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1950-02-20 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十日(月曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 北澤 直吉君 理事 小山 長規君    理事 前尾繁三郎君 理事 川島 金次君    理事 内藤 友明君       岡野 清豪君    鹿野 彦吉君       苫米地英俊君    中野 武雄君       西村 直己君    三宅 則義君       宮幡  靖君    松尾トシ子君       宮腰 喜助君    河田 賢治君       木村  榮君    竹村奈良一君       奧村又十郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (証券取引委員         会事務局長)  湯地謹爾郎君         食糧庁長官   安孫子藤吉君         郵政事務官         (経理局主計課         長)      佐方 信博君  委員外出席者         総理府事務官  木下 芳美君         総理府事務官  山田 二郎君         大蔵事務官   小林 英三君         大蔵事務官   宇井 秀夫君         厚生事務官   尾崎 重毅君         農林事務官   金城 順隆君         通商産業事務官 本田 紀元君         専  門  員 黒田 久太君         専  門  員 椎木 文也君     ――――――――――――― 二月十七日  連合国軍需要に応じ連合国軍のために労務に  服する者等支拂うべき給料その他の給與の支  拂事務処理特例に関する法律案内閣提出  第二八号) 同月二十日  酒税法の一部を改正する法律案内閣提出第四  七号)  有価証券移転税法を廃止する法律案内閣提出  第四八号) の審査を本委員会に付託された。 同月十八日  中小企業の税制並びに金融対策に関する陳情書  (第四〇二号)  たばこ民営反対に関する陳情書  (第四二七号)  金融対策に関する陳情書  (第四四二号)  山林の所得税改訂に関する陳情書  (第四五  一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  食糧管理特別会計歳入不足を補て、んするた  めの一般会計からする繰入金に関する法律案(  内閣提出第一八号)  昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会  計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の  延期に関する法律案内閣提出第三〇号)  アルコール専売事業特別会計から一般会計への  納付の特例に関する法律案内閣提出第三二  号)  物資割当に関する手数料等徴収に関する法  律を廃止する法律案内閣提出第三五号)  一般会計国立病院特別会計との間における国  有財産の所属替又は所管換無償整理に関する  法律案内閣提出第三六号)  連合国軍需要に応じ連合国軍のために労務に  服する者等支拂うべき給料その他の給與の支  拂事務処理特例に関する法律案内閣提出  第二八号)(参議院送付)  証券取引法の一部を改正する法律案内閣提出  第四四号)(予)     ―――――――――――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  物資割当に関する手数料等徴収に関する法律を廃止する法律案議題として質疑に入ります。三宅則義君。
  3. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題となりましたこの法律案につきまして、最近指定生産資材割当統制が大部分の品物について解除になりましたが、現在なお統制を必要とするものがどのくらいありましようか。数字的に内容的にわかれば御説明願いたいと思います。
  4. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 現在の統制を今後どの程度にはずして行くか。また現在どの程度つておるか。その具体的なことはただいまちよつと御説明いたしかねますから、適当な人から聞いていただきたいと思います。
  5. 川野芳滿

    川野委員長 またの機会に御答弁することでいかがですか。
  6. 三宅則義

    三宅(則)委員 現在幾分統制が残つておるのに、どうしてこれを廃止してしまわなければならぬかというようなことも考えたいが、やはり安本の方にお願いするのでしようか。
  7. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 この法律案を今回特に提案いたしました理由のおもなる点は二つございます。一つはここにございますように、統制が大部分解除されつつあるという情勢を前提にいたしております。いま一つは、大体この制度自身がどうして生れたかと申しますと、物資需給に関する統制が非常に強まりました結果、これに対して、この統制事務のために相当の人件費事務費を従来必要として来たわけであります。それらの事務が非常に増大すると同時に、それらの事務の効果というものは、その割当なり申請を受けた人人が受けるのではないかということで、当然その費用負担すべきであるという建前で、実は手数料制度というものが出たのであります。ところがこの手数料徴収方法が技術的に非常にむずかしいのでありまして、印紙をもつて納めるということになつておるのでありまして、しかもその大体の方法を簡單に申しますと、割当官庁から受けまして、その割当公文書をもらつた業者が、それをさらに現物化しなければならぬわけでありますが、その現物化します際に印紙をその割当を受けた公文書に張るのであります。その印紙張つたものを持つて販売業者なりあるいは生産業者のところへ行きまして、それだけの割当を受けたから現物をくれ、こういうことになるのであります。そうしますとその要求を受けた販売業者なり生産業者が、その印紙に割印をいたしまして、そうしてかわりに物資を売つてやる。そうしますと公文書はさらに販売業者なり、生産業者の手に渡るわけであります。それを今度は商工省あるいは農林省の方に持つて来る。販売業者なり。生産業者公文書官庁に返す。こういうことになる。ところが実際問題といたしましては、現在の統制の実際は必ずしもそれらの切符と言うか、公文書官庁にもどさなくても、生産業者が実際の手持を埋める方法幾らもあるわけであります。従つて実際どれだけ入つたかということが全然実績がつかめないような仕組みになつておる。すなわち印紙をもつて収入する手数料でありますので、予算を立ててありましても幾らとれたかということがはつきり出て参りません。そういうような状況でありますので、実際問題としては手数料を拂つておらないじやないかということが、非常に臆測されるのであります。結局一方において統制がだんだん解除されまして、国のこれらの事務に要する費用負担も非常に減少して参りましたので、従つて特に割当なり申請を申し込んで来た業者のみ、この手数料負担させることは必要なく、その以前のようにやはり国の一般会計でこれを負担すれば、十分であるということになりましたので、歳入が十分入る見込みが立たない。それから統制解除になつてそれを特別に負担させるというほどの必要がなくなつた。こういう二つの理由から今回これを廃止しようというのであります。
  8. 三宅則義

    三宅(則)委員 佐藤さんにお聞きすることは失礼かと思いますが、適当な機会に……。もう一つ伺つておきます。申請手数料及び割当手数料收入印紙をもつて攻めておると称しておりますが、この法律廃止の結果、それらがどのくらい減少になるかということは、今の御答弁でははつきりしなかつたのでありますが、もしわかれば後日でもよろしゆうございますから伺いたい。なおこの法律を制定した昭和二十三年七月以降、この関係手数料及び收入については、毎年どのくらいの数を示しているかということが政府の方でわかつておりましようか。それもついでに調査していただきますとけつこうと思いますが、どんなものでしよう。
  9. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 実は二十三年はたしか三十億円ばかり予定いたしました。二十四年は約二十億円の收入を予定いたしたのであります。ところがただいま申したように、幾らつたかという実績がつかめない仕組みになつておるのでございますから、主計局としては、予算は立てましたけれども困惑しておるわけであります。しかも非常に脱法が多くて、実際問題としてはこれを予算に立ててみても、いたずらに歳入欠陷になつて、結局は一般会計負担になつてしまう。それくらいならこういうわかりにくい方法を廃止しよう。実はこういう気持になつたわけであります。
  10. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の政府の苦しい立場もわかつたわけでありまして、決して反対せんがために反対しておるわけでありません。私はぜひそうしたようなめんどくさい法律はなるべく廃止することに賛成です。ただ私の心配いたしますのは、一応法律に組んだ以上は、これを監査すると言うか、調査すると言うか、とにかく国におきましても相当責任のあることと思いますから、一応御調査なさつて、われわれ議員にも御報告くださらんことを特に希望しておきます。
  11. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質疑はございませんか。
  12. 北澤直吉

    北澤委員 この物資割当に関する手数料等徴收に関する法律を廃止する法律案につきましては、質疑もないようでありますので、この程度質疑を打切られんことを望みます。
  13. 川野芳滿

    川野委員長 北澤君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようでありますので、質疑を終了といたします。
  15. 北澤直吉

    北澤委員 それではこの物資割当に関する手数料等徴收に関する法律を廃止する法律案につきましては、討論を省略しまして、採択されんことを望みます。
  16. 川野芳滿

    川野委員長 北澤君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですから、これより討論を省略して採決に入ります。原案賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  18. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よつて本案原案の通り可決いたしました。     —————————————
  19. 川野芳滿

    川野委員長 次は前会に引続き食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案議題として、質疑を続行いたします。竹村奈良一君。
  20. 竹村奈良一

    竹村委員 先般私が質問いたしました中で、政府の方で答弁を保留されている分について、本日できれば答弁してもらつた方が都合がいいのです。その一点は、最近新聞で伝えられておりますところの飲食店において、くず米によるところの販売を認めるということについてであります。もう一つ一石当り中間経費約二千二百円でありますが、これのたとえば運賃あるいは事務費、それから公団手数料あるいはその他のいろいろな経費のパーセント、これもひとつ御答弁を願いたいと思います。
  21. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 ただいまのお話の前段のくず米の問題につきましては、この前も申し上げたのでありまするが、繰返して申し上げますと、料飲店臨時規整法が一箇年間の期間になつておりますが、これをさらに一箇年間延長するという大体の方針で、この点の御審議を本国会にお願いしようと思つて、われわれは立案しておるわけであります。自由になりましたものについては、材料として使えるという意味のことをその中に入れておるのであります。一方くず米扱いにつきましては、従来食管法の何條でありましたか、府県知事特例を設けてこれを処理することができる建前になつておるのであります。しかし食糧需給状況等からいたしまして、この特例を置くことを認めない方針をもつて、ただいままで進んで来ておつたのであります。ところが本年の作況を見ますと、非常にくず米が多い状況でありまして、これについては府県知事において何らかの特例を設ける場合も、経済的にも出て来るのではなかろうかという考え方で、府県において特例を認める場合には、その案について協議をしてくれ。それで農林大臣と打合せの結果、そういう措置を講じてもいいということにするから、もしそういう県があつたならばこちらに相談してくれ。こういう通牒を出しておつたのであります。料飲店臨時規整法の改正と、くず米に対する扱いと、この両者を結びつけてあの新聞記事が出たものであつて、それがあたかも料飲店においてくず米材料として使わせることを意図して、くず米特例に関する問題を扱おうとしておるかのごとき印象を與える新聞記事になつたのでありまして、この点は私どもとしては非常に遺憾に思つておるわけであります。大体の方針といたしましては、くず米特例について申請がございまてても、料飲店等においてそれを使うというようなことは、現在の状況からしてあまり適当ではないのではないか。取締りの面からみましても、くず米だといいましてもその辺の限界が実際にはつきりしない。くず米と称してそういうものがいろいろ扱われるという場合が多いのでありまして、そういうような取扱いをしたいという條例設定方府県の方から言つて参りましても、それは適当ではない。従つてどもといたしましては、あらかじめそのような点については認めない方針だというようなことを、示そうかと思つているわけであります。くず米につきましては、たとえば学童にやるためにまとめて県の方であつせんをして、県の指導のもとに菓子をつくるとかいうような場合には、考えれば考えられると思いますが、これは今申しましたような状況になつておりますので、料飲店くず米特例取扱いにするということとは関係はないのでありまして、別途に両方とも処置をして行きたい。その点について、方針としてはいろいろ誤解が起るような点はできるだけ避けて、條例をきめることを審議して行きたいと思つております。
  22. 金城順隆

    金城説明員 今お話の各費目総額に対するパーセンテージの分は、刷り込みにしてお手元に配付しておきましたが、これは要するに支出総額費の三千五百二十一億五千二百万円に上ります各費目パーセンテージを出したわけであります。このお手元に差上げた資料をごらんになると、食糧買入れ代金というものの比率がずつと出ております。この比率については資料をごらん願うことにしまして、一石当りに相当いたします金額がどういうふうになるかということについて一応申し上げます。食糧買入れ代金等のうち、一番目の昭和二十四年産買入れ代金は、石当り比率でこれをかけますと百九円八十六銭になります。二番目の昭和二十五年産買入れ代金というのが三千六百二十二円八十六銭になります。三番目の輸入食糧買入れ代金は千五百二十二円八十六銭になつております。四番目の昭和二十五年産米早場米奨励金が百六円七十二銭、五番目の昭和二十四年産米麦追加拂いが七十一円五十六銭、六番目の価格調整予備費が二十六円三十七銭、以上の小計パーセンテージにしまして〇・八六九八で、金額にして五千四百六十円二十三銭であります。  次の諸掛りの方で申し上げますと、一番目の輸入諸掛り金額で二十七円六十二銭、二番目の集荷手数料が五十二円十銭、三番目の特殊指定倉庫加算額が三十一円三十四銭、四番目の保管料が九十二円二十八銭、五番目の運送費が二百六十七円四十四銭、六番目の加工費が七十一円五十六銭、七番目の人件費事務費が八十四円十二銭、八番目の金利が百八円六十銭、九番目の輸入食糧容器損料というのが六円二十八銭、ここの諸掛り小計パーセンテージが〇・一一六五、金額で七百三十一円三十四銭となりまして、今までの合計パーセンテージで〇・九八六三、金額で六千百九十一円五十七銭となります。三番の原材料用向き売却代金金額が三百六十四円七十三銭で、それを今までの分から差引きまして、総合用のための支出金額というのが、金額で申しますと五千八百二十六円二十一銭となります。それに食糧配給公団配給経費が、パーセンテージで〇・〇七一八で、金額が四百五十円七十二銭でありまして、総合計パーセンテージは一〇〇、金額で六千二百七十七円五十七銭、これが前に差上げてあります消費者価格算定表の各費目ちようど一石当りに当るわけであります。ここでちよつとお断り申し上げておきたいのは、一応これは比率総額の六千二百七十七円にかけて、各費目金額を出したわけでありますが、これがそのまま石当りのものに当るかということになりますと、一応の考え方はそういうことでいいかと思いますけれども、たとえば加工賃なんかにいたしましても、米の加工賃麦類加工賃はおのおの違つて来るわけでありますので、この石当りを今金額で申し上げました分は、一応のプールで見た場合米に直してこういうことになるということでありまして、現実に米なり小麦粉あるいは精麦というものは、またこれからいろいろ分析して考えてみる必要があるんじやないかと思いますが、これは一応比率をかけて出しましたということを御承知願いたいと思います。
  23. 川野芳滿

