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1950-02-15 第7回国会 衆議院 考査特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十五日(水曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 高木 松吉君    理事 内藤  隆君 理事 吉武 惠市君    理事 小松 勇次君 理事 横田甚太郎君       安部 俊吾君    塚原 俊郎君       西村 直己君    福田  一君       梨木作次郎君    岡田 春夫君       小林  進君    浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (元配炭公団総         務局長)    村田裕四郎君         証     人         (もと配炭公団         業務局長)   馬屋原隆志君     ————————————— 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件配炭公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き配炭公団をめぐる不正事件について調査を進めます。さつそく証人より証言を求むることといたします。ただいまお見えになつている証人馬屋原隆志さん。村田裕四郎さんですな。  これより配炭公団をめぐる不正事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  馬屋原さん代表で読んでください。     〔証人馬屋原隆志君各証人代表して朗読〕     宣誓書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうぞ署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求むる順序は村田さん、それから馬屋原さんといたしますから、馬屋原さん、あなたはもう一度もとの控室でお待ちを願いたいと思います。  村田裕四郎さんですな。
  5. 村田裕四郎

    村田証人 はい。
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらで聞きますときはかけておられてよろしいですが、答えられるときは立つて、なるべく委員長の許可を得て発言せられたいと思います。  あなたは配炭公団総務局長をしておられたようですが、いつからいつまでですか。
  7. 村田裕四郎

    村田証人 昭和三十二年の十一月の上旬から公団解散の当日まで。
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年ですか。
  9. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前は。
  11. 村田裕四郎

    村田証人 その前は業務局長をしておりました。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつからいつまで。
  13. 村田裕四郎

    村田証人 それは公団が創立と同時に、業務局長として就任をしたのであります。
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしていつまで。
  15. 村田裕四郎

    村田証人 総務局長に就任するまで。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年十一月までですか。
  17. 村田裕四郎

    村田証人 そうです。
  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五箇月だけですね。
  19. 村田裕四郎

    村田証人 そうです。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在は。
  21. 村田裕四郎

    村田証人 現在は公団解散になりまして清算事務に入りましたので、そこの総務局長をしております。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 業務局長になられる前は何ですか。
  23. 村田裕四郎

    村田証人 公団の母体をなしておりますのは日炭地方石炭でありますが、その中国地方石炭販売会社の專務をやつておりました。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 総務局というのはどういう仕事をするのですか。
  25. 村田裕四郎

    村田証人 総務局仕事はいろいろ多岐にわたつておりますが、簡單に申し上げますれば人事、給與、庶務、文書関係勤労衞生等仕事をやつているのであります。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団共済会という名前のものがあつたそうですね。
  27. 村田裕四郎

    村田証人 ありました。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたの方の仕事の中に入つてつたものですか。
  29. 村田裕四郎

    村田証人 共済会公団そのものではありませんが、公団職員福利厚生意味合いで設立されておつたのであります。これは私の管轄下にあつたのであります。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの仕事のうちの一部をやるのに、共済会というものがあつたんじやないですか。
  31. 村田裕四郎

    村田証人 仕事の一部と申しますか、共済会は別の組織になつておりまして、共済会会長あり、常任理事あり、監事ありという組織になつておりますので、その共済会事務当局といたしましては、私の局の勤労課をもつてこれに当らしておるということになるわけでございます。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 勤労課では厚生施設というのをやるのですね。
  33. 村田裕四郎

    村田証人 そうでございます。職員勤労厚生その他を扱う……
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのことと共済会とは違うのですか、仕事内容は。
  35. 村田裕四郎

    村田証人 違います。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし仕事をする者は、厚生施設を担当しておる者がやつてつたわけですね。
  37. 村田裕四郎

    村田証人 そうです。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会長はだれがやつておりました。
  39. 村田裕四郎

    村田証人 会長は、配炭公団の時代におきましては、副総裁八代好三氏がこれに当つておりました。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから理事その他は。
  41. 村田裕四郎

    村田証人 本部の常任理事といたしまして総務局長村田、それから経理局長高柳、それに組合の代表といたしまして、当時中央執行部委員長でありました澁谷與藏君、この三人が常任理事になつておりました。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 監事その他は。
  43. 村田裕四郎

    村田証人 常任監事といたしまして、会計課長勤労課長をこれに当らせておつたのであります。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その経費の支弁はどういうことでやつておりました。
  45. 村田裕四郎

    村田証人 経費と申しましても、公団勤労課がこの仕事をしておりまして、特に共済会のために事務当局を設けておりませんでしたから、共済会そのもの経費というものはないわけです。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会費はあつたのじやないですか。
  47. 村田裕四郎

    村田証人 会費その他は共済会運営に充てておつたのですが、この会費職員給與の一部を積立てまして、共済会会費にしておりました。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが事業資金になるのでしよう。
  49. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで事業内容は。
  51. 村田裕四郎

    村田証人 事業内容は、職員全部の福利厚生保健等に関する問題、それから職員等の不時の災害等に対する見舞と申しますか、そういうようなもの。まあ大体そんなものであつたと思います。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのうち最も経費のかかるのは何でありました。
  53. 村田裕四郎

    村田証人 職員吉凶禍福に対しまする祝金見舞金、要するに慶弔費と申しますか、そういうものが大体だと思います。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主たるものですか。
  55. 村田裕四郎

    村田証人 はい。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 運動とか娯楽などもやつたのですね。
  57. 村田裕四郎

    村田証人 運動娯楽共済会の一部に含めてやつておりましたが、これは大したものはなかつた
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団解散以後、この共済会はどういうことになりました。
  59. 村田裕四郎

    村田証人 解散になりましても、公団当時そのままを現在まで継続しております。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると清算事務所に働いておる者も。
  61. 村田裕四郎

    村田証人 清算事務所に働いておる者に対しまして、同じような取扱いをいたしております。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから外に出て行つた者はどういうのですか。
  63. 村田裕四郎

    村田証人 出て行つた者はまつた関係しておりません。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 共済会経理について承りたいのですが、会費月幾らくらいずつあるものですか。
  65. 村田裕四郎

    村田証人 先ほど共済会運営会費でまかなうということを申し上げましたが、会費以外に共済会経費を支弁する財源を持つてつたわけです。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 順次承りますが、会費は月に幾らくらい。年間でもよろしい。
  67. 村田裕四郎

    村田証人 年間でありますか、千二、三百万円だと思います。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほかの財源は。
  69. 村田裕四郎

    村田証人 そのほかの財源は、二十四年の三月までは、みなが醵出します額とひとしいものを公団の方から共済会寄付しておつたのであります。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう名義で。
  71. 村田裕四郎

    村田証人 共済会に対する経理整理上の名目はちよつと覚えておりませんが、共済会に対する給付として計上されておつたと思いますが。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 寄付ですか。
  73. 村田裕四郎

    村田証人 寄付じやないのでありますが、給付というような意味合いで出されておつたと思います。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 経理名目はわかりませんか。
  75. 村田裕四郎

    村田証人 経理名目はちよつと明らかに覚えておりません。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 交付金といつたんじやないですか。
  77. 村田裕四郎

    村田証人 ああ、交付金ですかな。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わからぬが、そうじやないかと言うのです。交付金でしたか。
  79. 村田裕四郎

    村田証人 ちよつと覚えておりません。
  80. 鍛冶良作

  81. 村田裕四郎

    村田証人 そうでした。厚生費でございましよう。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは毎年予算に組まれて出るわけですね。
  83. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほかは。
  85. 村田裕四郎

    村田証人 そのほかは、二十三年の四月以降は、公団から共済会に対する厚生費の支給が止められましたので、それにかわるべきものといたしまして、従来から共済会のために使用するという目的で、保険会社から寄付受取りましたものをもつてこれにかえて財源といたしております。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年の四月から……
  87. 村田裕四郎

    村田証人 二十四年の四月以降でございます。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じやまだ一年にならないんだな。
  89. 村田裕四郎

    村田証人 そうでございます。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは保險会社からの寄付ですか、どこからの寄付ですか。
  91. 村田裕四郎

    村田証人 保險会社からの寄付であります。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは思召しなんですか。それとも何か基準があるのですか。
  93. 村田裕四郎

    村田証人 この問題は、公団の以前の役員をもつて組織されました千代田商業という会社があるのでありますが、これが公団保險に付しまする場合の保険会社代理店つたのであります。その代理店が当然受けるべき一割の口銭を自粛いたしまして、それが保險会社に残り、保險会社はそれを財源として公団の指定する共済会寄付をするということになつておるわけであります。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 額がきまつておるわけですか。
  95. 村田裕四郎

    村田証人 額はたとえば、当初におきましては千代田商業が六分五厘、公団寄付を受けるのが三分、それから後におきましては、千代田商業が一割の手数料のうちの三分を取得し、公団保險会社から寄付を受けまする額が残りの七分ということになつております。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 総額いくらほど受けました。
  97. 村田裕四郎

    村田証人 ただいままでに概算四千万円ぐらいと記憶しておりますが……
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからいつまでに。
  99. 村田裕四郎

    村田証人 それは千代田商業が発足しましたのが二十二年の十二月からで、それ以後ずつと続いて公団への寄付がなされておる期間を通じてでありますから、結局公団の終期までとなるのであります。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはおかしいじやないですか。今あなたは、二十三年いつぱいで厚生費というものを公団から出さぬことになつたから、かわりに二十四年の四月からもらつたと言われるが……
  101. 村田裕四郎

    村田証人 それは元来千代田商業自分手数料を遠慮いたしまして、それを公団共済会の方に保險会社から寄付を受けるという話合いは、ずつと以前からきめられておつたわけなのでありますが、しかしたまたま共済会の方は、職員から出しまする一パーセントの積立てと、それからそれとひとしい額を公団から厚生費として受取りますので、おおむね共済会の当時の運営は成立つてつたわけであります。従いまして、この保險会社から受けまする寄付金は、共済会には入りまするが、これをいかなる方面にいかなる目的をもつて使おうかということが、いろいろ部内部論議がなされておつたのでありまして、あるいは当時非常に病人も多かつたわけで、医療施設を設けるとか、あるいは療養所を設けるとが、いろいろのことが考えられたわけでありまするが、それも結論を得ないまま二十四年の当時まで至つたわけであります。従いまして、結論が出ない際に、保險会社から現実に金をとるということは差控えて、そのままにおいておつたわけであります。ところが二十四年の四月になりまして、公団からの厚生費は受けられないということになりましたので、そこにありましたまだ使途が決定しない財源をこれにかわるものとしまして、共済会に入れて、その運営費に充てたということが、これの成り行きであります。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや二十二年からもらつてつたんじやないですか。
  103. 村田裕四郎

    村田証人 もらつてつたのはそうでございます。計算上は二十二年からもらつておるわけであります。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちいつとよくわからぬ。二十二年からもらつてつたのだけれども、それは積立ててあつたので、二十四年から初めて公済会収入にした、こういうのですか。
  105. 村田裕四郎

    村田証人 現実収入はそういうことになります。それまで公団としましては、寄付を受けるということは決定しておりましたけれども、使途はつきりしないために、現実収入しておらなかつたわけです。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれが持つてつたのですか。
  107. 村田裕四郎

    村田証人 おそらく保險会社に積立ててあつたと思います。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 厚生費というものが出ておる間はとれなかつた金じやないですか。そうでしよう。
  109. 村田裕四郎

    村田証人 とれないことはないのでありますが、これをとりました場合に、どういう方法でこれを使うか——もちろん初めから、あるいは医療施設とか療養所とかいうことに使いたいという意味合いでこの寄付を求めておつたのでありまするが、しかしそれも、公団が非常に短期でありまするし、解散の場合に受ける処置その他になかなか難点もあるということから、いろいろ論議がかわされて、結論が出なかつたのであります。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險会社が持つてつたのですか。千代田商業が持つてつたのですか。どつちですか。
  111. 村田裕四郎

    村田証人 経理上の金の授受等につきましては、総務局がじかにこれを担当しておりません関係上、ただいまの御尋問に対しては、はつきりしたお答えはいたしかねるのでありますが、私の考えでは、多分保險会社にそのまま積立てておつたものと考えております。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし受取つたのはあなたが受取つたのでしよう。
  113. 村田裕四郎

    村田証人 それは私が受取つておりません。元来共済会事務は、先ほど申し上げましたように、私の方の局でこれを扱つておりましたけれども、共済会会計事務をきわめて明確にしなければならぬという建前上、金銭の授受その他会計全部に関しましては、すべて経理局でこれを取扱つてもらうということになつてつたわけであります。従つて受取りましたのも、経理局の係、あるいは経理局長現実にこれを受取つてつたと思つております。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもそこにからくりがあるようだ。二十四年四月になつて一ぺんに前からのものをとつて来るというのは、寄付金であるならば、寄付する者が預かつてつて寄付金にならぬ。出せばこそ寄付金になる。寄付金を預かつているというのは世界にないだろう。
  115. 村田裕四郎

    村田証人 先ほど申し上げましたように、共済会としまして、はつきりどの方面に使う、どういうやり方でこれを使うということさえきまりますれば、何も二十四年三月を待たずして寄付を実際に受けたのでありますが、先ほど申し上げましたようないろいろの事情ではつきりこれを決定しかねたために、寄付受取るという時期に至らなかつた、こういうふうに思う。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが知らぬと言われればなんだか、千代田商業が持つてつたらしい。
  117. 村田裕四郎

    村田証人 もし私が今申し上げたのと違いまして、千代田商業が持つてつたとしますれば、私その事実を知らなかつたわけであります。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その千代田商業がどういうわけで持つてつたかということを聞きたいのだ。事実知らぬのじやない。どうもからくりがあると思う。保險会社があなたの方に寄付したものなら、あなたの方に金をよこして初めて寄付ということが起るが、千代田商業にあなたのところに寄付する金を預けるということは、あり得ないと思うのだ。その点はどういうのです。あなたはそんなことを知らぬことはあるまい。
  119. 村田裕四郎

    村田証人 先ほど言い漏らしておつたかと思いますが、共済会事業の一部であります職員厚生としまして、二十三年の夏職員練成会を各場所でやらしたことがございます。そういう場合には、その使途がおのずから明らかであつたために、保險会社等からこれに対する必要経費としまして、預けてありまする寄付金の一部百五十万円を受けて参つたという事実はございます。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときに百五十万円の寄付を受けたんだろう。
  121. 村田裕四郎

    村田証人 それではなしに、大体保險会社との話合いにおきまして、これはただいま申しましたような三分ないし七分を、保險会社から公団の指定する共済会寄付をするんだ、またこちらは受けるのだということの話が原則的にきめられておつたのであります。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはだれとだれがそういうことをきめておつたのか、あなた知つておりますか。
  123. 村田裕四郎

    村田証人 その問題は、千代田のできましたのが二十二年の十二月以降でございますから、私は直接その衝には当つておりません。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もらうことになつておることを知つたのはいつです。
  125. 村田裕四郎

    村田証人 その話のまとまりましたのは翌年の春くらいじやなかつたかと思いますが、はつきり記憶がありません。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたの言われるのを聞いておると、われわれには推量できるのだが、実際はこうじやないのですか。二十四年になつたら、そういう名目千代田商業が持つてつたけれども、それは千代田商業が持つてつてはいけなくなつて、どうしても吐き出さなければならないことになつたから、初めて出て来たのではありませんか。
  127. 村田裕四郎

    村田証人 そういうことはないと思います。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 寄付するものを持つてつたのでは、寄付になるわけがないではないか。出して初めて寄付になる。しかも千代田商業が預かつておるのですよ。ところが預かつてつては困ることが起つたから、それで実は今まで預かつておりましたといつてつて来たのだろう。
  129. 村田裕四郎

    村田証人 いや、そういうことはありません。それは二十四年の三月、四月ごろに先だつて、二十三年の春ごろにそういう話合いはつきりできておつたと思います。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千代田商業保險会社との間には、こういうふうに寄付するのだという話はあつたのでしよう。しかしそれは実際にはあなたのところへ来ていない。そういう名目でどつかに滯つていた。それが二十四年になつて出さなければならないことになつて、初めて出て来た。
  131. 村田裕四郎

    村田証人 私の方は、かりにただいまの金を千代田が持つてつたといたしましても、あるいはそれを保險会社が持つてつたといたしましても、別に滯らして置く意思はなかつたのでありますが、先刻来から申し上げておりますように、はつきりこれをどういうふうに使うということが決定しなかつた関係上、これを現実には受取らなかつたということが事実である。こういうふうに申し上げたのであります。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いはありませんね。間違いがあつたら責任がありますよ。
  133. 村田裕四郎

    村田証人 間違いはございません。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが今あなたが言われた二十四年以降は、厚生費という名義で出ておるそうだが、公団から……
  135. 村田裕四郎

    村田証人 これは厚生費を一人二十円公団の方から出しておるわけであります。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さつきはないようになつたから出て来たと言われたが、それはどういうわけですか。
  137. 村田裕四郎

    村田証人 ないと申し上げましたのは、ちよつと言い誤りであります。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらでは、保險会社から千代田商業に入つた金及び額もわかつておる。それから千代田商業から公商へ来た額もわかつておる。その間にはたいへんな開きがあるのですが、その間千代田商業が持つて、どうしておつたのですか、知らないですか。
  139. 村田裕四郎

    村田証人 その点はよく承知しておりません。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險会社から千代田商業受取つておるのは、二十三年の八月からずつと入つておる。ところが公団へ入つて来たのは、今さつき言われた二十三年の七月二十日に百五十万円、それからあとは二十四年の四月からぼつぼつ入つて来ておる。保險会社からの寄付金であれば、先ほどから何べんも言つているように、千代田商業をくぐつて来るわけはないではないですか。
  141. 村田裕四郎

    村田証人 経理上の問題で、そういう形をとつてつたかもしれませんが、これは先ほども申し上げましたように、会計関係は私の所管から離れておりますので、つまびらかにわかりませんが、しかし受けます金は、明らかに先ほど申し上げました三分、七分の額におきまして、保險会社から公団共済会寄付を受けるということは、もうすでに決定しておつたということは、これは私事実として申し上げ得ると思います。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやどうして千代田商業が預かつたのですか。どういうわけで預かつたのですか。あなたの言われる通りだとすれば、預かる道理がない。
  143. 村田裕四郎

    村田証人 その点ははつきりお答え申し上げるだけの知識がちよつとございません。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今わからぬかしらぬが、あり得ないことでしよう。あなたの言われる通りなら……。だからあなたの言われるのと違うだろうと言うのだ。
  145. 村田裕四郎

    村田証人 ただもし千代田がそれを取扱つてつたとしますれば、要するに保險会社公団との間に介在する代理店というような立場から、そういう手数をとつたのではないか、こういうふうに考えられるのでありまするが、その辺の詳しいいきさつにつきましては、私よくわかりませんでございます。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じや保險会社寄付ということもわからぬことになる。
  147. 村田裕四郎

    村田証人 いやそれは、そういう話合いをする根底を私どもは相談を受けて承知しております関係上、これは保險会社寄付だということを、当時の会議内容におきまして、承知していることをそのまま申し上げたわけであります。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 寄付金ならあなたの所に預かつて使途がきまらない間は、どこかに積立てておけばよい。それがほんとうだ。千代田商業へ渡しておくことがりくつに合わない。あり得べからざることだ。一体これは共済会に初めからとるつもりだつたんですか。
  149. 村田裕四郎

    村田証人 それはその通りであります。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その通りだ……
  151. 村田裕四郎

    村田証人 はあ。元来この保險の問題につきましては、私公団設立当時の業務局長としまして、自分でこの仕事をしたわけなのでありますが、まず自家保險という問題を考えたが、これは公団の性格その他からいつて自家保險ということは成立つまい。すなわち自家保險をした場合に、これをロング・ランに見ますれば、自家保險は、ああいう大きな企業としましてたしかに有利であるという結論は出ましようけれども、もし公団公団法にあるごとく、これは一年ずつの生命なのでありますから、非常に短期の間に公団が消滅し、しかもその間に海損が集中するというようなことがございますれば、結局自家保險というような問題を考えましても、これはかえつて公団に損害をかけるのではないかということから、自家保險という一つの研究も、これは成立たぬというようなことになりました。その次にわれわれとしましては、保險料が相当多額に上りまする関係上、保險会社に対しまして、料率の引下げないしは割もどしというようなものを公団にくれぬかというようなことを、要求した記憶もございます。しかしその際におきまして、保險会社としましては、保險に関する協定ないしは法律の定めるところによつて料率の引下げないしは荷主に対する割もどしというものは、絶対に不可能だというようなことから、われわれの第二の計画も成立たなかつたというようないきさつがあるわけでございます。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからそこで割もどしを言うたが、割もどしはいかぬとこう言われたから、千代田商業という代理店に一手に引受けさせて、そしてそこから公団が割もどしをとつたのは事実でしようが……
  153. 村田裕四郎

    村田証人 そういうことはありません。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だつてそうでなかつたら、あなたの言われることは合わぬじやないですか。
  155. 村田裕四郎

    村田証人 元来千代田商業は、当然保險会社代理店としまして、代理業務を営む関係上、一割の手数料は受け得るわけでありますが、千代田商業の構成そのものが、従来公団におつた人たちでできておる。従つてその人たちでできておる千代田商業が、非常に多額の収入を得まして、公団の現存職員よりも非常に有利な状況に置かれるということはよくないということが、千代田商業の幹部もそうでありましたろうし、またわれわれの考えもそこにあつたわけであります。従つてそういうようなところから算定しまして、千代田商業ほかにもいろいろ仕事はしておつたでありましようが、そのべースとなる仕事はあくまで保險の代理業である関係上、これで大体千代田も生活もして行かなければなるまいが、その場合に一割の口銭そのままが千代田に入らなくても、最初は七%くらいのものがあれば千代田は成立つて行く。結局当然受け得る利一割の中から、三分は自粛しまして、これを割もどす。しかし保險会社としましても、代理店の口銭は、当然二割は出し得るわけなんで、何も保險会社がそれを取得するにもあたらないというところから、公団の希望します共済会への寄付ということがそこで話がまとまつてつたということが、この問題の実相であるということを申し上げ得ると思います。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その説明ではわれわれには合点がいかぬな。その四千万円の金はどういうところに使いました。たいへん多くなりましたね、一年に一ぺんに……。今まで二千万円ほどだつたやつが倍になつておる。倍ではない。千二百万円はあたりまえに入つておるのだから、あと千二百万円のかわりに四千万円あまりもらつておるのですから、三倍になつておるわけだ。
  157. 村田裕四郎

    村田証人 そのうちの大きな使途といたしましては、約一千万円たらずのものが、その寄付を取得した結果としまして、税金として拂われております。九百何十万円か……
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何の税金。
  159. 村田裕四郎

    村田証人 これはつまり職員に対する給與というような税務署の見解から、課税されたわけであります。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 職員に対する給與……何のことだ。
  161. 村田裕四郎

    村田証人 二割八分の税金を納めております。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 源泉課税か。
  163. 村田裕四郎

    村田証人 源泉課税が大体二割であるわけで……。源泉課税と、それから何かこれは税務署の算定の基準があるようでありまするが、個々にわけられた額が明瞭でないために、税務署の査定と申しますか、そういうようなところから、源泉課税の二割のほかに、さらに八分を加算されまして、二割八分の税金をとられておるわけであります。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何です、それは。職員個人がもらつておると、こう言うのですか。
  165. 村田裕四郎

    村田証人 いや、職員個人に、つまり福利厚生その他見舞金、いろいろになりましようが、ともかく職員に対する一種の給與というような形に見られるわけでありますが、しかし各個人にはつきりと、だれに幾らだれに幾らというわけにも参らないので、従つてそれを各人から年末調整その他で徴収することは困難だ。従いましてこの寄付を受けました総額に対しまして、税務署が査定をしまして、二割八分を課税するというような意味合いで課税されておるわけであります。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもますますわからぬな。(笑声)それからそのほかは……
  167. 村田裕四郎

    村田証人 そのほかは公団が九月十五日に解散しまして、一応全員解職ということになつたのでありますが、これに対しまして一人当り大体千円を——餞別と申しますか、そういう意味合いで約一千万円を使つております。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから……
  169. 村田裕四郎

    村田証人 あとの二千万円が、先ほど申し上げました共済会目的としまする事業に対する運転資金として使われておるわけであります。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何に使われた。まだ残つておるか。
  171. 村田裕四郎

    村田証人 現在ですか。現在まだ、二、三百万円残つておると思います。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何の目的に使いましたか。
  173. 村田裕四郎

    村田証人 福利厚生、その他先ほど申し上げました共済会事業がありますから、その事業に使つたのであります。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事業経費に使つたのか。二、三千万円ではないのですよ。まだ会員から入るのが一千万円ほどあるし、二十円ずつ公団から出す金があるし、たいへんな金ですよ。この四千万円だけではないのですよ。
  175. 村田裕四郎

    村田証人 二十円ずつも出ておりますし、また職員からも一%の積立てがしてあるわけであります。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどうなつたか。
  177. 村田裕四郎

    村田証人 それを加えて事業に使つておるわけであります。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると四千万円から上でしよう。
  179. 村田裕四郎

    村田証人 実際の資金は上になります。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年の四月から去年の秋までに一ぺんにそんなに使つたのか。
  181. 村田裕四郎

    村田証人 秋まででなしに、引続いて今日も残存職員に対して同じものをやつております。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その使途をみんな説明できますか。事業資金で、みな下部支団へ配分しておるじやないですか。
  183. 村田裕四郎

    村田証人 それは共済会の本部がわれわれのところにありまして、各場所ごとに共済会の支部を設けておるわけです。その支部が本部の指示に従つて、やはりそれぞれの支部の共済会運営をしておるわけであります。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほんとうに福利になつておりますか。
  185. 村田裕四郎

    村田証人 福利になつております。ただいまその使途の詳細をここではつきり金額その他で申し上げることもできませんが、これは書面で詳細お答え申し上げてちつともさしつかえないような経理処理になつております。
  186. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 各支部へみんな分配しておるわけですが、仕事は何をやつたかわからないじやないか。
  187. 村田裕四郎

    村田証人 各支部ともその支部の職員に対する福利厚生、その他要するに共済会事業は各支部ごとに運営させておるのでありますから、各支部としましては、職員から醵金する一%の資金しかないわけであります。それをやはり本部へもどしまして、各支部が必要とする金額を、われわれの査定に基きまして、これを割当てたのが、その支部への送金になつておるわけです。
  188. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一応あなたの言われるのを承つておきますが、保險会社からの寄付金だと言つて千代田商業が預かつてつたこと、厚生費がなくなつたと言われるけれども、相かわらず公団から厚生費が出ておること、税務署からそんなに源泉課税を課せられるということはあり得ない、贈與税なんかなら別です。それらの点から見ても、おのずからあなたの言われることは納得行きませんが、間違いありませんか。
  189. 村田裕四郎

    村田証人 私の承知する限りにおいて間違いありません。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは承つておきます。ほかに何かありますか。
  191. 安部俊吾

    ○安部委員 この千代田商業株式会社というものは、どういう会社ですか。
  192. 村田裕四郎

    村田証人 目的はいわゆる商事会社でありまして、物品の取次販売、それから保險の代理業務等が事業目的であると覚えております。
  193. 安部俊吾

    ○安部委員 そうしてどういう人々によつてこれが組織されたのですか。
  194. 村田裕四郎

    村田証人 それを組成しました人々は、公団が成立当初におきましては、公団理事もしくは幹事であつた人たちが、旧統制会社でありまする日本石炭の同じく役員であつたという関係上、公職にとどまることを許されなかつたということから、その人たちが死活の道を開きますために発起されましたのが、この千代田商業成立の根拠であります。
  195. 安部俊吾

