわぬわけです。第二にはその農機具が向うへ参りまして、それが実際今余つているという意味は、ストックがあるのです。各府県たいがいストツクがあります。今申しました点が一つと、もう一つは農民が買えないということです。実際今の税金と金詰まりで、農民はそれを買うにたえない、そういう点がありますから、その結果として過剰生産ということになつておるのでありまして、実は根本問題がその前提にあるわけです。そういう点を全然無視して、ただ何でもかんでも画一的につくつてつて、あてがいさえすればよろしいといつたような御方針ならば、また通産省が特にそういう方針をとられるというならば、これはわれわれとしても、なかなか簡単に承服するわけには行かないと思います。そういう点もありますから、私としてはこの問題は、非常に数も少いし、ここで即決されるよりも、やはりよく党議に諮りまして、できるだけ御趣旨に沿うように、努力したいと思うのです。そういう点だけ一つ申し上げておきます。
  96. 河野金昇

    ○河野(金)委員 大体風早君と同じような意見なんですけれども、この問題が、きようここで突如として取上げられたのは、おそらく農林委員会で何度も討議し、その結果が農林大臣なり何かを通じて、閣議に持ち出されて、ああいう閣議決定になり、通産省の方があわて、こちらに助太刀を求めて来られたものであろうと思いますが、私たちそういう仲間には、実は入りたくないと思う。だからこれはおそらく農林委員会としては、そういう決定をしたであろうと存じますが、要は風早君の言う通りに、私たちは農民の希望する農具なり農機具なりが、あまねく行き渡ることを希望するものであります。だからこれは今まで通産省がやつておるから、ここでやるのだという、なわ張りではなしに、もう少し政府なら政府において、方針をきめてやらるべきものであつて、農林委員会がやつたから、今度通産委員会でも申合せしろという、やおちよう的なことは、この際やめていただいて、もう少しそつちの方で——われわれはわれわれとして、検討をいたします。今政務次官から、そういう意見を聞きましたけれども、農林委員会がああいう決定をしておるならば、やはり農林当局の意見も聞かなければならぬと存じます。だからここで申合せをするということは、結局農林委員会とこちらが対立することにも、なつて来ますから、今風早君のおつししやる通りに、こんなわずかな数のところで、そういう申合せをして、これで通産委員会がこういうふうに決定したのだと言つて、けんかの仲間にわれわれを入れないようにしていただきたい。もう少し考え直して、出ていただきたいと私は思います。
  97. 小金義照

    ○小金委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  98. 小金義照

    ○小金委員長代理 速記を始めてください。ただいま中村委員から御発言があり、それに関連して、風早委員及び河野委員からの発言がありました。これを要約いたしますと、官庁間の一種のなわ張り争いになつても困るし、真にわが国の機械行政、あるいはまた農民の幸福を考えて、処理すべき問題であるという御意味のように、拝承いたします。そこでこの問題を今ここでただちに決をとつて委員会の意思を決定するというよりも、むしろ宮幡政務次官が、この場に立ち会つておられましたので、中村委員の申出は、宮幡政務次官から通商産業大臣及び内閣に、その意思を伝えてもらうことにいたしまして、われわれ各委員は、それぞれ党の立場もありますし、大局的な見地から考慮を抑う必要もあり、また農村の実情に即した考え方をする必要もありますので、この問題はこの程度において、本日は終局いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 小金義照

    ○小金委員長代理 御異議ないと認めます。それでは本日は、その問題はこれで終ります。  次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十三分散会