    川野委員長 本多国務大臣がお見えになりましたので内藤君の質疑をこの際許します。内藤友明君。
  24. 内藤友明

    内藤(友)委員 ちよつと本多さんにお尋ねしたいと思うのでありますが、実は昨年の早場米奨励金は七十億出ておりまして、それがこの間も食管長官にお尋ねしますると、四十二億しか使わなかつたのであります。二十八億残りました。ところがこれは生産者立場から考えてみますと、非常に大きな問題がこの中に実はあるのであります。と申しますのは、二十八億残りましたものは、当初は七十億で消費者価格がきめられたのであります。従つて生産者価格もそれに見合せてきめたのでありますが、二十八億使い得なかつたということのために消費者価格は多少減らされたのであります。そうしますると二十八億という使い切れなかつた金は、当然生産者、特に東北、北陸、北信の單作地帶農家がこの恩典にあずかるべきであつたのでありますが、その恩典にあずかるべき二十八億というものにあずからずに、全国消費者がその恩典にあずかつた。こういう問題になつて来たのであります。これはなかなか單作地帶農民からしますると大きな問題でありまして、昨年来この問題についていろいろ実は議論があつたのであります。ことに本年は早場米奨励金は六十億計上されております。これを大よそ見込まれて消費者価格はきめられておるのであります。しかし昨年の実績から見ますると、またまたこの六十億というものは使い切れないんじやないかと実は今から考えます。ところがなぜこういう事態が起きて来るかということを考えてみますると、これはいろいろありましようが、そのうちで私ども現実に村をまわりまして、またその仕事をやつておる現場をながめて、一番これはこうだと思われますのは手不足であります。食糧事務所職員手不足ということが明らかであります。限られた目に、農家はこの奬励金がもらえるというものでありますから、一生懸命につくり上げまして村の組合の倉庫に持ち込む。ところがそこでは職員手不足のために、それをよう処理し得ないということのために、これがだんだん残つて来たのであります。今日六十億が二十五年度の早場米奬励金として計上されておりますけれども、これにつきましても農民からしますると、これはまた昨年のようなことになるのではないかという心配をいたしておるのであります。そこで問題は、この食糧事務所の人の問題になるのでありますが、私ども一昨年聞いておりましたのでは、大体この方の人数の整備をするというので、三箇年計画で三千人、三千人、三千人というふうにして増員して農民にあまり支障のないようにする、こういうふうな三箇年計画というものを承つておる。その当時私どももそれではいけない。三箇年計画ということは、こういう問題について考えるべきことではないのであつて、どうしてもこれは一度に増員してやらなければならぬ性質のものである。ことに食糧事情が日本のような立場に置かれておる場合には、そういうことが非常に大事なのであるということを申したのでありますが、その当時政府財政の御都合もありまして、一応この年次計画になつたのであります。ところが昨年その第二回目の三千人をふやすときに、ちようど本多さんの御所管である行政整理という問題が始まりまして、遂に第二回目の三千人増員という問題が消えてしまつたということが、端的に二十八億の早場米奬励金がこなしきれなかつたという結論になるのであります。これを農民がこのごろ非常な大きな問題に実はいたしております。そこで本多さんにお尋ねしたいのは、私は本年は六十億の金も、今日のような状態にしておきますとよう使い切れない、おそらく半分以上残るのではないかと思う。そうしますと單作地帶に対する手段として政府で考えておられまするこの制度も、絵に描いたぼたもちで、農民が失望するだけだということになるのでありますが、何とかこの手不足緩和処置を講じていただくわけに行かないか。それが願えなければ安孫子さんの方で六十億を今見込んで消費者価格をきめられておりますけれども、これは実は何にもならぬということになるのであります。問題はそこにあると思いますが、それでどうでありましようか。本多さんは首を切るのが御商売でありますが、助けるところもなくちやいかぬのであります。これは食糧事務所の人だけを助けるんじやないのです。全国農民の問題になるのでありますから、そういう観点から考えてひとつやつていただきたいと思うのでありますが、大臣のお心持を承りたいと思うのであります。
  25. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいまの御質問によりますと、検査場まで期日内に持ち込んだものが、手が足らないために早場米としての扱いを受けることができなかつたというふうに聞くのですが、そういうものがあつたかどうか、私は今日までそういうふうは聞いておりません。ただ御指摘の通りに食糧事務所仕事が非常に多忙をきわめたということは承知いたしております。これは食糧の供出時期に集中される性質も持つた仕事でありますために、時期的には相当繁忙をきわめるのでありますが、その繁忙期を標準にして定員を定めますことは、国費の点からも非常な多額を要することでありますので、輻湊した場合に多少の臨時雇いをもつて、これに充てて行くというような方法も講じております。昨年特に食糧事務所において多忙であり、また仕事が幾分混雑いたしました理由といたしましては、支拂証票作成等計画的な経理事務ということが、検査員諸君に課せられることになつたのでございます。私も食糧事務所を少しく実地に視察して参りましたが、公務員として実にりつぱな質のいい職員が非常に多いことに、感心をして帰つて来たのであります。しかしりつぱな人でありますけれども食糧検査等には相当なれておりましても、支拂証票をつくるための計数的な経理仕事はふなれでありましたために、よけいに骨が折れたことと存ずるのでありまするが、これも相当なれて参りますると、御承知のように経理方面仕事は熟練をいたしますと、なれない者の何人分もできるくらいに腕は上達するのでありまして、そうした方面からだんだんに緩和されて来るだろうと考えております。かりに食糧事務所の出張所の職員一人ずつ増しましても、これは一万人という数になるのでありまして、なかなか今日の国家財政を考えますと、各方面のそうした経費を切詰めて行かなければならぬ段階にあるのでありまして、食糧事務所においても定員不足のために支障を来すようなことがあつてはならないけれども、でき得る限り職員諸君の努力によつてこれを完遂していただきたいと考えております。これは各方面から定員所管しております私のところには、そういう話があるのでございますけれども、私の方といたしましては行政の各部門のつり合いをとつて、あとは努力によつて支障のないように努めてもらうという方針で進んでいる次第でございます。食糧事務所の具体的な二十五年度の定員につきましては、農林省ともただいま協議中でございまして、研究いたしたいと存じます。
  26. 内藤友明

    内藤(友)委員 農林省と御相談のようでありまして、多分実現するのじやないかと考えましてこれはありがたいことであります。実は先ほど本田さんは手不足のために二十八億の金が残つたのではないとお話になりましたけれども、実はそうじやないのでありまして、それはまつた手不足のために七十億の金がそういうように残つたのであります。そういうときに一応お出ましいただいて——どこをおまわりになつたか存じませんけれども、新潟であるとか、富山であるとか、石川であるとか、秋田であるとか、山形であるとかいうふうな穀倉地の非常に殺倒するときに、ひとつごらんいただきたいものだと思うのであります。  それから食糧検査ということば非常に繁閑があるので、でき秋には非常に忙しいが、平生は仕事がないというお話も、それはそうじやないのでありまして、一村に一名ぐらいの者はいろいろと村でせわするのに年中実は仕事があるのであります。このごろは俵の検査でなかなか忙しいのでありまして、米の検査だけではないのであります。これから二月、三月、四月と行きますと、ほとんど俵の検査で各方面をまわつております。またそういうことをやらないといけないのでありまして、決して秋が忙しくてその他はひまだというものではないのであります。昔この米の検査制度がまだ府県にありました時代は、たいていどこの県でも一村に一名ずつおつたのでありまして、それが国に引上げられた結果、こういうふうにほかの行政整理と一緒にいたしますから、十ぱ一からげでやられてしまつたのであります。ただいま各官庁におきましても、増員されておられるところもあるのでありますが、私どもは増員していただきたいというのじやないのでありまして、昔あつた程度までに行かなければ、農村のいろいろなことが支障を来すと言うのでありまして、決して増員の気持じやないのであります。そういうことでほんとうに農村の人の様子を御理解いただきたいと思うのでありますが、お隣の安孫子さんとひとつ御相談いただきまして、これは本多さんの前には、頭が上らぬか存じませんが、ほんとうに実態をひとつ——これは何も安孫子さんのためにというのじやないのでありまして、農村のためにということでありますので、ぜひ今度は第三次計画の三千人は何としても増員していただき、また来年は第三次の増員を願うということでお願いしたいと思うのであります。過般来いろいろ私ども調べてみますと、農林省内部でむりをして、ほかに手をまわして借りておるのが八、九百人ほどあるようでありますし、これは自然発生的なものだと思うのでありますが、ほんとうの臨時人夫のような形で、相当数おると思うのであります。こういう人をいつまでも身分不確定のままにしておくことは、こういう仕事を進める上に非常に困るのでありまして、それらを合計いたしますと二千四、五百人のものになると思うのであります。これは第二次計画の三千人に近いものと思うのでありまして、ぜひともこれだけは増員を願いたいのであります。そうでありませんと、本多さんの方へあばれて参りますから、(笑声)その点はどうぞよろしくお願いしたいと思うのであります。
  27. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま本多国務大臣から御答弁があり、大体了承したわけでありますが、先ほど内藤友明委員お話になりました通り、農村に対する食糧事務所の検査官につきましては、御承知の通り現在では一町村一・七人という数字であります。これはどうしても二人ぐらいは必要であることが、われわれ農村をまわつてみてわかるわけであります。昔は食糧の検査だけやつたものが、今は大臣お話になりました通り、経理面まで加わりました関係上、一人ではなかなかやり切れぬ面がある。本年も九百四十九人というものを三月まで人事院から承認を得て、他の部面から借りてやつておると承つておる。そういうことでは食糧確保上にもまことに困難であると確信いたしますから、これを補充いたすよう、食糧庁長官並びに農林当局は本多国務大臣とよく打合せられまして、この増員を、でき得べくんばこの国会においてやつていただきたい。但し一言申し上げておきますが、他の部面においては食糧事務所と同様に忙しい部門もあり、場合によればなお整理していいところもあるかと考えます。これについては本多国務大臣は各省をよく御監督なさつておるはずでありますから、どうかその辺を勘案されて、われわれの至情をお聞取りくだされ、一方農村のため、もしくは食糧確保のために、実情に即したように訂正をしてもらいたいという希望を申し上げます。
  28. 川野芳滿

    川野委員長 本多国務大臣に対する質疑はございませんか。それでは安孫子長官に対する質疑に移ります。
  29. 竹村奈良一

    竹村委員 生産者の買上げ価格は安いもので買い上げて、消費者には高いものを売るという問題について考えたいと思うのですが、それについて食糧配給公団配給経費は今四百五十円七十三銭と言われましたが、これは昨年度と比較してふえておるのか減つておるのかを、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  30. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 食糧配給公団配給経費は、前年度と大体同様でございます。
  31. 竹村奈良一

    竹村委員 それについて中間経費のパーセントを出しておられるのですが、二十三年度、三十四年度、二十五年度と中間経費がだんだん大きくなつて来ておるのですが、この原因は一体どこにあるのですか。
  32. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 おもなる理由運送費とかさようなものが、一般物価の上昇に伴いまして値上げをいたしておりますので、さような点でこの経費が上つておるのであります。
  33. 竹村奈良一

    竹村委員 それはもちろん上つておる。しかしパーセントからいえば、たとえば中間経費が三年前に一五%であつたならば、現在でも一五%でいいはずなんです。なぜならば米の買上げ価格が上つておりますから、同じパーセントであつてもやはり多くなると思うのです。従つてパーセントが上つて来るというのは、われわれとしてはふしぎでかなわぬのですが、その辺はどうですか。
  34. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 ただいま手元に、ここ二、三年来の年次的な比較表を持つておりませんので、計数についていかなる理由によつていかなる項目が上り、下つたかというようなことを申し上げるわけには参りませんのですが、この前も申し上げましたように中間経費と申しましても、ごらん願いますように、生産者に還元されますものが相当多く入つておるのであります。食糧買入れ代金の、上から六番目まで、その辺のものは大体生産者に還元されるものであります。それから公団経費というのがありますが、この辺の消費者価格に対するパーセントをとつてみますと、自由価格時代よりもそう多くないと申しますか、むしろ低いというような状況になつておるのであります。もちろん今後とも中間経費の圧縮については、私ども努力して参る所存でおりますけれども、全体を見て非常に間が多いから、それが全部中間経費にかかつておるということでないということだけは、御了承を願いたいと存ずる次第であります。
  35. 竹村奈良一

    竹村委員 たとえば具体的に申しますと、二十四年度の四月十四日以降の公団の必要経費は、一石に対して四百十六円二十七銭になつております。ところが今御説明願いましたものによりますと、四百五十円七十三銭で、一石に対して三十四円四十六銭上つておるのです。一石にわずか三十四円四十六銭だといいますけれども、賃金ベース等もかわつていない今日、これは大きな数字です。これはどういうところでふえたのか。賃金ベースもかわつていないのにふえておるということはどういう理由なのか。私たちにはどうしてもわからないのです。
  36. 金城順隆

    金城説明員 先ほどこの表の御説明を申し上げた節に申し上げましたように、石当りと申しますか、一応比率でただ機械的に出しただけでありますが、今おつしやいました公団の四百十六円というものはどういう意味で出されたか、ちよつと私わかりませんけれども、單純にかりに比率で出したといたしましても、この総額石当り六千二百七十七円が上つておりますれば、比率は同じであつても四百十六円か何ぼか上ることだと思います。  なお二十四年、二十三年も同じような比率で出して研究してみたいと思つております。
  37. 竹村奈良一

    竹村委員 これは政府からもらつた資料です。農林委員会でもらつた去年のやつです。二十四年度の四月十四日以降の数量の算出です。それでやるとそうなるのです。こういう点は別といたしまして、もう一つ続いてお聞きしたいのは、今年度の買入れにあたりまして大体一等、二等、三等、四等、五等米五等米ははずされております。ところが買入れにあたつて全国至るところで出るものを聞いておりますと、一等米のパーセントが非常に少い。たいていは二等、三等、四等もしくは五等というものが非常に多いのでありますが、そういたしますと二十五年度におきます買入れ代金は、予定よりも非常に少くて済むのではないか。つまり安いものを買うのだから少くて済むのではないかと思うのですけれども、これは一体どれくらい減少する見込みでありますか。現在は大体検査が済んでおるから、ほとんど見通しはついておると思いますが、そういう点をお伺いいたしたいと思います。
  38. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 本年のと申しますか、前年の作況からいいまして、下等級米が相当に多かつたのは事実であります。前年度の予算とその実績との対比、特に等級が低くなつ関係上どの程度の減になるか。これは決算をつけて見ませんと判明いたしませんので、ただいまお答えする状況にはないのでありますが、二十五年度の予算を組むにあたりましては、二十四年の状況等も十分加味いたしまして、なるべく予算と実際の支出金額との間に差がないように、その点については考慮を拂つて編成をいたしたつもりであります。
  39. 竹村奈良一

