運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-02-02 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二日(木曜日)     午後一時十七分開議  出席委員    委員長代理 理事 前尾繁三郎君    理事 北澤 直吉君 理事 小山 長規君    理事 島村 一郎君 理事 川島 金次君  理事 河田 賢治君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 内藤 友明君       岡野 清豪君    鹿野 彦吉君       佐久間 徹君    高間 松吉君       苫米地英俊君    西村 直己君       三宅 則義君    松尾トシ子君       宮腰 喜助君    竹村奈良一君  出席政府委員         (理財局長)         大蔵事務官   伊原  隆君         造幣庁長官   松崎 健吉君  委員外出席者         大蔵事務官   渡邊正次郎君         專  門  員 黒田 久太君         專  門  員 椎木 文也君 二月一日  委員坪川信三君辞任につき、その補欠として奧  村又十郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  臨時通貨法の一部を改正する法律案内閣提出  第九号)     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、臨時通貨法の一部を改正する法律案議題として質疑に入ります。三宅君。
  3. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題となりました臨時通貨法の一部を改正する法律案審議に入るにあたりまして、せつかく理財局長おいでになりましたから、私は政府に要望いたしたいと思うのであります。と申しますのは、第一日の委員会におきましても委員長からも御忠告がありまして、私も大蔵委員の末席を汚しておりまする関係上、なるべく早く審議を進めたいという気分で一ぱいであります。今期国会におきましても八十数件という厖大なる案件が、本委員会に上程せられると聞いております。同時にまた司令部との関係もありましようが、法案はわずかに二つしか付託されておらないと記憶いたしております。かような状況にありましては、会期の終りごろになりましてたくさんの法案が一どきに来るという段階も想像し得られる。こういう事柄ははなはだ議員といたしましては迷惑を感ずる。でありますからこの際理財局長おいでになりましたから、御注意までに申し上げておくのでありまするが、なるべく早く法案を出すように、ひとつ政府もお考えを改めてもらいたい。今の状況につきまして御感想を承りたいと思います。
  4. 伊原隆

    伊原政府委員 私からお答え申し上げることが適当かどうか存じませんが、大蔵省関連だけでもいろいろ法案がございまして、まず私ども理財局の管轄の法案でも十ほどございます。資産評価問題等については、いろいろ法文が長いせいもございまするし、極力急いでおりまするけれども、まだ提出案の運びに至つておりません。ただいまの御注意につきましては、大蔵大臣に申し上げまして、大臣から政府にとくとお話を申し上げるようにとりはからいたいと思つております。
  5. 前尾繁三郎

    前尾委員長代理 三宅君、委員長代理から申し上げておきますが、何回も政府に督促しておりますし、なおこの上とも督促しますから、その点は御了承になつて次に進んでください。
  6. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは質疑に入ります。十円の貨幣硬貨としておつくりになることでありますが、その硬貨をつくりますためには、どのくらいの費用がかかりましようか。ひとつ政府の御答弁を承りたいと思います。
  7. 伊原隆

    伊原政府委員 造幣庁長官も見えておられますから、私からは十円の硬貨製造費につきまして、政府が見込んでありますところをちよつと申し上げます。製造費は二十五年度におきまして、十円の硬貨一枚につきまして、一円八銭余りというふうに踏んでおります。材料費が二十銭、人件費が二十三銭、物件費が五十四銭、管理費が九銭というふうな見込みでございます。
  8. 三宅則義

    三宅(則)委員 今私の考えるところによりますと、十円の硬貨を出しますことと、もう一方考えられることは十円の紙幣が現存いたしておるわけであります。紙幣の方は日本銀行営業費を持つてこれを出しておるのでありますが、特に政府で今回費用を出して硬貨をつくる必要があるか、ないかということを私は心配するのであります。この辺について具体的に御説明を承れますならば、けつこうであると思います。
  9. 伊原隆

    伊原政府委員 お示し通り日本銀行券の方は、製造費から申し上げますと、十円の日銀券が約三十六銭でございますから、ただいま申し上げました硬貨一円八銭に比べますと、ほぼ三分の一でございます。ただ経済が漸次安定いたして参りましたので、政府考えでは百円以下はなるべくなら硬貨に置きかえて参りたい。御存じの通りただいま一円の硬貨、五円の硬貨が出ておりますが、さらに十円の硬貨を出し、なお五十円の銀貨等につきましても、ただいま研究中でございまして、百円以下はなるべく硬貨で整えて参りたい、こういう考えでございます。費用の点につきましては、ただいまも申し上げましたように、十円券が約三十六銭でございますが、耐久力等から申しますと、日銀券は大体一年半ないし二年くらいしか持ちませんので、経費的に申しましても、別に非常に損であるというふうなことはないと存じておる次第でございます。
  10. 三宅則義

    三宅(則)委員 それではその金額、数量等につきまして、製造せられますその内容をひとつ承りたい。どのくらいのものをどういうふうにつくるか、そして本年の経費としてどれだけを見込んでおるかということを、ひとつ具体的に御説明願いたいと思います。
  11. 松崎健吉

