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1950-04-07 第7回国会 衆議院 厚生委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年四月七日(金曜日) 午後一時五十四分
開議
出席委員
委員長代理理事
松永
佛骨
君
理事
青柳
一郎君
理事
大石 武一君
理事
田中
重彌君
理事
中川
俊思君
理事
岡 良一君
理事
苅田アサノ
君 今泉 貞雄君 亘 四郎君 堤 ツルヨ君
出席政府委員
厚生事務官
(
医務局次長
) 久下 勝次君 厚 生 技 官 (
医務局長
) 東 龍太郎君
委員外
の
出席者
参議院議員
中山
壽彦君
参議院参事
(
法制局
第一部 長) 今枝 常男君
参議院参事
(
法制局
第一部 第一
課長
)
中原
武夫君
参議院專門員
草間 弘君
衆議院專門員
川井
章知
君
衆議院專門員
引地亮太郎
君
—————————————
四月六日
立川郊外
元
進駐軍兵舎
を
結核療養所
に
移管促進
の
請願
(
土橋一吉
君外一名
紹介
)(第二一六六 号) 日の
基社会事業団寮居住者
の
援護
に関する
請願
(
神山茂夫
君外一名
紹介
)(第二一六七号) サントニン原薬草「みぶよもぎ」
栽培奬励
に関 する
請願
(
笹山茂太郎
君
紹介
)(第二一七七 号)
引揚医師
の
国家試験受験回数制限緩和
に関する
請願
(
佐竹晴記
君
紹介
)(第二一七八号) 同(
大西正男
君
紹介
)(第二一七九号) 同(
河本敏夫
君
紹介
)(第二一八〇号) 同外一件(
足立篤郎
君
紹介
)(第二二〇六号) 同(
船田享二
君
紹介
)(第二二三六号)
薬事法改正
に関する
請願
(
大村清一
君
紹介
)( 第二二〇三号) 遺族の
援護対策確立
に関する
請願外
二十一件(
高木吉之助
君
紹介
)(第二二〇五号) 新宮市の
母子寮建設促進
に関する
請願
(
世耕
弘一君
紹介
)(第二二二四号)
あん摩術営業法案反対
に関する
請願
(
田中伊
三 次君
紹介
)(第二三一〇号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
医療法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第一 四八号)(予)
精神衛生法案
(
中山壽彦君外
十四名
提出
、
参法
第三号)(予)
—————————————
松永佛骨
1
○
松永委員長代理
これより
会議
を開きます。
精神衛生法案
を議題といたします。本日はまず
参議院法制局
第一部
中原
第一
課長
より、前回聴取いたしました
提案理由
の
説明
の
補足説明
を聴取することといたします。
中原説明員
。
中原武夫
2
○
中原参議院法制局参事
逐條的に
法案
の
内容
について御
説明
申し上げます。 この
法案
では現在行われております
精神病者監護法
と、
精神病院法
と幾分の
関連
はございますが、大
部分
の
規定
が新しい規正でございます。
関連
のある
部分
については、現在の
法律
との
比較対象
もあわせて申し上げることにいたします。 第一章は総則でございますが、現在の
精神病者
の
監護法
は
精神病者
を監置するということだけを
規定
いたしております。
不法監禁
を防止するという
観点
からのみ
精神病者監護法
というものができ上
つて
おります。
精神病院法
は
精神病院
を
設置
するということだけが
規定
されております。この
法案
におきましてはそういう個別的な
観点
でなくて、
精神障害者
の
医療
、
保護
、さらに進んでの
予防
までもあわせて総合的に行うという
立場
をとることにいたしております。それが第一條にこの
法律
の目的として
規定
されております。そういう
観点
から国及び
地方公共団体
は
医療施設
を整備することによ
つて
、また
教育施設
のうち
精神障害者
に対する
特殊学級
というものを整備することによ
つて
、またある程度
治療
を終えたものに対しては、
社会
へ復帰するために必要な
適応性
を強化して行くという
施設
も整備することによ
つて
、
精神障害者
の
社会性
に対する
適応性
を高めるように努力するとともに、
一般
の
国民
に対しましては
精神衛生
に関する
知識
の
普及向上
をはか
つて
、でき得れば
予防面
にまで力を注がなければならないということが第
二條
に
規定
されております。 第三條におきましてはこの
法案
が
対象
といたします
精神障害者
の
範囲
を
規定
してあります。従来は
精神病者
、しかもその
精神病者
のうち
社会生活
に極度に弊害を及ぼすものだけを取上げておりましたが、この
法案
におきましてはいやしくも正常な
社会生活
の発展の上に少しでも
障害
になるような
精神
上の
障害
を持つものは全部
対象
といたしまして、
精神病者
のほかに
精神薄弱者
、
精神病質者
も加えたのであります。これによりまして
精神障害者
は三百三十万から四百万と推定されております。そういう三百三十万ないし四百万人の
精神障害者
のうちで、
病院
に
收容
して
療養
を必要としなければならない者の推定は、各国が整備しております
精神病院
における
ベット数
の基準から推測いたしますと、十万ないし二十万かと
考え
られます。それに対しまして現在の
精神病院
の
ベット数
は二万床くらいしかございません。ことに
都道府県立
の
精神病院
は十箇所しかない
状態
であります。そういう
状態
を改善して、少くとも
入院加療
を要するものは
精神病院
なり、
精神病室
へ
收容
して行くためには、もう少し本気で
精神病院
の
設置
を
考え
なければならぬという
立場
から、第二章の四條及び
五條
、六條におきましては
收容施設
のうち、
精神病院
