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1950-04-03 第7回国会 衆議院 厚生委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月三日(月曜日)     午後二時十五分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君    理事 中川 俊思君 理事 苅田アサノ君       高橋  等君    田中  元君       幡谷仙次郎君    丸山 直友君       亘  四郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 林  讓治君  出席政府委員         厚生事務官         (社会局長)  木村忠二郎君         厚生事務官         (社会局保護課         長)      小山進次郎君         建設事務官         (住宅局長)  伊東 五郎君  委員外出席者         厚生事務官         (保険局国民健         康保険課長)  山本 正淑君         專  門  員 川井 章知君         專  門  員 引地亮太郎君     ————————————— 四月一日  委員今泉貞雄君、大石武一君、中川俊思君、岡  良一君及び渡部義通辞任につき、その補欠と  して大和田義榮君、丹羽彪吉君、佐藤親弘君、  福田昌子君及び伊藤憲一君が議長指名委員  に選任された。 同月三日  委員大和田義榮君、丹羽彪吉君、佐藤親弘君及  び福田昌子辞任につき、その補欠として今泉  貞雄君、大石武一君、中川俊思君及び岡良一君  が議長指名委員選任された。 同日  大石武一君、中川俊思君及び岡良一君が理事に  補欠当選した。     ————————————— 三月三十日  児童福祉法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四三号)  予防接種法等による国庫負担特例等に関する  法律案内閣提出第一四四号) 同月三十一日  医療法の一部を改正する法律案内閣提出第一  四八号)(予) 四月一日  精神衛生法案中川壽彦君外十四名提出参法  第三号)(予) 同日  薬事法改正に関する請願田口長治郎紹介)  (第二〇二八号)  同外一件(原田雪松紹介)(第二〇二九号)  医薬分業制度確立に関する請願久野忠治君  介)(第二〇四八号)  同(赤松勇紹介)(第二〇七六号)  同(橋本金一紹介)(第二〇九九号)  理容師法の一部改正に関する請願甲木保君外  五名紹介)(第二〇七一号)  健康保険による入院料増額請願丸山直友君  紹介)(第二〇九一号)  厚生年金保険に関する請願外一件(高倉定助君  紹介)(第二〇九七号)  遺族の援護対策確立に関する請願外九件(逢澤  寛君紹介)(第二一〇〇号)  引揚医師国家試験受験回数制限緩和に関する  請願中山マサ君外二名紹介)(第二一一二  号)  看護婦資格既得権者国家試験特例設定に関  する請願吉田省三紹介)(第二一二〇号)  国立岩手・秋田・福島三療養所火災によるり災  者救援等に関する請願圓谷光衞紹介)(第  二一三七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任に関する件  生活保護法案内閣提出第一一六号)  医療法の一部を改正する法律案内閣提出第一  四八号)(予)     —————————————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。一昨四月一日に理事大石武一君、中川俊思君及び岡良一君が委員辞任いたしましたので、現在理事が五名欠員なつておりますので、この際その補欠選任を行いたいと存じますが、この選任手続に関しましては、委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なければ再び委員選任いたされました大石武一君、中川俊思君及び岡良一君を再び理事指名いたしますと  次に小委員及び小委員長選任の件についてお諮りいたします。一昨四月一日委員今泉貞雄君、大石武一君、中川俊思君岡良一君、渡部義通君がそれぞれ委員辞任されましたので、それに伴い結核対策に関する小委員会において三名、医療制度に関する小委員会において四名、社会事業振興に関する小委員会において四名、水道法に関する小委員会において一名の小委員が、それぞれ欠員なつておりますので、この際その補欠選任を行いたいと存じますが、この選任手続に関しましては委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議がなければ、結核対策に関する小委員には再び委員選任された今泉貞雄君、大石武一君及び岡良一君。医療制度に関する小委員には再び委員選任された今泉貞雄君、大石武一君、岡良一君。社会事業振興に関する小委員には再び委員選任された今泉貞雄君、大石武一君、中川俊思君水道法に関する小委員には再び委員選任された中川俊思君をそれぞれ再び小委員指名し、大石武一君の委員辞任に伴う医療制度に関する小委員長補欠につきましては、再び委員選任された同君を同小委員長指名いたします。  なお医療制度に関する小委員会及び社会事業振興に関する小委員会は、小委員がそれぞれ一名欠員のままでありますが、この補欠選任は延期することにいたしますから御了承願います。     —————————————
  5. 堀川恭平

    堀川委員長 次に生活保護法案議題といたしまして、質疑通告順に許すことにいたします。丸山直友君。
  6. 丸山直友

    丸山委員 社会局長にひとつお伺いしたいと思います。先般の公聴会におきましても問題になつておりました、公述人の大多数がその基準が低きに過ぎるということを訴えておつた。ことに公述人青木秀夫氏からは、具体的に第八条の改正意見を述べられたのでありますが、このことは、この法律目的を完遂するためから申しましても、また受給者納得するというような意味から申しましても、その基準を決定するところのものは厚生大臣のみにとどまらず、何か審議会のごときものの設置ということが考えられると思うのでありますが、これに対して御当局はいかがお考えになりますか。
  7. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 この基準につきましては、現在までの状況から申しますと、経済情勢が相当変化いたしておりまして、その基準につきまして常に変更を要するという事態が多いといつたような関係から、これに即応した基、準を変更するというためには、それぞれの手続をふむよりも、なるべく早く措置するということが必要である。しかもそれについては、財政方面との関係も相当ありますために、審議会等の議を経るということについて現在では手続上相当困難な点があろうというふうに考えておるのでございます。お説の通りどういう基準を用いるかということについての、根本的ないろいろな問題があるわけでございますが、これについて各方面知識経験のある人の御意見を聞くということは、また必要であろうというふうに考えられます。これについては、今後社会事業審議会とか、社会保障制席審議会においても、最低生活の水準について御研究になるようでございますので、これらの審議会を通じまして、十分慎重に御研究を願うようにいたしたいというような話でございます。
  8. 丸山直友

    丸山委員 次に、同じくそのときに多く訴えられておりましたことは、民生委員協力機関となることに対して、非常に不満があつたように聞いておるのであります。民生委員が、多少感情的に、協力機関なつたということをいやがると申しましようか、除外されたと感じたがために、不満が起つておるようにも考えられるのでありますが、こういうように現在の民生委員が、今回の改正不満を持つた場合に、この制度の運用の上に若干の支障を生ずる危険があるように考えられますが、その点の防止に関しては、何らかの具体策をお持ちになりますか。
  9. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 民生委員協力機関にいたしました点が、民生委員独立性を高めたものわれわれは考えておるのでございまして、この点については十分に民生委員方面にその趣旨を徹底いたしまして本来の民生委員活動をいよいよ積極化するように、われわれといたしましては願いいたしたい。これについては、全日本民生連盟委員をも通しまして、今後の民生委員活動について、従来の役所の出先のような考え方から、独立して役所を指導鞭撻するように努力いたしていただきたい。そういうようにいたしまして、この措置によつて支障を来すことのないようにいたしたいというふうに考えております。実は昨年の十二月一日から法的扶助のやり方についての変更を行うことにいたしました際において、その点について若干の誤解を生ずるような新聞記事等がありまして、これが非常に民生委員の一部の感情を悪化したということは確かにあるのであります。この点についてはわれわれとしては、その新聞記事地方新聞記事でありますために、当初これを知らずにおりまして後にその話を聞きましてから、その方面のことについては十分に了解の行くようにお話申し上げました。大体その方では御理解を得たような次第であります。  なお民生委員が、従来非常に忙しい中で、法的扶助について御協力幇助願つた点、この点については、われわれとしては非常な感謝の念を持つておるわけであります。この点についても、十分従来の御慰労をいたしますと同時に、今後においても民生委員等が本来の姿にかえつて、民間の奉仕者としての活動が活発化するように努力いたしたい。こう思つておるような次第でございます。この点について、民生委員全体にその趣旨が徹底するように努力いたしたいと思つております。
  10. 丸山直友

