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1950-04-07 第7回国会 衆議院 水産委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月七日(金曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 夏堀源三郎君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君 理事 中西伊之助君       小高 熹郎君    川端 佳夫君       高木 松吉君    田口長治郎君       田渕 光一君    玉置 信一君       永田  節君    福田 喜東君       畠山 重勇君    井之口政雄君  出席政府委員         農林事務官         (水産庁次長) 山本  豐君         海上保安庁次長 稻垣 次郎君         経済安定事務官         (建設交通局次         長)      今泉 兼寛君  委員外出席者         大蔵事務官   柿沼幸一郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁政課長)   戸嶋 芳雄君         農 林 技 官         (水産庁生産部         沿岸漁業課長) 志道 吉次君         運輸事務官   島田喜與三君         專  門  員 齋藤 一郎君     ————————————— 四月六日  漁船保險制度改善に関する請願林讓治君紹  介)(第二三七八号)  小伊津漁港修築請願大橋武夫紹介)(第  二二九九号)  椴法華村に避難港築設の請願冨永格五郎君外  二名紹介)(第二三〇二号)  漁船保險制度改善に関する請願林好次君紹  介)(第二三一二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任に関する件  小委員会設置に関する件  水産行政に関する件     —————————————
  2. 石原圓吉

    石原委員長 これより会議を開きます。  本日の議題に入ります前にお諮りいたします。  水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員漁業制度に関する小委員漁港に関する小委員水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員及び漁船並びに水産資材に関する小委員であられました玉置信一君が、去る三月二十七日委員を辞任され、また漁業制度に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員であられました森下孝君が、去る四月三日委員を辞任いたされましたので、これらの小委員が欠員となつております。つきましては、此の際その補欠選任を行うこととし、委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認めます。漁業制度に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員玉置信一君及び永田節君を、また水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員漁港に関する小委員及び漁船並びに水産資材に関する小委員玉置信一君をそれぞれ御指名いたします。     —————————————
  4. 石原圓吉

    石原委員長 それでは水産行政に関する件を議題といたします。福田君。
  5. 福田喜東

    福田(喜)委員 委員会の劈頭におきまして、海上保安庁次長その他関係政府委員の方がおられますので、一言お願い申し上げたいと思います。問題は戦災漁場復旧に関することでございます。戰時中本邦沿岸水域におきます艦船沈没飛行機の墜落、浮標の沈没等戦災によりまして、はなはだしく航路障害を及ぼしますし、優良漁場荒廃せしめまして、これがため航路障害を非常に起しておるわけでありまして、これについてはすでに海上保安庁当局におきまして、国費をもつて掃海作業を実施されつつあるわけでありまして、国民のひとしく感謝しておるところでございますが、戰災漁場復旧につきましては、今日までまつたく地方に放任されておりまして、たとえば大分県のごときにおきましては、沿岸が実に二百九十二海里にわたるのでございますが、この二百九十二海里にわたる優良漁場に、七十数件にわたる障害物を生じておりまして、これが除去につきましては、年々相当額の補助を與えて復旧に努めておる次第でございます。大分県一県をとりましても一昨年度から年々県費百五十万円を支出いたしまして、この復旧を急いでおられまして、大分県におきましては、特にひどいのは豊後水道東西国東と四国をつなぐところの海面におきまして、B二九あたりが投下したところの機雷というものは、まだ数千に上る状況である。それから別府湾におきましては、航空機の落されたものは非常に多いし、宮崎県寄りの海岸におきましては、艦船沈没飛行機のやられたものが相当にあるわけでありまして、佐伯は海軍の基地であつた関係上、まだ掃海事業が完全に行われておらないというような状況であります。従いましてこれがために網をとられる、あるいはまた機雷爆発等を起しまして、生命の危険を非常に生じておるような状況であります。こういうわけでありますので、この極度に窮迫せる財政下において、漁具の損耗が非常にはたはだしく、資材入手難、資金の調達もまた極度に困難でございまして、それがためにまつた漁業というものは採算不能となり、まさに壊滅に瀕しているといつても過言ではないわけであります。今日食糧の問題というものは、ここ当分は日本の重要なる問題でありますが、水産物の増産というものも、これがため刻下急務事業であるが航路掃海が完全でないということのために、水産事業体制というものも旧来のごとく円滑に行かないというような状況でございます。国の財政も逼迫しておりますから、県費、あるいは地元民負担等をもちまして、これを行うこともわれわれは考えておりますが、地元民調査によりましても、たとえば二千トンの鉄船サルベールによつて引揚げる場合においても、実に三百万円を要する。しかも大分県のこの二百九十二海里にわたる沿岸におきまして、鉄船の沈下せるものが五十ぱい以上を数えるような状況でおります。こういうもとにおきましては、県独力の財政をもつてはとうてい立ち行かんのでありまして、すべからく国家の援助をもちまして、この荒廃漁場復旧をいたしまして、もつて水産資源というものを確保することが、一番の急務ではなかろうかと思います。本委員会におきましても、皆様承知のごとく、水産資源の確保ということが盛んに叫ばれておりまして、しかもそれがために法案の提出もあるわけでありますが、戦災漁場復旧の問題は、まさにこれが裏腹をなすわけでありまして、積極的に水産資源を確保することももちろん重要ではありますが、戰災漁場復旧しまして、消極的に元の状態に復しまして、安心して漁業に従事し得る態勢を整える。すなわち漁民が出漁いたしましても、何ら生命に危険がないという状況をもたらしてやることが、刻下の急務ではなかろうかと存じておるわけでありまして、この点につきまして政府の御意見を承り、われわれはこの目捷に迫つておりまする復旧漁場の問題につきまして、公共事業費予備金につきましても、多少ながらもぜひ水産委員会として御考慮をわずらわしたい。これは委員長に対して、御願い申し上げる次第でございます。これは単に大分県一県のみではなく、九州におきましては、わずかに掃海を完了しておるのは関門地区のみだということを聞いております。御出席小高委員千葉県の沿岸におきましても、この問題はおそらく大分県と同様の問題があろうと思いますし、單に千葉県のみならず、多少とも戰時中海軍関係のあつたところにおきましては、この問題は全国至るところ散在している問題ではなかろうかと思います。ぜひ国家の問題として委員会並びに政府の御考慮を煩わしたいと考えておる次第であります。
  6. 山本豐

    山本(豐)政府委員 ただいま戰災漁場復旧の問題が非常に大切であるというふうにお話があつたわけでありますが、水産庁といたしましても、その点はまつたく同感であるわけであります。終戰直後この問題を一応取上げまして、水産庁としてもこれを何とか予算化したいと考えまして、大蔵当局にも折衝した経過もあつたのであります。しかし当時といたしましては、一応漁場だけにとどまらず、陸上におきまする多くの戰災をこうむつた被害、その他についての手当も同様な性質を持つており、これらの均衡等の問題も、予算当局といたしましては、非常に議論になりまして、そこでまあ手をつけたのでありますが、実はその成果を見なかつたわけであります。しかしその後世の中がおちついて参りますに従いまして、この問題がだんだん大きくなつて参りました、水産庁といたしましては、これは放つておけぬというので、各府県に照会をいたしまして、どの程度のものであるか、または全国にどの程度に分布しておるのであるかというような調査をやつたのであります。その結果、これは二十五年の一月二十日現在の回答に接したものの一応の集計を持つておるわけでありますが、これによりますと、大体引揚げ見積額におきまして、七千七百万というふうな数字が出ております。むろんこういう調査も非常に困難をこうむるのでありまして、きわめてずさんな推定であるかと思うのでありますが、一応そういう数字が出ました。また関係府県は三十府県にわたつておるのであります。なお回答に接しない府県、またその後申し出でのあつた県を集計いたしますと、大体現在のところ、これも推定でございますけれども、三億四、五千万程度の一応集計数字が出ておるのであります。  終戰直後ただいまの福田さんのお話にもありましたように、航路関係のあるところ、これは保安庁その他とも非常に密接な関係がありますので、それらにつきましては、たまたま航路を利用するといつては誤弊がございますけれども、若干予算があるとのことでありまして、これらと関連をいたしまして、ある程度の処置には出でたのでありますが、残る問題は、航路に直接関係がないというような純然たる漁場につきましては、先ほど申し述べましたような経緯で、これの予算化がまだ今日実現化していないのであります。しかしながらわれわれの方といたしましては、この問題の重要性をよく認識しておるのでありますが、この実際調査等も十分いたした上で、後刻また大蔵省とも再び折衝を開始いたしまして、ただいまお話になりましたような補正予算等の方法で、何とかこれを具体化したいという考えは持つておるのであります。ただ予算化につきましては、技術的に、たとえば実際の調査自体が非常に難物であります。また各県によつて受益関係その他が非常にまた問題があると思うのであります。従つて、またつかみ合いをやるということならば別でありますけれども、公平ないわゆる算定といいますか、こういうようなものはなかなかつかみにくいものがあるのではないか。これらの技術的な点に、かなり問題になる可能性が多分にあるのであります。しかしながらわれわれといたしましては、皆様の御協力を得まして、その実現に努力したいと考えておるのであります。
  7. 松田鐵藏

