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1950-03-17 第7回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月十七日(金曜日)     午後二時十一分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君    理事 久野 忠治君 理事 田中 角榮君    理事 内藤  隆君 理事 上林與市郎君    理事 天野  久君 理事 砂間 一良君    理事 笹森 順造君       大西  弘君    瀬戸山三男君       西村 英一君    淵上房太郎君       宮原幸三郎君    前田榮之助君       畠山 重勇君    増田 連也君       寺崎  覺君  出席政府委員         建設事務官         (管理局長)  師岡健四郎君         建設事務官         (住宅局長)  伊東 五郎君  委員外出席者         議     員 逢澤  寛君         議     員 北村徳太郎君         議     員 土橋 一吉君         総理府事務官         (特別調達庁契         約部不動産契約         課長)     阿部九二八君         総理府事務官         (特別調達庁事         業部労務給與課         長)      木下 芳美君         建設事務官         (道路局庶務課         長)      淺村  廉君         建 設 技 官         (道路局道路企         画課長)    佐藤 寛政君         建 設 技 官         (道路局建設課         長)      富樫 凱一君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君 三月十一日  委員鍛冶良作辞任につき、その補欠として淵  上房太郎君が議長指名委員選任された。 同月十四日  委員寺崎覺辞任につき、その補欠として中村  寅太君が議長指名委員選任された。 同月十六日  委員中村寅太辞任につき、その補欠として寺  崎覺君が議長指名委員選任された。     ――――――――――――― 三月一日  県道荻笹津停車場線改修請願岡村利右衞  門君紹介)(第一一三一号) 同月九日  米代川上流砂防工事施行に関する請願(石田  博英君外一名紹介)(第一二四二号)  保倉川上流流域治山治水事業施行請願(塚  田十一郎紹介)(第一二四四号)  姫路市における特別都市計画事業に関する請願  (大上司紹介)(第一二四六号)  愛知県下の開墾事業に伴う建設工事促進に関す  る請願河野金昇紹介)(第一二五四号)  広戸川上流牧本村地内に貯水池築設の請願(圓  谷光衞紹介)(第一二五九号)  住宅金融に関する請願木下榮紹介)(第一  二六四号)  同(門司亮紹介)(第一二八八号)  同(前田種男紹介)(第一三八一号)  東郷湖尻の災害防止対策実施に関する請願(門  脇勝太郎紹介)(第一二七二号)  新潟県下の地すべり防止対策実施に関する請願  (塚田十一郎紹介)(第一二七三号)  戰災復興事業予算並びに同起債額増加に関する  請願押谷富三君外五名紹介)(第一二七九  号)  江別、石狩厚田間の豊平川に架橋請願(宇野  秀次郎君外七名紹介)(第一二八〇号)  松崎村地内猿ヶ石川築堤工事延長施行請願(  山本猛夫紹介)(第一二八三号)  豊間根村地内津軽石川災害防除工事施行の請  願(山本猛夫紹介)(第一二八四号)  岩手県下各河川災害防除工事費国庫補助の請  願(山本猛夫紹介)(第一二八五号)  戰災都市復興対策に関する請願坪川信三君紹  介)(第一二八六号)  今市地方震災復興対策に関する請願池田峯  雄君外二名紹介)(第一二九四号)  兒島湾淡水湖化に伴う障害除去に関する請願(  若林義孝紹介)(第一二九七号)  県道鹿野倉吉線中一部拡張並びに改修工事施行  の請願門脇勝太郎紹介)(第一二九九号)  倉吉、津山間県道国道編入請願門脇勝  太郎君紹介)(第一三〇〇号)  天井川及び宇田川改修請願門脇勝太郎君紹  介)(第一三〇一号)  天神川改修工事促進並びに天神橋架替の請願(  門脇勝太郎紹介)(第一三〇二号)  達曽部川上流砂防工事施行請願野原正勝  君紹介)(第一三〇四号)  上郷村足ヶ瀬にえん堤工事施行請願野原正  勝君紹介)(第一三〇五号)  上郷村の災害復旧工事促進請願野原正勝君  紹介)(第一三〇六号)  名古屋、新潟間国道長野県通過に関する請願(  吉川久衛君外二名紹介)(第一三二五号)  岩手県下各河川砂防工事施行請願山本猛  夫君紹介)(第一三三〇号)  建築士法案に関する請願野村專太郎紹介)  (第一三五六号)  県道下品野駄知線改修工事費国庫補助請願(  川本末治紹介)(第一三五七号)  雨龍、江部乙両村間の石狩川架橋請願(篠  田弘作紹介)(第一三六四号)  青笹村地内河内川及び中沢川に砂防工事施行の  請願山本猛夫紹介)(第一三七〇号) 同月十三日  広瀬川水系河川中小河川編入並びに改修  工事施行請願二階堂進君外一名紹介)(第  一三九七号)  城之下川外河川砂防工事施行請願(二階  堂進君外一名紹介)(第一三九八号)  災害復旧等国庫補助金急速交付に関する請願  (二階堂進君外一名紹介)(第一三九九号)  住宅金融に関する請願外一件(今澄勇紹介)  (第一四一〇号)  同(小西英雄紹介)(第一四三三号)  同(堀川恭平紹介)(第一五二六号)  同(佐藤榮作紹介)(第一五二七号)  戰災復興事業予算並びに同起債額増加に関する  請願高木章紹介)(第一四一四号)  新湊本江間海岸護岸工事施行請願橘直  治君外二名紹介)(第一四三〇号)  東北振興決議即時実現に関する請願圖司安  正君紹介)(第一四三五号)  西彼杵総合開発事業促進に関する請願岡西  明貞君紹介)(第一四四八号)  時津、諌早間県道開設促進請願岡西明貞君  紹介)(第一四四九号)  伊の浦瀬戸架橋請願岡西明貞紹介)(  第一四五〇号)  西彼杵下災害復旧費国庫補助請願岡西明  貞君紹介)(第一四五一号)  新湊本江間海岸護岸工事施行の  請願内藤隆紹介)(第一四五六号)  徳山市内国道二号線改修工事施行請願佐藤  榮作紹介)(第一四六五号)  失業対策事業として泊町公園グランド拡張整備  の請願内藤隆紹介)(第一四六九号)  都市計画既定路線変更請願高木章君外一名  紹介)(第一四七一号)  瀬田村に上水道敷設請願松野頼三君紹介)  (第一四七三号)  最上川の工事事務所における防寒作業用被服類  の割当増加並びに無償貸與に関する請願上林  與市郎紹介)(第一四七九号)  十勝上流地域治水工事施行請願高倉定助  君紹介)(第一四八八号)  篠津原野開発に関する請願玉置信一君外三名  紹介)(第一四九一号)  新篠津、北両村地先石狩川架橋請願(篠田  弘作紹介)(第一四九二号)  袖崎、大高根間に開拓道路開設請願圖司安  正君紹介)(第一四九五号)  住宅金融公庫の運営並びに地方住宅対策審議会  設置に関する請願有田二郎紹介)(第一四  九六号)  大阪府に対し住宅金融公庫より二十億円融資の  請願有田二郎紹介)(第一四九七号)  住宅金融公庫法案の一部修正に関する請願(有  田二郎紹介)(第一四九八号)  建築代理士登録資格に関する請願小川半次  君外一名紹介)(第一五〇六号)  長久手村地内香流上流にえん堤築設の請願(  川本末治紹介)(第一五一一号)  仙台、古川間国道四号線中一部改修ならびに舗  裝工事施工請願本間俊一紹介)(第一五  一七号) の審査を本委員会に付託された。 同月九日  戰災復興土地区画整理事業促進に関する陳情書  (第五七二号)  建築基準法案及び建築士法案修正陳情書  (第五七九号)  明治用水のえん堤を矢作川下流に改築の陳情書  (第五八一号)  小友村地内藤倉上流砂防えん堤築設の陳情  書(第五  八三号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  道路に関する件  国土開発に関する件  住宅に関する件   請 願  一 釜房ダム設予定地拂下げ請願庄司一    郎君紹介)(第四号)  二 佐世保市内進駐軍用地買上げに関する請    願(北村徳太郎紹介)(第二〇号)  三 進駐軍関係従業員待遇改善に関する請願    (加藤充君外二名紹介)(第三六号)  四 測量現業員測量士資格付與請願(塚    原俊郎紹介)(第一三五号)  五 札幌市の市街地復興に関する請願外一件(    小川原政信君外一名紹介)(第二一五号)  六 日本建設公社創設等に関する請願(星島二    郎君外一名紹介)(第二八二号)  七 進駐軍関係従業員待遇改善に関する請願    (川上貫一君外一名紹介)(第五一八号)  八 同(春日正一君外一名紹介)(第五一九    号)  九 同外二件(土橋一吉君外一名紹介)(第五    二〇号) 一〇 接収家屋に関する請願岡野清豪紹介)    (第五九三号) 一一 明石市都市計画に関する請願有田喜一君    紹介)(第七一四号) 一二 生駒山地すべり防止対策に関する請願(井    上信貴男紹介)(第八七三号) 一三 住宅金融に関する請願足立篤郎紹介)    (第八七六号) 一四 同外一件(受田新吉紹介)(第九二六    号) 一五 同(足立篤郎紹介)(第九二七号) 一六 同外一件(門司亮紹介)(第九二八号) 一七 国道二号線中舟坂峠改修促進請願逢澤    寛君紹介)(第八八二号) 一八 豊後中村駅、瀬の本間道路改修並びに一部    路線変更請願村上勇紹介)(第八八    七号) 一九 三原、呉両市間県道国道編入請願(    宮原幸三郎君外一名紹介)(第九〇六号) 二〇 高浜町地内海岸護岸工事施行請願(田    中角榮紹介)(第九〇八号) 二一 失業対策として建築事業振興請願河野    謙三紹介)(第九三〇号) 二二 建物の復興促進に関する請願河野謙三君    紹介)(第九三一号) 二三 増田水沢間県道中一部改修請願(飯塚    定輔君紹介)(第九三八号) 二四 十勝治水工事促進請願高倉定助君紹    介)(第九六四号) 二五 豊頃、茂岩間の十勝川木橋架替に関する請    願(高倉定助紹介)(第九六五号) 二六 国道十九号線中岡山、金川間幅員拡張及び    舗裝の請願逢澤寛君紹介)(第九六九    号) 二七 道路法改正並び東北地方東海岸国道    開設請願高橋清治郎君外五名紹介)(    第九七二号) 二八 住宅金融に関する請願足立篤郎紹介)    (第九八九号) 二九 同外一件(受田新吉紹介)(第九九〇    号) 三〇 同(高橋英吉紹介)(第一〇一八号) 三一 同(米窪滿亮紹介)(第一〇一九号) 三二 同(廣川弘禪君紹介)(第一〇二〇号) 三三 同(佐藤榮作紹介)(第一〇二一号) 三四 同(松永佛骨紹介)(第一〇二二号) 三五 同(井上良二紹介)(第一〇五五号) 三六 同(中曽根康弘紹介)(第一〇五六号) 三七 同(越智茂紹介)(第一〇八六号) 三八 同(北川定務紹介)(第一〇八七号) 三九 同(足立篤郎紹介)(第一〇八八号) 四〇 同(松永佛骨紹介)(第一〇八九号) 四一 同(淺香忠雄紹介)(第一〇九〇号) 四二 同(松澤兼人紹介)(第一〇九一号) 四三 津、木津及び大阪間道路国道編入の請    願(中野武雄君外二名紹介)(第九九二    号) 四四 東北地方道路整備改善に関する請願(内    海安吉君外五名紹介)(第九九九号) 四五 長岡市戰災復興事業費国庫補助増額請願    (丸山直友紹介)(第一〇〇七号) 四六 浜田から加計を経て広島に至る間の県道を    国道編入請願山本久雄紹介)(第    一〇四五号) 四七 名取川改修工事継続施行請願内海安吉    君外八名紹介)(第一〇七四号) 四八 七北田川改修工事促進請願内海安吉君    外八名紹介)(第一〇七五号) 四九 南海地震による地盤沈下地帶上水道敷設    並びに下水道改修費国庫補助請願外三件    (高橋英吉君外七名紹介)(第一〇七八    号)     ―――――――――――――
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  日程に従いまして、道路に関する件を議題といたします。今回提出を予想されておりました改正道路法案につきましては、現在政府当局におきましては、いまだその結論を得ないようでありまして、当委員会といたしましては、この際独自の立場において調査、検討して参りたいと存ずるのであります。つきましては、この際道路法に関する小委員会を設定して検討したらいかがかと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなければ道路法に関する小委員会を設置するに決しました。  この際お諮りいたしますが、小委員選任はいかがいたしましようか。
  4. 内海安吉

