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田中(角)
委員 これは私の質問が少し
局長さんにむりであるかもしれ、ません。それはあなたの御
議論を開いておりますと、原則的に
衛生工学という面から
水道を
考えておけれますし、私たちは
土木工学の上から
考えておりますから、これは根本的に対立しておるということはわか
つておるのでありますか、少しばかり
意見を申し述べてこれに対する批判と御
意見をいただきたいと思
つております。
なるほど、
厚生省に対して
衛生工業面から見た
立場から、
水道行政は
厚生省に
主管すべきであるというお
考えも納得が行くのであります。しかし現在
民主自由党といたしましては、
行政簡素化ということをや
つておることは御
承知の
通りであります。もちろん縦の
組織ということが最も能率的であり、最も簡便であるということも
承知をしております。しかし
過渡期の現象として、私が申し上げるまでもなく、現在の
世界のあらゆる
官庁組織というものは、ある
意味において横の連絡もとらざるを得ない
ような
組織にあるということも、これは否定できない事実であります。その
意味において、現在農林省におきましては、
農業生産の向上という
意味におきまして、か
つて内務省でも
つて所管しておりました干拓、
開拓その他というものを、全部戰後所管されております。現在
開拓局を設け、かつ
開拓庁を設け、その上に
建設局まで設け
ようとして
法案を
提出されたことがあります。のみならず
運輸省においては、現在御
承知の
通り、か
つてありました
運輸建設本部並びに
港湾局、現在はまた
建設省の
道路局まで――実際の
道路網、
運輸綱を
計画し、これを効率的に運転せしめるためには、現在
建設省に所管しておる
道路局も、当然
運輸省に所管さるべしという論も流布されております。しかもこれが真剣に
研究されておる
ようであります。しかもなお、か
つての商工省に電力局があり、商工省が通産省に衣がえするときには、この電力部門、治山、治水、植林その他については、密接不可分の
関係があるということであ
つたのでありますが、われわれは電力のの
建設面、すなわち電源開発等は当然
建設省で所管すべきものではないかということを申し上げたのであります。しかし現在の
機構では、通産省の外局として資源庁がこれを持
つておられる
ようであります。私は現在わが党内閣において
行政整理を行い、
行政の簡素化を行うということをやりつつある過程において、現在の
行政組織もまたやむを得ないとは思
つておりますか、これから来られる本多国務大臣にも、その旨強くただすつもりであります。
考え方によりましては、農林省に
開拓局を設け、
運輸建設本部を設け、電力局を設け、
運輸省が
道路局までもとりたいという気持からすれば、
厚生省が
衛生工学面から
水道行政まで所管するということは、当然である
ようにも認められるのですが、しかしその
ようなか
つての日本の
行政機構が、うまく
行つたかどうかということをまずお
考えにな
つていただきたい。この最も端的な例は、なぜ
戰災復興院かできたかということであります。なぜ特別調達庁ができているかということです。なぜ
建設省がつくられたかということを
考えますと、これは
先ほど局長も言われましたが、確かに
メモランダムで強硬に現在の
建設省をでつち上げて来ました。しかしこの過渡的な面についても、私
ども建設行政の一元化という
意味から、相当異論も唱えたのでありますが、現在の
ような
状態にな
つていることは、はなはだ遺憾であるとは思いながら、これも過渡的な現象としてやむを得ないと私たち自身
考えております。これは、
一つの
道路をやるにしても、神奈川県から大宮までの
道路をやるというとき、神奈川県の許可がいる。東京都の許可もいる。埼玉県の許可もいる。かつ
戰災復興院の許可がなければならぬ。これは、
運輸省関係のものは
運輸省でやる。
建設省関係のものは
建設省でやる。これではあの
ように非常に急を要する厖大な
工事を行うためには、さ
ような
機構ではし
ようがないから
戰災復興院をつくれ、そうして一手にお前のところでやれというので、
戰災復興院をつくらせられたということも御
承知の
通りであります。しかも
戰災復興院ではだめだから
建設省をつくれ、
建設省は
建設行政を一元化して、初めから
希望している公共事業省、国土
建設省まで持
つて行かなければならないが、そこまで持
つて行く過程として今の
建設省をつくつたらどうかというので、
建設省をつく
つたのですが、それがうまくないので、現在の特別調達庁をつくつた。しかも特別調達庁だけではだめで、特別調達院というものにして、もつと大きくし
ようとさえされたことも御
承知の
通りだろうと思います。私は現在でも、現在の第二次
行政整理、第二次
行政の簡素化ということを行おうとしたならば、この中間に
一つの道を見出し、かつ一致点というものは見出される。また見出されなければならないと
考えております。その
意味からいえば、現在
衛生工学面から見て、しかも
メモランダムによ
つて土木工学者も入れたのだというけれ
ども、そうであれば、しかもそれが現在の日本の
行政機構の中で、やむを得ない現象としてこれがなされなければならぬということであつたならば、当然
建設省の
道路局の中にあるところの、この
水道課は、ぶつつぶしてしかるべきものであります。しかし私たちの
立場から見ると、それはやむを得ない。示唆によ
つてそういうことにな
つたのだけれ
ども、できるならば、そちらの方の
土木工学者を
一つのものに統合して――これは前の
内務省当時のお互いの覚書にもあり、これは新しい事態が起きたのだから、強い力でやられたのですから、やむを得ないとは思いますが、できるならば簡素化する
意味において、
厚生省の
水道課を小さくして、いわゆる
衛生工学面からだけのものにして、当分の間でも私は
建設省の
水道課にこれを統合することが非常にいいのではないか、こう
