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1950-03-28 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十八日(火曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君    理事 小峯 柳多君 理事 小山 長規君    理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君    理事 川島 金次君 理事 河田 賢治君    理事 内藤 友明君       奧村又十郎君    甲木  保君       鹿野 彦吉君    佐久間 徹君       苫米地英俊君    中野 武雄君       西村 直己君    三宅 則義君       宮腰 喜助君    竹村奈良一君       田島 ひで君    中野 四郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (理財局経済課         長)      吉田 信邦君         通商産業事務官         (資源庁石炭管         理局長)    中島 征帆君  委員外出席者         参議院議員   佐々木鹿藏君         大蔵事務官   大濱 用正君         通商産業事務官 加野 一郎君         配炭公団清算事         務所経理局次長 岡野 賢司君         配炭公団清算事         務所調整室課長 植木友次郎君         食料品配給公団         経理局長    佐藤 晴雄君         飼料配給公団経         理局長     大澤 助次君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君 三月三十八日  委員田中織之進君辞任につき、その補欠として  前田榮之助君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月二十五日  昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負  担の特例に関する法律案内閣提出第一二五  号)  旧軍港転換法案佐々木鹿藏君外二十二名提  出、参法第二号)(予) 同月二十七日  公認会計士法の一部を改正する法律案内閣提  出第七二号)(参議院送付) 同 日  揮発油税軽減に関する請願前田正男君外三名  紹介)(第一八四九号)  同(庄司一郎紹介)(第一八五〇号)  同(佐瀬昌三紹介)(第一八五一号)  岡(小川原政信紹介)(第一八九九号)  同(荒木萬壽夫君外一名紹介)(第一九四九  号)  同(米窪滿亮紹介)(第一九九四号)  同(松澤兼人紹介)(第一九九五号)  同(原健三郎紹介)(第一九九六号)  同(黒澤富次紹介)(第一九九七号)  同(有田二郎紹介)(第一九九八号)  同(有田喜一紹介)(第一九九九号)  千厩町に税務署設置請願淺利三朗紹介)  (第一八五六号)  時計類に対する物品税軽減に関する請願(小金  義照君外二名紹介)(第一八六七号)  公認会計士法第五十七條の二廃止に関する請願  (長野長廣紹介)(第一八九八号)  国家公務員共済組合法の一部改正に関する請願  (柳澤義男紹介)(第一九三五号)  生活協同組合及び労働組合に対する課税免除の  請願松岡駒吉君外一名紹介)(第一九四〇  号)  石炭工業に米国対日援助見返資金融資に関する  請願(小金義照紹介)(第一九八一号)  農業災害補償法共済金に対する所得税免除の  請願外一件(足立篤郎紹介)(第一九八六  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  配炭公団損失金補てんのための交付食害に関  する法律案内閣提出第七五号)  昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負  担の特例に関する法律案内閣提出第一二五  号)  旧軍港転換法案佐々木鹿藏君外二十二名提  出、参法第二号)(予)     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を継続いたします。
  3. 竹村奈良一

    竹村委員 買い入れた当時の石炭は一トン当り幾らで、今度解散になつてから拂い下げられた一トン当り値段幾らですか。
  4. 岡野賢司

    岡野説明員 九月十五日まで買い入れました買入れ石炭平均価格は、物価庁の算定によるものでありますが、これは二千三百八十八円であります。それから九月十六日以降はマル公はございませんので、その後の市場価格にマッチするようなばらばらな値段になつております。その総平均につきましては、ただいま私ちよつとこまかい数字がわからないのでございますが、後ほど調べて御返事することにいたします。
  5. 竹村奈良一

    竹村委員 拂下げにあたりまして、大体買われるときには等級の一番よかつたやつを、特に等級を下げて拂い下げたというようなうわさが流布されておるのでありますけれども、そういう事実があつたかどうかということをお尋ねします。
  6. 岡野賢司

    岡野説明員 査定のときの品質によるわけでありますが、査定のときはかりに一級という査定がなされたといたします。しかしながらこの査定は、石炭の内層と言いますか、山の内部まではとうてい嚴格な査定技術士にも実際上にもできませんので、外側を拂い出した内側、こういうものにつきましては、拂い出したときにむれておることがわかつた、中で品いたみがあつたという実例もありますので、そういうものにつきましては、帳簿面査定の格よりも、実際の品質に合う格まで下げて販売したものがあると思いますが、詳しい数字はただいまちよつとわかりかねます。
  7. 竹村奈良一

    竹村委員 ただいま資料をもらつたのですが、厖大な資料でわからぬのですけれども、大体この運賃プール制決定されるにあたりましては、これはどういうふうにして決定されたのであるか。この問題についていろいろ問題になつていると思うのでありますけれども、これは大体物価庁がおきめになるのか。あるいはあなた方の方で、一トン当り運賃プール制によつて幾らになるかということをきめられるのか。その点をお聞きします。
  8. 岡野賢司

    岡野説明員 もちろん物価庁長官が定めるものでございますが、その資料としては、やはり一番関係の深い配炭公団にいろいろそろつておるものと見えまして、物価庁から要求がありまして、参考資料としては提出いたしますが、決定はすべて物価庁でなされております。
  9. 竹村奈良一

    竹村委員 この運送めぐつていろいろの団体で問題を起して、これの権利をとるために非常な運動があり、いろいろな問題があつたということですが、これに対して詳細をお聞かせ願いたいと思います。
  10. 岡野賢司

    岡野説明員 私はそういうものの詳細につきまして、具体的なものは何も聞いておらぬのでございますが……
  11. 竹村奈良一

    竹村委員 それではもう一つお聞きしたいのですが、あなたの方では第二会社というようなものがあると考えられますか。ないと考えられますか。
  12. 岡野賢司

    岡野説明員 それは運送契約についてでありましようか。販売その他についてでありましようか。
  13. 竹村奈良一

    竹村委員 販売その他全体について……
  14. 岡野賢司

    岡野説明員 いわゆる第二会社というものは、配炭公団の支店に相当します配炭局支団と申しますか、そういうものが各地に大体一つずつできております。これは御承知のように、九月十六日限りで配炭公団解散を命ぜられまして、そのときに職員が約一万二千人ぐらいおつたと思いますが、これは半分に整理をしなければならぬことになつた。その整理された人で、配給販売というような点で長年の経験を積んだエキスパートの人が、自分たちのかてを得るためということで第二会社をつくつて配炭公団から石炭買つて販売したのもありますし、そのほか各炭鉱業者から石炭を求めて、自分の力で販売しておるというのもございます。
  15. 竹村奈良一

    竹村委員 いわゆるプール運賃決定するにあたつて、たとえば近くに運ぶような計画を立てるならば、運賃相当安くつくのであるけれども、しかし遠いところへ運ぶというような計画を立てて運賃決定しておる。しかし実際においては近くから近くにやるということで、運送費においてはそういう形において相当高くきめられておると思うのですが、そういう事実はないのですか。
  16. 岡野賢司

    岡野説明員 先ほども説明申し上げましたように、プール運賃決定物価庁長官がされるのでありますが、今竹村委員の御指摘のような点は、計画実績から来る誤差ということではないかと思います。要するにプール運賃を設定するときには、安本の計画によりまして、汽船大型幾ら小型幾ら、あるいは機帆船何トン、貨車何トンという輸送経路別計画によつて、それぞれの運賃を乘じたプールができると思いますが、御承知のようにその後機帆船の油の配給が減つたための輸送数量減によつて、これが汽船に行つた貨車に行つたりしましたので、こういう計画実績の相違から来るような面があると思います。
  17. 竹村奈良一

    竹村委員 この前の資料によりますと、昭和二十二年、二十三年、二十四年と解散前までは大体剩余金を出しているのですが、国庫への剩余金納付済みは二十二年度だけであつて、二十三年からは未納になつているのでございますが、その今まで未納にしておいた理由は一体どういうわけでしようか。
  18. 岡野賢司

    岡野説明員 配炭公団としましては、特に計算上出ました剩余金は、現金で銀行なり何なりに預けておるとか持つておるものではありませんでして、これは常に貯炭に化けておるとか、運転資金になつて配炭公団仕事をして参つたわけであります。要するに納める現金かないということで、今までずつと残つてつたということなんです。
  19. 竹村奈良一

    竹村委員 現在考査委員会で、配炭公団の問題を本議会においても一応取扱つているのですが、そういうふうになつた事情その他を詳しく聞かせていただけませんか。
  20. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ただいま配炭公団の方からちよつと御説明がございましたが、御承知のように、公団相当運転資金が必要なんでございますが、途中から借入れができなくなりましたし、またいろいろな点で運転資金の手詰まりを来しておりました。それで安定本部から、それぞれの公団剩余金をそのまま納めないでよろしいという了解を得て、やつてつたような次第であります。
  21. 竹村奈良一

    竹村委員 大体今配炭公団の問題で考査委員会にかかつておるような原因は、一体どういうことかお聞かせ願いたい。
  22. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ちよつと御質問趣旨はつきりいたしませんが、考脊委員会がどういうお考えでこの問題をお取上げになつておりまするか、ちよつと私どもにははつきりわかりかねます。独自の立場からおやりになつておることと思います。
  23. 竹村奈良一

    竹村委員 考査委員会事情は、考査委員会でかつてにやるのですが、そういうように取上げられるのは、何もなかつたら取上げぬのでありますから、何かあると思う。従つてそういう心当りがあるかどうか。取上げられておるのは、こういう点で取上げられているのだろうということがわかつていたら、その点を詳しく伺いたい。     〔委員長退席小山委員長代理着席
  24. 岡野賢司

    岡野説明員 考査委員会配炭公団を取上げておるについて、何か思い当る節があるかないかというような御質問に承つてよろしうございますね。
  25. 竹村奈良一

    竹村委員 そうです。
  26. 岡野賢司

    岡野説明員 配炭公団といたしましてはもちろんないと思つております。新聞その他でも発表がありますように、公団をめぐる不正事件ということでありまして、特に配炭公団ばかりを取上げておるのではないというふうに聞いておりますが、要するに公団としては思い当る節はありませんと申し上げるのであります。
  27. 竹村奈良一

    竹村委員 それではきのうの日本経済新聞に、たとえば食料品公団における浮貸しの問題が問題になつておるのですが、これに対してどなたか来ておられますか。そういう点について知つておる方が来ておつたら話してもらいたいのですが……
  28. 小山長規

    小山委員長代理 食料品公団ですか。——それでは食糧庁長官を呼びますか。
  29. 竹村奈良一

    竹村委員 呼んでください。私の質問は保留いたします。
  30. 小山長規

    小山委員長代理 ほかにありませんか。苫米地君。
  31. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 配炭公団が、石炭以外に、寮とかその他の名義で持つてつた財産が大分あるはずですか、これはどういうふうな措置がされてあるか。もしくはどういう処分をしたか。それをちよつと承つておきたいと思います。
  32. 岡野賢司

    岡野説明員 お答えいたします。配炭公団は不動産は所有を禁ぜられておりますので、配炭公団所有にかかる寮とか合宿所とか、そういうものは一つもございません。配炭公団の前身の日本石炭株式会社、あるいは各地方石炭販売会社がございましたが、この日本石炭地方石炭とも閉鎖機関になつておりまして、従つて閉鎖機関からの借入れ物が多いのであります。これは清算事務の進捗に伴いまして人員がだんだん減つて参りましたし、寮その他はなるべく早くあけて、なるべく早くお返しする、こういう方法で進んでおります。
  33. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 表面はそうでありましようけれども現実は寮が番人みたいな、まかない人みたいな人間の名前になつて、その人たち所有になつておる。これは一体だれがそんなものを買つて與えてあるのか。そこに私は大いにふしぎなものを感ずるのですが、そういう事実はありませんか。
  34. 岡野賢司

    岡野説明員 正式にそういう報告を受けたことはないのでございます。
  35. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 調べたことがありますか。
  36. 岡野賢司

    岡野説明員 特にそういうものがありとして調べたことがあるかないか、私だけではちよつとわかりかねるのでございます。
  37. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 配炭公団石炭を受けるときに、途中の欠斤とかもしくは何とかというので、一割とか一割五分とか余裕が見てあつたのですが、それに対する会計は明らかに報告されてありますか。
  38. 岡野賢司

    岡野説明員 御質問趣旨は、三十トン山で買つて、二十九トンしか納めなかつたという場合でございましようか。
  39. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 いやそうではなくて、米の場合でも、石炭の場合でも、減耗があるという理由である歩合をよけい受渡ししておるのです。その減耗があるという理由受渡しされておるものが、経理されておるかどうかという問題なのです。
  40. 岡野賢司

