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1949-12-21 第7回国会 衆議院 考査特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十一日(水曜日)     午前十一時三十七分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君    理事 吉武 惠市君 理事 猪俣 浩三君    理事 横田甚太郎君       安部  定君    井手 光治君       菅家 喜六君    佐々木秀世君       福井  勇君    福田  一君       坂本 泰良君    村瀬 宣親君       梨木作次郎君    深澤 義守君  委員外出席者         証     人         (元帝国油糧株         式会社社長)  周東 英雄君         証     人         (会計検査院         長)      佐藤  基君         証     人         (物価庁第二部         工業食品課長) 山本 英喜君         証     人         (元油糧配給公         団副総長)   西川 英三君 十二月二十一日  委員深澤義守君辞任につき、その補欠として梨  木作次郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     ―――――――――――――
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き、油糧配給公団をめぐる不正事件について調査を進めます。さつそく証人より証言を求むることにいたします。  周東英雄さん、あらかじめ文書で御了承願つておきましたが、正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、御了承を願います。  ではただいまより油糧配給公団をめぐる不正事件につきまして、証言を求めることになりますが、  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人後見人または証人後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき項に関するとき、及び医師歯科医師弁護士弁理士弁護人公証人宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人虚偽陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  それでは読んでください。     〔証人周東英雄朗読〕    宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは署名捺印を願います。     〔周東証人宣誓書署名捺印
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記をとめて。     〔速記中止
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記を始めてください。  周東英雄さん、あなたは元帝国油糧株式会社社長であつたそうですが、いつからいつまででございましたか。
  6. 周東英雄

    周東証人 昭和十七年九月十五日から二十一年三月五日までです。
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧株式会社というのは、どういう目的でできた会社でございますか。
  8. 周東英雄

    周東証人 これは戰時中油脂の需給を調節するという目的で、油脂原料及び油脂を一手に買い上げて、一手に配給をするという目的でできたのであります。
  9. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いわゆる統制会社ですね。
  10. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  11. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつできましたか。
  12. 周東英雄

    周東証人 今お話しましたように、昭和十七年の九月……
  13. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 できると同時に社長におなりになつたのですか。
  14. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  15. 鍛冶良作

  16. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  17. 鍛冶良作

  18. 周東英雄

    周東証人 たしか三千万円だと承知しております。
  19. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 業務の内容は、今おつしやるように原料、それから製品のようなものの集荷配給ですか。
  20. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  21. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたがおやめになつたときには、まだ解散とか閉鎖とかにはなつておらなかつたのですか。
  22. 周東英雄

    周東証人 そうです。大体縮小したはずです。三月五日に縮小の総会を開いて私はやめたのです。たしかそのとき資本金を三分の一くらいにして、元の通り帝国油糧株式会社残つたのです。
  23. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうわけで縮小したのですか。
  24. 周東英雄

    周東証人 敗戦後において原料その他の取扱いが激減しておるわけです。主としてこれは輸入原料輸入油脂というものの取扱いが大部分を占めておつたのです。
  25. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後これは公団にかわつたが、そのときはあなたは関係はなかつたのですね。
  26. 周東英雄

    周東証人 関係はございません。
  27. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御承知ありませんか。
  28. 周東英雄

    周東証人 知りません。
  29. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後聞いてだけはおいででしよう。
  30. 周東英雄

    周東証人 昭和二十一年三月五日にやめた当時以後は、全然聞いておりません。
  31. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後の事情は……
  32. 周東英雄

    周東証人 聞いておりません。
  33. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 内容についてうわさもお聞きになりませんね。
  34. 周東英雄

    周東証人 聞きません。
  35. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会というようなものができておつたようですが、これは御承知ですか。
  36. 周東英雄

    周東証人 知つております。
  37. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういう目的で、いつごろできたものでありますか。
  38. 周東英雄

    周東証人 それはただいまも申しましたように、敗戦油脂原料の大部分を占めておつた大豆というものの輸入がなくなりましたので、主として内地における増産というようなことも考えなければならぬし、またアメリカ等を通じての、連合国からの輸入の懇請をしたりするようなことから、それらの仕事並びに大豆重要性を宣伝するという目的で、ひとつ協会でもつくつたらどうかという話が、主として大豆を使う団体の間に持ち上りました。私どももそれは非常に適当であるというふうに考えて賛成しておりました。創立総会はたしか私のやめる前日でありましたか、二十一年三月四日に創立総会があつたはずであります。別に私は出席はいたしません。
  39. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十一年の三月ですね。
  40. 周東英雄

    周東証人 三月四日創立総会があつたはずです。
  41. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この協会性格はどういうものでありましたか。
  42. 周東英雄

    周東証人 性格と申しますと……
  43. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 任意組合とか、あるいは單なる……
  44. 周東英雄

    周東証人 社団法人ではなかつたかと思います。これはたしか帝国油糧も入つてつたのでしよう。みそだとか、しようゆのような、いわゆる大豆及び大豆の油をしぼつたかす、そういうものを使うような会社団体等組織員になつて賦課金か何かで仕事をして行くというような考え方であつたと思つております。
  45. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると社団法人にして、そうして何か補助金なり賦課金なりをもらつて、それで仕事をしよう、こういう目的でやつたものですな。
  46. 周東英雄

    周東証人 たしかそれは各所属の団体法人賦課金を出して、それで仕事をしようというような計画であつたように思います。
  47. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧大豆協会というものとはどういう関係にありましたか。
  48. 周東英雄

    周東証人 創立総会のすぐ翌日、私は社長やめたからよくわかりませんが、とにかくただ大豆を取扱う団体一つとして、賦課金を出しておつた関係だけだと思つております。
  49. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧一つ団員となつてですね。
  50. 周東英雄

    周東証人 そうです。それから今私は社団法人と申しましたが、社団法人かあるいは申合せ団体つたか、ちよつとそれははつきりしません。
  51. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや申合せつたかしらぬが、結局任意組合で終つております。  それで大豆協会というものの組織について、役員ぐらいはさまつたろうが、仕事をする者その他は独立しておりましたか、それとも帝国油糧そのものが、すべてその仕事を引受けておりましたか。
  52. 周東英雄

    周東証人 当時は別になつてつたと思います。たしか協会長最初豊年製油会社杉山金太郎氏であつたと思います。それから専務か何か別の独立した人があつたはずです。ごく少数の者でした。
  53. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧の者でなくて、ほかに専務がおりましたか。
  54. 周東英雄

    周東証人 おりました。
  55. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事務員も雇つたわけですか、別に……
  56. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  57. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその後どういう仕事をしたか、おやめになつたから御承知ありませんな。
  58. 周東英雄

    周東証人 知りません。
  59. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆増産奨励金というようなものを、どこからかもらうとか、もらうような計画でもされたことはありませんか。
  60. 周東英雄

    周東証人 ただいまも申しましたように、三月四日に創立総会があつて、五日に私は帝国油糧やめておりますので、その後はこまかい連絡もありませんし、よく知りません。大豆増産奨励金というのは、初めにはなかつたように思います。
  61. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 賦課金だけでやるつもりでしたか。
  62. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  63. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれか出たときに、もう創立のときから奨励金農林省予算でひとつ出してもらうように、あなたにも骨を折つてもらつたと言つたような人がありましたが、覚えはございませんか。
  64. 周東英雄

    周東証人 ございません。
  65. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省予算で出すように計画したんだ、しかしそれは失敗したのだ。
  66. 周東英雄

    周東証人 いいえ、私は記憶いたしません。
  67. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後公団ができてから、公団大豆協会との関係については、何ものも御承知はありませんな。
  68. 周東英雄

    周東証人 知りませんね。
  69. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然御承知ありませんね。
  70. 周東英雄

    周東証人 ありません。
  71. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから仕事内容並びに奨励金等をもらつたというようなことを御承知ないですね。
  72. 周東英雄

    周東証人 全然知りません。
  73. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後、今あなたに聞くと、帝国油糧とは別なもので房つたということですが、公団になつてからは、ほとんど公団大豆協会になつてつたのです。事務員もおりませんし、事務公団大豆部の者がやつておる。それから役員も、主たる役員、ほんとうの仕事をするのは、公団役員が即大豆協会役員になつてつたのですが、それらのことも御承知ありませんね。
  74. 周東英雄

    周東証人 私は知りません。
  75. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 問題はそこに一番あるのですが……
  76. 周東英雄

    周東証人 私は全然知りません。
  77. 安部定

    安部委員 委員長の御質問によりまして、証人周東さんと、公団並びに大豆協会関係がきわめて明瞭になつたのでありまするが、さらに私は――この協会なり公団にどういう関係があるかということは、ただいまの証言でよく了解したのでありますが、現在におきましては、帝国油糧株式会社を二十一年の三月五日に辞任いたしましてから後に、何か関係があるでしようか、顧問とかあるいは参與とか……
  78. 周東英雄

    周東証人 それは創立いたしましたときに、帝国油糧社長であつたということで、顧問ということになつております。
  79. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今でもですね。
  80. 周東英雄

    周東証人 それが続いているのかどうか……
  81. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 覚えてないですか。
  82. 周東英雄

    周東証人 やめたから覚えてないし、何も連絡はありません。
  83. 安部定

    安部委員 それでは大豆協会顧問とかいうようなことをしたことがありますか。
  84. 周東英雄

    周東証人 最初はそういうことで、たしか帝国油糧社長顧問になるというようなことであつたと思います。そのあくる日やあましたから、それは別の意味が続いておるのか、私はそれは連絡がありませんから知りません。
  85. 安部定

    安部委員 それで顧問として報酬などを得たということはありませんか。
  86. 周東英雄

    周東証人 そういうことは全然ありません。
  87. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだあなたは顧問のようですが、顧問協議会に出て行くというようなことの通知もその後ありませんか。
  88. 周東英雄

    周東証人 通知は別にありません。そう言えば、大豆事情とかいう、あのパンフレットをときどき送つて来ております。
  89. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その程度ですか。
  90. 周東英雄

    周東証人 その程度です。
  91. 安部定

    安部委員 それで報酬を受けたことはない。また自動車提供を受けたことがありますか。大豆協会の会長の和田博雄氏は、自動車提供を受けたとか、あるいは報酬を受けたことがあるのでありますが、そういう点に関して、ほかの顧問である人が会長同様に自動車提供を受けたとか、あるいは報酬を受けたかということに疑惑があるのですが、その点を明らかにしたいと思います。
  92. 周東英雄

    周東証人 それは全然ありません。
  93. 安部定

    安部委員 大豆協会関係ありませんね。
  94. 周東英雄

    周東証人 ありません。
  95. 安部定

    安部委員 それから公団になつてからも関係ありませんね。
  96. 周東英雄

    周東証人 ありません。
  97. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 大豆協会のできた後の点ははつきりしておりますが、大豆協会ができましたのは二十一年三月四日ですと、まだ油糧会社社長であられたときであります。従つてその創立総会をやるのは四日の日にやるといつても、ぽつんとできるわけでないのですから、創立総会に至るまでの経過については御存じかどうか。もし御存じならばその点ちよつと……
  98. 周東英雄

    周東証人 先ほど委員長のお尋ねにお答えしましたように、敗戦大豆輸入はほとんどなくなりまして、大豆原料としていろいろ仕事をしておる方面関係団体の方から、内地大豆増産を考えたらどうか。あるいは連合国側に、主としてアメリカの方から大豆輸入を懇請したりする、あるいは内地における大豆増産というのは、一時相当できておつたのだが、満州大豆に押されて内地の方がつくれなくなつたのだから、そういう方面につくらせるにはどうしたらいいか、あるいは大豆重要性を宣伝するというような方面仕事をするため、協会をつくつたらどうかという話が持ち上りまして、そういう点について私は賛成をしておつたわけであります。
  99. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そこで内地大豆増産について協会をつくつて、どういう計画をやつたとか、あるいは連合国に要請するについて、どういうふうな計画でやつたか、特にその計画について大豆協会奨励金を出す、あるいは増産計画に対してどういうような方法で財政的な援助をするか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
  100. 周東英雄

    周東証人 今申し上げました三月五日に私はやめておりますので、できた以後どういうふうに計画を進められたということは、ちつともあずかつておりません。趣旨としてそういうものができてやることについては、もちろんけつこうだということで賛成しております。それから創立総会も実は私出なかつたのですが、でき上つた後にどういうふうになつたかということは知りません。
  101. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 そうしますと創立総会があるまでには、何らそういう具体的の計画はなくて、ただぽつんと増産とか、あるいは要請しようとかいう抽象的の考えだけで創立されたのですか、どうですか。
  102. 周東英雄

    周東証人 大体そうだつたと思います。私は創立総会以前の相談にもあまり出ておらないのです。つくつて大いにやつたらよかろう、趣旨については賛成だということで、団員といいますか、組織員といいますか、そういう意味帝国油糧から賦課金を出すということで、当時の社長として賛成しておいた程度であります。
  103. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 金のことについては、賦課金でやるつもりで、奨励金については考えておらなかつた……
  104. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 賦課金だけの話だつたのですか。
  105. 周東英雄

    周東証人 当初はそうです。
  106. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 それではもう一つ社長をしておられた帝国油糧関係ですが、昭和十七年九月から約五箇年間社長でありましたが、その当時の社長報酬といいますか、手当といいますか、社長として金銭的、財政的にこの会社から受理されたのはどの程度ですか。月額か年額かで……
  107. 周東英雄

    周東証人 それは当時年額三万円だつたと思います。
  108. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 ずつと退職までですか。
  109. 周東英雄

    周東証人 そうです。
  110. 坂本泰良

    坂本(泰)委員 それから退職金はどういうふうですか。
  111. 周東英雄

    周東証人 退職金は、よくは覚えませんが、六万円じやなかつたかと思います。それは調べたらわかります。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしいですか。別にありませんね。――それじやどうも御苦労さんでした。  それでは午後一時まで休憩いたします。     午後零時五分休憩      ――――◇―――――     午後二時八分開議
  113. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  油糧配給公団をめぐる不正事件につき証人より証言を求めることといたします。  西川英三さん、佐藤基さん、山本英喜さんですね。  ではただいまより油糧配給公団をめぐる不正事件につきまして、証言を求めることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは証言証人または証人配偶者、四親等内血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人後見人または証人後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士弁理士弁護人公証人宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者その職務知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人虚偽陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  それでは佐藤さん代表して宣誓書朗読してください。     〔証人佐藤基君各証人を代表して朗読〕    宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  115. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求めますが、順序は佐藤さん、山本さん、西川さんといたしますから、佐藤さん以外の証人は、今一応控室でお待ちを願います。  佐藤基さんですか。
  116. 佐藤基

    佐藤証人 はい。
  117. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは会計検査院長をおやりのようですが、いつから御就任になりましたか。
  118. 佐藤基

    佐藤証人 昭和二十二年八月の何日ですか、ちよつとはつきりしませんが、二十三、四日と思つております。
  119. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 引続いて今までですね。
  120. 佐藤基

    佐藤証人 さようでございます。
  121. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計検査院仕事内容及び仕事の運営のあらましだけをまず承りたいと思います。
  122. 佐藤基

    佐藤証人 会計検査院仕事内容は、会計検査院法に書いてある通りでありますが、そのおもなる点は、国の会計検査であります。そのほか公団等、特別の法律によつて会計検査検査に付されているものがあります。その検査やり方といたしましては、会計検査院組織を若干お話した方がいいと思いますが、会計検査院検査官というものが三人おります。私も検査官の一人であります。その三人で検査官会議というものを構成しております。そしてその下に事務総局というものがありまして、これが検査執行に当りまして、主として国の会計でありますが“会計経理に関しまして違法なことがある、不当なことがあるという場合に、先ほども申しました三人の検査官会議にこれを付議いたしまして、その結果決定いたしましたものを、憲法九十條の規定によるところの検査報告として、これが国会に出されるのであります。以上が機構及び運用のごくあらましであります。  なお今度の事件関係があると思いますから、若干つけ加えておきますが、公団仕事につきましては会計検査院事務総局のうち四局あります。その第一局の中に出資検査第一課と第二課があります。その出資検査第一課及び第二課におきまして、適当に公団をその二つに分類いたしまして、おのおのの課で検査をしております。問題の油糧配給公団につきましては、検査第二課の所管として、検査第二課で検査をいたしました。以上あらましでありますが、なお御質問によりまして、その際申し上げます。
  123. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この前こちらに出てもらつたのは、第二課長でしたね。
  124. 佐藤基

    佐藤証人 はい。
  125. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 つまりあの方が油糧公団検査執行官であつたわけですか。
  126. 佐藤基

    佐藤証人 さようでございます。その責任の課長でございますけれども、課長の下に課員がおりますから、課員たちが分担しておつたわけであります。
  127. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団で、公団收入になつたものを得意先前受金という名義で別途積立金にしておぎまして、これを大豆協会に対して大豆奨励金という名前で、かつてに支出しておつた事実があつたのですが、これは御承知でございましようか。
  128. 佐藤基

    佐藤証人 存じております。
  129. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして御承知になつたのか、またその内容を一通り承りたいと思います。
  130. 佐藤基

    佐藤証人 それは先ほど申しました検査の担任の者が検査いたしまして、それでごく軽微なものは必ずしも報告はありませんが、多少問題になるような点につきましては、報告があります。その報告一つといたしまして、今お示しの件があつたと思います。
  131. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体内容はどんなようなものでした。
  132. 佐藤基

    佐藤証人 内容は、大豆価格に一定の夢掛けをしまして売り渡す。そうしてその代金公団收入にし、その歩掛け部分は特別に積み立てて、大豆増産のためにこれを使わせる。こういうふうな経理というふうに了解しております。
  133. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは物価庁大豆代金をきめるときに、大豆増産金というものを計算に入れて価格をきめた、こういうことでしたね。
  134. 佐藤基

    佐藤証人 そういうように聞いております。
  135. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれどもきめるまでの事情はそうであろうが、きまつたところは大豆代金という一本のものだとわれわれは解釈するが、それは間違いありませんか。
  136. 佐藤基

    佐藤証人 私も同じ見解でございます。
  137. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしますと、大豆代金として公団がとつた以上は、公団法に基いて当然国庫收入になるべきものではないかと思うのですが、この点はいかがでしようか。
  138. 佐藤基