    松崎政府委員 私からお答え申し上げます。数量から申しますと、ただいま十円の紙幣が枚数にいたしまして十億余枚出ておりますので、大体それを標準にいたしまして、ただいまのところは十億程度は最小限度必要であろう。それだけつくる準備をしておるのでありますが、とりあえずそのうち六億枚だけを明二十五年度において製造する計画であります。大きさはここに見本を持つてつておりますが、直径三十ミリで、ただいまの一円の黄銅貨と大体同じ大きさであります。それに穴を明けまして、図案として茶の葉と花をあしらつて、表面をつくつております。裏の方は花のかわりに唐草を配しまして、それに文字を入れておる。量目は二・七五グラムであります。それで質といたしましては洋銀ということになつておるのであります。洋銀と申しますのはいろいろ混合の割合があるのでありますが、ただいま予定しておりますのは、ニツケルが一六ないし一八、それに銅が五五ないし六〇%であります。残り亜鉛ということになつております。どうして洋銀を選定したかと申しますと、一円、五円の貨幣と別の素材を用いた方が識別がよろしいし、また上位の関係がありますので、多少地金価値もいいものにしたいという考えでありますが、ニツケル等は非常に貴重な資材でございまして、日本にもほとんど産出しないのでありますから、われわれといたしましては、従来工業的価値割合に少くて、しかも貨幣素材としては非常に優秀であると思われる白銅を土台にいたしまして考えたのであります。白銅地金は御承知のように昔出まわつておりました白銅貨のあの白銅でありますが、あれに亜鉛を入れますといわゆる洋銀になるのであります。造幣庁におきましてはただいま相当手持量があります。また今後この方面でありますれば相当入手できる予定でありますので、白銅を選んだという次第であります。
  12. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は、幸い造幣庁長官が参りましたから伺いたいと思いますが、一体現在造幣庁にはどのくらいの人間がおりまして、どのくらいの職工あるいは設備をいたしておりますか。この際御迷惑でもちよつと御説明を願いたいと思います。
  13. 松崎健吉

    松崎政府委員 造幣庁は従来大阪造幣局と言われておつたのであります。ただいま本庁を大阪に置きまして、そこに主力の工場を持つておるのであります。それに東京東京支庁といたしまして工場事務部門を持つております。なお広島の五日市に広島支庁といたしまして工場を持つておる。そのほかにごく小規模でありますが、熊本に出張所を設けまして鉱物等の試験をやつておるのであります。全体の人数といたしましては、定員法によりまして二千二十三人になつております。二千二十三人のうち大ざつぱに申しますと、東京広島がそれぞれ三百五十人であります。多少端数がありますが……。残りの大体千三百が大阪におるわけであります。熊本は十名程度のものでまことに問題にならない、そういうぐあいになつております。製造能力といたしましてはすでに御承知と思いますが、開庁以体来年ですでに八十年になる歴史を持つておりますので、相当大きな設備を持つておるのであります。もつとも現在貨幣をつくりますについて全部の機械をフルに使えるわけではないのであります。たとえば金貨をつくるときの機械はただいま使わない。また銀貨をつくる場合の機械もただいま遊んでおる。貨幣種類によつてそれぞれ機械がある程度違いますので、いろいろの機械を兼ね備えておるわけであります。その設備は最近外国人が参りましても、相当高度の設備と技術を持つておることをむしろ驚かれておるくらいでありまして、相当優秀なものだと考えております。それではただいまどのくらいの貨幣造幣庁全体としてできるのかと申しますと、私はよく言うのでありますが、貨幣種類によつて非常に違うのであります。造幣庁が始まつて以来一番よけいつくりましたのは、例の御承知アルミニウム貨幣であります。このときには一年間に二十五億枚程度つくつたことがあります。ところが素材がかわりますとこれがとたんに非常にむづかしくなりまして、製造能力は減るのであります。ただいまの黄銅貨幣で製造いたしますれば、私の見るところでは、大体三つ工場を動員して、年間七億枚程度が最も手ごろな製造能率かと思います。ところがこれが先ほど申しました洋銀貨幣になると、溶解の点から言つても非常に困難があります。たとえば溶解炉も高周波の電気炉でなければ溶けない点もありますし、またこれを薄く延ばすロールにおきましても、非常に手数がかかるというぐあいでありまして、黄銅貨幣洋銀貨幣をつくる場合の作業上の負担というものは、大分違つて参つております。実は来年度は先ほど申した洋銀貨幣を六億枚、黄銅の一円、五円が二億枚、計八億枚を計画しておるのでありますが、これは造幣庁としては、ただいまの現有設備をフルに動員いたしまして、また多少残業等をやりまして、最大能力製造数量考えておる。大体その程度であります。
  14. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は通貨形体について非常に不満がある。私が申すまでもなく、通貨形体が実にかわつておる。その国の進歩の程度はこれに逆比例すると言われておつて、あまり貨幣が多いということはおもしろくないと思う。実際日本におきましても、ここにも見本がありますが、五円とか一円とか五十銭とかいろいろありますが、その中には穴の明いたものがあり、穴の明かないものもある。ぎざぎざのついたのもあるがぎざぎざのつかぬのもある。こういうことになつてつて判別に苦しむ。私どもが議会の帰りに新聞を買うのに、五十銭のおつりだか一円のおつりだかわからない。多少老境に入つて来ますと、ほんとうに迷惑であるので、こういうものを判別のしやすいようにすることが、造幣庁任務であると私は確信いたします。個人々々一日一時間空費をすれば、何億万という時間を空費することになる。こういうことになつてははなはだ迷惑でありますから、こういうような点を考慮いたしまして、根本的に聞きたいのは、これは松崎さんに聞くのは間違いかもしれませんが、一体政府の方に根本方針があるのかどうか。これを一ぺん聞きたい。
  15. 伊原隆

