○龍野
委員 私はこの際
委員長に対して
緊急質問をいたしたいと存ずるのであります。それは本日の毎日新聞の伝うるところによりますれば、川口市内の自由労働者約二百名が、二十七日同市役所に押しかけ、折から開会中の市
会議場になだれこみ、不法占拠を続けて議事を中断させたということであります。私は新聞紙上に載つたからとい
つて、
地方のすべての問題を取上げて本
委員会の問題にしようという意思はありませんけれ
ども、もしもこの新聞記事の伝うるところが事実であるとすれば、これはまさに憲法を蹂躪する、すなわち民主政治を破壊する重大なる問題であるがゆえであります。と申しますのは、私が喋々申し上げるまでもなく、議会というのは他のいかなる圧力にも屈しない、各議員はそれぞれ完全なる自由のもとにその行動をするというのが、政治の
根本であることは申し上げるまでもないことであります。先般
国会におきましても、賃金裁定問題をめぐりまして、相当議事堂外において不穏の空気があり、これは本
国会においても相当問題にな
つておるのでありますが、この新聞記事の伝うるところによりますれば、議事堂外でなくて暴力が議場を占拠したという問題であります。かくのごときことが軽々に行われ得るということを見のがすことは、今後健全なる民主政治また
地方自治の健全なる発達の上に、ゆゆしい問題じやないかと存ずるのであります。私は本
委員会として今後かくのごときことの必滅を期することが、本
委員会としての重大なる使命じやないかと存ずるのであります。従いましてこの問題につきまして、
委員長はいかなる
考えを持
つておられるか、またかくのごときことが将来行われるためには、いかなる
措置を
考えておるかということについて、まず第一点をお伺いしたいと思うのであります。ことに同紙の伝うるところによれば、どうせ検挙されるならみんな検挙しろ、入れ入れと全員を呼びこみ、すわり込ませ、みずからは議場中央速記台に脚絆、地下たびの土足で仁王立ちになり、アジ講演を始め、議事をめちやめちやにしたというふうなことが許されるようならば、まつたくこれは自治政治の破壊であり、憲法政治の破壊であると断ぜざるを得ない。
ことにこれに対するところの警察当局の
措置が、はたして適当であるかどうかという問題についても、私は
委員長のお
考えを承りたい。と申しますのは、警察側が議場侵入を許して手をこまねいていたために、威圧されてしまつたということであるが、こういうような警察の執行ぶりでは、われわれは安心して生活もできない。いやしくも警察というものはあくまで法規を嚴守して、そうして人民の権利義務を確立すべきであると存ずるのであります。議場の神聖を確保するために、警察がその正当なる権限を行使するのは当然だろうと存ずるのにかかわらず、新聞紙の伝うるところによりますれば、手をこまねいて見ておつたというようなことでは、これは非常な警察の
根本に関する重大問題ではないかと存ずるのであります。この問題につきまして本
委員会として、いかなる
措置をとられる
考えであるか、
委員長に対して御
質問申し上げる次第であります。