    丸山委員 次に第二十四条の四にございます「保護申請をしてから三十日以内に第一項の通知がないときは、申請者は、市町村長申請を却下したものとみなすことができる。」という点について、相当に異論があつたようにも感じております。ことに現在民生委員を勤めております江津という方も、法律の中の村ですか町ですかの当局者が、本人の申入れを失念して放任したがために、遂に保護を受けることができなかつたという事案を聞いておるわけであります。こういう失念したというような場合でも、三十日以内の間に通知がないと、それは却下したものとみなされてしまう。これは法的に忘れたというような落度があつたがために、それは法的には認められぬというような危険があるのであります。これを三十日以内に必ず却下するとかせぬとかいうことを、はつきり通知するということに改めるような御意思はありませんですか。
  11. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 この規定は念のための規定のようなものでございまして、その前の第三項においてこの「通知は、申請のあつた日から十四日以内にしなければならない。」つまり決定原則として十四日以内にしなければならないということにいたしておりまして、ただそういうような失念したようなときには、いつまでも放つておくと、いろいろな救済規定が発動いたしませんということになりますので、申請者の側において、この場合においては申、請を却下したものとみなしてただちにこれに対して救済措置を発動するように手を下すことができるようにいたしたい。われわれとしては、どうしても十四日以内という方に重点を置きたいのであります。三十日というのは万やむを得ない場合に限る。その場合における救済手段を得させるという目的をもちまして第四項のような規定を設けた次第でございます。
  12. 丸山直友

    丸山委員 三十日以内に通知がない場合に、却下したものとみなされるのでありますから、救済手段がそれによつて生ずるという御説明なんでございますか。もう一度お聞きいたします。
  13. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 三十日たちまして、何ら通知がない場合には、却下したものと申請者の側がみなして、これに対して不服の申立てをすることができるのであります。
  14. 丸山直友

    丸山委員 次に四十九条の医療機関指定でございますが、これはこの前も私一度質問しておりまして、健康保険においては、診療を担当する者を指定しておる。この法律機関指定しておる。この間の関係をお尋ねしたこともあるのでありますが、その当時の御説明としては、健康保険においても機関指定する方向に移つて来ておる。これは古い法律であるがゆえに、人を指定しておるのであるというような御説明があつたのであります。しかるに竹内公述人説明によりますと、逆の説明をしておるわけでありますが、ものを指定するということ、機関指定するというごどに関する御見解をひとつ承りたい。
  15. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 この病院診療所という機関指定することにいたしましたことは、これは大体医療法の建前からいたしまして、この趣旨に従うような方、針を医務局でとつておる。従いまして今後の立法に際しましては、個々医者指定しないで、病院診療所医者指定するようにいたしたいというのが、その方の見解なのであります。健康保険の方の法律においては、個々医者指定するように相なつておりますが、これはずつと前からそういうことになつておるのであります。ただ最近実際に病院等に対しまして、個々医者指定するのが非常に煩雑であるというところから、一応病院長だけを保険医指定いたしまして、その病院医者全部をこれに充てるようにいたしたいというような措置を、便宜的にとつておられたようでありますが、それは法律上適当でないということで、再びまた最近個々医者指定するということに相なつております。その場合とこの場合とでは、若干事情が違うわけであります。この場合には病院そのもの指定になるわけでありまして、医者全部を包含した病院診療所指定されることに相なるのであります。病院長指定されまして、それによつて他医師までが指定を受けたということになるのとは、ややその事情が違うのでありまして、健康保険の方の関係とは、若干お話が違つておるように私どもの方では理解しております。     —————————————
  16. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、医療法の一部を改正する法律案議題といたしまして、審議に入ります。まず政府より、提案理由説明を聴取いたしたいと思います。林厚生大臣
  17. 林讓治

    林国務大臣 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由説明いたします。  すでに社会保障制度実施具体的構想も、とうやく明確にならうとしておるのでありますが、すべての国民必要最低限度医療を確保するという国民医療の保証の問題は、本制度実施にあたつてきわめて重要な内容をなすことは申すまでもないところであります。この問題の解決のためには、まず第一に医療機関、特に病院の急速な普及整備をばかる必要があるのでありますが、百医療機関整備につきましては、いわゆる公的医療機関整備とあわせて、私的医療機関協力態勢を整えることの緊急なことは申すまでもないところであります。  飜つて考えますときに、一昨年の第二回国会において制定されました医療法は、医療内容の向上をはかるため、病院の規格として、最低限二十床以上の病床を要求し、しかもその構造設備については、近代医療を行うにふさわ上い諸種の条件を具備することを要請しておるのでありますが、他面、現下の経済情勢下におきましては、一般私人の手による病院建設、ないしその補修維持等が、きわめて困難な実情にあるのであります。  従つて私人による病院建設維持等を促進するためには、何らかの形において、これがための資金集積をはかる措置を講ずることが、ぜひとも必要と考えられるのであります。特に医療法第十三条によりまして、診療所には、同一患者を四十八時間を超えて収容できないこととなつた結果、一般開業医師の中には、数人ないしそれ以上の員数による共同出資により病院建設し、あるいはこれを維持しようとする場合が少くない現実を見ますときに、このことが痛感されるのであります。しかも現況においては、医療法は、医療事業特殊性ないし非営利性にかんがみ、商法上の会社等病院診療所経営主体となることを期待しておらず、かつまた都道府県知事においても、かような経営主体に対しては、病院診療所等開設許可を与えない方針をとつている現状であり、また他方すべての病院が、民法による公益法人たる資格を取得するということもできないだめ、病院等建設して、医療事業を行おうとする場合においても、その経営主体法人格を取得することが困難であつて従つて資金集積、及びこれに伴う病院等維持建設のために、著しい困難を感じている状況であります。この点にかんがみ、医療事業の非営利性を考慮し、本事業経営主体に対して、容易に法人格取得の道を与えるために、この際医療法の一部を改正して、医療法人の章を追加しようとするものであります。  何とぞ御審議の上、可決せられるよう希望いたします。なお詳細のことにつきましては、政府委員よりお答えすることにいたします。     —————————————
  18. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは再び生活保護法案について、丸山委員質疑をしていただきます。
  19. 丸山直友