    松田委員 ただいま福田委員からのお話もありましたように、また水産庁次長の御説明のあつたように、この問題は現在調査が進められており、水産庁に申請して来ておる県が三十三県にわたつておるのでありまして、今までの水産庁のやり方から行きまして、アメリカの好意によつて漁区開放はある程度まで拡張されており、また全面的な開放をも今叫んでおる状態であるのでありまするが、この国内の戰災ため荒廃しておる荒廃魚田に対しては、現在日本漁船の数は約十一万そうあり、そのうち五トン未満の漁船が九万そうということで、これは水産庁調査でありますが、この小型の漁船は、日本沿岸において漁業を営むものであり、この漁船の働く最も重要な地点が、こうした荒廃魚田になつておるために、非常に漁撈の上において障害を来しておる。かような事柄になつておるものでありまして、陸上においては、あらゆる災害がただちに人々の目につくものであり、海は御承知のように、鏡のようななぎのときは、一つ荒廃魚場の所底というものは目につかぬのであつて、いかに漁民はこの問題に悩んであるかということが察知されるのでありまして、水産庁次長説明によりますると、三億五千万程度予算を獲得したい、かように考えられておるというお話でありまするが、各県からの調査によりますと、七千七百万程度より要求していない。こうした最小限度の要求に対して、国は小漁民荒廃魚田を、何ゆえに今までほつてつたか、この点に対してお答えを願いたい。  また、従来の海上保安庁の役は、今までは水産庁において漁業監督吏員がおつて、あらゆる漁船をも監督しておつたのであるが、今日は水産庁にはその制度がなく、漁業の取締りというものも、今日は保安庁に委譲されておると私は考えておるのでありまして、保安庁においても、この点をどのようにお考えになつておるか。国の予算から見たならば、七千七百万円程度のわずかな金であるから、この九万そうになんなんとする小漁民魚田を、一日も早くりつぱな魚田にしてやることが、国の最も重要な方針でなかろうかと考えるものでありまする。われわれは、この問題について、実は今までわからなかつたのでありますが、ただいまの説明、また一月中に永田議員からの陳情書も見せられまして、まことに今までの水産庁及び保安庁においては、遅きに過ぎるのでなかろうかと考える点がたくさんあるのでありまして、両庁において、何とぞ小漁民ために、沿岸魚田を一日も早く復興されるように御努力あらんことを、熱望するものでありまして、所信をお伺いしたいと存ずるものであります。
  8. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 ただいま福田委員松田委員から、いろいろ御説明いただきまして、まことによくわかつた次第であります。戰災漁場復旧ということにつきましては、なるほど非常に急を要するような状態であり、私どももできるだけ何とかしたいというように感じております。但し、私どもの方の掃海という面から申しまするならば、終戰と同時に、連合軍側といたしましては、当時の海軍省と申しますか、第二復員局と申しますか、この方に、機雷掃海をやれ、そうして航路啓開をなせというような命令が出ておるようでございます。一方機雷状況はどうであつたかと申しまするというと、米軍がB二九あるいは潜水艦で入れた機雷の数が、全部で一万七百ございました。それから日本側で入れました繋維機雷、ワイヤーで結んだ浮遊機雷でございますが、この数が五万五千あつたのでございます。日本側で入れました繋維機雷は、位置もよくわかつておりますので、日本掃海隊でこれは全部掃海を完了いたしました。もちろん数が合わないのですが、その合わない数は、おそらく流れて行つたのだろうと思いますけれども敷設面機雷は全部掃海終つた次第でございます。但し、漁場方面から申しまするならば、機雷そのものは処分いたしましたけれども、沈錘と申しますか、海の底にあるシンカを揚げることが可能でありましたために、それが豊後水道の一部分、あるいは千葉の沖の方に若干残つておるという現状でございます。これは私どもの方といたしましては、まだ取除き切れないような状態でございます。それから、アメリカの方で人れました機雷一万七百の内訳を申しますると、これは磁気機雷水圧機雷音響機雷の三種類ございますが、音響機雷水圧機雷は、すでに死滅いたしております。残りの磁気機雷を主として掃海しております。この磁気機雷の約半数は処分いたしました。結局まだ半数の五千近くのものが未掃海で残つておるという状態でございます。前にもお話申し上げましたように、主として航路筋掃海をやつておりますため皆様方の御期待に沿うような、いわゆる戰災漁場復旧という意味において御援助できないのは、まことに遺憾であります。しかしながら、この航路の方の作業がだんだん進むにつれまして、実はどこの航路掃海するかということは、私どもの方で組織しておりまする海上保安審議会というところで一応審議いたしまして、それで向うさんの認可を得て、やつておる次第でございますが、幸い水産庁次長さんも、この保安審議会のメンバーでありますし、航路啓開作業と同時に、でき得ればこうした方面掃海もやりたい、こういうふうに感じます。ただ問題であるのは、機雷掃海と、それから満潮水面下爆発物除去ということが私どもの使命でありまして、沈船あるいは飛行機の落ちたもの、これは実は仕事以外であるというような状況でございます。私ども掃海隊は、海上保安庁の総員が現在八千名ございますが、八千名のうち約二千名が掃海に従事しております。予算におきまして、今度お通しいただきました四十億の予算のうちの、七億を使つて掃海に従事しておるような状態であり、非常に重点を置いておりますが、二千人と五十五はいの掃海艇では、全国にまたがつてつておる関係上、非常にまだ漏れておる点があるわけで、御要望に若干沿い切れないという点は、まことに遺憾であると思います。
  9. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 今の御説明で大体掃海事業の、各官庁特に海上保安庁のお仕事の内容がわかつてつたのでありますが、爆発物等掃海のほかに、飛行機あるいは艦船等の撃沈されたものの掃海が残つておるわけであります。これは漁業上から見まして爆発物等のように生命に対する直接の危險はございませんが、巻網あるいは底びき網、さらに一本づり等に対しましても、そういう艦船飛行機等の沈下しておりますものが、相当大きな障害を與えておるわけであります。これが掃海業務は、どの官庁において責任を持つて実施されておるものであるか、お尋ねしたいのであります。
  10. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 前にも申し上げましたように、海上保安庁といたしましては、航海に障害を及ぼしておるところの航路筋掃海作業、それから全般的に満潮水面下爆発物処理、これをまかされております。従つてその他の戰争のために起つたところの沈船処理とか、あるいは飛行機処理とかいうことは、直接まだ私の方の所管ではないと考えております。
  11. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この点について、水産庁当局にお伺いしたいのでありますが、これはいかなる官庁責任を持つておやりになつておるのか。その点はおそらく、水産庁では十分その方面と御連絡をとつて、おやりになつておることと思うのでありますが、いかがなつておりますか。
  12. 志道吉次