    内海委員 小委員の数は、十一名とし、小委員及び小委員長委員長において指名せられんことを望みます。
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの内海委員の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなしと認めます。  小委員は人選の都合もありますので、追つて指名いたしたいと存じます。なお道路に関して何かはかに御質疑等がありますか。
  7. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 道路関係について概略的なことを一応確かめ、さらに私の意見を申し述べます。小委員会で詳細研究されることだと思いますけれども、一応全般的なことについて質疑をいたしたいと思います。  道路法はたびたび委員長からも申されましたように、道路法改正が大分前から論議されておりますが、今日まだその提案の時期に至つておりません。しかし一応改正の準備ありと申しますか、そういうものが当委員会にも出されておりますので、それに基いて三、三の点をはつきりさしておきたいと思います。建設省動力局昭和三十四年の十二月に印刷されております「道路全国調べ」という統計がありますが、これを基礎にして、それによりますと、昭和二十二年三月三十一日現在、国道延長特殊国道五百六十八キロ、国道八千九百十キロ、合計九千四百七十八キロとなつでおります。そのうち特殊国道鋪装が二十九キロ、さらに国道鋪装が千六百八十三キロ、合計千七百十二キロ、九千四百七十八キロのうちただ千七百十二キロの鋪装がされておる。もちろんそれが約二年を経ておりますので、これよりも進捗しておるとは思いますけれども、大体そのような状態だろうと思います。さらに県道において、指定県道が二万四千五百五十六キロ、そのうち鋪装されておりますのが二千三百九十キロ、一般府県道が、これは都道も入りますが、九万八百七十七キロ鋪装されておりますのがわずか千九百三十二キロ、合計いたしまして十一万五千四百三十四キロ延長のうち四千三百二十三キロの鋪装をいたしております。市町村道のことは時間の制限がありますので申し上げませんが道路法改正を予定されております全国国道並びに都道府県道がかような状況なつておるということで、私はまず第一番に政府当局に対して全国国道並びに都道府県道路鋪装するとするならば、現在の物価單価基準にいたして、どのくらいの経費を要するか。これをまず第一にお尋ねいたしたいと思います。
  8. 淺村廉

    淺村説明員 お答えいたします。ただいま正確に調査いたしました資料を持つて参つておりませんので、その点は調べまして後刻御連絡申し上げたいと思います。
  9. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 こういうことは私は別に責めるわけではありませんが、もちろん建設省にはいろいろの資料があると思います。今日は主として道路法の問題が中心であると思いますので、ほんとうの日本の道路行政をどうするかということを、真剣に私どもは論議いたしたい、かように考えておりますが、これは後刻調査するということでは、本来ならば承服できません。しかしながらあらかじめさような資料要求をしておらなかつた点もありますので、必ず次の機会には出していただきたい。そういうことがわかりませんと、ただ図面の上で地図をひつぱるようなことでは道路がよくなりませんので、その点はこの次の機会にぜひ出していただくことを注文いたしておきます。  さらにもう一つ、これもこの場ではわからないと思いますが、しかしそういうことでは相ならないということをあらかじめ申し上げて、さらに次の点を質疑いたしたいと思います。先ほどは延長鋪装の問題でありましたが、次には同じく国道並びに都道府県道に対しましては、現在名前がついておる国道都道府県道については、名目だけの部分がある。それをほんとう名前通り国道並びに都道府県道にするについて、どのくらいの経費を要するかということを、はつきりさせていただきたいと思います。現在国道については先ほど申し上げましたが、七・五メートルのいわゆる国道規格以上の道路は、大体五〇パーセント前後、国道規格に合つておりますものが地区別に申しますと、栃木、千葉東京神奈川大阪奈良島根福岡だけであります。ところが国道規格に合わないものを拾つてみますと、宮城、秋田、愛媛高知であります。ところが、そのほかの各府県も、先ほど申しました五〇%以上を拾いましたものに比べますと、きわめて国道規格に合う率が低位にある状況であります。今回国道網の問題が論議されておりますときに、現在存在しております国道ですからこういうことであるのでありますが、これに対して、現在の国道の方を七・五メートル以上の、いわゆる規格以上の道路にするについて、どのくらいの経費がいると思つておられるかということを、まずお尋ねいたしておきます。全国平均いたしまして、国道規格に合うものはわずかに二四%というように統計は示しております。次に都道府県道路も、各府県名前を申しませんが、五・五メートルの都道府県道路規格以上のものは、全国平均わずかに一三%、その地域的状況は、先ほど申し上げました国道と、ほとんど状況を同じくいたしております。それともう一つ自動車通行可能な幅員を持つておる国道、これは建設省統計に示されておるところでは、三・六メートル以上が有効幅員ということになつておりますが、国道でもなおこの三・五メートル以下の、自動車交通ができないという部面が相当にあります。それから都道府県道路の中で、自動車交通可能なものは、全国延長で五〇%以下のところが各地方に相当あるのであります。市町村道については省きますが、かような状況なつておる。それに対して国道規格以上の鋪装のことは先ほど申しましたが、都道府県道規格以上に現行のものを鋪装するのに、どれくらいの経費がいるかということを、まずはつきりさせていただきたい。これについてお答えができませんければ、次の機会に必ず説明をしていただきたいと思いまする
  10. 佐藤寛政