    佐藤証人 国庫收入という場合は、どういう意味か了解いたしかねますが、公団收入になります。
  139. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団收入は、公団法によつて国庫の収得になるのでしよう。
  140. 佐藤基

    佐藤証人 剰余金が出た場合には、国庫收入になります。剰余金が出なければ公団欠損――われわれはこの売上げが一千万円あり、支出が」千二百万円あるとすれば、二百万円の公団欠損になり、従つて国收入になりません。剰余金があつた場合には国の收入になります。
  141. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで公団に一応入りますと、公団から支出すべきものは、予算に定められた範囲内において支出すべきものではないかと思うのですが、予算にきまらないもので支出できるものが何かありますか。
  142. 佐藤基

    佐藤証人 公団予算というものは、御承知通り最近におきましては国会議決を経ております。その点につきましては、予算制限を受けますけれども、従来は国庫から交付した金、すなわち人件費事務費といつたもの、これについてはそういう制約はあるけれども、あとの事業費については、入つた金で必ず出すということになりますから、予算制限という意味ですか、最近の公団予算執行と従来の公団やり方とは違います。最近におきましては、国会議決を経た予算制限を受ける、われわれの方もそういう意味において検査をしております。
  143. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、この金は代金として入つたが、事業費として使うことはさしつかえない金という御見解ですか。それともこれに対して、あなたの方でどうおきめになりましたか。
  144. 佐藤基

    佐藤証人 申し上げます。これは法律上かなり疑義がある問題でございます。と申しますのは、公団の業務というのは公団法によつてきまつております。そこで普通の公団の業務は、油糧の一手買取り、配給業務でありますが、公団法によりますと、附帯業務をすることができると書いてあります。そこで今問題になつておりますのは、大豆増産のための奨励金を出すことは、附帯業務であるという主張であります。政府、公団ともにこういう主張なのであります。そこでこれが附帶業務であるかどうかということについては、われわれの方としても、非常に解釈上疑義がある問題でありますので、いろいろ研究したのであります。しかしながら、附帯業務というのは、民間の会社でもありますように、どこまでが附帯業務か、全然無関係の業務なら、これは附帯業務でないということは言えますけれども、大豆あるいは油糧資源を確保して、それを買つて油糧の配給をするという関係においては、その大豆増産というものは全然無関係とは言えない。こういうのがおそらく向うの主張だと思いますが、そうなつて来ると、大豆増産のために支出をすることは全然公団の附帶業務にあらずということは、実はなかなか言いにくいことであります。私は個人的見解としては、非常にむりだと思います。思いますけれども、法律的にそういうことはできない、そういうことは違法であると言い切るだげの決心は、まだついておりません。そこでこうなつて参りますと、附帯業務があるからすなわち公団の業務である、公団の業務のために金を出すのであるから、さしつかえないという結論に到達せざるを得ないということであります。要するに附帶業務であるかどうかということが先決問題でありますが、それが附帶業務であるということになれば、そのために金を出すということは、公団仕事だからあたりまえだというふうに言わざるを得ない。こういうように思います。
  145. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 附帯業務だということになると、予算になくても金を出せるのですか。
  146. 佐藤基

    佐藤証人 これは先ほど申しました通り、従来におきましては、事業費につきましては、何も国会議決を経た予算というものはありませんかち、これは関係ありません。
  147. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつからですか。
  148. 佐藤基

    佐藤証人 たしか二十三年度砂予算から国会議決を経ておりますが、二十三年度予算について、実は予算面を持つておりませんけれども、予算の中に入つておるか入つておらないか、よく検討しておりませんが、入つておればいいし、入つておらなければいかぬ、こういう問題なのであります。
  149. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団は二十三年の三月でしたが。だから二十二年度は……
  150. 佐藤基

    佐藤証人 二十二年度からやつております。今の問題は二十二年度からの問題です。
  151. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年度はほんのわずかですね。
  152. 佐藤基

    佐藤証人 ほんのわずかやつております。
  153. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一番大きな問題は二十三年度じやないですか。
  154. 佐藤基

    佐藤証人 そう思います。
  155. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、やはり予算がなくてはいかぬでしよう。
  156. 佐藤基

    佐藤証人 ちよつと今予算を持つて来なかつたのですが……。附帶業務であるかどうかという問題でありますが、予算というのは、そうこまかくはきまつておらない。大ざつぱな予算ですから、予算の中に入つておらぬという積極的な証拠は、私はないと思います。
  157. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは附帶業務としてきめたのはいつでしたか。それは今覚えはありませんか。
  158. 佐藤基

    佐藤証人 附帯業務としてははつきりしませんけれども、附帶業務かどうかということは、法律的には公団が自分が解釈すべきことだと思います。ただし法律を見ますと、十五條によりますと、業務が四つあげてあります。その最後の業務が附帯業務です。その十五條の二項を見ますと、前項第三号の業務の指定については、主務大臣の認可を受けると書いてある。だからそのほかの業務については一々伺いを立てなくても、附帯業務であれば――一号の業務も同じわけですが、一手買取り、一手売渡しをするのに、一々他の指揮を仰ぐ必要はない。積極的に指揮があればそれに従いますけれども、これは買付けでしようか、配給でしようかと言う必要はない。それと同じように、附帯事業であるならば公団の責任でやつていいことであります。ただし今申します通り、附帶事業かどうかという点は、法律上相当疑義のある問題ですから、実際問題としては、食品局ですか、主務官庁に伺いを立てて、主務官庁も同意見であるというのでやつておるというように聞いております。
  159. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その点はあなた方でお考えがきまつたのですか。まだきまつていないのですか。
  160. 佐藤基

    佐藤証人 附帶業務であるかないかという点は、われわれとしては付帶業務と考えております。なお若干つけ加えさせていただきますが、われわれの方の役所というものは、結局政府なり公団なりの会計経理をやつたことにつきまして、違法であるとか不法であるとかいう見地から検査をするものですから、関係者の責任と言いますか、それに非常に甚大の影響を與えるものでありますから、そういうふうな法の解釈につきましても、明瞭なものは別でありますけれども、疑いの相当濃厚なものは、非常に愼重に解釈しております。従つて今の問題でも、附帯業務ということは、われわれの方の見解としても、相当むりであるということは一致しておるのであります。けれども附帯業務にあらず、違法な業務をやつているのだということは、ちよつと言い切れないというのが実情なのであります。従つて附帯業務として認めざるを得ないという前提で検査をしております。
  161. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今二十二年だとおつしやつたのですが、そうするとほんのわずかですか。
  162. 佐藤基

    佐藤証人 その附帶業務の関係は、従来から現在まで続いておりますから、それは二十二年度、二十三年度共通の問題であります。
  163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だけど今言うはうに、二十三年度から予算のない軍のは出せぬ、二十二年度は予算がなくても出せた、こういうことでしよう。
  164. 佐藤基

    佐藤証人 今は十五條の解釈問題を申し上げたのです。だから二十三年度からは、事業費予算の制約を受けるから、予算の範囲内なら收支はできる。
  165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 附帯業務ということになれば、二十三年度以後でもさしつかえないのですね。
  166. 佐藤基

    佐藤証人 二十二年度は、国会の承諾を得たところの予算は、事業費についてはございません。二十三年度につきましては、事業費について国会の承認を受けております。その点が違うだけで、事業として收支をやつて行く上については、二十三年度、二十二年度同じであります。
  167. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こういうことがあなたの方に出ておりますね。昭和二十三年十二月三日付をもつて会計検査院事務総局検査第一局長池田直殿となつている。それを見ますと、あなたの方から照会があつたようですが、「十一月十八日附普第九一〇号を以つて照会のあつた首題の件に関しては左記の通り」として、この最後にはこういうことを書いてある。「油糧公団性格は其の事業たる油糧の一手買取を通じ特に農業生産との関連性が強いが、公団経理に於ける大豆奨励金取立の代行事務に限り油糧配給公団法十五條ノ四の附帯業務と見做し得るものとして特に荷大豆増産施策は農林省が監督する大豆協会に担当させて居る。今後共本件のごとき大豆増産奨励金の支出が可能ならば本年通り大豆協会をして国内産大豆増産に力を注ぐべく指導する方針である。」こういうことを言うております。ここに書いてある大豆奨励金取立ての代行事務に限つて十五條の四の附帯事業、こういう申出なんですが、これについてはわれわれはたいへん疑問を持つのです。大豆奨励金というものは、大豆代金以外にはないわけなんです。先ほども言つたように、なるほど増産のためにそういうものを織り込んだかは知りませんが、でき上つたものは大豆代金一本なんです。その大豆代金のうちから奨励金を別個に取立てることを代行をした。その代行が附帶業務だ、こういう解釈は出て来ないように思いますが、その点御記憾ありますか。
  168. 佐藤基

    佐藤証人 ちよつと理解しない点もありますから、私の申し上げますことと少し食い違うかわか力ませんが、要するに大豆の売渡し代金として入つて来た金、その金をどう使うかの問題であつて、その金のうち、いわゆる分増しをした部分奨励金に使わしておりますけれども、入つて来たのはお話の通り大豆代金です。だからそれをどう使わせるかということは、公団法趣旨、それから配給公団の職能にかんがみまして、政府がこれに対して注文をつけることは一向さしつかえないと思います。従つて場合によつては、たとえば六十キロ俵で幾らですか、初めは四円、今六円余りだと思いますが、その六円の分だけを使わすということになつておるのですけれども、それより少くても、あるいは若干多くても、政府がそれは適当だと考えれば、それは絶対にいかぬということはちよつと言い切れぬじやないかと思います。つけ加えておきますが、われわれの方の見解といたしましては、その問題についてはこういうことを考えております。その問題につきまして、検査院としてまだ検査官会議を経て公式の意見にはなつておりませんけれども、関係の部局の意向といたしましては、大豆増産ということを、なるほど法律的には公団の附帶業務としてやることが不可能でないかもしれぬけれども、そういうことは適当でない。もしそういうことをするなら、たとえば食糧配給公団が米の増産のことをやつてもいいし、こういうことは公団性格として非常な疑問を持つのです。だから国の予算をもつてやるべきものである。国の予算をもつてやるならば、お話のような、かりに大豆協会にどういうふうに金が行つて、どこに使われておりますか、それはわれわれの方で検査権限がありませんので知りませんけれども、かりにその使い方等について問題がある場合でも、そういう方法によらないで、国の予算として正々堂々と大豆増産仕事を国の歳出でやるならば、われわれの方で十分検査し、従つて国民のためにわれわれが検査できるという確信を持つております。それにもかかわらず大豆協会に金を、じかも本来の代金のほかに若干加えて、それを公団收入として、その金を使わせるというのは、どうもわれわれの立場としては非常に賛成しかねる。そこで従来のいきさつは、あるいは関係課長からすでに前に証言をしたかと思いますけれども、そういうことは思わしくないから、正々堂々と国の予算でやつてくれ。ところが農林省の主管の局におきましてはなるほど御意見、ごもつともだから、次の年度の予算にはそれを含んで、そうして政府の事業としてやるというふうに回答をよこしております。ところが二十五年度予算を見ますと、そうなつておらぬのです。われわれはその点に非常に不満を感じております。そういう問題ももちろんあります。場合によりましては検査官会議に正式に取上げまして、われわれの方の改善意見を農林大臣あたりに出すようになるかもしれませんが、それはまだ検査官会議を開いておりませんから、何とも申し上げられませんが、そういう意味におきまして、あのやり方はあまり好ましいやり方ではない、われわれの方としてはなるべくよしてもらいたい、そういう見解を持つております。
  169. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆代金のうち、増産費として特にあげたものなら、それを出すということは、ほんとうにそうだつたら私は認めらるべきものだと思います。ところがある一説では、そういうことをして国庫負担ということになると、あなた方の方の検査がうるさいものだから、こうやつてやはり出しました。あとは大豆協会の方はあなた方の検査のらち外になるから、それでやつたのだという説があるのです。それはあなたの方でそこまでお調べになつておるかどうか、そういう説もあります。こういうことでやられるものだつたら、はなはだどうも国の支出というものに対しては乱れが来るものと思うのですが、それは確かにあなたの方でもお認めになつておる。それから今言われる附帶業務ですが、これはこういうことであなたの方へ来ておる。もう一ぺんよく見てください。大事なものですから。大豆奨励金を代行して受け取つた、それが公団の附帶業務だ、こういう意味です。     〔書類を証人に示す〕
  170. 佐藤基

    佐藤証人 ちよつと意見を申し上げます。この書類は実は初めて見たのですけれども、大豆奨励金取立ての代行事務に限ると書いヒありますが、これはちよつと私理解しかねるので、もしこれだけが代行業務であつて、それ以外の金を大豆協会にやることが代行業務でないということになれば、これは公団法の十五峰による業務でないから、公団目的外のことをやつているということになると思います。ところがこの奨励金をとつて、そうして大豆協会にやる。これによつて農業生産との関連性があるのだから、それ一体を代行業務と私は解釈しておると思います。ところがこういう主張だというと、取立ての代行業務に限るとありますから、それ以外のものは代行業務でない。もしないということになれば、公団目的外のこと、定款外のことになりはしないかという疑問を持つのであります。
  171. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでわれわれは疑問を持つてあなたに来てもらつたのです。この大豆増産金というものは、代金以外の奨励金なんだ。だからその奨励金を代行ということになると、だれの代行か知らぬが、おそらく大豆協会の代行でしよう。大豆協会の代行で受け取つたのだ、そういう附帯業務をやつたのだ。だから大豆協会にこれを渡すのはあたりまえだ、こういう主張なんです。それはそういう主張のために出て来ておるのです。そこで大豆代金の一部でしようと私はやかましく言つておるのです。大豆代金であるにもかかわらず、大豆代金以外の奨励金なんだ。そういう奨励傘をかわつてつてつたのだ。だから本人に渡すのに何にもふしぎはないのだ、こういう主張のようです。
  172. 佐藤基

    佐藤証人 これは食品局長のどういう立場の書類か存じませんけれども、私の方といたしましては、大豆奨励金関係を含んだ公団の決算というものが、二十二年度、二十三年度の前期におきましても、安本長官が関係大臣と協議して承認をしておるのです。それをわれわれの方に送つて来ております。それをわれわれの方で検査しておるのでありますから、こういうふうな代金を取立てるだけが代行業務であつて、それ以外は代行業務でないという見解を局長は言つておりますけれども、見解が違つているのじやないかと思います。現に入つて来た金を積立金として財務諸表が出ている。出ているということは、公団の業務である。本来の業務ではないが、附帯業務であるとわれわれは解釈している。この見解はおかしいと思います。
  173. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それも相当疑問があると思いますが、大豆増産のことは附帶業務であるというならまた聞えますが、そうではない。増産費というものは別なんで、本来は公団がとるべきものではないが、それを代行してとつた、代行してとりたのだから、本人に渡すのはあたりまえだ、それが附帶業務たという見解です。だれに聞いてみてもそういうことを言つている。けれどもわれわれは、大豆代金の一部なんだから、これは代行しておるのではなくて、本務だと見ている。それから十九條に基く政令から行きましても、事業損益勘定で、收入には売上收入、手数料、利子收入、支出には仕入原価、支拂、利息、運賃、加工賃、減価償却費、こうありますが、これ以外のものは配給公団として出すことはできないのではないですか。剰余金の中に当然全部入つて行くのじやないですか。
  174. 佐藤基

    佐藤証人 今のお話突然のお話で……。私の今まで聞いておる範囲では、その他というのが、支出の項目にあげてあつたような気がするのであります。それに限定されているということになりますと、ちよつと疑問があるような気がするのですが、そうでしようか。
  175. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 減価償却費等という字はありますが……
  176. 佐藤基

    佐藤証人 それは少しこじつけ論かもしれませんが、等という字がありますと、いろいろな法令にも、いい、惡いは別といたしまして、惡く言えば拡張解釈でありますが、相当ルーズに解釈しております。現に大豆奨励関係の支出、あるいは積立金は、財務諸表にはうきり載つておりまして、安本長官の承認を得て、われわれの方に財務諸表が来ておるという状況でございます。
  177. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今ここであなたと議論しても仕方がないが、とにかくこの公団だけではない。こういうようなやり方をすべていいものというふうに考えているところに、非常に大きな問題が出ている。たとえば薪炭会計におきましても、そういうルーズな考えが出ているのではないかというので、われわれ委員会で重視している。これらの点を十分研究して、嚴格にやつていただくことを、まずお願しておきたいのであります。  次に油糧配給公団が、分解硬化用油脂価格差金というものを、これも同様に得先前受金という名前で積立てておいて、これを油脂資源の集荷督励費という名前で、いろいろな方面へ出しておりますが、これも御承知であろうと思います。これに対する御見解を承りたいと思います。
  178. 佐藤基

    佐藤証人 分解油、硬化油の問題も同じでありまして、結局そういうことを附帶業務として、本来国のなすべきことを公団でやらせるだけならいいけれども、場合によりますと、経理上思わしくない事態が発生する余地がある方法だと思います。そういう意味におきまして、大鹿増産奨励金と同じように、これに対しましても、われわれは賛成いたしておらぬのであります。しかしながら先ほど申します通り、附帶業務の解釈問題に関係するのでありますから、今違法であると断定する決心はついておりません。ただ改善すべしというふうな見解を持つております。
  179. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは価格差金をとるのについて、二十三年度に最初はどうであつて、あとになつてどうとか、そんな区別でも何かありますか。
  180. 佐藤基

    佐藤証人 大豆の方でございますか――大豆の方は初めは六十キロで一かます四円十銭でしたが、その後価格改訂の結果、それが六円十五銭だつたかと思いますが、増額しております。
  181. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今のは分解油、硬化油の価格差金でございます。
  182. 佐藤基

    佐藤証人 分解油、硬化油の方はちよつと金額のことを存じませんが……
  183. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こういうことを聞きたい。最初二十三年度の第一・四半期においては、別に定めなかつたけれども、中小需要者より大口業者は価格が高いから、とにかく出してくれというので、寄付金みたいに出したのだ、第二・四半期からは、それを差金としてとらなければならぬという指示があつた。こういうようなことを言う人があるのですが、それらの点はお調べになつているかどうか。
  184. 佐藤基

