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1950-04-28 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第61号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十八日(金曜日)     午後十一時六分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 大上  司君 理事 岡野 清豪君    理事 北澤 直吉君 理事 小山 長規君    理事 西村 直己君 理事 前尾繁三郎君    理事 川島 金次君 理事 河田 賢治君       大内 一郎君    甲木  保君       佐久間 徹君    高間 松吉君       中野 武雄君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮腰 喜助君       田島 ひで君    中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君  委員外出席者         通商産業事務官         (通商繊維局絹         業課長)    内藤 邦雄君         会計検査院事務         官         (事務総長官房         総務課長)   山名酒喜男君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田  直君         会計検査院事務         官         (検査第二局農         林検査課長)  大澤  實君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 四月二十八日  委員島村一郎君、山口シヅエ君及び内藤友明君  辞任につき、その補欠として井上知治君、中崎  敏君及び井出一太郎君が議長の指名て委員に選  任された。 同日  河田賢治君が理事に補欠当選した。     ————————————— 四月二十八日  特別未帰還者給与法の一部を改正する法律一案  (参講院提出参法第七号)  政府に対する不正手段による支払請求防止等  に関する法律を廃止する法律案内閣提出第一  九二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会申入の件  予算執行職員等責任に関する法律案内閣提  出第一七五号)  つむぎ等の輸入税を免除する法律案根本龍太  郎君外四角提出衆法第二四号)  派遣委員調査報告に関する件  閉会中審査申入の件     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 ただいまより会議を開きます。  議案の審査に入ります前にお諮りいたしたいことがあります。実は去る四月二十日理事河田賢治君が委員を辞任いたしましたのに伴いまして、理事一名が欠員になつておりますので、この際理事一名を補欠選任する必要がありますが、去る二十一日河田賢治君が委員に選任せられましたのて、河田賢治君を再び理事に指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですからさよう決定いたします。     —————————————
  4. 川野芳滿

    川野委員長 次に昨二十七日本委員会に付託に相なりましたつむぎ等の輸入税を免除する法律案議題といたしまして、まず提出者趣旨説明を求めます。北澤君。
  5. 北澤直吉

    北澤委員 提出者を代表いたしまして、私からただいま議題となりましだつむぎ等の輸入税を免除する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  この法律案によりまして輸入税を免除しようとする物品は、つむぎと上布でありますが、いずれも和服の生地に使用されるものてありまして、従来主として沖縄大島等から産せられたものでありますが、現行の輸入税表によりますと、これら物品の大部分従価十割輸人税が課せられることとなつておりますので、現在てはその輸入は全然不可能な状態であると申しても過言てはないのであります。よつて今回諸種の事情を考慮いたしまして、昭和二十六年十二月三十一日まて、これら物品に対する職人税を免除して、その輸入を円滑ならしめようとする次第であります。  以上が本法律案提出いたしました理由でありますが、何とぞすみやかに御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。
  6. 川野芳滿

    川野委員長 次に本案議題として質疑に入ります。質疑はございませんか。
  7. 河田賢治

    河田委員 大体このつむぎは現在どのくらい入ると予想されておりますか。
  8. 北澤直吉

    北澤委員 現在は輸入税か十割かかつておりますので、ほとんど入つていないのであります。戦前昭和十六年の例をとつてみますと、琉球諸島から日本内地に入りましたつむぎは九百七十三万円であります。それから上布の方は百二万円、という戦争前の実績でありますが、ただいまのところでは輸入税が十割かかりますので、全然入つてない状況であります。
  9. 河田賢治

    河田委員 今大島あるいは沖縄等は大体日本人か住んでおりますので、できるだけそういう面で現在の内地と同じような取扱いをしたいと思いますが、これが入りますと日本織物業者に対して相当影響を与えると思うのてあります。現在日本織物業者は御承知の通り非常な滞貨に苦しんでおり、また従業員は休業、失業でさんざんな目に今日あつておりますが、これが入ると相当その方面影響が大きいと思う。この辺に対してはどういうお考えをお持ちでありましようか。
  10. 北澤直吉

