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1949-12-20 第7回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十日(火曜日)     午後一時五十七分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君    理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君    理事 上林與市郎君 理事 砂間 一良君    理事 天野  久君 理事 笹森 順造君       池見 茂隆君    押谷 富三君       瀬戸山三男君    西村 英一君       三池  信君    宮原幸三郎君       前田榮之助君    畠山 重勇君       増田 連也君  出席政府委員         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君         (管理局長)         建設事務官   中田 政美君         (住宅局長)         建設事務官   伊東 五郎君         (河川局長)         建 設 技 官 目黒 清雄君         (官房会計課         長)         建設事務官   植田 俊雄君         経済安定政務次         官       西村 久之君  委員外出席者         建設事務官   澁江 操一君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君 十二月十六日  委員山本猛夫君辞任につき、その補欠として池  見茂隆君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  建設省関係予算に関する件  第七回国会提出予定法律案に関する件     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。日程に移ります。  本日は第七国会の初頭におきまして、われわれ建設委員といたしまして、今後政府から提案される問題、あるいは予算に関する問題等について、概括的の説明を承つて、われわれの第七国会に臨む心構えをつくつておきたい、そういう趣旨からこの委員会を開いたのでございます。  まず第一に、第七国会提出予定されておるところの法案にどういうものがあるか。また二十四年度の補正予算の配分はどういうふうにされておるか。また二十五年度の公共事業費については、まだ確定的ではないでありましようけれども、大体どういうふうになつているか。また災害復旧費全額国庫負担になるというような説もありまするし、また公共事業に対して見返り資金の流用の道も考えられておるということでありまするから、これらのことについて建設当局経済安定本部大蔵省、あるいは起債の関係等について地方自治庁方々の御意見を承りたいという趣旨で本日の日程に上せてあるのであります。よつて第一にまず第七国会提出予定法案についての件を議題といたしまして、政府当局よりどういうことが予定されておるか、その説明お願いいたしたいと思います。
  3. 澁江操一

    澁江説明員 それでは私から建設省所管通常国会提出をただいま準備いたしております法案概略を申し上げて、御了解を得たいと存じます。ただお断りしておかなければならないのでありますが、大体予定しております法律案が、件数にいたしますと約十件程度実はございます。内容自体といたしましては、まだ建設省内部におきましても、それぞれ担当の部局におきまして事務的に検討中のものでございまして、建設省の全般的な方針として、まだ審議が確定しておる段階には実は相なつておりません。今後の問題といたしまして、閣議決定なり、あるいは関係方面との折衝なりを開始して、いろいろ検討して行かなければならない問題が多分にございます。そういうような状況にまだございますので、一応この法律案件名と九体のアウト・ラインを御披露申し上げて御了解を得ておきたい。かように考える次第であります。  第一に考えておりますのは災害復旧費国庫負担に関する法律でございます。御承知のように今側のシヤウプ勧告に基きまして、災害費全額国庫負担にするという方針が実は示されましたので、この災害費と最も密接な関係をもつております建設省といたしましては、この勧告の趣意に沿いまして法案提出しなければならないというふうに考え準備をいたしておるわけであります。もとよりこの法案といたしましては、建設省だけの問題ではございませんで、農林省の所管にも関係いたします。それから地方自治庁あるいは大蔵省所管業務ともそれぞれ密接な関係があることでございますので、その方面との事務的な折衝をとげる必要が実はあるのでございます。そういつたような方針のもとに今事務当局において検討準備を進めておるようなわけであります。  次には道路法改正案予定いたしております。現行道路法は、御承知通り大正八年の制定にかかつておるものでございますので、新憲法制定に伴いまして、以前からこの改正を、実は建設省内部といたしましては痛感いたしておりました。ことに現行規定の中には、御承知のような国道認定基準といたしまして軍用道路のごとき、新憲法のもとにおきましては、実はふさわしくない規定が相当残されております。それからさらに道路行政に対する国と地方公共団体との責任の分界が、たとえば国道の改修は国において行われ、維持は地方公共団体がこれを担当するというようなぐあいになつておりまして、はなはだ明確を欠いておりますので、こういつたような不合理な部分を、今後の問題としては改正して行く必要があるというふうに考えておるわけでございます。要するにただいま申し上げましたような主要な幹線道路認定基準を改めて行くという問題、それからさらに道路の種類に応じまして、その改良なりあるいは管理主体、それから責任の所在を明らかにする。こういつたような方針に基きましてその内容検討いたしつつある次第でございます。  その三は水道法案でございます。御承知のようにただいまの水道行政は、水道條例という古い法律によりまして運営されておりますけれども、これもずいぶん古い規定でございますので、これを改めまして、水源の保護なりあるいは水利権その他水道事業関係いたします業者間の調整を明らかにするという建前のもとに、この法案提出準備いたしております。  次には、住宅金融公庫法、御承知通り来年度の住宅金融出資金といたしまして、予算上に五十億円を計上されることが、大体政府方針として認められることになつたのでございまして、資金の貸付なりあるいは回收業務というものは、資金の公共的な性格からいたしまして、特定住宅金融公庫といつたような機関によつて運営する必要があると考えられますので、ただいま申し上げましたような金融公庫目的業務内容、あるいはこれに対する監督等に関する規定内容といたしました法案を、ただいま鋭意検討いたしておる次第でございます。この法案につきましてはもとより住宅行政を主管しております建設省主体となつて考えておるのでありますが、一面には大蔵省所管業務とも関係がありますので、大蔵省との折衝等に今当つておりまして、いろいろ検討いたしておるような次第でございます。  次は建築基準法案、それからそれと関連いたします建築士法案、この二つの法案準備いたしております。内容といたしますところは、現在も行われております市街地建築法を廃止いたしまして、これにかわる建築物の質的な向上を目的といたしました建築物基準をある程度規制して行くという内容法律予定いたしておるのでございます。現在の市街地建築物法は、御承知通り主体市街地に置いておりますけれども、この法案といたしましては、適用区域を若干広めてございます。それからさらに建築物基準につきましても、現行市街地建築物法建前をさらに一段と合理的にする。それからさらには建築物の設計、あるいは工事管理等業務に当ります者につきまして——もつともこれは特定建築物予定いたしておりますが、これに特定資格を持ちました建築士、あるいは建築工務士のような一定の專門的な資格を持つておる者をもつて行わせるという建前をとりまして、ただいま申し上げましたような合理的な基準の確保を十分期待し得るような建前にいたしたい。こういつたような構想のもとに実は法案予定いたしております。建築士法と申しますのは、ただいま申し上げました基準法と表裏をなす一連の法案でございまして、以上申し上げましたような建築物基準をきめますと同時に、これによつて災害防止、その他の安全性を確保するために、その設計なり、あるいは工事管理をつかさどる技術者資格をきめる。それに伴いましてある程度試験制度を採用いたしまして、建築士の免許、登録を実行する。こういつたようなことによりまして、さきに述べました建築物基準に関する法律案実施を確保して行く。こういつたような建前のもとに検討いたしておるものでございます。  それから第七番目といたしましては、建設省設置法改正案予定いたしております。これは御承知のように先般政府方針といたしまして、各省の内部にございます審議会を、ある程度整理するという方針がきめられました。従いましてそれに伴つて現在設置法で認められております審議会等につきまして、一、二のものを整理するという事務的な内容のものでございます。  それから第八番目といたしましては、土地收用法案というものを予定いたしております。現在の土地收用法はきわめて古い法制でございますので、現行法の不備を是正いたじまして、いわゆる民主的な線に沿つた一つ法制建前をとりたいという意味合いで、いろいろ検討をいたしております。  それからそのほかに住宅供給助成法案、あるいは公共物管理法案、それから河川法改正案といつたようなものを一応件名といたしましては予定をいたしておりますが、これにつきましては内容はあるいはまだこの国会には間に合わないのではないかというふうに考えておりますが、一応そういつたようなものも予定いたしておりますので、つけ加えて申し上げます。  以上が大体ただいま検討いたしております私どもの方の所管法律案概略でございます。
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 何かこれについて御質問なり御希望なりがありましたらお述べ願います。
  5. 上林與市郎

    上林委員 住宅金融公庫法に関連してちよつと伺いますが、日にちは忘れましたが、何か新聞に対日見返り資金百億円をまわすというようなことが出ておつたのですが、あれはほんとうかどうか伺います。
  6. 西村久之

    西村(久)政府委員 見返り資金関係でお尋ねでございますが、あれはまだ確定的なものではないのであります。
  7. 淺利三朗

    淺利委員長 予算関係は先刻申し上げた通りあと予定してありますから、この法案について何か……
  8. 内海安吉

    内海委員 ただいま御説明を承りました中に、住宅金融公庫法についての御説明がありましたが、この問題につきましては、第六回国会において、本委員会においても特に重大な問題として取上げました。そうして小委員会を設けまして、もつぱら当局並びに金融方面の意向も聞きました。そうして私が小委員長として委員長のお手元に、われわれの要望する事項を取上げて御報告申し上げておつたはずでありますが、この要綱のお取扱いは一体どうなつておるか。まず委員長に承りたいと思います。
  9. 淺利三朗

