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1950-03-14 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第32号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年三月十四日(火曜日) 午前十時五十四分
開議
出席委員
委員長
川野
芳滿
君
理事
大上 司君
理事
北澤 直吉君
理事
小山
長規
君
理事
前尾繁三郎
君
理事
川島 金次君
理事
河田 賢治君
理事
内藤 友明君 岡野
清豪
君
奧村又十郎
君
甲木
保君 鹿野 彦吉君 佐久間 徹君 田中 啓一君
塚田十一郎
君
苫米地英俊
君 中野 武雄君
三宅
則義
君 田中織之進君 宮腰 喜助君 竹村奈良一君
出席政府委員
大蔵事務官
(
主計局長
)
河野
一之君
大蔵事務官
(
主計局法規課
長)
佐藤
一郎
君
大蔵事務官
(
銀行局長
)
舟山
正吉君
大蔵事務官
(
証券取引委員
会事務局長
)
湯地謹爾郎
君
大蔵事務官
(
証券取引委員
会事務局次長
) 三井 武夫君
造幣庁長官
松崎 健吉君
委員外
の
出席者
專 門 員 黒田 久太君 專 門 員 椎木 文也君 三月十一日
神山茂夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に補欠選任され た。 三月十四日
委員中村寅太
君辞任につき、その補欠として寺
崎覺
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
三月十一日
解散団体財産収入金特別会計法案
(
内閣提出
第 一〇〇号) 同月十三日
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第四四号)(
参議院送付
) 同 日 佐賀県に
国民金融公庫支所設置
の
請願
(
永井英
俊君
紹介
)(第一三九一号)
身体障害者
に対する
税法改正
に関する
請願
(丹
羽彪吉
君
紹介
)(第一四二〇号)
土地台帳改訂
に関する
請願
(
青柳一郎
君外一名
紹介
)(第一四二五号)
理容業者
に対する
所得税課税標準
の
適正統一化
に関する
請願
(
青柳一郎
君
紹介
)(第一四二六 号)
楽器類
に対する
物品税減免
の
請願
(
野原正勝
君
紹介
)(第一四四六号)
清涼飲料
及び
嗜好飲料
に対する
物品税撤廃
の請 願(
塚田十一郎
君
紹介
)(第一四五三号)
たばこ民営反対
に関する
請願
(
千葉三郎
君紹 介)(第一四五七号) 同(
橋本登美三郎
君外七名
紹介
)(第一五二四 号)
山中漆器
に対する
物品税軽減
に関する
請願
(坂
田英一
君
紹介
)(第一四六〇号) 蓄音機及び同
部分品
に対する
物品税軽減
の
請願
(
塚田十一郎
君
紹介
)(第一四六一号) 徳山市所在元第三海軍燃料しよう
転用促進
に関 する
請願
(
佐藤榮作
君
紹介
)(第一四六七号)
身辺用細貨類等
に対する
物品税課税方法改正
に 関する
請願
(
若林義孝
君外二名
紹介
)(第一五 〇三号)
青色申告者
の
所得額算定
に
特典付與
の
請願
(三
宅則義
君
紹介
)(第一五一六号)
揮発油税軽減
に関する
請願
(
井手光治
君外二名
紹介
)(第一五二〇号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
造幣庁特別会計法案
(
内閣提出
第六八号)
財政法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七 三号)
輸出信用保險特別会計法案
(
内閣提出
第九二 号)
保險業法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九三号)
日本勧業銀行法等
を
廃止
する
法律案
(
内閣提出
第九六号)
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
(
内閣提出
第九八号)
解散団体財産収入金特別会計法案
(
内閣提出
第 一〇〇号)
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第四四号)(
参議院送付
)
—————————————
川野芳滿
1
○
川野
委員長
ただいまより
会議
を開きます。 去る八日、本
委員会
に付託されました
輸出信用保險特別会計法案
、並びに
保險業法等
の一部を
改正
する
法律案
、及び去る九
日本委員会
に付託になりました
日本勧業銀行法等
を
廃止
する
法律案
、並びに
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
、及び去る十一日付託されました
解散団体財産收
入
命特別会計法案
の五
法律案
について、順次
提案理由
の
説明
を求めます。
舟山政府委員
。
舟山正吉
2
○
舟山政府委員
ただいま
議題
となりました
輸出信用保險特別会計法案外
四
法律案
の
提案
の
理由
につき御
説明
申し上げます。 まず
輸出信用保險特別会計法案
につきまして御
説明
申し上げます。今回
政府
におきましては
輸出貿易
の振興をはかる
目的
をもちまして、
輸出信用保險法案
を別途
提出
いたしまして、御
審議
を願
つて
いるのでありますが、この
輸出信用保險制度
を実施いたすことになりました場合には、その
経理
の
状況
を明確にいたしますため、
一般会計
と区分して
輸出信用保險特別会計
を設けまして、これを
経理
するのが適当と存ぜられますので、この
法律案
を
提出
した次第であります。 次にその
内容
の
概略
を御
説明
申し上げますと、この
会計
におきましては、その
資本
に充てるための
一般会計
から繰入れる繰入金、
国庫
に納付される
保險料及び附属雑収入
をも
つて
その
歳入
とし、
保險金
、
事務取扱費
その他の諸費をも
つて
その
歳出
といたしまして、
政府
の行う
輸出信用保險
に関する
経理
の全体を明らかにし、またこの
会計
の運営上、その
損益計算
の結果生ずる
利益
または損失は、翌
年度
に繰越して整理することといたしますのが適当と存ぜられますので、これに関する
規定
を設けますとともに、この
会計
の
予算
及び
決算
の
作成
及び
提出
に関する
手続規定等
、
特別会計
に必要な
措置
を
規定
いたそうとするものであります。 次に
保險業法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
並びに要旨を御
説明
いたします。 第一は、
保險会社
の
株式所有
につき、
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
の
適用除外
を認めるために、
保險業法
及び
外国保險事業者
に関する
法律
の一部を
改正
しようとする点であります。
現行
の
独占禁止法
によれば、
金融機関
は、国内の他の
会社
の
株式総数
の百分の五を越えてその
会社
の
株式
を
所有
することを
禁止
されているのでありますが、
保險会社
については従来特に
投資機関
としての特質から、その制限の緩和が問題にされておりました。一方
保險会社
の
資産
の
危険分散
をはかり、その
健全性
を保障するため、同一
会社
の
株式
を
所有
し、または
貸付
の
担保
としてその
会社
の
株式
を受入れることについては、その
会社
の
株式総数
に対して
一定割合
を越えないよう制限する必要がありますので従前においてはその
割合
は百分の二十ということにな
つて
お
つたの
であります。今回これら両面の
要請
を調整して
保險会社
については、他の
会社
の
株式総数
の百分の十までは
株式
を
所有
し、または
貸付
の
担保
として
株式
を受入れることを認めようとするものであります。 第二は、
外国損害保險会社
の
進出
に伴い、
保險業法
、
損害日保險料率算出団体
に関する
法律
及び
外国保險事業者
に関する
法律
の一部を
改正
しようとする点であります。現在
損害保險事業
については、特にその
国際的性格
のゆえに、
外国損害保險会社
の
日本
への
進出
が予想されているのでありますが、
設立
後日が浅く、
資産
も十分でない
外国会社
の
進出
は、
日本
における
保險契約者
その他の
一般債権者
の
利益保護
上、万全を欠く点があると考えられ、一方同様の
條件
にある
日本会社
が
外国
に
進出
することも、
外国
において同様の事態を惹起するおそれがあるのでありますので、今回
設立
後三年未満でかつ最終の
事業年度
において
利益
を計上していない
会社
は、
外国会社
については
日本市場
への
進出
を、
日本会社
については
外国
における
営業
を
禁止
しようとするものであります。 次に、
日本
において
営業
を行おうとする
外国損害保險会社
のうちには、
日本
の
損害保險会社
に、
代理店
としてその
業務
の委託を希望するものがあるのでありますが、
現行
の
保險業法
によれば、
保險会社
は、原則としてその本来の
保險事業
のほかに、この
種業務
の兼業を行うことができないことにな
つて
おりますので、
現行法
を
改正
し、
大蔵大臣
の認可を
條件
にその道を開こうとするものであります。次に、
現行損害保險料率算出団体
に関する
法律
によれば、
外国会社
は、同法に基く
損害保險料率算定会
の
会員資格
がありませんので、
日本保險会社
と公平の
條件
によ
つて