    佐藤証人 実はあまりこまかいことは存じませんが、ここにちよつと書いたものがありますが、これによりますと、二十三年七月三十一日の物価庁告示第五百六十九号で、販売価格の指定の中に、公団が販売業者の統制額と同様な場所において直売する場合には、売買差益を認めて積立てる、こういうことがあります。その後若干かわつておりまして、需要者工場及び貨車乗り渡しの場合は四十三円、それから需要者工場及び公団置屋渡しの場合は統制額による、それ以外の場合は四十八円、こういうふうになつてつて、割掛けが最初の分と二十三年の十一月の分とで多少かわつております。こういうことがあります。
  185. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれども、それについて性質上違うというようなことがあり得ますか。
  186. 佐藤基

    佐藤証人 性質と申しますと、本来の価格以外にとるという意味でございますか。
  187. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とつたことです。第一・四半期に……
  188. 佐藤基

    佐藤証人 私は同じだと思つております。
  189. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ことにこれが問題になつて出ているのは、七月三十一日以降なんですが、そういうことを言う人があります。これらも価格差金というもので、これは価格金以外ではあるけれども、とつたから、公団收入になつたものであこるとは間違いありませんね。
  190. 佐藤基

    佐藤証人 そうです。
  191. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さつき言つたような、代行で預かつたというようなものではないでしようか。
  192. 佐藤基

    佐藤証人 それは食品局長の見解であつて、政府の見解ではないと思います。安本はどういう見解を持つておりますか、それは場合によりまして、政府にお聞きになつていいと思います。食品局長が何というか、代表権限を持つているか知りませんが、食品局長の見解は少くともわれわれとは大分違うと思つております。
  193. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしてみると、いやしくも公団收入を、あなた方の検査以外の方へかつてに出せることになると、たいへんな弊害が起るものと考えますが、これらについても、ぜひ厳格にひとつわれわれはあなた方の方のこの結末をつけられることに対して、非常に注目をしておりますから、そのおつもりでお願いしたいと思います。
  194. 佐藤基

    佐藤証人 ただいまのお言葉でありますけれども、検査院は検査をしますけれども、その検査の範囲は法律できめられておるのであります。だから検査を受ける方としては、まああまりありがたくないので、そういう関係がありますからして、法律の範囲内ではどしどしやるけれども、法律の範囲外に手を出すことは、自由民権と言いますか、それの圧迫にもなりますので、そういうことは嚴に愼んでおります。従つて今のようなやり方でやりますと、われわれ公団の支出は検査しますが、大豆協会にやつた金が本来やつた目的に使われておるかどうかということは、形式的に外郭団体ですから、われわれの検査権限ではないんです。そこでその問題について、私は何とも申し上げかねるのであります。
  195. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もちろんそうですが、問題は、そういうあなた方の検査外のところに出せ得る金であるかどうか、そこなんです。そういうふうに検査外のところに出す方法を考えたと見られます。それを出すことがいいか惡いかということをあなたの方の方で十分……
  196. 佐藤基

    佐藤証人 いいか惡いかということは、要するに国の予算で正々堂々やるべきものであるという見解なんです。しかしながら今のやり方は、食品局長と見解が違いますけれども、附帯業務の範囲内であるならば、違法ということは言い切れない、こういう見解を持つておるわけであります。
  197. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは今もちよつと言いましたが、こういうことはほかの方面でもあるのじやありませんか。
  198. 佐藤基

    佐藤証人 それはただいま聞いておりませんですが……
  199. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにもう一つ疑問が起りますのは、もしこれが附帶業務で、そうして業務範囲として支出でき得るものなら、堂々と公団收入に入れておいて、そうして附帶業務に出した。こうしたならばよさそうなものですけれども、これをありもしない得意先前受金という名儀で別途に積み立てること自体がおかしいと思うのですが、この点はいかがですか。
  200. 佐藤基

    佐藤証人 それはその主務官庁の指示によりましてやつておるという話に聞いております。従つて形式的には積立てないのを積み立てるとか、あるいは一定額積み立てるのをそれだけは積立てないとか、経理上の不正と思われるのは別でありますけれども、その積み立てる行為は主務官庁の指示によつてつておるのだから、これはわれわれの方としてはいいとか惡いとかいうことは言えないのであります。ただ先ほど申しました通り、国の経理としてやるべきものだということは言えますけれども、それ以上われわれの権限としてやることはむずかしいことであります。
  201. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし代金つたら、代金收入のところへ入れて置いたらよさそうなんですけれども、いわゆる俗に言う裏勘定にまわしているんですが、そういうことはさしつかえないことですか。
  202. 佐藤基

    佐藤証人 裏勘定と申しますか、言葉の問題で恐縮ですけれども、公団外の経理としておるということならば裏勘定ですね。これは非常にけしからぬですけんども、やはり財務諸表にはちやんと出ているから附帯業務も公団業務であるとして財務諸表に現われているから、その限度におきましては、われわれは検査しております。その範囲内におきましては、当不当の問題、いい惡いという批評の問題はありますけれども、違法とは考えておりません。
  203. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもそうでなさそうではありませんか、それから見ましても、代行して奨励金を受取つておるのだと言いますから、普通の公団收入でないのだという考え方ですよ、どうしてもこれは……。われわれはそう見ています。そうでなかつたらそんなことを言うわけはないということを……。これ以上あなたと議論しておつても仕方がないから、これらの点について十分もう一応嚴重に検査せられんことを望みます。
  204. 佐藤基

    佐藤証人 承知しました。この問題はなかなかやかましいので……
  205. 大橋武夫

    ○大橋委員 ただいま会計検査院長のお話を伺つておりまして、非常に意外に考えたのでございますが、一体大豆増産奨励金にいたしましても、また分解硬化用油価格差益金にいたしましても、これらの金は何らかの形で公団收入として入つてつております。そうして明らかにこれは公団公団外に向つて支出をいたしております。そうしてその支出をする場合におきましては、公団予算にない支出をいたしておる。これを違法ではないと言われます根拠を、もう少し伺つてみたいと思うのであります。つまり予算以外の支出を何らかの形でするということは、これは会計法の趣旨から見ても、当然われわれは違法である。こう思うのでありますが、その点についてのお考えを、もう一度はつきりお伺いいたしておきます。
  206. 佐藤基

    佐藤証人 予算にあるかないかという問題、これは事実問題でありますけれども、今私ここに予算を持つておりませんから申し上げかねますが、少くとも今私の考えておりますところでは、財務諸表にもちやんと出ておるのでありまして、われわれの方の検査の結果を開きましても、予算外支出をしておるということは言つておらぬのであります。従つて予算内において、安本長官の承認した財務諸表から見ても、政府は適正にやつておるものだと思つておるし、われわれの検査の結果におきましても、予算外に不正なことをやつてておるというふうには考えておりません。
  207. 大橋武夫

    ○大橋委員 予算にあるかないかということは、これはきわめて明瞭なることでありまして、これが予算にあるかもしれぬというようなお話でございますが、これはひとつ予算をしつかりごらんになつていただきたい。現に予算がないからこそ、これを支出すべき正当なる科目がないので、やむを得ず初めから收入せざる金、すなわち仮受金の形において受取つておる。そうしてこれを仮受金の支拂いという、予算を通過しないでもさしつかえないような形に初めから仕組んで受取つておる。でありますからこれは予算外であるということはもう明瞭であります。それを前提としてお答えをお願いしたいと存じます。
  208. 佐藤基

    佐藤証人 予算外であるかどうか、予算を持つておりませんから、ちよつと予算外であるという前提で申し上げることは控えたいと思います。
  209. 大橋武夫

    ○大橋委員 それならば、これらの金を仮受金として受領しまして、そうして後にこれを適正に收入いたしておりません。この点は会計法上いかがに相なりますか。
  210. 佐藤基

    佐藤証人 收入していないというお話ですが、財務諸表にちやんと……
  211. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年度は予算がなかつたが、二十四年度は予算があるわけですね。もつとも二十四年度はまだあなたの検査になつておらぬかもしれぬが……
  212. 佐藤基

    佐藤証人 今突然見ただけで申し上げますが、事業雑費でやつているのではないかと思いますが、これだけでは説明を聞いておりませんので、予算にあるかないかということは申し上げかねます。
  213. 大橋武夫

    ○大橋委員 後に公団西川君が来るので、この点ははつきりいたすと思いますけれども、私どもの今まで調べた範囲では、これは予算にない。また今までの各関係官並びに公団当局のお話でも、これは予算にもないのだということをはつきり言つておられます。そこで私は、予算にないということを前提として、この場合において違法という観念が成立つのではないかということをお伺いいたしたかつたのでありますが、それを前提として、もし予算にあるかないかはつきりしなければ、予算になければどう、予算にあればどうというお答えでもけつこうでございます。
  214. 佐藤基

    佐藤証人 予算外の経理ということであれば、それはわれわれの方として違法な経理ということです。ただ油糧公団は御承知不正事件がありまして、二十三年後期がおもですが、まだ書類が検察庁等にありまして、十分な調べができておりません。従つてその十分な調べができました結果、われわれのところで審査することになつておりますから、まだ審査の段階に達しておらぬので、はつきり申し上げかねますけれども、形式的に、予算があるのにかかわらず、予算にないことをやつて滴るという抽象論であれば、それは違法であると言わざるを得ないと思います。
  215. 大橋武夫

    ○大橋委員 以下関連して、抽象論としてお伺いすることが便宜だと思いますので、抽象論としてお伺いいたしたいのでありますが、かりに予算にないという場合において、これを支出するためにはその根源であります、ところの收入そのものを、予算に定められた收入以外のものとして受取つておくということが便利である場合があろうと思います。それはたとえば、真正なる收入であるにかかわらず、今回の場合のごとく仮受金として收入しておる。こういうことになりますと、それは收支のほかになりまして、予算関係なくその収支は取扱えることになりますから、そういうことが便利な場合もあると思うのでございます。ところが実際その仮受金として收入した金が、本来その公団の真正なる收入として收入すべきものを、不当に支出することを予定して仮受金として收入する場合には、これは私は、公団全体の予算経理の上から言いますと、予算経理の範囲に入るべきものを、故意に一部分を入れずに、あたかも予算経理の上からいえば收入せざるがごとき形を装つたことになるのでありまして、これは明らかに刑法上の業務上の横領というような場合と同じ場合が生ずるのではないかと思うのでございまして、この点において会計法上においても、その取扱いそれ自体が完全に違反である、こういうことになるのではないかと思うのでございますが、この点についての御意向をお伺いいたしたいと存じます。
  216. 佐藤基

    佐藤証人 簿記のことは実は私はあまりよく知りませんが、会社の貸借対照表などを見ましても、仮受けとか仮拂いとかいうことは、とかく問題があるのでありまして、公団等におきましても仮受け、仮拂い等の科目に整理したものにつきましては、主務の課におきまして十分検査をしております。多くの場合におきましては、一時的にそういうふうにしておきまして、一定の期間がたてば、正当科目に整理しておるはずであります。だから仮受け、仮拂い等のことは暫定的な整理であつて、それをいつまでもほうつておくということになつて来ると、われわれの方としても文句を言わざるを得ない、こういうことになると思います。
  217. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかるにこの仮受金の場合は、これは予算外の支出をするための仮受けでありまして、永久にこれは收入として整理されることのないということが予定されておるのであります。その点において、これは初めから公団に属するところの收入の一部を、法律の規定によらずに、公団から支拂うためにこういうことを仮装しておるのであるから、これは明らかな違法行為ではないかと思うのでございます。これに関連いたしまして、この点については附帯業務として農林当局の承認があつたから、これは必ずしも違法とは言えないというようなお答えがあつたと思うのでございますが、それがまた違つた考えでありまして、いずれにしても、このこと自体が法律に照して違法である、しかもそのやり方というものが刑法上の問題を含むようなおそれのあるやり方なのでありまして、この場合においてはいかに安本あるいは農林当局がそれを認めましようとも、これは法律それ自体が認めない限り、とうていそれを適法にするものではない、こういうふうに当然考えられるのでありますが、この点についてもう一度はつきりお願いいたします。
  218. 佐藤基

    佐藤証人 附帶業務であるかどうかという問題と非常に密接な関係がある問題でありますが、附帯業務であれば正々堂々と、ほかの業務と同じ公団の業務でありますから、適正な収入支出の手続を講ずべきであると思います。ところが今伺つておりますと、ことに先ほどの食品局長の書いたものを見ますと、どうも一部分は附帯業務であるけれども、他の部分は附帶業務でないかのごときふう牛見えますが、そういう前提でやるということになりますと、附帶業務すなわち公団の業務外であるから、公団の普通の收入支出として経理しないのではないかという疑問を起します。但し今までの私の見解では、食品局長と違うけれども、全体が附帯業務と考えておりますから、従つて正々堂々と公団收入支出の手続をとれるものだと思つております。
  219. 菅家喜六

    ○菅家委員 一つお尋ねいたします。委員長から大体お尋ねになつておるのでありますが、油糧公団の二十三年度の収支決算については、会計検査をされたのでございますか。
  220. 佐藤基

    佐藤証人 二十三年度につきましては、先ほど申します通り公団不正事件がありまして、それで関係書類が検察庁に押收されています。だから全部はまだ済んでおりません。押收されていない部分については、ある程度済んでいますけれども、全部検査はできておりません。
  221. 菅家喜六

    ○菅家委員 その一部分のものの、袷察庁に関係のない部分経理に対しては、お調べになつておりましようか。
  222. 佐藤基

    佐藤証人 検査をしております。宏りますけれども、検査院としての最終の意思決定というものは、検査官会議できめるのであります。ところがそういう関係検査を全般的に済まして希りませんので、まだ検査官会議を経ておりません。でありますから正式の結論を申し上げる時期に達しておらぬのであります。しかしながら係の者が公団に行つて、いわゆる事実上の検査はいたしております。
  223. 菅家喜六

    ○菅家委員 先般あなたの方の検査官においで願つてお尋ねをしたのでありますが、大体今までのところ、私どもの委員会で調べたところによりますと、あなたの方に関係はないかもしれませんけれども、大体大豆協会との関係において大豆増産奨励金、集荷督励金というようなものを公団から大豆協会に渡す場合において、いろんな不正事件が数限りなく行われておる。しかも二十三年度の收支予算において、予算外の支出というものは、表に現われておりますのは二千二百八十万円、その書類ば收支ともにこれを焼いてしまつた。しかもその後に書類を出せと言つたら、焼いてしまつたけれどもわかると言うので、わかるのはどうしてわかるか、その品目の詳細なものを出せと言つたところが、今一般の支出收入の表を出して来たのであります。これらを見ましても、さつぱり要領を得ない。どうしてこういうことができ上つたか、われわれは非常に疑問に思うのでありますが、私どもしろうとから言えば、会計検査院というものがあつて、これらの政府機関の経理について厳重な検査を受けてるものと一般は思つておる。われわれもその思つておる。そういうときに、各種の公団のかくのごとき経理の不正事実が続々として上つて来る。国民はこれを納得しないのであります。そこでわれわれは、どうして会計検査院の方でこういう経理を厳然とされないものであるかと言つて、この間もしばしば検査官の方にお尋ねしたのでありますが、どうもこの間証人に来られた人の話では私ども納得が行かない。いかにも手ぬるいような、また国民の考えてるような会計検査院でなかつたというような感じを私は非常に受けたのであります。これは今お話のごとく、検察庁で取調べ中でありますから、書類がないのでありましようが、そこでいろいろこまかい点を伺いたいのでありますが、今重要な本会議に臨まなければならぬ、投票がありますので、長くおれませんから質問を打切つておきますが、これはひとつお願いでありますが、各種の公団等に対する経理会計検査院の態度は、もう少し嚴格にやつていただきたい。これは国民多数の要望であるとともに、相次いで公団不正事件が起つておりますが、これはみな国民の負担にかかつて来るのであります。会計検査院がほうつておきますと、何が出て来るかわからないのであります。ひとり公団ばかりではありませんが、ことにそういう点を私は証人にお願いいたしまして、私の質問を打切ります。
  224. 小玉治行

    ○小玉委員 本件でこれが違法であるかないかという分岐点は、公団法十五條のいわゆる附帯業務に属するかどうかという点にあるようでありますが、この公団法の十五條を見ますと「物価庁の定める価格による国内産油糧及び輸入油糧の一手買取及び一手売渡」、二が「油糧の保管、輸送、加工及び検査」、三が「油糧取扱業者の指定」とあつて四が「第一号及び第二号の事業に附帯する業務」となつているのですが、あなた方の御見解というか、あなた方、または政府あたりとの連絡の際の附帶業務というのは、第一号の附帯業務というような御見解でございますか。「物価庁の定める価格による国内産油糧及び輸入油糧の一手買取及び一手売渡」というこの公団の事業の附帶事業という御見解であるが。あるいは第二項の「油糧の保管一輸送加工及び検査」の、この附帶事業というような関係か。どういうふうにお考えになつているわけですか。附帶業務の見解を定める基準ですね。
  225. 佐藤基

    佐藤証人 今の大豆増産のための附帯業務は、一号の事業に附帶する業務、こういうふうに解釈しております。
  226. 小玉治行

    ○小玉委員 それは政府方面の意向も確かめたように今伺つたのですが、どういう方面、どういう人か。具体的にどういう部局か。農林省なら農林省物価庁なら物価庁のどういう部局ですか。
  227. 佐藤基

    佐藤証人 政府の方の意見を聞いたというお話ですが、御承知通り会計検査院は内閣から独立しているのであつて、政府がいかなる見解を持とうが、会計検査院会計検査院独自で考えるのであります。しかしながらやはり政府の会計公団会計検査いたしますから、相手方の主張も十分聞かなければならぬ。そういう意味で聞いているのでありますが、その附帯業務であるという見解は、農林省及び公団の意見を聞いて、向うもそうだというとを確かめたのであります。
  228. 小玉治行

    ○小玉委員 会計の支出收入が適切であつたかどうかということは、会計検査院の専権に属することでありますが、この問題になつている大豆増産奨励金を出すととが附帶事業であるかどうかということの、いわゆる最高解釈権というものは、これは農高裁判所にあるのであつて会計検査院にはない。こういうようなことじやないかと思いますが、いかがでございますか。
  229. 佐藤基