    志道説明員 ただいまの鈴木委員からの御質問は、所管がいずこであるかというようなお尋ねでありますが、もとよりただいま海上保安庁次長からの御説明のごとく、航路にかかわりますところの障害物除去、あるいはまた水面下におきますところの爆発物処理、こういうふうなものにつきましては、これは海上保安庁でおやりくださつておるというようなことに了承はいたしております。従つてそれ以外のものについてどこでやつているかということが問題になるのであります。私たちの立場から考えてみますと、当然こうしたところの、漁場にかかわりますところの沈船なり障害物除去、こういうものにつきましては、漁場復旧というような関係からいたしまして、あるいはこれは水産庁がやるべきではなかろうか、かようにも実は考えておるわけであります。従つて先ほど次長から申し上げましたごとく、終戰以後におきますところの、これに関係いたします事故につきましては、むろん漁船の沈沒、あるいはまた飛行機の沈下したものとか、こういうようなものにつきましては、やはり漁場にも関係がありますが、しかしながら反面これは海上保安庁にも関係がありはせぬかと思いまして、海上交通保全対策委員会というものが先般来できておるのでありまして、これは私どもの方からも係員を出しております。そしてできるだけこういうものにかかつておりますものの、除去については、海上保安庁の方で善処していただきたいという要望をいたしております。
  13. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 海上保安庁の方では、先ほど来海上保安庁次長がおつしやつておりますように、船舶航行等について、主として航路相当しておる所、あるいは爆発物等危險の存するものについておやりになつておる。これは海上保安庁としては、その行政性質から言つて、当然やるべき範囲のお仕事であつて、これを海上保安庁がおやりになつておるということはよくわかつたのでありますが、私どものさらに重視いたしますのは、漁業立場から言いまして、一般船舶航路以外の、いわゆる漁業上これの掃海が全きを得なければ、わが国敗戰によつて狹くなつた漁場の高度の利用ということができない。特に零細なる沿岸漁業者諸君が、従来りつぱな漁場として、自分らの畑として生業を営んでおりました面が非常に荒廃されておる。これは海上保安庁等に依存すべき問題ではなくて、水産行政を取扱うところの水産庁が、全責任を持つてこれに当るべきであると、われわれは考えておる。その点について、今日まで水産当局のとつて参りましたところの措置は、その責任他省に顧みて、むしろこれを転嫁して、どこがやるかということについて、はつきりした責任をおとりになつていないように思うのであります。ただ陳情等がありますために、それを調査をしておるというだけであつて、この漁場掃海魚田の開発についての積極的な熱意を、われわれ見ることができなかつたのを非常に遺憾に思うものであります。なおこの戰争等による被害だけではなく、幾多の暴風雨、災害等によりまして、河川等から吐き出されたところの木材、あるいは立木等の湾内における沈積というものも、全国各地に見られる状態であります。これらの流木等によるところの漁場荒廃も非常に大きい。これらの問題等につきまして、沿岸漁民をして、ほんとうに安心して生業せしめるためには、水産庁が、これらの問題をもあわせて取上げなければならぬと思うのであります。特に漁場が非常に狹くなつたわが国といたしましては、與えられた漁区最高度に利用するというところに、特に水産行政重点が向けられなければならぬとわれわれは考える。この点について、水産当局は單なる調査だけでなくて、さらに一歩を進めて、今後積極的にこれらの掃海事業をおやりになる御意思があるかどうか、またそれらに対する予算措置等を、国会と協力して、あくまで実現するという熱意を持つておられるかどうか、この点をお尋ねしたいのであります。
  14. 山本豐

    山本(豐)政府委員 鈴木委員にお答えいたします。先ほども申しましたように、われわれもこの問題の非常に重要であること、また終戰直後においては、保安庁等でおやりになりましたようなことは、非常に表に出ておつたと思うのでありますが、今日その面がある段落をもつて参りました以上、ことにまた漁区が制限を受けておる現在、並びに今後この拡張が当分望めないということにつきましては、われわれといたしましても、非常に沿岸漁民のことは考えなければならぬと思つているのであります。そういう意味で、一つには対外的に大いに漁区を拡張する方面のことについて考えると同時に、沿岸の問題につきましても、今後この掃海の問題が非常なウエートを持つて来る、こういうように私も考えるのであります。ただこれを予算化する点につきましては、先ほどもちよつと申しましたように、非常な難点が多々あるのであります。しかし、かといつて水産庁がこれを知らぬ顏をするというような気持は全然ないのであります。事ここまで参りますれば、何とかして今のお説のように、皆さんの御協力を得まして、国の方でも若干の予算を組んででも、県にひとつの誘い水として與えて、ぜひこれを実現して参りたいと考えて参りたいと考えているのであります。但しこういう船舶だとか、あるいは飛行機等の実際の引揚作業であります。こういう問題は、予算の問題は別といたしましても、関係方面技術者なりあるいは関係官庁の総力的な御協力がないと、せつかく予算を組んでも、非常に不経済に使うということに相なりますので、そういう意味合いにおいて、保安庁においても、大体本筋の事項が完了を見ますれば、引続いてこういう応援のできる面については、ぜひ御協力願いたい。こういうふうに考えるわけであります。
  15. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 山本次長の御答弁で当局の御意思はよくわかつたのでありますが、私ども北海道等における魚田の開発には非常な関心を持つて、これに予算措置、その他について委員会としても善処して参つたのでありますが、ちようど農地改良にも相当いたしますところのこれらの沿岸魚田掃海し、復旧するということは、決してとつぴな計画ではないわけであります。農業方面におきましては、災害等によるところの耕地の復旧、そういうことを積極的にやつているわけであります。ちようど沿岸魚田に対する掃海事業というものは、耕地復旧相当するものとわれわれは考えているのであります。どうぞそういう趣旨からいいまして、大蔵当局その他の関係部局とも、よくその内容趣旨を徹底させていただきまして、水産庁において今後これらについて積極的な対策をお進めあらんことを切望するものであります。
  16. 福田喜東