、その
会員資格
を認めようとするものであります。 第三は、
損害保險料率
の
合理性
を保障するために、
損害保險料率算出団体
に関する
法律
の一部を
改正
しようとする点であります。
現行損害保險料率算出団体
に関する
法律
によれば、
損害保險料率算定会
は、その
算出
した
保險料率
につき、
利害関係人
の意見を聞くため、
公聴会
を開かなければならないこととな
つて
いるのでありますが、今回さらに
保險料率
の公正な
算出
を保障するため、
公開性
を強化し、その
算出
しようとする
保險料率
についても、
公聴会
の開催を
規定
しようとするものであります。
最後
に、右に述べた
改正
諸
規定
の違反に対し、所要の罰則を
規定
しようとしております。 次に
日本勧業銀行法等
を
廃止
する
法律案
につきましてその
提案
の
理由
並びに
内容
の概要を御
説明
申し上げます。 従来
わが国
においていわゆる
特別銀行
と称せられたものには、
日本
銀行
のほか、
日本勧業銀行
、
北海道拓殖銀行
、
日本興業銀行
及び
終戰後閉鎖機関
として指定されたものとして
横浜正金銀行外
三
銀行
があ
つたの
でありますが、これらのうち
日本勧業銀行
、
北海道拓殖銀行
及び
日本興業銀行
については、その
基礎法規
である
三つ
の
特別銀行法
の改廃が、かねてから問題とな
つて
お
つたの
であります。特に一昨年の
金融機関
の
再建整備
において、これら三
銀行
は、
債券発行機関
か、
預金銀行
かの岐路に立つこととな
つて
、
日本興業銀行
は前者の、
日本勧業銀行
及び
北海道拓殖銀行
は後者の道を選んだ結果、これらの三
銀行
は、その
業務内容
において必ずしもその
基礎法規
と一致しなくな
つて
、適当な時期における
法的措置
が当然に、必要とされてお
つたの
でありますし、
他方役員
の
政府任命
、
監理官制度等政府
との特別の
関係
もかねてからこれを
廃止
することが適当であると考えられてお
つたの
であります。ただこの問題は、
金融制度全般
とも関連がありますので愼重に考究していたのでありますが、今般
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
によ
つて
、
銀行一般
に
金融債
の
発行
が認められることとなりますので、この際本
廃止法案
を
提案
することとした次第であります。 以下この
法律案
につきまして
内容
のおもな点を御
説明
申し上げます。本
法案
は、本年四月一日をも
つて
日本勧業銀行法
、
北海道拓殖銀行法
及び
日本興業銀行法
を
廃止
することを主たる
目的
としておるのでありますが、これに関連いたしまして、旧
農工銀行関係
の四
法律
及び
興業債券
の
発行限度
の
特例
に関する
法律
をも、あわせて
廃止
するものといたしております。その他の
規定
は、これらの
法律
の
廃止
に伴い、必要な
経過措置
を定めることが主眼とな
つて
いるのでありまして、これを要するに三
特別銀行
の
普通銀行化
に伴う処置であります。 その
内容
といたしましては、まず第一に従来各
特別銀行法
に基いて
設立
された
日本勧業銀行
、
北海道拓殖銀行
及び
日本興業銀行
は、この
法律施行
後においては、
銀行法
に基いて
営業
の
免許
を受けたいわゆる
普通銀行
とみなすものとしているのでありまして、さらにこれらの三
銀行
は、この
法律施行
後遅滞なく
株主総会
を招集し、必要な定款の変更を行うべきものとされております。また従来
政府任命
であつた
日本勧業銀行
及び
日本興業銀行
の正副総裁及び
理事等
は、この
株主総会終結
のときにその任期を終了することにな
つて
おります。 第二に、従来これら三
銀行
が
発行
した
債券
及び
日本勧業銀行
または
北海道拓殖銀行
がなした特殊の
貸付
に関しては、なお旧法によるものとしております。 第三に、
私的独占
の
禁止
及び
公正取引確保
に関する
法律
の
規定
によりますれば、
銀行
は、
競争関係
にある同種の
金融業
を営む他の
会社
の
株式
を
所有
することが
禁止
されているのでありますが、この
法律
が
施行
されますと、現在地の
銀行
がこれら三
特別銀行
の
株式
を
所有
していること、及びこれら三
特別銀行
が他の
銀行
の
株式
を
所有
していることが、この
規定
に違反する結果となりますので、一年間を限り、これら
株式
の
所有
を認めることによりまして、
制度
の
円滿
な切りかえを期しているのであります。 その他別途御
審議
を願
つて
おります
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
が、本
法案
に先だ
つて
施行
される予定でありますが、
右法案
は三
特別銀行
及びその
基礎法
を前提としておりますので、これに必要な字句の修正を加える等の若干の
規定
を設けることといたしております。 次に、
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
並びに
内容
の
概略
を御
説明
申し上げます。
終戰以来金融
の面におきまして
経済
の
安定復興
のため幾多の
施策
が実施に移されて来たのでありますが、特に
復興
のため不可欠な
長期資金
の
供給
につきましては、その
円滑化
に格段の
努力
が拂われたのであります。
復興金融金庫
の
設立
による
設備資金等
の
融資
もその
一つ
でありますが、昨年初頭における
実質的均衡財政
の樹立に伴う同
金庫
の積極的な機能の停止後におきましても、
政府
といたしましては
長期資金
の
供給
のため、引続き
米国
対日援助見返
資金
の
活用
、
株式社債
による直接
投資
の
活発化
、
証券市場
の育成、国債及び
復金債
の
償還
により
銀行
に生ずる
資金
の
長期設備資金
への
転用
、
興業債券
の
発行限度
の拡張による
日本興業銀行
の
活用等
、種々の
方策
を実行して参
つたの
でありまして、
他方わが国経済
の実情に即し、
住宅金融
その他
不動産金融
、
中小企業金融
、
農林水産金融
の面におきましても、できる限りの
努力
を傾注しておる次第であります。 ただ以上の諸
方策
のみをも
つて
しては、莫大なる
長期資金
の需要をまかなうのに、必ずしも十分であるとは認めがたいのでありまして、つとに
銀行等
による
長期資金調達
の手段としての
債券
の
発行
について、検討を進めつつあ
つたの
でありますが、今般ここに成案を得、
法律案
として御
審議
を願う運びと相な
つたの
であります。すなわちこの
法律案
は、
銀行
並びに
農林
及び
商工組合
の両中央
金庫
に対し、
債券
の
発行
についての
特例
を定め、も
つて
刻下喫緊の急務である
長期金融難
の打開に積極的、根本的な
施策
をとろうとするものであります。 以下この
法律案
につきまして
内容
の基本となる点を申し上げます。本
法案
において対象としている
金融機関
は、
日本勧業銀行
、
北海道拓殖銀行
、
日本興業銀行
、
農林中央金庫
及び
商工組合中央金庫
並びに
銀行法
に基いて
営業
の
免許
を受けている
銀行
でありまして、これらの
金融機関
に対して本
法律案
が
規定
しておりますおもなる点は、大体
三つ
とな
つて
おります。その第一は、
銀行等
による
金融債
の
発行
、第二は、この
債券
の
発行
に資するための
米国
対日援助見返
資金
による
銀行等
の
優先株式
の
引受け
、第三は、
銀行等
の
自己資本
の
充実
でありまして、そのいずれもが
金融政策
上あるいは
金融制度
上、まさに画期的な
内容
を持つものと考えられるのであります。 まず
金融債
の
発行
につきましては、
銀行等
は、
自己資本
の
金額
の二十倍
相当額
から、
預金
と
債券
との
合計額
を控除した残額の
債券
を
発行
することができるものとし、これに関連して、
商法
の
特例
その他
金融債
の
発行
につき必要な
規定
を設けるごとといたしたのであります。御承知のように、現に積極的に
債券
を
発行
している
金融機関
は
日本興業銀行
一行であり、他に従来
債券発行
の
権能
を認められていたものとしては、
日本勧業銀行
、
北海道拓殖銀行
、
農林中央金庫
及び
商工組合中央金庫
があるのでありますが、
本案
におきましては、ひとりこれらの
銀行等
についてのみならず、
銀行一般
に対しても同一の基準をも
つて
債券発行
の
権能
を與えることとしているのであります。これにより
債券発行量
の
飛躍的増大
を期し得るほか、すべての
銀行
が
預金業務
と
債券業務
とを併営することができるという、
銀行業務
の建前における
質的変化
を見ることとな
つたの
であります。
従つて
今後におきましては、
金融機関
による
長期資金
の
供給
が格段に円滑となることが期待されるのみならず、
銀行
または
金庫
は、それぞれの特色に応じそれぞれの分野において、活発なる
融資活動
を期待し得ることとなる次第でありまして、
産業界
の
要請
にこたえ、
金融
の
順便
、
積極化
に
寄與
するところ多大なるものがあると存ぜられるのであります。 第二に、この
金融債
の
発行
に資するため、
銀行等
は、
米国
対日援助見返
資金
をも
つて
引受け
られる場合に限り、この
法律
による特殊の
優先株式
または
優先出資
を
発行
することもできるものといたしておるのであります。すなわち
銀行等
が
株式市場
の
状況等
によ
つて
、自力で
資本
を十分に調達できない
現状
にあるのにかんがみ、
援助資金
を
