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1950-01-28 第7回国会 衆議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月二十八日(土曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 松井 豊吉君 理事 上林與市郎君    理事 砂間 一良君 理事 笹森 順造君       大西  弘君    越智  茂君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       宮原幸三郎君    前田榮之助君       八百板 正君    村瀬 宣親君       畠山 重勇君    増田 連也君       久野 忠治君    松谷天光光君  出席政府委員         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君         建設政務次官  鈴木 仙八君         (河川局長)         建 設 技 官 目黒 清雄君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君 昭和二十四年十二月三十日  委員押谷富三辞任につき、その補欠として金  原舜二君が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員金原舜二君辞任につき、その補欠として押  谷富三君が議長指名委員に選任された。 昭和二十五年一月二十六日  委員砂間一良辞任につき、その補欠として井  之口政雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員井之口政雄辞任につき、その補欠として  砂間一良君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  理事砂間一良君の補欠として砂間一良君が理事  に当選した。 同日  村瀬宣親君が理事辞任した。     ――――――――――――― 昭和二十四年十二月二十四日  阿武隈川下流改修工事施行請願庄司一郎君  外二名紹介)(第二号)  釜房ダム設予定地拂下げ請願庄司一郎君  紹介)(第四号)  佐世保市内進駐軍用地買上げに関する請願(  北村徳太郎紹介)(第二〇号)  浜田、廣島両市間の県道国道編入請願(  山本利壽君外二名紹介)(第三〇号)  進駐軍関係従業員待遇改善に関する請願(加  藤充君外二名紹介)(第三六号)  災害復旧費増額請願降旗徳弥紹介)(第  一〇六号)  接収建築物に関する請願岡野清豪紹介)(  第一〇八号)  接収住宅等の借上料増額に関する請願(苫米地  義三君紹介)(第一〇九号) 昭和二十五年一月十八日  海門橋架設請願山崎猛紹介)(第一一八  号)  四日市、敦賀間道路開設請願外一件(田中啓  一君紹介)(第一二一号)  新旧北上川治水工事促進請願内海安吉君外  一名紹介)(第一二二号)  女川、志津川間県道国道編入請願内海  安吉君外一名紹介)(第一二四号)  阿武隈川下流改修工事施行請願庄司一郎君  紹介)(第一二六号)  庄野町、神辺村間の国道二号線開設工事促進の  請願水谷昇君外一名紹介)(第一二七号)  球磨郡下の災害復旧費国庫補助請願福永一  臣君紹介)(第一三二号)  埼玉県下の国道四号線改良工事促進請願(古  島義英紹介)(第一三三号)  測量現業員測量士資格付與請願塚原俊  郎君紹介)(第一三五号)  兵庫県下の河川改修工事施行請願吉田吉太  郎君紹介)(第一四〇号)  久慈川上流ダム築設の請願圓谷光衞君紹  介)(第一四一号)  五條、新宮間県道国道編入請願前田正  男君外二名紹介)(第一四七号)  細島港、椎葉間県道国道編入請願川野  芳滿君外四名紹介)(第一六〇号)  天龍川改修工出費国庫補助増額請願中村幸  八君外三名紹介)(第一七八号)  中村大字大沼地内の鬼怒川に架橋の請願(小平  久雄君外五名紹介)(第一七九号)  藤内川改修請願亘四郎紹介)(第一八〇  号)  愛知川綜合開発事業促進請願河原伊三郎君  紹介)(第一八二号)  高原川水系砂防工事費増額請願岡村利右  衞門紹介)(第一八三号)  江東区の災害復旧費国庫補助請願島村一郎  君外一名紹介)(第一九三号)  庶路川及び茶路川改修工事費国庫負担請願(  伊藤郷一君紹介)(第一九六号)  北海道の道路費国費予算増額請願小川原政  信君紹介)(第一九七号)  災害復旧費増額請願降旗徳弥紹介)(第  二〇四号)  兒島湾干拓事業費国庫補助増額請願大村清  一君紹介)(第二一四号)  札幌市の市街地復興に関する請願外一件(小川  原政信君外一名紹介)(第二一五号) 同月二十一日  小屋畑川改修工事費国庫補助請願山本猛夫  君紹介)(第二二三号)  見前村地内の北上川築堤工事促進請願山本  猛夫紹介)(第二二四号)  大澤田川砂防工事施行請願山本猛夫君紹  介)(第二二五号)  大湯川改修請願石田博英紹介)(第二二  六号)  流合川改修請願原田雪松君外三名紹介)(  第二二八号)  北上川改修工事費増額請願山本猛夫君紹  介)(第二三二号)  砂押川改修工事促進請願安部俊吾君外一名  紹介)(第二四二号)  因尾村災害復旧費国庫補助請願村上勇君紹  介)(第二四八号)  山川町の上水道改良拡張工事費国庫補助並びに  起債に関する請願上林山榮吉君紹介)(第二  四九号)  浜田から加計を経て広島に至る間の県道国道  に編入請願外二件(大橋武夫君外四名紹介)  (第二七九号)  日本建設公社創設等に関する請願星島二郎君  外一名紹介)(第二八二号)  荒尾市の戦災復興事業費国庫補助請願(松野  頼三君紹介)(第二八五号)  荒砥川上流護岸工事施行請願松井豊吉君  紹介)(第三〇一号)  房総半島西部幹線道路改修工事促進並びに国道  編入に関する請願小高熹郎君紹介)(第三〇  四号)  進駐軍関係従業員待遇改善に関する請願(春  日正一君外一名紹介)(第三二三号)  同(加藤充君外二名紹介)(第三二四号) 同月二十四日  金山峠道路改修に関する請願玉置信一君紹  介)(第三三二号)  下関市道及び県道下関萩線国道編入の請  願(周東英雄君外二名紹介)(第三三五号)  利根川の治水に関する請願島村一郎君外九名  紹介)(第三三六号)  夏川左岸堤防補強工事施行請願  (淺利三朗君外二名紹介)(第三三七号)  前沢町地内の北上川護岸工事施行請願淺利  三朗君外二名紹介)(第三三八号)  宮崎県下災害復旧費国庫補助請願川野芳滿  君外五名紹介)(第三四〇号)  山野上、県主村間町村道県道編入請願  (苅田アサノ君外一名紹介)(第三四七号)  国道十号線中吹浦地区改修請願池田正之輔  君紹介)(第四一五号)  大淀川上流支川改修促進請願瀬戸山三男  君紹介)(第四二一号) の審査を本委員会に付託された。 昭和二十四年十二月二十四日  琵琶湖総合開発事業に関する陳情書  (第三号)  淀川、大和川改修工事促進陳情書  (第六号)  西大阪における地盤沈下対策事業費国庫補助の  陳情書(第二九号)  内場池工事施行陳情書  (第三五号)  城東村地内の砂防工事施行に関する陳情書  (第  六〇号)  災害復旧費及び土地改良費補助に関する陳情  書  (第六八号)  県道浜田加計線国道編入陳情書  (第八一号)  長柄池築造変更に関する陳情書  (第八五号)  引揚者用住宅建設のため住宅公社設立陳情書  (第一〇〇号)  渡良瀬川水害緊急対策に関する陳情書  (第一〇一号)  名古屋市を道路網整備緊急計画に加入の陳情書  (第一〇七号)  災害復旧促進に関する陳情書  (第一二九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  災害復旧費国庫補助に関する件     ―――――――――――――
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。去る二十六日、理事砂間一良君が本委員辞任せられましたので、その補欠として井之口政雄君が本委員に選任されましたが、昨二十七日、井之口政雄君が本委員辞任せられ、再び砂間一良君が本委員補欠選任になつたのであります。さきに辞任せられた結果、自然失格となりまして、理事が一名欠員になつております。それでこの際その補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がないと認めます。それでは砂間一良君を理事指名いたします。  次に理事村瀬宣親君より理事辞任の申出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めます。それではこれを許可するに決しました。     —————————————
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 これより災害復旧費国庫補助に関する件を議題といたし、審議を進めます。まず本件に関しまして大蔵当局説明を求めます。河野政府委員
  6. 河野一之

