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1950-04-13 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第51号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十三日(木曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君    理事 小峯 柳多君 理事 小山 長規君    理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君    理事 川島 金次君 理事 内藤 友明君       大内 一郎君    甲木  保君       鹿野 彦吉君    高間 松吉君       三宅 則義君    田中織之進君       松尾トシ子君    宮腰 喜助君       竹村奈良一君    田島 ひで君  出席政府委員         外務政務次官  川村 松助君         大蔵事務官         (主計局給與課         長)      中西 康男君  委員外出席者         外務事務官         (大臣官房会計         課長)     千葉  皓君         外務事務官         (政務局総務課         長)      松井  明君         衆議院参事         (庶務部長)  山崎  高君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君 同月十三日  委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として  中崎敏君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 四月十二日  国家公務員共済組合法改正に関する請願(土橋  一吉君紹介)(第二三二三号)  自転車用発電ランプに対する物品税免除請願  (前尾繁三郎紹介)(第二三二四号)  高崎税務署不当課税是正等に関する請願(武  藤運十郎紹介)(第二三二五号)  取引高税犯則処分取消に関する請願加藤充君  紹介)(第二三二六号)  色紙等に対する物品税撤廃請願三宅正一君  外一名紹介)(第二三二七号)  恩給等受給療養者に未復員者給與法適用請願  (庄司一郎紹介)(第二三三六号)  同(岡良一紹介)(第二三三七号)  同外五件(北澤直吉紹介)(第三四三六号)  同(岡良一紹介)(第二四三七号)  同(藤枝泉介紹介)(第二四七一号)  同(青柳一郎紹介)(第二四七二号)  同(岡延右エ門君外一名紹介)(第二四七三  号)  同(小峯柳多君紹介)(第二四七四号)  春慶漆器に対する物品税軽減に関する請願(岡  村利右衞門紹介)(第二三五一号)  芸術陶磁器に対する物品税課税方法改正に関す  る請願三宅則義紹介)(第二三五二号)  九谷焼に対する物品税軽減に関する請願(坂田  英一君外一名紹介)(第二三五三号)  真岡税務署不当課税是正に関する請願外一件  (佐藤親弘紹介)(第二三八六号)  黄板紙に対する物品税免除請願橋本龍伍君  外一名紹介)(第二四〇四号)  国庫品納金等端数計算法による円未満切捨金の  集金取扱並びに資金化に関する請願川野芳滿  君外三名紹介)(第二四二二号)  輸出花むしろ及び野草むしろに対する物品税の  免税額設定に関する請願橋本龍伍紹介)(  第二四二六号)  未復員者給與法の一部改正に関する請願青柳  一郎紹介)(第二四三八号)  勤労学生所得一定額学資金として非課税  とする請願大矢省三紹介)(第二四四四  号)  同(世耕弘一紹介)(第二四四五号)  未復員者給與法の一部改正等に関する請願(加  藤鐐造君紹介)(第二四七〇号)  揮発油税軽減に関する請願瀬戸山三男君紹  介)(第二四七五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国家公務員等旅費に関する法律案内閣提出  第一六八号)     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  まず国家公務員等旅費に関する法律案を議題として質疑に入ります。竹村奈良一君。
  3. 竹村奈良一

    竹村委員 この法案によりますと、大体外国へ行くところの旅費も今度は軽減されているのでありまして、現在しかも大体ぼくらは向う事情がわからぬので、連合国要員に例をとつてそれを基準として組まれているのであります。そういうような予算は一体どこからお出しになるか。
  4. 中西康男

    中西政府委員 海外旅費につきましては、先般御審議を得ました海外拂い諸費といたしまして七億の予算を計上してございますが、そのうちから支弁するということになつております。
  5. 竹村奈良一

    竹村委員 それはこの規定以前のものであつて、大体そうした改正によるものを見込んで組まれておつたのでありますか。
  6. 中西康男

    中西政府委員 大体の外貨資金によりまする旅行計画というもののきわめて荒つぽいと申しますか、概略的な計画に基いて計上されたものと存じます。
  7. 竹村奈良一

    竹村委員 それできわめて大ざつぱに組んでおられるというので、こういう改正をいたしましても、その範囲内においてやるということになるのですか。説明によりますと、国内旅費におきましても別に予算を設けず、現在の予算め範囲内ということになつておりますが、別に予算を組まなくてもそのまま支給できると考えてよろしゆうございますか。
  8. 中西康男

    中西政府委員 内国旅費につきましては、当時国内運賃一等、二等の三等に対する倍率引下げという話があつたのでありますが、それを値下げに伴う減額を織り込まずに、当時日当宿泊料につきましての定額改訂の必要を感じておりましたので、旅費の積算につきましては、運賃改訂を織り込まずに計上されております。従いまして一等、二等の運賃倍率減少になります。その減少額を引当てにいたしまして、大体この日当宿泊料定額改訂によつて増加する分をカバーするという計画でございます。
  9. 竹村奈良一

    竹村委員 この海外旅費につきましては、連合国要員と同じような率でここに出ておるのでありますけれど、も、それはまだ占領下にある現在、しかもわれわれ日本といたしましては、まだまだ講和條約の見通しもつかない場合に、連合国と同じ率で旅費を計上するということはどうかと思われるし、また海外にそれだけ出て行く要素はどこにあるか。こういう点についてわれわれ非常にふしぎに思うのでありますが、その点についてどういうふうにお考えになつておりましようか。
  10. 中西康男