    伊原政府委員 三宅委員の仰せの通り、現在の通過はいろいろな種類が出ておりまして、日本銀行券政府紙幣補助貨幣、そのうち日本銀行券にいたしましてもいろいろな種類がございますし、補助貨幣にいたつては実に雑多な種類がございまして、御迷惑をかけておりますことは非常に遺憾に存じております。ことに一円と五円につきましては、昨年八月までは穴が明けてなく、同じような大きさで非常にまぎらわしかつたという点については御指摘の通りでありますので、今回五円の穴を明けたものに漸次切りかえて行くというふうに考えております。なお乱雑になりましたのは、どうもインフレーシヨンの非常にはげしい中にありまして、その場しのぎでいろいろ出して参りましたために、こういうふうになつたのでありますが、漸次安定するにつれて、きちんと整理をして参りたいというふうに考えております。一円以下の五銭、十銭、五十銭というふうなものにつきましては、貨幣価値から申しましても、資産評価の基準を二百倍というふうにとつてみますと、一円というのは昔の五厘くらいに当るわけでありますので、政府でもただいま一円以下の取引につきまして、端数切捨て法律を研究しております。ただ貨幣というものは流通手段でございますから、手段の方をなくして、流通を阻害するということは本末転倒でございますので、元自体がなくなるようにした方がいい。従つて政府収入政府支出につきましては、ただいま申しましたように一円以下の端数を切り捨てるというふうな法案を研究いたしておりまして、民間の方のいろんな取引ももう一円以下はだんだんなくなつて参るのでありますから、五十銭以下のこまかいものは取引がなくなると同時に、だんだんなくなつて行くだろうというふうに考えておる次第であります。
  16. 三宅則義

    三宅(則)委員 政府のお考えはきわめて消極的であると私は思う。もつと積極的に、たとえば四月一日からは古いものは引上げてしまうのだというような構想があるかないか。ひとつお伺いいたしたいと思います。
  17. 伊原隆

    伊原政府委員 ただいま申し上げましたように、私ども考えでは、通貨はあくまでも取引手段でございまするから、手段の方が逆に取引を規制して行くというのは、そういう考え方をとらない方がいいのではないか。今申しましたように今の一円は昔の五厘の価値でありますので、取引自体がだんだんに減つて行けば、結局一円以下の通貨は必要がなくなる、こういうようにしたらどうか。ただ政府自体がいたしまする収入とか支出につきましては、一円以下を切り捨てるという法律を出しまして、一円以下の端数をつけないような取引にいたして参りたいと考えている次第であります。
  18. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいまの政府の御答弁によりますると、実際の需要供給によつてきまるのだというお話でありますが、それは了承いたしまして、今度出まする十円の硬貨は御承知通り洋銀ということになつておるのでありますが、この際今までの硬貨は一ぺん切りかえて、たとえば一円、五円、十円というようなものにつきましても、新たなる構想のもとにこれを鋳造し直すという構想があるかどうかということをお聞きしたい。
  19. 松崎健吉

    松崎政府委員 私からお答えいたします。ただいまのお話、私もまことに同感なのでございます。今までいろいろの硬貨が出ておりますので、造幣庁におきまして、できるだけ早く回収して参りたいと考えておるのであります。たとえて申しますと五円と一円は非常にまぎらわしい穴のないのがありますが、あれもできるだけ早く引上げまして、穴の明いた五円に打ちかえるという考えでおるのであります。今度考えております十円、五円、一円という三つ貨幣を比べ合せていただきますとよくわかるのでありますが、いずれも色が反対になつております。大きさは同じでも色が反対になつてぎざは片方について片方につかない。穴は片方は明いて、片方は明けてないというふうに、できるだけ識別をたやすくするように考えております。先ほど伊藤政府委員からお話がありました五円の形式につきましても同じような考えで、素材関係でそう大きさをかえるわけに行かない場合には、色と形あるいは穴のあるなしというようなものをそれぞれ逆にいたしまして、わかりやすくして参りたい、こういう一列の形式で将来ずつと押して参りますれば、何年かの後には大体小額貨幣の系列は整理できると確信しておるわけであります。
  20. 三宅則義