    丸山委員 なお指定の場合に、「開設者又は本人同意を得て」ということに関して前会御質問申し上げておりまして本人指定せられることを希望するものに対しては、なるべく広く、これを指定するという方針であるということは承つてつたのであります。またただいま厚生大臣医療法の一部を改正する法律案提案理由の御説明の中にもございましたように、医療機関というものが、私的の医療機関というものの協力態勢を整えるということが、現段階においては非常に必夢であるということが述べられたのでございまして、私もまことに同感なのでございますが、これを指定する場合においては、公的医療機関に主点を置ぐというふうなことが行われます御意思であるか。あるいは広くこれを私的医療機関をも指定するというような方針をもつておやりになるでしようか。この文章だけでは、本人由出によるほかございませんけれども、一方的に同意を求めるということによつて指定するというように考えられますが、その点どういうようにお考えで、ございましようか。
  20. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 われわれといたしましては、医療機関はできるだけ広い方がいいと思つておりますので、公的医療機関のみならず、私的医療機関にも広く御協力を願いたいというふうに考えております。なお医療機関指定につきましては、省令によりまして、申請手続をきめるというようにいたしたいと考えております。
  21. 丸山直友

    丸山委員 次に、第五十二条の国民健康保険診療報酬の例によるとい、ことに関しましても、前会質問してあつた次第でございます。しかるに公聴会におきましても、この点が二、三の方から強く言われております。これ仕国民保険課長がいらつしやいますからお伺いしたいのでございますが、国民健康保険診療報酬というものは、今は社会保険診療報酬というものの中に一体となつ国民健康保険診療報酬というものをお考えなつておられるのか。単に国民健康保険というものが考えられるのかという点をお聞きいたしておきたいと思います。
  22. 山本正淑

    山本説明員 ただいま診療報酬につきましての御質問がございましたが、国民健康保険につきましては、市町村単位保険者診療担当者との契約によつておりますので、国の方で診療報酬国民健康保険として別個にはきめてございません。健康保健におきまする診療報酬、実際上はそれに準じまして、市町村保険者診療担当者との契約のある場合におきましては、健康保険診療報酬による。こういうふうな契約内容を準用して、実際上運用して行く。こういう状況であります。
  23. 丸山直友

    丸山委員 しからば社会局長にお伺いいたしたいのでございますが、国として一環した診療報酬国民健康保険においては定められておらぬということが今はつきりしておるのであります。その定められておらない診療報酬の例によつて、この生活保護法診療報酬とせられるということは、どういうことを意味するかということをはつきりしておきたい。
  24. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 国民健康保健につきましては、その土地々々におきまする一応の、少なくとも最低医療はおやりになるようになつておるのであろうと考えておるのであります。従いまして一応国民健康保健の施行されておりまするところにおきましては、特に不健全な組合で、不健全なる国民健康保健が施行せられておるというような状況にありますところでない限りは、やはり最低の線がそのものより上になるということは適当ではない。一応その線によるのが適当なのじやないかということに考えておる次第であります。ただ国民健康保険につきまして、われわれといたしましては全国一律でない。それぞれその土地状況によりまして、その点が決定されておると考えますので、その土地に応じた最低限度によるのが適当であろうと考えておるのであります。
  25. 丸山直友

    丸山委員 ただいまの御答弁では、まだ私には満足に納得が参らぬのでございますが、社会局長は現在地方において行われておる国民保険の実態を御承知なのかどうかを、私は実は疑う、のであります。地方において行われておりまする国民健康保険は、その給付の状況はその村の経済情勢によつて非常に左右いたされまして、非常な強い制限が行われておるところもあるのでございます。それは一部負担金状態で、最もはなはだしい国民健康保険は九割まで本人負担で、国民健康保険はわずかに一割しか支給しておうないという診療報酬を定めておるのもございます。また往診料は全部本人負担にしてそして往診制限しようとしておるところもあるのであります。そういうふう非常にばらばらの、治療の必要限度であるということではなく、その村の経済状態残本として診療報酬が定められておる。すなわち診療内容が、こういうふうでなければならぬ、ということは何ら考慮せられない診療報酬が定められておる実況であります。そういう場合に国民健康保険診療報酬の例によるということは、はなはだ不適当だと考えられます。その場合にはもちろん第二項によりまして、適当としないときには「厚生大臣の定めるところによる」とされておるからよろしいとおつしやるかもしれませんが、現実に非常にばらばらである国民健康保険診療方針及び診療報酬を、なぜここで準用しなければならぬかというその理由を伺いたい。
  26. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 本人負担の点につきましては、これは本人負担することにならないことに相なるのでございまして。九割だけを本人負担として、残りの一割を国民健康保険によつておりましても、全体の十割というものが診療報酬並びに診療方針の例によるということになるわけであります。経済状態によりましては、たとえば往診制限するといつたような点につ讃しては、われわれとしましては国民健康保険によりまして最低医療が行われないものというふうに考えられますので、御指摘の通り答弁となりますけれども、第二項によりまして、これにつきまして必要なる措置を講ずるようにいたしたいと考えておるのであります。ただ原則としましてはわれわれとしましては、健康保険そのものがきわめて不完全な診療を行つているという前髪とりましているくな措置をとりますことは適当ではないというふうに考えておりますので、われわれといたしましては、国民健康保険が、少くとも最低医療が確保されるようにいたされておるものと考えまして、こういうふうに規定いたした方がいいのではないかと考えた次第であります。
  27. 丸山直友

    丸山委員 非常に納得が行きがたいのでござい事が、そういうばらばらなつておる不安定な国民健康保険を標準にとるよりは、ほとんどそれと同一な線に行つており、しかも最低であると近、ごろ考えられておる健康保険というものの診療報酬が、国として定められておるのでありますから、なぜそのはつきりきめられておるものを準用なさらないで、国民健康保険診療報酬をとらなければならないかという必然性をお伺いしておるのであります。もしただいまの二項をお使いになると、ほとんど全国の八割か九割くらいは、全部二項によらなければならないようなことになると私は考える。
  28. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 医療最低のものというものが、どういうものであるかということにつきましては、われわれといたしましてはやはりその土地土地事情によつてきまるということに思うのであります。もちろん大体の大筋というものはさまつておると思いますけれども、その土地事情によつて、その土地におきまするところの各種の医療機関状況といつたようなものによつて、その点はかわつて来るのではないか。またそういうような社会環境というものがある程度影響するというふうに思う次第でございます。従いまして特に生活保護法によりまするところの医療が、それよりも高いものになるということは、社会観念上適当でない。国民健康保険につきましては、特にこれがわが国の医療体としまして非常に重要なものでございますので、これよりも高いものにするという方針を立てるということは、われわれとしてはやはりできがたいと一応考える次第でございます。従いましてもしも実情が御説の通りであるといたしまして、第二項によりまするものが多くなりましても、われわれといたしましては、方針としてこういう方針をとる方が正しいのではなかろうかと一応考えております。
  29. 苅田アサノ

