○田中(織)
委員 その
標準義務教育費に関する
法案のペンデイングにな
つておる点の
事情は、ただいまの本多さんの御答弁で大体推察はできるのでありますが、その第一の
理由にな
つておる
地方団体の自主的
運営を拘束するようなことをや
つてはならぬ、こういう点がもし問題点だといたしますならば、私は大体
地方財政平衡交付金というような、この
制度そのものが、これはやはり
地方財政の
地方自治団体の自主的な
運営の上に拘束にならないかどうかということが、根本的な問題だと思う。しかし現実の
地方財政の現状から申しますならば、やはり
平衡交付金というような
制度によ
つて、これはその意味において私は中央集権的な
傾向を持
つて来ると思う。しかしそれでも今の
地方財政の現状においてはやむを得ない思います。従
つてわれわれはむしろ現在の
地方財政というものを
確立する
財政的な需要の面から申しますならば、千五十億ではいかぬ、もつとこれは、たとえば現在問題にな
つておる
地方税の
関係から見ましても、この面において、もつと補いをつけるべきであるというわれわれは
意見を持
つておる。同時にそれをカバーする面から申しますれば、
地方団体に対する集権的な中央官庁の強力な力が及ぶことをいかに
調整するかという点から見て、やはり
地方財政委員会の民主化という
條件を、われわれはその
関係からつけなければならぬ、かように
考えておるのでありますが、どうもその点が
標準義務教育費に関する
法案の
取扱いの
一つの問題にな
つておるとすれば、これは実は矛盾した話だと思うのであります。たしか
標準義務教育費の面におきましては、
教育委員会とか、あるいは
教員組合等の意向と、都道府県並びに
市町村の
行政に当
つておる
理事者との間に、
意見の対立があることも、われわれ理解しておるわけでございますけれ
ども、その点は最近における
予算の面全体における
教育費のウエートというものが、平和国家にな
つてから——戦争中のような、ああいう不生産的な需要が非常に多い時期ならやむを得ないとしても、今日の段階において、
教育費のウエートがきわめて低いという点から見ましても、特に
地方財政の見地において、この点についての——これはもちろん標準を示されるにすぎないという本多国務大臣の答弁は、きわめて政治的なものと了解するのでありますけれ
ども、私この
法律が同時に出て来ないということは、きわめて遺憾に存ずるのであります。ことにいろいろ誤解もあ
つていけないということでございますけれ
ども、たとえば
地方税法案の
審議にあたりましても、われわれが、これは
国会の例として、與党野党を問わず申し上げたいことは、
関係方面からいろいろのサゼスチョンなり、あるいは指示なりによ
つて、
政府は相当GHQとの間においては、的確な文書その他によるところの資料等も手に入れられておると思うのであけます。従
つて私らは、できるならば
標準義務教育費に関する
法案の問題につきましても、現在向うから
政府側に指示されておる案、また
政府側から向うに今
検討してもら
つておる案、これを資料として
国会に提
出してもらつた方がむしろいいのではないか。その過程において、やはり
政府と
国会とは、それぞれ独自の立場にあるわけですから
国会は
国会として、そういう生の資料に基いて、
国会の
意見をも
つて、
国会の
審議権の
自主性というものを認めてもら
つておる段階から申しますれば、こういうふうに会期が切迫して来ておる段階においては、非常にその点においても制約を受けることは事実でございますがわれわれは
国会として、
関係方面との折衝に当るということによ
つて、そうした必要な
法案の成立を促進することもできると思うのであります。現在ペンディングにな
つておる
義務教育費等に関する
法案につきましても、
政府は従来のいわゆる秘密主義の点から、
国会に出すと、はちの巣をつつついたようになりはしないかという心配から、出さないのではないかと思うのですが、むしろ今日の段階においては、私はそれはあべこべだと思う、
出していただきたいと思います。この
法律案の
連合審査会は、今日で終るわけでありますがそういうものを
国会の方へ
提出される御意思はありませんか伺
つておきたい。