に関する
規定
を置いてあります。この
精神病院
につきましては、現在の
精神病院法
の
立場
をそのまま踏襲いたしたのでございます。ただ違います点は、「
都道府県
は、
精神病院
を
設置
しなければならない。」といたしまして、従来のように、
主務大臣
の
設置命令
があつたときにだけ
都道府県
は
設置
できるのだという、あいまいな
態度
をさらに一段と進めて、
義務制
にまでいたしたのであります。 第
五條
にございます
指定病院
は、現在
代用病院
と言われているものと実体は同じであります。その
設置
に対しましては、国が二分の一を補助することといたしております。 それから
七條
から十
二條
にわたりましては、
精神衛生相談所
に関する
規定
でありますが、
精神病院
へ
收容
すべき
精神障害者
以外の
精神障害者
につきましては、あるいは
自宅療養
をする場合に何らかの
指導
が必要であり、
相談
に応ずる
機関
が必要なのであります。そういう役割を一面において果すと同時に、
保健所
が行
つて
おります
衛生行政
と表裏一体をなしまして、
啓蒙運動
、さらに
予防運動
にまで乗り出して行こうという仕事を
内容
といたしまする
精神衛生相談所
を、
都道府県
と、
保健所
を
設置
する市が
設置
するということにいたしたのであります。これに対しましては同じく
国庫
が二分の一を補助することにいたしております。 第三章の
精神衛生審議会
は、先ほど申し上げましたように、
精神衛生行政
の面は非常に立ち遅れておりますので、これを強力に推進して行くためには、もう少し
專門家
が中心に
なつ
た
推進機関
が必要であるという見地から、
專門家
と
関係行政庁
とが一体になりました
審議会
を設けることといたしたのであります。これが第三章の
規定
であります。 第四章は、
精神衛生鑑定医
の
設置
に関する
規定
でございます。
精神障害者
は、正しい自己の判断ができない場合が非常に多いのでありまして、そういう虚に乗じて、ややもすれば
不法監禁
が行われる
傾向
がございます。それを防止するためには、いやしくも
長期
にわた
つて
身体の自由を
拘束
する原因を、
精神障害
という
病気
だけに限る必要があります。その判定を
精神衛生鑑定医
がやるということにいたしたのであります。その
精神衛生鑑定医
は「
精神障害
の
診断
又は
治療
に関し少くとも三年以上の経験がある」ということを
條件
といたしております。 第五章は、
医療
及び
保護
に関する
條項
でございますが、この第五章は大きくわけまして次のような項目にわかれます。第一は、
精神障害者
と
決定
された春の
保護義務者
はだれであるかということ。それから第二は、
医療
及び
保護
を必要としている
精神障害者
を、いかに
国民
全体が漏れなくつかむような体制をつくるかということ。それから第三には、
精神障害者
のうち非常に悪い者は、これは
本人
の
意思
に反しても、また
保護義務者
の
意思
に反しても、
知事
の
決定
によ
つて
、ある程度意に反する
入院処置
を講ずる必要があるというために、
知事
による
入院処置
に関する
條項
がございます。それほどひどくないけれども、ただ
自宅
に置きつ
ぱなしにしておくとあぶないという精神障害者
につきましては、指定した医師が
巡回指導
をするということにいたしております。
一般
にただ
自宅
で
療養
すればいい、あるいは
自宅
に置いておけばいいという
精神障害者
に対しましては、先ほど申し上げました
精神衛生相談所
が活動して行くという
考え
方をと
つて
おります。
最後
にどうしてもやむを得ない事情によ
つて
、ただちに
精神病院
へ
收容
することが不可能な場合があります。それはたとえば八丈島のようなところで、
入院処置
を要する
精神障害者
を発見いたしましても、ただちに
病院
べ
收容
することができないことが多いのであります。そういう場合の臨時的な
措置
としまして、二箇月の
期間
を限る
保健拘束
という
制度
が
最後
に設けられております。 ただいま申し上げました
條項
を
條文
によ
つて
御
説明
いたしますと、
保護義務者
に関します
規定
は二十條から二十
二條
でございます。これは
精神病者監護法
がと
つて
おりました
態度
をそのまま踏襲いたしております。
精神障害者
の
保護義務者
には後見人、
配偶者
、親権を行う者、
扶養義務者
のうち
家庭裁判所
が選任した者が当ることにな
つて
おります。二十三條から二十六條までは、先ほど申し上げました
国民
全体が協力して、
精神障害者
に対する
医療
及び
保護
が欠けることのないようにするための綱を張る
規定
でございます。二十三條は、
国民
はだれでも
知事
に対して
精神衛生鑑定医
の
診察
を経て、必要な
保護
を求めることができるということを
規定
いたしております。その中で警察官とか、検察官とか、
拘置所
、
刑務所
、
少年刑務所
、少年院、
少年保護鑑別所
の長は、職務上
精神障害者
を扱うことが非常に多いので、これらの人々に対しましては、必ず
知事
へ
通報
してもらいたいという
通報義
を課することといたしました。そういうような
通報
がありました場合には、
知事
は
精神衛生鑑定医
を向けまして、その者がどうしても
入院
を必要とするかどうかの
鑑定
をいたします。そうして
入院
を必要とする
決定
がありました場合には、二十九條によりまして、
本人
及び
保護義務者
の
同意
がなくても、
精神病院
へ
收容
することができるということにいたしたのであります。ただこの場合には、必ず二人以上の
精神衛生鑑定医
の
診察
の結果が、
両方
とも
入院
を必要とするのであるということに
意見
が一致した場合に限るという
條件
をつけて、それ以外の
理由
によ
つて收容措置
が行われないように警戒をいたしました。その
