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1950-04-14 第7回国会 衆議院 地方行政委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十四日(金曜日)     午前十一時三十分開議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君    理事 川本 末治君 理事 菅家 喜六君    理事 野村專太郎君 理事 久保田鶴松君    理事 藤田 義光君 理事 立花 敏男君    理事 大石ヨシエ君       生田 和平君    河原伊三郎君       清水 和平君    塚田十一郎君       淵上房太郎君    龍野喜一郎君       大矢 省三君    門司  亮君       床次 徳二君    池田 峯雄君       井出一太郎君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君         地方自治庁次長 荻田  保君         総理府事務官         (地方自治庁財         政部財政課長) 奧野 誠亮君  委員外出席者         参議院地方行政         委員長     岡本 愛祐君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  地方税法案内閣提出第一二三号)  都道府県所有に属する警察用財産等処理に  関する法律の一部を改正する法律案参議院提  出、参法第四号)     ―――――――――――――
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします日程を変更いたしまして、都道府県所有に属する警察用財産等処理に関する法律の一部を改正する法律案参議院提出参法・第四号、これを議題にいたしますのに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中島守利

    中島委員長 それではさようはからいます。  都道府県所有に属する警察用財産等処理に関する法律の一部を改正する法律案議題といたしまして、質疑を続行いたします。
  4. 立花敏男

    立花委員 参議院委員長が来ておられますので、ちよつと私どもこの法案で気がつきましたところを、参考のためにお尋ねしてみたいと思うのであります。この法律が去年出ましたときの趣旨は、警察法施行に関しての特例的な法律であつたと思うのでございますが、きのう提案者説明を求めましたところ、今度はこれを一般化するのだというふうにお答えでございまして、これからは自治体警察財産物品国家警察財産物品を、お互いに不要になりましたときに、自由に交流ができるようにするのだというようなお答えでございました。そうなりますと、私ども原則といたしまして、自治体警察国家警察をはつきり区別した建前から申しましても、少し行き過ぎではないか。特に問題になつておりま了財産権の問題につきましても、憲法の二十九條によりまして、財産権の不可侵がはつきり規定してあるのでありますが、たとい公共団体財産といいましても、やはりこの独立した団体財産であります以上、そう簡単に、必要でないからといつて、他に無償で譲渡するということを、法律で一方的に規定しますことはどうかと思います。特に不必要になつたからといつて財産の価値が消滅したわけでもございませんので、それを一方的に国家無償で譲渡するというような規定をいたしますことは、しかもこれを一般化するようなお考え方は、少し行き過ぎではないかと思うのでございますが、この点でひとつ参議院の方ではどういうふうにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  5. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 立花さんにお答え申し上げます。ごもつともなお尋ねでございますが、この改正法律案は、自治体警察国家警察と二本建に、日本の警察制度がわかれました際、それまでは各府県におきまする警察使つておりました庁舎とか、机と、か、いすとか、自動車とか、そういうものは都道府県所有財産であつたのであります。その都道府県財産を二本建になりますときに、国で必要なものは国有にする。それから国で必要がなくて自治体警察で必要なものは市町村有にする。それもお互い無償でするということに、二つの法律できめたわけであります。その元都道府県所有であつて無償国家または市町村移つた財産及び物品処理でありまして、一旦国家有になりましたが、それが事情によりまして国家ではその庁舎を使わない。こういうことになりましたときに、ちようどそれを自治体警察の方で使いたいということが起りましたときに、それは無償でまた市町村の方に移す。こういうことなのであります。その根本は、都道府県有であつたものが、無償国家または市町村移つた、それに限つているのであります。御心配の点はないと思います。
  6. 立花敏男