    竹村委員 われわれの調査するところによりますと、本年は大体一等、二等米は二割程度、あとは三等、四等、五等米というようなことになつておると思います。ところが昨年二十三年度米は、一、二等が八割であつて、三等、四等、五等というものは二割くらいであつた。そういたしますと生産者から買い上げる値段は上つておりますけれども、上つただけはたとえば等級を下げたことによつて、上つただけは経費を必要としないと思うのです。従つて前からの説明によりますと、消費者価格をきめるのには、大体本年度の米価を中心として大体平均してきめたと言われるのですが、しかしその消費者価格をきめるときに、三等以下四等、五等が八割であるというようなことを計算しては、おきめになつておらないと思うのです。従つて一等、二等、三等、四等、五等というものを平均した等級に出ていると思う。いわゆる中間の四千二百五十円を中心としてきめておられると思うのです。そういたしますと四千二百五十円の中心値段で消費者値段をおきめになつておるが、実際には四千二百五十円よりも以下のものを買つておられる。そうしてその悪い米を配給しておられる。そうすると必然的にそういう理論から言いますと、消費者価格、配給価格は下げなくてまならぬと思うのですが、これを計算された後に私の言うようなことになりますならば、消費者価格を下げる意思があるかどうか。これは下げる必要があると思いますが、これに対する政府の御答弁をお願いいたします。
  40. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 買入れ価格あるいは米価をきめます際は御承知の通りでありますが、三等を基準にいたしまして、各等級の比率等を総計してやるわけでありますが、等級価格差は消費者価格の中に織り込んでやつておるわけであります。これの設定につきましては、ただいまはつきりした記憶は持つておりませんが、三等あるいは四等というようなものが相当多いという前提のもとに、実は消費者価格なり生産者価格をきめます際でも、等級価格差というものは考えてきめておるわけであります。そうした状況で価格をきめておりますが、それが実際と非常に食い違つた場合に、そこに余裕ができるはずだから、それを消費者価格の引下げの方に使えるかどうかというお尋ねだと思います。全体の金額から申しますと、等級価格差の問題は、金額的にはそう大きなものにならないと私は思つております。従つて多少等級間の差が初めの予想と違いまして食い違いがありましても、米価の消費者価格をすぐに引下げるというところまでの財源には私はならないと考えております。  それから二十五年の米についても、一応等級別の振合いをつけておりますが、幸いにしまして今年の作柄が非常によくて、米なども非常に豊満な米ができたということになりますれば、逆にその方がくずれて参りますので、昨年は予想したよりも下等級のものが多かつたけれども、また豊作でありますれば、予想したものよりも上等級のものがよけいできるという形になるのであります。これは予定をいたします場合と、実際の作況との食い違いでありまして、これはなかなかそれを一致させることは困難だと存じます。かりにそれが多少とも食い違いましても、ただちに消費者価格を引下げるほどの金額に私はならないのじやないか、かように考えている次第であります。
  41. 竹村奈良一

    竹村委員 消費者価格を引下げるほどの金額にならないというならば、おそらくそれだけの金は、今度は生産者が実際生産費を割つて出しているのだから、バツク・ペイのときに、その金というものは計算されて生産者に返されるかどうか。それは政府中間経費の中に織り込むというのではなしに、それを消費者価格を下げないというならば、たといわずかだと言いながらも、私は相当な金額に上ると思う。ちよつと今計算しておりませんが、大体一等、二等、三等、四等の価格から言いますと、それが三等、四等、五等が八割あるとすれば、相当の額になると思う。バツク・ペイされるときにその金額を織り込まれるかどうか。
  42. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 バツク・ぺイの際は、御承知のようにパリティー指数の変化によりまして、機械的にこれは出て来るわけであります。従つて機械的にバツク・ぺイの金額はきまつて行く。等級間格差の想定と実績との開きというものを、バツク・ペイの中に織り込むということは、現在の制度のもとにおいては考えられないことだと思うのであります。  それからそうした余裕が出た場合には、それだけ中間経費が上つて行くので、はなはだ不都合ではないかというお話もあつたかと存じますが、買入れ代金が少くて済めば少くて済むだけのことでありまして、そのために中間の諸掛り等の方にその余裕金などをまわすということはございませんので、やはり中間経費も各項目ごとの支出金額の範囲内においてこれを処理しておりますので、その点は端的に申しますれば、余裕がある状態において、この会計が翌年度へ移るということだけになると思う次第であります。
  43. 竹村奈良一

    竹村委員 それではもう一点お聞きしたいのですが、大体現在のいも類集荷にあたつては、藷類統制会社というものがあつて、いろいろ手数料をとつているようでありますが、これは実際生産者が供出いたしますのは、協同組合を通じて集荷し、そして協同組合に集荷料を拂う。配給する場合には配給公団がこれをやつている。ところがそこに藷類統制会社というものがありまして、そうしてこれはほんとうに單なる協同組合から一応報告を受けて書類に書くというだけで、手数料をとつていると思うのであります。この藷類統制会社にお渡しになるところの手数料は、一体十貫匁当り幾らになつているか、これをお伺いいたしたいのであります。
  44. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 藷類統制会社というものをかつて使つたことはございますが、現在においては使つておりません。これは何らかのお考え違いではないかと思います。現在は食糧配給公団の藷類局が、政府からいもを買い受けまして配給しているわけです。政府の指定集荷人というものがいるわけです。これは米あるいは麦の指定集荷人と同じでございます。そういうものを通じて買つているのでありまして、この取扱い機関は大体協同組合が九割ぐらいじやないかと思います。商人系統はごくわずかな状態になつております。それで圃場あるいは一定の集荷所においてそれが検査を受けて、そこで政府が集荷人から買受けまして、それをただちに公団の方に切りかえるというような措置を講じておりますので、ただいまのところいも類の統制会社というようなものを使つてはおらないのでありますからこれは何かのお間違いではないかと思います。
  45. 竹村奈良一

    竹村委員 あるいは私感違いしているかもしれませんが、それではもう一つお聞きいたします。現在いもは集荷されて、そうして配給辞退の場合に、これは一応食糧検査所の名によつて、たとえば澱粉会社その他に舞い下げられていると思いますが、これの拂い下げ価格、そうしてこの拂い下げて後に生産された澱粉というようなものを、どういうふうに政府はキヤツチして、どういうふうに計画的に配給されておりますか。
  46. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 昨年の十二月一日からいも類については統制を撤廃いたしましたので、ただいまのところ、今お話のございましたような行き方はとつておりませんが、十二月一日以前の状況を申し上げますと、政府は買いましたいもを、やはり澱粉形態においてこれを処理することが適当であるという事情もありますし、そのために原料を売り切りまして、それで澱粉の原料のいもを、特定のと申しますか、ある澱粉工場に売りまして、できました澱粉をまた政府が買取る。買取つた澱粉は、いろいろ総合用食糧にこれを使つてつたのであります。それからほんとうの工業用アルコール等に使うもの、その他あめ等に使います原料、いわゆる工業用途の澱粉と申しますか、かんしよにつきましてはその工場に売り切つているという状況であつたわけであります。しかし現在のところはそういうことはなく、いもは自由になりましたので、政府総合用だけを買取る方針であります。ところが実情からいたしまして、総合用にどうしても消化し切れないという部分があるいは出て来ようかと思うのであります。そういうものについては政府といたしましても、澱粉の形においてこれを貯蔵することが適当ではないかと思いますので、そうした際にはやはり従来と同様な方法で、澱粉の工場にこれを加工頼みまして、できた製品を政府が買取りまして、澱粉の形態において持つているということにしなければならぬかと考えているわけであります。
  47. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一つお聞きしたいのですが、これはもう問題になつていると思いますが、前からいろいろ説明聞いておりましても、どうもはつきりせぬ点があるのであります。というの  は、米を生産者から買い上げるときに、大体一石四十貫という形で買い上げられている。あとキロによつて配給されておりますが、各地で問題になつている。農林省においては一石三十九貫というのが、一応農業調整委員のところに書かれておつたのであります。この問題についてこの差、配給するときに大体一石四十貫をキロに直して配給されているのかどうか。この点をお聞かせ願いたいと思います。
  48. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 便覽でありましたか、あれに三十九貫というようなものが載つておりますので、いろいろの問題を起したのであります。実はその最終的な結論は、私どもの方の見解についてまとまつておりませんので、ここではつきりしたことを申し上げるのはどうかと思いますが、あるいはミスプリントであつたということもあるわけでありまして、約四十貫ということで私どもは今処置いたしておるのであります。この点はもう少し私の方といたしましても、固めまして御答弁申し上げたいと思います。
  49. 竹村奈良一

    竹村委員 それではその方はそれで終ります。  現在新聞紙上で見ますと、輸入食糧の問題で、政府が初め予定されておるよりも、種類によつて非常にかわつて来おるのではないかとわれわれは考えるのであります。たとえば今まで小麦とかそういうものを予定されておつたのが、米——シャム米とかビルマ米とか朝鮮米という米の方に相当転向されておるということは 新聞紙で承るのでありますけれども、これに対して予定された以上に輸入すると政府は考えておるのか。あるいは予定された以上に輸入するとするならば、一体本年度は何トン輸入されるのか。その種類——たとえば米とか麦とかあるいは雑穀とか、そういう種類別のトン数等をできればひとつお知らせ願いたいと思います。
  50. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 ただいまのところ予算上定まつておるのは三百四十万トン、これ以上のものの輸入は私どもとしては考えられないと思つておりま す。朝鮮米についてはあれは十万トンでありましたか、大体協定ができつつあるわけでありますが、こうしたものも実は三百四十万トンの中に織り込まれておるのであります。三百四十万トンと申しますのはあの当時想定で入れておるのであります。それが具体化しつつあつて、朝鮮米については十万トン、ビルマ米については十七万トンでありますか、その程度のものであります。米全体につきましては大体八、九十万トン程度のものを予定いたしておるのであります。しかしああいうふうに具体的に固めて参りますると、必ずしも八、九十万トンというものが確実であるかどうかという点については、いろいろ問題が出て来ておるのでありまして、米の確保については非常に困難をしなければならぬのではないかという考え方をいたしておるのであります。地域別に予定の数字をただいま持つて来ておらぬのでありますが、大体米について申し上げますと、朝鮮あるいは南方地域から八、九十万トン程度、それから雑穀がイラン、イラクその他から大体十万か十五、六万程度、それからそのほかのものが小麦、これは濠州、アルゼンチン、カナダ、アメリカというようなところから仰ぐことを予定いたしておるのでありますが、これはこの前の委員会でも申し上げましたように、地域別、品種別の大体の予定でありますが、そのほか資金的に見ますと、ガリオアで入りますものと商業資金で入るものとあるわけであります。これはどの程度の振り合いになりますか、当初は大体商業資金で六割程度、救済資金の方で四割程度というような想定をいたしておつたのでありますけれども、この救済資金によりますものが相当減る見通しであります。そうしますと、その残りは全部商業資金に仰がざるを得ないという状況になりますので、三百四十万トンの食糧輸入につきましては、従来、救済資金一本建で参つておりました場合よりも複雑であり、なかなか見通しも困難であり、今後いろいろ各国との折衝を続けてきめて参らなければならぬ状況にあることを、お話しておきたいと思います。
  51. 内藤友明

    内藤(友)委員 ただいまの御答弁で輸入食糧のことはおよそわかつたのでありますが、ことしのこの予算に出ております価格調整費が九百億ありまして、その中で食糧については四百五十六億あるのであります。この四百五十六億というのは三百四十万トンの輸入食糧を入れるということになるのでありますが、具体的に四百五十六億というのはどういうところにどういうふうにお使いになるのですか。それをひとつ具体的にお聞かせ願いたいと思います。
  52. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 これは大蔵省の方からお答え願つた方が適当だと思いますが、私どもの一応理解しておりますところでは、貿易特別会計に一応入りますから、それで食管からこれに相当する金額を貿易特別会計の方に返すという形になるのではなかろうかと思いますが、この点大蔵省の方と打合せまして御返事申し上げます。
  53. 内藤友明

    内藤(友)委員 つまり商業資金で六割、救済資金で四割というお話でありますが、商業資金で六割入れる。食糧の向うから入るのが三百六十円の計算で行きますから、非常に高いものになる。内地の生産者価格と非常に開きがある。その開きをこの四百五十六億で埋められるかどうかということです。
  54. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 そうです。それで埋めるということです。
  55. 竹村奈良一

