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1950-01-30 第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月三十日(月曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 大上  司君 理事 北澤 直吉君    理事 小山 長規君 理事 島村 一郎君    理事 前尾繁三郎君 理事 河田 賢治君    理事 内藤 友明君       岡野 清豪君    佐久間 徹君       塚田十一郎君    苫米地英俊君       西村 直己君    三宅 則義君       宮幡  靖君    松尾トシ子君       宮腰 喜助君    竹村奈良一君  出席政府委員         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君         (主計局次長)         大蔵事務官   東條 猛猪君  委員外出席者         專  門  員 黒田 久太君         專  門  員 椎木 文也君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  大蔵省預金部特別会計昭和二十五年度におけ  る歳入不足補てんのための一般会計からする繰  入金に関する法律案内閣提出第一〇号)     ―――――――――――――
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  質疑に入る前に、大蔵省政府委員要望いたしておきたいと存じます。承りますると、今第七国会には大蔵省関係でも、提出予定法案が約八十件になんなんといたしておるということです。これらの法案審議するには相当の時間がいると存じますので、政府委員におかれましても、時間を励行して出席されんことを要望いたしておきます。  それでは大蔵省預金部特別会計昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたして、質疑に入ります。三宅則義君。
  3. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はただいま委員長からも政府要望がありましたが、私も同じく議員といたしまして政府に強く要望いたしたいと思う。というのは筆国会において、私はわれわれ大蔵委員については財政法規というものを早くこちらへ持つて来い、こういうことを言つておいたのであります。もちろん金の関係もありますから持つて来られないかもしれませんが、そういう場合には買いますから、もう少し迅速にやることを政府にひとつ要望いたしたい。のみならず本日の預金部特別会計につきましては相当質問もあり、もしくは意見も開陳いたしたいと思いますが、何せ簡単な説明しかついていない。承るところによりますと、二部本委員会に来ておるということでありますが、二部ばかりでは不足でありますから、二十五部なり三十部なり届けて、われわれが納得してよく離した上において審議するようにいたしたいと思います。特に本日は主計局長おいでになりましたから、同僚官僚諸君を激励して早く出されんことを私は希望いたします。これだけを要望いたしまして、次に質問に入ります。  質問に入るに先だちまして、一番かんじんと思います事柄は、預金部というものは、われわれ北海道から九州に至ります間の日本国民全般郵便貯金が、一番の幹本になつておると確信いたすのであります。その明細書等も早くわれわれにわかるように知らしてもらつたならば、審議の上に便利であると思いますが、何らその方法がない。はなはだどうも不忠実であると考えますが、あなたは主計局長でありますから、部下には相当人間があるはずだから、さつそく明日これを調製いたしまして、本委員会に提出せられたいと思いますが、今日はその概況を承りたい。
  4. 河野一之

    河野政府委員 ただいま資料手元にございませんので、すぐ取寄せて御報告申し上げます。
  5. 三宅則義

    三宅(則)委員 われわれ零細国民貯蓄心に燃えました気魄がすなわち郵便貯金であり、この大部分預金部に繰入れられて、これを運用せられるものと確信いたすのであります。ところがそれのコストは三分三厘であると言つておりまして利回りは六分六厘、こういうようなことに承つておるのでありますが、これらについて政府の今まで貸します度合いを、どういう方面にどういうふうに貸すか。わかりましたならば伺いたい。
  6. 河野一之

    河野政府委員 明年度は新しく郵便貯金がふえますのを約五百億、それから簡易生命保険厚生年金等を入れまして新規増加資金が五百五十億というふうに考えております。運用見込み資金の総体は千八百億程度明年度はなる。資金コストは現在六分八厘程度でございます。運用利回りは現在六分六厘程度でありまして、前年度資金コストは八分八厘ということになつております。従いまして非常に資金が増加いたしましたために、割合にこの収支の状況がよくなつて、前年度三十数値という赤字繰入れに対して、明年度は三億というふうに減少いたした次第であります。  預金部資金は現在預金部資金運用準則によりまして、大体公共団体ということになつておりますが、昨年の末ころからいわゆる公団融資というふうな方法によりまして従来復金融資しておりましたのにかわりまして、公団融資ということをいたしております。  それから昨年の末には預金部余裕金約百億を市中銀行指定預金いたしまして、年末の金融に備えた次第であります。今後におきましても年度末までに大体百八十億程度余裕金が出るというふうに考えられますので、この預金部資金を――もちろん地方団体に対する融資にも充てるわけでありますが、一―三月間における金融の情勢に応じましてこれを適宜放出いたしまして、世間一般に言われております金詰まりの緩和その他に資したいと考えておる次第であります。
  7. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま河野局長仰せになりましたが、私は一般官僚諸君に聞いていただきたい点がある。金というものは十二月の末日融資いたしたのでは市中にまわらない。承るところによりますと十二月二十五、六日過ぎに――二十八日でありますか、これが市中銀行にやられたと聞いておりますが、ほんとうでございますか、どうですか。私の希望するところによりますれば、少くとも会社といわず、個人といわず、年末金融に関しましては、十一月末日ないし十二月初旬にやらなければ、一般階級に金が妥当にまわらないと考えるのでありますが、政府はいかに考えておられますか、ひとつ承りたい。
  8. 河野一之

    河野政府委員 昨年末、十二月の終りに近くなつたのでありますが、一般金融機関では資金状況からいたしまして、なかなか金が出ないというような点がありましたので、預金部から市中金融機関に金を預託いたしまして、そのほか無盡会社等にもやつたのであります。軍に預金部が金を抱いておることは適当でありませんので、指定預金制度でこれを一般民間金融に流しまして、それによつて年末の金融にも対処いたしますとともに、今後における市中金融機関の資金繰りを助けるというふうにいたしたわけであります。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 かんじんの期日をはつきり御明示にならないのですが十二月二十八日ですか、九日ですか。
  10. 河野一之