    福田(喜)委員 先ほどの質問は、実はまだ完了していないわけでありまして、西村政府委員お話によりますと、技術的の問題がある。かつその方法等につきまして、非常に各種考慮すベき問題があるからして、予算等の措置はまだ考えておらなかつた。目下調査中である。こういうふうなお話のごとく承りましたが、これはいかなる予算の伴う問題であつても、技術的の問題がないということはまつたくないのでありまして、終戰以来今日まで、予算面上においてこの問題を真劍にお取上げになつたことがあるかどうかということを、第一点としてお伺いしたいのであります。予算としてこれを取上げる場合におきまして、技術的の問題があるからして、これが今日まで延び延びになつてつたということは、私たちは承服しがたいのであります。実は私は各省に参りましたけれども、私たちの見る目をもつてすれば、保安庁当局の方がより合理的、より妥当なる御返答とされたのでありまして、水産庁当局においては、この問題において非常に立ち遅れておつた。もつと露骨に申し上げるならば、熱の入れ方が足らなかつたということは、これはわれわれは遺憾ながら認めざるを得ないのではなかろうかと思うのであります。御承知のごとく、陸上におきましては、終戰以後最大の問題は、治山、治水の問題である。魚田戰災漁場復旧の問題につきましても、海と陸と相並んで、同様の熱を入れるべきであつたにかかわらず、今日までこれが予算面上に一度も顏を出さなかつたということは、私は委員として、まことにその理由の何物であるやを解するに苦しむものであります。先ほど鈴木委員も言われましたが、治山治水の問題というものは——河川の流水あるいはまたデラ台風とか各種の台風から生ずるところの被害というものは、山だけでなく、川だけでなく、海と直結して各種の被害を起すものでありまして、治山治水ということに公共事業費のほとんど大部分を費しておるにかかわらず、これに密接なる関係があり、水産資源の確保といいますか、食糧資源の確保として、今日日本の隆退にかかつているこの問題を、なぜ併行して取上げて考えていただけなかつたかということを、私は水産委員として真劍に遺憾に思うものであります。ぜひ今からでも遅くないから、ただちに公共事業費の補正予算としてでも、今日よりこれを水産庁において、真劍に取上げていただきたいのであります。今日漁場の拡大とか、あるいは許されたところの漁場を一歩でも東支那海等において踏み出して漁区の拡大をやりたいということを考慮されているのでありますが、許された国内における漁場の整備の問題と、すでに許されたものの内容を充実するということは、これは刻下の急務であつて漁区の拡大より以上に大問題ではなかろうかと、私たちは思うのであります。この問題を解決せずして、いたずらに漁区の拡大を願うことは、燈台もと暗しと言われてもあえて弁解の辞はなかろうと、私は考えるのであります。すべからくこの戰災漁場の問題につきましては、緩急の度合というものを考えまして、たとえば大分県等におきましても、別府の深いところに沈下している航空機の問題、浅いところに投下されている機雷の問題、こういうふうなものをいかにして掃海するか。いかにしてこれを掃除して、戰災漁場復旧をするか。こういうことを真劍に考えていただきたいのであります。承るところによりますと、掃海というものは、一年を経過すればサルベージにおいては三分の一の困難を倍加して行くということを承つているわけでありまして、これは放置するならば、刻一刻と経費の問題はかさむわけでありまして、この点につきまして、真劍に今日より飛び込んでいただきたいのであります。さらにまた委員会におきましては、この問題は治山治水と同様に重要な問題でありますので、ぜひとも一つの小委員会を設置して、ただちに本委員会においても真劍に取組んで、政府とともにこの問題を当面焦眉の急として取上げていただきたいことを、委員長要望する次第であります。
  17. 小高熹郎

    小高委員 ただいま福田委員並びに鈴木委員から沈下物に対するところの魚田を開発する措置について、真劍なる議論がかわされているのでありますが、最も近い例として、すみやかにこれを解決しなければならないというところから、東京湾の例を引いてみますると、昨年度における東京湾の漁区のいわしは、百十五万貫漁獲があつたと推定されております。前年度においては八十九万貫の漁獲ありしやに了承しているのでございます。さらにその前年度においては五百数十万貫の漁獲をあげている。その五百数十万貫の三年前の漁獲のあがつた年は、比較的沈下物のない方面において——東京湾といいましても、神奈川県守りもあれば千葉県寄りもあるのですが、千葉県よりの一部、ずつと奥の方面に比較的漁がありましたために、沈下物がなかつたから支障がなくて、その年は魚族も多かつたのでございまするが、さような数字が收められたのであります。ところが一昨年と昨年のこの二箇年は、比較的沈下物の多い神奈川県寄りの、つまり鶴見から本牧あるいは横須賀沖、この方面に魚族が集まつておりまして、綱を張るたびに、いわしあぐり綱がひつかかつて、せつかく二千貫、三千貫のいわしが入りましても、綱がずたずたに破られて、一尾も魚がとれなかつた。従いまして網の損害はときによつては数十万円に及ぶことがあり、さらに漁獲物をむなしく逃がすという点と合計いたしますと、一回の被害が莫大なことに相なつておるのでございます。私の推定する範囲においては、飛行機の残骸及び沈下物にひつかかりまして、いわしあぐり網、その他の巻網、これらの被害は、漁獲物の約五分の一程度に及びはしないかというような推定でございまするが、募大な被害を受けておるのでございます。これはただいまも議論になつておりまする通り、ひとり東京湾ばかりではございません。九州にも、あるいは北海道沿岸にも、あるいは三陸沿岸にも起きておる事象でございますが、ここまでこの委員会において議論された以上、これを結果ずけないで、いいかげんに片づけるということは、増産の叫ばれておる今日、あるいは資源保護をあくまでも形づけて、そうして一面において魚族の繁殖保護をはかりながら、一面において合理的に採捕する、こういうような議論がやかましく言われておる今日、この問題を等閑に付して、何で繁殖保護等があるか。片手落ちな施策と思われても申し開きの言はなかろう。どういうことを考えますると、重ねて申し上げまするが、ここまで議論したのでありますから、委員長においてしかるべくおとりはからいをいただきまして、沈下物の被害除去並びに魚田の復活ということについて、必ず結果ずけるように、特に御配慮を願いたいことを希望いたすのであります。
  18. 永田節

    永田委員 海上保安庁の稻垣さんにちよつと御質問いたしますが、予算が七億で二千名の従業員で掃海が御困難のようなお話でございましたが、今日の社会情勢では、あるいはそれも想像されます。終戰米軍側の五千個の磁気機雷掃海が、満四箇年を経過した今日、完了しないということはどういう事情があるのか。それをまずお聞きしたい。それから大体日本沿岸の主としてどの方面にあるという御調査ができておるのかどうか。次はいかような手段をもつていつごろ完了されるお見通しがついておるものや、まつたくついていないものや。もし計画がおありであるとしたならば、航路もさることでありますが、直接漁獲に関係のある方面を優先的にやつていただきたい。この希望はいれられますかどうか。これをまず御回答を願いたいのであります。  次に沿岸課長にちよつと御質問いたします。私は昨年の十一月ごろでしたか、大分県からの荒廃漁場に関する国庫補助の陳情を課長にお話したのでありますが、当時全国から荒廃漁場復旧国庫補助の申請は、大分県と宮崎県でしたか、一、二県しかなかつたと私は記憶いたしております。今日調査によりますと、二十数県の各県から、それぞれの予算の陳情があるように承つておりまするが、この内容につきまして、水産庁といたしまして、責任を持つてこの実情を調査なさつたことがあるのか。もしそれ、その内容について、容易に調査が困難である、従つて各県から請求した額面をそのまままるのみにするんだということになりますれば、勢い水産庁調査もできないということになつて来るのでありますが、大体においてどの海底に被害があつた、そこでそこには飛行機の残骸や沈下物があるだろうというふうなくらいの調査の資料でもあるのか。もしないとしたならば、今日これから新しく発足するということもおかしな話ですが、もうすでに終戰後一般の諸情勢も、大体において安定しつつあるときにおいてひとりこの荒廃漁場がかように委員会の問題になるということは、水産庁当局の方々の責任のみではありません。地元の各県のそれぞれの責任も生じて来る問題でありますが、私はさようなことを議論するのではありません。この問題がこの委員会に出ました今日、ただちに新しいスタートを切つて、すみやかにこの問題を解決して、お互いが食糧増産の実を結びたい、かように考えるのであります。以上それぞれの質問に対して具体的になるベく詳しく御回答を求めます。
  19. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 掃海の大要を申し上げます。掃海隊は現在三隊ありまして、呉掃海、下関掃海、それから試航船の桑栄丸、この三隊でやつておりますが、船の数は全部で五十五、六ぱいであります。現在年度初めに一年の計画を立てまして、それぞれ掃海に従事しておるわけでございますが、現在は小豆島の北方接岸航路、淡路島東方試験海面、布刈及び尾道航路を実施しております。五、六月になりますと、淡路島西航路、中山及び師崎航路、姫島泊地というような順序で行う予定でありますが、各地の御要望が非常に多いため、どこからやつて行くかということが問題でございます。ちよつと速記をとめていただきたいのですが……。     〔速記中止〕
  20. 石原圓吉

