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1950-04-22 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第57号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十二日(土曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君    理事 小峯 柳多君 理事 小山 長規君    理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君    理事 橋本 金一君 理事 川島 金次君    理事 内藤 友明君       甲木  保君    佐久間 徹君       苫米地英俊君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮腰 喜助君     早稻田柳右エ門君    田中織之進君       竹村奈良一君    河田 賢治君       田島 ひで君  出席政府委員         大蔵政務次官  水田三喜男君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局飼料課         長)      酒折 武弘君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 四月二十一日  委員鈴木幹雄君、前田榮之助君及び川上貫一君  辞任につき、その補欠として宮腰喜助君、中崎  敏君及び河田賢治君が議長の指名で委員に選任  された。     ————————————— 四月二十一日  五反田商店街復興会に払下げの凍結資産不当処  分に関する請願岡田春夫紹介)(第二七八  〇号)  協同組合に対する課税免除若しくは軽減に関す  る請願外七件(森戸辰男紹介)(第二七八一  号)  同(宮原幸三郎紹介)(第二八六一号)農民  に対する不当課税是正に関する請願三宅正一  君紹介)(第二七八二号)  揮発油税軽減に関する請願田中不破三君紹  介)(第二七八三号)  課税軽減に関する請願佐藤親弘紹介)(第  二八〇八号)  今井町所在物納家居住者の保護に関する請願(  竹村奈良一君紹介)(第二八五二号)  たばこ民営反対に関する請願河野謙三君紹  介)(第二八六八号)  東城区における適正課税に関する請願押谷富  三君外六名紹介)(第二八九六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一七四号)  飼料配給公団不正事件に関する件     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  飼料公団の問題につきまして、竹村君より緊急質問の申出がありますが、これを許すに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川野芳滿

    川野委員長 それでは竹村奈良一君。
  4. 竹村奈良一

    竹村委員 最近の新聞紙上にいろいろ各公団不正事件が出ておるのでありますが、昨日は鉱工品公団について一応の実情をお聞きしたのであります。それに引続きまして飼料公団も、いろいろ新聞紙上不在の間問題が問題になつておるわけで、浮貸しその他の問題でありますが、この点について現在まで判明した分の事情をお聞かせ願いたい。
  5. 酒折武弘

    酒折説明員 一昨日新聞に出ました事件につきましては、大体ああいつたふうな事件があつたことは事実であります。われわれの方におきまして、早急に調査いたしておりますけれども、何分にも事件が複雑でございまして、ただいまのところ私から、こういつた内容であるということをはつきり言明する域には、まだ達しておらないようであります。
  6. 竹村奈良一

    竹村委員 それでは大体これの発覚いたしましたのは、一体どういう径路でわかつて来たのでありますか。これのわかつて来たところの時期、それからその径路についてお聞かせ願いたい。
  7. 酒折武弘

    酒折説明員 警察の方で発覚したのは最近でございましてその結果一昨日被疑者が逮捕された。ただ内部的に申し上げますと、それ以前に関係者はわかつてつたらしく、その善後策を相当講じておつたらしいのであります。
  8. 竹村奈良一

    竹村委員 そうするとあなたの方ではそういうことがすでにわかつてつたのか。警察の方で逮捕されるまでに全然お気づきにならなかつたのか。お気づきになつてつたのか。その辺のところをお聞かせ願いたい。
  9. 酒折武弘

    酒折説明員 実はこの問題は重要なせいもありましたけれども事件発覚の前に、直接局長の方に公団の方から報告書があつたと称しております。
  10. 竹村奈良一

    竹村委員 一体それでは公団監督は、大体昨日も伺つたのですが、これは農林公団農林省あるいは安本大蔵省会計検査院等々がおやりになつておると考えるのでありますけれども、直接その経理を一番頻繁にお取調べになるのはどこですか。
  11. 酒折武弘

    酒折説明員 公団監督につきましては、大筋におきましては経済安定本部がやつておりまして、その方針に基きまして業務畜産局がこれを監督しておる。但し予算面においては大蔵省が関連しておる。あるいは決算面においては、会計検査院が関連しておるということで、その方の監査を受けておるわけであります。全般としては、やはり畜産局においてこの運営を直接監督しておるというのが実情であります。
  12. 竹村奈良一

    竹村委員 大体この飼料公団等の問題、各農林公団の問題としては、たとえば去年の薪炭特別会計のときからも、それ以前からも公団というものが非常に問題になり疑惑の中心になつておるわけであります。従つて飼料公団を直接農林省畜産局監督されているのであつたら、これはほかから摘発されるまでもなく、十分監督され十分精査されていたはずだと思いますが、それがあなたの方でおわかりにならなかつたので、今日までそのまま置いてあるというところに問題があると、私は見ておるわけであります。従つて私の方でもそういう点が問題だと考えるわけであります。従つてそこには一応そういうものがあつたとしたならば、さつそくそれにメスを入れて手術をするのがほんとうだが、それが今日まで延び延びになつおるというところに、何かその裏にそれを摘発しない。それをカバーいたして、つまりそういうような政治的な力か、あるは高級官僚の中に何かあるのだろうという考え国民の中にあるし、われわれもそういう点を疑わざるを得ないように、考えるのですが、その点に関して一体今までそのままわからなかつたというのは、どういうところにあつたのか。おそらくこういう問題が問題になつて来た以上は、あなたの方で検討されたと思いますが、その辺の事情をお聞かせ願いたい。
  13. 酒折武弘

    酒折説明員 一般的に申し上げますと、当然そういうこともわれわれとしてはわかり、かつそれを予防し、あるいは発生したならば、それに対する善後策をやるべきだということは当然でありましようし、今回の事件につきましても、その点がはたしてどういう関係になつてつたかということを、今申し上げましたように状況調査しておるわけでありまして、今回の具体的な問題についてどうであるかということは、まだ申し上げられない状況であります。
  14. 竹村奈良一

