○飯島政府
委員 文書表第一四八号、佐世保九十九島等を
国立公園に
指定の
請願につきましては、従来五島列島、佐世保が軍港地帶になつておりましたために、自然景観の概要を調査する機会もございませんでしたが、最近軍港の転換その他の諸問題に関連いたしまして、比較的軍事施設の地域に自然景観の保持されている要素が多いということを、地元の佐世保市並びに長崎県からいろいろの資料を
提出されたことによつて了知いたしたのでございまして、この点は至急に事務能力と比較調査の進度との調整によりまして、できるだけ現地調査の上、何分の処置を決定したいと考えております。
それから第一〇四四号、
藝北公園を準
国立公園に
指定の
請願につきましては、帝釈峡並びに藝北地帶の渓谷を中心とした自然景観地区を準
国立公園に
指定されたいという
請願でありますが、この点につきましては、諸文献によつて明らかでありますが、はたして日本の自然景観を代表するに足る傑出した景観であるかどうかにつきまして、なお相当調査をする余地がございますので、至急に調査を進めて、措置を決定したいと考えておるわけでございます。
第一二四三号、
妙高戸隠地帶を
国立公園に
指定の
請願、これにつきましては、中部山岳
国立公園を
指定いたしまする際に、妙高並びに戸隠、赤倉スキー場等を
国立公園の地域に編入した方が適当ではないかという意見もあつたのでありますが、糸魚川渓谷と姫川渓谷では若干自然景観を異にいたしておりますので、中部山岳
国立公園指定の際には除外されたのでありますが、最近国際的スキーの利用、その他田口以西の地域が日本における最も降雪量の多い地方でもありますし、自然的にもウインター・スポーツとしての利用の点を考えますると、他に比較して傑出した自然諸条件を備えておると考えられますので、調査でき次第中部山岳
国立公園の地域に編入することが適当ではないかと考えて、目下調査を進めておるわけでございます。
第一二七五号、
皇居前
広場に新憲法記念平和の鐘楼建立
敷地借用に関する
請願でございますが、
皇居前
広場は、現在公園として公共
福祉用財産となつておりますので、この地域に憲法記念平和鐘楼を建設することが適当であるかどうかということは、さらに法律に基いて国家意思が決定すれば明らかになるわけでありますが、現在のところ平和の鐘楼と
皇居外苑の国民公園としての運営との関連性が、はなはだ稀薄なものと考えられますので、この建立について敷地を借用することは、必ずしも適当ではないと考えておるわけでございます。
第一七七九号、
伊豆七島及び伊豆平島一帶の区域を海洋
国立公園に
指定の
請願、これは日本の南方亜熱帶地域の諸島嶼のうちで、自然的にまた地理的に考えて、海洋思想の普及、その他船に乘つて回遊する地域といたしましては、伊豆牛島から七島をまわるということが最も適当であつて、将来横浜あるいは東京方面に外人が来る際に、この地域にヨツトの施設あるいは利島に出ている温泉なんかを活用した方がいいではないかという意見がございまして、東京都において調査を進めておりますが、これまた事務的には陸上の施設と海上の施設を一貫した運営をしなければならないと考えておりますので、伊豆半島の南伊豆方面と総合的な一環として、海洋
国立公園にできるかできないか、目下関係者の意見を徴しておるわけでございます。
第一九八二号、須賀の山を
国立公園に
指定の
請願及び第二四六六号、帝釈峡と道後山及び比婆山を結ぶ地域に準
国立公園に
指定の
請願、後者は、その渓谷並びに水蝕によつてできた土の橋が帝釈峡の特異なる景観を呈しておりますが、これらを至急に調査いたしまして、はたして
国立公園として、その自然景観が国土を代表するに足る傑出したものであるかどうかということについて、前の
藝北公園と同様に研究調査の必要があると考えておるのであります。須賀の山につきましても同様でございます。
第二四八二号、
皇居前における
観光ホテルの
建設敷地変更に関する
請願、これは
皇居外苑の元
法制局跡地に
観光ホテルを約三十三億の外資導入によつて建設したいという、その敷地を他に移した方がいいではないかという
請願でございます。これは現在公共
福祉用財産として厚生省の所管になつておる地域と離れたものでございますので、少くともこの地域以外の公共
福祉用財産に
観光ホテルを
設置することにつきましては、
皇居前の一元的な総合的運営の点から考えて、必ずしも適当でないと考えますので、現在の敷地以外には敷地として適当な敷地はないと考えておるわけであります。
第二五七三号、木花村、
都井岬間海岸地帶を準
国立公園に
指定の
請願でありますが、これは青島から折生迫を通じて都井岬に至る海岸道路一帶を準
国立公園に
指定せられたいという
請願でございますが、日本国内における臨海道路として最も発達しておる地域でありまして、熱帶的な植物景観も各所に散在いたしておりますので、これを道路公園というような着想を取入れて、臨海並びに層状節理の自然現象を
国立公園として
保護することが適当であるかどうかについて、現在調査を進めておるわけでございます。
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