    石原委員長 速記をとめて。
  21. 石原圓吉

    石原委員長 速記を始めてください。
  22. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 磁気機雷の入つている場所は大体において明確であります。
  23. 志道吉次

    志道説明員 先ほど沿岸漁業課長に御質問がございましたのでお答え申し上げます。水産庁といたしましては、昨年の十一月まさに永田委員から御質問、御要望を受けたのであります。そのときにも私の方から申し上げておいたのは、なるほど大分県は一番最初に要望は出ておる。しかしながらこれは日本沿岸漁場の上から考えてみまして、これと同じケースのものはおそらく各地にある。東京湾内におきましても、やはり同様な意見が出ておつたということから考えてみますならば、大分あるいは東京を取上げるという場合にも、全般的にながめて行かなければ、水産行政という点から見ますと片手落ちということになりますので、従つて全般的にこの問題についての要望あるいは現実の実情を、各方面調査を要求しておつたのであります。従つてこの照会に対しましては、むろん県当局相当熱意をもつておると思つて、私たちはさような手続をとつておるのであります。これに対する回答が、当初申しましたように、各府県から七千七百万ということが一番最初に出て来たのであります。しかしながらこの照会はむろん時期を早めるために、期日付でもつて照会したのでありますが、十二月十日までに回答が参りませんで、四月一日になつて参りましたのをとりまとめてみますと、そのあとに補足するものが二億一千七百万余、これがその後に補足されました分であります。従つてこれを合計いたしますと、三億四千五百万というものが計上される。かように相なつておりますので、先ほど松田委員からお話のありました七千七百万ということにつきましては、一応御訂正願いたい、さように思うのであります。従つてこの計数によりまして——もとより私たちの立場から申しますれば、県の行政はまさに漁業者に直結しておるわけであります。従つて県を信頼するよりほかしかたがないのであります。県から出て参りましたこれらの資料を全部抱攝いたしますると、今申しましたような金額になる、かような状態になつております。これらの個々の状態というものは、沈船もございましようし、あるいはまた飛行機の沈下したものもありましようし、あるいは石、流木、標識の沈下したもの、こういうようなことによりまして、それに対する復旧の費用を要求するというような事態は、たくさん類別されておるのであります。従つてこれに対して各県から出されております内容につきましては、私手元に持つておりまするので、後刻御必要とあればごらんくださいますれば御了承願えることと思います。  調査は私達個々に出て行くひまがないのであります。従つて県に委任するよりほかないと思います。
  24. 福田喜東

    福田(喜)委員 私がさつき御質問申し上げたのに対して御答弁がないのでございますが、今課長さんの御答弁は、これを要約しますと、県からの資料が集まらないから国の予算上に顏を出さない、こういうふうに聞き取れますが、さようでございましようか。私といたしましては、昭和二十年八月十五日以後、今まで荏苒数箇年を経過して、国の予算に一度もこれが顏を出したことがない、顏を出すような手続も購じていられないということを遺憾に思うのでありまして、府県の資料がないからといつて、今日まで顏を出さないということは、みずからの怠慢を暴露する以外の何ものでもないということを、私たちは思うのであります。治山治水の問題は、今日まで府県の資料か全部集まつたから、この問題が取上けられたのであろうか、この点を一ぺん考えていただきたいと思うのであります。私は府県の資料がいつ集まつたか、府県においていかなる措置が購ぜつれておるかということを、お問い申し上げたのではないのでありまして、一国の水産行政をあずかる水産庁において、今日まで予算上のいかなる措置を購ぜられたか、いかなる手を打つたかということを、私はお問い申し上げたのでありまして、府県の答弁がないからということでは、水産庁はいらぬ。府県庁にまかしたらいいということで、みずからの権利を放棄されるのでございましようか。この点について御答弁を承りたいと思います。
  25. 山本豐

    山本(豐)政府委員 ただいまの福田委員の御質問にお答えいたします。われわれも、県の資料がなければ予算は組めぬという意味ではないのでありまするが、しかし実際問題といたしまして、こういう調査はなかなか府県でも、おそらくどつちかと言いますと、相当推定が入つておろう、この数字自体がどの程度信用できるかが、非常に問題になろうと思うのであります。まして水産庁から出かけて参りまして、全国津々浦々にわたる、しかも海の底の調査ということは不可能なのであります。しかし、だといつて、そういうものは全然何の手がかりもなく予算を組むということも、政治的には別でありますけれども、大蔵省に対して、事務的に話をするきつかけはなかなかないのでありまして、そういう意味言つておるのであります。ただ終戰後四年間も経過しておるのに、一度も顏を出さぬと言われる点は、水産庁の熱がなかつたことは私も認めるのでありますが、ただ終戰直後水産行政としましては、たとえば沈沒した船を至急に新造して、数多くつくることであるとか、あるいは資材をできるだけ早くよけいに確保することであるとか、いろいろあれこれもつと重要なものがたくさんあつたわけであります。そういうわけで、こういう問題も気がついてはおつたのでありますが、熱の入れ方が足りなかつたという点だろうと思います。しかし当時のいわゆる水産行政の他のいろいろなものとの関係、今日におきまする他のいろいろな予算的部面とこれとの関係におきましては、よほどかわつて来ておると思うのであります。非常に遅ればせでありますが、こういうふうに全国的にあるということも、とにかく明瞭になりましたので、われわれとしては、できるだけ早く具体化したいという考えは持つておるわけであります。さよう御了承を願いたいと思います。
  26. 福田喜東

    福田(喜)委員 今水産庁次長の御答弁まことに懇切で、私も遅ればせではございまするが、御熱意のほどを了とするわけでございます。つきましては、今日よりぜひこの問題を水産庁喫緊の最大要務と心得られまして、お骨折りをいただきたい。つきましては、補正予算につきまして本年度十分の御考慮をいただきたいと思いますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。  もう一点、私は委員長にお願するのでありますが、これは本日出席の各委員が、ほとんど全員これを自己の問題として、自分の出身の県の問題として、日本全国の問題としてお取上げになつていただいているのは委員長承知の通りでございますので、ぜひこの点につきましては、小委員会を設けていただきまして、至急具体案を作成し、政府当局と一緒になつて、速急にこの問題の解決策を見出していただきたいことをお願い申し上げます。
  27. 松田鐵藏

    松田委員 予算の問題に対して関連があるので、一、二安本政府委員にお尋ねしたいと思います。ただいままでこうした議論が出まして、十分にこの重要性というものが、はつきりおわかりになつたことと存じますが、安本としてどういう見解を持たれるかということであります。また仄聞するところによりますと、水産庁魚田開発の点に対して、昨年度より非常に努力をされて、予算化する点まで参つた、いな見返り資金の流用もある程度まで進展した。ところが最近になつて、この問題がどうもうまく行かなくなつたように聞くところがあるのでありまして、何かさつまいもの利用をする方にこれを向けなければならないというような話を聞いておるのでございまして、いかに生産されておるいもの問題が重要であるか。これら零細漁民魚田開発の点に対して見返り資金の流用の制度が設けられて、それに対して真劍に漁獲を願う、また荒廃魚田の開発復旧をも願う、こういうようなものに対して、安本はどのような考え方を持つておられるか。この点に対する今泉次長の御意見を承りたいと思うものであります。
  28. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 まず最初に掃海予算のお尋ねのようでございますが、掃海の費用は、私どもの方で取扱つておる公共事業費の範囲には含まれておりません。これは一般行政部費の問題でございますので、その点は大蔵当局の方にお尋ね願いたいと思います。  それからそれに関連いたしまして、福田委員からも補正予算問題等のお尋ねがあつたようでございますが、これも一体臨時国会をいつ開いて、補正予算を出すか出さないかという問題は、私たち事務当局の者においては、御答弁いたしかねるのでございまして、これまたあるいは大蔵大臣その他にお尋ね願いたいと思います。  次に魚田開発関係について、昨年度といいますか、まだ本年度でございますが、昭和二十四年度において北海道における魚田開発の重要性が非常に叫ばれまして、見返り資金で若干話がついたことは御案内の通りであります。目下二十四年度のものについては水産庁の方で審査中でございまして、司令部その他の関係等において、折衝もなかなか手間取つておるようでございますが、政府の方針といたしましては、北海道に特にその重要性を認めて、見返り資金を使うという方針をきめておるわけでございます。二十四年度は今のような状況でありまして、二十五年度のものについては今まだどの方面にというまではつきりしたものはつけておりませんけれども水産関係重要性ということは認めておりまして、二十五年度においても継続関係はもちろんのこと、新規関係についても、できるだけ考えて参りたい、こう考えておる次第であります。
  29. 松田鐵藏

