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井之口委員 ただいま
日本経済新聞社から出ておりまして、
水産庁経済課編集に
なつておる
漁業制度の
改革という本が問題にな
つたのでありますが、この
序文を見ましても、私
たちが見て何ら不穏当なものはないと思うのであります。現実に
日本の
漁村には、
封建性が非常に根深いということは、おおうべからざる事実でありまして、そのためにこそ、今度の
漁業法、
漁業協同組合法というものがみな出て、その
民主化のために
闘つておる。またこれは農村においても
封建性が非常に強いために、いろいろ
農地法の
改革が行われたのと揆を一にすることが、やはり
漁村においても見られるのでもります。この
意味におきまして、
漁村におけるところの
封建性の廃止ということは、これはやはり、例のアメリカの
漁業視察団が参られましたが、あの
人たちの報告の中にも強調されておることであ
つて、これを役が取上げまして、そうして
封建性の深いものを除去することが、
日本の
漁業の
発展のために非常によろしいという、
大所高所から
編集されたところのその本は、きわめて適当であると私は思うのであります。しかるに
一言隻句をとらまえて参りまして、そうして
議会の
軽視でもないようなところを、
議会の
軽視というように多数をも
つてこじつけるというようなことになりますれば、役人の
方々がまじめに
封建性と
闘つて、そうして
日本の
漁業を
改革して行きたいという真の精神が非常に脅威を感じる、圧迫されるというおそれがあります。今でさえも
官吏の
方々は、上官のいろいろな官僚的な制圧のもとにおいて、自由なる
発言もできないというような
状態であるにかかわらず、
封建性と闘おうというようなまじめな
考えを持
つておる人人に対して、
片言隻句をとらまえてどうこうということになりますと、その人々にいい影響を及ぼさないのみならず、ひいては
日本の
官僚主義を、かえ
つて深めて行くという結果になると思うのであります。ここはひ
とつ大きく
大所高所からものを判断いたしまして、決してそれくらいのことで
日本の
国会が
権威を阻害されるものではないのですから、この点はひ
とつ委員諸君においても、もつと大きなきも玉で、
日本の
水産業の
発展のためにや
つて行かれんことを希望して、私の意見を終ります。