    竹村委員 大体私はそこが問題だと思うのです。たとえば前の第六国会で、私も農林委員会で申し上げましたが、肥料配給そのものについても何回となく配給先資料要求をしたわけです。それが一つも提出されない。その裏を調査してみますと、たとえば単作地帯向けに出される肥料配給数量なんかもあるところに、もつとはつきり申し上げますと滋賀県、つまり農林大臣の出ておられる滋賀県には実に多量に出ておる。この問題につきましても資料をもつて釈明してもらいたいということを、いろいろ申し上げたのであります。それが今日までいまだに何回請求してもそのままになつておるというところに、そういうようなことをやつておられるから、公団職員も少々浮貸しをしてもいいのだというような考えを持たれたと私は考える。そういうような点について、遺憾な点があつたかなかつたか。おそらく違うとおつしやるかもしれぬが、なぜその肥料を出されるのか私にはふしぎでかなわぬ。つまりわれわれの見ておるように、単作地帯であり得べからざる数量滋賀県に来ておる。そういうことをやつて公団配給指令をされ、そういう肥料を出されるから公団でもやはり不正をやつてもいいのだという考えでやつたかもしれぬ私たちはこのへんを明らかにして—いや違うと言うならば、おそらく第六国会から問題になつておるので、いやそうではないというような資料をどんどん出して行くのがほんとうだ。それを出さない。そういう事情一体何であるか。そういう点あなたを責めるわけではない。責めてもむりだと思うが、しかしそういう点がはつきりしないと、不正の根源というものが一切われわれつかめないと思う。
  15. 酒折武弘

    酒折説明員 ただいま非常に具体的に単作地帯の問題を出されまして、そういうことがあるから公団の不正があるのだということでありますけれども、大体われわれとしては、この点は決してそういうふうな配給肥料統制についても、ふまじめな態度はとつておらなかつたと言わざるを得ないと思うのであります。単作地帯の問題につきましては、これは取上げられた例が悪いので逃げるようでありますけれども、これは食糧庁の方の供出とのからみ合いでもつて、総数量ないし配給計画が決定されるものであります。たしか前国会でもそういう御質問もあつたかと私は承知しております。これについては食糧庁の方から答弁をしたというふうに私は承知しておつたのですが、どうやら答弁がなかつたようであります。これはさらに食糧庁の方と連絡して、食糧庁の方から答弁してもらうつもりであります。供出に関連して碧ますので、われわれの方としては食糧庁要求に基いて要求数量を出しておるというのが実情でありましてわれわれとしてはその点何ら特に指摘さるべき点を持つておらないつもりであります。  それから他の部分の配給につきましては、私どもの方で責任をもつてつておりましてこれにつきましてはいわゆる規則上の配給対象というものに限定して出しております。従つて個々の特殊の特配といつたようなものは、原則として行わない態勢でやつております。
  16. 竹村奈良一

    竹村委員 水田大蔵政務次官がお見えになりましたので、そのことと関連してお伺いしたいのです。大体今も飼料配給公団の最近問題になりました点について大体原因はどこにあつたかというような点を御質問したのでございますけれども、農林省の現在の段階では、まだそう詳しく発表する時期でないということであります。そこで私は先般出されました配炭公団等一般会計からの繰入金に対しましては、各公団剰余金をもつてこれに充てる、その不足分を繰入れするという法案が出されましたので、その点現在各公団におけるところの不正がどんどん摘発されまして、そうしていろいろな点で赤字が増大して——赤字というよりも、損失金がふえて参りますと、この配炭公団一般繰入金、たとえばそれの直接関係しておりますのは、この飼料公団におけるところの不正等が出て参りまして、それがまた今までの繰越金というものが、だんだん損失金にかわつて来るという場合には、これもまた繰入金を変更しなければならないような状態になつて来ると思うのでありますが、これに対して大蔵省一体今まで予算その他の面について、公団に対してどんな監督をしておられるか。そうしてまたここに出て来ますところのいろいろな不在というものは私たちはあり得べきことではない。いわゆるいろいろな経理につきましては勇面から監督される組織になつておるにもかかわらず、長い間にわたつて放任されて現在になつて一時にこういう不正が出て来るということに対して、大蔵省としては一体監督責任をどういうふうに考えておられるのか。その点についてお伺いしたい。
  17. 水田三喜男

    水田政府委員 竹村議員から指摘されました通り、公団についての監督というものが今まで十分でなかつたということは確かでございまして、この監督についての強化は、昨年ごろからわれわれとしても非常に問題にしておりまして、ことに公団中心にする浮貸しとかいうような問題があるという風説を耳にいたしましたので、昨年夏以後公団経理についての監督をもう少し厳重にするということで、現在どこに預金がされているかとかいうような問題も、大蔵省理財局からこれの調査に着手したというようなことを現在やつておりして、だんだんにこういう結果が現われて来たことは非常に遺憾でございますが、今度は予算執行職員についての法律その他ができましたためにそれを通じましてこういうことのないように厳重にしたいと思つています。今までのところは確かに行政監督が不行届であつたことは、十分あろうと思います。
  18. 竹村奈良一