    ○安部委員 それならば、公団の旧幹部であつた人々によつて組織されたのですね。
  196. 村田裕四郎

    村田証人 きわめて短期間でありますが。公団の旧幹部であつた人たちであります。
  197. 安部俊吾

    ○安部委員 そうしてその保險代理店以外に、どういうような業務をやつたか。おもに保險業だけではなかつたのですか。
  198. 村田裕四郎

    村田証人 これは、はなはだ千代田商業の人たちに対して失礼になるかもしれませんが、あまり実際の商売に堪能な方々でもなかつたせいか、いろいろ事業目的は持つておられたようでありますが、大した成績はあげておらなかつたように私は承つております。
  199. 安部俊吾

    ○安部委員 会社の業務というもものは、登記の面においてはいろいろな商売をやると言つたけれども、実際において運営したことは、おもにこの公団自体が保險をかけたときに、それを代理してコミッションをとるために組織された会社ですね。
  200. 村田裕四郎

    村田証人 もちろん千代田商業としましては、公団の多額の、あるいは複雑な保險事務取扱うためには、本社の住所のみにとどまらず、主要な土地にその支店あるいは出張所を設けて仕事をしておつたようであります。
  201. 安部俊吾

    ○安部委員 公団保險料は約六億に達したというのですが、大分厖大な金額でありますが、実際それだけの必要がありましたか。
  202. 村田裕四郎

    村田証人 保險は、あくまでわれわれは自分の商品に対してかけるということの必要を認めてやつてつたわけであります。
  203. 安部俊吾

    ○安部委員 けれども一方から見れば、そういうような公団の旧幹部であつた方は、千代田という会社組織して代理店をやれば、必要以上に保險をかけて、その手数料を多くもらうことができるから、従つて情実にとらわれて、必要以上に保險金をかけたということも考えられるのですね。
  204. 村田裕四郎

    村田証人 そういう御判断も成立つかもしれませんが、われわれはそういう意向は全然ございません。従つて千代田商業ができますまでには、やはり旧来の保險会社代理店、北海道に一箇所、宇部に一箇所、九州に二箇所と覚えておりますが、その代理店がやはり開業しておつたわけであります。しかもその代理店が非常に非能率的であるということから、これを何とか整理統合しなければならぬということは、当時においても考えられておつたのであります。
  205. 安部俊吾

    ○安部委員 しかし結果から申し上げますならば、海難による保險受取金というものはわずか一割の六千万円であつた。これは自家保險制度であつたならば、当然もう少し何とか切り詰めて合理的にやれる余裕があつたわけですね。
  206. 村田裕四郎

    村田証人 今日私どもが見ましても、結果論から申しますれば、最初から自家保險が成立つたように解釈できるわけでありますが、二十二年の当時におきましては、まだ海上の遭難というようなものが、いろいろの原因によつて頻発しておつた時期なので、私どもこの仕事を担当する責任者としまして、自家保險まで飛躍するだけの決心が当時つかなかつたのであります。
  207. 安部俊吾

    ○安部委員 その創立すると同時に、千代田商業が当然受取るところの一割の手数料というものの頭をはねて、そうして六分何厘というものを公団の方へ寄付するという約束のもとに、代理店に指定したわけですね。
  208. 村田裕四郎

    村田証人 千代田商業代理店に指定するにつきましては、手数料の頭をはねるというようなことは、当時においては考えていなかつたわけであります。
  209. 安部俊吾

    ○安部委員 いつからそういうことになつた
  210. 村田裕四郎

    村田証人 ただ先ほど委員長に申しましたように、千代田商業職員が、おおむね今申し上げたような内容になつております関係上、これが公団仕事をすることによつて千代田商業がいかにもよくなるということは、われわれとしても望ましくございませんし、また千代田を構成していた人々もそういうことは考えておらなかつたと思います。
  211. 安部俊吾

    ○安部委員 職員給與の一%を積み立てたその金額が、年に千二、三百万円になつてつた。また同様の金額が公団から厚生費としてその共済会に支給されたということになれば、これで共済会職員の福祉その他のことに関して、十分でなかつたのですか。
  212. 村田裕四郎

    村田証人 二十四年の三月までは大体それでまかなえて参つたわけであります。従いまして千代田だけでなしに、保險会社から受けます共済会への寄付金は平素の経営的なもの以外に、あるいは医療施設とか、あるいは病弱者の寮だとかいうようなものを考慮すべきであるということで、研究が重ねられて参つたわけであります。
  213. 安部俊吾

    ○安部委員 どういうことをやつたのですか、具体的に言えば……医薬料とか厚生施設とか言われますけれども、そんなに金がかかるものですか。
  214. 村田裕四郎

    村田証人 何分大勢の職員でございますので、慶弔禍福に対しまするいろいろの見舞とか香奠とか祝いとかいうものが、相当の金額になりますし、特に二十四年の四月以降は、先ほど申し落しておりましたが、職員のいろいろ生活の困窮の度合いから判断しまして、これの足代、通勤費と申しますか、定期券を買つて與えるということを共済会仕事の一つに加えまして、全国的にこれをやつておりました。
  215. 安部俊吾

    ○安部委員 そうすれば職員は、他の職員よりも非常な恩典に浴しておつたわけですね。交通費というものは共済会の方の資金で持つて自分の月給からは出さぬ。それからまた当然給與の中から税金を支拂うべきものであるが、職員は一千万円の額に達する税金を拂つてもらつておる。そうなればその職員の受ける給與はさらに多いわけですね。たとえば何千円のベースをもつて給與を受ければ、それにプラス一千万円、それから交通費というようになれば、収入はさらに多くなるわけである。従つてその点においては、職員全般が共済会の恩典によつて脱税しておる結果になりはしませんか。
  216. 村田裕四郎

    村田証人 脱税とは存じませんが……
  217. 安部俊吾

    ○安部委員 ところが実際の収入が多いでしよう。交通費を別にもらう。それからまた税金を負担してもらつたら……
  218. 村田裕四郎

    村田証人 従いましてその千万円の税金を税務署に課税されました根拠が、結局これは職員給與がふえたことになりますが、個々の査定は困難であるし、従つて年末調整の基にもいたしかねるということから、たしか四千万円だつたかと思いますが、そのときの額から二割八分を課税されまして、結局共済会としてはそれだけの収入が減り、ひいてはそれが職員に対するわれわれの計画から、一千万円というものが減額されたことになるわけであります。
  219. 安部俊吾

    ○安部委員 従つてその税金を納めるとか、あるいは交通費を職員のために支弁するということは、共済会本来の目的じやないのじやないですか。
  220. 村田裕四郎

    村田証人 共済会本来の目的には交通費の問題は入つておりませんが、要するに職員の互助機関であり、われわれ政府職員としまして、当時の民間給與に比べまして必ずしも惠まれた給與内容でなかつた。たまたまこの共済会がありますことを利用いたしまして、幾分なりとも職員福利厚生その他に資したいということが、共済会運営するわれわれ当事者の考えであつたわけであります。
  221. 安部俊吾

    ○安部委員 あなたの言うところから見れば、家賃を拂つてやるのもそうだろうし、あるいは配給の代価を拂つてやることも共済会目的になる。そうなるとたいへんに広範囲に解釈ができるのだが……
  222. 村田裕四郎

    村田証人 しかしそこまでは考えなかつたわけです。
  223. 安部俊吾

    ○安部委員 けれどもそういうふうな論法で言えで、これは議論にわたりますが、さらに二十四年の五月までは、一月待つてつたけれども、その後公団から金はなかつた。ところが委員長の質問によつて、さらに一人に対して二十円ずつ金が出ておつた。その上に千代田商業の方からたいへんな額に達する、四千万円にも達するコミッションをその方に使用したということになれば、厖大な金額に達するのですが、そういうことはわれわれははなはだ理解できない。先ほど委員長が言つたように、これは公団の旧幹部が千代田商業というものを特に設けて、ちようど東京の石炭協同組合というようなものができて、これが何か公金を利用するという意図のもとに、別個に千代田の方に置いておいたのだ。そうして何か問題が起きたものだから、やむを得ずこの金を吐き出して共済会に利用した、そういうことに論理的に理解するよりほかないのですが、そうじやないのですか。
  224. 村田裕四郎

    村田証人 全然そういうことはありません。
  225. 安部俊吾

    ○安部委員 また一人当り千円ずつの餞別を退職金のほかにやるというのは、その額が非常に多過ぎるのではないですか。それがわれわれの了解できるような正当な方法でやらずして、いろいろ国民を瞞着すような方法でやつたということは、はなはだ遺憾じやないかということを追究しておるが、あなたがそういうふうに言えば、この上論及する必要もない。大体その点であなたのおつしやることは、どうもはなはだ詭弁のような印象を與えられるわけです。
  226. 村田裕四郎

    村田証人 詭弁でもございませんし、また共済会の資金の運用につきましては、先刻申し上げましたように組合側の監視——監視という言葉は適当でありませんが、はつきり代表者を置いておりまして、すべて会議に基きまして、きわめて公正に運営して参つたということがわれわれ共済会の実体でございます。
  227. 安部俊吾

    ○安部委員 それならばなぜこの公団にこれほど大きな赤字が出たか。あらゆる方面において、石炭協同組合とか、いろいろなものによつて搾取する一方で、いろいろ旧幹部だとか、あるいは公団関係のある人が、いろいろな別働体のようなものを組織して、公団のもうけるものをもうけないで、欠損するような段取りにできておつたような印象を受けるから、それでいろいろお聞きするわけです。
  228. 大橋武夫

    ○大橋委員 ちよつと保險寄付金のことをもう少し伺つてみたいと思うのです。保險会社から寄付金をもらつて、そうしてその取次を千代田商業にやらせるという計画は、いつごろどなたとどなたが御相談になつてやられたのですか。
  229. 村田裕四郎

    村田証人 これは元来保險の問題は、業務局の仕事になりますので、私が続いて業務局長として在任しておりますれば、当然私がこの問題を私の主管として処理したわけでありますが、先ほど申し上げましたように、二十二年の十一月に総務局にかわりました結果、千代田の成立その他に対しまする問題では若干承知しておりますし、また保險自家保險にしなければならぬ、あるいは料率の引下げを求めなければならぬというような計画は、その当時業務局として取扱いましたが、その後のただいまの御質問に対する問題は、私の後継者であります当時の業務局長が、これを取扱つたものと考えております。
  230. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、業務局長千代田商業の方、それから保險会社の方、こういう方々との御相談でおとりきめができたのですか。
  231. 村田裕四郎

    村田証人 さように考えております。
  232. 大橋武夫

    ○大橋委員 それで保險料を割引するということは、いろいろ保險の場合にそういうことがあり得ると思うのですが、つまりこれは割もどしというようなものでございますな。
  233. 村田裕四郎

    村田証人 私どもは割もどしという考えは全然なかつたわけでありまして、それは私が今の千代田ができる以前に、ただいま申し上げましたように、保險会社といろいろ折衝しました場合に、料率の引下げその他のことも交渉しましたが、そういうことは保險法の命ずるところで一切いけないということから、保險会社から割もどしを受けるというような観念は全然捨てておつたわけであります。そのことは後任者の業務局長もおそらくよく承知してのとりきめだ、かように思つております。
  234. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、割もどしの性質ではない……
  235. 村田裕四郎

    村田証人 はあ。
  236. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしますと、結局割もどしではないが、保險会社が割もどし分に相当するだけの金を公団関係のある、あるいは公団の方で指定する機関に任意に寄付をする、こういうような形のものですか。
  237. 村田裕四郎

    村田証人 はあ、そういうように考えます。
  238. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしてそれは共済会に入れろということは、何か契約か何かできめておりますか。
  239. 村田裕四郎

    村田証人 それは書面で覚書が交換されておると思いますが……
  240. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはどなたとどなたの間にそういう覚書が出ておりますか。
  241. 村田裕四郎

    村田証人 それは保險会社十社の代表者でありまする東京海上の当時者と、それから公団側は経理局長ではなかつたかと覚えておりますが……
  242. 大橋武夫

    ○大橋委員 千代田商業も一口その覚書に入つておる……
  243. 村田裕四郎

    村田証人 千代田商業が入つてつたかと覚えておりますが、つまびらかにいたしておりません。
  244. 大橋武夫

    ○大橋委員 公団の幹部でこの間の事情について知つておられる方は、総裁、副総裁、総務局長業務局長、大体幹部は了解しておられるのですか。
  245. 村田裕四郎

    村田証人 さようでございます。
  246. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで、特に公団の方々が一体どういうお考えを持つておられるかということを承つておきたいのですが、公団職員というものは、公務員になつておるんじやないのですか。
  247. 村田裕四郎

    村田証人 公務員であります。
  248. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしてこの保險契約というものは、公団の職務行為ですね。
  249. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  250. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その職務行為について、職務上の相手方である保險会社から金をとる契約をしているわけですね。公務員が職務に関して相手方から金をとつておるわけですね。自分はとつておらない。しかし共済会にとらしておる。そういう契約をしておるわけでありますね。
  251. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  252. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたの行為は、刑法という法律をごらんになりますと、これは犯罪行為になるのですね。公務員が職務に関して第三者にわいろを受取らした。これはりつばに涜職行為になるということをあなたは御存じないのですか。
  253. 村田裕四郎

    村田証人 私どもはわいろと心得ておらないのでありまして……
  254. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは都合のよいことを考えておられるので……
  255. 村田裕四郎

    村田証人 たとえば、かりに保險会社からの寄付金のあるなしにかかわらず、公団としましては、その業務の遂行上、当然同じ保險をかけておつたわけであります。
  256. 大橋武夫

    ○大橋委員 つまりあなたは、かりその金が保險会社から出なかつた場合といえども、自分たちは職務についてやり方をかえなかつたろう、こういうわけですな。
  257. 村田裕四郎

    村田証人 はあ。
  258. 大橋武夫

    ○大橋委員 もしあなた方がかえれば一層重い収賄罪になる。職務上不正なことをやつたらば、なお収賄罪として重いぞということがちやんと法律に出ておる。だから収賄罪というものは、職務上正しいことをやつても、その職務に関連して金を受取れば収賄罪というものになるのでありまして、それがために何かへんぱな処置をするとか、あるいは職分を曲げるとかいうようなことをすると、これは収賄罪としても一段重くなる、こういうことになつておる。ところがどうも皆様公団のお方は、民間の御出身の方が多いですから、そういうことをよく知つておられないんじやないですか。あなたは一体公務員になられてから、刑法の収賄罪のところを一度でもお読みになつたことがありますか、どういう規則が出ておるかということを……
  259. 村田裕四郎

    村田証人 読んだことはないのです。
  260. 大橋武夫

    ○大橋委員 ない。実に驚き入つたことなのであつて法律を知らないでやつておる。やることは一生懸命やつておる、そうして自分のやつたことは刑法で収賄罪になるということを知らないと言つても、これは法律を知らないと言つて罰を免れることはできないということは、刑法にもまたほかの條文にも書いてある。これはむろんあなたはお読みになつておられますまい。そういうものなのです。今ここで私からそういう話を聞かれて、あなたは一体どういうお気持がされるかということを、私は民間出身の一般の公務員のお方が、職務上の収賄というような関係について、どういう考えを持つておられるかの一つの標本として——あなたのやつたことはけしからぬじやないか、罰しなきやならぬ、そういうことでなしに、あなたのような御境遇で、公務員としてこういうお仕事をされる場合に、そういつた問題についてどういうお考えをもつて職務に当つておられるか、刑法の収賄罪について一度も読んだことがないということを今伺つたが、今私からそういう説明を聞かれてどういうふうに思われるか、それをひとつ見本として聞かしていただきたいと思います。
  261. 村田裕四郎

    村田証人 収賄ということは、もとよりわれわれ公務員の資格において、あらゆる場合においていかぬということで、規律を嚴正にして事に当つてつたのでありますが、ただいまの保險会社寄付金をめぐりまして——大体公団を構成しておりまする分子は、従来の日本石炭の社員であり、中央石炭の社員であつて、これらは当時民間として相当の給與を受けておつたわけでありますが、公団に入りましても、前職給の維持ということは一応閣議できめられて、われわれそれに望みをつないで参つたのであります。しかしながら情勢の変化によりまして、われわれは明らかに公務員として、政府の定める給與ベースに従つて給與を受けなければならぬということになつたのであります。つまり従来の前職給を保持するという意味合いにおいて、有能達識者をすぐつて公団組織したことになるのでありますが、これらに対しまして、われわれとしましては若干職員に対する食言、と言つては言い過ぎますが、はなはだ相済まぬ点も感じ、同時にそれらの人たちが民間におれば、あるいは当時の民間給與に匹敵するものを給與として受け得たかもしれないのを、公務員の安い給料でがまんさせておくということから、公団職員の生活その他について非常にわれわれ関心を持つてつた。でき得る限りこれに、わずかながらも福利厚生その他でもつて援助を與えてやりたいということが、当時の公団幹部の心境であつた。たまたまこういう問題が出まして、これを財源としてその考えの一端を埋めたいということがその本心なんでありまして、ただいまのお話の刑法に触れるというようなことについては、研究を及ぼして考えなかつた結論としまして、それがただいまのお話のように、刑法に触れる犯罪であるということでありますれば、当時の責任者といたしまして、われわれやむを得ずその責めを負つてかかるという以外にはいたし方がない。ただ心境といたしましては、あくまで収賄であるということには思い至らざる考え方であつたということだけは、ご了承願いたいと思います。
  262. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしますと、大体公団の幹部の皆様としては、こういうことは別に収賄となるべきものじやないということが、まず前提となつて皆様の頭におありになる、これだけは確かですね。
  263. 村田裕四郎

    村田証人 そうであります。
  264. 大橋武夫

    ○大橋委員 かくのごときものが公務員として一般に許されないことはないはずだというお考えだということは、了承いたしました。私はこれで終ります。
  265. 西村直己

    ○西村(直)委員 一つお伺いしたいのですが、千代田商業のパージの旧公団の幹部のお顔ぶれをお聞きしたいのですが……
  266. 村田裕四郎

    村田証人 社長梶長作氏、旧公団理事をしておりました。それから同じく旧公団理事黒崎三市氏、それから監事でございましたか、石橋周也、平尾正義、森本靖男、それから理事で同姓の石橋謙之、大体そんなものだと覚えております。
  267. 西村直己

    ○西村(直)委員 社長が梶という方……
  268. 村田裕四郎

    村田証人 黒崎氏と石橋氏が多分常務であろうと思います。
  269. 西村直己

    ○西村(直)委員 それからパージの理由は何でありますか。
  270. 村田裕四郎

    村田証人 旧統制会社の役員であつたということで公職につくことを許されなかつた、それが公職についたあとで判明いたしまして、ただちに追放になつた
  271. 西村直己

    ○西村(直)委員 もう少し根本へさかのぼりまして、配炭公団の第一次監督責任者はどこになりますか。
  272. 村田裕四郎

    村田証人 配炭公団当時におきましては、通産省を通じまして資源庁であります。当時の石炭庁であります。
  273. 西村直己

    ○西村(直)委員 第二次監督責任は……あなた方自分たちの監督者は……
  274. 村田裕四郎

    村田証人 第二次監督者というのは、別に考えておりませんでした。
  275. 西村直己

    ○西村(直)委員 たとえばこれが政府と考えた場合に、今の通産大臣、当時の商工大臣、こういう考えでありますか。
  276. 村田裕四郎

    村田証人 さようでございます。
  277. 西村直己

    ○西村(直)委員 それから先ほどから保險料の割もどしの御意見、あるいは開陳があつたわけでありますが、保險料の割もどしにつきまして、たとえば共済会に使うとか、割もどしをするということで、大体千代田商業が始まつたと思うのでありますが、この千代田商業の旧幹部の方々は、保險料の問題に対してはもちろん業務上の関係が深いわけであり、むしろ千代田商業そのものが保險料の割もどしによつてほとんど運営がなされたという関係から、相当配炭公団のこの部分に対しては、たえず御折衝があつたわけですね、旧幹部と……
  278. 村田裕四郎

    村田証人 たとえば一割のものを七分にし、あるいは三分にするというような問題につきましては、おそらく千代田商業としましても、自分収入に重大な影響を及ぼすものでありますから、しばしば折衝が行われたものと心得ておりますが、私はその席には参画しておりません。
  279. 西村直己

    ○西村(直)委員 参画してないが、当時あなたは在勤はされておつた。顏を出しておらなかつたということですか。
  280. 村田裕四郎

    村田証人 つまり自分が主管の仕事でない関係上出ませんのです。
  281. 西村直己

    ○西村(直)委員 しかし少くとも総裁、副総裁という顏ぶれと幹部の方々は、再々この問題を通して折衝はあつたわけですね。
  282. 村田裕四郎

    村田証人 再々と申しますか、おそらく数回の折衝が重ねられて、結論先ほど結論に至つたかと思つております。
  283. 西村直己

    ○西村(直)委員 保險料の割もどしの額は非常に大きな額ですね。これは公団運営経理にも相当響いて来る問題ですね。たとえば保險料を小さくするとか、あるいはかりに割もどしがあつた場合に、それを公団収入にするとかいうことで、公団経理というものは大分変つて来る。私はこの点で将来明白にしなければならない点は、旧追放を受けられた幹部がこういつた——私はこれは偽装会社みたいなものだと思う。それがある程度保險料の割もどしを通して業務に関與するということは、これ自体が追放者の影響を受けておるものではないかと思う。極端に言えば、追放令違反になる危險性があると思うが、あなたの御意見はいかがですか。
  284. 村田裕四郎

    村田証人 それは大体千代田商業ができます目的としまして、当初から保險代理店というものが構想の中にはあつたかもしれませんが、大体公団の海上保險に対する業務を営むということは、基本的な構想には必ずしまあつたわけではなくて、これはそれぞれのいろいろな事業をもくろみ、あるいはその他の保險の代理事務をもくろむ、ときにたまたま公団としましても、先ほど申し上げました四箇所に分散しておりまする旧代理店が非常に機能的でない、また保險会社もそのことは十分承知をしておる、またそういう機能的でない代理店を経由することによりまして、公団の切り詰められた職員仕事がそのままわれわれに付加されて残つて来る、これは何らかの意味合いで中央に集中しまして、窓口を一本にして保險の非能率な業務もまた簡單かつ明確にしなければならぬという考え、これはわれわれもまた保險会社自身も考えておつたのでありまして、何とかそういう組織がほしいという意向はありましたのと、またまた千代田商業の発生というものが時期を同じうした。しかも千代田商業のそういう役員の方方は、従来公団仕事もよく承知しておられるし、またもともと日本石炭の幹部諸公であつた関係上、石炭ということについても十分の智能もあり、またそれを通じまして保險ということに対しましても一応の認識を持つておる、これが最も適切な相手方であろうということから、もちろん千代田商業としましては莫大な口銭になるわけでありますから、いろいろ自分代理店に推薦してほしいという意向はあつたわけでありまするが、結局そこに結論が落ちついたということが、千代田代理店が命ぜられたという経緯である、かように考えております。
  285. 西村直己

    ○西村(直)委員 あなたの立場からの御釈明はそういう形で言うでしよう。われわれ一人の国民として、あるいは国民の代表の一人として考えた場合においては、そこに暗いものを感ずる。従つてわれわれ一番心配いたしますのは、そういう形で運営された場合に、かりにわれわれの立場から見た疑惑を誇大に書いて行くならば、真相でよくお書きになるような形になる。そうすると日本中がほんとうに不正なようなかつこうに見えてしまう。もうすべていわゆる従来の統制会社系統の人が裏で糸を引いて、そうして現幹部にやらせながら、裏で自分がもうけておる、われわれから言わせると、あなた方の立場はそういうふうに受取れる。そこに追放者の活動というものがある。言いかえれば、業務内容に影響を與えておる。  それから問題を少しかえまして、第二の点としまして、共済会とそれから政府との関係というものは全然ないんですか、いわゆる共済組合法による組合じやないでしよう。
  286. 村田裕四郎

    村田証人 共済組合法による組合ではないのであります。
  287. 西村直己

    ○西村(直)委員 すると別個に健康保險組合はありますね。
  288. 村田裕四郎

    村田証人 ございます。
  289. 西村直己

    ○西村(直)委員 健康保險組合に対する職員の掛金は職員が出したか、公団が出しましたか。
  290. 村田裕四郎

    村田証人 職員が出しております。
  291. 西村直己

    ○西村(直)委員 間違いありませんか。私が聞くところによると、公団がお持ちになつたというのだが。
  292. 村田裕四郎

    村田証人 これは私の記憶違いでございましたら修正をさせていただきたいと思うのでありますが、以前において一時公団がそれを持つてつたことがあつたのが、会計検査院その他からの注意によりまして、これをはつきり職員から醵出させるということに変更したのではないかというような記憶が、ちよつとございますですが。
  293. 西村直己

    ○西村(直)委員 おそらくこの場合は法律に基づいた正式のものだと思いますがね。
  294. 村田裕四郎

    村田証人 はあ。
  295. 西村直己

    ○西村(直)委員 職員が半額かけるのを、おそらく公団が相当負担されておる。すると一般の公務員と違つて公団職員は一つ利益を得ている。さらに共済会という別途のものをおつくりになつてこれのおこぼれを職員に與えておる。私少し意見を申させていただくならば、前に調べました油糧公団にしましても、配炭公団にしましても、職員を救うと称しながら、絶えずどこからか金を引きずり出して来て、その金に疑惑が強いというのが、他の特別会計もしくは公団でまだあるのではないかということになる。だからこれを白日のもとにさらした場合に、国民は、政府なりそういつた公団の主脳部というものを否定するということになる。われわれはそれを心配するのでありますが、この場合におきましても共済会というものをつくられて、なるほどこれによつて職員はある程度潤された。しかしながら共済会で潤い、健康保險の掛金で潤つた場合は、すでにこれは閣議決定に違反しておる。言いかえれば一般公務員の扱いと同じようにしろということで公団が公務員になつた以上、そういう扱いがあるわけであります。なるほど従来の民間給與よりは少し下るから、それを何とかしてやりたいという幹部のお情の気持はわかるけれども、しかし一面において政府が公団というものをつくり、そこに公務員の性格を與えた以上は、従つて同じような扱いがなければ、一般公務員からたいへんな問題を起すわけであります。その点少しお考えがルーズであつたという点が一つあると思う。いま一つは、それを利用して公団の幹部の方が、職員を救済する、あるいは副利施設を設けると称しながら、そこにある程度大きな金を動かしておるという点であります、しかもなお私どもがそれを一歩ついて調べ上げなければならぬ点、はつきりさせなければならぬ点は、千代田商業寄付金として出たものをさらにもう一ぺん預かつておる。端的に申し上げると、千代田商業は運転資金に使つてつた、業務上に使つてつたと思います。言いかえますならば旧公団の現在の公団に対する影響力を持つた幹部諸公が集まつて、現在の公団職員幹部をうまく利用して、職員に副利施設を與えるという美名のもとに、千代田商業なるものの運転資金をつくつてつた。これが四千万円前後の金の実体ではないかと考えるわけであります。これは他の委員の方方から漸次いろいろと、あらゆる角度から追究をしていただきたいと思うのであります。現在食糧配給公団、あるいは他の特別会計等におきましても、すべて何か起ると最後は赤字になつて、三十億、五十億、百億のいわゆる赤字を一般会計に求めて来ておる。これが現在のすべての公団の動き方の姿であります。やるだけはやつておいて、その公団のしりは国民に負担させておる。それを真相なら真相という雑誌が一つの色をもつて誇大に書き出すならば、国民はまつたく政府なり現在の国民の指導層を信頼しなくなる、私はこれを憂えるのであります。意見になりますが、私のお聞きしたい点はそれらの点であります。あとまた状況によつて漸次質問いたします。
  296. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは千代田商業はほかの目的でつくつたのだが、たまたま保險があつたと言つておられるが、それは実際ですか。保險がなかつたらあんなものはできやしなかつたのでしよう。
  297. 村田裕四郎