    河野政府委員 ただいまちよつと明確にいたしておりません。いずれ銀行局関係政府委員にお答えさしていただきたいと思います。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 もちろん政府のことでありますから、一々全部を覚えておるわけに行きませんがなるべく民間事情に精通して早く金繰りをさせることが、この金融難を打開するゆえんであると考えております。というのは先ほど私が申しました通り、十二月初旬ということがわれわれの一番要望するところである。ところが年末金融は十二月二十八日にやつたから年末金融である。――とんでもないことであると思いますから、官僚諸君もよく人情に徹するようにやつていただきたいと考えるのであります。  ところで私が今お聞き申し上げたいと思つております事柄は、今日市中銀行に幾ら預けられたか。百億と仰せになつたのでありますが、もう少したくさんやるわけに行かぬでしようか。それとも司令部関係がありまして禁止されておりましようか。
  12. 河野一之

    河野政府委員 預金部の金は原則として公共団体融資いたす。それから公団運転資金にこれを融資いたす。御承知の通り農林公団についてすでに五十億円融資をいたしておりますが、これはあくまでも余裕金でありまして、年末までには一応回収して――もちろん次の年度にはこれをつないで行つていいわけでありますが、そういう考え方になつておりまして、最後まで貸切りにいたすというふうなわけに参らないのでありまして現在市中金融機関指定預金としてひもつきで出しております金は百億であります。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 千三百五十五億に上ります預金部資金を、わずかに一〇%、一割の百億内外を融通いたして、あと公共団体もしくは国債融資いたしておるものと確信いたしておりますが、こういう事柄ではあまりおもしろくない。少くとも地方に集まりました金融、すなわち郵便貯金者等に関しまするものは、やはり各地方にその金をまわしてやつて、これらの金が市中銀行を通じて、私会社あるいは私経済にもこれを流用して貸す方法を構じた方がいいと思いますが、政府はどう考えておられますか。
  14. 河野一之

    河野政府委員 現在預金部の金は、国債相当運用しておることは事実であります。約六百五十億ほど運用いたしております。そのほか地方債も引受けております。現在新しくできる余裕金をどういうふうに運用いたすかということでありますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、原則として地方公共団体に対して融資いたす。明年は債務償還ということに相当金額が計上されておりまして預金部の持つておる国債もある程度償還することに相なりますので、そこで預金部にある程度余裕金ができる。この金額については地方にできるだけ還元いたす。また市中金融の繁閑を見はからつて指定預金その他の制度でこれを活用して参りたい、こういうふうに考えております。
  15. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の政府の御答弁は抽象的でありますが、国会議員は各選挙区から選出せられておるのでありますから、痛切に感じると思う。金は地方からしぼり上げるが、貸す方はなかなか貸さぬ。こういうことで市中金融難は、各選挙ごとにおいて叫ばれておると思うのであります。ことに預金部に関する資金地方の財務局でやつていると思いますが、各地方に、たとえば八ブロックにわけまして預金部のいわゆる出張所があるわけであります。これらに対してその出張所別、ことに貸出しをいたしております金額はおわかりだと思いますが、今わからなければ明日でもよろしいが、明細にお答えいただきたい。たとえば名古屋の方にはどれだけ、大阪、広島、北海道、仙台はどれだけ貸してあるというふうに、必ずあるはずだから、それをお示しいただきたい。
  16. 河野一之

    河野政府委員 ただいま手元に持つておりませんが、いずれ調べて御提出いたします。
  17. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は最初にも申しておきましたが、大蔵官僚はいずれも明細書きを出すことをなかなか遠慮する。しかし私ども明細書きを出すのを遠慮されるのは困るから、ここへおいでになるときには、あなた一人ではたいへんですから二、三人連れて来て、こちらの質問に応じていただきたいと思います。いろいろ聞きたい点があるのでありますが、預金部資金運用するのは地方財務部長であると確信いたしておりますが、あなたは財務部長を集めてしよつちゆう連絡をとつておられますか。その辺を承りたい。
  18. 河野一之

    河野政府委員 財務部長定期会合をいたしております。その際にまず各四半期ごと預金部預金状況を見まして、この程度地方団体に対して前貸しをしていいという一定のわくを與えて、その範囲内で財務部長に権限を與えておる次第であります。
  19. 三宅則義

    三宅(則)委員 今のお話でありますが、公団に貸すというお話ですが、公団というものは統制機関の最たるものであると確信いたしております。公団に貸します上におきまして、往々にして多少いかがわしいことがあるように聞いておりますが、公団に貸しております範囲がおわかりでしたら、お聞きいたしたいのであります。もしわからなければ資料をしていただきたい。
  20. 河野一之

    河野政府委員 従来公団復金から運転資金融通を受けておつたわけでありますが、公団新規融資をやめましたので、それにかわるべき機関が何らか必要なわけであります。そこで預金部運転資金の供給をいたしたわけでありますが、これは先ほど申しました通りも大体五十億程度だと記憶いたしております。いずれこの資料は後ほど提出いたします。
  21. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは先ほど委員長も言われました通り、八十何件も出るそうでありますが、それを二月以内にやることはなかなか困難でありますから、もう少し資料を提出していただいて、われわれが早く了解するようにしなければならぬと思います。  もう一つ伺いたい事柄は、預金部から実際に借りておりますのは、少数の公共団体もしくは営団であると思いますが、これをもう少し司令部了解を得て、たとえば半分くらいは貸すように行かぬものですか。政府の御答弁を承りたい。
  22. 河野一之

    河野政府委員 今年度地方債起債わくが三百十億程度になつております。その範囲内において――これは大部分預金部でありますが、預金部がその引受けをいたしておるわけであります。そのほかに公共団体金繰りの短期の方は相当融通いたしております。これは結局国と地方とを通じた資金計画の問題でありまして、むやみやたらに起債わくを広げるというわけには参らないのであります。預金部に金があるからこれを貸すというわけにも参らないのでありますが、最近の状況からいたしますと、地方団体金繰り状況相当苦しい。特に今年度は災害その他の関係相当苦しいということを聞いておりまするので、この地方団体に対する貸付範囲も、できるだけ拡張して参りたいと考えておる次第であります。
  23. 三宅則義

