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1950-04-17 第7回国会 衆議院 水産委員会 第33号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年四月十七日(月曜日) 午前十一時五分
開議
出席委員
委員長
石原
圓吉
君
理事
奧村又十郎
君
理事
川村善八郎
君
理事
鈴木
善幸君
理事
夏堀源三郎
君
理事
平井 義一君
理事
松田
鐵藏
君
理事
林 好次君 小高 熹郎君 川端 佳夫君
田口長治郎
君 田渕 光一君 玉置 信一君
冨永格五郎
君 福田
喜東
君 永田 節君
委員外
の
出席者
農 林 技 官 (
水産庁漁政部
漁船課長
)
高木
淳君 農 林 技 官 (
水産庁生産部
資材課長
)
石川
東吾
君
通商産業事務官
(
通商繊維局麻
毛課長
) 倉八 正君 専 門 員 齋藤 一郎君
—————————————
四月十五日
委員大森玉木
君辞任につき、その補欠として長
谷川四郎
君が議長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
漁船
並びに
水産資源
に関する件
—————————————
夏堀源三郎
1
○夏堀
委員長
代理 それではこれより
会議
を開きます。
委員長
はただいま
委員長会議
に御
出席
にな
つて
おりまするので、私がかわ
つて
委員長
の職務を行います。
水産行政
に関する件を議題といたします。
松田
君。
松田鐵藏
2
○
松田委員
さきに小
委員会
に付託とな
つて
おりました
漁船法
の審議の
経過
を御
報告
申し上げたいと存じます。
事務
的のことは
漁船課長
から御
説明
を願うことにいたしまして、今日における
情勢
は、土曜日の本
会議
に
造船法
が
上程
されることにな
つて
お
つたの
でありまして、これではわれわれが最初いろいろと
考え
て、党に申入れた
漁船法
の
通過
に対して、非常にさしさわりになるという
考え方
から、
国会対策委員会
に対し、また
幹事長
に対して、
造船法
の
上程
を保留さしていただいたのであります。それにつきましては、いかにわれわれが
誠意
をも
つて
この
漁船法
の
通過
を
漁民
のためにはかろうとしても、
運輸委員会
の今までの
態度
があまりにかたくななために、ここに
臨時船舶管理法
を廃止する
決議案
を出そうというところまでに参
つて
おるのでありまして、これを議員から廃止の
決議案
として出して、
調整
の
方法
をと
つて
おるような状態であるのでありますが、最近における
運輸委員会
はこの
情勢
を見たか、卑怯にもある程度までの
妥協
をしようというような空気が現われて来たというのでありまして、これに対しては
川村委員
からもその
内容
を
説明
していただきたいと存じますが、そのような結果にな
つて
おりますので、もしわれわれの主張しておるこの
漁船法
をこのまま
通過
できるように
妥協
できることであれば、たいへんけつこうなことである、かように
考え
ておる次第でございます。G・H・Qに対する
事務
的の
報告
は
漁船課長
から御
報告
を述べさしていただきたいと
考え
ております。
高木淳
3
○
高木説明員
先般
委員長
のお供をいたしまして、
司令部
の
浩船関係
の担当の所にごの
法案
の
説明
に参りましたところ、
向う
ではあらかじめG・Sからまわ
つて
おりました書類について、
運輸省
ともいろいと打合せをしてお
つたよう
でございまして、第一に
運輸省
でまだ
反対
があるではないかということをあげて、
法案
の中にございます
漁船
を建造いたします
許可
が、これは一本であるべきのがこれでやると二本でないか。従来
通り
一本でやれば十分じやないかということ。それから
検査
の点ははずれておるのでありますが、船主の依頼によりまして、
漁船
の性能を改善するための
検査
を中に組んでおるのであります。これは海上保安庁で
検査
をやることとだぶるから、これもいらないじやないかというこの
二つ
の点につきまして、従来
運輸省
が申しております事柄そのままをも
つて
反対
いたして参りました。それで先方としては、こういう
意見
であるから、
自分たち
の方としてこの
法案
に対してどうも
反対
はないという言葉は使えない。
運輸省
はまだ
承知
していないのであるからということで、すべてそれを繰返した言い方だけを申しておりました。先般この小
委員会
で、
運輸次官
がお
見え
にな
つて
そのときの話と著しくずれておりますので結局
司令部
のほうでの
申分
には、
運輸省
として
政務次官
はお
考え
かもしらぬが、
自分
らの聞いておるところでは、どうもそれが納得がいかないから、それを合せてくれるように、