    河野政府委員 災害復旧費につきまして、全額国庫負担をするという建前で、昭和二十五年度の予算が編成されておりまして、これを国会に提出しておる次第でございますが、全額国庫負担範囲対象というようなことについて申し上げたいと存ずるのであります。  公共事業費の中に三百七十億円というものが二十四年度以前の災害復旧費として計上されております。それから百億円が二十五年度に新たに起る災害復旧費として計上されておるわけであります。これの使い方の問題になるのでありますが、全額国庫負担対象となる災害復旧事業費範囲でございますが、まずその災害を起した原因でありますが、これは台風洪水高潮地震——この地震には地震による地盤変動というようなものを含むつもりでおります。その他主務大臣の指定したものということに相なるのでありますが、その主務大臣が指定しますとすれば、たとえば山地崩壊であるとか、あるいはなだれであるとか、あるいはそのほかいろいろその時の実情によつて考えることになると思いますが、まず主務大臣が必要によつて指定するというふうに考えております。  それから事業でありますが、これは地方公共団体維持管理に属する土木施設災害復旧事業というものであつて、かつ災害にかかつた施設を原形に復旧するということを考えております。土木施設と申しますのは、まず河川堤防砂防施設、それから道路港湾といつたようなものに相なろうかと存じます。そういたしまして、この公共団体につきましては、都道府県市町村を問わない予定でございます。なお一箇所復旧工事費が十五万円以上というふうに考えております。そういたしまして、そういうものに関する限り国昭和二十五年度に限り全額国庫負担する、それから国が都道府県にかわりまして直接施工しておる、たとえば直轄河川であるとか、直轄港湾というものがあるのでありますが、その災害復旧については従来地方から一定分担金をとつたのでありますが、昭和二十五年度に限りまして、そういう復旧事業については、地方公共団体負担はやめるというふうに考えております。大体以上であります。
  7. 淺利三朗

    淺利委員長 何か御質問ありませんか。
  8. 村瀬宣親

    村瀬委員 二十五年度に限り全額国庫負担という話でありますが、それでは今まで二十三年度からの分が相当残つておる分につきましては、従来通り解釈ができるのでありますが、あの三百七十億円、今年度の予想を百億円と見て、総額四百七十億円でありますが、そうしますと、三百七十億円という分につきましては、あれは全額負担でない分の補助予算と拜承してよろしゆうございますか。すなわち今年度の分を百億円と見ておる。その百億円だけが全額負担であつて、四百七十億円の三百七十億円までは従来通り補助によると、こういう意味なのでありますか。まずその点からお伺いしたい。
  9. 河野一之

    河野政府委員 そういう意味ではございませんので、昭和二十四年以前の災害につきましても、ただいま申し上げたようなものは、昭和三十五年度においては、全額負担する。三十五年度に起つた災害全額負担、こういう趣旨であります。
  10. 村瀬宣親

    村瀬委員 それでは今残つておる分は全額負担、今までやつた分は三分の二しかやらなかつたが、昭和二十二年度は終つたかと思いますが、二十三年度からの分は相当残つておるのでありますが、少くとも残つたものは全額負担と、こう解釈してよろしゆうございますか。
  11. 河野一之

    河野政府委員 残つた分も、昭和二十五年度に復旧事業をやる分は、全額国庫負担、こういうつもりであります。
  12. 村瀬宣親

    村瀬委員 その方は大体判明いたしましたが、ただいまその他主務大臣の指定するものという項目の御説明が足らなかつたのでありますが、それをもう少し詳しく御説明願いたいと思うのであります。この主務大臣の指定するものの中には、ちようどただいま飲料水等の問題の陳情もあつたあとでありますし、主計局長もただいまお聞きの通りであります。人道問題として非常に南海大震災の問題は広汎な部面にわたつております。ただいまは愛媛県だけからの陳情でありましたけれども、これは相当南海大震災の影響のあつた、全部面に及んでいるものなのであります。ところでこれを今厚生省へ申請をいたしますると、これは人道問題だから放つてはおけない。しかし今の水道法では給水人口一万以下については、どういう方法もない。こういうふうに非常に同情してくださるだけで、法律上の道がとざされておるのであります。建設省へこれを陳情いたしましても、またきわめて人道問題で捨ててはおけぬとおつしやつてくだされまするが、ただいまも鈴木政務次官から非常に御同情ある御答弁をいただいたのでありまするけれども、しかしここに法律上の補助、その他の助成の道は全然とざされておるのであります。そこでその他主務大臣の指定するものの中に、かような特殊な——この日々の飲料水に脅かされるというような災害に、つきましては、御指定になる御意思があるのでありまするか。その点を伺いたいと思います。
  13. 河野一之

    河野政府委員 災害原因でありますが、台風洪水高潮地震と、これだけ入れますれば、これは天然現象でありますが、たいがいの災害は片づく。そのほかにどういうものがあるかわからないというので、主務大臣の指定するものというふうに一応法律には書く予定でありますが、その中には考えてみれば、なだれがあるだろうし、あるいは山地崩壊があるだろうということを今申し上げたわけであります。ただいまの愛媛県の問題でありますが、これは私ども考えてはおりますが、先ほども申し上げましたように、道路河川港湾といつたような土木的の施設について全額負担しようという趣旨でありまして、そのほかのものについて、具体的な水道の例になりますると、これは一種の収益的施設でありますし、そのほか住宅がこわれた場合に、全額国負担してやるというような問題もありますが、こういう公共的施設はほんとうの公共的施設でありまして、収益事業とは違うというような意味で、その点だけに限つておるようなつもりであります。しかしながらそういうような施設に対して、全額負担は別といたしまして、補助をしないというような考え方ではないわけであります。二十五年度におきまして、全額国がみてやろうというのはこういうものである。と申しますのは、最近における災害が相重なりまして、地方団体財政状況が非常に悪化いたしまして、この際こういうものを過渡的に国で背負つてつて、急速に災害復旧事業を途行させたいということと、そのほか地方財政の圧迫を緩和してやるということが趣旨でありまして、これは地方財政平衡資金と相関連した一連の措置になつている次第であります。
  14. 村瀬宣親