考えるのです。なぜ当分の間かと言いますと、それはあなたが言われるところの
衛生工学面から見た
水道の
管理は、
世界列国においてもこれか行われているという事実も認めます。私は
厚生省の所管から労働
行政が労働省に移されたときには、
厚生省などというものよりも、もつと大きく
考えなければならぬので
衛生省にしてはどうかという論も出しました。これは私だけではなく、その方面からも強い示唆があつたということも、私から申し上げるまでもないだろうと思います。私はこの
意味において、この狭い国土に相当な人が生きなければならぬから、この
公衆衛生、
環境衛生、食品
衛生ということが、
衛生面で大きく取上げられなければならないということはわかりますが、
水道行政に対して
土木工学者まで入れたということは、
厚生省の
機構があまり小さくなり過ぎるので、小しずつも部課をふやして行きたいという
ような、非常に私から申し上げかねるのですが、そういうきらいもなくはないかということを
考えておるのです。なぜ当分
建設省が所管した方がいいかというと、この統計は私は正しい統計だと思
つておりますが、現在の用途別給水水量から見ますと、家庭用が平均二三・六、工業用が九・〇、ずつと工業用給水、船舶給水、浴場給水、商業用給水と合せて、何と小さい。パーセンテージだろうと思
つて、一番最後を見ますと、損失給水量四九・四%、約五十パーセントか漏水をしているという事実があります。この春から
都市計画は、少くとも五箇年でこれを完成しなければいかぬという問題があります。
道路網も少くとも五箇年間にやる。これも別な
意味からメモが出ております。五箇年間で全部整備をするという問題をこの両から見たときに、はたして現在のままで行
つて道路はつくる。しかもか
つて日本が鋪装した
ような十五サンチ、二十サンチの鋪装をこわすのはけつこうです。しかし三十トン、五十トンという鉄鋼を敷き、鉄筋を敷いた
道路を、でき上つたときにただちにこわす。これは
共管ですから、そういうことはもうやむを得ないということを言われるのですが、なかなかそうじやないのです。現在東京都内においても、しよつちゆう
水道、ガスが掘り起される。掘り起したのをまた埋めている。これは賽の河原で、私
どもも業者としてこれを見て、乏しい国費の中からかかる高率なる
都市復興
計画を行い、かつ国土の再編成を行うというときに、これは少くとも單なる
セクショナリズム、
共管だというので、多少はうまく行かないでし
ようというがごときことをも
つて、これを看過するわけには相ならぬのです。そういう
立場から見まして、四九・四%というところの厖大なる漏水をとめて、しかもその上になおかつ
道路五箇年
計画を遂行し、復興五箇年
計画を強度に推し進めるという場合には、少くとも五箇年くらい、こういう
水道行政の少くとも
土木工学という面は、
建設省に移された方がいいと思うのですが、これに対するお気持と、もう
一つは、
厚生省の
公衆衛生局、
環境衛生に
関係する方々は、日本の現在の
状態から、
衛生面に対してまだまだほんとうに改良を必要とし、
考えなければならぬことが多分にあります。これは一に
伝染病だけではなく、日本人の生活そのものに対して、もつともつと高度な
衛生面の改良ということがあるのでありまして、
水道もあなた方に言わせると、ほんとうに大きな面ではあると思いますが、
衛生工学面に対しては、新しい
水道法が立法されても、
建設省も相当な強い発言力を持つことは当然です。いかなるりつぱな
計画実施に当
つても、最後の使用許可を與える
衛生工学面より見た使用認可がなければ、これを使えないということは当然です。ところが現在その
ような
理論をや
つておるものが、あなた方の所管される中に、旅館その他非常に緊急を要する面で、
公衆衛生、
環境衛生、食品
衛生が許可をしなければどうにもならぬ面があります。この実例は冷し上げますれば幾らもあるが、建築の許可は二月五日からはなるべくこれを緩和する。資材も出まわつたから三月になつたら解除をする。現在の建築制限も皆解けるという。急ぐ建築方面に対しては生きた法の運用を建築方面においてはや
つております。しかもその最後の
工事が出来上
つてしま
つて、さて金網を張れ、たんつぼを持
つて来い、消火器をそろえろ、その上にふとんがそろえてあるか、三十部屋があるから少くとも六十組持
つて来い。こういうわけで、十組のふとんはあるからこれから除々に働いてふとんを入れるのですと
言つても、六十組なければ許可しないという実例もあります。こういうので一箇月、二箇月ひつぱられる。それで法の
目的、すなわち
衛生工学の向上という
意味から見たら、私たちは
厚生省がもつと飛躍したところの
衛生省がこれを所管することは当然ですが、末端の
行政ということになると、これは複雑怪奇にする以外の何ものでもない。どつちかにつけなければならないということだけははつきりしている。ただ
セクショナリズムはないと言いながら、現在非常に強いところの要望を十分持
つているところの
水道法が、
両省でほとんど違わない案がつくられておりながら、なお一年間も討議をし、しかも八嶋さん、
三木さんがいろいろ
研究されてなお解決できないで、本
国会に上程ができないとしたならば、これは民衆のために遺憾であり、悲しむべき現実であるということは否定すべからざる事実でありますから、その
意味から
共管から一歩進んだ所管外になるのですから、各官庁としては大きな問題だろうが、私
どもの言う
セクショナリズムということは、これは少し言い過ぎかもしれませんが、これは何とかそこに妥協点がある。少くとも五箇年間はやるのだ。そのうちに五箇年後に現在の
厚生省が
衛生省になるだろう。そのときこそおれの方の所管にするの場だというふうなぐあいで、何とかおちつかないものか私たちもあなた方がお出しにならなければ、議員
提出でも何でもやらなければならぬ、こう思
つている。
建設省ばかりにほめられて、
厚生省からしかられたくないから、どうですそこはというところを御答弁願いたい。