    竹村委員 大体飼料公団のみならず、またきのうの新聞つたと思いますが、繊維公団もまた問題になつて来ている実に公団不在というようなことは、一体政府の方では口を開けば、公団組織そのものにも欠陥があつた、こういうふうに大体あつさりとおつしやるのでございますが、私はそうではなしに、実際現在の公団監督されておるのは、きのうも伺つたのでありますけれども、おのおのの所管省安本あるいは大蔵省会計検査院、いろいろな方面でやつておられて、なおしかもそれが昨年——というよりも、前から公団には問題があると言われておるにもかかわらず、今になつてからようやくこれが明るみに出て来る。わかつて来る。つまり長い間の日をおいてしかこういう不正が明るみに出ない。その間に思う存分国民の金を食いつぶしておいて、もうどうにもならない。食いつぶした後にひよつこり表に出て来る、そうしておいて責任だけを追究しても、結局使つてしまつて国民の損は損だ、こういうことになるのには、一体、われわれはどう考えましても、事務職員だけではこういうことはやれない、この裏に少くとも高級官僚か、あるいはその他の大きな力が動いておつて、その庇護のもとにこういう不正が公然と行われておるようにわれわれは考えざるを得ない。その点について、今までもし大蔵省関係においてお調べになつた点について、わかつておるのであれば、そういうことがあるとか、ないとかいう点についてわかつておる範囲内でお答え願いたい。
  19. 水田三喜男

    水田政府委員 御承知のように、公団の第一次の監督者と申すべきものは主管官庁でございまして、大蔵省は間接になりますのでわれわれの方から、少し公団経理が乱脈であると思われる、もう一歩締めて徹底的に監督してくれと要望するのは主管官庁に対してやるというような形で、間接的でありましたために、こららは関心をもつていろいろ注文を出し、大蔵省独自でもかなりの調査はやりましたが、末端の職員を調べるというような方法までは行つていませんでしたので、その全貌がきようまでわからなかつたのですが、一人や二人がやつたのではなくて、公団全部、幹部も承知でやつたというような事実は、まだ別にわれわれの方で得ておりません。
  20. 竹村奈良一

    竹村委員 これはいろいろ問題を出してもいたし方がないと思いますので、ひとつ委員長にお願いしたいのです。たとえば今の飼料配給公団の問題でありますが、もう一つ食糧配給公団にも大きな問題があるということが報ぜられておるわけです。その赤字の問題もお聞きしたいと思いますので、ひとつ農林大臣農林政務次官をお呼び願いたいと思います。
  21. 川野芳滿

    川野委員長 適当な機会に呼ぶことにいたします。
  22. 川島金次

    川島委員 それに関連して一言……この公団不正事件は日を追つて世間明るみに出されて、その責任者並びに政府怠慢ぶりが、国民の間に指弾を強めております。そこで政務次官がお出でですから、一言だけお尋ねしておきたいのですが、昨日通産省宮幡政務次官の末席における答弁によりますと、これら公団最終的最高責任経済安定本部長官にある、こう言明されておる。そこで私は青木長官にたまたまたま昨日会いましたので、宮幡政務次官の言明によると、これはあなたの責任だということであるが、あなたは今個人的に会つての話だが、どう思うか、こう尋ねてみたわけです。ところが、いや違う、これは大蔵大臣の絶対責任に帰すべき筋合いのものである、こういうことを青木長官は私に言明しております。そうすると政府のこの問題に対する責任所在というものが、政府の部内においてすでに食違いを生じている。これはきわめて不可解な、奇怪な事柄であると私は思うのでありますが、これらの問題に対して長官大蔵大臣にありといい、宮幡通産省政務次官安本長官にあると言う。一体どららが正しいのであるか。これは重大なことでありますから、この機会政府委員の一人としてのあなたの御所見を承つておきたい。
  23. 河野一之

    河野(一)政府委員 公団責任の問題でありますが、公団につきましては、一般監督責任安本にあるわけであります。これは各法律に、安定本部総務長官の支持に従い、という規定は幾らもございます。ただ実際の業務につきましては、これは主務大臣監督するという仕組みであるわけであります。  それから経理の問題であろうかと思いますがこれについては会計法適用される建前になつておりませんので、各公団法におきまして、業務報告書あるいは定款その他において会計規定を定めております。もちろん会計検査院監督の権限はあるわけでありますが、その会計規定というものは、大蔵大臣も一応協議を受けてこれを認めておるというかつこうになるわけであります。それで一般行政責任会計責任との問題は、これは非常に相錯綜しておるのでありまして、公団経理のみならず、一般官庁経理につきまして、これは第一次的には各省大臣であります。農林省予算を使う場合において、支出官その他の任命、あるいは出納官その他の任命をするのは農林大臣がやるのでありまして、第一次的には責任はある。しかし国庫大臣としてその上の総括的な責任を負つておることは確かであります。従いまして、その責任段階をどこに置くかによつて、いろいろ見方が違うわけだろうと思います。ただ先ほども申し上げましたように、公団につきましては会計法適用がありませんので、会計法適用がありますと、予算執行というものは会計法によつてやらなければならぬ。たとえば現金を出しますについても、一々日本銀行支払い予算というものを見て、その範囲内でなければできない。それも小切手でなければならない。現金でやる場合は非常に限られており、主務大臣の認可がなければならぬことになつている。收入につきましても必ず日本銀行に攻める。もつとも郵便局もございますが、一定の納入告知書を出してやるわけであります。公団につきましては、公団はいわば商売をやつておるようなものでありますから、従来からの取引先銀行というようなものもございますし、それから非常に各地に点在しておりますから、日本銀行代理店所在地がないところもございます。そういう関係現金扱いということが、広汎に認められておるわけであります。そういう点について、もちろん大蔵大臣として総括的な監督はすべき筋合いだと思いますが、いわゆる一般各省予算執行するような、会計法に基く監督は現存のところやつておりません。事のよしあしは別として、現在の段階はそういうふうになつておるというふうに、御了承願いたいと思います。
  24. 川島金次