    佐藤説明員 ただいま主として道路の未鋪装あるいは未改良部分を整備する経費について御説明要求がございましたが、概数を申しますと、今日幅員六メートルの鋪装をいたしますと、一キロにつき大体六百万円ないし七百万円かかります。それから国道を一キロ建設いたしますと、規格の七五メートルを対象にいたしますと、大体一千万円くらいかかります。それから府県道の五・五メートルくらいのものですと七百万円くらいでございます。これはもちろん地形その他の條件によつていろいろ幅があるわけでございまして、概算的にはこの未改良延長からすぐ大体の経費は出ないことはございませんが、鋪装にいたしましても、改良にいたしましても、幅員の狭小、地形関係等がございまして、あいまいな数字を申し上げるのはいかがかと存じますので、この次の委員会に詳しい資料をごらんに入れたいと思います。
  11. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 その点はこの次の機会はつきりさせていただきたいと思います。そういう計算が立たなければ、道路行政はつきり論議することはできないと思いますので、強く要望いたしておきます。その次に今度の道路法改正の要点の主たるものであると思いますが、いわゆる国道地方道路を区別して、経費国道のときには国、地方道路については主要地方道路等の問題がありまして、ある程度国が負担をするということになつておりますが、原則として国道は国、地方道地方負担にいたしたい、こういう大体の考え方であるようであります。もちろんこれは地方自治体の独立と、地方自治自主性というものを重んずる意味において、ある程度首肯し得られるのでありますが、私が問題にいたしたいのは、先ほど国道についても、府県道についても、きわめて規格に合わない、合うまでには行つておらない地方があるということを、具体的に地方を拾つて申し上げておるのでありまするが、そのほかに、もう一つ全国における道路普及の率でありますが、その率を同じく建設省道路局の発表によつて申し上げてみますが、まず第一に各都道府県面積に対する道路比率、これは国道、それから都道府県町村道を入れての、いわゆる道路の総延長に対する一平方キロ当り比率でありますが、一平方キロ当り一キロ前後のものがきわめて悪い地方であります。東北各県それから山梨、福井、鳥取、山口、高知。また福岡佐賀、長崎を除くところの九州各県、これはきわめて道路普及率が悪い地方であります。それからこれ、に対して、一平方キロ当り五キロ前後以上の地方であります。これが北海道埼玉東京神奈川新潟愛知大阪福岡こういうふうになつております。もちろんこれについては、その中間に位して各県その様子を異にしておりますが、こういうふうに面積に対する道路普及率がきわめて高度なところと、問題にならないくらいに低位なところと、その間に各段階があるという事実であります。それから今度は国道都道府県道延長との比率であります。これが一平方キロ当りの三百メーター前後以下——国道都道府県道を合せて一平方キロ三百メーター前後以下のきわめて低位なもの、これが北海道の五十二メートルを初めといたしまして、それから東北各県、新潟山梨長野、岐阜、静岡、奈良島根高知、宮崎、鹿児島、これが国道都道府県道を通じまして、きわめて発達しておらない地方であります。それから一平方キロ五百メーター以上——先のは三百メーター前後以下であります。五百メーター以上が、やはり先ほどの道路規格の問題を論じましたときと同じように、埼玉千葉兵庫神奈川、石川、愛知、三重、滋賀、京都、大阪兵庫、香川、愛媛福岡佐賀、熊本、これが全国都道府県のうち一方キロ五百メートル以上の国道都道府県道が現在開設されている。その中には先ほどの問題と同じように、きわめて段階が多いのでありまして、大体の標準を申し上げたのでありますが、こういうぐあいに、この際一挙に国道地方道をわけて、国の負担地方負担をわけるということは、理論としてはまことに明快でありますけれども、かように現在の行われております道路が、国全体から考えるときわめて不公平な状態なつている。こういうぐあいに地方の責任においてやるということは、国の道路行政から見ると必すしも妥当でない。言うまでもなく国道地方道とにも国の総合品的な開発とにらみ合せて、また文化交通の上から、全国民に対し均霑して行うべきものである、かように考えておりますので、むしろ積極的に国の力によつて改良もし、また延長もすべきものである、かように考えておりますが、やはり原案のようなことを強力に推し進めるというお考えであるかどうかを、この際確めておきたい。
  12. 淺村廉

    淺村説明員 この道路法改正につきましては、われわれかねて研究して参つたのでございますが、今回建設委員会道路に関する小委員会を設置していただきまして、われわれいろいろ御教授をいただいて、今後検討いたす機会を與えられましたので、その際に十分私どもの詳細なる資料も提供いたしまして、御教授を仰いで参りたいと考えております。
  13. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 小委員会を設置されることになりまして、そこでさらに詳細なる検討をすることになつております。ので、私は大体ほかに申し上げたいこともありますけれども、小委員会で研究したいと思いますから、日本の現在の道路状況とにらみ合せて、まず基本的な問題だけをここに提案いたしておきます。これ以上質疑はしないことにいたします。
  14. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質疑がありませんか——御質疑がなければ道路に関する件はこの程度にとどめます。     —————————————
  15. 淺利三朗

    淺利委員長 お諮りいたします。本日の日程は道路に関する件と請願関係になつておりましたが、ただいま政府委員の出席は伊東住宅局長その他が見えておりますので、この際国土開発に関する件について、その後どういう結果になつておるか。建設省管理局長の方で、何か経過の説明があるならば、この際一応承参つておきたいと思います。が、日程を追加して承ることはいかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 江崎真澄

    ○江崎(真)委員 ちようど住宅局長もおられますから、この間委員会でしきりに問題になつておりました定員減の問題もありますので、その成行きについても承りたいと思います。
  17. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいま江崎君からの御発言で、住宅関係もこの際日程に追加することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 淺利三朗

    淺利委員長 さよういたします。
  19. 上林與市郎

    上林委員 具体的に住宅金融公庫法案の経過もひとつ御報告願いたいと思う。
  20. 淺利三朗

    淺利委員長 それは日程に今追加いたしましたから……。それではまず国土開発に関する件について、その後の経過を一応管理局長の方から御説明願います。——ただいま管理局長は、この問題は目下非常にデリケートな問題であるから、あとで懇談のときに申し上げたい、こういうことであります。つきましては、国土開発法案につきましては、今国会に提出の予定に相なつておりまするけれども、現在までいまだ提出の運びになつておりません。よつて当委員会といたしましては、この際、本件につきましても小委員会を設置して、深く検討しておく必要がありはせぬかと思うのであります。この際、国土開発法に関する小委員会を設置することはいかがでありましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 淺利三朗

    淺利委員長 では、小委員会を設置することに御異議ありませんければ、さように決定します。  小委員及び小委員長選任はいかがでありましようか。
  22. 内海安吉

    内海委員 小委員の数は十五名とし、小委員及び小委員長は、委員長において指名せられんことを望みます。
  23. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの内海君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めます。  それでは小委員につきましては人選の都合もありますので、あとで指名することにいたします。が、さよう御了承願います。  それでは国土開発に関する件は、後刻再び懇談会の形式で詳細を承ることにしまして、一応この程度にとどめておきます。     —————————————
  25. 淺利三朗

    淺利委員長 次に住宅局長が見えておられまするから、住宅金融公庫のその後の経過、またいつごろ提案されるか、それらについて一通りの御意見を承りたいと思います。
  26. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 住宅金融公庫法案が先月の二十四日に閣議決定を見まして、ただちに関係方面に提出しております。事前に大体の打合せを済ましてありますので、その後大きな変更はない見込みでございますが、若干こまかい点につきまして修正を要する点が出て参りまして、ただいま折衝をいたしております。実はぎようも折衝に私の方から行つておりまして、大体今週中か遅くも来週には折衝が終ると思つておりますので、承認があり次第、提出することにいたしたいと思つております。
  27. 淺利三朗