    三宅(則)委員 今伺いますと、穴の明いたのと明かないのとがあるということですが、明けるなら明ける、明けないなら明けないというふうに一律にした方がいいと思う。たとえば一円の大きさよりは五円の方が大きい。五円の大きさよりは十円の方が大きいというぐあいにしておけば、盲でもさわつてみればわかる。こういうようにするのが便利であると私は確信をいたします。色を見て初めてわかるというのであれば、夜老人などは懐中電燈でもつけなければわからない。そんなことではいけない。要するに一律に穴を明けないなら明けない、明けるなら明けるということにして、大きさを大中小にする。これならば盲でもわかる。私はかようにすることが一番為政者といたしましてなすべき行為であると思うのですが、政府答弁を伺いたい。
  21. 松崎健吉

    松崎政府委員 大体形式はただいまお話通り考えましてやつているのであります。穴が明いたのとか、明かないのとかいうものがあるというのは、これは結局規格がよくなかつたことだと思うのですが、五円にそれがあるのであります。しかし今後はたとえば一円と十円とは実は同じ大きさになつておるのですが、十円には穴があいておつて、一円にはあいていない。一円にはぎざがあつて、十円にはぎざがない。色は十円は白であつて、一円は黄色、こういうふうにすべて反対になつております。これならば盲がさわりましてもすぐわかる。また暗いところでもよくわかるのであります。すべてが反対になつておりますから、非常に識別しやすいと考えております。
  22. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまり押問答してもしかたがありませんが、私の根本理念というものは、色を見なければわからぬということではどうもぐあいが悪い。政府の方にはよほど頭のよい純吏がおりますが、民間の方はそういう人々ばかりというわけにはいかぬ。ですから、あなた方はなるべく民間の人の通用のしやすいように考究するということが、政府当局任務であろうと私は確信いたすのであります。この線に沿いましてこれからの貨幣につきましては、十分今後の造幣の上におきましても考慮せられたい、かように思つておるわけであります。  もう一つ根本方針をお伺いいたしたい点がある。従来日本人の観念といたしまして、貨幣というものを尊重するのはもちろんでありますが、これをつぶしましてほかに流用するというようなことがありませんかどうか、伺いたいと思います。
  23. 伊原隆

    伊原政府委員 鋳つぶしに対しましては、これを禁止する法律もございますが、実際の問題といたしまして、補助貨幣は、地金価値の方が実際の名目の価値よりずつと少いものでありますので、現在そういうふうな鋳つぶしが行われているというふうなことは聞いておりません。
  24. 三宅則義

    三宅(則)委員 それは地金と違うのだから、そういうことはない、こういうお話でありますが、年々紙幣にいたしましても、貨幣にいたしましても、損耗と申しますか、あるいは自然消滅もしくは紛失、こういうものがあるかとも考えておりますが、政府は見込んでおりますか、見込んでおりませんか、承りたい。
  25. 伊原隆

    伊原政府委員 お説の通りあるいは紛失をいたしましたり、紙幣でございますと、火事があつて焼けたりいたしますものが相当あるかと思いますが、いかほど紛失し、いかほど焼けたかということはなかなかわからないわけであります。ただ日本銀行券にいたしましても、硬貨にいたしましても、流通量がだんだんにふえて参つておりますので、その一部分にはそういうふうな滅失、毀損したものがあるかとも思います。それはたとえば昭和二十一年でありましたか、通貨の封鎖をいたしましたような際に、返つて来なかつたものが相当あるというふうな場合には、これは焼けたのだろうというふうな推測がつくわけであります。またこの間五十銭の紙幣の特定の模様につきましては流通を禁止いたしたのでありますが、これがたとえば昭和二十二年の十月末に十二億六千四百万円流通いたしておつたはずなんでありますが、回収されたのが九億八千七百万円でありまして、二億七千七百万円は返つて来なかつたというふうな場合におきましては、これはお示しのように焼けたとか、なくなつてしまつたとか、まだかえないで持つておられる方があるというふうなことを証明する材料になるかと思います。
  26. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまり長くなりますから、この一点だけであとに譲りたいと思うのですが、私はたびたび同じようなことを申して恐縮でありますが、かりに穴を明けたものと、穴を明けないものとありました場合におきましては、たとえば五円の五という字が浮かび出ておるとかいうふうにいたしまして、ずつとわかるようにしてもらいたいということが最後まで私の念頭を離れない。というのは、御承知通りすべての人々が自由に判別し、またわれわれの感じというものが直感してわかる、こういう線にやりたいと思つておるのでありまして、私はこの臨時通貨法の一部改正につきましては、ぜひとも将来の五十円というものを眼前に控えて、政府は確たる確信のもとに、りつぱな通用いたします貨幣をつくられんことを望みたいと思います。それに対して伊原局長のもう一ぺん確信のある御答弁を承りたい。
  27. 伊原隆