    村田証人 大体そういう人たちが公団を去らねばならぬということで——千代田商業のできたのは二十二年の十二月と記憶しておりまするが、秋ころから大体そういう話もありましたので、それらの人たちが寄つて何かのもくろみをしなければならぬということで、寄り寄り計画されておつたことは、その当時から私は聞いておつたのであります。
  298. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、そう言つてるからして、保險を一口にしてまとめて割もどしは取れぬが、代理店の一割なら取れるというからこれができたんでしよう。
  299. 村田裕四郎

    村田証人 結果的に申しますれば、これが一番大きな向うの収入……
  300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 結果じやない。原因を言つてるんです。この前黒崎証人も出て、初めはそういうことを言つてつたが、追究せられたら、その通りですと言つた。あなたはそうでないと言えますか。保險の引受けがなかつたらそんなものはできつこないじやないか。だれが聞いたつてわかりきつたことだ。そんなことは陳弁するだけやぼじやないですか。何もやつてやしない。それから公団職員が一般公務員より給料が安かつたと言われるが、三割増の承認を得ておつたでしよう。
  301. 村田裕四郎

    村田証人 一般公務員より安かつたとは申しておりません。
  302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 民間給與より安いと言われておるが、そういう意味で三割増を承認されておつたでしよう。
  303. 村田裕四郎

    村田証人 頂戴しております。
  304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでも不足ですか。
  305. 村田裕四郎

    村田証人 と申すわけではないのでありますが……
  306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから先ほど大橋委員からも言つたが、あなた方は刑法ばかりではない、みずから公務員になつたという観念がありましたか。ここに私は公団というものの根本があると思う。もとの商人のつもりで仕事しておるのじやないですか。
  307. 村田裕四郎

    村田証人 いや、そういうことはありません。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それならば、民間でやつたら何でもないことでも、公務員となつた以上はやれぬものなんですよ。自分取扱つた仕事で割もどしをもらつたり、寄付をもらつたりしたらいかぬものだぜ。そこに根本があるんです。あなた一人じやないですけれども。もとの商人で、公務員という資格をからだにくつつけられたと思つてるから、こういうことになる。公務員の力をもつてそんなことをやろうと思えば何でもやれることになる。まあいいでしよう。梨木君。
  309. 梨木作次郎

    ○梨木委員 さつきのあなたの証言の中の料金の拂いもどしの約束ですね。その約束は千代田商業と、それから保險会社公団、この三者が話合いの上で書面をつくつたとおつしやいましたね。これはその通り聞いて間違いないですね。
  310. 村田裕四郎

    村田証人 私もその仕事の当事者でなかつたので、はつきりその通り間違いなかつたかというお話につきましては、多少お答えを逡巡せざるを得ないのであります。書面を見たわけでもありませんけれども、そういうことでこの話が成立つたということで報告を受けたような記憶があります。その記憶に基いてのお答えでございます。
  311. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その書面というものはどこに保管されておるかおわかりでありませんか。
  312. 村田裕四郎

    村田証人 経理局長の手元ではないかと思つております。
  313. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこでその三者の協定の内容といたしましては、割もどしは保險会社が直接に公団へ渡すことになつてつたのですか、それとも千代田商業を通じて渡すことになつたか、そういう点についてはどういうふうに聞いておられますか。
  314. 村田裕四郎

    村田証人 やはり報告を受けました記憶によりますれば、保險会社公団の指定するものにその金を渡すということにはつきりなつておるものと心得ております。
  315. 梨木作次郎

    ○梨木委員 千代目商業を通じてではないですね。直接ですね。
  316. 村田裕四郎

    村田証人 はい。
  317. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これは保險料に応じて一割の手数料が出て来、さらに三分とか七分とか出て来ますね。この詳しい保險料というものを計算し、さらに一割というものを出し、そこからまた三分とか七分とかいうものを出す。こういう詳しい経理を扱つておるのは、あなたの方の公団としてはだれがやつておりますか。
  318. 村田裕四郎

    村田証人 会計課長にやらしております。
  319. 梨木作次郎

    ○梨木委員 会計課長はどれだけの保險料を拂つておるから、今度はどれだけ取り分があるということが明確にわかつておるわけでございますね。
  320. 村田裕四郎

    村田証人 それはわかつておるはずと思います。
  321. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうするとその約束通りのものが、協定に基いて三分なり七分のものが入つて来ておりますか。これはあなたのお話では昭和二十四年になつて一ぺんに入つて来たとおつしやいましたが、その入つて来たものは、協定通りのものが入つておるかどうかということについて、どうですか。
  322. 村田裕四郎

    村田証人 私ども常任理事として、折々会計報告などを求めて、これを見ておりますが、そこまで突き詰めた担当者に対する質問はしておりませんでしたけれども、おそらく今のお話のように、はつきりと計算上取得し得べきものが入つて来ておるものだ、かように思つております。
  323. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこで私の方でお願いしたいのは、この千代田商業というものができましてから、公団解散するまでの保險料の支拂高、それから三分とか七分とか拂うようになつたその金額がそつくり入つておるかどうかについて、私は相当疑問を持つておるわけなんです。ですから、これが今わからなければ後にでも書面で出していただきたいと思います。
  324. 村田裕四郎

    村田証人 ただ保險料の支拂いに時期的なずれがございますので、それが保險会社に入り、はつきり口銭が算定されての結論千代田に対する口銭となり、またわれわれに対する寄付となると思いますので、保險料の支拂いと時期のずれは多少あるかと思いますが、そういう数字的な問題はきわめて明確にしまして、後刻書面でお届けしたいと思います。
  325. 梨木作次郎

    ○梨木委員 お願いします。それからこの千代田商業というものができる前におきまして、代理店に対する手数料、それからさらに公団の割もどし料というものは、どういうことになつてつたのでありますか。
  326. 村田裕四郎

    村田証人 これは全然われわれ関與しておりません。その千代田商業ができます以前、北海道に一箇所、宇部に一箇所、九州に二箇所と申し上げましたが、この代理店につきましては全然われわれ関與しておらない。従つてその代理店保險会社幾ら代理店手数料を拂つたかどうかということも、私の手元ではわかりませんし、いわんや割もどしとか寄付とかいう問題は、その当時においては何にもなかつたのです。
  327. 梨木作次郎

    ○梨木委員 なかつたことは間違いありませんか。
  328. 村田裕四郎

    村田証人 間違いありません。
  329. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると、今度千代田商業ができるようになつてから、割もどしというものが新しく出て来たわけでありますね。
  330. 村田裕四郎

    村田証人 割もどしと申しますか、つまり先ほどもるる申し上げましたように、千代田に多額の収入がある必要はないということから……
  331. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その点はもうけつこうです。そうするとこういうことはどうなんですか。そうするとこれは割もどしということになりますから、しかもこれは一括して千代田が扱うのでありますから、実質上は保險料率の引下げということになつて来るわけでありますね。そこで割もどしとかいうめんどうくさい、妙なまわりくどい手を講じないで、ここではつきりと全部十社なら十社が割もどしをするという話合いができたのでありますから、なぜ保險料率の引下げということを三分なら三分、七分なら七分ということでやらなかつたかというその理由を伺いたいのであります。
  332. 村田裕四郎

    村田証人 これは先ほど委員長にも申し上げましたように、料率の引下げということは、われわれが自家保險を考えてこれが成立たなかつたという直後におきまして、保險会社にいろいろ談判折衝したわけでありますが、これは保險の協定その他の建前から、料率の引下げということは絶対できないんだということで、その希望はわれわれ捨てたわけであります。
  333. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それからこれはくどいようですが、四千万円は二十四年度になつて、一時に現金が来たということは間違いないのですね。
  334. 村田裕四郎

    村田証人 いや、四千万円と申しますのは、二十二年十二月、千代田代理店業務を行つて、しかも先ほど申し上げた双方の一つの協定ができて以来今日に至りますまでの大体の通計の金額でございます。二十三年四月当時に受けましたのは、必ずしもその当時においては全額を一度に受けたものでなしに、ある時期におきまして次々に受けたもののように私心得ております。
  335. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 梨木君、こうなつておるんだ。昭和二十三年八月から千代田商業へぽつぽつ入つておるのを、千代田商業へ滯つて、そうして四月になつて初めて合計千五百五十九万八千三百七十円というものを入れておる。それがけしからぬと言つておるんだ。
  336. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこのところを伺いたいのですが、そうすると第一に話が違うのは、保險会社が直接公団へ渡すというのが、そうでなくて千代田に預かつたということが最初の協定とは違うわけですな。
  337. 村田裕四郎

    村田証人 ただいまの委員長の話がおそらく事実だと思うのでありますが、私はそういうふうに考えておりませんために、先ほどのようなお答えを申し上げておるわけであります。委員長のお話の通りとしますれば、私が申し上げた協定と具体的の処理が違うというただいまの御質問通りになるものと思うのであります。
  338. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この前の証人も、やはり保險会社から直接だと言つておる。そうなんだからあなたも同じように承知しておられるらしいので、そうすると話が違つて来ておるのでありまして、そこで話の違うことをやつておることについて、あなた方は何か文句を言つたような事実はありますか。
  339. 村田裕四郎

    村田証人 千代田へでございますか。
  340. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうです。千代田並びに保險会社に話が違うじやないかというので、抗議を申し込んだようなことはありませんか。
  341. 村田裕四郎

    村田証人 少くも私はございません。
  342. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それから共済会は金が入つてからの経理関係は、はつきりしておりますか。
  343. 村田裕四郎

    村田証人 きわめて明瞭にさしておるつもりであります。
  344. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それからもう一点伺います。あなたの先ほどの話ですと、従来は共済会はは厚生費として何がしの金を公団から出しておつたと言われる。それが何か出していけないというようなことになつた後におきまして、保險会社から割もどしして来たものを出すようなことになつたんだというような趣旨のことをおつしやいましたが、あれはどういうことです。
  345. 村田裕四郎

    村田証人 保險会社から寄付を受けるということにつきましては、すでに決定しておつた問題でありまするが、これをどういう方面にどう使うかということで、いろいろ公団としまして議論がまとまらなかつたまま荏苒その当時まで経て来たわけでありますが、ちようど二十四年の四月からは、公団からの厚生費の繰入れができなくなるということから、その金はそれではそちらの方にまわす方がいい、それによつて共済会運営をやつて行こう。こういう話になつた
  346. 梨木作次郎

    ○梨木委員 公団から共済会厚生費を出してはいけないというのは、何か指示でもあつたのですか。
  347. 村田裕四郎

    村田証人 同額のものを出しておつたということにつきましては、おそらくその筋の指令によりまして、さしとめられたものというふうに聞いております。
  348. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そのかわりとして、従来自分の勘定で出しておつたのが出せなくなつたから、寄付としてもらつた分から出すようにそこで話がきまつたと……
  349. 村田裕四郎

    村田証人 結局、公団からの厚生費かなくなりますれば、共済会財源関係上従来の運営が不可能になるわけで、そこにただいまの保險会社からの奇付金何がしかがあつたのでありますから、これを充当することによりまして、従来と同じような共済会運営をやつて参るということにいたしたわけであります。
  350. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは何に使つていいがわからないものを、一応あなたの方では寄付を受けるということに話合いを最初きめたのですか。
  351. 村田裕四郎

    村田証人 そうです。従つて何に使つていいかわからぬということではないのでありまして、たとえば先ほど申し上げたように、医療施設あるいは病人の寮とかいうものを、計画ではほとんど持つてつたのでありますが、しかしそれを実施することがなかなか困難な事情も想定されて、そういうことにこれを使おうじやないかという結論がなかなか得がたかつたわけであります。
  352. 梨木作次郎

    ○梨木委員 しかし保險会社から寄付を受けるあなたの方の公団としては、それだけ金銭の収入があるわけだ。この収入を何に使うか決定しないというが、公団のいろいろな経営に十分私は使えると思うのでありまして、使い道がはつきりしないから寄付受取らないということは、私には受取りがたい。そこにじつと暖めておいて何かうまい方面に使おうとする、そういうことを疑われても弁解の言葉がないような、そういうやり方をやつておると私は思う。それはどうです。
  353. 村田裕四郎

    村田証人 私担当しておりません関係上、ただいま委員長のお話のように、千代田商業にそれが暖められておつて、ようやく二十四年三月になつて公団受取つたということはおかしいじやないか、この話につきましても、私は経理上そういう内容になつてつたということは、実は知らなかつたわけであります。
  354. 梨木作次郎

    ○梨木委員 いつ知られましたか。
  355. 村田裕四郎

    村田証人 ただいまお話を承りまして、それを承知したわけなのであります。
  356. 梨木作次郎

    ○梨木委員 あなた今初めて千代田で暖めておつたということを……
  357. 村田裕四郎

    村田証人 今委員長から伺いましたのでありますが、私はそれははつきり保險会社との約束通り保險会社から直接われわれの共済会に入るべきものだ、こういうふうに考えておつたわけであります。ただ、いまの使途はつきりきめかねるために、これを保險会社の方からその当時において受取つておらなかつたということは、私も共済会事業運営関係上から、それは承知しておりました。
  358. 梨木作次郎

    ○梨木委員 共済会受取つておらなかつたということは、承知しておられたんでしよう。
  359. 村田裕四郎

    村田証人 保險会社から共済会が金を受取つておらなかつたということは、前から承知しております。
  360. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だからなぜあなたの方でよこせという請求をされなかつたのですか。それは協定に基いて公団へ交付すべきものなんです。これをなぜよこさないんだという要求を、どうしてされなかつたかということなんですがね。
  361. 村田裕四郎

    村田証人 共済会の方でその金をどの方面に使うかということさえはつきりしますれば、かりに保險会社にいたしましても、千代田商業にいたしましても、そんなにいつまでも置くことはなかつたのでありまするけれども、その点ではつきり意見が決定しなかつたために、金の取扱いがそういうことになつたのです。
  362. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 小林進君。
  363. 小林進

    ○小林(進)委員 私はちよつとあなたのお気持をはつきりお聞きしたいのですが、先ほどのお話で、料率を下げる交渉を保險会社にされたというのであります。これは前からの尋問でみんなそうおつしやるのですが、この料率の引下げの交渉をされるときの気持でございますね。この気持は何とか引下げをさせて、内輪のぽつぽを暖めるという気持で交渉をされたのですか。最初の交渉のときは、これは国家の保險料金なんだから、国家の財産を少しでも軽減させるという気持で交渉されたのですか。その気持をひとつお聞かせ願いたい。
  364. 村田裕四郎

    村田証人 それは料率を引下げさせて、一もうけしようという意向は全然ございません。ただ企業の運営としまして、そういう経費はひとり保險料率のみならず、すべてのものにつきましてこれをできるだけ軽減をさせまして、経費の節約をはかろうという趣旨から出発いたしたわけであります。
  365. 小林進

    ○小林(進)委員 経費の節約をするという気持で出発された、その経費はやはり国家の経費でございますね。
  366. 村田裕四郎

    村田証人 さようでございます。
  367. 小林進

    ○小林(進)委員 国家の経費を節約しようという気持で出発されたわけですね。
  368. 村田裕四郎

    村田証人 さようでございます。
  369. 小林進

    ○小林(進)委員 その料率の引下げができないときに、しからば保險会社に交渉して——あなたは今寄付とおつしやるが、こちらは割もどしと解釈する、それは言葉の問題ですが、その金を受取るときに、その出発のときの、何とか国家の経費を軽くしようというお気持がなくなつているのですか。
  370. 村田裕四郎

    村田証人 これはつまり公団そのものが荷主なんでありますが、荷主が保險会社からそういう寄付その他を受取ることは許されないということを、聞いておつたわけであります。共済会公団そのものではなしに、公団職員をもつて結成された一つの機関でありますので、これならば当然——当然と申しては何でありますが、保險会社寄付を受けるに値いする存在だということから、当時共済会にそういう意味でいろいろ経費もほしいということから、これを受けることにしたということがこの経費であるわけであります。
  371. 小林進

    ○小林(進)委員 私はこの荷主が保險会社から金を受取ることができぬというあなたの一片のりくつはわかるのですが、いやしくも国家の金を拂うのですから、国家の帳簿上にも戻入とかいろいろ記帳方法もあるのですし、結局保險会社の言葉は何であろうとも、支拂いがそれだけ軽くなつたのですから、その金を国家の帳簿、つまり公団の帳簿に拂いもどしをする方法があるかないかを深く御研究になつたことはございませんか。ただ共済組合のふところに入れて何とかこれをうまく使つてやろうということだけをお考えにならないで、何とか国家へその財産を返すということについて御研究になつたことがあるかないということでございます。私もそういうことは相当研究をしているし、みずからやつて来たこともあるのですが、確かに公官吏やその他が、帳簿にそういう金をちやんと国家の経費として拂いもとして、戻入するという方法は幾らもあるのです。それをあなたは最初からできないものだ。何でも共済会に頂載する以外に方法はないもの、こういうようにりくつをつけておいでになりますけれども、これはどうも私にはのみ込めない。だからお話を聞くと、最初は何とか保險料金を負けて、経費を削減しようという気持だつたが、途中からこれはばからしい。何とか内輪でうまく処理した方が得らしいという気持にかわつたのではないかというようにしかとれない。この点をひとつ明確にしていただかなければ、あなたの二時間、三時間やられた証言は、私ども承認するわけに行かないのです。
  372. 村田裕四郎

    村田証人 保險会社もその気持でおるわけであります。直接のいろいろな折衝、研究その他は、当時私がそれを担当する立場におりませんために、はつきりしない面もございますが、私自身としましては、自分が責任を持たぬ仕事であるからということを申してははなはだ恐れ入りますが、そこまでの研究は私自身はいたさなかつたということを、遺憾ながらここで申し上げるよりないのであります。
  373. 小林進

    ○小林(進)委員 これはさつき委員長がついたから、くどくなりますけれども、千代田商業は、保險料金であなた方が苦悶をしておるときと、たまたま時期を同じうしたという証言をされておりますが、これはこの前の総裁以下の証言とはことごとく違つております。御参考までに公団の総裁のお言葉を、私が筆記しておるところのをお読みしてもいいが、こういうことを言われておる。二十三年の四月、公団理事にとどまることを得なかつた者が四、五名出た。その人たちが商事会社をやることになつた。この人たちが保險の代理業務をやらせてくれないかということを言つて来たというので、しからば君の方でやつてくれるかということの話合いで、やつてもろうことになつた。こういうようにあなた方の総裁が証言されておる。あなたのお言葉は、さつきも委員長が言われたように、ただ時期的に偶然時期を同じうしたというお話であつた……
  374. 村田裕四郎

    村田証人 ただいまの総裁のお言葉ですが、それは私の証言に、表現の十分でない点がありましたので、そういう御解釈になつたかもしれませんが、もちろん千代田商業の方は、その会社のできるにつきまして、いろいろ事業計画もあるが、一つの希望として保險代理業務をやらしてもらいたいという意向からの意見の開陳があつたことは、総裁の証言通りと思います。ただその時期が、ちようどわれわれが何か中央集中的なものがほしいということを考えましたのが十一月、十二月当時のことでありましたので、千代田商業の希望を受入れるのに、われわれとしてもたいへん御都合であつたという意味合いから、たまたま時期を同じうしたという表現をしたわけでありまして、もちろん向うからの強い要請があつたことも事実であります。
  375. 小林進

    ○小林(進)委員 あなたの方ではこの保險業務がうまく行かぬが、君たちパージ組が何か会社をつくつて、この保險を引受けろということを積極的に言つたことはありませんか。私はそのように聞いているのですが……
  376. 村田裕四郎

    村田証人 積極的には、千代田商業の連中にそういう要請をしたことはないと思います。
  377. 小林進

    ○小林(進)委員 あなたがお知りにならないのですか。
  378. 村田裕四郎

    村田証人 そういうことは存じませんわけです。
  379. 小林進

    ○小林(進)委員 それではいま一つお伺いいたしますが、あなたは虎の門寮というのを御存じではございませんか。
  380. 村田裕四郎

    村田証人 虎の門寮は存じております。
  381. 小林進

    ○小林(進)委員 どなたの所有でございますか。
  382. 村田裕四郎

    村田証人 野村宗一郎君の所有でございます。
  383. 小林進

    ○小林(進)委員 その家は元どなたのお家でしたか。
  384. 村田裕四郎

    村田証人 これは苗字は忘れましたが、糸平々々と言つておりますが、その家屋を分割しまして、一部を野村氏が所有したということであります。
  385. 小林進

    ○小林(進)委員 そうするとその虎の門寮は、公団でお使いになつていたそうでありますが、どんなぐあいにお使いになつておりましたか。
  386. 村田裕四郎

    村田証人 それは公団がしばしばいろいろの大きな会議を持ちますわけなんです。これは業務上の会議でございますが、東京で開かないといろいろ都合が惡い面がありまするが、場所の関係上なかなか東京で開けなかつたというような状況でございます。従いまして何か東京にそういうような会議場がほしいというようなことから、かれこれ物色しておりましたところが、野村君の方からも、自分の方でこういう家屋を購入したので、これを利用してくれないかという話もございましたし、またわれわれの方も会議場あるいは上京者の宿泊所が必要であつた際でありましたので、これを借り受けまして、公団の分室という意味合いで、実質的には寮みたようなものですが、野村君にやつてもらつた。こういうことになつております。
  387. 小林進

    ○小林(進)委員 その「りよう」とおつしやるのは料理屋の料ですか。
  388. 村田裕四郎

    村田証人 宇かんむりの寮です。
  389. 小林進

    ○小林(進)委員 私どもは料理屋の料の方かと思つておりました。月に何回くらいそこを御利用なさいましたか。
  390. 村田裕四郎

    村田証人 その回数につきましてはよくわかりませんですが、頻繁に使つたのではないかと思います。いろいろの局がございまして、業務局あるいはその他の局の連中が、会議その他に使つておりましたので、相当度数は利用したものと思つております。
  391. 小林進

    ○小林(進)委員 ちよとつかない質問ですが、芸者なんか出入りしたことはありませんか。
  392. 村田裕四郎

    村田証人 芸者などの出入りは、元来公団の分室という建前から嚴重に禁じておつたのでありまするが、たしか寮の開設の披露か何かのときに、女中の訓練その他が行き届かない関係上、そういう酌人が一回参つたということがあるように覚えております。その他は、少くとも公団会議ないしは会食には、そういう者の出入りは一切認めておりません。
  393. 小林進

    ○小林(進)委員 あなたの方で認めておらない……
  394. 村田裕四郎

    村田証人 はい。
  395. 小林進

    ○小林(進)委員 その野村さんという方が、公団に使つてくれないかということをおつしやつたそうでございますが、公団とどういう御関係の方でいらつしやいますか。
  396. 村田裕四郎

    村田証人 野村君が公団に使つてくれないかと言つたということは、当時私はその方の担当でなかつたために、私の想像で申し上げるので、あるいは間違いがありましたならば、これは訂正しなければならないのですが、野村君は製鉄原料輸送株式会社の社長をしておりまして、その仕事の面を通じまして、業務的の関連を公団に持つておられた方であります。
  397. 小林進

    ○小林(進)委員 その製鉄原料輸送株式会社というものと公団との関係は、表面上どんなふうに結びつくのですか。
  398. 村田裕四郎

    村田証人 野村君の方は製鉄原料の荷後炭、いわゆる鹿町の荷後炭というものを製鉄原料として扱つてつたわけでありますが、そういう製鉄の方から、当時の公団法に基きまして買いとつたものを野村君の輸送会社が輸送しておつたというようなことの結びつきでないかと思つておりますが、ちよつと詳しいことは、ただいま失念して申し上げかねる次第でございます。
  399. 小林進

    ○小林(進)委員 そうするとその荷後石炭は、ほとんど野村さんが扱つておられた、こう解釈してよろしゆうございますか。
  400. 村田裕四郎

    村田証人 扱いは野村君であつたという解釈が成立とうかと思いますが、その辺ははつきりいたしません。
  401. 小林進

    ○小林(進)委員 私どもの調査によれば、この荷後石炭の黒幕は野村であるというふうないろいろな確実な情報が入つて来ておるわけであります。数量をふやすことから、減らすことから、料金から、運搬から、見積りまで、相当大きく公団の中ではばたきしておる黒幕が、この野村氏であるというような情報が入つておるのですが、いま少しその荷後石炭と野村氏との関係を、知れる程度詳しく正直にお話願いたいと思います。
  402. 村田裕四郎

    村田証人 ただいまの荷後石炭とおつしやいますのは、たとえば東京石炭協会で扱つております荷後石炭の意味でございましようか、それとも鹿町の荷後炭という意味でございましようか。
  403. 小林進

    ○小林(進)委員 それは鹿町からずつと……
  404. 村田裕四郎

    村田証人 それは業務上の関連でありますので、私が詳しくお答え申し上げるだけの知識は実はないのでございますが、その程度しかちよつと申し上かねるように思つております。
  405. 小林進

    ○小林(進)委員 この点はだれにお聞きしたらよいのですか。
  406. 村田裕四郎

    村田証人 これは明らかに業務局長の分野だと思つております。
  407. 小林進

    ○小林(進)委員 それではいま一つお聞きしたいのは、その虎の門寮の什器や器具その他はどこでみんな設備されたのですか。
  408. 村田裕四郎

    村田証人 什器、器具は、当初におきましてはほとんどすべて公団自分の什器、器具としまして購入して、あそこへ備えつけをいたしました。その当時はそう多数の人数の出入りも想定しておりませんので、会議が一箇所あれば、それで虎の門寮は一ぱいになるというような気持で、それに応ずるべく什器、器具の設備をしたのですが、その後会議関係で二つくらい重なるようなことも再三あつたように聞いておりますが、そんな関係上什器、器具も足りなくなつた。それでこれはわれわれの方も煩瑣にたえないので、そういうものは野村君の方が必要に応じて増して参つたというふうに聞いております。
  409. 小林進

    ○小林(進)委員 あの付近の人が配炭公団の御殿々々と言つて、どうも晝から晩まではなやかに宴会の声が四隣を圧したというので評判になつたのですが、そんな評判をお聞きになつたことはありますか。
  410. 村田裕四郎

    村田証人  一時聞きましたことがあります。大体分室で仕事をすることでありますので、これはもちろん食事もそういうようにさせましたわけですが、酒の量なども実は限つてつたわけなんですが、若い連中は非常に激しい作業をしましたあと、食事の際にわれわれの制限を越えまして、持込みの酒その他で大いに元気を出した。その結果近隣からおしかりもあつたということで、自粛を求めたこともあつたわけであります。
  411. 小林進

    ○小林(進)委員 それで結局結論としては、保險料金でそういうふうにあなた方の生活をゆたかにしながら、国家に損害をかけておる。あるいは近隣の顰蹙を買うようなはなやかな宴会行為をやつておる。そういうことをおやりになつてつて、今公団の清算に入るときに、百二十億からの赤字を出しておる。そういう結果を見て総務局長、あるいは清算人としてあなたはどう考えておるか、やはりあなた方のおやりになつたことが正しかつたとお考えになつておるかどうか。これをひとつお聞きして私は終りにしたいと思います。
  412. 村田裕四郎

    村田証人 共済会の問題につきましては、結論的にいろいろの御批判もございましようし、また運営のよろしきを得なかつたこと、ないしは資金の獲得等について、先ほど刑法上に触れるというようなお話もございますので、そういうことでありますれば、これははなはだ遺憾にたえぬわけでありまするが、その根拠とするところは、やはり職員福利厚生というようなことから出発いたしました問題でありまして、従つてその考えそのものはひとつ御容認も願いたいし、私自身としましても処置その他には遺憾の点がございましても、その計画については当時の状況としてやむを得なかつたのではないか、こういうふうに考えております。虎の門御殿という今のお話も、これは先ほども申し上げましたような行き過ぎその他の点がありまして、近隣の顰蹙を買つたということについては、その都度自粛を追つたような状態でありまして、そういうような状態であつたことは、これはまことに相済まぬということを、この席で申し上げたいと思つております。
  413. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことではない。あなたが公団の首脳部として、今日このような赤字を出して、国民に対してどういう責任感を持つておられるか、その点なんですよ。こんなことはあたりまえだと思つておるかどうか、こういうのです。
  414. 村田裕四郎