    村瀬委員 全額国庫負担でやる分は、以上お述べになつた通りであるということはよく了承いたしました。私はただいまの飲料水のようなものを全額国庫負担によつて水を飲ましてやれという意味ではないのでありまするが、たまたまちよつと今の議題外に触れるおそれはありまするけれども、ちようど非常に生命にも関係する問題でありますので、御出席大蔵当局の御意見もこの際もう少しはつきりいたしておきたいと思うのでありますが、いわゆる給水人口一万以下は、大体今のところではどうも方法がないことは、これは私もよく承知しておるのであります。ところがかつて鉱害復旧対策といたしまして、戰時中石炭をむちやくちやに掘り過ぎたために飯塚市その他を中心にいたしまして、福岡で非常に地盤沈下を来した。それで飲料水にも困り、下水も非常に困り、家も傾くというような例ががあつたのでありますが、このときには特例をもつて簡易水道を、いわゆる給水人口一万以下であるにもかかわらず、処々に設置いたした例があるのであります。そこで大蔵当局の御意見を伺つておきたいのでありますが、この全額国庫負担という問題を離れまして、何らかそういう方法で、——これは四国四県並びに中国の一部あるいは和歌山方面にも及ぶと思うのでありますが、これら広範な部面にわたる地盤沈下による飲料水復興に対しまして、何らかの措置をおとりになる御方針があるかどうかを承りたいと思います。
  15. 河野一之

    河野政府委員 災害というものはどういうものであるかということについては、実を申しますと定義がないのであります。鉱害災害であるかどうか。あるいは今申されたような例がはたして災害と言えるかどうか。災害と申しますときには、やはり突発的なものであるということの要素、それから不可抗力であるというような要素——これはいろいろ学者によつ違うと思いますけれども、そういつた要素がどうしても入つて来るものでありますから、かりに地盤沈下でありましても、そのときに起つたものでなしに、だんだんと起つて来たというようなものが災害と言えるかどうか。ちよつと疑問の点がございます。ただしかし今度法律を出しまして全額負担しようとするものはこういうものであるというふうに考えておるので、それが災害であるかどうかという問題については別問題にいたしておるわけでございます。ただ御指摘のような問題について、国の災害全額負担の問題を離れてどういうふうに考えるかという問題でありますが、これは先ほど鉱害の問題があつたのでありますが、鉱害の際には、公共事業として水道補助したことはございません。ただ、たしかあのときは業者が出しましたプール資金でそういうことがあつたかも存じません。しかし国は直接そういつた水道補助を出しておりません。この問題は災害の問題というよりは、むしろ厚生省水道行政の問題としてどういうふうに考えるかということに、結局帰着するのでありまして、御趣旨の点はよく研究いたしてみたいと存じます。
  16. 村瀬宣親

    村瀬委員 飲料水の問題は打切りますが、ただプール資金だけでこの前鉱害対策扱つたというお話でありますが、これはそうではないのでありまして、確かに水道関係助成金が出ておるのでありますから、その点御調査をお願いいたします。  そこで本論に帰りまして、全額国庫負担かまたは従来通り工事量を多くやるかという問題に移るのでありますが、これは相当議論が残る問題であると思うのでありまして、四百七十億円で十分市町村府県災害復旧に対する要求が満たされますならば、全額にしてもらうに越したことはないのであります。これはもう当然だれが考えましても、ぜひ全額でやつていただきたいのでありますが、それが地方要求の五割とか四割とかを満たせないとなりますと、その選に入りました分は非常に大喜びでありますが、紙一重でその選に漏れたものの心情を考えますと、実に何とも言えない困つた問題となりまして、いろいろな査定をうける上におきましても、あるいはその中に加えてもらうという運動に対しましても、かつて匡救土木事業というものを昭和六、七年ごろやりましたが、あのときの弊害を上まわるようないろいろな事態が起りかねないということも想像されるのでありますが、この点に対して局長はどのようにお考えになつておるかという点が第一。  それから第二点といたしましては、ただいま十五万円以上を全額負担考えておるというお話でありましたが、これはかつて私がお尋ねいたしましたときにも、一箇所十五万円であつて、五箇所七十五万円になつたときには全然工事対象にならないのだという御答弁でありましたが、今日もなおさようにお考えになつておるのでありましようか。あのときに私は十分その問題については御研究を願いたいと申し上げておいたのであります。いつも江崎委員が申されております通り、破れざればつくろわずということを今までの災害に対してよくやつて来ておつた。それで大きく破れて来たようにして必要な箇所をつくろつてつたということは、日本の災害復旧土木行政の通弊であつたのであります。従つて十五万円以上となりますと、十万円ぐらいにいたんだ所は、十五万円に達するようにくずして行くかもしれない。そういうことは乱暴なことでありますけれども、極端に言えば大きな災害になることを望んで、それでやつてもらうことも、これは背に腹はかえられずやるかもしれないのであります。また十万円のときに直しておけばそのままでよかつたものが、十五万円に達するまでほつておいたために、海岸等の破壊によりましては、百万円という損害を来すかもしれないのであります。そこで十五万円以上というものは、あるいはデラ台風の場合には、七万五千円とおきめになつておるのでございますから、七万五千円程度、やむを得なければ十万円の程度にまで引下げると同時に、一市町村に何箇所もあつた場合は、それを通じて十万円または七万五千円以上に達したものは、当然全額国庫負担災害復旧をするという御方針をきめていただきたいと思うのでありますが、その後のお考えはどういうふうになつておるでありましようか。
  17. 河野一之

    河野政府委員 三百七十億、あるいは明年度に新しく起ります災害の分を合せまして四百七十億、これで足りるかどうかというお話でありますが、私どもとしましては、大体こういう土木災害については、三年程度でこれを復旧完了いたしたいというふうに考えておりますので、大体この程度の金額で足りるのではないかというふうに考えております。  それから第二点の十五万円で限度を切るという問題でありますが、これは災害復旧費全額国庫負担とするのがいいか悪いかという点は相当問題の点でございます。非常に理論的に申すならば、平衡交付金に入れて配付した方がいいのかも存じないのでありますが、ただその場合においては、災害にあつた県に直接行くかどうかという点が問題であります。平衡交付金でありますので、一定の基準でもつてやります関係上、わけ方が間接的になりますので、災害実情に合つたような配分ができるかどうかという点がございまして、最近非常にに災害の多かつたという実情にかんがみて、直接これを配付した方がいいではないかという考え方で、全額負担するという考え方にいたしたわけであります。そういたしました場合に、全額国負担するということになりますと、いろいろな弊害がございます。もちろん十五万円になるように災害を起す——と言うと語弊がありますが、そういうことも心配されます。それから一箇所あたり十五万円以下のものが幾らあつて全額負担はされないというようなこともございます。従つてその県あるいは町村税収をとつて、その税収の何パーセント以上に達した災害の分だけ負担してやるというような考え方もあるわけであります。しかしながら最近の災害建設省あるいは運輸省において検査せられました実績等を見ますと、大体災害箇所というものは、小さな災害箇所が非常に多いというわけでなしに、大体大きな災害が分布しておるわけでありまして、今まで申します七万五千円以下のものは、全体の災害復旧事業費の一割程度である。それから十万円までは何パーセントである、あるいは十五万円までは何パーセントであるというふうに、どの点をとりましても大体似たような比率になつておるわけであります。具体的なところに当りますと、あるいは不公平ができますけれども、こういうような制度的に考えますときは、一定のところに一線を引くということはやむを得ないだろうと思つております。それから小さい災害——七万五千円がいいか、十万円がいいか議論がございますが、小さな災害につきましては、これは本来は、公共団体の維持費で支弁すべき部面が多いわけであります。維持を十分にやつてつたならば、そういう災害は起らなかつたであろう、維持をやらなかつたために起つた災害であるというふうにも考えられますし、またそのような小さな災害はふだんの維持費でしよつちゆう直せばいいじやないかという考え方があるわけであります。従いましてこの点は全額負担の問題としては十五万円で区切つて下は考えなかつた。但しそれに対応いたします起債の問題としては十分考えて行きたい。明年度の起債の新規発行予定額は三百億と考えておりますが、その中におきまして、こういつた単独災害の分を約八十億くらいの起債のわくをもつて考えておるわけであります。この点につきまして十五万以下の災害について全然国においてめんどうを見ないという趣旨では決してない次第でございます。
  18. 村瀬宣親