    淺利委員長 本委員会におきまして国政調査事項として調査いたしました結果は、議長の方へ報告いたしております。議長の方でそれを政府におそらく要望してあると思いますけれども、その結果はまだはつきりしておりませんから、結果はまた調べてお答えいたします。
  10. 内海安吉

    内海委員 そうしますと、この要綱建設省の方にまわつておりましようか。
  11. 淺利三朗

    淺利委員長 なおそれは住宅局の方には、参考として直接委員会から送つてあるはずであります。
  12. 内海安吉

    内海委員 この法案立法にあたりまして、だんだん御説明も聞き、またその立案に至るまでの経過を見ますと、その立法構想は、大体建設省に設置された住宅対策審議会の答申を参考として立案されたものである、こういうことをうたつておられるのでありますが、われわれは住宅問題に対する立法にあたつては、最も愼重を期したいという立場からいたしまして、この立法参考ということよりも、本委員会決議は、ぜひともこれだけは取上げてもらいたいという要綱を九つにわたつて提出しておるはずなのでありますが、この問題に対して建設当局はいかように取扱われたか。これをちよつと承りたい。
  13. 伊東五郎

    伊東政府委員 前国会住宅小委員会で御決議になりまして、その経過十分伺つておりますので、その線に沿いまして法案もいろいろ準備を進めております。その中の一つ住宅金融機関をつくるという問題もありましたので、これは特に急ぎまして、今回大体この法案を出し得る運びになつております。その他の住宅供給助成法というような根本法をつくるという問題とか、長期計画を設定するというような根本的な二、三の問題もありましたが、これらにつきましては逐次研究をして実現いたしたいと思つております。
  14. 内海安吉

    内海委員 審議会というものは、行政府の長官もしくは総理大臣がそれぞれの線に沿つてごかつてに任命せられたるところのいわば審議会というものは、官製のいわゆる委員であります。もちろんこれは法律をつくるにあたつて、こういうような機関によつて十分審議されるということは当然なことであるけれども、一面において、こういつたような重要法案提出されるにあたつては、あらかじめわれわれは大きな好意を持つて政府に対して、しかも緊急住宅対策要綱というものを政府に要望しておるのであります。これはまだ未完成な法案であるということでありまするから、今後ほんとうに成文として提出せられる場合においては、この委員会において満場一致の意見であるところのこの九大要綱は、ぜひともこの法案の中に入れてもらいたいということを要望いたしますと同時に、具体的な問題といたしまして、不動産取得税というものが現在二割の高率を課せられている。こういうようなことがあるために、この不動産の売買、あるいはせつかくこれを買い取ろうと思いましても、いろいろこういつたような制肘を受けるために、住宅建設というがごときこともできないのじやないか。こういうような点からいたしまして、昭和二十五年の一月一日から、こういつたような税金は全面的に撤廃してもらいたいというのも、本委員会における総意であつたのでありますが、これに対する政府の御意見を承つておきたいと思います。
  15. 伊東五郎

    伊東政府委員 不動産取得税が非常に高率なものでありまして、そのために一般勤労者住宅建設を非常に阻害しているということで、この税制につきましても、われわれの住宅対策の面からいろいろ要望いたしておりましたが、幸いにシヤウプ勧告によりまして、来年度からは不動産取得税は全廃せられるということに大体決定を見ておるようでありまして、来年度からはこの問題はなくなることと思つております。
  16. 砂間一良

    砂間委員 私は簡單希望がありますが、法案国会提出されるときに、なるべく早く出していただきたいと思うのです。いつも会期の終りのころになつてごたごたと出されますと、せつかく重要な法案でありましても、十分審議ができませんので、いろいろ準備立案の御準備もあると思いますが、なるべく早くつくつて国会に出していただきたいということと、もう一つ法案作成の過程において、いろいろ立案者の方で御意見があると思うのですが、それがまだ確定的な意見でなくても、何らかの形でそれを国会の方へ資料なりあるいは御意見を伝えていただきまして、そして私どもが予備的に準備的にいろいろ考えをまとめることができるように、これは正規の委員会でなくてもいいのですが、そういうふうなおとりはからいを願いたい。どうも日本の官僚の惡い癖で、自分たちだけは偉そうな顔つきをしまして、陰の方でこそこそとつくつてでき上つたものを国会へ押しつけて来まして、昔の帝国議会のころと同じように、まあ国会で協賛させればいいのだというふうな惡い癖が残つておりますから、そういうふうなことはこの際やめていただきまして、立案の過税におきましても、今こういうふうなものを準備している、この問題はこんなふうにやつて行こうと思つているというふうな資料なり意見なりを何らかの形で伝えていただきますと、いよいよ法案提出されたときにも、私ども予備知識を持つて非常に審議が楽だと思いますから、今後そういうふうに運んでいただきたいという希望意見を述べておきます。
  17. 田中角榮

    田中(角)委員 私が申し上げるまでもなく、ただいままで御説明を煩わした第七国会提出予定法案約十件を数えております。これは法案の数だけによつて驚くのではありませんが、いわゆる第七国会建設行政関係で十件近い法案提出予定されておるということを考えるときに、私たちはここで相当はつきりした目標を持つておらなければならないということを感ずるのであります。すなわち建築物基準としております市街地建築物法、すなわち大正八年より三十年間もかわらなかつたところのいわゆるわが国建築行政の拔本的な改革を第七国会においてなそうとしておるのであります。すなわち建築基準法の設定並びに改正道路法、それから災害復旧費全額国庫補助法案住宅金融公庫法というようなものは、かつて今までこの委員会でなそうとしてなせなかつたところのものを、一挙に第七国会で解決しようという事態に至つておるわけであります。すなわちこれを最もはつきり申し上げますと、わが国建築行政一大変革を行おうというときにあたつておるわけであります。こういう一大変革を行うというところに際しまして、現在住宅金融公庫法というがごときものの先駆である住宅営団法は、本委員会において廃止法案が通過した直後であります。なお住宅営団の公債というものも本委員会が引続き第七国会審議して、しかも新しく制定されるところのこの種法案の重要なる資料にするということになつておるのであります。その調査も現在未完の状態にある。現在におきましてこの種住宅建設に関する法案立案に際しては、愼重というよりも今までの事情をよく御勘案になつて、今までの法案提出というような軽いお気持をひとつ顧みられて、萬全の策を講ぜられたいということを一つだけ申し上げておきます。  なお次には建築士法というようなものが出て参りました。建築士法はこの市街地建築物法にかわる建築基準法と密接なる関係があるのでありますが、前国会に当委員会でもつて通過せしめた測量法の中で、すでに現在いろいろな隘路があるのであります。当委員会で前の国会で通した法案を、今また実施の当初において改正案を出さなければならないかというような、まつたく不見識きわまりない状態を露呈しておる現在、この種法案取扱いに対しても、非常に愼重でなければならないということは、私が申し上げるまでもないことであります。そういう種々な観点に立つて、この提出予定されておる法案十件に対しては、今までのように建設省方々並びに今までの組織とスタツフでもつて十分検討されたことが、OKをもらつてすぐこちらに出される。與党なるがゆえにこれをのめというようなことを絶対になさらないように、いわゆるこの種法案というものが非常に大きな使命を持つているだけに、十分草案の中に本委員会意見も取入れていただきたいということを、あらかじめ強力に申し入れておきたいと思います。このことを申し入れておかないと、私たち與党であるので、OKをとられて提出されたものに対しては、相当な制肘をされるということでありますが、わが国建設行政一大変革という建前から考えますと、私たちも軽々に今までの法案に対するような態度でもつて臨むわけには相ならぬということが考えられますので、あらかじめ御了承を得ておきたいというふうに考えるものであります。  なお当委員会としても、特に委員長お願いをしておきたいことは、住宅営団関係調査もいまだ完全になつておりません。なお過ぐる国会で通過をしました測量法というものの隘路も叫ばれておる現在、これと同じ性格を持つた案を提出されようとしておる現在、この法案提出までに本委員会として当然果さなはればならない使命は早急に果していただきたいということをつけ加えてお願いをしておきます。
  18. 村瀬宣親

    村瀬委員 市街地建築物法をやめて、建築基準法制定するということは、非常に重大な問題と思うのであります。そこでこの際一点だけ特に希望を申し上げ、また御意見を伺つておきたいと思いますことは、今年の一月から六月までの統計を見ますると、実に火災件数が一万一千二百件、延坪にいたしまして六十七万五千坪、損害額は七百六十億円に達しておる実情になつております。かような状態を放任しておきますれば、いくら案を直し、いかに建築をやりましても、燒けるものが多い。多いことはないにしましても、少くとも学校などの燒失が非常に大莫であります。そこでこの建築基準法制定趣旨という印刷的を見ましても、その理由に四つあげられたうちのその一つの中に、火災その他の災害防止に関する規定を初め、現在のものが内容的に不備であるから直すということが、はつきりうたわれておるのでありますが、今までの工場法その他によりますると、何か一時の逆しまにして火を消すというようなきわめて姑息的な消火器等は置かねばならないこととなつてつたのでありますが、火災を未然に発見をする発見器というようなものに対しては、いまだ規定がないようであります。もつと積極的に火事を消すというよりも、起らない施設をこの基準法に強力に強権をもつて示しておく必要を、今日の質の低下した建築物を思いまするときに特に感ずるのでありますが、これを希望いたしますると同時に、本法案作成にどの程度までその点をお考えになつておるかどうか。この法案に入れる御方針であるかどうかを伺つておきたいと思います。
  19. 伊東五郎