向う
でも調べるということで、その後
向う
からの呼出しを待
つて
、
向う
の都合を聞いておりますが、
向う
は積極的にまだ進めておらないようでございます。それでそれに対する方策としては、先般の小
委員会
のときには、
原政務次官
と
水産小委員会
との決定いたしました事項を、もう一度確認させることが必要である。それから第二の問題といたしましては、どうしても
臨時船舶管理法
の
規定
による、
造船業者
に対する
運輸大臣
の
許可
が省略できないものとするならば、
漁船法案
第八條の
規定
を削除して、この場合は第三條により、
漁船
を建造しようとする
漁業者
は
農林大臣
の
許可
を、また
浩船業者
は
運輸大臣
の
許可
を得る二本建になるが、
事務
上の不都合は両省令によ
つて
その
調整
をはかることにするという
考え方
と、それから三番目には、
司令部
の
反対
しております
検査
のダブ
つて
おるという点は、
船舶安全法
による
検査
には触れていないからという
説明
をすれば了解できるのじやないか、もう
一つ
四番目には、これは
司令部
で
反対
しておりません、
浩船
の方面での
反対
はございませんでしたが、現在や
つて
おります
漁船登録
は
ポツダム政令
によ
つて
行
つて
おります。これは
ポツダム政令
の整理という問題が起
つて
参りまして、ひつきよう法律に移す必要があります。この
漁船法
の中に第二の問題として入れてありますが、これが成り立たなくなるという不合理ができるということで、この
法案
を
事務当局
の側としては、いろいろ
考え
られるのではないかという四つのことを
考え
てみたわけでございます。大体そこまでや
つて
お
つた
わけであります。
川村善八郎
4
○
川村委員
漁船法
の問題で、
稲田運輸委員長
と非公式に
会つた経過
を
簡單
に申し上げます。 先週の木曜日であ
つた
と思いますが、
稲田運輸委員長
は、
廊下
で私を呼び止めまして、ぜひ
漁船法
の問題で
妥協
を
つけようじ
やないか、こういう申出があ
つたの
であります。
廊下
で
簡單
な話ではありましたけれ
ども
、あの
漁船法
については、私としては
反対
するものではないのだ。ただ
運輸委員会
の方、特に私には
連絡
が何らなか
つた
。
次官
との間に何か協定をしたというようなこともわれわれも聞いておらない。
従つて漁船法
の問題については、私は必ずしも
反対
をするものではないが、もう少し積極的に、
お互い
に
話合つた
ならば
解決
かつくではないか、しかし
水産委員会
の方では、あまりにどうも
感情
に走
つて
おるような観もある。
お互い
に
感情
に走
つたの
では
解決
もつけられないから、ある線まで
お互い
に
妥協
して、ひとつきめようじやないかという話であ
つたの
であります。私はそれに対して、
お互い
に
感情
をはさんで、二本のこうした立法のためにずれをつくるということは、はなはだ遺憾であるから、われわれの方で
委員長
が帰りますれば、よく
委員長
と相談し、さらに
委員会
にこの問題を持ち出して、すみやかにあなたの方と連合の
協議会
なり、あるいはいろいろ会合の
機会
をつく
つて
きめることにいたしたいと思うから、その旨を稻田さん、あなた方の方にも含んでいただきたいということで、私はわかれたのであります。当時の稻田君の
態度
から私は観察いたしまするに、
二つ
の
考え
を持
つて
おります。
一つ
は、ある程度まで
妥協
してすなわち
感情
を一掃して、歩み合いで
漁船法
を
上程
させるということと、
一つ
は、
造船法
も
同様水産委員会
の方で
反対
をさせないようにして、
双方立てようじ
やないかというような
考え方
が、その
態度
を見て私にうかかわれたのであります。善意に解釈しますればかようなわけになりますが、一昨日御
承知
の
通り造船法
が突如として
上程
されることに
なつ
た。こうしたようなことから見ますると、むしろ
委員長
は、私らの
委員会
すなわち
水産委員会
の空をやわらげておいて、そうして
造船法
を技術的に
通過
させてしまおうとい
つたよう
なことに
考え
て、そうや
つたの
かとも
考え
られるのであります。しかしいずれにしても、この
漁船法
については放
つて
おけない問題でありますので、
委員長
におきましては、これの
通過
のために何らかの
機会
をつく
つて
、そうして
運輸委員長
と相談をし
運輸委員会
からも、
水産委員会
からも代表をあげて折衝して、すみやかに
解決
するようにした方が、最善の
方法
ではなかろうかと思いますので、私の感想をつけ加えて御
報告
にかえる次第であります。
鈴木善幸
5
○
鈴木
(善)
委員
ただいま
川村委員
より御
意見
がございましたが、この
漁船法
と
造船法
は、第四
国会