    三宅(則)委員 これはたいへんこまかい問題でありまして恐縮でありまするが、資金コストの点は、利子が三分三厘、経費が五分六厘でございまして、経費の、方が割合かかるように考えられまするが、もしその方の内訳がわかりましたら承りたいと思います。
  24. 河野一之

    河野政府委員 預金部の金は全部郵便局で扱つておる次第であります。それで実はコスト計算というものは、郵政事業特別会計経費の方から参るわけでありまして、その人件費事業の分量の割合で按分いたしまして計算する次第でありますが、郵便貯金の方は非常にコストがかかります。と申しますのは、全国津々浦々まで郵便局がございまして、いかに零細な金でも全部扱つておるわけであります。これは普通の金融機関でありますと、そういうところには店舗を設置しないのでありますが、非常に零細な金でほとんどコストの合わないところが非常に多い。全国で二万ほど郵便局がありますが、都会地が大体一万程度でございまして、あとの一万というものは田舎にある。農村、漁村、山村にあるというようなことで、非常に経費がかかる次第であります。できるだけこれを改善いたしますためには、いろいろの方法が考えられると思うのでありますが、たとえば現在一円以下の預貯金も取扱つておりますけれども、それを十円以上に切上げるとかいうようないろいろな問題もあるわけであります。こういうような点についていろいろ検討はいたしておるわけでありますが、何しろ郵便貯金はある意味での社会政策的な施設でありますので、ある程度国が資金コストをかけても、一般国民のサービスに資した方がいいのじやないかというような考え方で、一般金融機関に比較いたしまして相当コストが高いというふうに御了承願いたいと思います。その計算その他につきましては、予算の積算でありますか、別途そういうための資料を作成いたしまして、提出することにいたします。
  25. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまり一人で長くやるといけませんから、もう一、二点で終ります、が、私はこういうことを考えております。大蔵省預金部とは直接関係がないと思いまするが、中小企業に対しまする金融機関に対しまして、三億何がしというものを毎月出すということを聞いておるわけでありますが、それを出しますのには、一応政府わくを出しまするが、実際面を取扱うのは各地方市中銀行がやつておるわけであります。けれども市中銀行が半分出す、国庫から半分出すという線はありますが、この地方銀行から貸出しをいたしまするには、相当金のあるものに貸す。ないものに貸さない。もちろん金融機関でございまするから、貸倒れがあつては困るという点もありましよう。そういう点等も考慮せられまして、政府はこの年末年始に対しましても相当金繰りを潤沢にせしめるために貸し出すわけでありますが、これと関連いたしまして、預金部資金をもう少し民間企業にまわすお考えがありますかどうか承りたい。
  26. 河野一之

    河野政府委員 預金部の金は、先ほど申し上げましたように、資金融通規則公共団体にお貸しすることにいたしておりますが、その余裕金市中銀行あるいは無盡等に預けて、ひもつきで間接的に出しておるのでありまして、直接的にはちよつと出しかねるのであります。これは預金部の性質もありますし、預金部は直接そういう貸付のスタッフを持つておりませんので、市中銀行を通じてひもつきで貸し出させるということで、実質上その目的を達しておる次第であります。中小企業につきましては、昨年末以来見返り資金でこれを半々で供給いたしておりますし、また日本銀行が別わく融資中小企業金融をやつております。すなわちこれは興業銀行とか勧銀とか商工中金を通じてやつておるのでありまして、昨年末までに中小企業金融として出ておりまする金融は、約三十億円に達しておる次第であります。
  27. 三宅則義

    三宅(則)委員 もちろん方角違いであつて、御答弁はむずかしいかと思うのでありまするが、参考までに聞いたわけでありまして、私はこういうことを感じておる。もちろんこれは国会によつて議決された貸金の支出かもしれませんが、そのそろばん玉を合せるように、貸金の方と資金コストの方と合致するような方向に持つて行くことはできませんか。これを承りたい。
  28. 河野一之

    河野政府委員 資金コスト運用利回りの点でありますが、これは最近非常によくなつて参つたのであります。以前はこれが二分ないし三分開いておりまして、前年度でも二分五厘ほど開いておつたのであります。前年は八分八厘程度資金コストであつたのでありますが、その前年は九分五厘であつたと思います。しかし一般会計から四十数億円の繰入金をいたしておつたのでありますが、これが明年度は三億にこの法律案の御審議を願つておりまして、三億数千万円という金に減少して参りました。これは主として資金が非常に多くなつて来たことと、また運用のやり方につきましても、従来三分五厘の国債を持つておりましたが、これがだんだん償還されて来まして新しいもう少し高利なもの――現在地方債でありますれば九分五、六厘でありますが、そういう方に金がまわつて行くという両面から、これが非常に改善されて参つておるわけであります。この三億の明年度予定いたしておる繰入金も、できるだけ資金の効率的な活用、それからコストの低下によつて、これを縮減いたしまして、一般会計からの繰入れをなくすることが、独立採算制趣旨に沿うものと思いまして、実行にあたつては極力その方向に進む予定であります。
  29. 三宅則義

    三宅(則)委員 大分政府の方もやるという御答弁でありますが、今仰せられました通り独立採算制のとれるようなコストでやらなければならぬということを私は強く要望いたします。  次にもう二、三点でありますが、私の心配いたしておりますのは、地方財務部を通じてこれらが貸されることになるのでありますが、一体一地方財務部からどのくらいずつ貸すということは、資料はあす来るはずでありますが、今日ちよつとわかりませんか。わかつたら知らせていただきたい。
  30. 河野一之

    河野政府委員 地方債の各県別その他各四半期ごとわくがきまりますと、その範囲財務部長地方債融資をいたしておる次第であります。その内訳につきましては、これは結局地方債を幾ら許可したかということに相なるのでありますが、各地方別に一応今までの実績がございます。ただいま手元に持つておりませんから、これを明日御提出申し上げることにいたします。
  31. 三宅則義

