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1950-02-24 第7回国会 衆議院 水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十四日(金曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長代理理事 鈴木 善幸君    理事 川村善八郎君 理事 夏堀源三郎君    理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君    理事 早川  崇君       小高 熹郎君    川端 佳夫君       田口長治郎君    田渕 光一君       玉置 信一君    冨永格五郎君       永田  節君    福田 喜東君       長谷川四郎君    井之口政雄君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)     松任谷健太郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         経済課長)   久宗  高君         專  門  員 齋藤 一郎君     ————————————— 二月二十三日  委員江田斗米吉君辞任につき、その補欠として  平井義一君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  平井義一君が理事補欠当選した。     ————————————— 二月二十一日  漁業法の一部を改正する法律案田渕光一君外  十二名提出衆法第三号) 同月二十日  底びき網漁業許可に関する請願塩田賀四郎君  紹介)(第八七九号)  日本海区水産研究所の位置を七尾市から兵庫県  に変更の請願佐々木盛雄紹介)(第九三四  号) 同月二十三日  北洋漁業再開に関する請願外一件(山口武秀君  外三名紹介)(第九八〇号)  岩手県の水産用燃油割当量増加に関する請願(  鈴木善幸紹介)(第九九一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  小委員補欠選任に関する件  漁業法の一部を改正する法律案田渕光一君外  二十名提出衆法第三号)  漁船並びに水産資材に関する件     —————————————
  2. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 これより会議を開きます。  委員長に都合がありますので、その指名によりまして、私が委員長の職務を代行いたします。  この際御報告申し上げます。昨二十三日江田斗米吉君が委員を辞任され、その補欠として平井義一君が同日議長指名により委員に選任されました。  去る九日及び昨二十三日の異動により、理事が一名欠員となつておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは互選の手続を省略し、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 御異議なしと認め、それでは平井義一君を理事指名いたします。  なお右の異動により、漁業制度に関する小委員漁港に関する小委員水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員がそれぞれ一名ずつ欠員となつておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 異議なしと認め、平井義一君を漁業制度に関する小委員漁港に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員指名いたします。     —————————————
  5. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 それでは去る二十一日に本委員会に付託になりました、漁業法の一部を改正する法律案田渕光一君外二十名提出衆法第三号を議題として審議に入ります。まず提出者田渕光一君より提案理由説明を求めます。
  6. 田渕光一

