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1950-03-31 第7回国会 衆議院 大蔵委員会建設委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月三十一日(金曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員  大蔵委員会    委員長 川野 芳滿君    理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君    理事 小山 長規君 理事 島村 一郎君    理事 前尾繁三郎君 理事 河田 賢治君    理事 内藤 友明君       奧村又十郎君    甲木  保君       佐久間 徹君    田中 啓一君       苫米地英俊君    西村 直己君       三宅 則義君    前田榮之助君       宮腰 喜助君    竹村奈良一君       田島 ひで君  建設委員会    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君    理事 田中 角榮君 理事 笹森 順造君       井手 光治君    池見 茂隆君       越智  茂君    瀬戸山三男君       三池  信君    宮原幸三郎君       八百板 正君    小松 勇次君       増田 連也君    村瀬 宣親君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         大蔵事務官         (管財局長)  吉田 晴二君         建設事務官         (都市局長)  八嶋 三郎君  委員外出席者         参議院議員   佐々木鹿藏君         総理府事務官         (地方自治庁監         理課長)    細郷 道一君         参議院参事         (法制局第三部         長)      中野 哲夫君         大蔵委員会專門         員       椎木 文也君         大蔵委員会專門         員       黒田 久太君         建設委員会專門         員       西畑 正倫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  旧軍港市転換法案佐々木鹿藏君外二十二名提  出、参法第二号)(予)  昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負  担の特例に関する法律案内閣提出第一二五  号)     ―――――――――――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより大蔵委員会建設委員会第二回連合審査会を開会いたします。  前会に引続き昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案及び旧軍港市転換法案一括議題として質疑を続行いたします。前田榮之助君。
  3. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ただいま上程になつております旧軍港市転換法案について、提案者の御意思をお伺いいたしたいのでございますが、この旧軍港四市を特別都市として、国及び関係官庁援助のもとに平和都市としての再建をはかろうとする点は、われわれも了解できるのでありまして、当然そうせなければならぬと思うのであります。この條文を通覧いたしますと、いろいろそれの方途が載せられてありますが、第一にお伺いを申し上げたいのは、この目的が、軍港というものを日本の国からなくして、憲法第二章第九條による日本を、すべての軍備施設をなくした平和国家にせなければならぬという精神にのつとつて連合国側意向をわれわれの忖度いたしたところによりますと、日本になお軍事基地があり、あるいはまた軍備再建をするのじやないかという猜疑心がなお連合国の中にもあるやに盛んに報道されるのであります。従つてこの際日本がかかる軍という名前のつくものを拂拭して、名実とも平和国家としての実態を整えることが、講和促進意味からも、また平和的国家再建という意味からも急務であることは、申すまでもないのであつて、その点この法案の重大な意義があると思うのでありますが、提案者はこの條文のたとえば四條、五條等経済的援助という点に重点を置かれておるのか、あるいはまた第一條の世界に対する国際的な平和宣言という意味重点を置かれておるのか、その点ひとつ提案者の御意思をお伺いしたいのであります。
  4. 佐々木鹿藏

    佐々木(鹿)参議院議員 私ども重点を置いた点は第一條に最もあると思います。御承知の通り軍港という関係がございますので、造船設備、また技術においても優秀なものがある。たとえば船において申しますれば、播磨造船佐世保船舶、このような優秀な会社技術者もあるにもかかわらず、新造船をやるというだけでなく、修理も一切まかりならぬということで非常にやかましく論ぜられており、また許可をしてくれない。ころいうのではいくら優秀な技術者がおつて、また優秀な機械があつても、これは産業都市になることは困難でありますから、一日も早く軍港色を抑拭して、平和産業港湾都市建直しをいたしまして、一般民間工場と同じような線に沿いたいということが根本でございます。
  5. 前田榮之助

    前田(榮)委員 提案者の御意思のあるところが明確になつた点はたいへんけつこうなことでございます。それにいたしましても平和宣言をいたしまして、あとに建設されるべきところの平和産業都市にするために、ただいま例を引かれました造船業等はもちろんでありますが、かかることだけでもちろん産業都市が建設されるわけではないと思う。港湾設備の利用にいたしましても、従来の重工業中心都市等はすべて考えられないので、たとえば繊維工業その他の産業誘致して、名実とも平和産業都市にしなければならぬのでありますが、そうなりました際に、はたして第四條のいわゆる国有財産普通財産の処理に対して、旧軍用財産貸付及び譲渡特例等に関する法律、すなわち昭和二十三年法律第七十四号の適用が、ここに掲げられてある程度では、他の都市に比べて非常な有利に過ぎるという点も多少考えられる。しかしこの第四條に掲げてある点だけではなお不十分であるという見解もあるのであります。その点ここにもう少し明確にすべしという意見も出て来るのではないかと思うのでありますが、提案者は、この第四條をこの法文に掲げられた点については、いろいろ内容があると思うのでありますが、この点に対するお考えを伺いたい。
