○八巻
説明員 お答え申し上げます。
昨晩火足で
熱海が
大分燒けましたのでその
対策といたしましては、早急に
考えてございませんが、大体の
構想といたしましては、従来ああいうふうな既成の
密住都市におきましての
都市計画というものは、市街が燒けるというような場合でないと、なかなか行われないのであります。そこで一般の非
戰災の
都市につきましても、大
火災のあつたというような場合を契機といたしまして、従来
考えられてお
つた都市計画を、その際に実現して行くというような
やり方が、われわれの従来の行き方であつたわけであります。そういたしまして
飯田市であるとか、あるいは
秋田県の
能代市というようなところにつきましても、大
火災を機会に
都市計画を推進して参つたわけであります。今般の
熱海市の大火に際しましても、われわれの
考えておる
都市計画をこの際実現して行きたいという希望は持
つております。具体的に申し上げますと、
熱海市におきましては、従来
都市計画としてきまつたものは、
街路といたしましては、
海岸沿いの十五メートルの道路、それと直角に交わる、大体
熱海銀座と
並行線の十五メートル
街路というものが
計画されております。
海岸沿いの十五メートル
街路につきましては、昨年度の
補正予算で、すでに一部着工しておりまして、その延長として今後取上げの対象になるだろうと思うのであります。
熱海市における
都市計画は、現在その
程度しかきま
つておりませんので、
街路網につきましても、早急に
主要幹線をきあなければならぬと思
つております。そうして
熱海市の今度の
災害の直後として、さしあたり
都市計画の
立場からやらなければならぬ
仕事は、準
防火地区というものを大体指定して、なるたけ燃えない町を。くるということを主眼に、準
防火地区を指定するということが第一である。それからできるだけ早く
計画路線といいますか、
幹線をきめまして、そこには家が建たないように
建築線を早く指定しておくということが、さしあたりやらなければならない
仕事でございます。その
あとで、もちろんこれは
地元の方の御熱心の
いかんによるわけでありますが、
区画整理ということをやりまして、町並をよくして行くとか、
防火帶をつく
つて行くとか、あるいは町の中心にシヴイツク・センターをつく
つて行くとか、いろいろそういうことが
考えられるわけでございます。そういうような
仕事は、
相当金がかかりますので、市の
財政等ともにらみ合せて、その
規模というものがきま
つて来るだろうと思うのであります。
政府のこうした
事業に対する
助成は、従来とも
秋田の
能代市におきましても、長野県の
飯田市につきましても、
国庫は二分の一を
助成して来たわけでございます。しかしながら
火災というものは、
災害復旧という
わくに入
つておりませんので、普通の
都市復興の
わくの中でや
つて来たわけでございます。今般の
熱海市の
火災の
罹災面積というものは、まだ正確にわか
つておりませんが、おそらく七、八万坪くらいのものだろうと思いますが、その七、八万坪の全体についてやるか、一部についてやるか、そういうふうな
事業費がどれくらいかさむかということによ
つても、いろいろ検討しなければならぬと思いますが、ともかく七、八万坪やりますと、
相当金がかかるわけであります。これに対して市としてどれだけの
負担計画があるかというようなことも
考えて、
事業計画を立てなければならぬと思
つております。いずれにせよ、
政府といたしましても、こういうふな際に
都市計画を推進して行くということは、非常に
けつこうな話なのでございまして、その
事業に対する
助成というものは、
予算の許す
範囲において従来の例によ
つてやるということが、常識的に
考えられるわけであります。