活用
し、これに
銀行等
の
優先株式
または
優先出資
を
引受け
させるという新たな運用の形態を認めることによりまして、
銀行等
の
資本調達
を可能ならしめ、も
つて
その
債券発行余力
の増加と、経営の
健全化
をはか
つて
いるのであります。この
優先株式
は、
利益
の
配当
または
残余財産
の分配について、
普通株式
に対し
優先的内容
を有するほか
利益
または
一般
の増資によ
つて
得た
資金
をも
つて
償却することのできる、いわゆる
償還株式
である点において
現行商法
の
特例
をなすものでありまして、現在
審議
の進められております
商法改正案
の
施行
に先だち、新たな
制度
としてこれを
銀行制度
のうちに取入れようとするものであります。
最後
に、以上申し上げましたところにも関連して、
銀行等
の
自己資本
の
充実
のため必要な
規定
を設けることといたしたのであります。
銀行
が
預金者
その
債権者保護
のために、
適当額
の
自己資本
を有すべきであることは言うまでもないことでありますが、本
法案
におきましては、
嘆銀行等
は、
自己資本
の
金額
が
預金
と
債券
との
合計額
の百分の五
相当額
に達していないときには、
銀行法等
による通常の
積立て
よりも多くの
法定準備金
の
積立て
をなすことによつ、て、
自己資本
の
充実
をはかるべきものとしたのであります。同時に
普通株式
に対する
配当
については、別段の
法律的制約
を加えないこととし、多年の
懸案
であつた
銀行
の
配当復活
の実現、ひいては増資による
銀行等
の
資本
の
充実
を容易ならしめることが期せられることとな
つたの
であります。 以上
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
内容
の
概略
を申し上げたのでありますが、本
法律案
の
施行
による
金融債
の
発行可能額
は、
昭和
二十五
年度
中におきまして、おおむね五百二十億円に上るものと予想されるのでありまして、これが
長期資金
の
供給
を飛躍的に増加させ、また
企業
の
設備資金
の融通、
不動産金融
、
中小企業金融
、
農林水産金融等
それぞれの面において必要な
長期金融
に大きな
寄與
をなすことによ
つて
、
経済復興
のため多大の貢献をすることになろうと存ずるのであります。さらにこれに関連し、多年の
懸案
でありました
預金部資金
による
金融債
の
引受け
も考えられるに
至つたの
でありまして、
金融政策
の面における最近の最も大きな
効果的施策
の
一つ
となると考えられるのであります。 なお本
法案
に基く
援助資金
の
優先株式
の
引受け
、これによる
金融債
の
発行
については、
長期金融
の
現状
にもかんがみ、早急にこれを取進めることを適当と認められますので、
本案
が
法律
として
施行
されます日の一日も早からんことを切に希望いたす次第であります。幸いにして
国会通過
のあかつきは、本
年度
内可及的すみやかに公布の上、即日にも
施行
いたしたい所存であります。 次に
解散団体財産収入金特別会計法案
の
提出
の
理由
を御
説明
申し上げます。
解散団体
の
財産
の管理及び
処分等
に関する
政令
に基き、
国庫
に帰属した
現金
及び
現金
以外の
財産
の
処分等
による
收入金
につきましては、従来これらの
現金
及び
收入金
をも
つて
外国貿易特別円資金
を設け、この
資金
は、これら
財産
に伴う
債務
の
支拂い
に充てるほか、
外国貿易特別会計
に繰入れて
貿易
のために使用することとし、
外国貿易特別円資金特別会計
を設置して
経理
して参
つたの
でありますが、今回この
経理方法
を改め、
国庫
に帰属した右の
現金
及び
収入金
は、
債務
の
支拂い
及び特に
政令
で定める経費に充てるほかは
一般会計
に繰入れることにいたしました
関係
上、その
経理
の
方法
が根本的にかわるごとになりますので、
現行
の
外国貿易特別円資金特別会計
を
廃止
し、新たに
解散団体財産收入金特別会計
を設置して、その
経理
を明確にいたそうと存ずるのであります。 次に、新
特別会計法案
の従来の
特別会計法
と異なりますおもなる点について申し上げますれば、まず第一條におきましては、
会計設置
に関する
事項
を定め、その第四條におきまして、新
会計
における
歳入
及び
歳出
となるべき
事項
を
規定
いたし、第八條において、
一般会計
へ繰入れる額の
計算方法
を
規定
いたした点であります。しかして右以外の
規定
は、新
会計
の
予算
の
作成
、執行繰越し及び
決算等
に関するものでありまして
現行
の
外国貿易特別円資金特別会計法
及びその他の各
特別会計法
に
規定
してあります例規的な
事項
を定めた
内容
のものであります。 以上が
輸出信用保険特別会計法案外
四
法律案
の
提案
の
理由
であります。何とぞ御
審議
の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
—————————————
川野芳滿
3
○
川野
委員長
それでは
財政法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
として質疑に入ります。
三宅則義
君。
三宅則義
4
○
三宅
(則)
委員
私は
財政法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、簡単に二、三の点を御質問申し上げたいと思うのでございます。ただいまここに
提案
されたものによりますと、
目節
を合一せられまして、
割合
に簡単にしようという案でございまするが、そうすることによ
つて
、
経理内容
といたしましては簡單になるかもしれません。しかし実際にこれを使う面におきまして、ほかに流用することが多くなりはしないかと思うのでございますが、その方面について
政府
はどう考えておられますか、一応の御
説明
を賜りたいと思います。
河野一之
5
○
河野
(一)
政府委員
財政法
を
改正
いたしまして、従来目から節までの
配当
をいたしてお
つたの
でありますが、これは一年間実行した
経過
によりますと、各
地域担当官ごと
に
款項目節
まで記載してやります結果、非常に
事務
が煩雑になりまして、
経理
上
支障
を及ぼすような傾きがありましたので、今考えておりますのは、従来節でありますものを
相当程度目
に上げまして、そうすることによ
つて目
もある程度ふえるのでありますが、そういうことによりまして節に沈んでおるものの実際の
経理
上の
支障
を除くとともに、目に上げることによ
つて
、今
三宅
さんのおつしやつたような点を解決しようということで両方の面をかみ合せまして、
経理
の実際に即するように
改正
するという考え方でございます。
三宅則義
6
○
三宅
(則)
委員
しつつこく質問するわけではございませんが、私の観点からいたしますると、ときどき
政府
としても監査しなければならぬのでありますが、
合計検査院
は一体いつごろまわ
つて
来まするか。私どもは翌月もしくは翌々月ぐらいにまわ
つて
来まして、これを監査することが穏健であろうと思いますが、
現状
はどういうふうにな
つて
おりますか、一応承りたいと思います。
河野一之
7
○
河野
(一)
政府委員
政府
の
会計
に関する
会計検査院
との
関係
でありますが、
会計法
その他の
規定
によりまして、
政府
で
一定
の
措置
をとりました場合におきましては、必ず
会計検査院
に
通知
をいたしております。
会計検査院
はその
通知
によ
つて
、
政府
において流用を認めるとかいう点をチェックしまして、それと合せて実際の
支出面
を監査せられるわけでありますが、これはもちろん
当該年度
の点もやられるわけであります。大体
昭和
二十三
年度
の
決算
でありますならば、昨年の四月から十二月ぐらいまでの間において、いろいろおやりにな
つて
いるようであります。
当該年度
のものにつきましても実地に監査されるわけでありますから、
当該年度
の分を合せておやりになるわけでありますが、
決算自身
は確定いたしませんので、その次の翌
年度
において
さらい監査
をいたして
国会
に報告するというような手はずのように承
つて
おります。
三宅則義
8
○
三宅
(則)
委員
私は多少
会計学
のことを申して恐縮でありますが、今日の
法人——
個人でも同じでございますが、営利団体等においては、大体半年
決算
でや
つて
いるのであります。今は税務官吏の手も少いのでございますから、なかなか十分とは行きませんが、少くとも次の
会計
年度
にはこれを監査するという
方法
をと
つて
いるのであります。たとえば半年で次の
会計
年度
が来る。こういうことになるわけでございます。
国会
の方は一年ということにな
つて
おりますから、もちろん一年でけつこうでありますが、私どもは四半期ごとにもくろみをつくり四半期ごとに監査されると思
つて
おりますから、少くとも第一・四半期が済んで第二・四半期に
なつ
たならば、すぐに第一・四半期をやるというふうにしておりますので、
政府
も同じ国の
政府
でありますから、そこは緊密に連絡をと
つて
、四半期ごとにずつとや
つて
もらつたら、たいへんいいと思いますが、
政府
にそういう御構想はありませんか。承りたいと思います。
河野一之
9
○
河野
(一)
政府委員
政府
の
会計
を監査いたしておりますのは、
会計検査院
だけではございませんで、それぞれ各省としては監査をいたしているのであります。大蔵省におきましても
財政法
に基き、
一般
的な監査権利がございます。そして現在
予算