    淺利委員長 何か御質疑ありませんか。
  28. 江崎真澄

    ○江崎(真)委員 さつきの委員長よりの希望でわかつておると思いますが、要するに当委員会としては、建築基準法だとか、建築士法だとか、今度の住宅金融公庫の問題も控えて、今建設局の人員が百名減るということは、われわれとしてもいかにも残念に思うのみならず、これはとうてい行政運営上困難であるというふうに認めまして、いろいろ先般承るところがあつたわけでありますが、その後一体どうなつておりまするか、その後の経過及び現在の進行状況でありまするが、そういつた点について承りたいと存じます。
  29. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 住宅局の定員の問題につきましては、ただいまお話の通り、私どもといたしましても、いろいろ重要な問題が控えておりますので、減員することは困ると思つております。そこで行政管理庁とまだ折衝中でありまして、その後まだ何とも決定いたしておりません。
  30. 江崎真澄

    ○江崎(真)委員 見通しはどうですか。ちつとは明るみはさしましたか。
  31. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 管理庁といたしましても修正をしておるようでございますが、まだ決定いたしませんので……。
  32. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質疑はございませんか。
  33. 上林與市郎

    上林委員 住宅金融公庫法案につきましては、昨年の今議会の召集当初、要綱を私ども拝見いたしたのでございますが、これは非常に国民が期待しておる法案であると思います。各党でも、この問題につきましては非常に好意ある態度をもつて、今まで対処して来たと私は思いますが、会期も非常に切迫して参りました今日、なおこの法案がいまだに提出されないということは、ちよつと納得しかねる点もあると思うのですが、この前の要綱に比較して、どういう点が問題になつて、こう遅延しておるのか。もうちようと掘り下げて、具体的にお伺いしたいと思います。
  34. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 法案の要綱につきましてさきに御説明申し上げましたが、その間におきましては、大体国民金融公庫法と同様の構想で立案しておつたのでございます。と申しますのは、大体の骨子だけを法律できめる。業務の運営については、政令なりあるいは業務方法というようなことで、実際の運営においてきめて行こう。こういう考えでおりましたが、これは国民の立場から申しまして、いろいろ利害関係が深いところが多いのでありまして、実際の業務の実施の方法についても、法律にできるだけ具体的に詳細に規定する。こういう方針に途中でかえまして、そういう関係で、いろいろこまかい具体的の問題につきまして研究を進め、あるいは関係方面とも折衝いたしました。そういう関係で提出が遅れたようなわけであります。
  35. 上林與市郎

    上林委員 法案の内容については、提出後にいろいろお伺いいたしたいと思いますから、今この席では申し上げませんが、大体の見通しとしては、今週か来週——来週には必ず提出される御確信が持てるでしようか。
  36. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 これは私どもの方としましては、ぜひそういうふうに、来週中には上程できるように運びたいと思つております。何分相手のある問題でありますので、ここで明言することはできませんけれども、そういうふうに努力いたしたいと思つておりまする
  37. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質疑ありませんか。
  38. 田中角榮

    田中(角)委員 さつきの定員の問題なんですが、私たちも行政管理庁といろいろ折衝もいたしておるのでありますが、建設省一万数百名の中から、百名たらずのものを整理をするということは、一応のことはわかるのであります。しかし住宅局の関係だけで、九十数名を一挙に整理をするということになると、住宅行政に対しましては、根本的な——いわゆる基準法の制定、住宅制限令の廃止、その他私たちが現在企画しておりますところの、提出を予定しておりますところの建築士法の通過ということを見込んでおるときに、一挙に減らすということに対しては、多少難があるのではないかとわれわれ自身も考えておるのであります。その意味において、われわれが交渉いたしておりますることを、ちよつと申し上げたいのですが、これは行政管理庁で、住宅行政の中で、いわゆる監督部門とか、臨時建築制限令の廃止等に伴つて、その減員が行わられてもしようがないというお考えのようでありますけれども、私たちの考えでは、できるならば、そういうこまかいところまで指示することをちよつと延ばしてもらつて、今度の建設省関係では、特に今議題になつておる住宅金融公庫という問題もあるのでありまして、これは人員の交流等も考えた場合、私はできるならば、この問題は特に技術的の面に対する減員でありますので、これがマイナスを来さないという意味において、建設省に対して総員のうちから、現在減員を要求せられておるものを、建設大臣の責任においてなし、その各部局間の調節に万遺憾なきを期すということで行つたらどうかというふうな交渉を、私たちもやつておるのですが、それに対して局長は、そういうふうな御交渉をしていらつしやるでしようか。特に省内課局との関係はどうか。大臣も私の考えておるような方法でもつて御折衝になつてもらいたいということを、大臣に申し込んでおるのですが、これに対する局長のお考えを聞きたい、こういうふうに思います。
  39. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 私ども、直接は住宅局だけの関係でありますので、住宅局の定員が問題なんですが、今お話のように、省全般として考えるならば、また考え方もあるかと思います。従つて私どもの方からは、大臣には、そういう線でひとつ考えてもらいたいということを申し上げておりますし、管理庁に対しても、そういう意見を述べております。大体行政管理庁としても、省内のどういう事務について人を減らすとか、ふやすとかいうことでなしに、建設省全般として人を減す、こういう線で現在は考えておるように聞いております。
  40. 田中角榮

    田中(角)委員 もう一つは、住宅金融公庫に百五十人というのですが、もし減員されたならば、こちらの方へ配置転換ができるというふうな見通しについてはどうですか。
  41. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 住宅金融公庫は、今の案では全然国家公務員になつておりますが、恩給がつかないとか、多少やはり建設省の官吏と違つた面もありますので、建設省の官吏と同じように自由に交流するということもできかねるかと思います。希望によりまして、できるだけそういう方面に配置転換のできる人は転換して行こう、こういうふうに考えております。
  42. 田中角榮