    中西政府委員 海外旅行に対するその必要度につきましては、私所管事項でありませんので確答申し上げかねますが、その場合に要する旅費の額は、占領軍要員でありましようと、日本人でありましようと、これは実際にホテルにとまり、その地で滞在に要する経費というものは、実費額として必要な額はいるという見地から、そういつた基準に基いて算定いたしたわけでございます。
  11. 竹村奈良一

    竹村委員 それから各省旅費は一応大蔵省で統一されるというような形になつておるのでありますけれども、実際上どういう形でやられておるか、お聞きしたい。
  12. 中西康男

    中西政府委員 旅費支給額基準と申しますものは、お手元に差上げました参考資料にございますように、内国旅費規則及び海外旅費規則によりまして、定額が定められております。それに従いまして各省すべて同一の基準によつて、運用されて参つたわけでございます。
  13. 竹村奈良一

    竹村委員 新聞紙上でいろいろ伝えられておりますところのいわゆる高級官吏旅行、たとえば参議院の選挙準備のために、官費で旅行しておるということが報ぜられておるのでございますが、これに対して政府はどういうような方法でその真疑を確めているか。もし確かめられたのであるならば、その結果をお聞きしたい。
  14. 中西康男

    中西政府委員 各省におきます旅費支給実情と申しますものは、その用務の必要性あるいは計算方法その他につきましては、会計検査院でお調べになつておることと存ずるわけでありますが、旅費定額については、すべてこの基準によつて行われておるのでございます。
  15. 竹村奈良一

    竹村委員 外国旅費のことにつきまして、外国へ行く必要があるのかどうかという点をひとつお聞きしたいので、外務大臣はむりだと思いますが、政務次官でも来ていただきたいと思います。そしてそれからやります。
  16. 川野芳滿

    川野委員長 それではさようとりはからいます。——ほかにありますか。
  17. 川島金次

    川島委員 ちよつとお伺いじますが、この現行法は二十三年の七月にでき、その後ほとんど改正になつておらない。そこで今度その後における物価事情等を考慮して、旅費日当等引上げることになつた。ことに日当の中で従来百二十円が百六十円、宿泊料が甲地は六百円を八百円、乙地は四百八十円を六百四十円というように、およそ三割程度の引上げをするということになつておりますが、この三割というのは物価指数根拠としてやられたのか。何か具体的な根拠をもつて引上げを行うことにしたのだろうと思うが、その根拠は何に求めてあるかをお尋ねしておきたい。
  18. 中西康男

    中西政府委員 改訂額根拠は、大蔵省で各財務部及び同支部に頼みまして、全国各地旅館宿泊料実費額調査いたしましたその結果と、交通公社等行つております宿泊料額資料、並びに物価庁でもつて従来統制額でやつておりました各地ごと宿泊料の額、こういつたものを基礎といたしまして、現実実情に即して計数を出したわけでございます。
  19. 川島金次

    川島委員 それはそれで了解できますが、日当の方の引上げ根拠はどうですか。
  20. 中西康男

    中西政府委員 日当額宿泊料の二割ということで、従来やつて参りました。その二割の額を踏襲いたしたわけでございます。
  21. 川島金次

    川島委員 宿泊料の二割というのは、どういうことでそういうように定まつたのですか。
  22. 中西康男

    中西政府委員 日当額中身を申しますと、書食料とその他の諸雑費ということになつておりまして、従来旅館宿泊料と申しますものは、宿泊料と夜食、朝食というものが大体中身になつておりまして、そういつた金額について従来の調査資料によりまして、おおむね二割ということで、従来より二割という金額でもつてはじき出して参つたわけでございます。
  23. 川島金次

    川島委員 この旅費日当は、今のあなたの説明によれば、こういう基準が明らかになつておるのだから、その基準以外には取扱わないのだ。これはもつともなお話なんです。しかしわれわれの聞く範囲におきましては、この旅費国民の疑惑を引起すような使い方をしておる点も間々聞いているのです。ことに今竹村君からも指摘されておる通り、熱海、伊東方面では、最近の宿泊人はほとんどお役所の人が多い。それも高級的な地位にある人が多いということを、その地方の業者みずからが告白をしておるということであります。この一つを見ましても、国民の貴重なる血税の一部分であるにかかわらず、旅費の名義によつて浪費されおるという点があるやに、われわれは想像ができるのであります。たとえば、お尋ねいたしますが、私が直接に聞いた話でまんざらうそではないと思うのだが、この旅費日当などは、一年を通算して何課に幾らと割当てられる。従つてそれを支拂う現実出張等がなくても、最後の年度末に余つて来る。余つて出たものはそれを適当に分配をして、適当なところに使うのみならず、実際は出張をしないで、出張をしたという形式をとつてその旅費を費消し、年度末にはあらかじめ計上された予算内だけの額を、一文も繰越しのないように始末をする。こういう事柄が往直してあるらしい。われわれはこれを聞いて、まことに寒心にたえない事柄だと思うのでありますが、一体旅費日当等というものの割当というか、その使い方というものは、会計検査院あと検査をするのだといえばそれまでですが、そういう使途についての監督の責任はどこにあるのか。それからまたそういう事態が実際において行われておるのだが、そういうことに対してだれが忠告をし、警告を発するものであるのか。その点について、この機会にあなたから話してもらいたいと思います。
  24. 中西康男