    立花委員 こういうことが考えられるのであります。たとえば市町村無償で譲り受けた庁舎に、現在市町村警察が入つている。今度は市町村負担において新しい警察建築物をつくる。これはもう今までのやつが使用にたえないとか何とかという名目のもとに、市町村負担において新しい庁舎をつくりましてそれに引越す。そういたしますと、今入つておりますものがあいて参りまして必要がなくなる。そういう場合に国家警察の方が、私の方で必要だからこれに入るというような場合には、無償でそれが国家警察使用にゆだねられると思うのでございます。そういう場合には、形の上では不必要になつたから、国家警察が必要だから入るという形が出て参ります。しかし実質におきましては市町村負担において新しい庁舎を建てて、それに地方自治体警察が移りまして、そのあと国家警察が入るという形が行われるわけであります。しかもこれの実質的な負担は、地方自治体に転嫁されているわけであります。こういう場合が起らないということは言えないと思うのでございます。たとえばただいままでの警察寄付、あるいは国家警察に対する地方自治体負担など、半ば強制的に行われております、そういう形が行われないとは言えないと思いますが、それに対するお見通しはどうでありますか。
  7. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 お答えいたします。ただいまの御質問は、都道府県有であつた警察庁舎が、今の警察が二本建になりましたときに、地方警察の方では、いらないで自治体警察が使うことになつたので、その自治体所有に帰したそのものについてのお話だろうと思います。それが今度新しい庁舎を別にその市町村で建てまして自治体警察が移る。そうすると古い警察庁舎はあく。そのときちようど国家地方警察の方で、それならばそれを国家地方警察の方の警察用庁舎に使いたいということが起つたときには、それを無償でやる。その根本は、やはりその建物は元は市町村所有でなく、都道府県所有であつた。こういう意味なのであります。それで新しい自治体警察庁舎を建てて移つてつた。それは将来国に無償で移転する対象にはならないわけであります。
  8. 立花敏男

    立花委員 その場合は無償で国に移転する対象にはならないわけですか。
  9. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 その新しく建てて移りましたそれは対象にならない。
  10. 立花敏男

    立花委員 残つているものは……
  11. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 残つている古いのは、元都道府県有であつたのが、無償市町村に来たのですから、今度これを無償国家の方へ移しても、市町村としては損にはならない。
  12. 立花敏男

    立花委員 その建物だけを見ますと、そういうふうに考えられますが、やはり新しい庁舎を建てなければならないという状態に追い込まれまして新しい庁舎建築費自治体負担においてやつておいて、そうして今入つておるものをあき家にして、国家警察に渡すという事態が必ず起つて来ると思う。現在でも都道府県で、国家警察に対しまして、警察協力費とか何とかいう形で、各府県二、三百万円、多いところでは五、六百万円の金を出させられておつたわけなのでありますが、こういう形で、国家警察の圧力が、自治体に加えられることは当然考えられる。だから、そういう問題を御考慮願わないと、法案の形の上、あるいはりくつの上では不必要になつたのだ、何の損害も与えないのだという形にはなつておりますが、実質的にはそういう形が出て来るのではないかと思うのです。  それから、この法案の中に書いてあります警察法附則第九條の問題でありますが、これによりますと、市町村がその建物の譲渡を受けます場合に、その建物に付属する債務関係がございますと、それは話合ひの上では市町村負担するということになつておるのでございますが、一旦そういう形で、市町村がそれに付随する債務負担いたしました後において、さらにそれが国家無償で収用されるという場合に、その債務の問題はどういうふうに解決するお考えでありましようか。
  13. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 この前年のお尋ねと申しますか、御意見につきましては、その古い庁舎自治体警察用として不適当になりまして、そうして新しい庁舎を建ててそこべ引移るというふうになつたときには、これはやむを得ないと思うのでございます。多少今御指摘のような点があるかもしれませんけれども、古い財産については、都道府県有のものを無償で、市町村にもらつたのであるから、それを市町村警察用としていらなくなつたときに、また無償国家に移すというようなことは、これはやむを得ないのではないか、かように考えております。  それからあとの問題でございますが、そういう点は両方に、ございまして、たとえば市町村の方としましても、元都道府県所有であつた時代において警察使つてつた庁舎を、国家地方警察自治体警察と二本建になつた後は、同居していたという場合がございます。同居していたが、国の方から、初度調弁費としまして、自治体警察の方へ費用をもらいます。そうしてほかに庁舎を建てるべきであつたけれども、そこの警察の古い建物に付属していろいろなものを建てて、そうしてやはり同居していたというような事例もあるのです。それが国家警察の方でいらなくなつて、ほかの方へ新たに出るということになつたときに、そういう負債の点もありますが、そういうこまかいことは今度は規定をしなかつた、こういう次第であります。
  14. 立花敏男