をつける場合におきましては各四半期ごとに従来の執行の
内容
を見てつける、こういうふうな建前をと
つて
おります。もちろんいまだそういうことを実施して日が浅いので、完全には参らないのでありますか、現在支出負担行為、支拂計画は四半期の実情を見てや
つて
いる。そうしてその結果を
会計検査院
に報告いたしております。
会計検査院
においては執行の都度四半期ごとに見るということは、現在の陣容等からなかなか困難ではありますが、すでに長い間たつたあとで監査いたしましても、当事者もかわ
つて
おり、また環境もかわ
つて
いるというようなことで、なかなか適当でない点がございますので、現在
会計検査院
ではできるだけ早くということで、その監査を、執行の後できるだけ早い機会においてやることを心がけておられるのでありまして、この点
政府
当局とも十分連絡をと
つて
おります。ことに計算証明
規定
であるとか、そういつたことにつきましては、おつしやつたような点に即応するように、四半期ごとにその報告をとるという形にな
つて
おります。
三宅則義
10
○
三宅
(則)
委員
私は過去のことを申し上げてはなはだ恐縮に存じますが、一体政治家諸君のことでもありますが、
予算
のときにはたいへんりつぱなことをおつしやるのでございます。しかしそれが
決算
になりますと、大体において二年前のことをや
つて
おりますから、その当時のことはわからぬ。今
河野
主計局長
のおつしやつたようにわからぬのでありますから、はなはだおもしろくない。とういう段階に至るのでありまして、これはアメリカでもそうだろうと思いますが、
年度
内にある一部分は監査して、事前監査と申しますか、あるいは同時監査と申しますか、少くとも
会計
経理
の担当官は
予算
とにらみ合せて、また執行面においてもこれを愼重に考慮し、監査することが必要である、かように思
つて
いるのでありますから、これと関連をいたしまして、
一つ
重大なことを申し上げたい点があります。この点は皆さんも御承知でありましようが、
会計
年度
の年末になりますと、ややもすると
政府
は、余剰
金額
がある場合にはこれを濫費するおそれが多分にある。本
年度
あたりは当然ないと思いますが、これに対しては嚴重に監督をし、また
政府
も心がけつつあるとは思いますが、その御構想を承りたい。
河野一之
11
○
河野
(一)
政府委員
従来
会計
年度
の終りに至りまして、いろいろ濫費と申し上げると語弊があるかもしれませんが、
会計法
上適当でないような行為があつたことは、
三宅
さん御指摘の通りであります。そういうことがありまして、
財政法
及び
会計法
を
改正
いたしまして、支出負担行為を実施することに相なりまして各四半期ごとに
予算
の執行の
状況
を見まして、その支出負担行為については大蔵省の承認を求める。それでないと
予算
が使えないというような現実的なやり方をいたしたわけでありまる。ただこの点はいろいろ
会社
でも同じような点があろうかと思いますが、
年度
の当初においては、
年度
内にどういうことが起
つて
来るかわからない。
従つて
ある程度金を留保しておくということがあるわけであります。ことに二十四
年度
においては、予備費というものは全然なかつたものでありますから、大体物品について申しますと、一割くらいのものはあらかじめ留保しておく。それで実行の
状況
を見てそれを出して行くというようなことで、
年度
末において多少余
つて
、今まで足りなかつたものを買おうというような点もありますので、必ずしもその点を嚴格にとがめるわけにも行かないのであります。ただ
予算
を余して
年度
末に何か旅費に使うというようなことをやられることは、嚴に愼めという通牒も出しているわけであります。
三宅則義
12
○
三宅
(則)
委員
これに関連してちよつと私はこういうことを聞いたのであります。これは今の内閣ではありませんで、過去の内閣のときでありますが、相当
年度
末になりますと、納まらない品物でも納まつたことにして受取を出して支出した。こういうことが過去終戦以来一、二回あつたと考えておるのでありますが、こういうふうにいたしますと、
政府
みずから濫費する濫觴になる。また国民に対しても悪影響を及ぼす。これは出入り商人を初めといたしまして、
経済
界にもきわめて好ましえ影響でないと考えるのであります。嚴にわが自由党内閣においては、そんなことがないようにや
つて
もらいたいことを念願いたすのであります。特に御注文申し上げたいのは、
会計
年度
の
年度
末に
予算
を残すと、来
年度
の
予算
を削られるおそれがあるというので、どの省もこれに対して全部使うような傾向があるということを聞きます。残つたら残つたでいいじやないかと私は思いますが、これに対して
主計局長
の御答弁を承りたい。
河野一之
13
○
河野
(一)
政府委員
そういう
三宅
さんのおつしやるようなことが、
一般
に各省で言われているので、残すと、翌年の
予算
を積算する上にそれだけ削るということになるのであります。それともう
一つ
は、
三宅
さんのおつしやつた点の、現実に物が入らないで金だけをや
つて
しまう。これは嚴に取締らなければならぬことでありますが、
予算
の繰越しをする場合に、いろいろなめんどうな書類をつく
つて
出すことは、なかなかたいへんだということで、過去において一時例があつたようであります。そういう点は現在厳重に取締
つて
おります。それからおつしやつた
予算
の点もこれも程度の問題でありまして、長年見ておりますと、これはほんとうにいらなく
なつ
たものであるか、あるいは節約した結果たまたま出たものであるかということは、大体過去の経験、実績その他で判定ができるのでありまして、最近においてはそういう非難が大体ないようにな
つて
いる。またそのつもりで私どもも運用しているというふうに申し上げて、さしつかえないと存じます。
三宅則義
14
○
三宅
(則)
委員
河野
主計局長
から大分謙譲的な態度をも
つて
御答弁にな
つたの
でありますが、各省お互いに節約をいたしまして、次の事業をやる
資金
というよほどではありませんが、
一つ
の目標をつくる。
会社
にしてもなるべく剰余金を出して、一部分は
配当
し、一部分は次の事業の発展に充てる。こういうことが私
経済
ではもちろんやられているのでありますが、公
経済
になりますと、ややそういう線が薄くなるおそれがありますから、嚴にそういうことのないように、
主計局長
から各省の支出官に向
つて
、そういう趣旨を伝達してもらいたいと考えております。私は国の財政も一
会社
の財政も同じでありまして、少くとも国民の税金によ
つて
まかなわれている以上は、濫費をしないように嚴重に監査
制度
を十分に徹底してもらいたい。これをひとつ申し上げて質問を打切りたいと思います。
宮腰喜助
15
○宮腰
委員
ちよつとお尋ねしますが、よく
一般会計
から
特別会計
に繰入れている場合が非常に多いようですか、その際大臣なり
政府
当局の
説明
によりますと、来
年度
になれば必ず
一般会計
に返すということをたびたび言われておりますが、この返されている
状況
がはたしてどうであるか、私は疑問に思うのであります。その点を一点と、それから
年度
を三月ということでなく、アメリカのやり方のようにあるいは六月なり七月なりに切りかえてや
つて
いただけば非常によい。
国会
もこの
年度
のために十二月から一月に召集する。必ずその際には
国会
の解散なり何なりありまして、冬のまつただ中の寒いところで選挙をやるということは非常に苦痛だと思うのですから、関連しての問題ですが、
年度
をそういうふうに合理的に
改正
することができないかどうか、その二点をお伺いいたします。
河野一之
16
○
河野
(一)
政府委員
お答え申し上げます。最初の方の、今まで
特別会計
に繰入れて、なかなか返さないのではないか。これは通信とか、鉄道とかいうところがおつしやるような例に該当するわけであります。これはもちろん独立採算制をとる建前上、
一般会計
に返すのが当然でありますが、過去における終戰以来のいろいろなインフレーシヨンの時代におきましては、なかなかそういうことか事実できかねた。運賃の引上げも押えられるというような
関係
で、その赤字を国の
一般会計
から補填してやつた。しかし鉄道収支の
状況
はなかなか改善して参らぬということで、事実問題としてなかなか困難である。これはしかし今後におきまして
経済
が安定して、
企業
の
内容
が改善されて行くに従つで、順次改善されて行くというふうに考えております。 それから
会計
年度
の問題でありますが、これはむずかしい問題でありまして、御承知の通りアメリカは七月からにな
つて
おりますしその他フランスは一月からでありましたか、イギリスは四月からでありますが、これも現在の
日本
の明治以来と
つて
おりましたいろいろの
制度
なりあるいは行政の実態、あるいは政治の運営というようなものと、
会計
年度
というものは非常に結びついておりますので、たとえて申しますれば、この次から一月までの
会計
年度
にするということになりますと、過渡的には短かい
年度
ができる。そうして
予算
の編成もあるいは
国会
の開会も繰上げて、全部のものがそれに相応する、ことく動かねばならない。また地方団体でも同じような事情があるというようなことで、実行問題としていろいろ問題になりながら困難にな
つて
おるわけであります。むしろ現在では
会計
年度
をそのままにしておいても、
予算
の実行についてそういう程度のことはできはしないか。ことに四月の冒頭から事業ができる。公共事業なんかについては、そういうふうにできるように
予算
の運営や執行をやれというような議論が、現在のところではまだ強いように存じておる次第であります。
宮腰喜助
17