    川島委員 そうすると、物資の買入れ、売り渡し、そういう問題に対する総括的な、一種の物動計画ともいえる計画的な問題に対する責任安本長官、それから公団経理関係大蔵大臣、端的に言えばこういうことになるわけでありますか。
  25. 河野一之

    河野(一)政府委員 これも先ほど申し上げましたように、総括的な責任ということになりますれば、公団政府の機関でありますから、これは大蔵大臣監督官庁であるということは言えると思います。しかし具体的な個々の問題について、責任所在がどういうところにあるかという点になりますと、場合々々によつてつて来ると思います。そういうような会計規定を認めた責任は、大蔵大臣にあるというふうにお考えになれば、それもそういうふうな趣旨になりますけれども、公団というものは一般官庁よりも特別の存在になつておりますので、公団がいわば全面的な一応の責任者であろうと思います。それに対して各省大臣責任を持つているし、大蔵大臣責任を持つておるということになろうかと思います。これは行政組織の上において、当然起つ乗るいろいろの職能的な分担ということになろうかと思います。
  26. 川島金次

    川島委員 きのう私が青木さんからじかに聞きましたところでは、この責任はもつぱらあげて大蔵大臣にありと言明しておるのですが、そのことについては、大蔵省としては意見の違いがあるということに認めてよろしいのですか。
  27. 水田三喜男

    水田政府委員 昨日の青木長官答弁は、私直接聞きませんでしたが、この責任が全般的に大蔵省にあるというふうには全然考えておりません。
  28. 川島金次

    川島委員 またあとでその問題は機会を見てお尋ねしたいと思いますが、国民としてはなはだ迷惑ですから、政府部内でひとつこの問題について、意見をとりまとめてもらいたいと私は思います。  そこで飼料公団の方が来ておりますから、らよつとお伺いしておきたいのですが、新聞の伝えるところによりますと、公団経理局次長であり、しかも資金課長を兼務した藤野という人が、長谷川何がしという者に二千万円の浮貸をした。しかもこの貸付方法は、期限は五日間というえらい短期の期限をもつて公団において貸し付けている。そこでお尋ねするのですが、公団手持金がある場合に、業者等に対してこういう貸付金をなし得るような機構になつておるのか。また貸し付ける場合には、どういう形で貸付をし、また回収をするという規定になつておるのか。その点をちよつとお尋ねしておきたい。
  29. 酒折武弘

    酒折説明員 公団の金はすべて経理局長名前でもつて預金することになつております。個人名前、あるいは他人の名儀で預金するとか、あるいは貸し付けるとか、個人に貸し付けるというようなことは許されておりません。すべてこれは公団業務実施のための金でありますから、公団業務実施のために使用する以外のことは認められておりません。
  30. 川島金次

    川島委員 そうすると、この経理局次長がやつた事柄に対して、経理局長は実際二千万円の貸付を開始した後において、その経理に関して検査をしたと私は思うのですが、その検査がなかつたのか、あつたのか。経理局長はこの事件明るみになるまで知らずして、今日まで過してしまつたのか。その点はどういうことになつておりますか。
  31. 酒折武弘

    酒折説明員 その点詳上くはまだ申し上げられませんが、私の現在承知しているところでは、事件発覚前において、その事情経理局長承知しまして、その善後策に奔走した状況であると承知いたしております。
  32. 川島金次

    川島委員 これは議事進行について特にお願いしておきたいのでありますが、この鉱工品繊維飼料公団等については、本委員会でも、いろいろ関連のある法案を審議しておる委員会でありますので、この問題についてわれわれも出席していただく人を希望いたしますから、委員長においてこの問題について、特に別の機会に十分に審議のできまするような機会を、急速にとりはからつてもらいたいと思います。この問題は次の機会にいたしまして、法案に入りたいと思います。
  33. 川野芳滿

    川野委員長 承知いたしました。それではただいま質問のありました問題につきましては、適当な機会委員会を開きまして検討いたしたいと存じます。     —————————————
  34. 川野芳滿

    川野委員長 それでは次に国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。前尾繁三郎君。
  35. 前尾繁三郎

    前尾委員 国家公務員共済組合法の改正にあたりまして、本法案関係しておるいろいろ他の共済組合との過渡的な問題で、問題があると考えるのであります。その一つは旧海軍の共済組合その他の問題であります。それにつきましては、昨日大蔵大臣から善処される、早急に努力をしていただくという答弁がありましたので、私はこの際は申し上げません。それ以外に八幡の共済組合について問題があると考えるのであります。この問題につきましては、相当従業員の諸君が心配をしておられるのでありますが、私はまことに理由のあるところであると考えるのであります。法律的に考えましても、御承知のように製鉄所が日鉄にかわりましたその際に、従業員はそのまま引継ぐ、そうしてその待遇あるいは退職金についても、従来通りに行くということを法文にも掲げられております。なおまた法文にはもつと広い意味で、退職手当その他につき必要な事項を命ずるというようなことも規定されておるのでありますし、またその財源としては、法文に御承知のように会社に対します政府出資、その政府出資の配当を財源として、そういうような必要なものを差引くというようなことになつておりまして、明らかに従業員の諸君の待遇あるいは退職金というような問題について十分政府責任を持つて行くという態勢になつておるのであります。ところがその後、最近御承知のように会社に対しまする政府出資というものか、企業再建整備等によりましてほとんどなくなつた。当然その際にこれに対する財源措置というものについても、考えらるべき性質のものであつた考える。ところがそれに対して何らの措置もなかつたということは、明らかに従来の改正の際のミスであると私は考えるのであります。また実質的に考えましても、ちようどその当時までに退職いたしました者は、恩給法なり何なりすでに適用を受けている。ところがそのまま引継がれて来た人については、このままで行きますと、非常な損害をこうむるので、その間不公平の問題が起るのであります。これは旧海軍の共済組合と同様に、多少性質が違つております。しかしその違つております点について、従来いろいろ厚生委員会等で取上げられました際の政府当事者の答弁で違つている点は、企業体がなお存続しているということに帰着しているようでありますが、それだからといつて捨て置くべき性質のものではなく、依然として政府責任を持つてやらなくらやならぬということには、何ら私はかわりがないように確信いたしておるのであります。ただこの引継いだ人に対する責任を、日鉄がやはり持たなくちやならぬ部分もありますので、その負担関係の部分的な分、あるいは割合というような問題が起ります点は、従来いろいろ論議されましたものと多少趣は違つておりますが、責任という点については私は一貫した問題だ、かように考える次第であります。従いましてそれらに対しまする政府のお考えを、まず承りたいと考える次第であります。
  36. 水田三喜男