    村田証人 決してあたりまえとは思つておりません。
  415. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。  馬屋原隆志さんですね。
  416. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらから聞くときはかけておられてよろしいですが、あなたが答弁せられるときには、委員長に発言を求められて立つて御答弁願います。  あなたは配炭公団業務局長をしておいでになつたようですが、いつからおやりになりましたか。
  418. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 二十二年の六月四日に公団理事に就任いたしまして、同年十一月八日に業務局長を拜命、二十四年の七月二日に退職いたしました。
  419. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前は何をおやりでしたか。
  420. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 関東石炭販売株式会社の社長であります。
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 関東というのはどこにあるのですか。
  422. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 東京都内であります。本社が東京都内にありまして、関東地区各県に支店、出張所があるわけであります。
  423. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在は何をおやりですか。
  424. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在は日本海陸運輸株式会社専務取締役であります。
  425. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 東京都石炭協会理事もやつておいでですね。
  426. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 関東石炭時代にやつておりまして、その後はやめたはずだと思いますが……
  427. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 石炭協会の名簿には理事になつておるのだが、あなた自身は知らぬのか。
  428. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その後理事会にも出ておりませず、公団になつてから、事実上において出席もいたしませず、やめたものと私は考えておつたわけです。
  429. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前は理事つたのですね。
  430. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようであります。
  431. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 海陸運輸というのは何をやつておるところですか。
  432. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 詳しくは存じませんが、もと省炭荷役株式会社というのを最近改名いたしまして、日本海陸運輸というようにいたしましたので、主として鉄道の補填炭の荷役を一手に引受けておつたのが従来の業務であります。  公団の末期になりまして、石炭の販売業が民間に切りかえられることになりましたにつきまして、同社においてその販売を営むことを重役会議において決定して、新しく石炭の販売業をつけ加えたのが現状であるわけであります。
  433. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団のあつたときは、何か公団と特殊の関係はありましたか。
  434. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団のときには何ら関係はありません。
  435. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで配炭公団の業務局の業務の内容について、大筋でよいですが、ちよつと承りたいと思います。
  436. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 概要については、石炭の価格に関係する業務の総合的事務を扱つておりましたのが業務局であります。従いまして、価格内容であるところの運賃、諸掛及びその価格の決定に際しまして、物価庁に対する資料の提出等の材料を収集して、これを参考に関係当局に提出するというのが業務であつたのであります。
  437. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 買取りについての検炭並びに検量等についても、あなたの方でやつてつたのですね。
  438. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  439. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで石炭並びにコークス及び亜炭の買取り価格及び売渡し価格を決定するについてのいきさつを承りたいのです。
  440. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団を離れましてから半歳余にわたりましたので、記憶はつきりしておらぬ点もありますので、この点はお断りしておきたいのでありますが、大略を申し上げますれば、業務局は石炭の買取り、販売を担当しておりまして、コークスについては、コークス局において価格の面もあわせて配給と同時にやつてつたのでありますが、公団末期になりまして、業務局の方にこの事務を移管しました関係上、コークスについてはあまり詳しく存じないのでありまして、石炭について申し述べさせていただきたいと思います。石炭の買取りにつきましては、物価庁でこれを決定され、指示されるのでありまして、公団先ほど申し上げましたように、これが資料を提出するにとどまるのでありまして、この価格の決定に基きまして、公団は石炭、コークス及び指定亜炭の一手買取り、一手販売をするという事務を仰せつかつているわけであります。従いましてこの価格の決定は、炭価配分委員会というのが物価庁内部にありまして、この炭価配分委員会の答申に基いて、物価庁において買取り価格を決定するということになつております。物価庁のこの炭価配分委員会の答申案に基いて、全国的に生産業者の買取り平均価格というものが出るものを、これを基礎にいたしまして価格のプール操作を公団においてやる。このプール操作によつて出た計算を、物価庁において適正と見た場合において、これを指示価格として物価庁が公示して、その指示価格に基いて公団が買取り、販売をするというような順序になつているのであります。なお販売につきましては、この生産者平均価格を基礎にいたしまして、これに公団が協定しました輸送費諸掛をプールいたしまして、このプール価格を加算したものが各市場別の販売価格または販売建値価格というような要素になつているわけであります。
  441. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 石炭の買受けはどういう手続でやつておりますか。
  442. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 以上申しましたような価格によりまして、各生産業者から、おおむねは炭鉱もよりの貨車乗りにおいて受取つているわけであります。
  443. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 炭鉱からですね。
  444. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 炭鉱から輸送機関乘りで受取つているわけです。炭鉱がもよりの輸送機関に乘せまして、その輸送機関に乘つたところで公団が買取りをする、こういうとりきめになつております。
  445. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでに輸送機関に乘せるまでは、生産者の方で諸掛を負担するわけですね。
  446. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  447. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 乘つたときはもう買受けになるわけですか。
  448. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 輸送機関乘りの場合は、そこで数量、品質等を決定いたしまして受取るわけでございます。
  449. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売買がそこでできるわけですね。
  450. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  451. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売渡しは。
  452. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 売渡しは使用場所における工場納め込みとか、または貨車乘り、河岸着とかいろんな方法があるわけでありますが、大体使用者の使用場所における納め込みを目途として配給しているわけであります。
  453. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、あなたの方で使用者の指定するところまで持つてつて、初めて売渡しになるのですか。
  454. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  455. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこ渡しというのはないのですか。
  456. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 工場納め込みもありますれば、貨車着の場合もありましようし、船着の場合もありましようし、いろんなケースがあるわけであります。
  457. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、山元からこつちに持つて来る運賃も、それからあなたの方から需要者の方に持つて来る運賃も、みな公団が負担するのですね。
  458. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 山元で生産者から買い取りまして以後、需要者へ荷渡しするまでの間の輸送費諸掛は全部公団が持つてやります。
  459. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 検炭及び検量、それから買受品の管理について詳細御説明を願いたいと思います。
  460. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産業者から買います銘柄は約二千種にわたつておりますし、なお生産業者は、当時炭鉱といたしまして五百数十鉱の多きに及んでいるというようなことよりいたしまして、これが正量の荷受けとか、いろんな面につきましては、公団といたしましては非常に苦心した大きな点であるわけでございます。従いましてこれを受取る場合においては、正量受渡しということを主眼といたしまして、検量につきましては検量委員会というものを公団外部の協力機関として設けて、これを公団対生産業者のみの問題とせずに、広く経済界の大きな問題として批判を仰ぐことが、公団の公共機関性から見てよろしいのではないかというような面から、検量委員会というものを設けたのであります。これには生産業者、輸送業者、需要者及び学識経験者等を網羅いたしまして、これらの方々に委員または幹事になつていただいて、これに協力を願う、そのほかに石炭庁、鉄道省等の関係官庁をオブザーバーとして御出席願つて、この目的の完遂に御協力願うというような機関も設けまして、この目的達成の一助としているわけであります。なお実務につきましては、量的には当初は公団の人員の制限等も予算の関係上ありますので、山元の駐在員という面が非常に手薄であつたわけでありますが、逐次この点につきまして関係官庁の御了解と、司令部方面の御理解とによりまして、山駐の増員をいたしまして、これによつて正量の荷渡しを完遂すべく逐次努力して来たのであります。まず正量荷渡しにつきましては、かくのごとき大量であり、かつ全国にわたり多数の場所にこれを一々看貫してやるということは、とうてい当時の状況からしてできないものですから従つてこれをやるのにはいわゆるメージュアによつて荷嵩検寸してやるほかないというふうな結論に達しまして、荷嵩検寸によつて銘柄別にキュービックをきめまして、この検寸においてこの炭は正量はあるのだというような方法を生産者と公団とで協定し、なおこれを委員会にはかつて裏づけしていただいたものを、生産業者、公団の山駐が立会いまして検寸して荷嵩の秤量をして正量の受渡しを完遂すべく努力したのであります。
  461. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 検炭は。
  462. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 検炭の方は公団にありまして、いわゆる規格買炭といいますが、カロリー、灰分を基礎にして、これを等級別に何カロリー、灰分何パーセントのものはどの等級にするということで、級別の規格をつくつたのであります。この規格にあてはめてそれぞれの銘柄を買い取つたわけでありまして、その買い取るのには、目で見てはとうていこれは品質の良否は判定できないので、従つてこれを分析してやるという方法をとつたわけであります。当初は何分終戰後のことでありますので、分析機等の備えも十分でありませんのを、急速にこういう点についても努力いたしまして、逐次これが準備を整えて参つたのでありまするが、分析は一銘柄について月三回目標にして、事実上においては二回これをやつて行く。一銘柄につきまして三回平均の分析の結果をもつて、これを格づけに引き比べてその格づけにひき合せる。これは何種の何級炭ということに査定するわけであります。従つて分析の方法等につきましては、当時におきましては技術局が担当しておりまして、技術局において分析表等を監督指導し、資料の採集等も技術局においてこれを監督して、資料の採集、分析の結果等を業務局に報告し、業務局は報告に基いて運営して行く、こういうふうにして安全をはかつたつもりでおります。
  463. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 管理は。
  464. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 管理は本来はもちろん業務局と技術局の担当でありますが、各支団配炭局におきまして、責任をもつて完遂するように各分担しておつたわけであります。
  465. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方で大体の方針をきめてやられるのだろうが、どういうような方法でやらしておりましたか、監視を……
  466. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 各場所々々にはそれぞれ局長及び担当課がありまして、その面で担当いたしまして、その成績なり監督なりをやつてつた
  467. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこの間から調べますと、あなたの方で、清算人の言葉をかりれば、まず最低百二十億の赤橋が出ると言つている。その百二十億の中の最も多い損害は、欠炭、廃棄炭、盗炭等が一番多いようですが、これはどういうわけでこのように多く、双方合せて六十何億を見積られておりますね、どうしてそのような大きなものが出たんですか。
  468. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 数字の出た内容は私存じませんが、私の記憶といたしましては、二十四年の三、四月ごろまでは赤字は起つてないと記憶しているのであります。その後御案内の通りに、二十三年の十二月に経済九原則が施行されまして、例のドツジ・ラインによる面から経済界の変動が起り、従つて石炭の需給に変化が起つて来たというようなことから、二十四年の五月ごろから石炭の供給が過剰になつて来て、従つて公団は生産したものは一手に買取つて一手に販売すると義務づけられております関係上、生産したものは全部引取らなくちやならぬというようなことからいたしまして、これを全部引取つて販売する面が、需要量の面が減退したために、貯炭せざるを得ない。ところが、その数量が逐月相当累増したために、貯炭する場所にも窮する。従つて、これが数千箇所に及びます関係上、引取り等の関係から管理が十分でなかつた点もあるのじやないかと考えられます。
  469. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ひどく発煙したそうですね。
  470. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 実ははなはだ粗忽でありますが、よく存じてないのでございますかが……
  471. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはどういうのだ、やめたからか。
  472. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いつごろ発煙したか……。何か事実がおありになればその記憶によつて……
  473. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の廃止になるとき、八、九月だろう。
  474. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私は七月の二日に退職いたしました関係上、その後の問題については外聞するという知識しかないのでありまして、その以前の分につきましては、大阪で発火した点につきましては承知しておりますが、その数量は大したものじやないように記憶しているわけです。
  475. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはほんとうに知りませんか。室蘭であるとか、これはたいへんなものなんだ。われわれでさえ、あの当時から新聞を見て驚いておつたんだが、あなたは知らぬ……
  476. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 話は聞きましたが、どういうふうな経過が聞いておりません。
  477. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だつて、たいがいわかるでしよう。あなたは本職だ。どういうわけで発煙するか。
  478. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 想像といたしますれば、やはり相当貯炭量がふえまして、嵩以上に累積した場合には発火し易いのでありまして、自然大量の貯炭をすれば、発火というものの避けがたい品質のものであるということは承知しております。
  479. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 悪い炭だつたら、なおさら発煙するでしようね。
  480. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは必ずしも悪いものでなくして、さえものとか、いわゆる常磐炭とか宇部炭とかいう種類のものは、本質上発火し易い石炭でありまするが、必ずしも悪い石炭だから発火し易いとは言えないと思うのであります。
  481. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 選炭というのをやるそうですね。
  482. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 選炭はいたします。
  483. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それをやらぬと発火するそうだ。
  484. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは山出しのものは、自然やはり発火し易いものと考えます。選炭をやらないから発火し易いとも言えないと思いますが……
  485. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私の聞かんとするのは、検炭が不十分でなかつたかということを聞きたい。
  486. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 検炭につきましては、先ほど申し上げましたように、公団といたしましては最善をつくしたつもりでおりますが、なお人手とかいろいろな面におきまして、不十分な点は多々あると思つて恐縮しておるのであります。
  487. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 恐縮している……。先ほど、あなた言われた山元駐在員がおつて分析するとか、月に三回やるとか言われるが、事実はほとんど行われておらぬそうじやないか。
  488. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは行つております。
  489. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現場に行つている者は、ほとんど石炭に経験のないしろうとがよほど多かつたという話ですよ。
  490. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 委員長のおつしやるのは、山元駐在員のことじやないかと思います。山元駐在員は、なるべく経験者を集めるべく努力したのでありますが、募集いたしましても、なかなか経験者が集まりませんので、いわゆる外地より引揚げたものとか、いろいろな面より採用したのであります。必ずしも経験者ばかりとは言えない関係上、訓練中のものもありましたので、十分に効果があがらなかつたということも言えると思います。
  491. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではでくのぼうじやないですか。
  492. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事実やつております。量の査定につきましては、間数尺でやりますから、これはしろうとでも十分できるのであります。検炭の方は、これは技術者でなくてはできませんので、專門家によつてつております。ただ試料の採集等につきましては、これは人柄の問題とかいろいろで、監督いたしましてもなかなか容易でなかつたように聞いております。
  493. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの言われるのはりくつで、実際はどうであつたかというのです。山元検炭なんかできやせんというじやないですか。実際はやろうと思えばおどかされるというじやないですか。
  494. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 報告によりますと、監督をしてやつたようになつております。実際面も、世間でおつしやるようなことはないと確信しております。
  495. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 非常に盗炭、欠炭が出るそうですね。あなたは先ほど、二十四年の初めまでは損が行かなかつたと言いましたが、それはたなおろしをやらなかつたからでしよう。たなおろしをやつてみてわかつたのですか。
  496. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時の貯炭量は、常備貯炭といたしまして、今と同じような貯炭ではなかつたのであります。ごく最近におきまして、貯炭の激増のために、これの査定が困難だという情勢が起つたのだと思います。
  497. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 検量については、相当嚴格にやつておりましたか。
  498. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 検量につきましては、今申し上げましたように、山駐その他を派しまして最善の努力を拂つております。
  499. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 非常に荷後炭が出たそうですね。
  500. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭は、荷後炭協会の方から公団が買付けてやつたのでありまして、特に多く出たようにも見受けていないのであります。
  501. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この間神奈川石炭協会の方に聞きますと、非常に多く出た月とあまり出ぬ月があるというから、どうして多い月はそんなに出たのかと言つたら、さな板が破損しておつたから、さな板から漏つてしまつて荷後炭になるということを平気で言うのです。なるほど下へ落ちたのは荷後炭だと言えば、さな板が破損すれば多く出るのは当り前だが、なぜ修繕しなかつたというのです。そういう点はどうです。
  502. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 本団といたしましては、各現地の責任者にそういう面について嚴重に注意をするようにはしておりましたが、ときどきそういう話を聞きますので、注意をして、そういうことのないよう努力するようにはやつて来たつもりであります。
  503. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さな板が破損したのはまだよい。破損しないりつぱな二重、三重底の船があつたそうだ。その中にはいつも不当に荷後炭が残つてつたという。船はどこまでが何十トンと目盛りをするのだそうですね。
  504. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ドラフトがありまして、そのドラフトによつておおむねやつたのです。
  505. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 底に入つたのが荷後炭だと言えば、二重底の上のものしかおりぬことになり、五十トンあると言つても、底に十トン入つておれば四十トンしか上つて来ないので欠斤するのは当然であるが、あなた方は耳にしませんでしたか。
  506. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 多少耳にしておりますが、公団といたしましても、荷渡し場所が数万個所にわたり、一々これを監督するとういことは事実上容易でない。結局各石炭輸送関係者がこれに協力するという面がない限り、公団幹部なり当局がいかに努力いたしましても、なかなか容易でないというのが実情だろうと思うのであります。
  507. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。それはその通りです。しかし、この間神奈川の何に言うたことで、あなたにも私は言うが、あなたが元やつておられた会社で責任をもつて扱うというのであつたならば、そういうことを言つておられますか。目に見えて損が行くのに、監督ができませんから損が行つてもやむを得ませんと言つておられますか。
  508. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいま申しましたのは、監督しないというのではなくて……やむを得ぬのではなくて、遺憾の点があると思います。
  509. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 遺憾どころではない。あなたが株式会社をやつてつたら、監督不行き届きでやむを得ませんと言つておられますか。
  510. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 営利会社でありましたら、当然委員長のおつしやる通りと思います。
  511. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国家のものであるがゆえに、そういうことを黙つているとい良心をわれわれは疑うのです。
  512. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 別に黙つてつたのではなくして、自分の最善の努力はしたのでありますが、そういう点が多少あつたということにつきましては、遺憾の意を表するものであります。
  513. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 遺憾では……。あなた方国家の仕事を預かつて公務員になられたのに、どうもよその仕事をやつているように聞えてなりません。あなた方の答弁を聞いていると、損をするのはあたり前です。  輸送については、どういうことをやつておられましたか。
  514. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 輸送計画の方は、石炭局の方で担当しておりますから、これまた詳しく具体的な説明はできないので、私の承知する点を申し述べさしていただきたいと思います。  公団の配給計画は石炭庁が中心になられまして、まず生産量を査定され、この生産量をどういうふうに配給するかというふうな順序でやられるのであります。生産量の月々の査定につきましては、石炭庁を中心にいたしまして公団、生産業者等が会議を開きまして、その会議の結果の数字を中心にして石炭庁が安本と相談し、安本はさらにGHQの当局と相談されまして、決定されたものの輸送計画を立てまして、その輸送計画にのつとつて配給する。従つてこの輸送計画につきましても、海運総局が中心になりまして、石炭庁、安本等その他関係業者が集まりまして会議を開いてこの計画の策定をされまして、これまた安本からGHQの承認を得て、輸送計画の設定されたものの実施を公団に迫られて、公団がそれをやる、そういうふうな順序になつております。あげて公団独自の策定ではないのでありまして……
  515. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 方法については……
  516. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 方法につきましては、官庁の指示に基いてそれを実施するという機関になつておるわけであります。
  517. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが汽船と鉄道では、鉄道が安くて汽船が高かつたそうですね。
  518. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはまた運賃の問題になるのですが、汽船並びに貨車の運賃の問題につきましては、これは政策運賃でありまして、われわれが検討する余地はない。政府において政策的に決定される運賃で、従つて政府部内においてその原価の調査とかいろいろな面でやられておりますので、妥当であるかないかということについては、ちよつとわれわれとしてもわからないのであります。
  519. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 運賃はそれはそうだろう。ところが鉄道で送れるところを、高い船で送つたことが多かつたと言われておるじやないですか。
  520. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は先ほど申し上げましたように、海運総局において輸送計画を樹立されまして、その輸送計画に基いて公団はやらざるを得ない。こういうことで、運賃が高いからその方を使うということは、事実上においてはできなかつたのであります。なお一言運賃について私の承知する点を申し述べさせていただきますれば、機帆船運賃は自由運賃であります関係上、鉄道運賃並びに汽船よりは高いということは、政策運賃との比較上これは比較にならないのでありまして、公団といたしましては、独立採算上なるべく運賃の安いものを使いたいということは、当然心がけて努力はするのでありますが、いわゆる配給の円滑化、適正配炭、こういう面からいたしまして、どうしても当局の割当計画に基いて実施せざるを得ない。なおそれしかやつてもらえない、こういうふうな関係上、価格の点につきましての努力ができなかつたという点はあると思うのであります。  なお石炭の配給上、機帆船等の運賃の高いものにどうしてこれを割当てしなくちやならないかという点につきましては、鉄道の方は御案内の通りに関門隧道並びに青函連絡というような隘路がありますので、自然本土に送る量に制限を受ける。なお汽船の方におきましては、汽船の性質上港に制限があります関係で、これまた汽船の割当もおのずから限度があるわけであります。機帆船はいかなる港にも入るという便利な関係上、配給の円滑化という点から行きました場合には、相当石炭の配給上において寄與しておるわけであります。この点も価格の面を離れて、輸送の円滑上、機帆船の使用ということはやむを得ないのではないか、こういうふうに考えております。
  521. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが公団が廃止せられてから、機帆船料は一ぺんに下つたそうだな。
  522. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 機帆船運賃の問題を歴史的に見ますれば、公団の価格決定をいたします場合において、物価庁の指示もありますが、当時は物資の不足した時代でもありましたので、マル公を嚴守するということは、これは非常な努力であつたわけでありまして、いわゆるやみ運賃、やみ値段を出さなくは、なかなか計画が実施できなかつた時代でありましたので、まずマル公を嚴守するということに最大の努力をしたわけであります。その後二十三年のたしか六月だつたと思いますが、価格の公定の騰貴が物価庁において認めらまして、その際に機帆船運賃が従来ブロック別のプール運賃でありましたのを、航路別運賃に変更して、運賃の指示があつたのであります。その際に物価庁の指示がたしか二・五六倍というような指示がありましたので、業務局といたしましては、これが指示に基いて炭価に織り込む場合に、もしも赤字になるようなことがあつては独立採算したいへんだというので、この変更の内容について実績等を調査いたしてみましたところが、相当な赤字になるということを発見いたしまして、物価庁にこれが改変を申請したのでありますが、指示後でありましたので、容易にこれが変更をしていただけなかつたために、公団は赤字克服のために機帆船業者の代表に出頭を求めまして、こういう点についての実情をいろいろ提示して、これが値引きの交渉を嚴重にいたしました結果、機帆船業者も公団の言うことに納得いたしまして、当時マル公より一分引と、それから冬季割増し滯船料を五割引にさせまして、赤字の克服をはかつたような努力もして来たのであります。その後御案内の通りに二十三年の末に経済九原則が施行されまして、二十四年当初よりドツジ・ラインによつて生産原価の切下げ、いわゆる合理化による諸物価の低下を至上命令で指令されました関係から、輸送の円滑もさることながら、こういう面についての最善の努力をすべく、輸送業者、荷役業者に対して、公団側からいたしまして、他に率先して値引の交渉をやつたのであります。その結果機帆船運賃におきましては、年間を通じまして一割引、これも旧来のごとき画一的運賃でなくて、いわゆる時期的運賃を織り込みまして、すなわち夏場のごとき航海能率のいいときには運賃を安くし、冬場のごとき航海能率の悪いときには運賃を高くするというような、自由経済にもどつたやり方を研究いたしまして、平均年間一割引ということで強硬に交渉いたしました結果、機帆船業者もやむを得ないということで、納得さしたという努力の跡もあるのであります。なおその際にも経済界の変動によつた、さらに値引きすることができるという、いわゆる経済界に即応した方法によつて運賃値下げなり、値上げなりをやる、こういうことも初めてそこから起つたような次第でありまして、われわれといたしましては最善の努力をいたして来たと思うのであります。なお政府関係のこういう処置につきましては、農林物資にいたしましても、鉄道の輸送契約にいたしましても、配炭公団が先駆をなして努力したと思つておるのであります。その後運輸省が公団の一分引に対して二分引というような交渉をされまして、決定されたことも承知しておるのでありますが、公団は計画配船の実施というような面も考えまして、鉄道が値引を一分より以上にやつたから公団もただちに二分引ということは、他の点において支障を来すだろうということにつきまして、いろいろと考えました結果、そういう部分的な運賃の引受けにおきましては十分それでやつて行けると思つたのであります。しかし公団は月六、七十万トンの大量な機帆船輸送というものを計画配船にやつておるわけでありますから、これをいい航路ばかりにやつた場合には運賃の割引もできましようが、惡い航路に行つた場合には、むしろマル公以上に拂つてやらなければ業者は立ち行かないという点を考慮した場合には、そういう措置は公団の配給計画の実施上、またはこれが円滑なる実施をする上においておもしろくないというような点も勘案しまして、業者においてもがまんのできる程度の交渉をして、本来の配給の円滑化をはかつてつたと思うのであります。
  523. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはその通り努力されたでしようが、原因はわかりませんが、公団がなくなつたら一ぺんに機帆船料が下つたのだが……
  524. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点はおそらく公団解散内定後の七、八月ごろだつたと思うのでありますが、GHQの至上命令で、汽船の集中荷役、汽船に重点を移すということになりまして、機帆船はほとんど汽船の積上げのはしけがわりに使うというようなことが起つたために、機帆船の需要が激減いたしました。従つて油ももらえないというようなことから、急に機帆船運賃というものの変動が起つたように私は承知しておるのであります。
  525. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 滯船料というものが非常にたさん出ておるようですが、これはどういうわけなのですか。
  526. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷物と配船が合致した場合には滯船は起らないのでありますが、荷物と配船とがミートしない場合に船が滯船する。港に積むだけの石炭がなくて、山から炭が来るのを待つてする場合には、荷役ができないからやむを得ず船待ちをする。また一面船がだぶつきまして、港々に荷物以上にたくさん入つて来る、こういうような関係で、二通りあると思うのであります。要するに公団の配炭は強度の国家統制のために、全部主務官庁においての配給計画というものに基きまして、この月はどこどこに何トン配船するというようなことが海運総局できまりまして、それを運営会へ通知し、運営会はそれに基いて配船するということで、月々の配船量がきまるわけであります。ところが公団の方から行きました場合においては、いわゆる配給数量というものが炭種別にきまります。これは生産業者の方面から予定通りの生産ができた場合には、それだけのものが出るのでありますが、出ない場合には、やはりそれだけのものが港へ出ないために、船が来ても滯船するというような大きな事情から、滯船が起つたのだと思うのであります。これは責任のがれはでありませんが、そういう方面は石炭局の方で担当しておるのでありまして、業務局の方におきましては、価格関係における料率を決定する関係から、滯船料の実績が多くなつた場合には、そういうことが起らないように滯船料率の決定につきましては、最善の努力をして来たのであります。
  527. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 また荷物は出ないから、来てもらつてはいかぬということは言えぬのですか。
  528. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 計画がきまつて、船がちようど一杯にあればよいが、余つている場合にはどんどんつつかけて来るわけです。船は港を出ると途中で変更することもできませんし、動いているものですから、いろいろこれが徹底せぬ点もありましようし……
  529. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いついつかにどれだけよこしてくれということは、公団の方で注文するのではないですか。
  530. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の方から注文するのです。
  531. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだつたら、ないときには来てもらわぬようにすればよいのではないか。
  532. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことは注文するのですが、取消しは航海中であるとか、いろいろな関係でできないこともあります。
  533. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出たあとはどうか知らぬが、計画が十分に行つておれば、そんなことはないわけだと思うが、どうか。
  534. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時の計画についてみた場合に、二千八百万トン、三千万トンというふうと月々に増量の生産命令が出ております。そうしてこの生産命令に出たものを根拠にして計画は立てられますので、その計画通り炭が出れば、今言つたような面もたちまち解消すると思いますが、出ない場合には、そういう面も起るというようなこともあるわけであります。
  535. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもおかしい。それでは船が割付けられるのですか。
  536. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 割付けをされるのです。
  537. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いらぬと言つても、割付けされたらいやでもとらなければならぬのですか。計画はそうでも、現実には炭が出ないから、船が来ても積む物はないと言えないのか。
  538. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは言つておるわけであります。
  539. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 言つておれば、なるべく上手にやればよいのではないか。
  540. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは運営会にも問題はあると思います。
  541. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今月はどれだけ炭が出るから、船はいついつかまでに何隻よこしてくれということは、あなたの方で注文するのでしよう。計画は計画だろうけれども、出るか出ぬかはあなた方の方でわかるわけでしよう。
  542. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産業者が出炭し、輸送業者の方からそれを計画通りによこしてくれればその通りになるが、そこにもそれぞれ隘路があるわけでありまして、これが重なつてそういうような場合が起るのであります。
  543. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそうに違いないが、どれだけ政府で計画されても、現実に石炭が出なければ、そんなものは何にもならない。計画と現実とは違うのではないか。
  544. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは一時的に起つた現象であつて、それを解消すべくあらゆる手は打つて来たのであります。
  545. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 滯船料は何億という金が出ておる。どうもあなたの言うことを聞くと、こちらの計画を無視して船舶運営会が持つて来るように聞えるが、そんなことはないでしよう。こちらによこしてくれと言わなければ、船は来ないだろう。
  546. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 計画を無視しているとは言いませんが、実施がかわつて来るわけでありますから、そういう面が起るということを申し上げておるのであります。
  547. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それに違いありませんが、これもさつき言うと同じことだ。
  548. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いわゆる計画経済においては、どうしてもこういうことが起り得ると私は思つているのです。計画通り出ない場合とか、あるいは計画通り輸送できない場合とか、公団の力ではいかんともしかたがない面があるわけであります。
  549. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことがあるか知らぬが、二億七千六百万円出ておりますね。まあいろいろの計画経済の何で来たことは、われわれも認めますが、これもさつき言うと同じことだ。もしあなたが営利会社つたら、計画だからやむを得ませんと言つて、二億、三億という滯船料を出しておつたら、会社はつぶれてしまうと思うが、どう思いますか。
  550. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは努力したのでありますが、国家の政策上から出たことでありまして、はなはだ遺憾だと思いますけれども、当時の情勢からいたしまして、やむを得ないと思つております。
  551. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 早出料などというものが出ておるそうですね。これはやはり事情やむを得なかつたものですか。
  552. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 早出料……
  553. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたの方でもらうのですか。
  554. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようです。要するに予定以上にたくさん出た場合には、早出料をもらうということになつております。
  555. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 奥出料というようなものがあつたでしよう。これはどういうことなんでしようか。
  556. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 奥出料というのはちよつと……
  557. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知らんですか。貯炭場と荷役するところと遠かつた場合に、その金をもらう。
  558. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その言葉はよく存じませんが、おそらく貯炭場が狭隘になりますれば、自然奥の方の貯炭場へやらなければならぬからじやないかと思います。
  559. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことで出すのですか。
  560. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 片持料というのを出します。
  561. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその奥出料が出るようになつてから、近いところに場所があつても、奥出料のとれるところでなかつたならば、石炭が積まれなかつたというのだが……
  562. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 前に石炭がありますと、山を登つて石炭を出すわけに行きませんから、自然前の方から出すようになります。
  563. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうじやない。近いところに場所があつても、わざわざ奥へやつているから、ふしぎに思つて聞いてみると、奥へ積めば奥出料がとれるし、前に積めば奥出料がとれぬからこういうふうにやつているという。
  564. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう措置はおそらくやつてないと思います。
  565. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは現地でやつておることですから、わからぬだろうと思いますが、しかし奥出料を出すことをきめたのは、あなたの方できめたんでしよう。
  566. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことはやむを得ない事情から認めるのでありまして、そういうことをあらかじめきめてどうということはないと思います。
  567. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 認めるというと、奥出料のとれるところには積んで、とれないところへは場所があつても積まぬという、まことに寄怪千万なことだと思うのだが……
  568. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事実上から起つた問題だろうと思いますが。
  569. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 荷役についても、あなたの方で大元締めをやつておられるのでしようね。
  570. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 最初申しましたように、業務局は価格関係についての何でありまして、これが実施につきましては石炭局、並びにコークスの方についてはコークス局の方が、輸送の実施とかいう面についてやつておるわけであります。
  571. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 石炭局というのは公団の方の……
  572. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の石炭局が担当してやつておるわけであります。
  573. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 荷役の実施については、あなたの方でやらぬわけですか。
  574. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 実施についてはやつておりません。
  575. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 荷役奨励金とか特別作業費というものを出したことはないのですか。
  576. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷役奨励金というものについては、ちよつと記憶いたしませんが……
  577. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別作業費は……
  578. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 あまりこまかいことは記憶ないのでございますが……
  579. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし各石炭局でやつても、石炭局から金を出したものは、あなたの方で認めなければいけないのだろう。
  580. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 賃率につきましては、協定するわけでありまするから、その面は業務局としてやつております。
  581. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなものを各石炭局で出しておることはわからぬのですか。
  582. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 出していることは業務局でわかります。
  583. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それをあなたが知らぬというのは……
  584. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 記憶にないということです。
  585. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当の金額が出ているのですがね。こういうものは別に私は不正というのじやない。ただ出さなければならぬものだつたのかどうか、あなたの方でこれをどう監督しておられたかということをお聞きしたい。
  586. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 業務局も厖大な機構であります関係上、一々記憶がないのでございます。
  587. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險はどういうことをしておりますか。
  588. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 保險は主として海上保險が多いのでありまするが、保險の問題につきましては、公団が始まつた当初におきましては、前身といいまするか、日本石炭会社のやり方を踏襲してやつて来ておつたのでありますが、その後公団になりまして、公団事務上業務局の担当であります関係上、業務局でこれが改善についていろいろ研究されたのであります。保險料率の値引きと言いまするか、これについても研究したのでありまして、相当多額の保險料を拂います関係上、まず自家保險というものがやはり相当に得になるのではなかろうかということも研究されましたが、公団の性格が、安本の方で毎年切りかえるという暫定性の強いために、自家保險というのは相当危險があるというようなことから、自家保險ということについてもこれは困難である。しからばどうしたらいいか。公団じかにこれを取引きしたならば、多少でも安くなりはせぬかという点も、保險会社の方へ交渉してみたのでありますが、保險会社の方では、保險協会できめた料率は絶対に引けない、しかしながら代理店を起す場合には、代理店として支拂うことができるという話なので、代理店手数料ぐらいは割引いてもらえると思つたのができなかつた。自然従来のままでやるよりほか方法がないのじやないかということになりまして、そこで公団共済会方面にこれを代行させてやつたらどうかということも考えられたそうでありまするが、これまた法的になかなか困難だし、また人員を相当別に雇わなければならぬというようなことも起るので、なかなかこれも困難性があるということで、行き悩みになつてつたのでありますが、たまたま公団の役員中で、日本石炭会社の重役だつたという関係上、パージになられた方が失職されまして、そういう方々から新しく商業会社を起して行きたい、ついては保險の業務についても自分らはエキスパートであるから、保險の代理業をやらせてくれぬかという話が出ましたので、公団といたしましても、何か従来よりかわつた能率的なところでできれば非常にけつこうだというような際でもあつたので、ことに保險会社でも、旧来の方法は非常な事務の停滯とか、保險料の支拂い等が遅延していかぬから、何とかならぬだろうかというような保險会社からの要求もあり、公団内部でもこの点について遺憾の意を表していた際でありますので、前任者当時に、そういう方々が集まつてつくる商事会社保險代理店を認めるという方針が決定したのであります。
  589. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私の方から聞きましよう。ところが一割もらつたそうだね。保險会社から代理店手数料を……
  590. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 代理店手数料は、保險会社としては一割出ることになつておるそうです。
  591. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 最初は一割のうち六割五分を千代田商業へやつて、あと三割を公団でとり、五分を保險会社の費用に充てることにきめたそうですね。
  592. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はあ。
  593. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたがきめたのですか。
  594. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいまも申しましたように、前任局長当時の方針を踏襲いたしまして、何とかいい方法はないかということで、今の千代田商業ができましたことは以上の通りであります。千代田商業というのは、雑品の販売業並びに他の代理店の業務を……
  595. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 長くかかるから私の聞いたことだけ答えてください。
  596. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点を申し上げませんと、その内容が御判断願えないと思いまして申し上げておるのであります。販売業をいたしております関係上、公団保險の業務についての手数料をフルにやるということは不当利得になるから、その会社経費程度で遠慮することが妥当だろう。従つてその遠慮した分について、保險会社から公団共済会の方へ寄付するということが保險業者と公団千代田の三者間において話がまとまりまして、その率はどうしたらよいかということが、今言つたような面から生れたわけであります。
  597. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次は、今度は逆になつて千代田商業が三割とつて、あと七割を公団の方に持つて来るということになつたのですか。
  598. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはおそらく二十三年の七月ごろに、炭価が大幅の値上げになつたわけであります。従いまして炭価が値上げされれば、保險料も多額にふえるものですから、従つて千代田商業が従来の率でとることは、経費以上のものが入るから、これは遠慮して、保險会社からその経費以上のものに対しては、公団共済会の方へ寄付を願うことがよかろうというようなことから、改変したのであります。
  599. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは実質において保險料の割もどしですね。
  600. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 保險料の割もどしは、いろいろ交渉したのでありますが、どうしてもできなかつたものですから、何とか共済会という福利厚生という面にも寄與したいというところからやつたのでありまして、あくまでもわれわれといたしましては、寄付ということで話合いをしたのであります。
  601. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一あなた方は、初めにできるだけ保險料を負けさせて、保險料を負けさせるということになれば、公団の支出があるわけですね。
  602. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようです。
  603. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 割もどしが来たら、公団収入とすべきがほんとうじやないのですか。
  604. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それができないのです。いわゆる割もどしができない以上は、公団収入にできないのです。
  605. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 寄付という名前でとつて来るのではないか。
  606. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いや、寄付公団が受けることはできない。従つてこういう面をむざむざと保險業者にもうけさすこともどうかと思いまして、以上のような措置をとることが公団としていいといいますか、われわれとしていいんじやなかろうか。結局公団共済会という面に入れば、それだけのものによつて公団の能率も上つて行くのじやないか、こういうふうに考えまして措置したのであります。
  607. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは保險会社から直接共済会がもらうという約束だつたのですか。
  608. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようであります。
  609. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いありませんか。
  610. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 間違いございません。
  611. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險の規則を見ますと、名義のいかんを問わずもとしてはいかぬということになつておるんだが、そういうことはどういう考えだつた
  612. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 保險の詳細のことは存じませんが、先ほど申し上げましたように、何とか保險料率を下げて、いわゆる石炭の価格の低下をはかろうということに努力したのでありますが、できないというものですから、その他の面で寄與できる点があればというのでやつたのであります。
  613. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことを保險会社がやることはおかしいと思います。一割代理店に出すのでしよう。まあそれは一応そう聞いておきましよう。そこで保險会社から直接全部入りましたか。
  614. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことを協定した窓口は業務局が担当したわけでありますが、その後の問題は共済会と先方との話合いで、一切私たち業務局の連中はタツチしておりません。向うと公済会との話合いでやることになつております。
  615. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 タツチしないでも、大体のことはわかつておりましよう。
  616. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 全然存じておりません。
  617. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千代田商業受取つておるんだがね。その金を……
  618. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは存じません。
  619. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大事なことだが全然知らないですか。
  620. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ほんとうに全然知りません。
  621. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險会社から共済会に来なければ寄付にはならぬわけでしよう。それが千代業田商でずつと滯つておる。
  622. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点もただいま申し上げましたように、そういう面には当つておりません。
  623. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 千代田商業がかつてにやつたのですか。
  624. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは存じません。全然聞いておりません。
  625. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんな重大なことをきめたあなたが知らぬ……。それじや今日どう思います。千代田商業が預かつてつて、十箇月ふところに暖めておいて、翌年の四月になつて初めて出しております。
  626. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それも委員長のおつしやることが初耳であります。
  627. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもわれわれが考えてみますと、割もどしを出させるときには共済会にやるということにきめたが、それは名目だけであつて、実際は千代田商業受取つておいて、そうしてわからなんだら、しかるべき使途でしかるべく使うというので暖めておつたんじやないのですか。そう見る以外にないのだが。
  628. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点につきましては、交渉以後タツチしておりませんので……
  629. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だつてあなたが約束し、千代田商業は約束違反をやつているじやないですか。
  630. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは存じないことでありまして……
  631. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことをしておる事実が明らかになつたら、今日どう思いますか。
  632. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは保險会社の方から共済会の会に寄付願うことになつたので、そういうことは想像していないのであります。
  633. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからそういうことが起つておる。その後四月になつて、どういうわけか吐き出さんならぬことがあつて吐き出した。共済会に四千万円か四月から入つておる。
  634. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今お話を開いたので初めて承知したのであります。
  635. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さようなことがあつてはたいへんなのですね。あなたの話を聞くと、あなたとの協約違反を千代田商業なり保險会社がかつてにやつたわけですね。
  636. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今の事実はそういうふうに見受けられますが……
  637. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 重大なことはそうかつてにやれるものでないと思うが、あなたは知らぬというならやむを得ない。  荷後炭についてはどういうことをやつておりましたか。
  638. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭は、いわゆる輸送の途中炭だとか、荷役中の荷こぼれ炭を業者が荷上げしましたものを公団が買取つて販売する。これは先ほど委員長がおつしやつたように、この価格につきましては、いわゆる生産業者から買いますところの、山元における販売原価、こういうもので買取つておるのでありまして……
  639. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 荷後炭というのは、一体所有はどこだと思つていますか。これは司法省からもあなたの方へ何か聞き合して来ておるので、公団のものだという……
  640. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 法的解釈につきましては、これまた言いのがれのようにおつしやいますけれども、管理局の方で荷後炭協会というような監督なり、いろいろなことをしておりましたので、詳しくは法的に存じていないのでございます。
  641. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはしかし司法省に聞き合して、ちやんと鑑定をしてもらつて公団のものだということになつておる。それをあなた方が、山から出るのと同じ値段で買取るということがすでにおかしい。
  642. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 かりに公団のものとしましても、それをいわゆる取上げて、要するにある一定の場所まで持つて来という操作が、公団としては……
  643. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その手数料はとらさなければならぬ。
  644. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団としてはできないから、その手数料としてのやはり価格の点から見た決定方法を、そういうふうにしたと御了承願つたらいいのじやないかと思います。
  645. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても、山から出たと同じ値段で買わなければならぬというのは、どうも手数料としては多過ぎはしないか。
  646. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは御案内の通り、それを担当した業者連中が先ほど言われたような面もあることを多々聞いておりますし、公団としてはこれがやみ物資に流れるということを非常に危險視したのでありまして、従つてそういう面も考慮して、やはり公団に流れるような方法もある程度加味してやることが、しかるべきじやなかろうかというような意見も加味しまして、物価庁の方で判定を願つてきめたものでありまする。
  647. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 理由はそうだつたでしよう。ところが奇怪なことには、東京配炭局長松田三郎氏が、その荷後炭を売る東京石炭協会の筆頭理事、神奈川石炭協会の協会長になつておる。この事実は御承知でしたか。
  648. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 承知しております。
  649. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さようなことはいいものか。
  650. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは公団では総務局の方の担当になつておりまして、それぞれ手続して承認を得てやつておるように聞き及んでおるのであります。
  651. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 承認さえ得ればいいか。
  652. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運営上承認を得て、そして明朗な方法でやれば、公団は、かくのごとき横流れ的な性質を帶びる物資でもありますので、監督上からいつてもいいのではなかろうかというような観点からも、そういう措置になつたのだと思います。
  653. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 われわれから言うと、監督上許されぬと思う。いいですか。神奈川石炭協会の代表者が松田三郎、それは荷後炭の売人ですね。それから買人は東京配炭局ですね。その局長は松田三郎だ。そうすると、売人と買人が一人でやつている。それが監督上よいのですか。一人の人間が売人、買人になつておる。いわんや公務員ですよ。それが監督上いいと言われる理由はわれわれにはわからない。さようなことはどういうところがいいのです。
  654. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 よく研究していませんので、今のような意見で申し上げたのですが……
  655. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではどう思います。
  656. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 よく判断つかぬのです。(笑声)
  657. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売人と買人と一人で契約して値段をきめておる。そんなことが監督上いいと言うからわからぬのですが、それから事実上東京の配炭局長が横浜の埠頭にある石炭協会の会長になつて、一体仕事ができますか、どうです。監督上いいなんと言われるが、東京石炭協会の筆頭理事であり、神奈川石炭協会の会長をやつて、配炭局長という最も多忙な仕事を持つてつて、それで勤まりますか。
  658. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭協会というのは、公共的な事業としての事業団体として認められておるのでありまして、普通一般の営利会社としての性格と違うのであります。従つてただいま言うような措置をした方がいいか、そういうことがやむを得ないか、こういうふうに承知しております。
  659. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公益法人になつて、そしてたいへんな金が動いておるのだ。事実上それでやつておりはしないでしよう。ほとんど横浜に行つておりませんね。
  660. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう事実につきましては存じ上げておりません。
  661. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 考えてみてもわかるだろう。そういうものを中に入れなければならね理由がわれわれにはわからない。  あなたは七月にやめたのですね。
  662. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  663. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうわけでやめられたのですか。
  664. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時すでに配炭公団は廃止することが内定されまして、藤井総裁におかれましては。今後の失業問題とか、整理問題とかいうものにたいへん苦心されまして、それで希望者があれば申し出て、監督官庁の了解を得て、公団の今後の事業にさしつかえないものは承認するという方針を指示されおつたのでありますが、たまたま私の場合におきましては藤井総裁から、現在の日本海陸の社長から、先ほど私の就任当時のお話を申しげたような事情で事業をやりたいから、適任者をひとつ推薦してくれないかというお話があつたということで、事業も相当手広くやるように聞いておるから、そうすれば相当の人数もとつてもらうようだから、君行つたらどうか、こういうお話だが、私とその他二、三の者にあつたのです。そのうち先方でいろいろ選考されました結果、私に来てくれというようなことになりまして、総裁から各方面に連絡されまして、君行つてもあとに支障を来さないようにするから、行つたらどうかというようなことで、私ごやつかいになつたわけであります。
  665. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 石炭はいつ時分から供給よりも需要が多くなりましたか。実際に現われて来たのは……
  666. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきりしたことは覚えてないのでございますが、大体四、五月ごろからではないかと思います。
  667. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かそれであなたの方から、少くとも低品位炭だけは早く統制を撤廃すればよいという意見を言われたことがあるそうですね。
  668. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の最後の場合においては、いろいろ内部的にも議論がありまして、いわゆる販売の面をまずはずして行き、次いで輸送の面をはずし、次いで買取つた面をはずすという順序にやつた方が、石炭の配給の面に支障を来さないのではないかというような観点から、まず販売部門をはずそうじやないかというような案を立てまして、当局に申請したことを記憶しております。
  669. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつごろでした。
  670. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 二、三月ごろじやないかと思います。
  671. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私があなたに聞きたいことは、この配炭方式の制度が悪くて国家にこんな大きな迷惑をかけておるのか。運営が惡くてこういう迷惑をかけておるのかが聞きたい根本の問題なんです。そこでむろん手放しの自由主義経済というものはないんで、客観情勢に適応して、自由経済の運営をなすべきものなんです。しかしこの公団法を制定した当時の客観情勢は、公団法のような完全統制をしなければ日本再建に協力できなかつたか。そうでなく、やはりその重点は自由経済に置いて、客観情勢とにらみ合せて、適当な制限のわくをはめた方がよかつたのじやないか。あなたは実際の体験者として、どつちの方法をとつた方が石炭の経済運営によかつたとお考えになるか、その点をひとつ根本問題だが聞かせてもらいたいと思います。
  672. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 たいへん大きな御質問なので、私の答えが妥当であるかどうか存じませんが、公団の幹部の一員として感じました点だけを申し上げまして、お答えにさせていただきたいと思います。本問題につきましては、これは国策上やられた問題でありまして、われわれ末端の者の意見によつて動かされたのではなく、むしろ国策上こういうものをこしらえて、われわれが過去の石炭の経験者であるという意味合いにおいて、その運営に当るように命令を受けた関係上やつたのでありまして、ただいま申されたような高邁な意見は私不幸にして持つておりませんので、はなはだ遺憾であるのであります。しかしいわゆる高度の国家統制をするということは、物の不足から、これを公正に配給するためにやむを得ないということから、おそらく公団の統制をせられたのだと思うのであります。なお聞き及びまするところによると、これはいわゆる関係方面の申し子であるとも申されておりますが、われわれはそのまま至上命令に従つて、敗戰後のわれわれとしてはこれに協力して行く以外にないのじやないかということでいろいろやつてみたのでありますが、実際はなかなかその通りに行きませず、お話の通りに結果としては十分でなかつたのであります。われわれといたしましてもいろいろ努力はしていましたが、結果的には遺憾の点が多々あるということを痛感しているものであります。はなはだ抽象的でお答えにはなりませんですが、それによつてお答えにかえたいと思います。
  673. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それではこまかくお聞きしたいのだが、公団の役職員というのは、従来その業種に携わつてつた人がかわつてつたんですか。
  674. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは従来業者であつた者が、配炭公団においては就任をしておるわけであります。
  675. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで公団方式になつての役職員仕事に対する能率と、あなたが過去の経験におけるいわゆる公団方式にあらざる、客観情勢に即応した自由主義的な経済理念の中においてなした仕事の能率とは、どちらが仕事の能率が上るとお思いになりますか。
  676. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは自由経済の方が能率は上ると私は思つておりまするが、公団機構はいわゆる官治統制でありまして、関連方面との連絡及び会議等が非常に多く、そういう面に忙殺され、いろいろ事務的のこと運営上における時間の余裕をその方にさく点はあつたと思うのであります。
  677. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私の聞かんとするところは、それも一つの仕事であるが、いわゆる公団方式の役所型の仕事でやると、経済行為は能率が上らないという結論に到達するという結論は、あなたの体験から出て参りませんか。
  678. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 やはり自由経済の方が能率的であることは、過去の経験から見て認めるのでありますが、当時においては物の不足から、国策上やらされたという点で、いろいろな支障もやむを得ず……
  679. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、私はそういうことを聞こうとするのではないのです。とにかく公団方式によると、この問題が日本再建にどういう影響があるかということを調べて、政治的に将来大いに考えなくちやならぬという観点からで、この制度ができたそれ自体に対するお答えを願わずして、技術上、運営面においてどういう支障を来たし、どういう形において、私の申し上げた線に沿うた完全統制をしたための食い違いができておるがという面で聞きたい。先ほどあなたの答えておる中の大半は、制度が災いして、能率を阻害し、いろいろの欠陷が生れて来ておる。そのために人間自身の欠陷よりか、制度自体の欠陷が現われて来ておるようだから、その点に対しての感想をお聞きしたい。
  680. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 統制の制度自体に対する私の意見を求められておることも承知しておるのでありますが、統制自体は先ほど来申したように、やはり物の不足からやむを得ずやられたと私は承知するのでありまして、需給のバランスさえ合えば自由経済で、各個人個人の本能を十二分に発揮することが好ましいと感じておるのであります。統制の制という面の点は、供給が非常に不足であるという面からやむを得ず国策としてやられたと感じておるのであります。お答えがはなはだ不十分かも存じませんが……
  681. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたの体験から、われわれの納得する結論が出そうなものだと思うが、この程度で打切りにいたします。
  682. 安部俊吾