    北澤委員 ただいまの御質問にお答えする前に、この法律案を出しましたこれまでの経緯につきまして、説明申し上げます。  いわゆる沖縄を含むところの琉球列島というものの帰属かまたきまつておりません。ポツダム宣言によりますと、日本周辺諸島連合国がその帰属をきめるということになつておりまして、結局琉球諸島帰属の問題は、これは講和條約てきまるわけであります。従いまして日本関税法におきましては、琉球は当分の間、これは外国とみなすというふうなことになつておりまして、琉球から日本に入るものは全部関税かかかるということであります。ところが現在の日本内地琉球諸島との貿易実績を見ますと、お手元に差上げました資料によつてわかると思いますか、昭和二十四年度を見ますと、日本から沖縄の方に行くのに大体十億円であります。向うから来るのは一億円、非常な庁貿易でありまして、日本からたくさん沖縄の方に行きますが、沖縄の方からは非常にこちらに来ないというわけで、沖繩の方ではもつと沖縄の品物を日本に入れてもらいたい、そうして貿易の面においてもう少しバランスをとつてもらいたい、こういう希望があるのであります。沖繩軍政府日本政府との間に、いろいろ貿易の調整問題につきまして話合いをいたしました結果、こういう大島つむぎ、あるいは上布に対する輸入税を免除してもらいたい、免除するということに大体両者の意見が一致したのであります。そこでつむぎ及び上布に対しまする輸人税を免除することを——ただいま政府日本関税定率法改正を全般的にするというわけで、立案中でありますが、この関税定率法全般的改正の際に、このつむぎ、上布に対する免税の問題も、それを織り込んでやるというわけで進んで参つたのてありますが、この関税定率法改正か今国会に間に合わす、次の国会あるいはその以後になるという状態でありますので、とりあえずこの上布とつむぎに対する轍人税免除たけを実行しようということで、今回こういう法律案提出した次第であります。そういうふうに沖縄との貿易バランスをとり——もちろんバランスはとれませんか、非常な庁貿易でありますので、もう少し沖縄から日本に対しまする物品の擬人をかやす必要かあるという、日本貿易振興という大きな見地から、やはりこういうふうなつむぎ、あるいは上布に対する輸入税を、免除する必要があるということになつたのであります。そこで問題はただいまお尋ねの、こういうふうにつむぎや上布内地にたくさん入つて来るというと、日本織物業者、そういう方面に悪影響があるのではないかということでございますが、これは戦争前におきましては、沖縄はやはり日本内地でありましたので、ほとんど全部無税でこれか入つてつたわけであります。われわれとしましては、なるべく沖縄及び琉球列島というものは、講和條約の際に日本の領土になることを希望するわけでありますか、ただいまのところ、先ほど申し上げましたように、外国の扱いを受けておりますので、せめて関税の上におきましては税を免除しまして、内地と同じような取扱いにしたいということで、この法案か出ておるわけてあります。この俵安否日体におきましては、必ずしも沖縄から来るものに対して免税するということになつておらぬのでありますが、この法律によりますと、実際に免税するのは、上布は「織幅三十二センチメートルを超え四十センチメートルを超えない平織のものでかすり又は縞柄のもの」こういうふうに特定をいたします。これは沖繩産だけに限るわけてあります。実除こういうふうな表現によりまして、沖縄からだけの上布なり、あるいはつむぎなりを免税するということになつております。沖繩以外の所でできまするつむぎとか、上布というものは大体七十センチくらいで、沖縄でできにるものの倍であります。従いましてこういう表現によつて実際は沖縄から来るものだけを免税しようということになつております。この法律の中に、沖縄から来るものだけに免税しようというふうに書き表わすという論もあつたのでありますが、そういう地域によつて差別をつけるということは、日本国際関係からおもしろくないというわけで、実際のものの幅その他によつて沖縄から来るものだけに免税しよう。こういうようなわけで今度の法案ができたわけであります。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 つむぎ等に関しまするものですが、日本においては今まで沖縄大島という方でやつてつたわけですが、現在は内地の方で多少できましようか。これが加工状況はどうですか。これを承りたい。
  12. 北澤直吉