    中西政府委員 お話のございましたように、最終的には予算支出実行上の問題といたして、検査院及び国会で御審議になる問題であると存じますが、第一次的にはもちろん予算の執行に当ります各省各庁の長において、実行上常時それを監督すべき地位にあるものと存じます。
  25. 北澤直吉

    北澤委員 それでは外国旅費の問題につきまして、ちよつとお伺いしたい。先ほどのお話では、二十五年度予算では外国旅費として七億円とつてあるというお話ですが、その点についてお伺いいたします。
  26. 中西康男

    中西政府委員 七億円の金額は、海外拙い諸費すべてを一応包含してございます。その中でまかなわれるべき分でございます。
  27. 北澤直吉

    北澤委員 そうしますと、今度日本在外事務所ができまして、先般衆議院を通過いたしました在外事務所法におきまして、アメリカにシャトルとサンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズ、この五箇所に在外事務所ができましてそれに関する予算海外拂いの七億円の中から出るというふうに聞いておりますが、それはどうですか。
  28. 中西康男

    中西政府委員 さようでございます。
  29. 北澤直吉

    北澤委員 そうしますと、在外事務所の五箇所全体の一年分の費用は、大体外貨にして二十七万ドルというふうに聞いておりますが、もしこれを七億円の中からとりますと、あとどのくらい残りますか。
  30. 中西康男

    中西政府委員 概算でございますが、七億と申しますと大体二百万ドルに相当するものでありますが、そこから二十七万ドル控除されるわけであります。
  31. 北澤直吉

    北澤委員 この外国旅費のところで、日当宿泊料につきまして各地域別に書いてありますが、これはやはり一ドル三百六十円のレートを基礎にしてやつておるのでありますか。
  32. 中西康男

    中西政府委員 さようでございます。
  33. 北澤直吉

    北澤委員 先ほど共産党の竹村奈良一君から、日本役人外国へ行くことについて質問があつたのですが、われわれの考え方から申しますれば、講和條約以前においても、日本役人といわず、個人といわず、なるべく多く外国に出まして、日本外国関係をますます密接にして行きたいと思います。私はそういう意味から申しますと、外国旅費というものは、もつとたくさんとつてもらいたいという希望を持つているものでございます。特にこの機会希望を申し上げたいことは、最近日本役人アメリカ政府の招請によつて、たくさんアメリカへ行きますが、その旅費は大部分アメリカ政府負担する。従つて日本国庫負担でなくて、アメリカ政府負担においてアメリカに行くということのようであります。その実際の手続を聞いておりますと、日本役人が臨時的にアメリカ政府エンプロイイーになつて契約を結んで、アメリカ政府から旅費をもらつて行く。こういうようになつているように聞いておりますが、そうしますと、私は日本公務員法との関係で問題があるんじやないか。公務員法の百一條によると、日本公務員は、よそから給與を受けてはいかぬ、こういうように書いてあるのですが、日本役人アメリカ政府の招聘によつて、臨時的にしろ向うエンプロイイーになつて、しかも契約を結ぶというようなことは、どうも私は日本公務員法制定の精神に反するのではないかと思います。でありますから、私は日本役人が行くのならば、なるべく外国のせわにならずに、できるならば日本旅費で行くようにした方が、いと思います。お伺いしたいのは、そういうふうに日本役人が臨時的にアメリカ政府エンプロイイーになつて旅費をもらうというのは、今後どういうふうにお考えになりますか。
  34. 中西康男

    中西政府委員 公務員法との関係につきましては、そういつたエンプロイイーになるという、契約に署名すること自体が、公務員法といかなる関係に立つかということにつきましては、人事院の法的な解釈にまつのが適当ではなかろうかと存じております。
  35. 北澤直吉

    北澤委員 日本政府としましては、そういうふうな公務員法との関係がありますので、なるべくアメリカ政府の金でなく、日本政府国庫負担において、日本役人外国に行くようにした方がいいと思うのですが、そういう点に対しまして、政府はどういうようにお考えになつておりますか。
  36. 中西康男

    中西政府委員 日本政府において使用し得る外貨資金わく内におきまして、あとう限り必要な海外族行支障なからしめることは、お説の通りごもつともであろうと思います。ただガリオア資金で参りました場合につきましても、そのかわり資金と申しますか、それは将来見返り資金の方に繰込むべき性質の金ではなかろうかという意見が一部にございまして、そういつた趣旨からすると、ガリオア資金一つ援助資金という性格のものになるのじやなかろうか、こういうふうに考えております。
  37. 北澤直吉

    北澤委員 これは希望でありますが、将来日本は一日も早く独立国になりたいというわけでありますので、渇しても盜泉の水は飲まず、なるベく旅行の場合にも日本の金で自前で行く。よその国から金をもらつて行くということはしないで、なるべく日本事情の許す限りにおいては、日本役人外国に行く場合は日本政府負担で行くということが、日本の体面のためにいいのじやないか、これは希望であります。  それからもう一点は今度の旅費規定によりますと、大体三割方引上げるということになりますが、予算にあるところの旅費定額わくがきまつておりまして、従つて法律によりまして旅費のレベルを上げましても、予算わくに縛られて、今度は役人出張あるいは旅行度数が減る。旅費引上げの結果、旅行度数が減るというふうに思われますが、その点はどういうふうでありますか。
  38. 中西康男

    中西政府委員 旅費予算額は、先ほど申し上げましたように鉄道運賃一等、二等の倍率引下げというものを織り込まないで、当初の改訂前の運賃額によりまして、予算に計上いたしました一定旅行計画、それに基きまして予算額を計上いたしてございますので、結局おおむね運賃部分値上り分をもちまして、宿泊定額改訂によりますると増加額をカバーし得る。従いまして当初計画に基く張行計画には、支障を来さない見込みであります。
  39. 北澤直吉