    松田委員 結局こうした荒廃魚田ということは、魚田開発の一つであると私は考えるものでありまして、魚田開発ということが、今の日本漁民に対して親切な行為であり、またやらなければならない政府の施策であるというように私は考えるのであります。この点に対しましては、同様の考えを私は持つておるのであります。水産庁にお伺いしますが、ただいまの二十四年度の問題に対する、現在の成行きを御説明願いたいと思うのであります。聞くところによれば、どうも農林省においてこれを削るかのごとき、私はデマのように考えられるのですが、そういうようなニユースも聞いておるのでありまして、北海道の魚田開発も、この荒廃魚田復旧ということも実は重要な問題であるから、水産庁の御意見を承りたいと思います。
  30. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 今の松田委員お話、昭和二十四年度の見返り資金で、水産関係といたしましては、水産庁として考えておる重要な漁業について、安本に対して折衝をいたしましたが、その結果アメリカ式きんちやくに一億、それから魚田開発に一億、合計一億というものが一応わくとして認められたことは御承知の通りであります。その後司令部に参りまして、アメリカ式きんちやくの一億というものが、司令部では認めがたいということで、結局唯一の残された水産に対する見返り資金の対象になるものは、魚田開発だけであるということになつておりましたので、われわれとしては、そのわくをできるだけ活用して行きたいというので、北海道庁とも連絡をとりまして、各傘下の組合に対して、手続等も十分に協議し、そして中金の方のあつせんもこれ努めたので、その結果大体申請書が中金に出ましたのが、七千七百万円余り出たのであります。それが現在大部分大蔵省の審査にまわつておるような状態であります。ところが突如として最近司令部の方で、私企業に対する見返り資金のわくは二十四年度分は二百五十億にきめるということに指示があつたわけであります。そういたしますと、今まで申請が通つて、現実に出ている分が二百四十九億という予定になつておりますので、残りわずかに七千万円で、あとの残りは、司令部の方としては、これはいもの貯蔵に使うのが最もいいのではないかというような示唆があつたらしいのです。それに基いて安本の方も、それをその方に向けたらどうかという話がありましたのですが、われわれの方は、そのうち一部でもいいから、魚田開発の方にまわしてもらうように折衝すると同時に、司令部の水産部の方にも参りまして、お願いしたようなわけであります。水産庁としてはできるだけのことは盡したつもりであります。ところが最近の決定により、遂に今のような結果になつてしまつたわけであります。
  31. 松田鐵藏

    松田委員 今まで論議されている荒廃魚田復旧またこれに関連して魚田開発の重要性に対して、今泉政府委員は、非常な同情をよせたお話を先ほど御発言があつたようでありまするが、今水産庁の経過を聞きますと、七千七百万円にとどめて、やむを得ずそれで魚田開発の資金を充当しようとして努力されたのも、どうも雲行きが非常に悪いという経過のようであります。先ほどの今泉政府委員お話と、ただいまの水産庁お話とは少し食い違つておるように聞きとれますが、これから開いて行かなければならない、沿岸漁民の担当しておるこの魚田開発の重要性を御認識なさつたならば、農民のいもの貯蔵は、自己の力によつてやり得る方法がいくらでもあるではなかろうかと考えられるのであつて、どうも気持は魚田開発の方が重要のように思われるが、金を出す方法は、そちらの方には行かないという結果になるようであつては、まことに遺憾なことではなかろうかと思われるのであります。また直接安本にただいまの荒廃魚田の復興というものが関係がないとしても、あらゆる点に対して安本当局の動き方が——たとえば予算化するについて大蔵省に折衝する場合においても、重要なポイントになるものと私は考えるものでありまして、どうか先ほどの気持によつて、北海道の魚田開発に対してもいま一応の御理解と御援助を願いたい。そこに初めてこうした荒廃漁業の復興が成立つものである。かように考えられるのでありますから、何分にも安本の当局としてもこの点十分にお考えおきいただかなかつたならば、いかに議論をしても、どうにもならない問題が将来出て来ることを、私は非常に憂えるものでありまして、この点よろしく水産庁の意見に同調するようお願いしたいと思います。
  32. 永田節

    永田委員 荒廃漁場の問題は何しろ水の中のことで、各県が予算を組んでおる。もちろんその調査を疑うのではありませんが、先ほど次長の言われたように、多少年数もたつておることでありますから、水ぶくれの予算がないとも限らないと思います。従つてこれらの予算も、よく一応調査をする必要があると思います。水中の調査ですから、十分には行きませんが、大体どの辺が基準になる数字かということは、われわれが一応主権をもつて調査をしなければならないと思うのでありまして、今日ただちにここで予算的の措置というものは、結論が出るものではありません。従いましてこの荒廃漁場復旧に関する小委員会というものを、たたちに設立することを希望します。
  33. 中西伊之助

    ○中西委員 キテイ台風のときに、私災害委員で神奈川県それから靜岡県の方を視察したのですが、その当時大磯、小田原、ああした一面の海面に、防波堤の破片が流出して沈下して、沿岸漁民がほとんど地びきができない。失業状態だということでありましたが、その後水産庁に参りまして、前の飯山長官にも、早急に掃海をしてもらいたい、ああした沿岸漁民は、相当広範な零細漁民でありますから、急速に掃海をしてもらわないと、失業状態になる。そうして税金だけはびしびしとられる。実に気の毒だからということを申し上げたのですが、その後どうなつているか、二、三箇月の間、そちらの方に参りませんから、一向わかりませんが、これは零細漁民の生活にとつて重大な問題だと思う。やはり全然あの辺で地びき網ができないという状態でありましたが、その後水産庁の方でどういうふうにやつておりますか。また依然としてうつちやらかしておられるならば、急速に、そうした直接生活に関係することであり、一面課税をされて非常に苦しんでおる零細漁民のことでありますから、その点お聞きをしたいと思います。
  34. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この荒廃漁場復旧の問題につきましては、各委員より、それぞれの地方の実情を訴えて御発言があつたわけであります。その結論として福田委員永田委員小高委員等より、本委員会はすみやかに荒廃漁場復旧に関する小委員会を設置すべしという提案がなされておるわけであります。委員長におかれましては、この提案を採択されまして、小委員会を設置されんごとを望みます。
  35. 石原圓吉

    石原委員長 ただいま鈴木君の発言、動議によるところの小委員会を設置する件は、理事会を省いてこの際設置することに対してお諮りをいたしたいと思います。この小委員会設置に対しては御異議ありませんか。
  36. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認めます。これを設置することに決します。
  37. 志道吉次

