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門司委員 すでに
床次委員から、大体私の聞かんとするところはほとんど盡されておりますので、きわめて私は漠然としたことをお聞きしておきたいと思います。
第一に、
本多国務相にお聞きしておきたいと思いますことは、
本多国務相は今年一月に、九州の対馬に視察においでになりました。そのときの
お話の中に、佐賀県と長崎県との合併の問題に触れられてお
つたのであります。これは今の
日本の情勢から
都道府県を道州制に改めるという
意見は、相当有力であると思うのであります。従
つて政府がこの
意見に基いて、どういう構想がどの
程度まで進んでおるかということを、一応お聞きしておきたいと思うのであります。
府県の廃合はもとよりわれわれも
考えておりますし、また
日本の将来の真の民主化を
考えて参りますならば、
中央行政から何らの干渉を受けないということが、真の
自治体の民主化のためにぜひ必要だと思いますが、
府県の廃合をいたしますには、非常に歴史的過程を持
つておりますので、私がつき進んでお聞きしたいと思いますことは、その廃合をいたしまする
政府のお
考えの基礎であります。御承知のように、今までも
府県というものは非常に多くの廃合が行われておりまして、
大臣がおいでになりました佐賀、長崎県の事態を見ましても、従来鍋島侯が長崎県を支配いたしておりました。しかしその
関係から明治四年の廃藩置県のときは二つにわかれておりまして、伊万里県と長崎県にわかれておつたことは御存じの
通りであります。それが明治五年に再びこの伊万里県が今の佐賀県にな
つて、そうしてこれがもう一度解体いたしまして、同九年には長崎県にこの一部が編入されて、殊りの分が三猪県というような形にな
つておる。今日の佐賀県はその三猪県だけであります。これを要するに
府県の廃合というものは、単に佐賀、長崎の状態を見ましても、幾たびか過去において廃合が行われておる。また隣における宮崎県と鹿児島県のごときは、一時併合されておりましたが、宮崎県側が非常に勢力の
関係からまま子扱いをされるということから、六箇年にわた
つて血を流した抗争が、あすこで続けられて、また元の宮崎県、鹿児島県という形にもど
つておるのであります。こういう過程は単に当時の一部の少数の人たちの権力争いさらに従来の藩は
廃止いたしましても、やはりそうした藩勢力というようなものの情勢が、非常に強く影響いたしておりまして、そういう過程を私は見たものと思いますが、今度
政府がお
考えにな
つておりますものは、一体いかなる構想に基いて、この
府県の統合を行おうとなさ
つておるのか、その辺を一応御発表できれば、お聞かせ願いたいと思うのであります。
それからその次に聞いておきたいと思いますことは、
地方の
財政の問題でありますが、
税制改革が大幅に行われまして、いろいろなものが
考えられております。これについては後ほどの
委員会において、案が具体的に示されましたときに、一応お聞きすることにいたしまして、この中で最もわれわれが憂慮いたしておりますのは、平衡交付金の
制度であります。従来の配付税の形のかわつたものというように、一応は解釈できるのでありますが、しかしその
根本のこれの算定の基礎というものが、配付税のときとかわ
つておるように見えるのであります。そこで現在の平衡交付金の算定の基礎となるべきものが、一体どこにあるかということを仄聞いたすところによりますと、これは徴税できるものと、あるいは
財政需要の
関係というようなものの見合せからするというような、お
考えのように聞いておりますが、こうな
つて参りますとこの平衡交付金というものの算定の基礎は、
政府の独断で行われる危険性が私は多分にあると思う。従来の配付税におきまして、たとえば御承知のように所得税あるいは法人税の三三・一四を
地方に配付するという厳然たる
法律があ
つてすら、これが行われない
実情であります。ところが今度はそういう
法律が全然なくな
つて、ただ単に
地方の
自治体から
調査して、ある、は申告して参りましたものを政応が勘案して大体このくらいのものが
地方の
財政との開きであ
ろうというようなことで、
政府の一方的の算定によ
つて、この平衡交付金が決定されると、うようなことにな
つて参りますと、非常に私は
地方の
自治体の
財政に大きな影響と、
自治制の上にきわめて危険性を生ずることになるかと思いますので、この平衡交付金の算定の基礎について、私どもが仄聞し、心配いたしておりますようなことがあるかないかということを、一応お聞かせ願いたいと思います。