費用
は
都道府県負担
といたしまして、国が三分の一を補助することといたしてあります。 三十三條、三十四條は、これは
知事
が介入するのでなくて、
保護義務者
が
精神病院
の長に対して、
本人
は
反対
であるけれども、何とか入れてもらいたいというような場合の
規定
を特に置いたのでございます。これは
本人
の
意思
に反するという
意味
から、特に
規定
を設けました。三十四條に仮
入院
という
條項
がございますが、
精神障害
の
鑑定診断
をい失しますには、ある程度
長期
の経過を見なければならないことがありますので、三週間を
限つて
仮
入院
をさせるということにいたしたのであります。ただ
病院長
と
保護義務者
とのとりきめだけで
入院措置
、あるいは仮
入院措置
が行われました場合には、必ず
都道府県知事
に届出て、
都道府県知事
は
精神衛生鑑定医
に
診察
をさせまして、その場合も二人以上の
意見
が
入院
を継続するということに一致しなければ、退院を命ずるということにいたしたのであります。これらは非常に嚴格な
制限
を設けましたのは、
精神病者監護法
がと
つて
おりました
不法監禁
を防止するという
精神
だけをここに踏襲したのであります。 四十
二條
の
観察保護
という
規定
が、先ほど申しました
巡回指導
をして行く
規定
でございます。これはケース・ワーカーの
制度
を本格的にではございませんが、ここに取入れたのでございます。 四十三條・以下に
保護拘束
の
規定
がございます。
保護拘束
は二箇月の
期間
を
限つて
、ある程度
保護義務者
が自由の
拘束
をする場合であります。従来の
精神病者監護法
によります
私宅監置
という
制度
は、座敷牢を設けまして、恒久的にいつまでも
精神病者
を監置するという
制度
でありましたが、
観察保護
は臨時的なものであり、しかも
期間
を二箇月と限定されたものであります。二箇月の間に
保護拘束
をされておる
精神障害者
は、
知事
が必ず
入院措置
をとらなければならないということにいたしてあります。 五十條に刑または
保護処分
の
執行
との
関係
を念のために規託しておきました。
刑務所
その他の
矯正保護施設
に
收容
する
処分
と、二十九條にあります
知事
が
精神病院
へ
入院
する
処分
とが
競合
いたしました場合には、刑または
保護処分
の
執行
が先立つことを第一項で明記してあります。第二項では、
矯正保護施設
に
收容
中の者については、この
精神衛血法
による
措置
はやらないのだということを明らかにしたのであります。ただ
犯罪傾向
のある
精神障害者
が、未だなおらずして
社会
へ送り出されることは困りますので、そういう者については、
刑務所
の門を出たとたんに
知事
が引継げるように、二十六條の
通報
に関する
規定
と、二十
七條
の
精神衛生鑑定医
が
鑑定
に出かけて行くことができるという
規定
だけを生かしておいたのであります。 以上がこの
法案
の
内容
でございます。
松永佛骨
3
○
松永委員長代理
本案に対する質疑の通告があります。これを許します。
青柳委員
。
青柳一郎
4
○
青柳委員
簡單に二、三承りたいと思います。まず第一には、この
法案
によりますと、
精神病院
または
精神病室
の
増設
、またはその運営に関し、または
精神衛生鑑定医
の
設置
について、または
巡回指導
の方法を講ずるために、または
精神衛生相談所
を設けるために、また
精神衛生審議会
を設けるために、相当な
予算
が要ると思うのでありますが、この
予算
の
裏づけ
について承りたいと思います。
中原武夫
5
○
中原参議院法制局参事
予算
は、一千万円の
予算
の
範囲
内でまかなうことにいたしております。
青柳一郎
6
○
青柳委員
ベット
の
増設
にいたしましても、また
鑑定医
の
診察
にいたしましても、また
病院
に
收容
される人の
入院
のために必要な
費用
の二分の一も
国庫
が助成するということにな
つて
おりますが、一千万円ではあまりに少いと思うのですが、その問題につきまして、何かお
考え
があるのじやないかと思いますが……
中原武夫
7
○
中原参議院法制局参事
今の
予算
の点は、桁が
違つたの
かしれませんが、
予算書
を向うに置いて参りましたので、後ほど調べて御返事いたします。
青柳一郎
8
○
青柳委員
次に承りたいのは、二十七峰を今御
説明
があつたのですが、前四條の
規定
によ
つて
、
申請
または
通報
のあつた者について、
調査
上必要があると認めたときは、
鑑定医
をして診祭させる、こうあるのですが、
調査
上必要のない場合があり得るのであるかどうか、その点を承りたい。
中原武夫
9
○
中原参議院法制局参事
これは二十三條で、だれでも
保護
の
申請
ができるということを
規定
しているのでございます。ただ虚一偽の事実を
申請
した者だけは、罰則にかけるということにしてありますので、
保健所長
を通じて参りますから、
保健所長
か一応見まして、
精神衛生鑑定
を受けなくてもいいような場合もあり得るのではないかということを予想いたしたのでございます。
青柳一郎
10
○
青柳委員
そういたしますと、
保健所
で見て、もう
鑑定
の必要がないという人もあり得る。明らかに
精神病者
である。いわゆる
精神障害者
であるということが明らかになる人があるから、そういう者は除いて、それ以外の者を
鑑定医
の
診察
を受けさせる。こういう御趣旨であるといたしますと、二十九條に、今の三十
七條
を追いかけまして、
都道府県知事
が
病院
に
入院
させるための
規定
があるのであります。この二十九條を追いかけて次の三十條で、そういうふうにして
都道府県知事
が
入院
させた
精神障害者
の
入院
に要する経費は、
都道府県
の
負担
とするということでありますが、
申請
があ
つて鑑定医
の
診察