○宮腰
委員
局長さんから丁寧なお言葉をいただいたのであります。しかしたびたびこの
委員会
でも、必ずこれは将来
一般会計
に返すということを言
つて
おられますが、実際そういうことがこの
委員会
には全然報告されてないのです。こういうように
委員会
で記録に載
つて
おる通り、どの問題はこれこれを返す予定にな
つて
おる、
従つて
その
会計
年度
を終つた場合にはこれこれを返すということを、確実に今後
委員会
へ御報告願いたいと思います。
河野一之
18
○
河野
(一)
政府委員
鉄道
会計
につきましては、たしか
昭和
二十二年でありましたか、
一般会計
から繰入金をいたしたことがございます。これは鉄道公社になりまするときにこの分を切りかえまして、従来臨時軍事費がありました時代に、鉄道が
一般会計
に繰入れた金がございます。それと差引相殺したようなところもございます。まだ残
つて
おる部面もあるのでありますが、こういう面につきましては宮腰さんの御意見のように御報告を申し上げるのが、妥当であろうというふうに考えております。
小山長規
19
○小山
委員
今度の
財政法
の
改正
にあたりまして、従来節であつたものを目に繰上げするというような監督の
方法
、そういうことを考慮されましたか。つまり
予算
配賦の場合には目から節まで配賦してお
つたの
を、目だけの配賦にするということでありますが、そうすると監督の立場から言うと、節の方の区分がわからなくなる。それで節の中が——あとで申し上げますが、この区分ではたしていいかどうかというものが二、三ありはしないかと思う。それでこれを
改正
する御意思があるか。あるいは従来のままで、ここに見本として出しておるような、このような区分の仕方で行くつもりでありますか。
河野一之
20
○
河野
(一)
政府委員
従来と申しますか、
現行
で申しますと、たとえてみますれば「諸手当及給與金」の中に、お手元に差上げてあります特殊勤務手当であるとか超過勤務手当であるとか、それらが節にも沈んでおりますし、石炭手当、寒冷地手当、それから非常勤職員に対する給與、定員外の職員に対する給與、こういうものが特殊手当の中に一本に入りまして、
一つ
の手当給與金の目の中に、ここに掲げてありますようなものが節に沈んでおりました。
従つて
監督上非常に不便であつたわけであります。こういうような特殊な手当を全部目に拾い上げております。それから十五ページの補助金、負担金、交付金というのでありますが、これは従来目では「補助負担金及交付金」という目にな
つて
おりまして、その中の節がいろいろこまかくわかれておつたわけであります。何々団体補助であるとか、あるいは何々会補助金というふうに現在まで節にな
つて
おりましたが、これを目に、
従つて
節以下は各省大臣の責任にまかされておりましたので、場合によりましてはある補助金と他の負担金がいろいろ流用されることがありましたが、今回の
改正
におきましては、おのおの何々団体補助、何々負担金、あるいは交付金というものを目にその対象を明らかにして上へ出しました。そうして節の整備をいたしますとともに、その監督上必要な分を目に上げまして、そしてかえ
つて
監督がしいいようにいたそうというふうに考えておる次第であります。
小山長規
21
○小山
委員
それでわかりました。この表は
現行
の表でなくて、今度
改正
されようというのでありますが、ただこの場合に、なお若干変ではないかと思いますのは、第一ページにありますところの「職員基本給」という中に俸給と扶養手当、勤務地手当と一緒にな
つて
いることは、たとえば余剰金が出た場合に、ほかのものに流用可能な事柄になるわけであります。そういうふうなことがはたしていいのかどうかということ、それから物品費の中に備品費と、消耗品費とが一緒にな
つて
おる。これもはなはだおかしいのではないかと思います。普通の
会社
経理
のように、備品費と消耗品費は明らかにわける。備品費を消耗品費とが一緒にな
つて
お
つて
、それを各省各庁の長が流用できるという
制度
は少しおかしいじやないか。備品費と消耗品費は目の中に繰上ぐべきものではないかと思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
河野一之
22
○
河野
(一)
政府委員
基本給の中に俸給、扶養手当、勤務地手当と
三つ
あるわけでありますが、このすべてのものはおのおの職員の給與の実態で現われて来るものでありまして、たとえて申しますれば、職員の俸給をそのときの現員現給で支出されるわけであります。扶養手当は家族の
状況
によ
つて
家族がふえればふえる。それから勤務地手当も、その勤務地の区分に
従つて
三割から一割までということになりますので、かりに不用が出ましても、お互いの間は実際問題として使うことはできない。対象がはつきりしておるから使えない。ただこの金をよその方に持
つて
行く、ほかの経費に持
つて
行くということになりますとこれは
大蔵大臣
の承認がいりますので実際問題としてむずかしいのでございます。 それから物品費の中を備品費と消耗品費とにわけることでありますが、これは
企業
会計
経理
でありますと、おつしやるような議論になる点もあろうかと思うのであります。
政府
の
会計
におきましても、この備品の方は物品
会計
規則の適用を受けますし、消耗品の方けその適用がないわけでありますが、ただ消耗品費におきましても、まだ拂い出さない場合におきましては、物品として取扱われるというような面もありますので、現実の官庁の
会計
といたしましては、その両方を相類似して使
つて
おるというようなことで、便宜一緒にいたした次第であります。各種の
事務
品品あるいは文房具類というようなものも、これが物品
会計
官吏のところにあります間は物品として取扱われ、これを
一般
の職員のところに配付されると消耗品として取扱われるというようなわけで、多少相関連したものがあるので、こういう取扱いにいたしたわけであります。御趣旨の点はごもつともな点でありますが、ただ全般的にもう少し研究を要すべき点もございます上、急激に
現行
の区分に大変革を加えるということも、今までなれました
会計
官吏が混乱されるというようなこともございまして、一応過渡的にこういうふうな取扱いにいたした次第であります。御趣旨の点は十分研究してみたいと思います。
小山長規
23
○小山
委員
これは十分研究していただきたいと思います。というのは、監督上非常に妙なことが起りはせぬか。極端な場合を申しますと、自動車を買うという
予算
を立てておいて、自動車ををやめて全部ガソリンに流してしま
つて
も、これは
財政法
上は一向不当ではないという結果になろうかと思うのであります。この備品費と消耗品費のわけ方というものは、備品費の中にも直接備品として上げていいかどうかというものもありましようけれども、その辺はよほど御研究の必要があるだろうと思いますので、将来これがまた問題に
なつ
たときのことを考えて、一応速記録にとどめさしておいていただきたい、こう思うのであります。
川野芳滿
24
○
川野
委員長
竹村奈良一君。
竹村奈良一
25
○竹村
委員
一点お尋ねいたしたいと思います。大体従来の
予算
で、科目の流用がどの程度行われておるかということを伺いたいと思うのであります。
河野一之
26
○
河野
(一)
政府委員
目の間の流用は、現在では全部
大蔵大臣
の承認を要することにな
つて
おります。ただものによりましては、そう弊害のないと思われるようなものは、たとえば人件費相互の
予算
につきましては、ある程度包括的に流用を承認するというようなことにいたしております。ただ原則として人件費から物件費に持
つて
来るというようなこと、あるいは物件費から人件費に持
つて
行くというようなことは、原則的に認めないという方針で進んでおります。
竹村奈良一
27
○竹村
委員
その原則的に認めないといわれておることが、各出先等においては行われておる事実が相当あると思うのですが、これに対して一体何件ぐらいあ
つて
、それの取締りはどういうふうにされたか。ひとつそれを具体的にお伺いしたいと思います。
河野一之
28
○
河野
(一)
政府委員
ただいまどの程度あるかちよつと存じておりませんが、流用の問題はすべて
大蔵大臣
の承認を要するわけでありますので、
決算
書においてはすべてこの流用の
関係
が現われて参ります。
大蔵大臣
はその裁量によりまして、流用の承認ができるのであります。これは合法かと思います。
大蔵大臣
の流用承認がなくて、各省大臣がか
つて
にやつたというような例は非常に僅少でありましておそらく
昭和
二十三
年度
予算
においても数件にとどまると思います。二十四
年度
予算
につきましては、予備費がありませんでした
関係
上、相当大幅に流用を認めるというような実情もやむを得なか
つたの
でありますが、原則的には、物件費から人件費に持
つて
行く、あるいは人件費を物件費に使うというようなことは、
大蔵大臣
としてもできるだけこれを避けるという方針で進んでおるわけであります。ただやむを得ざる場合においては、その事態をよく調査いたしまして、これが流用を承認するかいなかをきめておる次第であります。
竹村奈良一
29
○竹村
委員
もちろんこれは本省におきましては、そういうことは嚴重にやられておるかもしれませんが、各出先機関におきましては、往々にしてそういうことが非常に問題の種にな
つて
おるのですが、出先機関の問題については一体どういうふうに、どのくらいあるか、調査せられたことがありますか。また問題に
なつ
たこと等がありましたらお答え願いたい。
河野一之
30
○
河野
(一)
政府委員