    ○苅田委員 ちよつと関連して……同一の点についてお尋ねなんですけれども、そういたしますと現在では国民健康保険の方が、ある場合においては自己負担が多くて、そうして普通の健康保険よりも医療内容が低下しておるとか、あるいは便が不便だということがあるわけで、それで今社会局長が言つておられるように、最低の標準としては健康保険よりは国民健康保険というものを用いたいというような論が出るのだろうと思いますが、その場合に、国民健康保険内容を、健康保険と同一のところまで持つて参るということにしてしまえば、そういつたいろいろなまぎらわしい点がなくなると思いますが、その点はどうなんですか。
  30. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 自己負担の点につきましては、自己負担の部分を加えましたものが、その土地のいわゆる診療報酬になるのだろうと思いますから、自己負担が多い少いということは問題にはならないのじやないかと私は考えております。それでわかくとしてはやはり一応先ほど申しましたように、国民健康保険というものが施行されておりまする範囲におきましては一応これによる。ただ先ほど御例示がありましたように、往診制限するとか、あるいは必ずきまつているところの特効薬を制限するとか、つまり非常にはつきりわかつている特効薬を制限する。何と申しまするか治療として適当でない治療をせざるを得ないような制限がありまするものにつきましては、相当考慮しなければならぬと思いまするので、その場合におきましては第二項を適用するようにしたい。こう思つておる次第であります。
  31. 苅田アサノ

    ○苅田委員 それではごくしろうとの質問なんですけれども、現在国民健康保険健康保険医療を受ける。負担とか何とかのけまして、実際の診療を受ける立場から言えば、どういう違いがあるか。その違いはどうしても今のところはしかたがない、かどうか。その点をちよつとお伺いしておきたいと思います。
  32. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 国民健康保険の問題につきましては、国民健康保険課長の方からお答えした方がいいかと思いますが、私どもの方は筋として、国民健康保険というものが、国の制度としてあるのでありますから、一応それによるという建前をとる方が正しいのではないか、それが一応最低医療をやるという建前をとつておるものというふうに考えまして、こういうふうにいたした方がよかろうと存じます。従いまして医療内容がはなはだしく悪いというものにつきましては、これは実際の数が多い少いということは別として、例外的なものと考えて、それに対しましては例外的な規定として第二項を使うようにしたい。こういうふうにして最低医療を確保したいと考えたのであります。
  33. 山本正淑

    山本説明員 国民健康保険につきましても、健康保場険につきましても、診療報酬につきましては同じであります。お話の通り、それぞれの形態によつて一部負担は違うのでありますが、診療報酬については、差異はない。ただ例外的に、診療報酬を若干かえているところがあるかもしれませんが、それはほんの例外的な問題でありまして、全体としましては、健康保険国民健康保険との診療報酬自体についての差異というものは、私の方では考えておらぬのであります。
  34. 苅田アサノ

    ○苅田委員 ただいまの国民健康保険課長のお言葉を聞きますと、大体のところで医療の報酬が違つていないとするならば、むしろ丸山委員がおつしやつたように、全国一律に通用のできる健康保険というものを基準にしてなさつたらどうか。例外的の問題は、そのときによつてまた実情に即した処置がとれるとしても、これはやはり全国一本の、どこへ行つても通用できる幕準があるのですから、そちらに準ずるのが私は当然の処置と思うのですが、いかがですか。その点は、医療の大体の方針が違わないということであれば、当然そうしたらいいと思うのです。
  35. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 健康保険は、国民の中の一部の者と言いますか、勤労者に対する保険であります。国民健康保険は、一応それを除きました国民全般を目標にした保険であります。従つてわれわれといたしましては、やはり国民健康保険が第一である。そしてそれがないために健康保険があるというならば、理論としては筋が通ると考えております、それともう一づは、国民健康保険におきましては、ある程度その土地経済状態に応じまして、診療報酬に若干の差異を加えておりまするほかに、その土地の社会事情と言いますか、環境によりまして差異を加えております。そういたしますれば、やはりそちらの方による方が、一般社会通念上から言いまして、適当であろうと考えております。
  36. 丸山直友

    丸山委員 次に五十一条の指定の取消しの問題でございます。これもこの前一度お伺いしてございますが、取消上をする場合における、一方的の取消上に関して審議をする機関とか、本人異議申立てに対して審議するような機関は、どうしても必要と私は考えるのでございますが、これを医師会とか、あるいは他の審議会のごとき形を持つたものにやらせるということをお考えになれませんでしようか。これをもう一ぺん伺いたい。
  37. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 この指定の取消しにつきましては、各種の事情を十分調査いたしましてやらなければならぬということは、お説の通りだろと思います。ただ法律上そういう規定をいたさなくても、運用といたしまして手続につきましては、十分慎重を期するようにいたして参りたいと考えております。
  38. 堀川恭平

    堀川委員長 では青柳委員
  39. 青柳一郎

    ○青柳委員 私は、ただいま丸山委員がお触れになりました他の点につきまして、社会局長に質問をいたしたいと思います。  この法案の十三条におきまして、教育扶助が初めて規定されたのであります。しかしながら教育扶助は、特に未亡人の育英対策として最も重要な意議を持つておるものであり、ある程度は、義務教育以上の場合にも保護を与える道が開き得るならば、ぜひとも開いてみたいという気持を持つておるのでございます。昨日の公聴会におきましても、どなたかこれにお触れになりましたが、たとえば高等学校などの卒業するまぎわの半年とか、あるいは一年前に父親が死亡して、家庭の生計が困難に陥つたという場合においては、その学生を中途で、大学から他の仕事につかせるということも考えられまするが、事情によりましては、できるならばそれらの教育扶助をこの学生に適用して卒業させることが、その世帯を保護する上から非常に効果的であるという場合も考えられますので、もちろん生活保護法の教育扶助が、育英制度と違うということはよく存じておりますが、ただいま申し上げましたような特殊なケースにつきましては、何とかしてそういうもう少しで卒業するものについて適用いたしたいと思いまするが、社会局長の御意見を承らしていただきたいと思います。
  40. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 私らといたしましては、義務教育以外につきましても、今お説のありましたように、要保護者の属しております世帯が自立更生することが望みでございまして、そのためには、御説のようにいたさなければならないのじやないかという気持は持つておるのでございます。ただ現在のところにおきましては、教育扶助というものは、一つの最低生活を保障するという面から見ますると、一応義務教育に限らざるを得ないという実情に相なつているのであります。しかし一般の社会福祉という面から、またさらに大きな目から申しますると、今お説のように考えることが、きわめて適切であると考えております。ただ現在のところ、われわれは力足らずして、そのところにつきまして十分な措置ができないことは、遺憾であると存じております。
  41. 青柳一郎