をやらなかつた人については、
入院費用
を
都道府県
が
負担
しないということに相なると思うのでありますが、その点についてお伺いいたしたいと思います。
中原武夫
11
○
中原参議院法制局参事
ただいまの御
質問
は、
情神衛生鑑定医
が
診療
をしなかつた者が、
入院
した場合はどうなるかということでございますが、その場合には、
保護義務者
が
病院長
と話合いで
入院
した場合には
本人
、あるいは
保護義務者
が
負担
をすることになります。
青柳一郎
12
○
青柳委員
そういたしますと、
精神衛生鑑定医
をして
診察
をさせる必要のないほど、明確な
精神障害者
については
診察
をさせない。その者については
都道府県
が
入院費
を出さないということに相なるわけでありますか。
中原武夫
13
○
中原参議院法制局参事
知事
が
入院
をさせる
精神障害者
は、ほう
つて
おきますと、自分のからだを傷つけたり、他人に害を及ぼし、強度に
社会生活
を破壊するおそれのある者だけでございます。それ以外の者については、この二十九條による
措置
は行われないのであります。従いましてただいま御
質問
がありましたように、
危害
を及ぼさないようなものが
入院
した場合には、
都道府県
は
費用
を
負担
することはないのであります。
青柳一郎
14
○
青柳委員
くどいようでありますが、
危害
を及ぼすような者こそ、
保健所
で
精神障害者
であろということがはつきりするのであります。
従つて鑑定医
の
診察
を要しないということになるのでありますが、そういう者に対して
都道府県
は
負担
をしないことになるように、この
法文
の
解釈
上思えるのでありますが、その点はいかがでございましようか。
中原武夫
15
○
中原参議院法制局参事
先ほど
保健所長
が判断してと申しましたのは、
申請
があつたものが、
精神障害者
ではないことが明らかであるような場合を判断してという
意味
で申し上げたのでありまして、ただいま御
質問
がありましたような者につきましては、これは必ず
精神衛生
、
鑑定医
が
調査
に参ることになるのであります。
青柳一郎
16
○
青柳委員
先ほど私が
お尋ね
したと同じ
お尋ね
をすることになるのでありますが、
精神障害者
の中には、
糟神衛生鑑定医
をして
診察
させるものと、その必要のないものと二種熱があ
つて
、
診察
を必要とするもののみについて、
都道府県
の
負担
があるというふうに
法文解釈
がなるのでありますが、その点をもう一ぺん伺いたい。
中原武夫
17
○
中原参議院法制局参事
二十三條の
法文
をちよつとごらんいただきますと、「
精神障害者
又はその疑のある者を
知つた者
」とあります。その疑いがあるという、この認はは非常に広いのでございまして、この場合には、医学上の
知識
があれば
精神障害者
でないということ、かわかるけれども、
一般
のものにはわからないようなものが含まれております。そういう場合だけが除外されるということを先ほど私は申し上げたのでございますが、そういう点で御了解を願いたいと思います。
青柳一郎
18
○
青柳委員
もう一ぺん伺いますが、私の申し上げるのは第二十
七條
をごらんになりますと「
都道府県知事
は、前四條の
規定
により
申請
又は
通報
のあつた者について
調査
の上必要があると認めるときは、
精神衛生鑑定医
をして
診察
をさせなければならない。」とあります。それで二十九條は第二十
七條
を追いかけております。すなわち前條の
規定
に基いてやつたものは、
費用
の
負担
を
都道府県知事
がやるということにな
つて
おりますが、初めに返
つて
みると、
診察
を受けなかつたものは落ちておる。
診察
を受けなかつたものについては
都道府県
の
負担
がないということになる。
従つて国
から二分の一の貧打がないということになりますが、そのように
解釈
してよろしゆうございましようか。
中原武夫
19
○
中原参議院法制局参事
二十
七條
で「
調査
の上必要があると認めるとき」と書きましたのは、これは
調査
上必要があるときでなくて
調査
の上必要があるときは
診察
をさせる。その
調査
をするときには、
保健所長
の
意見
というものが一応入るわけでございます。
青柳一郎
20
○
青柳委員
私が間違
つて
おるのかと思いますが、
精神衛鑑定医
をして
診察
さしたものだけについて、
都道府県知事
の
負担
があるのですか。こういうことが私の
お尋ね
の根本なのです。逆に言いますと
精神衛生鑑定医
をして、二十
七條
に基いて
診察
をさせなかつたものについて、
都道府県
の
負担
がない。これはおかしいではないかと思うのです。
中原武夫
21
○
中原参議院法制局参事
三十條で
都道府県
の
負担
にいたしましたのは、
本人
、
保護義務者両方
の
意思
に反して」
知事
が、言葉は悪いのですが、半ば強制的に
收容
する場合でございます。
青柳一郎
22
○
青柳委員
そういたしますと、私の読み方が悪かつたと思うのですが、第二十九條の
條文
は、
本人
及び
関係者
の
同意
がなくとも、そういうものだけに限り、
知事
が強制的に入所さしたものについてのみ都道府上県が
負担
をし、国がその三分の二を
負担
をする、こういうことですか。——わかりました。 そういたしますとこの
條文
と、
生活保護法
との
関係
、もちろん
生活
に困
つて
おる人は
生活保護法
で
診療
を受けると思いますが、
都道府県知事
が強制的に入所さしたものについて、
都道府県
の
負担
、これを
裏づけ
といたしまして
国庫
の
負担
がございますが、その
負担
と
生活保護法
とはどちらが優先するものと思いますか。
中原武夫
23
○
中原参議院法制局参事
二十九條による
措置
が行われました場合は、
精神衛生法
が優先いたします。
青柳一郎
24
○
青柳委員
そういたしますと、
精神衛生法