    水田政府委員 お答えいたします。最初われわれの考え方は、この陸海軍の共済組合と日鉄の共済組合とは性質か違つておりまして、旧鉄の方はすでに解組して、昭和九年でしたか民間会社になつて、企業体が現在続いているので、現在になつて規定がかわつても、その責任は日鉄の負うべきもので、別に政府はこれについて援助する義務はないという解釈でありまして予算の措置もいたしませんでした。しかし陸海軍の共済組合の方は、すでにいわば日鉄と同じような親会社というようなものはないのでありますから、これは当然国家の一般会計から見てもいいのじやないかというような点でそちらの方には研究余地を残しておりましたが、日鉄の方は大体その余地がないものという解釈でおりました。しかし最近になつてただいま御指摘のような問題もございますし、当時のいきさつから調べてみまして、もし政府にその責任を負うべき問題があるということであつたら、これは将来予算措置をとらなければならぬということで、目下この問題は政府として研究に着手いたしましたので、これについては十分検討の上、あとで善処したいと考えております。
  37. 前尾繁三郎

    前尾委員 善処していただくのでありますが、私は法律的に考えましても、明らかに企業再建整備なり、あるいは日鉄のいろいろな場合の法律のミスだというふうに第一点には考えます。それでミスでなかつたとしましても、実質的に考えてみると、明らかに八幡製鉄所時代に、いろいろ先ほど申し上げましたように、退職した人などが残つてつたから非常に迷惑をこうむるというようなことでは、これまた法律改正等に対する善処方が足りないということであると考えるのであります。実際に申し上げまして、企業体が現在残つておりますものが十分支払えて、何ら従業員の諸君に不安がないというのでありますならば——それにいたしましても私はやはり政府としてあくまで責任を明らかにして、そうしてその責任従つて法律的な措置をしていただきたいと考えるのでありますが、実質上現在の日鉄が、従業員諸君に不安を抱かせるということがないのでありましたら、問題はないのであります。しかし現在におきまして、従業員の諸君が非常な不安を持つておらるるのであります。そればかりでなしにも実際上現在受けておらるる給与は、ほとんど問題にならない。ベースの改訂が、国家公務員にはありますが、当然国家公務員であつた人が、そういうような現実に非常な不公平を受けておらるるということについては、十分善処をしていただかぬと、この国家公務員共済組合法の精神にも満たない。また旧海軍の問題が解決せらるることになり、その際に手落ちがあつて政府としてもあまりにやり方かおもしろくないということになりますと、たいへんでありますから、十分その点は筋道を立てて、従業員諸君の不安のないように、また非難のないようなことをお考え願うことをぜひ御確約を願つて、私としてはそれ以上追究せずに、皆さんの善処方を注視したいと考えるのであります。もう一度御答弁を願います。
  38. 水田三喜男

    水田政府委員 この種の問題は、一般的に申しますと、たいてい従業員の引継ぎを受けてしまつた以上は、その企業体があとの責任を持つというのが、大体一般的な常識だろうと思います。たとえば私鉄の問題を見ましても、政府が私鉄へ一定の路線を払い下げたというようなときでも、そこにおつた従業員のそういう問題に対しては、払下げを受けた会社が、全部以後の責任を持つているというようなことから見ましても、一般論としましては、引継ぎを無條件で受けてしまつた以上は、あとの企業体の責任ということだろうと思うのですが、先ほど御指摘になりましたように、またわれわれも陳情を受けておりますことから見ましても、無條件に引継いだということは言われませんで、引継ぎのときに、いろいろあとで政府責任の残るような問題があるということになりますと、一般論では行けない問題が日鉄の場合には生ずると思いますので、その点先ほど御答弁しましたように、われわれとしても至急研究いたしまして、これについての措置を考たいと思います。
  39. 川島金次

    川島委員 私も前尾委員に続いて、国家公務員の共済組合法に関連がありますので、この機会政府にお尋ねをし、明白な言明をいただきたいと思うのです。八幡製鉄の問題に先だちまして、旧陸海軍の共済組合の問題に対しましては、昨日本委員会におきまして、西村委員質問に対し、池田大蔵大臣が、きわめて明白な御答弁をされ、政府が全力をあげてこれに対して善処をする、こう明言されたのであります。しかしながら従来の私どもの経験によりますれば、政府が議会において明白に言明をされたことでありましても、なかなかその事柄が言明のごとくに、またその言明に対して国民が期待いたしておりまするような時期に、実現したということが割に少い。そこで重ねて私からも水田政務次官にお尋ねいたしておきたいのですが、池田大蔵大臣は、西村委員に対してきわめて明白な答弁をされておつたそうであります。その内容を私は聞きませんので、残念でありましたが、ただ一点この際水田政務次官にお尋ねしておきたいのは、大蔵大臣がきわめて誠実な、具体的な答弁をされましたけれども、その時期等については、いまだに明言はされておらないようであります。そこで私どもといたしましては、この旧陸海軍共済組合の問題に対して政府がせつかく理解と善処をするという熱意を持たれておりまするならば、少くとも——これは予想でありまするが、本年の秋ごろまでには臨時国会が開かれ、必然的に補正予算等が提出さるる事柄ではなかろうかと思いますし、もし臨時国会がありませんでも、来るべき通常国会も当然開かれますので、その機会において大蔵大臣また政府といたしましては、この共済組合に対する昨日の委員会の言明に従つて、実現するという方針を持つておらるるかどうか。その点について一点だけ最初にお伺いをしておきたい。
  40. 水田三喜男

