○川島
委員 私も本日提案になりましたこれに関連しこの問題を取上げて、
政府筋の確固とした
意見を問いたいと思います。しかしこの問題は非常に重要な事柄でありますので、ひとり
主計局長だけの御
説明ではむりだと思いますので、明日でもけつこうですから、厚生大臣及び
大蔵大臣にも出席をいただいて、十分に検討存する
機会をわれわれに與えてもらいたいと思うのであります。その問題について一応保留し、当面の今西村
委員からも具体的な
意見あるいは希望などが出ましたが、大体それと大同小異の事柄でございます。
元来旧陸海軍の
共済組合の人たちは、なるほど西村
委員の
お話にありましたことく、
法律論といたしましては国家公務員とは別の扱いをされるということは、一応成り立つと見られるのでありますけれども、これらの人たちは永年にわた
つて国家の
事業に参與し、しかも中にはそのために災害をこうむ
つて半身不随、不具者あるいは病人と
なつておる。しかも人生の半ば以上を国家の
事業に献身的にささげて来た。しかるにただ終戰当時の特殊な事構だけが考慮されて、
一般公務員とは全然違つた処遇を受けて、今
お話の出たように、わずかに一箇年間三百数十円の年金をも
つて、
生活の柱としなければならないという、今日の
生活の実態、物価の事情等から見まして、むしろまつたくないにひとしいという事情のもとに余生を送
つておる人が、ただいま
お話のように二万数千人にも達しておるというわけであります。これは余談でありますが、今日
政府は国の
法律に違反をし、すなわち社会の秩序を乱し、あるいは重大なる法規的な違反を犯す等の不法
行為を行つたものを收容しておる刑務所においてさえも、囚人一人当り平均の経費として一箇年三、四万円を要しておるという
実情であります。国の秩序を乱し、社会
生活を不安に陷れた極悪な罪人を收容する経費すらも、
政府は一人に対して三、四万円という多額な経費を支出しておるのであります。それとこれとをたとえるわけではありませんが、そういう好ましからざる人々に対してさえも、
政府は相当の経費を今日支出しておるのであります。一方これら
共済組合に属する、最も国家のために真剣に、しかも人生の大半を国の
事業にささげて参つたそれらの人たちに報いるに、二階から目薬ということわざがありますが、まるで十二階から目薬にも値しないような現実の中にほうり出して、そのまま顧みないという形にあることは、国家の道義性からい
つても、これは当然に論議をし、研究を要する余地のある大きな問題だと、私は
考えておるのであります。この問題について
主計局長は、何分にも單なる陸海軍
関係の
共済組合に対する問題だけではなしに、外地等の方面における事柄をもあわせ
考えなければならぬ。
従つてこれに関する的確な
実情を把握し、その上に立
つて公平適切な施策を行いたいというその
意見には、別に異論はないわけでおりますけれども、しかし現実に目の前にすでに非常な窮境に陷れられながら、その余生を送
つておる人たちがおる。こういう人たちを救うためには、他のものも調査研究しなければならないからということは、私は
理由にはならないと思うのであります。俗説にも愛は近きよりという言葉も昔からありますように、現実に
政府の目で見て、同じく国に半生をささげた人たちの中に、その処遇が実に天地雲泥の違いのあるような形の上において、放任されておるという現実を目の前に見ておる。それを外地
関係等もあるからという
理由で、いたずらに調査研究で時日を遷延することは絶対に許されない。現実は、これらの人たちにと
つては一刻の遷延も許されない。まことに同情に価する環境に置かれておるのであります。こういう事柄に対して、
主計局長から的確な
責任のある答弁を、この席上で突然にわれわれが求めるということはいささかむりだと思いますので、前提に申し上げましたように、
責任ある大臣の出席を願
つて、この
委員会においてこの問題をもつと具体的に取上げ、真剣に
国会と
政府とが論議をして、一日も早く的確な、しかも適切なる瀬策を見出すことが、われわれ
国会としての
責任でもあろうと思うのであります。前提が長くなりましたが、もう一ぺん
主計局長においては、多少この問題についてはその立場において何らかの研究をされて来ておるものと、われわれ期待いたしておるものの一人でありますので、もう少しこの問題に対する、われわれに多少とも納得のできるような
説明と、今後に処する
主計局長としての
考え方が、大ざつぱでもいいけれども、まとま
つておるところまで行
つておるならば、それをもあわせてこの
機会に伺いたいと思うのであります。西村
委員の質問に対して、すでに局長からある
程度の答えがされたのでありますが、もう一歩つつ込んだ立場において、これに関する所見をもう少し具体的に伺わしてもらえば、われわれ幸いだと思うのであります。