でも
つて
半分の
国庫負担
は
予算
の中から出されておる。
残り
の半分の足らない分については、
生活保護法
によ
つて
支弁して行く。こういうふうなお
考え
でございますか。
中原武夫
25
○
中原参議院法制局参事
生活保護法
の適用を受けておるものについては、ただいま御
質問
がありましたような、
精神衛生法
との
競合
がないのではないかと
考え
ております。と申しますのは、
出漁保護
を受けておるものについては、大体において
保護義務者
に
相当す者
ものがあるのでございます。これは今度の
改正法
によりまして、必ずあることになりますが、その場合には
保護義務者
が必ず
同意
をいたすであろう。こういうふうに
考え
まして、
競合
はないと
考え
たのであります。
青柳一郎
26
○
青柳委員
生活保護法
の
医療扶励
は
世帶単位
に支給されます。その他帶の
構成員
が
病気
で困
つて
おりますときには、
世帶主
を通じて
医療扶助
が渡るものと思
つて
おります。大体
世帶主
を
保護者
と見まして、貧乏をしておる人にはこの
精神衛生法
による二分の一の金だけしかやれないのだ、こういうのではおかしいのです。それではその
世帶
は困るのであります。そこでこれはやはりどうしても
医療扶助
でも
つて
救わなければならないと思うのでありますが、重ねて
お尋ね
いたします。
中原武夫
27
○
中原参議院法制局参事
三十條によります
負担関係
が起きますのは、
本人
の
意思
にも
保護者義務者
の
意思
にも反して、強制的に
知事
が入れた場合だけでありまして、ただいま
お尋ね
になりました
生活保護法
の
対象
にな
つて
いるようなものにつきましては、そういう
知事
の強制的な
措置
で入るまでもなく、
精神病院
の長との打合せによ
つて
、自発的にこれは
保護義務者
の
同意
によりまして、三十三條による
入院
の方がほとんど全部を占めるのではないかと思います。従いまして二十九條による
措置
が行われる必要はないというふうに
考え
ております。
青柳一郎
28
○
青柳委員
ここに
生活
に困
つて
おる人を擁しておる
世帶
がありまして、その
世帶
の
一員
が
精神病
である。そしてその
保護者
や
本人
なんかの
同意
がないのに
知事
の
命令
でも
つて
入院
させ、国からは半分の
入院費
しか来ないという場合に、
残り
の
費用
は何で
負担
されて行くとお
考え
でありますか。
中原武夫
29
○
中原参議院法制局参事
どうも私頭が悪いので、ただいま御
質問
になられたような
事例
は起きないような気がするのですが……
青柳一郎
30
○
青柳委員
とても
生活
に困
つて
おる人の家族の
一員
が、
知事
から強制的に
精神病院
に
入院
せしめられた。お金は
入院
に要する
費用
の半分しか国から来ない。あとの半分をまかなうことはできない。そうしたら
病院
に入らないで、
生活保護法
を受けるという
事例
が起
つて
来るのではないかと思うのでございます。
中原武夫
31
○
中原参議院法制局参事
御
質問
の点よく了解いたしました。その
保護
を受けておる者に行きます
費用
は、三十條の一項によりまして全額を
負担
いたします。ただ国と
都道府県
との
関係
におきましてだけは、二分の一と十分の八との差が出て参ります。
青柳一郎
32
○
青柳委員
わかりました。全額
都道府県
が出し、半分を国が出す、こういう御意図でございますね。
都道府県
の
負担
につきましては、相当御研究に
なつ
たでありましようか。この
法律
でも
つて
強制するというお
考え
であろうと存じますが、
都道府県
に半分の
負担
をさせるということは、他の法令などと比較して見まして、非常に径庭が多いのであります。その点いかようにお
考え
になりましようか。
中原武夫
33
○
中原参議院法制局参事
ただいま御指摘の通り、
生活
保護
と同じように十分の八を補助すべきであると
考え
たのでございますが、二十五年度の
予算
がある程度固まりましたときに、これが並行して進みましたので、今年度はどうしても二分の一にして、従前の
規定
をそのまま踏襲いたしませんと、事実上動かないということになるのでございます。
青柳一郎
34
○
青柳委員
私は
生活保護法
の審議にあたりまして、この
委員会
で御当局との質疑応答をいろいろ承
つて
おりますと、
生活保護法
にはまだ相当余裕があるというふうに聞いております。そういたしますならば、この問題は貧乏な人については全面的に
生活保護法
によ
つて
行
つて
もいいのではないか。そういう際には国の
負担
が二分の一から十分の八に、
都道府県
十分の一、市町村十分の一というふうに相なるのであります。従いましてこのためにただいまもお話を承りますと、
予算
は非常に少な過ぎますが、それは多いとしましても、
予算
に困
つて
おられるのでありましてできるだけ国の他の
制度
の方にたよつた方が賢明ではなかろうか。その方が
一般
のこういう場合の
保護
の
制度
とマッチをいたす。そういう
意見
を持
つて
おりますが、御
意見
を伺わしていただきたいと思います。
中原武夫
35
○
中原参議院法制局参事
先ほど例に、出しましたような場合に、二十九條による
措置
でなくて、
保護義務者
が
同意
をして
精神病院
に引取
つて
もらうという
措置
にかえますならば、
生活保護法
による
医療扶助
で行けるようになるわけでございます。
青柳一郎
36
○
青柳委員
問題をかえまして、もう一つだけ承りたいと思います。それはこの四十八條の二項によりますと、いわゆる
私宅監置
は、本
法律
施行後一年間だけしか許されないことに相なるのであります。しかも現在の病床は二万に足らないのであります。先ほどお話を承りますと、十万ないし二十万の病床がいるということでございましたが、一年間に
私宅監置