    ○安部委員 先ほど証人の答弁の中に、石炭の価格は物価庁が定めるのだ、それに対する資料の方は業務局の方で提供するのだ。こういうお答えでありましたが、その価格の中には炭鉱福利協会費トン当り七円、坑木補償金トン当り十三円、特別鉱害補償金がトン当り十三円五十銭というものが含まれておつたのです。こういう金はやはり各公団の方で集めて、そうして炭鉱の方でこれは勘定したわけですね。
  683. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  684. 安部俊吾

    ○安部委員 そういう金の勘定の問題のために、公団の方で運営上に多少の不便があつたでしよう。
  685. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは石炭庁の方で、いわゆる生産行政の関係上措置せられたものでありまして、公団はこれを価格の中にお預かりして、それを石炭庁の方からの要求によつてお知らせせよと言われたとぎに調べまして、内容的にどういうような便宜があつたかというような点については承知していないのであります。
  686. 安部俊吾

    ○安部委員 どういう方法によつてこれは清算したのですか。ある期間全部公団の方で金を預かつておいて、ある一定の期間にその関係当局に金を渡すというようなことになつておるのでありますか。
  687. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。要求のあるまではというか、ある期間は常に預かつておるというシステムになつておるのであります。従つて関係方面からある時期に要求がありまして、その際に石炭庁の方と打合せましてお知らせするという單なる預かり機関であるわけです。
  688. 安部俊吾

    ○安部委員 あなたは業務局長として、この山元の駐在員というものは非常に素質が悪かつた、検炭の場合などは非常にこれを拒んで、威嚇的行為があつたというような場合には、監督上どういうような処置をとつたのですか。
  689. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうふうな話も多少聞きましたが、長く一定の場所に常駐させるということは、やはり炭坑におきまして住宅難とかその他の物資の不足の際でもありまするので、どうしてもごやつかいになる関係上、そういう関係が起りやすいということは認めております。なるべく短期間にこれを交代させて、そういうなれ合いのないようにやろうという努力は試みたのでありますが、さて実際それをやつてみますと、家の問題とか、その他の問題でなかなか移動すること自体が当時においては困難でありましたので、その成果も十分でなかつたのであります。
  690. 安部俊吾

    ○安部委員 どうもわれわれから考えれば、はなはだ監督が行き届かなかつた、監督が惡かつたというような印象も與えられておるのであります。検炭、検量ということは、公団運営上最も大切な分野でありまするが、少しもそれを監督しないで、放任しておいたというような点も証言において聞きとれたのです。今おつしやつたように家屋の問題とか、いろいろのことでどうも統制がとれなかつたというわけなんですね。
  691. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは本団といたしましてはもちろんでありますが、各炭坑の出先責任者といたしましても、この点については相当重大な関心と同時に責任を感じまして、こういう方面の監督の責任者も数名置きまして、常時各場所をまわつて歩いて監督し、おつしやつているような点をなるべく少くするということに最善の努力をしたのであります。しかしながら家だとか、その他諸種のやむを得ざる事情で、遺憾の点は多少あつたように聞いておるのであります。
  692. 安部俊吾

    ○安部委員 われわれの最も遺憾に思う点は、このトンネル会社のような石炭協会というようなものを組織して、そうして先ほど委員長が指摘したように、東京の配炭公団の配炭局長がこの石炭協同組合というようなものの東京の筆頭專務理事になり、また神奈川の方の会長にもなつた。そうしていろいろ多額の退職金をもらうことになつてつたとか、あるいは車馬賃とか、いろいろのものを公務員でありながらもらい、そういうようなトンネル会社の幹部になりまして、そうして別に特典を與えて、そこからいろいろの金銭その他の贈與を受けたということは、監督官としてそれに対してどういう弁明をしますか。どうもその点に対して許可をするというようなことはあまり情実にとらわれたというような点がありませんか。
  693. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ただいまの件につきましては、遺憾ながら私担当局ではありませんで、総務局と管理局がその任に当つておりましたので、十分な御答弁かできないのであります。
  694. 安部俊吾

    ○安部委員 業務局が関與するところがなかつたと言われるのですね。
  695. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いわゆる買取り、販売についてはありまするか、その他の面において、協会を設立することがいいとか、または理事の任命を受けることがよろしいとか、いろいろのことについては総務局と管理局が担当しておりました関係上、その点について承知していないというわけであります。
  696. 安部俊吾

    ○安部委員 公団の幹部がそういう荷後炭というようなものを売りつけるようなことになつているから、船でも二重、三重の底ができて、五十トンのものが四十トンになり、あとの十トンのものは二重、三重の船底に置いておくというようなことになつたのではありませんか。その点はあなたが監督する権限以外のことですか。
  697. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団理事であります関係上、責任の一端はあるのでありますが、何分にも厖大な機構であります関係上、それぞれ分担をしておりますので、その点についてはそれぞれの立場においてのウエートを御勘案願いたいと思うのであります。荷後炭につきましてはいわゆる各現場の長に対しまして、常に最善の取扱いなり監督をするようには努力して来たのでありますが、一部遺憾の点があつたように聞きますので、私といたしましてもはなはだ遺憾に思つております。
  698. 安部俊吾