    村瀬委員 最後にちよつとお言葉がありました、小さいものについて全然国でめんどうを見ないという意思ではないというお言葉でありますが、その意味はどういう意味でありましようか。その意味を伺いますと、全額国庫負担は十五万円なら十五万円以上だが、それ以下のものは半額か三分の一かをやるという意味と解していいのでありますか。あるいは今お話の八十億の起債を許してやるというお言葉であるか。つまり国で全然めんどうを見てやらぬという意味ではないと言われたお言葉の意味は、どちらにあるのでありますか。つまり十五万円は下げてもらいたいのでありますが、かりに十五万円でやむを得ないとした場合に、それ以下のものについても国でめんどうを見てやる。その見てやり方は全額はやらないが、半額か三分の一かはやるという御意思であるかどうか。それが第一点のお尋ねであります。  それから四百七十億円で三年間で復旧するとするならば、大体不足はないであろうという御答弁でありましたが、しからば二十三年——二十二年も多少残つておるかと思いますが、大体終つたとしまして、二十三年の災害で残つておる分、二十四年の災害で残つておる分は幾らとお考えになつておるでありましようか。私の計算からいたしますと、なかなか四百七十億円くらいの金では——、このうち百億円は今年の災害に充てておるのでありますから、三百七十億円では二十三年以来の災害の復旧というものは、全額でやるとするならばとうてい三年間くらいでできぬ。かように思うのでありますが、その数字の根拠をお示し願いたいのであります。それが第二点。  それから第三点として、ただいまお述べになりました小さいものは維持費に属するものであつて公共団体が当然維持管理を厳重にやつておれば、そういう小さい災害は起らないというような御答弁でありました。そういう御方針であるといたしますならば、なおさらこの十五万円というのは多きに失するのであります。小さい面積の五間か七間のところに十五万円もかけて維持管理をやつてつたのでは、とうてい市町村は立ち行かぬのでありまして、維持管理を嚴重にやつてつたならば起らなかつた災害であるから、この小さいものは除外するという方針のもとにこの限度が定められたといたしますならば、その限度は当然七万五千円以下でなければならないということを私は強く、主張するものであります。その点をもう一度御答弁願いたい。これが第三点。  それから第四点といたしまして伺いたいことは、今三百億円ほどの地方起債を今年は認めておるということでありますが、去年は大体二百三十三億でありました。そうしますと、その額は非常にふえ方が少いのであります。私は本年度の国民所得に対する資金計画というものがもしあればお示し願いたいのであります。予算は御発表になつて、本会議においていろいろ各党から代表質問をしておりますけれども、資金計画についてはいまだ御発表がないのであります。一体本年度の国民所得らか割り出した国全体の資金計画はどういうふうになつておりますか。その中から、どのくらいの起債をお認めになる御方針であるか。その起債の総額がきまつて、それがいわゆる災害復旧なり、あるいは学校建築、消防施設を初めあらゆる起債にまわるわけでありますが、今の三百億円という御説明は、それが全額意味するといたしますならば、われわれの予想に非常に反する少額のものであつて、本年度の予算が非常に切り詰めたものである上に、さらに三百億円くらいの全体の起債のわくしかないということになりますと、これはゆゆしい問題でありますが、これについて御説明を願いたいのが第四点であります。  それから今度は建設省に対するお尋ねでありますが、この全額国庫負担ということになりますと、査定の方針をきわめて嚴重にしていただかなければならないのであります。今でももちろん嚴重に公正に行われておるとは思うのでありますが、今までのデラ台風その他の台風の各地方での御査定にあたりましては、いろいろなことがあつておるのではないかということを私は感ずるのであります。一々その例は申し上げませんが、これは運輸省においても、建設省においても、従来の査定というものがいかに困難かということは私よく承知しておるのでありますけれども、もしこれがいろいろな情実、因縁というようなものによつて査定が左右される。いわゆる政治力によつて不公正な査定がされる。あるいは有力な代議士が出ておるところに多くそれが出まわる。また運動の上手な者が大きなものをとるということが行われるといたしますならば、これからは全額負担でありますから、その及ぼす弊害というものはきわめて深刻なものがあると思うのであります。ここから政治に対する地方民の不信の声が猛然と起つて来ると思うのでありますが、この査定方針に対し、従来の御見解並びに今後の御見解、御信念について承つておきたいのであります。
  19. 河野一之