    北澤委員 その方面のことは詳しく存じませんが、私の知つているところでは、いわゆる大島つむぎ、薩摩上布と申しまして、主として沖縄その他の琉球列島にできるのか大部分であろうと思つております。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 そういたしますと、将来は日本との関係が密接になるべきことを確信いたすわけでありますか、これにつきまして、日本内地産業にはあまり今影響がないと思いまするか、これについての提案者の御理由を聞きたいのであります。
  14. 北澤直吉

    北澤委員 通産省の係の課長が来ることになつておりますから、そのときに御答弁申し上げます。
  15. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本案に対する質疑はあとまわしにいたします。     —————————————
  16. 川野芳滿

    川野委員長 次に昨日質疑を打切りました予算執行職員等責任に関する法律案議題といたします。本案に対しましては、小山君より共産党を除く各派共同提案修正案提出せられておりますので、この際修正案趣旨説明を求めます。提出者小山長規君。
  17. 小山長規

    小山委員 予算執行職員等責任に関する法律案に対する修正案趣旨を御説明いたしますが、その前に修正案内容を読みます。    予算執行職員等責任に関する    法律案に対する修正案   予算執行職員等責任に関する法律案の一部を次のように修正する。   第七條を削り、第八條を第七條とし、以下一條すつ繰り上げる。   第九條第二項中「第八條」を「第七條」に改め、同條第六項及び第七項を削る。   附則第二項による会計検査院法第十一條第五号の改正規定中「第十條」を「第九條」に、同條第六号の改正規定中「第十一條」を「第十條」に、[第九條」を「第八條」に、「第十條」を「第九條」に、同條第九号の改正規定中「第十條」を「第九條」に、同法第二十九條第五号の改正規定中「第十條」を「第九條」に、同條第六号の改正規定中「第十一條」を「第十條」に、「第九條」を「第八條」に、「第十條」を「第九條」に改める。以上であります。  この第七條を削りたいという修正をいたします理由は、第七條によりますと、予算執行職員等会計検査院に向いまして、事前法規の解釈あるいは予算執行に関して検定を求め、それに対して会計検査院事前に許可を与えた場合には、他の條項にありまするところの損害賠償責任、あるいは懲戒処分を免除するという規定かあるのでありますが、これを一面から考えますと、予算執行職員に対して現在の諸法令においては、身分保障とか信用の保証とかいうような、救済規定がないということからいたしまして、それでは予算執行職員の負担あるいは責任が、あまり軍過ぎるということから出発したというのでありますけれども、一方国民の側から考えますると、この規定がありますると、非常な予算執行事務渋滞を来しはしないかというおそれかあるのであります。そういうおそれがあり、実際の問題といたしましても、予算執行職員自分たら責任を少しでも軽くし、懲戒あるいは損害賠償責任を免れんとして、事ごと会計検査院へこれを持ち込んで行くおそれがなきにしもあらずと、本委員会における質問応答で明らかにされたのであります。一方また会計検査院の実情を聞きますと、この事務を処理するためには、検査院においてに本年度約五、六十人の人員の増加を必要とするという現状にありますにかかわらず、予算上の措置はとられていない、こういうことでありますので、この際この国民の側のこうむるところの予算執行上のいろいろな事務渋滞、この弊害を除きますために、第七條創つた方がよくはなかろうかということになりまして、各紙とも御異議ありませんので、ここに共産党を除く各派共同提案をいたした次第であります。何とぞ御審議の上、ぜひ賛成あらんことをお願いいたします。
  18. 川野芳滿