    ○安部委員 証人は東京都石炭協会の理事というのですが、今でもそういう職はあるのですか。
  699. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 現在はないと思います。
  700. 安部俊吾

    ○安部委員 いつからいつまでやつたのですか。
  701. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 関東石炭会社の社長時代には確かにやつておりましたが、公団になりましてからやめたように記憶しております。
  702. 安部俊吾

    ○安部委員 それではその職にあつた当時は、服部会長とともに協会の幹部であつたのですね。
  703. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  704. 安部俊吾

    ○安部委員 それから松田三郎という人が配炭公団理事をやつてつたときに、あなたは同僚であつたのですね。
  705. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 松田君は私が社長時代の專務でありまして、私が理事に就任し、松田君はたしか監事に就任していたのではないかと思います。
  706. 安部俊吾

    ○安部委員 一方においては公団業務局長であり、一方においては東京都の石炭協会理事であつたのですね。
  707. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は相違しておるように思います。公団になつてからはやめたと思います。
  708. 安部俊吾

    ○安部委員 そうして協会の理事になつて、いろいろな退職手当とか、あるいは車馬賃とか、また記念品とか、そういうような贈與を受けたことはありますか。
  709. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきりしませんがないように記憶しております。
  710. 安部俊吾

    ○安部委員 はつきり言えないのですね。あるいはあつたかもしれないのですね。
  711. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 記憶ではないと思うのですが……
  712. 安部俊吾

    ○安部委員 服部会長はどうしてああいうふうな自殺をするようなことになつたのですか。これは協会の業務に関係してああいうようなことになつたのですか。
  713. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 実は私関東石炭時代には販売方面に專念しまして、関東石炭という会社の性格から理事にぜひなつてくれというのでなりましたが、理事会にはほとんど出席しない。たしか一回くらいしか出席していないのでありまして、用務の多忙上その方面のことについては私不熱心でありましたので、協会の理事でありながら、内容等についてほとんど承知していないような次第であります。
  714. 安部俊吾

    ○安部委員 理事でありながら、そういうことを知らなかつたのですね。
  715. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  716. 安部俊吾

    ○安部委員 何かここで証言しては非常に困るような、迷惑するようなことがあるのですか。
  717. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことはないと思います。
  718. 安部俊吾

    ○安部委員 理事であつて会長がいろいろな問題に逢着して、非常に煩悶の末自殺をするというようなことがあつたのですから、その間の事情は多少なりとも知つていなければならぬと私どもは推測するのですが……
  719. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 服部さんの問題は、新聞で私初めて見たのでありますが、おそらく私が配炭公団へ入りましてからのいろいろな問題から派生したことではないかと想像するのであります。当時におきましては、そんなふうな話はいろいろな点について、考えられないように思うのであります。
  720. 安部俊吾

    ○安部委員 この荷後炭というのは、配炭公団の末期において増額して、非常に利益が多かつたというように聞いておるのですか、それはどういうわけですか。
  721. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点も遺憾ながら承知していないのでありまして、ただ先どほ委員長から御質問になりましたように、これが横流れ防止という面から見ての、多少のゆとりのある点ということは承知しておりましたが、それ以上に非常に厖大な利益があるというふうにも承知していないのです。
  722. 安部俊吾

    ○安部委員 利益がなかつたのですか。
  723. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 利益はあつたと思いますが、厖大な利益は……
  724. 安部俊吾

    ○安部委員 公団の幹部と協会の幹部というものは同一人であつて、大体山から持つて来るのでもないものを、山元から買入れるところの石炭と同一価格を拂つておる。早く言えばこぼれがある。しかも故意にこぼしたような石炭を買い取つて、それで利益がないとおつしやるのですか。厖大な利益があるはずだと思いますが、数字にしてどれほどの利益がありましたか。
  725. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はなはだ遺憾でありますが、私承知していないのであります。
  726. 安部俊吾

    ○安部委員 業務局長として買いとる人が、その点に関して検討しないというのははなはだ無責任だと思います。運営の面におきましては、もしあなたが個人の営利会社ならば、必ず高かつたならば安くするとか、合理的に購買するとかするのは当然であろうと思うのですが、これは公団であり、国家の機関であるからして、どんなに赤字が出てもかまわない。要するに公団の人が幹部である協会にもうけさせようという点で、どれだけの利益があつたということを不問に付するというような態度ではないのですか。
  727. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はなはだ弁明的になりますが、価格の点につきましては、先ほど申しましたように、その業者から買い取りましたものを、山元の販売原価、物価庁の指示した価格で買い取つておりまして、相当利益があるだろうというお話を聞くのでありますが、その点については多少の利益は上つておるだろうと思います。それはいわゆる協会の決算報告その他で、公共性の機関になつておりますので、そういうような余裕かできて来た場合には、公共性の方面使途するという規約になつておるので、従つて公団としては、決して買い取り価格はゆとりのあるようにという意味できめたわけではないのであります。
  728. 安部俊吾

    ○安部委員 どうも関係官庁の正当な手続を経て許可になつたふうでありまするが、この保險の問題に関しましては、委員長から質疑があつたのでありまするが、はなはだ明確を欠いているのでありまして、私はあなたの証人としての証言に満足しないのであります。共済会にほとんどその金を使つたというのですが、先ほど村田証人によれば、その一部分は職員の税金に使つた職員の税金というものは、まず職員の給料より毎月天引きにして、そうして職員給與するということになつておると思うのです。それからまたそのほかに交通費も、特にその共済会から保險の割もどされたうちの金から支給したということになつておるのであります。そうすれば給與のうちから税金も引かれない、また交通費も引かれないということになれば、それは給與以上にそれだけ多く給與を受けることになるのであります。この点においても、結果においては脱税したということにもなると考えておりますが、その点はいかがですか。
  729. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 共済会内容につきましては、村田君から御説明されたことと思うのでありますが、共済会の金の使途につきましては、たしか共済会運営委員会できめられまして、措置せられたのであろうと思うのです。私は委員にもなつておりませんので、その措置の内容等につきましては、おしかりをこうむるかも存じませんか、存じておらないのであります。
  730. 安部俊吾

    ○安部委員 しかし先ほどの御証言によれば、お金を六分なり六分五厘というものを、一割のうちから共済会の方へ寄付してもろうということをあなたが決定して、あなたがそういう約束をしたとおつしやるのですが、その後その共済会の方へ金を拂い込んでおるか、あるいは千代田商業から拂つておらないか、そういうことはお知りにならない。それからまたその金をいかように共済会が使つておるかということもお知りにならない。こうおつしやるのですか。
  731. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 決定したことは、私個人の意思によつて決定なり相談したのでないのでありまして、いわゆる公団の幹部におきましての打合せによつて、窓口が業務面という関係上世話した、こういうふうなことでありまして、それ以後の共済会の問題につきましては、共済会運営委員会という面でこれを処理されているので、私委員会の一員でないために、承知してないという事実を申し上げておるのであります。
  732. 安部俊吾

    ○安部委員 公団におきましては、幹部の何か業務上の報告会——部課長会議とか、あるいはその他の重要な会議とか、そういう会議が月に一回か、あるいは二箇月に一回くらいなのですか。
  733. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 月に一回理事会、それから月に数回局長会議がございまして、運営上の打合会をやつております。
  734. 安部俊吾

    ○安部委員 そういう場合には横の連絡もあるはずであつて、その各局あるいは各部、あるい各課のいろいろな報告などもあるべきはずと思うのでありますが、そういう場合に関しても保險の問題、共済会の問題、あるいは荷後炭の問題とか、そういう報告あるいはそういうことに関して御相談するような機会がなかつたのですか。
  735. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 保險の問題等につきましては、局長会議なり、理事会に諮つてやりました。ただ共済会の問題は、いわゆる公団仕事でないものですから、そういう理事会とか局長会議では話が出なかつたように記憶しております。
  736. 安部俊吾

    ○安部委員 それでは共済会の問題は、不問に付しておいたわけですね。そうしてそのパージされた公団もとの幹部であるとか、あるいは前の幹部であるとか、そういう人が千代田商業というものを組織した。しかもその登記した面においてはいろいろな業務をやる。普通の株式会社のようないろいろな業務をやるということでありますけれども、結局においていろいろの御証言結論的に申しますれば、單にこれは保險会社のコンミツシヨン、手数料をとる目的でもつて組織されたというふうになるのでありますが、そういうふうに何千万円という巨額に達するところの拂いもどし金があつて、そのうちの六分の歩合なりを共済会にやるのだが、その金の話も何も出なかつた。局長も課長も知らなかつた、こういうふうにおつしやるのですか。
  737. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今の共済会に入れるとか、または保險会社から寄付を願うとか、それから千代田商業がこういうふうな経費支出のために手数料をとるのだとかいうような話は出たわけであります。
  738. 安部俊吾

    ○安部委員 その場合に今の共済会職員給與のうちから一%を積み立てておる。また公団からもそれに対して千二、三百万円寄付する。同額の交付金があつたように証言があるのでありますが、そのほかにまだ保險金の割もどし金を共済会に支給したということになりますれば、非常にこれは豊富な資金であつて、そうして共済会にその金を拂いもどす、あるいは寄付するという名目でもつてパージされたところの前の幹部を救済する、あるいはそれらの生活の保障をする。さらに進んでたくさんの金があればそれを何とか積み立てておいて、そうして公団の幹部の方が、ある機会において何かに使用しようというような意図があつたようにわれわれ観測されるのでありますが、その点はいかがでありますか。
  739. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうようなことでなくて、最初にも申し上げたように、最初は公団の要するに保險料率をいかにして価下げするかという点について発端したのでありまして、それがかなわないからというので、従来の代理業では事務の能率とかいうような面から見て、保險会社の方から見ても何とかしてくれという話が出た矢先に、たまたま公団のパージによつてそういう会社組織せられればいいという話があつて、やらせてくれ、こういうようなことから、前任者当時やらすということが決定されまして、引続いてその線で、しからば全部一割支給するということは不当利得にするから、商事会社経費に充当するという範囲で、それ以上は遠慮するというような線で出たのでありまして、ただいま申されたような理由によつては、決して成立してないのであります。
  740. 安部俊吾

    ○安部委員 昨年の九月十五日をもつて公団が廃止された。その後第二会社というものが出たということでありまするが、全国に三十二の販売業者があるが、その中に第二会社として八つの公団関係ある人が指定されて、今業務を扱つているという話なのです。あなたが現在業務をやつておられるところの海陸運輸株式会社は、やはりこれは第二会社、いわゆる公団関係ある八つの会社の一つではないですか。
  741. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の方は第二会社ではないのでありまして、最初委員長からお尋ねになつたように、運輸省の荷後を專業にやる会社が、たまたま公団の機構の改変によりまして販売業をやるということになつて、私はお世話になつたわけでありますので、全然性格も違いますし、そういう性質は含んでおりません。
  742. 高木松吉

    ○高木(松)委員 関連して……。最後にあなたの気持を聞きたいのだがね。気持を聞く前に、あなたの言われたことに関連するのだが、この荷後炭の価格設定ですね。これはあなたの方から申請して決定するのですか、どうなのですか。
  743. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようであります。
  744. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その荷後炭の価格設定は、いわゆる山から掘る炭と同じ価格で申請しておるのですか。
  745. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど御説明申し上げましたように、山から掘る価格で原価的に設定し、物価庁が指示されたのです。
  746. 高木松吉

    ○高木(松)委員 だからあなたの言わんとすることは、法的に物価庁が決定したのだから正当性がある、こう御主張になるようですが、そういうわけですか。
  747. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それといわゆる荷後炭の性質上横流れというようなことになつては、統制のあれができいなから……
  748. 高木松吉

    ○高木(松)委員 しかし横流れするからといつて、国家に損をかけるような価格を申請して、石炭協会にもうけさせなければならぬという理由はどこにあるのですか。
  749. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 別にもうけさせようという意思から出たのではありませんが……
  750. 高木松吉

    ○高木(松)委員 結局はもうけさせることになるでしよう、安く買えるものを高く買うということになれば、相手にもうけさせて国家が損をする結論になる
  751. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そのもうけの程度によりましようが、もうけたものに対しては、普通の営利会社でなくて、公共団体で公共的に使用するという面も多少含みますから……
  752. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その公共的な面というのは何です。石炭協会が特に普通の値段より高く買つてもらつてもうけたものを、公共的に使うというその使途はどこにあるのですか。
  753. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 使途ちよつとはつきりいたしませんけれども、団体の性質がそうなつておりますので…
  754. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その点ははつきりしましたね、それから保險の問題で、先ほどあなたの説明は、いわゆる共済会に行つたか行かないか、何もかもわからぬというような形であなたが取扱われておつたわけですね。ただしそれは自分自身の管轄ではないからと言うが、それもまたまわりまわつて公団の赤字を出したひとつの大きな原因になつているように思うのです。そういうことを考えて、今あなたがあなたの職場において公団関係しておつたときのとつた運営方法に対して、良心的に誓つてつたということを言い切れますか。どうも先ほどからいろいろな点を聞いておると言いのがれはうまいが、はたしてあなた自身が良心的にやつていたかどうかということを疑われるのみならず、あなたの言葉から出て来る数のものをわれわれはたぐつて、いわゆる常識で想像すると、うしろに何かあるように国民は受取るんだが、どうもあなたは良心的でなかつたというのか、それともまだうしろに何かあるのか、国民はそういうところをはつきりさせたいために特にあなたにおいでを願つたのだから、そういう点をここではつきりと、あなたの感情を偽らずにお話になつていただきたいと思います。
  755. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 結論的には、常に私といたしましては重大任務を痛感いたしまして、良心的にやつたとただいまでも感じております。
  756. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今でもですか。
  757. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はあ。
  758. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 かような赤字を出したのは、公団幹部として責任は別にないと思うか。
  759. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 赤字の点につきましては、先ほど委員長から御質問がありましたように、五月以後のいわゆる公団末期における需給のアンバランスから起つたのが大部分で(「その前は赤字はないか」と呼ぶ者あり)それ以前には赤字はないように記憶しております。
  760. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じやついでに聞きますが、さつきちよつと言つたが、杭木補給金というのがあつたそうだね。杭木補給金というのは石炭の値段に食い込まれたか……
  761. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いわゆる生産原価の一部分という意味合いで補給金が出ておつたように記憶しております。
  762. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれはマル公以外にとつたんじやないですか。
  763. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは生産業者に対するひとつの補助金的な運用に供しておつたのであります。
  764. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マル公以外にとつたのでしよう。
  765. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 マル公以外とおつしやる点がちよつとわかりにくいのですが。
  766. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 生産者価格以外の金でしよう。生産者価格の中に織り込まれておつたのかどうか。
  767. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産者価格の一部だと思つております。
  768. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格の中に入つておるのか。
  769. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産者価格の中に入つておると思います。ただ方法が別途に、別わくになつているということだけでありまして、支給方法が別途になつているというだけでありまして、生産者価格の一部だと称しております。
  770. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それなら生産者価格であれば、炭価に入つているのですね。
  771. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 入つております。
  772. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを受取つてあなたの方でどうした。
  773. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私の方ではただ価格の操作上お預かりしておるだけでありまして、これを適当な機会に石炭協会なりを通じまして、それぞれの生産業者にお拂いしておるわけです。
  774. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが問題なんだ。マル公の中へ入つておるものを、あなたがだれから預かつておるのだ。代金でしよう。
  775. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  776. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれに預かつた
  777. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 物価庁の価格操作上、そういう金額を預かるような操作ができておるわけです。得た金を生産業者に拂うということになつて、お預かりした金であります。
  778. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれから預かつているのだ。
  779. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 価格の一部分として……
  780. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格はわかつた。預かるというからには預け主があるわけだ。それはだれです。
  781. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは要するに買取り価格と販売価格の中に自然に生れて来る差額になつております。
  782. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはわかつた。預かり主はだれか。
  783. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは価格の補給金については、生産業者に拂うべき預かり金であります。
  784. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 拂うべきものがあるのかもしれないが、拂うべきものは拂わなければならぬでしようが、あなたが預かると言うから、だれから預かつたか、金を出した者は消費者か。
  785. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 生産業者が受取るべき金を、一時こちらが預かつておるというだけであります。
  786. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは会計上さしつかえないものと思つていますか。
  787. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さしつかえないものと思つております。
  788. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計検査院で何か言われなかつたか。
  789. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう話を承つておりません。
  790. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 問題にならなかつたか。これは油糧配給公団でもあつてやかましかつたのだ。
  791. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は他の公団と違いまして……
  792. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売る値段だから、あなた方一体業者から預かるということはありませぬじやないか。この値段はものを売つた金でしよう。売人だれだ。国家じやないか。
  793. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 価格の構成内容に……
  794. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格の構成内容はわかつた。売人は国家ですよ。その点は気がつかぬかね。
  795. 大橋武夫

    ○大橋委員 ちよつと今の委員長の質問に関連して伺つておきたいのですが、それは石炭公団会計経理の方ではどういうふうに処理しておられるか。つまり生産に支拂うところの買取り価格として整理してしまつておるか、それともそうでなく、公団の中に残つておる資産になるような科目として整理してあるか。
  796. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 先ほど来たびたび申し上げますように、預かり金として整理しております。
  797. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうしますと買取り価格は、杭木補給金を差引いた残りだけを買取り価格として整理しておられます
  798. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。要するにそのほかに杭木費とか五つばかりあつたと思うのでありますが、そういうものを加算したもので販売価格になつておりますから、自然販売した代金のうちに含まれておるから、公団に代金をとつた中には残つて来る。その集まつただけ代金はそういう方面にお支拂いする。
  799. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、毎年度の決算において預かり金として残りますか。それともそうでなく、毎年度の決算期前にこれを全部処分してしまいますか。
  800. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 大体毎年度の決算期前にお支拂いをしたように思つております。
  801. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつとそれは済んだことだから何だが、国家のものをとるということは、売人は国家であることはわかつておるだろうね。公団は国家にかわつてつておるということはわかつておるね。
  802. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうです公団は政府機関ですから……
  803. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売り代金はだれのものだ。国家にかわつてつたら、代金はだれにかわつてあなたが預かつておる
  804. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 代金は政府の代行機関として受け取つておるわけです。
  805. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。そうしてみると、国家の金をあなた方がかつてに出していいか、そういう会計規則はどつかにあるのか。
  806. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは物価庁なり安本で決定されまして、そういう措置をするように公団は命ぜられて、その命令通りを運行しておる。
  807. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう命令はありますか。
  808. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう措置をするよりに命令があります。
  809. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう命令がありまか。
  810. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 価格の構成内容を見て、物価庁からどういう措置をやれということが……
  811. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 構成はわかつたけれども、値段をきめるのはパリティー計算で行くから、そういうものはそれで行くでしよう。
  812. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 物価庁の指示に基いてやつた
  813. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからどういう指示が来ておりますか。直接支拂いせいと言つてか。
  814. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団から抑えという指示が来ております。
  815. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 直接支拂いせいという……
  816. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 多分そうだと思います。支拂い方法をはつきり覚えておりませんが……
  817. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなことはありやせぬだろう。国家の金をかつてに出せるものではない。国家の金というものは、国家に入つたら、出すべき手続を経なければ出ぬものだぜ。
  818. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは公団獨断でやつておりませんので、物価庁なり安本なり、それぞれ当局のおきめになつたことを、ただ公団が実施しているというだけのことであります。
  819. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 指令があればさつそく調べて出してください。さようなものはわれわれはないと思うが……
  820. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 下の方にそういうふうに申し伝えます。
  821. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なかつたら、かつてにさような口実をつくつてつているということになる。そんなことは会計法上許せることじやない国家の金だから……
  822. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団がかつてにやつたということは全然ないと思います。
  823. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほんとうに指示してありますか、覚えておりますか。
  824. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いかなる方法でありましようか、それにかわるべきものとして処置がしてあると思います。
  825. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 至急出してもらいたい。
  826. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の方へ申し伝えます。
  827. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一つ聞くが、二十三年の五月から二十四年の六月にかけて、海運総局の練習船に石炭の運搬をさせたことがあるそうですね。
  828. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ございます。
  829. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その運賃二千五十万円拂つた
  830. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金額のほどは存じませんが、機帆船運賃として拂いました。
  831. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういうのです。先ほどつた海運総局なりどこかの指令で出て来たのか。
  832. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 別に指令でなくて、これは配船割当計画に基いて機帆船として輸送の報告を受けたものですから、それに基いて支拂つたものです。
  833. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこから……
  834. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはたしか西日本が窓口になつておりまして、西日本から請求を受けて拂つたと思います。
  835. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 請求というか、その船を使えということをまわして来たというのは、だれがまわして来たのか。
  836. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは西日本がまわしたと思います。
  837. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西日本とあなたの方とのやみで便つた船でないか。
  838. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことは決してありません。海運総局でお調べになればわかりますように、われわれのところでは、海運総局の計画に基いて海運総局の指令によつて船が動いているのでありまして、公団からかつてにどの船をどういうふうに使うということはやつておりません。
  839. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつも運賃はどこへ拂うの。
  840. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運賃は九州炭、山口炭の機帆船運賃は、西日本が窓口になつておりますので、西日本へ一手に拂うというふうな措置をとつております。
  841. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがあなたの方から航海練習所へ直接拂つておるというではありませんか。
  842. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう記憶はありません。
  843. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを世話したというので、あなたの方におつた現場の係員が何十万円かその頭はねをやつて、そうして収賄罪で起訴されているそうですね。
  844. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは聞き及んでおります。
  845. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 聞き及んでおる。
  846. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はあ。
  847. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あたりまえの総局から正式なものだつたら、そういうことが起るわけがないのだが、どうしてそんな頭はねなんかされるのか。
  848. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは運行は石炭局の方でやつておりますので、詳しくは存じませんが、新聞記事その他風聞によつて委員長のお話のようなことは聞き及んでおります。
  849. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あたりまえに正式にまわつて来た船だつたら、そんな者に二十何万円、三十万というものをとられるわけがない、何かそこに臭いものがある。
  850. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その問題は公団から支拂つた機帆船運賃の問題でなくてこれを運行した人の内部的の事情のようにちらりと聞いたわけで、詳しくは存じません。公団関係ではないように思います。
  851. 西村直己

    ○西村(直)委員 簡單ですが、ちよつと重要なことについて一点だけはつきり確かめておきたいと思います。配炭公団の山元の受入れなり、輸送、あるいは荷後炭、いわゆるどろぼう炭といつているが、その荷役、保管、あるいは保険、すべてが大体われわれが想像するのにかなり芳ばしくない事実があつて、赤字が出ているというふうに推測できるのでありますが、一つお確かめしたいのは、証人は赤字累積の原因が需給のアンバランスにあつた。しかもこれは先ほどの御証言では四、五月ごろである。それのみによつて百二十億近い赤字が出て来たのである。こういう御証言になつたようでありますが、その点をもう一ぺんはつきり伺いたいと思います。單にそれだけで出て来たのですか。
  852. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点ははつきり私は確言できぬのでありますが、私の記憶から見た場合は、そうではなかろうかというふうに考えております。
  853. 西村直己

    ○西村(直)委員 少くとも公団の幹部である方が、毎月局長会議あるいは理事会をお開きになつて、しかも御商売人がそろつておられて、そうして一つの企業的な要素を多分に含むがゆえに公団というものをつくつたと思う。そのお歴々が集まつて、しかも多年にわたつて経理の結果、その経理の状況というものは、必ずやある段階には、こうなればこうなつて来るということはわかつておると思います。本日の証人のお二人、前の方の証言も、今あなたの御証言も、聞いていると。すべてをぼやかして、ぐあいの悪いところは全部伏せておられる。今の赤字の原因は、自然発生的な需給のアンバランスから来ておる。この言葉を聞いた場合に、国民はあなた方を許しておきますか、許しておかぬと思う。もう一度率直に、その赤字累積の原因を端的に御披瀝になつた方が、あなた方のためにもなり、また国民全体のためにもなる。もう一ぺん聞かしていただきたい。そうしないと、ここで百二十億ばかりにバランスが多少とられてみても、何十億という金が国民のふところから出なければならぬ、しかもそれは国会を通して行かなければならぬ問題が目前に追つておる。あなた方はどうするつもりか。あなた方はもつとこの点を率直に言つていただきたい、もう一ぺん御証言を願います。
  854. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はなはだ遺憾でありますが、先ほど来申した記憶通りでありまして、二十四年の二、三月ごろまではそんなに赤字になつていなくて、それ以後の諸種のでき事から大部分が赤字になつたように考えております。
  855. 西村直己

    ○西村(直)委員 もう一度。その諸種のでき事ということを具体的に説明していただきたい。諸種のでき事というようなあいまいな言葉で逃げられては困る。
  856. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その大部分はやはり貯炭問題に関連しまして、長期の貯炭のために風化とか変化とか、いろいろな点から炭質の低下による格下げの問題並びに多種多様な場所に貯炭する関係上、途中の荷こぼれとかいろいろな点か多々できまして、厖大な欠斤が起るとか、こういうような面が大部分の要素をなしているのではないか、こういうふうに考えます。
  857. 西村直己

    ○西村(直)委員 かりにあなたの言葉を許しても、その以前にあなたは良心をもつて、あるいはあなた方幹部は良心をもつてとさつきおつしやつた。これをもう一ぺんあなたは証言できますか。もし万一それが、後に事実に反した場合においてはあなたは一つの偽証的立場に立ちますよ。あるいは自分の努力が足りなかつた、あるいは自分たちの責任も相当とらなければならぬということがあれば別だが、自然発生的な原因で赤字が出た、これはうつかりするとうそを言つたということになります。それでもよろしいか。
  858. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私は良心をもつて努力したが、遺憾の点はあつたと申し上たのでありまして、遺憾の点がないとは申し上げてないのであります。
  859. 西村直己

    ○西村(直)委員 たとえば、遺憾の点とは具体的に……
  860. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど委員長から申し上げましたように滯船料の費用がかかるとか、いろいろな点でうまく行かない、こういう点を申し上げたのであります。
  861. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは自分の前歴から言つても、石炭の商売にかけてはまつたく権威者だ。あなた自身の会社つたらこんなに損を出せますか、出してたまりますか。出すようだつたらぱつとやめるでしよう、どうです。
  862. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 やはり営利会社でしたら、委員長のおつしやる通りにいろいろの打つ手もありましようが、何分にもいわゆる官治統制でありますので、努力の十分行われなかつた点もあると思います。
  863. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこがわれわれとしては遺憾千万だと言うのですよ。あなたは遺憾とは思いませんか。国家の金だから、国のふところは損してもかまわぬというように聞えるが……
  864. 大橋武夫

    ○大橋委員 証人は石炭界のたいへん袋的な有能なお方だと伺つておるのでありまして、そういうりつぱな有能なお方が公団関係されて、しかもこういつた大きな赤字が出て来ておる。これは確かにわれわれとしては考えてみなければならぬ点だと思うのです。それでちよつと伺つてみたいと思うのですが、あなたは公団理事に御就任になつてから、公団職員というものは公務員だということは承知の上での御就任でありましようね。
  865. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は公務員と申しますか、途中から公務員になつたように承知しております。
  866. 大橋武夫

    ○大橋委員 それで、なつたときに公務員だということを承知してなつたわけですね。
  867. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 なるときにはさようでございます。
  868. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは、今まであなたは公務員としてお勤めになつた経験は、その前にはありますか。
  869. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 全然ございません。
  870. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでそのときに、これから公務員とて勤めるということになつたについて、あなたとしては公務員としてどういうふうな気持で仕事をやらなければならぬかということを、お考えになりましたか。
  871. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 国策の線でできておる公団でありますので、いわゆる国策の線でやらなくちやならぬというように……
  872. 大橋武夫

