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1949-12-20 第7回国会 衆議院 水産委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十日(火曜日)     午後一時三十四分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 夏堀源三郎君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君 理事 中西伊之助君    理事 早川  崇君       小高 熹郎君    田口長治郎君       田渕 光一君    玉置 信一君       冨永格五郎君    井之口政雄君       奧村又十郎君    水野彦治郎君       中原 健次君  出席政府委員         水産庁長官   飯山 太平君  委員外出席者         専  門  員 小安 正三君         専  門  員 齋藤 一郎君 十二月十九日  委員奧村又十郎辞任につき、その補欠として  山崎岩男君が議長指名委員選任された。 同月二十日  委員山崎岩男辞任につき、その補欠として奧  村又十郎君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  水産行政に関する件     —————————————
  2. 石原圓吉

    石原委員長 これより会議を開きます。  日程第一の小委員及び小委員長選任の件を議題といたします。小委員及び小委員長選任をいたします前に、小委員会設置についてでありますが、去る十七日本委員会におきましては、議長承認を得ました国政調査承認要求書に基き、その調査のため九つの小委員会設置をみたのでありますが、その後なお理事会において種々検討の結果、これは前国会の例もあり、非常に多ずぎるように思われ、委員会の運営上にも種々困難を伴いますのでもこれら九つ委員会をそれぞれ勘案圧縮いたしまして、重点的に合併できるものは合併して、五つぐらいにこれをまとめ、小委員会の審査に慎重を期し、かつ充実させるが至当と認められますので、この際午前の理事会において協議いたしまして決定いたしましたように、水産金融漁業災害補償一緒にして、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員会水産協同組合漁業制度水産資源維持を一括して、漁業制度に関する小委員会漁船関係水産資源問題をまとめまして漁船並びに水産資源に関する小委員会水産物集荷配給の問題と水産貿易を合せて、水産物集荷並びに水産貿易に関する小委員会、さらに漁港に関する小委員会五つの小委員会設置することに決定いたしたのでありますが、この際委員各位にお諮りいたします。この理事会決定通り委員会設置するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認め、理事会決定通り、十七日設置しました小委員会をそれぞれ合併いたしましてあらためて  一、水産金融並びに漁業災害補填に   関する小委員会  二、漁業制度に関する小委員会  三、漁港に関する小委員会  四、水産物集荷並びに水産貿易に関   する小委員会  五、漁船並びに水産費材に関する小   委員会五つの小委員会設置することに決定しました。  次に各小委員及び各小委員長選任を行いますが、その方法はいかがいたしましようか。
  4. 林好次

    ○林(好)委員 緊急動議提出いたします。各小委員及び小委員長選任につきましては、委員長におかれまして指名せられんことを望みます。
  5. 石原圓吉

    石原委員長 ただいまの林君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認め委員長より指名いたします。まず  一、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員として   小高 熹郎君  川端 佳夫君   川村善八郎君  田口長治郎君   田渕 光一君  坂本  貴君   鈴木 善幸君  玉置  信君   冨永格五郎君  夏堀源三郎君   松田 鐵藏君  林  好次君   長谷川四郎君  中西伊之助君   小松 勇次君  岡田 勢一君   水野彦治郎君  中原 健次君   足立 梅市君  小委員長としては夏堀源三郎君を指名いたします。  二、漁業制度に関する小委員として、   小高 熹郎君  川端 佳夫君   川村善八郎君  鈴木 善幸君   田口長治郎君  田渕 光一君   玉置 信一君  冨永格五郎君   永田  節君  夏堀源三郎君   平井 義一君  松田 鐵藏君   佐竹 新市君  千葉 三郎君   材  好次君  井之口政雄君   小松 勇次君  山崎 岩男君   早川  崇君  小委員長としては鈴木善幸君を指名いたします。  三、漁港に関する小委員として、   小高 熹郎君  川端 佳夫君   川村華八郎君  鈴木 善幸君   高木 松吉君  田口長治郎君   田渕 光一君  玉置 信一君   冨永格五郎君  夏堀源三郎君   平井 義一君  松田 鐵藏君   佐竹 新市君  林  好次君   印西伊之助君  小松 勇次君   早川  崇君  中原 健次君  小委員長としては川村善八郎君を指名いたします。  四、水産物集荷配給並びに水産貿易に関する委員として   小高 熹郎君  川村善八郎君   五島 秀次君  鈴木 善幸君   田口長治郎君  田渕 光一君   玉置 信一君  冨永格五郎君   永田  節君  夏堀源三郎君   二階堂 進君  平井 義一君   松田 鐵藏君  林  好次君   長谷川四郎君  中西伊之助君   小松 勇次君  水野彦治郎君  この小委員長として冨永格五郎君を指名いたします。  五、漁船並びに水産資材に関する小委員として   小高 熹郎君  川村善八郎君   玉島 秀次君  鈴木 善幸君   高木 松吉君  田口長治郎君   田渕 光一君  夏堀源三郎君   冨永格五郎君  夏堀源三郎君   二階堂 進君  松田 鐵藏君   林  好次君  井之口政雄君   山崎 岩男君  小松 勇次君   岡田 勢一君  足立 権市君  この小委員長として松田鐵藏君をそれぞれ指名いたします。
  7. 石原圓吉