    田渕委員 ただいま議題となりました、漁業法の一部を改正する法律案につき、その提案理由を申し上げます。なお内容の詳細につきましては、早川委員より補充を願いたいのでありますが、大体その大綱を簡單に申し上げます。  一つ、瀬戸内海とは豊予、下関、鳴門、紀淡の四つ海峽により囲まれたる海面をいうものでありまして、紀伊水道は事実外洋性水域であることは、両海区の專用漁業権内容に大なる差異のあること、及び豊後水道が内海海区より除かれていることによりまして明瞭であります。二つ、魚族繁殖保護及び漁業調整につきましては、紀伊水道瀬戸内海とを分離いたしましても、こうもその施行ないし実効に何らその支障を来さないのであります。三つ、入会関係につきましては、純内海のごとき複雑性は全然認めず、現に関係府県において円満に調整できている今日であります。四つ外洋性紀伊水道と純内海とは、漁業実態海況状況が根本的に相違しておりまして、この二海区を同一調整委員会管下に置き、別段これと深き関係なき内海府県代表者により構成された委員会の指示を強要されることは、漁業制度改革基本目的たる真の漁業民主化に逆行するのみならず、和歌山徳島両県及びこの海区における漁業者生産能率を極度に減退せしめる矛盾があるのであります。これが理由であります。  まずその要点を申し上げますれば、一、瀬戸内海区域より紀伊水道、すなわち和歌山県田倉崎から兵庫淡路島生石崎及び徳島大磯崎より、兵庫淡路島潮崎を結ぶ直線、及びこれが陸岸に囲まれたる海面を除くことを要求いたします。二、その除きたる紀伊水道には、和歌山徳島兵庫の三県と主務大臣の選定する者より構成される紀伊水道海連合漁業調整委員会を常置すること。三、瀬戸内海連合海漁業調整委員会紀伊水道海連合漁業調整委員会は、ともに対等の立場において、繁殖保護漁業調整の相互の調和をはかることにいたしたいのであります。  ここに簡單でありますが、本案提出するまでに至りました経過を御参考までに申し上げます。本問題は、紀伊水道全体関係漁民の一致した要望でありまして、本案が少くとも今日まで放置されたという原因はわからないのであります。すなわち、過る明治四十三年旧漁業法制定以来四十二年間というものを、この省令一本で内海に包括されておつたのであります。絶えず現地におきましては紛議をかもし、従来の業者の苦痛、困苦を見るに忍びないものがあるのでありまして、常に業者間では論議の中心となつたのであります。つとに解決さるべきこういう重大問題が、まことに政治の貧困と、かつて政府の施策の無能と、内海特殊県の彈圧によつて、今日まで放置遷延せられて来たと思うのであります。衆参両院に対しましては、昭和二十三年十一月、同二十四年三月及び九月の三回にわたり、紀伊水道瀬戸内海海区より除外してくれという請願を出しております。また数十回に及ぶ関係業者あるいは関係者上京陳情の結果、この請願は採択されておるのであります。また衆議院水産常任委員会は、昨二十四年九月及び十一月の再度にわたり、関係府県現地調査を行われ、その都度現地において関係業者学識経験者たち公聴会を開き、意見はすでに盡きておるのであります。その結果本委員会は、この陳情改正要点を可とし、全員一致を見たのでありますが、第六国会の会期の関係によりまして、遺憾ながら結果を見ず、政府原案をそのままのむという状態であつたのであります。この漁業改正要望こそは、業者の半世紀にわたる紀伊水道実態と自然を無視したるところの規則によつて拘束せられた和歌山県、徳島県の漁民による、真に漁業合理化自主性確立のための願望でありますから、以上の法案提出した次第でございます。  以上一部を改正する本法案提案理由簡單に申し上げましたが、どうか皆様方愼重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたす次第でございます。
  7. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 提案者田渕委員より提案理由の御説明があつたわけでありますが、これに対しまして委員各位より御質疑がありますれば、この際御質疑を願いたいと思います。
  8. 松田鐵藏

    松田委員 私は今日の民主主義議会における最も重要なる点は、多数の者の横暴及び権力を排除するということに、最も深い重点を置いて行かなければならないのでなかろうかと考えるものであります。そこでこの紀伊水道の問題が議論となり、私ども実地調査をしたものであります。その当時におけるあの海区の状況を見るときにおいて、私ども今日議員として国政に参與しておりまするが、自分の職業は漁業であります。しかも今までこの国会に席を置くまでの間、みずから漁業を営み、みずからその海区の問題及びいろいろな問題を自分体験、また常業の上からこれを実行に移して来ておつたのであります。その体験から行きましても、あの紀伊水道の問題は、今まで何のために徳島県と和歌山県が声を大にしてこの海区を守り得なかつたかということに、非常な疑問を抱いたものであります。瀬戸内海状況紀伊水道の海区の状況は、現実の問題として非常にかわつておるところであり、われわれが漁業法案審議するときにあたつて、その内容をも申し上げて、徳島和歌山の主張が是なりと信じておつたのであります。またわれわれの実地調査からいつても、そうあるべきであるというかたい決心を持つたものであります。そもそもあの海区の最も論点となるものは、紀伊水道の海区の中におる魚族瀬戸内海に入つて行つて瀬戸内海に産卵をするのである。そうしてまた冬になれば沖に出て行くために、あの海区を通る重要な所であるという論拠であつたのでありますが、その考え方はその通りだとは思いまするが、現にわれわれの調査のときにおける海洋の色の瀬戸内海とのかわり方、及び潮流の流れ方、これらは瀬戸内海紀伊海区との著しい差のあるところであつて、魚はその時の情勢によつて移動することは自然の理でありまするが、この海区に面しておる徳島県と和歌山県が、何ゆえにあの海区を自分らの手で守ることできずして、瀬戸内海の横暴なる底びき業者に濫獲されておつたかということであります。また大阪湾から出漁しておる打瀬網に動力をつけた機船が、これを縦横無人に操業しておつた実態を見るときにおいて、あそこの漁民すなわち県民は、どういうわけで今までこれを放置しておつたか。自己の生命、個人の財産を守るために、この問題はいま少し積極的に運動を確立しなければならなかつたのじやなかろうかという意味で、私はあそこの両県民に対してむしろ同情の考えを持つたのであります。私どもはかような考え方から行きましても、あの両県及び兵庫県の一部の漁民は、しつかりと自分の海区を守り、そこに繁殖保護をして行つてこそ、初めて漁民の生計が成立つものでなかろうかと考えるものでありまして、田淵君の提出されている本法案に対しては、全面的に賛成するものであります。
  9. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいま議題となつておりまする漁業法中一部改正法律案につきましては事きわめて重大でありますので、これが愼重審議を期し違算なからしむるために、これを小委員会に移して検討審議されるようお願いします。
  10. 松田鐵藏