    北澤委員 最近私は衆議院の命令で、山梨県地方税務署視察参つたのでありますが、各税務署とも、要するに問題は、所得などの調査にあたりまして、実際の調査の点が不十分であるという点にいろいろ問題があるのであります。結局そういう事態が起きますのは、やはり税務署人たちが十分に出張して調べるということができない。それにいろいろ原因があるのでありますが、やはり旅費が少いというわけで、どうもなかなか税務署職員地方出張するのが不十分であるというところに、原因があると思うのであります。今回三割値上げになるのでありますが、問題は旅費わくがきまつておりまして、せつかく三割値上げいたしましても、税務署職員地方に出て行つて所得などを十分調査するという目的が達せられないのではないかと思います。将来政府においてはそういう方面に対して十分の予算をとるお考えでありますか、お伺いいたします。
  40. 中西康男

    中西政府委員 必要な族行計画に基いて予算が編成されておりますので、今回の改正によりましても、予算増加を来さなければ、当初の計画が遂行できないという支障は生じないと存ずるわけであります。
  41. 北澤直吉

    北澤委員 私がお聞きしたいのは、大体予算におきましては内国旅費規則は大体わくがきまつて予算に計上されておる。ところが今度の法律によつて三割値上げするということになりますと、元のわくがきまつておれば、法律で三割値上げしても予算わくをふやさぬ限りは、十分その目的を達しないのではないか、こう思うのであります。その点お伺いしたい。
  42. 中西康男

    中西政府委員 予算に見込まれました族行計画に変更を生じなければならない突発的な事情が生じない限りは、今のところ予算額をもつて当初の計画実行できるのではないかと思います。
  43. 内藤友明

    内藤(友)委員 今のことでありますが、そうすると先般おつくりになつ予算というものは、今の改正旅費を大よそ見込まれてつくられておるのでありますか。
  44. 中西康男

    中西政府委員 大体予想して予算は積算されておるのであります。
  45. 内藤友明

    内藤(友)委員 そうすると法律通りもせぬのに、通るものだということを予想しておやりになるのですか。そうすると予算というものはまことに変なものでございますね。
  46. 中西康男

    中西政府委員 予算とその支出根拠になります法律というものは、並行して同時にでき上るべきものだと考えます。
  47. 内藤友明

    内藤(友)委員 実は旅費改正法はわれわれはこの二、三日前に初めて耳にいたしました。今までいろいろな説明を承りますのに、今度こういう意図があるのだということは、一度も聞いたことはないのであります。従つてどもはあの予算というものは、旧の旅費規則のもとに編成されたものと了解しておつたのでありますが、その了解はそうでなかつたということでございますね。重ねてお尋ねいたします。
  48. 中西康男

    中西政府委員 私どもといたしましてはこの法案を今国会において御審議願うという予定のもとに、事務的に御連絡申し上げたつもりでおつたのであります。
  49. 内藤友明

    内藤(友)委員 納得しません。
  50. 川野芳滿

    川野委員長 ちよつと速記をとめて、ください。     〔速記中止
  51. 川島金次

    川島委員 ちよつとお伺いします。国会議員国内の諸視察をいたします部あるいは専門調査員、そういう方面から、従来一緒になつてまわつてもらつている場合に、その随行人たちの等級が比較的少い人もおつて日当宿泊料などが、当然に実際の宿泊料に及ばないという事態が間々ある。そういう場合において、さりとて議員宿泊をいたします場合に、宿泊料が少いのだからといつて、別の宿舎にとまるというようなことには、実際問題としては行かない。こういう問題をプール計算でやつてしまつて、またあと計算するのだというならば、そこに調整をとることもできないわけではない。しかしながら今度のこういう法律で定めて、別々の計算で行くことにかりにいたしますと、国会議員視察につい出て行きますそうした若い随行者にとつては、まことにたいへんな負担増になる。この負担増を解消しようとすれば、別の宿舎にとまつて、別の行動をとらなければならない。それであつてはまた随行の真の意味を達することに、きわめて支障を来すというジレンマに陷つて来るのですが、そういう問題については、何か当局として特段の措置考えておられるだろうと思います。その点考えがありましたならば、この機会に聞いておきたいと思います。
  52. 山崎高

    山崎庶務部長 従来衆議院関係職員に影響のあります関係法律案につきまして、政府の方で起案する場合におきましては、大体事務的な打合せといたしまして、原案のお示しがあつて、それについて事務的な意見の交換をするのが例になつてつたのであります。今回これを見ますと、そういうことがございませんで法案が御提出になり、私どもも初めて拝見したのであります。その点従来のような旅費規程国会職員議員随行の場合は同額支給できることになつておりますが、それが可能なりやいなやについて、今しきりと研究いたしております。大蔵省の方でもし立案者として、法律解釈上、そういうような例外的な措置が講ぜられることになれば、けつこうなこでありますが、そうでないと、議員随行の場合には非常に困るのではないかというふうに思つております。しきりに研究いたしまして、適当な措置をとれるかもしれませんが、その点御了承願いたいと思います。
  53. 田島ひで

    田島委員 今のお答えは私にはよく聞えませんでしたが、私ども祕書をいただいております。祕書の職能を完全に遂行しようといたしますと、祕書の族行ということも相当問題になると思いますが、祕書旅費などについては、あるいはまた日常の交通関係について、何か特別のおはからいがありましようか。その点をちよつとお伺いしたいと思います。
  54. 山崎高