    立花委員 私どもは、今シャウプ税制に基く地方税改正をやつておるのでございますが、この根本的な方向と申しますのは地方自治確立する。そうして税制の場合におきましても、今度は国と府県市町村の財源をはつきり区別する。そうして行政の面におきましても、財政の面におきましても、税制の面におきましても、自治体の自主的な立場を明らかにし、しかもそれに対する責任義務を明確にするということが、シャウプ税制根本だと思うのでございますが、この警察財産につきましては、国と地方団体との間に非常な不明朗な混淆が、この際行われるというような法案趣旨だと解するのでありますが、その点におきまして根本的に地方自治確立地方行政責任確立、あるいは地方財政責任確立ということと、今度国と地方とがいわば警察の共有というような形にするという考え方と、根本的に対立する考え方じやないかと思うのでありますが、この点につきまして御意見を承りたいと思います。
  15. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 お答えいたします。右の点は最初にも申し上げましたように、この改正法律案は元都道府県所有財産及び物品であつたものを、無償で国または市町村に移したものだけに限つております。それから以後に起つた自治体警察国家地方警察との財産を混同するという意味では決してないのでありまして、無償でもらつたものだけの処分の問題でありますから、御指摘のようなことは起らないと私は考えております。
  16. 門司亮

    門司委員 岡本委員長警察法の政令当時から、さらに警察法に付随した各般の法律制定の際の参議院委員長であられましたし、また現在も委員長でございますので、警察法いきさつは十分御承知だと思いますので、くどくは聞かないつもりでございますが、ただこういう法自体をお出しにならなければならなかつた、何らかの要素があつたかどうかということであります。私ども警察法制定当時に、地方警察が、自治警察使用するものを自治警察無償で与える。その際国家地方警察使用する分は、まず国家地方警察優先権を与えたかのような感じがあつたのでありますが、その国家地方警察使用するということだけでありまして、優先権を一応与えておつたその後に、実は警察使用いたしておりまする国家警察財産を、すべて国に無償で譲渡することができるという法律が出て参つたのであります。この点につきましては私ども不満を持つておりまして、当時反対の意思表示をしたのでありますが、法律は現実の問題として、私はそういういきさつを持つてつた考えておるのであります。そこで一応国に収用されましたものが、再びこれを地方警察に渡してもいい。国に不必要なものができて来たという根拠を、もう少し明確にお聞きしたいと思うのであります。それと同時にこの場合に、地方へ移譲いたしまするものは、警察用に供することに限られているのか、あるいは一旦警察のものを無償で国に譲渡いたしておりまするので、よしそれが警察用使用されなくても、国家警察に不必要なものは、地方自治体処分にこれをまかせるということで、こういう立案をなされたのか、その点をひとつお聞かせを願いたい。
  17. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 委員長門司さんにお答え申し上げます。御指摘のようにこの警察用財産処分の問題は、初め警察法附則の場合には、現に警察用に属する国有及び都道府県所有財産及び物品のうち、国家地方警察に不必要で、市町村警察に必要なものは、無償でこれを当該市町村に移譲する、こういうように規定してございました。そこで私どもの解釈といたしましては、国家地方警察にぜひとも必要なものは別にして、それほど必要でないものは、なるべく市町村警察に移譲する。こういうふうに考えておつたのでございます。ところがその後の実際のありさまを見ますとほとんど国家地方警察に必要だということになりまして、たとえて申しますと、松山市とか、広島市とか、山形市とか、そういう町の中央に位しておる警察庁舎、元県有でありましたが、それは市町村警察には非常に必要なものでありますが、国家地方警察にとりましては、そういう広島市とか、松山市とか、山形市とかいうところを管轄しないで、周辺村落を管轄するのでありますから、必ずしも必要でない。しかるに、それが必要だというので、国家地方警察がそこにすわり込んで、その一部をその市の自治体警察使用させ、同居をしておる状況であつたのであります。そういたしますと、国家地方警察に不必要ではないということになつておるから、市町村警察にこの附則によつては移せなかつたのであります。その後、第五国会におきまして、都道府県所有に属する警察用財産等処理に関する法律というものが、政府提案として出されて来ましてそれにはこの警察法が施行せられた際、警察の用に供されていた都道府県所有財産及び物品のうちで、国家警察に必要なものは、都道府県無償で国に譲渡する、こういうふうに出して来たわけであります。それで今、同居しておつたものは全部国に移してしまう。国有なつてしまつたわけであります。実は参議院の私の委員会におきまして、この点非常に問題にいたしまして、そういうのは国で有償で買い上げた方がいいのじやないか。または町の中央にあるようなものほ、すみやかにほかに国家の方で建てて、国家地方警察はそれに移つて、それは市の方の所有に移したがいいのじやないかということを、ずいぶん議論をしたのであります。しかしそこは善処するから原案通り通してもらいたいという政府の希望があり、またすでに衆議院の方では通つて来たのでありましたから、将来の善処を要望しまして、その法律案を通過させた次第であります。ところが、その後になりますと、今申しました町のまん中で同居をしておるところで、町の警察の方はだんだん同居では手狭になつて参りますし、また国家地方警察の方は、今言つたよう周辺村落を管轄しておるのでありますから、必ずしもそこにおらなくてもよろしい。もつと小さな庁舎を別に国家の方で建てて移転してもいい。またその方が便利だというような事情が起つてつたのであります。そこでそういうものについて、国家地方警察の方でも、それではよそに移ろうという事情が起つて参りまして、この改正法律案が必要になつた、こういう次第でございます。御了承願いたいと思います。
  18. 門司亮