    岡野説明員 石炭販売価格平均の中に——約三千三百四十四円でございますが、この販売価格の中に、欠斤するための損をカバーするものとしまして、ちよつとこまかい数字は覚えておりませんが、四十七円か、五十三円くらいのプール採算欠斤というものが、物価庁マル公できめられておると思います。結局これは消費者負担ということでありますが、その見込んだ額と、実際欠斤した額との経理が明らかになつておるかどうかということと思いますが、配炭公団剩余金、これを計算いたします場合には、そういう欠斤を見込まれた販売価格と、一方は山に支拂つた買入れ炭代と、もう一つ船運賃、その他輸送諸掛り、この三つのファクターのうち、一方は販売、片一方は買入れと諸掛りとのプラスのこの差を剩余金として計算しておるのでありまして、この価格構成内容別には完全にはできておりません。またそこまで規定の上ではやる必要がないということになつておるのですが、但し私たち仕事をする上において、はたしてどうなつないるだろうかというふうな、自分たちが勉強する意味でやつたことはございます。そういう計算を分析してみたことはございますが、正式にはできておりません。
  41. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 石炭現物余裕のある受渡しはしておらなかつたかということをお伺いしたい。たとえば米の場合でも、砂糖の場合でも、受渡しをやるときに目減りをするという理由で、ある数量だけ実際配給に必要な量よりもよけいに渡されておる。石炭の場合にはそういうことはなかつたか、こう伺つておるのです。
  42. 岡野賢司

    岡野説明員 そういうことはないはずであります。
  43. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 ないと、まことに大胆におつしやいますけれども現実そういうものが市中に流れておつた。ある会社、ある特別の人は、当然配給される以上のものを買つてつた。それがそういうものから出ておつたともつぱら世間でうわさされておる。私もある程度信頼すべき人からそう事実を聞いておる。こういうところが、私はこの配炭に対して非常にいろいろな疑惑がかかつておる原因じやないかと思いますが、そういうことは絶対なかつたのですか。
  44. 岡野賢司

    岡野説明員 絶対ないかどうか、われわれの方に報告を受けたことはないのでございますが、ある場所の、ある末端において、そういうことがあつたかどうかという、ほんとうの具体的なことは私たち存じておりません。但し本部方針といたしましては、もちろんそういうことはないような方法で行つておるのでありますが、ごく末端に具体的にそういうものがあつたということで、もしお漏らしくたさつてさしつかえないのでしたら、具体的な事例をお教え願つて、それによつてわれわれの方でも調べて善処いたしたいと思つております。
  45. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 これは末端で調べる必要はないので、一体どこでもやつていることなんです。数量が途中で減るんだから、砂糖の場合でもはかり込みがある。米の場合でもはかり込みがある。こういうことのために余裕を見て渡しているのです。そういうことが石炭においてもあつたかと私は初めから聞いておる。これは末端の問題ではない。大体根本的な方針の問題である。受渡しにおいてそういう余裕を見ておつたか、おらないか、こういうことなんです。
  46. 植木友次郎

    植木説明員 お答えいたします。石炭の取引にあたりまして、戰前におきましては押し石といたしまして、積出しにあたりまして大体三%程度よけい積んでおつたのでございますが、戰時中、戰後石炭が非常に足りないというようなことで、配給制度になりましたのです。そこで、むしろ当時は生産業者が直接消費者配給するということで、御質問のようによけいに積んでいたという傾向であつたのでございますが、それが日本石炭会社、あるいはそのあとにできました配炭公団というものに荷渡しをして、配炭公団山元で買い取つて消費者に選ぶという、消費者生産者の間に断ち切られた機構になつた結果、むしろ生産業者は、百トンのものは百トン、十五トンの貨車には十五トン積むというような傾向になりまして、ただいま申されたように押し石をするということは、戰後はあまり見受けられないという傾向になりました。それで物価庁販売価格にも、むしろ欠斤が出るという観点から採算されておるということになつております。
  47. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 それでは、公団内部の人にきわめて名目的の値段石炭を分配しておつた。それも一般国民配給を受ける以上のものを現実配給しておつた。この石炭はどこから出て来たのですか。
  48. 岡野賢司

    岡野説明員 私ども配炭公団から引続いて配炭公団清算事務所職員として毎日勤めておりますが、ときたまふろたき石炭をほしいなあと思うことかありますが、いまだに実際にそういう配給を受けたことはございません。
  49. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 不幸にして説明員はそういうことを受けておらぬと言うけれども、私は北海道ですが、われわれ戰前七トンから七トン半も石炭使つてつた人間が、一トンか一トン二、三分、それもここに廃棄炭がありますが、廃棄されるような、いわゆる燃えん炭を與えられておつた。この時代に、われわれの知つておるもののむすめか女学校を出て配炭公団に勤め、豊富なよい石炭が来ておる。私はそのとき学校関係しておりましたが、学校を卒業して配炭公団に勤めるその人のうちには、りつぱな石炭が多量に與えられておる。これは私のところに使つてつた女中にしても、自分の教えておつた学生のところでも、間違いなく見ているのです。だからあなたは不平にしてもらわなかつたかもしれぬけれども、そういう事実がなかつたということは言われないと思う。
  50. 植木友次郎

    植木説明員 不幸にして本部においてはそういうふうな報告も受けておりません。ただ物配給制度にある場合には、間々やみということもあるようでございまして、そういうふうな観点から、ある末端でそういうことがあるかもしれませんですが、嚴重にこの点は、配炭公団成立以来監理局という監察の機関を設けまして、そういうようなことがないように、ことに国家基礎資源である石炭配給にあたつては、私すべきものではないという観点から、嚴重取締つて参つたのでございまして、そういうことが本部においては絶対にないと、今岡野説明員が確信しておるわけでございますが、不幸にしてあつたとすれば、それは国民に対しておわびしなければならぬと思います。
  51. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 そういうことは報告がなかつたとおつしやるが、その通りだと思う。そんなことを報告するやつはあるものじやない。だから報告がないから、そういう事実はないということにはならないのです。そこで、ここらに出ておりますところのいろいろな数字は、いわゆる報告に基いてやつておるものであつて、その報告なんかの真実性がどのくらいあるかということが、ここにあらためて問題になつて来るのであります。そこで私は、ここに出ておるこの見込み数字というものは、将来において狂いが出て来ないかどうか。この点に対する見通しをはつきり承つておきたいのです。
  52. 岡野賢司

    岡野説明員 申すまでもなく五百二万トンの石炭、これは一口に申しましても、散在する地理的にも数量的にも、もちろんたいへんなものでありまして、しかもこれがいつからここの場所貯炭されたかというふうなことまでも、はつきりつかんで参りませんと、嚴密な石炭査定ということは技術的にもほとんど不可能でありまして、今回配炭公団解散に際しまして、これを清算人に引継ぎ、貯炭査定の場合にも、この五百二万トンを一々看貫するわけには参らないのであります。しかし、だからといつて、しかたかないというので天井をにらんで査定するということも、これもはなはだ乱暴な話でありますし、一つ方法といたしましては、一メーター立方の箱をつくりまして、これに現場で貯炭を詰めてみる。そうしてさらに、その貯炭が二年も三年も貯炭されております場合には、ただ箱に詰めても密度が違つて参りますので、それに合うような圧力を加えて踏みつけて、大体認定したものをはかりまして一つの基準をつくる。そうしてその山を立方計算したものをかけて計算するというふうな方法も示しまして、一部その通りつたところもありますが、いかんせん五百二万トンについて全部そういう方法ではできないのであります。しかしながら配炭公団解散令第九條に明記されております通り配炭公団はその財産の現況につきまして、会計検査院の検査を受けてから清算人に引継ぐという規定になつておりますので、このむずかしい貯炭の問題を配炭公団みずからの手だけで査定をしないで、会計検査院経済調査庁、通産省、地方財務部という御関係の方々のお立合いを願つて、集計いたしましたものが五百二万七千トン、こういうことに相なつておるのであります。
  53. 西村直己

    西村(直)委員 あるいは御説明があつたかもしれませんが、この損失か生じた理由です。ただいま説明員お話を聞いておりますと、あるいは清算事務に入つてから御関係になつたのかもしれませんが、先般以来考査委員会で、この問題は公団当局最高幹部による違反事実として調査されておるわけです。お話を聞きますと、比較的物事を簡單にお考えになつておるようです。苫米地委員からもお話がありましたが、そういうことがあつたかなかつたか知りません。しかし一つ事例としてはつきりしておりますことは、当時の公団幹部も了承しておりますが、どろぼう炭——石炭山元から、あなた方の手を通して末端配給になる場合に、海中に拾てられて行くこぼれ炭と称しておるものを、第二の石炭の協会をつくつて莫大な石炭を原価で買い上げておる。そのために相当損失が出ておるということも聞いたのでありますが、これらの点も御存じないのでありましようか。そこで第一点にお聞きしたいのは、百二十億の損失基礎であります。  第二点には、そういうやみ、あるいはやみでなくとも、かなり故意にそういう状況のもとに二重の買取りをしておるということから損失が起きておる。この点はどうであるか。われわれ議員といたしまして、百二十億の損失の出た理由というものがかなりはつきりしないと、法案の進行が困難じやないかと思われる。おそらくその一つ一つの例が、先ほど苫米地さんから御所論の出ておつた問題だろうと思うのであります。
  54. 岡野賢司

    岡野説明員 まず第一の点でございますが、百十九億の損失が出た理由はどうなのかということであります。お手元の資料にも若干出ておると思いますが、ごく概略おもなものをまとめて申し上げます。この大きな損失の出ます原因としましては、欠斤あるいは廃棄この中には先ほど来お話のものも含まれるかと思いますが、欠斤、廃棄というふうなものが一つ。それから、何分にも低品位炭が多いということと、すでに日本石炭時代から仕入れたものも、いまだに帳簿上に載つてないというようなことから、一つの貯蔵による品いたみと減損であります。これが第二の理由。第三番目の理由といたしましては、売掛金か回牧不能になるものか出て来るという、この三つが大きく考えられるのでありまして、最初の欠斤、廃棄による損失の見込みといたしましては、これは公団貯炭を、あるいはコークスの貯骸を、五百五十万トン近いものを一トンも残らず拂い出した場合に、どのくらいの欠斤が出るかということになつて来るのであります。先ほどもちよつと申し上げましたように、なかなか石炭査定は、品質的にも数量的にも相当技術的にむずかしいのでありまして、ほんとうの欠斤、廃棄というものは、財炭場を全部拂い出してみませんと、詳しい数字は出ないのであります。大体欠斤の生ずる理由といたしまして、ただいま御指摘のあつたようなどろぼう炭と申しますか、盗炭と申しますか、そういうものも若干あるかもしれませんが、詳しい数字はただいまわかつておりません。要は百十九億のうちにそういう損な出るというのは、今後それだけの欠斤が出るということにはなつておりますが、実は日本石炭地方石炭時代の品も相当部分ここに寄つて来ておると見ておるわけであります。ことに昨年の六月ごろからは、需給のアンバランスのために、特に下級炭において公団ではものすごく貯炭がふえて来る。貯炭場の能力も、ある地方においては極限に逹してしまつておる。しかしながら炭鉱の方からはどんどん送つて来る。山で輸送機関に乘つたものは配炭公団が買わなければなりませんので、山で買う。港に送る。港も糞詰まりになり、山も糞詰まりになるというので、どうしても東京なり大阪、名古屋という消費地へ送らなければならぬ。送られた方は売れませんので、どこかへ貯炭しなければならぬ。その貯炭場もまるでなくなつてしまつたというわけで、本来の貯炭場でない、あるいは貯炭場に適しない畑とか沼地——沼地は極端な場合でありますが、要するに空地を探すのに仕事の何部分かをとられてしまうというふうな時期もありまして、そういうことのために地めりも相当出ておるはずであります。こういうものも一つ理由になつております。それから廃棄炭の生ずる理由でありますが、これは風化してしまつて、燃料価値はありますが、商品価値としてはほとんどないというものであります。それともう一つは市場性の関係で、北海道の山奥ではまるで買手がないが、これを東京へ持つて来れば売れる。但し東京へ持つて来るには千円近い費用がかかる。東京へ持つて来ても、配炭公団あるいは政府の勘定からいえば、ちつともプラスにならぬというものもあるわけであります。炭質上風化してしまつて商品価値のなくなつたもの、あるいは市場性の関係から捨てた方が損の少いものが欠斤の内訳でありまして、この予想はなかなか困難でありますが、大体有煙炭につきましては、その炭質並びに市場性の関係から割合に少い。しかしながら一口に有煙炭と申しましても常盤炭、宇部炭のような風化度の早いもの、亜炭質に似たようなものは、普通の九州、北海道炭よりはよけい廃棄も欠斤も出るというふうに考えて、算定しておるわけであります。  その次の値下りでありますが、先ほどもちよつと申し上げました通り、九月十六日以降石炭の価値の統制がはずされております。配炭公団が九月十五日までに買い入れで来た炭質を見てみますと、最近におきましては、各生産業者がみずからの計算においてやつておるわけでありますが、配炭公団が生きておるときの買入れの総平均カロリーと、その後の各社が商売するようになつてからの総平均カロリーでは、その後の方が上つておるということを言われております。銘柄は同じ銘柄でも、公団が取扱つてつたときよりも現在のカロリーの方か上つておりますれば、どうしてもこれは格下げしなければ売れない面が出て来るわけであります。かりにそれが同じカロリーということでありましても、公団貯炭ということになりますと、一箇月か二箇月かあるいは半年か一箇年間貯炭されておつた古い炭と、山から掘立ての炭を汽車ですつと送るのと同じ値段では、どうしても新しい生産炭の方へ行くのが普通でありまして、そういう面からも、やはりある程度値段を下げなければ売れないというよりは、むしろそういうものに対しては、一般の市場ですでに値下りが起きておる。その値下りにさや寄せして公団の炭を処分しなければ、とても三月までにマーカット・メモのようなわけに行かないという点から起きるのが値下りの損であります。  その次の売掛金回收不能による損失につきましては、前回のこの委員会で御質問によりましてちよつと触れたのでございますが、御承知通り公団はただ單なる配給機関でありまして、指定生産資材割当規則によつて荷渡しのクーポンが発給されたならば、それに基いてまず荷渡しをしなければならぬ。その場合に民間の会社のように、荷渡しを受ける工場が金佛いがいいのか惡いのか、信用度が高いのか低いのか、そういうことを選択する余地がなくて、クーポンを手にしたならばそれに適合する炭を渡さなければならぬという配給機関であるところにこういう回牧不能の出る致命的な原因があるわけであります。その後、これは石炭のみに限らず、一般の資金難、事業不振、そういうようなものから大体計算いたしますと、十六億前後のものが回牧不能として残るのではないか。十六億ということは一口に申しますと非常に巨額でありますが、今まで配炭公団昭和二十二年六月以降九月十五日までに扱つて来た販売高の合計は約二千億ございますが、それに比べれば一%にも逹しない〇・八、しかも今まで回收不能として損に立てたものは一つもないのであります。なおこの回牧不能と思われるような内訳につきましては、前回の委員会におきまして、そのときの小山委員からの資料要求によりまして、先ほどお手元まで委員部の方からお配りがあつたと思います。予算の上では十六億という金額が示されておりますが、たとい十万円でも二十万円でも、この十六億を圧縮するのにつきましては、実は配炭公団清算事務所はほとんど主力を傾けて、内部の機構もそのように整備して、一生懸命やつておる次第であります。
  55. 西村直己