    ○青柳委員 次に七十二条であります。繰替支弁の規定でありますが、その規定によりますと、その区域内に所在する保護施設または指定医療機関に限られておるのでございます。ところがそのほかに、たとえば身体障害者の更生援護施設のごときものも、この指定医療機関には該当しないものでありまするが、多数の要保護者を収容する施設であるという点はかわらないのでありますから、これらの施設につきましても、繰りかえ支弁ができるようにしたいと思つておるのでございますが、当局の御意見を承らしていただきたいと思います。
  42. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 お説まことにごもつともでございまして、その他の施設につきましても、そういう必要なものがあろうかと存ずるのであります。ただいまこの法に規定いたしておりまするのは、保護施設及び指定医療機関だけでございまして、一応こういうことにいたしたのでありまするけれども、この点につきましては、十分考究しなければならぬ点があるのではないかと考えております。
  43. 青柳一郎

    ○青柳委員 次に八十四条の罰則でございまするが、この罰則によりますると、おしまいのところに「若しくは忌避した者」とその個人についての罰則のみを規定してあるのでありまするが、法人またはそれを使用する人に対しても、この罰則を適用した方がいいのではないかと思いまするが、その点についての局長の御意見を承らしていただきたいと思います。
  44. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 その点につきましては、この法の趣旨を徹底いたすようにいたしましたならば、やはりそういたさなければならぬのじやないかとわれわれも考えるのでございます。ただこの法案を立案いたします際におきましては、その点につき」ましての方針が、政府としてきまつておりませんでしたので、そういうような規定を一応除いておつたわけであります。この点につきましては、そういう状況であるということを御承知願いたいと思います。
  45. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは苅田委員、住完局長が見えておりますからどうぞ。
  46. 苅田アサノ

    ○苅田委員 住宅局長にお伺いいたしますが、ただいま国あるいは公共団体の方で、庶民住宅等の建築どんどんできておるわけなんですが、大体これの家賃をきめます標準がどういうふうになつておるか。坪幾円というようなことが大体きめられておるかどうか、というようなことについて、ちよつとお伺いしたいのであります。
  47. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 家賃のきめ方は、地代家賃統制令の範囲内できめることは当然でございますが、庶民住宅には二分の一の国庫補助がございます。その補助分を実際の費用から差引きまして、つまり建築費とか、土地の取得費とか、そういうものから二分の一の補助を差引きましたその半分について、地代家賃統制令の規定に従いまして、たとえば二十年間にそれを償却するといつたぐあいに計算してあります。そのほかに火災保険料とか、管理費とか、修繕費というものを加えまして計算してあります。大体標準十坪くらいの家をつくつておりますが、そういう計算で行きますと、大体全国各地方によりまして、まちまちでございますけれども、平均いたしまして、十坪の木造の住宅が八百円前後になつております。それからコンクリート建のアパートもやつておりますが、これは建設費が少し高いので、千二、三百円になつておつたかと思います。もう少し高くて、千五百円くらいのものもありますが、大体その程度の家賃であります。     〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕
  48. 苅田アサノ

    ○苅田委員 それから今度地方税の関係でもつて、必然的に家賃なんかが値上りになるだろうということを、一般では予想しておりますが、そういうことになりますと、大体何割、あるいは何倍くらいな家賃の値上りというものが予期されておりましようか。
  49. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 これは地代家賃統制令の範囲内でやつておりますが、固定資産税が現在の家屋税などよりも大分上りますから、それが家賃に転嫁して行くということになりますれば、一般に家賃がそれだけ高くなつて来るわけでございますが、これは実は物価庁の方できあられますことで、そういう方式にきまるとも何とも私どもの方はまだ聞いておりませんが、庶民住宅の家賃につきましては、現在も家屋税、などがありますが、これを全部家賃にかけているわけではありませんので、適当に割引いて賦課しておるような状況でございます。新しい税によつてどの程度の家賃になりますか、まだ見通しがつかないような状況であります。
  50. 苅田アサノ

    ○苅田委員 先ほどお尋ねいたしましたお答えの中で、木造の庶民住宅は、大体十坪が平均になつておるとおつしやいましたが、十坪は大体建坪だと思いますが、畳は大体何畳ぐらいになつておりますか。二十畳全部敷いてあるわけじやないでしよう。
  51. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 大体十坪の家で十二、三畳くらい敷けると思います。二間から、小さな部屋だと三間でございますから……
  52. 苅田アサノ

    ○苅田委員 現在東京都内で普通間借りをいたしますと、大体六畳の間くらいにいたしましても、五、六百円程度の家賃をとら、れておる実情なのでありますけれども、こういうことは無論統制令から見れば違反になつておるわけですけれども、こうしたものが今一般に行われているというふうに、私どもの経験からしても考えておるのですが、こういう点について、建設省あたりで東京都内の実際の間代が、どういうふうになつておるかについての一応まとまつた資料かありますかどうか。その点をお伺いしたい。あればそれをいただきたいと思います。
  53. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 実際の家賃の調べは、一昨年に調査したものがございます。もし御必要ならば差上げてもよろしいと思います。ただいまお話のやみ家賃の問題でございますが、六畳で五、六百円とつておるのは事実あると思います。しかしこれは必ずしも統制令違反になつておるとは限らないのであります。あの統制令は、昭和十三年当時の家賃から、大体現在は十倍ほどに上げて来たわけでございまして、そのときに家賃のあるものは十倍、それ以上に上つておれば違反ということになるわけであります。六畳一間その当時貸しておれば、そういう方式で行きますが、その当時は貸していなかつたとすれば新たな間代ですから、これは新たにきめて行くわけで、必ずしもそれで違反になるか、どうかということはわからないのであります。しかし一般的に申しまして、間代、家賃の違反は、特に東京には多いように思つております。大体半数以上は違反になつておるんじやないかと考えております。また地方によりましては、たとえば京都とか金沢、ああいう昔からの家が焼かれず、昔からの家賃がきまつてつて、あまり人も入れかわつていないというところでは、割合にマル公家賃が行われております。そのかわり家主の方が非常に困つております。経営ができない、修繕費が出せない、管理費が出せないということで非常に困つております。地方によつて事情が違いますが、お話のようにやみ家賃は相当横行しておるように私ども見ております。
  54. 苅田アサノ

    ○苅田委員 そういたしますと、大体東京都の規格になつておるような十二畳の間では八百円くらい、六畳ならば三百円、四百円というような家賃であれば、これは新旧を問わず、維持費等から考えて、大したやみでなくて承知できる価格だというふうに考えてよろしゆうございましようか。
  55. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 新しくつくりましたものは、建設費から資本利子などを考えてやりますと、二分の一の補助を出しましても、先ほど申し上げたような家賃になります。これが当然だろうと思います。ただ古い家は相当資本の償却もしておりますし、それでストツプ令が働いているわけでございまして古い家も資本の再評価をいたしまして、それで家賃をきめて行くということになりますと、一ぺんにはね上るということになるのでありますが、これは一般勤労者の負担ということから考えて適当でないということで、押うられているわけでございますから、最近建つたものと、昔かち相当古く貸しているものとは、見方によつては相当不均衡があるわけですが、これは当今の間やむを得ないのじやないかということで、物価庁もその方法で現在統制していると思います。
  56. 苅田アサノ