    田中(角)委員 近く提出を予定されておりますところの住宅金融公庫の法案の内容について、ちよつと承りたいのですが、原案は御承知の通り、まつたく個人に貸し付ける、こういうものであつたようでありますが、だんだんこの法案が——個人に貸し付けるということになると、支出面から見まして、貸付対象が非常にむずかしくなつて来るし、その選定というものに対しては、非常に技術的にもむずかしいという意味で、一つ基準を設けられるようになるのではないか。しかもその場合、この法案が企図しておる根本目的に、多少逆行するような方向になるのではないかと思つておつたのですが、現在私たちが新聞、雑誌その他によつて見るところによると、多少そういうきらいがあるようであります。なかんずくこの貸付の対象になる住宅組合等に対しましては、各府県、市町村、すなわち地方公共団体が出資をするところの住宅組合ということを、非常に大きく考えておられるようでありますが、これはもちろんこの法案を起案するにあたつて地方公共団体にも貸し付けたい、また地方公共団体からもいろいろな陳情があつたようでありますが、私はそういう面から見て、なるべく個人的に貸し付けるという基本的な考えを、かえない方がいいのじやないかと思うのですが、この間に何かこういうふうにならなければならないようなわけかあつたのかどうか。これについて局長のお考えと、主管しておられる課長等のお考えも多少かわつて来ておるのではないかという気持もするのですが、どうでしようか。私はこれは正式に当委員会で御質問申し上げたわけではありませんから、これに対してはつきりした自信を持つておるわけではありませんが、いろいろ新聞、雑誌等に出されるところの貸出の対象、範囲、選考の方法、そういう具体的なところまでもちろん考えなければならない段階にあると思うのですが、そういうものに対するお考えが、一番初めに御説明になられた局長のお考えと、多少かわつたのではないかと思うのですが、そういうことはありませんか。ありましたらひとつ承りたいと思います。
  43. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 法案の内容並びにその運営、特に貸付対象などにつきましては、法案が上程されましてから、具体的に詳細に申し上げたいと思います。が、ただいま御指摘の点につきましては、局内で意見を異にするということはむろんございませんし、また当初考えておりました考え方を少しもかえておらぬつもりでございます。ただいま組合をつくつて、それに公共団体が出資するというお話がありましたが、こういうことは考えておりません。大体の貸付の対象としては、個人と住宅組合と、それから賃貸貸家業務を行うところの会社法人、この三つに考えております。個人と組合については、これは組合と申しましても組合を構成する人、個人々々に貸すわけでありますので、形式は組合の形をとりましても、全然個人同様の扱いをする。大体百五十億の資金で八万戸ほどの建設を予定しておるわけでありますが、その大部分のものは個人並びに組合のどちらかでありまして、これは全部個人に、平等に審査いたして公平に貸し付ける、こういう建前をとつております。  それからなお公共団体出資云々のお話がありましたが、実は全部個人の住宅に貸し付けるということにいたしますと、大体小さな住宅でありますかしら、全部木造のものになるわけです。これはでき得れば、この機会に耐火的のものをこれだけの戸数は建てたいというもう一つ別な考え方がありますが、この耐火建築をやるためには、どうしても共同のアパート式のものになる。アパートになりますと、勢い個人々々の所有ではなくて、貸家という——部屋貸しと申しますか、貸家の形式になる。貸家になると経営者がいるということになるので、だれかに貸家の経営をしてもらわなければならぬことに勢いなるわけであります。これは会社法人に貸家の経営をしていただく、それに対して公庫が貸し付ける、こういう構想もあわせて考えておるわけです。ところがこの会社法人がアパートの経営をやるということは、相当公庫から安い金利の金を借りましても、なかなか採算がとれない。一般の企業としては、家賃収入といろいろな経費との関係から見まして、企業としてはなかなか成り立ちにくい。さればといつて全部木造にしてしまうということも残念でありますので、いろいろ公共団体などとも話合いをしておりますが、地方の公共団体の一部には、特別のそういう会社法人をつくりまして、これに対して公共団体として相当の出資をする。そうして経営が成り立つように公共団体が財政的な援助をしてやる、こういう構想を持つておられるところが若干あるわけであります。そういう場合には、その会社法人に貸し付けて、アパートを経営していただこう、こういう考えを持つております。しかしこれは地方公共団体の予算の制約もあるわけでして、そうたくさんにできるわけではありませんので、八万戸のうちのどのくらいになりますか具体的にまだ全部要求が出そろつていないのでわかりませんが、おそらく十分の一かあるいはもう少し多くなるかというふうな程度でありまして、そう会社法人に大部分のものを貸し付けるというのではなく、やはり大体の線は個人を対象にしたもの、こういうふうに考えて立案をいたしております。
  44. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいま局長のお話では、一番初めと同じことでありまして、私も安心しておるのでありますが、もう一つ、そういう意味からいうと、この法案を起草された当時は、いわゆる建売りをなす者にも貸付をなす、こういうのでありましたが、現在細部的な法案の條文を読むときに、そういうふうに解釈できないような字句もあるようですが、これは前の考えと今のとどうですか、建売りをする業者もしくはというのと同じお考えであるかどうか。
  45. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 住宅の建売りをする業者に公庫から貸し付けるように考えておるかというお尋ねであります。当初、お話のように立案したこともありますが、その後いろいろ研究いたしました結果、建売りをする業者に貸し付けるのがいいか、建売りをする業者からその家を買う人に金を貸し付ける方がいいかという点で比較検討してみました。どちらも一利一害があるわけでありますが、結局結論といたしましては、その家を買う方の側に融資をしたい、こういうようなことで今案をつくつております。この家を求める人に貸しまして、それからその金で、業者に頼んで家を建てるということよりはあらかじめ家をつくつておいて、それを買うという方が、買う方としましてもいろいろ土地の心配などもいりませんし、またでき上つたものを見て買うのでありますから、そういう点で便宜がある。また公庫の側としましても、完全にできたものを検査した上で貸すのでありますから、まだ建て上らぬうちに貸すよりは危険がないというような点もございます。そういう方法をとろうと思つておりますが、ただこの際に建売りの業者に短期の資金の融通ができればさらにいいわけでございます。短期の資金を公庫から貸し付けまして、それで建ててもらつて、買う人に長期の資金を貸し付けるのに切りかえて行く、そういうふうにいたしますと万全でありますが、しかしごの短期の資金につきましては、また普通の銀行などにお願いしまして、建設省や公庫からも品をききましてあつせんいたしますれば、業者に対しその短期の資金ならば調達できる見込みもありますし、そういう点につきましては、銀行方面とも話し合つておりますので、公庫がごの長期の資金をさいて貸すという必要もなかろうと考えておる次第であります。
  46. 田中角榮

    田中(角)委員 これは技術的に専門的に考えた場合、建売り業者に貸した方がいいか、でき上つたものを買う人に貸した方がいいか。この原案では建売りを買う人にも貸せるし、建売りをする人にも貸せるということであつたが、そういうふうにかわつて来ておる。私はその面を一番初めに聞いたわけであります。これは建売りをした者にその資金を代貸しせぬというのであれば、建設省がお考えになつているように多数の家は建たない。これは法案が出てからお尋ねします。  まだこの法案が出ない前に、御折衝中に聞いた方がいいのではないかと思うのは、木造が一万六千円、不燃建築があつては三万三千円ないし四千円、こういうのですが、このものの一・二倍を越えてはならないという規定があるのです。これはもう少し巾を持たせた方がいいのではないかと私は思うのでありますが、これから住宅の建設資金の率もだんだんと低下して行くという見通しであれば、一年前の三万円が二万円でできる、こういうお考えにもなるのでありますが、その査定もむずかしいし、しかもいわゆる安物買いの銭が最低のものをつくるのではないし、かつ奢侈のものではなし、そういう高度の社会性を帯びたいい線をとらえておるのですが、現在の一・二倍を越えてはならないというものが、建設省の現在の住宅局でもつてやつておられる賃貸住宅程度のものを見ておるのであれば、あれよりももう少し、自分の家であるだけに巾を持たせた方がいいのではないかと思うのです。二十五年度一万六千円というのであれば、あの住宅式のものですから、結局二年、三年前の、もう四、五年で腐つてしまうような、住宅営団がつくつた建物とほとんどかわらぬものに投資をするのであつたならば——こういう制限を設けなければ、もちろん奢侈という面をはつきりと排除することができないので、制限は設けてもいいとしても、少くともこの率をもう少し上げて、もう少しいいものをつくつた方がいい。私はいわゆる水洗便所というよりも、内務省の簡易便所以上くらいにしたいという考えももつともだと思うのですが、これは水洗便所をつくつても、一万七、八千円ないし二万三、三千円くらいでできるのですから、もう少しこの中を上げたらどうか、こう思うのですが、これに対するお考えをお伺いしたいと思います。
  47. 伊東五郎

    ○伊東(五)政府委員 この点も住宅金融の重要なポイントだと思うのですが、何分金融公庫というものが、やはり大衆的な、社会政策的な意味も持たせたいという方針をとつております。従いまして、借りる人について資産の状態とか、何かいろいろな面で制限を加えるということも一応考えられますが、これはなかなか実際問題としてむずかしいのであります。それで建てる家そのものについて、あまり高級なものは排除しよう、これが一番比較的監督がしやすいと申しますか、とらえやすい点だろうと思いますので、一つは建物の大きさを制限する。三十坪以上を越えるものには貸さない。それから一つは同じ坪数でありましても、坪当りの單価が相当高いものは、これはぜいたくと見て貸付の対象としない、こういう二点から庶民性について考えているわけであります。今御指摘がありましたのは、一般標準価格の二割増しを越えるものは、ぜいたくと見て何しているわけですが、その点が少しきゆうくつすぎやせぬか、不良住宅になりやせぬかというお話でありますが、この標準単価のきめようにもよりますが、一般の庶民住宅、公営の庶民住宅よりは若干いいものをねらつております。そして今木造一万六千円、コンクリート造三万二千円、こういうようなお話がありましたが、これらも地域的の事情とかいろいろなものを考えまして、あまりそう悪くないもの、相当耐用年限のあるものがつくれる程度の標準単価にいたしたいと思つております。そうしてそれの二割増し、こういう標準に考えておるわけでありますが、これはわれわれとしましては、大体二割増し程度で、そう貧弱な家でなく、相当耐用年限のあるものがつくれるのじやないか、この金の使いようによりますけれども、床柱にうんとかけてしまうとか、そういうようなことでありますと、二割増しでも、実際の堅牢性とか、耐久性ということが落ちると思うのでありますので、その点については、十分貸付について技術的にも指導しながら行けば、これで大体健全な家ができるのじやないか、そういうふうに考えておる次第であります。
  48. 淺利三朗

    淺利委員長 住宅問題については、いずれ住宅法案提案の後に、詳細検討していただくことにして、事前のことは、大体いつころ提案されるかということを……。
  49. 田中角榮

    田中(角)委員 注文だからこれを言つておかないと、あとから来たやつがみな否決になりますから、もう一点だけ言わしてください。
  50. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは簡單に願います。
  51. 田中角榮

    田中(角)委員 もう一つは、私もこの法案に対しては、前から自分でも非常に研究して来たつもりでありますので、提案されるまでに、非常に事務的にむりがあるかもしれませんが、一つだけ注文を申し上げておきます。この法案御提出になつて、いろいろ御折衝、その他の結果、これが官庁でもつて直営のものはやらない。しかも質貸住宅式のものがこの法案のねらいでないということは、これは動かすことができないのですが、私はこの法案が通つて、金融公庫が設けられて、その運営やいろいろなものあるのですが、その結果、かつての住宅営団と、現在の建設省住宅局が扱つておる賃貸住宅の、大体あいのこ式なものになりやすい。こう思うのですが、もしなつたならば、これを審議し、通過せしめる私たちも、非常に責任がありますし、特にこの法律案に対しては、全国あげて非常に希望を持つておるのです。だからその人たちが自由に借りられるように、この立法の趣旨だけは絶対に曲げないようにして、お出し願いたいということだけ申し上げておきます。
  52. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは住宅に関する問題は、この程度にとどめたいと思います。     —————————————
  53. 淺利三朗