    水田政府委員 それは大臣の言明通り、できるだけ予算措置を講じたいとわれわれは思つておりまするが、その時期かいつかというはつきりした約束は申されません。予算補正である以上は、臨時国会なり通常国会にこれを出したいというふうに、われわれとしては方針をはつきり持つておりますが、ただこれはまだいろいろここに問題がございますので、可能になるか不可能になるか、その点若干の問題がございますが、政府としてはどうしてもこれを実現させたいと考えております。
  41. 川島金次

    川島委員 そこで続いてお尋ねをいたしたいのでありますが、ただいま前尾委員から、まことに具体的に、しかも整然たる理論を持たれまして、八幡製鉄の共済組合に対しての質問がありました。その答えといたしまして、政務次官からとの八幡製鉄の共済組合の問題は、政府機関の関係から会社としての企業体に引移つた従つて一般的に申せば、共済組合等に対する政府責任はないのだ。こういうふうになるが、しかしながら日鉄時代の歴史的な経過、共済組合、ことに日鉄の多くの従業者の現実の今日の実情等に照しまして、政府としては何らかの処置を講じなければならぬとお答えになつておる。しかも政務次官の今のお答えの中に、ことに歴史的な経過の関係について、非常に重視されておるかのごとき口吻がありましたので、私どももその点は意を強うしておるわけであります。この日鉄の歴史的な関係一言申し上げますが、これは政府もすでに万万御承知のことと思うのでありまして、まことに古いことを申し上げて恐縮でありますが、すでにこの日鉄の引継ぎの場合に、去る昭和八年三月当時の帝国議会における速記録の一條を引出してみますると、当時の中島商工大臣が議会において国民に明らかにいたしました。ことに日鉄の当時における不安をきわめた従業員の人たちにも、間接的に議会を通して確約された事項が重大事項として残つております。この事柄は簡単に申し上げますれば、一般の日鉄の従業員に対する待遇問題は従来と何らかわりはない。ことに共済組合のごときについては、政府か今日まで取扱つて来たこの態度を一貫して今後もとつて行く、こういう当時の政府のきおめて責任ある地位の国務大臣か、議会の中で明白にこれを言明いたしており、さらにまた当時の政府委員が、先ほど前尾委員から申し上げました十六條の制定の趣旨等に関する質問に対しましても、十六條には御承知のその他につき必要なる事項、こういつた文章が一項加わつておる。このその他につき必要なる事項というのは、たとえば共済組合のごときものの引継ぎに、必要があれば命令もできるという仕組みにしておきたいという趣旨から書いたのである。こういうふうに当時の国務大臣も、また政府委員である有力な責任者が議会において言明し、そうして国民の前にそれを明らかにし、のみならず当時における非常な不安と動揺のうずの中にたたき込まれようとしておりました何千の従業員に対して、これを確約しておる。こういう事柄をとつてみましても、いかに政府が日鉄自体に官業を引継ぐにあたりまして、いろいろの経済的、政治的な諸情勢を考え、しかも日鉄自身の当時においての十年、二十年の先を見通しての確固とした諸般の情勢の五に立つての言明公約をされておる。こういう事実を一つ取上げましても、今日日鉄の共済組合に属する多くの同情にたえない人たちから、奮然として政府に一種の期待と要望とを持つておる。こういう事柄は、この歴史的な経過にかんがみますれば、前尾委員と同様に一半のと言うより、むしろ全般の責任政府が持つべき筋合いのものでなかろうとか、私どもも深く考えておるのであります。そこで政務次官は、この問題についても一般論とは切り離した観点に立つて政府も新たなる視角からこの問題を真剣に取上げて善処するというお言葉がありましたが、私どももこの問題についてこういう歴史的経過の事実にかんがみましても、政府には当然これを履行する責任が負荷されておるという見解でおりますので、その件について政府はどのような考え方で、この問題を処理されようとするのでありますか。その点について最も誠実な御見解を率直にわれわれに聞かしてほしい、かように思うわけであります。
  42. 水田三喜男

    水田政府委員 お答えいたします。先ほど前尾委員にお答え申し上げました通り、私たちの最初の考えは大体きまつてつたのでありますが、御指摘のような問題がございますので、これについて最近大蔵省としても研究を始めたという段階でございますので、至急この検討を終つてから善処したいと思います。
  43. 川島金次

    川島委員 最後に一言政務次官にお願いかたがたお尋ねをするのですが、この問題は、旧陸海軍の共済組合とあわせて八幡製鉄における共済組合の問題も、時期的にあまり遷延を許さない。当該組合員の人たらの事情がそれほどに窮迫しておる問題であります。政府はこれらの問題に対して、新たなる観点から熱意あり誠意ある研究をされて着手されたというので、まことにその点意を強うするのでありますが、でき得べくんばその実施の、時期は別といたしましても、その研究に対する最後の結論的なものが、この国会の閉会中にこの委員会で得られるような運びに至るものでありましようか。ぜひともそういうような形にわれわれはしていただきたいと希望するのでありますが、その点はいかがでありましようか、それを念のために最後にお尋ねしておきたいと思うのであります。
  44. 河野一之