以来いろいろいきさつがございました
法案
でありまして私
ども
は、
造船法
と
漁船法
は同時に
国会
において成立せしむることが、今後の
漁船管理行政
を円満に運営する上から絶対に必要である、こう
考え
ておるのであります。この
漁船法
につきましては、自由党の
国会対策委員会
におきましても、また
役員会
におきましても、これを本
国会
に
上程
をするということにつきましては、
党議
の決定をすでに見ておるわけであります。ただその
内容
につきましては、
造船法
との慣連において、
運輸委員会等
と
十分話合い
をつけてもらいたいということにな
つて
おるのであります。でありますから、
党議
の建前からいたしましても、
漁船法
を今、
国会
へ
上程
をせずに、
造船法
のみを今
国会
において成立せしめるということは、今後の
船舶行政漁船行政
の円満な運営の面から、大きな支障を及ぼすことに相なるわけであります。そこで当
委員会
といたしましては、
委員会
の
決議
に基きまして、これをわが党の
国会対策委員会
及び
役員会
に対しまして、両
法案
を同期
国会
において成立せしめるために、
国会対策委員会
が
中心
になりまして、わが党の
運輸委員
と
水産委員
との間に円満なる
妥協
がつきますように、ただいま
川村委員
から御提案があ
つたよう
な
措置
を講じまして、その
話合い
がつきました上で、
造船法
も円満に成立せしめ、また
漁船法
用成立せしめるということに、
石原委員長
におきましてお取運びいただくように御
善処
をいただきたいと思うのあります。
石原圓吉
6
○
石原委員長
他に
発言
はありませんか
——漁船法
の問題につきましては、
松田
、
川村
、
鈴木
各
委員
の御
意向
を尊重いたしまして、
国会対策委員会
及び
政調
、
党主脳部等
へはかることにいたします。実は過日
運輸委員長
と
政調
副
会長根本
君を
中心
として、
十分論議
をしたのでありまして、そのときの模様から行けば、とうてい
円満協調
は保たれないと
考え
たのであります。その後
委員長
といたしまして、
佐藤政調会長
に会いまして、これが
善処方
を要望しておいた次第であります。その後
根本
君が
政調全長
になられ、また
佐藤
氏は
幹事長
となられたので、この二人はこの問題には
十分責任
があると思うのでありまして、本日の
委員諸君
の御
意見
を、十分徹底するようにとりはからいをいたしたいと思います。 次に
通産省麻毛課長倉
八正君が御
出席
であります。次の御
発言
、御
質義
を願います。
鈴木善幸
7
○
鈴木
(善)
委員
マニラ麻類
の
補給金
のついておりますもりにつきまして、
通産省並び
に
水産庁
両御
当局
の非常な御努力によりまして、各
メーカー
に
配給
されております
在庫調べ
が詳細できたわけであります。 これに基きまして、
水産庁
においては、
発券
の作業を完了いたしたのでありますか、その
現物化
におきまして、せつかく明細ができ、
在庫調べ
がありますにかかわりませず、それぞれの
メーカー
におきまして、
価格等
の
関係
からだと思うのでありますが、
現物化
が円滑に参
つて
いない。これを現在の
価格
で購入いたします場合にはどんどん発送いたしておるにかかわらず、
補給金
のついた
価格
では、その
配給
を拒否、あるいはしぶ
つて
おるというのが現況であります。一億二千万円余に及びますところのこの
補給金
のつきました
マニラ麻類
が、もし今日のような
メーカー
の不
誠意
、不協力によりまして、うやむやに相なりますれば、
水産業全般
に及ぼす影響も非常に大きいのみならず、国民の血税によ
つて
まかなわれるところのこれの
補給金
が、一部
惡徳業者
の手によ
つて
壟断されるという看過できない事態が発生いたすわけであります。そこで私
ども
は
水産庁
、
通産省並び
に
経済査察庁
が、各
地方別
、
プロツク別
に三
官庁
の御
出席
のもとに
業者
を集めまして、
ブロック合議
をお開きいただいて、そして
当局
のこれが
現物化
、
配給確保
に関する御方針を、全
業者
にあまねく周知徹底せしめ、これを履行しない場合の断固たる
行政措置
につきましても、
当局
の決意のほどを
業者
に周知せしめまして、この
現物化
が円満に行われますよう、三御
当局
に特に当
委員会
より御
要求
を申し上げたいと思うものであります。本日は
経済調査庁
よりはお
見え
にな
つて
おりませんが、
通産省
及び
水産庁
より即時御
連絡
をいただきまして、政府の
責任
において、今申し上げました
措置
を講ぜられんことを強く要請いたす次第であります。
倉八正
8
○倉八
説明員
今
お話
のありました
通り
に、この
マニラ麻
とかサイダルというものは、大体
ガリオァ資金
で買われまして、しかも今