    河野政府委員 十五万円以下のものをどういうふうにめんどうを見るかというお話でありますが、十五万円以下のものについては補助をするという意味合いではないのでありまして、起債の面においても相当見なければなるまい。それから平衡交付金の配分、これもまだ具体的に決定しておりませんが、災害復旧債の金額というようなことも、やはり平衡交付金の配分方法として考えられると思うのでありまして、そういつた面からいろいろ調整のできる面があろうというふうに考えております。  それから三百七十億円で足りるか足りないかという問題でありますが、これは私手元に詳しい資料をただいま持つて参らなかつたのでありますが、建設省関係だけといたしまして、二十二年の災害でまだ残つておりますものが五十七億、二十三年分として三百五十億、二十四年分として四百億程度というようなお話でありまして、合計いたしますと八百億程度であります。これに運輸省関係が加わりましても九百億程度に相なろうかと思います。そういうことで全額負担対象となつている事業費といたしましては、大体これで十分でないかというふうに考えております。  それから維持管理を怠つたから云々ということでありますが、災害の起つて来ました原因は、災害が頻発したということもございますが、地方財政が非常に窮乏いたしまして、維持管理が十分できなかつたという面が、その災害を起した原因の相当部分をかついでいると思うのであります。明年度におきましては、地方財政の規模の問題もいろいろ検討いたしておりますけれども、平衡交付金というような制度にもなり、地方財源については相当充実する予定でありまして、その面からこういつた土木施設に対する経費というものは、従来とは相当かわつて多額に支出されるんじやないか。交付金の配分方法につきましても、これはシヤウプの勧告にありますように、最小限度の行政費の基準を設けて、それに合うように配分する。たとえば土木費でありますならば、これまた具体的には決定いたしておりませんけれども、河川の流域の面積とか、あるいは延長とか、あるいは道路の長さとか、そういうものを基準にして平衡交付金を配分するというようなことから、そういつた維持管理の経費が十分に支出されるということを見越している次第であります。  それから三百億の起債がよいかどうかという問題でありますが、今年は当初二百三十三億で、さらに七十億ばかりふえまして三百十億ほどになつたのでありますが、明年度におきましては、今申し上げましたような地方財政の充実というような問題と相関連いたしまして、大体三百億程度もあれば十分ではないか。むしろ一般の地方財源を充実いたしまして、こういう起債はなるべく少くというのが、地方財政の常態であろうというふうに考えているわけであります。先ほど、単独事業についてどの程度予定しているかというようなことについて申し上げたのでありますが、この点はまだ具体的に決定いたしておりませんので、先ほど申し上げた数字は確定的なものでないというふうに御了承願いたいと思います。それから起債と国民所得との関係でありますが、国民所得は先般二十五年度予算説明として差上げましたものの中に入つております。これと資金計画との問題でありますが、これは目下検討中でありまして、いずれ御検討を願う機会があろうかと思うのでありますが、ただいまのところ確定的なものができておりませんので、御了承願いたいと存じます。
  20. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 災害の査定の方針でありますが、大体われわれの査定の方針は、原則として原形復旧主義をとつてつてつたのでありますが、これにはいろいろ非難がありまして、原形復旧したところで、また再び災害が起ればこれがこわれるじやないか、もう少し積極性を持てというような議論がありまして、多少変遷をして参りましたが、本年度は全額国補助というような線が現われて参りましたので、本年は相当嚴正に査定したつもりであります。従つて昨年の査定の状態とは多少趣きを異にいたしまして、ある方面からはいろいろそれに対する非難も受けております。しかしながら今のお話のようなことはないのでありまして、すべてある方針を定めたものにのつとりまして、こまかく現地査定をやつておるのでございます。御心配のような点はないと考えます。
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員 最後に一点だけ建設省に伺つておきますが、査定はきわめて嚴重に行つておる、私もさように信ずるのであります。先般現地に行かないで査定をなさつて、非常に地方は急にできて、査定もうまく行つて喜んではおるのでありますが、そういう場合、もし県において間違つておるような場合がありましたときには、中間検査というようなものをおやりになる御方針がありますか。むろん間違つておるかわからぬが——間違つているとは建設省はお考えにならぬでありましようが、もしそういう事実があとでわかつたような場合には、中間検査というようなものをどしどしおやりになる御方針でありますかどうか、それも伺つておきたい。それから原形に服するという以上は、つまりいたんだ原形を見て当然査定があるべきでありまして、もしいたんだ原形がどうであつたかわからぬ。もうすでにきれいにでき上つていて、今写真でもとれば、きれいにでき上つているものを、今くずれたというようなことで県の方が誤つて申請をいたした場合には、当然現地に出張になるおつもりであるか。この間は中央で全部査定なさつたようでありますが、中央で査定なさることは、公正に行われれば賛成でありますが、もしもうでき上つてしまつて、どういうふうにくずれておつたかわからないというようなことがあとで明らかになつた場合には、すでに通つておる査定に対して現地検査をおやりになるか。それを最後にお伺いいたします。
  22. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 査定は、現地に行きまして一箇所ごとに査定するのが非常に望ましいのでありますが、時間的の関係がありまして、これが不可能なのであります。従つてわれわれとしては府県に参りまして抜取り査定をやつて、その方針を府県に示し、その方針従つて府県から提出さした書類を机上査定をやるという段取りにやつております。しかしながらこの机上査定をやりましたものは、必ず再び中間検査をやりまして、これらの是正をやつて参りたい。中間検査でこれをあらためて見るという行き方をとつておりますので、もしそこで不正がありました場合には、必ず取消すという建前をとつております。
  23. 砂間一良

    ○砂間委員 先ほどの河野政府委員の御説明によりますと、二十五年度だけ災害復旧に関して全額国庫負担でやるというお話でありましたが、これは二十六年度以降におきましても、また将来におきましても、大体この方針で進まれる予定でありますかどうですか、これが一点。それからもう一つは、全額国庫負担というのは災害復旧だけであり、その災害範囲及び復旧の程度につきましては、いろいろ御説明がありましたが、その他道路河川の補修だとか改良、あるいは建設というふうなものについては従前通りであつて全額国庫負担ということはないのでありますか。この点をお伺いしたいと思います。私どもの考え方からしますと、災害が起つて荒廃したものを復旧するということは、当面何よりも緊急な問題でありまして、これを全額国庫で急速にやつていただくということはまことに望ましいことであります。しかしその他一般の道路河川、防波堤等にいたしましても、やはり相当いたんでおりまして、危険な箇所が相当できて来ておるのであります。これを今のうちに補修し、あるいは少し工事を加えて改良しておけば、災害が未然に防げるものを、財源の関係等で工事ができないでいる。そのために少し雨が降る、あるいは風が吹く、高い波がたてば、たちまち大きな災害を起すというような所がたくさんあるのであります。従つて私どもの考えといたしましては、こういう補修や改良やあるいは必要な箇所の建設というふうなことも含めまして、これを全額国庫負担でやつていただきたい。そうでなく、ただこわれたものをあとからつくろつて行くというだけでは、ちようど賽の河原で石を積み重ねるようなものでありまして、あまり積極的な意義がないではないかというふうに考えておるのでありますが、こういう改良や補修、建設等の方については、全額国庫負担ということは何らお考えになつておらないかどうかということをお尋ねしたいのであります。この二点につきまして御質問いたします。
  24. 河野一之