    河野(一)政府委員 お答え申し上げます。昨日も申し上げたのでありますか、この組合の関係はいろいろ複雑でありまして、その現状把握に現在努めております。海軍のごとくただちに状況のわかるものもございますが、これだけ先行するというのも、この前申し上げたような事情でありますので、現在いろいろな資料を集めておる段階でございます。できるだけ早く結論を得たいと思つておりますが、本国会もすでに終了まぎわでありますので、それまでの間に結論がはつきりつくかどうか、ちよつと今のところ確約を申し上げる程度のところまで行つておりませんごとを、御了承願いたいと思います。
  45. 川島金次

    川島委員 この問題はきわめて重要だと思いますので、政府のせつかくの熱意のある検討と、その検討による実施が一日も早いことを特に希望いたしまして、その問題に対する質問は終つておきたいと思います。  そこで提案になつておりますこの法案自体について一、二お尋ねしたいと思うのであります。元来政府の恩給、共済組合の年金等の問題は、原則的には公務員の賃金ベースと並行して改訂されて行かなければ、私は恩給あるいは年金の精神にもとるものでないかと考えておるのであります。しかるに従来恩給、年金等の改正的な措置というものは、給与ベースの改訂があつて、しかも一箇年あるいは一箇年半後において初めてこういう問題が国会に出て来る、こういう形でありまして、まことにこれは公務員の諸君にとりましては、適切でない事柄であると考えるのであります。そこで政府がごのような問題を、賃金ベースの改訂の直後に考えられなかつた法案を出し得なかつた事情、そういつた問題がありといたしますれば、どういうような事情であつたか。その点についてお伺いをしたいと思います。
  46. 河野一之

    河野(一)政府委員 公務員の給与べースが上れば、恩給とか年金とかいうようなものが当然上るべきではないかということも、一つの御議論であろうかと思います。しかし私どもは必ずしもそういうふうに考えておりませんので、一種の給与に類したものでありますが、本来の意味の給与とは考えておらないわけでございます。もちろんこれと非常な関連を持つておることは申し上げるまでもないのであります。ことに共済給付というようなものになりますと、組会員も掛金をいたします。国の方も掛金をいたしまして責任準備金を持つておりまして、それを順々に予備に充てて行くというような関係になります。いわばその財源は半々に持つておりますので、さらにその後において年金額を上げるということになりますと、今回の共済の問題もそうなのでありますが、組合員自体としては財源を出しておるわけであります。従つてできるだけ組合というものが独立の建前で行くならば、その財産の状況を洗いまして、現在の固定資産というものを見まして、そうして真にそれを国の方で考えるとすればこの程度であるというような場合でも、やはり個々に人づて行かなければならぬのであります。従つて考え方としてはいろいろあるかと思いますが、従来の考え方で行きますと、給与が上つたからといつて、すぐベースを上げるという趣旨のものではない。もしもそういうものでありますならば、過去のその人の退職せられました者の生活の状況というようなことも、いろいろかみ合わせて考えて行きますので、必ずしもそれとすぐ釣合つて行かなければならぬということは、名目としてはいずれも一致すべきものでありますが、すぐにやるというのが非常に適当しているというふうにも考えてはおらぬわけであります。
  47. 川島金次

    川島委員 私はちよつと局長とは若干意見を異にしております。恩給にしても共済組合はまた別ですが、共済組合の方の給付額にいたしても、掛金もあるいは給付を受ける額も、すべて一貫してその受ける給与額が算定の基礎であります。その給与額をそもそも基準にしておるという事柄自体は、やはり給与ベースの改訂があれば、これは必然的にこれらの問題についてもさらに改訂をするということでなければ、恩給あるいはまた共済組合の年金その他の給付についての、根本的な基本的な原則的な精神に沿わないというふうに私どもは考えるので、そういう質問をいたしたのであります。そこで今日の国民経済の実情等からいたしまして、これらの一切を含めた広汎な社会保障制度というものが必要だということは漸次一つの輿論となつて来ておる。しかしながらいまだに、遺憾ながらわが国には広汎な社会保障制度というものがありませんので、ここに公務員には公務員、あるいは一般産業の労働者に対しては労働者の共済、あるいはまた労働者、公務員にあらざる方面の問題については、また別個の共済措置を講ずるように、各個ばらばらな形で現在では保障し、特殊の社会政策というものが実行されている。そういうことでありましては、もはや真の国民的な救済の使命というものが達成できないというような意味から、社会保障制度の急速な樹立ということが叫ばれておるのであります。そうして現在の共済組合の掛金の問題でありますが、私どもの見解からいたしますれば、そもても共済組合の掛金にいたしましても、その俸給額を基礎といたしまして、本人並びに政府が半々負担をするという形になつておる。この半々負担の形が、私どもは今日の実情においては、必ずしも妥当でないのではないかというふうに考えます。そこで政府はこの共済組合の掛金の問題についても、少くとも政府共済組合員の平等負担という問題より、さらにまた一歩進めた形においての機構、掛金制度というものをつくり上げることが、必要な段階になつて来たのではないかという感じが強くいたすのであります。それで政府においては共済組合の今後の運営について、もつと前進した姿においての共済組合というものを、検討する用意といつたものがあるか、どうか。その点について次官にお尋ねいたしたいのですが、次官がおりませんから、河野主計局長にはごむりだと思いますが、こういつたことについて政府部内に何か腹案でもあるか。その点を伺つておきたいと思う。
  48. 河野一之