    伊東政府委員 火災防止ということは非常に重大な問題ということを痛感いたしまして、この基準法制定についても、その点をも取上げておるわけでございますが、具体的の内容はいろいろこまかくなりますので、また法案にづいて御説明いたしたいと思いますが、ごく簡單な点だけ申し上げますと、建築物構造自体をなるべて不燃燒的なもの、あるいは延燒防止的なものにいたしたいということを考えております。しかしこれは諸外国のように、都市の建築物全部をそういうものに一ぺんに改めてしまうということは困難でありますので、漸を追うて行かざるを得ないと思いますが、たとえば防火地区というものを設定いたしまして、その区域内では耐火的のものでなければいかぬ。あるいは特に規模の大きな建築物は耐火的なものでなければいかぬ。また特殊の用途建築物、たとえば劇場とか、公会堂とか、そういつたような特殊の用途建築物については、これも耐火的でなければいかぬ。あるいは中くらい規模のものであれば、木造であつても、延焼防止的な構造にしなければいかぬ。こういつたような点を考えております。また火災早期発見と申しますか、そういう火災警報の装置などにつきましても、これはまあこまかいことでありますから、あるいは法律でなく、命令できめるということになるかと思いますが、そういう方面のことも十分考え立案をいたしたいと思つております。
  20. 村瀬宣親

    村瀬委員 これから建てる家を不燃化にするということは、われわれの方でも、これから不燃化促進議員連盟というものをつくつて大いに促進しようと思つておるのでありますが、今現に建つておる建物を見ますと、終戰後四年間に、応急的に仮設的に復興いたしたのでありまして、きわめて燃えやすい質の低下したものになつておるのであります。その方の対策を講じておかなければ、これから建てるというものももちろん大事でありますが、日本火事が減らない。そこで今局長お話では、非常に些細なことであるというお話でありましたが、早期火災を感知するということは些細なことではない。一番の根本問題でありまして、今日文明利器が進んで、レーダー等の出て来た世の中に、火の手が上つてからかけつけるということはくだらぬことでありまして、そういう施設を講ぜしめる義務付けを、各全部の家にとは申しませんが、学校、劇場はもちろんでありますが、おいおいそれを拡大して行つて、いわゆる火災の未然の感知発見方法というものを厳重に基準法の上に定めておく必要があると思うのでありますが、それに対しまして建設省においては、どのくらいの熱意と関心を持つておられますか。もう一度お伺いいたしたい。
  21. 伊東五郎

    伊東政府委員 ただいまお話のありまたいろいろな火災予防の備えつけ器具というような設備の問題でありますが、これは一方消防法によりましてもそういう規定があるわけでありまして、建築基準法の主としてねらいますところは、新たに建てる建築物をどういうふうに防火的にするかということを主としてねらつておるのでありまして、これは消防法と建築基準法両々相まつて、全部の防火の目的を達し得る。こういうことになろうかと思います。しかしある程度、新設の場合にもそういういつたような種類の器具の設置についての命令というものはできるようにいたしておきたいと思いますが、建築基準法全部で防火の目的を達するというわけに行かぬだろうと思います。
  22. 淺利三朗

    淺利委員長 それではこの問題はこの程度にとどめます。なお委員長も要求いたしておきますが、法案が完成してこちらに提出される前において、あるいは試案でもよろしいのでありますが、その過渡時代において一応試案をこちらに参考に見せていただくということが、おそらく委員会の総意であろうと思います。将来審議の進捗をばかる上から申しましても、便宜そういう手段を講ぜられるように要望いたしておきます。     —————————————
  23. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは次に建設省関係予算に関する件を議題に供します。まず昭和二十四年度補正予算実施状況について当局の説明を求めます。目黒河川局長
  24. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 河川局会計の補正予算実施状況を御説明いたします。  補正予算八十五億中に河川局関係に配当されましたものが五十億であります。さらにそれに砂防の四千万円、五十億四千万円というものが河川局関係予算であります。河川関係災害復旧費でありまするが、これは七億八千万円が直轄河川の災害復旧費、それから四十三億二千万円が県の災害復旧費に対する補助であります。そこで現在問題となりますのは、四十二億二千万円の配当の問題でありまするが、大体今の過程は一応五百十億程度の各府県からの災害の申請がありましたが、これを現地に行きまして調査をいたしたのであります。そこで大体これよりは多少増減かありまするが、災害費総額が二割五分見当査定減となつたのであります。その査定減の額に比例いたしまして、四十二億二千万円を配分したのでありまするが、ただここで配分の仕方として考えなくちやならぬことは、大災害が起きました府県につきましては、緊急に仕事をしなければならぬという事業が多いのでありまして、これらに対してある程度の増額をいたさなければならぬ。非常に少額でありますが、多少の増額をいたしたのであります。そこで配分の結果を見ますると、一番災害の多い県で宮崎の四億四千万円が筆頭でありまして、それに次いで佐賀の四億、群馬の四億、その次におきましては鹿児島の三億三千万円、福岡の三億三千万円と相なつております。ところがここでお考え願わなければならぬのは、すでに第二・四半期、第三・四半期におきまして、緊急の措置といたしまして、公共事業費の繰上げ認証をいたしたのであります。第二・四半期におきましては六億九千万円の繰上げ認証、第三・四半期におきましては十三億八千四百万円の繰上げ認証がありまするので、結局ただいま第四・四半期に配当いたしまするものは、これらの既認証の額を差引いた残り二十一億四千六百万円が配当の対象となつたのであります。もちろん災害総額に対して約一割五分賜の平約になつておりますもので、それらを配当して、すでに配当済みのところは差引いて各府県に差上げるという段取りをしておるのであります。直轄工事は各河川一本々々に災害復旧費を配当いたしたのでありますが、これは目下調整中であります。  砂防は、四千万円は浮源寺川の上流におきます堰堤の破損による応急的な復旧費でありまして、これはただの一箇所だけであります。  以上が現在われわれのところで操作しておる河川の災害復旧費の現状でございます。
  25. 植田俊雄

    ○植田政府委員 河川局以外の分につきまして、一括いたしまして御説明いたします。道路関係でございますが、直轄といたしまして二千万円の補正予算を出していたのでありますが、このうち一千万円は繰上げ認証によりまして第二・四半期、第三・四半期に工事を進めております。残り一千万円につきましては、第四・四半期で完了する計画で、ただいま準備中でございます。  その次に住宅でございますが、これは水害によります応急住宅でございまして、鹿児島県、宮崎県等に配付いたしたのでありますが、これは八千万円のうちの七千五百万円が建設省関係でありまして、これは八百三十四戸でございますが、そのうち四百三十戸は繰上げ認証によりまして、すでに工事をやつておるわけであります。残りにつきましては第四・四半期で予算を配付いたしまして完成いたしたい。かように考えております。  次に都市計画関係でございますが、都市復興ということで五千万円ございます。これは地下土木施設の災害によつてくずれたものを埋めます費用でございます。これは第四・四半期で予算を配付いたす予定でおります。  次に災害関係以外の一般といたしまして、都市復興に五億の補正予算が組まれておるのでございますが、これは失業者を吸收することを目的といたしまして、街路の改良補修をする費用でございます。これは第四・四半期で配付いたす予定で、ただいまその準備をいたしております。
  26. 淺利三朗

    淺利委員長 二十四年度の補正予算実施、配付等について何か御質問御意見等ございませんか。  次に昭和二十五年度建設省予算、特に公共事業費の問題について、政府より説明を求めたいと思います。なお二十五年度の予算実施にあたりましては、災害復旧費全額国庫負担に関する問題もあるのであります。便宜上この二つの問題を一括して議題に付します。それでは昭和二十五年度の公共事業費の問題について当面の御説明を願いたいと思います。
  27. 植田俊雄

    ○植田政府委員 まだ予算の係数がはつきりきまつておるわけじやございませんので、できれば速記なしにして懇談会的にお願いしたいと思いますが、いかがでございましようか。
  28. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは速記をやめてください。     〔速記中止〕
  29. 淺利三朗