お話
のように、
補給金
がついておる非常に貴重なものでございますので、
需要官庁
の
発券
が遅れたという点もありますが、非常に
メーカー
が出ししぶ
つて
おるということにつき書て、われわれとしましては非常に
責任
を感じておる次第であります。それでわれわれの方としまして、今とりたいという
措置
は、第一に、五月二十五日までに
水産庁
の
発券
したものに対して、
現物化
しないものは追徴金をとるということと、第二段階としまして、
アバカ麻
につきましては、今全部
通産省
で持
つて
いるわけでありますから、そういう惡徳な
業者
と申しますか、そういう者に対しましては、今後の払下げを一切停止するというような二役の
措置
を講じまして、百パーセント
現物化
したい、かう
考え
ております。その前の手段としまして、今お説の
通り
、全国の
ブロック会議
を開きまして、各
業者
を全部集めまして、
一つ
一つ
当りまして
水産庁
、
漁民
の方々の御要望に沿いたいと
考え
ております。
簡單
でございますが、これだけ申し上げておきます。
川村善八郎
9
○
川村委員
石川資材課長
に御質問申し上げたいと思います。先ほど
鈴木
君の言われた
補給金
のついておる
マニラ麻
でございますが、御
承知
の
通りキティ台風
で
相当漁網
、漁具、
ロープ等
を
失つて
、当時われわれは、その
キティ台風
に対する
資材割当
が、
補給金
によるべきものだという
要求
だ
つたの
でありますが、その当時はすでに
補給金打切り
というような問題が強く取上げられてお
つたの
で、とりあえず急ぐものであるから、第三・
四半期
、第四・
四半期
から
割当
をしよう、もしその中でも
災害
に対するものは、
補給金
が後日交付されるというような場合があるならば、その方でカバーしようというような御
意向
だ
つたの
でありますが、今度
北海道
その他の
キティ台風
に対して
割当
てた
補給金付
の
マニラ麻
というものに対しては、大体どういうふうな
割当
をしたかどうか、つまり
キティ台風
の問題を含んで
割当
をしたかどうかという問題でございますが、
簡單
に御
説明
お願います。
石川東吾
10
○
石川説明員
川村委員
から
お尋ね
のことは、ちよつと数字を調べましてからお答え申し上げます。 前の
鈴木委員
からの
お尋ね
ですが、実は四百三十万ポンドの
マニラ麻類
の
現物化
の問題は、
水産庁
としては
割当
当初から非常に心配してお
つたの
であります。それで
補給金
の使い方について、
割当
が
補給金
の額をオーバーしてもいけないし、また余してもいけないので、いろいろ
物価庁並び
に
通産省
と協議してお
つたの
でありますが、最後に、たしか三月六日に、大体
マニラ麻類
は四百三十万ポンド
割当
してもさしつかえないという見通しかつきましたので、
水産庁
は
発券
に先だ
つて
、
現物化
の問題を心配して、特に
通産省
の方に
連絡
をして、
工場別
の
在庫量
を調べた上で、実は
発券
したわけであります。また
工場別
の
在庫量
についても、
地方
の
資材調整事務所
にも、全部表を配付して、各
工場
についてどれだけあるのだからということで、一応
割当
をや
つた
わけであります。その後においても、その
現物化
の問題については、決して忘れたわけではありませんので、今
通産省
からのお答えにあ
つたよう
な線に沿うて、
水産庁
としても一緒にな
つて
努力して行きたい、かように
考え
ております。 それから
川村委員
からの
お尋ね
の件ですが、
キティ台風
、その他の
台風
の
被害
に対する
災害分
を
考え
て、
補給金付
の
割当
をしたかという
お尋ね
であります。これは
キティ台風
、
デラ台風
というような
被害
の
調査報告
を全部資料に加えまして、各
府県
に
割当
をしております。
数量
はあるいは少し足りないかもしれませんが、それは絶対の
数量
が四百三十万ポンドと押えられておりますから、十分には参
つて
おりません。
川村善八郎
11
○
川村委員
これは結局そうしたような含みを持
つて
割当
したとするならば、特に
北海道
の
キティ台風
に
関係
ある
資材
に対して、
資材調整事務所
に対して、
はつきり表
で明記してや
つた
かどうかという問題を、
簡單
に、や
つた
かやらぬかということだけお答え願います。
石川東吾
12
○
石川説明員
お答えいたします。特別に
キテイ台風
、だとか、
デラ台風
だとかという名称は掲げておりませんが、
災害分
を含む、こういうように言
つて
おります。各
府県
とも同じような通牒を出したのであります。
石原圓吉
13
○
石原委員長
それでは
発言
もないようでありますから、本日はこの程度にとどめまして、これをも
つて
散会いたします。 午前十一時三十七分散会