    松田委員 ただいま玉置委員から動議がありましたが、委員長にお尋ねいたしまするが、この問題は漁業法制定のときにあたつて委員会も可決しておることだと私は考えておるのでありまするが、この法案田淵君から出たために、またあらためて小委員会をつくつてやるというお考えであるか、もう結論が出ておつたのでなかろうかと存じまするが、念のためにお伺いいたします。
  11. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 玉置委員より、本法案漁業制度に関する小委員会に移して愼重審議すべしという御意見があり、また松田委員よりは、本改正案は第六国会において漁業法審議の際に小委員会においても十分審議を盡した問題であるから、それを省略いたしたいとの御意見があつたのでありますが、委員長といたしましては、田渕委員の御提出になわました改正案は、日の御岬、蒲生田岬の線を撤廃しております点に、第六国会の小委員会修正案と相違する点があるわけであります。この点がございますので、この際各委員にお諮りいたしまして、小委員会のかつて修正案田渕委員の御提案とをいかに調整するかという問題を、小委員会で一度御相談いたしたいと存じます。そこで玉置委員よりの御発言通りに、この法案の取扱いにつきましては、その審議漁業制度に関する小委員会に移しまして、小委員会におきまして十分審議をお願いしたい、こう存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 田渕光一

    田渕委員 その前に関連いたしまして——実はこの法案司令部の方に参りますときに、前に森農林大臣に私直接伺つたのでありますが、大臣はこの紀伊水道外洋性と認めるかどうかはつきりあなたの常識からひとつ伺いたいと尋ねましたときに、あれはりつぱな外洋性だ、紀伊水道は確立しているのだというお話を伺いました。漏れ聞くところによりますと、久宗課長司令部の方に行かれたときに、どうも外洋性ではないというようにおつしやつたということを私ども聞いておるのであります。私タッチしておりませんからはつきり存じませんが、課長はいかなる所存でおられるか。少くとも所管大臣が、そう認めておるものを、課長がそういうことをおつしやるということは、とかく農林行政事務官僚に対する非難があるときに、大臣課長食い違いがあることはどういうことか。かようなことを小委員会開催の前に、はつきり伺いたいのであります。
  13. 久宗高

    久宗説明員 お答えいたします。第六国会の際に、やはりこの紀伊水道の問題が出まして、これにつきましては、大臣に現在私どもの持つております資料から、現在ああいうふうに規定しております理由につきまして、十分御説明してあるわけであります。その後どういうお話があつたかは私は聞いておりませんが、第六国会の際はそういうことになつております。さらに司令部関係でございますが、ガバメント・セクシヨンに法案が出ますと、必ず主管の部局に法案がまわつて参るわけであります。その際に事務当局の方から、この法案がこの形で出ておりますので、それとの食い違いがどこにあるかとのお尋ねが必ずあるのでありまして、その際特に先方からもお話があり、私どもの方も第六国会に御説明した通り内容を申し上げたのでありますが、この問題は純然たる国内問題であるということは、はつきりいたしておつたと思います。
  14. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 それでは小委員会に移すことに御異議ないようでありますから、さよう取扱いたいと存じます。
  15. 早川崇