    淺利委員長 速記を始めて。西村経済安定本部政務次官。
  30. 西村久之

    西村(久)政府委員 公共事業費の問題につきまして、国民が熱意をもつて関心を寄せられておることは、皆さん御承知通りであります。政府といたしましても、公共事業費を十二分に使いまして、国土の壊廃を復興し、なお生産の増強に寄與するという建前で、二十五年度の予算の編成にも実は当つておるわけでございます。今日までいろいろ折衝を重ねて参りました関係の大わくは、先ほどお話がありました通りに、公共事業費の明年度の予算は、災害費を含めまして大体九百七十億と相なつておるのであります。うち一般公共事業費を五百億と踏みまして、四百七十億が災害費に充てられる。この四百七千億のうち、先ほどの説明にもありました通り、百億が二十五年度予想し得られる災害費の予備費ということに実は相なつておるのでございます。三百七十億と一般公共事業費の五百億の配分につきましても、計数ははつきりいたしませんが、内容は大体整うておるのであります。先ほど申しました通りに、予算建前といたしまして、全額補助と今日まで行いました補助率とによりまして、事業量を減らさないといたしますれば、地方費の増額をいたさなければならない。案そのものの建前は、三百七十億は、安本といたしましては従前の考え方で考えておるわけでございます。しかしながらその数字でシャウプの勧告関係もあるので、全額国庫負担お話も出ておるのでございますが、これもまだ決定的になつておりません。しかしながらいつまでも待つておられませんので、政府としては大体の根本方針を立てまして、この大わくの一例を災害にとつてみますれば、三百七十億の配分をきめなければならない段階に入つておりますので、大体シャウプ勧告の線を尊重いたしまして、府県以上の河川あるいは港湾、道路というような関係の事業の災害は、全額国庫負担してみたい。市町村関係工事につきましては、県費の補助のない部分につきまして、非常に小さい災害を一々国が取上げておりましては際限がありませんので、今までの補助の関係で大体十万円を補助の限界点としておりましたのを、十五万円程度に引上げまして、ここで線を引いて、これ以下のものは補助をしないというような大体の構想を立てまして、政府としては今後折衝を重ねて行きたいというつもりをしておるのでございます。従いまして全額国庫負担という文字は、全部国庫負担になる、ならないということは今後に残される問題でありまして、政府としては全額国庫負担はあまり好ましくないという線で進んで参りつつあることを御了承置き願いたいのであります。そういう線を描きつつ、大体按分をしなければなりませんので、先ほど局長でございましたかお話がありました通り建設省関係の災害は二百六十億前後の数字に納まるであろうと思うておるわけでございます。もつともこのうち二百三十億程度のものが土木の災害に当りますので、その他の関係はいろいろ鉱害の復旧、あるいは直接に参りまする国直営の関係の費用等に充てられまするので、府県の土木災害に対しまする補助額は、二百三十億程度に納まるのではなかろうかと想像されるのであります。なお五百億の一般公共事業費も同じような考え方で配分を立てなければなりませんので、建設省の河川局関係のものにつきまして、今日予定いたしておりまする金は百七十五億程度であります。そのうち河川関係の改修費用といたしまして百二十億内外を予定いたしまするし、十八億ないし二十億程度のものを砂防用の費用に組んでおるのであります。残りは大体山林関係の——これは農林省関係になるか存じませんが、造林関係の増植用の費用に予定いたしまして、総計百七十億が大体建設関係予算に相なるのではなかろうかと思われるのであります。詳しいことは予算をお示し申し上げまして、その際に明細をお話申し上げることが間違いがないと存じまするので、今日までの歩き方は大体そういうような計数になつておるということを御了承置き願いたいのであります。
  31. 淺利三朗

    淺利委員長 なおこの際ついでに見返り資金の方から、あるいは住宅の費用のほかに建設関係公共事業費も運用されるという話を新聞紙上で聞いておりますので、それらについてももし何か問題となつておる点がありますならば、なるべくこの際お示しを願いたいと思います。
  32. 西村久之

    西村(久)政府委員 見返り資金関係についての要求が委員長の方からあるのでございますが、見返り資金の方は皆さん方の御賢察の通り、なかなかこれを運営いたしまするのは難事でありまして、当初話のあつたようなふうに楽に行かないのであります。本年度予定しております見返り資金も、予定を越すようなことは断じてなかろうかと、安本の私としては考えておるわけでございます。私は率直に申し上げて、皆さん方に今後の御協力を願いたいと思うのでありますが、御案内の通り見返り資金は本年度の分を千四百億と踏みまして、当初予算は千七百五十億でございましたが、これを千四百億と踏んでこれを配分いたしてあるのであります。鉄道と通信の建設公債も、予算に計上してあります通り、両方で二百七十億、復興金融金庫の債券償還に六百二十五億を大体予定いたしまして、残りは五百五億程度になるのであります。これを重要産業の復興その他の設備資金に融資を願いたいというので、今日まで進んで参つておりますが、皆さん方御承知通り、今日まで融資を願いました額はおそらく二十億前後であろうと思われるのであります。最近お許しを得ました日発の十四億というのが一番かさであります。それまでの間のものは一億、二億という微々たるものでありまして、今日までのところおそらく二十億前後であろうと思われるのであります。そうしますと今年も年度はもう押詰まつておりまして、今後幾ばく融資ができるかというようなことは、御想像に訴えなければならないと思うのでございます。しからば明年一月から三月までの間にあとの残りが融資ができるかと申しますと、なかなかできそうに思われないのであります。明年一月から三月までの間に融資を願われるように最善の努力を拂いましても、半分の二百五十億程度のものより融資が願われないのではないかというような雲行きが強いのであります。しからばあとの余りはどうするかということになりますが、次年度の繰越しをその筋ではお考えになつておるように思われるのであります。こういうことが御承知通り一つは金詰りの原因となつて来ておるのではなかろうかと思われるのであります。こういうふうに二十四年度の見返り資金が非常にきゆうくつであります。二十五年度の見返り資金も、予算を出します際には貿易状況等から勘案いたしまして、イロア、ガリオアの関係の数字を出して、おそらく千五百億内外の見返り資金になるでありましようが、出て参るのみでありますけれども、これを使います際に、なかなか同じように簡単に使うことができないのであります。政府あるいは民間の企業からは融資の申請書を出してあります。けれども、なかなかお許しが出ないのであります。そういうふうな実情下に置かれてあります。先ほどお尋ねがありました見返り資金から住宅費を百億程度二十五年度に使われるであろうというお話があつたのでありますが、これは二十五年度の予算のうちで、今寄り寄り話をしておる間に、百億くらいは出してもよかろうよというようなことが、一部の人の御意見として出ておるのであります。具体的になつておらないのであります。その際に公共事業費は百十億くらいは出してもよかろうというような話も実は出ておるのであります。これが新聞に伝えられまして、公共事業費に百千億が出せる、住宅建築費に百億の金が出るのであると報道せられまして、世間の人がこれに期待をかけられておるのでなかろうかと思うのでありますが、これはまだ決定して、そういうふうな内容に入つておる関係のものでないことをここではつきり申し上げてよかろうと思うのであります。今申し上げますような実情でございまするので、見返り資金に大きな期待をかけますことは、国の産業を今後立てて行く上において、すこぶる危險に考える一人であるのでございます。貸していただいて、復興をしていただくことに最善の努力は盡しますけれども、なかなかわれわれの考えのように、向うさんのお許しが願われないという実情下にあることを御賢察を願いまして、この程度見返り資金に関する政府意見はお許しを願いたいと思うのであります。
  33. 淺利三朗

    淺利委員長 なお大蔵省主計局長は参議院の委員会に出席中であり、また次長はGHQに行つておるそうでありますから、少し遅れるということであります。それでただいまの御説明を基礎といたしまして皆さんの御質問があれば、この際していただきたいと思います。
  34. 西村英一

    西村(英)委員 私は資料お願いしたいのです。昭和二十三年度までの河川の災害費の残りの全額、それから二十四年度の災害、これは直轄河川と、それから中小河川、その他、こういうような別にわけまして資料お願いしたいのです。それから西村次官にちよつとお尋ねいたしますが、今のお話に関連した問題ですが、見返り資金の現在まで民間その他の要求額はどれほど出ておるものでしようか。ちよつとお伺いします。
  35. 西村久之

    西村(久)政府委員 大体先ほど私が申し上げました五百五億のわくは満し得るだけの書類は出して、折衝しておるのでございます。
  36. 村瀬宣親

    村瀬委員 関連して安本政務次官にもう一言お尋ねをいたしておきたいのでありますが、これは公共事業費と非常に関係が出て参りますので、おさしつかえのない範囲でお答えが願えれば仕合せと存じます。今の西村政務次官のお話の中に、来年度はイロア、ガリオア両ファンドを加えて約手五百億円というものは、やはり見返り資金のようなものを必要とするであろう。また同時に、今年度の千四百億——とおつしやいましたが、私は千四百九十億くらいになると思いますが、それの残りの二百ないし二百五十億は四月以後になるであろう。この二百または二百五十億が、来年の千五百億と御計算になつた中に加わつておるのか、外に出ておるのかわかりませんが、いずれにいたしましても、それだけのものが予想されるといたしました場合に、今年度の千四百九十億の中には、六百二十四億数千万という復金債等の償還というものがあつたのでありますが、来年はそういうものは多分ないであろうかと思うのであります。そういたしますと、この千五百億見当といわれまするものが何に使われるか。非常に出しにくいというお話はよくわかりますが、出しにくくても出してもらえる際は、出してもらえるということを期待するわけでありますが、その場合に必ず電源開発というような点に大きく考えられて参るわけであります。ところが先般十月の末でありましたか、北海道におきまして二箇所のある電源の場所に対しまして、すでに見返り資金を予想されて、当局は入札まで出したのであります。入札書はちやんととつておるが、開札に至らずしてそのまま封がしてある。結局これを返そうかどうしようかというようなことを聞いておるのでありますが、そういういきさつはどこから出て来たものでありましようか。もし内容がわかりますれば伺いたいのであります。同時にそれらに対しまして、絶対不可能のものであるか。また結局は時期がずれてもそういう電源の方へは見返り資金の大半は流れて行くというお見通しでありましようか。おさしつかえがない程度で伺いたい。
  37. 西村久之