    川野委員長 修正案趣旨説明は終りました。  これより本案及び修正案一括議題として、討論に入ります。討論通告順にこれを許します。川島金次君。
  19. 川島金次

    川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本案並びにただいま小山委員から提出されました修正案に、賛成をいたすものでございます。  この本案賛成に先だちまして、一言政府希望を申し上げておきたいものがございます。と申しますのは、ことに最近戦後における一般国民道義心の低下、これに並行して相伴うがごときありさまて、最近時における政府関係及び地方府県団体等における出納経理に関して、きわめて遺憾な事態が頻出をいたし、それがために国家不測損害を与え、さらにまた地方公共団体にも、それぞれ少からざる損害を与えておるという事件が、頻出いたしておるのであります。この事柄は、単に国民的な道義頽廃という面にあるだけでなしに、またさらに政府各種機関経理機構というものの不備も、もとより第二の理由であろうと思いますが、さらに最も私どもが痛感いたしますることは、いかに道義頽廃の風潮が盛んなときではあるといたしましても、この出納経理等事務に携わりまする者に対する政府の処遇かきわめて薄いという事実、言いかえればこれら関係官待遇が低くして、その生計を維持し、公務員としての地位と権威を保つに足らざる待遇のもとにおいて、これを酷使しておるという事態にも、相当な反省を要するものがあろうかと、私どもは強く考えておるのであります。従いましてかくのごとき法案提出し、出納関係官及び補助者に至るまでの責任の所在を明らかにして、その非違かある場合に、この法律によるがごとき厳重な追究をいたそうといたしますならば、これとにらみ合せて、政府はよろしくこれら関係官待遇特段改善をはかるという熱意を、相伴わなければならなかつたものであろうと、私どもは期待いたしておつたのでありますが、遺憾ながらその措置が講じられておらないところに、私どもはこの法律自体に、若干のむりがあるのではないかとさえ考える次第でございます。そこで政府に強く要望いたしますることは、すみやかに政府といたしましては、これら出納関係官に対する待遇改善の失地について、一段の熱意を沸き立たせて善処するということを、強くわれわれは要望しておく次第であります。  またさらに最近時におきましては、ことに政府機関関係公団関係におきましては、実に戦後空前の不祥事を惹趣いたしまして、今やいかなる公団といえども、例外なくあげて司直の手にかかり捜査中てあるというような、わが国の国民生活の実態に照しましても、まことに寒心にたえない事態が起つております。ことに吉田内閣は、綱紀の矯正、官紀粛正をもつて、その組閣の大きな使命一つとして実現されたのであります。しかるに内閣の成立以来、ことに最近においてかくのごとき不詳の事件か起き、しかもその及ぼす国民的な損害も、また少しとしない事情におきまして、今後政府はその組閣使命に基きまして、できるだけ官紀の齋正に力をいたすとともに、先ほど申し上げましたように、一面におきましては合計関係宮並びに一般公務員最低生計維持確保にも、特段の努力を払われんことを輝く要望いたしまして、本案賛成をいたす次第であります。
  20. 川野芳滿

  21. 小山長規

    小山委員 私は自由党を代表いたしまして、予算執行職員等責任に関する法律案に対しまして、修正部分並びに修正部分を除く原案に対して、賛成の意を表するものであります。  予算執行職員が、従来会計検査院からしばしば指摘されるような不当あるいは不法な行為によりまして、国家損害を与えておつたということは事実であります。従つてこれらの職員責任の分野並びに範囲を明らかにいたしまして、もつて予算執行職員等国家に対して損害を及ぼす機会を、極力少からしめることはもとより当然のことでありますので、この法律案趣旨は全面的に賛成であります。原案におきましては、会計検査院事前検定をなしたものについは、予算執行職員責任あるいは懲戒処分が免除されるというような規定がありまして、このために予算執行職員等は、すべての責任会計検査院に転嫁して、予算執行事務渋滞しはしないかというおそれがあつたのでありますが、修正案の可決のあかつきには、そのおそれもなくなることでありますので、これまた賛成一つ理由といたしたいのであります。これから質問応答において明らかになりました点は、予算執行職員等が、検査院の最終的な検定によつて、その損害賠償責任を最終的に決定せられるのではないかという疑いに対しましては、それは検査院検定が最終的な宣言ではなくして、裁判所によつてその最終的な責任は決定せられるのである。従つてその債務も裁判所の判決なくしては発生しないということも、明らかになつたのであります。また予算執行職員等が犯しました行為によつて、国が損害を受けた場合にその行為がなされたときから三年を経過した場合には、もはや賠償責任を問うことがてきないという規定がありまして、この三年は少し短かきに過ぎはしないかという疑念もありましたが、検査院がなるべくすみやかに事務を処置するということのためには、三年という期間は必ずしも短かくはないというふうにも考えますので、これまた賛成理由一つに加えておきたいと思います。  以上が賛成理由でありますが、希望として申し上げたいことは、これらの強い責任を課せられます予算執行職員に対しましては、出納官吏を除いては保護規定がないのであります。従つて政府においてはすみやかなる機会において、これらの強い重い責任を課せられました会計職員に対する保護規定、たとえばある程度身分保障をするとか、または信用保険の制度を利用するとか、あるいは特別な手当をこれに給与するとかいうような方法をもちまして、合計職員等不測損専をこうむることがないような処置を、すみやかにとられんことを希望しておきたいものであります。以上をもつて賛成討論を終ります。
  22. 川野芳滿