    三宅(則)委員 ちよつとよけいになりますが、私は税金の方を専門にやろうと思つてつたところでありまして、あと小山君に譲りますが、先ほどお話になられました通り、明細な資料がありますると、きわめてわれわれは迅速にまた正確に判断を下しまして、協賛の実を上げ得る。ところが今のような政府の態度ではなかなか進捗しない。こういうことであります。あとから政府委員の方もおいでになりましたから、もう一度繰返して申し上げます。が、どうか参考資料を遠慮なく出してもらいたい。私は参考資料をもらつたからといつて、決してあなた方の首をしめるということではない。参考資料を得ることが国民に対する義務である。またわれわれ議員といたしましては了解をいたすことが一番けつこうだ、かように考えるのであります。  ところで私は最後一つ重大な問題を聞きたい。政府はこの国会を通るときは非常にやさしい言葉を使つておりまするが、一旦通つてしまうと、のほほんとしておるくせがある。これは実にけしからぬことである。私どもは常に考えているのですが、今日は国会で議決せられたことを遵奉いたすことが、有史の責任でなければならぬと確信いたします。ところがたまたま地方の末端に行きますると、政府がここで御答弁なさつたことと、何と言いますか、たいへんけたが違つておる。こういう事柄を身にしみてわれわれ議員は痛感しておる。でありますから各財務部長を初め、府県の出張所に至りますまでよくこれを浸透してもらいたい。国民の代表がどういう気持で言つておるか。われわれといたしましては市中金融難に苦しみ、場合によりましては月に一割の利息で金を借りる。はなはだしきに至つては十日で一割の利息の金を借りて納税しなければならぬ人もある。場合によつては――税金の話になつて申訳ありませんが、差押えをしたり公売したりする。こういうことは適切な施設がないためであるとわれわれは確信いたします。今日野党諸君からも御質問があろうかと思いますが、私は與党でありまするが、盲従するのが與党ではない。よく聞いて、しかる後に納得して国民了解の得るところで賛成しなければならぬ、かように考えまするから、どうか私の今日言う事柄をプリントにでも刷つて財務部にまわしてもらいたい。各地方公共団体なり、あるいは地方自治体等国民が行つた際には、親切、ていねい、迅速に取扱つて国民要望にこたえるようにしてもらいたいというのが、国民議員としての責任であると確信いたします。かように考えますから、責任ある主計局長から厳格なる御答弁を承りたい。
  32. 河野一之

    河野政府委員 非常にお手きびしいお言葉をいただきまして――私ども国会における御審議趣旨に即応してやつておるつもりでありますが、いろいろの事情から御趣旨に沿うことができない点があることを、まことに遺憾としておる次第でございます。今後におきましてはできるだけ御趣旨沿つて、この問題を適正にやつて行きたいと考えておる次第であります。
  33. 川野芳滿

  34. 小山長規

    小山委員 遅れて参りましたので、あるいは質問が重複するかもしれませんが、その点は御了承をお願いします。現在巷間金詰まり金詰まりと言われておりますが、これは何と申しても預金部余裕金民間に流れて行かないということが一つ、それからもう一つ見返り資金が潤沢に流れて行かないこと、およそこの辺に国内的な事情はあろうかと思うのでありますが、その事柄でお伺いしたいのは、預金部資金運用状況というのは――実は私資料をもらつておりますので承知しておるのでありますけれども、現在のところは、公共団体あるいは公団その他の貸付あるいは債券の買入れという形で運用されて、なお二百五十億円見当の余裕金があるということになつております。さて来年度予算におきまして、この預金部の金を何に幾ら使うかという運用計画は定まつておりましようか。従来の大蔵大臣の演説あるいはその他の政府当局説明を聞きますと農林中金の増資によつてこれを引受けるとか、あるいは興業債券の増資部分を引受ける、――債券の拡大分を引受けるとか、その他いろいろな計画があるようでありますが、それを現在きまつておる範囲内のものと、新年度から実施される部分について伺いたい。現在一月から三月にかけて非常な徴税攻勢がある。それで金が民間の方に流れて行かないと、非常に命詰まりを起すということは、野党諸君がしばしば言つておるのでありますが、一月から三月までの間に預金部資金がどう流れて行くかということが一つ。それから新年度以降における新しい計画できまつていること、それはアウトラインでけつこうでありますか、まず第一にそれを御説明してもらいたい。
  35. 東條猛猪

    ○東條政府委員 預金部資金運用がよろしきを得ないので、いわゆる金詰まりの打開に不十分ではないか、そういう御質問でございますが、御承知のように預金部資金運用につきましては、関係の方面からその運出先につきまして、実は相当きびしい制約を受けております。これを拡張いたしますにつきましては、いろいろ所要の手続がいりますことは御承知の通りでございます。従来はもつぱら地方債のみの運用にこれが制限せられておるのでありまして、政府といたしましても、何らかこの運用先を地方債以外の方にも必要に応じましては拡張いたしまして、御指摘のごと資金の疏通の方にいろいろの努力を講じて参りたいということで、種々話合いは進めておりますし、また中には相当有望ではなかろうかという面もございますが、今日ただいまのところ、どういうものがその地方債のほかにあるのか、こういう仰せでございますけれども、こういうものは確定当にきまつておるとは、ちよつと申し上げかねます段階でございます。一、三月のものにつきましても、御承知の地方起債全体で三百十億円であります。それにつきまして預金部の許す範囲内においてできるだけこれに応じますとともに、そのほかにも、できますれば預け金その他の方法によつて、適当の方法を講じて参りたいと考えておりますが、その辺のことにつきましては、実はまだ十分の見通しがつきかねております。できますれば、たとえば金融債でありますとか、あるいは長期の金融機関に対します預託金でありますとか、なお事情が許せば一流の社債であるとか、そういう方面にできるだけ資金の余裕をまわしたいという希望は持つておりますが、ただいまそういうことになつておるということは申し上げかねる状況でございます。そういう立場に置かれておりますことは、十分御承知の通りと思いますが、この点御了承を願いたいと思います。つきましては二十五年度の問題といたしまして、今のところ地方全体として来年度地方起伏は約三百億円という一応の見通しになつておりますが、地方債に対しまして預金部といたしましては、従来通りできるだけ資金の余裕のある範囲におきまして、応じて参りたいというように考えておりまするが、それ以外の道について今何かはつきりした目途があるのかという仰せでございますると、ただいま一―三月分につきまして申し上げましたと同様の事情がございまして、政府といたしましてはあらゆる機会をつかまえ、あらゆる問題がありますたびに、預金部資金融通方法地方債に限定するということは、こういうような支障があるのだということを、実はこちらの考えでおりますことをるる申し述べておるような事情でございます。ただいまのところではそういうふうに考えておりまするし、中にはある程度実現の見込みもあるというような状況でございまするが、それ以上のことをちよつと申し上げかねるような段階に実はございますので、この程度で御了承願いたいと思います。
  36. 小山長規