    西村(久)政府委員 見返り資金の問題について重ねてのお尋ねでございまするが、見返り資金関係は、私は先ほど実は率直に申し上げたのでありまして、今最後にお話なつたような関係のものも、何か行き違いがあつて資金を融資するのにむずかしいような実情に迫つておる関係から、そういうふうになつたのでなかろうかと推定するのであります。実はこれは私承知いたしませんから推定いたすよりほかないのでございます。先ほど申しました通り、この金を使いますことは非常にめんどうであります。貸借対照表なんかをこしらえて、借入れに対するいろいろな資料を集めまして、そうして完全に借入金を利息を付して返済のできるような関係の企業で、しかもそれが重要産業であるということが前提となつて採択を受けてここに解除される関係になつておりますので、今日まで申請書も相当出ておるのでありますけれども、運んでいないのであります。こういう点から考えまして、先ほど申しました通り二十四年度予定のものが正月から三月までの間に運ぶと仮定いたしましても、二百五十億の程度より運ぶまい。あとは必ず次年度に繰越して見返り資金にそれだけの金が残るのでありますから、御意見通り二十五年度生じまする見返り資金と目される金にプラス繰越傘が——私が先ほど大体千五百億と申し上げたのは、端数で千六百億になるか、千四百億になるか、それはこの近所であろうという推定を申し上げてあるのでございまするから、数字に対しての御詰問はお差控えを願いたいと実は考えておりますが、御意見通りの形で繰越金にプラスしたものが、二十五年度の予算には千五百億と出ますか、千六百億と出ますか、そういうものが出ると、かように御了承置き願いたいのであります。  もう一つ、しからばその二十五年度の十五百億と仮定する見返り資金は、いかように使うか。復興債券の償還が終れば、はかに使い道がなくなるが、どういうふうに使う考えをしておるか。こういうお尋ねであつたと思うのでありますが、これは国債の償還をせよということが大体見返り資金建前になつておりますので、五、六百億程度は国債償還に充てられるであろうと思われるのでございます。それをのけました八百億内外の金を、御意見通り設備資金と、それから企業の融賢を考えた重要産業の振り向けに充てようと政府の方では考えておるのでございまするけれども、これも折衝の過程にありまするので、どの程度その数字が固まりますかは未定でございまするけれども考え方としては四百億程度の設備資金、四百億程度のものを産業融資に充てよう、こういう考えでおります。従つて四百億のわくがもらえますれば、お話通り電源開発等は重要なる事業でありまするので、四百億のわくのうちから重点的にこれを配分して行くということに御了解があつて、私は間違いがないのではないか。かように考えます。
  38. 村瀬宣親

    村瀬委員 現在としてはただいまの次官のお話で了承をいたしました。  見返り資金はそのくらいにいたしまして、なお一点お尋ねいたしたいのでありますが、ただいま次官の方では全額国庫負担の限界を、従来の十万円を十五万円の限度に切り上げて、十五万円以下は全然補助をしないという方針折衝を続けられるというようなお話のように伺つたのでありますが、これは市町村財政にとりましては、限界をどこに引かれるかということは非常に大問題でありまして、現にデラ台風のときには、七万五千円でもとつてもらつたのでありますが、これはどうしても十万円、または七万五千円までに切り下げて、国庫の全額なら全額の補助を——全額がいいかどうかということは、私はまた別に意見がありますけれども、全額ならば全額をしていただく。ともかくも十五万円ということになりますと、それ以下のものは非常に困るので、特に希望いたします。と同時に、ここでお伺いをしておきたいことは、それでは一つの市に五箇所十五万円のものがあつたとしまして七十五万円でありますが、その場合には、当然十五万円の箇所にそれぞれとれるという御方針であるか、これが第一点であります。  それからまた、現在小さいところは、絶対放任しておけない場所のみでありまして、市町村では立てかえ工事をもつて相当やつておるのであります。この立てかえ工事によつてつてある部分は、どういうふうになさるおつもりであるか。この二点をお伺いいたします。
  39. 西村久之

    西村(久)政府委員 十五万円に線を引かれることは、市町村が非常に困るのだから、これを七万五千円程度に引下げる意思はないかとのお尋ねでございますが、御意見の御趣意はよくわかるのであります。しかしながら私ども考えといたしましては、今日の物価、今日の情勢から見まして、十五万円くらいのものは、町村にまかせておいても、町村の財政でやれるであろう、こういうふうな観点に立ちまして、一箇所の災害復旧工事を十五万円に線を引こう、こういうふうな考え方をしておるのであります。従つて一町村に三箇所で十五万円の線のものがあると仮定いたしましても、これは補助の対象にならないのであります。各所各所の関係を加えたものの総計が十五万円以上というようなことは、実は考えていないのであります。一箇所にできますか、三箇所にできますか、あるいは二箇所でとどまりますか、その程度の災害でありますならば、町村の財政で持ち得るであろう、こういうふうな観点で実は考えているわけでございます。  後段のお尋ねの、立てかえ拂いの関係のものは、当然災害の額に織り込まれて、過年度の分から繰越しになつておるのでありますから、災害額が出て参りますれば、当然その方に充当する筋合いになると私は信じております。
  40. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 災害復旧に関連いたしておりますので、安本政務次官並びに河川局長のお気持をお尋ねしておきます。  先ほどこの委員会にも、宮崎県の地元から陳情がありましたが、最後に起きました本年の十一月二十一日、二十二日の災害、宮崎県の南部に豪雨を降らせまして、局部的ではありますけれども、その局地においては、きわめてり深刻な打撃を與えた災害があるのであります。これは御承知通り二十二年度、二十三年度、さらにまた昭和二十四年度の最後のアイリーン台風以前の災害に対しましても、ほとんど災害復旧というものが、その一割ないし二割しか進行いたしておりませんので、各地元とも非常に困窮しておるということは、これは災害地日本全国至るところでありますけれども、その後に先ほど申し上げましたような特別の災害を生じておるのであります。この点は地元の代表者がそれぞれ安本当局なり、また建設省大蔵省地方自治庁、農林省等、関係方面折衝いたし、また陳情をいたしておるのでありますけれども、現在のところ補正予算がすでに過去の災害に対する一部の手当として実行されておる段階であり、さらに補正予算を組んで、これは宮崎県ばかりでなて、相当過去に起つた災害があるのでありますが、それに対する措置をするかどうかということと、さらにそういう措置もできなければ、本年の災害に対しまして特別の措置をとつてもらいましたいわゆる緊急融資の問題、その二つの方法しかないのでありまするが、それに対して、どうしてもある程度の措置をいたしておきませんと、その地元といたしましては、御承知通りに六月のデラ台風以来、豪雨を入れまして第六回目の災害であります。きわめて深刻なる様相を呈しておりますので、本年度の麦作はもちろんできな、いのでありますが、来年度の稲作ができるまで、遅くも三月の半ばまで応急の対策を講じなければならぬ。それについては、特に宮崎県は御承知通り、数度の災害のために自力をもつてするということはとうてい不可能であります。そこで政府に対して強い要望をもつてそれぞれ折衝いたしておりますが、今日の段階におきましては、事務的にこれを解決するということは、まず不可能な状態になつておると私どもは見ておるのでありますが、しかしながら政治はもちろん事務ばかりでは参らない。今日のそういう窮状を救うためには、やはり国の愛情をもつて何とかこれを措置してやらなければならない。かように私ども考えておるのでありますが、特に安本次官や河川局長は、それに対してどういうふうな措置をしてやるか、またどういうふうな考えを持つておるかということを、この際はつきり伺いたいと考えます。
  41. 西村久之

    西村(久)政府委員 簡単にお答え申し上げます。補正予算を組みました今日、宮崎県下を襲いました豪雨のために相当災害を受けておることは、役所といたしましてもこれを認めておるのでございます。御心配になるまでもなく、私どもといたしましても、この復旧に余念のない進め方をとつておるのでございます。本年度の関係につきましても、勘案できるだけ勘案をいたしまして、そうしてなお宮崎県の方でおやりになる仕事につきましては、今お述べになりました通りに方法が数多くないのでありますから、一時融資の道を開きまして、そうして事業を遂行せしめ、なお二十五年度の予算の配分にあたりましても、他と同様復旧に貢献するように勘案したい、かように実は考えておるわけでございますから、さよう御了承をいただきたいと思います。
  42. 砂間一良