    伊原政府委員 今三宅委員のお示し通り通貨流通手段でございまして、これは流通が最も円滑に行くように、便利に行くようにということを第一に念願しなければならないところでございます。従いまして現在出ております非常に不便なもの等につきましては、政府といたしましてできるだけ早く皆様の便利のようにいたすという考えで、かつまた今後出しますものにつきましては、御趣旨によりましてできるだけわかりやすく、流通しやすいようにということを念願いたすつもりでございます。
  28. 前尾繁三郎

  29. 内藤友明

    内藤(友)委員 ちよつとお尋ねしたいのであります。政府は、インフレがすでに収束した、経済は安定の段階に入つたと申しておられるのであります。このごろ大蔵大臣は、いや、安定の方向に乗つたということで、訂正なさつておられるようでありますが、とにかく腹の中は、インフレがとまつた考えておられるようであります。そこで政府は、けさの新聞を見ましても、国庫出納金端数計算法の一部改正案を出されて、円未満を大体政府計算からはずそうとしておられる、こういう段階になつておるのであります。従つて私はここらあたり日本通貨全体について、一度見直すべき時期ではないかと思うのであります。と申しますのは、これは私案でありますけれども、ひとつ円というものを改めて何両という両にして、現在の円のおよそ百分の一くらいを一両にみてやるというふうなことを考えてみる必要があるんじやないか。ことに戦争前の日本通貨考えてみますと、これは私どもしろうとから考えるので、伊原さんのようにくろうとの方はあるいはそうでないかも存じませんが、戦争前の円は少し荷重ではなかつたかと思うのであります。私どもしろうと考えでありますけれども、あの当時の十円というのが五円でなかつたかと考えているのでありますが、そういうことで戦争に入り、インフレに入つて来まして、すべてそういうような事柄もこんがらがつてしまつたのであります。そこでこの際ひとつ何とか日本通貨全体をながめて、ここらあたりで抜本的な通貨制度を確立せられることをお考えになつておられるかどうか。私案でありますけれども、百円を一両というくらいのところでやつてみたらどうだろうか。これが日本通貨制度によいのじやないかと思うのでありますが、伊原さんのお心持をお伺いしたい。
  30. 伊原隆

    伊原政府委員 お答え申し上げます。ただいま内藤委員のおつしやいました通りインフレを経過いたしまして漸次安定に入つて参りましたこの際、通貨制度全体を見直すことが非常に必要であるという点につきましては、まつたく御同感なんでありますが、ただ現在の行き方といたしましては、こういう考え方で進んでおります。最近提出になります資産の再評価問題等からも考えまして、現在の貨幣価値をあるがままに認識しまして、むしろ戦前の名前で現われておりました固定資産の帳簿価格等も、たとえば二百倍にして行く。それに伴いまして千円の紙幣等も出して行く。すなわち円の方の価値を切上げると言いますか、たとえばただいまお示しの百円を一両とするというふうな方角に行くのも一つの方法でありますが、ただいまの方角は、むしろ円を現在の円の価値として直して行く。従つて紙幣の方でも百円、場合によつたら五百円紙幣考えた方がよいと思うのでありますが、百円、五百円、千円という大額券の方に進み、また百円以下は硬貨を五十円、十円、五円、一円というふうにして、かつ一円以下は端数を切り捨てて行くというふうな方角で、一応安定をするのがよいじやないかというような考え方になつております。従つて何年かたちまして、みんな円という名前では非常に不便だ。たとえば銭という單位がなくなつて、何でも初めから円という單位では不便だというふうな場合におきましては、また名前を考え直すということはあり得ると思いますけれども、ただいまの実情では、今申し上げましたように一円、五円、十円、五十円、昔で言いますと一銭、五銭、十銭、五十銭というふうなものを硬貨にいたしまして、それから百円、五百円、千円、一円、五円、十円というふうなものを紙幣にいたすというふうな方角へ実は進んでおります。外国の例等で実はいろいろ研究いたしてみたのでありますが、資料も非常に不十分で、はつきりはわかりかねるのでありますけれども、大体日本の一円と同じくらいの価値——これは正確に申し上げますと多少違いますが、フランスとイタリアのフランとかリラとかいうものも大体価値が同じようであります。これは資料が古いのでありますが、フランスあたりで九千二百十億フランの流通をいたしております。それからイタリアでもやはり九千億リラ以上流通をいたしておりまして、大額券の方に進んでおつて、やはりフランとかリラとかいう言葉を、たとえば百リラを一何とかとするとか、百フランを新しいフランにするとかいうふうな制度をまだとつておらないようであります。また各国とも固定資産の再評価等をいたしておりまして、一応現在の低落した貨幣価値そのものの名前を維持して、大額券の方に進むという方角のようであります。日本といたしましても大体そういう方角をたどつておるわけでございますが、ずつと将来におきまして、すつかり安定した際に、また考え直すということはあり得ることだと存じております。
  31. 内藤友明