    佐藤証人 最高解釈権――これが訴訟になりまして争いが起る場合においては、お示しのこともあると思いますけれども、われわれといたしましては、最高とは申しませんけれども、われわれが検査するのに、それが違法かどうかということは、われわれの解釈権によつてつているのであります。アメリカ等におきましては、検査院に非常に強い解釈権を認めておりますけれども、日本におきましては、その主務省に解釈権を與えて、かりに政府とわれわれと見解が異なる場合、訴訟になる場合は別ですが、訴訟にならぬ場合に、これを裁定する機関はないのであります。従つてそういう意味におきまして、われわれはわれわれの解釈によつて検査執行する。こういう意味の……
  230. 小玉治行

    ○小玉委員 附帯事業かどうかという法律上の解釈権は、最高裁判所にあるということをお認めになりましようか。
  231. 佐藤基

    佐藤証人 争いになれば、民事訴訟にでもなればそういうことになりますが、そういうことにならなければ、政府の関係部局も解釈権を持つているし、内閣から独立しているわれわれもやはり別な解釈権を持つている不幸にしてその解釈が食い違う場合もないという保証はつきがたいのであります。
  232. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで本問題をかりに横領なりとして告発して、そうしてこれが最高裁判所において附帯事業にあらずという見解をとられて、そうしてこれが支出も違法であるというふうな結論を下された場合には、会計検査院はどういうふうな態度をとられるわけですか。
  233. 佐藤基

    佐藤証人 訴訟になりまして、最高裁判所がそういうふうに決定すればそれに従うつもりでおります。現に会計官吏の責任について、われわれ判定をしますけれども、たとえばその会計官吏の亡失でありますが、会計官吏が善良な管理者の注意をもつてしてもなくなしたという場合は責任を負わせないのが、善良な管理者の注意を欠けば弁償を命ずるという場合でも、従来の会計法におきましては、われわれの判定は最終だと思いますけれども、現在におきましては、それに不服のある出納官吏は、訴訟の道がとざされておりませんから、最高裁判所の最後の決定が、善良なる管理者の注意を怠つたものでもないということになれば、われわれの見解と異なるけれども、そうなればその事件につきましては、最高裁判所の拘束を受けるということになります。そういう意味におきまして、ただいまの問題も最高裁判所で争いになつた場合には、当該事件につきましては、われわれも承服せざるを得ないというように考えております。
  234. 小玉治行

    ○小玉委員 わかりました。
  235. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一つ伺いますが、かりにこの十五條によつて附帶業務といたしましても、第十七條には「油糧配給公団は、毎事業年度の前期及び後期の初において六箇月ごとの事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様である。」こうなつているのでありますが、こういうことをやつているかやつておらぬかは、あなた方の検査範囲ですか、範囲外ですか。
  236. 佐藤基

    佐藤証人 これはちよつとむずかしい問題で、よく見て来ませんでしたが、これはやはり認可を受けずにやつておれば、適法なものとは考えられない。ただ具体的な問題で申しますと、法律十九條で、安本長官が農林大臣に諮つて承認して来ているので、従つて十七條の承認はもちろんしているものだというように私は考えているのであります。
  237. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この間証人に聞きますと、やつておらぬと言うのです。
  238. 佐藤基

    佐藤証人 そうですか、そういたしますと、十九條の承認というものの解釈問題でありますが、十七條の事後承認をしたというふうに政府は申さなかつたですか。
  239. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なぜやらぬかと言うと、十五條でいい。十五條で行くと、十七條がすぐあるじやないか、どうしてやらぬか。やつていません、何とも申訳ありません。そこであなた方の方も、ここらに注意せらるべきものである。とにかく今調べたところでは、むちやをやるだけやつている。これを通るものなら通そうというような考えであつたように思います。
  240. 小玉治行

    ○小玉委員 関連して……これはあなたの方で附帶業務かどうかという最終の決定はしておらぬのですか。本件については、会計検査院の正式の見解としては、まだ外部に発表するまでに決定しておらぬわけですか。
  241. 佐藤基

    佐藤証人 先ほど申しまとたが、附帯業務と解釈することはきわめて困難だとは思つておりますけれども、違法と判断するだけの段階には到達しておらぬ。
  242. 小玉治行

    ○小玉委員 それはどういうわけですか。
  243. 佐藤基

    佐藤証人 要するに附帯するかどうかの問題ですが。
  244. 小玉治行

    ○小玉委員 最終的にきまつておりませんね。
  245. 佐藤基

    佐藤証人 むずかしいということはきまつておりますが、違法であるということはきまつておりません。
  246. 小玉治行

    ○小玉委員 むずかしいということですが、もし違法ということになりますと、会計検査院としてどういたしますか。
  247. 佐藤基

    佐藤証人 そのやり方が悪いという批難をいたします。
  248. 小玉治行

    ○小玉委員 何か告発とかいうようなことはいかがですか。違法であれば横領、あるいは背任問題が起つて来るのですが、それをやつた連中に対しては、それくらいの嚴重なことをやらなければ、会計検査院としての業務は十分でないのじやないかと思うのです。
  249. 佐藤基

    佐藤証人 これはむしろ国会にお願いした方がいいと思いますが、国の官吏が会計事務に関しまして職務犯罪のある場合には、検察庁に逓増する義務がわれわれの方にあります。それはやつております。ところが公団法につきましては、そういう規定がないのです。だから法律上やるということはできないわけです。刑事訴訟法ですか、そういう一般の関係は別でありますけれども……
  250. 小玉治行

    ○小玉委員 官吏がその職務を行うときに犯罪ある場合は、これを告発するということは、刑事訴訟法にあります。
  251. 佐藤基

    佐藤証人 一般の関係にはありますけれども、会計検査法におきましては、国の会計事務を行う職員に、職務上の犯罪があつたら検察庁に通告するという規定があつて、その規定によつて、国の官吏につきましては犯罪通告をした例が相当あります。しかしながら公団については、その規定がありませんのでやつておりません。これは将来国会におきまして、十分お考えいただくといいのではないかと思います。
  252. 小玉治行

    ○小玉委員 どうも私の解釈では、附帶業務と言うことは困難であるような気がいたしますが……
  253. 佐藤基

    佐藤証人 それは先ほども申し上げました通り会計検査院というものは、人のあらを探すと申しますか、十分相手方の主張を聞いて、客観的に納得が行くようにやつておるので、違法でない以上は、なかなか実はやりにくい状態です。勇気がないとおしかりを受けるかもしれませんが、現状はそうなつております。
  254. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは非常にややこしい答弁なのですが、公団に余剰金があれば国庫に入る。欠損の場合は入らぬとおつしやつておられます。それほど公団国庫とは密接な関係にある、こう思うのです。赤字の場合には国庫が補填しておる、そういたしましたならば、この公団は赤字になつておらなかつた。しかもこの公団国庫にこれを入れない理由として発表しておるところを見ますと、こういうことが言われておる。大豆増産奨励金は、農林省の食品局長からあなたの方の課に出ておるのですが「大豆増産奨励金について終戦後相当額を計上したるも、これが実現に至らず、明年度はさらに農政局と連絡大豆増産集荷に関する予算を策定中である。みそ、しようゆ及び油脂の不足を黙視し得ないので、これが打開策として左の通り本件増産奨励費を大豆の消費者価格中に織り込むこととなつた。」こう書いております。それから同じ文書の中において農林省の食品局から昭和二十三年十二月三日に会計検査院の第一局長池田直あてに出ておるのですが「従つてこれら増産施策の結果、大豆増産を来した場合は、その影響は消費者に対する調味料の増配ともなり、増産奨励金の一人当りの負担は約十一銭にすぎないので、本質的には国家負担に帰すべきではあるが、実施までの便宜的措置として価格に織り込み、消費者負担ときまつた」こう書いてある。これに対して、第一に聞きたいのは、予算で出すべきものではあるけれども、予算に組まれておらなかつた。だから価格のうちにこれを入れて、とつたものを予算のかわりにかつてに出してもいい、こういうやり方をあなたは黙視するのですか。これが第一点です。
  255. 佐藤基

    佐藤証人 そこに書いてある予算というのは、国家予算意味に了解しております。従いまして国家予算にないから国ではできない、そこで公団でやる。そういう意味だろうと思つております。
  256. 横田甚太郎

    ○横田委員 公団が扱うところの物価には、国がきめたところの公定価格があるのです。その国がきめた公定価格を上げもせず、下げもせず、その集めた金のうちから、国へ納める金のうちにもかかわらず、それを納めずに別に大豆協会あたりにやつたりする。それはいいのですが、大豆増産を奨励する意味においてそれを使うことは許されておるのですか。それを伺つておるのです。
  257. 佐藤基

    佐藤証人 今のお話ですが、見解が違うかもしれませんが、剰余金を国へやると書いてあるのであつて剰余金がなければやる必要はない。物を売つて金が入つて剰余金になる。そこで剰余金とは何かということになりますが、貸借対照表を見れば、積立金という科目があつて、その積立金剰余金から除外されることになつております。そのやり方いかんには疑問があります。このやり方がいいとは思つておりませんけれども、その会計の技術上、また公団法の解釈として、主務省の指示に従つてそういう積立てをするその建前からすれば、剰余金は別につくるのがあたりまえです。従つて剰余金を国に納めないのは、やり方が悪いということは言えるかもしれませんが、公団経理自身として、増産奨励金として積み立てておるのだから、剰余金にならないのはあたりまえです。そういう気持でおります。
  258. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたは公団会計検査をされる場合に、豆なら豆の価格、これは国がきめておる。それを基礎にして会計検査をされるのでありまして、大豆増産奨励費なるものを国庫に入れずに、ほかの大豆協会に渡してしまつたならば、これは国の豆の価格になつておらないのであります。そういう国のきめた豆の単位、価格を無視してまで会計検査ができるのですか。それを聞いておる。
  259. 佐藤基

    佐藤証人 大分議論になつて恐縮ですが、豆を売つて金が入つて来た、その金を何に使うが、運搬費に使うということもあるし、大豆増産奨励費として使う場合もあるでしよう。それは支出の問題であつて、豆を売つた盃を全部国に入れろということは書いていない。ですから全部剰余金となるとは限らない。その中から運搬費も拂うでしようし、保険料も拂うでしよう。要するに事業費の財源になる收入、その收入と支出の差があつて、剰余があれば、これは剰余金として国へ納めるのであつて大豆を売つた金をみな国へ納めるのでは、事業費が出ないのであります。
  260. 横田甚太郎

    ○横田委員 その場合に私の言つておるのは、豆の価格なのです。それは一つの単価でありまして、豆を集めて売つて、百円なり、二百円なり、千円なりのものを事業費に使おう、あるいは奨励費に使おう、そういうことを尋ねておるのではないのでありまして、会計検査をされる場合には、この公団には豆が何ぼ入つた、何年に入つた豆は何ぼの値段であつた、その後に入つた豆は何ぼで入つた、あなた方にそういうような基礎的なものがなかつたら、会計検査のしようがないじやないか。だから私はそれを言うのでありまして、会計検査をされる場合に、こういうふうな公定価格を十分考慮に入れないような検査をして行けるのか行けないのか、それを聞きたい。
  261. 佐藤基

    佐藤証人 公定価格をきめておりますから、それに基いて検査をやつておるので、そういうものを無視して検査をいたしておりません。
  262. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはこういう意味じやないですか。ほかに出さなければ剰余金になるじやないか。
  263. 佐藤基

    佐藤証人 ほかに出さなければ剰余金で、お話の通り国に納めます。とにかく積み立てろという主務省の命令か指示で、それに公団は従わざるを得ないのです。命令に従わないと役員を解任するとか何とかいう制裁規定があります。だからその命令に従わざるを得ない。命令を出すことがいいか惡いかは相当疑問があると思うが、命令を出した以上は従わざるを得ない。従つて積立てをせざるを得ない。その積み立てた限度において、剰余金にならぬのはあたりまえだ、こういうふうに思つております。
  264. 横田甚太郎

    ○横田委員 ここに出て来られる証人たちに聞くと、この金のやり方はややこしいじやないか、西川君とか名前は忘れましたが、その以外の二、三の人も、これは何とややこしいやり方だと言つておる。会計検査院の大体の見解におきましては、こういうふうな大豆増産奨励費に対しましては、合法性はあるが会規性はない、だから黙認された、こう言う。そういうことをあなたが言われたか言われないかということを聞きたい。その証拠にはこういうことが書いてある。昭和二十四年十一月十八日に、証人として三堀參郎という元の農林省の食品局長が来ております。その人が委員長尋問に対しまして、こういうように言つております。「会計検査院では、分解、硬化油の関係については問題が起つておりません。大豆奨励費の問題につきましては、会計検査院から、今正確には覚えておりませんが、照会がありまして、それに対してわれわれの方から、先ほどから申し上げておりますような事情を説明いたしまして、なおつけ加えて、われわれとしては、これは当然国家予算の中に組み入れるべき性質のものであると思うので、その点については十分努力をじたいけれども、なお今後とも、もし物価庁において増産奨励費というものが認められるならば、こういう制度は続けていただきたいということを、はつきり会計検査院に意思表示がしてあります。それに対して会計検査院からは、何らの回答もありませんので、われわれとしては、会計検査院も、先ほどから御指摘の通りに若干の問題はありますので、正式には言いにくいけれども、おそらく黙認をしていることであろう、かように考えて進んでおるわけであります。」そういたしますと、やつておる当事者自身がすでにあやふやな考えを持つてつておる。最後の決定をすべきあなたのところに尋ねて行つておる。しかもそこからは何の返答も来てない。そこをいろいろ追究してみますと、速記録の中に出ておりますが、こういうやり方は合法性はあるが合規性がないというべらぼうなことを言つておる。だから私があなたに聞きたいのは、公団検査する場合、そこで扱い示す金はいろいろなものがありましようが、大豆に関する限りにおいては、大豆一つの量目で現わされます。同時に金銭で現わされます。それが何ぼ扱うた場合においては、それに金銭をかけて幾ら、こうなるのです。そうなつたものをすぐに国庫に入れるべき性質のものなのです。それを入れもせずに別に積み立てて、また別に渡すというようなやり方をとつたということについては、あなたが今とつておられるような態度がむしろ誘致したのです。こういうような間違つたやり方を黙認した。黙認したと言つて惡ければ、そういうようなやり方を誘つた。こういう感じをわれわれは受けるのです。だから会計検査院に対して非常に不透明なものを感じる。こういう点を言つているのです。だからもう一度この点をはつきり申しますと、こういうような疑いが出たときに、これはいけないならいけない、これはやつてもよろしいということをどこにも書いてない。そういうことをなぜ言われてないのか、その点を承りたいのです。
  265. 佐藤基

    佐藤証人 大分会計検査院に対する御非難のように聞きますが、先ほどからたびたび申します通りに、附帶業務であるかどうかということが根本であります。附帶業務であるならば、公団の業務だから、その経理をやるのはあたりまえな話で、附帶業務にあらずとすれば、これは公団の業務外だから、目的外に金を使うということになります。そうすれば、われわれとしては検査上これを批難せざるを得ないのです。ところが根本の附帶業務であるかどうかということは、あそこにも書いてあります通り、若干向うも疑義があるのではないかと思います。会計検査院が何も向うに対して、いわゆる監督権がある――検査権はあるけれども、農林省であるとか、政府の諸機関のような監督権があるわけではない。検査権を持つだけであります。そこで附帶業務であるかどうか。附帶業務であれば適法であるし、附帶業務でなければ違法である。ところが附帶業務であるかどうかと言えば、われわれとしては、附帶業務ということは非常にむりだろう、むずかしいという気がしますけれども、附帶業務にあらずという決定をするには至つておらぬ、こういうわけであります。
  266. 横田甚太郎

    ○横田委員 しかしこういうようなことは必要であつて、国の予算でやらねばならないものであるけれども、国の予算には組まれておらない。組まれておらないからこういうやり方をやるから許せ、こう言つているのでしよう。そうしたら、これは明らかにそういうような使い方をしてはいけないということになつているのではないのですか。申請書に出ているのです。
  267. 佐藤基

    佐藤証人 その点デリケートな問題だから、はつきり申しますが、国の予算によつた方が適当であるというのであつて、よらなければ違法であるとは申しておりません。そこのところははつきり申しますが、国の予算でやることが仕事の性質上、公団性格上適当であるということを言つております。だからそういうふうにやれ、それでまた農林当局も、努力が足らなかつたかもしらぬけれども、国の予算に組むようにある程度骨折つたように見えます。ところが国の予算に組まなければ違法であるかどうか、それは次の問題であります。違法とは言つておらぬのであります。だから続けて行けば、適当でないということは言えるけれども、違法だということは言つておらぬのであります。
  268. 横田甚太郎

    ○横田委員 それを言つているのじやないのです。こういうようなやり方はいいことだから、こういうことをやつたら国民の栄養に非常に影響するのだから、こういうことをやらねばならないのだがやるがための金はないのだ。金はないのだからして今年はやれておらない、ない証拠に国の予算に組まれておらない、だから今年に関しては、大豆価格の余つた価格のうちから、これを削つてつてもよろしいかということを、あなたの方に聞きに行つておるのでしよう。こういうことに対して、やることはいけないのではないですか。
  269. 佐藤基

    佐藤証人 いけないということは申しません。
  270. 横田甚太郎

    ○横田委員 ちよつと違いますが、その点で会計検査院が法を構えて、惡事をしても許されるようなことをしよつちゆうやられておる。たとえて申しますと、今年の十月に、堺の刑務所に会計検査院の方が検査に行かれましたときに、明らかにそれは刑務所の物でない。刑務所の品物でないのに、堺市役所預かり品と書いてあつたがために、黙認した物がたくさんあるのです。品目はかわらの三万枚、あるいは釘が十何たる、ボールト何トンと、そういうものがたくさんあつたのです。それをあなたのところの会計検査院がよく調べずに、中におつた受刑者について調べている。――この際われわれは結論を出します。あなたに一つの意見を押しつけてもしかたがないので、押しつけはしませんけれども、少くとも言葉を構えて、法を構えて、脱法の條件さえそろえば、すべて惡いことがやられておつても、どうも申しませんと言われるような会計検査のやわ方をやつておりましたなれば、大きな惡事ばかりが国にかかつて来て、損をするのはわれわれだけだということを私は言いたいのでありまして、その点をよく御考慮願いたい。これだけです。
  271. 佐藤基