    砂間委員 議事進行について申し上げます。議員が出ておられる各府県や、あるいは選挙区の事情によつて、いろいろ災害の起つたところだとか、あるいは橋をかけたい、道をつくりたいという事情はあると思いますけれども、ここの委員会におきましては、あまり我田引水的な議論にわたるようなことは、お互いに遠慮していただきたいと思います。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)そんなことはないと言われるが、なければいいのですけれども、自分が出ている府県だとか、あるいは地域というようなところばかり強調いたしまして、そうしてそつちの方へばかり予算をとるというようなことが、これまで往々にしてあつたと思うのであります。しかしながら、私どもはもつと国全体の見地から、国土の復興やあるいは建設ということについて考えて行く必要がある。予算のわくか全体として少なかつたら多くする。他の経費を切り詰めてもとるということを考えて行くというのが、本委員会の仕事であると思います。しかも部分的な点についての意見もあると思いますが、なるべくそういう何か選挙運動か地盤確保になるような我田引水的な意見は、お互いに愼んで言うようにしていただきたいと思います。
  43. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの問題は、たまたま瀬戸山委員はその地方の選挙区でありますけれども、この災害は最近起つた問題で、それに対しての政府の措置は何ら講じられておらぬ。そういうことでこれに対する政府の措置を聞くということでありまするから、たまたま発言議員が、その地方の関係ではありまするが、この問題を取上げて委員会として検討して、最近起つた災害に対処する方針政府に質問するということは、さしつかえないように思つております。ただそれがあまりに極端になりますと、今砂間君の言われるようになりますから、それは皆さんの間にお互いにその点を全局の上から判断をして、必要だと認めるものを御質問願う。こういうことにいたしたいと思います。
  44. 西村久之

    西村(久)政府委員 砂間君の今のお話について、一言付言して申し上げておきたいと思います。砂間君の考えのように私どもつておりません。一例を申し上げますれば、砂間君も選挙区で旅行その他でおわかりであろうと思いますが、緩急よろしきを得て、国家的に配分は限りある金で公平な配分の仕方をやろう、こういう建前をとつておりますことを、ここに一言申し上げて御了承願いたいと思います。
  45. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 ただいま局部的な問題を取上げて、選挙運動になされるというようなお話でありますが、大体今日補正予算の予想に入つておらない災害が六十億あつた。それを一々各地を歩いたわけでないから、それを取上げて言うのではないのでありますが、かようなものをどうするか。それは本年の最初の予算に予備費がなかつたことはきわめて不幸であるし、それから八十億の災害復旧というのも大体一割ないし一割五分、きわめて貧困なる災害復旧費であります。そのほかにその当時予想されなかつた災害が、さらに全国に数十件にわたつて、六十億の災害復旧が今日各県から要望されておる。それに対してどうするかということが、今日の大問題でありますが、私は詳しく知つておりますところの宮崎県を一つの例にいたしただけであります。しかも先ほどこの委員会において地元から陳情がありましたので、予算の問題に関連して申し上げたのでありまして、選挙運動などという小さな考えを持つていないことを砂間君に御了解願いたいと思います。これについては、少くとも災害復旧ということは日本全国の大問題でありますので、そういう小さな見解を持たないで、これに御対処を願いたいと思います。
  46. 三池信

    ○三池委員 私が今質問あるいは希望事項を申し上げるのは、先ほどの砂間委員のやり玉に上るようなことかもしれませんが、私は観点をかえまして、大きく言えば当委員会の権威と申しますか、そういう点に関連して申し上げるのでありますから、決して私の災害県のための復旧費をよけいにもらいたいという考えでないということだけを前もつて御了承願いたいと思います。先ほども内海委員から住宅金融公庫法案の構想が、大体建設省に設置された住宅対策審議会の答申を参考にして立案されたということについてお話がありましたが、私は災害復旧費の配分の問題について河川局長に御意見を申し上げ、また御質問したいと思います。  災害は言うまでもなく、その罹災民にとりましては死活の問題であります。実に深刻なこと言語に絶するほどのものであります。この復旧ということが、いかに災害民にとつて重大な関心事であるかということは私が申すまでもありません。ところが補正予算におきましても十分の予算がとれなかつた。復旧費が少いために、ないそでは振られぬという状態にあることは私も十分了承いたします。従つてその配分に当られる当局の御言心のほども十分了承するのであります。しかしながら往々にしてその配分が、政治力とかあるいはその他の事情によつて影響を受けておるのではないかということをうわさに聞くのであります。そういう事実があつたかどうかということは私は申し上げないのであります。しかしながら何といつても、そういうことがあるとしますと、これはたいへんな問題である。しかしながら各県から来る災害の下部の報告ということにつきましては、はなはだ正常ではないじやないかと想像されるような災害額の報告が、相当参つておるはずだと思うのであります。ところが今度の災害の配分の方針としましては、たいていの査定が大体申請の二割程度で、それを基準として、かつその緊急度に応じて配分したというお話はまことにけつこうでありますが、この査定額が各府県の報告の金額に比例することがあつたか、これに各府県の便乗的な意図が盛られていたということがありますと、ないそでは振られぬという苦しいときであればあるほど、乏しきを憂えずひとしからざるを憂うるという点で、私は重大問題だと思う。そこで私はここに申し上げたいのは、この配分にあたりまして、当建設委員会があの暑い盛りに現地を視察されまして、その報告書が委員会提出されておるはずであります。特にデラ台風による九州地方の災害に対しましては、内海委員を団長としまして、あの暑い盛りに九州で困難をきわめながら詳しく視察をして来られまして、その報告書も実に詳細に、厖大なる報告書が当委員会提出されております。この配分にあたりまして、そういう報告書というものがはたして参考にされたかどうかということをお尋ねしたいと思います。これはむずかしくいいますと、先ほどの当委員会の権威としましても、こういうものがもし参考にされないとしますと、多額の旅費を使い、地方には非常な迷惑をかけ、忙しいからだをわざわざ視察に出かけられたその費用、その労苦に対して、当委員会がこういうことをやつたこと自体が私は大きな問題であると思う。災害の配分にあたつて、今まで委員会の視察団の意見書、報告書が参考に供されたかどうかということを私は一言お伺いしたいと思います。
  47. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 災害の配分につきましては、各県とも非常な関心を持つておりますもので、われわれはこれをやりますには、慎重を期さなければならぬと考えております。そこでこの基礎になります資料といたしましては、結局現地におきまする査定の結果をまたなければならない。こういうことに相なるのでありますが、査定と申しましても全国各班にわかれて査定をやります関係上、個々の人の意見によりましてなかなかこれが公平を期することができないという事務上の欠陷もあるのでありまして、われわれは本年からは各県に査定官を派すると同時に、全般的にブロックの査定をやり、各県の公平を期する。さらにその上に各ブロックの公平を期するために、適当な方法を講ずる、二段三段の行き方をとつたのであります。従つて政治力に云々されるというような欠陥は是正されたと信じておるのであります。その一例といたしまして、はなはだ県を申し上げて申訳ないのでありますが、たとえば鹿児島と宮崎の例をとつて申し上げますと、確かに災害当時の状態から見ますれば、鹿児島のさんたんたる状況は同情に余りあるものがあるのでありまして、この結果一・四半期あるいは二・四半期その他の融資におきましては、同額あるいはそれ以上に鹿児島に配分されたと思うのであります。ところがこれが現地査定の結果から見ますと、やはり宮崎の方が土木災害におきましては数等上であるということが発見されたのであります。すなわち四億四千万円配分に対して三億三十万円というふうな開きがここに現われたのであります。そういうわけで、ただわれわれは達観的にこれを処理しておるわけではございません。実際現地に個々にあたりまして、箇所ごとにこれにあたりまして、適格であるか適格でないかを審査の上、資料をまとめたのであります。従つてこういう例を申し上げますと、おそらくこれが了承できるのではないかと思うのであります。ただ先ほど申し上げました通りに、災害の被害総額のみで配分するということは妥当を欠く場合があるのであります。大災害の地方では、やはり緊急に仕事を施行しなければならぬということが起つて参りますので、そういうところには他の融資の方法や何かを講じましても、やはり仕事が短期に完了しないということもありますので、大災害地方にはある程度の手心を加えておるということであります。それがあるいは今のお説の政治力というふうに曲解されるかもしれませんが、これも多数の目で見て、これは大災害県であり、財政上困るというようないろいろの見地から判断して、非常に少額を増加いたしたのであります。委員会意見はこういうところに現われて参るのでにないか、こういうふうにわれわれは考えております。もちろん委員会の御意見を十分尊重いたすつもりでやつております。
  48. 三池信