    西村(直)委員 御説明を承りますと、清算事務に御従事になつておられるからほとんど弁解のような形でありますが、そもそも配炭公団なるものは、私が御質問したいのは清算事務所の問題でなくて、配炭公団そのものの最高幹部は一体業者ですか。それとも役人でしたか。従来石炭配炭業務に相当練逹堪能の士がお集まりになつた団体ではありませんか。これをまず伺います。
  56. 岡野賢司

    岡野説明員 身分の上では公務員でございます。しかしながらその出身あるいは経験、これは元石炭の商売をやつておられた方もありますし、官庁からおいでになつた方もおります。自分で商売していた人、あるいは炭鉱、そういうところからおいでになつた方もあります。そういうふうないろいろな経験のある人の集まつたものであります。
  57. 西村直己

    西村(直)委員 私どもが調べましたところによりましても、配炭公団そのものは相当專門的な業界のエキスパートが集まつているはずであります。しかるに今説明員お話では、もちろんこれは清算事務所のお立場からの弁解であろうと思いますが、大体お話を聞いておりますと、この損失ができたのは日本配炭公団ができる前の配炭統制会社であつて、需給のバランスがとれなくなつたから値下りがした。それでもつて損失をした。あるいはいま一つ理由は、売掛けがたまつちやつた。とれなくなつた。金詰まりだからとれなくなつた。まるでこれでは私は子供でもできる仕事だと思う。どんな人でもお聞きになつたらおかしいと思うだろう。清算事務の跡始末だからたいへん御苦労があろうと思いますけれども配炭公団そのものは石炭業者の專門家が集まつて石炭の一手販売をやつて、買取りから売渡しまでやつて、そうして公務員としての身分を保障されて、一方には石炭が手に入らないで非常に苦しんでおる人がたくさん国民の中にはおる。そのしわの方を国民に寄せて来る。こういう形になりますから、この御説明清算事務にいらつしやる方としては一応やむを得ないかもしれないけれども配炭公団そのものの立場から経理しておる人たちに対する責任としては、この御説明は私は納得が行かない。先ほど申し上げましたいわゆる海中にこぼれたものが若干あつたろうとおつしやるが、その数量は若干ではないのであります。私は材料を持つておるからここに数字を出してもよろしい。すでにほかの委員会では調べてある。むしろあなた方清算事務所にいらつしやる方々もそれをもう少し勉強されまして、そうして委員の方方にこの実体はこうであつた。しかし国家としてやむを得ないからそれを整理するのだとおつしやるならいいのでありますが、知らぬ存ぜぬで、需給のバランスがとれなくなつて来て、しわが寄つて来たから値下りした。それで昔の穴を埋めるのであるから相談に乘つてください。これでは子供だましで説明になつておらぬ。もう少し誠意のある御説明をなさらぬと、おそらく皆さんもわかりにくいのではないか。たとえば先ほどのどろぼう炭の問題で、これは調べてみますれば、荷役するときに海中に炭がこぼれる。こぼれたものはだれが拾うかというと、もちろん人足に拾わせるけれども、人足の団体が石炭協会をつくつておる。その石炭協会の幹部配炭公団幹部とは同一人だというような事実が出ておる。はつきり言えば公務員が犯罪を犯しているということの実態に近いもの、これは犯罪とまでは言い切れませんけれども、それが若干ではなくて、小樽にもあれは横浜にもあるという実例が出て来ておる。やはり清算事務関係なさる方は、あれだけ新聞に大きく扱われている問題でありますから、その実態は一応お知りになつた方がいいのではないか。そういう事実がある。それから需給のアンバランスにしても、突然天から降つてわいたアンバランスではない。石炭の專門家が集まつていらつしやるならば、おそらくこれは十分わかつているはずだと思う。大体そのころになればアンバランスになるということもわかるのであります。そういうことも、ただ天から降つて来た需給のアンバランスであるから値下りになつた。だからその穴を埋めてください。それでは議員としても国民を納得させることができないのであります。何かそれに対する御答弁がございましようか。
  58. 岡野賢司

    岡野説明員 私こういう席上で御説明するようなことはあまりなれておりませんので、若干言葉も足りませんし、私の言葉が惡くて誤解をお受けになつたのではないかと思われる点だけ二つ御説明いたします。  まずたいへんしわが寄つて来たということを強調されたように思いますが、私は全部の損失について、しわが寄つて来たというふうには申し上げなかつたと思います。売掛金の回收のような場合、あるいは廃棄炭のような場合、こういうものについてしわが寄つて来た。全部についてしわが寄つているというふうには申し上げなかつたつもりでありますから、この点が一つ。  もう一つはいわゆるどろぼう炭が若干と申しましたのを強く言われましたけれども、小樽にある。東京にある。これはおそらく荷後炭協会のことではないかと思うのですが、私はそういうものをさして言つたのではなかつたのであります。それは別に御説明する人もおると思いますが、私の方はたとえば若松、小樽というようなところで野菜の袋を持つて御近所のおかみさんが石炭を拾いに来た。そういうことを表現したつもりであつたのですが、もし小樽、北海道、横浜というふうな荷後炭協会のことであつたとすれば、別な人から御説明つた方がよいのではないか。この点を二つだけお断りいたします。
  59. 西村直己

    西村(直)委員 私のもう一点お聞きしておきたいのは炭質低下でカロリーが、むしろ公団を整理してしまつて、すなわち現在協会が生きてから同じ銘柄のものでカロリーがよくなつた。こういうお話であつたのでありますが、その点につきまして清算事務に当られる人は、公団形式そのものははたしてりつぱな形式であつたかどうか。たとえば国家の費用で運営し、公務員の地位と名前を持つた專門家がいいかげんなルーズな仕事をやつた公団形式がよかつたかどうか。あなた方清算事務におられる方は、おそらくいろいろな角度から検討されたろうと思うのでありますが、これに対しましてかなり具体的な御観察を承つて、私はそれで質問を打切つておきます。
  60. 植木友次郎

    植木説明員 お答えいたします。先ほど配炭公団理事者は全部石炭の出身で相当経験のある者であつたのではないか。しかるに百十九億に逹する損失金を出すということは、どういうことであるかというおしかりを受けたのでございますが、まことに民間では練逹の士が理事に選ばれまして、配炭公団ができたのでございますが、配炭公団は大体官庁的権限を持つて、しかも民間的彈力性のある運用をするというアメリカのパブリック・コーポレーションの型をとつてつくられたのではございますが、いざつくつてみるといろいろ制約がございまして、結局最後には政府の一部であるア・パートオブ・ガバメントというようなことになりまして、非常にきゆうくつな運営になつてしまつたのであります。たとえば予算についても、国家の予算と同様に国会で承認を得なければ、その予算は使えないというようなことで、一々出張する場合も予算の範囲内で仕事をするというようなことで、なかなか彈力性を持つて商売をするということも困難なことであつたのでございます。そういうことでただいまの需給のアンバランスの問題につきましても、いろいろと公団といたしましては、関係方面にも折衝いたしまして、生産の制限あるいは買取上の制限というような原因もございましたが、いろいろな関係がございまして、民間の会社であれば当然なしたであろうと思われるような施策もとり入れなくて、今回御審議願うような損失が出たというわけでございまして、法律的に申しますと、配炭公団法第十六條で、生産された石炭は全部買い取らなければならない。これは低品位の石炭でございましても、配炭公団は生産されたものを山元で買い取るということでございまして、需給のアンバランスが出て来ますと、だんだん高品位の石炭に需要が向いて来るのは当然でありますが、その際もなお低品位の炭を買い取らなければならぬということで、五百二方七千トンの九月十五日現在の貯炭のうちで、大部分は低品位炭が残つたまま、清算に入らなければならないということになつたわけでございまして、以上申し上げたような事情損失を起したという性格的欠陷だと思います。
  61. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 今のお話を承りまして、別にあげ足をとるのではございませんけれども、こういうふうな事態になつたというのは、練逹の士が公団幹部になつてつたのだけれどもいろいろな制約を受けた。その制約なるものが、今のお話では、国会にいろいろ予算を出し、そのもとにおいてやるのであるから、出張していろいろ仕事をすべきときもそれができなかつた、こういうようなお話でありまして、ここで聞いておりますと、何だかそういう結果になつたことに対して、その責任を国会の方へお持ち込みのように聞えたのでありますが、御真意はそうなんでありますか。それともあなたのお話なさいましたのを全部お取消しなさいますか。
  62. 植木友次郎

    植木説明員 ちよつと失言いたしまして——何も国会の予算が惡いというわけではございませんで、予算に盛られている公団の予算か非常に少いものでございますから、そのために自由に出張などもできなかつたということと、普通の民間の会社でありますと、費目の流用なども自由にできるのでございますが、その点も官庁的制約を受けて、自由に理事者が運営できなかつたであろうということを申し上げたのでございまして、決して国会の予算がどうのこうのということを申し上げたのではございませんので、その点釈明いたします。
  63. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 なおおかしいじやないですか。練逹の士がおられたのでありますならば、この仕事を完全にせられるのに必要な予算の要求をなさることもできるでありましようし、これはわれわれのようなしろうとがやるのならば、十分な予算もとり得ない、こういう状態もあるかもしれませんが、練逹の士なる者がほんとうに経営の責任に当るのでありますから、これだけの事務費がいるのだ。その事務費を国会が認めなければ、これはたいへんなことになるぞということであれば、国会はその事情によりましてはもちろんそういう決議をしただろうと思いますが、今のお話を聞いていますと、開会が何だかその責任を全部ひつかぶらなければならぬような感じがするのでありますが、やはりお心の奥底にはそういうのがあるのでございましような。
  64. 植木友次郎

    植木説明員 どうも言葉が足りませんで——こういう説明が下手なものでございまして、いろいろ誤解もあると思うのでございますが、練逹の士が予算を請求するということにはなりますが、何分にも公団の予算というものは、政府といたしましても十分に——公団運営ということは初めての経験でございまして、前例がないのでいろいろ御苦心があつたろうと思いますが、予算の編成にあたつても、いわゆる均衡予算でいろいろ削られて参りましたので、十分に公団当事者がお願いしている予算をいただいていないのではないか。私当事者でないのではつきりいたしませんが、そういう関係で十分な運営ができなかつた、こう御了承願いたいと思います。
  65. 西村直己

    西村(直)委員 それでは公団形式そのものがはたしてよかつたのかどうかという点が、私としては納得できないのであります。問題は公団形式そのものが惡かつたのか。あるいは公団の経営に当つた人自体が惡かつたのか。どうも先ほどからの話を伺つておると、天から降つた災難を自分らが一生懸命整理してるんだというような説明でありますが、その災難は一体だれが責任を負うのか。公団形式そのものであるのか。あるいはその経営に当つたところの、先ほどから練逹だと言われた業界の先逹がいい加減なことをやつたことにあるのか。そこをはつきり答えていただきたい。
  66. 小山長規

    小山委員長代理 今の答弁は公団の清算委員ではむずかしいと思いますので、午後まで保留していただいたらいかかでしようか。
  67. 西村直己

    西村(直)委員 ではそういたしましよう。
  68. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 これは国民が非常に疑いを持つておるのではないかと思いますので。ぜひ国政調査をしていただいて、われわれも国民もほんとうに納得ができて、初めてこれを議決するということにしていただきたいと思います。いずれ理事会で御相談願いたいと思います。
  69. 小山長規