    竹村委員 大体本年度の国内の麦のことになりますが、二十四年度の麦の超過供出は大体非常に多くなつていると思います。大体どれだけ超過供出が出るとかそういう点を一つ、もう一つはわれわれのどうも納得の行かなのは二合七勺の現在の配給量を維持する場合は、政府もしばしば言明されているように、大体補填量というものはロスその他を引いて一千二百五十九万一千四百八十一石、それだけあつたらよろしい。こういうようにきめて行つておられるわけであります。そうすると大体輸入食糧はわれわれの勘定では二百万トンか二百二十万トンあれば十分、しかも先ほど尋ねましたように、二十四年度の麦の超過供出というものは相当ある。それを換算いたしますならば、二百万トンよりももつと少くてよいのではないかとわれわれは考えるのでありますけれども、それが今御説明になつたように三百四十万トン現在は計画している。こういうふうに現在世界の食糧事情というものが非常に好転しつつある。非常に各地で農業政策というものが復興して増大している。これは今日の資本主義経済組織のもとにおいて当然であります。そういうものが生産が増大すると当然これは安くならざるを得ない。安くなるということがわかつているのに、しかも二百万トンくらいで二合七勺現在の配給量を維持するならば十分でよいと言われるのに、なぜ輸入食糧というものを多く入れられるか。しかもそれには多くの補給金というものを含んでおられるという点がどうもわれわれ納得できない。この点昨年度の麦の超過供出はどれだけあつて、二合七勺どころか三合にもするのだ、こういうふうに言われるならば、私は輸入食糧の増大というものは納得供出はとる。超過供出をとつたものもそのままにしておいて、なお輸入食糧はそう入れぬでもよいのに入れられる。そうして多くの補給金を組まれる。そういたしますと、われわれの考えているのには、おそらく政府はそういうことを考えておられるかもしれないけれども、もしどつかで戰争でも起つたならば、食糧の輸入ができなくなつて困るので貯蔵して置こう、こういうふうに考えておられるのかと思いますけれども、この点をひとつ詳細にお聞かせ願いたいと思います。
  56. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 従来二百万トンというものを外国食糧で大体まかなつて、二合七勺を維持して来ているのに、三百三、四十万トンのものを入れる必要がどこにあるのだ、それは貯蔵でもしておくつもりかということでありますが、私どもこの前の国会では会計年度による需給推算のみを申し上げておりましたので、この点がいろいろ御議論もあつたのであります。昭和二十五年食糧年度といたしましての私どもの需給の見込みを実は立てたのであります。その結論によりますと、どういたしましても三百十九万トン程度のものを輸入食糧に仰がなければ、需給推算が立たぬという結論になつておりまして、会計年度によつて立てました輸入食糧の所要量というようなものとほぼ一致しておるのであります。なぜ食糧の輸入をかほどに多くしなければならぬかと申しますると、需要の面におきましてもちろん人口増がございます。それから労務加配の点も多少考えなければなりませんし、また学童に対しまする書食の問題もございます。それから歩どまり相当下げて品質をよくして行くというような点からいたしましても、どうしても所要量として三百二十万トン程度のものは、食糧年度で見通しを立てましても必要であると考えておるのであります。私どもといたしましては、実は三百四十万トン程度のものを入れて、これを貯蔵するというようなことはなかなか困難なことでありまして、この程度のものを入れることによつて初めて需給の調整がとれるというふうに考えておるのであります。それで麦の超過供出は大体一二〇ですから二〇%程度の超過供出がある状況でございます。昨年の米につきまして御承知のようにいろいろ問題がありまして、当初需給推算をいたしました当時よりも、多少とも減る事情も出て来るのではないかと思つております。それからことしの麦あるいは米の作況というふうなものもまだ判明いたしませんので、この点は私どもとして十分愼重に考えて参らなければならぬのであります。三百万トン食糧が入つたからといつて、ただちに非常に余裕ができて貯蔵し得るということには、なかなかならぬのではないかと考えておる次第であります。
  57. 竹村奈良一

    竹村委員 ところで政府の二十四年十一月から二十五年十月までの大体の需給推算では、大体需要高として五千三百三十二万石、これは一般消費者及び農家配給用、それから労務加配その他ということにして、差引不足が一千二百二十二万四千石、それからロスが三十六万六千石、こう見ておられるわけです。そういたしますと一千二百五十九万一千四百百八十一石という補填量が大体必要だ、こういうふうにはつきり前に——これは政府の数字なのですが、私聞いたのです。しかも麦において二〇%の超過、これで大体百七十万石があるわけです。そういたしますとどうしても二百万トンでいいのではないか。これで困つて来るということはどうしても私たちは納得できないのです。それであるならば、たとえば二十四年度の供出において初めの供出予定数よりも減少して、初めの事前割当された供出量だけ政府は集荷できないというお見込みであるのか。それであれば大体わかる。そういう点であるならばおそらく今度の供出にあたつても、実際できないといつてつておる農家に対して、強権発動までされる御意思はおそらくないだろうと思う。その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  58. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 二十四年産米については補正をいたしましたので、この補正の線まではぜひ完遂しなければならぬと考えております。前に超過供出等も見込んでおりましたが、この超過供出については私どもは相当困難性を持つのではないかという感じを持つております。それで数字の食い違いがございますといろいろ問題がこんがらがりまするので、結論だけを、二十五食糧年度の昨年の十一月一日からことしの十月三十一日までの需給の見通しを申し上げますと、供給高におきましては、二十四年の十一月一日に持ち越しましたものが千七百二十六万七千石であります。それから二十四年産のものの買入高が四千六百五十八万石という想定をしております。それから二十五年のものについて入りまする総計が千八百二十八万石、合計いたしますと八千二百十二万九千石に相なるわけであります。それでこれの需要面でありますが、主食用に対しましては五千五百二十一万四千石、工業用に四百五十三万三千石、種子用といたしまして四十九万三千石、それから加工減耗等を二百四十四万七千石見ておりまして、それを合計いたしますと需要面においては六千二百六十八万七千石、差引いたしまして翌年度への持越しが千九百六十五万三千石になります。昨年の十一月一日の持越しが千七百七十六万七千石でありまするので、この間約二百万石程度の持城し増にはなつておるのでありまするが、大体これで均衡がとれて行くというふうに考えておるのであります。それでそのうち輸入食糧をどの程度見ておるかと申しますと、二千百二十七万四千石、トン数に換算いたしまして三百十九万一千トンというものが輸入食糧である。供給面においてそれだけのものが二十四年政府買入高の中に含まれております。そういう需給のバランスになつておるのであります。この十一月一日の昨年の持越しも前年よりも多少ふえておるのでありますが、これはやはり輸入食糧の増による持越しの増というふうにお考え願つてけつこうだと思います。これが私が最終的につくりました本食糧年度の需給推算の結論的な数字であります。
  59. 竹村奈良一

    竹村委員 輸入食糧の増によつて持越しが少し多くなつただけだ、大体そういうことに聞いたのですが、しかし問題は先ほど申しましたように世界の食糧事情は好転しておる。好転しておれば別に持越しを多くしなくても、しかも日本が非常に税金やその他で困つておるときに、特に持越しを多くしなければならぬ理由はないと思うのです。国内の人口増によるぐらいは、国内の生産増によつて十分補つて行けるわけです。従つてその点がわれわれとしてはどうもわからないのであります。食糧事情が非常に困つて来て生産が減退して行くという場合には、これは持越しを多くしなければならぬ。それは当然でありますけれども、世界の食糧事情が非常によくなつて生産が増強されておる、また国内の生産も増強されておるときに、現われて行く薮字が、おつしやつておるように輸入食糧の増によつて持越しが多くなつて行く、その持越しを多くしなければならぬという原因がわれわれはわからぬ。戰争の準備でもなさるならば持越しを多くしなければならぬということになりますけれども、戰争なんかしないことがはつきりしている以上、何のためにこの持越しを多くされるのか。そういう点はどうですか。
  60. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 持越しが多いと申しますが、十一月一日と申しますのは大体出まわり期でありまするので、国内産食糧の持越しも相当多いわけであります。それで人口の増ぐらいは、国内の食糧の増産によつて十分まかなえるのだというようなお話もございましたが、もちろんわれわれは事前割当においてはその事情を織り込みまして、十分国内の人口の増くらいのものは、国内の生産力を上げることによつてまかなつて行くという建前をとつているわけであります。しかしながら御承知のようにいろいろな災害がございまして、結論的にはやはり事前割当に対しましては、相当の補正をしなければならぬ状況であります。これは竹村さんなんかは十分御承知だと思いますが、事前割当の数量に対しまして二、三百万石の補正をいたしましても、そんなことではとても納まらぬので、一千万石程度の補正をしなければ農民を一体どうするかという状況であります。われわれは需給の観点からいたしまして、どうしてもここに余裕を多小とも持つことが、いろいろ適正な補正をするについても、有効な手段にもなるのではないかということも考えまして、多少とも持越しがふえるということは、戦争を予定してふやすという意図は全然持つておりませんが、需給の現在の状況からいたしまして、この程度の持越しを持つことは適当であり、これによつてまた農村を非常に圧迫するというようなこともないというような見通しのもとに、これを組んでおるわけであります。しかもなおこの三百万トンの輸入食糧に対しては、先ほど申し上げましたように、これからの相談のものが多いのでありまして、必ずしもこれだけが手放しで入つて来るという性質のものではありません。従来の輸入食糧でありますと、救済基金によつてアメリカが資金を持ち、買付けをし、輸送手段を持つてつて来ております。今度の商業資金によるものは日本の自力によるものでありますので、この点は日本の輸出力等ともにらみ合せて、必ずしもかような想定をしましたからといつて、これが確実に従来の輸入食糧と同じような形で入つて来るわけではありませんので、需給の面から申しますとやはり一つの不確定的な要素と考えられます。しかしながらぜひ実現いたしたいということで努力をいたしておりますが、その辺は多少アラウアンスを見なければならないのじやないかと思います。
  61. 竹村奈良一

    竹村委員 今度は商業資金によつて輸入される、こういう見通しのものが非常にふえて来るのでありますが、そういたしますと商業資金によつて輸入される場合、それはどういう機関によつて輸入されるのか、お伺いいたしたいと思います。
  62. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 やはり日本の輸入業者の手を通して入れることになると思います。
  63. 竹村奈良一

    竹村委員 そういう輸入業者が輸入するところの資金関係ですが、そういう資金の融通をどういう面から調達をつけるのか。その辺を聞かしてもらいたいと思います。
  64. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 通産省の方からお話申した方が適当だろうと思いますが、要するに外国資金を食糧でありますとか綿花でありますとか、いろいろな部門別に割当をいたしまして、この資金のわく内において輸入するという形になると思います。
  65. 竹村奈良一

    竹村委員 大体政府ではこの前食糧の問題について、世界の小麦協定に入るかどうかということで、入るということに政府答弁されておつたのでありますが、最近世界小麦協定に入ることを世界のある部分から反対されて、どうも小麦協定に日本は加入できないのではないかというふうに考えられるようになつて来たのでありますが、これに対する政府の詳細な考えを承りたい。
  66. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 小麦協定加入問題は、昨年末ロンドンにおいていろいろ議論があつたのでありますが、またその後引続いてワシントンにおいてもこの問題が論議されております。私どもといたしましては、いろいろ法律上の問題はあるようでありますが、結論においては小麦協定に参加し得るものであろうという見通しを持つております。
  67. 三宅則義

    三宅(則)委員 簡單に安孫子長官にお伺いいたしたい。先ほど内藤君の御質問もありましたが、私も事情を勘案いたしまして、食糧事務所職員増加等を認めなければならぬのじやないかと考えております。今国務大臣お話になりましてせつかく検討中であるという御答弁でありましたが、私はこれに対して長官の心構えを聞きたい。増員によりまして大体五億円程度経費がいるということであります。これに対しまして新たに予算を組み直さなくても、予算のやりくりによつてただちにこれは非常勤手当ないしは予備費から計上すれば、五億円程度はできるというふうに承つておるのでありますが、実際上の長官のお考えはどうでありますか。この際承つておければ幸いだと思います。
  68. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 かりに定員法が改正になりまして、それが予算上の裏づけはどういうふうになるかという点でございます。本年度は予備費を二十億程度組んでおりますが、このうち消費者価格によつて裏づけをいたしたものが十五億程度あると思つております。この十五億を出しました一つの気持は、人員増が定員法において改正をされて増員になつたという場合には、四、五億程度のものはどうしてもいるので、これを予備費の中に一応含みとして入れておこうというような考え方をいたしておるのであります。もちろん大蔵省の方といたしましては、この点ははつきりそういうことを言つてもらつちや困るという意見もその当時あつたのでありますが、大体気持の上では、そういう点をお互いに持つて来ておるのであります。また臨時職員経費の流用等についても、一つ方法としてはやり得るものだと私ども考えております。但し一番はつきりした形においてこれをきめるならば、やはり俸給とか人件費のところへはつきりこれを組みかえることが、一番適当な方法であると考えるのであります。しかしそこまでの話合いは大蔵当局と、定員法が改正にならぬ段階にもあります関係上、話がつきかねておるという事情であります。
  69. 三宅則義

    三宅(則)委員 そういたしますと、今長官お話では、大体国務大臣と話をいたしておりますから、大蔵当局とも話ができそうだというように承るのでありますが、私は食糧確保のためには万全を期しまして、われわれが安心いたして生活できるように、また国民大衆諸君が容易に配給を受け、自由経済の実現するようにひとつ十分なる考慮をもつて食糧庁長官はぜひ国務大臣政府当局と御相談の上、実現を期せられたいと思います。
  70. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 今年度一ぱいで食糧配給公団の廃止という問題が、前回の委員会からずつと持越しで論議されておりますが、この配給公団廃止後の新しい機関の問題について再三お願いしております。その点について具体的な意思表示がまだないようですが、将来廃止された場合にどうして配給機構をやつて行くか、こういう問題があります。もし配給をやる場合に、旧来の米屋さんを動員して、そのままその委託経営というような形でやらせられるかどうか。それからまた現在の公団の予算の内容は、廃止するという前提のためか、大分水ぶくれの点もあるように考えられますが、この費目の中のトラツクとか、あるいは秤とか一切の備品など、こういうものは将来公団廃止後にはどういうふうに業者に分配するものであるか、こういう問題と、それからまた将来配給の問題について、今までいろいろなものが配給されていましたが、今後米とか麦あるいは麦粉、こういうものだけで配給するのか、そういう点の問題。それから輸入食糧が大分今回入つて来るというので、農民の方方は非常に心配されまして、ある一部の方々はもう米をつくつたり、麦をつくつたりする必要はないのだというような非常に賠い心配をかけております。現に広島県の方の話では、昨日聞いたのですが、二毛作の麦を植えるよりも、花むしろの材料を植えた方がかえつてもうかるのだというようなことを言つておる人もありました。これもやはり将来の輸入食糧関係を非常に心配されているからだと思います。  それから小麦協定をされた後に、今後バーター制で南方米の入つて来るような場合、この小麦協定がじやまにならないかというような心配もありますので、その点四点ばかりのことを御答弁願いたいと思います。
  71. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 配給公団は大体来年の三月をもつて解散をいたしまして、別の配給機構を確立する考えでおるのであります。これの詳細についてはまだ研究中でありまして、申し上げる段階ではございませんが、大体の構想を申し上げますと、最初に末端の配給所を、小売機構でありますが、この小売機構というものを切り離して行こうかと考えております。その方法は、結局最終的な形においては、登録制によつて小売機構がきまつて行くというふうになろうかと思います。その次の段階では、この小売屋さんによつて一つの卸機構をつくり上げて行こうと考えております。卸機構は各府県に複数制、大体最低五つぐらいのもので卸をつくつて参ろうと思つております。この卸は一応やはり小売屋さんの登録のような形において、きまつて行きはしないかと考えております。そういたしますと、ここで卸機構ができ小売機構ができますと、これで政府はその卸に直結することによつて、配給所を支障なく切りかえられるであろうかと考えておりますので、およその構想といたしましては、そういう筋道で公団の解消に伴う配給機構の整備をやつて参りたいと考えております。まだ詳細の点については研究中でございますが、大綱は以上のようなものでございます。  それから解消いたしました際に公団の持つております備品、什器等の処置でございます。これはやはり入札その他の運用によつて、これを処分して行かなければならぬかと思いますが、非常な損失を與えないように、適正な価格で処分をして行くことには十分注意して参りたいと思つております。  それから外国食糧が相当入つて来るということのために、国内における食糧生産に非常に悪影響を及ぼすというような現象が各地に見られるというのでありますが、私どもの根本的な考え方は、やはり食糧は国内においてできるだけ自給度を高めて行くことが、本筋であるという考え方をいたしているのであります。この点については農業の生産計画等も、二十五年のものにつきましては指示をいたしているのであります。そうした線に沿うて各府県とも御協力を願つているのであります。外国食糧が入ると申しましても、需給上やむを得ないものについて入るのでありまして、できるだけ国内の生産力を上げて行くという方法については、農林省といたしましては動かない方針をとつておりますので、その辺については各指導者の方々にもその点を十分申し上げて、いろいろ末端において誤解のないようにお願いをいたしているのでありまして、そうした気持を持つていることを申し上げておきたいと思います。  それから最後に、小麦協定に参加した場合には、南方米の輸入等に相当支障を来しはしないかというお尋ねであつたかと思いますが、私どもは南方米の輸入については、小麦協定に参加すると参加しないとによつて、さしたる影響はないというように見ているのであります。     —————————————
  72. 川野芳滿