    ○苅田委員 そういたしますと、戦争中から建つているような古い家で、大畳間を貸そうというふうな場合、大体どれくらいが適当の値段になつているでしようか。
  57. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 古い家で新しく貸間をする場合に、幾らくらいが適当であるかということは、私の方でちよつと見当がつかないのでございますが、あるいは何か物価庁の方にでもね尋ねに、なつたらお答えができるかもしれません。
  58. 苅田アサノ

    ○苅田委員 この一昨年の御調査というのは、これは東京都のものでございますか。
  59. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 全国の調査でございます。
  60. 苅田アサノ

    ○苅田委員 資料がありましたら、いただきたいと思います。住宅局長への質問はこれだけでございます。  次に社会局長にお尋ねいたします。最初にお聞きしたいことは、総則の一条及び二条を見ますと、ここに「国が生活に困窮するすべての国民」という文字があるわけですが、これは日本国内に住んでいる人すべてという意味ですか。それともこれは日本の憲法を適用される人、つまり日本人という意味でございましようか。この点お伺いしておきたいと思います。
  61. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 ここで言います国民というのは、日本の憲法で言う国民でございます。
  62. 苅田アサノ

    ○苅田委員 そうしますと、長年日本にいて、日本人同様に住みついておつて、しかも日本人としての適用を受けていない朝鮮人の場合、現に生活保護の適用を受けている者の中には、朝鮮人の家族も相当あると思いますが、こうした人は新しい法律によつては適用を受けられないということになるのでしようか。
  63. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 現在日本の国際関係は、まだはつきりいたしていないわけでございます。やかましく申しますと、国際関係が確立いたしましたならば、つまり公の保護を必要といたしますような外国人に対する措置というものは、その国との間の条約によりまして、その措置がきまるわけでございます。従いまして趣旨としては、その外国人に当然保護しなければならぬということになつて来ないのであります。ただ現在ではその点が不安定な状態にあります。実際問題としては、われわれとしてはやはり同様に扶助して参るつもりでおります。
  64. 苅田アサノ

    ○苅田委員 そのことは法の条文でなくても、何か施行細則にでも書いておかないと、その趣旨が十分に伝わらないということが、起りやしないかということを考えるのですが、何か施行細則にでもそういうものをとりきめたものがあるでしようか。また将来そういうものをつくつておく必要は感じないでしようか。
  65. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 その点の取扱いについては、十分調査し、徹底するように通達をして、遺憾のないようにいたしたいと考えております。
  66. 苅田アサノ

    ○苅田委員 次にこれはこの間の公聴会のときに各公述人からも意見が出てまた本日丸山委員からもそれについての御意見があつたわけですが、現在の生活保護法の適用について、施設の側からも、あるいは一般研究者の側からも、それから現在保護を受けている人からも最も強く要望されたのは現行の基準があまりに実情に合つておらないという点だつたと思うのです。これについては公述人側の意見丸山委員からお引きになりましたが、会局長の方では、物価の変動その他と見合せてかえて行くためには、そういう審議会によらないで、厚生大臣の責任としてやつた方がいいというお考えと、またもう一つは、財政方面とにらみ合せてきめた方がいいというお考えのように私は伺つたのであります。しかし厚生大臣の責任といつても、結局社会局の保護課あたりで二、三の人がきめてやるというふうに、この間の公聴会では言われたわけですが、そういうところできめるよりは、もつと広い適当の範囲の人たちを網羅した審議会をつくるなり、あるいは現行の社会保障制度審議会制度でも役立ち得るならば、そういう制度にして、もつとそういう広い範囲の適当の人を集めた専門的な機関でした方が、時宜に合つた変化を考える点から言つても、厚生省内の課の一つの仕事としてやるよりはいいのじやないかと思います。それから財政的な点からいたしましても、今までこの委員会で、新しい憲法の規定に基く健康で文化的な、生活基準というものはどういうものかと各委員が聞きましたところ、社会局長は一貫し、て、それは国の財政状態とにらみ合してというような非常にはつきりしない御答弁でありましたけれども、少くとも健康で文化的なという以上は、国の状態がどうあろうとも、やはり最低の生活の維持というものは必要じやないかと私は思うのです。この間の公聴会意見でも、そうだつたと思いますけれども、少くとも生活して子供を育てて行くことができるという最低の線は、国の経済がどんなに破壊しておつて、やはりあると思うのであります。国の財政のいかんにかかわらず、それだけのものが、憲法二十五条を拡張してやる以上は、やはり私はあるべきだと思います。高度の健康で文化的な生活というと、きりはないのでありますが、ほかの生活と違つて最低の、健康な文化的な一線というものは必ず私はあると思うのであります。国の経済状態いかんにかかわらず、それがなければ健康にならない。不健康になつてしまつて、それ以上の成長や民族の発展ということは、考えられなくなるという一線があると思う。それならば、それはそういう財政的に縛られやすい官庁内の一課で考えられるよりは、自由な立場で考えて行くことの方が、もつと合理的な算定ができると思うので、公聴会の人たもが品をそろえて主張しておられたように、そういう基準をきめるための適当な機関をぜこきめられて、そこでやつていただきたいということを私も考えるのですが、社会局は、そういうことについてお考えになる余地があるかどうか、お聞かせいただきたいと思うのであらます。
  67. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 お尋ねの通りに、いかなる場合においても最低の線があるということは、事実だろうと思うのであります。ただ問題になります点は、国民全体の線が非常に低いという場合で、それよりも低いということは、またやむを得ないという線が出て来るのであります。すなわち国民全体の経済力というものが、最低の線を引く場合でも、相当影響が出て来ると思います。現在の線は、普通の国家状態でありまするならば、きわめて不満足な、不十分なものであろうというふうに考えるのでありまして、結局勤労者の生活のエンゲル係数が六七%というような状態というものは、きわめて不健全な国家の状態であります。そういう際でございまするので、普通の状態から考えても最低の線を維持することは、きわめて困難であろうと思うの一であります。それで現在の段階においては、どこが最低の線になるかということをきめますことは、きわめて困難であります。これにつきましては、それぞれの専門家の意見等も徴しておるわけであります。なかなかそれにしつくり合つたようないい意見というものは出て参つておりません。われわれとしましては、その点につきましては、やはりその基準のきめ方をどうするかということについては、ぜことも権威のあるものを得たいと思つておるのでございます。この点を社会保障制度審議会におきまして、取上げまして、国民最低生活の線をどこに引くかということを御研究くださるように願つておるのであります。その結論が出ますることを、一日千秋の思いで待つているような次第でございます。そういうもの従いましてわれわれとしては措置いたしたいと思つております。
  68. 苅田アサノ