    石原委員長 次に日程第二の水産行政に関する件を議題といたします。ちようど水産庁長官が御出席になつておりますので、ます委員長よりお伺いいたします。  今七回国会において、政府側より水産資源維持に関する法案漁港に関する法案漁船に関する法案水産協同組合法の一部改正及び中央卸市場に関する法案等提出が強く要望されるのでありますが、この際長官にこれらに関して、内容その他提出確実性等についてお伺いいたしたいと思います。
  8. 飯山太平

    飯山政府委員 ただいま委員長から、今国会提出すべき水産庁提案についてお尋ねがあつたのでありますが、そのお尋ねの中に漁港ということがありました。この方は現在水産庁といたしましてはまだ提出考えはできておりません。これは先国会から衆議院議員提出として出していただくように伺つてつたのでありますが、今国会におきましても、漁港法案に関しましては、できますならば衆議院議員提出というようなことでおとりはからいが願えればまことに仕合せだと存じます。現在水産庁として準備をいたしておるものは、大体今国会提出すべき法律案は十二月中に整理をいたしまして、一月中に提案をするものでなければならぬ、こういうことに大体政府としては相なつております。従つて一月中に提出せざるものは今国会には提出しない、こういうことに相なると思うのであります。  現在水産庁として考えておりますのは、まず漁船法案であります。この漁船法案は年来の問題でもありますので、現在運輸省並びに保安庁と事務的に折衝いたしておりまして、これはぜひ今国会提出いたしたい、かように考えております。  それから水産協同組合法中の改正でありますが、この水産協同組合法につきましては、昨年の第四国会において成立いたします場合にも、漁業法との関連性において、適当ならざる点はその際に修正すべしというような御意見伺つてつたのであります。今回第六国会におきまして漁業法が幸い通過いたしましたので、いずれ三月上旬に実施運びに相なるかと思うのでありますが、そうなれば協同組合との関連性において、協同組合法の中に当然改正しなければならぬような問題が含まれておりますので、これをぜひ提出いたしたい。その内容簡單に申し上げますれば、法人加入の問題があるのであります。大体課税とか、いろいろな関係から、個人経営とほとんど同様の内容を持ちながら、法人経営をいたしているわけであります。その法人経営者はこの協同組合に入れないというようなことになつておりましたが、しかし中小企業関係商工協同組合におきましては、常時二百名以下の使用人の場合には法人加入をすでに認めております。水産業におきましても、個人とほとんど同様な法人が多数あるのでありますが、これはぜひ加入ができるようにいたしたい。この点が第一点であります。  第二点は役員の任期の問題があるのであります。これは前の通過の際にもいろいろ議論が出ているのでありまして二年を三年にする、こういう内容であります。  それから総代会、これが前には三分の二というようなことになつておりますが、これが漁村の実情から見まして非常に不適当である、総会がなかなか成立しにくいというような関係もありますので、十分の一以上というくらいにしなければならぬ、こういう点であります。  それからもう一つ沿岸利用の問題であります。たとえば協同組合協同陸揚げ荷役場あるいは倉庫であるとかというようなものを持つている場合、それを組合員利用に支障なくして、しかも他にこれを利用させることが、いろいろな面においてその地元の繁栄というようなことから必要があるのでありますが、これに制限がついております。この制限を解くという点であります。  それからもう一つ全国連合会の問題でありますが、これは私どもとしては、全国連合会が組織されるようにいたしたいというので、原案の当時から折衝したのでありますが、これがなかなか認められないのであります。そこで、これも非常に困難とは思いますけれども、一応われわれとしてはその点にも触れて行きたい。それでただいまGHQとの交渉は、沿岸利用連合会については、実はまだなかなか難色があつて進んでおりませんが、その他の点は、大体今申し上げた点については、GHQの方で了承されているわけであります。