    川野委員長 それでは本案に対する質疑はあとまわしにいたしまして、次に予備審査のため付託されました証券取引法の一部を改正する法律案議題として、政府の説明を聽取いたします。証券取引委員会事務局長湯地謹爾郎君。     〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
  73. 湯地謹爾郎

    ○湯地政府委員 証券取引法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。  現在施行されている証券取引法は、昭和二十三年四月公布以来すでに二箇年近くを経過しておりまして、その間証券行政の執行上いろいろ不備の点も発見され、また経済情勢の進展に照らし、取引の公正の確保及び投資者保護のために、さらに積極的な施策を織り込む必要も生じて参つたのでありまして、ここに同法律の一部を改正するため、本法律案を提出することとなつた次第であります。  今回の改正案の主眼とするところは、証券業の健全化をはかることと、シヤウプ勧告の線に沿つて証券取引法の規定により提出される財務諸表の基準を定める権限を、証券取引委員会に與えること等でありまして、以下改正の主要なる事項につきまして、逐次その大要を御説明いたします。  その第一点は、証券業者及び証券取引所の健全化に関するいろいろな規定を設けたことであります。この点をさらに詳しく説明いたしますと、その一つは、証券業者は、営業用純資本として最低額五十万円を常に維持しなければならないこととし、この額に満たない登録申請者は登録を拒否され、また証券業者であつてその営業用純資本額が五十万円を下つた場合には営業の停止と命ぜられ、さらには登録の取消しを受けるということにいたしまして、証券業者の資産内容の堅実化をはかり、もつて投資者の保護を全からしめんとしたのであります。  現行法におきましては、証券業者の資本金額には別段の制限はないのでありまして、従つて弱体証券業者の濫立を来し、投資者の保護にも欠けるおそれがありますので、銀行、信託、保険、無盡等に関する法律と歩調を合せ、証券業者になるためには常に五十万円以上の営業用純資本額を保有するを要することとしたのであります。しかし現在の証券業者に対しては、すぐにこの制限規定を適用することは困難でありますので、三年後より適用することに相なつております。  その二は、証券業者が営業または財産経理状況に照らしまして、過当な数量の売買取引、不健全な方法による売買もしくは借入れをなし、または不良と認められる資産を有する場合においては、証券取引委員会は当該行為を制限し、不良資産を償却する等の命令をなすことができることとして、証券業者の健全化をはかることとしたのであります。  その三は、営業の盛衰 はげしい証券業者の特殊性にかんがみまして、その損益の平準化をはかるために、証券業者の営業年度を、現在六箇月であるのを一年に改正することにしたことであります。  その四は、登録取消しの処分を受けた証券会社の役員は、五年間証券会社の役員に就任することができないこととする等、現在の登録拒否または登録取消しの條文の不備を整備したことであります。  その他、証券取引所に関することでありますが、証券取引委員会は、証券取引所が上場しようとする証券が、公益または投資者保護のために不適当と認めるときは、その上場を拒否すべき旨を命ずることができることとし、また証券取引所自体の登録拒否の條項を整理するなど、証券取引所の健全化をはかる規定を設けることといたしました。  第二点といたしましては、シヤウプ勧告にうたわれている線に従いまして、証券取引法の規定により提出される貸借対照表、損益計算書等の財務書類の用語、様式及び作成方法を、証券取引委員会規則をもつて定める権限を証券取引委員会に與え、企業経理の内容を明確にし、投資者の理解を容易ならしめ、証券投資の普及に役立たしめんとするとともに、ひいては不統一をきわめておりますわがわが国企業会計制度の整備に資せんとしたことであります。またこれらの財務書類は、それを提出する会社と特別の利害関係のない公認会計士の監査証明を受けなければならないこととし、財務書類の信頼性または利用性を高める措置を講じ、さらにこの監督証明は、証券取引委員会規則で定める基準及び手続によつて行わなければならないこととして、わが国で初めての経験である外部監査制度を実効的ならしめることとしたのであります。ただその実施にあたりましては、公認会計士の現状に照らしまして、監査証明を受けなければならない会社等は、証券取引委員会規則で逐次漸進的に指定して行くこととして、これに必要な法的措置を講じた次第であります。  第三点は、有価証券の募集または売出しに際して、証券取引委員会規則で届出を免除することができる範囲を、現在の募集または売出し券面総額五百万円よりこれを千万円に引上げて、経済の実情の変化に即応し得ることといたしたのであります。  第四点は、投資についての判断を提供すべき新聞、雑誌等の記事に関する取締り規定を設けたことであります。これはアメリカの証券法の規定にのつとりまして、このような記事を公表することについて、有価証券の発行会社または証券業者等から対価の提供を受けているときは、その旨をあわせて表示しなければならないこととして、投資者の判断に誤りなきを期せしめることとしたことであります。  第五点は、証券取引法の規定に基いて設立された証券業協会について、その活動に実効性を與えるため、事業者団体法の適用をしないこととしたことであります。  第六点は、証券取引委員会の委員長及び委員は、その職務の特殊性にかんがみまして、内閣総理大臣が再議院の同意を得て任命するものとし、特別職とすることであります。  以上が大体改正案の要点であります。この改正整備によりまして、証券取引法の目的でありまする有価証券の取引の公正と、その流通の円滑化をはかり、また投資者の保護に一段と厚きを加えることとなる次第でありまして、政府としてはこの法律案が一日もすみやかに成立することを希望している次第であります。どうぞ十分御審議の上、御賛成あらんことを切望いたす次第であります。
  74. 小山長規

    ○小山委員長代理 午前中はこの程度にいたしまして、午後二時から再開いたします。     午後零時三十八分休憩      ————◇—————     午後二時二十四分開議
  75. 川野芳滿

    川野委員長 午前に引続き会議を開きます。  アルコール專売事業特別会計から一般会計への納付の特例に関する法律案議題として、質疑を続行いたします。三宅則義君。
  76. 三宅則義

    三宅(則)委員 アルコール專売事業特別会計から、一般会計への納付の特例に関する法律案でありますが、これに関しましてこの前に伺つておきましたが、それに引続いて二、三の点をお伺いいたしたいと思うのであります。  国内工業といたしまして、かんしよもしくはばれいしよ等よりアルコールを精出することになつておりますが、この分布状況がおわかりでしたら、ひとつお知らせ願いたいのであります。それからこの資料についてお伺いしたいと思つておりますが、このアルコールを売りさばいておりまする売りさばき人は、この資料によりますると普通売りさばき人が二社、小売人が二千八百十二人となつておりますが、これにつきまして政府は嚴重な監督をされておると思いますが、その大要を御説明願いたいと思うのです。
  77. 本田紀元

    ○本田説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。第一の御質問でございますが、かんしよ、ばれいしよ等の分布と申しますか、主要地域ということにつきましては、本日お手元に差上げました資料のうしろから二枚目に、国営アルコール工場一覽表というのがございますが、この中で北海道に所在いたしまする北見、帯広の二工場は、主としてばれいしよによつて作業をいたしております。そのほかの工場におきましては、主としてかんしよによつて作業をいたしております。  次に御質問の第二点、普通売りさばき人に対する監督の点でございますが、これにつきましては売りさばきの数量、また売りさばきの代金、こういつた全般につきまして嚴重に監督をいたします。
  78. 三宅則義

    三宅(則)委員 嚴重に監督されておるのでありまするが、その受渡しに関しまして、政府といたしましては相当の人件費もかかつておることと思います。それは普通に各府県別にやつておりましようか。それとも二社でありますから、東京とか大阪というところだけでございましようか、承りたいと思います。
  79. 本田紀元

    ○本田説明員 売りさばき人の監督につきましては、売りさばきの会社は二社でございますけれども、十一の営業所を持つております。地域的に申しますと、この二社の本社は東京にございますが、さらに大都市におきましては大阪、福岡、広島、丸亀、新潟、仙台、札幌、こういつた主要の都市に営業所を持つております。従いましてこの監督も、その営業所を所轄いたしております通産局が監督をいたしておる次第でございます。
  80. 三宅則義

    三宅(則)委員 アルコールにつきまして度数の高いのは監督し、度数の低いのは監督していないというように、この前承つたのでありますが、その限界点につきまして、その需要供給度を勘案いたしまして、その生産高の比較はどのようなものでございましようか。
  81. 本田紀元

    ○本田説明員 アルコール專売法におきましては、アルコール分が九〇度以上のものを專売品として扱つております。またアルコール分の八九度以下の製品につきましては、酒税法の適用を受けることになつております。従いまして私どもの督監の対象にいたしておりますのは、アルコール分九〇度以上の製品に限つておる次第でございます。
  82. 三宅則義

    三宅(則)委員  アルコールにつきましては、政府といたしましては年々増石いたしまする考えでありましようか。それともある程度民間に委讓いたしまして、相当数量は民間にやらせる方法でありましようか。承りたいと思います。
  83. 本田紀元

    ○本田説明員 アルコールの今後の生産の見通しにつきましては、主としてアルコールの需給の見通しに根基を置いて立てております。現在におきましては、大体アルコールの需要量を三万五千キロ程度ににらでおりますので、官営の工場並びに民間の一部の工場に製造を委託いたしまして、この両方の生産によつて供給をいたしておる次第でございます。
  84. 三宅則義

    三宅(則)委員 このアルコール工場を指定する場合におきまして、監督も相当嚴重にいたしておると思いますが、たとえば一府県一工場というように限定する御用意がございますか。それとも民間から相当の経費もしくは設備をもつて申請した場合におきましては、これを許可する方針でございますか、承りたいと思います。
  85. 本田紀元

    ○本田説明員 民間の会社にアルコールの委託製造をお願いいたしますことにつきましては——なお委託製造という言葉を御説明申し上げますが、アルコールは專売法によりまして、その製造が政府に專属することに相なつております。従いまして製造を委託するというような言葉で現わしておるのであります。この委託工場は現在九工場あるわけでございます。その九工場におきましても、相当実有の能力よりも、実際の委託製造量が下まわつておるような状況でございますので、個々の工場の生産能力であるとか、使用いたします原料であるとか、製造技術であるとかいつたような点を考慮いたしまして、委託製造をお願いいたしておる次第でございます。
  86. 川野芳滿

    川野委員長 宮幡政務次官もおいでになりましたので、政務次官に対する質疑も許します。
  87. 三宅則義

    三宅(則)委員 独占してはいかぬと思いますので、あと一、二点だけ伺つておきます。アルコールはもちろんいろいろな方面に使われておるわけでございまするが、工業用にもあるいは酒類用にも、今後相当数量増石する必要があると思つております。これについて、かんしよ、ばれいしよ等がだんだん統制が解けて参りまするから、その原料の供給方に対しましてどういうふうな構想を持つておられますか、ひとつ承りたいと思います。
  88. 本田紀元

    ○本田説明員 アルコールの需要の今後の見通しということにつきましては、化学工業用につきましては、化学工業用のアルコールを購入いたしまする化学工業品の今後の発展の見通しというものにベースを置きまして立てております。これにつきましては、二十五年度におきましては、大体一万四千キロというものを考えておりますが、これが今後飛躍的にふえるというほどの増加にはならないと思います。逐年多少ふえるとは思いますが、そう急にふえるという見通しは目下ございません。  それからもう一つアルコールの需要で大きいものとして、酒類用の原料に供給せられておりますが、これが二十五年度の計画におきましては、一応九千キロというものを予定いたしております。この九千キロの面につきましては、酒類用と申しましても主として清酒の中に加えまして、いわゆるもろみ添加の主成分として使うものでございます。従いましてこれがふえるかふえないかということは、かかつて酒類用の米の割当がふえるかふえないかということに非常に関係があるわけでございます。従つて米の数量は、国税庁の方で大体おきめくださつたものを私の方に通告になり、国税庁の御要請によつて酒類用アルコールは販売している次第でございます。
  89. 三宅則義

    三宅(則)委員 今のお話によりますと、国税庁とも御関係が深いというお話でありますが、国税庁におきましても、相当の予算を組んでおるわけでございますが、本年も酒類につきましては相当の金額を見込んでおるわけでございます。つきましては、私の構想の一端でございますが、このアルコール成分を持つ工業薬品でございますとか、あるいは医薬品でありますとか、その他におきましても、相当数量を増すべきものであるということを感じておるのでありまして、そのアルコールの原料であるところのばれいしよであるとか、かんしよの統制が解けまするので、いも類については自由に購入し得られるわけでございまするが、これについて政府の今後の見通しを承りたいと思います。
  90. 本田紀元

    ○本田説明員 お答えいたします。原料の獲得の面につきましては、仰せのごとく今後いも類の統制がとれましたので、市場に楽に出て来ると思うのでありますが、これを獲得するにあたりましては、現在いも類の工業用面の大きなお得意と申しますか、消費者では、酒の方面と私の方面とこの二方面でございますが、酒の方は主として民間の会社が経営されておりまするので、官庁仕事と違いまして比較的楽にと言いますか、自由に購入をいたしておる次第であります。私の方におきましては、会計法規その他の関係もあるわけでございまするから、これの許せる範囲におきましてできるだけ安い価格が購入いたしたいと思います。しかし安い価格と申しましても、極度に農村の経済を圧迫するというようなことはなるべく避けたい、こういう方針でやつております。
  91. 三宅則義