    河野(一)政府委員 社会保障制度というものをどの程度の規模において実施するかということが、川島さんのおつしやる問題のキーポイントと思うのであります。現在の日本の社会保障制度にはいろいろありますが、こういつた種類のものにつきましては、共済制度については大体半々負担というのが実情であります。これを全国民——これはまあ勤労者の問題でありますが、これを全国民に及ぼすかどうかということが、社会保障制度の問題になるわけでありますが、中小企業とか農業者といういうなものについて、同じような勤労者でありながらやつていない。これはやるべきではないかという議論もございます。要するにそこの程度、規模の問題でありまして、現在のところ勤労者についてこういうような制度がある。それについてはお互いが共済の制度で、雇つておる雇い主が、自分の責任として出して行くという考え方に従つて、双方分担して行くという考え方になつておるわけであります。今後これをどうするかということになるのでありますが、これは一般社会保障制度の関連においてまず考えなければなりません。これは全般的な理論的な方針でありますが、それとともに現在の公務員については、恩給制度と共済制度というものがございますが、恩給については、百分の二の納付金で一般の公務員から納付をする。それ以外にとつておらない。そういつた共済の制度と恩給制度の相関連した問題、それからこれにはまた退職金の問題がからんで来るわけであります。こういう制度をやめて厖大な退職金をやるようにするか、あるいは退職金を少くしてこういう年金給付をやるか、また一般社会問題と関連してどうするかといつた問題を、目下検討しております。社会保障制度審議会におきましても、ある程度の案を持つておられるようでありますし、いずれそういう問題が近い将来において来ると思つております。私どもの範囲におきましても、恩給制度と、共済制度について、目下理論的な検討をやつておりまして、非常に近い機会において皆さんの御審議を仰ぎたいというふうに考えております。
  49. 河田賢治

    河田委員 政務次官が参議院の方へ出かけましたので、次官にかわつて局長にお尋ねします。先ほど川島委員から共済組合制度のあり方などについて質問があり、またその答弁があつたのでありますが、近い機会にお出しになる共済組合並びに恩給の、両者における負担の相違が非常に今日ではありまして、先ほど言われましたように、恩給納付金はわずかに二%、しかも低賃金の雇用人、あるいは現業職は大体四・五%、また十七年以上の官吏として勤務すれば四十才で支給されるが、共済組合の場合には五十才にならなければ支給されないというような、非常な不均衡を来しております。こういう点について十分次の来るべき改正案には、これを考慮されるかどうかということ。  それから現在の国庫負担の分担がきわめてわずかでありまして、短期給付は国庫負担がわずかに半分であり、長期給付は五五%というところも、少くとも吉田内閣は、現業公務員の実質的賃金を上げて行くという建前からしましても、こういう負担の増額を分担すべきが妥当であると思うのであります。これに対するお考え、並びに共済組合の現在の運営におきましては、ほとんど官僚独善的な運営をされております。従つてこの運営審議会の委員などは、できるだけ労働組合等から直接、ないしは推薦するにいたしましても、これを含めて運営さるべきである。そうしない限りは、やはりいろいろな共済組合等におきましても、たとえば最近聞いた話でありますが、この共済組合の資金を住宅の資金に融通するというような共済組合がある。電通あたりでも言われておるそうです。こういうことは、共済組合の本来の運用趣旨から言つたら正しいあり方でない。他の省の方でもそんなことを言つておるようでありますから、いわんや末端においてはこれがどういうなされ方をしているか。われわれ非常に含公団の乱れとともに、やはり共済組合等におきましても、いろいろこういう問題が起りはしないかということが考えられます。従つてごの運営の面におきましては、これらの労働組合の代表もしくは推薦するものを加える。いわゆる民主化的な方向にこういう規定を改正される御意思があるかどうか。こういう点を若干お尋ねしておきたいと思います。
  50. 河野一之

    河野(一)政府委員 河田さんにお答え申し上げます。恩給制度と共済制度とは非常に入乱れておりまして、これを統合するとすれば、当然おつしやいましたような点が問題になるわけであります。そういう点が非常に問題なので、いろいろ検討しておるわけであります。これを持つて行く場合に、共済組合制度の方に移行するか、あるいは恩給の方につけるのか、その邊が非常に職員の負担にも関係しますし、また国庫財政にも関連しますので、非常に検討を要する点であろうと思います。それから共済組合の資金の運用の問題でありますが、これは短期給付の分と長期給付の資金と両方ありますが、短期給付の分は、これはすぐ出て行く金でありますから、そういう余地はないのでありますが、長期給付の金でありますと、相当まとまつて参りますと、いろいろこれは予定利率あるいはそれ以上に運用しなければならぬわけでありまして、この運用のの仕方がいろいろ問題になります。現在共済組合の運営につきましては、組会員がその運営に入つております。各省の組合で大体会計課長がその当面の責任者になつておるわけでありますが、組合員も入れて運営をしているのが大体普通であろうと思います。それから住宅その他に貸したということであります。これは共済組合のおのおのの定款と申しますか、そういうもので組会員に対する貸付とか、おのおのその組合で自主的な運営方法考えているわけであります。おつしやるような点がいいか悪いか、これは別でありますが、自分たちの集めた資金でありますので、お互いの間でこれがいいというふうになりました場合に、これを必ずしも禁止する、絶対にいけないというふうにするわけにも行かなかろうと思います。ただ問題は、その運用が確実であるかどうかというところにかかつて来るというふうに思います。ただおつしやつたような点はいろいろ弊害も伴う点でありますから、今後において十分研究し検討してみたいと思います。
  51. 小山長規

    ○小山委員 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑も十分行われましたので、この際質疑を打切り、討論を省略してただちに採決せられんことを望みます。
  52. 川野芳滿

    川野委員長 小山君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですから、これより国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案の採決に入ります。原案に賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  54. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十五分散会