    早川委員 先ほど小委員長お話で、この一部改正法律案と前の小委員会決定と若干食い違つておるというお話でありましたので、ちよつと補足的に提案者の一人として、御説明したい点は、この法案においては、ただはずすというだけになつておりますが、百五條では、この主務大臣が必要があると認めるときは、連合調整委員会をつくることを命ずることができるという規定を生かすならば、あの紀伊水道地区和歌山徳島兵庫連合調整委員会をつくり得るのであります。しかもその区域をその調整委員会紀伊水道というものを限つて調整委員会をつくることができる。さらに瀬戸内海漁業調整委員会との大きい連合会をもつくり得る権限が明瞭に規定されておるわけであります。従つて前の小委員会決定では、法律にその紀伊水道調整委員会を常置すると明記するわけでありますが、これは百五條によつて目的を達せられる。こう判断したことが違つておりますので、この点ただ外洋性で離してしまつて外洋性とまつたく同じだという趣旨ではありませんので、この点小委員会において審議の際に御参考にしていただきたいと思うのであります。     —————————————
  16. 松田鐵藏

    松田委員 資材の問題でありますが、一部御報告を申し上げたいと存ずるものであります。かねて当委員会といたしまして非常に問題となりました綿糸の問題、マニラの問題が、水産庁当局のいろいろなお骨折りによりまして、綿網に対する補給金の問題は十一万何千玉という数によつて妥結を見たのでありまして、また麻の問題につきましては、三百二十万ポンドに補給金を出すことによつてこの問題の妥結を見たのでありまして、水産庁及び安本との了解が成立いたしたのであります。但し綿網の数字的な割振り及び麻の在庫の割振り決定するのに詳細な調書が必要なので、その数字は来週の火曜日あたりまでに全部決定する。かようなところまで行きましたのでありまして、この点水産当局に対する感謝の意を表すると同時に、皆様に御報告を申し上げておきたいと思います。
  17. 林好次

    ○林(好)委員 ちよつと松田委員にお伺いしたいですが、先般の小委員会のときのお話は、大体マニラ製品の一億六千万円の補給金が残つているのを、それを綿糸の方に振り向ける。それが大体十一万何千玉でありまして、さらに四百三十万ポンドのマニラの方から八十万ポンドを振り向ければ二十万玉の現在の綿糸不足分が大体補充できるんだというようなお話でありましたが、ただいまの説明から参りますと、若干そこに食い違いがあるように思いますが、この点を松田委員からもう一回御説明を願いたいと思います。
  18. 松田鐵藏

    松田委員 この前に申し上げたことは、一億六千万円の麻に対する補給金が残つていることと、それから約二十万玉に対する補給金が二億になるのである。ゆえに一億六千万円という金額と麻から八十万ポンドで四千万円になる。ゆえに二億というものが生れ出るので、二十万玉というものがそこで補給金がつくように水産庁からの説明であつたのであります。ところが事実においてその後の調査がさように行かないようになつてつたのであります。ところがその説明の度合いがかわつてつたので、八万五千玉というものが含まれて——第四、四半期ですか、これが含まれて二十万玉ということになるのであつて、それはもともと補給金がついているので、計算はそれが行つて約二十万玉ということになるので、これはもう補給金の問題のないものである。ゆえにほんとうのところは十一万幾らだ、これが今までのごたごたの問題であつた、かように承つておるのであります。そういうようなことで奥村委員冨永委員と三人で行つて、この問題は大体この程度で妥結するように言つて参りましたので、御報告申し上げておきます。
  19. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 他に御発言はありませんか。——別に御発言がないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時二十一分散会