  6. 佐々木鹿藏

    佐々木(鹿)参議院議員 第一に重点はどこにあるかという御質問でございましたが、第一に、平和産業都市港湾都市にするという点に重点をおきまして、その問題が解決いたしますと、次に起る問題は、産業都市にしなければならぬ。そこで産業都市にしますには、何と申しましても両市とも疲弊困憊して財力のない都市でありますから、やはり他の有力な工場誘致して仕事をさせまたその仕事によつて、この優秀な技術者を生かすことを考えておりますので、この宣言を完成いたしますと同時に、日本のあらゆる会社誘致に努めたい。この誘致のことについては、GHQの方におかれましても、元の軍港の形を残す方法ばかんばしくないというような御指示もございますので、それに沿つて、なるべく平和産業を起して行きたいということを考えております。その平和産業の中でも、今私どもの知つておる範囲で――私は呉の者でございますから呉のことから申しますと、日本の平和の基本になるべき紙が不足しております。その紙をつくるところのパルプをつくるということで、東洋パルプという有力な会社今来ようとしております。また輸出品としては味日本というのが広島にございますが、今まではこのようなものを月産十トンがらみしかやつておりませんが、五十トンがらみにするということも輸出において可能だというようなことも考えておりますので、このような工場を呉に起し、またこの工場誘致するというように、平和産業になるべく持つて行きたいということでございますが、いかにせん、その平和産業を起すべき基本のこの譲渡がなかなか容易でございません。そこで公共団体を現在の法律では二割以内ということになつておりますが、これをこの四市とも二割くらいな程度で拂下げをしてもらいました場合に、実際を申しますと、たとえば学校拂下げをするときは、坪当り七千円、六千五百円というようなことにしかならないのであります。そうすると、われわれはいささか專門家でございますが、あのような古い拂下げをもらうより、新規に建てる方が安いではないかというきらいが多分にあります。そういう不便を感じますので、五割下げてもらいましても、あまり安過ぎたという感じは起りません。今までの大蔵省と市との交渉において、二割下げてもらつたものが高きに位しておるので、五割くらいまで行くことが妥当であろうということで、五割を提案した次第であります。なおこれは四條の一項でございますが、二項につきましては、やはりそのような考え方で、根本的には五割程度引いてもらわなければ産業人は来ないであろう。今のような高い額で、いかめしい方法では産業誘致しようと考えましても参りませんので、やはり四條の一に該当するような精神をもつてやりたい。しかしながらこれを五割引とか、何とかいうことを、ここに明記いたしますと、非常な難関にぶつかるというおそれをもちまして、このすべては審議会においてやる。つまり審議会政府の者も入り、また学識経験者が入つて、適正公平にこれを配分するという方針でございますから、国のためを思い、その都市のためを思い、また産業人の立場を考えてこれを処理くださるということに願つておりますから、すべては今私が申し上げたような気持をもつて起案をいたしましたが、その後の運用につきましては、やはり審議会にあげて全部お願いするという考え方であります。
  7. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 簡單に二、三提案者並びに政府当局に対して御質問を申し上げます。ただいま提案者の方から御説明を大体伺つたのでありますが、私どもも第一條目的には衷心より賛成いたしております。先ほどお話がありましたように、日本が一切の戰争をしない。従つてすべての軍備を持たないという宣言をいたしております以上、元の旧軍港軍港状態で存続されることは、きわめて憲法精神に反すると思いますので、これを平和産業都市転換し得るという法案を提案された方方のお気持に対しては、敬意を表しております。ただしかしこの法案の二、三の点については私ども不明にしてまだよくわかりませんので、そこをはつきりさせるために御質疑をいたすわけであります。  そこでまず先ほどお話がありましたから、その点は繰返しません。この軍港都市平和産業港湾都市転換するという計画は、まだ法律ができたわけでもありませんから、明確にそれをお尋ねするということはむりかもしれませんけれども先ほどの御質疑お答えになりました点では、私どもは理解がつきにくいのであります。そこで第一に平和産業港湾都市転換するのだとしてありますが、先ほどの御提案者の御説明では旧軍港の用に供しておつた各種設備を活用いたしまして、平和産業その他に転換いたしたい。こういうお話であります。ところがこの法文に現われましたところでは、大体その転換処置が第四條、第五條規定されておりますけれども、これは学校その他医療施設社会事業施設もしくは引揚者の寮、さようなものに転換するのだ。そうしてそれらに対して元の旧軍用財産貸付及び譲渡特例等に関する法律では、二割もしくは三割以内というように、公共団体に対して譲渡するときにはさような便宜をはかつておるけれども、それではこの四市の財政その他からまかない切れないから、かような特例を今日きめたい。これは一応わかるのであります。先ほど説明にもありましたように、これに書いてありますことは、いわゆる公共団体公共施設転換するということでありまして、産業その他の施設転換するということは、一つも書いてございません。その点についてはこれはどうも法律化するのはきわめて困難な事情がある。一般私企業に対して国有財産を五割引などにするのは困難であると言われましたが、それを審議会によつてやるのだ。こういうふうになつております。ところが第六條に審議会規定がありますけれども、この審議会にかけられるべきものは第四條もしくは第五條の、すべて公共団体譲渡もしくは譲與する場合のみと書いてあるのでありまして、審議会にかけて私企業に対して、いわゆる平和産業転換する処置をこれでとられるという先ほど説明は、了解に苦しむのであります。その点はどういうふうになつておりますか。