    門司委員 その次の、警察に限るのか、市町村に移譲するのか……
  19. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 失礼いたしました。その点は、この改正法律案に書いてございますように、市町村警察に必要なものでありまして、ほかの国家の用には供することができないのであります。しかもここになお注意して書きましたことは、国家地方警察に必要になつたときにおいて、市町村警察に必要なものでありまして、一度これが国家地方警察の不必要になりましたときに、市町村警察の方では、やはりそれはいらないという場合が起つたと仮定いたしまして、その場合にすでに国家の方で税務署とか、あるいは労働基準局とか、そういうものに使つてしまつたものはいたし方がないのであります。ちようど国家地方警察に不必要となつたときに、市町村警察に必要なもの、こういうふうに注意して書いたつもりでございます。
  20. 門司亮

    門司委員 御趣旨はよくわかりましたが、ただ私どもがこの法案を見まして、考えますことは、後段に御説明のありました無償で国が取上げて、それが地方に今度移譲される場合に、警察用に限るというようなことになつて参りますと、もし地方警察でこれを使用しなかつた場合に、その財産処置でありますが、これは国が所有いたしておりますので、もちろん大蔵省の所管になつておるかと私は考えるのでありますが、当初、これを地方公共団体から無償で譲渡いたしますときの條件と、非常に大きな食い違いができておるわけでありまして、国家警察に必要だというので、国がこれをとつておる。それから同時に使用権とさらに所有権というものが一致しなければ、将来の修繕あるいは維持、管理に非常に困難だということが、大体その当時の理由になつておつたと私は記憶しておるのでありますが、そういたしますと、国で不必要なものは警察以外の用にすでに供しておるというようなことを考えるのでありますが、もしこういう事態があるといたしますならば、当初、法律をこしらえましたときの趣旨と非常に大きく違つております。もしこういう法律をお出しになる場合においては、私ども警察のみにこれを使用することでなくして、取上げるときの條件がありますから、これを警察使用するとしないにかかわらず、国家地方警察に不必要なものは、地方公共団体に返してやるということが、私は非常に親切な行き方でなかつたかと考えておるのであります。同時に、これは岡本委員長にお願いしてもむりかと思いますので、当局の方にお願いしたいと思いますが、その当時、国が没収いたしました財産の総額は、政府は三十五億と称しておりましたが、私どもの推定によりますならば、大体百億内外のものがなければならないと考えておつたのであります。地方財政が非常に困窮しておりますときに、百億内外財産に相当するものを国が没収しておいてこの際不必要になつたものを他に転用する。ただ不必要になつたものの中で、これは岡本委員長に申し上げるわけではございませんが、不必要になつたもののうちで、申し訳だけに警察使用するものだけは返してやろう。そのほかのものは依然として国が他に使用するというような行き方については、事実上この法律の出ました趣旨処置が、多少食い違いを生じておるのじやないかということ。それから、先ほど申し上げまじた国に委譲をいたしますときの法の精神とも、大きな食い違いを生じておるのじやないかということを考えますので、この点については、この法案と別に当局の御意見を、この際一応伺うことができれば、けつこうか考えるのであります。
  21. 岡本愛祐

