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青野委員 重ねてお尋ねします。これは私の直接の
関係ではございませんで、別に非常に密接な
関係を持
つておりますが、愛媛県の瀬戸内海寄りに西条というところがある。ここには御
承知の
通り、幕末時代非常に有力な人が権力を持
つて、海を二、三里埋め立てて碁盤の目のように土手をつくつた。そうして山手から海岸の方に向
つて縦二里、横一里半ぐらいのところを埋め立てて水田をつく
つてあつた。これは別府と同じように、日本でも珍しい田地田畑で、各農民の台所は、みな水がふいて出る打抜き井戸をつく
つてあつた。ところが南海
地震のときに、非常に大きなゆれがありましたので三尺ほど沈下した。海面から見て三尺沈下したから、ほとんど何十年間ぶくぶく水がふいているので、田地田畑には水の不足はないが、潮の引いたときに水門を明けて海に流していた水が流れなく
なつた。それで一昼夜するとその水があふれてしま
つてどうにもならぬ。県の財政ではどうにもならぬし、
地方の市
町村ではこれまたどうにもならぬ。これは橘村でしたか、最後に合併した村でありますが、そこに石槌山の奥から流れて来る加茂川という川がある。その川の堤防が弱いので、三日も四日も雨が降りますと、その堤防に向
つてものすごい勢いで水が流れて来て堤防がびりびり動いておる。一ぺんどつと来られると、村全体が水浸しになる。こういうものはいくら県に陳情しても県の財政ではどうにもならぬ、市としてもどうにもならぬ。ここは平均一反で九俵ぐらいできるところですが、どうにも心配で、農民が安心できない。こういろので自由党の愛媛県出身の代議士諸君が
努力してくれておるということは聞いておりますが、これは私どもと全然
関係のないところであ
つて、一
地方の問題であ
つても、国家的に救済してやらなければどうにもならない。私ども
栃木県の
今市の
震災の
調査に参りましたが、
山林にしてみても、あるいは
農耕地にしましても、岸壁にしましても、これは
地方の財政ではどうにもならぬ。しかも仕事がもう三箇月も遅れておる。それから
出水期を控えて、山の方は
亀裂が生じており、雨が降ればどうなるかわからない。今目に見えておるところは、大体推定できますが、出水季にどういう
災害が起るかわからぬという気持を、
災害地の諸君は持
つているので、こういうことにつきまして、もし
農林省関係でどうにもならぬというならば、議会で特別な
法律でもつく
つて救済せねばなるまい。これはこの前同僚と一緒に
今市に行つたとき、座談会でも申し上げたが、税務
関係の責任者より、この
被害民より税金をとらないというわけには行かないが、大体好意的に督促状も出さず、じつと模様を見ているというような
お話がありました。そういうような気の毒な立場にあるものには、国家的の基本
対策を立ててやらなければ、解決しないと思う。最近御
承知のように、戦時中の強行採炭によ
つて特別鉱害が約九十八億あり——これは私の出ておる福岡県でありますが、これらも各党各派が超党派的な立場に立
つて、
関係方面とも非常に苦しんで折衝しまして、五箇年
計画で約五十億円がまとまりましたが、昨年の九月十五日の配炭公団の廃止から今日まで、ずつと田地田畑が水浸しで一二日も雨が降りますと芝一帯くらいの田地は水のはけ口がない。
地方の財政ではやれないし、市
町村でもやれない。それで福岡県の議員や町
会議員を連れて、県知事が先頭に立
つて十七、八日も二、三十人もの諸君が自費で上
つて来て各党にお願いし、それぞれの
方面に陳情して、ようやく大体の目鼻がついたようなわけでありますが、そうした熱意をも
つて陳情や歎願に来れば、何とか目鼻がつくが、全然そういうことをしないと、いつまでた
つても放任しておくというようなことでは困ると思う。ただいまの岡山の地盤沈下と同じように、愛媛県の西条市なんかは、有力な人が議員として出ておりましても、いまだに目鼻がついていない。こういうところには、
農林省としても適当な人を
現地にや
つていただいて、十分地元の人の陳情も聞き、みずから地下たびをはいて
調査をしてもら
つて、これは国家的な見地から何とかしなければならぬであろうということになれば、具体的に案を立ててもらいたい。私はほかにたくさん質問を持
つておりますけれども、同僚議員よりいろいろ御質問がありましたので、重複を避けまして、大蔵省
関係に税金のことでお尋ねしたい。もし今日おいでがなければ、私の質問を保留しておきたいと思いますので、この点お願いしておきます。