  23. 河田賢治

    河田委員 私は日本共産党を代表して予算執行職員等責任に関する法律案、並びにこれの修正案に対して反対の意を表するものであります。  この法律案はいかにもこれによつて予算執行が厳格に行われるかのごとき幻想を与えるものでありますが、事実はこういう法律がなくとも何らさしつかえない時期も、従前長らくあつたわけてありまして、今日のこうした公団その他予算執行における不正事実が、会計検査院等報告によりまして現われるということは、一に今日の政府政治力欠如によるものと私は考える次第であります。従つて今日内閣諸公におきましても、たとえば五井産業事件とかその他によつて、いろいろ問題を起しておりますが、ああいつたふうなことがあれば、上の行うところ下これをならうでありまして、どうしても会計職員その他補助職員等におきまして不正あるいは不当な支出等が起りがちなのであります。こういう場合に単にこの合計出納責任者あるいは契約担当官、こういうものだけを責めても、これは何ら根本をつかんだものではない。従つて単にこの当事者だけを厳重に規定することによつて、この法律改善をはかろうとしておりますが、先ほど申し上げましたように、中央における政治力欠如並びにこの法案内容におきましても、たとえば收入のうち税金は別といたしましても、事務関係のほかの收入に対する不当な場合に、これを罰する規定はありませんし、重大な過失というようなことの客観的な基準というものがほとんど明瞭になつていない。またその他そういつたこまかい部分にも、きわめてたくさんな疑義があるわけでありまして、非常に片手落ちな問題であります。同時に先ほど来地の委員諸君からも御要望がありましたように、この法案を出すからには、やはり会計職員に対する身分保障なり、待遇改善ということを相まつてつて、初めてその理由が成り立つのてありますが、そういうことは一向おかまいなしに、たた厳重に処罰するとかいう方面だけを要請されておる。こういう法律案は結局今日の政治がますますフアシヨ化して行く政治の一端を、この点においても私たちは現わしておるものだと思う次第であります。従つてこのような理由からしまして、共産党は反対するわけであります。
  24. 川野芳滿

    川野委員長 討論は終局いたしました。  これより本案及び修正案一括議題として採決に入ります。  まず小山提出にかかる修正案採決をいたします。本修正案賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  25. 川野芳滿

    川野委員長 起立多数。よつて修正案は可決されました。  次に本案修正部分を除いた原案について採決いたします。賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  26. 川野芳滿