なお今後提出までには、この問題とされている二点について一層努力して、なるべくこの要望が通るようにいたしたいかように考えております。  それから漁船保險の問題でありますが、これは実はGHQの方からの指示があるのであります。つまり各地に漁船組合というものが民間にあるのでありますが、その補助が正式にできないのでこれを補助するためにやはり法律を要するということで、向う指示があるのでありまして、これはぜひ提出いたしたい。  それかららつこ、おつとせい取締りでありますが、これは実は現在日本水産業から見ますれば、そう大した問題にはなつておらぬのでありますが、これは国際的関係がありまして、特に米国はらつこ、おつとせいの繁殖については非常な関心を持つておるのであります。これは国際條約が戰前にあつたのでありますが、日本はそれから脱退しておりますので、これをぜひとも法律をつくつて実施せよ、これは向う指示でありまして、出すことになつております。  それから資源維持というさつき委員長からお話がありましたが、この資源維持に関する資源枯渇防止法というものを提出いたしたい。これは目下法務庁折衝を続けています。補償の問題がありますので、なかなか折衝がはかどらないのでありますが、これもできるだけ早く今月中に整理をいたして、一月には出したい。  大体現在水産庁考えておりますのは、以上の通りであります。なお内容につきましては、じつは本日できるだけ草案をお示ししたいと思つて用意したのでありますが、当該者が出張したりしてまとまりませんので、これは御要求に応じて、担当の者も一緒に出まして、なお御意見も伺い、また御質問にもお答えして、できるだけ完全な法案として提出いたしたい、かように考えております。  それからもう一つは、水産庁設置法というものがありますが、これは御承知のように、漁業法が成立いたしましたので、これが実施になりますならば、相当水産庁事務の範囲が拡大されるのでございます。従つて現在の機構では十分にこれが官制化できかねますので、水産庁内部機構を変更いたしたい。しかし予算定員法というような関係もありますので、それを増加することはできませんから、極力配置転換というようなことによつて、その機能を発揮するような機構にいたしたいというので目下検討を加えておるような次第であります。これも漁業法の施行と伴うことなので、ぜひ出したい。ただいまのところこれだけを予定しておるのであります。これは一月中に出さなければならぬのでありますが、一月までにはまた御意見伺つて提出いたしたい、かように考えております。
  9. 川村善八郎

    川村委員 ただいま水産関係法案について、大体水産庁考えている三、四の内容について、これまでの経過長官から御説明がありましたが、漁港法については何ら今のところは考えておらぬということであります。漁港は申すまでもなく漁業にとつて、また漁船にとつては重要な役割をなすものであつて、これこそ一番先に法文化しなければならぬと考えております。今年御承知通り水産庁の方の予算、すなわち水産を主としたる漁港については、関係方面も相当重視して、予算も昨年より増額しておる。逆に運輸関係、いわゆる運輸交通を意味したところの漁港については、予算を削減されておるという実情であります。そして関係方面水産にかく重点を置いており、漁港が重要なことを認められておる以上は、水産常任委員といたしましては、一日も早く、この機会を逸することなく漁港法の制定を見てさらにこれに予算の裏づけがあるならば、計画通り漁港の修築ができることと相なるのであります。従いまして、もし他省との折衝、いわゆる事務折衝といいますか、これらについて円滑に行かないために、提案運びまでなつておらぬということでありますならば、一応いたし方ないといたしましても、少くともわれわれは、今通常国会において漁港法を取上げてでき得るならば、議員提出でもしたいという意向を持つておるのであります。大体そうしたような構想のもとに、いわゆる一つの案でもあるかどうかということをまずお伺いしたいのであります。
  10. 飯山太平