  8. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 法律的な点にわたりますので、私からお答え申し上げます。  第四條の第一項一号、二号はその本文で書きました通り、旧軍用財産貸付及び譲渡特例等に関する法律の第二條第一項と三條一項の規定をかえまして、二割を五割、三年を十年、こういたしたのですが、その他の点については、この特例法という原則法適用になるのでございます。従いまして四條の第二項で前項に定めたそういう五割あるいは十年というもののほかについては、原則法運用の際には但軍用財産をこの転換計画に役立つようにできるだけの範囲法律運用すべきことを規定いたしておるのでございます。第五條は、国有財産法の第二十八條では一定の用途に供する場合に無償譲渡、つまり譲與をしてもいいと、こう書いてありますので、無償譲渡を必要とする場合にはこの規定が動くのですが、この第六條の審議会は、前二條でございますので、第四條の一項の場合も、二項の場合も、第五條の場合も、いずれも五割引の点は適用はありませんが、たとえば第四條一項二号の十年以内の延期の特約は民間会社に対してはこの規定によつてできるのでございまして、二割引範囲内において売るということは原則法が働いて民間会社に対しても売れるのでございまするので、それらの処分をやりますために第六條には相手方あるいは財産範囲譲渡価額延納期限その他の重要事項について調査審議する、こういうことで、法律的にただいま御質問のございました民間会社譲渡する場合も審議会の議に付さなければならぬ。こういうことに相なると思います。言いかえますと一般的に他の都市に対して旧軍用財産あるいは国有財産原則通り譲渡しあるいは貸し付けるというような場合には、今の法律上は審議会の議を経ることを要しないのでありますが、この場合は四條の一項二翼、第五條等によつて相当物的財産護與をするということになりまするので、事の愼重を期して特にこの法律の場合は一般的にそういう処分について審議会の議を経べきことといたしておるわけであります。
  9. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大体わかりましたが、そうすると第六條の「前二條規定する」というのは、前二條の場合というのでなくて、前二條の場合はもちろん、前二條というのは公共団体だけを相手方にしておるのでありますが、前二條の場合以外の一般の個人といいますか、私企業に対してもこれで処理するということになるわけなのでございますか。
  10. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 ちよつと法律的にこまかくて恐縮なのでございますが、前二條のうちの第四條について申しますると、第四條一項の本文に「旧軍港市都市計画又は特別都市計画の区域内において有する旧軍用土地施設その他の財産を、旧軍用財産貸付及び譲渡特例等に関する法律の例により、処理することができる。」こういう規定によりまして、ここで一号二号と特例を設けた以外の点は、やはりこの法律の例によつて民間会社に対しても処理できるのである、かように考えております。
  11. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大蔵省の方にひとつお願いします。第四條についてお伺いします。提案者気持はよくわかるのでありますが、法律を制定いたしますについて、できてからいざこざがあつては相ならないと思う。もちろんこれはもし国の法律によつてきまるということになりますれば、行政庁はその法律従つて裁量しなければならぬこと当無でありますから、あえて意向を聞く必要もないと思いますけれども、しかし初めからけんか腰ではいけませんので、四條の二割を五割以内、三年を十年以内と延期する、こういうような処置について現在大蔵当局はどういう見解を持つておられるか。
  12. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 本法案につきましては、国会の方で御提出になりましたので、政府としましては特に常時御連絡は受けておりましたけれども、実際のいろいろな立案事務には携わらなかつたのでございますが、率直に申し上げまして、現存戰災都市その他いろいろ窮乏の状態にある都市相当多いのでありまして、旧軍港都市だけに特別の措置をすることがいかがであるかということについては、相当問題があろうかと思うのであります。しかしまた実際の状況を見ると、旧軍港市につきましては、特別に旧軍用財産が多く、またその土地條件あるいは従来の状況等から見まして、何らかこれに対する措置というものも必要であるということが考えられるわけでありまして、ただこういう法案が成立しました以上は、その措置につきましては、先ほど申し上げました措置の実施につきましては、他の都市等との均衡もございますので、第六條による審議会もございますが、これは十分愼重運用をしなければならぬというふうに考えておる次第であります。
  13. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私はこの四條の特例について異議をさしはさむものではありませんけれども、現在四軍港都市にはただいま多くの軍用施設がある。それはわかります。その他の主として戦災都市ですが、それらについて軍用施設のある場所で、特に学校その他住宅等について非常に困窮しておりますときに、現存軍用財産特に兵舎その他について何とかこれを安くと申しますか、地方公共団体財政範囲で、何とか安くしていただきたいという要望は相当あると思います。それについて特別な措置考えないで、ここだけ特別の措置考えるということは、ちよつと日本の政治全体としては適切でないと思つております。そこで私はこれをお尋ねするのでありますが、日本全国軍用施設について、もう少し何か拂下げについて、価格もしくは支拂い條件を緩和し、一般的な規則をつくられる考えがあるかどうか、もちろんこれは政府がつくらなければ、国会がつくらなければなりませんが、政府としてはどういうふうなお考えを持つておられるか一応伺つておきたいと思います。
  14. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 その点につきましては、先般この予算委員会で政務次官からもお答えになつたのでありますが、政府といたしましても、旧軍用財産一般の、特にその公共目的に使用される面におきましては、相当現在の状況以上に措置をする必要があるのではないかということを考えておりまして、本国会法案提出することも実は研究をいたしたのであります。しかし関係方面とのいろいろの折衝の結果、その方は未だ向うが認める段階に達しておりませんで、この方だけが先に認められたというような経過になつておる次第であります。