    川野委員長 起立多数。よつて本案修正議決せられました。     —————————————
  27. 川野芳滿

    川野委員長 次につむぎ等の輸入税を免除する法律案議題として質疑を続行いたします。
  28. 北澤直吉

    北澤委員 先ほどの三宅委員からの御質問でありますが、このつむぎ及び上布に関しまして輸入税を免除しましても、そうたくさんの量のものが日本に入つて来るわけではありませんので、日本織物業界に対して大した影響はないと思つております。ただ詳細については平田主税局長からお答えがあると思います。
  29. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいま北澤委員からお話がありました通り、さしあたり入つて来まする分といたしましては、それほど大きなものとは見ていないのでありまして、まだ具体的にどの程度であるというはつきりしたことは、見通しが立ちにくいのでありますが、最初は二、三千程度のものではなかろうかと考えられるのであります。戦前に比べましてその数量等もさしあたりは少いのではないか。しかし今後におきまして、あるいは状況次第では、先ほどお話がありましたように、相当の額の貿易になりますから、これはある程度物資の交流が行われるということは望ましいことでありますので、今後はあるいは漸増の方向に行くかもしれませんが、当面の問題といたしましては、その程度のものではなかろうかと考えております。従いましてすぐ相当影響を与えるということはないであろうと考えております。
  30. 三宅則義

    三宅(則)委員 もう一点お伺いいたしますが、最初に申し上げたいと思います事柄は、このつむぎもしくは上布相当耐久力がありまして、わが国におきましても貴重品であるとか、あるいは相当軍用せられたものでありますから、今後もこれらのものにつきましてはある程度まて日本にも普及して、その耐久力のいいものを使いたいと考えておりまするから、これと関連いたしまして、昭和二十六年十二月三十一日までというふうに切られた点は、何か根拠にありましようか、承りたいのであります。
  31. 北澤直吉

    北澤委員 この輸入税の免除の期限を昭和二十六年十二月三十一日までとしたのは先ほども申し上げましたように沖縄を含む琉球列島帰属の問題については、まだ決定していないのであります。そこで講和條約の際には、この琉球列島帰属というものがきまるのでありますが、大体来年のこのころまでには講和條約ができるんじやないか。それによつて沖縄帰属がきまる。あるいは沖縄日本の領土になれば、当然こういうものはいらなくなるのでありますが、大体そのころまでにはきまるのじやないか。もし来年の十二月三十一日までに講和條約ができず、従つて琉球列島帰属の問題が決定しない場合には、さらにこれを延長する。ただいまのところではそういうふうな予想で、一応来年の末まで、こういうふうにしたわけでございます。
  32. 三宅則義

    三宅(則)委員 了承いたしました。よくわかつたのでありますが、なお政府に御津嵐を申し上げたいと思います事柄は、わが国の織物界というものは、今非常に物価が下つて来まして困つておるわけであります。これにつきまして主税局長並びに高橋国税庁長官らの思いやりによりまして、昭和二十四年の年末のたなおろし商品に関しましては、個人もやはり法人と同様に時価主義によつてやる、こういう便利な方法がとられたわけでございまして、これはその労を多とするものでありますが、今後もこれらと関連いたしまして、この織物界に許しまして政府当局として何らか手を打つ方法を持つておりますか。ありましたら、これは参考に承りたいと考えます、
  33. 平田敬一郎

    平田政府委員 今お話のように、織物の値段が大分最近下りましたので、二十四年分の所得税につきましては、時価が一定以上下つておりますものにつきまして、所得税の徴收について特別なる措置を講ずることにいたしたのであります。私ども、なおやはりこういう傾向は若干続くものもあろうかと思うのでありますが、今後におきましては、所得税につきましては、たとえば損失の繰越し繰りもどしといつたような制度も、それぞれ有効に働くようになりますし今までに比べますと、よほど実情に即し得るようにできるのじやないかと思います。従いまして今具体的にどういう措置を議するかという事情を申し上げるに至つておりませんが、さしあたり先般も問題になりましたように、二十五年度分の予定申告に対しましては、事情がはつきりしているものは、必ずしも前年の実績によらない見込みでやるというようなことで、運用上適切な措置を講じますれば、さしあたりはそれほど支障はないのじやないか、かように考えております。
  34. 三宅則義