    山崎庶務部長 議員秘書関係につきましては、あれは最初から任用服務等一般職員と完全に切り離しております。国会職員全般特別職でありましたときも、全然別個な取扱いをしておりました。つまり任用の資格、あるいは勤務時間の関係が、一般職員と同じような関係になりますと、祕書を置いた趣旨にもとる点もございましようし、また不便の点もあると考えて、全然任用の方につきましても、届出で済ますというふうな関係になつておりますので、旅費等についても、今のところ全然考慮しておりません。祕書の建前上、立案の当初からそういうふうになつておりますので、もし議員秘書全般について、何かそういうふうな点はこうすべきである。——非常勤職員としては扱つておりますが、さらに祕書旅費あるいは給與全般につきまして、いろいろと御意見があるようでしたら、これはやはり議院全般の問題といたしまして、議院運営委員会あるいは各党の皆さんに御研究願つて、新しく検討し直すほかはないと思います。今のところは当初のままになつておりまして、旅費等は支給できないことになつております。その辺御了承願いたいと思います。
  55. 田島ひで

    田島委員 もう一点お伺いいたします。この法律によりますと、一応全公務員旅費引上げになつておりますが、下級職員旅費とか移転旅費というものは、現在非常に少いのでございます。三、四割上つてもきゆうくつだと思います。上級職員との比率はどんなふうになつておりますか。その点をおわかりでしたら、お聞かせ願いたいと思います。
  56. 中西康男

    中西政府委員 職員のグレードに応じまする比率は、法案の別表に掲げておりますように、八級職以上漸次一割増しになつているわけでございます。
  57. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は数点だけ御質問申し上げます。各委員からも御質問がありましたから、要点だけを申し上げます。いわゆる転任いたしますにつきまして、宿舎がなくて、場合によると遠くの方から通つている人があります。官吏の移転につきましては、宿舎ということと関連があるわけでありますが、各地におけるところの局長とか課長等は住居を持つておりましようか。おそらく私の見るところによると、半分ぐらいは地方の国税局、税務署においても宿舎がないということで、遠くから通つているのではないか。また前任地からわざわざ高い汽車賃を拂つてつている人もあります。こういうことを考慮して、もう一つは親族、家族も考慮して、別表について百キロ一万幾らというようなことで、そろばんをはじいておりましようか。そういう点をお聞きしたいと思います。
  58. 中西康男

    中西政府委員 住居状況につきましては、審議を経ました予算の中から、公務員の国鉄宿舎というものを予算を最も有効に使いまして、住居事情を改善したいと考えております。第二点の移転料につきましても、これは家族を随伴して移転する場合には、この定額によつてすべて支給することになつております。
  59. 三宅則義

    三宅(則)委員 百キロ未満は一万六千円、百キロ以上は二万一千円、こういうふうに書いてありますが、かりに子供が三人、五人おつても同じでしようか。前の三十八條を見ますると、多少増額されるようにも考えられますが、その辺をちよつと事務的になりますが、一応御説明願いたいと思います。
  60. 中西康男

    中西政府委員 お話の移転料は、これは家財移転料でございまして、技養親族が移転する場合には、それぞれこの法案規定に基きまして、本人相当の額を基準にいたしまして、旅行の費用が支給される、こういうことでございます。
  61. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の御説明によつてよくわかつたのでありますが、次に会議費というものが相当あるのでありまして、これは大蔵省も、農林省も、通産省も、各省ともほとんど毎月所長会議あるいは課長会議というものが、中央において行われておるのであります。今度の旅費規定で相当増額にはなつておりますが、その意味において、先ほど北澤委員が御話になつたようでありましたが、回数を減すとか、もしくは早く切り上げて夜行で帰るということになるのではないかと思いますが、その辺をもう一つ承りたいと思います。
  62. 中西康男

    中西政府委員 御説の通り会議は最も有効に必要な限度において開催され、その日程も最も有効に使用されるべきものだと存ずるわけであります。
  63. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまりしつこく質問いたしませんが、ただ海外に族行いたします仕度料というものがあります。これは御承知の通り日本内地の金で出す場合もあり、このごろのように向うの金でやる場合もありますが、そういう場合でも仕度料を支拂うわけでございましようか。
  64. 中西康男

    中西政府委員 御説のようにガリオア資金で出かける場合も、それから国費により旅行する場合も、海外に出かける場合には、従前の例により仕度料というものを支給する制度になつております。
  65. 三宅則義

    三宅(則)委員 もう一点最後に承りたいのでありますが、航空賃——今、日本は飛行機はあまり使えないと思つておりますが、将来はこういうものを使つて、大いに迅速に所長なり課長を海外にやられるというお見込みでありましようか。それは海外旅行者のみに限るのでありますか。その辺の政府考え方を承りたいと思います。
  66. 中西康男

    中西政府委員 内国旅行における航空賃につきましては、将来内国においても航空による旅行というものが出て来た場合においては、この法律案にもありまするように、その必要性と経済原則に基きまして、緊急やむを得ざる場合には航空による旅行というものが必要になる場合も、あるいはあろうかと存ずるわけであります。
  67. 三宅則義