  15. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私ども内容は知りませんが、そこまで努力をしておられるということでありますので、すみやかにさような措置をとられんことを希望しておきます。  もう二、三点お尋ねいたします。これも小さな法律的な問題になつて恐縮でありますが、第二條に、第一條目的を達成するため、すなわち旧軍港市転換計画及びその旧軍港市転換事業については、都市計画法並び特別都市計画法適用するというふうな規定があるのであります。この旧軍港四市には特別都市計画法適用にならぬところもあるかもしれませんが、大体この両法は適用されていると考えているのでありますが、第二條を特に規定された理由について立案者ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
  16. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 この第二條の、平和産業港湾都市にふさわしいように建設する計画と申しますのは、都市計画法規定される内容よりも、有機的な一つ平和産業港湾都市建設をやる計画のことを意味しておるように考えております。それについては、基本的にはこの都市計画法または特別都市計画法適用があると書いたもので、それはいろいろの計画があり得るのでありますが、その地域的な、土地を基盤とした基本的な計画についてはこの両法律適用があるということで、一極の解釈規定考えます。ただただいま海軍の工廠あるいは鎭守府の用地等になつてつて、従来の都市計画地域範囲内に入つていないところが今後都市計画をするべき地域の中に入つた場合、あるいは今連合軍が接収しているというような地域が返還され、普通財産に編入されるということでその計画地域が広げられました場合には、この二つ法律適用をいたしまして、この平和産業港湾都市にふさわしいような都市計画をつくる必要が生ずるということを特に明文をもつて規定したものでございます。
  17. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 都市計画局長が見えておりますから、その点について、簡單でよろしゆうございますからひとつ御意見をお聞かせ願います。
  18. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 この第二條規定につきましては、実は私も提案者の御意見を少しく承つておきたいと思つてつたのでありますが、この規定言葉が簡潔にできている関係上、非常にわかりにくいという感じが実はいたすのであります。と申しますのは、私の考え方といたしましては、今後この規定適用して参ります際におきまして、この第二條というものは、計画及び事業範囲を示しておるように考えられるのであります。そのことがまず第一と、第二には、計画なり事業を施行して参るという場合においては、都市計画法または特別都市計画法というものを適用するのだ。こういう二つの事柄が実は一つ條文の中に織込まれておるのじやなかろうかと解釈するのであります。もつと内容をせんじ詰めて申し上げまするならば、都市計画法の第一條にうたつておりますいろいろの事業のほかに、この旧軍港市には平和産業港湾都市としてふさわしいような施設というものがあります。そういうものをあわせて、ここに旧軍港市転換計画並びにその事業があるのだというふうにはつきりとその範囲をうたつておいて、そういうものを計画し、立案し、事業を実施して参る場合においては、都市計画法または特別都市計画法というものの適用があるのだ。すなわちもつと具体的に申し上げまするならば、そういうような一つ計画を立案する場合におきましては、都市計画法に基いた都市計画審議会の議を経なければならない。あるいはいろいろと土地収用をして参るというような場合におきましては、土地収用法適用を受けるのではなくして、都市計画法適用を受けるのだ。あるいは権利制限でいろいろのことをやるという場合においては、都市計画法をそこに適用して参るのだ。こういうような意味だろうと実は解釈いたすのであります。その二つのことを簡潔にいたされる意味において、こういうぐあいに書かれたのではないかと実は想像いたすのであります。私どもとしては、この法律適用して参るということになりますれば、大体そういうような気持運用して参りたいと考えておる次第であります。
  19. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 この條文はちよつと書き方が惡かつたというぐあいに了解しておきます。  第五條に、「国は、旧軍港市転換事業の用に供するために必要があると認める場合においては、国有財産法第二十八條規定する制限にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産譲與しなければならない。」とあるのであります。このごろかような特別法ちよちよい出てまいりまして、いわゆる国の普通財産を、国有財産法規定にかかわらず云々という、これが大体この特別法の主たるねらいのようになつておるのでありますが、本法案については、ほかにもいろいろそれと違つた規定がございます。さきに出て来ました長崎、広島の――過般衆議院を通過して、ただいま参議院にかかつております別府国際観光都市法案と同じような規定があるのであります。ところがこの第五條については、普通財産譲與しなければならないとあるが、前にできました三つの法律には、譲渡という言葉を使われておるのもありますし、譲與という言葉を使われておるのもあります。その場合はすべて譲渡もしくは譲與することができると書いてあります。あまり法律的なことを言うて申訳ありませんが、この譲與という言葉は、ただでやるということで、ほかに解釈はつきません。ただやらなければならないというように規定しておるのでありますが、国会でつくりましたほとんど類似の法律に対して、特にかように強い意味を持たせた提案者気持をお伺いいたしたいと思います。
  20. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 ただいまの御趣旨ごもつともでございます。私どもこの立案にお手伝いいたしました際の原案は、必要があると認めるときは、ただいまお話通り譲與することができるといたしたのでございますが、実は関係方面との折衝の際に、なるべく国会から提案される法案は立法者が政府に裁量の余地を與えないように、法律を執行すればいいような形に立法すべきではないか、こういう関係方面の強いかつ相当時間切りの意見でございまして、「普通財産譲與しなければならない。」こう書いて、立法機関が立法によつて政府の行政行為を覊東するということをはつきりしたらどうかという意見に従つたのであります。ただこれをどうしても譲與しなければならない、不適当な場合でも、それではこの規定譲與を強制されるのかという点については、第一行目にあるように、必要があると認めるという場合には譲與しなければならないが、全体の転換計画内容あるいはその当該財産等と見合せましてその必要がない、こう政府が認定をしますれば、必ずしも普通財産譲與しなければならないという拘束は受けないという解釈の余地もあり得ると考えまして、そういうふうな立案になつたのでございます。ちよつと経過をお答えいたしました。
