運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-03-24 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十四日(金曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君    理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君    理事 河田 賢治君 理事 内藤 友明君       奧村又十郎君    甲木  保君       鹿野 彦吉君    佐久間 徹君       田中 啓一君    中野 武雄君       西村 直己君    三宅 則義君       田中織之進君    宮腰 喜助君     早稻田柳右エ門君    竹村奈良一君       中野 四郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  水田三喜男君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官          (主税局長)  平田敬一郎君         大蔵事務官         (主税局調査課         長)      忠  佐市君  委員外出席者         林野庁長官   横川 信夫君         農林事務官         (林野庁業務部         薪炭課長)   濱田  正君         農 林 技 官         (林野庁業務部         長)      佐木 義夫君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 三月二十三日  松尾寺駅から大波地区に至る旧軍用鉄道引込線  を国鉄に移管運営並びに新駅設置に関する請願  (大石ヨシエ紹介)(第一七〇三号)  内地糖に対する砂糖消費税撤廃請願降旗徳  弥君紹介)(第一七〇六号)  冷蔵器に対する物品税減免請願田中萬逸君  紹介)(第一七五五号)  陶磁器製花器に対する物品税軽減に関する請願  (久野忠治紹介)(第一七五九号)  生活協同組合に対する課税免除請願岡良一  君外三名紹介)(第一七七八号)  日本銀行帶広事務所を支店に昇格の請願(志田  義信君紹介)(第一八一三号)  農業災害補償共済金に対する所得税免除請願  (足立篤郎紹介)(第一八一六号)  資産評価税等撤廃に関する請願河原伊三郎  君紹介)(第一八二四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  日本勧業銀行法等廃止する法律案内閣提出  第九六号)  銀行等債券発行等に関する法律案内閣提出  第九八号)  国税犯則取締法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一三号)  薪炭需給調節特別会計法廃止等に関する法律  案(内閣提出第一一四号)  国税延滞金等特例に関する法律案内閣提  出第一一七号)  災害被害者に対する租税減免徴収猶予等に  関する法律の一部を改正する法律案内閣提出  第一一八号)     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 これより会議を開きます。  去る二十日本委員会に付託されました国税犯則取締法の一部を改正する法律案、及び二十二日付託されました国税の遅滯金等特例に関する法律案災害被害者に対する租税減免徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括議題として、まず政府説明を求めます。水田政務次官
  3. 水田三喜男

    水田政府委員 ただいま議題となりました災害被害者に対する租税減免徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。  まず災害被害者に対する租税減免徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案について、その大要を御説明いたします。  本法律案は、今回の税制改正に関連いたしまして、所得税相続税富裕税法等災害減免に関する規定を整備することといたしたのであります。  まず所得税につきましては、すでに御審議を願いました所得税法改正案におきまして、震災、風水害、火災その他これらに類する災害等により、流動資産以外の資産について損失を受けました場合には、その損失額納税義務者所得金額の十分の一を超過する場合のその超過額所得金額から控除することといたし、流動資産については、災害等による損失事業所得経費と見る建前をとつているのでありますが、比較的に所得金額の少額な者が住宅または家財について甚大な被害を受けた場合には、従来と同様、本法案による簡易な災害減免の方途を認めることを適当とし、納税者は、所得税法規定による災害等控除規定と、本法案による災害減免に関する規定とのいずれかを選択できることといたしたのであります。すなわち、災害により住宅または家財について甚大な被害を受けた者に対する所得税軽減または免除を受ける者の範囲は、従来所得金額十五万円になつておりますのを、今回三十万円に引き上げることといたしまして、所得金額が十五万円以下のときは、所得税額金額免除し、所得金額が十五万円を越えるときは、所得税額の半額を軽減することといたしたのであります。これによりまして災害により住宅または家財について甚大な被害を受けた者は、比較的に簡易な方法により軽減または免除を受け得ることとなるのであります。  次に、今回創設されました富裕税に関しましても、災害減免に関する規定を設けることとしたのであります。すなわち災害により富裕税課税価格の計算の基礎となつた財産について、課税時期後申告書提出期限前に、甚大な被害を受けたものの納付すべきその年分富裕税につきましては、従来の相続税の場合に準じ、被害を受けた部分の価格控除した金額により、これを計算することとしたのであります。  次に災害を受けた場合における相続税減免につきましては、今回の相続税法全面的改正に伴いまして、必要な整備を行うこととしたのであります。  なお今回所得税及び法人税につき繰越し控除制度が、新設ないし拡張されたこと等を考慮いたしまして、昭和二十三年及び昭和二十四年中に生じた災害により、事業の用に供する資産等につき甚大な被害を受けた者につきましては、個人及び法人を通じて、その年において控除できなかつた損失額を、被害を受けた年の翌年から三年間、必要な経費または損金として認める特例を設け、災害発生の時期の差異による被害負担の著しい不権衡を是正することといたしたのであります。  次に国税犯則取締法の一部を改正する法律案について御説明いたします。  国税犯則取締法につきましては、国税に関する犯則者の取締りの強化に伴い、一層その執行の適正を期するとともに、納税者の正当な権利利益を保護する必要がありますので、その適用の実情にかんがみ、今面これに若干の改正を加えることといたしたのであります。  すなわち、まず通告処分履行期限を延長いたしたのであります。間接税に関する犯則につきましては、いわゆる通告処分をするのでありますが、従来は通告後七日を経過してなお履行されないときは、告発することとなつているのでありますが、この期間を二十日に延長することとし、できるだけ本制度の趣旨を生かそうとしたのであります。  次に、刑事訴訟法改正に対応し、收税官吏が物件を領置した場合の処理手続及びその効果を差押えの場合と同様とし、また女子の身体を捜索する場合には、成年の女子立会人を要することとする等の改正を行うことといたしているのであります。  次に国税延滯金等特例に関する法律案につきまして御説明いたします。  すでに御審議を願いました所得税法の一部を改正する法律案外各国税に関する法律案等におきまして、本年四月からは従来の国税に対する延滯金及び加算税に関する制度を合理化いたしまして、その日歩軽減いたすことになつているのであります。しかるに最近の経済情勢にかんがみますと、従来の延滯金及び加算税日歩はかなり重いものと考えられますので、本年一月一日にさかのぼつてその日歩軽減することを適当と認め、この法律案提出いたした次第であります。  すなわち、この法律案によりますと、本年一月一日から三月三十一日までの期間に対する延滯金は、従来の日歩二十銭を八銭に改め、また所得税法人税相続税及び通行税の同期間に対する加算税は、日歩十銭を四銭に改めることとし、なお本年四月以降利子税制度に改められない非戰災者特別税有価証券移転税及び取引高税加算税について、本年一月一日以降のものは日歩四銭に改正することといたしてあるのであります。しかして三月三十一日以前にすでに延滯金または加算税を従来通り日歩で納付し、または徴收いたしておりますときは、この法律の施行によりまして過納となるわけでありますので、国税徴收法規定によりまして、その過納分を他の未納の国税等に充当するか、または請求に基いて還付することになるのであります。  何とぞ御審議の上、すみやかに賛成せられんことを切望してやまない次第であります。     —————————————
  4. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 次に前会に引続き薪炭需給調節特別会計法廃止等に関する法律案議題として質疑を続行いたします。農林大臣がお見えになつておりますから、農林大臣に対する質疑を先におやり願いたいと思います。竹村奈良一君。
  5. 竹村奈良一

    竹村委員 今度こういう法案が出されたのでありますが、これは前々国会から非常に問題になつたものでありまして、今回これに対するところの法案を出されたことにつきまして、一応農林大臣としての所感を承りたいと思います。
  6. 森幸太郎

    森国務大臣 今回提案いたしました内容等につきましては、さきに事務当局から説明いたしたことと存じます。薪炭特別会計赤字整理は、先国会におきまして皆さんの御承認を得まして、五十七億四千万円を一般会計から繰入れて、そうして三月三十一日をもつて特別会計を打切るという構想のもとに進んで参つたのであります。従つてその後鋭意債権回收努力いたしまして、林野庁はもちろんのこと、国家收入関係しますものに対して係争になつておるものにつきましては、行政管理庁なりあるいは法務府等の力を借りまして、鋭意債権回收努力を続けておるわけであります。しかし相手業者であり、三月三十一日までに完全に徴收し得ないということで、一応特別会計は打切りますけれども、そこに債権の残余ができて来る。そこにやむを得ず一般会計から九億円の借入れをすることにいたしまして、そうして今後引続いて鋭意回收努力いたしたい、かような考えで今回特別会計についての御審議を願つておるわけであります。
  7. 竹村奈良一

    竹村委員 前国会におきましては、大臣は大体三月三十一日に一切を清算し、一切の内容を明らかにするつもりである、こういうふうに一応おつしやつておるのであります。もちろんこれは債権債務、いろいろな関係で残ることと思いますけれども、現在まで一応行われました中で、大臣といたしましては、この会計に対して前々から一応問題になつておるものであるが、その中で特に不正が行われたというような感じを持つて調査された件数は、一体どれだけあるか。しかもそういうことがあるかないかということをひとつお聞かせ願いたい。
  8. 森幸太郎

    森国務大臣 経理進行過程につきましての今の御質問の点につきましては、事務当局よりお答え申し上げさせます。
  9. 濱田正

    濱田説明員 木炭事務所関係で、今国警または検察庁で捜査されておりますところは、先ほども申し上げましたように三つ事務所であります。それからまた起訴されたのは二つだけで、あとはまだ捜査されており、どういうことになるかはまだ不明であります。それからその他木炭事務所関係以外につきまして、事務所とは直接関係がないが、業者だけのことで調べられておるのが四、五件あります。
  10. 竹村奈良一

    竹村委員 この際大臣がお越しになつたので、ちよつとお伺いいたしておきたいのでございますが、大体こういう薪炭特別会計においても、いろいろな疑惑国民の中にあるわけでありまして、もちろん今後の清算過程において、この線は明らかにされることだと思いますが、それにつきまして最近新聞紙等で問題になつておりますところの、たとえば主食配給公団廃止等を中心として、この薪炭特別会計において行われたようなことが、またまた繰返されないかという心配が、国民の間に非常に強いのであります。これに対して農林大臣は、今後主食配給等、いろいろな点についての制度が改革される際にあたりまして、いろいろ疑惑のないような措置を、どういうような形でおとりになろうとしておるか。ひとつお伺いしたいと思います。
  11. 森幸太郎

    森国務大臣 抽象的な御質問でありましたが、五公団廃止は、御承知通り本年の三月末もしくは来年の三月末までにおいて、一応閉鎖することになつております。     〔前尾委員長代理退席委員長着席〕それらの農林省関係の五公団は、営団から引継ぎましてまだ日も浅うございます。経過年数は二年ないし三年のことであります。その間にいろいろの不正事件も行われておつた事実もあるのでありまするが、これまた内容が鮮明でありますので、この薪炭特別会計のごとくに、十何年もほつぱらかしておつたので、今早急に調査するのに非常に困るというような問題ではないのでありますることに会計経理が、農林省関係は、この会計法がたなおろしをしないというような方法がとられております。これは違法な会計法ではありませんけれども、現物をその当時の価格によつて記録するという会計経理方法がとられております。従つて薪炭特別会計のごとくに、十年もほつぱらかして置けば、これが遡及してわからぬというようなことになりますけれども、今申しましたほかの公団経過年数も近いのであります。内容もはつきりいたしております。いずれ本年の三月もしくは来年の三月に解消するわけでありますが、この内容については十分検討も加え指導もいたしております。また経済査察庁におきましても十分調査いたしておりまして、違法のところはそれぞれ注意も拂つておるわけでありますので、薪炭特別会計のごとくに、かような国民に迷惑のかかるようなことは、断じてないよう処理をしたい、かような方針でもつて進んでおります。
  12. 竹村奈良一

    竹村委員 薪炭特別会計については、こまかいことを大臣にお伺いしてもどうかと思いますので、あらましをお聞きしたいのですが、大体いろいろな形において、今言われたような検察庁で問題になつておるような面がある。ありますけれども、しかしこれは全体的に一応清算いたしましたときに、もしそれがたとえば政府職員——むしろいろいろな形において、そういう不正が明らかになつた場合に、それに関係したところの政府職員、いわゆる最高責任者として、たとえば林野庁関係その他の人々に対して、どういうような責任をとらす考えであるかどうか。これをお伺いしておきたい。
  13. 森幸太郎

    森国務大臣 これは現実に現われておりまする経験の責任者といたしまして、数名の者に対して懲戒処分をとることにいたしております。
  14. 三宅則義

    三宅(則)委員 せつかく大臣がおいでになりましたから、一つ根本のことをお伺いしたいと思います。薪炭需給調節特別会計法廃止することになりまして、各府県で多少統制はやつておるということを聞いておりますが、これは全然統制をやらないようにいたした方がよろしいかと思いますが、大臣に対して今後の薪炭に関する見通しをお伺いしてみたいと思います。
  15. 森幸太郎

    森国務大臣 国家統制を全廃いたしたのでありますから、地方的に自主的にこれを統制することは許されないのでありまして、全面的統制撤廃であることを御了承願いたいと思います。
  16. 三宅則義

    三宅(則)委員 大臣はそう仰せになりましたが、私どもの選挙区の愛知県などは、多少そうしたような臭みがまだ残つておるのでありまして、木炭事務所は今度廃止になつたのでありますが、将来もこれは自主的に自由に販売し得られるように、薪炭業者もまた消費者も自由にやれるように、大臣から下々にまで徹底さしていただきたい、かように考えることが一つ。もう一つ五十四億七千万円を一般会計から繰入れたのでありますが、将来も多少未收入金が残つておりますから、どうかこの未收入金もなるべく早く大臣から徹底されるようにいたしまして、これが回收された上においては、幾らかでも国民負担が軽くなる、こういう線を考えたいのでありますが、その線について大臣見通しをお伺いしたいと考えます。
  17. 森幸太郎

    森国務大臣 お答えいたします。三月末の推定でありますが、未收入金が十五億一千五百余万円あるのであります。支拂いがまだ済んでいないのが一億七千九百余万円でありますが、この十五億一千五百万円がスムースに入りますれば、五十四億七千万円をお借りしましたが、そのうち四億五千六百四十余万円は返すことになるのであります。しかしこの経理が、今申しました整理過程にありますので、この会計年度末にお返しすることができないので、とりあえず九億円だけは薪炭証券を発行してもらいまして、そうして十五億一千五百万円を整理いたしますと——建物工作物、これらはむろん整理してしまうのでありますが、そうしますと先般借りましたうち、四億五千六百万円返すということになるわけであります。
  18. 三宅則義

    三宅(則)委員 森農林大臣努力によつて、われわれ国民負担が幾らかでも軽くなるという線に努力せられることについては、私も賛成するものであります。ただこの際私が大臣に申し上げておきたいのは、一般会計におきますることの参考にもなると思うのでありますが、従来官庁会計は割合單純に組織ができておりますので、これが先ほど大臣お話になりました通り、たなおろしもやつていないというようなこともありますが、やはり今後会計組織というものは、一年に一回くらいは確実に下僚官僚を督励されまして、すべての資産條件あるいは経理状況等監督してもらいたい。もちろん会計検査院もございますが、会計検査院はよほどあとになりましてから検査をいたしておるのでございますから、なるべく年度内におきまして監査される制度をお設けになつていただきますれば、将来こういうような間違いはもちろんのこと、また一般行政面におきましても確実になるだろうと思いますから、この見通しについて、また大臣がこれから督励せられる点につきまして、お答えを賜われば仕合せであると思います。
  19. 森幸太郎

    森国務大臣 この問題につきましては、薪炭特別会計で非常に国民に迷惑をかけた点から考えましても、ただ会計検査院があるからというので、無責任考えてはならないと思います。監督行政上の責任といたしまして、随時帳簿提出あるいは監事の報告、また行政査察庁の自発的な監査を要求いたしまして、できるだけあやまちのないように期したい。臨時の検査を時々行つて、できるだけ誤りのないように指導して行きたい、かように考えております。
  20. 三宅則義

    三宅(則)委員 大臣の今の御構想はまことにけつこうでありますが、農林行政あるいは商工行政等におきましては、多少補助金とかあるいは改良費とかいうものが出るわけでありまして、建設省三つの省はたいへんに地方にも関係の多いことでありますから、私はぜひ大臣の今のお気持を徹底せしめまして、ほんとうに重要なところに重点的に使う。そうして間違いのないようにしてもらつて、幾らかでも国民負担を今後軽減する、こういう線を徹底していただきたいと思うのであります。これにつきまして重大問題は、官庁会計組織を、もう少しく自由経済もしくは企業形態と同様な線に合せるように、今後閣内においてもやつていただきたい、かように思うのです。これはあながちアメリカのことを言うわけではありませんが、向うの方の様子を聞いてみますと、そうした面には民間人も了解し得るような会計組織になつておると聞いておるのであります。この際わが国の官庁会計を、そうしたようなアメリカ流に、わが国民経済を納得のできますような、企業会計とマツチするような会計組織に改められるように、御努力を願いたいと思うのでありますが、これについて大臣からもう一言承れれば仕合せであると思います。
  21. 森幸太郎

    森国務大臣 綱紀粛正、ことに補助金事業をやつておりまする農林省建設省等には、ややもしますれば業者あるいは官吏の間に、いろいろの問題で紛糾した過去の実績があるのであります。今日においてもその監督をさらに嚴重になすべきことを痛感しておるわけでありまして、これはひとり農林省だけではありませんが、政府事業執行の面におきましては、特にこの方面に注意を拂いまして、逸脱したことのないように行政行つて行きたいと考えておるわけであります。
  22. 河田賢治

    河田委員 先ほど竹村委員からも話がありましたが、大臣はこの前の国会では、これを三月に終了すると明瞭に言明されたのであります。ところがまだ清算事務は終了せずに、事務当局は大体六月までにこれを完了するようにという指令は出してあるそうでありますが、しかしこれができ上るのは、どうしても九月ごろになるだろう、こういう返答が昨日あつたわけであります。そういたしますと、結局六月に完了するようにという指令が行われないということは、これは所管の大臣なりあるいは農林当局の意向が、十分その指令通り行つてない。下が信頼していないか、あるいはその指令によつて活動していない結果だと私たちは思うのであります。重ねて伺いますが、農林大臣は、この薪炭特別会計の非常な迷惑を国民にかけた問題に対して、これをいつまでに完全に清算するか。このことをもう一応前の食言もありますから、はつきりとここで言明していただきたいと思います。
  23. 森幸太郎