    三宅(則)委員 大分大まかなお話でございますが、もちろん将来日本全体が飛行機で飛び歩きできるようになるという構想でありましようが、そういう希望があろうと思います。ついては最近のうちに——これはもちろん講和会議が開かれておらない時代でありすすから、簡単には行かないと思います。が、将来はそういうような線に浩つて大いに努力してもらつて、迅速果敢に国務を推進するという線で大蔵省は立案せられたいと思いますが、その御意思がありますか、承りたいと思います。
  68. 中西康男

    中西政府委員 すべては今後の情勢の推移によつて善処したいと存ずるわけであります。
  69. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私一つお伺いしておきたいのは、従来の旅費の支給関係との関連でございますが、先般食糧政策に関する問題で農林省の食糧庁長官、その他農政局長等が、與党の自由党の幹部諸君とともに、湯河原会談なるものをやられたということが出ておりますが、こうした場合の旅費支出が従来どういうように取扱われて来ておるか、お答えを願いたいと思います。
  70. 中西康男

    中西政府委員 お話の農林省の今の会議についての旅費がいかに支給されておりますか。まだ私どもの手元においてははつきりいたしておりません。
  71. 田中織之進

    ○田中(織)委員 これは私会談の内容そのものには触れない問題でありますけれども、こうした類似の会合に公務員出張する場合に、国民負担によるところの国費から支出されておる場合があろうと思うのです。こういう場合は明確にしなければならぬと思う。私が具体的に申し上げました湯河原会談の場合の支出関係がどういうようになつておるかということは、調べて報告をしてもらいたい。これを希望しておきます。  次にこの問題はおそらく出たことと思いますが、提案の理由説明の中には、従来の旅費規程基準は一昨年の七月に置いておりますが、その後における鉄道運賃等の値上り、その他の関係を考慮して改訂せられるということであります。そういたしますと、これは今非常に重要な問題になつて、一応予算にはそのままになつております公務員給與ベースの全体的な改訂との関係において、これが立案策定せられたものかどうか。その点について何かそういう公務員給與ベース改訂政府の方針でやらない。従つて実質賃金の俸給だとか、何らかの意味において收入を確保するというような見地から、これを立案したものかどうか。今公務員給與ベース全体の改訂ということが、大きな政治問題になつておる矢先に、こういうものが出て来るということは、これはきわめて意義深いものがあると思うのです。その意味でそういう公務員給與全体の改訂という観点から、この法律が策定せられたものかどうか。この点についての御説明を願いたい。
  72. 中西康男

    中西政府委員 御承知でもございますように、旅費というものは実は給與と見るべきものではございませんで、国が公務の遂行上必要と認めて旅行を命じました場合には、旅行に伴つている実費額基礎にいたしまして、その必要経費を支給すべきであるという建前から、計上されたものでございます。従いまして一応本人の收入との関連において考えられたものではございません。
  73. 田中織之進

    ○田中(織)委員 この点は議論になろうかと思いますから、私多くを申し上げませんが、公務員は確かに公務の遂行のために出張しなければならぬ。その族行しなければならぬ場合の実費を補填するという考え方で、この法律が制定せられたものだということであれば、これはその限りにおいて了承できるのであります。そういたしますならば、私の問わんとしておりますところの公務員全体の給與改訂の問題も、やはり公務員のいわゆる生活費を償うこと、実際的にいる生活費を償うという建前に立つて、これを検討しなければならぬと思いますが、中西政府委員はその点についてはいかなる御見解を持つておられるか。承つておきたいと思います。
  74. 中西康男

    中西政府委員 この国会において、数回にわたりまして主務大臣等より御説明のありました通りでございまして、私より意見を申し上げる限りではないと存ずる次第であります。
  75. 田中織之進

    ○田中(織)委員 少くともごの法律に関する限り、あなたは政府提案者であり政府を代表して来ておる。従つて主務大臣から答えなければ、あなたの御意見は述べられないというような、そういう一貫性のない政府ではわれわれは困るのです。私の申し上げておることは、少くとも給與の問題についても、この法律を制定したと同じ根拠において、再生産費を償うに足るだけの給與をやつてやるという考え方は、給與に関するあらゆる場合における基本原則だと思うのですが、その基本原則はお認めにならぬのですか。
  76. 中西康男

    中西政府委員 ただいま申し上げましたのは、旅費は実費を支給するというのが大体の建前でありまして、給與ではないという意味において申し上げた次第であります。その点御了承を願いたいと思います。
  77. 田中織之進

    ○田中(織)委員 この法案審議は大体今日で終る模様でありますが、あとからでもけつこうでありますから、旅費支出につきまして少し資料を出してもらいたい。ともすれば年度末に予産の残をいろいろな名目の出張で出しておる。従いましてこれは非常に広汎なものになろうかと思いますけれども、たとえば十二月、一、二、三月の各省旅費支出、月別の増加の関係を見たいと思うのです。そういう点が見られるような適当な資料を出していただくことを、この際要求をしておきます。
  78. 中西康男

    中西政府委員 御要求の資料につきましては、各省各庁に御要求の筋により照会いたしまして、できるだけ資料の集まります範囲において、御要求に沿いたいと存じます。
  79. 川野芳滿

    川野委員長 外務省関係説明員がお見えになりましたので、先ほど質問の保留になつておりました竹村奈良一君の質問を許します。
  80. 竹村奈良一

    竹村委員 先ほど大蔵省の方からお伺いしたのですが、この海外出張に対する旅費規定を一応変更されるわけですが、それは大体この予算範囲内でやられる。大体七億円の予算の中から、これを出すのだということになつておるのでありますが、この予算の七億円を組まれるときに、この新しい規定によつてつて行くということを見込んでお組みになつたのかどうか。この点をお伺いしたい。
  81. 松井明