    淺利委員長 なおあとで国土開発法に関する懇談会も開くことになつておりますから、ただちに請願に移ることにいたします。が、その前に、小委員会設置の件について、ちよつとお諮りいたしたいと思います。  水道法に関する日程を追加議題といたします。水道法案に関しましては、現在まだ提出の運びになつておりませず、聞くところによりますと、厚生省との共管関係の問題が、未解決のために、本国会には、提案せぬということであります。本件に関しましては、先刻理事会に諮りました結果、この際当委員会に小委員会を設置して、いろいろの角度より、深く検討して参りたいと存じます。つきましては、この際水道法に関する小委員会を設置するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めます。小委員会を設けることに決しました。なおこの際お諮りいたしますが、小委員、及び小委員長選任はいかがいたしましよう。
  55. 田中角榮

    田中(角)委員 小委員の数は十一名とし、小委員及び小委員長は、従来の先例により、委員長において指名せられんことを望みます。
  56. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの田中委員の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めまして、そのように決します。小委員につきましては、人選の都合もありますので、後刻指名いたします。御了承を願います。     —————————————
  58. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程により請願の審査に移ります。紹介議員の御出席の都合もありまして、日程をときに委員長において変更いたしますので、あらかじめ御了承を願います。なお愼重に審査いたします関係上、採決は後日一括して行いますので、あわせて御了承を願います。日程第二、佐世保市内進駐軍用地買上げに関する請願北村徳太郎紹介、文書表番号第二〇号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。北村徳太郎君。
  59. 北村徳太郎

    北村徳太郎君 ただいま問題になりました事件は、佐世保市内で、現に進駐軍の住宅に供せられておる土地に関することでございます。御承知の通り、佐世保市は戰災をこうむりまして、ほとんど主要な部分か燒けたのでありますが、この土地の所有者は、戰災にあいまして住宅を失つた人ばかりなのであります。これが進駐軍の用に供するということで、ほとんど強制的にその土地が使われまして、現有進駐軍の住宅が建つておるのであります。ところが御承知のようなただいまの金詰まりの現状でありまして、戰災によつて住宅を失つた人たちが、自分の残された土地についてこれを売ろうといたしましても、現に進駐軍に使われておるから売ることができない。それからこれは金融の対象にならない。抵当権その他物権法的な処置かできませんために、金融の対象になり得ない。それから中に財産税等でこれを税の対象にしたいという人がありましても、これも進駐軍に現に住宅として供しておるために、そういう目的に使うことができない。ここですでに戰災にあつたということが、戰災にあわない人と比べて非常に不幸な事実なのでありますけれども、その上に戰災にあつて、たまたま家が焼けて土地があいておつたというだけの理由で、その土地が金融の対象にもならず、納税の対象にもならず、売買もできないというような拘束を受けて、いわば財産権がはなはだしく不当に侵害されている。現在使用料は受取つているのでありますけれども、これは現在納める税金の半額くらいしか拂われていない。従つてこれは二重、三重に、戰災にあつた人が不当な犠牲を拂つている。こういう現状なのであります。それで請願の趣旨は、以上のような非常に気の毒な現状にあるのでございますから、何とかこれに対して、つまり犠牲がはなはだしく不公平である。犠牲の負担が不公平である。この点を是正するという意味でお考えを願いたい。たとえば使用料をもつとふやして、使用料として適当な妥当なところへ持つて行く。あるいは代地を與えてもらう。現に提供しているものはかわりの土地を與えてもらう。あるいは現在使用されているものを適当な値段で買収するとか、何とかしてもらわないと、金融の対象にもならず、その他どうにも動きがつかない。かつてに売ることもできない。もらう金は税金の半分くらにしか達しない。こういう現状で、これを続けられたのでは、戰災にあつてたださえ困つている多数の土地の所有者が、非常な困窮の状態に陥つているのであります。この点について請願をいたしましたので、以上の点をおくみとりいただきまして、何とか土地の所有者が、これは国の為に拂う犠牲でありましても、戰災にあつたという上に、戰災にあつたがために、たまたまそれを條件としてあき地をとられている。こういう状態なのでありまして、御考慮を煩わしたい。これが請願の趣旨でございます。
  60. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願に対する当局の意見を伺います。
  61. 阿部九二八

    ○阿部説明員 ただいま上程された問題につきまして御説明を申し上げます。御指摘の点はまことにごもつともな点ばかりでありますが、地代が租税公課に間に合わぬという点でありますが、現在私どもといたしましては、地代家賃統制令に基いた地代をお支拂い申し上げているわけであります。この地代家賃統制令による地代の計算というものは、宅地の等級によつて、賃貸価格によつて算出されることになつておりますので、その範囲におきまする租税公課から見ますと、地代が租税公課に充たないということはないと思つております。地代につきましては、過去において二十三年の十月に一回、それから二十四年の六月に一回、地代家賃統制令が改正されるたびに値上げをいたしておりますので、現在ではこの地代が、税に間に合わないということはないように私どもは考えております。  その次に御指摘になりました買上げの問題でありますが、現存におきましては、連合軍の方針もありまして、全国において買い上げている土地はございませんし、目下のところ終戰処理費といたしましては買上費を計上しておりませんので、将来とも買上げはできないのではないかと今考えております。現在では買上げをいたす予算もございませんし、私どもといたしましては、買上げ不可能な状態なつております。  それから代地の問題でございますが、なかなか代地となりますと、地理的な関係その他いろいろとございますので、所有者の納得のできるような代地が見つかるかどうかというようなことも考えねばなりません。当時知事さんが接収入の施行をやられたわけでありますが、知事さん等においても、家屋については移転先、あるいは土地についても、それぞれのことをお考え願つたかと思うのでありますが、それがなかつたとすれば、適当な代地がなかつたか、また代地となると、代地を購入するというようなことが起きますが、今申しましたように、接収自体についても買上げを許されないという事情でありますので、従いまして、代地についてもそういうことになりますので、今のところ国として代地を購入する意図を持つておらず、また代地を購入する予算もないのであります。家を建てる場合には、地元の知事さん、公共団体等にごあつせんを願うことについて、前々からお願いいたしておりますけれども、思うように行かない点については、まことに残念に思つております。大体御指摘の点について、私の考えを申し上げますと、以上の通りでありまする
  62. 北村徳太郎

    北村徳太郎君 ただいまの御説明を承つたのでありますが、それは通り一ぺんの官僚的な御説明であつて、私どもは、現にこういう不当な、妥当ならざる、公平の原理に反した事実があるということを指摘して申し上げたのであつて、ただ通り一ぺんの官僚的な御答弁では、どうも満足しかねるのであります。代地の点や、租税公課と地代との関係がどうなるかということは、後に書面をもつて申し上げてもよいと思うのでありますから、その点については深く争いません。とにかく現状をどうして打破するか。非常に不当に財産権が侵されている。こういう事実があるにかかわらず、予算がないからとか、あるいは今のような御説明では、何ゆえ戰災にあつた人たちが、そういう不当な財産的な窮状に陥れられることを甘んじなければならぬかという理由の説明にならない。国の政治は、そういうものでないと思うのでありますが、今おいでになつている説明員では、十分なことは御説明になりにくいかもしれないけれども、こういう実に顕著な不公平というか、驚くべき事実がある。何も不当なことを言つているのじやなくて、とられたところはしかたがないから、代地を考えることはできないかということなんです。それもできないと御断定になりますかどうか。それをもう少し、はつきり伺つておきたい。
  63. 阿部九二八

    ○阿部説明員 ただいまの代地の問題でございますが、地方においても、こういうことは要望されたことだと思います。それで私どもから申しますと、さつき申し上げたように、地元において接収の主管者になつたそれぞれの機関が、十分それぞれ御心配をして差上げたものと思うのです。ところが、それが現在までできなかつたということについては、中央といたしましても、今申したように、予算措置をしておりませんので、それがなければ、財政的に困難なことになるわけであります。現在のところは、予算その他の措置ができておりませんから、代地についての問題は不可能であると、私どもは申し上げるよりほかございません。将来につきましては、予算の措置等ができますれば、そういうことをやりたいという考えは持つておりますが、今のところは代地を購入して提供するというようなことは、不可能じやないかと思います。
  64. 淺利三朗