    岡本参議院地方行政委員長 前半の御意見お答えいたしますが、その点は第一項と第二項と照応いたしておりますので、お互いに一方の警察で不必要になつたときに、一方の警察で必要となつたものについて考えておるのでございます。それから返すとなりますと、これは都道府県に返さなければならぬのでございます。一度不要になつしまつたのでございますから、警察の方で必要なければよかろう、こういうつもりで立案をいたしたような次第でございます。また市町村におきましても、市町村警察使つてつたものが、不必要となつたときに、国家の方で警察用としては不必要であつた場合は、また県へ返すこともどうかと思いまして、それはそのまま市町村所有に属させる、それでいいのではないかと考える次第でございます。
  22. 中島守利

    中島委員長 あと質疑はございませんかないようでありますから、本案に対する質疑はこれをもつて終了いたします。  それではこれより本案に対して討論を省略して、ただちに採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認め、討論を省略して、これより採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  24. 中島守利

    中島委員長 起立総員。よつて本案は、原案の通り可決されました。  なお衆議院規則第八十六條により報告書作成の件は、委員長に一任するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――
  26. 中島守利

    中島委員長 それではこれより地方税法案議題といたしまして、昨日の質疑を継続いたします。昨日の質疑は第一條より七十四條まで議題にいたしております。床次君。
  27. 床次徳二

    床次委員 今度の五十二條の青色申告についてお尋ねしたいと思います。これは国税において採用せられました方式を、地方税においてそのまま採用するように聞いておるのでありますが、現在国において行われました実績を見ますと、非常に予想に反してよくないというふうに承つておるのであります。しかし本来の税制建前から申しますならば、青色申告精神がもつと一般に普及していいはずでありまして、この点にはやはり青色申告内容において技術的な欠陥が少くないと思うのであります。本法におきましては、大体地方財政委員会において青色申告の形式をきめられるようでありますが、その内容においてはたしていかようにきめられるかどうか。国の建前にそのまま準じますると、まだまだ普及徹底はよくないのではないかと思うのであります。その取扱い方におきまして、真に青色申告を設けた趣旨を尊重されて、この申告を利用する人に対しては、もつと積極的な便宜を与えて、納税者が真の納税義務を果すということについて、国家的な協力と申しますか、そういう人を優遇する方法が必要だと思います。本法におきまして、来年度から実施をされることになつております。直接には関係がないようでありますが、将来これはすこぶる影響の大きいものでありますから、地方財政委員会におきましても、十分慎重な態度をとり、特にこれが地方税であると同時に、その適用におきまして地方団体が十分利用し得るところの配慮か必要と思います。これに対しまして当局意見を伺いたいと思います。
  28. 小野哲