    森国務大臣 何も食言したわけでもないのであります。相手のある仕事であります。相手のある仕事でありまして、これはすべてのもの——建物、備品、什器等清算事務は簡單にはできません。できるだけ有利にこれを処理して行かなければならぬことが、政府責任であります。それでありますから、特別会計考え方としては三月三十一日に一応打切る。これをいつまでもだらだらやつておるわけには行かないのでありますから、ここに一つの線を引いて、そうしでこの年度において会計は閉鎖する。そうして閉鎖事務は、いずれの会社でも清算事務があるように、各府県木炭事務所も、やむを得ないものについては六月まで残して行く。そうしてその間に整理の万全を期したい。いわゆる欠損として落してしまうのなら楽でありますけれども、この十五億幾らのうち、できるだけ多くとつて政府債権を完全にいたしたい、この考え方でやつておるわけであります。三月三十一日までにできなかつたから食言であると言われるが、すべて相手のある仕事で、ことに業者でありますから、金融関係からただちにこの債権執行することはでき得ない。こういう事情があることを御了承願いたいと存じます。
  24. 河田賢治

    河田委員 えらい農林大臣は怒つておられますが、相手のあることはわれわれもわかつておる。相手のない仕事はどこにもない。相手があることを考えて三月に大体終了する、こういうお話であつたと私たちは記憶しております。従つて今日なお十四、五億にも上る莫大な未收入金があるわけであります。ところが国民はこれを買うときには、おそらく皆様も御承知のように現金で買つておる。国民自体配給をもらう際には少しでも掛売でもらつてはいない。小売業者あるいは卸売業者はちやんとその金は受取つておる。それが返つて来るべきはずである。それがとれないんだと国民に言つたら、おそらくみな怒るに違いない。私は別にここでこれ以上議論はしませんけれども、大臣のそういうお考え相手があるから相手の都合を見て、できるだけずるずる延ばしてやろう——機械を売つたり、建物を処分するとか、そういう清算事務、その方はわかりますが、しかし未收入金がこういうふうに莫大に上り、昨年の十月から四億か五億しか取立てていない。三分の一にも足らない。こういう点を私たちは言つておるのであつて従つて生産業者に対する未支拂いが昨年のあの会計を上げましたときに現われたのであるから、同時に国民が支拂つた金を取立てるのは、当然国家は大きな顔をして取立てることができると思う。そういう意味で私は大臣食言ということを言つておるわけで、従つて私はこの清算事務については、大体何月ごろに打切ることができるかということをお伺いしたわけであります。——返事がなければけつこうです。
  25. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一つお聞きしておきたいのですが、私は昨日はおらなかつたのですが、六月で終るということが九月になる。今大臣が言われたように売渡しとかそういうことは別問題ですが、大体未收入金がそれだけ延引した場合において、今河田君も言いましたように、国民は現金で拂つておる。それが政府に返つて来ない。従つてその金をだれがどういうふうに利用しておるか。こういうことについて、もしそういうものがはつきりわかつた場合には、大臣は一体それをどうされる気か。六月まで延ばしておいたならば、おそらく本炭を売つた金をもらつて、それを利用したものは莫大な利益を得ると思います。これに対して一体どうされるか、お聞きしたい。
  26. 森幸太郎

    森国務大臣 売買等の手続がスムースになつておるなら、こんな問題は起つて来ないのでありまして、その間に、長い間いろいろの事情ができておつて政府は債務を負い債権を持つ、こういう形になつてつたのでありますが、債務に対しましては生産者の事情を考えて、とりあえずこれは支拂いを終つたわけであります。もちろん国民はただもらつておるわけではない、かけで炭を買つておるわけではないのであります。現金を拂つておりますが、それが簡單にここに收入しておるということが明瞭になつて、そして初めてその債権執行するのであります。それが今日まで帳簿整理等の関係で複雑になつておるために、今日この十五億というものが残つておるのであります。これは今竹村君のお話のように、ごく簡單明瞭であれば今日こんなものは残つていません。もつと早く勘定は済んでおるのであります。ところが統制を解除いたしまして以来、小売業者卸売業者との間のつながりが途中で打切られるとかなんとか、いろいろな問題で複雑になつておるために、この代金回收が遅れておる。それが今日まで延びておるわけであります。できるだけ早く、何も六月中ということを先に延ばす必要はないわけでありますから、なるべくすみやかに経理をいたしたい、かように努力を続けておるわけであります。これは普通の問題として常識的にお考えくだすつても、十年間たなおろしの整理をせずにほつぱらかしておいて、今これを整理するというのですから、しかもいろいろな刑事問題が起つておるわけであります。なかなか複雑な事情になつておることは、会計検査院も認めておる通りであります。それですからこの整理については、普通の公団経理を打切るというほど簡單に行かない事情があることを、御了承願いたいと存じます。
  27. 竹村奈良一

    竹村委員 大体今大臣の言われたように、これは一応整理が十年間延びた。従つて非常に複雑になつておる。これはわれわれにもわかるわけです。そこで一つだけお伺いしておきたいのは、大体十年間の経理過程においてこれが清算されたならば、おそらく何年度においてはこれだけ不明であつた、こういうことがはつきりすると思う。これが整理された場合においては、だれの内閣のときにこれだけ不明であつた、こういうような白書、これに対するところの説明のつくような、国民の納得の行くような理由書を発表してもらいたいのですが、これに対して発表する意思があるかどうかということをお聞きしたい。  それからもう一つは、たとえば各公団におきましては、これは農林五公団のたとえば肥料公団におきましても、先般来非常にいろいろ金を運転して、浮貸し等が新聞に出ているわけです。従つてたとえばこの未收金に対しましても、もし各卸業者国民から取立てた代金で、浮貸しなどをしたというような事実が、この清算過程においてはつきりした場合には、しかもその浮貸しがいろいろな面に、たとえばいろいろないまわしい面に使用されておるというような事実がはつきりした場合におきましては、大臣は、これは今まで十年間かかつて、それは貸したことがはつきりしなかつたから、こうなつているのだとおつしやいますが、おそらく未收入金をここに計上される以上は、その未收入金相手方というものははつきりしておると私は思うのです。はつきりしておるが、しかしいろいろ取立てすることができないような経済的な状態だから、取立てておられないと思うのでありますけれども、もしそのものが浮貸し等をしておつたという事実があつて、そして回收ができなかつたというような場合には、大臣は一体どういうふうにされるか。これをお聞きしたい。
  28. 森幸太郎

    森国務大臣 薪炭会計につきましては、いずれはつきりした記録をつくつて発表いたすつもりであります。なかなか経理はむずかしいので、私は昨年の二月中ごろ拝命いたしまして鋭意この整理にかかつて来て、今日の状況であります。まことに微力であつておしかりをこうむるかもしれませんけれども、私は一箇年間この薪炭特別会計経理努力いたして参つたと申してもいいのであります。そういうような情勢でありますので、なおわずか十五億が残つておるわけでありますが、これもすみやかに今申しました整理をいたしまして、しかもこの十年間においてどういう事情に置かれておつたかということは、国民に当然知らす義務があると存じますので、はつきりいたしたいと存じます。  なお薪炭特別会計の方においては、浮貸しなんという問題は全然ありませんが、ほかの公団においてもしそういうことがありましたならば、これは法務府の仕事として適当な処理ができるはずであります。またそういうものに対しましての監督庁として、行政処分すべきものは行政処分いたしますが、そういうことは刑事問題として取扱われることであり、またそういうようなことがあれば、行政庁としての適当な処分をいたすつもりであります。
  29. 川野芳滿

    ○川野委員長 ほかに農林大臣に対する質疑はございませんか。  それでは本案に対して政府委員に御質疑があれば、この際これを許します。
  30. 竹村奈良一

    竹村委員 この十五億円の未收入金の明細、これをひとつ資料として出していただきたい。今わかつておればただいま聞いてもいいのですけれども、大体どういう方面か。未收入金をおそらくここに計上される以上は、とるところがないような未收入金というものは計上されないはずだ。今大臣に聞いてみると、漠然としてどうもとるところがはつきりしないようで不安に感じますから、政府委員から詳細にお答えを願います。
  31. 濱田正

    濱田説明員 資料にお配りしております二月末の未收入から説明する方が、説明に便宜だと思います。三月末の現在高が十八億五千二百万円、その内訳の大部分は卸売業者の十四億であります。それから集荷業者、日通、海運業者、閉鎖機関、その他となつております。この十八億のうちから三月中に四億——今の状況から見ますと大体十五億で、二億とれましたから、三月末までに相当入つて来ますから四、五億入つて来るだろう。従つて三月末になつてみないと、この十八億が十五億になつたその内訳は、そのときでないとわからないということであります。しかしこれから大体推定がつくことでありますが、大部分は卸ということになります。
  32. 竹村奈良一

    竹村委員 いや別に私は三月末のはつきりしたものを出してもらわぬでもいい。現存十八億のうちで、当時のいわゆる貸してある未收入金相手方を知らせてもらいたい。従つてこれはそのうちに入ればいいので、五億入ろうが三億入ろうがかまわない。大体追い詰められたこの十八億の、卸あるいはその他の一切の明細をひとつお聞かせ願いた。
  33. 濱田正

    濱田説明員 たとえば卸の十四億円は、だれに幾らあるかというのが全部ありますから、追つて資料を提出いたします。
  34. 竹村奈良一

    竹村委員 それがはつきりしておりますと、ひとつお伺いいたしたいのでありますけれども、その卸の未收入になる原因というものは、一体それは小売商かあるいは配給先から金が入つていないがために未收になつておるのか。あるいは入つたやつを使つておられるのか。他に流用しておられるのか。こういう点を調査されたことがあると思うのですが、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  35. 濱田正

    濱田説明員 最近卸売業者の帳簿検査をやつて参りますと、確かに竹村委員のおつしやいましたように、消費者からはこれをとつておる。小売がとつて、今度はその小売が卸に納めておれば問題ないわけである。それが卸の帳面を見ますと、小売に対する売掛金が莫大な数量に上つております。その大部分というものは、最近調べたところによりますと、小売に対する売掛金がなかなか回收困難だというのが大部分の状況であります。調べてみますと、産地の方に買出しに資金を流しておるというのが一部出て参つております。
  36. 竹村奈良一

    竹村委員 小売から卸に売掛金が多くある。大体帳簿を調べたのでは、そういうふうに出て来るというが、そうしますと、大体その小売商を設定されましたのは、あれは一応従来の実績、そしてまた信用程度等を勘案の上に、各消費者から選挙されたものをお認めになつたのでありますけれども、これか一応卸の方に拂うだけのものを、現在でもそういうような状態のものを、政府はお認めになつてつたのでありますか。従つて小売業者を認められる場合の基準というものは、能力があろうがなかろうが、單にもう選挙で選挙されて、一定の数さえとり得ればそれをお認めになつてつたのでしようか。これをお伺いしたいと思います。
  37. 濱田正

    濱田説明員 これは今となれば清算事務の進行、つまり未收入回收に非常に重大な弱点になつておるわけでありますが、例の今となれば一昨年、薪炭需給調整規則というものの改正があつたわけです。その以前は小売も卸も一つの燃料配給組合という独占機関だつたのです。それが独占機関が取扱うのはよくないというので解体されまして、すべて登録制でやる。御指摘のように消費者が小売を選挙する。小売が卸を選挙する。それで政府から見た場合、政府はそれに対して一定の資格をつけてはならぬ。従来の取引から見て、消費者つて何もわからぬことはないのだから、ちやんと登録するに違いないだろう。小売だつて何も政府側から一方的に資格を制限しなくても、小売だつておのずから商売の取引を知つておるはずだから、うまく登録するだろうという想定のもとに立つて、ただ選挙で一定の得票数だけ出ないといかぬ。政府側から一定の資格をつけるということは絶対にいかぬという結論になつて竹村委員の御説のように一定の得票数だけできまつていた。そうしてそれは従来炭をやつておろうがやつておるまいが、しろうとであろうがくろうとであろうがどれでもよろしい、こういつた形になりましたので、それが今の未收入回收に対しては確かに弱点になつておるわけであります。
  38. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、ひとつ聞きたいのですが、そういうような小売商が未拂いを残しておる。そうして今度薪炭というものの統制が解けて自由になつた場合に、未拂いを残しておいて——今までしろうとであつた者か、選挙で人気がよかつたから小売商になつた。あるいは前は小さくやつておつたが、とにかく小売商になつた。こうして未拂金を残しておいて、今度は自由になつたからおれは薪炭商をやるのだというので、その未拂いを資金として大きな薪炭商をやつた。こういうような例があるかどうか。もしあつたとすれば、それに対して一体どういう処置をするのか。  それからもう一つは、先ほどおつしやいました卸が、今度は自由になるのだからといつて、当然集まつておる金というものを、薪炭の買入れのために使つた。おのれのいわば商業資本に使つた。資金に使つた。こういう場合に、遅れたものに対して——それに使つて政府に迷惑をかけておるというような卸商に対して、一体どういう処置をされるお考えであるか、それを聞きたいと思います。
  39. 濱田正

    濱田説明員 薪炭統制解除になれば、竹村委員のおつしやつたような傾向が出て来ます。そこでわれわれは二月の初めごろから最後の手を打たなければいかぬというので、これはわれわれ並びに現地機関、または調査庁あたりの実際的の行動で、督励するだけではいかぬということになれば、そこで裁判といいますか、法律的の問題できちつときめて行くというやり方、これをとり運んで行かねばならぬというので、前日も説明しましたが、卸と政府との間に、簡易裁判所へ出頭しまして、即決和解という形で法律的にきちつとする。そうして何月に幾ら、何月に幾らときめる。そうしてきめれば、その和解は確定判決と同じ効力を持つておりますから、一回でも滯納したならば、いかようにされようが文句はないというふうに押えて、なおあぶないと思えるところは、これは小売と政府は直接の関係ではないのでありますが、その卸につながつておる小売というものがいささかあぶないという場合は、小売も抱き込みまして、政府、卸、小売という三段階といいますか、三面の和解という法律措置によりまして、確定して行くというやり方をやつておるわけであります。
  40. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一つ卸が未拂いにしたものを資金として薪炭等を買い入れて、いわゆる自分の営業の目的に供しておるというものに対して、どういう処置をされるか。
  41. 濱田正

    濱田説明員 もちろんそういう場合は、卸が生産者なら生産者の方に対して金を出しておるということは、これは帳面を詳細に調べればすぐわかることなんです。これは今言う即決和解で、いつまでに納めるということがきまれば、それはこの通り納めますから問題になりませんが、しよつちゆうそういうことをやつて政府に納めるという意思を持たない場合は、これは仮差押えという制度、すなわち産地なら産地に手を打つておるそのものを押えてしまうというやり方で、回收したいと考えております。
  42. 竹村奈良一

    竹村委員 先ほどのお話によりますと、問屋筋を調査した場合に、一面そういうものがある、こういうふうにお話になつたのでありますが、それに対して、しからば立木や買い上げました薪炭等の差押えをやられた例がありますか。どこのだれか……。そういうような例をお伺いしたいと思います。
  43. 濱田正

    濱田説明員 まだそれをやるという段階まで来ておりません。といいますのは、われわれとしてはそういう法律的手続をやれば、それだけ時間がかかる。相手方が反訴でもありますれば、本物の民事訴訟になつて相手方も引延ばすという戰術になれば、かえつて納められないということがありますから、こういうやり方を世間的には勇ましいやり方でありますが、かえつて策の上たるものではないのでありまして、あなた方は政府の金を妙なところに流用しておるじやないか。そういうことならばこつちも考えがある、というふうなおどしの手をとりながら、よそからでも借りて来て納めてくれというやり方でやつておるので、そのおどしといいますか、それに乗つて来て納めるというならばそれでよろしい。いよいよいかぬというのは抑えますが、まだ押えるという段階までは達しておりません。抑えるとかえつて長くかかるということがありますから、いざという場合だけしかそれは発動したくない、かように考えております。
  44. 竹村奈良一

    竹村委員 この相手は——一体その卸商はだれか、ひとつ名前をお知らせ願いたいということと、それからもう一つは、流用しておる額というのは、全体として一体どのくらいに上るかというような点を一つお示し願いたい。
  45. 濱田正

    濱田説明員 その点は追つて資料で提出いたします。
  46. 竹村奈良一

    竹村委員 その資料は大体これの審議に必要でありますので、早急にお出し願いたい。
  47. 川野芳滿

    ○川野委員長 ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止〕
  48. 川野芳滿

    ○川野委員長 速記を始めてください。ほかに質疑者はございませんか。
  49. 河田賢治

    河田委員 資料が来ればわかることですが、大まかに聞いておきたいと思います。この薪炭の特に木炭でございますが、昨年提出されました資料の中で一番問題なのは、高知県が大体全体の三分の一を占めていたわけなのでありますが、御承知のように高知県は現在の総理大臣古田さんの御出生地でもあります。特に民自党のお方にとつては高知県の成績が全国の三分の一を占めておるというようなことは、非常に不名誉なことであろうと私は思うのであります。従つてこの方面の調査は大体どういうふうになつておりますか。大まかでけつこうでありますから、ちよつとお話を願いたいと思います。
  50. 佐木義夫

    佐木説明員 御承知のように高知県の方は、おもに生産されたものは阪神の方面に送るのでありますし、また御承知のように県内の状況は鉄道はほとんどなく、トラツクあるいは船でというようなことになつている次第であります。しかもその上に毎年あそこは非常に台風があります。風水害があり、そういう関係で戰時中また戰後からの整理が、十分行き届いていない状況であります。それで私の方といたしましては、なかなか前の所長の手では整理がしにくいというようなことを考えまして、去年の末に新しい非常なやり手の所長をやりまして、整理させている次第でございます。それでその結果着々整理が進んでいるのでありますが、まだ完全にはついておりません。いずれこれもここ二月ぐらいの間には、完全に不足木炭その他の原因が明らかになつて整理されるであろうと考えております。
  51. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 ちよつと関連質問で……。この会計の締切り当時、薪炭事務所におるところの従業員の処置について特にお考えになつておるのかどうか、これをちよつと伺いたいと思います。
  52. 佐木義夫