    小山委員長代理 その点は理事会で御相談いたすことにいたします。
  70. 竹村奈良一

    竹村委員 ちよつとお伺いいたしますが、石炭の補給金が廃止される一箇月、二箇月前に大量に会社に拂い下げられた数量と、その拂い下げられた会社がわかつておれば聞かしてもらいたい。
  71. 岡野賢司

    岡野説明員 お答えいたします。会社の名前は考査特別委員会でもお話があつたように聞いておりますが、三井化学株式会社三池染料工業所ですか、それともう一つは、やはり大牟田にあるそうですが、三池合成工業株式会社、この二つの工場に対して、今竹村委員からお話がありましたようなことがあつたのではないかというふうに聞いております。それからもう一つ別な方面で、物価庁の中に何かこういう値引金制度の審査といいますか、監査をする委員会があるそうでありますが、その席上でも物価庁としてこれを調査しておるというふうに聞いております。  しからば配炭公団の方の内部関係はどうか、内部の処理はどうかということでありますが、八月十五日までは化学肥料、コークス関係は適用されておつたのであります。     〔小山委員長代理退席。委員長着席〕  しかしもし三池合成、三池染料、この二つのものが、竹村委員の御質問に該当するものであつたといたしましても、配炭公団内部処理といたしましては、これは中央では実際に違法であるか違法でないかということをつかみ切れておりませんので、現地の支店——配炭局でありますが、配炭局で処理された通り値引金の交付申請をしております。但し、これは聞くところによりますと、解釈の問題が二つあるそうでありまして、クーポンに対して荷渡しされた石炭でないと値引きの適用は受けないのだ。その場合クーポンが八月十五日まで有効のクーポンに対する荷渡しならば、これは値引きを受けてよろしいという解釈と、そうでなく、現実に契約がどうなつていようが、クーポンがどうなつていようが、八月十五日までに手に入れた石炭でなければ値引きの適用をしないのだという二つの解釈があると聞いております。その解釈がきまるまでは、配炭当局といたしましては、そのまま値引きの適用を受けるものという処理で進んでいるわけでありまして、実際にはその福引きの適用を受けた金はもらつておりません。ただいまのところ、さようなことになつております。
  72. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、この損失金の計上の中には、これは当然値引きするものであるという考え方でここに上つているのですか。
  73. 岡野賢司

    岡野説明員 公団の損益から申しますと、特定産業向け値引き補給金というものは、損益には関係のない勘定でございまして、かりに配炭公団が一億値引きして販売するといたしますれば、その一億は政府の補給を受けている、こういうかつこうでありまして、解散後の損失につきましては直接の関係はございません。
  74. 竹村奈良一

    竹村委員 実はただいま当局からいろいろ聞いておつたのでありますが、どうも、そうだろうとか、そういうことがあつた考えるとかというような答弁が非常に多いので、実はわからないのです。またそれ以上言いましたところがむりだと思いますから、責任を持つて答弁できる人をお呼び願いたいと思います。
  75. 川野芳滿

    川野委員長 承知しました。午後に呼ぶことにいたします。
  76. 河田賢治

    ○河田委員 実はこれは配炭公団損失の問題ではないのですが、昨日小澤大臣から、米国対日援助見返資金の特別会計法の修正の問題について、総司令部から政府に対しては何らのサゼスチョンもないが、しかしそれは国会に来ているというようなうわさを聞いているということがありました。元来、こういうサゼスチョンが来ましても、政府に来ないで国会に来るというようなことは、あまり私たちは開いたことがないのでありますが、この辺の事情がどういうふうになつているか。この点政府委員の方ではつきりおわかりの方がありましたら、一応明らかにしてもらいたいと思います。
  77. 川野芳滿

    川野委員長 河田君の御質問に対しましては、適当な機会に御答弁させることにいたします。  それでは、午前はこの程度にいたしまして、午後一時半から再開すること「にいたします。     午後零時十七分休憩      ————◇—————     午後二時二分開議
  78. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題として、午前に引続き質疑を継続いたします。竹村君に申し上げますが、飼料配給公団経理局長食料品配給公団経理局長等がお見えでございますから、御質疑を願います。
  79. 竹村奈良一

    竹村委員 飼料配給公団のことにつきまして、昨日だつたと思いますが、日本経済新聞に、配給代金を回收して、それを銀行に預けて浮貸しをしたということから検挙になつたということが報ぜられておるのですが、この事実についてひとつ詳細にお知らせ願いたい。
  80. 大澤助次

    ○大澤説明員 今回のことにつきましては、まことに申訳ない事態を引起しまして、はなはだ相済みません次第でございます。これはその当時の課長が、昨年の九月までは御承知通り復金から金を借りておりまして、それを公団に吸い上げまして操作しておつたのでありますが、その間におきまして本部へ送金した形にいたしまして、本人が他に流しておつたのであります。そのことがわかりまして、さつそく本人の処分もいたしましたし、またこれが損金の回收をはかりまして、最近では二百万円ちよつとぐらいに減つておるのでありまするが、なおあらゆる手段で国家損失幾らかでも少くいたしたいと思いまして、弁護士その他に頼みまして、現在強制措置をとりつつあります。この問におきまして、相当期間気のつかなかつた点は重々申訳ないと存じております。その他の事柄につきましても、十分注意いたしたいと思つております。
  81. 竹村奈良一

    竹村委員 十分注意はけつこうでございますが、大体そういう点において損失された金は、現在までに大体幾らありますか。
  82. 大澤助次

    ○大澤説明員 現在で三百五十万ぐらいございます。しかしなおこれは公正証書をつくりまして執行することも、全部手続きをやつておりますから、これか相当減額するものと存じております。
  83. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、先ほどもらいました資料の中に、その三百万円という損失金は見込まれておるのですか、どうですか。
  84. 大澤助次

    ○大澤説明員 資料の中には、それはまだ見込んでございません。
  85. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、その損失はつきりして参りますると、一般会計からまた繰入れて、その損失を補填しなければならないというふうに考えておられますか。
  86. 大澤助次

    ○大澤説明員 私の方は剩余金が出る計算になつておりまするから、損失は出ないつもりでおります。
  87. 竹村奈良一

    竹村委員 あなたの方限りではそうなんですが、全体の損失剩余金で負担するということになつておるのだから、結局剩余金は減ることになつておりますか。
  88. 大澤助次

    ○大澤説明員 今おつしやいました通り、計上してあります剩余金よりは減るのでありますが、公団といたしましては黒字になるつもりでおります。
  89. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一点だけお伺いしたいのでありますが、現在まではこれだけで、これ以外にそういうようなことで剩余金が減るということが全然ないと考えられますか。あるいはまた調査が進むと、そういうことが出て来るかもしれぬというふうにお考えになりますか。その点ひとつお聞きしたい。
  90. 大澤助次

    ○大澤説明員 十分注意いたしておりますから万ないとは思つておりまするが、かりに出ましても、必ず剩余金の範囲内におきまして、赤字を出したりなどいたしまして御迷惑をかけることは万ないと存じております。
  91. 川野芳滿

    川野委員長 ただいま議題となりました案に対する質疑は、あとまわしにいたします。     —————————————
  92. 川野芳滿

    川野委員長 次に去る二十五日本委員会に付託に相なりました昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案を議題として、提案理由説明を求めます。本多国務大臣。
  93. 本多市郎

    ○本多国務大臣 ただいま提案になりました昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要なる事項について御説明申し上げます。  地方自治の拡充強化は、新憲法の基本方針一つでありますが、これが実現を期するためには、その裏づけとなるべき地方財政を充実安定させることが、ぜひとも必要であることは申すまでもないところであります。しかるに近年頻繁に発生する台風、地震等は戰時中の国土の荒廃と相まつて甚大なる被害をもたらし、ために地方公共団体の財政は、深刻な危機に瀕しているのであります。すなわち予知せざる災害の発生によりまして、関係地方公共団体は、税收その他の歳入に激減を来す反面、住民の生命及び財産の保護のため必要な救助事業等に要する経費の支出を余儀なくせられ、なかんずく公共施設の復旧事業につきましては、累年巨額の経費負担を課せられているのであります。従いまして罹災地方公共団体はこれらの経費捻出のため、高率課税、起債あるいは経常費の縮減等を余儀なくされ、ことに最近におきましては、地方公共団体が負担する災害復旧費の大半が起債に求められる結果、その償還費か長年月にわたる過重な住民負担となり、地方財政の健全化に暗い影を投げているのであります。  先般来朝したシャウプ使節団もこの点を指摘し、災害復旧費は、軽微なものを除き、全額国庫において負担すべきことを勧告しているのであります。  政府におきましても従来高率補助金の交付、または災害債の利子補給等の方法により、災害復旧費に関する地方財政負担の軽減にできるだけ努力をいたして参りましたが、逐年急激な増加を示しつつある災害復旧費の地方財政に及ぼす深刻な影響にかんがみ、かつはシャウプ勧告の趣旨をも尊重いたしまして、従前の災害復旧事業費に対する一部国庫負担の制度にかえ、新たに公共的土木施設の災害復旧事業費については、全額国庫負担の建前をとることにより、罹災地方公共団体の財政負担の軽減をはかるとともに、災害復旧事業の円滑なる施行を期することとした次第であります。このために政府は、昭和二十五年度の予算編成に際し、公共事業費中に四百七十億円に上る災害復旧費を計上するとともに、この制度を実施するために必要な基準を法律で定めることといたしたのであります。  以上が本法律案を提案いたしました理由でありますが、次に法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  まず第一は、地方公共団体が維持管理する河川、海岸、堤防、砂防設備、道路及び港湾の公共的土木施設に関する災害復旧事業であつて地方公共団体が施行するものに要する災害復旧費は、昭和二十五年度においては、国庫が全額これを負担することができるものといたしたのであります。従来土木施設の災害復旧費につきましては、「都道府県災害土木費国庫負担ニ関スル法律」の規定により、三分の二の岡庫負担が行われていたのでありますが、本法律案地方公共団体の施設に関する限り、他の法令の規定にかかわらず、これを国庫の全額負担とすることができるものとしたわけであります。  第二は、従来国がみずから災害復旧事業を行う場合には、受益者負担という意味で地方公共団体から分担金を徴收していたのでありますが、これに関しましても、さきに申述べました公共的土木施設につき、明年度においてその分担金の一部または全部を免除することができることとしたのであります。  第三といたしましては、本法律案の適用を受ける災害及び災害復旧事業の意義を明確に定めたのであります。すなわち災害につきましては、これを暴風、洪水、高潮、地震その他異常な天然現象によつて生ずるものに限定して、天然の不可抗力による災害としからざるものとを画然と区分することにより、本制度の的確な運営を期することとしたのであります。  次に災害復旧事業とは、災害によつて必要を生じた事業で、一箇所の工事費が十五万円以上のものであつて、災害にかかつた施設を原形に復旧することを目的とするものと定めたのであります。しかしながら災害にかかつた施設を原形に復旧することがきわめて困難であつたり、またその被害の状況や施設の効率上不適当である場合が考えられますので、このような場合には、旧施設にかわるべき必要な施設をすることを目的とする事業でも、その工事費が十五万円以上であれば災害復旧事業とみなして、本法律案の対象としたのであります。但しこの場合に無制限に全額国庫負担制度を認めますと、災害復旧に便乘いたしまして不必要な拡張、改良事業が行われることも考えられますので、国庫でその全額を負担する事業費は、当該施設を原形に復旧するものとした場合に要する金額のみに限定した次第であります。なお前に述べました一箇所の範囲につきまして、被害箇所が短距離で連続している場合、及び被害施設の効用上復旧事業を分離して施行できない場合は、被害箇所が二箇所以上ありましても、一括してこれらを一箇所とみなして、工事費を算定するということにいたしました。  次にひとしく災害復旧事業であつても、経済的効果のきわめて低いもの、施設の管理者や建設施行者の不注意、怠慢により被害をこうむつたと認められるもの、きわめて小規模な施設に関するもの等は、全額国庫負担制度の対象から除外いたしたのでありますが、これは貴重な国費を有効かつ適切に使用するという意味からして、当然の規定考える次第であります。なお本法律案昭和二十五年度限りの特例法といたしましたのは、地方財政の転換期ともいうべき昭和二十五年度においてとりあえずこの制度を実施し、昭和二十六年度以降については、本制度の実施状況と地方財政の情勢とをにらみ合せまして、合理的かつ恒久的な制度を樹立したいという考え方に基くものであります。さらに本法律案の実施細目は、政令にゆだねることとしてありますが、画期的な本制度の実施に備え、着々その準備を整えている次第であります。  以上本法律案理由及びその内容につきまして説明いたしましたが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに議決あらんことを切望いたします。     —————————————
  94. 川野芳滿