    淺利委員長 この問題は、よほど検討を要する問題と思いますので、政府の説明説明といたしまして、当委員会は、特にこれは独自の立場で研究いたしたいと思います。紹介議員の方で、なるべくこれに対する資料を整えて、お差出しを願いたいと思います。採決は後日に留保いたしておきます。
  65. 北村徳太郎

    北村徳太郎君 では、そういうことで、よろしくお願いいたします。     —————————————
  66. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第一七、国道三号線中舟坂峠改修促進請願逢澤寛君紹介、文書番号第八八二号、日程第二六、国道十九号線中岡山、金川間幅員拡張及び舗装の請願逢澤寛君紹介、文書番号第九六九号、同一人の紹介でありますから、一括して議題といたします。紹介議員の説明を求めます。逢澤寛君。
  67. 逢澤寛

    逢澤寛君 まず国道二号線のことをお話申し上げたいと思います。御承知のように国道二号線は、日本の道路の中で一番重要なところであります。それが兵庫県と岡山県の境界にたまたまなつておりまする舟坂峠は、歴史的にも非常に有名なところであります。それだけにまた難関なのでありますが、これはこの国道の二号線が開設以来何らの手をつけていない有名な難所なのであります。この地方には三石町と言いまして窯業の盛んなところがありまして、もつぱらこの窯業に対しましては、鉄道の輸送を唯一の輸送機関といたしておるのでありますが、しかしこの地方は三石町と赤穂町を中心といたしました地方産業も非常に盛んな所なのであります。開くところによりますと、この地方国道改良も、だんだん進んでおるのでありまするが、この舟坂峠だけが残されており、ほかの所はそれぞれ手がつけられておる。地方といたしましても、この舟坂峠の改修を非常に要望しております。そこで地元といたしましては、建設省地方機関である出張所——広島建設局と言いますか、この方とも連絡いたしまして、最も工事の簡易にできるというような方法も研究しております。従つて一般に考えているような、そうした難工事でなくてやつて行けるというようなことも研究いたしておりますので、さらに建設省といたされましても、一層の研究を進めていただいて、急速にこれをやつていただきたい。すでに建設省におかれましても、相当御研究くださつておるということは承知しておるのでありまするが、施工の実施をすみやかにおやりくださらんことをお願いいたしておきます。つきましてはどういうような御計画がありまするか、ありますれば、その計画の様子を拝聴いたしたいと思います。  次に委員長の方から御指示になりました国道第十九号線なのでありますが、これは岡山、津山、さらに鳥取を経由する岡山県の縦貫道路と言つていいのであります。この十九号線も建設以来、岡山を出発点といたしまして、金川までの二十一キロというものは、明治初年の建設以来いらつていない道路であります。なかんずく岡山から辛香峠までの十五キロほどの所は、一回も手をつけていない。明治初年の建設以来一つも手をつけていないという所です。そこでこの交通量も、数回道路局の方にも出しておりますから御承知でありましようが、国道第二号線を除いては交通量が一番多い。一日の交通量が自動車だけでも千六百三十七という記録を残しておる。しかも道巾が非常に狭くすれ違いに困難な所がある。岡山県といたしましても、すでに省の方に対しては、岡山県内の交通最の一番多い所で、しかも道の一番悪い所だから、急にやつてくれということを要望しておるのであります。県の土木部の方からも要望しておるのでありまするが、今まではどういう都合かちつとも手がつけられていないのでありまするから、この点は全部とは申しません。金川までやつていただきたいのでありますが、第一次は岡山を起点といたしまして辛香峠までの十五キロの間、これをどうしても急にやつていただかなければならないところなのであります。一応御調査を願いまして、この岡惜を忠とし、かついろいろの生産地帯から、先ほど申し上げましたように、一口に千六百台もの自動車が利用しておる。こういうような実情を見ていただきまして、急速に地方民の要望にこたえていただきたいと思うのであります。そこで政府として、はこれらのことに対してどういうようなお考えを持つておられるかということを、お願いかたがたお尋ねを申し上げたいと思います。
  68. 富樫凱一

    ○富樫説明員 舟坂峠改修の問題でございますが、舟坂峠を中心にいたします二号国道につきましては、ただいま片上地区を改修中でございます。舟坂峠につきましては、かねて調査中でございましたが、この峠の勾配を緩和するということは、非常に大きな工事にもなりますので、ただいま中国四国地方建設局と近畿地方建設局と両方で、この峠の改修方法について研究中でございます。近くその結果が出ることと思われますが、その結果によりまして、なるべく早い時期に舟坂峠の改修を実現いたしたいと考えております。  国道十九号線の岡山と金川の間の改修の問題でございますが、これはかねて懸案の所でございましたが、二十五年度において国庫補助工事で着手いたしたいと考えて、目下検討中でございます。なお舗装につきましては、ただいま舗装の補修に重点を置いておりますので、舗装の新設ということは当分できがたいことと思います。後年度において考えたいと思います。
  69. 逢澤寛

    逢澤寛君 二号国道の方も、先ほど申し上げましたように、地方建設局で調査してくれていると思いますが、さらに一層留意していただきたいことは、運輸省の敷地を利用すれば非常に距離が短かくなるということと、勾配の関係が非常にいいところがありまして、ほとんど当初考えておりました勾配の半分ぐらいでできるようなことは、地方建設局も大体承知しておるのであります。ただ一見したような工事でないということを、一応御了承願いたいと思います。そういう意味合いで急速にお考えを願いたい。  それから十九号線のことでございますが、大体ただいまのお話によりますと、本年度からはやろうというようなお話だそうでありますが、どの辺までおやりになるというような、もくろみの具体的なことがわかりましたら、ひとつお願いいたしたいと思います。
  70. 富樫凱一

    ○富樫説明員 十九号線の改修着手箇所につきましては、一応ここに案がございますが、実施につきましてはなお県当局と相談いたしまして、箇所を選定いたしたいと考えております。
  71. 逢澤寛

    逢澤寛君 ありがとうございました。     —————————————
  72. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第三、進駐軍関係従業員待遇改善に関する請願、文書表第三六号、加藤充君外二名提出。日程第七、同様、文書表第五一八号、川上貫一外一名提出。日程第八、同じく、文書表第五一九号、春日正一君外一名提出、日程第九、同じく外二件、文書表第五二〇号、土橋一吉君外一名紹介。右請願を一括して議題に供します。紹介者の説明を求めます。土橋一吉君。
  73. 土橋一吉

    土橋一吉君 ただいま議題になりました進駐軍関係従業員の待遇是正に関する請願でありますが、御承知おきのように、進駐軍関係の労働者諸君のうち、特に事務系統の従業員諸君におきましては、政府の六千三百七円ベースの基準で、今日まで非常にあえぎ苦しんでおりますので、特にこの事務系統の従業員諸君に対しましては、一率に三千四百円程度の増額支給を切にお願いしたいと考えておるのであります。なお技能工系統の使用人に対しましても、同じく一率に手取り二割五分程度の増額支給をお願いしたいと考えておるのでございます。その現実の支給につきましては、十一月の一日からこれを支給していただくように特に委員の皆さん方に私は御配慮、御協力をお願いしたいのであります。なお最近の物価の上昇を考えまして、六千三百七円ベースは、一昨年の七月当時の物価指数を中心としまして算定いたした基準でございまするので、当然今年の七月ないし八月ごろにおきましては、一般物価の指数が示しておりまするように、三六%から約四〇%近くまで物価か上昇しておるのでございます。でございまするから、当然そういうような上昇の経過を考えてみますと、少くとも請願をいたしておりまする十二月四日当初におきましては、各人の家計の赤字は二万円にも達するようなものでありますので、ぜひとも年内には二万円の赤字補填金を支給していただきたい。こういう趣旨であるのでございます。これにつきまして、全日本進駐軍労働組合の方から政府の方とのいろいろの交渉の経過を聞きますると、政府の方の御説明によりますと、四月以降については、——これは昨年の四月でありまするが、四月以降は職階制の是正を行いまして、諸君の希望に沿うようにしたい。こういう公約もいただいておるのでございます。なお今私か申し上げましたように、一般の物価指数におきましても、このような上昇率を示しておると同時に、これまた特に最近は鉄道運賃の値上げその他の諸物価の高騰によりまして、生活は非常に窮迫いたしておるのでございます。従つてこういうような生活苦というものは、進駐軍の労務に対するところの非常な支障と相なることは当然でございまするので、ぜひとも政府におかれましても、この内容を十分了承せられまして、これらの労働者諸君が出しておられますところの、最低限度と思われる、この事務系統につきましては、三千四百円程度の増額、技能工労働者に対しましては、一率に二割五分、さらに年末の赤字補填金としては、一率に二万円程度の支給をしていただきたいということでございます。なお政府の方もおいでになつておりまするが、ここに全日本進駐軍労働組合と公約をなすつたというような事実が、政府の方でございましようかどうか。この点も承つておきたいと思うのでございます。
  74. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対する当局の意見を求めます。
  75. 木下芳美