これは私どもの立場において申し上げますれば、書面で得まして、これを適当であるかどうかを判断するのでありますが、その末端機関において、語弊はありまするが、その書類を適宜の書類をつくるというようなことがありますれば、これは実地に監査しなければわからぬ次第であります。たとえて申しますれば、から出張をいたしまして、それでも
つて
かりにいろいろな経費が出たというようなことがあるといたしますれば、これは実地に監査いたしませんとわかりません。この点につきましては大蔵省自身
財政法
上に基く監査の権限をもちまして、時に応じて
予算
の
目的
に合致しておるかどうか、あるいは
会計法
上に照して適当であるかどうかということを、監査いたしておるのでありますが、
会計検査院
といたしましては、全面的にその実情をお調べになる次第であります。そうしてその結果は
決算
報告書において、これこれの支出がある。
大蔵大臣
の承認なしに流用いたしておる。あるいは
予算
外の
目的
にこれを使用しておるということが、検査報告として出まして、そうしてそれに基いて
国会
において判断を下されまして適当な処置をとるという建前にな
つて
おる次第であります。
竹村奈良一
31
○竹村
委員
今度はこの
法案
によりますと、大体節は一応
廃止
するとしております。簡潔にするのだということでございますが、そういたしますと、かえ
つて
たとえば詳細な点がここに上らないので、ある程度自由に出先は使えるようになるのじやないかと思いますが、その点に対するお考えはどうですか。
河野一之
32
○
河野
(一)
政府委員
これは私どもは、この逆な立場に考えております。目が今まで二十二であつたと思いますが、その下にたくさんの節がございまして、節というものは私どものところではよくわかりません。従
つて目
の以下にある限り相当か
つて
に使えるということになるのでありますが、今回は節に沈んでおるものを目に上げて行くという考え方をしておるのであります。従来でありますならば二十二、三のものが二十六、わずかしかふえないことになります。たとえて申し上げますれば、先ほど申し上げました補助金、負担金及び交付金というものは
一つ
の目でありその下に何々団体何負担金いうのが節ににだんだん沈んでいるのありますが、おのおのその何々団体補助とか、何々費の交付金とかいうものを目に出しておりますので、目の実際上の種類とかあるいは効用というものは非常に大きくなります。それから効用も発揮されるということで、かえ
つて
監督上よくなるというふうに私どもは考えております。
竹村奈良一
33
○竹村
委員
そうすると今大体目が二十二のものが今度は二十四になると、二つくらいしかふえないのですね。
河野一之
34
○
河野
(一)
政府委員
一般会計
では二十六ばかりでありますが、私の申し上げましたのは、たとえば十四ページの委託費なんかを見ていただきますと、これは従来は目に表われておりません。節でありましたが、これを目に表わしましてそうしてその中に何々試験の委託費、あるいに何々研究の委託費というものをおのおの個々の委託費を目に上げて行く。従来でありますと節の中に沈んでおりましたから同じ委託費の中でもAの人にやる委託費と、Bの人にやる委託費をお互いに流用することができた。それからまたその委託費でも
つて
ほかの方の経費を出すこともできたということが、今回はAの委託費あるいはBの委託費、おのおの別の目にな
つて
表われておる。同じ需要に表われておる委託費でも、これが幾つもの目に表われるわけでありますから、非常にその点が従来よりも監督上便利になるというふうに考えておるわけであります。ただ單に形式的な目の名称の数だけではないということになると考えております。
竹村奈良一
35
○竹村
委員
それではもう
一つ
お聞きしたいのですが従来のもので見ますと、たとえば人件費等におきましては、これを見ておると大体級別に想像がつくのですが、今度こういうふうにされた場合に一括して人件費というようなものが出て来て、たとえば職階制による賃金なんかは一見してわかるようにわれわれは考えておるのですが、これはどうですか。
河野一之
36
○
河野
(一)
政府委員
おつしやる人件費の問題について職階制との
関係
でありますが、職階制がまだ確立いたしておらないがために、各級別の人員を各項で表わすということがちよつと困難なような
状況
にな
つて
おります。ただ本年の
予算
書にもございますが、各所管を通じまして一級の人間が幾人、二級の人間が幾人というふうに、一級から十五級までの
予算
積算の上の級別の計数というものが
予算
書についております。ただ各項別の計数がついておらない。しかしこれは職階制確立につきましてその通り
予算
書に表わすべきものだと思
つて
おります。従来の戰争中の
予算
でも役人の高等官が何人、判任官が何人、雇用人が何人ということがちやんと書いてありまして、單価も出ておつたわけでありますから、いずれはそういうふうになろうと思うのであります、現在の行き方といたしましては、一級から十五級までを通じました各省の各局別の現級の單価をとりまして、そうして人数を出しております。将来はおつしやるようなところに、あるいは節以下のところへ組めるようにして行くことに相なろうかと思
つて
おります。
—————————————
川野芳滿
37
○
川野
委員長
それでは
財政法
の一部を
改正
する
法律案
に対する質疑はあとまわしにいたしまして、この際ちよつとお諮りいたします。 ただいままで予備審査中の
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
につきましては昨十三
日本
付託と相なりましたので、本日より本審査に切りかえて質疑を続行いたしたいと思いますが、この点御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
川野芳滿
38
○
川野
委員長
御異議がないようですから、
証券取引法
の一部を
改正
する
法律案
及び
造幣庁特別会計法案
を一括
議題
として質疑を続行いたします。小山
長規
君、
小山長規
39
○小山
委員
條文を忘れましたが、今度の
改正
法案
によりますと、
会社
は
決算
の場合に公認
会計
士の監査を受けなければならぬという
規定
があつたと記憶しております。それはどういうふうな——たとえば
資本
金幾ら以上というようなことで実施をされようとしておりますが、さしあたりどの程度の
資本
金からこの公認
会計
士の監査を受けさせようというおつもりでありますか。それをひとつ伺
つて
おきたいと思います。
湯地謹爾郎
40
○湯地
政府委員
ただいまの御質問は、おそらくこの第百九十三條の二というところに「証券取引所に上場されている
株式
の
発行
会社
その他の者で
証券取引委員
会規則で定めるものが、この
法律
の
規定
により
提出
する貸借対照表、
損益計算
書その他の財務計算に関する書類には、その者と特別の利害
関係
のない公認
会計
士の監査証明を受けなければならない。」この
規定
の御質問だと思います。この「公認
会計
士の監査証明を受けなければならない。」とな
つて
おりますが、御承知の通り現在の公認
会計
士の数が百五、六十名でありまして、この
法律
によ
つて
全部公認
会計
士の監査を受けしめるということは、なかなか実際問題として困難である。それで
委員会
規則で定めるものが云々ということで、
委員会
規則によりまして公認
会計
士の監査能力等々と関連いたしまして、この監査証明を受けなければならないものをだんだん指定して参ろう、こういうふうに考えております。そうしてこの前この席でお答え申しましたが、ただいまさしあたりといたしましては、一応上場されておる
会社
で
資本
金が五億円以上のもの、あるいは五億円以上でなくても、
株式
の募集もしくは売出しをしようとするものが五億円を越えるものというような、さしあたり五億円程度で線を引いてみたい、こういうふうにただいまは考えております。
小山長規
41
○小山
委員
五億円以上の
会社
ということになりますと、そうたくさんはないのでありますが、ただここで若干希望的に申し上げておきたいのは
銀行
の場合であります。
銀行
は御承知のように大蔵省の嚴粛な監督を受けておりますと同時に、
銀行法
上の種々な制約を受けておるのでありますが
銀行
の場合にも、やはり公認
会計
士の監査を受けなければならないとお考えにな
つて
おりますか。あるいは
銀行
の場合は、それは
証券取引委員
会の規則によ
つて
当分これは免除してもよいとお考えにな
つて
おりますか。その点を伺
つて
おきたいと思います。
湯地謹爾郎
42
○湯地
政府委員
この問題は、実はこの前の百九十三條に、この
委員会
に
提出
する書類について、その様式とか用語とかあるいは
作成
方法
を
委員会
規則で定める。その
方法
によ
つて
書類は出してもらう、こういう
規定
があるのでありまするが、これについて
銀行法
だとかあるいは信託業法だとか、あるいはそういう特別の
法律
によ
つて
書類の様式等がきま
つて
おるものがあります。それらについてはさしあたりその様式を使
つて
、それ以外のものについては
委員会
規則で定める様式を使
つて
行こう、こういうふうに考えております。それと関連いたしまして
銀行
のように、
銀行法
で特別の様式等が
規定
されておりまするし、さらにその上
銀行
検査官が検査をや
つて
おるというような、言いかえれば十分な監督を受けて、またその
規定
された様式のもとに出して来るような
銀行
については、
委員会
規則でこれは当分公認
会計
士の監査、署名を免除しよう、こういうふうに考えております。
小山長規
43
○小山
委員
ただいまの御
説明
でよくわかりましたが、それは
法律
上のいろいろな制約があり、あるいは用語あるいは様式、その書類の
作成
方法
によ
つて
法律