    佐藤証人 御説ごもつともでそういうことがあれば非常に遺憾であります。ただ私の方といたしましては、検査を受ける方の立場も考えなければならぬので、やはり法の範囲を逸脱して検査をするということになると、自由権と申しますか、そういうものを侵害するということになり、民主政治の法の建前といたしまして、法に定めたこと以外をやるということは、よほど愼まなければならぬ、臆病な点がある。その臆病な点を惡い者に利用される、そのかれ合いの点でありまして、御説の点はよく考えておるのでありますけれども、立場上われわれの方は検察庁ではありませんので、相手を常に罪人として扱うということはいたしておりません。そういう関係で、場合によりますと、ことに結果から見ると、遺憾な結果が生じておらぬということは断言いたしかねるのであります。
  272. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたは民主的になろうとして非常に臆病になられた、その間に惡い者が出て来る、こう解釈しておいていいのですね。
  273. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあそれは議論でしようから……。今も議論になりましたが、大豆協会という外部団体に出た以上は、それを調べてはいかぬものですか。あなたの方で……
  274. 佐藤基

    佐藤証人 どうも調べる権限がないので、実は非常に困るのでございます。それで大豆協会がどういうふうに運営されたか、正しく運営されたかもしれないし、惡いかもしれぬが、調べる権限がないのです。これはちよつと余談になりますけれども、兵器処理の問題で、やはり同じような問題がありまして、GHQの方からも、ある会社について調べるというような話があつたのです。ところが民法上そういうことはできぬからというので、向うと話合いをして、それではやむを得ぬということがあつたのですけれども、法のきめた範囲内におきましてはやり得るし、またやらなければならぬのでありますけれども、大豆協会はどうも法規上調べる権限がないのです。権限がないことをやるということは、一方においていろいろな弊害も起りますので、やつておりません。従つてこれは法規がかわらぬ以上はできないと思います。
  275. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次、さつきの不正があつたと認めたかどうかという問題ですが、これは第三十三條に「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」こうなつております。先ほどちよつと言われたが、公団はここに書いてある「国の会計事務を処理する職員」には入らないのですか。
  276. 佐藤基

    佐藤証人 私はそれは入らぬと思つております。これは多少見解の相違があるかもしれませんが、ただいまそう思つております。また必要によつてはなお研究しますが、そう思つております、
  277. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほども言つた、直接国家の收入にならぬかしらんが、そこで上手にやれば金が余る、余れば国家の收入になりますから……
  278. 佐藤基

    佐藤証人 それはちよつと議論になりますが、会計検査院は何で検査するかというところに、国の收入支出、それから国が二分の一以上出資している法人会計ということが書いてあります。それで結局公団は国が全額出資しておる、だからそれは国に入るというけは、ちよつと私はむりだというような見解を持つております。それでなお会計検査院が答弁すれば、国ということなら、公団法などに会計検査院検査するということを書かなくてもいい、そういう関係から見まして、国の会計事務を取扱う職員の中に入れるのは非常に疑義があるので、今のところは入らぬと解釈しております。その字だけを見れば両方言えますけれども、ほかの法規と比べますと――できればその方が非常にいいのですけれども……
  279. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしても横田君の言われる通り、もつと嚴格にやつてもらうことをたしかに国民は要望しております。ことに不祥事件が続々出ておりますから……  ほかにありませんね。――済みました。御苦労さまでした。山本英喜さんですか。
  280. 山本英喜

    山本証人 はい。
  281. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは物価庁第二部工業食品課長ですか。
  282. 山本英喜

    山本証人 そうです。
  283. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつから……
  284. 山本英喜

    山本証人 二年半ばかりになります。二十二年の七月ですか……
  285. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在に及んでおるわけですね。工業食品課はどういうものをお取扱いになるものですか。
  286. 山本英喜

    山本証人 工業食品課は油脂原料、油かす、みそ、しようゆ、アミノ酸、砂糖、カン詰、びん詰、菓子、飲料、輸入食品、そんなようなものです。
  287. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうものの価格の査定ですね。
  288. 山本英喜

    山本証人 そうです。
  289. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格を査定されるのはどういう手続をおとりになります。
  290. 山本英喜

    山本証人 担当官がそれぞれおりまして、担当官が実際の原価につきまして、工場につき、あるいはいろいろな資料にはつて調査いたしまして、妥当なる線を押え、それを私がいろいろ検討しまして、この程度でいいという自信を得ましてから起案してもらいまして、それから上司の決裁を得て官報に発表する、あるいは許可を得る。こういうような手続をするのであります。
  291. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油料配給公団で大口分解硬化用油脂公団販売価格について、特に公団が一六・五キロ、これは一俵か何かでしようね。
  292. 山本英喜

    山本証人 一カンです。
  293. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それに対して四十二円または四十八円をとれというようなさしずをされたことがありましたか。
  294. 山本英喜

    山本証人 とることを許可してもらいたいというので、私の方でそれを許可したことがあります。
  295. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつ許可せられたのです。
  296. 山本英喜

    山本証人 それは二十三年十一月の二十四日付で許可しました。これが第一回のものであります。
  297. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはいつからの分ですか。
  298. 山本英喜

    山本証人 これは昭和二十三年の第二・四半期と第三・四半期の割当分の数量につきまして許可したのです。
  299. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一・四半期はどうなつておるのです。
  300. 山本英喜

    山本証人 第一・四半期のときには許可しておりません。こういう問題がまだ出ていなかつたのです。
  301. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが公団では、とつておりましたか、とつておりませんでしたか。
  302. 山本英喜

    山本証人 公団では許可を受けずにとることはできないと思いますので、とつていないと思います。
  303. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあとにしましよう。  これはとるというのは、どういう名儀でとることになるのですか。
  304. 山本英喜

    山本証人 名儀といいますと、理由でありますか。
  305. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや理由も何ですが、理由は相当わかつておるが、それよりどういう名前でとるのですかこれは。
  306. 山本英喜

    山本証人 これは大口分解硬化用油脂公団販売価格に関する物価統制令第三條第一項に関する但書の許可でありまして、公団の販売価格というものは、統制価格として官報の告示できめられておるわけであります。それ以上越えて売ることはできないのでありますが、それをその許可によつて、ただいま言われた四十二円、あるいは四十八円の加算ができるということであります。
  307. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとこれは価格になつたわけですね。公団受取り価格になつたわけですね。
  308. 山本英喜

    山本証人 販売価格であります。
  309. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると訂正価格ですね。許可によつて……
  310. 山本英喜

    山本証人 特別の許可価格、例外価格と私ども申しております。
  311. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると例外価格でも原料の販売価格になつたことは間違いありませんね。
  312. 山本英喜

    山本証人 油の販売価格ですね。ただその場合條件がついておりますので、どこへ売る油でもかまわないということにはなりません。それは一・四半期ですね、一品種三十トン以上の大口分解硬化用として売る場合……
  313. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いわゆる大口ですね。
  314. 山本英喜

    山本証人 そうです。
  315. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが油糧配給公団では、この金を受取つたにもかかわらず、これを公団の別途積立金として、得意先前受金ということで、特別に保留されておつたそうですが、その点は御承知でありますか。
  316. 山本英喜

    山本証人 この点につきましては、当時申請書の内容に、なおこの実施により取得する金額は、別途保留し、関係官庁の承認により使用すべきことといたしたく、あわせて御承認願いますということが記載してありましたので、私どもしましては、こういう許可する際には、いつもそれによつて上る差益金をどういう処置をするかということに一応関心を持ちます。この申請書に記載されてあるように、別途保留する、しかも関係官庁の承認があつた場合以外は使用できない、そういうことになつておりますので、私どもとしては特に許可書には條件をつけずに、当然この申請書の内容によつて処理さるべきものであるというふうに考えております。
  317. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 別途積立てをして何に使うという……
  318. 山本英喜

    山本証人 私どもの油脂価格の調整の條件について、ちよつと申し上げませんとはつきりしないと思いますので、その点から述べさしていただきますが、油は御承知のように、一般の国民の食用として必需品でありまするし、また工業用としては二次製品、三次製品の原料となりますので、私は少くとも一箇年の間は、油脂の販売価格というものを安定させたい。常時かわることはいろいろな面に非常に影響が多い。そういうことで、油の価格のプールということをやつたのであります。このプールは、年度初めにいろいろ数量、あるいは価格、将来のものを予測いたしまして、加重平均して算出いたすために、ややもすれば実際はその数字と狂うことがあり得るわけであります。かような場合に公団は、ある場合には相当の黒字が出る、ある場合には赤字が出るということを一応予想いたしまして、赤字の出た場合に、価格を値上げすることをなるべく避けたい。そういう意味におきまして、その評うな公団が特別に予期しない差益金が出るようなものは、これをあげて価格調整金という科目を公団が設けております。それに入れてもらつて、一応価格の調整のために使つてもらいたい。そういう考えでおつたわけであります。
  319. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、別途積立金価格調整金の中に入れるわけですね。
  320. 山本英喜

    山本証人 そうです。そういうふうに考えております。
  321. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが得意尤前受金というように……
  322. 山本英喜

    山本証人 そういう話も聞きましたが、得意先前受けというものも、価格調整も、それは負債勘定に確かに入つておると思いますが、どういうわけで価格調整資金に入れなかつたか、その辺についてははつきりいたしていないのであります。あとでそれはわかつたのであります。
  323. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 集荷督励費だといつて、これを大笠協会その他の外郭団体に出しておるのですが……
  324. 山本英喜

    山本証人 そういうような話は聞いております。
  325. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうように積立てて置けば、その使途についてはあなた方の許可はいらないのですか。
  326. 山本英喜

    山本証人 これを積立てて置きますると、当然物価庁関係の積立ての価格調整資金に積み立てさるべきであります。それに入りますと、その次の年に新しい油の価格をはじくときに、その価格調整資金の余剰がたとえば一億なら一億あつたということになれば、それを新しい価格のプールに織り込みまして、その分だけ次年度の油の値下げの効果を期待する。そういうことによつて他の価格をできるだけ安定させたい、そういうことになつておりますので、価格調整資金に入れておけば、自然史の年の油の価格の算定のときに、それが繰入れられる、そういうことになると思います。
  327. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では入れておらぬとすれば不法ですね。
  328. 山本英喜

    山本証人 われわれの方の期待には反しております。従つてその次の許可のときにおきましては、われわれの方ではつきりと條件をつけて、そういうわれわれの期待した以外の方に行かないようにひもをつけるような措置をとつております。
  329. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで何ですか、單に不当であるとか不法であるとか、あなた方の許可以外のところに行つたら、これはけしからぬじやないかと言えないのですか。
  330. 山本英喜

    山本証人 ですから、第一回の許可の分を、何か私どもが期待している以外の用途に使つた話を、その事後におきまして私は耳にしましたので、けしからぬと言つて憤慨したことがあります。
  331. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただそれだけか。
  332. 山本英喜

    山本証人 ただそれは申請書に関係官庁という言葉があります。私どもはこの関係官庁は自分たちである、自分の方のことであるというふうに解釈しておりましたところが、この関係官庁は農林省でもいいじやないか、農林省関係官庁であるということで、農林省の承認をとつてつた写しを見ました。
  333. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 係の者の言うところを聞くと、農林省及び物価庁の許可を得てやりましたと言つている。あなたの方で許可を與えた覚えはないか。
  334. 山本英喜

    山本証人 覚えはありません。
  335. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一つ重大な問題は、価格調整費というのが費目にあるならばよろしいですけれども、そんな費目にないものを、かつてに出していいものですか、公団として……
  336. 山本英喜

    山本証人 それはむしろ私どもの関係でなくて、農林省の監督の権限に属するものじやないか、そういうふうに私は考えます。
  337. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそうかもしれんが、それはあなた方の方でどう思います。あなた方の方できめてやつた価格をとつて、それで向うは入つたのを幸いにして、あと積立てにして置いて、それでどうも業務以外のものへかつてに出されてもいいということになつたらたいへんなことが起るんだが、それはあなた方の方でどう思いますか。
  338. 山本英喜

    山本証人 それでは記憶で申し上げるので、あるいは多少間違いがあるかもしれませんが、これはこの第一回の許可によつて出た差益を、何か油脂増産のための費用に充てさしてもらいたいというような相談を受けたことがたしかあります。そのときに私は、これは物価庁価格調整のために保留するのであるから、それにはちよつと賛成できぬ、そういう回答をしたことかあつたのでありまするが、その後そのままになつておりまして、その後今度はこの許可をした――許可でなく、こういうような支出をしたあとでありますが、農林省油脂課長が私のところに――あまり記憶ははつきりいたしませんが、公団大豆部長かどなたかと一緒に来られた。そうして非常に農林省としても予算もとれないし、増産はしなければならないし、つらいので、これをこういう用途に使いたいと思うが、了解してくれんか、そういう相談をわざわざしに来てくれましたが、私はそのときに、これはどうも第一、公団がそういう面まで手を出すことが、公団法の建前からいつて適当であるかどうかという点を、ちよつと判断に苦しみまして、あるいは公団法の建前からいつて、そういうものを出すことができる、できないということは、これは研究してもらわんとわからぬが、少くとし自分の考え方としては、そういうところまでタッチするのが適当でないように思える。従つてこの相談にはちよつと私としては乗りかねるということで、せつかくおいでになつたのにお断りしたことがあります。ところがそのときには、すでに農林省の局長の承認を得て、この金に手をつけたような形になつておりますので、それは困るので、物価庁はどこまでも価格調整金として保留されてあるものとして、これを処置したい。事後でもそれを承知することはちよつと困るというので、お断りしました。そのときに告示の方に、卸売業者の引渡し場所に相当する場所で、公団が引渡し販売する場合には、卸売業者の価格によることができる。そういう規定があります。その分の余剰が出ておるので、その分についてはどういう考えかということを私聞かれたわけであります。告示によつて自然に発生する差益につきましては、これは物価庁は何らひもをつけておらない。むしろ公団の直接の監督の立場にある農林省が適当だと認めれば、農林省限りでお考えになつていいのじやないか。私の方は何とも申し上げられません。ただこの許可によつて出たものの処分につきましては、私はちよつと賛成できませんということで、お断りしたときに、それならば前の告示によつて自然に発生した分でこれをやるということで、了解してもらえんかというような話があつたように思います。もちろん私は、この許可によつて出たものに手をつけないということであれば、私は別に特に申し上げることもありませんというような回答をしたことが、たしか記憶にあります。
  339. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに油脂課長大豆部長と来たときには、これをそのままほかへ流用するということには、不賛成の意思を表されたことは間違いありませんね。
  340. 山本英喜

    山本証人 それでそれならば、告示によつて出ておる物価庁のひものついておるものを使うということで、承知してもらいたいというような話がありました。
  341. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつの分ですか。
  342. 山本英喜

    山本証人 それはこの許可をする前は、ただ告示の方にはそういう規定がありまして、物価庁の告示の五百六十九号を見ていただきますと、この附記の一の口の第二項に「卸売業者の荷渡し場所に準した場所渡しで販売業者以外の者に直接販売するときは、卸売業者販売価格の統制額によることができる。」こういう規定があります。これによつて出たものがある。それを使う分にはどうかという話がありました。
  343. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがきのう来た元の水産油脂協議会の会長の話では、これも同額の金を渡したのだが、それはとるべきものでないと考え、それは一種の寄付金のつもりで別に積み立てていたのだ、こういうことを言つておりますが、今のあなたの話を聞けば、いかなる名儀をとろうと、公定価格以上のものはとれないわけですね。
  344. 山本英喜

    山本証人 そうです。
  345. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを寄付したつもりで渡した。それで積み立てておいたからかつてに使つたのだ。要するに寄付金だ、こういう説明です。これは記憶ないですか。
  346. 山本英喜

    山本証人 ありません。
  347. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはたとい寄付金であろうとも、いけないのでしよう、公団としてとることは……
  348. 山本英喜

    山本証人 それは販売の相手からとつたわけですか。
  349. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大口需要者からやはり価格が違うからと言つて……
  350. 山本英喜

    山本証人 統制額を超過すれば、何らの名儀をもつてしても……
  351. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 卸売業者の価格でとるのならばさしつかえないが、それ以外のものはいけないわけでしよう。それ以外のものだから、それでかつてに使つていいと思つてもらつた、こう言つていた。事実そういうことがあつたかどうかは、御承知ありませんね。
  352. 山本英喜

    山本証人 はあ。
  353. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 このようにしてこういういろいろな鶴でとつて、かつてにこれを使うということになると、結局負担する者は需要者なんですから、はなはだどうもおもしろくないように思うのですが、これはいかがですか。
  354. 山本英喜

    山本証人 私の方の物価統制の立場から行きましても、公定価格を越えてほかの名目で金銭を受取るということは、価格統制の秩序を乱す基になりますので、私の方の立場としては……
  355. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とるのが惡いし、とつたものはいろいろな名義で向うの好きなところに使うということになると、たいへんなことになると思う。ところがこれを油糧公団の者について調べますと、こんなことは私のところだけではありません。どこでもみなやつておると、こう言うのですが、ほかの公団でもこういうような実例がありますか。
  356. 山本英喜

    山本証人 そういう話は特に聞いておりません。油糧公団は特にわれわれとしても関係のある公団でありますので……
  357. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆価格決定について、大豆増産費を織り込んだということは御承知でありますか。
  358. 山本英喜

    山本証人 私はその織り込みにつきましては、全然相談を受けていないのでありますが、はたで見て、そういうものが織り込まれてあるということは……
  359. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それもまた増産費だといつて、同じことにかつてにいろいろな方面に使つておるのです。両方で何億という大きな金になつております。はなはだわれわれとしては解しかねるやり方だと思つておるのです。今聞いたのは第一次の許可ですね。第二次の許可をまたあとでやりましたか。
  360. 山本英喜

    山本証人 やつております。二十四年の二月十九日付で許可をしております。
  361. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これも別途経理として積立てておくということになつてつたそうですね。
  362. 山本英喜

    山本証人 そうです。
  363. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 このときは、あなたの方でやはり今言われたように、はつきりと価格調整金として積立てておくという意味ですか。
  364. 山本英喜

    山本証人 そうです。前にそういうことを條件にうたわなかつたために、関係官庁というような言葉の使い方で、農林省の承認だけでそういうような措置をとられて非常に迷惑しましたので、今度は物価庁としてひもをつけようということを、私ははつきり……
  365. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは価格調整金として積立てておけという意味つたのですか。
  366. 山本英喜