    内藤(友)委員 それからひとつお尋ねしたいのでありますが、今のお話のように五百円紙幣をお出しなさるような御意向のように拝承したのでありますが、近くそういう御計画があるのですか。と申しますのは、昔は一円、五円、十円というものであつたのです。一円が今の百円、十円が千円、当然五円という額に当るべき五百円がなけりやならぬと思うのです。ことに十円以下が補助貨幣ということになつた今日においては、ほんとうの貨幣というのは百円と千円しかない。いろいろな計算をするのにむずかしいのであります。従つて五百円紙幣というものも何とか御心配願わなければならぬのじやないかと思つてつたのですが、近くそういう運びになさるお考えがあると承知していいのでありますか。これをひとつお聞かせ願いたい。
  32. 伊原隆

    伊原政府委員 これは紙幣にいたしましても流通手段でございまするので、経済界の実情が、そういうふうな紙幣があつた方が便利であるということになりましたら、そういうものを出すことにやぶさかでないのであります。ただいま研究をいたしております。五百円があつた方がいいじやないかという声の方が強いものでありますから、経済界としてぜひ五百円券が必要だということになれば、これは日本銀行券でございまして、様式を決定すればできることになつておりますので、研究をいたしております。ただいま御存じのように約三千億の通貨流通いたしておりまするが、千円券を一月初めから出し始めまして、ただいまたしか二月一日現在で三百五十八億流通をいたしております。大体の私どもの見通しでは、二千億程度は千円券に置きかわるのではないかというふうに考えております。それらの情勢ともにらみ合せまして、五百円券は研究をいたしたいとこう考えております。
  33. 内藤友明

    内藤(友)委員 それでは補助貨幣のことについて二、三お尋ねしたいと思いますが、この補助貨幣をどれだけ発行なさるかというその発行量を定める基準であります。これは何かそういうものがあるのでございますか。それともいい加減に、必要だからどんどん出すとかいうことになるのでございますか。全体に対する補助貨幣のわくというか何かきまつておるのでありますか。また内々政府がそういうおつもりを持つておられるのか。それをひとつお伺いしたい。
  34. 伊原隆

    伊原政府委員 これにつきましては戦前がどうなつているかという比較も一つの問題でありまするし、またただいま申し上げましたように、一円、五円、十円というふうなものを硬貨にし、かつ補助貨幣にして行くという場合は、現在どのくらい流通しておるかということが目安になるかと思います。現在十円の日銀券は、昨年末でございますが、百十三億九千五百万円出ております。それから五円の方は、日銀券の五円券が八億二千百万円出ております。五円の硬貨が十一億九千七百万円であります。一円は日銀券が七億四千八百万円、硬貨の方が二億七千二百万円出ております。これらが少しずつふえておりますけれども、大体これらの日銀券硬貨の方に置きかえて行くという程度のものを目安に置いたつもりであります。
  35. 内藤友明

    内藤(友)委員 ただいま貨幣というものに対しての政府のお考えになつている輪郭はわかつたのでありますが、そこで貨幣というものをさつき三宅さんからもお話がありましたように、もう少し全体にわたつて計画的にひとつお考えなさつておく必要があるのではないかと思うのであります。なるほどインフレで所要量が非常にふえて参りますけれども、計画的な大方針さえきめておきますれば、今日のようにこういう混乱した状態にならぬと私は思うのでありますが、そういうことについてどういうお考えを持つておられますか。たとえて申し上げますとこれは百円券と千円券でありますが、千円券は千円と書いてあるからお互いが百円券よりよいのだなと思つておりますけれども、これを伏せておいてどちらを先にとるかといつたら、必ず百円券をとると私は思うのであります。紙の質と申せ、大きさと申せ——紙の大小はどうでもよいと言われますればそれまででありまするけれども、これは計画的一貫性がないと思うのであります。ことに三宅さんからもお話がありましたように、十円紙幣は何と申しましても不便だと思います。この規格ならばこれは少し御中止なされて、もう少しお考えなすつてみたらどうかと思うのでありますが、それは専門家でも昔の十銭と同じでありますからちよつとわからぬのでありますが、そういうことについてもう少し計画的に貨幣全体についてお考えになる御意思があるかどうか。今これはしかたがないのだということでありますればともかくでありますけれども、何とかこれは政府として国民全体が信頼を持たなければならぬのでありますから、何と申しましても根本はそこなんでありますから、信頼が置けぬようなことだといかぬのであります。そのときは政府の思いつきじやいけませんので、これは一貫した大きな底を流れる貨幣というものに対する国民の信頼を集める大きな精神が流れていなければ、どうしてもいかぬと思うのでありますが、そういうことはどうなつているのですか。いやそれは思いつきでやつているのだ。インフレだからこんな小さいのを出す。紙がないから小さくするのだ。インキがよいのがないから悪いインキを使うのだ。しかたがないのだ。そういう御方針なのか。そこをひとつ打明けてお漏らしを願いたいのであります。
  36. 伊原隆