    飯山政府委員 川村委員漁港法案に対する御意見でありますが、もちろん漁港水産業基本條件、基盤であることは申すまでもないのであります。従いまして、この必要性については、いまさら私から申し上げるまでもないほど明確なのでありますが、この法案公案関係と非常に複雑な関係を持つておるということと、もう一つ法案をつくるとなりますれば、相当予算を大きく盛らなければならぬというような点も考えられるのであります。それでその点から前々国会におかれましても、委員各位が非常に盡粹されて、草案もでき上つているのであります。もしできますならば、われわれはその草案が将来法文化されるというようなことに相なるのが最も適切であろうと考えるのであります。もしこれが成立可能なれば、水産庁といたしましては、むしろ水産庁提案すべきであると思いますが、四囲のいろいろな情勢から見まして、できますならば、議員の方でおはからい願つた方が、その実現性か多いのではないか、こういうような考えのもとにおるわけであります。従いまして、常任委員におきまして、水産庁からぜひこの際提出すべきである、こういう皆様の御意見でありますならば、もちろん従来考えておつたことでありますので、これを立案することについては何ら異論はないのであります。しかし先ほど申し上げましたように、十二月中に整理して一月中にこれを提出しなければならない、その間に法制当局あるいはその他との関係がありますので、もし提出いたすとすれば、時間的にそういう点が考えられるのであります。しかし今申し上げましたように、常任委員の総意におきまして、水産庁から出す方が適切であろうということでありますならば、これは十分に考慮いたしたい、かように考えております。
  11. 川村善八郎

    川村委員 ただいま長官の御説明で大体の腹はわかつたのでありますが、本日の委員会におきましても、漁港だけは特に重要に取上げて、漁港に関する小委員会——あとは二、三合併されたのでありますけれども、單独に小委員会ができたのでありますから、われわれ常任委員会において、水産庁案になるか、あるいは議員の案になるかは知りませんけれども、一応水産庁がお考えなつ草案に基いて、われわれは十分研究いたしまして、でき得れば政府提案にしたいのでありますけれども、もし委員意見が一致します場合には、あるいは議員提出としての運びをいたしたいと思いますから、その草案を今度の小委員会提出くださることを要望いたしまして、私の質問を打切ります。
  12. 松田鐵藏

    松田委員 ただいまの川村委員の言われるように、漁港に関しては、農林省予算は昨年よりも多くの予算を組まれておりますが、運輸省関係漁港は言語に絶する苦労をしたのでありまして、ようやくその成果がきようあすのうちにわかるというところまで行つておるのであります。私も川村委員と同じ考えを持つておるものでありまするから、ひとつ水産庁においても善処を願いたいと思うのであります。  それから前の委員会で問題となつたのでありますが、水産庁において、長官を初め加工水産課長漁港課というような方々は、実に議会を重視してくださつて、あの港湾の予算をとるときも、前もつてわれわれにはかつて予算を獲得することができたのでありますが、資材課長言葉態度は実に議会軽視もはなはだしいのでありまして、水産に関する最も重要な資材の面で、われわれ委員会考え方と遠く隔りがあるのであります。かようなことではとうてい円滑な運営はでき得るものでないと考えるのであります。一言言えばGHQ指示である。また次になると業者と相談したのであると、答える言葉そのものも、一回目のと二回目がかわつて行くのであります。だから井之口委員からは、民主自由党の政策が悪いのであるというふうにきめつけられるのであります。ちよつと一例を申し上げますと、油の基本配給でありますが、これらに対しては、われわれは少しも相談を受けたことがなく、かつてにおやりになつたのであります。しかもその制度を改めることは、資材課長は一向に考えていないような口吻を漏らし、これが最上の方法であると言つておるのであります。長官方々から陳情を受けておるがごとく、現在は非常に混乱を来しておる実情でありまして、この点早く善処されんことをお願すると同時に、今後においては、議会軽視というような失態のないように、またそしりのないように、十分連絡してもらつて、われわれの政治的動きを十分活用していただきたい、かように考えるものでありまして、長官希望を申し上げておきます。
  13. 冨永格五郎