    佐木説明員 木炭事務所員の今後の処置につきましては、私らの方で非常に頭を悩ましていたのでありますが、去年の定員でまず千六百名になつた次第であります。その後この三月までに七百名に落さなくてはいけないということになつおりまして、いろいろと民間の方にも渡りをつけ、あるいは営林局長の方にも県の方にもお願いいたしまして、大体今までのところは順調に進んでおります。一番たくさん人をとつてもらつたのは営林局ということに考えております。今後の七百につきましても、これから六月末ころまでには木炭事務所廃止になると思いますが、やはり同じように営林局、民間、県の方に渡りをつけまして、一人でもいわゆる失業者のないように努力するつもりでおります。
  53. 川野芳滿

    ○川野委員長 本案につきましてはまだ質疑があるかとも考えますが、午後にこれを讓ります。     —————————————
  54. 川野芳滿

    ○川野委員長 この際お諮りいたしたいことがあります。それは連合審査会開会の件でありますが、昨二十三日地方行政委員会に付託されました地方税法案は、今般の税制改正案の一環として、本委員会の所管にも重大な関連を有するものと認められますので、本案について地方行政委員会に対し、連合審査会の開会の申出をいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 川野芳滿

    ○川野委員長 御異議ないようですから、地方税法案について、地方行政委員会連合審査会開会の申出をいたすことに決定いたします。  なお連合審査会開会の日時等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。  それでは午前中はこの程度にいたしまして、午後一時半から再開することにいたします。     午前十一時五十六分休憩      ————◇—————     午後一時五十八分開議
  56. 川野芳滿

    ○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。  国税犯則取締法の一部を改正する法律案国税延滯金等特例に関する法律案災害被害者に対する租税の滅免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括議題として質疑に入ります。三宅則義君。
  57. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題となりましたる三法律案について、私はせつかく主税局長がおいでになりましたから、最初に質問させていただきたいと思います。  この三法案のうち、今度の災害被害者に対します租税軽減徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案に対しましては、まことにりつぱな法案であるということを確信する次第であります。実は本国会におきまして所得税改正法律案におきまして、御承知通り四月一日から加算税及び延滯金利等を安くする。たとえば今まで二十銭、十銭であつたものが八銭、四銭と日歩が下つたことはまことによいことでありまするが、これにも増しまして、本年の一月一日から業者並びにその他の者の状況を勘案せられまして、そういうふうに遡及して減税せられることは、まことにりつぱな案であると考えております。ただここに為政者といたしましてお伺いいたしたいと思う点は、従来の三箇月間においてどのくらい加算税延滯金をおとりになつていらつしやいましようか。お答えを賜わりますれば仕合せだと存じます。
  58. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 一月から三月まで徴收しました加算税延滯金等の調べは、ごく最近のことでございますので、なかなか簡單には調べがつかないのではないかと思うのでございますが……。
  59. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま主税局長から、明細な調査は後日に讓るというお話でござましたが、いずれにいたしましても年度末、いわゆる毎年の終りから一月並びに三月に至りますときにおきましては、徴税成績といたしましては、大部分の税金がその三箇月間に入るものと確信するのであります。でありますから、私の推察でありまするが、多少は違つておるかもしれませんが、私の観点からいたしまするならば、少くとも今までの加算税、追徴税等の半額くらいは、この三箇月間においてとり得べきものであろう、かように考えるのであります。でありまするから、これを利用いたしまするならば、たいへんに納税者といたしましては、利益をこうむることに相なるのでありまして、これに対しては全幅の賛意を表する次第でございます。ただここにひとつ問題になつております事柄は、災害でございまするが、これは震災、風水害、火災その他に関しまして、災害をこうむつた場合には免除する規定でありまするが、今まででも十五万円までは云々ということになつておりましたのを、今回三十万円にお引上げになつたのでありますが、過去におきましてこれもまたどのくらい引かれておつた実績がありましようか。もしありましたらお示し願いたいと考えます。
  60. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 災害減免法につきましては、今回所得税法改正並びに限度をそれぞれ大幅に引上げまして、負担の適実化をはかることにいたした次第でございます。今お話のこの法律によりまして、実際に減免いたしておりまする額は、資料はある程度、二十三年分くらいでありますとあるはずだと思いますが、今手元に持つておりませんので、至急取寄せましてお答えいたしたいと考えておる次第であります。
  61. 三宅則義

    三宅(則)委員 これもまた政府委員の御答弁によりまして、資料をあとから承るのでありますが、まことにけつこうな案であると思つております。私の想像するところによりますと、この被害を過大に評価せしめるようなおそれがあるのではないか。われわれといたしましては、なるべく公平にその損害を見てやりたい、かように考えておりますが、政府としましては何か定規をもつておられましようか。それともそういうことにつきましては、審査委員会とかその他の法令によつてきめられましようか。その辺をひとつ承れれば仕合せであると存じます。
  62. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 甚大なる被害というので制限をつけているわけでございますが、この被害の程度につきましては、もちろん今お話がございましたように、政府におきましても、特に災害を受けた納税者でありますから、十分同情ある態度をもちまして、この程度の査定に従来からも当つておりまするし、今後も当るべきものだと考えます。なお甚大なる被害につきましては、政令でやや具体的にその程度をさらに規定いたしておるのでございます。すなわち大体通常の場合におきましては、住宅あるいは家財が半分——十分の五程度の損害を受けた、こういう場合において、この甚大なる被害の適用になることにいたしております。その他いろいろ法律規定によりまするおもな事項につきまして、若干政令でさような具体的な規定をいたしておるのでございますが、この程度の査定につきましては、今申し上げましたように、十分納税者の立場を考慮いたしまして、適実化をはかるつもりでございます。
  63. 三宅則義

    三宅(則)委員 その災害の程度の問題でありますが、これは非常に悪いことを例に申して恐縮でありますが、納税者の悪質の者の中には、多少過大評価せしめてもらいたいというような観念が、ややもするとありはせぬか。はなはだ老婆心でございますが、そういう心配を持つておるわけでありまして、この評価の問題については、どうかひとつ適正公平なる判断によつて、かりに政令をおつくりになりましても、また第三者の震災あるいは災害に関しまする調査委員会をお設けになりましても、この程度を十分活用するように、そうかといつて被害者をいたずらに殺すばかりが能ではありません。ただ私が心配いたしますのは、盗難につきましてはどういうふうにお考えになつておられますか。これも被害とは考えておりますが、これも承りたいと思います。
  64. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 盗難等の損失額控除は、先般御審議を煩わしました所得税法規定で、もつぱら行くことになるのでございます。その場合におきましては、やはり一定の制限のもとに被害額を調査いたしまして、その額につきましては課税所得金額から控除するということにいたしておるのでございます。この災害減免はそれと異なりまして、その地域に一般的に被害があつたという場合におきまして、ことに小さい納税者の場合におきましては、所得税法規定従つて嚴密な調査がなかなか困難な場合もございますので、方法といたしましては、これは相当外形的な方法によりまして、減免することにいたしておるのでございます。もちろん所得税法規定の適用を受けた方が、より有利だと考えられまするような場合におきましては、あの法の規定の適用も受けることはできるのでございますが、本法におきましては、標準としましては比較的簡易な標準で、一定の減免を行おうということに相なつておるのでございます。でありますからして、盗難につきましてはもつぱら所得税法規定によつて、救済することになるのであります。
  65. 三宅則義

    三宅(則)委員 盗難の問題はよくわかりました。この災害でありまするが、たとえて申しますると、この文句をもじつて恐縮でございまするが、たとえば霜が降つたとか、あるいはこの風水害の中に入るか入らぬか知りませんが、その他の障害があつた場合においては、一体何という方法になりましようか。これはこういう意味を広く解釈してよろしいものであろうか。單純にこの意味だけと解してよろしいのでありますか。その辺をひとつ承われば仕合せであると存じます。
  66. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 この現行法の一條にありますように、「震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害」、こうございまするが、これらに類する災害の中には、ここに掲げましたような大体自然的な原因に基く災害、これはすべて含めるつもりでございます。たとえば電害等は相当該当して適用を受ける場合等がございますが、そういう害によりまして損害を受けた場合におきましては、この法律の適用をいたすことに相なるのでございます。
  67. 三宅則義

    三宅(則)委員 大分よくわかつて参りましたし、また親切な御答弁であると思いまするが、富裕税を納めるような人に対しても、この規定を運用するというようになつておるのであります。私はこの十五万円以上の所得者は、十五万円までは免税し、十五万円以上については半額というふうに解釈するのでありまするが、その差を設けられました点は、結局十五万円が限界点であるという意味でありましようか。その辺を承りたい。
  68. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 この規定は主として一定以下の所得者に対しまして、比較的簡單な方法で、所得税法で救われないような場合におきまして、この方法減免をはかつて行くという趣旨でございますので、相当程度以上の所得者につきましては、やはり負担にも重大な影響がございますので、所得税法規定に従いまして、できる限り公正に処理して行くという考えでございます。なお今回はその程度は相当拡張いたしたのでございまして、従来は五万円以下であるとき全額免税でございましたのを、十五万円以下のとき全額免税することにいたしたのでございます。それから従来は五万円を越え十万円以下のときは、所得税五割を軽減いたしたのでございますが、今後は十五万円を越え三十万円以下の場合におきましては、五割を軽減することにいたしておるのでございます。従いまして三十万円程度以下の所得者につきまして、このような比較的簡易な方法によりまして、災害による減免を行おうということにいたしておるのでございます。なお富裕税につきましては、これはもしも富裕税課税時期でありますときの十二月三十一日以前に被害がありますれば、十二月三十一日の状態で財産額がそれだけ減るのでございます。従いまして、自然に適用になるのでございますが、ただ富裕税の納税は御承知通り毎年十二月三十一日現在の財産額をもとにいたしまして、翌年の二月末日までに納めることになつております。その納付の間におきまして、災害等によりまして財産が減つた場合におきまして、特例を設けようというわけでございまして、その被害を受けた部分の金額控除した金額に対しまして、富裕税課税しようというのが、この富裕税に関する減免規定特例でございます。
  69. 三宅則義

    三宅(則)委員 この法律によりますと、昭和二十三年及び二十四年に災害をこうむつたものでも、これを適用しようというふうに解釈できると思います。過去数年前のことを今日さかのぼつてやるわけでありますが、これについては何か基準がありましようか。それとも任意に提出すればよろしいのでございましようか。その辺を承りたいと思います。
  70. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 これは最近災害が大分ございまして、それぞれ最近までの災害につきましては、災害減免法である程度の救済はいたして来たのでございますが、なお今回新しく設けました所得税法の救済規定に比べますと、大納税者の場合あるいはその他の場合におきましても、條件がきつかつたのでございます。しかし今回所得税法改正いたしまして、相当災害を受けた場合におきましては、所得金額から控除するという制度を設けましたので、こういう制度はやはりごくちよつぴりの被害にも、なるべく適用してやつた方が公平ではなかろうか。こういう点からいたしまして、昭和二十三年以後の災害につきまして、所得税法規定による控除と同じ控除をしてやることにいたしたのでございます。従いましてその分につきましては、今後法律が施行されました後三箇月以内に税務官庁に申告していただきますれば、控除することにいたすのでございます。しかし従来の災害につきましても、ある程度減免法等によりまして実際適用して来ておりますので、被害の調査は相当できているようでありますから、それに基きまして申告があります場合には控除しまして、負担の公平化をはかることにいたしているのであります。
  71. 三宅則義

    三宅(則)委員 政府といたしましては、これは親心をもつてやられたことでありまして、私どもはまことに賛成するのです。そういうふうに三年前のものでも、相当被害があつたものにつきましては、調査の完了したものにはもちろんこれはやつていただきたい。私の一つ心配いたしますのは、この程度まで行つてないかもしれませんが、なお相当被害があつたということが、かりに第三者もしくはほかの人の証明等があつて、申請した場合についても多少考慮されるわけでしようか。それとも、そういうものはかつて調査してなかつたからいかぬとおつしやるのでしようか。それを承りたいと思います。
  72. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 事実は大体において過去の分につきましては、課税関係いたしますので、調査ができていると思いますが、なお不十分な点は必要な資料等を出していただきますれば、それによつて確認して控除することに相なると思います。
  73. 三宅則義

    三宅(則)委員 今主税局長が仰せになつた事柄は、これをずつと下々の国税局ないしは税務署へ伝達するとたいへんよくわかるのでありますが、どうか今私の申し上げたような事柄は、下僚と申しますか下級官庁と申しますか、そういう方面にずつと流してやつてもらいたい。今主税局長国会において答弁せられたような気分を、どうか第一線にやつてもらいたい、かように私は強く要望いたしたいと思いますが、これに対して政府といたしましてのお心構えを承りたいと思います。
  74. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 御注意を受けるまでもなく当然のことでございまして、極力公正な運用をはかることに留意いたしたいと思います。  なお従来そういう納税者はほとんど確定申告の際にすでに損害額は記載して申告しておりまして、それを一応税務官庁は査定いたしておるのでございます。なおその査定につきまして、やや不十分な点がございますれば、その後の資料等によりまして、さらに正確なものにいたしまして、控除をするということになるのでございます。
  75. 三宅則義

    三宅(則)委員 よくわかつて参りました。またその精神もよくわかるのでありますが、ややもすると従来は、主税局長あるいは国税庁長官などは非常によくわかつておるのでありますが、税務署の係長以下になるとなかなかわかつて来ない。これは私はたびたび申したことでございまして、これを繰返すことは省きますが、一、二を申しますと、私の選挙区の方におきましても、相当過大評価をしておる。たとえば所得に関しても、ガラ紡のような再生繊維のようなものにつきましても、一台に三十万円というようなべらぼうな高い税金をかけておる。これはほかの方の税務署では二十万円あるいは十万円というふうに低い税金でありますが、ひとりわが愛知県のごときはそれをやつておるのであります。そういうふうな点から見まして、これはささいな点になりますので一部始終は申しませんが、主税局長国税庁長官もしくは各国税局に対しまして、なるべく同じような業態に対しては同じように見てやる。こういう線を強く指導してもらうとよろしいのでございますが、ただ税金を取上げるのに堪能ばかりではいけないと思いますから、その辺の親心のあるところをもう一ぺん承れれば幸いでございます。
  76. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 最初からたびたび申し上げている通りでありまして、被害を受けた方々の立場等もよく考慮いたしまして、十分公正にして妥当な査定をするように努力いたしたいと思います。
  77. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは今の災害免除に関します点につきましては大体了解いたしましたから、次に国税犯則取締り並びに国税延滯金のことについて、多少質疑をいたしたいと考えております。  今主税局長がたびたび御答弁になり、私もたびたび質問いたしおりますからしつこくいたしませんが、この臨検すると申しますか、捜索する、差押えをするとかいうことに対することでありますが、この第三條に関しまして、「必要アルトキハ錠ヲ外シ戸扉又ハ封ヲ開ク等ノ処分ヲ為スコトヲ得」、この点でございますが、これはなるべくひとつ穏健にやつてもらいたいという思想であります。この辺の解釈をもう一ぺんはつきりしていただきたいと思います。
  78. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 この規定を新しく設けましたのは、従来も国税犯則取締法の一條ないし二條の規定によりまして、当然この権限があるという解釈でございまして、実際問題としても、このような措置をいたしているのでございますが、ただ新刑事訴訟法その他におきまして、そのような場合におきましては、はつきり規定を設けることに相なりましたので、三條の三としまして、その趣旨を明らかにいたしたのでございます。従いまして、もちろんこれは「必要アルトキハ」ということでありまして、公正な税の執行を、必要ある場合におきまして、かような方法により適正な課題をすることは当然のことと考えるのであります。
  79. 三宅則義

    三宅(則)委員 これは末端のことになりまして、あるいは主税局長さんはお知りにならないかもしれませんが、第一線の方のものが差押えをする場合に、立会人もなしにかつてにやつてしまうことは行き過ぎだと思います。御注意までに申し上げておきますが、一応は第三者を立ち会わせるとか、あるいは第三者を立ち会わせないでも、一応警告を発して、しかる後に差押えをするとか、金庫を開くとか、あるいはその他の行動に移つてもらいたい、かように考えておりますが、政府としてはどういうふうにお考えでしようか。
  80. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 まさにお話通りで、現在の国税犯則取締法の第六條に「收税官吏捜索ヲ為ストキハ捜索スヘキ家宅、倉庫、船車其ノ他ノ場所ノ所有主、借主、管理者、専務員又ハ同居ノ親族、雇人、隣佑ニシテ成年ニ達シタル者ヲシテ立会ハシムヘシ」、こういう規定になつております。なお従来はこの点につきまして、新刑事訴訟法のごとき女子の身体を捜索する場合におきましては、何らの規定がなかつたのでございますが、これはやはり人権保護の上においてやや欠くるところがありましたので、今回第六條第三項を新しく設けまして、女子の身体の捜索につきましては、成年の女子をして立ち会わせることに改めたのでございます。
  81. 三宅則義

    三宅(則)委員 この差押え物件に対しまして、今まで公売のようなことをやつてつたのでございますが、ああいうことはあまりよろしくないと私は思うのでありまして、これらにつきましては割合に簡單なる了解のもとに公売するとか、あるいは売却するということはけつこうでありますが、麗々しく自動車を乗りつけて、その中に若い官吏が乗つておりまして、これを凱旋将軍がかつてしたような虚栄でもつてつているようなことも見たのでございます。こういうようなことは、この法律に直接関係があるかないか知りませんが、特に税務官吏といたしましては、そうした越権行為あるいは逸脱行為のないようにしてもらいたいと思いますが、政府のお考えをこの際承れれば仕合せだと思います。
  82. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 お話のごとくそのような措置は極力避けるべきものだと考えます。ただ過去にありました事例は、必要に迫られてあまりにも状況が悪いために、ああいう措置をとらざるを得なかつたようなことがあつたかと思いますが、一般的にはお話通り極力そういう方法によらずして、必要な措置をとることに努めるのが妥当だと考えます。
  83. 三宅則義