    山本証人 物価庁の方針としては、そういうように私ども考えておりました。
  367. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが積立金にしないで、大豆油脂資源の集荷督励費にみな使つてしまつたそうですが、これはいかがですか。
  368. 山本英喜

    山本証人 私はこれによつて出たものが使われたかどうかをはつきり確認しておりませんが、それは先ほど申し上げましたように、従来の告示の規定によつて、発生したものをもつてこれに充てて、物価庁のひもつきの分はそのままにしてもらつておるというふうに私は考えております。
  369. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いわゆる卸売業者価格ですね。
  370. 山本英喜

    山本証人 そつちの方だけで、物価庁のものは今後価格を調整する時分に、そのまま手つかずに残されておる、そういう数字をもつて今後の価格調整に組み入れたい、そういうふうに考えておりました。
  371. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際積立てておるかどうか、お調べになりましたか。
  372. 山本英喜

    山本証人 調べましたが、先ほどお話がありましたように、得意先前受金というようなものに入れてあります。
  373. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしてもう使つてしまつておるのではないですか。
  374. 山本英喜

    山本証人 全部使つてはないようです。ただ一部使つたものを、物価庁のものを使つたということにするか、あるいは告示によつて発生した方を使つたというように振りかえるか、それによつて、私どもの方の金額がかわつて来ます。
  375. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かはかにありませんか。――それでは済みました。よろしゆうございます。  西川英三さんですね。
  376. 西川英三

    西川証人 はい。
  377. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうも会議の都合上、たびたび手違いがありまして……あなたにこの前お聞きしたのですが、その後の調べによつて、あなたの証言と食い違うところがいろいろ出ましたので、あらためて聞くことになりました。第一には、あなたはこの前の証言で、大豆協会からは何ら給付を受けておらぬと言われたのですが、大豆協会の収支を調べてみますと、昭和二十四年六月二十三日西川、本村救済金として五万円、二十七日に十万円、同じく九月二十一日にまた車馬賃として五万円お受けになつておるようですが、この点はいかがですか。
  378. 西川英三

    西川証人 そのとき私は拘置所におりましたから……
  379. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそうだが、あなたのうちのだれかが受取られたのだろうと思うが、そういうことはありませんか。
  380. 西川英三

    西川証人 私のうちでもらつたということはないわけです。私の知る限りでは、出て来まして聞いたところでは、救援委員会というもので、大豆協会が正規の会議をして、そうしてそうした金を出したということをあとで聞いております。
  381. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 救援委員会とは何ですか。
  382. 西川英三

    西川証人 友人知己が、いろいろ差入れもいるだろうし、何とかしてやろうということでつくつてくれたそうでありますが、その点は私は知らないわけであります。
  383. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうことをしてもらいました。
  384. 西川英三

    西川証人 どういうことと言いましても、差入れ等も、そういうことを友人知己がやつてくれ仁ということを、あとで――私は入つておる間そういうことはわかりませんでした。
  385. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とにかく救援委員会から何がしかをやつてもらつたことはありますか。
  386. 西川英三

    西川証人 そういうものが出たということは、あとで聞いたわけであります。
  387. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 救援委員会というのは、どういう人がやつたのですか。
  388. 西川英三

    西川証人 そのことは、私は出て来まして、親友の松田君が、君のことを皆がいろいろ心配しておるから……
  389. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 松田というのは総裁ですね。
  390. 西川英三

    西川証人 前の総裁です。私はそれについても、別に深くは尋ねないのですが……
  391. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう意味でそういうことをしたか知らないのですね。
  392. 西川英三

    西川証人 はい。
  393. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 九月二十一日のは。
  394. 西川英三

    西川証人 九月二十一日は私がもうすでに公団やめまして、大豆協会の方にも同じく辞表を出したわけですが、何も油糧配給公団の副総裁をやつておるから、大豆協会仕事を頼むのではない。引続き大豆協会仕事をやつてもらいたいということで、公団やめて以後、そういう地位についたわけです。
  395. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の何についたのです。
  396. 西川英三

    西川証人 大豆協会の常務理事を引続きやつていたのです。但し大豆協会には常任理事というものがおるから、副会長として盡力してもらいたい。しかし副会長というのは定款にないので、総会までは一応名前は常務理事だが、副会長として大豆協会仕事をしてもらいたいということが、理事会で決議があつたわけです。そうしてそのとききめられた報酬が、月々二万円とつてくれということでありましたが、まだ病後でもあるし、他に仕事もあるから、一年に大体十万円くらいとるようにしたらどうだというようなことで、そのときに車馬賃として半年分もらつたのですが、前回の証言と食い違つていないと思うのです。
  397. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会から何も受取つておらぬ……
  398. 西川英三

    西川証人 公団在職中とつていないということを申し上げたはずだと思います。
  399. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、公団在職中はとらなかつたけれども、公団やめたからとることになつた、こういうことですか。
  400. 西川英三

    西川証人 そうです。そういうポストにつけたわけですから……
  401. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前もついておつたでしよう。
  402. 西川英三

    西川証人 前もついておつたですが、前は無給です。今度は本務になりましたから……
  403. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 無給が有給になつた……
  404. 西川英三

    西川証人 そうです。
  405. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事内容はかわらないですね。
  406. 西川英三

    西川証人 仕事内容はかわりません。
  407. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 救援委員会というものができたというんだが、救援委員会のメンバーはわからないのですか。
  408. 西川英三

    西川証人 私はそれについて、しいて聞こうともしませんし、また名前なりそういうことは聞かぬ方がいいというので……
  409. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 われわれとしては、いろいろおせわになつたら、それはどうもありがとうとあいさつもせんければならぬし、聞かぬ方がいいというのはけしからぬ話だな、どういう意味か。
  410. 西川英三

    西川証人 全部落着してからという意味だと思いますが、私もそれによつて、何ら精神的に圧力を受けるのを好みませんから、せつかくそういう申出があつたのですから、聞いていないのです。
  411. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 聞かぬ方がいいということは、はなはだ不穏当な言葉だな、聞いたら何か悪いことがあつたのですか。
  412. 西川英三

    西川証人 そういうことは別にありませんが、特別にそういう深い意味もないものですから、そういうふうに別にしいて聞こうとも思いませんし……
  413. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この間大豆協会の首脳部の人に聞きますと、在職中いろいろせわをせられた西川氏が、こういう不幸な目にあわれたから、ここで何かお報いせなければならないと思つて出しました。こう言つておる。やはりそういうことですか。
  414. 西川英三

    西川証人 直接まだそのときの理事会の議事録等も読んでおりませんが、大体そういう趣旨ではなかつたかと思います。
  415. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方は公団というものは、公務員であることは御承知でしようね。
  416. 西川英三

    西川証人 はあ、そうです。
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 在職中いろいろせわになつたからといつて、そのせわをした大豆協会なり、何なりから金をもらつていいとお思いですか。
  418. 西川英三

    西川証人 法律的にはこまかくはわかりませんが、まあ、ごくすらつと考えて、特別のことでもあるし、あとでそういうことを知つたのですから、そのときにおいておそらく私自身聞けば、当然お断りしたと思うのです。
  419. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで聞かぬ方がいいということになつたのではないの……
  420. 西川英三

    西川証人 そこまで深い意味はないのです。
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあ、それでいいでしよう。  それから油糧配給公団のいわゆる裏勘定の預金ですね。この間聞いた二千八百万円ですか。
  422. 西川英三

    西川証人 だと思うのです。
  423. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはその使途明細を知らない。帳簿を焼いてしまつたそうですね。
  424. 西川英三

    西川証人 ちよつと委員長にお伺いするのですが、たとえば裁判になりまして、そのことを争わなくてとはいけないようになつてつた場合でも、ここで証言を拒むことはできないわけなのでしようか。
  425. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それよりか、木村氏があなたの命令で焼いたといつておるのだが……
  426. 西川英三

    西川証人 そのことについて私があれこれ言うことが、裁判に関係あるような場合でも、なおかつ申し上げなければならないでしようか。
  427. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを言うことによつて刑事上の訴追をされるおそれのあるような場合は、言わなくてもよいが、しかし本村君が言うておる。
  428. 西川英三

    西川証人 しかし不利なようなことになるような場合でも、言わなければならぬでしようか。
  429. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 言わなくてもよろしいが、しかしそういう事実がなかつたら言つてもいいじやないか。
  430. 西川英三

    西川証人 ……
  431. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 言いたくないとおつしやるなら、しいて私は言いませんが、本村君が焼いたと言うているのですから、それで焼いたか、焼かぬか。焼かぬならあなたははつきり焼かないと言いそうなものだ。それを言われぬということになると変なものになりますよ。それ以上言いたくないとおつしやれば、私はしいて言いません。どうですか、言えませんか。
  432. 西川英三

    西川証人 はあ。ごかんべん願いたいと思います。
  433. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団大豆増産奨励金であるとか、油脂資源出荷督励金、その他大豆協会の特別会計について、今まで調べたところでは、はなはだおもしろくないものがあると思うが、これらについては、あなたは別に不正、不法はないと今確信いたしますか。
  434. 西川英三

    西川証人 最善の手段ではなかつたかもしれませんが、やむを得なかつた措置ではなかつたかと考えております。御批判はおまかせしたいと思います。
  435. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一々こまかく聞きたいのだが、ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十六分休憩      ――――◇―――――     午後五時五分開議
  436. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  では引続いて承りますが、第一に大豆増産奨励金のことですが、この前あなた方に聞くと、農林省並びに物価庁等から了解のもとに、ああいうふうに使つたと、こう言われたのです。そこでその了解を求めたことについてですが、増産費が大豆価格の中に織り込まれておるから、それを使わしてくれと、こう言つたに違いないのだが、どういう根拠でやつたか覚えておりますか。
  437. 西川英三

    西川証人 根拠について、はつきりした自覚はないのですが、前からやつて来ておつたものですから、それについて特別にどうという根拠を確かめずにやつてつたのです。
  438. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和二十三年にあなたの方から許可書が出て、その後物価庁にも了解を得、それから進んで二十二年度の会計検査について、会計検査院から質問を受けたときに、答えたりしておりますね。
  439. 西川英三

    西川証人 二十二年度の分をいつでしようか。
  440. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年の十一月かそこらに……
  441. 西川英三

    西川証人 ちよつと時期的にはつきり覚えていないのですが……
  442. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それによると、増産費というものは大豆価格以外のものであつて奨励金公団が代行して受取つたのだと、こう書いてあるのですが、この点は今でもあなた方はそう思つていますか。
  443. 西川英三

    西川証人 今でもそう思います。
  444. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこを聞きたいのだ。それはどういう意味なんです。
  445. 西川英三

    西川証人 つまり普通の関係で行きますと、売つた価格と買つた価格の差額というものは、公団收入になるわけですね。それは国のそれぞれのとりきめによつて処置されなくちやいかぬものだと思います。しかしこの大豆増産奨励費というものは、それだけ消費者価格に織り込んであるわけですから、高いわけです。そのマージンは、ほんとうの公団收入と見るべきものではなくて、大豆増産のために使うべき費用であるという関係で、別の金だ、そういう解釈をとつておるわけであります。
  446. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆価格として会員からとつたのでしようね。それは間違いないだろうね。
  447. 西川英三

    西川証人 大豆販売価格として……
  448. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格としてとつた。それを今あなたがマージンと言つたのは、どこから来たか。
  449. 西川英三

    西川証人 販売価格の中に、そういう特別な項目と費用が入つておるわけですから……
  450. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それがマージンか。
  451. 西川英三

    西川証人 マージンと言えば、普通で言えば売値と買値の差額がマージンですね。
  452. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは差額ですか。
  453. 西川英三

    西川証人 形の上では差額になりますが、制定の初めの因縁等から考えて、それは普通のマージンと見るべきものではないか。
  454. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格でしよう。
  455. 西川英三

    西川証人 価格価格です。
  456. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆価格でしよう。
  457. 西川英三

    西川証人 はい。
  458. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格を受取つたのでしよう。  その次に聞きたいのは、代行というのはだれの代行をやつておるのですか。だれの代行でその奨励金だけは受取つたのですか。代行というのは本人がなければならぬ。本人はだれであるのか。
  459. 西川英三

    西川証人 そこまで突き詰めて考えてはいないですね。
  460. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今はどうだね。
  461. 西川英三

    西川証人 今はおそらく消費者のために代行していると考えておる。
  462. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 消費者はとられておるのだ。消費者が拂つているのではないか。金の支拂人ではないか。
  463. 西川英三

    西川証人 はつきりしないと思いますがね。
  464. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はつきりしない。そこなんだ。あなた方は今でもそういうことを言うておるのかい。価格ですよ。支拂人は消費者ですよ。
  465. 西川英三

    西川証人 確かにそうです。
  466. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし拂う者の代行をして受取つた。そんなべら棒なことのあるべきはずはない。どこの世界に行つてもない。
  467. 西川英三

    西川証人 そういう価格を、増産奨励に使うのだということがなければ、それは一般の売値、買値の差額として処置すべきものだと思いますね。しかしそういう特別の処置として、臨機に除外例的なものだと了解しておるわけです。
  468. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その除外例というのがわからない。どこに除外例があるのか。なるほど価格を見積るときには、何それは幾ら、原価は幾ら、労賃は幾ら、増産については幾らと、こういうふうに入つたのだろう。
  469. 西川英三

    西川証人 ええ。
  470. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしそういうものを入れて、現われたものは、大豆価格という一本のものが現われておるはずですよ。またそうでなければ、買人から価格でございますと言つて受取れぬはずです。しかるにそれが別途であつて、代行したと言われることがはなはだ不可解。別途のものでない。第一番に一本の価格である。いわんや代行者はだれだ、本人はだれだとこう聞きたくなる。代行というのは代理なんだから、本人はだれなんだ、ほんとうに受取るべき者はだれなんだ。
  471. 西川英三

    西川証人 その辺はむずかしいところですね。
  472. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはむずかしいじやないよ。君らの方でむずかしく考えるだけで、代金なんですから、問題はないはずだ。それからその次は予算措置ができなかつたと言われるが、それは前にはできなかつたかもしれぬが、いやしくも大豆代金の中へ奨励金を加えた以上は、わかつているのですから、この牛に奨励金が入つておりますと言う。それだから奨励金はこれだけ入つておりますと言つたら、予算は認めるはずと思うが、その点はどうなんでしよう。
  473. 西川英三

    西川証人 これほど大豆問題が当委員会でもお取上げになつて、そして予算的措置がとられれば、そういう変則的な扱いは高めようというのは、相当政治的にも問題になつておるのじやないかと思いますが、今日の段階でも、先般の話を聞きますと、一千万円の大豆の種子の改良費の予算というものは、やはり削られたそうであります。
  474. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは価格の中へほんとうに入つておるものならば、そのために出ておるのだから、それだけは收入になつているのだから、出なければならぬと思いますが。
  475. 西川英三

    西川証人 私もそう思いますが、そうならぬのが予算の現状じやないかと思います。
  476. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこにおかしいところがある。ほんとうに価格に入つておるものなら、出さなければならぬはずだ。それで出ないのがほんとうなのか、入つておればこういうふうなかつこうでとれるから、そういうものを予算に出さない方が都合がいいから、そうしたのではないか。
  477. 西川英三

    西川証人 その点は大蔵省に聞いていただきたいと思います。
  478. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大蔵省ではなくて、あなた方に聞くのだ。
  479. 西川英三

    西川証人 われわれにお聞きになるのでしたら、ことしも運動をして、その合理性を御説明したのですが、不幸にして聞き入れてもらえなかつたわけです。
  480. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそれでいいです。その次に、代行をしてとることが公団の附帶業務と言つて出されたのですね。
  481. 西川英三

    西川証人 附帶業務――大豆奨励金によつてとることは、附帯業務としてやるという承認をとつてですか。
  482. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 三堀局長から会計検査院に出された書類にそう書いてある。
  483. 西川英三

    西川証人 私はそのことは知らないのですが……
  484. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは知らぬと言つても、しかしあなたと相談の上行つたんだろう。
  485. 西川英三

    西川証人 私はそれは知りません。
  486. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和二十三年十二月三日付で、農林省食品局長、会計検査院第一局長池田直と、そう書いてある。わからなければいいが、奨励金取立ての代行事務に限り、油糧配給公団法第十五條四の附帯業務としてなし得るものとして、とこう書いてある。あなたは知らぬのですか。
  487. 西川英三

    西川証人 はい。
  488. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今はどう考えますか。今こういうことをするのが附帯業務ですか。相かわらずそう思つていますか。
  489. 西川英三

    西川証人 今もやはり私は間違いかもしれませんが、そう思います。
  490. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この通りだと思いますか。
  491. 西川英三

    西川証人 はい。
  492. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 取立ての代行が公団の附帯業務である、こう言うのですね。
  493. 西川英三

    西川証人 はい。
  494. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではまた元へもどるが、代行ならば本人はだれです。
  495. 西川英三

    西川証人 そういうふうに法律的に言われますと、われわれの頭は法律的でないですから……
  496. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律問題ではない。代行というからには本人がある。だれにかわつて受取つておるのか。
  497. 西川英三

    西川証人 そういう大豆増産促進を当然やるべきものとして……。その点突つ込んで行くとなかなかむずかしいと思いますが、やはり一般国民にかわつてつておくというように…、
  498. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国民にかわつて……。国家代行か、さようなことを考えて、だれが教えたか知らぬが……。これは今日、これだけやつてみたら間違いだつたと思いませんか。こんなことではとるべきものではないのだ、代金としてとるのはいいけれども、別個におくべきものでないというのは、わからないですか。
  499. 西川英三

    西川証人 ちよつと考えさしていただきたいと思います。
  500. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかのことならともかく、こういうことで代行なんてあるべきはずはないのです。代金ではないですか。
  501. 西川英三