    冨永委員 ただいま松田委員からいろいろ述べられましたが、私が長官にお伺いしたいと思います問題は、中央卸売市場に関連して市場法案——名前はまだはつきりいたしておりませんが、そういう市場に関する法案が、ただいま水産庁方面において立案されておるように承つておるのであります。実際問題についてみまするに、私どもはこれに重大な関心を持たざるを得ない立場にある関係から、水産庁に出向きまして、関係課長を初め係員にいろいろただしましたが、いまだ意見らしい意見を承ることができないでおるのであります。もちろんまだ案が確定いたしておらないから、そういう結果になつておるのだろうとは思いますが、水産関係の新聞を見ますと、あるいは中央市場において座談会を開くとか、農林省関係の主催で、業者を招いて意見を聽取しておるというような事実もあるのであります。農林省並びに水産省業者関係に呼びかけて意見を聞くというところまで進んでおる問題を、どうして水産常任委員会にも意見を聽取する態度に出ないのかと、私どもは平素遺憾に考えておつたのでありますが、今期第七国会におきましては、これに関する小委員会も設けられたのでございますから、長官におかれても、この点特に留意せられまして関係方面との折衝過程であつて、非常に機密を要する問題は別でございますが、案の骨子、あるいはその方向、持つて行き方、考え方等につきまして、お諮り願えれば幸いだと考えます。希望を申し上げておきます。
  14. 飯山太平

    飯山政府委員 冨永委員の言われた中央卸売市場法案の問題でありますが、これはお説の通り常任委員会意向を十分尊重して行くべきが、当然でありまして、これまでのいろいろな不行届の点は、私長官としてこの際皆さんにおわび申し上げたいと思います。ことに民主的に行くということであれば、国民の大多数の代表であられる皆様意思国民全般意思であると、かように考えるべきことは当然でありますので、今後草案については、ただちに小委員会にもお諮りいたします。ただ経過を申し上げますと、現在水産物統制下にありまして、統制を全面的に解消された青果市場関係が主体でありましたので、一応農政局主管になつておるわけでございます。しかし実際の市場となりますれば、青果市場よりはむしろ水産物市場の方が国民生活に重大な関係を持つておりますので、私どもとしましては、水産物は別にして卸売市場法というものをつくりたい、こういう考えは持つておるのでありますが、いろいろ省内の事情もありまして、一応本国会には農政局主管のもとに提出する。しかしその案の水産の部分は、当然常任委員会にかけなければならぬものだと思つております。その草案というのも、実は案をつくつて相談したのではなく、案をつくるために業者関係の集合を求めたということは事実あるのであります。それらが大体こういう方向で行くべきだろうということになつたのであつて草案をつくつてから御相談申し上げようというふうに考えたわけでありますけれども、最初において御相談いたした方がよりいい案をつくり得るということはお説の通りでありまして、小委員会開催の際には、資材課長も同行いたしまして詳細に御報告申し上げ、また御審議を願いたい、かように考えております。  先ほど委員長からの中央卸売市場に関する質問を失念いたしましたのでその点あしからず……
  15. 小高熹郎