    三宅(則)委員 農村の経済を圧迫しないようにやりたいということでありまして、まことにけつこうな話でありますが、実は農村地帶におきましては相当供出面ということを考えて、いもの作付をいたしたわけでありまするが、二十五年度においてはある程度まで責任をもつてこれを買い取ると申しますか、ある程度の保障をしていただきたいということを農村地域では言つていると思いますが、これについてひとつ親心ある同情ある御答弁を賜われれば仕合せであると思います。
  92. 本田紀元

    ○本田説明員 二十五年産のアルコール用のかんしよの購入につきましては、統制がとれた最初の年でありますので、非常に愼重に考えておる次第でございます。ただいまの御質問で親心あるというお言葉も頂戴いたしたのでありまするが、できれば事前に一定数量をきめるというようなことも考えております。しかし実際問題になりますると、会計法その他の関係からこれができるかどうかという点も、実は頭をひねつて今研究をしている最中でございます。
  93. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質疑ございませんか。
  94. 木村榮

    ○木村(榮)委員 アルコールは今年度外国からどのくらい入つて来る予定なんですか。
  95. 本田紀元

    ○本田説明員 アルコールは全然輸入をいたしておりません。
  96. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そうしますと、大体今の日本の生産量で国内の需要をまかなつておるわけですね。
  97. 本田紀元

    ○本田説明員 ただいまの生産量で国内の需要を十分にまかなつております。
  98. 木村榮

    ○木村(榮)委員 従つてこの上生産がふえては困るというわけなんですか。
  99. 本田紀元

    ○本田説明員 今後アルコールの需要がふえるということについては、困るのではなくて、むしろ私の方はふえることを希望いたしております。
  100. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 この議題となつておりますアルコール專売事業特別会計から一般会計への納付の特例に関する法律案は、きわめて事務的のものであり当然のことであります。先般来質疑も相当行われましたので、この際質疑を打切りまして、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望む次第であります。
  101. 川野芳滿

    川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですから、討論を省略してただちに採決いたします。本案に賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  103. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よつて本案原案の通り可決いたしました。     —————————————
  104. 川野芳滿

    川野委員長 次は、連合国軍需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等支拂うべき給料その他の給與の支拂事務処理特例に関する法律案議題として質疑に入ります。
  105. 竹村奈良一

    竹村委員 現在連合国の需要に応じて必要とする労働者数、現在働いている労働者数と職種別の数をお知らせ願いたいと思います。
  106. 山田二郎

    ○山田説明員 連合軍労務者を大別いたしまして、事務系統、技術工系統、船員、宿舎要員、水先人、以上五つにわけられますが、それぞれにつきまして一応現在の数字を申し上げます。事務系統要員が七万六百十三、技能工系統要員が十一万三千二百三十五、宿舎系統要員、主として家族指宿舍に従事するもの二万六千五百一人、船員二千百九十八人、水先人七人、合計二十一万二千五百五十四人、以上が連合軍関係常用労務者の数でございます。そのほかに日雇い労務者が若干ございます。その数字は一月一日現在七百三十三人おります。     〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
  107. 竹村奈良一

    竹村委員 大体事務系統あるいは技術系統、それから宿舍系統、船員等々の各種別にわかれて、おのおのの職業におけるところの平均賃金あるいは給與、これは幾らになつておりますか。
  108. 木下芳美

    ○木下説明員 お答えいたします。最近三箇月と申しましても、七月から九月までの実積について申し上げます。全体の平均が通常の給與、これは本給、勤務地手当、家族手当、役付手当というようなものであります。これが七千七百七十五円、それから諸手当を含めまして九千四百二十三円、これが過去七、八、九月の平均であります。その内訳について申し上げますと、事務系統は、同じ月の統計によりまして、通常の給與が七千三百四十八円、諸手当を含めまして八千七百八十五円、家族宿舍系統は、通常の給與が五千百八十九円、諸手当を含めまして六千四百九十八円、次に技能工系統の通常の給與、これが八千五百五十二円、諸手当を含めますと一万三百七十三円、船員系統におきましては通常の給與が八千八百十三円、諸手当を含めまして一万二千四百六十一円であります。
  109. 木村榮

    ○木村(榮)委員 これだけの常用労務者がおるわけですが、一体連合国関係関係者はどのくらいおるのですか。向うさんの方です。
  110. 山田二郎

    ○山田説明員 全然存じておりません。また知らされてもおりません。
  111. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そうすると何ぼかわからないけれども、これだけの人間を出せと言つて来るから、これに対してそれだけ調達庁の方では人数をそろえて出す、こういうわけですね。
  112. 山田二郎

    ○山田説明員 さようでございます。
  113. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そうするとたとえば超過勤務手当とかそういつたふうなものは、やはり向うの方から監督官か何かおつて、これだけの超過勤務をしたから出せというのか。それとも日本政府の監督でそういうことを処理するのか。
  114. 木下芳美

    ○木下説明員 給與の計算につきましては、概略を御説明申し上げますと、日本政府は労働者を提供いたしますと、使用隊におきましてそれぞれタイム・シートを個別的につくります。一日の各労働時間及び超過勤務の時間、その他特殊の手当をつけなければならぬ時間というようなものを、個々に別々に向うさんがタイム・シートをつくるわけであります。その提示を受けまして、私の方でそれらの時間に対する給與基準がきまつておりますから、それに基いてペイ・ロール、支拂簿をつくりまして、支拂いを実施するという段階になつております。
  115. 木村榮

    ○木村(榮)委員 最近は連合国関係常用労務者は労働組合はつつていないのでしようか。
  116. 山田二郎

    ○山田説明員 連合軍関係労務者の法律的な身分を申し上げますと、国家公務員法の特別職になつております。従つて国家公務員法の附則によりまして、一般国内法規である労働組合法あるいは労働基準法、これは他の一般企業の労務者と同様に適用がある、かような形になつておりまして、労働組合をつくることは自由であります。従つて連合軍関係労務者をもつて組織した労働組合も相当ございます。
  117. 木村榮

    ○木村(榮)委員 実際問題として簡單に首切つたり何かするそうじやないですか。労働者の報告を聞きますと、簡単に首を切つてやみからやみに葬つておるという、そういうことはないのですか。
  118. 山田二郎

    ○山田説明員 多少人情風俗が違いますような関係上、人情の映りが悪いといいますか、人が入り用がなくなるという場合におきましては、予告もなくずばり首を切つて来る。これは比較の問題でございます。そういうことには民間企業あるいは日本政府部内の各庁の要員の取扱いとは、かなり違つた点が間々見受けられるのであります。
  119. 木村榮

    ○木村(榮)委員 しかしそういう場合といえども、雇用関係は、連合軍じやなくて、やはり日本政府の調達庁なら調達庁、それが雇用関係になつておると思うのですが、その跡始末の処理は調達庁なら調達庁で責任をもつてやるのか。連合国側が首切つたからお前はもうそのまま首だといつて、退職手当もやらぬ。労働基準法の問題とか何とかいう問題はなしに処理できますか。
  120. 山田二郎

    ○山田説明員 その解雇自体が労働基準法に違反しているという場合におきましては、第一次におきましては地方の知事が、最終的には特別調達庁が連合軍との間に立ちまして、違反のないように解決するよう努力いたしております。私の先ほど申しましたのは、人情の映りが悪い関係上、ずばりやつて来るということを申し上げましたので、そのやつて来ることが、違法であるか、不当であるかということはお答え申し上げなかつたのであります。違法になる、不当になるという場合においては、今申し上げたような手段によつて解決するように努めております。
  121. 木村榮

    ○木村(榮)委員 従つて連合国側から首を切るというのは、本人に直接言うのではなくて、たとい本人に言つたとしても、日本側がこれを受けて処理する場合においては、雇用者である日本政府がこれを本人に通達して処理しなければならぬ、こういう建前になると思う。特別職である以上は、その点の処理はどうなつておりますか。
  122. 山田二郎

    ○山田説明員 日本政府がこれを雇用している関係上、さようになるのが当然でございます。実際の扱いといたしましては、まず使つております部隊から、その者に予告なりあるいは即時解雇なりを言渡すとともに、あわせて日本側の機関である知事なり、その出先機関に同様なことを連絡して参りますから、そこからまた本人に伝える、かような取扱いをなしております。
  123. 木村榮

    ○木村(榮)委員 大体連合国側が本人に直接言うのはおかしい。彼らが雇つたものじやないから、だからお前を首切るというのじやなしに、監督官庁の方に対して、こういう人間は自分の方においてはどうも不向きだ、やめさせてもらいたいということを言つて来て処理するのがほんとうだと思う。そういうことになつていないんですね。
  124. 山田二郎

    ○山田説明員 これは連合軍関係労務者、すなわち向うのレーバー・レクイジシヨンによつて雇われる労務者これを略してL・R労務者と言います。これが雇用関係は日本政府にありますが、終戰直後出たところの一般指令の第二項によりまして、日本政府としては向うさんの要求するところの労務を、その定められたように提供する義務があるわけです。そこで私先ほど答えればよかつたのですが、そういう関係上、向うの言つて来たままをわれわれは提供いたしますので、向うの軍がどれくらいおるかということはわからないということを申し上げたいのであります。それをお断り申し上げるとともに、使つているのは向うさんでございます。そこで日常の監督等も向うがやつているわけであります。従いましているかいらぬかということは、まず第一に向うさんが判定するわけであります。そこで今申し上げしまたが、向うさんだけが言うのではなくて、わが方も向うさんが本人に解雇の言い渡しをするとともに並行的にやつている、かようなことを申し上げたのであります。
  125. 三宅則義

    三宅(則)委員 政府にお伺いしたいと思いますが、本法案に「連合国軍需要に応じ連合国軍のために労務に服する者及び公共事業費又は米国対日援助見返資金による公共事業に使用される労務者に支拂うべき給料その他の給與」とありますが、これは主として先方の連合国の方に使われているものと解釈してよろしゆうございますか。  第二の問題は、これに対する労働賃金の支拂いというものは、直接現場でお拂いくださるものでしようか。それとも場合によつては特別調達庁の出張所とかその他の機関を通じて、現在支拂つているものでしようか。伺いたいと思います。
  126. 山田二郎

    ○山田説明員 連合国関係労務者は、全部向うの部隊内あるいは向うで管理している施設内でもつて、もつぱら向うの指揮監督のもとに占領業務に従事しているものであります。  それから賃金の支拂いの場所でございますが、これはそれらの労務者が働いておりますところで、都道府県の渉外労務係の職員がおりますが、それが給料を袋詰めにして持つてつて渡すというような方法をとつております。
  127. 三宅則義

    三宅(則)委員 そうすると各府県における渉外部の労働関係の官吏が持参して拂うことになるのでしようか。それとも今度の改正案によつて、日本銀行付属の各地の地方銀行を通じて、地方銀行の小切手で拂うようにいたすのですか。その辺はどういうふうになりますか。伺いたいと思います。
  128. 木下芳美

    ○木下説明員 現在の支拂いの実情について私からお答え申し上げます。  今山田企画課長からお話がありましたように、連合軍使用人の毎月の給料は、翌月の十日までにそれぞれの労務管理事務所、あるいはその出張所等の職員がそれぞれ労務者に渡すという方法で、月一回拂いということになつております。
  129. 三宅則義

    三宅(則)委員 そうしますと、労務者は、やはり月給取りというように解釈してよろしゆうございますか。それとも日雇いというふうに解釈してよろしゆうございますか。
  130. 木下芳美

    ○木下説明員 原則といたしまして常用の月給取りとしての賃金が支拂われております。但しそのうち日雇いについては毎日々々労務の提供を要求されますので、それは毎日支拂うという形になつております。非常に数が少いのでありまして、大部分のものは毎月一回ずつの支拂いという実情になつております。
  131. 三宅則義

    三宅(則)委員 その支拂いというものは、大体において月末あるいは月の十日に拂うということが原則だと思います。それはけつこうでありますが、日雇者に対しましては、一定の金額を保存しておいて、毎日支拂うということになつておると思いますが、それに対する御感想を承りたいと思います。
  132. 木下芳美

    ○木下説明員 お答えいたします。日雇いは、何人本日出せというよなレーバー・レクイジシヨンが出る関係上、その日または前日において初めて安定所等に連絡して集めますので、提供する人が原則として毎日かわるというのが実情であります。従いまして日雇いについては毎日拂うという方法をとる以外に、ちよつと適当な方法はないのではないかと考えております。
  133. 三宅則義

    三宅(則)委員 そういたしますと、給料支拂いの事務の一部を銀行に委託する場合、こういうことになつております。銀行は大蔵大臣が指定すると言つておりますが、大体一府県に一銀行委託されるものでありましようか、その辺を承りたいと思います。
  134. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 どういう銀行にいたしますかは、実はこれから具体的にきめようと思つておりますが、結局今回の改正は、賃金の支拂いについて、すでにここに説明がございますような趣旨で労働基準法の趣旨を尊重し、かつまた代理事業その他による事故の発生を防ぎ、しかししてその支拂いの便宜を與えるという観点でございますので、それぞれの現場に最も近いところの市中銀行を利用し得るようにしたいと考えております。
  135. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は政府に少しく御注文を申し上げたい点がある。というのは、いつも法律をつくるときにはわれわれは議案を審議するのでありますが、つくつたあとは政令であるとか大臣がきめるということになつておる。もちろん政府を信用しないのではありませんが、往々にして法をつくるところの立法精神をやや曲解されるようなおそれがある。こういうような観点からいたしまして、法案を出される場合には、大体こういうような構想をもつてやるのだという構想を、なるべくお示しくださつて出していただくと、まことにけつこうであると思うのであります。
  136. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ごもつともでございます。最近の立法の傾向といたしましても、政令に移すことにつきましては、非常に嚴格になつてつております。最近小さな法律が非常に多いのもそのためでございまして、特別の理由のない限りできるだけそういう方針で参りたいと思います。
  137. 三宅則義