上きま
つて
おるものだからというお話でありましたが、そういたしますと
銀行
以外のもの、たとえば信託
銀行
、これは
一つ
の
銀行
ではありますが、信託
銀行
も含むつもりでありますか。あるいは信託以外の
企業
会社
についても、そういうことを考えておるものがありましようか。もう
一つ
あわせてお伺いいたしたいと思います。
湯地謹爾郎
44
○湯地
政府委員
お答え申します。この様式云々という問題とは直接は
関係
ないのでありますが、
法律
等できまつた様式で出すことをさしあたり認めるものの中で、やはり主務官庁等で十分検査、監督をいたしまして、他面
一般
の
投資
者保護に欠くるおそれのないようなものについては、これに関して特殊な監督を考えてみて、できるだけ公認
会計
士の手を省くという趣旨から考えまして、
銀行等
はその一番著しきものだと思いますが、そのほかに及ぼすかどうかということは、この経営の状態、それに対する監督の強さというところから判断して参ると、必ずしも
銀行
に限るとは考えておらないので、公認
会計
士の
現状
、数等から見まして、一面
一般
の
投資
者の保護に欠けない範囲内において、しかも
会社
自体にいたずらな手数をかけない趣旨で、選定して参りたいと考えております。
川島金次
45
○川島
委員
造幣庁特別会計法案
に関しまして、ちよつと二、三お伺いをいたします。この
特別会計法
にあります事業は、言うまでもなく「貨幣、章はい、記章、極印、合金及び金属工芸品の製造、貴金属の精製、配給及び品位の証明並びに鉱物の試験」こういう
業務
を行うようであります。そこで参考のためにお伺いしたいのでありますが、現在の
日本
で
政府
が
発行
いたしておりまする補助貨幣の種類とそれから量、これはどのくらいにな
つて
おりますか。念のためにお聞かせを願いたい。
佐藤一郎
46
○
佐藤
(一)
政府委員
お答えいたします。現在の流通商並びに手持商、これを合計いたしましてまず五円が枚数にいたしまして三億六千四百二十一万二千枚、
金額
にいたしまして十八億二千百六万円、それから一円が枚数にいたしまして三億千九百二十七万枚、
金額
が三億千九百二十七万円、それから五十銭が枚数にいたして十億五千二百三十万八千枚で
金額
が五億二千六百十五万四千円、それから十銭が枚数にいたしまして十七億六千五百四十二万枚、
金額
にいたしまして一億七千六百五十四万二千円、五銭が枚数にいたしまして十億六千五百九十万枚で、
金額
にいたしまして五千三百二十九万五千円、一銭が枚数にいたしまして四十九億五千八百二十万枚、
金額
にいたしまして四千九百五十八万二千円、なお五厘が二千九百八十万枚で十四万九千円というのがございます。これはいずれ資料にして差上げます。
川島金次
47
○川島
委員
そのついでに、資料がありましたら参考にこれをお伺いしたいのでありますが、五円以上が十円、百円、今回の千円、それからまた一説によりますと、近く五百円札をつく
つて
はどうかというような意見も、
政府
で強く出ておるということでありますが、その点はどうな
つて
おりますか。参考のために聞かしていただきたい。
河野一之
48
○
河野
(一)
政府委員
今
年度
の印刷庁の紙幣の計画といたしましては、五百円札、二百円札というものはつくる計画にはな
つて
おりません。目下研究はいたしておりますが、
予算
的にそういうことは今予定いたしておりません。
川島金次
49
○川島
委員
最近の
日本
経済
の実情、それから物価の実態、取引の実情等から言いまして、円以下の端数は何か
法律
をも
つて
切捨ててこういつた補助貨幣も現在いらないのではないか。ことに五銭、一銭、五厘というようなのは実際の取引の上においてまことに迂遠な存在ではないかという議論もあり、また
政府
の中にもこの端数問題について相当熱心な研究をされておるという話も承
つて
おるのでありますが、その点の事柄については、どういう御見解を今お持ちですか。
河野一之
50
○
河野
(一)
政府委員
国庫
金の端数は一銭で限られているわけでございます。これを一円以上ということで、
法律案
を最近の機会において
提出
いたすつもりであります。ただ完全に一円で切り捨てあるいは切上げることは、いろいろ
支障
もございます。たとえて申しますと、現在食糧等の配給におきましては、一円未滿の金を使
つて
いるような実例もございますので、過渡的に最近におきまして五十銭を上下切り捨て切上げというようなことを
政府
は考えております。これは暫定的でありまして、いずれ近いうちには、これを一円ではつきりけりをつけるというふうに持
つて
行きたいと思
つて
おりますが、ただいまのところ五十銭をも
つて
四捨五入して、切り捨て切上げをやるというふうに考えております。
川島金次
51
○川島
委員
先ほどの発表によりますれば五厘銭が出ておる。これは流通しておるのでありましようし、また手持もあるのですが、実際において民間で
活用
されておるでしようか。私どもその点はまことに不思議に思うのですが、その実態はどういうふうにな
つて
おりますか。
河野一之
52
○
河野
(一)
政府委員
流通しておると申しまするよりも、返
つて
来ないわけであります。ほとんど骨董品みたいに扱われておりまして返
つて
参りません。以前から厘を使うことには問題がありまして、現在まれな例でありますけれども、
政府
へ五厘銭が入
つて
参りますとこれを一銭になるまで持
つて
いるという古めかしい
規定
があるわけであります。そういうことで実際は流通していない。
政府
で持
つて
いるものも、一銭に
なつ
たら納めて、そこでけりをつけまして廃してしまう。こういう事態にな
つて
いるわけであります。
川島金次
53
○川島
委員
それの回収の場合に、
特別会計
には準備金を持
つて
いるわけでありまして、準備金というのは、
発行
した額と見合
つて
置くということになるようでありますが、回収を開始して、しかも回収にならない。そうすると、その間にそれだけ準備金の余裕ができることになるのではないかと思うが、その余裕金はどういうふうな形で処理をされることになるのですか。
河野一之
54
○
河野
(一)
政府委員
発行
商の相当ございまするものは準備金として持つわけでありますが、それが回収されない間は市場に流通いたす。もしけりをつけるといたしますれば、何月何日以降はそう貨幣は法定の通用力がないということにいたして
一定
の期限をつけて回収いたす。出て来なかつたものは
利益
になる。この
措置
は別途考えることになると思いますが、ちようど紙幣につきましても同様な問題があるのでありまして、同じように扱わるべき問題であろうと思います。ただそういう法定の
措置
をとりますまでは、
一般
に流通しておるというふうに考えております。
川島金次
55
○川島
委員
またとつびなお尋ねですが、五円以下の補助貨幣、これは今紙も相当高くな
つて
いるし、印刷代もさだめし高いだろうし、工賃も上
つて
いるというようなことで、五円を一枚刷るためにはどのくらい原価がかかるか。そんなことについて、お手元に資料がありましたならば、一応具体的に示してもらいたい。
河野一之
56
○
河野
(一)
政府委員
お札の方で申しますと、千円札一枚刷りますのに四円二十銭かかります。百円札が四円かかります。十円札が三十三鏡。一円札が十九銭。十銭札が九銭七厘七毛ということに相な
つて
おります。それからコインの方でありますが、五十円製造経費が十六円八十六銭、十円が一円八銭三厘、五円が八十五銭四厘、一円が七十二銭、こういう計算にな
つて
おります。
川島金次
57
○川島
委員
なるほど十銭札を刷るために九銭何ぼかかるとえらいことになるということはわか
つたの
ですが、そこでさらにお伺いしておきたい。
特別会計
で行います章はい、記章、極印、工芸品の製造、これはもつぱら
政府
の用途に使うものでありますか。
一般
民間からの工芸品の製造依頼などにも応じて行くわけでありますか。その点はどうなんですか。
河野一之
58
○
河野
(一)
政府委員
これは主として民間からの受託に基きます。造幣局は相当技術を持
つて
おりまして、
一般
民間の受注に応じていたしております。
川島金次
59
○川島
委員
そういつた民間の需要に応じて、年間どのくらいの収入を得ておりますか。
河野一之
60
○
河野
(一)
政府委員
年間にいたしまして大体三千万円程度受託を受けております。
川島金次
61
○川島
委員
特別会計
のことについては、また後ほどお伺いしたいと思いますが、ついでに
証券取引法
の問題をお尋ねいたします。先般も小峯君が触れられたようでありますが、五十万円の準備
資産
を持たせるということがある。五十万円以下に対しては、
免許
を取消すという形にな
つて
いる。しかも今日の
経済
の実態、
資産
再評価なども行われるときにあた
つて
、非常に大切な他人の証券、あるいは
現金
を相当扱
つて
行きまする業者に、今の
経済
通念からして、さらに
資産
再評価等を考えた場合に、五十万円程度ではたして証券業者としての信用と言いますか、
資産
的な裏づけとなるべき何らの心配がないものかどうかということについて、私ども多少疑念があるのでありますけれども、実態についてはあまり詳しくいたしておりませんので、その点は
政府
はどういうふうに考えられておりますか。それからもう
一つ
は二年間の余裕を置いた。今五十万円なければ非常に弊害が多いのだ。
従つて
五十万円にくぎづける。しかも五十万円は今後二箇年の間に
資産
を持てばよろしいということになると、現在は五十万円以下ではそこに弊害が多い。しかし特別に二箇年間は猶予するとなると、今後の二箇年間だけはあまり弊害がないという変な矛盾したことが起る。何ゆえにこういう二箇年という長い期間をこれに充てなければならなかつたかということについての、もう少しく具体的な、率直な見解を表明しておいてもらいたいと思います。