    ○松井説明員 御説明申し上げます。七億円の予算を組むにあたりましては、いろいろ相談を受けておりまして、具体的にどの会議とどの会議に出るので、これだけかかるというふうな数字をはつきりはじき出して、七億円という数字が出たわけではございません。
  82. 竹村奈良一

    竹村委員 私のお伺いいたしておりますのは、古い予算を組まれるとき、この法案を出すんだということを予定して、予算を組まれたかどうかということをお伺いしたいのです。
  83. 松井明

    ○松井説明員 法案を出すこととは関係ございません。ただ政府といたしましてこういう会議には出たらよかろう。また出ることを希望する。あるいは招請が来るであろうといつたようなものを検討いたしまして、予算を出しておるわけでございます。この法案とは外務省としては直接は関係いたしておりません。
  84. 竹村奈良一

    竹村委員 もちろん法案とは関係ないかもしれませんけれども、しかしこの法案によつて支給するとする場合は、前の古い規定で出しておるのだから、これは増額をしなければならぬと思うのですが、その点を聞いておるのです。
  85. 松井明

    ○松井説明員 前の規定でできるものと、時期的にこの法案が通つてから新しい規定になるものと、おのずから二つあると思います。
  86. 竹村奈良一

    竹村委員 講和條約がまだ締結されていない今日、本年度に各国へどれだけの人間を出張せしめる用意があるか。どこの国へ何人くらいおやりになる計画があるのか。その点を詳細に御説明願いたい。
  87. 松井明

    ○松井説明員 一年といわれますとちよつと御説明できないかと思いますが、一応四——六月について政府といたしまして考慮いたしております会議について申し上げます。第一は国際電気通信連合の第三回高周波放送会議、これはフローレンスで開催されております。それから国際衛生機輿の第三回総会、これは四月七日から約一箇月間の予定でジュネーブで開かれております。それから国際獣疫事務局会議、これはパリで開かれる予定になつております。それから国際衛生口蹄疫予備会議、それからユネスコ総会第五回、フローレンスで開かれます。これは五月でございます。それから六月には国際労働機関の第三十三回総会、ジュネーブにおいて開催されます。そういつたようなものを一応予想いたしております。もちろんこれはまだ必ずしも出ることに決定したわけではございませんし、また招請が必ずしも全部来ておるというわけではございません。一応の予測でございます。
  88. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、そういう招請が来た場合に、どの国から招請が来ても、政府の方においては全部お出しになるお考えですか。
  89. 松井明

    ○松井説明員 一般的にはちよつと申し上げかねるかと思いますが、特定の問題につきまして、おのおの検討いたしまして決定したいと思つております。
  90. 竹村奈良一

    竹村委員 そうすると、やはり現在吉田さんの考えておられるように、ある特定の国だけには出て行きますけれども、特定の国には出さないという考え政府の方ではつきり決定しているのですか。そうでなしに、招請があつたらどこの国へでも出て行くという考えでおられるかどうか。
  91. 松井明

    ○松井説明員 それは特定な場合にぶつかつてみませんと、はつきり申し上げかねます。
  92. 竹村奈良一

    竹村委員 政務次官がお見えになりましたので、政務次官にお伺いいたしますが、講和條約がまだできていない今日、外国へお出しになることについて、先ほど一応プランを聞いたのでございますが、招請が来た場合に、特定の国だけでなしに、世界各国どこの国へでも出張せしめる御意思であるかどうか伺いたい。
  93. 川村松助

    ○川村政府委員 お答えいたします。ただいままでのところでは、相手国の方から招請がありました場合、それが連合軍司令部に参りまして、司令部から連合軍司令官の許可がありまして、それから日本政府の方に申込みがあります。そうした順序において、さしつかえない限り、日本政府の方におきましても、その慫慂に応じて外国に派遣いたしております。
  94. 竹村奈良一

    竹村委員 そうすると、連合軍司令部の許可を得られた分で、日本政府としてはそれでも参加する必要なしと考えて、参加せしめないというような方針をおとりになつたことがありますか。
  95. 川村松助

    ○川村政府委員 ありません。
  96. 竹村奈良一

    竹村委員 そうすると向うから招請があり、連合国最高司令官の許可があつた場合においては、日本政府において独自な考えでこれに出席しないというようなことは、できない状態に置かれているわけですか。
  97. 川村松助

    ○川村政府委員 できないということはないと思います。それはそのときの状況によりまして、判断に基いて、さしつかえなければその慫慂に応ずるという方針であります。
  98. 竹村奈良一

    竹村委員 それではこの法案の表の中に、ソ同盟に対するところの旅費というものが抜けているのは、一体ソ同盟に対しましてはもう全然おやりにならぬということを、初めから規定しておられるのかどうか。
  99. 川村松助

    ○川村政府委員 ソ同盟からまだ全然そういう慫慂がないと思つております。
  100. 竹村奈良一

    竹村委員 法律を制定される場合には、あるとかないとかいう現実のものでなしに、先ほどお伺いいたしましたように、各国から招聘があつた場合、あるいは慫慂があつた場合、必要に応じて出張せしめる、こう言つておられるのですが、慫慂がないからというので法律にはお入れにならぬのですか。
  101. 川村松助