  21. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 もちろん国会が、たとえば旧軍港市転換法によつて、第一條目的に適するような市にしなければならないと決議いたしました以上は、それに必要な、たとえば国有財産でありましても必要であるということになれば、これを政府に対してもしくは大蔵省に対して譲り渡してくれませんかなどと相談はいたしません。これは必要であるということで、国会で決議いたしますれば、これはただでやらなければならないという規定を設けるのは当然であります。その精神は私はよくわかりますが、あなたはこの前に出ました法案にタッチされたかどうかわかりませんけれども、同じ国会できめたのがそういう二、三にわかれるというのは、私は何か特別な事情がなければ――それは関係方面が言われたかどうか知りませんけれども、すべて関係方面を通つて来ている法律でありまして、それが三つ出れば、三つの規定を同じことにしなければならない。特にこの法律に強い意味を持たせなければならない理由がありましたら、私どもはこの規定に反対というわけではないのですけれども、同じ国会を通過する法律に、三つも四つも違つた規定をするという国会気持ちよつと了解に苦しむので、その点何かこの法律については特にこういう規定をする必要があるのだ――ほかの法律では、譲渡は売渡しもあります。ただでやることもありましよう。それは大体やつてもやらなくてもいいのだというふうに、やわらかく規定しながら、これをそうしなければならないのだという特別の理由がありましたら、私どもそこまで深く考えておりませんが、ありましたら参考のため聞かしていただきたい。
  22. 佐々木鹿藏

    佐々木(鹿)参議院議員 厳密に法律的に御質問いただくとまことに恐縮で、ほとんど言集がないのであります。私どもしろうとでありまして、また交渉に数回参りましたが、向うのさしずの通りするのがいいのだろうというような、あさはかな考えをもちまして、このようにしろということに甘えまして、このような提案をいたした次第であります。どうしてもこれでなければならぬというような根本的な考え方ではないので、向うさんのおさしずを厳粛に守るという意味でこういうことにいたしたのでありますから、どうか御了承願います。
  23. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 くどいようでありますが、首都建設法というものも今参議院にかかつておると思います。この首都建設法の経過を話しますと、あれにも譲與という言葉が使つてある。ところが関係方面では、そういうのはけしからぬ、譲渡でなければならない。それで譲渡にかわつて衆議院を通過しております。そこでそれについてとやかく申してもしかたがないのでありますが、大蔵省のこれに対する見解を承つておきます。
  24. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 ただいまの点につきましては、大蔵省としては、なるべく法文は統一してある方がいろいろな事務の執行上けつこうであるというふうに考えております。
  25. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 統一されればけつこうであるというような言葉を聞くのではなくて、普通財産をただでやるのだという規定国会で設ける意思がある場合、先ほどの第四條と同じような内容について、御意見を承つておきたいと思います。
  26. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 これは先ほど中野部長から御説明のありました通り、旧軍港市転換事業の用に供するために必要があると認める場合においては、当然財産譲渡しなければならぬ、こういうことになるわけであります。
  27. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 もう一つ提案者にお伺いいたしたいと思います。附則に「この法律は、日本憲法第九十五條規定により、旧軍港市のそれぞれの住民の投票に付するものとする。」と、いわゆる住民投票の規定があるわけでありますが、もちろんこの旧軍港市転換法のこの問題については相当議論があると思います。あると思いますが、もし憲法第九十五條規定適用になるのが正論であるということになりますれば、この法律はいらない、この規定はいらないと思います。私の考えでは、これはいわゆる旧軍港市転換法でありまして、必ずしも一つ都市を目標にしておるのではない。いわゆる一般法であるというふうに考えております。このごろ一つずつはやるからああしたのだというような議論もありますが、そこで憲法には、私が説明するまでもなく、一つ地方公共団体のみに適用される法律については住民投票をするのだ、そうして地方自治法に住民投票の手続が書いてございますが、これは旧軍港都市転換する、そういうものは戰争を放棄した以上はいらないのだから、いわゆる平和的にこれを切りかえる都市計画をするというのが根本の目的であります。それが目標の規定でありますから、特に住民投票、一つ地方公共団体にのみ適用される法律ということは私は考えておらないのでありますが、もしそれが、これは各四つの都市に個別に適用されるという見解で必要であるということになりますれば、さらにここにこの規定はいらないというふうに考えられるのであります。これは私の不明のいたすところでありましようけれども立案者が特にこの規定をここに挿入された御見解を承りたい。