    小山委員 まだ発表する時期に至つていないということでありますから、それはしいて追究いたしません。それでは現在地方債その他に対して、政府機関に対する貸出しあるいは債券の買入れということで、預金部資金運用されておる。その結果相当余裕金があることは、運用の実態を示した表によつても明らかであります。そこで政府はその余裕金を便宜の手段としてであろうと思いますけれども市中金融機関にお預けになつておる。また現に年末には百億の金を市中銀行に預けられたのでありますけれども、その預けた金が政府の所期するところの方向に貸し出されたかどうか、お調べになつたことがありますか。
  37. 東條猛猪

    ○東條政府委員 当初預金部から市中に預け金をいたします場合の方針といたしまして、いわゆるひもをつけないという方針で市中銀行に預け金をいたしました事情になつております。実情を取調べたかというお話になつて参りますると、時日等の関係もございまして、一部のものにつきましては実情を銀行局方面で取調べておりまするが、率直に申し上げまして、まだ全部について的確な調べをいたしておるということを申し上げる段階ではございません。一部につきましては実情を調査いたしております。ただこれは金融の実績を調査するという意味においてもちろん必要でありますが、今申し上げました通り当初いわゆるひもつきでないという話合いでこの金が出ております関係上、私といたしましては、市中金融機関等におきまして当初のそういう方針にのつとりまして、しかるべき資金運用が講ぜられておる、こういうふうに実は期待いたしておる次第でございます。
  38. 小山長規

    小山委員 預託金の問題でありますが、私がお調べになつたかと言つておりますのは、私が知つておる範囲内では、これが政府の所望の目的に使われていない疑いがある。たとえば市中金融機関の場合には、もつともこれは年末の出し方が非常に差迫つて出されたということもありましようけれども、日銀の借入金の返済に向つていはしないかという疑いがある。これが一つであります。それでこういうものを預託されるときには、はつきりひもをつけてもらいたいのであります。なお年末に市中金融機関にお預けになつたときには、われわれが了解しておつたのは、中小金融の緩和策としてお預けになつたと了解しておつた。ところが実際の預託金がどういうふうに運用されたかと言いますと、銀行の預金の高に比例して分配されておる。そういたしますと、百億の金が大部分はいわゆる大都市における大金融機関にしか行つていない。地方の小銀行は預金が少いためにわれわれの宮崎県のごときは三千万円しか来ていない。そのようなことで中小企業に対する金融の緩和のために、年末の預託金をやつたというのは、少しおこがましいのじやないか。それで今後はこのような預託金をされる場合には、その目的に従つて相当長期にわたつてつてほしいということと、それからそれが中小企業というような目的があるならば、預金の高に比例しないで、つまり中小企業金融を主として扱つているという金融機関に、その金が分配されるような方法で預託してもらいたい、こういうふうに希望するのでありますが、政府としてのお考えをお漏らし願いたいと思います。
  39. 東條猛猪

    ○東條政府委員 年末に頭金部から金融機関に預け金が行われました当時におきましては、先ほどお答え申し上げました通りに、ひもつきでない。またその方針にいたしましても、実は必ずしも中小企業一本やりということでもございませんので、仰せ通り中小企業金融ということも、相当重大な問題として考慮いたさなければならないことはもちろんでございまして、たとえば無盡信用組合等につきましては、当初そこらの方面に預金部の金が出るということにつきましては、必ずしも明瞭な方針として認められにくい事情もあつたのでありますが、そういう点も加味いたしまして、中小企業金融ということをもう一つの重要な要素といたしまして、この資金の預入が行われたということは、仰せ通りでございます。くどく申しますが、ひもつきでないこと、それからいろいろな観点から総合して預金部が行われた次第であります。もちろんこの中小企業金融ということを、最大の眼目として行われる場合におきましては、ただいま御指摘のように、單なる預金のバランスでなくて、中小企業金融という観点にふさわしい標準から、これらの金融か行われなければならないと思いますが、年末の際におきましては、今申し上げたような事情で、そういう方針がとられなかつたというのが実情でございます。今後この預金部資金運用につきましては、御承知の通り地方債であるとか、あるいは数個の公団以外の各方面に、いろいろ総合的な点から預金部資金運用がもし許されるならば――また私どもはこれが許されるように努力しなければならないと思うのでありますが、行われなければならない次第でありまして、そういう際におきましては、ただいま御指摘の点はいろいろごもつともなお話でございますので、私どもといたしまして十二分に御意見を尊重いたしまして、今後の処理に当つて参りたい、かように考えております。
  40. 小山長規

    小山委員 この預金部資金運用方法について主計局にお尋ねするのは、あるいは筋違いなのかもしれませんが、預金部の預託金というものは、一体期限をつけてお出しになるのか。それともいつでも引出されるような状態でお預けになるのか。これは将来預金部資金をわれわれが問題にしておりますのは、大体デイスインフレーシヨンの線で財政を運用して行こうというのに、これがともするとデフレーシヨンの方に引きもどしそうな勢いをここに持つている。それでデイスインフレーシヨンの線にあくまで忠実に持つて行こうとするには、どうしても預金部資金が動いて行かなければならない。そういたします場合に、その預金部資金がいつ引上げられるかわからないような状態で、金融機関に預けられました場合には、金融機関としては長期の設備資金に持つて行こうとしても、実際問題としてできない。それでこの預金部資金の預け方いかんによつて、その資金が生きもし、死にもするのだと思いますが、短くも六箇月ぐらいの期間は引上げられないというような約束でお預けになつておりますか。
  41. 東條猛猪