    小野(哲)政府委員 ただいま床次さんからお話が、ございましたように、今回の地方税法案建前は、申告納税制度をとつておりますことと、特に青色申告制度をとつておりますことは、ただいまお話があつた通りでありますが、これを実施して行きます場合において、来年度からいたすのでありますが、地方財政委員会規則記載事項等をきめることになつておりますので、この点につきましては、このせつかく制度を行いますために、できるだけ納税者の理解と協力とを求めなければならないということについては、御指摘通りでございます。この地方財政委員会規則内容につきまして、まだ実は詳細は確定いたしておりませんけれども、できるだけ御趣旨に沿いまして、せつかく制度について運用上齟齬を来たさないように努力いたしたい。かように考えております。
  29. 床次徳二

    床次委員 次にお尋ねいたしたいことは、最後の條項です。第七十四條の附加価値税の課税標準の特例と関連いたしまして、同時に根本原則に逆に触れてみたいと思うのでありますが、昭和二十五年度におきましては、昨日も御説明がありましたが、業態によりまして特殊な事情を持つておりますために、その性質上あるいはまたその経理上におきまして、附加価値の算定につきまして、特別な考慮を払わなければならないという業態があるのでありまして、それに対して特例を見ておられます。またさらに業務が公益性を持つておる、あるいは特に重要な性質を持つております関係上、その負担の激変を避けるという意味におきまして、特に二十五年度におきまする特例が認められておるのでありますが、この七十四條に規定せられております業態、ここには銀行業、無尽、信託、保険、運送、倉庫というものがあげられておりますが、私どもが現在の日本の産業界の実情を見て参りますと、単にここに掲げられたところの業態だけが、かかる特別な処置に該当するというふうには見られないのです。やはり急激なる激変を受けておるものは、これ以上にあるように思うのであります。特に昨日も御説明がありましたが、附加価値の計算におきまして、倉庫業にあつて、百分の五十というように規定なつておりますが、実際はあるいは五十から七十くらいになつておるかもしれません。また地方軌道につきましては四十を標準にしておりますが、あるいは五十くらいにもなつておるかもしれぬというふうな御説明がありましたが、ほかの業態におきましても、この課税標準となるべきところの附加価値の算出に対しましてこれくらいの割合いをとつておるものがたくさんあると思います。これは私がここに申し上げるまでもなく、すでに各業態別の陳情書や請願書が出ておりまして大体業界の実情を説明しておりますが、政府が計算されたところによると、そういう請願の趣旨によるほどの差はないんだ、そんなところは一率に原則でもつてつてしまえばいいんだというような御見解のようにも思うのでありますが、しかしここにおきましては百分の五十とか、四十とか、あるいは百分の十七とか、かなりこまかい数字におきまして、段階を設けられておるのでありまして、かかる配意は少くも昭和二十五年度におきましては、やる必要はあるだろうと思う。  政府がこの数種類の業態だけあげまして、ほかのものをあげなかつたということに対しまして、実際計算上それほど念激な負担がないんだとお認めになつております根拠を伺つておきたいと思うのであります。  なおつけ加えますと、業務の性質が公益的のものである、あるいは特に日本産業再建に必要なものであるというような趣旨において考慮いたすことが、当然私は必要と思うのでありますが、そういう部分も昨日の御説明にあげたものに含まれておると思います。しかしながら漏れておるものも少くないのでありまして、この問題はやはり非課税という問題に対しても、同時に考えなければならないと思います。特に考えなければならないのは、たとえば協同組合を非課税にするという問題、当然これも考慮に入れなければならないと思います。あるいは新聞事業を非課税にするという必要もあろうと思います。こういう公益性を持つておりますものに対する取扱いについて、さらにもう一回検討する必要があるのではないかと思うのであります。二十五年度に対して特例を設けたということ自体が、その必要性を認めておられるのでありまして、もう一ぺん掘り下げて参りますと、本来におきまして、特に非課税の取扱いをする、あるいは課率を減免する、第一種を第二種にするとか、あるいは三種にするというような変更が必要になつて来ると思うのでありまして、これに対しまして個々の業態につきまして、請願あるいは陳情のありますものについて、政府の御説明を承りたいと思うのであります。  なお非常にこまかいものでありますが、たとえば例として申しますと、二十三條の一般業態の中にありますたとえば第二項三十一号の問屋業のごときものの中におきまして、中央卸売市場の卸売人が陳情に来ておりますが、こういうものに対しましても、一般の問屋業と同じ取扱いをすることは、非常に不公平だということをお感じになることと思うのであります。この計算方法につきましては、もつとこまかく御配慮になつてしかるべきもののように思うのであります。二十五年度の特例、これは私は単に二十五年度だけの特例では考えられない、二十五年度で特例を必要とするならば、もつとほかの業種も均霑しなければならないし、もつとこの特例を考えるならば、非課税の業態もふやさなければならぬし、あるいは諌事を軽減しなければならない業態がある。これはここに私の立場から申し上げませんでも、すでに請願が参つており、陳情が参つておりますから、これに対しまして、当局の結論をお出しになりましたことにつきまして、御説明をいただきたいと思います。
  30. 荻田保