    伊原政府委員 お示しの点ごもつともでございますが、ただいま申し上げましたように、今まではこういうことで非常に現在乱雑になつております点は申訳ない次第なのでありますが、経済が安定につきました機会に、ただいま申し上げましたように、一つの考え方を持つて進んでおるわけであります。と申しますのは、貨幣の系列といたしまして、千円、五百円、百円というものを紙幣にし、それから五十円以下を、五十円、十円、五円、一円というふうな硬貨をつくつて行く。これをその形態につきましても、硬貨につきましては一円はあれでいいが、穴の明いていない五円に至つては非常に困るのでありますから、一円、五円を穴の明いている方にいたし、千円をただいま国会の御審議を願つております昔でいえば十銭の白銅にし、それから銀の所有量墓がなかなかむずかしいので、五十円の銀貨につきましては早急にはむずかしいのでありますが、できれば五十円の銀貨を出して行く。それから紙幣の形態でございますが、百円と千円がまつたく何らの関係のないものが出ております。これらにつきましてもどこを見ても日本紙幣であるという統一性を保持することにつきましては、十分に実は考えておる次第でございますが、ちよつと今まだ申し上げる段階に至つておりません。そういう大きいの小さいのがないように順次整理をいたして行きたいと思つております。
  37. 内藤友明

    内藤(友)委員 これは昔のことでありますけれども、この間新聞を買いましたおつりに、すでに使用できない靖国神社のついた紙幣が私の手元に参つたのであります。実はこの法律が出ましたときも、どうしてこの靖国神社などの絵のある紙幣を使用禁止にするのだということを、大勢の国民に徹底なさるのかということを心配いたしまして、ずいぶん私はぐどくどしくお尋ねしたのでありますが、そのときはラジオでやるのだ、いや停車場に大きな広告を出すのだ、役場にも何か張紙をするのだというふうなお話でありまして、それで徹底するだろうかということを尋ねましたら、十分徹底するということであつたのであります。しかし山間部の村などへ行きますとラジオもありませんし、一生の間停車場にも出て来ない者もありますし、そういうふうな人たちは、この紙幣を後生大事にさいふの奥深くしまつておくものでありますが、こういう人たちにどうして徹底するのかと尋ねたことがある。それが東京のまん中で夕刊を買いましたら、私の手元にまわつて来たのでありまして、これは実際何でもないことのようでありますが、これは私は通貨に対する信頼度を、国民から非常に失わせることではないかと思いますので、なるほどあの法律は国会を通りましたけれども、まだこれは世間では残つておるものであります。今伊原さんのお答えによりますと、三億七千万円ほどある。おそらくその中には焼けたものもありましようが、まだどこかに隠れているものもあると思います。これは個人個人承知で融通することは一向さしつかえございませんが、公の場合にはもう通用せぬことになつております。何とか法律改正していただきまして、こういうふうなものを国に回収する手段考えたい。日本通貨信用保持の建前からそういうことを考えるのでありますが、そういうことについてどうでございましようか。あの法律はあれつきりだ。どうにもならぬのだ。それはお前さんがぼんやりしているからいけなかつたのだ。つりが来たのだ。こういうことで片づけて行くのかどうか。はなはだこの前のお尋ね申し上げたことに関連しておりますので恐縮でありますが、ひとつ法律改正の意思ありやいなやということになるのでありますが、お漏らし願いたいと思います。
  38. 伊原隆

    伊原政府委員 この問題は今内藤先生からもお話のように、昭和二十三年五月の小額紙幣整理法によりまして、実は靖国神社の模様のつきました五十銭は、昭和二十三年八月三十一日限り使用禁止をいたしまして、二十四年の八月三十一日までに全部かえてしまう。ただいま申し上げました二億七千六百万円というものが発行残高に残りまして、これは法律によりまして、即日二十四年度の歳入に受け入れております。この趣旨徹底につきましては、まつた内藤委員お話同感でございまして、私どもも相当の経費が貨幣の信用維持ということで、昔の青砥藤綱の心持を持ちまして、引上げる金よりも、かかる金の方が多くても、貨幣なのであるから、その信頼のために、小学校の生徒に申しましたり、できるだけの手段を講じたわけでありますが、依然としてそういうふうなものが残つておるという点については、はなはだ遺憾に思うのであります。ただ法律で例外になつておりますのは、外国その他大蔵大臣の指定する地域から引揚げて、昭和二十四年八月一日以後本邦に到着した者の所持する分については、到着した日から一箇月以内まだ有効である。引揚げた方等のものにつきましては、この規定の適用があるのでありますが、今おつしやつたような実例につきましては、ただいまではそういう方法がないということになつておる次第であります。
  39. 内藤友明

    内藤(友)委員 その方法がないからお尋ねしておるのでありますが、政府がこれを受け入れるだけの法律改正というものはできないものでございましようか。流通はできないけれども政府は五十銭なら五十銭で受け入れてやる。新しく流通するものとかえてやるというふうな法律改正はできないものかというお尋ねなのです。
  40. 伊原隆