    三宅(則)委員 これに関連いたしまして、私から国会議員として申し上げたい点があるのであります。私が申すまでもなく、納税者もでき得べくんば納税したいという気持は十分あるのです。ところが、過去のことを申して恐縮でありますが、税金を完納しては食えないという人があつたわけです。そういう人に対しては多少延期とか、これに対する猶予とかいうことがあるわけでありますが、実際一旦更正決定をすると、これにかまわず差押えしたりおどかしたりして非常に苦しめられておる。私は今度の法律改正によつて、それの罰金等を安くされることには敬意を表します。今までにおいて相当国民を苦しめた例がありますから、どうか実際面を扱う人としては、これらの公売等にも余裕を與えられたい。一日異議の申請をした者については相当期間の猶予を持つ。こういうことを構想していただきたいと思いますが、政府はいかにお考えになつておりますか。
  84. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 三宅委員お話はごもつともな節もあると思いますが、私税務官吏の立場として、弁解がましくはなりますが、ちよつと申し上げます。実際問題としてなかなか容易に納税していただけない納税者の方々が、やはり相当あるのであります。従つて税法に従つて税金をとらなくともいい、適当にすればいいということでございましたならば、税務官庁は実に楽でございますが、これは法律従つて適正な課税執行をやるのは当然の任務でございますので、そういう立場上やむを得ずいろいろ強硬な措置をとる場合があるのでございます。従いまして納税者の立場と同時に、そのような点につきましても、なおひとつ御了察願えれば仕合せだと思います。もちろんその際において法律の範囲内においても、著しく実情に反して苛酷にわたるようなことは極力避けて、なるべく納税者の納得の行く方法で税金を納めていただくということに努めるべきでありますし、またそのような方向で運用すべきものだと考えます。なお税金の分納につきましてはたびたび申しておりますように、頭から正式に分納を許可するわけには参らないのでありますが、税金を納める場合に一部を納めていただいてもけつこうであります。ただ残つた分はやはり滯納になるわけで、その残つた分については、加算税等も引続き残つて参りますし、納まる見込みがないという場合には、その分については差押え等もやるということになつて来るのであります。従つて分納という制度は特別にはやつておりませんが、事実上納税者が一部を納められることは、別にさしつかえないことでございます。その点御了承願いたいと思います。
  85. 三宅則義

    三宅(則)委員 今主税局長はたいへん理解しやすいような御答弁をなさいました。そういうことを実際に第一線においてやつていただくことを希望するのであります。私はもう一度御参考までに申し上げて、主税局長の御答弁を承りたいと思う事柄は、第一線においては、一通り更正決定をした金額は、べらぼうであつても何でも納めるという考え方が過去にあつた。今度の改正によつてはそういうことはほとんどなくなつたことと確信しております。が、考えてみると、今までの法律は一方的に戰時立法と申しますか、大体政府の都合のいいようにできておつた。今度民主立法になつた以上は、国民がある程度まで納得し得る線にまで持つて来てもらいたい。こういう意味合いを考慮して、どうか今後の徴税方法等につきましては主税局長の威厳も損じませんように、また国民の希望も達成せられるように、温情を第一線にも示してもらいたいと考えておりますから、もう一ぺんこれに対する御感想なりを承れれば仕合せであります。
  86. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 たびたび申し上げておることで、大体は御了承願えるかと思いますが、もちろん先ほどから申し上げましたように、納税者にはでき得る限り親切な態度をもつて臨みまして、そういうことの説明をし、納税せしめて納税してもらうのが第一だと考えます。ただ一方において実際の相当多くの納税者について、一定期間に更正決定をせざるを得ないような事情がありますのと、他方においては納税者の中にも、残念ながら、何とかして税金を納めるのを遅らせたいという納税者の方々もおられるわけでありますので、やはり税の執行にあたつては、納税者の立場も十分考えると同時に、他方においては法律の適正な執行ということを心得まして、その任務を果すことに努力すべきものじやないかと考えます。
  87. 三宅則義

    三宅(則)委員 第一線のことを申して恐縮でありますが、平田さんも詳しいと思いますが、私どももなお詳しいのでありまして、ちよつと聞いていただきたい点がある。過誤納と申しまして税金を多くとられておる。返すときは非常におそいのであります。御承知のように半年くらいで返せばよい方でありまして、一箇年くらいかかることは間々あります。こういうことははなはだ不見識であります。実は予算がないから拂えないと言つたということを承つたのでありますが、もつてのほかであります。そういうことのないように徹底していただきたいと思います。
  88. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 まことにごもつともな御意見でありまして、私ども極力御趣旨に沿いまして努力いたすつもりであります。なお今回はそういう趣旨の一端でございますが、今回一月から三月分についてはとる方の加算税を負けたのであります。十銭を一齊に四銭に引下げておるのであります。ところが返す分についてそれを下げたらよいじやないかという意見もありましたが、返す分はやはり三月までは十銭を返すということにいたしまして、また法の精神からいたしましても、お話のような態度はおもしろくないので極力十分注意いたしまして、不親切にならないように努力いたしたいと思います。
  89. 三宅則義

    三宅(則)委員 今のお話によつてたいへん政府の御努力を多といたします。かえつて二十銭罰金をとつて返すところは半分返す、これは何年来行われたことでありまして、みんなしみじみ惑ぜられておると思います。それは親心をもつてつておられるということはまことによいことと思いますが、最後にもう一、二点だけお伺いいたしまして、質問を打切りたいと思います。今回の改正を見まして国税延滯金等に関する督励というのは、大蔵大臣の御弁明がありましたし、平田さんの御説明もありまして了承いたしたわけであります。これについてぜひ御考慮を願つておきたいと思います事柄は、この一月からでありますが、この十二月もしくは一月の決算期にかけて決定せられたものがあると思いますが、これに対しても一月にさかのぼつて三月までやる、こういう線であると私は確信いたしておりますが、これについて一応承りたい。
  90. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 もちろんそのつもりでありまして、一月の確定申告に対しまして更正決定をしました加算税については、この規定が全面的に適用になるわけであります。
  91. 三宅則義

    三宅(則)委員 国税延滯金に対する督励等については、まことにわが党の政策を実現せられたものと思いまして賛成であります。今申しましたような事柄はどうか下僚の官吏——税務署長、税務吏員にまで徹底するように、一段と御努力を賜わらんことをお願いいたしまして、質問を打切ります。
  92. 川野芳滿

    ○川野委員長 ほかに御質疑ございませんか。——河田賢治君。
  93. 河田賢治

    河田委員 最近神戸あたりで新聞紙上に出ておるのですが、全然本人の立会いもなしに單に手紙でどんどん差押えをやる。これは国税徴收法の條例から見ましても私は非常に不当だと思います。こういうことは主税局長はどういうようにお考えになつておりますか。
  94. 忠佐市

    ○忠政府委員 国税滯納の場合の差押えにつきましては、財産の種類によりまして、差押えの方法にいろいろ式がございます。動産でございますと、その動産を占有することが差押えの條件になつておりますから、どうしても本人の目の前で差押えを行うことになります。不動産につきましては、登記を嘱託することによりまして差押えをするという建前でありますから、登記所に対して差押え登記の嘱託をし、そのことを滯納者に通知すれば差押えの効果を発生する。ただいまのお話は多分そのようなことをおさしになつたと思います。それで差押えの効力は、差押えをするという通知が滯納者に到達することを必要といたします。従つて差押えの通知が本人に到達しないときは、差押えの効力は発生しないので、私権の保護に対し欠くるところはないと考えております。
  95. 河田賢治

    河田委員 それから災害等の場合に、勤労者は税務署に申告しないわけでありますが、こういう場合に、税務署へ申告して、その結果給與所得から引かれるという手続になるわけですか。
  96. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 勤労者の場合も第三條に全面的に該当するのでございます。先ほど申し上げましたように借家に入つておる場合、家財だけが半分以上損害を受けたときもこの規定の適用があります。その場合にはすぐ申請していただくわけで、調査が完結するまでは一応税金徴收を猶予し、調査が完結してから国の減税の程度に応じて減税して行くことに、法律もそうなつておりますし、実際の扱いもそういたしております。従つて勤労者の場合といえども、それに該当する方々は従来もおそらく相当出してもらつておると思いますか、それが不徹底の場合には、この規定によつて申請を出していただくようにお願いいたします。
  97. 竹村奈良一

    竹村委員 災害のあつた場合でも、過少申告加算税軽減あるいは免除から除くことになつておりますが、この過少申告は二十五年度においては非常に大きな問題になつて来ると思います。大体予定申告は前年第の実績に基いて申告するので、それが二十五年度においては実際そういう価値がない場合でも、今日の税法では適当な方法がないために、それを過少申告だと言われることになると、災害があつた場合に、これは非常に問題になります。その点に対して政府は二十五年度においてどう実施になるか、お聞かせ願いたい。
  98. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 過少申告加算税、無申告加算税等については、前から申しておりますように、一種の民事罰といつたものとして賦課しておりますので、これまで軽減することは、税をかける本旨に反するのではないかということで除いております。従来もいろいろの追徴税については除いていたのでございます。従いましてこの方面までさらに拡張することは、いかがであろうかと考えるのであります。やはり本来の税について、條件に該当する場合にのみ軽減することが穏当であろうと考えております。
  99. 竹村奈良一

    竹村委員 それはもちろんわかりますが、ほかのものは別として、具体的に、二十五年度はこの法で言われる過少申告しか実際は行い得ないと思う。前年度の実績で予定申告をやれと言つたところで、実際それが減收になるのだから、それはできないと思うのです。そういう場合にも過少申告加算税は除外なさるという形になるのですか。二十五年度は前年度の実績でやらなくてもいいという処置を、おとりになる御意思があるか、どうかをお聞きしたい。
  100. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 所得税法で言います過少申告加算税は、全部確定申告の際にかかるのでございまして、予定申告にはこの税はかかりません。ですからお話の予定申告の段階におきましては、それらの問題はないと考えております。
  101. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一つ、差押えされた物品等に対する公売その他の問題に対して、世上ではいろいろ疑惑を生んでおると聞くのです。先般も東京の新聞にも載つてつたのですが、そういう場合に不正あるいは不当なことが行われていないか。差押えをした物件を特定の者に拂い下げたということが、国税庁の中で起つておるということも、この間新聞で見たのですが、そういう不正当なことはありませんか。
  102. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 国税庁のことはよく調査してお答えした方がいいと思いますが、私はまだそういうことは耳にいたしておりません。あるいは微細なことについては若干あるかもしれないと思いますが、公売につきましては、これはもちろん納税者の大事な財産でございますから、極力公正な方法によりまして、納税者に有利に売りさばきまして、税金とするという態度で臨むべきでございまして、いやしくも不正が介在することがあつてはいけないと考えます。もしもそのようなことがございますれば、断乎調査いたしまして責任を問いますと同時に、今後も十分そういうことのないように留意いたすべきものと思います。
  103. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私遅れて参りましたので、質問が重複するかもしれませんので、その点は御注意をお願いいたします。  すでに衆議院を通過しました所得税改正案に、災害の場合の規定があります。それからまた今度災害法律が出ておる。この両方の規定に食い合う、あるいは食い違うことがないか。所得税法の第十一條の三の災害または盗難による資産損失の点と、今度の災害に対する法案の第二條の規定の相違についてお伺いいたします。
  104. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 所得税法における災害による損失のあつた場合の控除規定は、御承知通り相当まともに問題を解決しようということになつておりまして、損害額を適正に査定し、その額を公正な所得金額から控除し、所得税を算定することにいたしております。従つて理想としてはこの制度で行くのが一番いいと思うのでございます。しかし実際問題としては、そこまでやつて適用するのはなかなか困難な場合があろうかと思います。ことに小納税者の場合におきましては、一々損害額の査定がむずかしいという場合もございましようし、むしろこのような簡單な方法で、所得税のある場合におきましては全部を軽減し、他の場合におきましては五割程度軽減するというような方法で片づけた方が、妥当だと認められる場合も相当あるのでございまして、そのような場合におきまして、災害減免法に基きまする第二條の規定の適用を受けることに相なるのでございます。従いましてこの法の規定はどちらかと申しますと、たとえば住宅家財——家財でも半分でも損害を受けたという、こういう外形的な一種の基準で減免しようというわけでありまして、方法は簡單でありまするし、実際問題といたしましても、所得税の救済よりも、この方がはるかに徹底した場合もございまするので、両方の規定によりまして、災害の場合の減免の適正化をはかりたいということでございます。従いまして本法の規定の適用を受けるのは、二條の中に括弧して、「所得税法第十一條の三の規定による控除をしない者に限る。」とあつて納税者所得税法規定による控除を受けた方が有利だという場合におきましては、本條によらないで所得税法規定によることになります。所得が一定以上の所得者の場合におきましては、大体におきまして、所得税法規定による方が有利だと考えられるのですが、主として中以下の納税者におきましては、この法律で簡單に処理した方が、納税者に有利だという場合もあろうかと思います。そのように両方の制度をあわせ用いて、いずれかの方法納税者に選択せしめて、災害の際における減免を適正にいたしたいというのが、両者の関係の主たる点でございます。
  105. 奧村又十郎

    ○奧村委員 両者の場合には、納税者がこれを自由意思で選択してやるということで大体わかりましたが、現在提案されている災害の方の第三條における災害による損失というのは、住宅または家財、その以外にどういうものを含んでいるのですか。住宅家財以外には全然見込まれないのか。その点をお伺いしたい。
  106. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 これは一種の人的な減免でございますので、主としてもつぱら住宅かあるいは家財か、いずれかの損害をもとにして減免した方がいいという趣旨でできているのでございます。住宅だけ半分損害を受けた場合でもよろしい。また先ほど御説明したように、貸家に住んでいる場合におきましては、家財だけ半分損害を受けた場合におきましては、その損害額で厳密に計算いたしませんでも、今申し上げた十五万円以下なら全額、十五万から三十万ならば半額免税という方法で、所得税減免をはかろうという趣旨でございます。
  107. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それでは所得税法の十一條の三におきましては資産となつておりまして、但し「商品、原材料、製品、半製品、仕掛品その他命令で定める資産を除く。」こうなつております。これはそのほかにも、たとえば工場の設備、機械、そういうものもこの十一條の三の中には含まれる。その他いろいろ含まれる。ところが災害の方では非常に範囲が狭い。十一條の三の場合においては、「その他命令で定める資産を除く。」としてあいまいになつておりますので、この十一條の三の場合の、災害を受けて免除になる資産というものを申していただきたいと思います。
  108. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 所得税法で特に商品等を除きましたのは、これらの損害は当然事業所得の計算上必要経費になりまして控除されるのであります。ただ機械とか家屋などは、これは固定資産の損害でございまして、所得税法の計算においては特例を設けませんと、必要経費として控除されることにならないのであります。その意味におきまして、今回新しく規定を設けて、課税所得から控除することにいたしたのであります。この方に対しまして災害減免の方は、むしろその人の人的な要素を考えまして、住宅家財それだけを見まして、それ以外に財産があつて災害を受けてなくてもいいのです。住宅家財について過半の損害を受けている場合においては、それだけの條件で、所得金額の小さいものにつきましては全額減免しますし、中ころの納税者につきましては半額減免しようというのでございます。理論的にはむしろ先ほども説明しましたように、所得税法規定に基いて救済するのが妥当であるのでございますが、しかしなかなか所得税法規定では十分及ばない場合もありまするのと、それから損害の査定等が納税者の方もむずかしいというような場合に、むしろこの減免法に基いて、簡易にしかも納税者に有利に減免する方がいいということが、実際問題としても相当あろうと考えまして、このような法律にいたしているのでございます。なお事業者が持つている機械器具等の損は、これは当然所得税法の損としてそれぞれ処理さるべきものではないかと考えております。
  109. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そこで問題になつて来ますのは、災害被害者に対する租税の方の附則の七項の、法人の場合の資産災害の問題が出て来ると思うのですが、この場合の資産はどういうものをさすのでありますか。やはり第三條の規定のようなことをさすのであるかどうかお伺いいたします。
  110. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 この第七項の規定は、昭和二十三年一月一日から二十四年十二月三十一日までの損害について、特別に負担公平の見地から、さかのぼつて控除する規定でございますが、ここにあります資産の中には、これは法人でございますので、住宅家財というような関係がございませんから、その他の普通の法人資産について、過半を焼失しまたは損害した場合ということに該当するかと思います。
  111. 奧村又十郎

    ○奧村委員 まだありますが、それはまたあとの機会にいたしたいと思います。     —————————————
  112. 川野芳滿

    ○川野委員長 それではただいま議題となつておりまする三法案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  113. 川野芳滿

    ○川野委員長 次に薪炭需給調節特別会計法廃止に関する法律案議題として質疑を続行いたします。午前中に河田君が御要求であつたと思いまするが、資料に対する政府側の答弁を求めます。
  114. 濱田正

    濱田説明員 まだガリ版ができなかつたのですが、東京、大阪、京都、名古屋、福岡の一番大きい所について調べてみました。その五つの県の十二の会社について調べてみますと、それらの会社が政府の資金を流用していると思われる金額は、六千五百六十万円になつております。またこれらの会社が政府に対して支拂わなければならない金、つまり政府側から見れば債権になつている金が六億二千八百万円であります。六億二千八百万円のうちから六千五百六十万円を流用しているのである。さらにこれをもう少しこまかく申しますと、福岡について二社、それが流用していると思われたのが八百五十万円、その二社が政府に対して支拂うべき金が五千七百万円です。それから名古屋について見ますと、三社、それが流用していると見られる金が八百九十万円で、その三社が政府に対して支拂わなくてはならぬ金が一億四千六百万円、それから京都について見ますと、二社、千六百万円を流用しているらしい。政府に拂わなくてはならぬ金が三千三百万円、それから東京について見ますと、三社、千七百五十万円を流用しており、政府に支拂うべき金は一億四千九百万円、それから大阪について見ますと、三社、千四百七十万円、これが政府に対して拂うべき金が一億四千三百万円で、総計しまして、先ほど言いました六千五百六十万円というものをどこかに動かしている。その十二社が政府に拂う金は六億二千八百万円ということになつております。
  115. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、こういうふうに全体を見ましても、一応六千五百六十万円というわずかな金だと考えられますけれども、しかしそのわずかな金にしましても、こういう薪炭特別会計が問題になつているときに、これを流用いたしましてほかの資金にしておく、こういうふうにはつきりわかつたものに対して、先ほどから伺いますと、政府は差押え等はやつておられないようでありますけれども、これは法律的な責任は別といたしましても、少くとも道義的な面から行きましたならば、やはり大きな責任をこの会社は感じなければならぬと思いますけれども、政府の交渉の際において、相手方は一体どういうふうな考えを持つておつたかということを、できましたならば詳細に承りたいと思います。
  116. 濱田正

