○
三浦証人 これはこの
特別会計の名前の示しますように、
薪炭需給調節特別会計と、初めは
木炭だけでございましたが、
需要と供給のあまりの不均衡というものを是正するというのが
一つの大きなねらいであ
つた。従いましてこの沿革を見ますと、一般
経費からこの
特別会計へ繰入れをして、あるいは先ほど問題になりました早期築窯であるとか、一般
マル公にこの
特別会計が買うときには十銭だけ加えていい。その当時は一俵一円代のころでありますが、十銭は特に加算してもらえる、こういうようなことでや
つて来た。つまり一般
薪炭行政ををやるものと、
薪炭の
特別会計をやるものが同じ番頭さんがそれをや
つていた。
政府自身も
需給調節
特別会計という名前からいたしまして、この冬は
薪炭はしつかり集めようというふうにして、
薪炭の集荷についてのみと申し上げてはちよつと語弊がありますが、非常な努力をいたした。こういう点が
一つであります。
それからこれは
あとにな
つて言
つたのでは、まことに当りさわりがあるかもしれないのでありますが、私どもこの
特別会計がどういうことで一体こういうようなことにな
つたかということを調べた
一つの方法といたしまして、
会計検査院の方に報告しておる様式による
決算報告と、同じその材料であ
つた数字をいろいろと組みかえまして、企業
会計的にこれを並べ直してみたわけであります。そうしましたところ、先ほど申し上げたように、売上益金と諸
経費が合
つてない。諸
経費が初めから多い。そうして
昭和十九年だと存じますが、売上益金自身がマイナスにな
つておる。もちろん期末期首の金は入れますが、
買つたものより安く売
つておるという形を、十九年は変態的でございますが、現わしております。そこにさらに大きな諸
経費が別にあるわけでありますが、こういう点が今から考えると考えなければならなか
つた点ではないかと思います。また非常に少い
人員でこれをやる。しかもやるところの戦線は、先ほど申し上げましたように、ひどいときには
木炭は
かまの前で、
まきは
山床まで奧へ入
つたのであります。そうして県庁の指導ももちろんあるわけでありますが、いわゆる
政府の
代行機関としての団体によ
つて買上げ
関係をやる、あるいは団体によ
つて配給関係をやる。こういうようなことも、この
特別会計が持つ始ま
つて以来の
一つの考えなければならなか
つた点ではなかろうか。またさらにこの
民主化されなければならないとい
つた複数制の卸、小売、あるいは集荷業者が出ました際に、あの
規則の中に、それらになる人はある
一定の資産なり、施設なり、さらに場合によ
つては経験なり、少くとも資産であるとか、施設であるとかいうものを持
つた者の中から選ぶようにすべきではないか。すなわちそこに
登録してしまえば、その
卸商がもし何かぐあいが悪ければ、やらないと口では言うけれども、それにつなが
つておる小売、小売につなが
つておる各家庭には行かなくなるから、どうしてもそこに流さなければならぬ。そういう動きから見ますと、そこに何か
一定の資産的な、信用的な限定を置いて、その中から
選挙させるという方法を講じてもらいたいということをいろいろと折衝いたしましたが、そういうことはいわゆる機会均等、公平の観念にそむく。さようなことは消費者自身が知
つておる。だから消費者が選ぶところの
小売店はそんなようなものを選ぶ、
小売店は同時にそういうことを知
つておるから、
小売店は
卸商はさようなものを選ばぬというようなりくつから、そういうことが遂に実際にできなか
つたという点、またこの
薪炭の問題につきましては、二十一年あたりからときどき統制の撤廃なり、
統制方式の
変更の問題が世の中に出て参りました。そういうようなことが出ますと、それぞれの利害
関係者はその対策もしなければならぬというようなことからいたしまして、
統制方式がそうい
つた角度からも脆弱にな
つて来た。国が目のきかない組織の少い官吏、あるいは官吏に準ずる者がやるのには、適切な品物でないばかりではなしに、経営観念というものが、先ほどの
需給調節という言葉のみならず、担当者においていささか少か
つた、かような点等はすぐわかる点でございます。