  28. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 お話のように、この案を起案いたします際には、横須賀旧軍港市転換法、あるいは呉旧軍港市転換法というぐあいに、四つの特別法をつくることも考えてみたのでございますが、この問題については四市がほとんど過去における事情、軍港市としての事情、また今日非常に荒廃状態にある事情をひとしくしておりまして、四つの市が共同でこの法案の成立に努めたい、こういうようなお話もございましたので、四つの市の特別法を並べますよりも、法律内容を同じくする法律でございますので一つにしよう、こういうふうに考えまして、こう起案したのでございます。そこで以上申し上げた趣旨で、私どもは純形式的には四市を規定しておりますが、実体的に見ますと、四つの特別法一つの形の法律になつておるが、そこはセパレートして考え得るものと考えております。それでそう考えますと、憲法九十五條の住民投票は、憲法解釈で足るのであつて、附則の第二項にこう書く必要はないではないかという今御質問のような点が出て参つたのでございますが、これは御承知の第五国会で通過いたしました広島と長崎の両特別都市建設法の場合にはそのことが明記いたしておりませんでした。そこの解釈といたしまして衆議院議長から内閣総理大臣に所定の手続をおとりになる際に、衆議院の御解釈として、明文はないが、そういう住民投票の手続をとるということが行われたのであります。そこでこの法律をつくります際に、そのことを書くか書かぬかについて、法律的な点は両院の法制局でいろいろ相談しましたが、この際はつきりさせる。後年に至つてあの法律憲法九十五條規定適用を受けて住民投票に付されたということをはつきりさせるという意味からいたしましても、また平和宣言をして都市の性格をかえるということについても、住民の意思を直接参與させる方が適切ではないかという点も考慮いたしまして、ここに解釈はつきり明定いたしたのでございます。
  29. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私が特にこの点を問題にいたしますのは、何も旧軍港都市転換法だけならば問題にしないのであります。もちろん今御説明のような見解も成立ち得ないとは申さないのでありますが、今こういうような特別法に似たものが各地方から出て来る空気が相当あります。私ども今国際観光都市建設法案というようなものを現に立案中であります。そうすると一体国際観光都市というものはどのくらい日本でつくるべきかということについて問題はありますが、それについては一つ以上二十も三十も、これは仮定でありますが、そういう場合に日本に国際観光都市をつくらなくちやならない。しかもそういう都市はこういうところだというふうに、かりに法文に列挙するというような場合に、これはみな集めたのだからセパレートだということで各地に住民投票するということはちよつとおかしい。そういう国際観光都市をつくらなくちやならないのだという一つ法律をつくつたら、それが適用されて行くたびに住民投票をするということになりますと、きわめて複雑怪奇になつて来るのであります。それともう一つ、これは新憲法以前だつたので問題にならなかつたが、数は忘れましたが、相当都市であります。戰災都市だけ適用するいわゆる特別都市計画法というものがございますが、かりに今日特例都市計画法を制定いたしまして、それにちやんと適用すべき市名が列挙されるのであります。そういう場合にもやはりこれは結局集めたのだという議論をされたのでは困る。さらにまた御承知の通りに、借地借家法を適用する場合に一つ一つ都市を加えて行こう、これも前にできたものでありますからそれでいいのでありますけれども、今日さらに都市の形態が整つて行くに従つて、ある都市をそれに指定しなければならぬことになる。そういう場合にもやはりこれはその都市に対しての特別法だというようにやられたのではちよつと困る。一つのかような例ができますと、後になつてから非常に立法的に困る場合がありはしないかということを考えますと、この点は相当はつきりした態度をとつてもらわなければ、今後の立法に行き詰まりを生ずることになりはしないかと思いますので、もう一度そういうこともお考え合せになつて意見を承つてみたいと思います。
  30. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 ただいまお話の点はまことにごもつともな点だと思うのでございまして、私どもも寄り寄り研究いたしたのでございますが、この法律は元の海軍の鎭守府あるいは海軍工廠なりの置かれた、日本の過去におけるたつた四つの都市平和都市への転換規定いたしたのでございまして、ただいまお示しの罹災地の借地借家法等で、たしか先国会で能代市の大火によつて都市名を加えたように私どもも記憶しておりますが、ああいうことは、一つ條件を掲げまして、大火事が起つた、あるいは地震が起つたというような條件にある都市が合えば、それにその法律適用をするために都市を加えて行くというので、法律的に厳密に言いまして、多少違うかどうか私どもも自信がないのでありますが、この法律のように太平洋戰争前の旧日本における四つの海軍根拠地というものは、今後絶対に起り得ないのでございまして、そういう過去の事実をとらえてこの四つの市にこの法律適用するという点において、可分的に、特別法としての扱いができるのではないか、かように区別し得るのではないかと考えておるのでございます。
  31. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そうしますと、これはあとにも先にも四つしかないからやるのであつて、その他、私が一つの例に出しました国際観光都市ということで、これに五つなり十の都市を指定する、そういう場合には当てはまらない。これは特例であるからというお考えで将来お進みになるおつもりでありますか、それをはつきりさせていただきたいと思います。
  32. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 これは立法者のお気持でありますが、将来こういう考え方がいい、かつその結果もうまく行つたということで、ここでは軍港市となつておりますが、広く軍事都市というような都市に、国有財産なり旧軍用財な特例法のさらに特例を設けるというように考え方が発展して行くというような場合には、もつと一般的な基準法規にいたしまして、旧軍部あるいはこれに準ずるものを同様の扱いにして行くというような考え方にもなり得るものと考えております。とりあえずはこういう四つの軍港市にそれぞれの特別法をつくつたものと御承知願います。
  33. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 最後に、これに関連いたしまして大蔵省当局にお尋ねいたします。かりにこの法律が成立いたしますと、一定の期間内に住民投票をしなければならない。その経費はもちろん国庫の負担ということになつておりますが、それに対して御用意がございますかどうか、お尋ねいたしたい。