    濱田説明員 この会社につきましては、その前に御質問政府はいかなる措置をとつたかということを、まず説明する方がいいだろうと考えます。  この十二社のうち八社につきましては、先ほどからも説明しましたように、即決和解の方法でやる。またやりつつあります。これは見通しがついております。向う側から確かに入れますという一札をとつております。それから三社につきましては、これはどれこれということで、あとから逃げられたら困りますから、その三社につきましては、最後の手段として差押えて行く、こういうふうに考えております。残りの一社につきましては、相手方のバツクになる団体が非常に大きな団体でありますので、その団体に債務を引受けさせるというやり方で今交渉中であります。  そこで今竹村委員の御質問になりました点の、こういう人たちがどういう気持で政府の金を一時流用したかということは、われわれもまた追究しなければならないわけであります。原則は政府からの金は、小売からとればもちろん政府にすつと拂い、あるいは銀行から借りてでも政府に佛つてもらうということでなくてはならないのでありますが、なかなか銀行から金も借りられない。そうかといつて産地側から荷を引かぬでおれば、商売にならないというので、やむにやまれずやつたので、必ず納めますからということは言つておりまするだからそこを利用して、それじや何月何日までに幾ら納めるのかというのを追究するやり方で、追い込んで行つているわけであります。
  117. 竹村奈良一

    竹村委員 それでは一つお伺いいたしたいのでありますが、現在までに大体清算されました過程におきまして、たとえば実際に薪炭がないのにもかかわらず——ないといつてはおかしいが、一応問題になつたやつで、なかつたものについて金がやられる。それをまた政府の方で一応回収されて、清算はついていると思うのですが、そういうふうな清算はついているといたしましても、そういう事故のあつたものは一体何件ほどで、その総額は幾らくらいであつたかを伺いたいと思います。
  118. 濱田正

    濱田説明員 御質問の何者に金を拂つた、言いかえれば、物がまだできていないのに代金を拂つたというものを調べてみますと、金額にして、これを木炭、まきをそれぞれ換算しますと、約二千五百万円というものが、現品が未清算であるのに、代金を支拂つたものということになつております。そういう事犯がどのくらいあつたかといいますと、この前の委員会で差上げました表にありますように、大体従来の買上げ方法が山の奥で買つております関係上、大なり小なり大がいの県に出て来ているということであります。それで現存それが事件になつておりますのは、私が聞いたところによりますと、先ほども申したように、受入れ調書という制度を偽造してやつたのが五、六件で、あとは現物で補填させるなり、代金で回收させるなり処置したわけであります。
  119. 竹村奈良一

    竹村委員 大体わかるのですが、今おつしやいました二千五百万円は、清算はついているものでありますが、私の特に聞かんとするところは、現在清算はついておつて政府の方に被害もなくて、代金は返つているのでありますけれども、しかし一時ないものだ、ないのにあるというような形で一応金を拂つたというのが二千五百万円ですか。
  120. 濱田正

    濱田説明員 そうです。
  121. 竹村奈良一

    竹村委員 そうすると、たとえば三重県で問題になりました千万円というのは、あの当時返つたという報告があつたのですが、その千万円も入れてそうですか。
  122. 濱田正

    濱田説明員 三重県の問題につきましては、現地を調査してみたわけではありませんので、その金はわれわれとしては未清算であるにかかわらず、それを拂つたという中には——といいますか、そういうふうに思つておりませんから、これには含まれておりません。
  123. 竹村奈良一

    竹村委員 それではもう一つお聞きいたしますが、今のはたとえば三重県の方は現品があるかないか現地で調査したことがないから、現品のないものに金を拂つたという部類には入つていないというお話だつた。従つて現品があるのかないのかわからぬというよりも、むしろ現品があつたとして一応金を拂われた。そして現品として受取らないで、金の額だけで回收された総額というのは、たとえば三重県の一千万円のような性質の金は、一体何ぼくらいあつたか。
  124. 濱田正

    濱田説明員 まずやり方を申し上げますと、あの調べは二十四年五月ころから始めたのでありまして、その時分はまだ特別会計が運用をしておつたわけです。そして特別会計が運用しておる間は、現品で出せという方針だつた。それから運用がとまりますと、それは現品でもらつて特別会計はもうとまつたので、あと清算に入るだけでありますから、かりに現品で納めます。と言つても、それは困る、そんなものをもらつてもしかたがない、だから金で納めてくれ、こういうやり方でやつておつたわけです。そこでその中で現物不足薪炭処理状況というところに書いてありますが、現物補填で出したのと、弁償金で徴收をしたのと、こういうふうに先ほど説明したように三段にわかれて来るわけであります。これで弁償金で徴收したうちにも、これは資料として内容的にそうこまかくわけておりませんが、現品がないにもかかわらず金を拂つたもの、それが一つ。それからもう一つは、前回も説明しましたように産地において生産団体から買つて、その産地の消費地へ運ぶ。この場合生産団体が政府の輸送代行機関になつたわけです。ところがその生産団体が輸送したかせぬかわからぬ。ほんとうはしたのかもしれぬ。ただしたという証拠を持つていない。そういうものは証拠がない限りは弁償金でとつて行くんだ。こういうやり方でやるというのと、三つがこの弁償金の中に入つておるわけであります。それで大体不定薪炭というのがわかりましたのは、六月の終りごろでありますから、特別会計は八月にとまるまでの間に実はまた一月あつた。一月の間にこれは非常な推定を入れまして、事務的にいろいろ聞いた上での判断をいたすわけですが、五割程度までは現品で取入れたもの、その残りのものは不足したときからの金利をつけて、金でとるということで処置しております。
  125. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいまの点でございますが、ここに現物不足処理状況で二十五年三月末日現在ということになつております。たとえば木炭で現物補填の二十一万三千五十一俵、これは三月末現在でありますが、大体いつからいつまでの間ですか。それと弁償金徴收でこれは俵に換算して七十五万五千二十三俵というものが出ておりますが、現物補填の場合これを金額に換算したものは幾らになりますか。七十五万俵は幾らで弁償金を回收したのか。
  126. 濱田正

    濱田説明員 まず木炭について申しますと、現物補填が三千六百万円であります。それから弁償金の徴收が約六千万円、この六千万円の中には先ほど言いましたように、いわゆる空気木炭というものでなくして、物は買つたのだが、産地の中で他の場所へ動かすときに、生産者団体が確かに卸に渡したという証拠のないものが入つたわけであります。
  127. 田中織之進

    田中(織)委員 これは二月末現在でありますが、金額にして二千六百万円、現物補填、弁償金の徴收が六千万円、金額にいたしますとそういうことになつておるのでありますが、これはいつから三月末日までの間に処理されたものであるか。
  128. 濱田正

    濱田説明員 これは特別会計が八月一日をもつてとまつたときからであります。現物補填については六月ころから整理を始めましたから、その辺から入つております。
  129. 田中織之進

    田中(織)委員 それは今回特別会計法を廃止するにあたりまして、結局未收金その他の関係がある。同時に薪炭証券の未返済の関係があるが、その間で何か従来処理会計の項目にそういう金額が計上されておりますか。
  130. 佐木義夫

    佐木説明員 差上げてありますところのバランス・シートの中には回收したものが入つております。
  131. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一つお聞きしておきたいのは、薪炭の運搬費の問題で各運送会社との間に問題があるように聞いておるのですが、この問題の処理状況等を一応聞きたい。
  132. 濱田正

    濱田説明員 運送会社との問題はたとえば発地で十俵積んだ。着地へ来て八俵しかなかつた。あと二俵が未着である。この典型的な例は日通です。もう一つは発地で「堅」という銘柄のものを積んだ、それが着地に来て、「雑」だつたというのが一つあります。そうすると発地で「堅」というものを積んで、着地に来て荷札に「堅」というふうに書いてあつたら、これははつきりしております。もう一つ今度はややこしくなつて問題が起きておるのは、発地で「堅」を積んだ。しかし荷札も何もとれてしまつて、着地に来たら「雑」になつてしまつた。これが運送人の責任なりやいなやという点が、契約條文でははつきりしておるようで、していないような点があります。この点について日通との間に折衝を重ねておるわけであります。
  133. 竹村奈良一

    竹村委員 そういうものについては、もちろん折衝中で問題は解決していないと思いますが、しからばそういう点も、やはりこの清算の部面においては、これはわからぬですけれども、都合によれば政府の方で負担しなければならないものも出て来ると考えるのですが、そういうような点、それからもう一つは、大体政府が保管を委託された倉庫におきまして現物が不足しておる。これの不足を現在清算中で、調査されておると思うのでありますが、これは全国的に見て現物の不足したものは、数量は大体どのくらいありますか。
  134. 濱田正

    濱田説明員 今の問題は説明がなかなかややこしいのですが、現品が、何といいますか、政府側の見方と相手方の見方と違うのですが、政府としては金を出して買いますと、これはあることになつております。そこで現場に行つて調べてみてなければ、これは昔はあつたのかなかつたのか、それは問題にせぬ。とにかくない。だからそこで責任をとるべきだ、こういう言い方になるのです。そこでそれをこの前の国会でも報告しましたように、項目にわければ、一がいに現物不足と申しますが、内容的に見れば、いろいろと相手がない、ないのはどういうわけだとたぐつてみれば、まだ山に木があつたというものもあるし、確かにそれは受入れましたが、水難にあつたとか、あるいは盗難にあつたとかいうことで、なくなつたとか、こういう数字別にわけて前回の国会に報告したのでありますが、それを今の御質問の点だけについて申し上げますと、保管をしておつたがなかつた。政府側から見れば、金を出したのだからあることになつておる。内容を検討すれば、初めからなかつたものと、あつたけれどもなくなつたものと、こうありまして、初めからなかつたというのは今説明しました二千五百万円程度のもの、それから保管中に減耗したとか、あるいは盗難にあつたとか、火災にあつたというものが、前回の報告で申し上げますと、一億四千百万円ということになつております。
  135. 竹村奈良一

    竹村委員 この一億四千百万円の現物が倉庫にあつて、それが盗難とかいろいろなことにあつてなくなつておるということについて、われわれの聞いておるところにおきましては、大体これの不足したあるいは盗難にあつたということの証明は非常に濫発されておる。しかも木炭統制の声が聞え、あの問題が起つた面前直後に、いろいろな形において、今まで政府から預かつておつた薪炭会社、卸が政府の保管のものを、これは何ぼ不足した、あるいは二千俵とか三千俵とか、簡單に出先の人の判を使つて、そうして不足分に切りかえたというようなうわさを聞いておるのです。また現実三、三私は知つておるのですが、これについて政府はどういう責任をとられたか。またその不足分は、実際には不足しておらないものを、そうした場合にはどういうような措置をとられたか。
  136. 濱田正

    濱田説明員 これは先ほど来の御質問通り、前からのものでなかなかその実態はつかみにくいのです。それでこういうような手を使つたのであります。相手方の帳面——相手方も帳面を持つておりますから、その帳面で、相手方が確かに不可抗力でありましたという申請をして来て、会計検査院で免責されれば、われわれの帳面からも落ちるし、相手方の帳面からも落ちる。それは問題ない。そこで今度は、政府の帳面は向うが言うて来ぬ限りは載つておる。相手方の帳面にはもう政府の方に申請したから落ちておる。こういうものもあるのです。そこでその申請したというものは、それは昔のものだからそれを出してみろ。急ごしらえのものと昔のものとは私の方でよくわかじます。もし急ごしらえのものだつたら見ればわかります。それで相手方に出させた書類を検討して、そこに不可抗力があるかどうか。つまり作為的に連中が急ごしらえでつくつたのかどうかという点を検討しまして、さてこれをどうするかというところに次に入つて行くわけであります。これが不可抗力であるかどうかという判定は、基準としてはその程度しかありません。事実昔にほんとうになかつたのか、あつたのか、これは事実問題で見た者でなければわかりません。そういう書類が作為でなく、前にあつたということが残つておれば、おのずからそこに一応の基準が出て来ますから、それについて折衝をやつておる、こういうやり方であります。ただ途中で高知から大阪に来るときに、船が沈んでしまつたというものははつきりしますが、倉庫に入れておるときに火事があつて燃えたというのは、燃えたという事実はありますが、それが十三俵燃えたのか、十八俵燃えたのかということははつきりしません。そこで証拠資料を集めながらきめて行く、こういうわけであります。清算事務の進行として非常に困難な点は、そういう点にあるわけであります。
  137. 竹村奈良一

    竹村委員 そういう苦心の点はわかりますが、実際問題としてだれが見ても、炭というものは、まきであつたら別でありますが、そう大量なものがなくなる道理はない。ところが地方によつては一千俵も欠損に見てもらつたとかいうことをよくやつておるのです。それは大体昨年二十四年度の一月からの分が、非常にややこしいものがあるわけですが、そういう点でよくお調べになつて、その責任を追究された計数などがありましたら、お聞かせを願いたい。
  138. 濱田正

    濱田説明員 調べてみますと、二十一年ごろからのものがだんだん出て参つておりますが、その中に犯罪があるのかどうかということは、ちよつとわれわれ清算担当者としては、なかなかそこまでやるという能力もなし、そんなことをやつておつたら本物の清算ができなくなりますので、そういう能力はありません。むしろそれぞれ専門の方でやつてもらわないと何ともならない。専門の方でやつてそういう証拠を出してもらえば、われわれが清算するのには便利です。何でもかんでも出たではないかと言つて追つかけて行つたら便利ですが、われわれ自身がそういうものをつくり出してやるというのは、ちよつと能力が足らぬわけであります。
  139. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一点だけお伺いしておきたい。たとえば地方において木炭事務所等が建てられているわけです。そうしてそういう事務所の、たとえば机とか器具というものがつくられております。しかし予算面その他を見るとそういうものがない。ところが一応できておる。これを調べますと——どんな形でできておるか知りませんが、とにかくできておる。こういうようなものが清算される場合に、やはりこれは国家の財産として処分されるのですか。それともこれはどういうふうに処分されるのですか。
  140. 佐木義夫

    佐木説明員 木炭事務所にあります器具、機械は、一応保存費として台帳に載つております。これを処分するときには、やはり公売に付しまして、公平に処分したいと思つております。なおいわゆる予定価格につきましては、財務当局の方面と連絡をとりまして一応の予定価格をつくつてもらいまして、それでやりたいと思つております。
  141. 竹村奈良一

    竹村委員 いや私はそれを聞いておるのではない。それは当然そうされるのがあたりまえなのですが、大体これは、当然国の予算で買つてないのです。予算にないのです。もちろん予算にないものを、たとえば建物とか器具というものを清算するにはどうやるのか。これはそこにからす木炭があるのかどうか知りませんが、とにかく忽然として予算にない器具がつくられた場合、これは国家のものでないと思うのです。また建てるときには木炭事務所として建つておる。その金は国の予算から出ていない。こういうものは国家のものとして処分されるか。あるいはこれをどうされるのか。それはどういう形になりますか。
  142. 佐木義夫

    佐木説明員 木炭事務所は、いわゆる国でつくつたものか、それでなかつたら借り入れたものかどちらかになつております。所属がはつきりしております。もし借りたものなら返す。それでいろいろ経費不足の関係で、国の経費でいわゆる家を建てることができなかつたところが相当あります。これは関係の方につくつてもらつて、それで借りているのが普通であります。これは木炭事務所廃止と同時に、借りた方にお返しするということにしております。
  143. 竹村奈良一

    竹村委員 まあそれはこれ以上お尋ねしませんが、そういう場合にそこに空気木炭とかいうようないろいろな問題があるわけです。そうして関係者にお返しになつて、これはあとで刑事問題になるのでしようが、その建物、器具そのものは返す。しかし事実その出た金というものは、空気木炭で国家の金であつたということになると、はなはだ私は国民として迷惑です。こういう点も清算のときには十分注意されて、清算されんことを望んでおきます。これで終ります。
  144. 川野芳滿

    ○川野委員長 田中織之進君。
  145. 田中織之進

    田中(織)委員 ほかの諸君から質問があつたことと重複するかもしれませんが、若干お伺いしておきたい。まず根本的に、この特別会計法を廃止する法律案提出されたのでありますが、提出理由の中にありますように、この三月末をもつていたしましてもこの特別会計の清算が完了しない。それにもかかわらず、この三月末でこの特別会計法を廃止すると言われるのでございますが、これは廃止いたしましても当然一般会計へ引継ぎになることはわかつておりますけれども、これは清算完了をするまで事実上機能を停止しておるのですから、この法律を置いておいてもわれわれはさしつかえないと考えるのですが、三月末でこの特別会計法を廃止しなければならぬという積極的な理由はどこにあるか。御説明を願いたいと思います。
  146. 川野芳滿

    ○川野委員長 ちよつと、大蔵省の政府委員をすぐに呼びますから、あとで御答弁させます。
  147. 田中織之進

    田中(織)委員 それから次にお伺いしたいのは、年末にいわゆる生産者に対する未拂い金をどうしても拂わなければならぬという関係で、第六国会審議未了になりましたいわゆる一般会計からの五十四億七千万円の繰入れの法律を、年末のあわただしい議会であなた方は與党の多数の力をかりて押し通したのでありますが、この五十四億七千万円の支拂いの明細をこの際伺いたいのであります。
  148. 濱田正

    濱田説明員 五十四億七千万円は十二月十七日に参議院を通過しまして、二十日に法律公布、ただちに施行、その日に金が入りまして、その日から金の支拂いを始めたわけであります。そうしましてさつそくその日に生産者に対しましてキヤツシユで十三億支拂いを済ませて、残りの四十三億七千万円というものを日本銀行に全部繰入れたわけであります。そこで生産者の関係でありますが、この法案を出したとき現存では約三十億あつたのであります。それで通過するまでの間に二億拂いまして——一般卸からの収入で三億拂いまして、同時に通過したときにあつた收入で一億拂いまして、それからそのときに、生産者に対してこちらの支拂い分もあるが、生産者からももらい分があるというのが五億ありまして、その分は拂つた、もらつたという相殺の関係で解決したわけであります。
  149. 田中織之進