を廃除するだけの自信があられるかどうかという点について、承りたいと思います。
中原武夫
37
○
中原参議院法制局参事
二十五年一月末現在における
私宅監置
の患者数は、全国で二千六百七十一名ございます。公立
病院
、すなわち
都道府県立
の
病院
と、それに代川せられております
精神病院
のペットは、一万四千であります。一月末現在で在院しておりますのは一万一千四百人でございまして、差引きいたしますと二千六百が、公立及び代用
精神病院
の
ベット
に余裕がございます。このほかに八十の私立の
精神病院
がございます。この
法案
の
五條
にもございますように、
指定病院
という
制度
は、私立の
精神病院
を指定いたしまして、
都道府県立
精神病院
にかえることができるようにいたしております。ただいまのような
措置
を
考え
ますならば、二千六百七十一名の現在の
私宅監置
の患者は一応
收容
できる予定でございます。
青柳一郎
38
○
青柳委員
現在の
私宅監置
の人員はどのくらいでありましようか。
中原武夫
39
○
中原参議院法制局参事
二千六百七十一名であります。
青柳一郎
40
○
青柳委員
そういたしますと、現在
私宅監置
者だけは攻容余力の中へいわばすつぽり入る、こういうお
考え
でありますか。そういたしますと、今度の
法律
の改正によりまして、従前の
制度
と違
つて
、ひとり
精神病者
のみならず
精神薄弱者
及び
精神病質者
もこれに含むということに相なるのであります。従いまして非常に数がふえたと思うのでございますが、そういう
精神薄弱者
及び
精神病質者
については、
入院
するものがなくていいというふうなお
考え
でございましようか。
中原武夫
41
○
中原参議院法制局参事
この
法案
をつくります際に、アメリカにおけるカリフォルニア州の
精神衛生法
それからその運用を参照いたしたのでありますが、あちらでは
精神病者
、それから
精神薄弱者
、
精神病質者
、それからアルコール中毒者、麻薬中毒者、変態不良少年、そういうものはそれぞれ別個の
施設
に入れておるのであります。それでそういう形を一応理想といたしまして、この
法案
はスタートしておりますが現実の設備がそういうふうにできておりませんので、ただいま御指摘になりましたようなおそれが幾分残るかと存じます。それは今後
施設
を充実することによ
つて
、できるだけそういう穴ができないように努力しよう、こういうつもりでございます。
青柳一郎
42
○
青柳委員
精神障害者
を
收容
するための
病院
について、いろいろ増床計画をお持ちではないかと思うのですが、もしお持ちであれば承りたいと思います。何年ぐらいの間に、どういうようにしようということをお
考え
にな
つて
おるかどうかという点、もし
考え
られておられをすならば承りたいと思います。
中原武夫
43
○
中原参議院法制局参事
その点は
予算
とも
関連
いたしますし、実施面でございますので、厚生省の公衆衛生局の
予防
課が担当いたしております。
予防
課ではこの
法案
をつくりますときに、一応の計画があることは承知いたしておりますが、はつきりした数字をただいま記憶しておりませんので、後ほどお答えいたします。
久下勝次
44
○久下政府委員
医療
機関
の整備につきましては、医務局が各局と連絡いたしまして、ただいま総合的な計画をつくづておるのでございます。
精神病院
につきましては、あるいは若干数字が違うかもしれませんが、大体四万床ほど五箇年計画で増床したいという案を持
つて
おります。もちろんこれはただいまのお話のように、
予算
の
関係
もございますので、今後の問題ではございますが、一応そういう計画を立てて進んでおります。
青柳一郎
45
○
青柳委員
一応私の
質問
は終ります。
苅田アサノ
46
○苅田委員
精神衛生鑑定医
について
お尋ね
いたしたいのでありますが、これは專門の
精神病
の医者で、三年以上臨床の経験のある人ということにな
つて
おるわけなんですか。
中原武夫
47
○
中原参議院法制局参事
三年以上臨床の経験がある者に限るということにな
つて
おります。
苅田アサノ
48
○苅田委員 それは專門なんですか。
中原武夫
49
○
中原参議院法制局参事
もちろん專門でございます。
苅田アサノ
50
○苅田委員 私は
精神衛生鑑定医
というのは、今度は非情に大きな力を持
つて
来ると思うのです。つまり
本人
も承知しない——
本人
は
精神病者
ですからはつきりわからないとしても、また
保護者
たちが
反対
しても、強制的にこの人たちが、これは病人だから入れなければいけないと言えば連れて行くということになるのですが、これらの医者の
意見
がもしも悪用されれば、明らかに
不法監禁
とか人権蹂躪とかいうことに相なるわけなので、
精神衛生鑑定医
というのをどういうふうにして選ぶかというのが問題だと思うのです。この点はどういうことになるのですか。
草間弘
51
○草間
参議院專門員
精神衛生
方面を專攻した人が相当おりますけれども、その中から、むろん学識、人格いろいろの方面から検討いたしまして、厚生大臣において選考するということにな
つて
おります。
苅田アサノ
52
○苅田委員 そうしますと、府県とか市町村とかいうときに、そういう医者は厚生大臣の名前で任命されるということになるわけですか。
草間弘
53
○草間
参議院專門員
そういうことになります。
苅田アサノ
54
○苅田委員 それは府県単位で任命されるわけですか。
草間弘
55
○草間
参議院專門員
さようでございます。
中原武夫
56
○
中原参議院法制局参事
ただいま御心配のありました
精神衛生鑑定医
の職権濫用を跡止する
意味
で、十八條の三項に「
精神衛生鑑定医
は、前項の一職務の
執行
に関しては法令により公務に従事する職員とみなす。」といたしました。これは刑法の涜職罪の適用を
考え
たわけでございます。もし職権を濫用しまして
入院措置