    志道説明員 ただいま神奈川県の問題につきましての御質問がありましたので、これに対してお答え申します。この問題につきましては、長官の方に御要望がありましたことを、私は聞いております。その後におきまして、神奈川県の水産課長と、主任中川技師と、たまたまこの問題で役所でお会いいたしまして、この問題は性格上災害復旧、土木の方に関係があるのではないかということで、これは県内の災害復旧の方で善処しよう、こういうように話が進んでおるようでありますので、さようひとつ御了承願います。
  38. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は議題がかわるのを待つて発言したいと思つて、今まで遠慮しておりましたが、先ほどの魚田開発の問題について、重ねて水産庁当局にお伺いをいたしておきたいと思います。それはむしろ二十四年度の魚田開発費は二億円、見返り資金から予算化されたはずでございましたが、そのうち一億円を、アメリカ式きんちやく網に充当しようとしておることは、水産庁独自の考え方で、一億円をその方面に流したということを、私は聞いておるのでありますが、その点に関する内容について、御説明願いたい。  第二点は、ただいま課長の御説明によりますと、七千何百万でしたか、これだけに削減されたということでありますが、現存におきましては、従来しばしば二十四年度の魚田開発費が、別の通知はあつたが、いまだに実際の金は来ないということを、非常に陳情等を受けておるのでありますが、すでに二十四年度は過ぎておるわけであります。その二十四年度の、少いながらもきまつておるという金は、一体いつ交付するものであるかということと、同時にまた、二十五年度に対しての魚田開発費は、どれだけ確保できるのであるか、この点についてお伺いしてみたいと思います。
  39. 山本豐

    山本(豐)政府委員 魚田開発の計画は、当初二億でありましたのを一億にして、アメリカ式きんちやくに一億まわしたというかつこうにお話であります。これはまあ水産庁独自だけでもないのでありまして、安本なりあるいは関係方面なり、いろいろ折衝した結果、かように変更になつたわけであります。しかし当時としましては、北海道から必要とするわくは二億——あるいは超えておつたと思いますが、ただ魚田開発等につきましても、内容のあり方について、いろいろな批判もあつたわけであります。そこでわれわれとしましては、水産庁に、水産行政に対する見返り資金を、少しでも多くとりたいという観点から、その資金のふり合いを考えまして、かような案を出して折衝いたしたわけであります。
  40. 戸嶋芳雄

    ○戸嶋説明員 その次の問題は、七千五百万円がすでに申請されておるにかかわらず、まだ出ておらない。それは先ほど申し上げたように、中金が大体窓口で、中金から今度大蔵省の見返り資金課の方に参ります。それから司令部にまわる、こういう順序をとつておるわけであります。今大体七千七百万円が大蔵省に行きまして、司令部にその中の一部、九件あまり行つて——これは多分二千万円くらいだと思つております。そういうような状態になつているときに、先ほど申し上げたように、突如として私企業に対する資金は二百五十億に限るのだ、こういう司令部の話になりましたので、そこで従来すでに金が出ておるものを見ますと、二百四十九億ということになつております。あと七千万円しか残らぬ。それを農林、漁業全部に七千万円とにかく使え、こういう司令部の話である。それを農林、漁業でどうわけようかということが問題になつたのですが、司令部の方では、これはいもの貯蔵施設にまわすべきだという強い示唆があつたわけです。そこで遂に二十四年度は見送るというようなかつこうになつたわけで、これがきのうの新聞でしたか、出ているような状態であります。ただそのときの話合いとしましては、二十五年度に入つたら、すぐ二十四年度の半分は二十五年度の保留分で出すということが、司令部の方ではメモのようにして載つております。われわれもそれを頼みにやりたいと思つておりますが、さらにそれだけでは、今のようなまた土壇場に行きまして、金が出ないというようなことがあつては困るので、われわれとしては中金の方に、自己資金をひとつ出せるだけは出してもらいたいという交渉を始めたいと思つております。きようか。あす、中金の方に行つて交渉したいと思つております。それから二十五年度の方の資金につきましては、現在安定本部の方の計画の六百二十何億というわくの中には、大体一億五千万円余りわくとしては入つております。ただきようの新聞を見ますと、司令部の方では、やはり四百億のわくを非常に固執しておるようでありまして、もしそういうことになると、相当困難な状態が出て来るのではないか、こういう見通しであります。
  41. 井之口政雄

    ○井之口委員 例の紀伊水道の問題でございますが、あれは遂に衆議院を通過してしまつたのです。しかしあの後和歌山並びに徳島の方面から、あるいは兵庫の方面から、岡山の方面からというふうに、漁業協同組合の会長諸君がおいでになつて大分いろいろ反対の陳情が出ている実情を、ちよつと知らしていただきたいものであります。水産庁で受け付けられている実情並びにこの水産委員会に出されるのは、どういう方々があの問題に対して反対をして、意見をどんなふうに出されておるか。これをお聞きしたい。それから兵庫の海上保安庁でもつて、淡路丸というのが今度できたそうでありますが、これがどの辺を警戒し、どのくらいの効力を今後発揮して行くか。従来沿岸の大型底びき船の取締りが不十分であつたが、しかしこの淡路丸の建設によつて、それができる見込がついておるか。その辺をお聞きしたい。  第二番目に、ただいまの沿岸掃海の問題でありますが、この掃海の問題は、今日何箇所ぐらい着手しておいでになりますでしようか。それと、この掃海について、いろいろな資材その他のものを、アメリカ軍からお借りするというようなことをやつておいでになるのか。日本の独力でやつておいでになるのか、その辺を御説明願いたいと思います。第三番目に、三重県と和歌山県の沿岸漁港が、災害によつて非常に荒廃しておる。その復旧ために、当国会からも国政調査として出かけて行きましたが、二十五年度において、あれらに対するところの予算が、どんなふうに具体的にきまつて来たか。あの時分に聞いたところによると、三重県でも二億五千万円からの地元からの要請があり、かつ和歌山県からも約三億ぐらいの要請がある。しかるに政府としては、少ししか予算が組まれておらないというような状態であつたと思いますが、それらに対して地元の要求が今どれくらいの程度に満されつつあるか。この三箇條について御説明願いたい。
  42. 山本豐

    山本(豐)政府委員 第一点の御質問でありますが、紀伊水道の区域の仕わけの問題であります。つまり内海の区域の仕わけの問題でありますが、これについては、水産庁としては、先般通過を見た漁業法にあります立場、これには技術的にも水産庁としてはかなり意見を持つておるわけであります。しかしそれはそれとして、議院におきまして、いろいろとその後御意見も出ておるようであり、また衆議院の方からも現地調査に行かれたようであります。それに対してわれわれとしては、あまり積極的にこうである、ああであるということは愼しむべきであろうという考えで、今日まで来ておるわけであります。特に水産庁に対してどうのこうのという陳情は、最近あまりないと思うのであります。ただどこの県のどういう者が来たかというようなことは、具体的には覚えておらないのでありますが、最近この問題は議会の方に移つておりますので、水産庁としては靜観をしておるようなかつこうになつております。  それから第三は三重と和歌山の例の震災による沈下の被害予算であろうと思うのであります。これも当時非常に問題になりまして、予算の事情の許す範囲内においては、県と連絡をとつてつておるわけでありますが、金額あるいはその港の数等については、詳細に私覚えておらないのであります。これはまた漁港課長からでも詳しく申し上げさせることにいたします。  次に掃海の点は、終戰直後水産庁としても県に対する援助方をいろいろとやつてみたのでありますが、それが実現を見なくて、結局先ほどもお話のあつた熱意のある県——大分県とかあるいは山口県とかいう県では、県の予算をもつてある程度つておられると思うのであります。しかし爾余の県では——はつきりとどこの県がどの程度つておるということは、ちよつとわかりかねるのでありますが、まだそう進捗していない。むしろ問題は大部分今後に残されておるのではないであろうかと考えておるのであります。
  43. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 最近竣工した淡路丸は四百五十トンで、速力は十五ノットであります。現在やつておりますのは、約三百トンのきわめて貧弱な船であります。相当効果を発揮し得るものと確信しております。それから掃海の箇所でございますが、終戰直後からただいままでに、航路としては百数十箇所の港湾の水路を開いております。これはこちらに図面がございますから、ごらん願つたら、一番早くおわかりになるのではないかと思うのであります。それからアメリカとの協力の件でございますが、掃海方法としては、私どもの方ではただいま深い所でやる場合には、二隻の船で電纜を引きまして、それでやつておる方法と、浅い所は、最近始めましたが、電探の方法、この二つの方法でやつております。それからその方法でやりました航路の上を、四千トンの船で試航をやります。試航をやりまして、なお機雷が爆発しないかどうか。それをやるときには、ブリッジには天井にふとんの厚いものをかぶせて、もし爆発しても影響がないような方法でやつております。またエンジンのコントロールもよくやるという方法で、できるだけ精密な掃海をやりました上を、もう一度試航してなでるわけであります。それで初めて開航宣言をやつております。それから貿易船あるいは第三国船が航海する航路におきましては、米軍の方でもう一度チエツク・シーをやらなければそうした船が通過できない。こういうふうな非常に愼重な方法でやつております。日本海上保安庁の方でやつておる方法は独力で全都やつておるわけであります。
  44. 川端佳夫