    田中(織)委員 手元にいただいておる資料の中で、十二月はなるほど商品費で八億五千八百五十万七千三百五十七円拂つておるわけであります。これは十二月中の合計でありますが、そういたしますと、ただいま生産者にキヤツシユで十二億拂つた。これは五十四億七千万円という一般会計から繰入れの中からの分であります。そのほかに通過するまでに一億、通過したときの收入一億、それで十五億、それから相殺分五億ということで、二十億を年末に拂つているということで一応つじつまが合うのでありますが、この支拂い状況の資料の中にありまする点で、この商品費というのは当然生産者に対する商品のいわゆる未拂い代金の支出であると思うのであります。そういたしますと、キヤツシユで五十四億七千万円のうちから拂つた分からいたしましても、まだ少いのであります。ここにいろいろの費目がありますが、大体生産者に行つたと思われる費目はどういうものを集めたものが、今言うような総計に相なるのでありますか。
  150. 濱田正

    濱田説明員 生産者に拂う分は商品費はもちろん、それから生産者団体、全販連、あるいは薪炭生産の企業者の団体とか、森林組合とか、そういう団体が政府に荷物を取次ぐときは、取次ぎ手数料がいるわけであります。それから県内の輸送の分は、同じく生産者団体が大部分政府の輸送代行をやつておりますから、運賃がいります。商品費と手数料と運賃が広い意味における生産者に対する支拂いの分ということになります。
  151. 田中織之進

    田中(織)委員 私その次にお伺いしたいと思うことは、たとえば十二月に運搬費が四億五千八百二十六万円支拂われておるのでありますが、これは運搬費の未拂いを拂つたということに相なるのですか。
  152. 濱田正

    濱田説明員 そうであります。
  153. 田中織之進

    田中(織)委員 どうも十二月にこの法律審議するときに承つたのとは、多少説明がかわつて来ているように考えるのでありますが、その点はしばらくおくといたしまして、生産者に対する未拂金は、商品費の中に一月に一億二千五百万円、二月にも二千三百九十万円というものが出て来ておるのでありますが、われわれはあわただしい年末議会で五十四億七千万円を出すのについては、どうも政府の心組みでは日本銀行へのいわゆる薪炭証券の返却が主であるということで、その意味で実は第六臨時国会においても、われわれ野党の力によつて参議院で審議未了にしたのであるが、それもやはりこの説明によりましても、証券の償還に十二月に四十三億七千万円という多額を拂つておるということは、どうも国会に対する政府の不信行為の一つの現われであると私は思うのであります。実際に拂つてしまつておる現在、かく申し上げることはぐちになりますから私申し上げませんけれども、そういう点はわれわれ国会側といたしましては、政府の不信行為に対しまして、きわめて遺憾であるという意を表明しておきたいのであります。  次にお伺いをしたいのは、提案の説明の中に、借りかえ証券の償還財源に充てるために、証券を発行することができることにしたということになつておるのでありますが、この借りかえのために二十四年度において新たに発行する証券というのは額は幾らですか。またこの証券はいかなる権限に基いて発行されるのであるか伺いたい。
  154. 濱田正

    濱田説明員 先ほどの点について少し補足的説明を申し上げた方がいいと思います。まだ一月、二月も商品費があるではないかという点で、生産者に対する支拂いよりも日銀に対する支拂いを急いだということのようでありますが、あの五十四億入つたそのとき現在において、生産者から請求があつた金額は全部支拂つたのです。それからその前も先ほど言いましたように二十億の生産者に拂うものがあつた。それから国会を通るまでの問には期間がありますから、それまでの間に卸から入つたものを何をさしおいても生産者に支拂つておいて、法律が通つたときには、そのとき現存の政府の生産者に対する支拂い分は全部支拂い、一月、二月も逐次木炭事務所を通じて請求のあつたものは、何をさしおいてもそれを優先的に拂つて行くというやり方をしておりまして、五十四億入つたあの瞬間においては生産者に全部支拂い、それからそのあとに出て来たものはすべて優先的に生産者に拂つた、こういうやり方をやつておるわけであります。
  155. 川野芳滿

    ○川野委員長 ただいま主計局法規課長佐藤一郎君がお見えになりましたので、先ほどの田中委員からの質問に対する答弁をいたさせることにいたします。
  156. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 今の田中さんの後段の御質問でございますが、おつしやいますような点がございますので、今回これに関する法律の第三條によりまして、借りかえ償還の証券を発行することができるというような権限を頂戴する。これはただいま提案の第二條であります。  それから先ほど御質問がありましたそうですが、なぜ薪炭需給調節特別会計法を、急に廃止しなければならぬかという御趣旨だつたと思います。これは本国会の当初に、この特別会計に対しまして繰入れを認めていただくという法案を、御審議願つたわけでありますが、その際にいわばすでに今回の廃止というものを予定して、繰入れをするということを御説明申し上げ、かつ御承認願つたことと思つております。御承知のように昨年の七月末に薪炭統制の骨格は廃止されたわけでございまして、それ以後本特別会計といたしましては新たなる薪炭買入れを停止し、すなわち新たなる業務を一切停止したわけであります。その後におきましては、過去の清算的な仕事だけをして参つたのであります。従いましてもう本来の業務というものは一切なくなつてしまつたわけでありますので、当初の予定通りにこの年度末をもつて廃止したい。あとに残りますのはただ清算の仕事だけということになるわけであります。
  157. 田中織之進

    田中(織)委員 清算の仕事が残るのでありますから、清算の仕事が完了したあとで、事実上この会計の実態がなくなるならば、法律というものがこれはかりに残つてつても、私はさしつかえないものだと思う。それに清算事務が残つているし、もちろん年度内の償還の意味において、新たに出す法律の二條によつて借りかえ証券発行の権限も、政府は持とうとするようでありますが、そういうことがこの特別会計法の廃止等に関する、私がいつも指摘するように、きわめて行政当局のずるいやり方で、特別会計廃止するという法律の中に、あとに尾を引くような條項を入れることは、最近の行政官の非常に立法技術上の拙劣さを物語るものであり、ある意味から見れば国会を愚弄するようなやり方でありますが、そういう法律をつくつて、まだ清算事務に関する問題が残るとすれば、何もこの法律廃止しなければならぬ理由はないと思う。清算事務が完了した後においても、私はこの法律はもう実態がなくなつて清算事務も完了したのだから、この法律はあつても何らの意味をなさないという意味において、次の臨時国会あたりに廃止法律を出してもおそくはないと思うのであります。この法律をこの年度末で廃止しなければならぬという積極的な理由は、ただいまの御説明で私理解できないのでありますが、いかがですか。
  158. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)政府委員 田中さんのおつしやいますように、これは考え方でございますが、政府といたしましては、できるだけすみやかに清算の事務を促進いたしたい。それからまことに遺憾な点ではございますが、どうしても当初の予定のように年度内に完全に清算を完了することは、いろいろな関係でできませんでしたが、しかしながら残つております清算事務というものの規模は、従来のものとは違つて非常に小さくなつております。すでに予算におきましても、そういう建前のもとに一般会計にその清算事務を引継ぎまして、それに必要な経費を上せておるようにして御審議を願つたわけでございます。先ほどから説明が別にあつたと思いますが、木炭事務所等もすでに九月にはなくす予定になつておりまして、いずれにいたしましても、清算事務は従来のものと違つて非常に小規模なものであり、年度半ばにおいて完了するという見込みが現存においては立つておるわけでございます。一つ特別会計というような規模のものを特に残す必要がないという考えのもとに、こういたしたわけでございます。
  159. 田中織之進

    田中(織)委員 その点はどうもわれわれ釈然とできないのであります。われわれはこの特別会計廃止いたしまして——事実上現在廃止されておると同様でありますが、そういう状態のもとにおいて、去年の年末からことしの一、二月へかけてのいわゆる冬季における木炭の需給関係がどういう実情であつたか。政府は木炭の需給関係が非常によくなつて薪炭に対する統制は必要がなくなつた、かように申しておりますけれども、ことしの冬は比較的暖かであつたから、政府のいわゆる無計画に統制廃止するということの何が、自然的な條件によつて幾らかはカバーされておりましようけれども、消費者が入手した木炭が幾らになつておるかということを考えてみますならば、われわれは政府がこの特別会計法を廃止すると同時に、薪炭統制廃止した後の対策を考えずに、消費者に少からぬ犠牲をかけているという点についても、これは政府当局として反省しなければならぬ点だと私は思う。現にわれわれ議員に一、二、三月一俵ずつの炭は配給されておるけれども、それがわれわれの手に入るときには一俵幾らについているかということを見ましても、なまなましい事実だと思う。そういう状況にあるにもかかわらず、また清算事務の中途においてこの法律廃止するということには、どうもわれわれ貧乏人の立場からあるいはひがみかもしれませんが、納得できない。しかしこれを特別会計において処理するという場合に、私がこれからお伺いする点にかかつて来るのでありますが、三月末で十八億五千三百三十三万七千七百八十五円の未收金がある。このうちで一体どの程度のものが確実に回收できるとお考えになつているか。このことにも関係するので、一般会計へ入れて清算の結果、結局これこれの穴が明いたからということで、すでに昨年末に五十四億七千万円一般会計から繰入れするものは、これは薪炭特別会計における赤字を国民の血税によつて補填するのだということで、われわれは反対したのですが、現実にやはりこの法律が出て参りまして、政府から提出されておる資料を見まするならば、国民の血税によつて薪炭特別会計の厖大なる赤字を穴埋めしたということが、政府提出資料によつて明らかに示されている。それがこの特別会計法を廃止して一般会計にこれを置いて処理するという形になると、清算事務の結果最後に必ず赤字が出て来ると思う。その赤字はどういうふうに、どの程度までをあなた方は見込まれておるか。それはまたどう処理するおつもりであるか。この際承つておきたいと思う。
  160. 佐木義夫

    佐木説明員 お手元に差上げてあります收入未済の十八億五千万円、これは調定済みの金額であります。一応告知書を発行いたしたものであります。これは十分とれる自信があると思つております。これも早急にやりまして、あるいは三月末までに納めよとか何とかいうことになりますと、なかなかこれだけの金は入らないのでありますが、少し時間をかけましたならば、これだけは確実に入るものだと思つております。なお昨日からも御説明申し上げましたように、今法的の手続もしております。あるいは即決和解の執行をやり、あるいは非常に悪質のものについては、いわゆるもつと強行な手段をとるということにしておりますから、十分この金はとれるものと確信しております。
  161. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいまの答弁からいたしますと、そうするとこれを一般会計清算事務を移しても、清算の結果赤字が出て、結局それを一般会計の中でやりくりをするということによつて、この特別会計法を廃止するというねらいがあると、私はにらんでいるのでありますが、そういう清算事務の結果赤字が出て来ない。ここに三月末の貸借対照表にありますように、四億五千六百四十四万円、これだけの黒字は一応計算上の数字であろうと思うのでありますが、出るという御確信があるわけですね。
  162. 佐木義夫

    佐木説明員 ただいまお話通り私は四億五千六百万円の黒字が出て来る。いわゆる五十四億七千万円の繰入れをやつていただきましたから、純赤字は五十億程度になるのじやなかろうか、こんなふうに考えております。
  163. 田中織之進

    田中(織)委員 そこでこの資料の二月末の收入未済の十八億五千万円の内訳がございますが、卸売業者の十四億八千九百八十七万円、これは大体件数にしてどのくらいになりますか。各府県の卸売の会社等の問題だろうと思うのでありますが、一番大きな金額を持つているものの明細な資料を、後ほどでよろしゆうございますから出していただきたいと思います。調定済みのものであるということでありますならばわかると思うのでありますが、この十四億八千九百八十七万円というものは、件数にするならばどれだけ、最高の未收を持つているのはどこの府県の何という卸業者であるか。そういうような十四億八千九百八十七万円の明細の資料を、後ほどでよろしゆうございますから出していただいて、一応最高額は何億くらいのところがあるか、件数にしてどれくらいあるか、お答えを願いたい。
  164. 佐木義夫

    佐木説明員 ただいまここに資料を持つて来ておりますが、ごらんの通りこういう厚いものであります。後ほど要求の資料を提出いたしたいと思います。
  165. 田中織之進

    田中(織)委員 その資料の中の十四億八千九百八十七万円の中で一番未拂いの金額の大きなのはどこで、幾らになつておりますか。
  166. 濱田正

    濱田説明員 一番大きいのは、これはやはり大都会でありましで、東京では東京燃料株式会社、これが八千五百万円、それから名古屋におきましては、名古屋に中部日本林産会社というのがありまして、これが六千万円であります。それから大阪では大阪燃料荷受株式会社というのが五千九百万円、これが一番の大口であります。
  167. 田中織之進

    田中(織)委員 今日の金融工作の状況におきまして、ただいま読まれた東京燃料株式会社の八千五百万円、名古屋の中部日本林産株式会社の六千万円、大阪の大阪燃料荷受株式会社の五千九百万円を見ましても、われわれはそうたやすくどういう資本金でどういう支出内容の会社であるべきか存じませんけれども、あなた方が楽観しているようには行かないのではないか。われわれはそういう点を心配するのでありますが、これはすでに五十四億七千万円というものを、国民の血税によつて補填しておるのでありますから、あなた方はその未收金の回收にあたつては、これは非常な努力をしなければならぬ重大責任があることを指摘しておきます。  次にこの收入未済のうちで閉鎖機関が六千九百四十三万円、その他四千四百九十八万円となつておりますが、これの明細は、たとえば閉鎖機関はどういうものがありますか。お手元にある資料でおわかりならばお答え願いたいと思います。
  168. 濱田正

    濱田説明員 閉鎖機関はこれは卸の閉鎖機関でありまして、二十二年の末に燃料配給組合というものがありまして、それが卸小売一本にした一つの独占機関を構成しておつたわけであります。これが閉鎖になりまして、それに対する金であります。これは各県にあるわけであります。それからその他の分は政府が卸を通じないで直接消費者配給した分、こういう関係であります。
  169. 田中織之進

    田中(織)委員 この閉鎖機関は、いわゆる燃料配給組合で卸小売を一本にしたものが閉鎖機関になつたことは、私承知しておりますが、こうした約七千万円の未收金の回收がいかに容易たらざるものであるかということも、先ほど私が申し上げた一般の場合と、それから私はより以上のものを考えさせられるのであります。その他は政府が直接消費者配給するものというのであつて、それが四千四百九十八万円というのですが、たとえばそれはどういう場合ですか。
  170. 濱田正

    濱田説明員 こういうやり方をとつたのであります。閉鎖に二つ話があります。閉鎖機関当時、直接閉鎖機関に政府が物を渡したら閉鎖になつてしまつてあとどうなるかわからぬということになると大事になるから、まず閉鎖機関になる会社が前金を持つて来るならば、その分だけは渡してよろしい。その他の分は、政府配給をとめてしまつておくかということになると、そうも行かぬというので、政府が直接配給せざるを得なかつたというのが一つあります。それからもう一つの分は、これは特別会計事業停止のときに、政府が持つておつた手持のものがあります。産地が今問題でありますが、手持のものがある。これを元持つて来た集荷業者に売りもどすというか売り拂う。ところが相手の集荷業者は金がないからとても買えない。集荷業者の單位団体ならば買つてくれるというので、それじや売れないからしかたがないから、單位団体にそれぞれこまかくわけて売ろう、こういう売り方でやつたというのと二つがあるわけであります。
  171. 田中織之進

    田中(織)委員 どうもその点わかつたようでわからぬような御説明で、いろいろ集荷並びに配給機関があつたようですが、政府が直接消費者配給したものは金四千四百九十八万円であります。しかしとにかく腕ききの執達更でも向けない限り、これは回收できないではないかとわれわれは心配するのでありますが、せつかくあなたたち努力によつて取立ててもらいたい。その次にこれは数量で出ておるのでありますが、現物不足薪炭処理状況の問題であります。二段目にその他帳簿から減じた数量ということで、二百六万七千六百十五俵というのが木炭で出ております。さらにその下に、その他帳簿から減じた数量の内訳が出ておるのでありますが、それは戦災処理をなすべきもので、処理未済で残つたもの、これも数量は大きいのでありますが、一番最後の受領証が着地より遅れたり、途中紛失したものが判明し、到着したものが帳簿上から減じたということでありますが、これが現物不足の薪炭処理するということにどういう意味合いからなるのでありますか。ちよつとわれわれ理解できないのであります。
  172. 濱田正

    濱田説明員 この現物不足の原因の中で書き出してありますように、輸送中のものという項目があります。つまり昭和何年からずつと汽車に載つておるということが帳面に載つておる。こういうことはないのでありますが、なぜそういうものが帳面に載るかと言いますと、前回御説明しましたが、一例を言いますれば岩手なら岩手から東京へ送るというので、帳簿組織が岩手から東京へ百トン送つた場合は、百トン送り出したということになつて証明書に載つておるわけであります。そこで東京から百トン受けましたと言つてくれば、岩手の帳面が落ちる。東京から受取つたという帳面が来ない限りは、汽車に載つておるというりくつになるわけであります。そこで極端な例を言いますれば、岩手から東京へ百トン来た、卸に売つて金は着いた。しかし岩手の方には着いたという帳面を送つたけれども、途中でなくなつた場合もあるし、送らなかつた場合もあるし、その場合には二重に出て来る。岩手から見れば輸送中というので現物不足が出た。それをだんだん追究して行きますと、政府もこれを処理されておるものをまだよくわからぬものだから、輸送中ということで帳面上の現物に残つた、こういう形になるわけであります。この点はいわゆる空気木炭と違いまして、帳面上の現物残というものであります。
  173. 田中織之進