    三宅(則)委員 同じようなことでありましてはなはだ恐縮でありまするが、私はもう一点申し上げたい点がある。  政府は立法の精神にのつとつてやられるとのことでありますが、一旦法律が通つてしまいますと、ややもすれば立法の精神を忘れがちである。たとえて申しますと、官僚諸君はなかなか頭がよいから、いつも都合のよろしいようにおつくりになるというような点がある。でありますから、私はこの際佐藤法規課長にひとつ御注文を申し上げたいと思います。すべての法案は立法機関を通じて案を立て、その立法機関を通じて実施するのでありますから、本国会に出す諸問題について、こういう案に対してはこういう構想でやるのだということがもしわかるならば、近い将来においてわれわれに示されんことを特にお願い申し上げたいと思います。
  138. 川島金次

    ○川島委員 先ほどの当事者の説明によりますと、進駐軍需要労務関係は連合軍の要求に基いてのみ行われるというのであつて、雇用契約の当事者は、政府とその当該労務者との間にはないような印象を受けたのであります。しかしそのあとでの説明によると、国家公務員法による特別職ということに了解をいたしたのであります。そうするとこの労務者に対する給與は、給與法に基いて行われているのかどうか、まずそれをお伺いしておきたい。
  139. 木下芳美

    ○木下説明員 お答え申し上げます。  連合軍の使用人たる特別職に関する給與は、昨年国会を通過しました特別職の給與に関する法律、あの中の第十一條にうたつてあります。その法律に基いて支給するということになつております。
  140. 川島金次

    ○川島委員 その当時の法律の内容をちよつと今うつかりしてみるのですが、その特別職の給與に関する法律に基くベースというものは、どういう標準になつておりますか。
  141. 木下芳美

    ○木下説明員 ベースは大体大まかなところで、事務系統につきましては、一般官公吏の約一〇%増し程度ということで支給いたしております。技能工系統におきましては、労働省告示の範囲内においてこれを実施しております。但し労働省告示の範囲内におきまして、公共事業労働者は、この告示よりもマキシマムの方が一〇%引きぐらいのところで、実際のところ支給しておる。従いまして公共事業労働者と進駐軍労務者とは、大体一〇%ぐらい違うところで給與を支給しているという実情になつております。
  142. 川島金次

    ○川島委員 それはわかりました。ついでにお尋ねしておきますが、そうすると勤務地手当、あるいは寒冷地手当、あるいは超過勤務手当というようなものは、給與法に準じてこれをそのままやつておるのか。それともやはり今のように、何パーセントか引上げての給與方法をとつておるのか。いずれでありますか。
  143. 木下芳美

    ○木下説明員 ベースにつきましては、今のような約一〇%増しということになつておりまして、その給與の種類及びその支給率というものにつきましては、事務系統及び家族宿舍要員におきましては、官吏の給與の種類及び支給率に大体準じております。技能工系統におきましては、労働省告示の一般職別賃金に、給與の種別及びその支給率がきめられております。従いましてこの範囲内において支給をいたしておるという実情であります。  なお船員におきましては、運営会船員の給與の種類及び支給率を大体準用して支給しおるわけであります。
  144. 川島金次

    ○川島委員 退職手当などはどうなつておりますか。
  145. 木下芳美

    ○木下説明員 退職手当につきましては、一般官公吏よりも相当によく支給することになつております。大体の標準を申しますと、勤務一年につきましては俸給月額の一箇月分に、勤務一年ごとについて一箇月割増しをつけるということになつております。それが勤務年数が長くなるに従つて、一箇月が一・二箇月及び一・五箇月というふうに累進をいたしております。
  146. 木村榮

    ○木村(榮)委員 前にちよつと落したのですが、公共事業費として使用する場合も、さつきのお話だと連合国の側から大体わくが来るらしい印象を受けましたが、そのように解釈してさしつかえないでしようか。公共事業費の中で使う場合も、この公共事業費に何人人数をまわせというようないろいろな連合国側の指示があつて、そうしてその公共事業の方に人数をまわすということになるのですか。
  147. 山田二郎

    ○山田説明員 さようなことはございません。私が先ほど申しましたのは、連合軍それ自体がみずから使う場合においてのみ、何人いかような労務者を提供せよ、かような命令が来るわけでございます。一般公共事業費につきまして、何人人をよこせというようなさしずがあるように聞いておりません。これは私の方の所管ではございませんが、一応聞いておる点だけをお答え申し上げます。
  148. 木村榮

    ○木村(榮)委員 その場合に公共事業というものは非常に広範囲になつて来ますが、日本政府のやつております公共事業と同じような性格のものが、連合軍の要求いたしますものの中にあるのですか。
  149. 木下芳美

    ○木下説明員 先ほど御説明申し上げました進駐軍のベースの基準について、誤解がおありになつたのではないかと思いますが、公共事業費のために使われる労務者の賃金に対して、進駐軍の技能工系統の職員給與は約一〇%増しぐらいになつておるというところに、疑点があつたのではなかろうかと思うのであります。進駐軍の方からは、公共事業に労務者を提供せよという命令は一つもございません。従いまして公共事業は日本政府独自においてやる事業でありまして、それに使われるところの労務者に対して、約一〇%増しほどの賃金が技能工系統に支拂われるということであります。
  150. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、技能工というのはどんなものを言いますか。
  151. 木下芳美

    ○木下説明員 技能工と申しますと、たとえば建築大工あるいは自動車の修理工、機械工、その他こういう方面の腕前を持つて労務を提供している者であります。
  152. 木村榮

    ○木村(榮)委員 腕前を持つていることはわかりますが、その腕前の内容、たとえば自動車関係が何人、建築関係が何人、その他特殊な技能者が何人というようなことをお聞きしているのです。
  153. 木下芳美

    ○木下説明員 各技能者の内訳別の数字はただいま持つておりませんので、また後ほど御答弁申し上げたいと思います。
  154. 小山長規

    ○小山委員 ただいまの法案を見ますと、ほとんど全部は省令に讓つておるようですが、この省令に関する御構想を若干お尋ねいたします。それは銀行に委託するわけでありますが、この場合の委託の内容といいますか、委託はどういう方法でなされるのであるか。手数料はお拂いになるのであるか。手数料予算はどこに計上してあるか。これをお聞きしたいと思います。
  155. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ここにございますように、給與金の支拂いに関する手続のみを大蔵大臣が定めるわけでございますが、もちろんこれにつきましては、一般の委託契約に基きまして、政府と具体的に適当と思われるところの市中銀行と契約を結ぶわけでございます。その際に問題になりますのは、これはすべての、どんな少額な場合においても、すなわち一管理事務所、あるいは一工事事務所の取扱い金額が非常に少額な場合にまで、一切これを広げて行くことが適当かどうかということになりますと、多少問題がございます。それでただいまのところでは、その事務所において一度に非常に多い賃金を支拂うというような工事事務所にしたい、こう考えておるのでありますが、その事務所が月額どのくらいの金額、たとえば五十万円以上とか、あるいは百万円以上とかいうことに限定するかどうかという点は、具体的に事情を聞きましてきめたい、こういうふうに考えております。もちろんその際は一般の基準に従いまして、ある程度手数料を拂わざるを得ない、こういうふうに考えております。  なお、この関係予算につきましては、これは特に予算の面の上では特定しておりません。終戰処理費は、御承知のように相当包括的な計上がなされておりまして、事務費あるいは諸雑費というものがございますので、それらの中から支拂つて行く。もちろん元来が終戰処理費ならば終戰処理費自体において、当然この程度経費は、労働基準法の規定を嚴格に適用する場合には、どうしても必要なる一種の法律的な義務費でございます。従つて政府としては、どうしてもそういう必要な経費予算から出す建前になつておりますので、それを直接政府の支出にするか、あるいは手数料の形で銀行に支拂うかという違いになるのではないかと思います。
  156. 小山長規

    ○小山委員 その次にもう一つ伺つておきたいのは、契約の担当者はどこの官庁になりましようか。連合軍に対する場合は調達庁ということでわかりますが、公共事業費及び見返り資金による公共事業、この場合の契約担当官はどちらですか。
  157. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これはもちろん建設省系統、農林省系統でございますが、その場合に多く現場の工事事務所長というものは、会計法にいわゆる資金前渡官吏ということになつております。従いまして多くの場合には、それらの工事事務所長があらかじめ一定の範囲で資金の前渡しを受けておりますので、それらの工事事務所長が契約をするということになつております。
  158. 北澤直吉

    北澤委員 二点ばかり伺いたいのです。一点は連合軍の需要に応じて、連合軍の管理に服する労務者ですが、こういう労務者については何が思想上の検査みたいなものがありますか。たとえばこういうふうなものは向うで雇わないとか、そういううふうな思想的なテストがあるかどうか。
  159. 山田二郎

    ○山田説明員 別段聞いておりません。
  160. 北澤直吉

    北澤委員 去年でしたか横須賀の地区で、あそこのアメリカの海軍に使われておる労務者について、何かそういうふうな問題が起きたように聞いておりますが、もし御調査でわかりましたら、あとでもけつこうですから……。  もう一点は、進駐軍に勤めております労務者につきましては、健康保險とがあるいはそういう問題は、ほかの労務者と同じように一律に適用があるかどうか、この点をお伺いいたしたい。
  161. 山田二郎

    ○山田説明員 進駐軍労務者につきましても、健康保險法はそのまま民間の労務者と同様に適用に相なつております。ただ進駐軍労務者につきましてはその数の多い等の関係もあり、経済的基礎が相当強固であるという理由から、特に連合軍関係要員の健康保險組合を設立したりいたしまして、昨年の四月から運営に当つております。
  162. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 私わからない点がありますが、この財源は終戰処理費の中から出されるのかどうかということと、それからこの收支でありますが、公共事業と軍需事業との関連した問題があるようです。たとえば京浜国道の改修の場合は、連合軍の方とそれから道路管理当局と共同で工事をやつておるようですが、そういう場合の費用の分配などは、公共事業費から何パーセントとか、あるいはもし終戰処理費の中から出すとすれば何パーセント、こういつたような問題があると思いますが、その点を伺いたいと思います。  それからもう一つは、労務者を募集する経費です。こういうものは、大分中間搾取があつて以前にも問題があつたようですが、今でもそういうような事情があるかどうかという問題であります。それから労務者に対して、衣服だとかあるいはその他のものを支給しておるということも聞いておりますが、そういう点があるかどうか。それから銀行の指定の問題ですが、これはどうしてやるものですか。この点を伺いたいと思います。
  163. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 この関係予算は、もちろん終戰処理費から出すことになつております。  それからただいまお話の道路の点でございますが、向うから改修等の命令を受けました場合におきましては、終戰処理費から支弁をいたしております。かりにそこを進駐軍が相当使いましても、一般の公共専業として行われておりますものは、公共事業費の方から出すことになつております。  それから労務者募集の経費は、これもただいま申し上げましたように、おのおのの所管に属する場合にそれぞれ配分してやつております。すなわち進駐軍関係労務者の募集でありますれば、もちろん終戰処理費から拂う。それから公共事業の場合には公共事業費から拂うということになつております。
  164. 山田二郎

    ○山田説明員 お答えいたします。進駐軍労務者につきまして、若干の厚生物資の配給はいたしております。種類を申し上げますと、大体作業衣のようなもの、せつけん、ゴム長靴、タバコ、酒というようなもの、そのほかに主食を若干増配いたしております。衣服につきましては、大体進駐軍労務者のうち警備の仕事に従事する者がおりますが、さような者につきまして重点的に配給しております。但しこれは有償配給でございます。
  165. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 支拂い銀行の指定をどういうふうにしておりますか。
  166. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは別に特別にかわつたことを考えておりませんので、現場の事務所長の意見というものを聞きまして、監督官庁の方で必要と認めた場合にはそれを認めまして、そうして契約を結ばせる、こういうふうに考えております。
  167. 竹村奈良一

    竹村委員 委員長にお願いしたいのですが、終戰処理費から出す分と、それから公共事業費から負担しておる分、それは一体どういう道路、どこの場所というような点をお聞きしたいので、そういう関係におる政府委員をひとつ呼んでいただきたい。
  168. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長代理 後ほど建設省の人と打合せをいたします。
  169. 河田賢治

    ○河田委員 先ほど進駐軍の労務者二十一万と日雇いというようなお話がありましたが、大体進駐軍の労務者の数などにつきましては、終戰以来進駐軍将校の住宅の建築とかその他飛行場とか、いろいろな設備に対する仕事もかなり済んだと思うのでありますが、これについて進駐軍の労務関係が、現在、終戰以来どのように減つて来つつあるか、あるいはふえておるのか、その点をお答え願いたい。     〔前尾委員長代理退席、委員長着席〕
  170. 山田二郎

    ○山田説明員 お答えいたします。傾向といたしましては、昨年の夏ちようど八、九月ごろでございますが、二十七、八万まで参りました。それをピークといたしまして漸次減つてつております。その結果が、先ほど申し上げましたような数字に相なつておるわけでございます。それ以前におきましても、大体二十三万前後というように記憶しております。
  171. 河田賢治

    ○河田委員 最近外電の伝えるところによりますと、日本で兵営を二箇年間につくつて、そうして長期占領をするというようなことであります。ついてはこういう問題に対して、特別調達庁はこの兵営をつくるとか何とかいう建設方面について、何らか指示なりあるいは覚え書なりを受取つておられるかどうか。この点を承りたい。
  172. 山田二郎

    ○山田説明員 お答えいたします。われわれはLRの労務者を管理しておるものであります。従つて工事の方は同じ調達庁でありますけれども関係いたしておりません。別の機会関係の者を差向けて御答弁いたさせることにいたします。
  173. 河田賢治

    ○河田委員 この問題は本来予算委員会で質問すべきだと思いますが、これに関係しておりますのでお尋ねします。今度の会計年度から進駐軍の費用はいわゆる師団とか、副官とか、技術部とか、向うの組織別になつております。従来は労務費であるとか、あるいは工事の内容についての費目であつたのでありますが、今年度からはそういうようになつておる。費目の改善が款項目について行われておりますが、これは日本政府自体がこういうことを直接やつたものか、それとも連合国の指示によつてああいう予算の組みかえがあつたものか、この点ひとつお伺いしておきたい。
  174. 宇井秀夫

    ○宇井説明員 これは連合軍の内部でもわが方の要請に協力いたしてくださいまして、内部で向うの部隊で使う予算を嚴重に統制しようという意図のもとに、向うの内部の構成にマツチして予算を組むようにという指示に基いて、明年度の予算をああいう形式で組んだわけであります。
  175. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 新聞の外電によりますと、今後四箇師団だけ日本に常駐させるということを言つておりますが、そういう場合に終戰処理費がもう少し増額する傾向はないかどうかということを伺いたい。
  176. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、もし御希望でありましたならば……。
  177. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 大分心配をしておる向きもあるようですから、あとで大臣に伺いたい。
  178. 河田賢治