    川野委員長 次に旧軍港転換法案を議題として、提出者より提案理由説明を求めます。佐々木鹿藏君。
  95. 佐々木鹿藏

    ○佐々木参議院議員 ただいま議題となりました旧軍港転換法案についてその提案理由を御説明申し上げます。  横須賀市、呉市、佐世保市及び舞鶴市の四都市は、御承知通り軍港が置かれ、巨額の国費を費し、また長年月にわたる設営努力により、日本海軍の四大根拠地として終戰時まで発展して参つたのであります。すなわち一小漁村であつた横須賀市は、明治十七年東海鎮守府が置かれて以来、逐年軍港規模が拡張せられ、市人口三十八万に上る大都市となり、全市すなわち軍港というように一体として発展し、ために一般産業の興る余地なきままに、市の財政も多額の国庫助成に負うような状態であつたのであります。呉市はもと呉浦を囲んだ半農半漁の村落にすぎなかつたのでありますが、明治二十三年に第二海軍区鎭守府が開設をみて以来、海軍の諸施設の整備拡充が行われ、戰争中は四十二万の人口を擁する大都市に膨脹したのであります。また佐世保市について申し上げますと、これまた明治二十三年当時人口四千にすぎなかつた一寒村が、軍港都市として発足して以来、同様の急激な発展を遂げ、また舞鶴市についても事情はほぼ同様であります。しかるに今次の大戰が、わが国をほとんど壊滅の状態に陷れて終末を告げるに至りました結果、これらの四都市は一瞬にしてその存在の意義、立市の根底を失つたと申しても過言ではないのでありまして、その受けた打撃は精神的にもまた経済的にも、他の戰災都市に比較すべくもなく、甚大であつたのであります。すなわち、たとえば呉市のごときは、四十二万に上つた人口が終戰直後十三万に激減し、約四箇年を経過した今日においてもようやく十九万人に過ぎず、他の三市についても事情はほほ同様であります。また四市いずれも一挙にして工蔽等の職場を失いましたため、新たに依存すべき産業が皆無に近く、おびただしい失業者群を擁して、市民生活はまことに暗澹たるものがあるのであります。市民の中には工員として父祖数代にわたり優秀な技術と経験を持つ者が多数あるのでありまして、それらは何ら活用せられることなく、農耕とか日傭仕事にその日を送つています。これは市民として苦痛にたえぬところであるのみならず、国としても大きな損失と思うのであります。四市のうち特に横須賀市にありましては、基地司令官の積極的なる指導と理解ある措置により、特定の区域における旧軍用施設の転換は、すでに実施を見てはおりますが、そこに立地せる転換事業体は、なお現行国有財産法に基く国有財産処理方法をもつてしては、その事業は経済的に成立せず、気息えんえんたるものがあるのでありまして、いわんや他の三都市においてははかり知るべきものがあると思われるのであります。また巨大な海軍の軍需品製造設備や港湾施設は、市当局その他関係方面の努力により、若干工場の誘致を見たものもありますが、その大半は平和産業のため活用せられることなく、遂休のまま放置せられ、特に造般施設は旧軍湾であるのゆえをもつて、その作業は極度に制限を受け、その転活用をはばんでいるのが現状であります。また右に申し述べました実情からする当然の結果として、四市経営の立ち直りに充つべき課税等の收入もきわめて僅少でありまして、いずれも極度の財政難にあえいでいるのであります。一方においてわが国は新憲法において戰争を永久に放棄し、平和国家として新しく発足したのでありますから、四市往時の軍港市としての繁栄を再びとりもどすというがごときは望み得ないことは当然であります。のみならず今日四市の市民の間には、憲法の精神に沿つて立市以来の軍港色を市の性格から根本的に拂拭し、平和産業港湾都市として新たに出発したいとの、申さば国の内外に対して都市として嚴粛な平和宣言をしたいとの願望が、力強くみなぎつているのであります。さきに広島平和記念都市及び長崎国際文化都市の両特別法によつて、わが国の平和と文化に対する念願が世界の共鳴を呼んでいることは、各位御承知通りでありますが、日本が旧四大海軍根拠地を平和都市に転換するということを世界に宣言するということは、平和運動として意義が深いものがあると思うのであります。申すまでもなく、四市の市民は今日市民生活の建直し、市の建設にみずから立ち、みずから助くるの悲壯な決意をもつて、努力しているのでありますが、よるべき産業がないために、父租数代にわたる工員としての優秀な技術と経験を持ちながら、これを活用できず失業状態にあるのであります。これは市民として苦痛にたえないところであるのみならず、国家的にも大きな損失であります。  右に申し述べたような特殊の事情がありますので、その自力にのみゆだねることなく、国家としてこの際でき得る限りの有形無形の援助の手を差延べることが、きわめて必要であると痛感されるのであります。本法案は以上申し述べました趣旨に基きまして、旧軍港市である四市に平和都市として新しい性格を與え、遊休状態にある旧海軍の諸施設を活用して、産業の振興、港湾の発展に充て、もつて平和日本の理想逹成に資することを明らかにしますとともに、その建設に対する国の援助を骨子として規定しようとするものでありまして、その大要を申しますと、この法律は全文八箇條から成り、第一條には右に申し述べました通りのこの法律の目的をあげ、第二條においてその目的を逹成するための計画と、事業及びそれと特に重要密接な関係にある郡市計画法、または特別都市計画法との関係を定めたのであります。第三條におきましては、重要な意義を持つところの転換事業の促進と完成とに対して、国及び地方公共団体の関係機関が、できる限りの援助をすべき旨の特別規定を設け、第四條及び第五條において、国有財産特に旧軍用財産の処分についての特別の措置を定めたのであります。すなわち旧軍用の土地施設その他の財産を拂い下げる場合には、通常は旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律により、特価の二割以内の減額をした価格で譲渡されるものでありますが、特に本法においてはその割引率を五割以内まで引下げることができ、また代金支拂いの延納期間も三年となつているものを、最長十年にまで延納の特約をすることかできることといたし、さらに旧軍用財産一般につき、国が旧軍港市転換計画の実施に寄與するよう、有効適切に処理する義務のあることを示し、従つて必ずしも時価拂下げ方針に拘泥せず、必要に応じ一時使用許可方針を併用する趣旨を含ましめ、また普通財産の讓與につき、国有財産法の特例を開いております。このように国有財産、旧軍用財産の処理讓與に関しまして特例が設けられておりますので、第六條におきましては、これらの処分の適正妥当を期するため、大蔵省に旧軍港市国有財産処理審議会を設け、その委員の構成については大蔵事務次官、建設事務官、関係府県知事、旧軍港市の市長、関係各省官吏のほかに有力な民間の学識経験者をも加えて、最も実情に適合し権威ある決定をなさしめんとするものであります。さらに第七條におきましては、本法による転換事業の実施の進捗状況を、事業の執行者は六箇月ごとに建設、大蔵の両大臣に報告し、内閣総理大臣はこれを国会に報告いたすこととし、第八條は四市の市長及びその住民は、おのおのその市の平和産業港湾都市建設にあたつて、不断に活動と協力をしなければならぬ旨の規定を置いております。なおこの法律は憲法第九十五條に、いわゆる一の地方公共団体のみに適用される特例法に当りますので、則第二項に本法案の国会議決後、各市において住民投票に付さなければならない旨を明らかにいたしております。  以上が本法案の大要でございます。何とぞ各位におかれましてはその必要性をお認めくだされ、御賛成賜わらんことを切望いたします。     —————————————
  96. 川野芳滿

    川野委員長 それでは次に配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。
  97. 竹村奈良一

    竹村委員 ここに出されました資料のうち、食料品配給公団の損益計算書において、二十五年度の損失一億一千六百五十万七千円というのを、前期剩余金から引いて残り幾らということになつておるのですが、大体こういう経理内容に大差ないものであるか。あるいはまた何か事故等が起つてかわるものであるかどうか。
  98. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 二十五年度の経理につきましては、食料品配給公団としては清算の予算を計上いたしたのでありますが、ただいまお話のありました一億一千六百万円という問題については、ちよつと数字が心当りにないのでございます。現在の損益計算予想によりますと、二十五年四月一日から九月三十日までの間において、清算を完了することになつておりますが、その間の損失金は総計約三億一千八百万円ということになつておるのでございます。これに対して二十四年度剩余金が約三億三千八百万円予想されております。従つてその両者の差引一千九百万円ほど、最後に剩余金を生ずるという計算になつております。
  99. 竹村奈良一

    竹村委員 今お聞きいたしますと、大体本年度の損失は三億一千八百万円、そうなりますと、ここに大蔵省から出された資料と大分違うわけですが、どうですか。
  100. 大濱用正

    ○大濱説明員 昨日資料を提出いたしましたが、二十四年度の三月三十一日現在でどのくらい剩余金か出るかという計算をしまして、二十四年度の食料品配給公団損益計算書というのがございます。これで見ますと、一億二千百万円の剩余金が出るということになつております。お手元のプリントをごらんになればすぐわかりますけれども一億二千百万円の剩余金が出まして、二十五年の四月から九月までに清算を完了する予定でございますが、この九月までの間に、一体どのくらいの事業運営費とか、あるいは事業費とかその他諸経費が必要になるか。これが一億一千六百五十万七千円いる。この一億一千六百五十万七千円に対して、二十四年度に剩余金が生じました一億二千百万円というものを繰入れまして、これによつて清算を完了する。その清算の結果当期の剩余金四百四十九万三千円という数字は、これは国庫に入るものである。こういう数字になつております。
  101. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、大体今説明されたところで、結局二十五年度の清算に要する費用は三億一千八百万円ということになるわけですね。
  102. 大濱用正

    ○大濱説明員 さようでございます。
  103. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、これが今後変更されたり、あるいはいろいろな不正等が行われるというような見込みはありませんか、どうですか。
  104. 大濱用正

    ○大濱説明員 お答えいたします。食料品配給公団が今一番もてあましておりますカン詰の問題でございますが、カン詰は先日もお話いたしましたように、相当古いのがございまして、これは相当損失を予想しております。ところが逆に乳製品がございますが、乳製品の方で十分まかなつて、おそらくこれ以上剩余金が出るのではないかという考えを持つておりますが、相当厖大な機構でございますから、いろいろうわさされておりますスキャンダルなんかが出まして、これ以上惡いのではないかという懸念がございますけれども、ただいまのところ食料品配給公団といたしましては、これ以上の剩余金が出るのではないかというふうに期待しております。     〔委員長退席小山委員長代理着席
  105. 竹村奈良一

    竹村委員 ごたごた言うと長くなりますから簡單にやります。配炭公団の方へもう一ぺん聞きたいのですが、さつき説明されました中で、大体補給金を廃止される前に、たとえば日新化学とかあるいは三井化学とか三池合成とかいうところに向けて、八月十五日以前にその間近に石炭を渡されたと言いましたが、その数量は全体で幾らくらいになつて、これが補給金が廃止されてから向うに引渡したものとの価段の差額は、一体どのくらいあるかお聞かせ願いたい。
  106. 岡野賢司

    岡野説明員 詳しい数字はただいま持つておりませんが、たしか約一万二千トンくらいと記憶しております。それは二つの工場についてです。今御質問のございました日新化学ということは私は存じておりません。そうして補給金の額でありますが、これはこの制度そのものが相当複雑な制度でありまして、計算するにつきましては、その工場の使用割合という方法をとつております。これはその石炭が、納めた石炭のうちの何パーセントが特定物資の製造に使われるかという、そのパーセンテージを資源庁で定めまして、そのきまつたパーセンテージによつて値引ぎ補給金の適用を受けておりますので、一万二千トン全部が値引き補給金の対象になるという数字ではないのであります。そのパーセンテージが、三池染料所ですか、これについては何パーセント、三池合所については何パーセントということはただいま記憶いたしておりませんが、大体の数字は、普通トン当り値引き補給金が二千六、七百円と思いますので、かりに一万二千トンの八〇%の適用を受けるものとしますと二千六、七百万円ということになると思います。もし絶対に間違いない数字ということになりますと、後刻日を改めまして、調べた上で御回答申し上げたいと思つております。
  107. 竹村奈良一

    竹村委員 今度は政府の方に聞きたいのですが、先ほどいろいろ各公団から聞いておりますと、もちろん提案理由のところにも書いてありますが、大体これは予想される金額の一般会計からの繰入れである、こういうように考えなければならぬと思いますが、そのように解釈していいのですか。
  108. 大濱用正

    ○大濱説明員 配炭公団に対する四十三億五千七百万円の数字につきましては、現在のところ四十三億五千七百万円の範囲内において済ませる、こういう心づもりでございます。
  109. 竹村奈良一

    竹村委員 そうすると、ほかの公団の益金をも繰入れられるということになつておりますので、たとえば先ほど聞きましたところの飼料配給公団の三百五十方円というものが、一応剩余金からはずされるということになりますと、それだけ繰入金がふえて来るということはないですか。
  110. 大濱用正

    ○大濱説明員 飼料配給公団に対する分につきましては、今のところ相当損失も予想されますけれども、できるだけチャージその他一般事業経営費とかあるいは事務、人件費を節約いたしまして、この範囲で必ず清算を完了いたしたい、かように存じております。
  111. 竹村奈良一