    西川証人 ごもつともです。
  502. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 買人にこれは奨励費だと言つてとりましたか、代金だぞと言つてつているでしよう。領收書は代金として出しているんでしよう。しかるに別個に奨励金があるからということでは、出て来つこはないじやないですか。そうしてこういうことで、これを大豆協会へ、公団以外の方へ出すということになると、入つた金公団はかつてに使つてよい金であるということになる。それだと国家の公務に関する收入というものの会計が紊乱するということは、考えられませんか。まあその程度にしておきましよう。  その次は分解硬化用の差益金ですが、これも同じですか、これもやはり農林省並びに物価庁の許可を得て、別途積立をして使われたのですか。
  503. 西川英三

    西川証人 分解硬化用につきましては、前にお語いたしましたように二つあるわけですが、物価庁告示による分については、分解硬化川の油の消費者が寄付したという見解は、今もとつているわけです。
  504. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前ですね。
  505. 西川英三

    西川証人 はい。
  506. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物価庁の許可のなかつた前ですね。
  507. 西川英三

    西川証人 告示による……
  508. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 告示による前ですね告示によらなんだ前は。
  509. 西川英三

    西川証人 告示によるものと、例外許可によるものとあるわけです。
  510. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 告示というのは二十三年の第一・四半期ですか。
  511. 西川英三

    西川証人 であつたと思います。
  512. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第二、第三・四半期については、例外価格を認めてもらいましたね。
  513. 西川英三

    西川証人 例外許可のことですね。
  514. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和二十三年の第二・四半期及び第三・四半期の方は、例外許可をもらつたと言われますね。
  515. 西川英三

    西川証人 そうです。
  516. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前のことを言われるわけですね。
  517. 西川英三

    西川証人 そうです。
  518. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前の告示というのはどういうのですか
  519. 西川英三

    西川証人 この前に御説明したと思いますが、物価庁の告示で、公団は販売業者の販売価格で売ることができるという告示があるわけです。
  520. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 卸売業者の価格ですか。
  521. 西川英三

    西川証人 そうです。その分は、これは消費者としては公団価格で買つてもよいし、公団としては販売業者の価格で売つてもよいし、公団価格で売つてもよいという議論が成立つと思うのです。ところが買う方から見ると、販売業者の販売価格で買う必要はないのだ、これは公団価格で買うべきである、そういうりくつを言つたわけですが、それも一つのりくつだと思います。従つてその場合には、分解硬化用の消費者である消費者がその金を委託した、こういうふうな見解を持つているわけです。
  522. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは卸売価格だろう。
  523. 西川英三

    西川証人 卸売価格との差額ですね。
  524. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから卸売価格としてとつたんだろう。
  525. 西川英三

    西川証人 そのときには卸売価格としてとることに賛成しなかつた公団価格で売るべきであつた
  526. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 卸売価格と言われなければよこしはしないだろう。
  527. 西川英三

    西川証人 その間には数次の折衝を重ねたわけです。そうして一応価格としては公団価格としてしか買わない。しかしそういう物価庁告示が出ているのであるから、その告示を適用するということにも一つ意味がある。だからそれは言わば両者の消費者のために使つてもらうという條件で出したということになります。
  528. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそうかもしれぬがそう言われるならば、告示価格で拂いましようと、こう言つたんでしよう。
  529. 西川英三

    西川証人 結論的にはそうなつております。
  530. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 告示がありましたならば……
  531. 西川英三

    西川証人 その決定までにそういう事情つたものですから……
  532. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことはあつたでしようが、それは価格でしよう。その次は例外価格になりましたね。
  533. 西川英三

    西川証人 そうです。
  534. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 例外価格になつて、それこそマージンになるわけだが、そのマージンを全部油脂資源集荷督励費として使われたわけですね。
  535. 西川英三

    西川証人 その点がちよつと私にはわかりませんが……
  536. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこへ使つたのですか。
  537. 西川英三

    西川証人 それは公団価格として保管しろという物価庁の指令が多分條件についておつたと思います。その分は価格調整に使うために、リザーブされておると了解しております。
  538. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一次許可と第二次許可があるのだが……
  539. 西川英三

    西川証人 それは例外許可の方でしようか。
  540. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。
  541. 西川英三

    西川証人 とにかく物価庁の告示で、価格平衡資金に使えという指令のついた分については、手がついてないはずです。
  542. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和二十三年の十一月四日付で、今言う第二・四半期、第三・四半期のものの例外価格を認めてもらいましたね。
  543. 西川英三

    西川証人 時間ははつきり覚えておりませんが、例外許可の申請をして、許可をとつたものがあると思います。
  544. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これが第一次許可ですね。この金はどう使いましたか。
  545. 西川英三

    西川証人 例外許可のついておる分は、価格調整のためにリザーブされておると思います。
  546. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが集荷督励費として大豆協会及び公団にみな使つておる。
  547. 西川英三

    西川証人 それは告示による分を使つておると思います。それはよくお調べ願いたいと思います。
  548. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなことはありはしない。あなたがそう言うならば、このことについて大豆部長と油脂課長とが、物価庁山本英喜工業食品課長のところへ了解を求めに行つたそうですね。
  549. 西川英三

    西川証人 それは私は知りません。
  550. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんな重大なことを知らないのですか。そういうところへ使つてははなはだ困る。これはあなたの言う通り価格調整費として別途に積み立てておくべきものなのだ。
  551. 西川英三

    西川証人 そうです。当然そうやらなければならないものです。
  552. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそうしておらなかつた。使つてしまつてから、このたび特別了解してくれと言つたが、聞かなかつた、そうではないのですか。
  553. 西川英三

    西川証人 ちよつと私記憶がありませんが、そんなことはないと思います。
  554. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 調整費に積んであつたのですか。
  555. 西川英三

    西川証人 積んであると思います。
  556. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それなら聞くが、なぜ調整費としないで、得意先前受金としたのか。
  557. 西川英三

    西川証人 それは司令部で、会計の方式を、そういうふうな勘定は全部そういう項目で整理すべしということを言つて来たから、不適当だがそういうふうにしたのであります。
  558. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこから指定したのですか。
  559. 西川英三

    西川証人 毎月報告書をそれぞれ関係方面へ出すわけです。関係方面ではそれを見る便宜のために、大体公団会計のようなものは、次の方式と次の勘定科目で整理しろというので、その指示に従つてそういう費用項目をつくつたのです。
  560. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いいかげんなことを言つてはいかぬ。
  561. 西川英三

    西川証人 いいかげんなことではありません。
  562. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 食品課長のところへ行つて、そういうことを言われたことはないですか。
  563. 西川英三

    西川証人 私はそんなことは知りません。そんなことを言つたはずはありません。
  564. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おそらくそういうことを言われたら、たいへんだろうと思う。重大なことだ。大豆部長が行つたということはありませんか。
  565. 西川英三

    西川証人 私はそういうことを聞いたことはありません。かりに私のところへ言つて来たら、そういうことはすべきでないと指示するはずであります。
  566. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言つてつたばかりですよ、工業食品課長が……
  567. 西川英三

    西川証人 どうもその点は私にはわかりません。
  568. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 重大なことなのだから、そんなあいまいなことを言つてもらつては困る。
  569. 西川英三

    西川証人 私の了解する点は、先般の第一回のときに申し上げた通りです。
  570. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでそう言つて来たから、はなはだ困る、いまさらそんなことを了解するのは了解のしようがない、こう言つたら、あなたの今言う販売者価格も、あの程度ならいいでしよう、こう言つたというのです。そこで第二次の許可をするときには、今度は調整費として残せ、こういうことでやつた。あなたは第一次と第二次とこんがらがつているのではないですか。
  571. 西川英三

    西川証人 こんがらがつていないと思います。
  572. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 使つてしまりて、しようがないからどうか了解してくれと言つたら、さようなことは困る、こう言つたというのです。
  573. 西川英三

    西川証人 それは当然そういうことはやつてはいかぬと思いますから、そういう了解を得に行くことも私には了解できません。
  574. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 集荷督励費を出したことはどういう意味ですか。
  575. 西川英三

    西川証人 それは今の四千九百万円という告示によるものから出したものと了解いたします。
  576. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それをあとで合計して、そういうことにしたのではないですか。最初はみな使つてしまつたのでしよう。
  577. 西川英三

    西川証人 そんなことはない思います。
  578. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 使つてしまつてから、油脂課長大豆部長とが来て、このたび特別了解してくれと言つたが、断然断つたと言つておる。
  579. 西川英三

    西川証人 そういうことを言つたということは、今初めて承るのです。
  580. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一つ、脱脂糧穀販売業会に対して、大豆粉と大豆ミールを代行させたのを御承知ですか。
  581. 西川英三

    西川証人 それは全然知りません。ここで問題になつてから報告を聞いたのです。
  582. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 脱脂糧穀販売業会というのは御承知でしよう。
  583. 西川英三

    西川証人 組合はあります。それは知つております。
  584. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは大豆協会自動車を買つたことは知らないのですか。
  585. 西川英三

    西川証人 それは理事会できめたから知つております。
  586. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その金はどこから出ておりますか。
  587. 西川英三

    西川証人 それは一般経費から出ております。私が一般経費から出すようにという指示を事務局に與えたわけです。
  588. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこれを代行させて、特別にもうけさして、その割もどしをとつた金であつたことは知らなかつたのですね。
  589. 西川英三

    西川証人 そうです。
  590. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、それは大豆部長がかつてにやつたのですか。
  591. 西川英三

    西川証人 もしそういうことをやつたとすれば、そうだと思います。
  592. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いないですね。あなたはそれを一般経費から買えと言つたのですね。
  593. 西川英三

    西川証人 当然のことですから……一般経費は今年は六百万円ですか、去年でも百二、三十万円はあつたはずです。
  594. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその金で買つておる。あなたは知らぬと言つたが、まさかあなたの意に反してやることはないでしよう。しかも百二十万円というのは何だと言つたら、自動車を買うので百二十万円いるのだと言つたそうです。
  595. 西川英三

    西川証人 そればおかしい。
  596. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあ私の質問はこの程度にしておきます。
  597. 大橋武夫

    ○大橋委員 大豆増産奨励費が大豆価格の中に織り込まれておりまする分は、公団の収入であるべきものであるということは、間違いないですね。
  598. 西川英三

    西川証人 先ほどからいろいろそれで御質問があつて、不十分なお答えしかできないと思いますが、その売つた当期において、少くともそれが一般の公団收入に帰すべきものだということは考えていなかつたのです。別途積立てを要すべきものだと考えておりました。
  599. 大橋武夫

    ○大橋委員 別途積立てを要するというのは、だれが積立てを要するものと考えたのですか。
  600. 西川英三

    西川証人 そういう特別の用途を指定された金として、別途積立てをする……
  601. 大橋武夫

    ○大橋委員 公団がですか、それともあなた個人がですか。
  602. 西川英三

    西川証人 その当時の解釈では、そうすることに格別に反対の意見はなかつた……
  603. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするというのは、どうすることですか。
  604. 西川英三

    西川証人 つまり大豆増産奨励金を、普通のいわゆるマージンとして考えないで……
  605. 大橋武夫

    ○大橋委員 その点はわかりました。そこでその積み立てるというのはだれが積み立てるのですか。公団が積み立てるのですか。それとも公団職員たる個人のあなたなり大豆部長なりが、自分の名前で積み立てるということなのですか。
  606. 西川英三

    西川証人 それはやはり公団が積み立てるのだと思います。
  607. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうですね。公団が積み立てるのは、人の金を公団は積み立てるわけには行かないから、公団收入として、公団に入つたものを公団が積み立てるわけですね。自分のものでないものを積み立てるわけには行かない。公団收入されたものですね、それは。
  608. 西川英三

    西川証人 收入されたものの中から積み立てております。
  609. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうして收入されたものの中から積み立てる方法として、これを仮受金として積み立てられた。そうでございませんか。勘定科目は仮受金で整理された……
  610. 西川英三

    西川証人 そうだと思います。
  611. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは仮受金で整理されたのであつて、別に公団予算のうちに、あるいは資金のうちに、大豆増産奨励の積立金という項目を設けて積み立てたわけではありませんね。
  612. 西川英三

    西川証人 当初は大豆増産奨励金という勘定で積み立ててあつたと思います。
  613. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはいつごろのことですか。
  614. 西川英三

    西川証人 そのために会計検査院で問題になつたのではないかと記憶しておりますが、はつきりしたことはわかりません。
  615. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかしわれわれの調査では、仮受金として積み立てた……
  616. 西川英三

    西川証人 終始一貫そうでしようか。
  617. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうです。得意先前受金という仮勘定で積み立てた……
  618. 西川英三

    西川証人 それは私は、先ほど申し上げたように、そういうふうな勘定科目を適用することになつたからだと思います。
  619. 大橋武夫

    ○大橋委員 それではなぜ公団では大豆増産奨励金という勘定科目をつくつて積み立てることをせずに、得意先前受金という形で積み立てられたのですか。
  620. 西川英三

    西川証人 こまかいことは知りませんが、多分それは報告様式を一定するように要求されておつたので、それに該当するために、そういう勘定科員に包含せしめた。しかしその勘定科目の中では、大豆増産奨励金が幾らで、その他のかかりが幾らということは、はつきり整理されておつたと思います。
  621. 大橋武夫

    ○大橋委員 この得意先前受金という仮勘定科目で整理されたということは、これは大豆増産奨励金を支出すべき正当科目が予算上認められておらない、これをあなたはお認めになりますね。
  622. 西川英三

    西川証人 はあ。
  623. 大橋武夫

    ○大橋委員 であるから、正当なる支出をするわけには行かぬから、そこでどうしてもこれは仮勘定として、收入しなかつたことにしておかないと、帳簿から落すことがむずかしい。それで仮勘定科目で受けておつた。こう認定しているのですけれども、その点はどう思われますか。
  624. 西川英三

    西川証人 その点は私の記憶では、当初は少くとも大豆増産奨励金という勘定で、そういう勘定科目がはつきり載せられておつたと思います。これはその後のそういう帳簿をつくる作表技術の上から、そういう名前を冠せられだが、しかし実質においては、大豆増産奨励金というものははつきりした形で積み立てられておつたという感じを持つております。
  625. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、大豆増産奨励金というのは予算科目ですか、予算科員の何のうちに入つてつたものですか。
  626. 西川英三

    西川証人 予算科目という言葉はどういう意味でしようか。
  627. 大橋武夫

    ○大橋委員 公団予算科目のうちのどういう科目の一部分になるべきものですか。
  628. 西川英三

    西川証人 それはやはり特別の用途で、特別のために積み立てられたものですから、一般のそういう予算の項目には入らないと思います。
  629. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、特別のこととして一般の公団收入には入れなかつたわけですね。
  630. 西川英三

    西川証人 そうです。
  631. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると理事者として、公団收入として入つて来たものを一部分だけ取除いておいて、一般の收入に入れずにおくという権限がありますか。
  632. 西川英三

    西川証人 原則的にはおつしやるように、そういう権限はないと思います。
  633. 大橋武夫

    ○大橋委員 この場合においてはありますか。
  634. 西川英三

    西川証人 この場合においては、関係の官庁と連絡をして、そういうことの承認を得た、例外的に承認を得たと了解してやつたのであります。
  635. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、関係官庁と連絡すると、そういう権限が理事者に與えられるということが、公団法その他の法規によつて認められておりますか。
  636. 西川英三

    西川証人 そこまで突つ込まれると、そういう権限は與えられていないと思います。
  637. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、與えられていないが、行政官庁と相談してそういう便法を講じた、こういうことですね。
  638. 西川英三

    西川証人 はあ、そうなるでしよう。
  639. 大橋武夫

    ○大橋委員 それから先ほど来政府に対して、これを予算に立ててくれということを公団からたびたび御要求になつた。それが不幸にして今日まで認められておらなかつた大豆増産奨励について。こういうことを伺つたのですが、その予算というのは、政府自体の予算のうちに大豆増産の経費を入れてくれということを要求になつたのか、それとも油糧公団予算の中に大豆増産奨励の費用の支出科目を認めてくれということを御要求になつたのか、どちらでありますか。
  640. 西川英三

    西川証人 一般政府の農林予算の中に、大豆増産の措置の予算を講ずべきだという請願をしたわけです。
  641. 大橋武夫

    ○大橋委員 すると公団予算の中にそういう科目を設け、適法に増産奨励金公団から支出する道を開くように努力されたことは、一度もありませんですね。
  642. 西川英三