    ○河田委員 先ほど民自党の方からお尋ねがありましたのですが、事務の一部を普通銀行に委託する、このときの手数の問題でありましたが、大体どのくらいの手数料をお見込みになつておられますか。それをお伺いしたい。
  179. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは場合によりますが、ただいま各方面に委任をいたしておりますときには、向うと相談をいたしまして、五分であるとか六分であるとかいうものを出しておるのでありますが、この場合の手数というのは、これは相当少額の支拂いでございます。従つて一般の基準よりも多少高くなるかと思つておりますが、それらは今後現場の事情を聞きまして基準を一定したいと考えております。
  180. 河田賢治

    ○河田委員 進駐軍の労務者についても相当な数でありますし、また公共事業費、対日援助見返資金による公共事業費、これらを合せますと相当な額に上ると思いますが、これはどのくらいの部分を普通銀行に委託される考えか。各三つの項目についてこれがおわかりにならないものでしようか。
  181. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 先ほど申しましたように、ただいまのところは年にいたしまして千万円以上ぐらいにしようか、あるいは五百万円ぐらいにしようかということで、これは実は現場の実情を聞いてから手続としてきめたい、こういうふうに考えております。従いまして全体の計算をはじいておりませんので、どの程度になるか今のところちよつとお答えいたしかねます。
  182. 河田賢治

    ○河田委員 そうしますといずれにいたしましても、こういう仕事を普通銀行に委託されれば、それだけ官庁事務が省けるわけであります。官庁事務の方がそれだけ仕事が減りますれば、人員の整理ないし行政整理の意味において縮小される腹がありますかどうですか。それはそのままにしておいてやはり普通銀行に仕事を委託して、何か手数料を與えて金もうけをさせて行くというお腹であるか。この点をはつきりさせておいていただきたい。
  183. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは全然そういう気持を持つておりません。実を申し上げますと、説明にもありますように、一時に非常に支拂いが必要でありますので、従来どうしてもいわゆる代理受領というものをやつておるのであります。常用者の連中の代表者格の者を選びまして、そうしてその代表者に手渡しをしてその代表者から渡させるということが——これは正当ではございませんが、事実上手が足りませんためにどうしても起るのでございます。ところがその代表者がたまたま不正を働く場合がある、あるいは実際問題といたしまして数多い中でありますと、受取りに来ないものがあるわけであります。または非常に遅れて受取りに来るような場合もございます。いずれにいたしましてもこれらは労働基準法の趣旨に反するわけでありますから、やむを得ずこういう法律をつくつたわけであります。従いまして従来の仕事が全然減るのではなく、従来当然措置すべかりしところの手続を新たにしよう、こういうことでありますから、御心配のような点は考えておりません。
  184. 川野芳滿

    川野委員長 それでは他に質問もありませんので、本案に対する質疑はあとまわしにいたします。     —————————————
  185. 川野芳滿

    川野委員長 次に昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律案議題として質問に入ります。川島君。
  186. 川島金次

    ○川島委員 簡單にお尋ねいたしますが、この両特別会計の現在における借入金の総額はおよそどのくらいありますか。それをまずお尋ねしたい。
  187. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 お答えいたしますが、これは予算書をごらんいただきますと、二十五年度の特別会計予算の郵政事業と通信事業関係のおのおのの昭和二十四年度の予定貸借対照表、すなわち二十五年三月三十一日現在の予定貸借対照表というものをごらん願いますとわかるのでありますが、郵政事業で申しますと、借入れ資本が二百五十億円ございます。それから同じく通信事業特別会計でございますが、これがちよつと二十四年三月のところで見当りませんが、これが長期と短期と合せて五百七十四億円ございます。それから鉄道の分は、鉄道公社の予算をごらん願いまして——ただいま数字を持つておりませんので、あとでお答えいたします。
  188. 川島金次

    ○川島委員 そうするとこの法律は二十一年度の経費、支弁のための借入金だけの償還を延期するということになるのでありますか。
  189. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは実は、昭和二十二年の四月に法律第十号というので、昭和二十一年度一般会計終戰処理費の財源に充てるための借入金に関する法律というのがございます。それから昭和二十一年の十一月に帝国鉄道会計または通信事業特別会計における昭和二十一年度の経費支弁のための借入金等に関する法律、こういうのがございまして、この二本をもちまして当時の必要に応じて借入れたものでございますが、その償還の期限を二十四年度末ということに法律でうたつてございます。ただいまそれぞれの会計の経理上の都合で、ただちに償還が困難でございますので、その償還期限を延期さしていただきたい、こういう趣旨であります。
  190. 小山長規

    ○小山委員 これはちよつとわかりにくいのでありますが、この終戰処理費の財源に充てるため同会計の負担で百億円、こう書いてあります。これは返済も同会計の負担で返済するということに読めるのです。ところが終戰処理費は御承知のように一般会計でありますので、終戰処理費の負担で百億円借りてそれを返すのだというのは、どういうふうな意味でありますか。
  191. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これはちよつと御説明申し上げます。実は説明が不十分なのでありまして、もちろん終戰処理費につきまして借りましたものは、一般会計全体から出す予定であります。従いましてただいま処理いたしておりまするように、償還いたします場合は一般会計から国債整理基金特別会計に繰入れまして、その国債整理基金特別会計から返すという、一般の公債の手続と同じようにやることになつております。
  192. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は簡單に一、二点だけお伺いいたしたいと思います。この法律昭和二十一年にできまして二十四年度末に償還する、こういう規定になつておりまするが、三年間延ばすという理由はどこにありましようか。ただ漠然と三年間待という意味でありましようか。この辺をひとつ承りたいと思います。
  193. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これはおのおのの会計によつてもちろん事情が違うのでありまして、一般会計につきましてはできるだけすみやかに、事情の許す限り、二十五年度におきましてでももし返せるものなら返したい、こういう気持でおります。鉄道並びに郵政通信等におきましては、何分にもただいま御承知のようなわけでありますので、明二十五年度にただちに返せるという見きわめがついておりません。それで一応三年間というふうに予定しております。
  194. 三宅則義

    三宅(則)委員 次に帝国鉄道会計というのは昔の名前ですが、ただいまのところ昔の名前で通すという意味でありましようか。何か方法があるか承りたい。
  195. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは公社になりましたのですが、法律上から申しますと、従来の帝国鉄道特別会計というものはすでに廃止せられまして、ただいまの日本国有鉄道というものとは法人格が別になつておるわけでございます。従いまして帝国鉄道特別会計当時に背負いましたものは、従来の通りの名前を使つて行き、この負債というものは、日本国有鉄道の施行法によりまして、別に一般会計に引継ぐことになつております。
  196. 三宅則義

    三宅(則)委員 大体了承いたしたわけでございますが、この通信事業特別会計の方もやはりそういうような意味ですか。それともまた現在は電気通信となつておりますが、そういうような意味合いで昔の名前でしようか、承りたいと思います。
  197. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 さようでございます。
  198. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 ただいま議題となつておりまする昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律案につきましては、きわめて明白な事実であり、なお質疑もすでに盡きたようでありますから、質疑を打切つて討論を省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
  199. 川野芳滿

    川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  200. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようでございますので、討論を省略して採決に入ります。原案賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  201. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よつて本案原案の通り可決いたしました。
  202. 川野芳滿

    川野委員長 次は、一般会計国立病院特別会計との間における国有財産の所属替又は所管換無償整理に関する法律案議題として質疑に入ります。
  203. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは、一般会計国立病院特別会計との問における国有財産の所属替又は所等換の無償整理に関する法律案でありますが、これを審議するにあたりましては、国立病院の現今の状況の大様を知る必要があると思います。前の陸軍病院、海軍病院その他のものがこういう名前にかわつたものと考えておりますが、その現在の状況を御説明願いたいと思います。
  204. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 国立病院の全体の経営につきましては、厚生省の方から御説明をお願いいたしますが、御承知のように国立病院は終戰後、従来の軍関係等の病院をまとめましてつくつたものでございます。それで前回の国会におきまして国立病院特別会計が独立いたしましたわけでございますが、この国立病院特別会計の御審議を願いますときにも、いろいろ問題があつたのであります。元来が地域的に非常に偏在しておる傾向がございまして、すなわち当初から国立病院というものを計画的に地域的に配分してつくつたものではなくして、終戰以前におきます軍関係の病院をいわば寄せ集めたという実情でございます。従つて理想的な意味の国立病院というものの体系の見地から申しますと、相当修正を要する部分があるわけでございます。一方におきまして国立療養所というものは一般会計の所属としてございます。これらの両方の関係を調整いたしますために、場合によりましては現在国立療養所になつておりますものを国立病院に、また現在国立病院に属しておりますものを国立療養所に渡すというようなことをやりたい。御承知のように国有財産法によりまして、特別会計同士の間におきまして譲り渡しをいたします場合には、原則としてそれぞれ有償でなされなければならないという原則がございますが、もともと国立病院特別会計はきわめてきゆうくつでございまして、あらためて一般会計から買うだけの資金がございません。また国同士の間のことでございますので、わざわざ有償行為をもつてする必要がないというので、この法律をもちまして特に無償でやつていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。現在国立療養所の方から国立病院の方へ所属がえを予定いたしておるものとしましては、塩原温泉療養所、伊東温泉療養所、白浜温泉療養所、別府温泉療養所、こういうようないわば国立病院の経営上比較的便宜であるところを選んでおります。それから逆に国立病院の方から国立療養所に所属がえを予定いたしておりますものに、国立宗谷病院、それから国立佐倉病院、別府病院石垣原分院、津病院の明星分院というのがございます。それから東京第一病院の小諸分院、それと国立神野病院等々でございます。  国立療養所は御承知のように結核でありますとか、癩でありますとか、特殊なものがございますので、それらの場所を考えて両方の交換をはかりたい、こういう趣旨でございます。
  205. 三宅則義

    三宅(則)委員 今度は失礼でございますけれども、厚生省の担当の方にお伺いしたい。私がここで申し上げるまでもなく、日本の国民保健、衛生、こういう面から考えまして、御承知の通り肺結核が実に日本には多いのでありまして、この完全な治療というものがまだ行われていないと私は考えておるのでありますが、日本国民の栄養の状況もしくはこれからの青年子弟の成長等につきまして、非常に重大な関係があると思います。これは厚生委員会で聞くことであるかもしれませんが、ついででありますから関連質問として現状を承りたい。なおこれにつきましては国家の重要な政策としてこの肺病国家を直したい、こういう考えを持つておりますが、政府のお考えを承りたい。
  206. 尾崎重毅

    ○尾崎説明員 私きようはそういう病院、療養所関係の詳細な御説明の資料を持ち合せておりませんが、大体厚生省といたしましては、今お話になりました結核対策につきましては、大臣以下万全の策を立てられるごとく努力せられておりまして、二十五年年度におきましても正確な数字は忘れましたが、概略五千床ないし六千床くらいの増床計画を立てております。それに関連するのでありますが、今度の療養所を病院にし、病院を療養所にする件にいたしましても、結局結核療養所として適当な施設を選びまして、それを病院から療養所に転換いたし、また病院として運営した方がいいという療養所がございます。これは温泉療養所でございますが、これを病院の方に移す、こういうふうに計画しております。今度の法律はそれに関連しているのであります。
  207. 三宅則義

    三宅(則)委員 これもまた関連質問ではなはだ恐縮でございますが、国民の衛生、保健あるいは結核予防もしくはこれの退治、これは大蔵委員でも厚生委員でも同じことでありまして、日本全体の、人類の発達に貢献する上におきましては、ことに必要なことであると思いますから、これに対する政府の心構え、たとえていえば肺病のようなものは国家がなおしてやる、こういうような点も考えられることでありますし、また農村あるいは山村に行きますと無医村というのがありますが、この無医村につきましても相当顯著な援助をしなければならぬと考えております。これに関通いたしまして、この国立病院もしくは国立療養所等の関係におきまして、その構想を承りたいと思います。
  208. 尾崎重毅

    ○尾崎説明員 実はその大きな医療政策と申しますか、国民の保健を確保するという政策につきましては、これは一医務局ないしは私どもの管理課だけの問題ではございませんで、厚生省全体の問題として今これに取組んでいるわけでございます。それで、御承知と思いますが、昨年の十二月に社会保障制度審議会というものが設けられまして、現在清々と社会保險、それから国民の医療の確保、医療保障というものを主たるテーマとして取上げて研究しておられるわけでございます。そこで医務局としましても、この社会保障制度審議会のいろいろな研究に対応します事務的な調査、準備を進めておりまして、たとえば公的の医療機関をどういうふうに全国的に配置するか、あるいは無医村に対する医療機関の整備はどうするかということをやつているようでありますが、私はちようどその所掌でございませんので、詳細はお答えができないのであります。
  209. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは、所属がえ、または所管がえをしようとするその金額等について、もし計算ができておつたら聞きたい。ただやみ取引でこれとこれとをやるのだというわけではないだろうと思います。政府の方にその内容がありましようから、それを承りたい。
  210. 尾崎重毅

    ○尾崎説明員 今度所管がえをいたす所存でございます施設につきましては、ここにございますように国有財産関係でございまして、つまり土地及び立木、建物、それからこれに付属する工作物、そういう点でございます。大体私の方の国有財産台帳で計算いたしましたところによりますと、病院から療養所に転換する分につきましては二百五十万、それから療養所から病院に転換する予定のものが百四十万でございます。これは国有財産の台帳価格によるものでございます。
  211. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質問はございませんか。——前尾繁三郎君。
  212. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 ただいま議題となつております一般会計国立病院特別会計との間における国有財産の所属替又は所管換無償整理に関する法律案につきましては、質問もあまりないようでありますし、なおまた内容につきましても、しごくけつこうなことでありますので、質疑を打切りまして、討論を省略、ただちに採決に入られんことを望む次第であります。
  213. 川野芳滿

    川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 川野芳滿

    川野委員長 御異議がないようですから、一般会計国立病院特別会計との間における国有財産の所属替又は所管換無償整理に関する法律案は、討論を省略して採決に入ります。  原案賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  215. 川野芳滿

    川野委員長 起立総員。よつて本案原案の通り可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十一分散会