    ○大橋委員 それが全部ですか。公務員というものは、国家の利益のために一身を犠牲にしてでも働かなくちやならぬものだ。自己の利害よりも国家の利益を重んじて働くべきものだ、そういうようなことはお考えにならなかつたですか。
  873. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことも考えたと思います。
  874. 大橋武夫

    ○大橋委員 そして公務員の仕事というものは、法規律則によつてやらなければならない。だから、公務員、ことに理事という上役ですから、これは法律規則をよく勉強して、自分のやる行為が国家の定めた法律に照して間違いのないように行為をしなければならぬ、こういうようなこともお考えになりましたか。
  875. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 考えました。
  876. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは法律を少し勉強されましたか。
  877. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団法その他については研究しておりました。
  878. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは伺いますが、あなたは荷後炭というものが、世間でどろぼう炭というようなうわさがあることを御承知ですか。
  879. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どろぼう炭とは聞いておりませんが、その間において遺憾の点のあるようなことは聞いております。
  880. 大橋武夫

    ○大橋委員 どろぼう炭という名前で呼ばれているということは、全然初耳ですか。
  881. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうこともありません。
  882. 大橋武夫

    ○大橋委員 知つているでしよう。
  883. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 知つております。
  884. 大橋武夫

    ○大橋委員 そしてあなたは荷後炭について責任ある地位におられたのですね。
  885. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭の価格問題につきましては、責任のある地位におりました。
  886. 大橋武夫

    ○大橋委員 それであなたは、在職中にどろぼう炭のうわさは聞いたことはないですか。それは今になつて聞いたのですか。在職中からすでに荷後炭のことを、世間ではどろぼう炭というようなうわさをしておつたことをお聞きになつたことはありませんか。
  887. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どろぼう炭というように、総称的には聞いておりませんが、それに類似したようなことは聞いております。
  888. 大橋武夫

    ○大橋委員 初めて聞いたのはいつのことですか。
  889. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ちよつとはつきり記憶しておりませんが、大分前から聞いております。
  890. 大橋武夫

    ○大橋委員 それではあなたの在職中に聞かれたのですか。
  891. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 在職中にも聞きました。
  892. 大橋武夫

    ○大橋委員 その場合に、そういうふうな体裁の悪い名前で呼ばるべきものかどうかよく考えてみて、もし普通公務員だつたらばどうするか。こういう場合にはさつそく取調べて、どういうところにそういう名前の出て来る原因があるかということを取調べて、ひたすら国家の利益を擁護して行くというのが考え方だろうと思う。それについてあなたはどういう処置をとられましたか。
  893. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほども申し上げましたように、管理局というのがございまして、そういう方面についての法的な処置とかいう面に万遺憾のないような処置をとるように、管理局の方面で研究しまして、公益性の社団法人にするとか、いろいろな面を考慮して、定款等もこれに沿うような、定款に基く行為をさせるように随時切りかえて行つたように記憶しております。
  894. 大橋武夫

    ○大橋委員 それではあなたは、この荷後炭の価格をおきめになります際に、一体荷後炭の価格をどのくらいにしておけばいいというような資料をおつくりになつたことはありませんか。
  895. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 つくつたかも存じませんが、今詳細にわたつて記憶しておりません。
  896. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのつくるときにいいかげんに、山元価格くらいにしておいたらいいだろうというようなことでやつたのですか。それとも荷後炭はどのくらいにすれば、取扱い業者にこの程度のもうけがあるということを見ておきめになつたのですか。
  897. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはただに業務局ばかりでなく、各現地の配炭局なり支団長の会合等を随時やりますので、現地の実情等も聽取しまして、各方面の意見をいれて決定したものであります。
  898. 大橋武夫

    ○大橋委員 決定はそうしたろうけれども、あなたはそれについて、一体これだけの値段にしておいてやれば、どの程度もうかるだろうというようなことを全然計算してみたことはないですか。あるいは部下に計算させてやろうというような努力をされたことはないですか。
  899. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう調査はしておつたと思います。
  900. 大橋武夫

    ○大橋委員 そしてその調査をした結果が、やはり山元価格で買い取るのが一番いいということになつたのですね。
  901. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 結果はそういうことが妥当だろうというような結論になつたと思います。
  902. 大橋武夫

    ○大橋委員 その結論を出された、決定的な意見を出した人はだれですか。あなたの御意見でしたか。
  903. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 別に私個人とかいうことでなくて……
  904. 大橋武夫

    ○大橋委員 それにあたつて、あなた個人としてどういう意見を出されましたか。あなた個人はもつと安くしたいと思つたが、いろいろ会議の結果こういうことにきまつたのか。それともあなたは初めからこの山元価格ぐらいがいいだろうということで落ちついたのか。その議の進行状況は……
  905. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団発足当時にきまつたものでありまして、私個人としての意見は出ておりません。
  906. 大橋武夫

    ○大橋委員 発足当時はあなたはタッチしておらなかつたのですか。
  907. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。私は十一月の八日に、先ほど申したように就任したのでありまして、決定当時にはおそらくタッチしていないと思います。
  908. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは荷後炭の売込みの相手先を選定するお方はどなたになつておりましたか、公団における……
  909. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは配給計画に基きまして、適正炭を各工場別に配炭する際に、石炭局においてやるわけであります。
  910. 大橋武夫

    ○大橋委員 石炭局がたれから買うということを選定するのですか。
  911. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 買うことは、業務局の方で買取りをします。
  912. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたが横浜の何とか協会で、ひとつ神奈川県の分は買つてやろうということをおきめになつたわけですか。
  913. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことはございません。価格の方は決定しておりますが、買うのは各配炭局なり、各支団なりの当局が折衝して買うわけであります。
  914. 大橋武夫

    ○大橋委員 それで相手方はたれがきめるのですか。
  915. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団側ですか。
  916. 大橋武夫

    ○大橋委員 公団が買取るについて、たれから荷後炭を買うかというその納入先はたれがきめるのですか、その仕入れ先は……
  917. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 各支団なり配炭局長が決定いたします。
  918. 大橋武夫

    ○大橋委員 それについてあなたは監督権はないのですか。
  919. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 監督権は、買う方から言えばあります。
  920. 大橋武夫

    ○大橋委員 相手先の選定については、あなたは監督権はないのですか。
  921. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 選定はいたしません。本庁に一任しております。
  922. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは本庁にはたれが——公団の本部においてはたれが責任者ですか。何局の責任になりますか。
  923. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 買取りは業務局の関係です。
  924. 大橋武夫

    ○大橋委員 買取りの問題ならば、これはあなたの責任ではないですか。あなたは公務員として、買取りについては最高の責任者なんでしよう。それはむろん総裁、副総裁はおられるけれども……
  925. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようです。
  926. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはあなたの責任ぢやないですか。そういうどこの支局がどこから買うかということは、あなたの責任の範囲じやないですか。
  927. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは石炭のことですから、一々本団で出先のことまでわかりませんので、そういう面は経験の深い各局長なり、次長なり、各担当課長がおりますので、こういうことが最もいいということで、現場に一任しております。
  928. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたの責任において現場に一任しておつたわけですか。
  929. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 終局の責任は本団にあるわけです。
  930. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたの責任において一任しておられた。——そこであなたにお伺いしたいのだが、あなたは公団法だけはよく読んでおつたと言われるが、公団法の十三條を読んだことがありますか。何か書いてあるか知つていますか。
  931. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 もう大分前のことでありまして、退職になりまして半歳以上たちますので、記憶はつきりしておりません。
  932. 大橋武夫

    ○大橋委員 「配炭公団の役員及び職員は、石炭、コークス又は亜炭の生産、選別、保管、加工、売買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に従事上、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。」こうありますね。
  933. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  934. 大橋武夫

    ○大橋委員 これはあなた思い出したでしよう。
  935. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい、思い出しました。
  936. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで今の横浜のあなたが荷後炭を買い取つたその相手方というものですね。これは石炭を取扱つていますね。荷後炭は石炭でしよう。
  937. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  938. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると公団職員というものは、そこの役員や職員になつてはいけないわけです。これは御存じですね。
  939. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 許可なくしてはできないと思います。
  940. 大橋武夫

    ○大橋委員 許可なくしてなどと書いてない。初めからそういうものは許してはいけない。許可したならば許してやるということは、どこにも書いてない。それではだれが許可したのですか。
  941. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その点は先ほど申し上げました。
  942. 大橋武夫

    ○大橋委員 許可したかしないかじやない。あなたは法律を勉強した、公務員としてはずかしくないだけの勉強をしたと言われるから伺つたのだが、許可したらよろしいということは書いてない。
  943. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 きのうから人事院の許可を得たと言うのだが……
  944. 大橋武夫

    ○大橋委員 人事院とか何とか言つても、それは何にもならぬ。法律で無條件にできない。許可があつてもそんなことはだめです。そこでお宅の横浜支局長ですか、東京の支局長ですか、その方がこの代表者になつておるところの、そういう団体から荷後炭を買取るというようなことは、これは公団法の十三條からいつて絶対にあり得ないことだと思う。この点についてあなたは責任者として責任を感ぜられませんか。
  945. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭協会から公団が石炭を買取ることについては、違法ではないように思います。
  946. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは荷後炭協会というものは石炭の販売を業としておるのでしよう。
  947. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷後炭協会は石炭の販売を業としておりません。
  948. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは何がおもですか。
  949. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 石炭の途中炭とか、荷揚げ中の荷こぼれ炭、これを引上げて公団に売るという業務になつております。
  950. 大橋武夫

    ○大橋委員 それが販売ということだ。石炭の販売を業として会社公団の役員職員は一切利害関係を有してはならないと書いてある。
  951. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 販売が業でなくて、いわゆる荷揚げとか、そういう関係が業であつて、販売は一手に公団に拂わなければならぬということから、やむを得ず公団に売るのだということを申し上げておるのです。それで本来の業務しやないと思つておるのです。
  952. 大橋武夫

    ○大橋委員 それじや本務の業は何ですか。
  953. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷揚げ業みたいなものだと思います。
  954. 大橋武夫

    ○大橋委員 本務の業務とは書いてない。副業だろうが本業だろうが、いやしくも業として石炭の販売をする、そういうところの団体の業務には、公団の役職員は一切従事してはいけないと書いてある。この條文と関係があると思わなかつたのですか。あなたのような人を理事にしておけば、いくら法律をつりぱにつくつたところでさつぱり読まない。読んだつて正しい意味に理解しないへりくつを並べてこんな條文は関係がないと思つておる。そういう人が公務員である限り、やれ制度がどうのこうのと偉そうなことを言われるけれども、制度よりも人が問題です。そうはあなたは思いませんか。
  955. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは責任のがれとおつしやるか存じませんが、いわゆるこういう職につけるとかつけないという問題は、総務局方面で……
  956. 大橋武夫

    ○大橋委員 総務局方面じやありません。石炭の買入れはあなたの責任でしよう。だからあなたがどういう相手から買入れるかという場合には、この十三條に照して、こういう自分のところの役職員が幹部となつておるような、そういう団体からは買取るべきものではない、そのことが十三條の裏の意味なんです。この点はあなたの責任です。
  957. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 お言葉を返すようですが、石炭協会から石炭を買取るべきものではないというふうには承知してないのであります。ただ協会の役員が……
  958. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたのように言われれば、幾らいい法律を議会でつくつても、そうかつて気ままに解釈されるのだからやりきれない。こういうお方が公務員となる資格があるかどうかということなんです。
  959. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう相手方になる会社じやない、社団法人だろうが、そういう役員になり得るということか……
  960. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 問題は公団の幹部がその役員になつておるという点のお話だろうと思います。
  961. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。
  962. 大橋武夫

    ○大橋委員 役員になれないということは、役員となつておる会社と取引ができないということなのです。  それではその次に伺いますが、さつきの保險料率の問題なんです。保險料率について、あなたは担当者として値下げさせたい、保險料の値下をさせたい。こういうことを考えて努力せられましたね。このことはたいへんけつこうなことだと思います。ところが不成功に終りましたね。
  963. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  964. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのときはどういうつもりだつたのですか。値下げしただけ公団の利益になるからというつもりで値下げの努力をされたわけですね。
  965. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど申し上げましたように、公団の価格構成を低下さすことは、石炭の価格の低廉になるという努力の意味合いにおいてやつたのであります。
  966. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その値下げの利益というものは公団に帰属する、だからぜひ公団の利益のためにやりたい、こういうわけだつたのですね。
  967. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団の利益よりは……
  968. 大橋武夫

    ○大橋委員 つまり国家の利益ですね。
  969. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  970. 大橋武夫

    ○大橋委員 その次に、結局それはうまく行かなかつたから、それで保險料の割引をした分は、共済会寄付させることにしましたね。
  971. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  972. 大橋武夫

    ○大橋委員 その場合の値下げの利益はだれに帰属しておりますか、割引による利益は究極においてだれの手に入りましたか。
  973. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 寄付の利益と言いますれば、共済会がそれによつて運行よろしきを得て……
  974. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると共済会が利益を受けたのですね。そこでこれはさつき村田さんにも伺つてみたのですが、その共済会に値引の利益を渡せという指定をされたのはあなたの方でしよう公団ですね。
  975. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 指定というよりは、三者において先ほど申しましたようなことから、そういうことがよかろうということに話合いがきまりました。
  976. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこでその契約をされるということは、当然あなたの方の職務ですね。
  977. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  978. 大橋武夫

    ○大橋委員 保險契約は業務局長の職務ですか。
  979. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 業務局でございます。
  980. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとあなたが職務によつてこのことをされた。どういうこれをされたかというと、つまり契約の相手方である保険会社から共済会という団体に対して寄付金名目で金を渡させたのですね。
  981. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  982. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこであなたは公務員となつて法律をよくお調べになつたということなんだが、刑法もやはりお調べになつたのでしようね。
  983. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 遺憾ながらあまり存じておりません。
  984. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうですが。それじやこういうことを御存じですか、公務員というものは、普通の人がしたならば責任をとらなくてもいい場合でも、公務員であることによつて特に罰せられることがいろいろあることは御存じでしようね。
  985. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いろいろあるだろうと思います。
  986. 大橋武夫

    ○大橋委員 その最も代表的なものは、いわゆる涜職罪ですね。そこで涜職罪というものはどういうものか、あなたは公務員になつたときにお調べになりましたか。
  987. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 特に調べません。
  988. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたは今まで通りつてつても、涜職にひつかかるようなことはないと思つて公務員に就任されましたか。
  989. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今まで通りとは考えませんが、先ほど来申し上げましたようないろいろな処置の点について、いわゆる公務員的な国家の公吏としての職務を全うすべく考えはかえて来ました。
  990. 大橋武夫

    ○大橋委員 精神的にはそれで十分にわかつておるが、行動を今までとかえないと、公務員としては不都合な場合がありはしないかということは考えられなかつたですか。
  991. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 心がけはかえなくちやならぬ……
  992. 大橋武夫

    ○大橋委員 心がけさえかえれば、行動は今まで通りでよろしい思われたのですか。
  993. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 行動も自然多少かえなくちやならぬと思います。
  994. 大橋武夫

    ○大橋委員 多少の程度かえればいい。どこまではつきりかえなければならぬかということは、詳しく調べなかつたのですか。
  995. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  996. 大橋武夫

    ○大橋委員 ところが今リベートを共済会に提供させたことは、刑法に照しますとあなた方が職務に関して相手方の保險会社からわいろを共済会に提供させたという行為になるのですよ。これは提供させているでしよう。これは刑法上の涜職罪がりつぱに成立するのです、こういことをされては。
  997. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私はそういうふうには考えておりませんで……
  998. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは法律を知らぬからそういうことを考えている。あなた方は……
  999. 梨木作次郎

    ○梨木委員 法律なんか知らぬでも、そんなことは常識だ。
  1000. 大橋武夫

    ○大橋委員 今梨木君からも言われるように、常識としてもそういうことは考えないのですか。
  1001. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私常識上そう考えなかつたものですから。
  1002. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、職務に関して金をとつてもいいと思つているのですか。存分さえとらなければ、他人に渡させる分にはかまないと考えているのですか。
  1003. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうは考えませんですが、共済会というものは、公団の役職員の相互扶助のために福利厚生をはかる組合であるから、そういう面にやれば、従つて公団の能率も上る、こういうふうに考えました
  1004. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで今の共済会というものをもう少し考えてみましよう。公団は政府ですね、結局国家ですね。
  1005. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1006. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこであなたが初めに値下げさせたいと言うのは、国民全体の利益をはかるために値下げをさせたいと言われたのでしよう。
  1007. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1008. 大橋武夫

    ○大橋委員 この場合値下げさせたというのは、結局役職員の利益となるだけであつて、政府では結局金額拂つているわけだから、ちつとも利益にはならないですね。
  1009. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 役職員を通しての努力によつて、やはり国家的に利益になると思います。
  1010. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、利益を得るとそれで役職員の能率が上る、そこで間接に国家が利益を得る、こういうのですね。
  1011. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1012. 大橋武夫

    ○大橋委員 そういうりくつで行くと、普通のお役人が何か仕事について業者からたいへんごちそうになる、そういう場合にも、ごちそうになつたことによつてあくる日はたいへん能率が上るから、それは国家の利益になるというりくつになりはしませんか。ところが度を過ぎたごちそうになれば、これは涜職になる、また金を受取れば涜職になるということは御存じでしようね。
  1013. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金をとれば涜職になるということは存じております。
  1014. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうでしよう。あなた方は金を受取つている。どうしてこれが涜職にならぬのですか。つまり公団の幹部は……
  1015. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 受取つておりますが、寄付は私はさしつかえないと思います。わいろと寄付は非常に違うと思います。
  1016. 大橋武夫

    ○大橋委員 では寄付として受取ればわいろじやないというわけですか、幾ら受取つても……
  1017. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 双方納得の上で寄付を受けるならば、これはいいと思います。
  1018. 大橋武夫

    ○大橋委員 これはひとつ速記によくとつていただきたい。石炭公団の最も有能であると称せられるところのお方の、公務員としての涜職についての考え方、これは私は天下国民によく認識していただく必要があると思う。こういうお考えでありますから、こういう相手にこれ以上言う必要がないと思います。今のお言葉だけ速記にとどめていただいて私の尋問を終ります。
  1019. 横田甚太郎

    ○横田委員 馬屋原君は非常に評判が悪い。そこで私たちは材料を集める点において非常に楽だつた。気の小さい馬屋原君にいやなことを聞くのですが、第一私たちがここで赤字赤字と言つているが、大体あなたの観念から見ると、赤字にはとれない。あなたの付近の人はあなたのことを千万長者だと言つておる。何が赤字なものか、赤字じやない黒字じやないかと言つておる。個人の、私経済的な立場に立つているあなたが、公団形式の中に働いて、その法の不備につけ込んで非常に不当な利益を得た、私はこういうことを考えるのですが、その立場から、あなたがかつてもうけられたやつについては私はかまわないのですが、事公団に関して金の出し入れがあつたかということについて聞くのですが、あなたは第一、東京倶楽部というものを御存じですか。
  1020. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 東京倶楽部は存じております。
  1021. 横田甚太郎

    ○横田委員 どうして御存じですか。
  1022. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 石炭に関係しおりますので存じております。
  1023. 横田甚太郎

    ○横田委員 その東京倶楽部というものは一体何の名前ですか。
  1024. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 東京倶楽部という——どういう関連性でおつしやつているのですか、ちよつとはつきりせぬのですが。
  1025. 横田甚太郎

    ○横田委員 東京倶楽部というのは知つておるでしようね。
  1026. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 東京倶楽部とはどういう性質のものかというのだ。
  1027. 横田甚太郎

    ○横田委員 東京倶楽部は御存じないのですか。これは建物の名前じやないですか、人間の集まりですか。
  1028. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 何の問題に関連してでございましようか。それをおつしやつていただけば思い出すかもしれません。
  1029. 横田甚太郎

    ○横田委員 公団の問題に関連してです。公団以外のことは聞いても答えなくていいのです。
  1030. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 東京倶楽部というのはあるでしようね。
  1031. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 あります。
  1032. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから、どういう性質のものかというのだ。
  1033. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 あまり詳しく存じておりませんが……
  1034. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何か会員同士でつくておる倶楽部か、それとも建物の名前か、こういうことを聞いておる。
  1035. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはたしか名士が集まつておられる団体だというふうに……
  1036. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 団体の名前ですね。それを言えばいい。
  1037. 横田甚太郎

    ○横田委員 こういう人たちの集まる建物があつたでしよう。議会の裏に総理庁がありますね、あそこをおりて特許局がありますね。そのうしろに建物があつたでしよう。当時焼けてしまつて、これの名前ははつきりわからなかつたのですが。この建物を非常にほしくなつたときがあつたでしよう。
  1038. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 東京倶楽部の……
  1039. 横田甚太郎

    ○横田委員 東京倶楽部は忘れますまい。その建物のことは御存じでしよう。地点はここをおりて行くのです。
  1040. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 燒けビルですか。
  1041. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうそう。
  1042. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 存じております。
  1043. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは何がため御存じになつたのですか。
  1044. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは公団事務所がないために事務所にしようというので……
  1045. 横田甚太郎

    ○横田委員 公団としてはこれを使いたいということだつたのですね。
  1046. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1047. 横田甚太郎

    ○横田委員 これはどんな会合に使いたいという議が起つたのですか。
  1048. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事務所がないから、これを使つてもらいたいという希望がありまして、調査した結果よかろうということで進めたのです。
  1049. 横田甚太郎

    ○横田委員 使つてもらいたいという希望が建物の所有者の側からあつたのですね。
  1050. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1051. 横田甚太郎

    ○横田委員 それで公団ではこれを修繕しようというふうに決議されたのですね。
  1052. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1053. 横田甚太郎

    ○横田委員 どんな機関にかけてやられたのですか。
  1054. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは機関というより、総務局の担当になつておりますので、総務局の方で決定したのでございます。
  1055. 横田甚太郎

    ○横田委員 当時各課長というものは全部何か部門を持つてつたが、あなたのことを無住所課長と言つておりましたね。どういう意味においてこれを扱つたのですか。
  1056. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 無住所理事というよりは、総裁付の理事でありました関係上、全般の問題について相談なり指導なりはしたわけです。
  1057. 横田甚太郎

    ○横田委員 そしてこのビルを修繕なさつたわけすね。
  1058. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1059. 横田甚太郎

    ○横田委員 幾らくらいかかりましたか。
  1060. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきり覚えておりませんが、手数百万円くらいかかつたのではないかと思います。
  1061. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは私たちが聞いているよりよけいかかつておりますね。それで手数百万円の金を使つて修理し、このビルに入りましたか。
  1062. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 入つておりません。
  1063. 横田甚太郎

    ○横田委員 どうしてですか。
  1064. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは私確かには覚えおりませんが、入る際にいろいろな便宜的な面から見て、組合員の反対があつて入らなかつたように聞いております。
  1065. 横田甚太郎

    ○横田委員 組合員の反対があつたから入らなかつたのですね。
  1066. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これははつきりしておりませんが、そういうふうに一部聞いております。
  1067. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたの側としても建物がほしかつた。建物が見つかつた。建物の所有者もこの燒けビルを出そう、修繕して入つてくれということになつて、それをあなた方が正当な機関で議決されて——あまり正当な機関でやられたとは聞いておらないですが、やつた結果、これを修繕しようということになつて、千数百万円お入れになつたのですね。
  1068. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金額ははつきり覚えておりませんが、千数百万円に当ろうと思いますが、金額の点ははつきりしておりません。
  1069. 横田甚太郎

    ○横田委員 その結果入れなかつたことも事実ですね。
  1070. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 入れなかつたことも事実でございます。
  1071. 横田甚太郎

    ○横田委員 一体この金はどこから出た。
  1072. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団から出ております。
  1073. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは公団ではそれを怒らなかつたか。
  1074. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 怒つておりません。
  1075. 横田甚太郎

    ○横田委員 千数百万円の金を使つて、入れないような家を買つてもらつて、そうして修繕をして……
  1076. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その金は私担当しておりませんのではつきり覚えておりませんが、聞くところによれば、入れないために返済を受けているように聞いております。
  1077. 横田甚太郎

    ○横田委員 返済を受けておる——間違いないですね。
  1078. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私担当しておりませんが、間違いないと思います。
  1079. 横田甚太郎

    ○横田委員 全額返済を受けたのですね。
  1080. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 全額を返済を受けたように聞いております。
  1081. 横田甚太郎

    ○横田委員 そのビルはだれがあとへ入つておりますか。
  1082. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 存じません。
  1083. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではあとでこつちは調べますが、これと同種のことで千代田ビルというのも御存知ですね。
  1084. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 千代田ビルは現在公団が入つておりますビルであります。
  1085. 横田甚太郎

    ○横田委員 千代田建物の所有です。ね。
  1086. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1087. 横田甚太郎

    ○横田委員 これもやはり修繕されたのですか。
  1088. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これも同様な方法でやつたような記憶しております。
  1089. 横田甚太郎

    ○横田委員 どのくらい金がかかつたですか。
  1090. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金額ははつきりしておりません。担当しておりませんので……
  1091. 横田甚太郎

    ○横田委員 担当しておらないのでわからぬ——大体このビルで普通の人が入る場合においては、権利金としてどのくらい納めておりますか。
  1092. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうこまかい点は、事務当局の査定なりいろいろな方面でやつたと思いますので、はつきりしておりませんです。
  1093. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると本海陸運輸なるものがありますね。ここであなたは相当な地位についておりますね。
  1094. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はあ。
  1095. 横田甚太郎

    ○横田委員 この日本海陸運輸なるものが、公団が廃止になりまして、この千代田建物の所有である千代田ビルに入つておりますときに、無料で入つておりますね。
  1096. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことはありませんです。
  1097. 横田甚太郎

    ○横田委員 権利金は拂つておるのですか。
  1098. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 家賃を拂つて契約して入つております。
  1099. 横田甚太郎

    ○横田委員 家賃を拂つておりますね。
  1100. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 家賃を拂つておりますが……
  1101. 横田甚太郎

    ○横田委員 権利金はどのくらい拂つておりますか。
  1102. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 権利金を拂つておるかどうか、これは総務関係の担当者であれしておりますので、存じておりません。
  1103. 横田甚太郎

    ○横田委員 存じておらない——この点については私どもは非常に疑いを持つのですが、あなたのやり口は東京倶楽部の建物の場合にもそうでありますが、東京倶楽部という名前をもつて言うてはわからぬかもしれませんが、とにかくあの燒けビルの場合にもそうですが、千代田ヒルの場合もそうであります。これに対しては相当な建築費をかけておきながら、片方の場合にはこれは使えなかつた。入らない。金は返つておるとあなたは言うけれども、私たちの聞く限りでは、金は返つていない。あやふやになつておる。このことが一つ。千代田ビルの場合におきましては、これを非常な権利金を拂つて公団が入つてつて、そうして公団が廃止になつたときに、あなたが非常な重要なメンバーになつておるところの日本海陸運輸なるものが無料で入つている。権利金もなしで入つておる。家賃はもちろん拂つておる。この点においてあなたに対して非常に疑惑を持つのです。
  1104. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはお話の筋が誤解だと思うのでありますが、先ほど来申したように、当社は販売部門を初めて始めたために、相当の人数を公団なりその他から雇い入れました関係上、事務所に非常に窮しまして、困つてつたところに、たまたま千代田の方から話がありましたので、喜んで入れていただいたようなわけでありまして、ちやんと正規な手続をいたしまして、家賃も拂つておるように聞いております。
  1105. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは配炭公団がですか。日本海陸運輸がですか。
  1106. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 日本海陸運輸が千代田建物から拜借しまして、入つておるわけです。
  1107. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこで話はかわりますが、日本海陸運輸といつたら一体何をやるのですか。
  1108. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはさつき委員長のお尋ねの通りに、省炭荷役をやつているのが本業でありまして、公団の販売業務の転換によつて、石炭の販売業を加えて今日はやつておるわけであります。
  1109. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたが入る前は非常にボロ会社つたですね。収支が合わない……
  1110. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ボロ会社とは聞いておりませんです。
  1111. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうですが。それではこの日本海陸運輸は今日では非常にうまく行つておるのでしよう。あなたの入社で……
  1112. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 うまく行つておるとも考えておりませんが、ややどうやらやつて行けるという程度に行つておるように思います。
  1113. 横田甚太郎