    ○苅田委員 そういたしますと、ただいまの社会局長のお言葉は、現在の生活保護制度基準は、国のいろいろな経済情勢から考えて十分ではない。まだそれには改善の余地もある、ただいまの家賃の慮なんかは、私は明らかにそうだと思うのですが、そこでこれを全面的に改正するにば、社会保障制度審議会意見をまつて、それによつてやりたい、こういうふうなお考えのわけなんですか。
  69. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 現在社会保障制度審議会におきまして、畏低生活の問題を取上げておりますので、その方の御研究をまちまして、われわれとしましてはできるだけその線に沿うように努力いたして参りたいと、こう思つております。ただ現在のところでは、まだ有権的な、そういう適当な資料というものを持ち合せておりませんので、一応そういう有力な機関におきまして、審議されているものを基礎にいたしまして検討して参りたいとこうろております。
  70. 苅田アサノ

    ○苅田委員 私は社会局長のおつしやることはわかるのですけれども、今までの経験から見ましても、社会保障制度審議会意見というものは、これは意見として聞くというだけのことであつて、それが決定機関なつていない。そのためにいい意見が出ても、用いられなくて済むということがあるので、その点で用いられなかつた点がたくさんあると思うのです。それでなくて、この委員会社会局長保護課長がお入りになつてもよいわけなんですが、そうして協力してこの結論を出すというような、もつと権威ある基準をきある機関として、やつぱり常置的なものが設置される必要があるということが、私はこの間の公聴会の御意見つたと思うのですし、私もその方がいい、それでなければいけないと考えるわけなんです。それでなければ、意見として聞きおくというのでは非常に権威がない。いつでもそれは国の財政の都合では実現されないということになるので、それでは国民が権利として与えられた最低生活の権利というものが、実現できないと思うので、やつぱりそういつた諮問機関という形でなく、そこで大体の基準がきまるような決定機関に、これも今の社会局の熟練しておいでになる、そういう方面の専門家を決して除外するわけでないので、御一緒になつてやつていただければいいのですが、そういうものがいいと思うのですが、それはどういうふうにお考えになるのですか。
  71. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 現在の制度といたしましては、各種の審議をいたしまするものは、大体それは諮問機関になるというのが普通でございます。ただ諮問機関というものが非常に有力なものでございまするならば、その諮問機関に諮りましたことは、どうしても実施しなければならぬということに相なるだろうと思います。社会保障制度審議会は私どもの見るところによると、その審議の回数等におきましても、審議する人の顔ぶれ等を見ましても、きわめて有力なる審議機関であるように思われるのであります。現にそこへ配付いたしました趣旨に従いまして生活保障制度の改善という線が、それぞれ出て来るということになるあけであります。われわれといたしましては、この機関というものが、現在の機構としましては最も強力なものであると、こういうふうに考えましてとの意見を待つておる次第でございます。
  72. 苅田アサノ

    ○苅田委員 それではその次の点についてお伺いしたいのですが、これは社会事業協会理事長の青木さんの御意見つたのですが、やはりこれだけはつきりした生活保護法の画期的な改正というものがある以上、一番大切なのは予算的な措置なので、予算の点をもつと明記してもらいたいという御要望があつたわけです。これは社会保障制度審議会意見書の中にあつて、最初の法案でははつきり出ておつた。いつか私がお尋ねしたときに、これは屋上屋だから別にその点は書く必要もないだろうというような局長の御意見であつた。その条項に私は該当していると思うのです。つまり国家として、また都道府県とか、市町村とかいうものが、この法案の実施に必要なだけの十分な費用をとらなければならないという一条だと思うのですが、これはやつぱり私は局長が言われましたけれども、実際を言えば、法案に書いてあるものが実施できないような費用ではならないはずなんですけれども、今までこの委員会で通しました、たくさんの法案を見ましても、法案の文面だけはよいけれども、実際にそれを行うだけの費用がないというふうな、有名無実な例がたくさんあるので、せつかくこういうような画期的な変改をなされるのであれば、やはり最初あなた方がごらんになつたように、これがひよつと行われないという、おそらく老婆心から懇切な一条が加わつたであろうと思うのですが、これはぜひ生かしておいてはつきり国や、都道府県や、市町村の責任のある支出ということをまずやらせるようにしないといけないと思うのですが、その点についてどういうふうな御意見でしようか。
  73. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 法律上の点から申しますると、われわれが最初この法案に書こうと思いましたような条項は、書いても書かなくても、法律解釈上から見ると同様でございまして、当然出さなければならぬものは、出さなければならぬということになるわけであります。ただ財政上青木社会事業協会の理事長が申されましたようにいたしますることは、これは現行の法制上は、財政法の関係からできないことになつております。その点はそういう書き方で法律上するということは、現在では困難だろうと思います。しかしいずれにいたしましても、足りないという場合におきましては、政府といたしましては当然追加予算の措置と言いますか、予算補正の措置を講じなければならないということになりまして、これはごこに書いてあります。その占拠は書いてなくても同じことであるということを申し上げます。
  74. 苅田アサノ

    ○苅田委員 青木さんの言われたことというのは、以前の法案に書いてあつた条項に該当することではなかつたのですか。もつと違つたことでしようか。私はそういうふうに理解したのですが……
  75. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 これは戦争中に軍事費なんかをやるときにやつたような強力な措置でございまして、青木さんの言われましたのは、そういうふうなことはちよつと現在の建前からいたしますと、できないのでございます。
  76. 苅田アサノ

    ○苅田委員 具体的にどういうふうなことですか。
  77. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 これは専門的には小山さんから申していただきます。
  78. 小山進次郎

    ○小山政府委員 青木さんが申されたことを要約して申し上げますと、予算の繰上げ充用と繰下げ使用ができるようにしろ、こういうことでございます。繰上げ充用というのは、どういうことであるかと申しますると、たとえば三月の中旬ごろで、その年の必要とする経費が予算で間に合わなくなつた。幸いにしてそのときまでに、翌年以降の予算が成立しておつたというような場合には、翌年度の予算で前年度の費用に充てることができるようにしろ、こういうことであります。それから繰下げ使用と言いまするのは、その年度に組んでおりました予算に余剰が生じた、そつくりそのままこれを明年度の予算に使う、こういうことなのであります。いずれも義務費ということを非常に強く考えて行きますと、当然そういうふうなことが考えられることになるわけなのでありますが、一面これは、非常に行政の仕事をする者だけのことを考え規定ということになりますので、新しい財政法では全面的にそういつたことを認めない。いずれもそういう場合には新たな予算を成立させるということで処置をしろ、こういうことになつておるわけなのであります。
  79. 苅田アサノ