湯地謹爾郎
62
○湯地
政府委員
証券
会社
の登録申請の要件として、並びに証券
会社
が常に維持する要件として、純
資本
額五十万円という
金額
は、現在の
経済
情勢から見て少くはないかというお尋ねのようでありますが、これは御承知の通り純
資本
額でありまして
会社
の総
資産
の中から、不動産その他の固定
資産
を差引きまして、さらにそれより外部の総負債を差引いた残りが、いわゆる純
資本
額でありまして、これが五十万円を維持しなければならないということでありまして、これはほんとうの意味のネットに残る自由にできる流動
資産
ということになりまして、実はこの資格の制限をきめる場合に、こういうような純
資本
額で行くべきか、あるいはもつとわかりよく
会社
の
資本
金額
で行くべきかとこういう考え方があるわけでありますが、ただ
会社
の
資本
額で行きますと、かりにその
会社
が一億円の
会社
でありましても、相当損をしあるいは債権が固定してしま
つて
取れなくな
つて
おる。言いかえれば純
資本
の
関係
で、五十万円を割るというような場合でも、
資本
金額
で押えますとこれは
一定
の
金額
でありまして、
会社
の
内容
等は直接それに響かないといううらみがあります
関係
上、いわゆる純
資本
額ということで、総
資産
の中から固定
資産
を引き、さらにそれから外部に対する負債総額を引いたその残り、これは始終動く数字でありますが、これだけを維持せしめるということの方が実質的であるというような意味で、純
資本
額を
條件
といたしたわけであります。この五十万円と言いますとも名
目的
には少いようにお感じになると思いますが、
会社
が相当大きな仕事をや
つて
おりますと、特殊の値下り等がありますれば、すぐこれを割るおそれがあるので、これを維持せしめるということが、実質的であるというふうに考えておるのであります。それから現在の証券業者について、純
資本
額五十万円をただちに実施しないで、二箇年間の猶予を與えたという点につきましては、これは御説の通り、われわれといたしましても二箇年は、一番おそくて二箇年というつもりでありまして、できるだけ早く純
資本
額五十万円を維持するように指導はして参りたい、どういうふうに考えております。ただなぜその間の余裕を置いたかと申しますと、これは昨年の九月
決算
で調べた証券
会社
の中で、純
資本
額五十万円以下のものが約三九%ありまして、約四割近い証券
会社
が、当時においても純
資本
額五十万円というものを維持していないというような状態でありまして、ことに最近のように株価が低落して参りますと、さらにその維持は困難になるだろうという状態にな
つて
、それを一挙に実施いたしますと、そういう証券
会社
については
営業
の停止、もしくは登録の取消しをするということになりまして、かえ
つて
混乱を起しまして、その整理を強行することになると、顧客に対して不測の損害を與えるということも心配されますので、一応最大限として二箇年、こちらとしてはできるだけ早く指導をし、これを維持するようにさして参りたい、こういうふうに考えたわけであります。
川島金次
63
○川島
委員
先般もちよつと私が強く触れたのですが、この取引法の一連の中に、例の新聞、雑誌等に関する評論に対する罰則、こういう問題は、どうもいまも
つて
あ
つて
益なきものではないかという感じをいたしております。こういう
法律
をつくつたがために、出版者あるいは新聞
発行
者と
政府
の間に、あるいは、証券業者との間において、あるいは
会社
との間において、いろいろ疑義が生ずる場合が多くて、かえ
つて
煩雑にな
つて
しかもあまり益がない、こういうことになるのではないかと私は思いますが、
政府
はそれでもこの條文はどうしても置かなければならないという、強い考えを持
つて
おるのかどうか。私はどう考えましても、この條文だけはない方がいいのではないかといまも
つて
考えておるのですが、その点いかがでございますか。
湯地謹爾郎
64
○湯地
政府委員
この第百九十一條の二の問題でありますが、この前もお話があ
つたの
であります。われわれといたしましては、この趣旨はどちらかと申しますと、相当
経済
界において有力な方々、その人の意見が非常に有力に影響するというような人の、
会社
等に対する批評あるいは論説というものが、かりに対価をもらつたことによ
つて
、多少誇張されて書かれるということでありますとその影響力が強いだけに、
投資
者
一般
に対して悪い影響を及ぼすということが考えられますので、むしろそういうことのないようにいたしたいということが、主たる
目的
でありまして御説のように本人と証券
会社
あるいは
発行
会社
との間に、なれ合いで対価をもらつたことを隠して書くということは、あるいは二流、三流の雑誌等の執筆等の場合にあるとも考えられるのでありますが、そういう雑誌に載つたものについては、かりに対価をもら
つて
おりながらもら
つて
いないような形で出ましても、外部に対する影響はそう大きいものではない。むしろ有力な新聞、雑誌、あるいは有力な方々の意見等に、そういう間違いがないということが
投資
者の保護のために必要である。こういうふうに考えておるのでありまして、こういう
規定
がありますれば、自然そういう有力な方々あるいは有力な新聞、雑誌等においても、従来よりはもつと自粛されることになるのではないかという意味で、そういう効果を期待しておるのであります。
川島金次
65
○川島
委員
そうするとこういう場合はどうしますか。たとえば、ある有力な
会社
が出資をし、または援助をしておる新聞、雑誌が、その
会社
のことについて評論をした場合、今の條文に直接触れるものかどうか。またよくあることでありますが、ある雑誌もしくは新聞が、有力無力は別として、
一定
の
会社
とある
一定
の機関を通じた広告を契約しておる。広告を契約されるのでありますから、その雑誌、新聞社はその広告主に対して好意も感ずるであろう。その結果として実際問題としてその
会社
の評論を書いてくれるといつた場合には、直接の対価の取引はないが、間接にはあることになる。その場合にはどういうふうに扱いますか。
湯地謹爾郎
66
○湯地
政府委員
最初の御質問に対しましては、この場合にはこの
規定
には触れないと考えております。 それから後段お話になりましたものについては、実はこの
法案
をつくる際に、それが問題にな
つたの
であります。当初、直接もしくは間接に対価を受け云々という原案もあ
つたの
でありますが、そういたしますと、この境目は非常に微妙な
関係
がありまして、取締りの際においてもいろいろ困難を伴いますし、また現在の
わが国
といたしましては、少し行き過ぎと考えられましたので、「直接もしくは間接に対価を受け」という言葉をとりまして、單に「対価を受け」としたのであります。これはいわゆる直接こ受けたという解釈になるわけでありまして、ただいまのように間接に受けたような場合には、それに該当しないと考えております。
川島金次
67
○川島
委員
この前も触れたのですが、一体新聞、雑誌が
会社
の評論をする場合に、これは優良でございますと、明らかに活字に表明して評論をするということがあり得るかどうか。この問題なんです。そういうことは社会通念ではないのにもかかわらず、こういう條文を設けるということは、私としては自由であるべき言論、文章に対して、無用の干渉をしておるのではないかという感じもいたさないわけではない。まだ納得の行かない点がありますけれども、時間がありませんので、この程度で一応打切
つて
おきます。
内藤友明
68
○内藤(友)
委員
私は資料を請求したいのであります。
解散団体
財産
収入金
特別会計法
に関して、こういう資料はできないものですか。すでに解散を命ぜられた団体で、解散を命ぜられたときにおけるその団体の全体の
資産
はどれだけか。それが清算
事務
をや
つて
から、ほんとうに姿がなくな
つて
しまつたそのときに、
財産
の余りがあつた、それをこの
特別会計
に入れようというのでありますが、それが幾らか。またその中間の解散のいろいろな
事務
処理をやるのに、どれだけの経費いつたか。すでに解散してしまつた団体二、三について、こういう資料がありましたらいただきたいと思います。と申しますのは、解散を命ぜられましてもだらだらとしまして、解散時に多少
財産
を持
つて
お
つたの
を清算
事務
で食
つて
しまう、火事泥をやるというのを時折私ども聞くのでありますが、これが実際解散したものについてどうな
つて
おるか。これを実は見たいので、なるべく私どもの見たいような都合のいい材料をちようだいしたいと思う。
佐藤一郎
69
○
佐藤
(一)
政府委員
できるだけ御希望に沿いたいと思います。
奧村又十郎
70
○奧村
委員
本日
提出
された議案にからんで、三
特別銀行
、
農林
中金、商工中金の現在までの貸借対照表、
預金
高及びおもな株主というような資料を
提出
願いたいと思います。
小山長規
71
○小山
委員
今日
提案
されましたものに関連しまして、二十五
年度
に必要な長期産業
資金
、これを
設備資金
、運転
資金
にわけて、それの調達
方法
つまり
資金
源をどこに求めるか。つまり見返り
資金
、
預金
部、
銀行
預金
、個人の直接
投資
、法人の社内留保というようにわけた資料をいただきたい。それから
銀行等
の
債券発行等
に関する
法律案
の中でありますが、第十條と第十四條の計算例をお示し願いたい。
川野芳滿
72
○
川野
委員長
それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会