    ○東條政府委員 銀行局長でもこの席に出てお答え申し上げるのが至当でありまして私先ほどからたいへん不満足なお答えをいたしまして恐縮でございますが、預金部資金の期限の問題につきましては、これはもちろん貸出と申しますか、あるいは預け金といいますか、その場合々々に応じまして違うことは御承知の通りでございます。金融機関への預け金につきましては、現在のところは一箇月ということになつております。これも考え方によりますと、御意見のようにもう少し長い方がよくはないかということはお話趣旨としてごもつともでありますが、これも実は関係方面の意見によりまして従来預金部資金運用先が非常に限定せられておりましたのを、いろいろ懇請の結果、金融機関への預け金ということならばまあよかろうということで、実はその際の一つの條件と申すと言葉が少し過ぎるのかもしれませんが、そういうことの約束でただいまのところは一箇月となつております。表面的には一箇月でありますが、それでは期限が来ました場合に切りかえがきくか、きかないかという問題がございますので、私どもといたしましても今実はいろいろと話合いを進めておりまして、できれば若干やはり切りかえを認めてもらわなければ困るということで、実際の運用におきましては、この一箇月の期間がもう少し実際に切りかえによつて長くなる。しかも表面的にはあくまでも期限は一箇月である。こういうような方法で参りたいと思つております。これもこういうことを申し上げてはたいへん無責任に聞えて恐縮でありますが、いろいろ関係方面の了解もいる問題でありまして、現状におきましてはそういう扱いになつておりますことを申し上げておきます。
  42. 小山長規

    小山委員 たいへん苦しいようですから、希望だけ申し上げますが、一箇月というようなことでは、実際現在民間が必要としておるような長期設備資金を、預金部の傘で何とかまかなつて行く、従つて金融の緩和になるとかいうようなことはとうてい望めない。今金詰まり金詰まりと言つておりますのは短期の運転資金ではない。長期の設備資金が足りない。そういう意味でありますから、預金部の金というものは、かりに表向き一箇月ということでありましても、内々たとえば六箇月間は七〇%とかあるいは六〇%とか、パーセントを限つてもよろしゆうございますから、この程度のものは長期に使つてもよろしいという安心感を與えない限り、とうていこれは市中に流れて行かない。従つてこの年末のように預託金がそのまま日銀のふところに入つてしまつたというような状態にならぬとも限らないのでありますから、今後市中金融機関に預けるということが、單なるゼスチュアに終らないように、実質的にこの金が動いて行くように、運用の方途を考えていただきたい。これが希望であります。  それからもう一つお伺いしたいのでありますが、それは政府としては金融機関の貸出しのレートを、今度二厘引下げの方針をきめられたのでありますが、預金部のレートは今後どの程度になさるつもりか。従来幾らで、今後幾らか。それをお伺いしておきたい。
  43. 東條猛猪

    ○東條政府委員 短期と長期についてわけて申し上げますと、従来短期につきましては二銭六厘でございましたのを、この一月から二銭四厘に下げて参りたい。二厘下げを考えておりまして、これは実施に移しております。  それから長期につきましては、これは御承知と思いますが、九分四厘ないし九分六厘ということで出ておりましたのを、九分ないし九分四厘ということに変更いたすことにしておりまして、これは大体1月ぐらいから実施に移す。この長期の方につきましては、その大部分年度末に実際行われるということに相なつております関係上、二月からと申しましても、相当金額につきまして長期の方の利率引下げの効果が及ぶという結果になつて参ると存じております。
  44. 小山長規

    小山委員 この九分ないし九分四厘というものは、今までからいうと相当つておるようでありますが、これでは民間金融機関ちよつともかわらない。預金部の貸出しレートというものは、民間のレートよりも相当程度安くなければいかぬものだと思いますが、なぜこんなに高いのですか。
  45. 東條猛猪

    ○東條政府委員 何ゆえに資金の利率が割高であるかという問題でありまするが、実はこの預金部資金コストは比較的割高についております。それでこの御審議を願います法律案で御承知いただけまするように、相当この二十五年度予算におきましては、行政整理の結果その預金の吸収に携わつておるところの各郵便局人件費の切下げをいたしまするとか、あるいはその他この預金部の諸掛の経費をできるだけ節減いたす。また運用利殖金の方について申し上げて見ますると、できるだけ預金部の利子に遊び金がないように、また金にそつが出ないようにということで、できるだけ利殖金收入につきましてこの増額に努力いたしたのであります。たとえて申し上げますると、二十五年度予算額におきましては、前年度予算では六十六億見当を見込んでおりましたのを倍額の百三十億見当見ておる。あるいは郵政事業特別会計への繰入れにおきましては、二十四年度の六十七億円を六十二億円、約五億見当を節約して参るというようないろいろな措置を講じておるにもかかわりませず、二十五年度におきましても一般会計から三億二千万円の繰入れをいたさなければならぬ。これは御承知のように前年度におきましては約三十七億円見当の一般会計からの繰入れはいたしたのでありますが、こういうように私どもといたしましては、従来預金部特別会計相当長期引続いて赤字を出しておりますので、二十五年度におきましては何とかこの預金部会計の合理化によりまして、一般会計の租税負担においてこの赤字の補填をする必要がないようにというような努力をいたしておるわけであります。しかしながらそういうような努力をいたしておるのでありまするが、資金コストにおきましてはやはり六分八厘見当のコストがかかつて参る。その上利子は三分三、四厘のものでありまするが、そういうようなことでありまして、いかに努力をいたしましても三億見当の赤字が出て参りますので、やむを得ず法律案国会に提出いたしまして、御審議をいただいておるわけであります。結局この資金コストの引下げに、政府といたしましてこの数年来いろいろ努力をいたしておりまするが、なおかつこの程度資金コストの必要があるということが、御指摘の問題点かと考えております。私どもといたしましてはこの資金コストをできるだけ引下げ、従つてこの一般会計の租税負担で、預金部の赤字を埋めなければならぬということを一応避けるとともに、なるべく運用方面におきましては、利子の歩合の引下げをはかつて参らなければならないということには、努力をいたしておるつもりでございまするが、なおかつ本年度におきましてはこういう結果に相なつておるということでありまして、この事態が決して十分であるとか、何とかまあこの程度ならがまんができるという状態にあるとは考えておりませんので、今後ともこの支出の面においてはなお十分の検討を遂げまして、さらにコストの引下げをはかつて参り、一般会計の負担を除くことはもちろん、利子の分におきましても、この上とも利子の引下げをはかる余裕がないかどうか、十分の検討を続けて参りたい、こう思つております。
  46. 小山長規

