○飯山
政府委員 ただいま
委員長から刻下の最も重大な事柄である協同組合連合会その他
団体に対する金融政策としてどういうものを
考えておるか、こういうお尋ねでありますので、お答えいたしたいと思います。昨年第七国会開会の際に、
田口委員から預金部資金とエイド資金の
二つを、休会中に何とか目鼻をつけてほしい、こういう御要望がありました。これは今の問題とも関連いたしますことで、ごもつともの御要求であ
つたので、私どもはその後休会中、このエイド資金並びに預金部資金の運営に関しまして、大蔵
当局並びに安本
方面と
折衝いたしたのでありますが、預金部資金は、愛知銀行局長の話で何とか
考えられるであろうというような
お話がここであ
つたのであります。私どももその線に浩
つて、いろいろ御相談しましたが、預金部の資金はやはり現在きめられている用途以上にいかぬというような話で、遺憾ながらそれはできなかつた。エイド資金につきましては、企業
関係と組合
関係というものを二本建にいたしまして、できるだけわれわれはこの企業と同様もしくは以上に組合
関係の金融にこれを向けてもらうというような
考えを立てまして
折衝いたしたのでありますが、ただいま未客員長のお言葉の中に、大
漁業いわゆる資本
関係にはたくさんのものが行くようであるが、組合の方には何らそれがない、こういう
お話でありましたが、御
承知の通りエイド資金は、非常に審査がやかましいのであります。ずいぶん各産業について
日本銀行にも出ておりまするけれども、非常に審査をパスするものは少い。それは要するに回収の確実性と、それからその事業の有望性と申しますか、あるいは必要性と申しますか、そういう点をからんで非常に厳格な審査をされるために、組合の経営ということになりますると、どうもそこに当てはまりにくいのであります。しかしながらわれわれとしては、いまなお安本の方にその線で
折衝を続けておるのでありますが、どうしても現在のようなエイド資金及び預金部資金というようなものを当てにしてお
つたのでは、今
お話の通り急場の間に合わないのであります。それで昨年末にも中央金庫に
折衝いたしまして、何とかつなぎ的な
団体の資金の
方法を講じてほしい。その際に
折衝の過程におきましては、
漁業法の施行も近くあるのであるし、これが実施された場合には、二十七年産からは大体十何億かの補償金の返済をする、こういうことにな
つておりまするので、この二十五、二十六の二箇年の間にこの補償金を見返りと申しますか、先づけになりますけれども、何とかこれを一部でも組合
関係の資金に融通する道をつけてほしいということを相談しておるのでありまするが、これは今までそういう例がないし、なかなかむずかしい問題であるが、しかし国家が将来補償するということが法律に定められておるのでありまするから、その返済をするということについては、最も確実性を持
つておるというので、将来の
漁業証券を――担保にはなりませんが、何かそれをつなぎ的に
考えていただきたいというので、この問題は今も話を進めておるのであります。中金の方では御津知の通り、これは組合
関係の資金機関でありますので、ただいま二十七億全国に出ておるそうであります。そしてその大半は組合
関係にな
つておるようであります。しかし、これは年末でありましたが、預金がわずかに八千万円というようなことでは、これ以上は非常に困難だ、こういうことで今度増資される、四億を八億にされるという
法案がいずれ出ることと思いまするが、その際に何とかして一億くらいは増資の分を持
つてもらうようにしないと、これ以上の資金の融通は困難であるというようなことで、私どもは中金と協力いたしまして、休会中に各ブロツクに貯蓄増強運動――この困
つているときに貯蓄増強ということはいかにも話が合わぬようでありますけれども、しかしここに融資を受けるという前提がある以上、そこに多少のむりをしてもとに
かく漁のいいような場合には、大漁貯金というような名称のもとに貯蓄をしていただく、しかしそれは預けておく余裕はもちろんないのでありまするから、それを見返りに融資を受ける、あるいは何倍かの融資を受けるというようなふうに持
つて行かなければならぬということでや
つておりますが、そういう
方法で、具体的に今幾ら
団体に行くかというようなところまでは行
つておりません。しかし何とい
つても今エイド資金と預金部資金は、そういうことで
団体に直接向けるということは非常にむずかしいのでありますから、われわれといたしましては、今のような貯金を通じて、この補償証券を何とか先づけの担保というようなことで融資を求めるということが、現在としては具体的な
方法として取上げられておるわけであります。
それから今の、協同組合の連合会がせつ
かく組織されてもそれが運営できないということは、私どももまつたく同感でありまして、これを打開しない限りは制度の実施も効を奏し得ないということにはまつたく同感であります。しかし今のように制度の実施がまだ三月ということを控えておりますので、これが実現するにいたしましても、今ただちにここで証券を見返りとして何がしかを出すということはできません。こういう
事情でありまするので、
委員長の御要望である
具体策については、今ここに具体的に申し上げる材料を持
つておりません。しかしながらこれは私どもとしましては、できるだけそういう
方法で行くよりほかに現在道がありません。それでその間に私どもは、中小企業庁の、中小企業の方は割合に短期の資金の融通が、新聞でも御案内の通り講ぜられましたので、その
方面に中小企業の範囲内において、
漁業もしくは水産加工業というようなものをできるだけ利用する。これは一部利用されたものもあります。また一部利用しようとしているものもあります。現在としては
水産庁としまして、ここに具体的な資金の実行案というものを立てておりません。結局中金によ
つて団体の強化をはかるという以外には現在としては
方法がないのであります。ただエイド資金の中に、北海道におきまして高度利用の施設を組合において行うというような御計画もありまするので、これについては目下安本とせつ
かく交渉中であります。具体的の案としては、その北海道における高度利用に関する施設を、組合において行うという面においエイド資金を極力要請すると、こういう
実情であります。