    木下説明員 給與ベースの改訂につきましては、現在、進駐軍の給與は、一般官公吏の約一〇%増し以上に大体きめております。従いまして公務員の給與改訂がない今日におきまして、進駐軍のみを單独で改訂するという意思は、現在のところ持つておりません。PWの問題につきましても、この告示は労働省において行うことになつておりますので、この労働省の改訂がありましたならば、さつそくこれは実施したい。こういうふうに考えておりまして、その方が改訂がない限り、ただいまのところ改訂するということを考えておりません。  次に赤字補填金でありますが、これは生活の不足を補うための一時金をもらいたい。こういう御要望でごもつともでございますが、現在のところさような給與ベースその他においても——給與ベースはある程度一般公務員よりよくなつております。そういうような状態で、現在のところ赤字補填金を出すという考えを持つておりません。なお職階制の問題について公約をしたかどうかというようなことでございますが、これはその当時のいろいろな給與の内容の格づけの基準というものは、非常に不明確でありますので、その当時皆さん労働組合の要望もありまして、いろいろと関係方面と折衝いたして、職階制の基礎調査というものを現在実施中であります。従いまして、その間におきましても、なお職種問におけるいろいろなアンバランスがある点、これはその都度職階的な考えから、ある程度是正しつつあるのであります。あまり大きい是正をいたしておりませんが、特に不均衡の点については、いわゆる職階制という観点から直しつつあります。
  76. 土橋一吉

    土橋一吉君 御承知のように、進駐軍関係の労務は、時期的にもきわめて緊要なものもありましようし、またきわめて事業内容並びに作業内容等におきましても、火急の場合がしばしばあるのでございます。従つて一般の官庁におきまする労働者諸君につきましても、同じ場合がありますが、特に進駐軍関係の労務提供ということは非常に困難な條件が、一般の従業員諸君に課せられておることは御承知の通りであります。でありまするがゆえに、その他の諸條件におきましても、われわれの聞き及んでおるところによりますると、非常に問題がむずかしくなる場合が多いようであります。でありますので、こういう関係に携わつております労働者諸君の待遇を是正する。またこのような最低限度の要求につきましても、十分政府の方におかれましてもそうでありますが、委員の各位におかれましても、十分御了承願いまして、この請願がぜひとも通過するように切に御配慮をお願いしたい。     —————————————
  77. 淺利三朗

    淺利委員長 次は日程第一九、三原、呉両市間県道国道編入請願宮原幸三郎君外一名紹介、第九〇六号を議題といたします。宮原幸三郎君。
  78. 宮原幸三郎

    ○宮原委員 本請願は近く道路法改正せらるるを機に、広島県三原市より同呉市をつなぐ指定府県道を次に申し上げる理由により、国道として編入せられるよう請願するものであります。その理由を簡単に要点だけ申し述べますと、本指定府県道は、三原市における国道二号線の分岐点より海岸線を走り、呉市における国道三十二号に連繋六十五キロにわたる重要なる一大幹線道路であります。この路線は、瀬戸内海沿岸中枢の地を縦貫し、この問十指に余る商工漁港に臨んでおりまして、古くから隣接諸島並びに四国島艇との交通が頻繁であつて、遠く阪神及び九州を結ぶ商港基地として、物資の集散頻繁なるに加え、ヒンターランドである山間奥地の西條、三次を経て鳥取、島根に至る方面よりの陸上運搬路と相まつて、本路線の機能は現在山間国道に比し、はるかに重要なるものがあるのであります。この山間国道との比較調査につきましては、昨度来出先広島地方建設局及び広島県庁において精細な調査が遂げられまして、その資料建設省道路局の方に提出いたしております。私もその資料について一応の聽取をいたしておるのでありますが、まことにその調査は精細をきわめておりまして、地方建設局及び広島県庁では、ただいま申しました通り、山間国道に比してはるかにこの海岸線が必要であるということを確認しております。この点は特に道路局御当局の御注意、御留意をお願いしたいのであります。なかんずく申し上げたいことは、起点の三原市が、近時車両工業、繊維工業、化学工業等の勃興によりまして、広島県でほとんど唯一と申してよいくらい発展をいたしております。これによりまして、本路線の利用度はまことに重要になるわけであります。またその一翼に位する呉市は、米英濠連合軍の根拠地でありまして、いろいろ軍事上の重要性を引続いて加えておるのであります。また旧軍用施設を利用して、平和産業、港湾都市として、呉市の将来については相当の発展を予想されております。また近時貿易港として外国船の出入も相当頻繁を加えて来ておるのでありまして、この意味において、呉市も三原市以上の重要度があるのであります。かように中間においても、両方の起点においても重要でありますが、呉市と広島市間の三十二号国道及び二号国道を念頭において考えますときに、その重要度は一層そのウエイトを加えるように考えるのであります。かように経済の面からもまた交通量の面からも重要でありますが、なお特に内外景勝地の観光ルートとして、瀬戸内海国立公園の一環をなしておるものでありますから、観光道路としてもまことに重要なのであります。従つて道路法改正とともに、本路線の真価を発揚せられるべく、国道編入せられますことを請願するというのが、本請願の趣旨でありまして、御採択あらんことを強くお願い申し上げます。
  79. 富樫凱一

    ○富樫説明員 三原、呉両市間の道路につきましては、まさに言われる通りであります。この県道国道編入するかどうかの問題は、道路法改正の際に十分検討することにいたしたいと存じます。
  80. 淺利三朗

    淺利委員長 日程に出ている請願のうち、紹介議員が出席せられて紹介せられたものは全部これで終りました。     —————————————
  81. 淺利三朗

    淺利委員長 この際皆さんにお諮りいたします。なお多数の請願がありますが、今日までは請願はなるべく紹介議員の説明をまつて、愼重に審議するという方針で参つたのであります。しかるに今日までの経過を見ますると、ほとんど紹介議員が出席されず、かつまた何ら御通告もないのであります。つきましては、今後はやむなく書面審査ということになるかもしれないと思うのでありますが、今後この審査をどういう方向に進めましようか。もし御意見があつたら、この際お述べ願います。
  82. 久野忠治

    ○久野委員 動議を提出いたします。現在まで本委員会に付託になつております請願は二百三十九件に上つており、送付になりました陳情書は五十五件で、相当多数に上つております。当委員会といたしましては、これら請願陳情書は、あくまで慎重に審査いたさなければならぬと存ずるのでありますが、この際請願審査に関する小委員会を設置いたしまして、現在まで付託になつておりまする請願並びに送付陳情書、及び今後付託になります請願並びに送付陳情書全部を、小委員会において審査されんことを望みます。なお小委員の数は十一名とし、小委員及び小委員長は、委員長において指名せられんことを望みます。
  83. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの久野委員の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認め、請願審査に関する小委員会を設置することに決しました。  小委員及び小委員長選任は、ただいまの動議により委員長に一任されましたので、この際御指名申し上げます。  請願審査に関する小委員会として    田中 角榮君 井手 光治君    淵上房太郎君 大西  弘君    高田 弥市君 八百板 正君    畠山 重勇君 村瀬 宣親君    徳田 球一君 松谷天光光君小委員長内藤隆君を指名いたします。  なお先刻留保いたしておきました各小委員の人選もこの際委員長より御指名申し上げます。  国土開発法に関する小委員として    田中 角榮君 淺利 三朗君    内海 安吉君 久野 忠治君    今村 忠助君 瀬戸山三男君    西村 英一君 江崎 真澄君    上林與市郎君 前田榮之助君    天野  久君 村瀬 宣親君    砂間 一良君 笹森 順造君    松谷天光光君小委員長には、田中角榮君を指名いたします。  次に、道路法改正に関する小委員として    江崎 真澄君 淺利 三朗君    内海 安吉君 松井 豊吉君    久野 忠治君 瀬戸山三男君    上林與市郎君 前田榮之助君    天野  久君 笹森 順造君    松谷天光光君小委員長には江崎真澄君を指名いたします。  次に、水道法に関する小委員として    内海 安吉君 江崎 真澄君    池見 茂隆君 高田 弥市君    三池  信君 宮原幸三郎君    八百板 正君 天野  久君    増田 連也君 寺崎  覺君    砂間 一良君小委員長には内海安吉君を指名いたします。  以上の通りであります。なおこのあとで国土開発に関する懇談会を開く予定でありましたが、大分議員の出席も少くなつたようでありますから、この問題は次会に譲りまして、本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時十二分散会