    小山委員 間違いのないようにお伺いしておきますが、ただいまの資金コストは六分八厘であります。
  47. 東條猛猪

    ○東條政府委員 予算面におきまして、この二十五年度予算案におきましては六分八厘を一応予定いたしております。銀行局方面におきましては、なおこの六分八厘につきまして、コストの引下げをはかる余地がなかろうかということで検討いたしておりまして、まだはつきりした成案は得ておりませんが、できれば六分五厘程度まで引下げて参りたいということで努力はいたしております。
  48. 小山長規

    小山委員 六分八厘の資金コストというのは、人件費から一切合財見ての資金コストとおつしやるのでありますから、一切を見たあれでありますが、六分八厘の資金コスト九分ないし九分四厘の貸出しということだつたら、相当の利益が出なければならぬ。
  49. 東條猛猪

    ○東條政府委員 御承知のように預金部は過去の相当古い運用の資産が相当あるわけであります。それは三分五厘国債でありますとか、ないしは相当低い地方債でありますとか、そういうものを持つております関係上、運用利回り全体といたして参りますと、予算面では六分六厘ということしか運用利回りにならないということになつております。これらも過去の古い利回りの公債を、何らか高い方のものに運用がえができればよろしいのでありますが、そういうことがなりかねるというのが、実はただいま預金部の非常に困つた問題になつておるわけであります。
  50. 川野芳滿

    川野委員長 宮腰喜助君
  51. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 簡単にお尋ねいたします。ごく最近、政府が特別会計に一般会計から編入する金が非常に多くなつておりまして、私が考えるには、これは結局ドツジ・ラインを破るものではないか。またこの一般会計から繰入れるということになると、これは国民の血税を集めている。ごく最近においては取引高税だとかあるいは織物消費税並びにまた一般物品税の廃止、減税なるものがありまして、非常に税は安くなつたように見えますが、他方法人税だとかあるいは個人の所得税については水増しが非常に多いのです。税率が引下げられ、それから控除額が引上げられたといつても、ごく最近の状態を見ると、税については昨年度の更正最終決定よりも四割、五割、多いのは二十割、三十割というような増税をしておる状態です。こういうような場合に頻々として一般会計から特別会計に繰入れるということは、先ほど話したように、日本の財政上からも、またドツジ・ラインの忠告よりも非常にまずい。またこれが赤字であるかどうかということも、非常に検討しなければならないのであります。ことに事務費なんかを考えてみると、これは結局政府の怠慢の結果、いろいろな行政処分の結果損害を生じて赤字になるのが生ずるのではないか、こういう心配をするのであります。従つてこの内容につては、一応事務費だとか預金利子、郵政事業特別会計への繰入れの内容を詳細に伺いたいと思うのであります。それからまた先ほど小山委員よりも再三お願いしてありましたが、この預金部預金の運用については、先ほど話されたようにいろいろ今まで再三、再四われわれも政府に陳情したことがありますが、中小工業資金が非常に困難な状態に置かれておりまして、この預金部預金を全部放出してほしいということをお願いしておつたのであります。ごく最近聞いたところによりますと、興銀債を引受けるのだ、それによつて中小工業資金をまかなうのだという話が出ておつたのでありますが、この点についてどういうお考えでありますか。興銀債を引受けられるという銀行局長の説明もありましたが、その後どういうふうに交渉されておるか。その点を伺いたいと思います。
  52. 東條猛猪

    ○東條政府委員 一般会計から特別会計への繰入れが、予算全体の方針として望ましいものではないじやないかという前段のお話でございますが、昭和二十四年度におきましては、出資及び投資関係、それから政府関係機関の損失の補償の金が、御承知のように約千二百数十億あつたわけであります。それからただいま御審議を願つておりまする二十五年度予算におきましては、出交及び投資それから政府関係機関の損失補償関係を合せまして、一般会計からそれらのために支出いたしまする経費は二面三十億円見当であります。もちろんこの二百三十億という金は莫大な金でありまして、この金額を計上せざるを得ないということにつきましては、十分私どもといたしましては検討を遂げたつもりでありますが、なお国会におきましていろいろ御審議を願いまして、御検討を賜わりたいと思つておる点でありまするが、いずれにいたしましても、この一般会計から特別会計への繰入れは、政府といたしましてもできるだけその内容をしさいに検討し、いやしくも冗費ないし節約して済ませる点がありますれば、十二分に検討を遂げました上で、本年度におきましてはあの程度金額は、いろいろな点から考えましてやむを得ないのではなかろうか。今申し上げました三百二、三十億の中には住宅金融関係の出資でありますとか、あるいは国民金融公社に対する出資でありますとか、あるいは開拓者に対する資金融通でありますとか、その内容におきましてはいわゆる赤字というものではない。建設的な資金も実は相当ございますが、御指摘のように一般会計から特別会計への繰入れにつきましては、十二分の検討を要することはお話通りでございまして、政府といたしましても十分今後とも検討いたして参りたいと思つております。  それから預金部の興銀との話はどうなつておるのかという点でございます。この点につきましては、関係方面に対しましてずつと交渉を続けておるわけでありまして、確定的によくなつたという段階にはまだ至つておりませんが、何とか実現いたしたいということで実はただいま折衝中の問題でございます。
  53. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 この事務費とか、こういうような詳細の項目について、何か資料がありましたら拝借したいと思います。これは考えようによつて相当大きな問題じやないかと思いますので、ぜひその資料をお願いしたいと思います。
  54. 東條猛猪