  34. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 ただいまの点につきましては、審議会につきましても予算がいることになると思うのでございますが、その点については、これはまだ予算が全然組んでないように聞いております。住民投票についても同様でございます。
  35. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 ないということでありますが、しかしこれは一定の期限を切つてやるようになつておりますが、どういうふうにされるお考えであるかということをお聞きしているのです。
  36. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 住民投票の費用につきましては、広島、長崎の先例も聞きましたのですが、たしか国からは、三、四十万円くらい広島市に出しておるというように記憶しております。あまり多くないようでございます。  それから、ついででございますから申し上げますが、この審議会も、この法案内容等からいたしまして、手当、旅費あるいは雑費等を見まして、まあ五百万円もあればいいのではないかと法制局では考えておるのでありますが、それらの点は、まだ確実に全国選挙管理委員会あるいは大蔵省はつきりはお約束の域まで至つておりませんが、既定経費でまかなえます分は極力さようにお願いいたしまして、足らない分は臨時国会等に間に合いますならば、またお願いする、または予備費の流用をお願いする。こういうふうに考えおりますので、御了承願います。
  37. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大蔵省の生計局長はさきに見えておりましたが、今おられませんか。
  38. 川野芳滿

    川野委員長 主計局長を呼びますから、あとで答弁させます。
  39. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 きわめて簡單に一点だけお尋ねをいたしておきます。この第四條におきまして、旧軍用財産貸付及び讓渡の特例等に関する法律特例規定してありますが、旧軍港市におきましては、賠償に指定されてある旧軍用財産が多いものと考えられるのであります。昨今この賠償が多少解除せられておると聞くのでありますが、さらに本法案成立のあかつきには、多少なりともその解除を早めることになるのではないかと考えられるのであります。従つて軍用財産の讓渡に際しては、賠償の問題が相当重要な役割を持つて来るものと考えられるのでありますが、第六條の旧軍港市国有財産処理審議会委員中には、いろいろとその委員の人選がきめられてあるのでありますが、その中に賠償庁の職員を入れることになつておらないのは、この賠償等の関係はほとんどないと考えておるのであるかどうか、お伺いしたいのであります。
  40. 佐々木鹿藏

    佐々木(鹿)参議院議員 御指摘の賠償物資につきましては、御承知の通り軍需機械を一級品、二級品、三級品、不合格等によつて識別されまして、三級以上のものは荷づくり、梱包を完全にして、そうして保管をいたしております。それが、聞くところによると、一級、二級はまだ解除の段階になつていないが、三級品などはどこへ持つてつても困るというようなことで、大体見通しがつきそうなので、あるいは解除になるかもわからないということです。その解除になつた場合どうするか、これはやはり大蔵省の査定による処理方法によつて行くということと同時に、その機械はできる限り四つの軍港都市産業を興す諸会社に讓與をする、また貸すという方法に願いたい。もし余つたらどうするか、余つた場合にはやはり日本の必要な方面に大蔵省あるいは運輸省等の話合いによつてなされるだろう、こう考えております。  なお審議会のメンバーについて規定をしてあるが、どうかということでありますが、初め私ども考えましたのは、四つの都市にそれぞれこの審議会のごときものを、私どもは協議会と考えておるのでありますが、そういうものをつくつて土地の事情をよく知つた者が大蔵省その他と折衝して、産業の振興をはかろうという考えを持つておりましたが、いよいよせんじ詰めて参りますと、四つの都市に、その審議会なり協議会をつくつて、また中央につくれば複雑多岐になつて、かえつてうまく行かないのではないかということの結論に到達いたしましたので、今この審議会をつくることについては、最も大蔵省重点を置いて大蔵省の事務次官、そうしてその関係の局長等も入りまして、また運輸省の事務次官、その他四つの県の知事が入つておりますが、これはやはりその県のことについては、知事がいろいろと協議にあずかり、また指示をしておるというかつこうであります。市長はどうかということでございますが、市長ほどこの四つの都市について苦心をし、またこれに対していろいろな構想を練り、またこれを産業都市転換することについて努力している者はないのであります。このようなことから、市長が審議会委員になつているわけでございます。この審議会は決議機関ではないのでございまして、大蔵大臣の諮問機関でございますから、このような構想になつているのであります。
  41. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 ただいまの御答弁でございますと、一層賠償庁の職員を入れておく方が円滑に行くのではないかということが考えられるのでありますが、その点いかがでございますか。
  42. 佐々木鹿藏

    佐々木(鹿)参議院議員 この点、言い忘れておりまして恐縮でございます。実は山口国務大臣から、そのような考え方はないかというお話もございました。そこで私どもは、それは入つていただくことが一番けつこうなことだ、こう考えてみたのでありますが、いろいろ各方面と折衝の結果、賠償物資を除去するためとか、それを促進するような考え方を持つことは、かえつて害があるではないだろうか、そういう考え方も起りまして、実は遠慮申し上げたことが根本でございます。それは山口国務大臣も、それならそれでもよかろうという了承も得ている次第であります。