    河野政府委員 災害復旧事業費全額国庫負担という問題は、さしあたり二十五年度だけというふうに考えております。これはシヤウプ勧告にもあることでありますが、行政の責任と経費の責任というものは原則として一体でなければならぬ。よそでやつた行政について、金をよそで全部持つてやるという制度は、ほんとうを言うとおかしいのでありまして、仕事は幾らでもやるが、その金はほかの人が拂うのだということは原則的におかしいのであります。ただ最近における災害の状況から考えて、過渡的に国が全額負担してやろうという趣旨でありまして、国費と地方費の負担区分、それから行政を国でやつたらいいか地方でやつたがいいかという根本的な問題は、地方行政調査委員会というものが新しくできることになつておりまして、これを二十五年度の予算に計上いたしております。その委員会において各方面の権威によりまして慎重に検討されまして、この問題をどういうふうに二十六年度から持つて行くかということがきめられると思うのであります。それまでの過渡的の措置として、二十五年度は全額国庫負担とするというふうに考えておるわけであります。  それから道路等の補修改良の問題でありますが、これも全額国庫負担という問題は、先ほど申し上げたところで説明は盡きると思うのでありますが、重要な建設改良の工事につきましては、一般の公共事業につきましてはある程度補助があり、あるいは直轄でやつております。小さな補修の経費につきましては、これは新しく構成されます地方財政平衡交付金の配分におきまして、配付基準において考えらるべき問題だというふうに考えております。
  25. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 簡単に一つお尋ねいたします。ただいまの御質問のうちにお答えがあつて、きわめて重要な問題だと思います。全額国庫負担昭和二十五年度に限るということの御説明があつたのでありますが、それについては昭和二十五年度で全部の災害が復旧できるというものではございません。先ほど御説明にもありましたように、大体三年間で復旧いたしたいという見込みを立てておられるのでありますが、それを昭和二十五年度だけ全額国庫負担ということについて、今一応の御説明がありましたけれども、その点をはつきり地方公共団体に認識を深めておかなければ、先ほど村瀬委員からも懸念された御質問がありましたけれども、もし昭和二十五年度の災害復旧費の配分がきわめて不公平であるというようなことになりますれば、各地方公共団体は、昭和二十六年度からさらにまた復元して地元負担でやらなければならぬと懸念しますので、猛烈な競争というか、醜い闘争が行われるおそれがあるのであります。そこで昭和二十五年度に限りとされたのは、将来国税と地方税との配分を、全額国庫負担にしなくてもいいようにする方針であるか。もしくは現在の財政状態から、昭和二十六年度以降の見通しが今日できないからそういうふうにしておくのであるか。この際はつきりしてもらいたいと思うのであります。三年間ぐらいで復旧をするという一応の見解を持ちながら、さらにその口の下から、二十五年度に限りということを説明されますれば、地方公共団体に及ぼす影響はきわめて深刻なものがあると思います。その点は将来国税と地方税との配分を今日と違つた方向に持つて行く考えであるか。もしくは将来全額国庫負担方針で進むのであるか。どちらかをはつきりしておかなければ、地方公共団体に及ぼす影響はきわめて大きいと思います。  もう一つ、それはこれと関連いたしておりませんけれども、災害復旧費の使用の方法であります。今日まで計画財政の方針のもとに、国の支出は年間を四半期にわけてされておるのでありまするけれども、災害復旧費、特に災害復旧費はそうであります。その他災害原因を防除するところの河川改良費などでありますが、この財政の支出について、大蔵当局はどんなふうに考えておられるかをお尋ねいたします。私の希望いたしたいのは、ただいまもお話がありましたように、来年度の三百七十億の災害復旧費も、災害復旧の何分の一の費用にしか当らぬのでありまして、いわば昭和二十五年度においては、これはまさに緊急なる災害復旧の費用に当る、かように考えるのであります。それをやはり普通の方式に従つて四つに区分して、二十五年度のうちにこれを半分して使うというような方法では、せつかくの災害復旧、もしくは災害の防除をする河川改良のための国の費用の使い方としては、きわめて拙劣である、かように私どもは考えておるのであります。昭和二十五年度の三百七十億の災害復旧費河川改修その他災害を予防するところの経費の使い方は、少くとも当初においてその五〇%ないし六〇%を使用しなければならない。全額を使用するということは希望でありまして、技術的にできない場合もあると思いますが、少くとも五割ないし六割は、当初においてすみやかにこれを使用して、災害復旧並びに災害の防除工事を進めるべきである、かように考えております。この点は建設当局並びに安本当局にもお尋ねしたいと思いますが、まず大蔵当局の見解を承つておきたいと思います。
  26. 河野一之

    河野政府委員 第一点の問題でありますが、これは私の御説明が足らなかつたと思うのであります。一応全額国庫負担ということで三年でやれるように金は盛つたつもりでありますが、二十六年度以降については、これを全額国庫負担にするのか、あるいは国が平衡交付金の増額というような姿で地方で直接やるようにするのか、その辺がきまらないということを申し上げた次第でありまして、さしあたり二十五年度としては、国が全額補助をして地方にやつてもらう。明年度以降は、その財源を交付して地方が直接やるようになるかもしれぬ、そういう意味合いで申し上げた次第であります。誤解がありましたならば解いていただきたいと存じます。  各四半期需要の問題でありますが、これは各四半期四分の一ずつに割りまして認承いたします関係上、なかなかはかが行かないというような実情があるようでありまして、認証制度の点については再検討を要しますとともに、かりにそういつた制度を置くにしましても、四分の一に均等分するということでなしに、先の期間にたくさんつけるようにやりたいと思つております。現に今年度の災害関係につきましては、相当そういうような措置をとつたつもりでございます。  それから災害の事前防止のための河川改修とか砂防とかいうようなこと、これは国土保善の基本的な問題でありますので、二十五年度の一般公共事業費災害を除き五百億のうちに、河川、砂防あるいは山林というようなところに優先的に金額を大きく盛つておる次第でございます。また見返り資金から公共事業に支出する経費も、計画としては一応百十億ときまつておるような次第でありまして、こういうような金額を十分に活用いたしまして、御期待に沿うようにしたいと考えております。
  27. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 大体お考えの方向はわかりますが、もし認証制度があるからいけないというのでありましたならば、それは改めてもらいたいのであります。安本当局が見えておりましたら安本当局、並びに建設当局の見解を承つておきます。
  28. 淺利三朗

    淺利委員長 この四半期にわけて交付するという問題については、当委員会が、委員を派遣して視察した結果の報告によりますと、雪国は第一四半期はほとんど仕事ができない。であるから第三四半期までの間に全額使えるように配付してもらいたいということでありましたが、それが実情に適すると思いまして、われわれ報告を書きましてこれを議長に出し、議長の方から関係省に送付されていると思います。これらの点は実情に即するように、当委員会意見を尊重して今後考慮していただきたいと思います。
  29. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 災害ことに水害ですが、水害などというものは、来年の出水期までに仕事をやりませんと、また災害が起るかもしれません。われわれといたしましては、安本、大蔵省と交渉いたしまして、できるだけ第一四半期あるいは第二四半期に金をつけてもらうように努力いたしております。昨年はそれがある程度認められてやつておりますが、それでもまだ重点的に行われていない点がありますので、よく交渉いたしたいと思つております。
  30. 高田弥市

    ○高田(弥)委員 河川局長ちよつとお伺いいたします。災害復旧で建設庁が、たとえば堤防だけではだめだ、川面に対しては石垣をやれとかコンクリーをやれという嚴重な條件のもとに査定して交付されたにもかかわらず、全然その條件を盡されておらなかつたような場合には、どういうような手続をとるのでありますか、ちよつとお伺いいたします。
  31. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 査定の結果と実際が非常に違うというような問題は、二つの場合があるのであります。一つは査定を嚴正にやりまして、この程度工事ではどうも不安心であるからもう少し金をつぎ足してでもりつぱな仕事をしたいという場合と、この程度ならばもうこの査定の程度までの仕事はやる必要はないから、程度を低下してやりたいという場合と二通りあるのであります。いずれにいたしましても、それは査定の当初におきましては早急の場合でありますし、現地は混乱の状態でありますので、必ずしもこの査定が正確だとは言い切れない場合があるのであります。従つてそういう場合が生じましたときには、必ず本省と打合せの上、認可を得て仕事をすることに相なつておるのであります。これが無認可であるということでありますならば、嚴重に処置しなければいけませんが、大抵の場合は一応本省と打合せの結果施工をやつておるのが多いのであります。従つて査定のときと多少相違することがある場合もありますので、その点はやはり地方と本省との連絡関係いかんによると考えております。
  32. 淺利三朗

    淺利委員長 この際先刻主計局長から見返り資金から百十億公共事業費に金が出るということでありましたが、できるならばその内容についてわかるだけなり、あるいは目下の腹案なりをお漏らし願いたいと思います。
  33. 河野一之

    河野政府委員 見返り資金のうちに公共事業費として四百億円を予定しておりますが、その四百億円の中に百十億円の公共事業費予定いたしておるわけであります。この公共事業費をどういうふうに使うかということでありますが、これはまだ具体的に決定いたしておりません。安本及び関係省と目下立案中でありまするし、またこれも見返り資金の性質上関係方面の了解を要する次第でございますが、考え方といたしましては重点的にやつて行きたい。もちろん公共事業全体を重点的にやるのでありますが、あまりたくさんの箇所でなしに一箇所に何十億というような金を一時につぎ込んで急速に完成するというような工事をやつて行きたいと考えております。ことにこの見返り資金から出る公共事業費につきましては、地方負担というようなことを考えておりませんので、国全体の立場、国土計画の立場から一番重要であり、早急にやつてそして効果が早急にあがるというような工事を選んでやつて行きたいといつも考えております。関係当局も大体そういうような考えで進んでおるわけであります。
  34. 久野忠治