    竹村委員 もちろん非常に努力されるということについては問題はないのでありますけれども、しかし問題は、結局損失が百十九億、あるいは今度繰入れするのが、不足するのが四十三億幾ら——四十三億と簡單に言いますけれども、やはり相当な金です。そういう点を簡單に、大体それくらいのつもりであるというような不確実なことで繰入れされて、また今度はこういうように努力したけれども赤字が出た、また一般会計からというように、小刻みにまた今度の臨時国会でもやられる。あるいはその額については、その前は四十億たつたが次は二十億だつた。体裁はいいけれども、拂う国民にとつては非常に迷惑です。この点について政府は一体責任を感じておられるのか。今までの制度が惡かつたのだから、おれたちには責任はないのだ。前の内閣がやつたのだから、今度は一般会計から繰入れてやればいいのだというようにお考えになつておられるのか。その点をはつきりお聞かせ願いたい。
  112. 大濱用正

    ○大濱説明員 飼料と食料品配給公団は、当該公団が二十四年度に生じました剩余金をもつて、四月以降九月までの清算に要する経費に充当する。配炭公団については四十三億五千七百万円を一般会計から繰入れまして、これによつて配炭公団の債務を完済し、清算を完了したい、こういうふうに考えておりますが、配炭公団におきましては、これは今ちようど約二百万トンくらいございますので、これの処分の結果いかんによつては、四十三億ぎりぎりのところへ行くか、それとも半分くらいに行くかということは、今後の清算を終了してみなければわかりません。大体現物を清算しました結果損益状態がはつきりして参りますし、どのくらい不足したという数字はつきりしませんと、損失補償金として一般会計から出さないことになつておりますから、今後の清算をまつてでないと、はつきりした数字は申し上げられませんが、できるだけ四十三億五千七百万円の範囲以下で処理したいと考えております。
  113. 竹村奈良一

    竹村委員 範囲ということになると非常に便利な意味の言葉ですが、たとえば最近いわゆる炭坑ストなんかで、はつきり申し上げますと石炭の値は上つている。そうすると今従来の公団経理を通じて見ますと、薪炭特別会計といい、非常に国民としてはどうも納得の行かないような経理状態が行われているように見えるわけであります。従つてあなたのおつしやるように、この範囲内でやれる。もちろん十分やれるような予算はお組みになつていると思いますけれども、しかしその十分やれる予算を組んでいるこのことにまた問題かある。従つて石炭なんかは実際において今上つている。それたけ今度はいらぬから、繰入れたものを返すのだというふうにおつしやればそれでよいのだけれども、十分とつておいて、とつたものは大がい使つてしまわれるというのが、大体今日の政府のやり方なので、不安でならないのでありますが、そういう手持石炭の値上り等はどういうふうに考えておられるか、ひとつお聞きしたい。
  114. 岡野賢司

    岡野説明員 最近炭坑ストその他で石炭値段が若干上つてるというふうなことで、今まで予想していたときよりも高く売れたらそれだけ返す、そんなんでは困る、こういうような御質問でありますが、ただいまのところ公団のまだ売れ残つておりますような惡い石炭について、特に市価が上つているという話は、われわれつかんでおらないのであります。従いまして午前中にもちよつと触れました通り、てんで惡い品物が残つているので、そういう惡い品物で最近値段が上つているというふうなことから、そのために今後の処分で予定よりも益が出るというふうは考えておらないのであります。
  115. 竹村奈良一

    竹村委員 私数学の方は大体聞いたので、よいのですが、やはり現在四十三億何ぼというのをこういうような状態で繰入れるということについては、政府のほんとうに政治的な責任問題があると思いますので、政治的な面からひとつお伺いしたいから、担当の主管大臣をお呼び願いたいと思います。
  116. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私はほんの十分ほど根本のことを……。先ほど西村委員からもお尋ねのあつたことですけれどもちよつとお尋ねいたしたいと思います。配炭公団につきましての損失のあることは、先ほど来たびたび皆さんの御質問によつて明らかになつております。先ほどお聞きになつたかもしれませんが、相当数量の金額が未收になつているということを考えているのです。どうしてそういうふうに未收になるかという点を、もう一ぺんはつきりされたいと思うのであります。回收不能分としてたしか二十億というものがこの中にあると考えておりますが、その他にも相当未收があるのです。どうしてそういう未牧があるか。この根本の原因について承りたい。これはやはり国民の血税をもつて、こういうものを補わなければならぬということになるのでありますから、もう少しく配炭公団は親切にやつて国民に迷惑をかけない、こういう線を強く出すことこそ為政者の務めであろう、かように考えておりますが、その根本理由について承りたい。
  117. 岡野賢司

    岡野説明員 私配炭公団職員なものですから、根本理由とかいうことですとちよつと詳しくはわからないので、出て来た数字の予算上の説明ということでございましたら申し上げたいと思いますが、よろしゆうございますか。——午前中にもほかの委員の方から御質問がありまして、その中の一項目として、この売掛金回收不能のことにつき触れたのでありますが、御承知のように公団がずつと存在中、配炭公団の使命としてはまず第一に配給機関、適正な石炭をクーポンに従つて配給するというところにウエイトがあつたのでありまして、クーポンが発券されたならば相手が信用があるかないか。金の拂いがいいか惡いかということを選択する余地が配炭公団にはなかつた。これが配炭公団から見れば一番致命的なことであつたと私は考えるのであります。そのほかに石炭に限らず、その後の一般の事業不振とか資金難、こういうものが影響しておりますが、今まで昭和二十二年六月配炭公団ができましてから、昨年の九月十五日に解散を命ぜられるまでの期間中に、約二千億円の販売高を示しておりますが、九月十五日までに回牧不能ということで損失に計上したものは一銭もないのであります。それは売掛金の残としても、今までずつと持つてつたのでありますが、その二千億に対して約十六億円が出るのではないかという予算になつております。最近の——最近と申しましても一月ですが、配炭公団で調べてみましたところが、けさほどお手元に委員部の方から出ておりますように、非常に回收困難なものが大体二十四億二千万円くらい調べ上つたのであります。これは回收困難なものということで、一生懸命回收の最中でありますので、案外会社別に見た場合にはそれがとれなくなるのではないかど思われるものでも若干入つて来るかもしれませんし、幾らか入つて来そうなところも案外入つて来ないというふうなことも想定されまして、いずれにしてもあきらめて回收を投げているのではありませんでして、これについてはあらゆる方法をとつて強行しておりますので、予算との関係もあつて、せめてもう七億円でも八億円でも回收に努力して、十六億の予算までは圧縮したい、あるいはそれ以上にも回收の残を少くしたい、かように考えている次第であります。
  118. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の御説明によりますと、もちろんこれは片山内閣、芦田内閣の国管問題当時からのことであり、これを跡始末するのがわが党内閣でありますが、その根本理由は、今承りましたように、これは官僚の統制が手伝いまして、できるだけ安易な経営方針で過したい、こういうのも手伝つて、この結果に来たのではないかということを痛感するわけであります。その内面におきましても、技術面においても、それらの運用方法について、相当な人が入つてつたことと考えておりますが、その入つてつた人の責任がいずれにあるかということを、本日西村委員もお尋ねになつたと思いますが、一体どこに責任があつたかないかということはわかりませんか。だれもかれもなしに自然にこうなつて来たのだということは、これは前内閣、前々内閣のことになるかもしれませんが、はなはだ怠慢であると考えますが……
  119. 小山長規

    小山委員長代理 三宅君に御相談しますが、この問題はむりではないかと思いますので、後刻適当な方が見えたときにされてはいかがでしようか。
  120. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 今の御答弁を伺つていると、配給であるから、配給切符が出された以上はそこへやらなければならない、こういうようなお話であつたのですが、配給はすべて現金が原則であつて、一般市民は金を拂わなければ一かけらの石炭ももらえない。これは米においても同じです。ところが配給の切符が切られたら、金が回收できるかできないかも考えないで、石炭を渡さなければならなかつたという事実があるのですか、もしあつたとするならば、そういう特権を持つてつたのはだれであつたか、これをはつきりしておいていただきたい。
  121. 中島征帆

    ○中島政府委員 配炭公団は割当証明書の提示をいたしまして、石炭購入の申出があつた場合には、正当の事由なくしてこれを拒むことを得ないという義務があるのであります。正当な事由というのはどの程度であるかということにつきましては、たとえばただいま御例示の売掛金がたまつておるというふうなものが、正当な事由であるかないかということにつきましてはいろいろ疑問がありまして、これは一つの正当な事由であるというふうにはつきりいたしましたのが、去年の六月ごろであります。それまではそれほど売掛のたまつた例も多くはありませんし、また石炭ごとき動力資源として最も不可欠なものを配給停止するというようなことは、その事業自体をとどめることになりまして、従つて代金の回收自体をも不可能ならしめるという点からいたしまして、割当証明書の提示があつた場合には、そういう事例におきましては、当然これは債権は債権としておいて配炭すべきものだ、こういうふうに配炭公団考え、われわれもそういうふうに考えて実施しておつたわけです。
  122. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 これはまことにふかしぎな答弁です。それでは会社一般国民とに差別待遇をつけたのですか。そういうことが許されているのですか。一般国民には前金を拂わなければ一かけもくれない。しかるに会社へは、正当の事由がなければやらなければならない。国民つても、配炭の切符をもらつているのは相当の事由がある。あるのだけれども金がなければもらえない。しかるに特権を持つておる一部があるということはふかしぎだ。それはどこにどういう根拠があるのですか。そういうことをやるからこううことになる。
  123. 中島征帆

    ○中島政府委員 公団の代金回牧という意味におきまして、特定の工場に配炭を停止するということをいたしますと、工場自体の操業が停止いたしまして代金は回牧できない。こういうふうな点も考えなければならぬと思うのであります。そういう意味において配炭停止ということは非常に愼重を要するということで、できるだけこれを避けておつたようなわけであります。
  124. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 これは個人が仕事をしている場合でも同じことです。大きな会社である場合も、小さい個人の仕事である場合にも同じです。それをどうしてそんな区別をつけるのですか。そういうかつてなことをやるから、こういう問題が起つて来る。そこでわれわれとしては、先ほどから問題になつておる通り国民が納得する方法においてこれはどうしても拂わなくちやいけない。過去をいたずらに追求するのではないけれども、そこのところをはつきりして、だれもが納得するのでなければ、われわれとしてはこの予算を通すわけには行かない。しかるに大きい会社の場合には売掛でもつてやるのが当然で、そうしなければとれない。個人の場合にはこういうことを無視している。これははなはだ非民主的である。われわれはこう考えるのですが、その点はどうなんですか。
  125. 中島征帆

    ○中島政府委員 大会社と小会社ないし個人ということにつきまして、ただいまのような配炭ないし代金の回收についての差別を設けたことはないと確信しております。
  126. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 差別を設けたことがないと言うけれども現実においてそうなつておる。それでは売掛金の今たまつている中に、個人経営のものはどれくらいあるか。その資料を出してもらいたい。
  127. 植木友次郎

    植木説明員 ただいま苫米地委員からの質問でございますが、たとえば北海道地区の家庭用炭というような配給につきましては、おそらく現金売ということで処理していたと思います。配炭公団荷渡しにつきましてはいろいろ契約がございまして、当時の契約ではおそらく小口の家庭用配炭について、これは代金の回收などについていろいろ技術的なこまかい問題がつきまとうので、おそらく現金売りとなつていたと思います。それから大きな会社に別に区別をつけたというわけではございませんが、結果的には代金が逐次とれなくなりました。大体現金売りを建前としておりますが、いろいろ金融上の問題でとれなくなるというのが、結果的にそういう差別的なものになつたのでございまして、原則的には別に差別をつけたということではなかつたのであります。
  128. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 私の今言うておるのは暖房炭のことを言つておるのではなくて、個人経営のところでどれだけ売掛金がたまつているか。その資料を出せというのです。
  129. 岡野賢司

    岡野説明員 何分厖大なものでありまして、配炭公団の今までの職員の数では、とても個人経営か、会社経営か、組合経営か、そういう種別ごとの売掛金の残というものは集計ができておらないのであります。
  130. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 売掛金があるというからには、どこにどれだけの売掛金があるということがわかつておるはずです。多くてわからぬというわけがない。どことどこということはわかつておるはずです。そのうち個人経営のものがどのくらいあるか知らせろと言うのです。
  131. 岡野賢司

    岡野説明員 本部ではわかつておらないということを私申し上げるつもりで、本部ではということを落したかもしれませんが、これは落したとすれば追加していただきます。東京では集計できていないので、今すぐお出しするまでの段階に至つておらないということを申し上げたのでありまして、売掛金を回收しております現地の末端におきましては、もちろん全部わかつておると考えます。
  132. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 それをはつきりさせて本部でまとめてこうなつているということを明らかにしないで、これだけ欠損だから出せといつて議会へ要求する根拠がどこにあるか。国民がそれで満足するのか。すでに国民は非常な疑惑を持つておる。こういう大きな欠損が出て来て国民に負担させるというのに、それがはつきり本部ではわからないのだ。報告だけでやつているのだ。これじやあまり無責任じやありませんか。そういう無責任な態度でこの莫大な金を要求し得ると考えておられるのですか。これでははなはだ理解ができない。
  133. 岡野賢司