    小高委員 水産行政を語る場合、水産教育というものが大きく取上げられなければならないのでございますが、先ほど委員長指名せられました小委員会及び委員会のうちに、水産教育という面が織り込まれておらないということを非常に遺憾に思うのでございます。昭和二十五年へのわれわれの期待は何ぞやと言うならば、それは講和條約をすみやかに締結してもらいたい。そして民主的文化国家としての日本の存在を国際的に認めてもらいたい。この考え方は、けだし全国民をあげての希望であろうと思うのでございます。さような際に先般農地法が施行せられ、また労働法が制定されまして今次成立いたしました漁業法、この三つのきわめて民主化を標榜したる法律案ができた以上、この三本の足の上に立つて日本がほんとうに国際的に民主国家として認められる日のいよいよ近きことを、私ども希望するとともに、その線に向つて強く歩を進めなければならないと思うのでございます。かような際に、講和條約が締結されましたならば、一体わが国の国民中どの業種が、どの職業に携つておる者が、一番諸外国人との接触が早いのかということに相なりますとき、農業人が船に乗つて外国へ上陸するには、ちよつと間がございましよう。また工業人が、一部の技術家及び指導者を除いては、そう簡單外国の土地に上陸して行くということも困難でございましよう。そういうことを考えますとき、水産人講和條約が締結されると同時に、ただちにカリフォルニアの沿岸に上陸するでありましよう。あるいはメキシコへ行くでありましよう。濠州へ行くでありましよう。ミッドウェーへ行くでありましよう。こういうことを考えますとき、日本は過去における戰争の償いをしなければならない。また償いとともに国際信義をいよいよ高めて、そして今までの日本の立場と今後のわが国の立場とは違うのだということを、名実ともに明らかにしなけれにならないと思うのでございます。さような際に、過去におけるわが国の移民史あるいは外交史をひもともとならば、そこに排日あり侮日あり、日本人は排斥されておる事実か幾多あるのでございます。その事実をさらに探求いたしますならば、そこに水産人がわが国の品格を下げた。教養の低い教育程度の低い水産人が、船に乗つて外国へ出向く。そして内地における感覚でふるまつた結果、日本人信ずるに足らずというようなそしりを受けたことは、国際的に日本人の品位を落しておつたのではないか。新しき世界観に立脚して、そしてほんとうにこの国を建て直して行かなければならないということを考えますとき、そこに水産業の重要性を、今こそ強度に認識して行かなければならないという必要性を感ずるのでございます。その意味におきまして、今から足踏みをして訓練をしておくということが必要なのでございますが、政府において、ことに遠洋漁業者に関する漁区は、やがて第三次の拡張も許されるかもしれません。そういう連合国の、ことにヘリントン氏を中心とされる漁業部の方々が、わが国に対して非常に好意を寄せておつてくださるので、その好意にこたえるためには、漁区拡張と相まつて、それに沿うところの水産人をつくつて行かなければならない。これに対して再教育というか、教育というより訓練をしなければいけないと思うのでございますが、この方法に対して政府はいかがお考えに相なつておるか。水産業を提唱する場合に二つの道があろうと思うのであります。一つはこれから生れ出でんとする漁業青少年の教育をどうするか、水産教育の場合には、初等教育に水産教育の面をどう盛り上げるか。それから中等教育、また水産高等学校の教育、これらの段階が考えられるのでありますが、この面に向けて水産高等学校等へ入れない者に対しては、政府はどう助成して行くかということを、一応今から考えなければならないと思うのでございます。高等学校へは行きたくともなかなか行けない、これをどう手を打つて高等水産教育を受けさせるように仕向けるかということが一つと、いま一つは、すでに齢四十になり、五十になり、あるいは六十になつて、いまさら水産学校へも入れないという現在の漁業従事者に対して、即効薬的の漁業教育と言うよりも、むしろ訓練と言つた方が適当であろうと思いますが、この教育訓練をどういたすか、この二つの教育の指針を明らかにしなければ、水産日本を代表する水産人として、国際的に雄飛することはできません。こういうことを考えてそれからそれへと掘り下げて考えますとき、もし水産教育の完璧が期し得られないとするならば、講和條約がかりに締結されたとしても、海の面についてはある程度の制約を與えられやしないか。かような程度の低い国民の跳梁をたくましくさせては、いかぬということに相なりはしないかということを考えますと、これは日本国の問題として、水産教育に対するところの根本的な施策が強度に行われなければならない、私はかように断定してはばからないものでございます。この意味において委員長に御質問いたしたいことは、この次の機会でもよろしうございますが、水産教育という面をとり入れた小委員会等をつくる御意思があるかどうかという点であります。政府へ向つてお尋ねいたしたいことは、遠洋漁業従事者及び沿岸漁業等にも含めて用いたのでございますが、再教育、再訓練ということに対して、いかなる方途とお考えをお持ちでございますか、この点であります。
  16. 石原圓吉

    石原委員長 ちよつと委員長よりただいまの小高君の教育に関する御質問につきまして一応お答えをいたしておきます。仰せのように水産教育漁業青年の訓練は非常な重大な時期に到達しておるのでありまして、普通の教育——水産大学、高等水産、地方の中等程度の水産学校も相当ありますけれども、いまだ充実したとは言えないのでございます。ことに学費の点から、これらの学校において教育を受けることができないで、経済的な苦痛を感ずる青年もあるわけでありまして、これらに対して簡易な專門的な指導教育をして行くということが重大であろうと考えるのであります。私は先刻数種の法案となるべきものに対して、飯山長官の所見をただしたのでありますが、これら教育の問題、また漁業補償制度の問題、その他多数の問題は、この漁業制度に関する小委員会のうちにみな含めてやつていただきたい、こう考えて、小高君もその小委員の一人にお願いをしておる次第であります。どうかこの小委員会で十分その点を強調していただいて、そうして具体化をはかるように、特に希望を申し上げる次第であります。
  17. 飯山太平