    ○久野委員 お急ぎのようですから簡單にお尋ねをいたしたいと思います。先ほど砂間委員等からも御指摘のありましたように河川海岸等維持管理が十分であれ場ば、災害は未然に防止できるわけで、ありまして、そうした意味合いから災害防除施設費というものは、相当程度この際増額をお願いする必要があろうかと思うのであります。御存じの通り災害防除施設費は、甲種と乙種とにわかれておりまして、甲種は局部改良、乙種は維持補修の面からこれが取上げられておるようであります。ところが本年度の予算において災害防除施設費が、昨年度の四億二千万円よりも建設省関係において三億八千万円に減額をされておるやに私は聞いておるのであります。これは少くとも公共事業費が一千億に増額をされたのでありますから、この際思い切つてこの災害防除施設費も増額される必要があろうかと思うのであります。しかるにこの災害防除施設費という費目が抹消されまして、海岸修築費、あるいは、河川維持費という名目において出されるやに私聞いておるのでありますが、いかがでしようか。今日地方においては相当程度防災工事費というものは活用されておりますし、また地方行政官庁においては歓迎をされております費目でありますから、この際ひとつ何らかの形において、その災害防除施設費の増額方を御配慮願いたいと考えるのであります。そうした点について大蔵省の主計局長としてのお考えを御説明願いたいと思います。
  35. 河野一之

    河野政府委員 一般の公共事業費の中に、河川関係の経費が百十億ほど現存計上されておるのでありますが、この経費のわけ方につきましては十分実情に沿つて、御趣旨の点をくんで配分いたしたいと考えております。一応の予定といたしましては確かに減つておるのでありますが、これはその点に非常に重点を注がなかつたというわけでもないのでありまして、明年度地方財政は四百億ほど従来に比較して充実いたし、ことにそのうち三百億円ほどの従来給付金というものがあつて、それが変形して参りましたので、純粹には百億ということになりますけれども、事実給付金のごときも警察庁舎も大体完備し、六・三制もある程度進行しておるというようなことで、給付金で仰がれる面というものも来年度は少くなるだろうという見通しを持つておりまして、地方財政は実質的にも形式的にも明年度は充実される。そういつた点で御趣旨のような点は相当是正されるのではないか。それから平衡交付金の配分につきましては、先ほど申し上げましたように河川の流域面積であるとか、延長であるとか、そういうようなことを基準にして一メートルあたりどの程度の維持費がいるというようなことで、平衡交付金を配分するというようなことも検討いたしておりますので、そういう面で相当救われるというふうに考えております。なお御趣旨の点、公共事業費の配分につきましては十分考慮してみたいと考えております。
  36. 久野忠治

    ○久野委員 ただいまの御説明によりますれば、維持補修は地方財政によつてまかなえというような御意見のように私は拜承したのであります。ところが今日地方財政は極度に困窮をしておりまして、ある程度建設事業に対しては国費をもつてこれを補助していただかなければ、でき得ないような実情にあるわけであります。特に河川などにおきましては、中小河川あるいは直轄河川等の大河川においては、国費をもつてまかなわれておりますけれども、それ以下の小河川の部分的な局部改良は、何としてでも地方負担においてやれといつてもでき得ないと思う。そうした意味においてある程度こうした小河川の局部改良を、十分に工事を完遂するという意味合いからいつても、国庫補助が必要でありますので、そうした面からいつてもこの際従来ありました災害防除施設費の増額方の取上げをお願いいたしたいと思うのであります。地方へ参りましても防災事業費というものは、非常に歓迎されておるのでありまして、皆さん特にこの御要求が多いのであります。もちろんこれは国費三分の一の補助でありまして、三分の二は地方負担をしておるわけではありますけれども、かくのごとき少額の国庫補助であるにもかかわらず、地方が歓迎しているゆえんのものは、わずかな費用を投ずれば、当然災害は防止し得るという建前から、こうした地方要求が多いかと私は考えておりますので、そうした意味合いから行きましても、どうかこの防災工事という費目、——これはお聞きいたしますところによれば、昭和十一年から設定をされておるようでありますけれども、この防災工事費目というものを将来ますます活用されまして、できた災害箇所を復旧するということでなく、未然にこれを防ぐという点に主力を集中していただきたいというふうに考えておるのであります。ところが先ほど私が申し上げましたように、前年度四億二千万円よりも減額されたものが配分されるやに聞いておりまするので、この点とくとひとつ大蔵当局で御考慮をお願いいたしたいというふうに私は申し上げたいのであります。公共事業費も相当程度増額をされておるのでありまするから、当然防災的な意味を含めたものをも、少くとも倍額以上にしていただくというのが当然ではないかというふうに考えるわけであります。以上のような意味でひとつ特に主計局長の御考慮を煩わしたいというふうにお願いをするわけであります。
  37. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ごく簡単にちよつと一点だけ主計局長にお尋ねしたいのですが、全額国庫負担で行う工事は、災害による破壊が旧状に復するという程度のように御説明になつたのであります。この点でちよつと明確にならぬ点は、河川、海岸、堤防等の問題でございますが、南海地震における地盤沈下関係あるいはまた有明湾以海岸堤防は、地盤の軟弱による年々沈下の情勢を辿つております。また河川におきましては、年々土砂の流出によつて河川床が上つて参りまして、従来の堤防の高さではいけないという点等の情勢が、年々変化しつつある情勢なのでありますが、こういうことが非常に災害を大きくする原因にもなつておるので、この旧状に復するという点を、ただ堤防の現地を見た目で、これは前の高さが幾ら幾ら、こういうふうにお考えになると私は違うと思うのであります。どうしてもいわゆる前の高さは満潮面幾ら幾らの高さというような点、あるいはまた川におきましては、百ミリの降雨量に対する堤防の高さがこれこれ、こういうように考えますと、従来の旧状に復しただけでは、ほんとうの堤防の価値の点から非常な相違を来たすのでありましてこの点はかりに復旧工事をやる際におきましても、前の高さで工事をやられたんでは、たいへんその地域におる者のためには迷惑千万なのでありまして、どうしてもそれはその土地の状況によりまして、半メートルか一メートルかの高さをかえなければならぬ。それで復旧工事とあるいは今お話になつた防災工事とこんがらがるような、その点で非常に明確を欠くようなことが起ると思うのでありますが、こういう点での見解を明確にしなければ、この全額国庫負担というものの適用の範囲が不明確になるおそれがあり、また災害を防止する、あるいは災害を復旧するという点でも、これは明確を欠くことだと思うのでありますが、局長の御見解を伺つておきたいと思います。
  38. 河野一之