    田中(織)委員 非常に苦しい答弁のように見受けるのでありますが、現物不足というのは読んで字のごとくわれわれは解釈をしておるのでありまして、そういう点からなるほど一つの現物不足の処理のうまい方法だと私思いますけれども、われわれはこうしたところにも薪炭特別会計をめぐるところの疑惑を、ますます深めざるを得ない点があるのではないか。なるほど帳簿の上に現物としてこれだけある。しかしそれが実はこういうような行き違いで帳簿の上に残つてつたのだということで、帳簿の上に残つておる現物残をそれだけ差引けば、現物不足が非常に——非常にというか、とにかくそれだけ少くなるという形でありますから、一応つじつまが合うかつこうでありますが、どうもこれは毎年度たなおろしをやつておらないという大きな欠陥もございますけれども、何年も木炭が汽車の上に載つておるというような、そういういくらお役所の帳簿組織なり連絡が悪いにいたしましても、どうもわれわれはそういうことは常識では理解できないのであります。しかしこれをさらに詮議立てはいたしません。考査委員会で今やつておることでございますから、おそらく何らかの結論が考査委員会で——これがほんとうに国会の権威ある機関である以上、公正なる結論を出すことと思うので、これ以上はこの機会には追究いたさないことにいたします。  なお最後に、佐藤君が中座されたようでございますけれども、この法律の意図せられる二十四年度において、いわゆる借りかえ証券の発行をすることができるように規定しておるということでございますが、大体借りかえ証券は幾ら発行する予定でありますか。
  174. 佐木義夫

    佐木説明員 ただいまのところは九億くらい借りかえいたしたいと思います。
  175. 田中織之進

    田中(織)委員 九億借りかえのために証券を発行いたしまして、それは大体いつまでに償還するつもりでありますか。
  176. 佐木義夫

    佐木説明員 これは二十五年度中には、ぜひ返すようにしたいと思います。
  177. 田中織之進

    田中(織)委員 そういたしますと、五十四億七千万円は、全部年末にたしか償還期限が来ておると思うのですが、この法律が成立して出ます。これは参議院も通つて成立しなければならぬわけでありますが、成立するといたしましても、大分日にちがかかると思います。昨年の年末に証券の償還期限が来ていたように、われわれは年末議会で伺つたのでありますが、期限が来てそういうように未済になつておる証券は、たとえば償還の遅れておるということに対する延滯利息とか、そういうような関係はどういうようになつておりますか。
  178. 濱田正

    濱田説明員 延滯利息は特別会計がある以上は、この特別会計の中から日銭に対して拂わなくてはならぬようになつております。
  179. 田中織之進

    田中(織)委員 この年度末になつて特別会計廃止するにあたつて、九億ではありますけれども、薪炭証券の借りかえをやろうということを政府は出して来ておるのであります。われわれは年末に、また第六臨時国会政府が五十四億七千万円の繰入れを行つたときにも、今日のごとく清算事務が——これは清算が進むならば、やはり借りかえでやつたらどうか。同時にまた生産者に対する未支拂い分も、そういう面でとにかく証券の借りかえによつて、一時資金を調達してやつたらどうか。そうして年度末に剰余金だとか、そういうようなものが出た場合に、結局清算事務の結了とともに赤字を繰入れる、こういうようにやる方法があるではないかとわれわれは主張したのでありますが、当時政府は、年末には公務員には公共企業体を入れまして、一人当りにすればわずか三千一円でありますが、そういう零細なものを出しておきながら、一方に薪炭特別会計の運用よろしきを得ないために出ました——ことに卸売業者の未收金がたくさんありますけれども、われわれの調査したところによりますと、一般会計からの繰入れが行われるということを見越しまして、薪炭特別会計へ拂い込むべき卸機関が、現金を持つて産地へ買いたたきに出かけたという歴然たる事実があるのであります。そういう何か卸売業者と一脈通ずるかのごとき形において、この薪炭特別会計の赤字の処理が行われたということを、今日もなお疑惑のうちに見ておるわけでありますが、われわれはこの薪炭証券の九億の借りかえの問題につきましても、結局これは問題をあとに残したことになる。同時に先ほどきつぱり四億幾らというものが出るという見込みのようではありますけれども、一般会計へ移したのちにおいて、結局借りかえとして九億というものが残りますし、いろいろ未收金その他を検討して参りますと、はたしてこの推定貸借対照表のような結果になるかどうかということに、そういう角度から見ましてもなお疑問を持つのであります。この点重ねて政府側にお伺いするのでありますが、これを一般会計に繰入れたのちにおいて、この清算の過程において、再び清算の結果穴が明いて、これを一般会計から補填してくれというようなことがないという絶対的な確信が、あなた方にあるかどうかということを、最後にお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
  180. 佐木義夫

    佐木説明員 ただいまいろいろとお話を承りましたが、実は五十四億七千万円を繰入れていただきましたときに、私は非常な決心をもちまして、その後整理事務に当つて来たわけであります。ところが私の力の及ばない関係で皆様方に非常に御迷惑をかけまして、実は申訳ないと考えております。なお一般会計に移りましても、誠意をもちましてこの整理事務を続行いたしたいと考えております。二十五年度の三月末推定貸借対照表で言いますと、本年の利益が四億五千くらいあることになつておりまして、もし最悪の場合にいたしましても、この四億五千を割るというようなことは絶対になかろうと私は考えております。それで再び一般会計から繰入れをお願いするというようなことは、絶対になかろうということを考えております。
  181. 島村一郎

    ○島村委員 本法律案はこの程度において質疑を打切られんことを希望いたします。
  182. 川野芳滿

    ○川野委員長 島村君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 川野芳滿

    ○川野委員長 御異議がないようでありますから、薪炭需給調節特別会計法廃止等に関する法律案については、質疑を終了といたします。  それでは薪炭需給調節特別会計法廃止等に関する法律案議題として、討論採決に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。田中織之進君。
  184. 田中織之進

    田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法律案に対しまして反対の意思を表明いたします。  その理由は薪炭特別会計は、昨年の七月、形式的には七月になつておりますが、実質的には四月から機能を停止して来ておるのであります。その機能を停止した理由といたしましては、薪炭の需給状況がきわめて円滑になつたために、特別会計によるところの一貫的な操作の必要がないということが、最初の理由であり最後の理由であつたとわれわれは記憶するのでありますが、現実には薪炭の需給関係というものは、政府も放送しておるように円滑には行つておらないという事実があるのであります。  反対の第二点は、この薪炭需給特別会計に厖大な赤字が出て来ておるのであります。この赤字の処理にあたりましては、政府側では相当努力を拂つておると申しますけれども、この特別会計の機能を停止いたしてから、すでに約一年近く経過いたしますにもかかわらず、今日なおこの清算事務が結了いたしておらない。またその赤字の原因につきましては、これは第六回国会並びに年末の国会におきましてわれわれから指摘いたしました通り、幾多国民の納得のできない原因が存在しておるのであります。そういうやさきにこの特別会計法を廃止いたしまして、一般会計に残余のものを引継ぐということは、薪炭需給特別会計廃止したということに反対をいたします建前からも、われわれは賛成ができないのであります。ことに今日まで五十四億七千万円というものを、一応一般会計から繰入れをいたしました。これは実質的には薪炭特別会計の赤字の補填ということに相なつておるのでありますが、今日なお十八億余円の未收金がございまして、こうしたものを政府において一般会計へかりに引継いだとしても、この徴收のためには全力を盡しますと一応申されておりますけれども、われわれがこの未收金の内容をしさいに検討いたしますならば、著しくこの回收に困難を感ずるものと言わざるを得ないのであります。そういう観点からいたしまして、われわれは今日この特別会計法を廃止いたしまして、これを一般会計へ持つて行こうとする政府のやり方に対しましては、遺憾ながら賛成することはできない次第であります。
  185. 川野芳滿

    ○川野委員長 田中啓一君。
  186. 田中啓一

    田中(啓)委員 私は自由党を代表して、薪炭需給調節特別会計法廃止等に関する法律案に賛成をいたしたいと存じます。ただいま社会党の田中織之進君は、反対の理由として三点をあげられました。一つ薪炭の需給関係はなお統制を継続すべきであるがゆえに、本会計廃止すべからず、かような御論旨であつたと思うのでありますが、私は今日の現状にかんがみまして、もはや自由なる生産者並びに流通機関にまかせまして、何ら不安のない状況に徴しまして、統制を継続すべきものであるとは存じません。また本会計における赤字の責任を追究されまして、赤字会計一般会計に移すことは、責任の帰属を不明ならしめるがゆえに、反対であるかのごとき御口吻であつたのでありますが、本会計の赤字は毎年累積をしたものであります。社会党が政局を御担当になりました昭和二十二年並びに二十三年におきましても、二十二年は十四億六千四百万円、二十三年は九億一千六百万円というような赤字が、本員の調費したところによりますれば出ておるのであります。これは今になりましてこれを何人の責任だと言うてみたところでしかたがないのでありまして、これ以上特別会計を続けておりますれば、私はかえつて赤字の増加を来すものであると思うのであります。もとより本特別会計に赤字を出したことは遺憾であります。しかしながら需給がはなはだ逼迫しておる状況におきまして、国民の生活必需品たる家庭燃料に対して、どうやらここまで持つて来たということにつきましては、一般会計におきまして若干の赤字を背負うということは、やむを得ないと思うのであります。本特別会計は当初年度におきましても、実は当時の金で八百万円以上の赤字を出しておるのであります。今日の金に直しますれば、これまた何億という数字になることは、私が申し上げるまでもないところであります。従いまして本特別会計はすでに昨年の夏以来一応その機能を停止しておりますが、今回この特別会計廃止することになりましたことは、今日の経済情勢から考えまして、まことに適当であると思うのであります。なおただいま私の調査したところでは、本会計は約十五億ほどの未收金を持つておるのでありますが、これはどこまでもおろそかにして、放慢にこれを取立てないということは、国家に忠実なるゆえんではないこともちろんでありますが、さりとて今日の経済情勢にかんがみまして、早急にこれを取立てまして、かえつて赤字を出してしまうというようなことも適当でございませんし、かつまた薪炭業者というものは中小企業であると本員は考えております。今日中小企業の倒れてならないということにつきましては、先般予算委員会等におきましても、野党の方はずいぶん問題にされたのでありますが、私も倒れてならないことはもとより同感であります。従つて今のような御口吻の通りに、もし農林省がやられましたならば、野党の諸君は一方において中小企業を倒さないように政策をとれと言つておりながら、他方において倒れてもかまわぬということは、はなはだ矛盾をしたことをおつしやつておるのではないかと思うのであります。でありますからその辺は、なるべくこういう会計の跡始末は早いがよろしいのでありますから、その点をよく勘案されまして、とるべきものはとり、また流通機関のこともお考えになり、善処をされたいと思うのであります。  従つてそれをまとめてみますると、私の希望は次の三点になるかと思うのであります。その一は、いわゆる薪炭の現物不足の追究につきましては、どうか十分にその理由、原因を追究されまして、国民の前にその内容を明らかにしていただきたいと思うのであります。それはただいま申しましたように、この特別会計始まつて以来今日まで、幾つかの政府にわたるのでありますけれども、どの政府の方でも御遠慮はないのでありまして、十分に追究をなさり、また明らかにしていただきたいと思います。またそれには政府債権回收につきましては、緩急よろしきを得、また弁済できるにかかわらず弁済を怠つておるという者につきましては、十分に追究をしておとりを願いたいということであります。その三は、特別会計が赤字を出さぬことを専念するのあまりに、昨秋以来問題でありました農協その他生産業者並びに集荷業者に対し、政府が支拂うべき責任を持つておりますものを、すなわち保管料、運賃、品いたみの製品その他の損害等に対しましては、政府の弁償をなすべきものが十分になされ、また拂うべきものは早くお支拂いをなされたいということであります。  以上の希望を付しまして、本案に賛意を表するものであります。
  187. 川野芳滿

    ○川野委員長 宮腰委員
  188. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 私は民主党を代表しまして本案には反対するものであります。  本案の廃止自体には反対する理由なきようでありますが、この処理に実際疑問を持つのでありまして、薪炭特別会計は長年月、政治的にも行政的にも非常に大きな問題をかもしたのでありまして、第六国会ではこれがために五十四億七千万余を、国民の血税による一般会計より特別会計に繰入れたのでありまするこれは私らは絶対に反対して参つたのでありますが、しかし今日経理上種々調査されてはおるようであるが、前会の資料と委員会の資料とに種々食い違いを生じておる。まきにして三万束、ガスまきで四万俵も不足している。これはすなわち政府の指導のよろしくないことが原因であると考えるのであります。また收入未済金の取立て問題ですが、実際には不安なものがありまして、おそらくこの計画通りとれるかどうかということも、私は疑問を持つておるものであります。従つてこの收入未済債権の取立てについて、特に政府の御考慮が必要でありますが、この未済債権、それからまだ未済になつておる債務の不拂い等を考えると、まつたく不安になつて来るのであります。こういう意味合いから、整理を全部完了した後に本案を廃止すべきであると考えるのでありまして、以上の理由をもちまして、本案には反対するものであります。
  189. 川野芳滿

    ○川野委員長 竹村奈良一君。
  190. 竹村奈良一

    竹村委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本案に反対するものであります。  反対の第一点といたしましては、この特別会計に対するところの前々国会からの非常な赤字の問題は、これは国民ひとしく政府のこういう会計に対するところの金の使い方に対しては、非常な不安を抱いておるものであります。従つてこの会計廃止される場合におきましては、一切を清算し、その顛末を国民の前に明らかにしてから、しかる後にこれは廃止されるべきものであつて、その清算を終らないうちにこれを一般会計の方に移すということ事態は、国民に対しましても、またこれの時をかせいで、つまり国民が忘れた後に、なるべくこれをおおい隠そうとする傾きがなきにしもあらずと思うのであります。  第三点といたしましては、たとえば未收金の取立てにいたしましても、先ほど自由党からは大体この取立てを急激にやることは中小企業をつぶすことになる。野党の諸君は一方においては中小企業の救済を叫んでいるにもかかわらず、こういう金を急激にとることはその商業をつぶすことになつて、中小企業をつぶすことになるではないか、従つてこれは緩急よろしきを得なければならぬというようなお説であつたのでありますが、このことははなはだもつて国民に対して実に相済まぬことではないかと、私たち考えるのであります。まず中小企業の救済を要するということ自体は、今日政府の中小企業に対するところの政策の欠陥であります。はつきり申し上げますと、もし救済せんとするのであつたならば、本委員会においてもすでに問題になつておりますように、中小企業に対するところの融資の方法、これが完全でないと同時に、その根本であるところの、いわゆる中小企業に対するところの政策を誤つて、今日中小企業をこの難局に押しやつたのであります。ところが一方において、政府はこれに対する融資の道を與えていると言つておりますけれども、実際は銀行は営利会社でありますがゆえに、損をするような倒れるような見通しのない中小企業には金を貸しません。従つて原因はここにあるのであります。それをおおい隠して国民の血税になるものを、消費者がこれを支拂つておるものを、つまり一時横取りしておつて、そうしてこれを商売すること自体が、中小企業の救済になるがごとき考えを持つておられること自体が、実に私は国民考え方、しかも国民の中小企業に対するところの考え方というよりも、むしろ不正なことをやつても自分の商売を維持したらよいという観念ではないかと考えまして、私はこういう点につきましては、少くとも中小企業を救おうとするのであるならば、まず第一には中小企業が立つて行くような政策をとり、なおそれでも中小企業が圧迫されるとするならば、それに対して政府は真に正しい融資の道を考える。従つてそういう不正を行つても営業を続けなければならぬような状態に追い込まないことこそか、正しい中小企業の対策であると考えるのであります。従つて不正に所得しておりますところのものは、たとえば正しく営業している者に今日負担でき得ないところの税金を取り立てる際に、倒れても死んでもかまわない、税金を取り立てるという現政府の方針から行つても、当然支拂うべき国民の炭代金を横取りしている者に対して、その金の回收を躊躇されるという政府の方針は、税金の取り立てと比較いたしましても、非常に矛盾していると考えますので、すみやかにこれは取り立てるべきであるにもかかわらず、なおかつ取り立てられておらないという点、またこういうような点から考えましても、われわれはこの会計というものがまず一切が清算され、そうしてこれに対するところの責任を、あるいは社会党内閣のときからであるとかいろいろ申されて、その責任を回避せられますけれども、しかし現に担当しておられるところの吉田内閣責任において一切を国民の前に明白にして、しかるのちにこれは廃止さるべきものであると考えますがゆえに、私は共産党を代表いたしまして反対するものであります。
  191. 川野芳滿

    ○川野委員長 討論は終局いたしました。  これより本案を議題として採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を願いまする     〔賛成者起立〕
  192. 川野芳滿

    ○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————
  193. 川野芳滿

    ○川野委員長 次に前回の委員会におきまして質疑を終了いたしました日本勧業銀行法等廃止する法律案、及び銀行等債券発行等に関する法律案の両案を一括議題といたします。  この際お諮りいたします。右両案中日本勧業銀行法等廃止する法律案につきましては、去る十六日の委員会におきまして修正案が提出せられ、ここに修正案を各派共同提案の修正案とすることの決定をいたしまして、関係方面の折衝につきましては、委員長及び理事に御一任願つた次第でございますが、諸般の都合によりまして、右修正案を撤回いたしたいと存じます。右修正案を撤回いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  194. 川野芳滿

    ○川野委員長 御異議がないようですから、有修正案は撤回いたすことといたします。  それではこれより日本勧業銀行法等廃止する法律案及び銀行等債券発行等に関する法律案の両案を一括議題として討論は通告順によつてこれを許します。宮腰喜助君。
  195. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 私は本案に対しては民主党を代表して反対するものであります。  特殊銀行を一般銀行と同様に取扱い、一般銀行に債券発行を許したことは新しい行き方ではありますけれども、一般銀行でははたしてその成果が上るかどうかという疑問が起きて来るのであります。有力なる特殊銀行は有利な技術により債券発行をして、地方の資金を中央に集中する傾向があります。中央が地方から集めたものを一部地方に還元するといえども、現在において資金難に追われているにもかかわらず、地方資金が集中されたとき、地方はいよいよ金融難に追われると考えます。現在大蔵省預金部預金すなわち郵便貯金のようなものは、全然地方に利用されていない。債券により集めた資金をほとんど地方に還元するならば賛成だが、今のような債券発行を許しまして中央に集中する。それがために資金難に追われる場合が非常に多くなる。こういう意味合いから私は本案に対して反対するものであります。
  196. 川野芳滿