をとらしたような場合には、涜職罪にかかるかと存じます。
苅田アサノ
57
○苅田委員 その場合に厚生大臣が任命した
精神衛生鑑定医
の選択に対して、こちらから不服とかそういうようなものは言えないのですか。そういう人ではいけないということは言えないわけなんですか。これは各府県でそういう人がきま
つて
しまえば、そういう人のおめがねにかなえば、どうしても
精神病者
ということになるのですか。
中原武夫
58
○
中原参議院法制局参事
ただいまの御
質問
にありました不服申立ての道はありませんが、そのために、
知事
の監督のもとで仕事をしておりますけれども、厚生大臣が任命するということで愼重だけは期したのでございます。
精神衛生鑑定医
が不当に
入院
させるという判定をいたしました場合には、人身
保護
法で救済の道があるわけでございます。
苅田アサノ
59
○苅田委員 それをもう少し具体的に
説明
していただきたいと思います。
中原武夫
60
○
中原参議院法制局参事
ちよつと調べましてから申し上げます。
大石武一
61
○大石(武)委員 ただいまの苅田委員の
質問
に
関連
して私もその問題についてもう少し
お尋ね
したいと思うのであります。
精神病者
の
鑑定
ということは非常にむずかしいことだろうと思いますわれわれがよく昔読んだトリンドベルヒのもので、父親と妻とが子供の教育についてけんかをして
意見
がわかれたために、妻が自分の
意見
をあくまでも通そうと思
つて
、夫を
精神病者
ということにして
入院
させてしまつたというような記憶があります。また最近——去年か一昨年参りましたアメリカ映画でも、「三十四丁目の奇蹟」というような傑作の映画もあつたようですが、あの場合にもサンタクロースを名乗つた老人をむりむりに気狂い
病院
に入れてしまうというようなこともあります。とにかく
精神病者
を正しく
鑑定
して判断して
收容
するということは、非常にむずかしいことだろうと私は
考え
ております。たとえば今お聞きしますと、
精神衛生鑑定医
というものが県でこ人いる。その人が
鑑定
してきまれば強制的に
入院
させられるということになるのですね。そうした場合に、もし不幸にしてその
鑑定
、その
診断
が誤つた場合においては、どういう方法によ
つて
これを救い出すことができるか。
中原武夫
62
○
中原参議院法制局参事
三十
二條
に訴願の
規定
が置いてございますが、それは二十九條の
規定
による
入院措置
については、六十日以内に厚生大臣に対して訴願をすることができるという道をこの
法律
では開いてあります。そのほかに人身
保護
法が働きます点は、ただいま第一部長が知
つて
おりますので第一部長から申し上げます。
今枝常男
63
○今枝
参議院法制局
第一部長 ただいまの人身
保護
法の適用
関係
、詳細は省略しまして大体の筋道を申しますと、その
拘束
に不服のある者から裁判所へ申し入れますと、裁判所では
拘束
者を呼び出しまして、その
拘束
の当否を検討いたしました上で、必要なる場合には釈放の
命令
を出して釈放する。こういう手続なのでございます。
大石武一
64
○大石(武)委員
拘束
者というのはひつばつた人ですか。
今枝常男
65
○今枝
参議院法制局
第一部長 現に
拘束
しておる者であります。
苅田アサノ
66
○苅田委員 病人でしよう。その場合は。
大石武一
67
○大石(武)委員 病人じやなくて医者の方でしよう。
今枝常男
68
○今枝
参議院法制局
第一部長 現に
拘束
しておる者でありますから、
病院
です。
大石武一
69
○大石(武)委員 それだけではどうも足りないようですな。もう一ぺん訴願した場合に、どういうふうになるだろうかという先の詳細な経過をお聞きしたいと思うのですが。
中原武夫
70
○
中原参議院法制局参事
現在の訴願方法は一応書面審査で、厚生省に
設置
されました訴願
委員会
で書面審査で裁決をするということにな
つて
おります。
大石武一
71
○大石(武)委員 そうすると今のただ書面審査であ
つて
は、專門の
精神
鑑定医
が
診断
して
入院
じた場合に、おそらく相当の
鑑定医
が来るのではあろうと思うが、その
診断
した
鑑定医
の審査が間違えばそのまま
入院
が
決定
することは火を見るよりも明らかな話であります。従
つて
そのような方法であ
つて
は、ちつとも訴願の
意味
はなさないと思う。もう少しよくいろいろな
法律案
にありますように、こういう場合にもう一段の全国的な広い見地に立つ
精神
鑑定医
の訴願を受付けるような、そういう
鑑定
の審査会でもつくる。そういう方法でもあつたらより親切に、より間違いであるとかあるいは不正というものが防げるであろうと
考え
るのでありますが、そういうお
考え
はお持ちではございませんでしようか。
中原武夫
72
○
中原参議院法制局参事
ただいま訴願のときに書面審査と申し上げましたが、それは権威のある
精神衛生
医の
意見
を聞くようなことまでも排除する
意味
で申し上げたのではございませんので、そういう特殊な事件につきまして訴願がありました場合には、訴願、審査
委員会
では最も権威のある
精神衛生
医を呼んで、
鑑定
をしてもらうという
措置
は当然講ずることになるのであります。
松永佛骨
73
○
松永委員長代理
他に御発言はございませんか。
—————————————
松永佛骨
74
○
松永委員長代理
それでは次に
医療法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。本案に関する質疑の通告がありますのでこれを許します。
青柳委員
。
青柳一郎
75
○
青柳委員
医療法
の全面実施につきまして、昨年来御当局におきましては、各種の実地
調査
をや
つて
おられたようでございます。その結果の御報告をお願いいたしたいと思います。
久下勝次
76
○久下政府委員 私からお答え申し上げます。
医療法