    ○苅田委員 その点は社会局長は、たびたびもしも今年度の予算で不足の場合は年度中でも追加予算を組むと言つておいでになつておりますので、私はその一言を信用して、足らなければ年度中でも追加していただける、こう思うので、いいわけでありますけれども、そういつたふうな強い御決意が社会局におありになるとすれば、少くともこれは決して私は屋上屋にならないと存じます。法の建前から、いつても、旧法にもちやんと書いてあるのですから——旧法というのはつまり新しい法案の原案には書いてあつたのですから、あれが抜けたというのは怪しいと思います。えらそうなことを言つていても、足らなくなつたら困るというので拔いたというように考えられるのでありますが、そうでなくて、それだけのはつきりした決意を示すと言われるのだつたら、あの程度のことをうたつてあれば、安心して私たちも新しい法律の画期的意義は認められるのですが、その点なくてもあると同じだというのでは、どうしても悪く解釈するようになるわけです。これはやはり前の原案にあつたように—あれはわざわざ書かれたのだが、今まで費用の点でうまく行かなかつたということが頭にあるので、費用の冒頭に持つてつて、ああいうりつぱなことをお書きになつたと思うのです。当然ぜこそれは復活していただきたいと思います。
  80. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 これは一応書いたのでございますけれども、法律の体裁上あまりかつこうよくないという、体裁の立場から除いたわけでございます。やはり当然なことを法律に書くということは、あまりかつこうよくないということであります。従いまして、それがなくてもやはり法の前の方に書いてありますように、国として当然この保護をしなければならぬということが、国の責務として明らかに出されております関係からいたしまして、足りなくなつた場合には程度を下げることはできないのでありまして、どうしても出さなければならぬ。出さなければならぬのに、出さずにおくということはできないということになつておる法律の精神からいたしまして、当然それと同じようなことになるのでございます。除くことにつきましては、除くことによつてなまけようという他意は全然持つておりません。そういう意味で拔いてくれというような意向は、どこからも受けていなかつた。従いまして、これは法の体裁上、こういうものを書くことが適当でないということから除かれたというふうに御了解願いたいと思います。
  81. 苅田アサノ

    ○苅田委員 しかしこれは私の思いつきから申し上げるのではなくて、ただいま社会局長が、最も有能な人物をそろえて、意見を大々的に取入れようという社会保障制度審議会意見としても、私はそういうことがはつきり出ていたと思うのです。そういうことをはつきり明記して、国は責任を持つてその費用を出さなければならないということを言つておる。これは単に体裁がいいから悪いからという問題ではなくて、やはり政府としてそれだけの責任を持つて新しく改正された法案は実施するのだということは、私は責任として書かなければいけないと思う。これは個人の意見ではなくて、今あなたが大々的に御賞揚なすつたその委員会の要請でもある点から、ぜここれは明記していただきたい、かように考えるのであります。
  82. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 それは国会が御審議になるのでございますから、私どもとしましては、別にどうこう申し上げるわけじやありません。私の方でとつ趣旨は、そういうわけであるというふうに御了解願いたいと思います。私どもの方では別に他意があるわけではないので、この法の原則という点から申しますれば、当然出さなければならぬことは明らかである。それで屋上屋を重ねるような規定であるから、一応省いたというわけでありまして、全体としてはその精神が出ているからさしつかえなかろう、こう考えておるのでありますが、その点につきましてはわれわれとしましては、立法機関で御審議なさるのでありますから、何とも申し上げるわけには行かないと思います。
  83. 苅田アサノ

    ○苅田委員 別にあなたの方で異存はない。かえるならば別にさしつかえない。ただ体裁上の問題だということを承つておけば、私どもの方としても非常に安心して審議できるわけだと思います。  もう一つお聞きしたいのですが、これはやはり公聴会で全面的に皆さんが要求しておいでになつた。特に千葉からおいでになつた助役さん、直接に生活保護法の実施の最前線にある施行機関の責任の方がおつしやつた中に、やはりこれは費用の問題で、こんなりつぱな法律ができても、これが地方の責任だけでやるということは非常に困るので、国庫で全額負担してやつてもら、いたい。こういうふうな御意見がありました。これはほかの施設の方たちからも、やはりそういう点は全額国庫負担にしていただきたいという御要望があるわけですが、この点そういつた一般の人たちが非常にこれを要求しておるということもお考えなつて、これをそういうふうな形に改められるような御意向はいかがでしようか。
  84. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 生活の扶助—何と申しますか、生活に困窮いたしました者に対する援助というものは、いわゆる沿革的に見まして、隣保相扶の関係から出て来るのであります。最低最低と申すとおかしいのでありますが、一番下の組織、行政組織と申しますか、そこで一応考えるのが最も適当であるというふうに考えます。ただ現在の社会情勢からいたしますれば、その経費を地方だけで持つということは、きわめて困難であるということで、やはり相当高い程度のものを国の方で負担しなければならぬ。そういう趣旨からいたしまして八割を国で負担して、一割を府県、一割を市町村というような形をとつたわけであります。この割合が現在の状況から正しいかどうかということにつきましては、相当検討を要するのじやないかというふうに、われわれは考えております。ただ御承知の通りに、地方財政の点が最近非常にかわるようなことになりまして本年度は地方の、特に市町村の財源が従来より非常に大きくふえる。そして国の財源は相当大幅に減らされるという状況でありますので、この際国の負担を増すということがきわめて困難である。もう少し一年間の状況を見まして、地方財政がある程度固まりましたならば、その際にどのくらいの割で負担したらいいかをきめるのが適当じやなかろうか。こう考えまして一年を延ばしたのが実情でございます。ただ延ばすに際しまして、地方の財政がきゆうくつのときに延ばすということは適当でないのでありまして、地方の財政がゆたかであるから一年延ばすことにしようということであります。この点につきましては、今後の情勢によりましては、負担の割は相当考究しなければならぬだろうと考えております。
  85. 苅田アサノ

    ○苅田委員 ついでにお伺いしておきますが、負担区分の変更ということは、これ以上地方負担を増すような変更でしようか。それとも軽減するという変更考えるのでしようか。どつちでしようか。
  86. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 われわれといたしましては、これ以上地方負担を増そうという気持は持つておりません。ただどの程度減らしたらよいかということにつきまして、あるいは減らすのがいいか、もう少し実施期間をかえるのがいいかという点は問題があるだろうと思います。これらにつきましては総括的に今年一年間の状況を見なければなりませんし、今後地方と国との間の行政事務の負担という問題も今審議されておりまして、これらの状況をにらみ合せまして適当にきめなければならぬのじやないか。こう思つております。
  87. 苅田アサノ

    ○苅田委員 これはただいま社会局長のお言葉の中にあつたのですけれども、なるほど今度は地方にたくさんの税金が委譲されておるのですけれども、実際の面からいつてとれるかどうか。これは以前よりももつととりにくくなつて来るというのが、これは単に実際に地方の行政をやつておる人たちだけじやなくして、この国会あたりでも地方行政委員会の人たちは、これには自由党の方たちも含めて、大体この点は意見が一致しておるとも聞いておるわけです。大体非常にたくさん委譲されてもとれるという点からいえば、かえつてとりにくいようになつているのが、実情のように私ども聞いているわけですけれども、そういうふうな事実がはつきりすれば、この法律についての改正は、当然社会局の方でお考えになると思うのですが、さように承知してよろしゆうございますか。
  88. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 確かに都道府県の点におきましては、はなはだしくとりにくい税が多くなつているように承知しております。これについてはわれわれとしましては実際の状況を見ました上で、市町村負担させることは適当でない、あるいは都道府県に負担させるという分につきましては、軽減しなければならぬこともあろうかと思います。
  89. 青柳一郎

    ○青柳委員長代理 ほかに御質疑はございませんか—それでは本日はこの程度にて散会し、次会は追つて公報で御通知いたすここにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十一分散会