    ○横田委員 おもなる仕事は何をやつておられますか。
  1114. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 おもなる仕事は省炭の荷役会社であります。
  1115. 横田甚太郎

    ○横田委員 たしか国鉄に使うところの石炭は全部運搬しておつたところがあつた。ところが今度国鉄が非常に赤字になつたので、国鉄のものは国鉄が運搬するようになつた。それで非常にこの日本海陸運輸が困つて来た。その日本海陸運輸が困つておるときに、ちようど公団のいろいろな問題が起りまして、あなたがお入りなつて、あなたがお入りになることにおいて配炭公団が持つてつた貯炭を、どことも競争せずに一手に運輸契約ができる、よそとの競争入札なしにこれができるようになつた、こういう性質の会社ではないのですか。
  1116. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうふうには考えておりません。
  1117. 横田甚太郎

    ○横田委員 実際やつておるのは……
  1118. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 省炭荷役につきましては、従来から省炭の荷役をやつておりますし、かつ全国的にそういう設備を持つておりますので、たまたま公団から、省炭の事務代行を当社においてやらしていただくことが、非常に公団もよろしいし、鉄道もよろしいというように、旧来の実績に徴しまして、お願いして了解を得た次第であります。
  1119. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは無競争入札で入つていいというのですね。
  1120. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 しかもこれは御案内の通りか存じませんが、私は販売の方の担当の專務でありまして、荷役の方の專務は別におりまして、その面で折衝したのでありまして、詳しいことは、結果は聞いておりますが、折衝の成行きについては詳しく存じておらぬのであります。
  1121. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではあなたに聞きますが、先に申しました一番初めの燒ビルのこと、それから二番目の千代田建物のことについて、あなたは非常に高所におられてわからないそうですが、もつとよくわかつた方はどんな人ですか。並びに日本海陸運輸の無競争入札について、弊害なりあるいは利害なりを一番知つておられる方はどんな方ですか。その人に来てもらいます。
  1122. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時は、やはり事務所のことについては総務局長が担当責任者であります。
  1123. 大橋武夫

    ○大橋委員 村田君ですね。
  1124. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 村田君と、その前は波江野さんだつたと思います。
  1125. 横田甚太郎

    ○横田委員 しつこいようですが、もう一ぺん確めておきますが、前の燒ビルのときに使つたところの修繕費は、公団に全部返つたですね。間違いないですね。
  1126. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 私にお聞きになつても、担当者でなかつためにはつきりしませんが、返したように聞いております。
  1127. 横田甚太郎

    ○横田委員 しかし簡單に言いましたならば、これはあなたが大体の話をまとめられたのでしよう。これは何も一つも理事会にかかつた覚えがないといいますよ。無住所理事であつたところの馬屋原君の辣腕によつて、これがとんどんと進んで行つたと聞いております。
  1128. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 こういう重大なことを、また結果的に見ても、個人的にかつてにやらすべく権限を與えられていないのでありまして、全部みんなに諮つて、それぞれの機関に諮つてつたことであります。
  1129. 横田甚太郎

    ○横田委員 よろしい。あなたはそれなら、單独でやつたのではない、相談してやつたのだ、そしてこの金は返つておる、こう思うと言われるのですね。
  1130. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1131. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから次の問題をちよつと聞きたいのですが、荷後炭のことですが、荷後炭をよく買入れしておられますが、石炭というものはしろうとの私たちから見ましても、当時物動計画のやかましかつた統制経済の日本におきましては、山から出て来る石炭が出炭量の基礎になるでしよう。
  1132. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1133. 横田甚太郎

    ○横田委員 山、あるいは海の底から出るかもしれませんが、そんなやつがなるのでしよう。それを一ぺん公団か個々の運輸機関に積み上げて、運搬してこぼしたやつは出炭量になつておらないでしよう。これが同じ形において、金を拂つておるという形になつて来ました場合においては、これはだれが損をするのですか。
  1134. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷こぼれ炭ですね。
  1135. 横田甚太郎

    ○横田委員 ええ。
  1136. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 途中の荷こぼれ炭等につきましては、欠斤というものは一応価格の中に織込んでおりまして、損失にはなつていない操作をしておるわけであります。
  1137. 横田甚太郎

    ○横田委員 日本の出炭量の、いわゆる斤目ですかトンですが、これがはつきりわかるのは——出炭とは、山から出た、炭鉱から出たことを言うのでしよう。
  1138. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 出炭はもよりの、いわゆる貨車とかその他の輸送機関の荷になつておるわけであります。
  1139. 横田甚太郎

    ○横田委員 だから、これが出炭量であつて、この出炭量に対して国家が金を拂えばいいのでしよう。それをいろいろな人に売ればいいのでしよう。
  1140. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1141. 横田甚太郎

    ○横田委員 それをわざとこぼして、船の底に仕掛をしておいて、よけい金が出るようにしておいて、しかも荷後炭なるものをたくさんこしらえて、その荷後炭を扱つて金をもらうところは、石炭協会というような化けもの協会であつて、拂つている人は石炭協会に名前をかえて入つているところの公団である。こういうようなことでは、一切合財公団が赤字になるのはあたりまえではありませんか。
  1142. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 石炭の性質上、だれがおやりになつても、いわゆる荷役途中の荷こぼれは、やむを得ざる事態として起るのではないかと思います。
  1143. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは起ります。起りますけれども、そういうようなものを再び公団のわくの中に入れるというのはどういうわけですか。そうすると、はつきり言えば、石炭協会なるものはいらないものになる。配炭公団に荷後炭部なら荷後炭部をつくつて、そこでこぼれた石炭を集めて行けばよいでしよう。大体あなた方の考え方は一々違いますが、私どもの方にも資料が相当上つておりますので、なお追究するつもりですが、あとは梨木委員に質問をしてもらいます。
  1144. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その続きを伺いますが、荷後炭は、あなたの関係していた当時、配炭公団は大体どのくらい買い上げていたか。そのおおよそのところを聞きたい。
  1145. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はなはだ遺憾でありますが、私はトン数をはつきり記憶しておりません。
  1146. 梨木作次郎

    ○梨木委員 おおよそのところはわかりませんか。
  1147. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これが価格の面でしたら、かなり私も勉強しましたが、数量の点ははつきり覚えておりません。
  1148. 梨木作次郎

    ○梨木委員 どこで調べたらわかりますか。
  1149. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 配炭公団の石炭局で調べたらわかります。
  1150. 梨木作次郎

    ○梨木委員 荷後炭というのは、別の形で買い入れておりますか。
  1151. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 買い入れております。公団事務局でお調べになつたらわかります。
  1152. 梨木作次郎

    ○梨木委員 次に八月十五から以後特殊向けの石炭の値段が上りましたが、これが九月になつて三井合成並びに三井染料に一万二千トンを八月十五日前のトン当り千円で売つている事実があるのですが、これを御承知ですか。
  1153. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それはいつの八月でございますか。
  1154. 梨木作次郎

    ○梨木委員 昨年の八月です。
  1155. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 存じません。私は去年の七月二日に退職しまして、すぐに日本海陸にごやつかいになつております。
  1156. 梨木作次郎

    ○梨木委員 次に伺いますが、西日本汽船株式会社というのがありますね。この西日本汽船株式会社というのは機帆船株式会社なんですか。
  1157. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 西日本石炭輸送株式会社です。
  1158. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これは配炭公団の輸送を一手に引受けてやつている会社と聞いているのですが、そうですが。
  1159. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 山口炭、九州炭の機帆船輸送の窓口になつているのでありまして、西日本石炭輸送会社、そのほか合せて十七社か十八社あるわけであります。そのほか地区機帆船の伊勢湾以西の石炭船団が十七社ばかりありまして、それらと合せてそれぞれ契約をして、運賃等の操作上西日本石炭輸送会社が窓口になつて公団と交渉している、こういうような関係にある会社であります。
  1160. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると西日本石炭輸送株式会社というものは、その下にもろもろの輸送会社を総括したようなものになるのですか。窓口を一本にするためにこういうものができているのですか。
  1161. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうではなく、代行しているわけです。
  1162. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると例の保險会社千代田商業的な存在ですか。
  1163. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 違います。公団から運賃を拂いますのに、何十社というものに対して拂いますのは手続も混雑いたしますので、海運総局の要請によりまして、その窓口の支拂いを一つにするとか、あるいは配船計画については、海運総局の方で西日本石炭輸送株式会社というものを創設いたしまして、そこで割当の義務をつけて、責任を持つて輸送計画の実施をするとか、機帆船輸送の実施をするとかいうような任務を持つた会社であります。
  1164. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうするとこの会社自身は船などは持つていないのでありますか。
  1165. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その会社自身もたしか機帆船を持つているように聞いております——持つております。
  1166. 梨木作次郎

    ○梨木委員 大体この西日本石炭輸送会社というのが、今お話を聞いたような事情で配炭公団の、輸送を全部一手にやつているわけでありますか。
  1167. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1168. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そうすると、これ以外の会社は輸送の仕事をやらしてもらえないということになる勘定ですね。
  1169. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことではなく、先ほど言いましたように、そのほかに地区機帆船というのがありまして、それもやつております。西日本と別途に公団と契約して十七社ございます。
  1170. 梨木作次郎

    ○梨木委員 私たちが聞いているところでは、この西日本というものは、普通の相場よりも非常に高い値段で輸送しておる。約二倍ないしひどいものは三倍ぐらいの値段で輸送をやつているということで、非常に不当なもうけをしていることを配炭公団が黙認しており、そこに不正があるというように聞いておるのでありますが、一般市場の値段と、この会社にやらしておつた値段との関係を話してもらいたいと思います。
  1171. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 その件は先ほど委員長から質問がありましたので……
  1172. 梨木作次郎

    ○梨木委員 重複すればけつこうであります。
  1173. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 重複点もありましようが、大体公団といたしましては、最初はマル公で協定せざるを得ないという事情がありましたが、その後マル公の決定方法に不備の点がありましたので、この点を追究して、今度は西日本を代表とした西日本石炭輸送会社に対して、その事情を申し述べさせるという措置をとりました。ついで二十四年の二月ごろになりまして、いわゆるドツジ・ラインによる原価切下げというような面からいたしまして、西日本を別として値引き交渉をいたしました結果、マル公より約一割の値引きをさすということになりましたし、なおまたその後の経済界の動向によつては、それ以上値引きさすというクローズもつけて、実情に即応した運賃に切下げるべく努力したのであります。
  1174. 梨木作次郎

    ○梨木委員 努力というようなことはよろしいが、実際問題として、普通の相場と、この西日本石炭輸送会社との相場が非常に違つているという事実を、あなたは知つているかどうか。
  1175. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう話は抽象的にはありました。いわゆるマル公より二割ないし三割の値引きをして運航しているという話がありましたので、調査もしてみましたが、それはおもにローカル船とか、その他復員船の採算による値引きでありまして、公団のごとく計画配給で輸送するという面におきましては、先ほど委員長の御質問に対しても申し述べたように、輸送の円滑上容易でない……
  1176. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その点はよろしい。それでは計画配船という、なぜそういう必要があるのか。ありもしないところに汽船を配船して、高い滯船料を拂つてつたということを聞いておるが、どうしてそういうことをやるのですか。それは一括して西日本石炭輸送会社と契約しておるから、必要もないところに配船するような事態が起つて来たのじやないかと思うのですが……
  1177. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 海運総局でそういう割当計画ができまして、機帆船は月六十万トンとか、汽船は何万トン、貨車は何万トン、その貨車はどういうところから、どういうふうに持つて行くというところまで計画の指示があるわけであります。その指示を根幹としてやるのでありまして、公団が好んで機帆船を多く使つたということはないのであります。
  1178. 梨木作次郎

    ○梨木委員 運営会ですか。
  1179. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 運営会は汽船でありまして、機帆船は今言つたように西日本を窓口として十八社……
  1180. 梨木作次郎

    ○梨木委員 いやそうじやない。何とかいうところから指示ざれると言われたのですが……
  1181. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 海運総局でございます。
  1182. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではあなたの御説明では、海運総局からそういうふうに指示されるので、そういう事態が起つたという御説明ですか。
  1183. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういう指示に基いて機帆船なり、汽船なり貨車を、その量を運ぶべく配置を受けまして、それで石炭を配給するということになつております。
  1184. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そのために、必要のないところに船を差向けるというような事態が起つたというわけですね。
  1185. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 必要もないところに差向けてはおりません。
  1186. 梨木作次郎

    ○梨木委員 滯船料などはどんどん拂つておるでしよう。
  1187. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷物のないために……
  1188. 梨木作次郎

    ○梨木委員 荷物のないところに送るということは必要がないじやないですか。
  1189. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 荷物がないということは、生産が計画通りでなかつたとか、輸送が計画通りできなかつたとか、派生的な結果やむを得ず起つた事実でございます。
  1190. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だから必要でないところに船を配船することですよ。そこを聞いておるのです。
  1191. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは今言つたように、それぞれの主務官庁から指示によりまして、その割当を公団は実施する機関であるために……
  1192. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは、この海運総局のそういうことをやつた、一番事情をよく知つている人はだれですか。そういう必要もないところは配船するような事態が起るような、そういう配船計画をやつておる当面の責任者はどういう人ですか。
  1193. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 計画の方は海運局だと思います。
  1194. 梨木作次郎

    ○梨木委員 海運総局の海運局ですね。
  1195. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 たしかそうだつたと思います。
  1196. 梨木作次郎

    ○梨木委員 名前はわかりませんか。
  1197. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 局長か課長。
  1198. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 当時の局長を覚えておりますか。
  1199. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 当時の局長は岡田局長だつたと思いますが、これはやはり資源庁を通して常にやるものですから、直接のわれわれの窓口になつていないものですから、海運総局から石炭庁を通し、安本を通し、そうしてGHQへ行つて、GHQの認可によつて、今度は石炭庁からこちらの方に来る、こういう順序になつております。はつきりは存じておりません。
  1200. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その次に伺いたいのは、炭鉱福利協会というのがありますね。
  1201. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  1202. 梨木作次郎

    ○梨木委員 石炭の炭価の中には、この炭鉱福利協会の会費というのが入つていることは御承知ですか。
  1203. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 福利協会の会費は……
  1204. 梨木作次郎

    ○梨木委員 トン当り幾らつておりますか。
  1205. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 金額等は……
  1206. 梨木作次郎

    ○梨木委員 入つていることは御承知ですね。
  1207. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 入つてつたようにも思います。
  1208. 梨木作次郎

    ○梨木委員 トン当り七円というようにわれわれ聞いておりますが……
  1209. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきり存じておりません。
  1210. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この石炭の炭価の中に炭鉱福利協会の会費が七円入つているのは、これは一体どういうように支拂いがなされるのですか。どういう基準でどういうようになされるのか。
  1211. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは先ほど申し上げた坑木費と同じような方法で拂つております。
  1212. 梨木作次郎

    ○梨木委員 坑木費はあとで聞きます。坑木費のことは私はわからぬが、私は炭鉱福利協会のことを聞きたいのです。石炭のトン当り、たとえば二千三百万円なら二千三百円の中にトン当り七円入つているでしよう。これは福利協会にあたなの方が別に拂うのか、それとも石炭の生産者に拂つて、ここからまた福利協会に拂うのか、その辺のところが、あなたでなければわからないという話なんですがね。
  1213. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 拂つたの経理局から拂つたので、福利協会に拂つたのだと思います。
  1214. 梨木作次郎

    ○梨木委員 福利協会にですか。あなたの方から省接福利協会に拂つたのですか。
  1215. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いや、公団から福利協会に拂つて……
  1216. 梨木作次郎

    ○梨木委員 公団から直接福利協会に拂うのですか。
  1217. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はつきり記憶しませんが、そうだと思います。
  1218. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それが一番はつきりわかるのはだれでしようか。
  1219. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事務当局の方ははつきりしていると思います。
  1220. 梨木作次郎

    ○梨木委員 事務当局というのはだれですか。
  1221. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今でしたら水井局長だと思います。
  1222. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何局長ですか。
  1223. 馬屋原隆志

  1224. 梨木作次郎

    ○梨木委員 後任ですね。
  1225. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたのやめたときのことを聞いているのです。
  1226. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは事務当局に聞けばわかるのでありまして……
  1227. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは水井局長でもわからぬだろう。だから事務の一番わかる人を聞いているのです。
  1228. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 業務局長にわからぬことをだれがわかるのだ。そんなことは通らないよ。
  1229. 梨木作次郎

    ○梨木委員 トン当り幾らになるのですか。年に三千万トン掘るとすれば、トン当り七円でしよう、二億円くらいになるのじやないですか。こういう金は一体どうなつているのですか。
  1230. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは今言つたように、物価庁なり石炭庁からの指示に基いてやつたことでありまして……
  1231. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうやつたのだ。
  1232. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは福利協会に拂つたと思います。これは経理局長の方から拂つてありますから、そこのはつきりしたことは経理局長の方でわかると思います。
  1233. 梨木作次郎

    ○梨木委員 当時の経理局長はたれですか。今あなたの記憶している中で、何という人に聞いたら一番わかるでしようか。
  1234. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 高柳局長。
  1235. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これと同じことで、坑木補給金というのがありますね。これも同じですか。
  1236. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはさつき聞いたら同じだと言う。直接拂つているというのだから……
  1237. 梨木作次郎

    ○梨木委員 最後に一点聞きたいのですが、保險会社保險業務の問題ですが、保險会社配炭公団千代田商業、この三つが割もどしをするについての協定をしたというのは、あなたが出ているのですね。
  1238. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 出ております。
  1239. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは保險会社から直接配炭公団に割もどしをするという話合いつたのですか。
  1240. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうではありません。保險会社から公団に——直接に公団より共済会寄付することになつておりました。
  1241. 梨木作次郎

    ○梨木委員 しかし、とにもかくにも千代田商業を通じてではないのですね。
  1242. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうです。
  1243. 梨木作次郎

    ○梨木委員 直接ですか。
  1244. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1245. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは聞きました。ところが実際は千代田商業を通つている。そうして千代田商業で半年以上、十箇月くらい暖めておつた
  1246. 梨木作次郎

    ○梨木委員 私はこれでよろしゆうございます。
  1247. 大橋武夫

    ○大橋委員 関連して……。今の坑木補給金のことを伺いたいのです。あなたの業務局の方で坑木補給金なり、あるいはただいまの福利協会の会費なりを、それぞれの権利者に支拂わせるときはあなたの方で幾ら幾らの金をどこに拂え、こういう書類をつくつて経理局の方にまわすのじやないですか。
  1248. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 計算は経理局の方で自然に出るようになつていると思います。
  1249. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとあなたの方でいつ拂えというような指図をしないで、経理局がかつてに拂つておるのですか。
  1250. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 かつてというか、経理局で拂うような段取りになつてつたのです。
  1251. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは、あなたの方へその書類は会議にならないのですか。
  1252. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 拂うというのは……
  1253. 大橋武夫

    ○大橋委員 拂うということをきめるのは、書類できめるのでしよう。
  1254. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 拂うことは最初物価庁からの指示に基いてきまつておるのです。
  1255. 大橋武夫

    ○大橋委員 その都度拂うときは経理局だけで処理するのですか。それとも福利協会にこれこれの金を拂いますぞという伺いをつくつて、そうしてそれをやはり業務局にもまわして、業務局でそれをチエツクして、よろしいという判をついてそれで拂うのですか。つまり決済するのはどこでするのですか。
  1256. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 稟議があるだろうと思います。
  1257. 大橋武夫

    ○大橋委員 稟議はお宅で会議されますね。そうするとそのときにあなたはその書類を見ておられますか。こまかい書類は一切見ませんか。
  1258. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 ちよつと記憶……。稟議はみんな見ております。
  1259. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこであなたの方はそれも一種の公団経費の支出ですね。それは間違いないですね。
  1260. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1261. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこであなたの方としては、経費の支出は予算によらなければいかんということは御承知でしよう。
  1262. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1263. 大橋武夫

    ○大橋委員 予算のどの項目に該当することになつておりますか。
  1264. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団のプロパーの予算でなくて、価格操作上におけるそういう項目が現われておるのです。
  1265. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、その項目は借勘定ですね。
  1266. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 預かり勘定になつております。
  1267. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこでそうすると、いつ預かり勘定に預かり金として記帳されるのですか。
  1268. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは販売価格の中に織り込んでおりますから、代金が回収されて、初めてその金額が出て来ると思うのです
  1269. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると代金が回収されたときに、初めから代金の項目に代金プロパーを収入として記帳して、それからそれぞれの預かり金に該当するものは預かり金の項目に記帳するわけですか。
  1270. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 と思います。
  1271. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで預かり金を公団収入することになつておりますが、予算にそういう収入項目がありますか。
  1272. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 あると思います。預かり金という名目経理上の予算に書いてあります。こういうものをお預かりするという……
  1273. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、それは国会の議決した予算の中に預かり金としてありますか。
  1274. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 国会は存じませんが、公団の整理上においてはあると思います。
  1275. 大橋武夫

    ○大橋委員 整理上予算項目として……
  1276. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1277. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは單なる勘定項目ではないのですか。予算の支出項目ですか。
  1278. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 予算と申しますよりは……
  1279. 大橋武夫

    ○大橋委員 整理のための勘定項目でしよう。
  1280. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようだと思います。
  1281. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで、これについてあなたのお考えを聞きたいのですが、法律上から見れば売渡し代金ですね。そうするとそのすべて代金として受取つたものは、一旦代金の勘定に入れなければならないのがあたりまえですね。
  1282. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。
  1283. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、代金の勘定に入れるものを勘定に入れずに、国会の、政府の定めた予算の項目にはないところの預かり金勘定というものを公団きりで便宜つくつて、そこに記帳しておるということになりますね。
  1284. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうではございませんです。これは先ほど申したように、物価庁、それから石炭庁、安本の要するに政策に基いて、公団はただ操作しておる……
  1285. 大橋武夫

    ○大橋委員 だから公団は操作しておるということはわかつていますけれども、しかしそれは代金として入つて来るのでしよう。
  1286. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 代金の一部として入つて来る……
  1287. 大橋武夫

    ○大橋委員 代金の一部として入つたものを、なぜ代金として収入しないのですか。
  1288. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 代金として収入し、それを仕訳しておる。
  1289. 大橋武夫

    ○大橋委員 代金として収入し、代金として決済しておりますか。
  1290. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 代金として入つたものの使途を仕訳しております。
  1291. 大橋武夫

    ○大橋委員 仕訳しておる……。それは代金勘定の一部ですか。
  1292. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 経理操作は経理局長にお尋ねくださらないと、私はちよつとわからないのですが……
  1293. 大橋武夫

    ○大橋委員 経理局長に聞かなければわからないのですか。
  1294. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 経理操作は私はわからないのです。
  1295. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかしあなたは理事として責任を持つて……
  1296. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 理事ではありますが、そういう一々こまかい点につきましては……
  1297. 大橋武夫

    ○大橋委員 こまかいと言うけれども、赤字はそういうこまかい一つ一つの勘定が積み重なつて赤字になるのですからね。
  1298. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 今のは赤字でなくて、むしろ預かり金を使途する範囲について……
  1299. 大橋武夫

    ○大橋委員 だからあなたの職務上の問題でなくて、あなたは公団理事としてのお立場として、一体代金の収入とすべきものを預かり金に記帳するという、そういう行き方は普通の行き方かどうかということを帳簿の……
  1300. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これはいわゆる価格操作上、そういうことをやらざるを得ないということになつたのであります。
  1301. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとあなたの方の責任ではない、これはすべて政府の責任だというわけですか。
  1302. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 責任は、要するに政府の命令を遵守しておるという点にあると思います。
  1303. 大橋武夫

    ○大橋委員 そういうふうに公団関係の規則できまつていますか。公団関係の規則にはどういうものは収入する、どういうものは支出するということが書いてあるはずですけれども、それをあなたは御存じでしよう。
  1304. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 これは公団法によりましても、安本長官の指示に基くという点があるのでありまして、その指示に基いて、公団運営上今言つた操作をしておるわけです。
  1305. 大橋武夫

    ○大橋委員 どういうことを指示しておるのですか。
  1306. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 要するに割当手続とか、配給手続とか、ただ安本総務長官の指示に基いて運営せいということに基いて……
  1307. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると安本長官から、そういうものは収入であるけれども、収入として記帳する必要はない、預かり金として記帳して、そうして予算に関係なく、また決算にも関係なく、それは公団外の勘定として処理していい、こういう指示をもらつているわけですね。
  1308. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そういうことではございませんです。公団の要するに内部の予算と、価格の操作とは別途になつておると思います。
  1309. 大橋武夫

    ○大橋委員 だから予算上その価格の操作をどういうふうに整理をしておられるかということを聞きたい。あなたも理事までやつておられるのだから、公団の収支というものは予算によつてやらなければならぬということは知つておられるでしよう。
  1310. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 わかつております。
  1311. 大橋武夫

    ○大橋委員 だからその予算のどういう項目に、どういうふうに整理して、それを収入しあるいは支出しておられるかということを伺いたかつたのです。
  1312. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 事務上の収支予算と価格上の収支予算と二つありますが、価格の収支予算から見た操作が、今お尋ねの点だろうと思います。
  1313. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、事務上の収支予算と価格上の収支とは違う勘定ですね。
  1314. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 はい。
  1315. 大橋武夫

    ○大橋委員 そういう法律はあなたはだれに習つたのですか。
  1316. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 いや法律は存じませんが、私は実務上から申し上げておる。
  1317. 大橋武夫

    ○大橋委員 実務上法律にないりくつを考えついたのですか。あなたは公務員になつたときに法律を勉強した、公団についての法律だけはよく勉強したと言われた。だからそういう法律をどこで御勉強になつたのかと聞いておるのだが、法律上には書いてない予算を、御自分の知恵でもつてそういうことを考えつかれたわけですか。
  1318. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 法律に書かれてある勘定はよく存じませんが……
  1319. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律は二つあると言うのですか。
  1320. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 要するに事務上の予算と価格上の収支の予算は別に現われて来る。
  1321. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、あなたは公団は二重帳簿であるということを言われるのですか。
  1322. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうではありません。
  1323. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし世の中に予算が二つあるということがあるかね。
  1324. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 片一方は予算ではなくて、いわゆる代金回収に基く仕訳だろうと思います。
  1325. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたの言われるのは決算ですか。
  1326. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 そうです。
  1327. 大橋武夫

    ○大橋委員 決算と言われるが、決算項目のどこにそういうものがあるのですか。あなたはさつきこれは公団勘定のほかにおいてあると言われたじやないですか。
  1328. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 公団勘定は預かり勘定になつておる。
  1329. 大橋武夫

    ○大橋委員 預かり勘定というものは預かり勘定として決算するのであつて、これは予算に関係ないわけでしよう。一時預かつておるような、たとえば保証金を預かるとか……
  1330. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 経理上の問題について、どうも詳しく存じませんので……
  1331. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安本から指示があるからというのは急いで出すということを言つておるのだが、それを見たい。忘れちやいけませんよ。
  1332. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 どういう点でございますか。
  1333. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今の別途勘定にせよという指示があるということです。
  1334. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 それは安本というよりは、石炭庁から言つております。
  1335. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別鉱害補償金というものは、石炭の価格の中にトン当り十三円五十銭含まれておるわけですが、これも先ほどの炭鉱福利協会や坑木補償金と同じような扱いをされておるのですか。
  1336. 馬屋原隆志

    馬屋原証人 さようでございます。五つばかりで……
  1337. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではその指示書をすぐ出していただきたい。それでは済みました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後七時三十九分散会