    西川証人 はあ、ありません。
  643. 菅家喜六

    ○菅家委員 ちよつと証人にお尋ねする前に、一言申し上げておきたいのですが、先ほど来の委員長並びに大橋委員質問に対しても、何か刑事事件が起きておるので、それらに惡影響を及ぼす憂いがあるというような意味で、ここで真実を述べられないと、かえつて証人が不利になると思う。それはたとえば今の自動車の問題にしても、昨日この委員会において、瀧澤証人がその前後の事情を詳しく証言をしておる。それによると、大豆協会には金がないので、非常に経理に困つておるから、特別会員になつてくれ、別に特別会員というものは大豆協会の規約にもない、特別会員ということは、ただ金をもらう便宜上に使つた言葉に過ぎずして、援助してくれ、金がほしい、百二十万円ばかりほしいんだということを言われた。そこでそれは何かと言うと、自動車を買う金だということがわかつた。特別会員というのは、全国で私のところ一つつた。そこで百二十方円の自動車を買う金がほしいと言うからやつたという証言をはつきりしておる。しかも野村大豆部長が指示をいたしておるのであつて、当時証人が知らないはずはないのであります。そういうことを、何か事件とからんで真相を言われないということは、かえつて証人が非常に不利益になる。おつしやらなければよろしいんです。これは事件関係があるから、不利益を受けるとお感じになつた証言を忌避されてもけつこうです。私ども本委員会としては、要するにあなた方を罪人にするという意味で調べてるのじやない。何も証人を全部呼んで、悪いことをここで探し出して、そうしてこれを摘発するとか告訴するというような意図のもとにやつているのではなくして、多くの公団が非常に世の中の疑惑を受けて、不正事実が多い。一体そういう告発をするに至つた真相はどこにあるかという、それをこの委員会では調べたいのであります。そういう見地から言うと、先ほどのあなたが言われた予算外支出の二千二百八十万円の帳簿、これは私が聞きましたところが、本村経理部長はあなたと相談の上で、あなたの命令を受けて、すべての書類を焼いたと言う。実に一同唖然としたのであります。そこで焼いたなら焼いたでよろしいが、その金のことがわかるといつて聞いたところが、大体品目も、支出の内容もわかると言う。どうしてわかるかと言つたところが、備品は大体どれくらい買つた人件費予算外の支出はこれこれ、会議費はこれこれとわかつておる。わかつておるならばその書類を提出してもらいたいと言つて、ここに書類が提出されて来た。これを見ますと、そろばんを入れてみると、皆もう間違つておる。大体飲み食いした金というもの、事務費会議費の内訳みたいなものがあるが、月日別にすつて見ますと、常盤に行つた、どこに行つた、だれだれ外何人とありますが、このそろばんが合わない。委員会に提出する書類、しかも印刷したものがそろばんが間違つておる。総計においてもこれは合わない。備品はわかると言つておられる。この備品もただ大ざつぱに幾ら幾らというだけで、備品の内容というものはわからない。それでどうして焼かれたかということを、私どもはあえて追究はしません。もしこれが事件関係ありというお考えのもとに証言を拒否されることは、当然だからよろしい。そうすると私ども委員は、別個の立場に立つて、この措置というものは検事局に告発しなければならぬ事件がたくさんある。委員会でやらないというならば、私は一個の委員としてこれを検事局に告発しなければならぬ問題がたくさんある。証拠隠滅をやつたものもあるし、虚偽の領收書をとつておるものもある。公団内部において不正をした事実がある。私たちは罪人をつくるためにやつておるのではないのだから、でき得べくんば真実を述べてもらいたい。あなたはこの前証人として立たれたときと今回とは大分かわつておる。たいへんりつばなことをおつしやつたが、それをわれわれがまた事こまかく調べてみると、まつたくあなたの証言と違つた事態が実に公団にたくさんある。そういうことを前提としてお伺いいたしますが、もし私がこれだけ申し上げても真実をおつしやらないというならば、私は委員として相当の考えを持つて、今後その方向に向つて行かなければならぬ。そうすれば私はもう質問を打切つてもよい。十分なる証拠を持つている。ただちに私は検察にそれらのものをやらなければならぬ。そういうことをいたしたくないのでありますから、ほんとうのこと言つてくださいというのであります。ここであなたが、私が命令して焼いたと言つたかというて、私どもが検察局に行つで、あなたの罪を摘発するようなことは、本委員会としてはやらないのであります。真相がわかればいい。こういう間違いがどうしてできたのかということがわかればよい。これだけ申し上げたら大体御納得が行くだろうと思います。あなたも一度は副総裁という名前を持たれたのですから、そのときの真相はどうですか。二千二百八十万円よりも多かつたのじやないですか。書類を焼いたからには、何か不正がなければ焼く必要はない。不正があつたから焼いたのである。検察に上つたのは二千三百八十万円であるけれども、実際にはそれ以上の金が不当支出をされているという証拠を私どもは握つておるのでありますが、その点についてはどうですか。
  644. 西川英三

    西川証人 そういうことは全然ございません。
  645. 菅家喜六

    ○菅家委員 どうしてその書類を焼かれたのですか。
  646. 西川英三

    西川証人 これは答弁できません。
  647. 菅家喜六

    ○菅家委員 答弁できないですか。
  648. 西川英三

    西川証人 はい。
  649. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしここで答弁しないと言えば、しいて聞きませんが、これは本村という人がこの間、あなたの命令で焼いたということをはつきり言うておるから、そういうことを言われないと、実際変なものになりますよ。
  650. 菅家喜六

    ○菅家委員 それではもう聞く必要はない。この証人は、本委員会に対して真実を述べる意思がないと思います。しかもその部下であつたすべての証人がこれらのことを言つておるのに、検察に要件が上つておるということを口実にして、証言を拒否しておりますが、私どもは別個の立場において、この証人には断固たる措置をとりたいと思います。これ以上質問をする必要はないから、これで質問を打切ります。
  651. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 梨木委員
  652. 梨木作次郎

    ○梨木委員 私の質問がもし前に出ていることでありましたら、委員長の方で注意していただきたいと思います。  大豆奨励金というのを価格の中に織り込むということ、このことはあなたの方から主張されて、農林省なり安本なりに、こういう希望を達成できるように同意してもらいたいというふうに持つてつたのか、あるいは農林省や安本の方からそういう申入れがあつたのか、これはどちらでしようか。
  653. 西川英三

    西川証人 一番初めの事情になると、ちよつと記憶がはりきわしない点もあると思いますが、大豆増産予算を請求して、それが全部大蔵省でけられた。そのために、そういうことではいかぬじやないかということで、官が主になつたか民が主になつたか――要するにこれは民の方からそういう陳情をしてやつたと思いますが……
  654. 梨木作次郎

    ○梨木委員 官が主になつたか、民が主になつたかはつきりはしないかとおつしやるのですか。
  655. 西川英三

    西川証人 やはりたびたび会議を開いたと思いますが、イニシアチーブをどつちがとつたかということは、はつきりしていないと思います。
  656. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではこういうように伺いましよう。大豆奨励金予算に織り込んでもらうようにます要求したのは、農林省でしようね。
  657. 西川英三

    西川証人 そうでございます。
  658. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこで農林省の方では、大蔵省でけられたということになるわけですね。
  659. 西川英三

    西川証人 農林省では省議をまとめて、まず大蔵省に交渉したのです。
  660. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところがそれがけられてしまつたという……
  661. 西川英三

    西川証人 はい。
  662. 梨木作次郎

    ○梨木委員 けられてしまつたので、自分たちだけではうまく行かないから、民間の方の力も借りようということになつて、あなたの方に相談でもあつたということになるわけでしようか。
  663. 西川英三

    西川証人 それは相談のある前に、おそらく民間の方から、そういう方法がないかという意思表示をしたのじやないかと思います。
  664. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それでは民間とおつしやるのはどういう団体、あるいはどういう人々でしようか。
  665. 西川英三

    西川証人 大豆の加工業者、それから大豆の生産者団体、そういうものが民間団体です。
  666. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そういう方から起つたのですか。
  667. 西川英三

    西川証人 はい。
  668. 梨木作次郎

    ○梨木委員 当時は大豆協会というのはあつたのでしようか。
  669. 西川英三

    西川証人 そういうものがこしらえるときにはあつたわけです。
  670. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会は二十一年にできたのです。
  671. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこで、この予算がとれないので、価格に織り込むということになつたわけですね。
  672. 西川英三

    西川証人 はい。
  673. 梨木作次郎

    ○梨木委員 価格に織り込むについては、これをどういうように使うかということですが、この点について相談がありたと思いますが、その相談にあずかつたおもな人々、それは官庁も入つているだろうと思いますが、官庁並びに民間の人々のおもな人の名前がわかつてつたら聞きたいのです。
  674. 西川英三

    西川証人 その第一回のときは、大豆協会の常務理事ちようどなくなつておりますからわかりませんが、前農林技官の野坂象之という人が中心にやつたと思います。
  675. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これは農林省の役人ですか。
  676. 西川英三

    西川証人 農林省の役人をしておつて帝国油糧理事から大豆協会の常務理事になつたのです。
  677. 梨木作次郎

    ○梨木委員 農林省や安本の人々は……
  678. 西川英三

    西川証人 安本はそのときは関係していないと思います。農林省はそのときは坂田英一さんです。
  679. 梨木作次郎

    ○梨木委員 こういう人たちが、この価格に織り込むことについて相談したのですね。
  680. 西川英三

    西川証人 そうです。
  681. 梨木作次郎

    ○梨木委員 織り込んで、これをどういうように使うという相談ができましたか。
  682. 西川英三

    西川証人 販売代金が幾らあつたということで、大体の收入予算が立てば、それについてどういう費目に使うかということは、当然相談があつたわけであります。
  683. 梨木作次郎

    ○梨木委員 いや費目に使うのはよろしいが、たとえば大豆協会に相当巨額の金額が交付されておりますね。その金額、それをどこへ割振つてやるというようなことは、どこできめましたか。どういう団体へどれだけ出すというのをきめられたのは、…
  684. 西川英三

    西川証人 それはきめたと思います。
  685. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それはいつごろのことでありますか。
  686. 西川英三

    西川証人 年度々々で違うので……
  687. 梨木作次郎

    ○梨木委員 最初まず予算がけられたので、そこで何とかこれを捻出するために、価格に織り込むということの相談をきめたのは、野坂さんとか坂田さんですね。
  688. 西川英三

    西川証人 はい。
  689. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは大体いつごろですか。
  690. 西川英三

    西川証人 それは昭和二十一年の十二月か、あるいはその次の年かと思います。
  691. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そこで伺いたいのですが、こういうように予算がけられた場合に、たとえば公団が扱つている品物の公定価格に織り込んで引出して行くというようなことは、この油糧公団だけでなくて、他の公団でもしばしばやつているでしようか。
  692. 西川英三

    西川証人 その点私は寡聞にして知らないのですが……。ほかの公団の場合、ほかの品種について行われているかどうかということは知らない。
  693. 梨木作次郎

    ○梨木委員 しかしだれがこういうことを考え出したのですか。方々でやられているから、こういうようなやりくりを考えたのではないか。
  694. 西川英三

    西川証人 そういうふうにお考えになるのはごもつともかと思いますが、私はどこでどういうことをやつているとか、どの品種に何があるかということはわからないので、今の御質問にお答えできないのは残念であります。
  695. 梨木作次郎

    ○梨木委員 さつきの農林省の坂田さんというのは、当時何をやつておりましたか。
  696. 西川英三

    西川証人 農林省の食品局長です。
  697. 梨木作次郎

    ○梨木委員 次に、百二十万円の自動車は買つたんですか。
  698. 西川英三

    西川証人 自動車は買つてあるわけです。
  699. 梨木作次郎

    ○梨木委員 この自動車を買うということと、大豆の奨励とはどういう関係になるのですか。
  700. 西川英三

    西川証人 それは全然関係がありませんから、大豆協会の一般費で買う、こういうふうにとりきめたわけであります。一般費と申しますのは、会員の醵出金、つまり増産奨励金とは全然関係のない金です。
  701. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それは百三十万円もあるのですか。
  702. 西川英三

    西川証人 会費として出すのですから……
  703. 梨木作次郎

    ○梨木委員 出すにしても現実にあつたんですか。
  704. 西川英三

    西川証人 そのときには入る見込みで、確実にあつたわけです。
  705. 梨木作次郎

    ○梨木委員 そのときには見込みがあるというだけで、現実には百二十万円なかつたんですな。
  706. 西川英三

    西川証人 その点は私は会計をやつておりませんから……
  707. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それではもう一点伺いたい。大豆協会の一般経費といいますか、それは一体どれくらいの金額ですか。この自動車を買う年の金額は……
  708. 西川英三

    西川証人 百八十万ないし二百万くらいの予算を立てたと思います。
  709. 梨木作次郎

    ○梨木委員 百八十万ないし二百万。
  710. 西川英三

    西川証人 はい。
  711. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その中から百二十万円出して、自動車を買うというわけになるのですな。
  712. 西川英三

    西川証人 ……
  713. 梨木作次郎

    ○梨木委員 これは経理の常識から言つておかしいじやないか。あんたはこういう支出の仕方は正しいと思いますか。
  714. 西川英三

    西川証人 私はそのときに、今御指摘になるように、それは経理上まずいとか、そういうことは考えなかつたわけです。
  715. 梨木作次郎

    ○梨木委員 考えなかつた……
  716. 西川英三

    西川証人 はい。
  717. 梨木作次郎

    ○梨木委員 だつて百八十万か二百万しかない一般経費の中から百二十万円も自動車を買うために使えば、これはたいへんな仁とになると思うのですが、それをあなたはお考えにならなかつたのですか。
  718. 西川英三

    西川証人 当時理事会においても、その点については掘り下げて問題にならなかつた
  719. 梨木作次郎

    ○梨木委員 掘り下げなくてもすぐわかることですが、どうでしようか。
  720. 西川英三

    西川証人 ……
  721. 梨木作次郎

    ○梨木委員 どうでしようか。
  722. 西川英三

    西川証人 ……
  723. 梨木作次郎

    ○梨木委員 それはどうもおかしいと思う。常識として考えても変じやないですか。
  724. 西川英三

    西川証人 ……
  725. 梨木作次郎

    ○梨木委員 お答えにならなければけつこうです。もう一点伺いたいのですが、さつきの委員長質問に対して、いわゆる大豆奨励金というものを価格に織り込んで、そうしてそれを別途に積み立てるということはよくないことだということを、大体御承認になられたようでありますね。
  726. 西川英三

    西川証人 はい。
  727. 梨木作次郎

    ○梨木委員 ところが、よくないことだが、しかし関係官庁の承認があつたから、原則的にはかまわないのだろうと考えておられたというふうに言われましたですね。
  728. 西川英三

    西川証人 はい。
  729. 梨木作次郎

    ○梨木委員 一体惡いことは惡いことなんですな。その惡いことも、関係官庁の承諾があればやつてもいいというような考え方で、公団仕事をしておられるのでしようか。明らかにこれは悪いことだということは、いくら関係官庁の承認があつたからといつて、それによつてその責任は回避されるものでないと思うのですが、それはどういうように考えつおつたのですか。
  730. 西川英三

    西川証人 その責任は決して回避するものでありませんが、当時の事情から言いますれば、二十一年からそういう費目ができて、そうしてそういうことを行つて来たわけです。公団ができましたのは二十三年の二月ですから、今まで一年ないし二年やつて来ていることです。公団になつて初めてそういうことがあれば、もつと愼重な検討が当事者閥になされたと思いますが、継続された方式であつたために、深くこの点を掘り下げずに、そういうことが行われたということになると思います。
  731. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはよくこの前も伺つたんですが、あなた方は、公団は公法人である、国家の代行機関であるということが頭になかつたんでしよう。なるほど帝国油糧のときはそういうことがあつたでしよう。これは統制会社なんです。株式会社なのです。いやしくも今度公団になつた以上は、趣旨は国家にかわつてやることなんですよ。その見わけをされぬということは情ないと思うのです。
  732. 西川英三

    西川証人 その点は特に私は官庁の経験を持たなかつたために、経率であつたというふうに思つております。
  733. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが根本です。
  734. 西川英三

    西川証人 公団制度をつくるときに、そういうふうなものはつくるべきではないじやないか。やはりビスネスをやるのだから、一つのせいぜい公社的なもので行くべきじやないかというので、ほんとうを言えば公団というものがどんなものか、言葉は惡いが、日本人はだれも知らなかつたんじやないかと思うのですが……
  735. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても、できて、あなた方は公務員の資格を得たんだから……
  736. 西川英三

    西川証人 そのときに頭の切りかえをやらなかつたということについては、御批判を受けます。
  737. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが根本なんです。それからさつき私も言つたんですが、自動車のことなんか、野村君の証言といい、きのう出て来たあれの証言といい、あんたがそういうことを知らぬでは、われわれ合点がいかぬですよ。
  738. 西川英三

    西川証人 しかしそのことについては、私の性格はおそらく今までの証言を通じて、よくおわかり願つたと思つておりますが、知つていることははつきり知つていると申し上げているはずです。
  739. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知つているどころでない。通常費から出すなんということはあり得ることでない。自動車を買うのに使うから、百二十万円出せと言つて頼んだと言うけれども、ぼくらから言わせれば、生殺與奪の権を持つている者が言うのだから、御用金を仰せつけているのですよ。
  740. 梨木作次郎

    ○梨木委員 その自動車には一体だれが乗るのですか。
  741. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 和田が乗つている。御用金を仰せつけているのです。ほんとうに知らぬのですか。
  742. 西川英三

    西川証人 はい。
  743. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 われわれは何もここであんたを偽証罪で告訴しようと思わぬけれども、偽証罪で告訴しようかと思つて来るのですよ。他に何か……
  744. 横田甚太郎

    ○横田委員 証人は非常に巧妙な答弁をしましてややこしいので、人の名前だけちよつと聞いておきたいのですが、十一月十一日にここへ呼ばれた場合に、鍛冶委員長のお尋ねに対しまして、当時の議長は、農林大臣代理として農林事務次官が、列席されたのであります、とありますが、この農林大臣、農林事務次官はだれをさしているのでありますか。
  745. 西川英三

    西川証人 農林事務次官で列席されたのは、笹山さんでありますから覚えておりますが、その時は波多野さんでしたか、平野さんであつたか、あるいは周東さんであつたか、その点見当がつかないのです。二十三年二月の農林大臣はどなたであつたか、お調べになつたらわかると思います。
  746. 横田甚太郎

    ○横田委員 次に「前農林大臣の周東英雄さんが」となつております。これはいずれも前農林大臣となつております。その次に「農林大臣の許可をもらいまして」と書いてありますが、この許可をもろうた場合、鍛冶委員長から公団ができてからさつきの油糧産業のように、公団の者が大豆協会に下つて行くというようなことはありませんでしたか。」西川証人「それはございませんが、農林大臣の許可をもらいまして、」と書いてあるのですが、この場合の農林大臣はたれですか。
  747. 西川英三

    西川証人 兼職の承認ですね。
  748. 横田甚太郎

    ○横田委員 ええ。
  749. 西川英三

    西川証人 兼職の承認のときの農林大臣ですね。波多野さんか、永江さんか、どなたかだつたと思います。
  750. 横田甚太郎

    ○横田委員 周東さんにそれは全然関係ないのですね。そうすると、混同しまして非常にややこしくなつたので、周東さんは非常にお気の毒だつたと思います。波多野さんもおられるし、永江さんもおられるし、社会党の和田さんもおられるので、非常にややこしくなつたのですが、この場合もう一回申しますと、鍛冶委員長公団ができてから、さつきの油糧産業のように、公団の者が大豆協会に下つて行くというようなことはありませんでしたか。」西川証人「それはございませんが、農林大臣の許可をもらいまして、私と大豆室長と」これは大豆部長の間違いだろうと思いますが、「大豆部長と大豆増産本部長が大豆協会理事の依嘱を受けて、正式に就任しておるわけであります。」こう書いてあるのですが、その場合の農林大臣は波多野さんか、永江さんですね。
  751. 西川英三

    西川証人 周東さんは関係はございません。私もそのときに周東さんのお名前は出してないはずですが、何かの間違いじやないでしようか。
  752. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしいですか。
  753. 横田甚太郎

    ○横田委員 よろしいです。
  754. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや済みました。御苦労さんでした。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午後六時二分散会