    飯山政府委員 小高委員水産教育に関する対策いかん、こういう御質問でありますが、これは私から申し上げるまでもなくも教育に関することは文部省の所管に相なつておるのであります、従来水産庁といたしましては、第一水産講習所、第二水産講習所、この二つの專門程度の教育機関を持つてつたのであります。そのうち、第一水産講習所は、来年の四月一日から文部省の所管になつて、東京水産大学と相なります。第二水産講習所は、これも大学に昇格したいというような希望もあるようでありますが、私どもとしては、実は水産大学は全国に指を屈しきれないほどたくさんできるのであります。鹿児島あるいは長崎、あるいは福岡に水産学校があります。山口、広島、京都にはすでにあります。それから名古屋にもできる。東北、北海道にもあります。そういうふうにいわゆる水産の学科の修得をする大学はできるのでありますが、実際に第一線に立つて働くところの、あるいはその指導者となる人を養成するという專門学校以上程度の学校は、地方に高等水産学校がありますけれども水産庁所管としては第二水産講習所だけなんであります。われわれはできますならば、第二水産講習所はあくまでも技術に立脚した、ほんとうに働く第一線における指導者を養成して行きたいと考えて、第二水産講習所だけは農林省所管というようなことで行きたいと、予算も計上しておるわけであります。今お説の国際関係が特に水産業において深く広く、また重要であるということは、他の産業に比べて比較にならないことは、お説の通りであります。従いまして今後の漁場は、大体において遠洋は国際漁場に相なると思うのであります。従つてその漁場に馳駆する人々は、国際人として立たなければならないという意味におきまして、そういうような点におきましても、また技術その他の点につきましても十分に遜色を持たない、むしろ優秀を誇り得るというような人をつくらなければ、日本水産業の将来を期待できないということもその通りでありますが、私どもとしては、再教育ということが水産庁としては考うべきことだというように考えております。従つて従来大日本水産会に漁船船員養成所というものがあります。これがわずかでありますけれども、年額約百三十万円ぐらいの補助を十余年続けて来ておるのであります。これによつて船長あるいは機関士を養成するというようなことを続けております。それからなお委員長の非常な御盡力になつております協同組合学校というものがあるのでありますが、ここでは漁村の青年を再教育するということをやつておるわけであります。これにも従来は水産庁として何ら助成の方法も講じておらなかつたのでありますが、現在予算の許す範囲内で、わずかでありますけれども、今年度から一部の助成をいたすことにとりはからつたわけでありますが、来二十五年度の予算におきましては、実は全国に五箇所の再教育機関をつくりたいというので、私ども予算を計上したのでありますが、いろいろな財政の関係から遺憾ながら目的は達成できなかつた。ただ二箇所だけ助成金を出す。これは金額にすればわずか二百万前後のものでありますが、そういう将来の意図のもとに、実はその歩を一歩進めたというような状態であります。それからなお協同組合法にも制定されましたように、協同組合の剩余金の積立てを教育費に充てよということが、今度初めて法案によつて出たわけであります。これらも小高委員の申される通り、しかして漁村の再教育がいかに重要であるかということを考えまして、そうしてああいうふうに具体的な法案なつたわけであります。しかしながらこれらの以上申し上げたような、きわめて小規模な、あるいは小施設では、とうていその目的は達成できませんので、われわれとしては、できるだけ今年二箇所の助成を、来年はさらに三箇所なり五箇所、あるいは直営の教育機関をつくるというような方向に進めて、水産教育の振興を、水産方面に許される範囲においてこれに関心を持つて、その具体的な方策を講じて行きたいと考えております。
  18. 小高熹郎