  43. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 大蔵委員会で、あとでもう一回質問ができると思うのでありますが、簡單に一、二の点をお尋ねしておきたいと思います。実はこの価格の問題ですが、価格の問題については管財局長さんにもお伺いしたいと思いますし、市の財政問題についてはまた自治庁の方にお伺いしたいと思いますが、この価格というものは帳簿価格でしようか、それとも実際の市場価格でしようか、あるいはスクラツプの代金に相当する価格でありましようか。従つてまたこれに関連しまして、今時価の五割下げたという場合、おそらく財政的には非常に都市が困つておるのではないか。そうしてそれは十年間待つということになつているようですが、十年間というと、現在の貨幣価値と将来に行つてからの貨幣価値とでは、相当隔たりがあります。また金利を拂うということを言つておられますが、金利を拂うとすると、市の財政面において非常に困る事情が生じて来るのじやないか、この点について大蔵省と自治庁の方にお伺いいたします。
  44. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 ただいまお話がございました価格の問題については、時価を基準といたしまして、それの五割以内の減額した対価で讓渡するということになつておりますので、これはその讓渡のときの時価ということになるわけでございます。さらに公共団体財政の負担の問題になりますと、これは主として第四條の第一項第一号と、第五條の問題になるかと思うのでありますが、第五條の場合は、持に必要があると認める場合においては無償讓與の道がございますので、その点においては公共団体の負担は相当軽減されるということになろうかと思います。
  45. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうすると、ただいま提案者の御説明によりますと、三種の三級に相当する機械とおつしやいましたが、これが特価によるということになると、現在の取引価格になるわけですが、おそらくそういう機械をこの中に入れて買い上げるということになつた場合は、採算がとれないで困るのじやないかと思いますが、一般の場合はスクラツプ代で売買されるのでしようか、実際は時価で売買されるのでしようか。
  46. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 ただいまの旧軍港市転換関係の機械については、今佐々木議員から御説明がございましたが、現在の考え方では、三級機械につきましては、向うの考え方は大体スクラツプ・ダウンにしてしまう。そしてスクラツプとして処理してしまう。その場合にスクラツプとして処理されたものを、機械の原状で、機械として使用できるかどうかということにつきましては、まだはつきりいたさないのでありますが、これはもうスクラツプとして処理しなければならぬ、機械としては使用してはいけないということを、一応向うの係の方では言つておるようでございます。それ以外のものにつきましては、現在のところ一級、二級のもので、特に国内で他にないもの、あるいは特別の用途に供せられるようなものについては、現在賠償解除にならないものは、一時使用とする。そしてその貸付料をとるということにして使用しておる次第でございます。
  47. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 代金について十年後に拂つてもいいというようなことになつた場合に、この所有権の移転はいつされるのですか。
  48. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 これはここにもありますように、もちろんその讓渡のときに所有権は讓渡するわけであります。ただそこで担保を生ずるわけでありまして、大体においてその讓渡されたものがそのまま担保になるというようなことになると存じます。
  49. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうすると、この平和産業転換に関する施設を買収するという場合に、おそらくこの都市以外にも生産の一環として付属設備があると思うのですが、そういう場合にはこの都市以外に存在する付属設備もこの中に含まれるのでありますか。
  50. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 特別都市計画の区域内において有する旧軍用土地施設その他の財産ということになつておりますので、その以外の土地にあるものについてはこれは適用がないというふうに考えております。
  51. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 おそらく、この都市外でも関連した密接な設備があると思うのですが、その設備を使用しなければこの都市内にある工場なり施設が完全に運営できない場合も生ずると思うのです。
  52. 中野哲夫

    中野参議院法制局第三部長 都市計画地域の中に母体となるような設備がありまして、それと一体となつて運用されるような設備、それがきわめて密接に関連しておるという点は解釈としてそのものに及ぶべきであろう。その工廠で使つてつたからといつても、相当距離が離れて、関連もないようなものについては、この法律では適用がないものと考えております。
  53. 川野芳滿

    川野委員長 瀬戸山委員質問に対しましては、午後答弁させることにいたします。  午前はこの程度にいたしまして午後一時半から再開いたすことにいたします。     午後零時二十四分休憩      ――――◇―――――     午後四時二十三分開議
  54. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 休憩前に引続き建設委員会大蔵委員会連合審査会を開きます。  旧軍港市転換法案を議題として質疑を続行いたします。先刻旧軍港市転換法案に対する瀬戸山委員の御質疑において、主計局長の答弁が保留されておりましたので、この際主計局長の答弁を求めます。
  55. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 旧軍港市転換法案につきましては、成立のあかつきは当該地方団体の住民投票をすることになつでおります。この経費は国庫の負担となつておるのでありますが、長崎、広島の例を見ますと、大体一部市三百万円程度かかつておるようであります。従つて都市で千二百万円程度の金でありますので、既定経費の中から十分支弁できるのではないかというふうに思つております。
  56. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 以上をもちまして連合審査会を閉じることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十五分散会