    三宅(則)委員 もう一つだけ主税局長にお尋ねいたしたいと思います。これは地方をまわつてみますと、やはり予定申告をいたしますときには大体昨年の額を割つてはいけない、こういうように解釈するわけてありますか、今お話になりましたように、場合によりましては、相当金額も下つているものかあるのでありますから、そういう場合においては税務署長の許可を得て申告するというようなことになるのでありましようか。それともある程度まで自発的に割つて、十万円のものが三万円、四万円になつたような場合においては、少く申告してよいのでごさいましようか。その辺の手続上のことについて承れば仕合せであります。
  35. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいまの問題は、大分前の所得税法の際にいろいろ申し上げたかと思いますか、御承知の通り原則として前年の実績額、これは所得金額でございまして税金ではございませんか、所得額を前年の実績として申告をしていただくということになるのであります。今年は納期の関係相当延はしましたので、上期の状況か悪い場合には四月二十日までに、自分のところはむりだから前年より低く申告したいという修正を出していただき、それに基いて調べまして、大体見込みが前年の史蹟額に比べまして二割以上減つている場合においては、税務署長は承認を与えなければならないと規定しております。そういうことにつきまして、できるだけ資料を整えまして、承認申請をしていただきまして、それぞれ適切な処置を講ずるということになるかと思います。織物等は一般的に値下りかはつきりしたものでございますから、認定上もそう大きな問題かなく解決ができるのじやないかと思つております。
  36. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 ただいま議題となつておりますつむぎ等の輸入税を免除する法律案につきましては、簡単な法律案で、すでに質疑もないようてありますから、質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
  37. 川野芳滿

    川野委員長 ただいまの前尾君の動議のごとく決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 川野芳滿

    川野委員 御異議なしと認めまして、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決に入ります。  本案採決いたします。本案原案の通り可決するに賛成諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  39. 川野芳滿

    川野委員長 起立多数。よつて本案原案の通り可決いたしました。     —————————————
  40. 川野芳滿

    川野委員長 次にお諮りいたしたいことかございます。第一に去る本月二十五日、地方財政平衡交付会法案か地方行政委員会に付託に相なつたのでありますが、本案に関しましては当大蔵委員会の所管事項とも関連のある重要法案でありますので、本委員会といたしましては、本案に関し地方行政委員会と連合審査会を開会する必要があると存じます。本案に関し地方行政委員会に連合審査会の開合申入れをいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認めましてさよう決しました。  なお閉会の日時等に関しましては委員長及び理事に御一任願います。     —————————————
  42. 川野芳滿

    川野委員長 次にお諮りいたしたいことがございます。それは派遣委員調査報告に関する件であります。本委員会におきましては今月初旬、徴税及び納税状況に関する実情調査のため、議長の承認を得て群馬、阪神、山梨の三地方にそれぞれ委員を派遣いたし、その結果、調査報告書が委員長の手元に提出せられましたので、この際、派遣委員報告を聴取いたしたいと存じますが、本報告は時間の都合もあり、これを省略し、各班より提出せられました調査報告書をもつてこれにかえ、これを本日の会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 川野芳滿

    川野委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたします。     —————————————
  44. 川野芳滿

    川野委員長 次に閉会中審査に関してお諮りいたします。  本委員会におきましては、本会期初めに、税制改正及び金融政策確立のため、税制及び金融制度に関し議長の承認を得まして、国政調査を行つて参りましたが、本調査は会期も切迫いたし、本会期中に終了いたしかねますので、議長に閉会中審査の申出をいたしたいと存じますか、御異議ございませんか。     〔一異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 川野芳滿

    川野委員長 御異議ないようですから、本調査に関しては議長のもとに閉会中審査の申出をいたします。なお手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。  それから閉会中審査の申出に対しましては、国会法第四十七係によりまして、院議によつて特に閉会中審査事件を付託されることになつておりますので、この付託がありましたばあい、閉会、中審査事件の調査のため、本委員を現地に派遣して実情調査を行わねばならぬ事態が惹起した場合に備え、この際御協議願つておきたいと存じますが、閉会中審査のための委員派遣に関しましては、あらかじめその手続等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じます。この点御異議ございませんか。     〔「異言なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 川野芳滿

    川野委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十九分散会