    河野政府委員 災害復旧という言葉は、言葉の通りに元にもどすということで、原形復旧ということになつておるわけであります。全額負担するのは、原形復旧までの工事費について全額負担をしたいということでありまして、原形復旧の定義はいろいろありますが、これは災害土木費国庫補助規程というものにおきまして、原形復旧はどういうものであるということが大体わかるようになつております。もちろん物理的に原形復旧ができないこともございまするし、経済的に原形復旧したらかえつて金がかかる、新しい工事をやつた方がかえつて経済的であるというような場合には、そういう工事を原形復旧にかわるものとしてとつているわけでありまして、その辺はある程度既成の概念があるわけであります。それとともに従来より一メートル堤防を高くしたいとか、あるいは河川が流れておつた通りに復旧するのでは意味がないので、シヨートカツトをした新しい川筋を開きたいというようなことも、もちろん復旧工事として関連して考えられる次第でありますが、それはいわゆる改良事業ということになつておりまして、その部分についても国庫補助があるという制度になつておりまして、ただ全額国庫負担をいたすのは、原則として災害の原形復旧である。それ以上のものについては別途予算上の措置考える。こういう建前になつている次第でありますことを御了承願いたいと思います。
  39. 淺利三朗

    淺利委員長 主計局の先刻の御説明の中に、金額補助をする範囲河川道路、砂防、海岸堤防港湾というように例示されておりましたが、それ以外にもありますか。たとえば都市計画の中でも、福井の災害とか、あるいは堤防敷に市街地がとられたために、それにかわるべき都市計画を災害復旧でやるという場合は全額負担になりますか。あるいは従来の例によりますか。その点をはつきりしていただきたいと思いますが、先刻例示された以外になおあるのかないのか。
  40. 河野一之

    河野政府委員 私どもが全額負担考えておりますのは、現在災害土木費国庫補助に関する法律というのがございまして、そこで取上げておりまする災害は、一応きまつたようなかつこうになつております。その分を全額負担をしたいということでありまして、その法律によりますと、直接に災害原因あるいは対象というものは書いてはならないのでありますが、その法律及び関係の省令から出ておりますところは土木施設ということに相なつております。ただこれに関連いたしまして、都市計画をやるということになりますと、それは都市計画事業としての復興事業ということに相なりますものでありますから、その問題として考えて行く。もちろん都市計画で原形復旧をやる部分がありますれば、それはもちろん全額国庫負担の問題であるのでありますが、それ以上に復興事業としてやる部分は、別のカテゴリーとして予算措置考えて行く。こういうふうに考えております。
  41. 淺利三朗

    淺利委員長 その場合に、たとえば主務大臣の指定したものによつて指定し得る場合があり得るのですか。それは全額負担についてはないわけですか。
  42. 河野一之

    河野政府委員 はあ。
  43. 砂間一良

    ○砂間委員 ごく簡単に主計局長に希望を述べておきますが、災害の原形復旧についてだけ全額国庫負担にするという先ほど来の御説明でありますが、やはりこれでは範囲が非常に狭いので、ぜひとも改良や補修、そういう面を含めて、地方でできないような工事については、全額国庫負担でやるようにしていただきたい。そうでなかつた意味がないと思うのです。先ほど行政の責任と経理の責任はどうすべきであるかというようないろいろむずかしい御説明もありました。そして地方行政委員会でいろいろ検討しておりますから、二十六年度以降においては地方平衡交付金を増額するなり、あるいは地方財政を豊かにして行つて地方行政機関が、その管轄内にある工事については、責任を持つてつて行けるように、財源も心配してやるように検討しておるからというお話でありましたけれども、それはただ口で言うだけであつて、こういう 土木工事災害復旧河川道路、都市計画等を自力でまかなつて行けるだけの財源を與えられてない地方がやるということは、これは実際問題として私はできないと思うのです。それは口で言うだけくらいのものだと思う。多少はふえるかもしれませんが……。地方財政の現状におきましては、とうてい自力でやつて行けないようなとことんまで来ておる。ですからほんとうに思い切つて財政の体系を建直すならばともかく、そうでない限りは、それは口で言うべくしてできないことだと思いますから、そういう前提の上に立つて災害復旧だけではなくて、他の事業についても全額国庫負担でやるというふうに努力していただきたいと思うのです。河野主計局長に申し上げるのはそれだけでありますが、簡單にお願いしたいことは、資料の点で、河川だとか道路だとかを完成するに必要な経費がそれぞれどのくらいかかるか。たとえば河川については何千億、道路については幾らというふうな資料が、建設省の方にあると思うのですが、その内容のこまかくわかるような資料を、この次の委員会までにひとつ配付していただくように御用意させていただきたいと思います。
  44. 淺利三朗

    淺利委員長 資料の点ですが、これは前に一通りつてあるのですが、委員が新しくなられて引継ぎがないかもしれませんが、その分はあとで配付させ、将来つくるべきものはつくるようにいたさせたいと思います。
  45. 砂間一良

    ○砂間委員 それから大蔵省の方でも、公共事業費五百億となつておりますが、このうち土木費が百十億と申されておりますが、そういう内容を予算説明書にあるような概括的なものじやなくて、こまかにわかるような資料がありましたら、一つ参考のために出していただきたいと思います。
  46. 河野一之

    河野政府委員 資料の点は、予算説明の中に一応ございますが、それ以上の詳しい資料になりますと、これは安本の方が適当であろうかと思います。それから地方財政の問題ですが、この点は私は非常に御意見を異にするのでありますが、二十五年度は国の財政も相当改善されますが、地方財政についてはシヤウプの勧告にもありますが、根本的な改革をいたすわけであります。今年度の地方財政はおそらく三千六、七百億だと思いますが、明年度は四千五、六百億に相なるわけであります。四千五、六百億のうち税が千九百億、地方財政平衡交付金が千五十億、起債が三百億、あと七百億程度が雑収入、それからいろいろなものがあるわけでありますが、これは非常な改善になるわけであります。税で申しましても四百億もふえるわけであります。起債はもちろん減りますが、起債は減つた部面平衡交付金なり、あるいは本来税でまかなうべき性質のものは起債によらずに、そうした一般財源によることになつております。地方財政全体としては非常な改善になつております。従つて趣旨のような点はむしろ地方財政運営の状況を見て、あるいは思うにまかせぬ点があるかも存じませんが、私どもの考えとしてはこういう公共事業災害復旧の点についても、相当地方財政独自の立場で実施できるものがあるというふうに考えておる次第であります。それからもう一つは災害の改良までもやるという考え方でありますが、これは意見にわたりますが、災害復旧事業について現在法律で三分の二を補助しておる。そうしてそれは原形復旧に限つておると申しますのは、こういう災害復旧工事は急速にやらなければならぬ。それから平衡を得るという二点からこういうような補助制度になつておるのでありまして、復旧改良工事を一々具体的の場所についてやつておりますと、これは非常に復旧が手間をとる。かつまたこの川とこつちの川とどつちを先にするのか、この県こつちの県とどつちを改良工事を先にやるかということで、現在でも公共事業にいろいろ議論のある通りのことが出て来まして、災害復旧を改良に絡んでやると、実際問題として非常に遅れるというようなことで、昔からこういう復旧という一定の線を限つて急速に査定をして急速にやるという、今までの制度の上から言つてやむを得ぬという措置考えられておる次第であります。しかし御趣旨の点も十分理由があるとは思いますが、現在の制度としてはそういうふうに相なつておるというふうに御了承を願いたいと思います。
  47. 淺利三朗

    淺利委員長 この問題については皆さん御関心が非常に多いことと思いますが、大分時間も経過いたしましたから、残りは次会に譲りまして、本日はこの程度で散会いたします。     午後零時二十六分散会