    小高委員 委員長の御答弁は一応了承いたしましたが、飯山水産庁長官の御答弁中に、水産に関する教育のことは文部省がやつておる。これは文部省がやつておることは私も了承しております。しかしかような大転換期にあたりましては、この実践をする者の明日への希望、期待というものが相当盛り込まれなければなりませんので、これらは水産庁対文部省との折衝において初等教科書の中に水産教育というものがほとんど盛り込まれておらない。これらに対する一つの筋金を入れる意味において、小さな子供のときからわからせるような意見を開陳して、この道を基礎的につける必要がありはせぬか。小学校、新制中学、高等学校あるいは大学の、一貫した、これに対する基礎的の教育制度というものが今まで強く考えられておらなかつた。これに対して、よく実情のわかる水産庁からさらに折衝していただいてこの道をつけてもらいたい。もちろん私ども水産常任委員の一人として、政府にのみたよつているというよりも、声を大にしてこの点に努めたいと思うのでございますが、その点特に連絡よろしきを得て、基礎的な教育の確立をお願いするのであります。この点について現下のわが国情にかんがみて期待するところが非常に多うございますので、特に熱意を盛り込まれてもらいたいという意見を添えまして、質問を打切つておきます。
  19. 井之口政雄

    井之口委員 長官の御説明がほぼ七項目にわたつてつたようでございますから、逐次それについて御意見をもつと承つてみたいと思つております。  漁港法案の問題ですが、今現に実際いろいろな形で漁港が構築されておるわけです。その内容がわかりませんと、この法案の場合でもいろいろさしさわりが出るだろうと思うのですが、二十四年度においては、約三億円くらい見返り資金から漁港の構築のために出ておるようでございます。そういうような金がはたしてどんなふうに使われたか、またこれは地方自治団体に対してそういうものが出ておるのか、会社に向つて出ておるのか、もし会社がこれをこしらえておるといたしますれば、はたして使つておる経理面に対して監督は十分に行き届いておるのか、こういうようなことがいろいろ疑問が起るのであります。事実復興金融金庫や見返り資金で融資が行われておりますが、石炭産業にも行われておりますが、それがそういう目的に使われないで、えてして目的以外のものに使われるということがしばしばあるのであります。こういう点もわれわれが考慮いたします場合にその使途というようなものに対しても、十分監督することをこの法案にも盛られるのかどうか。この点をひとつ聞いてみたいと思う次第であります。
  20. 石原圓吉

    石原委員長 井之口さんに申し上げますが、ちようど二時半ごろにGHQ水産部の人と会見をすることになつておるそうでありまして、今日はなるべく簡單にお願いしたいと思います。
  21. 井之口政雄

    井之口委員 簡單にいたしますが、今の説明内容に対する私の質問は、今までなかつたことで、これは私から初めてやるようなものでありまして、もし私の質問をお聞きにならないと、今日長官がせつかくおいでになつて説明なつたところでまつたく意味がないものと思うのですが……
  22. 飯山太平

    飯山政府委員 実は水産部のネビール課長が二時半に私の所に来る約束をけさ受けたのであります。それまでは時間がありますので出て来たので、まことにかつてですけれども、相当重要な用件でもあると承知いたしておりますので、お許しを得て次回に——今の点はわかりましたが、私もここに資料を持つておりませんので、詳細な説明はしかねますが、あらためてお答えするような機会を與えていただきたいと思うのです。
  23. 井之口政雄

    井之口委員 これからもしそういう場合がありましたならば、最初に時間を何時までということを、発表していただかぬと、われわれといたしましても、せつかく質問しようと思うときに長官が行つてしまうということでは何にもなりません。
  24. 飯山太平

    飯山政府委員 実は委員長に耳打ちだけはしておきましたが、委員長の御都会もあつたことと思います。
  25. 石原圓吉

    石原委員長 この次は優先的に発言を認めますから、本日はひとつ……
  26. 井之口政雄

    井之口委員 優先的に発言させていただきますならばこの次でもけつこうであります、本日はこれで打切ることにいたします。
  27. 玉置信一

    玉置(信)委員 私も長官に休会になる前に質問いたしたいこともありますので、今期国会が休会になる前に、もう一度委員会を開いていただきたいと思います。
  28. 石原圓吉

    石原委員長 それではこの程度にいたしまして、長官希望を申し上げておきます、漁業法案は御承知のように非常な時日を要して結局時間的に思うように行かなかつたのでありまして、今後提出される、ただいま御説明法案も、一時も早く御提出になることを強く要望いたします。もしそれが遅れたために、また漁業法案の二の舞を踏むようなことでは非常に困るのでありますから、この事を特に要望しておきます。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十四分散会