    岡野説明員 個人別の、あるいは個人経営のものの売掛金の明細がわからないで、こういう数字——でたらめという意味じやありませんが、そういうふうなおしかりを承つたのでございますが、回收の見込みそのものにつきましては、個人別か組合別かという辺は、本部では集計はしませんでしたが、内容、理由別にはデーターを持つております。但し前会並びに午前中にもちよつと触れました通り、何のたれ兵衛が回收不能なんだといつて配炭公団ではあきらめておるのではありませんでして、あくまでも回收に努力しておるのであります。今これを発表しろというお話であれば、速記をやめていただきまして、別な祕密会その他で発表するだけの準備はあるのであります。
  134. 苫米地英俊

    苫米地(英)委員 私の言うのは、売掛金ができたということについて、ここに差別待遇がある。それはけしからぬじやないか、こういうことです。それで差別待遇はしておらなかつたというから、それならば個人経営のものに売掛金がどのくらいにあるか、こう伺つたのです。そこのところが問題なんです。ある一方には売掛金はしない、ある一方には売掛金をするということでなく、あなたの方でみな公平にやつているならいいのです。けれどもそこのところはそうでなくて、手かげんでやつてつて、そのために間違いが起つて来たということであるならば、そのところの責任を明らかにして、取れないという事情はつきりして来れば、そこに責任のありかもわかつて来る。その責任のありかがわかつて来れば、それ以上われわれは追究しようというのではないのです。そこで先ほども質問がありましたように、機構上こういうところに欠陷があつたのだ。もしくは運営上にこういう欠陷があつたのだ。そのためにこういう赤字が出たのだから、赤字が出た以上やむを得ない。こういうふうに納得ができるようにしてもらえばいい、こういうのです。これは私どもが薪炭の五十四億を審議したときも同様です。このときでも、どういう経路によつて、どういうふうにやつて、この欠損の責任がどこにあるか。これが明らかになつたので、私どもは野党の反対にもかかわらず、これに賛成して通過させたのです。今度の場合でも同じ行き方をしようというのです。責任のありかもわからず、原因もわからず、ただこれだけ欠損になつたからこれだけ出せでは、賛成するわけに行かないというのです。ここのところをよくのみ込んでもらわなければ困るのです。それを先ほどのように無責任な、こつちはこうなつているのだ、だからしようがないといつたような、そしてその資料地方にあるかもしれないが、本部にはないのだ、こういつたような無責任なことを言われたのでは、賛成したくてもできないというのです。ここのところをひとつよくのみ込んで答弁してもらいたい、また資料を出してもらいたい、こういうわけです。
  135. 川島金次

    ○川島委員 議事進行について……。今の苫米地委員質問をめぐつて、きわめて重要な意味があると思うのです。しかもその答弁の中に、秘密会を開けばここに発表する用意があると、せつかく答弁かあつたのですから委員長のとりはからいで、祕密会を開いてもらつて、その内容を、用意のある分だけを発表してもらいたいと思います。
  136. 西村直己

    西村(直)委員 この配炭公団の問題は、歴年にわたつておると思います。おそらく政府側の機構もかわり、配炭局長もずつと以前からじやないでしよう。それから今日見えておる清算人は、清算事務をやつておられても、過去の経緯を御存じないと思います。従いまして私は懇談にしていただきまして、一体この問題をどう扱つたらいいか、だれから答弁を受けたらいいかということをきめませんと、ぐるぐるまわつて、そしてはつきり申せば責任のあまり取れない御答弁があつて、かえつて問題が紛糾して参るのじやないか、こう思いますから、皆さんに御意見を諮つてもらいたいと思います。
  137. 小山長規

    小山委員長代理 それではこの際暫時休憩いたしまして、理事会に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 小山長規

    小山委員長代理 異議なしと認めまして、暫時休憩いたします。     午後三時十九分休憩      ————◇—————     午後三時二十八分開議
  139. 小山長規

    小山委員長代理 それでは休憩前に引続き会議を開きます。  配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。川島金次君。
  140. 川島金次

    ○川島委員 壷要なことは明日お伺いいたすことにいたしまして、二、三気のついた点についてお尋ねをしておきたいと思います。  このことはすでにあるいは他の委員からお尋ねられたことかとも思われますが、重複の点がありましたら御了承願いたいと思うのです。まず第一にお伺いしたいのは、このたなおろしの場合においての数量と売上げ予想数量と同じ金額がありますが、ことに売上げ予想におきまして、八十三億四千六百万ほどあります。これはもうすでに二十四年九月十五日解散当時における予想高ではなかつたかと思うのですが、そういたしまするとすでにもはや半年を経過いたしております。その半年を経過いたしておりまするうちで、ここに資料として速報の部に一月三十一日までに拂い出した数量があるわけでありますが、さらに最近までの大体の数字もわかつているのではないと思うのですが、そのわかつておりまする数字があれば、この機会に速報と合せたものをお聞かせ願いたい。  それからその後における売上げ予想の中で、回枚絶対間違いないもの、すなわち政府関係あるいはその他あるでありましようが、そういつた向きへの拂出しの予想高、こういつたものがそこに資料として手持がありましたならば、この機会に聞かしておいてもらいたい。
  141. 加野一郎

    ○加野説明員 お答え申し上げます。お手元にお配りしてありますように、一月までの拂出しは二百十一万五千トンという数字になつておりまして、その後二月に六十四万五千トンというところが大体確定した数字になつております。それからそこに進駐軍、国鉄等おもなる需要先別に書いてございますが、ここに書いてありますような大口の方の買付は大体完了しまして、今後は販売業者ないしは小口の随意契約による拂出しだけとなります。大体拂出しはそういうことになつております。
  142. 川島金次

    ○川島委員 それでその売上げを予想いたしておる数量の中で、石炭その他一切を入れて現在どのくらい残つておるか。
  143. 加野一郎

    ○加野説明員 それはたなおろし当時五百二万七千トン残つておりまして、一月までに大体二百十五万、二月に約六十四万五千円ですから、ざつと拂出しの完了したものが二百八十万トンになつております。従つて二月末日現在で残つておるものが約二百二十万トン、こういう数字になつております。
  144. 川島金次

    ○川島委員 二百二十万トン残つておる中で、すでに拂出し計画というものがあるでしようが、進駐軍を初めとして一般向け販売に至るまでの計画があれば、その数字を聞かせてもらいたい。
  145. 加野一郎

    ○加野説明員 残つております二百二十万トンの中で、今見通しのついておりますものは約半数の百万トン程度でありまして、その地区は大体近畿地区と関東地区になつております。販売先は石炭販売業者ということになつておりまして、直接の工場その他の大きなところは今のところ予想はついておりません。
  146. 川島金次

    ○川島委員 それで一般販売業者に拂い出しまする場合の契約といいますか、その場合の取引関係はどういうような事情になつておりますか。実際現金でやるのか。それとも従来のように売掛けでやるのか。どういうことですか。
  147. 加野一郎

    ○加野説明員 それは現金が本則ではありますけれども、大量の石炭の処分を今目途といたしておりまして、現金は事実上実行不可能でありますので、荷渡し後六十日あるいはやむを得ない場合はそれ以上の猶予期間を置いて、代金を支拂つていただくという予定にいたしております。
  148. 川島金次

    ○川島委員 そういう形になりますと、また売上げ予想の結果において若干のずれはもちろんだが、売上げ予想高に狂いか生ずるおそれがあると思うのだが、そのおそれはないですか。
  149. 加野一郎

    ○加野説明員 売上げ予想高というのは、最初契約できめて、あとはそれを分割で支拂つてもらうだけでありますから、金額には大体狂いはないつもりでおります。
  150. 川島金次

    ○川島委員 それは対人的な信用問題で狂いがないというのが普通でしようが、たとえば六十日あるいは事情によれば六十日以上八、九十日、百日の手形をもらう、こういうことでその手形が落ちない場合もあり得るだろう。ことに今の経済事情から見て、手形の不渡りが非常に累増しているということは、実際の経済面においては事実であります。そういうことでありますから、ただ單なる手形をもらつたからといつて、政府の方の、あるいは公団の方の解散機関の売拂いが完全に終了するとは、必ずしも保証のできないものである。そういう問題について、一体当局側においてはどういう点において確信かあるのか。手形だけで私は確信は持てないと思うのです。その他手形以外において、こういう保証の方法が行われているから間違いないということにならなければ、われわれはちよつと納得ができないのですが、その点はどうですか。
  151. 加野一郎

    ○加野説明員 その点は非常にむずかしい問題ですが、現在公団石炭を売りますのは、以前と違いまして相当消費者の選択をし得る余地かあります。これは支拂い能力その他の点も今度調査いたしまして、あるいは売つても金のとれぬという向きには、現に売つておらぬような措置も講じておりますし、先ほど問題になりました売掛金の回收不能ということが大きくなると、それだけまた四十三億にも響いて来ますので、その点はできるだけ調査いたしまして、支拂い能力が、まず今のところ客観的に見て、これなら大丈夫というところに売るというふうに、非常に手がたくやつておりますので、御懸念の点は万あるまいと考えております。
  152. 川島金次

    ○川島委員 そこでお尋ねするのですが、たとえば国鉄なら国鉄の方面についての拂出し、こういつたものは、すでに国鉄としてはある程度貯炭を持つてつて、残り分についての需要は目下のところない。もし国鉄なら国鉄方面に相当な需要があるとすれば、そこに大きく流して行けば、これは最後に行つて何ら心配はない、そういう関係はどうなりますか。
  153. 加野一郎

    ○加野説明員 国鉄、日発その他の大口で、しかも絶対貸倒れになるおそれのないところというのは、公団が最も売りたい希望のところでありまして、事実二月までの二百八十万トンの中には、そういうところの数字が比率から見ますと圧倒的に多いのでありますが、公団石炭はいわゆる低品位炭が非常に多うございまして、国鉄その他の工場として使用にたえないものが相当多いわけであります。ことに今までに売つたものは比較的品位のいい優良炭が出ておつたのでありますが、今後残るものはボロ炭が相当多いということになつておりますので、公団といたしましては、国鉄その他の政府機関関係にさばきたいのでありますが、現在そういう適格炭が非常に少いので、やむを得ずこれに準ずる支拂い能力の確実となころを探し、売つているというふうにいたしております。
  154. 川島金次

    ○川島委員 今苫米地委員からも問題になつた大きな売掛回收不能というようなものかできている。今後もまた相当残高がある。これを従来のようなやり方で行きますと、最後に行つてまた数字を出す。損実が増大する。四十三億ではとても足らないということになつたら、私は一層重大な問題になるのではないかと思うのであります。そこで今後今の残高を拂い出しまする場合に、單なる手形取引でなく、政府としてはいろいろ政府の財産を売り拂う場合に、従来は他の法律ではある程度の担保物件を提供させるとか、あるいはその他の保証方法があるわけです。延納する場合においてさえも保証方法をとつておる。そういうような事柄をその問題については考えていないのかどうかという問題です。
  155. 大濱用正

    ○大濱説明員 ただいまの御説ごもつともでございまして、政府の国有財産を売拂い処分する場合におきましては、会計法規に基きまして、いろいろ競争入札しまするし、それから保証金を出すというふうになつております。厖大な貯炭を処分するに際しまして、そういう手続をやつた場合には、相当の金利と貯炭場の賃貸料というものがございまして、早急の処分を要求されておる現在、ただいま石炭市場に行われている商慣習に基きまして、六十日の手形というふうにやつております。手形の不渡りとか、そういう懸念を申していらつしやるだろうと思いますが、その点につきましては、目下のところ公団では、確実な相手方につきまして調査をいたしまして処分しておりますが、将来赤字が出るという問題につきましては、はつきりと出ないということは断言できないじやないかと思つております。
  156. 川島金次

    ○川島委員 そういうことになると、この四十三億の法律の問題がまた一つの疑念になつて来るのです。従つて従来のような拂出しの方法でさえも、あれだけの赤字を出してしまつて、回收不能なものができている。今後も従来と同じような取引の方法、しかも政府の方で積極的に売り出して行こうというような立場にあるのですから、そこに多少の急ぎもあり、あるいはむりもあろう。こういうことになつて来ると今の残高の拂出しの回收についても、きわめて不安な問題が残つてしまう。こういうことであつては、この法律をわれわれが審議する上においても、非常に躊躇せざるを得ないというような形になるわけです。そこで私はお伺いするのですが、要するに残高の拂出しとその回收について、政府も確実な、しかも確固たる見通しをもつてやれるのかどうかということに、私の質問の中心があるわけです。その点について、今のお答えではまことにどうもあやふやな、これ以上また不安を残すようなことになるのでありますけれども、その点について、もう一ぺんはつきりしたところをお答え願いたいと思います。
  157. 大濱用正