    ○川村政府委員 ソ同盟に対しましては、「その他の地域」というところに入つておるのであります。
  102. 竹村奈良一

    竹村委員 これが現在の政府の性格なんだ。そこに問題がある。ソ同盟は小さい国だとお考えになるかしらぬが、実はわれわれから見たら、世界の中では相当な大国だと考えるのです。日本政府といたしましては、ソ同盟は「その他の地域」に入れなくてはならぬというくらい小さくお考えになつておられるのかどうか。
  103. 川村松助

    ○川村政府委員 大きいとか小さいの問題じやありません。そういう大小は問題ではないと思います。
  104. 竹村奈良一

    竹村委員 それは大体この表から見ますと、「その他の地域」というところに入つておると、こうおつしやいますけれども、ずつと各国を並べられまして、そうして「その他の地域」とこういうことは、一体どういう考え方から出て来るのか。私たちの考えでは、小さいところでも一々書き表わしておるのだから、今吉田さんの考えておられる單独講和を結ぶんだという前提のもとに、そういうことを言われておると考えるのですが、その点いかがですか。
  105. 川村松助

    ○川村政府委員 ただいま大蔵省の課長からこの点に対して御説明申し上げたいと言つておりますから、かわります。
  106. 中西康男

    中西政府委員 お答えいたします。ただいまの「その他め地域」につきましては、実情が今のところ検討しても困難であるという事情から、「その他の地域」に含めました次第であります。結局実情が漸次わかつて来るに応じまして、その定額というものは、漸次定められて行くことになろうと存じます。
  107. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 現在までの公務員出張旅費の問題ですが、実際三日間行けばよいのに六日間くらい日数を計算して、旅費を支給している場合が諸官庁に大分あるようです。たとえば裁判所の場合荘というと、青森県の殺人の現場へ臨むというような場合に、結局三日間でよいのに六日間の旅費を支給するというようなことをやつたり、あるいは地元の警察のせわになつたり、あるいはまたその被害を受けた家庭のせわになつたりというような場合が非常に多かつたのです。今回これを改正するにあたりまして、いろいろ事情考えて検討したようですが、現在のこの旅費宿泊料、食卓料というようなものは、実際まだ不足なようですが、政府はこれを妥当と思つてきめたのか。それとも今後これではいけないからこれを修正するというのか。これを伺いたい。
  108. 中西康男

    中西政府委員 その定額につきましては、全国の各都市につきまして、宿泊料実情というものを調査いたしました結果に基いて定めた次第であります。
  109. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 実際実情に沿わない場所が非常に多い。甲地というと、おそらく大阪だとか東京だとかいうことになると思いますが、今まで六百円であつたものが八百円に上つた。しかし八百円ではおそらく宿泊させないと思う。われわれは今回税制視察に阪神方面行つて来ても、へたに知らずに飛び込んでしまうと、二千八百円もとられてしまうという場合が非常に多いので、どうもこの考え方が妥当でないように思うのですが、政府では妥当だと思つてきめたのでしようか。
  110. 中西康男

    中西政府委員 お答えいたします。旅館の規定額につきましては、旅館にも一級ないし三級というふうに各種類がございまして、少くともわれわれ公務員は、旅行いたします場合についての心構えといたしましては、宿泊する場合においても日常生活の延長であるというような心構えでもつて旅行すべきものであるという見地からいたしまして、この規定額でもつて、現状において実情に即応するものであると信ずる次第でございます。
  111. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 一応この点はさておきまして、今回のこの旅費の問題、外国旅行の問題について、大体は政府のお考えは米国方面に行く旅行のように考えておるようですが、しかしわれわれはこの貿易問題について、中共との取引も盛んにしなければならない。あるいはまた東南アジア、近東方面、南方方面の取引もこれから考えて行かなければならぬ。こうしてみるとあらゆる事情で諸官庁の方々が海外へ渡航して、その実際の事情調査しなければならない。こういう日本の国家の経済再建に重大な問題を携えて、海外へ渡航する人が非常に多くなると思うのですが、これを七億円というような限界をつけたのは、そういう事情を考慮したものでしようか。あるいはまた労働会議だとかそういう特別な場合のみを考えてやつたものでしようか。その点をちよつとお伺いしたいと思います。
  112. 中西康男

    中西政府委員 大体使用し得る外貨資金わくというものを目途といたしまして、計上されたわけでございます。
  113. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうすると外貨資金がより以上獲得できるということになれば、これ以上増額できるのでしようか。
  114. 中西康男

    中西政府委員 情勢がかわつて参りますれば、それに即応する必要があろうかと存じます。
  115. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 これはごく最近に必ず問題になり、中日貿易議員連盟でも、とりあえず実際の貿易業者並びに諸官庁の方々に、この中共なり東南アジア、近東方面の経済事情調査のために、ぜひ行つてほしいのだという決議案を出すことになつておりますが、それがもし急速にきまるというようなことになると、おそらく七億円ではとうてい足りないのじやないかと思います。そうするとこの七億円のわくは、外貨を獲得しなければできぬというお話ですが、そういう膨脹した場合に緊急の措置ができるかどうかお伺いしたいと思います。
  116. 中西康男

    中西政府委員 今のお話の点につきまして、七億円と申しますのは、公務員その他国費を支弁して旅行させる場合の外貨わくでございまして、公務員以外の者が用務のために海外旅行する場合のわくにつきましては、この金額とは別途に処理されるべきものであるという次第であります。
  117. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質疑はありませんか。——なければ本案に対する質疑は打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですから、国家公務員等旅費に関する法律案については、質疑を打切ります。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十五分散会