    ○川野委員長 前尾繁三郎君。
  197. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 ただいま議題となりました日本勧業銀行法等廃止する法律案並びに銀行等債券発行等に関する法律案、この両案について、自由党を代表いたしまして賛成の意を表するものでございます。  この二法律案は、ごく小法案ではございますが、その内容は金融問題全般に通じましで、実に大きな画期的な従来の行き方をかえる法律案であると思うのでございます。まず従来の特別銀行と称せられておりました勧業銀行、あるいは北海道拓殖銀行あるいは日本興業銀行というような特別銀行を廃止いたしますことにつきましては、すでに一昨年の再建整備におきまして、実質は特別銀行ではなしに、普通銀行化されて来ておつたわけであります。それ以外の農工銀行等につきましては、もう事実上廃止になつておつたような次第でございます。これが整備されることは当然の措置ではありますが、それ以外にも昨年来引続いておりますドツジ・ラインによる金融政策としての財政と金融の分離という点から考えますと、当然政府の特殊な保護のもとに行われておるという金融機関については、考え直さなくてはならぬ段階に来ておるのであります。なおまた特別銀行という名のもとに、政府がその正副総裁あるいは理事を任命するというようなことにつきましては、これまた唱え直すべき段階にあるのであります。むしろ全面的に民主化いたしまして、そのおのおのの銀行について創意をこらし、そしてその得意とします点によつて、自由競争のもとにその分野を担当するという行き方が、当然の行き方であろうと考えるのでございます。そういう観点からいたしますと、これまた形式的な意味ばかりでなしに、実質的な大きな金融機関の民主化という問題に触れて来るのであります。最近におきましても金融機関は民主化されていない。ほかの経済機関においては民主化され、また統制がはずされるという段階におきまして、金融機関がかなり横暴な存在であるというようなことも言われておるのであります。この際そういうようなことを廃止いたしまして、真に自由の基盤において努力をするという必要があると思うのであります。そういうような意味からいたしまして、勧業銀行法等を廃止するという法律案については賛成するものであります。もちろんその内容につきましても、経過的措置でありまして、いずれも適当な措置であると考える次第であります。  次に銀行等債券発行等に関する法律案につきましては、結局自己資本の二十倍に相当する額から預金及び債券を控除した残額に相当する額だけ、債券の発行を許そうという問題を中心といたしまして、その内容におきましては、第一銀行法等による金融債の発行、第二に債券の発行に資するための米国対日援助見返資金によります銀行等の優先株式の引受、第三には銀行の自己資本の充実、この三つの問題を解決いたしておるのであります。現在金融の一番大きな問題は、復興金融金庫が昨年廃止されまして以来、長期資金の出場所がほとんどなくなつたというところに大きな欠陥があるのであります。もちろん政府は見返り資金の活用というようなこともおやりになつておる。しかしそれは直接投資でありますと、一々非常にむずかしい手続でなかなか思うようにまわらない。ことに中小企業にはまわつて来ないというような欠陥もあります。また債務償還で、国債など復金債の償還によつて長期資金にまわそうというような努力も、その間依然として公債の保有量というような問題もありますので、その効果を十分発揮していない。なおまた証券市場を育成するというようなわけで、社債あるいは有価債券等の株式によつて長期資金を調達しようというような努力はいたしておりますが、これが非常に殺到して参りましたために、現在証券市場が非常に困つた事態になつて来ておることも御承知通りであります。従いましてこの際何らか長期資金を調達するという、特別な方法考えなければならぬ段階にあるのであります。その問題をめぐりまして、ここに画期的な法制をとられまして、この問題の解決をはかられるということについては、実にわれわれとして同感の意を表する次第であります。従来この債券の発行業務と預金業務と兼務することはいけないというような、強い原則がとられておりましたことは、御承知通りでありまするが、そのために結局において債金を発行いたしておりますものは、興業銀行二行に限られておつたような次第であります。従来の勧業銀行も債券の発行をやらずに、不動産金融という問題が解決されていない。その他の金融機関についても同様であります。興業銀行については資本金の増額によりまして、二十倍の債券を発行し得るというような方法もとつておるのでありますが、しかしこれも限りのあることでありまして、十分な効果をあげていないのは御存じの通りであります。今回その債券発行業務と預金業務と兼営をするという建前にかえられまして、いかなる銀行もその資本金の二十倍は預金に充てるが、その残額は債券を発行してもよろしいということに相なるのであります。従つてその銀行はいろいろ機動的に今後において債券を発行する。あるいは預金の吸収に力を入れる。そうして欠陥のあります地方については、いずれか選択によつて金融の措置を講ずる。なおまた先ほど来申し上げておりまするように、長期資金の調達ができないということが、不動産金融の不可能、あるいは中小企業者の金融難あるいは農林、水産方面の金詰まりというような結果を来しておるのであります。それにそれぞれその所を得た、またその銀行の特色を発揮いたしまして、これらの問題の解決に当るような仕組みにできましたことは、まことにけつこうだと考えるのであります。なおまたこのためには、資本金に関連を持つておりますので、今後増資をやらなければなりません。そうしてその増資につきましては、御承知のように相当困難な状態にあると考えられるのでありますが、この法律によりますると、これを見返り資金で充当するというような仕組みにできておるわけであります。そうしてその見返り資金を優先株式という形式によつて増資に充てる。従つてまたその増資額の二十倍というようなものが、債券発行に充てられるというようなかつこうになるのであります。従つて今後においては、見返り資金が非常に大きな力をもつて有効に使われるということになると考えるのであります。この点も非常に適切な法制であると考える次第であります。なおまた資本金の二十倍ということは、逆に申しますと、預金なり債券発行額に対しまして、常に五%の自己資本を持たなくちやならぬということに相なるのであります。それだけ銀行の基礎をかたくするという原則がここにはつきりとられた次第で、もちろん私は、従来の銀行の法定準備金というような制度もいいのではありまするが、こういうような弾力性を持つて自己資本の充実ということに力を入れました法制に対して、賛意を表するものでございます。なおこの際に解決されておりまするのは、いわゆる銀行の従来の無配当の原則が破れまして、銀行の配当の復活という問題がここに解決せられておることであります。今後銀行の増資に対しましてやはり相当な効果がありますことは、十分認められるところであると思うのであります。政府の計算によりますと、今回の改正により、昭和二十五年度においては、五百三十億円の長期資金の供給が可能であるというふうに言われておるのであります。御承知のように中小企業を中心として、長期金融というものがほとんど危機に瀕するまでに行き詰まつておるこの際といたしましては、なるべく早くこの法律の効果によりまして、また十分この法律によつてその難関を打開することができると考えるものであります。従いまして私は強く政府に、この法律の実効の一日も早くあがるように努力をしていただくことをお願いするものでございます。  なお最後に、今回の民主化につきまして、農林中金の民主化と商工中金の民主化の問題が解決されていないので、その組織内部の民主化は、現在の情勢から考えましても、早急に解決して行かなければならぬ問題だと考えるのであります。一日も早くその民主化の制度がしかれますることを特に希望いたしまして’私の両法案に対する賛成の討論といたす次第であります。
  198. 川野芳滿

    ○川野委員長 田中織之進君。
  199. 田中織之進

    田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつております日本勧業銀行法等廃止する法律案、並びに銀行等債券発行等に関する法律案に対しまして、反対の意思を表明するものであります。日本勧業銀行法等廃止によりまして、これらのいわゆる特殊銀行が普通銀行と同一になるということでございまして、一見いわゆる形式的に言う民主化にマツチするがごとく見えるのであります。問題はこれらの金融機関の民主化の問題は、これをいわゆる特殊銀行という名称を廃止しただけによつて、民主化が達成できるのではないのであります。特殊銀行という名称はついておつても、実質的にこれが民主化され、るということが真の民主化であることは、三歳の童子といえども知つておることだと私は思うのであります。すでに実質的には、勧業銀行にいたしましても興業銀行にいたしましても、普通銀行的性格を持つてつておるということは、いなめない事実であります。それがこれらの特殊銀行に対して、国民一般から期待しておることに対する大きな裏切りになつておるということは、これまたいなめない事実でございます。ことに勧業銀行にとりましては、いわゆる不動産金融に対する新たなる国民の要望が強まつておるときに、今日勧業銀行が実質的には普通銀行になつてしまつて、勧業銀行本来の使命ともいうべき不動産金融の問題につきましては、まつたくこれをたな上げしておるという事実は、これはたとえば、不動産金融による長期産業資金の調達という見地から見まして、強くこうした面で勧銀が本来の使命にもどるということが強く要望されておることは、私は事実だと思うのであります。興銀につきましても同様なことが言えるのでありまして、今日のいわゆる興業銀行について申しますならば、これは中小企業といわず、大企業といわず、設備資金の調達をいたすためには、興業銀行にたよらざるを得ない実情にあるにもかかわらず、窓口から参りますならば、やはり設備資金、そういう点が興銀の本来の貸出しの使命であるということを申しますけれども、いざ審査が済んで実際の面に参りますと、なかなか設備資金は出さないで、短期のひもつき融資、その他の融通資金の面の貸出しなら応ずるという形に興業銀行が運営されていることは、これは一たび興業銀行の門をくぐつた者のひとしく体験しているところだと思うのであります。問題はこうした特殊銀行という名称を廃止いたしまして、普通銀行にすることによる形式的な民主化にあるのではなく、私は民主化の実質をいかに達成するかということにあるのでなければならない、こういうことを申し上げなければならないのであります。  さらにこれらの勧業銀行にいたしましても、興業銀行等にいたしましても、特殊銀行は従来国家からの手厚い損失の補償、その他の関係を持つてつておるのでありますが、これをこの特殊銀行法の廃止によりまして普通銀行化したといたしましても、現にこれらが国家との結びつきにおいて官僚的であり、非民主的である要素が、そのまま普通銀行になつたからというて踏襲されたのでは、私の主張いたしますところの、真の金融機関の民主化の線には決して近寄らないのでありまして、われわれはそういう観点から、この勧業銀行法等を廃止する法律案に対しましては、反対の意思を表明するものであります。  次に銀行等債券発行等に関する法律案でございますが、これにおきまして、いわゆるわれわれは前段の日本勧業銀行法等廃止に反対する理由で申しましたように、これらの特殊銀行、あるいは商工中金、農林中金等の金庫の特殊金融機関におきまして、一つの資金調達の方法といたしまして、今日、ドツジ・ラインによるところの金融政策がきわめてへんぱな形において行われておる段階において、債券発行の限度引上げによるところの資金調達ということにつきましては、われわれあながち反対はいたしません。しかしながらこれをそういう特殊金融機関からさらに普通銀行に至るまで、いわゆる銀行法の適用によるところの銀行すべてにこの制度をしくということにつきましては、われわれは異論をさしはさまざるを得ないのであります。  そういう点と、それからこのたびいわゆる銀行の増資による優先株を、見返り資金で引受けるという道を開こうとするのでありますが、これにつきましては現に勧業銀行等におきましては、この見返り資金による優先株の引受けにつきまして、勧業銀行内部においても必ずしも賛成の意見がないということでございます。実質的には、結局勧業銀行あるいは興銀その他商工中金、農林中金等の関係に限定されるやの政府側の答弁もあつたように、われわれは聞くのでありますが、見返り資金によるところのこうした銀行の増資優先株の引受の効果の問題につきましては、われわれは先ほど自由党の前尾君が賛成討論に述べられたこととは、反対の結論に到達しているのであります。見返り資金の運用の問題につきましては、根本的にはこの運用の自主権をいかに確保するかということにあることは、何人も異論のないところであります。その自主権を確保するという見地に立ちますならば、これは廃業に対しまするところの直接投資が最も望ましいことは、言うまでもないのであります。今日自主権がきわめて不十分であります関係から、直接投資というのはきわめて困難な、またむずかしい手続を要するところから、直接投資の方法がとられていないのでありますけれども、私はこれは本来ならば産業に対する直接投資の形が、一番望ましい形態だというように考えるのであります。債券の発行によること、あるいはこうした優先株式の見返り資金による引受というような形において、銀行の資金が調達されましても、今日債務償還、国債償還に現われておりますように、金融機関の持つている国債が国民の血税によつて償還されたといたしましても、これが貸出しとなつて現われるという効果がほとんど見ることができない。これは私は厳然たる事実だと思うのであります。それは政府側によりますれば、そういう形において銀行の手持資金がふえるならば、勢い貸出しの方にまわる資金がふえることになるのだ。ある意味におけるいわゆる間接投資の形になるということを強調されるのでありますが、現実に二十四年度におきましても、見返り資金によるところの債務償還等も行われている。公債等に対しましても、いわゆる国民の血税からの償還が行われておりますけれども、現実にそれらの資金が産業資金となつて貸し出されたかといえば、むしろ逆な結果である。そのように調達された資金が、すべて日銀に還流するという形に相なつて、そこに日銀券の発行高が三千億の台を割るというような、極端なデフレ現象が今日出ているということは、これはいなめない事実だと私は思うのであります。そういう観点から、われわれは見返り資金の関係につきましては、むしろこれは直接投資の方向に持つて行けるように、この見返り資金運用の自主権を確保するという方向に向つて努力するということが、先決問題ではないかということを考えるものであります。  さらにこうした形において、相当のいわゆる長期資金を調達することができるのだということを、賛成論者は申されるのであります。長期資金の調律の方法としては、これが一つ方法として考えられることは言うまでもありません。しかし今日の金融政策の面におきまして、最も難点となつている問題は、そういう形において調達された資金の貸出しの方針に現われて来ているのであります。ドツジ・ラインに従うところのいわゆる健全金融政策、この見地から、もうからぬところには貸すな、貸倒れのおそれのあるところには金を貸すなという、この健全金融方式——今の公債の償還にいたしましても、今日のこの法律の処置におきまして、見返り資金あるいは債券発行等の形において調達された資金も、今日健全金融の名において、貸倒れのおそれのある中小企業等には貸さないという厳重なる方針が、金融機関を拘束しておる限りにおいて、今日の金融難は決して打開できないのであります。むしろ金融政策の転換は、こういう形式的な問題にあるのではなくて、実質的なそういう点になければならぬ。同時に今日いたずらに自由経済を自由党の諸君が謳歌せられておりまするけれども、戰勝国におきましてもやはり国家資本の力がきわめて増大しておるということ、これは歴然たる事実であります。ことに中小企業の関係におきましては、これは金融機関みずからが申しておりまするように、最悪の場合における損失の少くとも半額程度の国庫によるところの損失補償というような政策がとられて、初めてこうした面への貸出しが円滑に行くのではないかということを、われわれは考えておるのであります。そういう見地からいたしまして、われわれはこの銀行等債券発行等に関する法律案につきましても、遺憾ながら賛成することができないということを申し上げて、討論を終る次第であります。
  200. 川野芳滿

    ○川野委員長 河田賢治君。
  201. 河田賢治

    河田委員 私は日本共産党を代表して、反対の意見を表明するものでありまする  先ほどから民主党並びに社会党の委員から反対意見がありましたので、ごく簡單に要旨だけを述べたいと思います。  銀行等債券発行等に関する法律案でありますが、これによつて相当銀行の性質が変革されるのであります。しかし問題は、この法案が出されたのは何といつても興銀、勧銀、北海道拓殖その他の銀行に対する見返り資金による優先株の発行、これが一番の重点になつている。これに上つて勧業銀行法等の廃止法律案も出たわけでありますが、御承知のごとく見返り資金そのものが、今日日本の産業や農業その他をきわめて大きく圧迫をして、また日本の国民がこれによつて莫大なる補給金のために税金も納めなければならぬ。こういう今日日本の産業の発展のために矛盾した立場にあるものが、この見返り資金であります。しかもこの見返り資金は、社会党の田中委員も指摘いたしましたごとく、現在日本の政府が自主的に運用していない。従つて自主的に運用されない資本が銀行、金融機関に入る。この金融機関の優先株を通してさらに莫大な債券を発行する。これに国家資金と預金部の資金までも動員して、そうしてこれを日本の他の長期資金あるいはその他の資金をまかなうわけでありまするが、これを見ますと、結局このひものついた見返り資金が日本の金融機関を握り、さらにこれを通じて日本の産業を、いわば網の目のごとくこれによつて把握して行く、こういう結果になるのであります。このようにして、自主性のないひもをつけられた資本が、日本の各産業の部面に入るということはきわめて危險である。同時に現在こういうふうにしてまで、この吉田内閣の政治というものは、まつたく今日の産業を破壊する政策をとつている。滯貨金融とか何とか言つて、盛んに今日ではあわを食つているのでありますが、さらにこういう方面にもこれをつぎ込んで、つまり信用インフレヘと今方向をかえて来ているわけであります。最近池田蔵相がアメリカへ行くとか行かぬとかいう問題がありますが、これがほんとうに実現するかどうか疑わしいように思われますが、とにかくこういう方法において日本のあらゆる部面にわたつて、わずかの見返り資金によつて把握される。そうしてこれが日本自身でどうにもならぬという、きわめて危険な状態を今後現出して来るのではないかと思います。こういう最も重点的な点から、私は昨日の見返り資金の特別会計改正法案にも反対し、かつまた今日の銀行等債券発行等に関する法律案にも反対するものであります。同時に立法上の技術といたしまして、政府が提案しました日本勧業銀行法等廃止する法律案の最後の項目、十七項でありますか、この法案の中には、今私たち審議しておりますところの銀行等債券発行等に関する法律案の中の一部改正まで出ております。現在私たちがここで審議をしている法律案そのものをまた改正するという法律案が、この勧業銀行法等を廃止する法案に現われているのであります。政府として同じこの国会に、同時にこういうことを出している場合には、当然その前の銀行等債券発行等に関する法律案の訂正をされるべきじやないかと思います。現に審議中のこの法案を、さらにまた他の法律案改正するという法案が他方に出て来るということは、立法技術としてまずいじやないか。こういう点において、ささいなことでありますけれども、時折大蔵当局の立法される手続には、こういうことがこの前も起りましたが、今回もまたこういうことが起つておりますので、特にこういう点は今後における十分なる注意を喚起すると同時に、この法案に対して反対するものであります。
  202. 川野芳滿

    ○川野委員長 討論は終局いたしました。  これより右両案を議題として採決に入ります。右両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  203. 川野芳滿

    ○川野委員長 起立多数。よつて両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時七分散会