の実施の結果ということでございますが、おそらくこれは
病院
の監視を行いましたその結果ではないでしようか。
青柳一郎
77
○
青柳委員
私がお伺いしたいのは、たしか
医療法
の一全面実施につきまして、昨年度
調査
班みたいなものをつくられまして、各地方に派遣されて、いろいろ御
調査
に
なつ
たことがあるのではございませんか。
久下勝次
78
○久下政府委員 それは
医療
監視のことでございます。各
病院
の現状が
医療法
にどの程度合致しておりますかどうかという
意味
合いにおきまして、昨年春以来私の方で一応の基準をつくりまして、各府県の責任者に集
つて
もら
つて
、再三実地的にも打合せをいたしまして全体の
考え
方を調子を合せました上で、夏以降各府県に委嘱いたしまして全国の
病院
を同じ基準で一応の
調査
をいたしました。これがただいまのところ各府県からほとんど集
つて
おりまして、ただいま集計中でございます。結果的に申しますと、それだけの準備をいたしましたけれども、やはり現われましたものを私どもが大ざつぱに判断をいたしますと、
立場
の相違、見方の相違で多少各府県、ことに評点のつけ方が違う点があるようです。これはいずれ私どもの方で全面的に調整をいたしました上で、結論を出したいと思
つて
おります。とりあえず各府県から集まりましたものはただいま集計中でございますから、
最後
の結論ではございませんが、中間報告の形式で差上げることができるかと思います。
青柳一郎
79
○
青柳委員
それではそれは後に御報告いただくことにいたしまして、
お尋ね
したいのはただ一点でありますが、
医療法
の全面施行と申しますか、要求されている規格を実現させるために、御当局におきましてはいろいろ資金、資材のあつせんをされる。こういうふうに申されておりましたが、こういうふうに
考え
てよろしいですか。
久下勝次
80
○久下政府委員 さように
考え
ております。ただそれにつきましての基礎的な資料を得ますために、今集計しております
医療
監視の結果を見ておるわけであります。
青柳一郎
81
○
青柳委員
ただいまここに審議されております
法律
を施行することと相なりますと、御当局の声明の通り、いよいよ資金、資材についての御あつせんを活発にやらなければならないということに相な
つて
来るのでございますがそれにつきましての御計画を承りたいと存じます。
久下勝次
82
○久下政府委員 御
質問
の趣旨をあるいははき違えてお答えするかもしれませんが、ただいま御審議をいただいております
医療法
の一部を改正、すなわち
医療法
人の
制度
を設けますことは、実は先ほどお答え申し上げました
医療
機関
の整備のための資金、資材あつせんの問題とは、翼は直接
関係
がないと思
つて
おるのでございます。しかしながらこの
医療法
人の
制度
をつくることによりまして
医療
機関
の整備改善についての資金の集中が、従来に比して容易になるのではないか。そういう面から私どもとしては、特に
医療
機関
整備のために特別な資金のあつせんをいたさなくてもこの
制度
そのものがそういう目的を達し得る一つの手段になるのではないか。さように
考え
ております。
青柳一郎
83
○
青柳委員
ただいま私が
お尋ね
した趣旨も、今お答えに
なつ
だことと大体合うのでありますが、この
医療法
の一部改正のごとく、数人の人が集ま
つて
病院
を建てるための法人ができるとい場うことになりますと、従前よりも
病院
、
診療
所の
設置
が容易というか、促進されるというか、非常にふえて参ると思います。従いましてこの法の施行のために資金に困る。困るために多数の人が集ま
つて
やるのではありますが、御承知のような現在の経済情勢でありますので、数人の人が集ま
つて
法人としてやるにいたしましても、その資金が必要に相な
つて
参るのであります。必ずこれによりまして
病院
などの
増設
が、現在よりも助長せられると思うのであります。そうなりますと資金面の問題につきまして、前の御当局の声明もあり、御当局に対してたよ
つて
来る人がだんだん出て来ると思うのでございまして、そういう際に御用意があるかどうかということを承りたいと思います。
久下勝次
84
○久下政府委員
病院
の改善整備のための資金のあつせんにつきましては、実はただいまのところまだ具体的な計画を持
つて
おらないのであります。これは一つは
医療法
に基きます公的
医療
機関
に対する補助という
制度
がございます。財政の状況から二十五年度の
予算
におきましても、きわめて僅少なる額しか認められなかつたのであります。私どもといたしましてはこの方面につきまして
国庫
の助成の
制度
を、もう少し実際的な活用ができますように今後努力いたしたいと思
つて
おります。それから公的
医療
機関
以外のいわゆる私的な
医療
機関
に対する資金のあつせんでありますが、これは特別に実は開設につきましては方法がございませんので、ただいまあまり深く
考え
ておらないのでありますが、ただ現在
病院
を持
つて
おりますもので、
医療法
ができましてその規格に合わない、これは御承知の通り猶予
期間
の年限もございますので、その
期間
内にぜひ急速にや
つて
いただかなければならないことでありますから、そういうような
意味
合いもありまして、現在開設、運営されておる
病院
、
診療
所で
医療法
の規格に合いませんものにつきましては、先ほど申しました
医療
監視の結果、状況を見まして、大体全体として資金がどのくらいいるかという目安をつけました上で、資金のあつせんについて努力をして行きたい。かように
考え
ております。
松永佛骨
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○
松永委員長代理
他に御発言はございませんか。——御発言がなければ本日はこの程度にして散会いたします。 次会は明日午後一時より開会の予定でございます。 午後三時四分散会