    ○荻田政府委員 昨日もお話申し上げましたように、この二十五年度の特例を設けましたのは、金融業につきましてはむしろ計算方法につきまして、特殊の方法を考えなければならないということから設けたのでございまして、この点は今おつしやいました将来二十六年度以降の問題についても考えなければならない問題だろうと思います。  運送業、倉庫業につきましては、負担の激変を緩和するという趣旨でございます。このほかにも負担の激変があるのじやないか。それに対して何も設けないのかという御質問だつたと思いますが、これは現在でも大体この運送業につきましては、純益に対して課税いたしませず、総売上げ金額に対して事業税を課しておりますので、きわめてこの料金との関係が明白でございます。そういう意味でただちにこれが上りますことは、料金に影響することがひどいことが一つ考えられますし、運送業、倉庫業につきましては、特に固定資産の使用が大きい。従つて固定資産税による負担の増加が多いという特殊性を考えたのでありまして、特殊の事例でございますから、なるべく狭く適用したいと思います。二十六年度以降は大体廃止するという考えでおりますので、このようにたくさんあります中から、運送業と倉庫業だけを選んだような次第であります。
  31. 床次徳二

    床次委員 ただいまの御説明でありますと、非常に狭く適用を考えておられるようでありまするが、しかし税制というものを考えます場合に、この税制が産業方面あるいは国民生活にどのような影響があるかという、政策的と申しますか、国策の見地もこの税制の中に織り込んでしかるべきものと思うのであります。今日までの説明を聞きますと、ほとんど自治庁のお取扱いは、純然たる徴税という立場から見ておられまして、その徴税がいかなる影響を与えておるかという方面に対しましては、はなはだ考慮が薄い。これはすでに指摘されたところでありまして、特にそういうような印象を与えるのでありますが、この経過規定が設けられておりまする以上は、こういうところにおいて、やはり政策の面を織り込まれるということは、私必要なことだと思う。また確かに織り込む余地があるのだと思うのであります。数字のわずかばかりの差だという御見解のようでありますが、しかしわずかの課率というものでも、実際業者の立場になりますと、非常に大きな現実の負担なつて参りますので、これに対しましては、もう少しくわしい御検討をいただきたいと思うのであります。先ほども理事会で話がありましたが、各請願につきまして、各業態の陳情が、はたして妥当性があるかどうか、御検討をされた結論について伺いたい。私も今申し上げたのですが、この点につきまして、少し御説明を加えていただきたい。今時難でありますれば、午後でもけつこうでありますから、少しその点くわしく御説明をいただきたいと思います。
  32. 中島守利

    中島委員長 それでは午前中の会議はこの程度にして、午後一時十分より再開することにいたします。しばらく休息いたします。     午後零時十四分休憩      ――――◇―――――     午後二時六分開議
  33. 中島守利

    中島委員長 これより再開いたします。  休憩前に引続き地方税法案議題として質疑を続行いたすのでありますが、委員長としましては、中島私案を今お手元に配付いたしましたので、この案を中心に修正の大体の御意向を、この際拝聴することが便宜でありますので、さようにはからいたいと思います。  懇談会に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 中島守利

    中島委員長 それでは、これより懇談会に入ります。      ――――◇―――――     〔午後二時七分懇談会に入る〕     〔午後三時四十分懇談会を終る〕