    ○東條政府委員 たとえば預金部の問題でございますれば、お手元に参つておるかと存じておりまするが、昭和二十五年度政府機関予算に、目節までくだきましてこまかいものが入つております。なおこういうものを出せという御要求でございますれば、整えまして、御提出申し上げます。     〔委員長退席、大上委員長代理着席〕
  55. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 ここに出ております事務費とか、預金部利子、郵政事業特別会計への繰入金ということの項目を、もう少し詳細に伺いたいと思います。一
  56. 東條猛猪

    ○東條政府委員 今のお話は歳出の事務費の内訳であろうかと心得ておりまするが、別途資料にいたしまして御提出申し上げることにいたします。
  57. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 お願いいたします。それだけです。
  58. 大上司

    ○大上委員長代理 次は河田賢治君。
  59. 河田賢治

    ○河田委員 ほかの方から相当詳しい質問がありましたので、一、二質問したいと思います。この預金部資金は非常に重要な段階に達して来たと思う。ことに今日中小工業者が利用し得るような金は、預金部資金見返り資金というものをおいてないし、また政府国債の償還は今年は非常に莫大なものになる。そうすればこの預金部国債をどの程度まで償還するか、あるいはこれらの出た金をどちらにまわすかということについては、それぞれ政府も考えておられることと思いまするが、先ほどから聞きますと非常に総花式に、国債の償還もやる、地方債もできるだけ引受けたい、あるいは中小工業者なんかにできるだけあらゆる方法を通じてやりたいというようなお話ですが、もう少し根本的に、現在こういう預金部資金運用するという面においては重要な段階に達しておると思うので、この預金部資金を今後どういうふうに運用するかというようなことについて、政府は一体どういうふうにお考えになつているか。この点をはつきりしてもらいたい。
  60. 東條猛猪

    ○東條政府委員 預金部資金運用する根本方針がどうかというお尋ねでございます。あるいは申し上げようが惡かつたと思いますが、現在におきましては預金部資金運用を認められまする一番の大口は、何と申しましても地方債でございます。とかく考え方といたしましてはいろいろの筋は立つのでありますが、もう地方債預金部資金の大宗であるということは、現実の問題といたしましては動かすことのできない事実であります。また預金部の金が結局国民の各界階層から集まつたものであることは御承知の通りでありまして、この資金をもう一ぺん地方に還元をするという点から考えましても、與えられた事実といたしまして、地方債への運用がよいというのみならず、資金の還元という観点からいたしましても、私ども地方債への資金運用ということが、預金部資金運用といたしまして似つかわしいことである、また運用の方針としても誤つておらないと考えております。  それから預金部預金法の第四條に、これは預金部費命の性質上から当然出て参ることではありますが、有利かつ確実な方法をもつて、国家公共の利益のためにこれを運用しなければならぬということが、法律の明文としてあるわけであります。有利かつ確実な方法で、国家公共の利益のためにこれを運用するという方向に最も沿いまするものが国債地方債というものであることは、この法律の解釈並びに運用の問題といたしましても、さように考えらるであろうと存じております。ただ。そうは申しておつても、現在の金融情勢に対処する場合において国債とか地方債一点張りではいけないのでありまして、その一点張りを是正するために、たとえば中小企業金融とかあるいは各地の商工業の金融運用したらどうかということが、先ほど来の御質問趣旨であり、またそういうふうに私どももお答えを申し上げたのでありますが、現在の金融情勢に対応するという観点から、今の国債地方債のみならず、たとえば金融債とか一流の社債とかないしは金融機関への預け金という方法を、これと併用して参りたいというふうに考えているわけであります。それで特に金融債への運用ということは、今申し上げた有利かつ確実な方法をもつて、国家公共の利益のために運用するという観点からいたしましても、この金融債のごときは運用方法としてきわめて適切なものであると考えておるわけであります。国債地方債、そういうものが事実問題といたしまして大宗であり、しかも現在もつばらそれに運用が行われておりますが、これを現在の金融情勢に適応せしめるために、先ほど来お話した方面にあわせて、この際資金運用をいたして参りたいというのがただいまの方針でございます。
  61. 河田賢治

    ○河田委員 説明ごとく、この預金部資金国民の零細な金からできておる。ところがこの金の使途につきましても一々関係筋との大きなわくがある。こういうことについて、少くともこのような国民の零細な金が、自由に日本の政府の経済政策あるいは政治にタッチして使えなければならぬと私は思うのだが、     〔大上委員長代理退席、委員長着席〕 これに対して一体政府はどういうようにお考えになつておるか。
  62. 東條猛猪

    ○東條政府委員 預金部資金運用につきましては、最高司令官の正式のディレクティーヴが出ておりまして、政府といたしましてはこの指令に拘束を受けまして、この指令の命ずるところに従つて運用の問題につきましては関係方面の承認を求めなければならない、こういう事情に置かれております。
  63. 河田賢治

    ○河田委員 そういう指令がありましても、日本の今日の金融政策の実情からして、そういうわくを広げるべきではないか、こういうように考えますが、これに対して政府の所見を伺いたい。
  64. 東條猛猪

    ○東條政府委員 最高司令官の指令に従わなければなりませんので、政府といたしまして、こういう方針によつて運用いたしたいという考えを持ちまするときは、その都度関係方面に政府の考えておる所信を十分に述べまして、その了解を得て、所期のところに運用いたすように方針をとつておる次第であります。
  65. 川野芳滿

    川野委員長 ほかに御質疑ございませんか。――なければ本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十六分散会