    ○三池委員 査定の事務上の欠陥というお話がありましたが、これはまことにごもつともな点であります。こういう場合に、ワン・ブロックというような点から、各地方には地方の建設局がありますが、査定に対してある意見建設局から徴されているかどうか、その点をお伺いしたいと思います。  それから配分の問題で局長が非常に苦労されていることはよくわかりますが、私はアイオン台風のあとで非常に不可解に思つたことがあるので、特に申し上げたいのであります。アイオン台風の直後に、政府が応急復旧費を出された。ところがその配分に対して当委員会で質問がありました。その金額は何によつて出したか。このときの災害課長はそれに対してある弁明をされた後、どうせ応急復旧費であるから足りない、ほんとうの査定は査定官を派して詳しい査定の後に災害復旧の配分をする。これは応急であつた。だから不公正があつてもまあ了としろというようなお話であつた。しかし災害地方にとりましては、この応急復旧費が非常に問題である。災害がありました直後に、建設省からはすぐ各地に視察官を派遣されるのでありますから、その意見あるいは報告を徴してもある基準が出て、災害応急復旧費が配分されるはずであると思いますが、それを、どうせ足りない金だ、ほんとうの配分は予算をとつて、そうして詳しく調査した上で公平な配分をするからかまわないじやないかというような意見であつた。私はそういう考えでは非常に困る。どうせ足りないからますます公平は配分をしてもらわないと、大きなショックを受けた直後であればあるだけに、災害民のこれに対する考えが左右されるのでありますから、もしそういうお考えで応急災害復旧費を配分されるということであれば、たいへんな間違いであるということを申し上げた。そこで私の質問したい点は、地方建設局が査定に対しての意見を本省に出して、本省ではそれを参考にされているかどうかということであります。
  49. 目黒清雄

    ○目黒政府委員 私の方の出先として、直轄工事をやつております地方建設局もありますので、それを災害査定の場合どうするか、使うか使わぬかという問題であります。これはいろいろやつてみたのでありますが、過去においてこれを使つてつた場合もあります。それから査定のいわゆる責任者を本省から出しまして、これの補佐官を地方建設局からやるという行き方もとつてみたことがあるのであります。ところがこの結果は、まず第一番目に、地方建設局を使つて、地方建設局にある程度責任を持たせて査定した場合、これは府県から大きな非難が起つたのであります。これはやはり地方におりますと、地方の実情といいますか、交わりといいますか、そういう関係でなかなか公平に行かないという非難が地方の府県から起きたのであります。それと同時にもう一つの反対意見は、どうせ中央にまで持つて来なければ最後の決定ができない。そういうことをやりますと屋上屋を重ねて事務が煩雑になり、結局遅れるということがもう一つの非難の原因であります。そこでわれわれとしては、それではいかぬというので、地方建設局の職員を本省から行きました人の補佐官として任命するというか、頼むという行き方をとつていたのであります。ところが、中央に相当高級者がおりますればこれもうまく行くのでありますが、その間に今の職階の関係がありまして、なかなか思う通りの入が見当らない。というのは、御承知通り地方建設局は、直轄河川改修を主体にして考えているのでありまして、技術上から考えましても、府県のこまかい災害復旧費に練達の士ばかりおらないというようなことから、これも結局あまり効果を収めなかつた。そこでそれならば本省の人をもう少し増加して徹底的にこれをやるべきだというように考えられるのでありますが、それでも今のいろいろな行政整理関係その他からこれを増員することができぬ、こういうようなことに相なるのでありまして、本年は結局地方長官にある程度責任を負わそうじやないか、長官といいましても、結局土木だけです。災害になりました府県の土木部の信頼し得る人に責任をある程度負わせようじやないかというような共同責任の形を本年とつてみたのであります。ところがその結果は非常に自粛された結果になり、ある程度効果を收めたと思うのであります。これもまた複雑多岐であるというような非難がわれわれのところへ聞えて参りました。そこで必要な職員は本省に置くべしということが一番いいのでありますが、これはなかなか言うべくして行われないのであります。少くとも十万近い箇所を、短時日に一箇所一箇所査定しなければならぬという、この大きな仕事を負わされているわれわれとしては、なかなか理想通りには参らぬのであります。そこでわれわれとしては一歩方々理想に近づきたいというように、いろいろ行き方を考えつつやつておりますが、まだほんとうの公平無私なる査定体系といいますか、査定組織というものができない。われわれは建設省のみの河川関係の査定の公平よりも、各省にまたがつた災害の査定の厳正公事なる方法を考えてもらいたいということを、安本に申し入れておるのであります。われわれの方で厳正なる査定をやりまして、非常に少い予算をやりますと、配分が少いというような、いわゆる正直者がばかをみる制度そのものが予算配分の上に現われるということになりますと、どうもけしからぬということで、これは安本が各省にまたがつて全部査定してみたらどうだということを安本にも申し入れておりますが、安本はそういつても、実際問題としてできないというようなことで、なかなか公平ということが期し得られない。しかしながらわれわれとしてはできるだけ公平にやつて行く。私のことを言うとおかしいようですが、少くとも私の方の河川関係におきましては、各省と比較すれば、一番公平に行つているのではないかというように考えております。
  50. 内海安吉

    内海委員 きわめて簡單に中田管理局長に承りたいのですが、先般の委員会におきまして、建設行政の運営の基本をなすところのいわゆる建設事業の機械化実施についていかなる御見解を持つていらつしやるかということを御質問申し上げたのでありますけれども、今日までまだ御答弁がないのでありますから、あらためてここにその條項を掲げて中田局長に伺つておきます。  それはこれまでの機械化推進の状況、機械化予算の確立によつてあげた成績、すなわち効果であります。それから第二点といたしましては、機械の近代化にあつて、現在の機械に関する知識は十分にあるかどうか。第三点は機械化推進は、発注者、製造者、利用者の一体化を必要とするが、これに対する建設省としての根本方法をどこに置いておるか。第四は、運転技術者の能率高揚に対する処置及び修理機関に対する考え、及びこれに対する措置。第五は、日本の国土に適合した近代機械をつくるにあたつて、その処置。第六は、試作を命じたものの中に完成あるいは未完成の別、発注先、成功か不成功か、これらの詳細にわたる御調査の結果。第七は、購入機械の配置方策と遊休機械の活用策及びその手続をとつておられるか。これは本委員会においてもその筋からの希望もあり、今後治水においても、道路計画においても、さらにこれに付属したる港湾の修理にあたりましても、また電源開発にあたつても、どうあつても、今後における建設事業の機械化ということは、まつ先に取上げなければならぬ問題だと思うのであります。もちろんこの問題に対して中田局長にこの即答を求めましても、いろいろ各局にわたり、あるいは各省にわたる御研究なり調査なりをしなければならぬ点もあると思います。よつてこの次の機会において、ぜひとも本委員会のために御明示されんことを特に要望いたしておきます。
  51. 中田政美

    ○中田政府委員 内海委員お話のごとく、今後の国土開発、産業の再建のためには、どうしても建設機械化の促進が必要である。これについてはまつたく同感でありまして、建設省におきましても、この問題についてはここ二、三年の間、相当な努力もいたしまして、ある程度の成果も収めつつあるのでありますが、なお至らないところも少くないと思います。それで御例示になりました諸項目は、ここで宙にお答えするにはやや複雑な点もございますし、さらに総合的に調費をしてお答えした方がより正確だろうとも存じますので、次会において適当な時期を見まして、これらお尋ねの点については十分のお答えをいたすようにいたします。
  52. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 大蔵省の方もおられますので、ちよつと簡單にお尋ねをするのですが、復金債の償還と国債の償還は、見返り資金、一般会計を加えまして、大体千億近い二十四年度の予算でありますが、この二十四年度の予算が、現在までにどのくらい買上げが完了しているかという数字がおわかりになつたら、お知らせ願いたいと思います。
  53. 河野一之

    ○河野政府委員 補正予算できまりました見返り資金は千五百八億でございます。そのうち現在までに資金としてたまつておりますといいますか、貿易会計から繰入れてありますものが千八億、そのうち復金債その他国債の償還に充てておりますものが三百六十億、公企業、すなわち鉄道通信につきまして二百九億、私企業については、電力もしくは石炭でありますが二十億、残りの四百十八億でありますが、この四百十八億のうち三百四十七億ほど食糧証券を買つておりまして、約七十億程度のものが日銀の余裕金として預金になつております。
  54. 淺利三朗

    淺利委員長 幸いに主計局長が見えたのでありますが、実は先刻来二十五年度の予算につきまして、災害復旧費全額国庫負担という建前に、予算の編成がかわつたということであります。そういたしますれば、事業量は当初予算計画よりも減つて参るという関係になります。そういたしますと、先刻安本の政府委員説明によると、小被害の工事については、これは切離して、大きい工事について全額負担にするということになつておるようでありますが、これに対して大蔵省としての構想、またもしそういうふうに、ある限界線を区切つて、地方費の負担に属するものと、国庫の負担に属するものという場合になれば、地方としてはその負担力の関係上、起債を求めなければならぬということになりましようが、そういう場合には、起債はどの程度認めるか。本日は大蔵省並びに自治庁からもお見えになつておりますが、そういう点について一応の御説明を願つて、それに関連して委員の御質問を進めていただく。こういうことにいたしたいと存じます。
  55. 河野一之