    伊原政府委員 正直に申し上げまして、ただいまのところはそういう考えを持つておりませんが、先ほど来のいろいろなお話でこまかいものを整理しなければならぬ時期が来るかと思います。そういうふうな際にはあるいはあわせて考慮する余地があるかとも思つております。
  41. 内藤友明

    内藤(友)委員 そういうふうにぜひこれは日本通貨信用保持のために願いたいと思うのであります。  それからこの間新聞に出ておりましたが、川口市に百円の偽造のものが四十九枚とか出たというのであります。私は一昨日滝ノ川の印刷局に遅く参りましてよく拝見することができなかつたのでありますけれども新聞にはあそこから出たのじやなかろうか。番号だけをあとから印刷してあるらしいというのであります。ことに今度は一枚持つて出ると千円ですから、貨幣の問題から考えますとなかなか簡単な問題じやないと思います。ことに民間工場で印刷されておりました小額紙幣は今おつくりなさらぬのでありますから、今後はないだろうと思いますが、そういうことなどあわせ考えてみますと、こういうふうなものの印刷はタバコの専売局なんかと大分違いまして、非常にこれは考えなければならぬ問題であります。あのいきさつがもしおわかりで、四十九枚というものについての関係をひとつお聞かせ願えますれば、こういうふうな法律審議に非常に参考になるのじやないかと思うのであります。
  42. 渡邊正次郎

    ○渡邊説明員 お答え申し上げます。記憶は正確ではありませんが、それは去年印刷局の管理工場であります王子の東京証券印刷という会社で、中の工員が悪意に未完成品を持出しまして、そこに番号を刷り入れまして行使いたしました。すでに犯人は去年のうちにつかまりまして、残つておりました今まで銀行に持つて行かなかつたものの一部が先般出て来たわけでありまして、すでに犯人はつかまつて刑事問題になつておるのであります。犯人の自供によれば、行使不明の分が多少あるとのことであります。
  43. 内藤友明

    内藤(友)委員 その四十九枚はほかの工場でも印刷が相当出たというお話であります。それで実は昨年五十銭紙幣禁止の際に私はお尋ねしたのでありますが、この紙幣の印刷という仕事をよその民間工場に委託なさるということはおもしろくないではないか。あれをひとつおやめになつて、大蔵省の印刷工場で全部お引受けになつてやられたらどうかということを申し上げたのでありますが、それは大丈夫だからというお話に、あのときお答えになつたのであります。ところが大丈夫でなかつたらしいのであります。そこで政府はこれから以後、この紙幣の印刷はすべて政府の機関でおやりになる。なるほど民間工場に対しては厳重な監督をなさつておられるかは存じませんけれども、やはり今のようなことがあるのではないかと思うのでありまして、私が前回にお尋ねしたときには、印刷工場の名前は申しませんけれども、ある工場から五十銭紙幣を非常にたくさん職工が持つて出たという事実を聞きまして、お尋ねしたのでありますが、だんだん小額紙幣がなくなり、大きな紙幣がこれから発行せられるということでありますから、将来はこういう印刷はすべて大蔵省の機関でおやりなさり、民間へは出さぬ。こういうふうなことになさるお心持があるかどうか。それをひとつお伺いしたいと思います。
  44. 伊原隆

    伊原政府委員 お話通りでございまして、ことに千円券というふうな大額券が出て参ります際には、非常に注意もいたしておりますし、これは政府の印刷庁でいたすのが当然のことでありますので、今後はそういうふうなことはないと確信いたしております。これからお示しの方角で仕事をいたして参りたいと思います。
  45. 前尾繁三郎

    前尾委員長代理 ほかに質問ありませんか。
  46. 三宅則義

    三宅(則)委員 この際ちよつと関連して質問さしていただきたい。これは方角違いかもしれませんが、実はソ連から引揚げて来た人が日本銀行に百万ルーブル預けたわけでありますが、そういうものは今日日本金にかえられるものか、かえられないものか。将来とも有効か無効か。これはちよつとこれとは関係ないかと思いますが、お伺いしたいと思います。
  47. 伊原隆

    伊原政府委員 これは入国の際にお預かりをすることになつておりまして、お預かりしたただいまの紙幣の処置につきましては、まだきまつておりません。
  48. 三宅則義

    三宅(則)委員 そうすると預けてあるというけれども、それは私的に預けたのか、法律的な効果のある預け方かわかりません。これはやはり一応通貨政策上聞きたいと思つたのでありますが、それはわからぬですか。
  49. 伊原隆

    伊原政府委員 それは法律の規定によつてお預かりしているのでありまして、私のことではございませんから、処置がきまりました場合には、預かつた方に何とかするということにはなつております。
  50. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは法律が確定するまでは、何とも返事ができないというふうに了承してよろしゆうございますか。
  51. 伊原隆

    伊原政府委員 お預かりしたあとの処置については、まだきまつておらぬと思います。
  52. 前尾繁三郎

    前尾委員長代理 残余の質疑は延期いたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後二時十五分散会