    ○大濱説明員 従来配炭公団が統制を継続しておりましたときに、クーポンの提示によつて、相手方の資産状況とかあるいは支拂い能力というものの調査をやる余裕もしくはそういう権限を有しなかつた。ところが現在は貯炭を敷理する。敷理するとしましても、これはCODが原則でございますが、ただいまの商慣習では二箇月ないし三箇月のサイトを持つております。しかしこのサイトがありましても、これが間に合わかつたらどうするかという御懸念は確かにその通りでございますが、今まで配炭公団が自主的な、相手方の選択というものがなかつたのが、かかる結果を招来した一因とも言われますけれども、清算に入りましては、十分に回收の見込のものに対してのみ今までやつておりまして、十月以降二月までに処理いたしました売拂代につきましては、未回收ということはまだ生じておりませんから、今後も必ず生じないで、全部回收するだろうという予想を持つております。
  158. 川島金次

    ○川島委員 それでは次に一言開きますが、食料品の方で、先ほど他の委員からの質問に対しまして、カン詰、乳製品等というようなことについてちよつと触れられたのですが、現在の食料品公団、飼料公団で持つておりまする手持の品種あるいは数量、そういつたことが手元にありましたならば、この際示してもらいたい。
  159. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 お答えを申し上げます。大体二十五年度持越します数量として考えておりますのは、主として砂糖と乳製品でございますが、砂糖につきましては数量が全体で十四万七千九百八十七トンでございまして、その売上げ金額が五十六億四千六百万円と予想されております。なお砂糖につきましては容器の関係がござしいまして、容器が百八十九万枚でございまして、その売渡し代金が一億六千八百万円というふうに予想をされております。その次が乳製品でありますが、乳製品は約十九万ケース残る見込みでありまして、その売上げ金額が五億一千百万円というように予想されております。従いまして合計、商品の売上げ代金といたしましては、六十三億二千五百万円というものを予想しております。
  160. 川島金次

    ○川島委員 ここに八十九億となつておるが、これはどういうのですか。
  161. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 ちよつとその数字がわからないのでございますが……
  162. 川島金次

    ○川島委員 二十五年度食料品配給公団に関する第一表に、商品売拂代は八十九億一千九百九十七万五千、今のお話では六十三億二千五百万円で、八十九億と大分開きがありますが、どうですか。
  163. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 ちよつとそれは取調べまして……
  164. 大濱用正

    ○大濱説明員 ただいま佐藤経理局長から御説明しましたのに少し補足しますと、八十九億一千九百九十七万五千円という数字が載つておりますが、これは二十五年の三月三十一日現在における当公団の売掛金二十五億九千四百万円を加えまして、八十九億一千九百万円という数字が出て参ります。
  165. 川島金次

    ○川島委員 同時に飼料の方も聞きたいのですが……
  166. 大澤助次

    ○大澤説明員 現在手持になつておりますおもなものを申し上げますと、とうもろこし、大豆かす、ふすま、燕麦、米ぬか油かす、米ぬかというようなものを最も多く持つておりまして、それに次ぎましては、やし油かす、脱脂ファイバーその他のものを持つております。そのほかにこまかいものが十数種類ございます。これの最近の数字は約五億六千万円くらいの在庫があるものと見ております。なおその中で最も多いのは大豆かす、とうもろこし、燕麦、米ぬか油かすというようなものでございます。
  167. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は先ほど根本の理由を聞いたわけでありますが、後刻その首悩者がおいでになつて御答弁なさるだろうと思いますが、なお一、二点だけ補足的に申し上げておいた方がよいと考えるのであります。配炭公団のことにつきましては、先ほど来申しておる通りに、配炭公団に命令せられる機構というものについては、おそらく石炭庁とかあるいはその他においてやられることと思いますが、それらについて業者の代表者が配炭公団の中に入つてつて、これを運用したと聞いております。これらの人々がそれを需要いたします方との結託とか、あるいは関係とか、コネクションとかいうような点等がかなりあつたのではないかという気がするわけでありますが、今日の状況においてもしそれがわかりますれば、その辺を承りたい。もしわからなければあとでもよろしいのですが、お答えを承りたい。
  168. 中島征帆

    ○中島政府委員 配炭公団の運営につきまして、民間の人ないしは業者がそれに参画しておるということは全然ございません。
  169. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 そういたしますると、官吏が独善でもつて、あるいはそれらの人が中心になりまして、石炭庁の命令に遵法したというふうに考えられるのでありますが、私どもといたしましては、先ほど来西村委員苫米地委員その他よりたびたび御質問があつた通りでありますから、あまり長いことは申しませんけれども配炭公団につきましては、多数の国民相当疑惑を持つておるということを聞いております。なおまたこの石炭に対しましては、配給になりまする前に統制になつたことによりまして、何千人という業者が一時失業者になつてしまつたわけであります。そういうような点から考えましても、この失業者に対しましてもある程度まで救済しなければならぬと考えておりますが、その後の状況についてどういうようになつておりますか。もしこの際わかりますれば、配炭公団の廃止とも関連がありますから承りたい、かように考えるのであります。
  170. 中島征帆

    ○中島政府委員 公団設立以前の石炭販売業者につきましては、昨年の八月十五日に販売業者の制度を復活いたしまして、意思と資力のある者はほとんど販売業者に復活いたしました。公団の設立前の業者で、いまだ復活いたしておらない者は、事実上意思のない者か、あるいは実際その資力のない者と考えております。     〔小山委員長代理退席、前尾委員長代理着席〕
  171. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 大分具体的なことになりまして恐縮でありますが、二、三点これについて申し上げたいと思うのであります。従来は、かなり長年、いわゆる自由経済時代におきましては、石炭については相当な生産並びに需要の背景をいたすものかあつたわけでありますが、今日ただちにこれが復活するとは限りません。なぜならば金融難その他によりまして、やりたいと思いましても、なかなか現金がそこにそろわないというような点が相当あるのでありまして、これらとにらみ合せまして、多少融資ということも考えられるわけでありますが、今配炭公団におきましては、そんなことは全然問題にしないのでありますか。こういうおぼしめしがありましようか。また通産省の方でも何とかこれらに対する打つ手がありましようか。これをひとつ承りたい。
  172. 中島征帆

    ○中島政府委員 販売機構の移りかわりに対しまして、販売業者ないし生産業者に対して、ある程度の必要な資金の融資をするということは、一応当局におきましても研究いたしたのでありますが、結局においては、そういう特別の融資はできないということになりまして、ただ実質的に普通の金融のベースによつて、金を借りられる者は借りるというふうなことになつておりまして、これに対しまして政府が特別の援助をいたすことは、事実上できないことであります。
  173. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 そういたしますと、中小企業の人が多いわけでありますが、中小企業者が政府に向つてこれに対する資金の融通といいますか、援助といいますか、そういうことを申し出ておるものと考えておりますが、石炭業者に関しましての調査がありましようか。いかがでしようか、承りたいのであります。
  174. 中島征帆

    ○中島政府委員 石炭販売業につきまして、特別に中小商業としての融資の申出はないように記憶しております。
  175. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 そういたしますと、また元の大会社中心になり、たとえていいますと、十くらいの大会社があると思いますが、その大会社に付属いたすのが販売人になる、こういうような構想でありましようか。それとも何かのほかの方法がありましようか。
  176. 中島征帆

    ○中島政府委員 現在の販売業者の実態を見ますと、炭鉱の元売的な段階と、それから卸、小売の二つないし三つの段階があります。元売的なものは、主として炭鉱自体、あるいは炭鉱と種々の関係にある大きな販売業者でできておりまして、いわゆる中小販売業者は卸ないし小売の方になつておるわけであります。小売につきましては、いまだこまかい業者がたくさんできておるとは申せませんけれども、非常に小口なものにつきましては、石炭業者が金融するというようなものがかなりの数に上つております。九月ごろに販売業者の登録の数を一応集計いたしましたのでは、全国で約五千くらいに上つておりますが、その後また実際登録いたしましたものの中で、販売上いろいろ困難を感じまして廃棄いたしたものもございます。
  177. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 具体的なことを申しまして恐縮でございますが、そういたしますると本年二十五年の予算というか、あるいは計画と申しまするか、これはもちろん自由販売になるわけでございますから、相当数量までは製造工場にまわし家庭にまわす、こういう予算で政府としては考えておられるのでありましようか。その点を伺いたい。
  178. 中島征帆

    ○中島政府委員 本年の石炭配給のことのお尋ねだと思いますが、二十五年度どの程度販売できるかわかりませんが、大体の予想といたしましては、一応四千万トンということを目標といたしております。四千万トンでありまして、現在のような需給状態でありまするならば、石炭の需要者に対しましては、家庭でありましようと小工場でありましようと、当然あらゆるところに配給できると考えております。
  179. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 この配炭公団解散損失予算表の二十四年度の廃棄という中には、たとえば薪炭特別会計で問題になつたように、行方不明になつたものとか、あるいは東京へ輸送しないのに、輸送したといつて運賃をとつたものとか、あるいは人夫を雇つたといつて人夫賃をとつたとか、そういうような勘定はこの中に含まれていないのでしようか。
  180. 加野一郎

    ○加野説明員 その中には、今申しましたようなものは、石炭で申しますと欠斤というのがございまして、その部分が入つておりますが、それ以外は今申し上げたような事例のものは入つておりません。
  181. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうすると廃棄するという場合は、わざわざ現場に捨てたものでしようか。それとも運搬して、ある一定の場所へ捨てたものでしようか。
  182. 加野一郎

    ○加野説明員 その廃棄の中には、いわゆる商品価値がなくて全然売れないもの、それから全然売れないどころか、貯炭場を借りて置いてあるために、よそへ持つてつて捨てなければならぬというようなものがあるわけであります。
  183. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 どうしてそういうものを生じたのでしようか。
  184. 加野一郎

    ○加野説明員 配炭公団貯炭に非常に廃棄炭が多いということは、公団解散当時約五百万トンかかえて清算に入つたのでありますが、その五百万トンのうち、低品位炭が非常に多かつたということであります。少し詳しく申しますと、五百万トンのうち宇部炭が約七十万トン、常磐炭が五十万トンあつたわけでありますが、これらはいずれも非常に風化しやすく、そうして品位の低下の速度も早いものであります。これは産地別に申したものでありますが、上級炭、中級炭、下級炭の例で申し上げますと、一般炭のうち約三百七十万トンが解散当時あつたのでありますが、そのうち百四十万トンが下級炭に属するものであります。これは常磐、宇部のほかに九州、北海道の低品位炭を含んでおりますが、こういう数字から見ましても非常に低品位炭が多い。低品位炭に限つて風化もしやすく、品いたみも早いというようなことのために廃棄炭が生じたわけであります。
  185. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうするとコークスの場合は、たとえばたどんをつくるとか、練炭をつくるとかというようなことで、粉になつても使えるようですが、この場合コークスも捨ててあるようです。この廃棄する場合に、廃棄しなければならない一定の場所から捨てる法所まで運搬する運賃も、この中に含まれておりますかどうか。
  186. 岡野賢司

    岡野説明員 コークスの分も予算上含まれて計算されております。
  187. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 そうすると事業運営費の中で廃棄費用という項目があるわけですが、それはまた別の項目でございますか。
  188. 岡野賢司

    岡野説明員 その前に石炭コークスもでありますが、廃棄炭と書いてありますけれども、これは要廃棄炭、つまり廃棄を要する炭ということでありまして、この中からたとい十円でも二十円でも、売れるものは一生懸命売つているわけであります。さらに別の面から、現在は売れると思つて査定をしておつたものが、その中から幾分廃棄炭が出るかもしれないが、これが五百万トン。他に四十三万トンの石炭コークス全部拂いましたときに、これだけの廃棄が出るだろうという意味でございます。そういう観点からして、次の廃棄費用の二十五万トンでありますが、これは全部要廃棄炭、要廃棄コークスで、この中で二十五万トン程度は、貯炭場にわざわざ金をかけて捨てなければならないだろう、こういう予算になつております。そのほかのものは貯炭場を埋めてしまうとか、あるいはただで捨てていただくとか、そういうふうな考えであります。
  189. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 それから一昨日もお願いしましたが、無責任な管理の結果自然発火したものが大分あるようで、昨年の夏ごろから今年の春まで燃え続けたというような事実もあるのですが、これは全体として全国にどのくらいありましようか。それから私が昨年ある貯炭場を見たときに相当の山があつたのですが、今年の春行つてみるとその山が三つか四つ盜まれてないというような状態でした。おそらくそのために赤字が出て来るのではないかという心配があるのでありますが、そういうふうに盜難のためになくなつて行方不明になつた数量や、自然発火のために消費した数量はつきりわかりましたならばお願いいたします。
  190. 加野一郎

    ○加野説明員 自然発火のために廃棄せざるを得なくなつた石炭は、大体八万トンと予定されております。盜難炭につきましては、少量ずつ各地にあるということは承知いたしておりますが、数字をあげるほど大量はないと思つております。     —————————————
  191. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 この際お諮りいたします。先ほど提案理由説明を聽取いたしました昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案、及び旧軍港転換法案の両法案につきまして、本日建設委員会より連合審査会開会の申出がありましたが、本委員会といたしまして、建設委員会と右両案について連合審査会を開会するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 御異議なしと認めさよう決定いたします。なお開会の時日等については委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時九分散会