    ○川端委員 ただいま井之口委員から、ちよつと私が念のために伺いたいと思つておりましたことに触れられたのでありますが、これは四国と和歌山県の特殊な事情でありますけれども水産庁次長お話の、南海大震災の結果の問題でありますが、この震災のため四国、和歌山の五県にわたつて、地盤沈下という現象が起つて来ておるのであります。この災害復旧の問題が、私たち四国の方面から出ておる者としては、陳情等もありまして、悩んで参つたわけでありますが、予算措置の面をながめて見ますと、実に心もとないような扱いを受けているように聞いておるのでありますが、いよいよ予算も通過し、具体的にこれを救済して行く措置として、どういう心構えでやつてもらえるのか。この特殊事情を強く銘記されて、他の災害復旧と別に、特段の措置を講じてもらいたいということを、要望いたしておきたいのであります。  それから先ほどのお話の、掃海の問題に関連いたしまして、私は瀬戸内から出ておりますので、この点非常に関心を持つて来たのでありますが、瀬戸内あたりの様子を聞いておりますと、向う側で一応この程度のものが投下されておるだろうというようなことを言つておる数字と、最近それに対する措置を講ぜられたものとの比率が、実に一割に足らない。あるいは事故によつて爆破したものを合わせましても、一割に足らないという状態になつておるそうでありますが、はたしてそうであるか。しかも二十七年度まで効力を持つておるというのでありますから、先ほどの小委員会を開いて推進するということについて、全幅の賛意を表するのでありますが、この点をもう一度重ねて伺つておきたいと思います。
  45. 島田喜與三

    ○島田説明員 日本近海で敷設されました投下機雷の数は一万七百個であります。そのうちすでに掃海処分、船舶の触雷、誘爆、自爆、過つて陸上へ落したものを日本掃海隊で処分したもの、米海軍で処分した七十六個を加えて、約五千個現在までに処分しております。ですから、あと残つておるのは、五千個で、ある一地域におきましては、状況によつては処分数と敷設数の比率が数パーセントにしかならないという所も出て来るかもしれませんが、日本近海全般にわたりましては、今の半数が処分されておるわけであります。その五千個のうち約四千個が、いわゆる船舶航行の際、能力を失つて自分から爆発しておる。結局船が上を通つて磁気を感じて爆発する機雷は、日本近海には約千個余り現在あるだろうと想像されることになります。
  46. 川端佳夫

    ○川端委員 私のお尋ねするのは瀬戸内海の関係でございます。日本近海のことじやないのであります。瀬戸内海の事情を……。
  47. 稻垣次郎

    ○稻垣政府委員 一万七百箇のうちで、大部分が瀬戸内でございます。日本方面の各港その他は、その数から言いますと非常に少うございます。大体瀬戸内が大部分である、こうお考えになつていいと思います。
  48. 石原圓吉

    石原委員長 ただいま設置されました荒廃漁場復旧に関する小委員会に関しでお諮りいたします。  小委員の数は十名とし、小委員及び小委員長委員長において指名いたすことに御異議ありませんか。
  49. 石原圓吉

    石原委員長 異議なしと認めます。そのように決します。     —————————————
  50. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 数日前から大蔵大臣に水産常任委員会出席方を求めていたのであります。しかし大臣は非常にお忙しい、大臣の出席の御都合のついたときに当委員会を開こうじやないかということもあわせて申入れしておるはずであります。きようの委員会出席があるだろうと存じておりましたが、柿沼事務官がお見えになつたのでありますけれども、私は水産金融を担当しておる立場として、ほとんど軽視されておる水産の金融ということについて、大蔵大臣から現在及び将来に対するお考えを承り、根本策を講じたい。こういう考え方でありますので、柿沼事務官がせつかく御出席になつたのでありますけれども、私の質問に対して、あまり問題が大きいので、十分に責任のある御答弁を承ることは、おそらくできないだろうと存じますので、保留いたします。私は水産金融の軽視ということを申し上げましたが、これまで政府の政策のうちにも、水産ということはほとんど織り込んでおらぬ。ここ数日間の日本銀行支店長会議で、きようの新聞で見ましたが、三陸沿岸水産加工業者が、地区内で四千の工場のうち、千百の程度しか操業しておらぬということが報告になつておるようでありますが、それがこの一部を物語るものであつて、全体の日本水産は、この金融の打開策がないために、おそらく私の考えでは、日本の各業界のうちで、最も疲弊し、最も困憊しておるのは水産であろうと思いますけれども、世論の力と申しましようか、政府がこれを十分にとり入れると熱意を持つておらぬということであります。それがこの水産委員会出席を求めても、出席ができないということであります。前の愛知銀行局長は、しばしば当委員会にお見えになつていろいろ説明を伺つておりますけれども、今度の舟山銀行局長はまだ一回も委員会にはお見えになつておらぬ。私敬意を表する意味も含めて、舟山銀行局長にこの間お会いしたのであります。たいへん親切な話もありましたけれども委員会委員会としての権威があります。委員会出席を求められて銀行当局がなぜ出席しないのか、なぜ隠れるのか、これを私は問題にするのであります。数回にわたつて委員会に大臣の御都合のいいときに会議を開くからという下手から出た、敬意を拂つた措置に対して、なお顧みずしてどなたもお見えにならぬということに対して、私は遺憾の意を表します。よつて本日の委員会において、委員会の名によつてこの問題に対しては警告を発したいと思います。この問題に対して委員長はどのようなおとりはからいをもつて、この解決策を講じようとお考えになつておるかを、お伺いしたいのであります。
  51. 石原圓吉

    石原委員長 委員長におきましては、数日前よりしばしば大蔵大臣並びに銀行局長の出席を求めておるのでありまして、予算成立直後から再三要求をしておるわけであります。しかるに病気であるとか、向うさんの方に行つておるとか、いろんなことで実現しないのであります。よつて委員長は議長を通じて出席を求めたい。こう考えております。月曜日に出席することを議長を通じて書面をもつて要求したいと考えております。以上のとりはからいで御了承を願いたいと思います。  なおこの際報告をいたしておきます。かねて六大都市の魚市場におきましては、手数料の値上げの問題がかなりやかましく言われておるようでありまするが、それに対しまして、生産地の各地より反対を表明するところの電報が多数に参つておるのであります。電文は魚市場の手数料値上げ絶対反対すという趣旨のものであつて、電文は省略しますが、山口県さばきんちやく網組合、佐賀県遠洋漁業魚類出荷組合、日本遠洋底びき網唐津支部、長崎県底びき業者一同、下関底びき網協会総会議長清藤太郎氏等から、さような電報が昨日から続々参るわけであります。この際御報告を申し上げておきます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十九分散会