    ○河野政府委員 災害復旧費全額国庫負担の問題でありますが、これは考え方がいろいろございまして、まずその全額国庫負担をするのには、二十五年度の災害の分からにするか、二十四年度の災害の分からにするかということがございます。これはいろいろ考え方があるのでありますが、国会その他の御意向としまして、二十五年度からというふうなお話もあるのでありますが、むしろこの三箇年ほどの間において非常に大きな災害があつた。そしてそれが地方財政の実情からなかなか復旧ができなかつた。従つて過去の災害だけ全額国庫負担とするのが至当なのであつて——至当と申しますか、それが地方財政に與える圧迫の上からいつていいのであつて、むしろ今後においては、平衡資金なりあるいは地方税制の改正によつて、相当地方財政というものが、総体的ではありますが、ゆたかになるのであるから、二十五年度以降のものについては、別の負担の考え方をしたらどうかというような意見もあるのでございます。それからかりに二十四年度及び二十五年度、どちらでもよろしいのでございますが、全額国庫負担とする場合に、一体どういう災害を負担するのであるかということでありまして、もちろん現在災害土木費国庫補助規程にありますような土木災害というものは、もちろん対象になるのでありますが、そのほか住宅と申しますか、公共建物であるとか、農用の海岸堤防であるとか、そういつた公共的な施設以外の私的なものについて、どういうふうに考えるかというような問題があります。もちろん地方財政の問題でありますから、個人の負担のものを国が全額負担すべき筋合いではないのでありますが、農用の施設その他について、ある程度府県が負担をしておるというようなこともありますので、その負担の分をどうするかというような問題がございます。しかし大体の考え方としては、土木災害だけに限るのがいいのではないかというような考え方が支配的でございます。それから従来小規模の五万円ないし十万円のものについては、これは県あるいは市町村の單独工事にするというふうなことになつておるのでありますが、そういうような非常に小さいものについては、従来でもそうでありまするし、今後も経常的な経費の範囲内においてやるべきものでありますから、当然それを落すと申しますか、負担の対象としないというふうなことになるかと思いますが、さらにこれを上げるかどうかというような点もいろいろ問題がございます。ただ一律に、三十万円とかあるいは二十万円とかいうようなところで、それ以上の大工事のみとするというのが実情に適するのか。あるいは三十万円、二十万円という小規模工事がたくさんあつた場合においては、たとい工事が大きくても、一箇所々々々というような場合は、財政上の負担というものが大分かわつて参りますので、この辺のところは、最近の状況を見まして、どれが一番実情に適するかというようなことで、いろいろ考えている次第であります。しかしかりに最低限度の、国がめんどうをみる箇所の單価と申しますか、一箇所当りの金額を上げるにいたしましても、やはりある程度国が財政的にめんどうをみるということが必要ではないかというふうにも考えております。もしそれで地方の財源としているというようなことに相なりますれば、やはり起債その他でめんどうをみると申しますか、その工事がうまく行くように、政府としても資金的な措置を講ずべき筋合いであろうというふうに思つている次第であります。大体以上であります。
  56. 淺利三朗

    淺利委員長 なお全額負担にならぬで、地方でやるべき事業が多いという場合において、地方の負担力がない場合に、起債はどの程度に認められるか。また公共事業費とか国の予算に計上された結果、当然地方がこれに応じて何分の一かの負担をするという場合において、国の予算と地方の支出予算との均衡の上において、当然起債に仰がねばならぬという場合には、どの程度に認める御方針であるか。頭から起債のわくをきめてしまつて、それが国の補助とうまくマッチしないというような場合が生ずると思いますが、そういう場合に臨んで、起債のわくについてどういうふうにお考えになつておるか。大蔵省の方でもよろしいし、また地方自治庁の方でもよろしいのですが、それらの点についても一応の御説明を願つて、それから委員の御質問を願いたいと思います。
  57. 河野一之

    ○河野政府委員 来年度の起債の範囲というものは、実は予算に伴う総合的な資金計画を検討いたしておりますので、まだ確定的ではございません。シャウプの勧告によりますと、三百五十億ということを言われておるのでありますが、その程度は必要なのではないか。今年は当初二百三十三億で、たしか今回の補正予算において七十億増加したのでありますが、すなわち三百十億ということに相なつたのでありますが、三百五十億程度はいるのではないかというふうな考え方をいたしております。但しこれも今度の地方税制をどういうふうにするか、地方の税収入がどういうふうな税率で盛られ、どの程度の収入があるかということと関連いたす次第でありまして、その点を考えて、地方財政の総合的な立場でこれがきめられるべきものだと思つております。公共事業であるから必ず起債をするのだというような考え方ではなく、参りたいと思つております。ただ災害のごとく急激に起つて、またその負担の大きいというようなものについて、さらに税を増徴するというようなことは好ましくないのでありますから、そういつたものについては、災害に対する資金的な起債その他の資金的な措置というものは、優先的に講ずべき筋合いのものであろうというふうに考えております。
  58. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいま大蔵省地方自治庁の方が見えておりますから、何か御質問があればこの際……
  59. 村瀬宣親

    村瀬委員 これは来年度の資金計画に及ぶかと思いますが、ただいま前田委員のお尋ねがありましたのに対して、河野政府委員から千五百八億というような資金のわくの内容の御説明があつたのでありますが、つい先般西村安本政務次官は二十四年度の見返り資金は千四百億円で、来年度エロア、ガリオア・ファンドから割出される金額が千五百億ぐらいになるのではないかというお話があつたのであります。千五百八億というのはどういう意昧なんですか。
  60. 河野一之

    ○河野政府委員 当初予算では千七百五十億でございました。当初は三百三十円ということでレートを計算いたしておりました。それから補正予算でそういつた実際の最近ま七の実績から見まして、たしか千四百九十七、八億だつたと思います。そのほかに見返り貸金の運用の収入がございまして、千五百八億ということに相なつたわけであります。
  61. 村瀬宣親

    村瀬委員 そこで来年度の起債の範囲が三百五十億見当になろうという今お話があつたのでありますが、今年度のは千五百八億の見返り資金とかりにいたしまして、来年度へ二百億ないし二百五十億はたいてい殘るであろうというふうな西村安本政務次官のお話でありました。そういたしまして来年度分の見返り資金と言いますか何と言いますか、そういう種類の金額は千五百億円見当というものが出て来ることになるわけでありますが、そういたしました場合に、国全体の資金繰りから割出されます起債の範囲というものは、相当大幅にとり得ると思うのでありますが、その点三百五十億という、これはシャウプ・ミッションにあるというのでありますけれども大蔵省当局としてのお考えをいま少しく立入つておさしつかえなければお答え願いたいと思うのであります。と申しますのはさきに十万円または十五万円を限度としてそれ以下は切り捨てる。こういうことを今河野政府委員お話になりますしまた安本の方の意見としても言われたのでありますが、これは当委員会でたびたび江崎委員からも言われております通りに、今までの建設省のしきたりというものは、破れざればつくろわずという方針をとつておる。そこで先ほど三池委員等からも正常ならざる災害報告ということが言われたのであります。破れたと言わねばどんな大事な所もつくろつてくれぬからそういうことが自然起つて来る。その観点からいたしますと十万円から十五万円にきめますと、むしろそれをくずして十五万円とかに持つて来る。わざわざというと語弊がありますが、そうして十五万円ということにすれば全額国庫補助だ、少し少く見積れば一銭も来ない。こういうことになるのであのまして、災害の大きなのを喜ぶという制度を国みずからつくるという観点にもなるのであります。これは災害であろうが何であろうが、ことに災害のごときは、早く大きくならぬうちに全部直すといゐのが眼目でなければならぬわけでありますが、まあ十五万円になるまで食つておけ。デラ台風は七万五千円欲しかうたのでありますが、十万円にきまれば十万円まで食つて行く。こういうことになりますれば、かえつて国土の荒廃を招くという結果にもなるのでありまして、その点をお考えの上でこの金額はできるだけ少くする必要がある。どうしてもその金額を十万円なら十万円にしなければならぬ、七万五千円以上はだめだということになりますれば、今度は起債の上で十分金を貸してやる。こういう政策をとらなければ国全体としての国土の再建はできぬと思う。これに対する根本的な意見なり態度なりをお聞きしたいと思います。
  62. 河野一之

    ○河野政府委員 見返り資金と地方の起債とは、直接的には実は関連はないのでありまして、来年度の見返り資金資金面からして千五百億であるといたしましても、それから自然的に地方債の額は出て参らなければならないのでありますが、地方債の資金の源泉は預金部の金でありまして、今年の貯蓄目標は二千五百億でありますが、来年はどういうことになりますか、そういつた計画とあわせて立てられるべきものであります。しかしこの起債の面もさることながら、私どもといたしましては今後地方財政が従来のような姿をとることなく、いわゆる地方自治を十分に発展して行けるような財政状態にしたいということが念願でありまして従いまして先ほどお話のありました非常に小さなものにつきましては、むしろ毎年の経常費で直すと申しますか、経常費を十分に使つて補修をしておくならば、そういつた軽微のものが何箇所も起るということはあまりないのではないか。またそうすべきものが少く相なるのではないか。今地方財政が苦しいものですから、補修もやらずに出て来たところを、やはり災害ということで三分の二の国庫補助でやるという弊害もあろうかと思います。根本は地方財政の充実強化という問題でありまして、この災害に対ナる起債の問題、全額国庫負担という問題は、地方自治体の財源の充実をやるということと相呼応じて考えて行きたいというふうに考える次第でございます。
  63. 村瀬宣親

    村瀬委員 見返り資金というものは、一つの強制貯蓄的な性質のものでありまして、私は国全体の資金繰りの関係があると思います。今河野政府委員関係がないということでありますが、そういうお話でありますから、これはちよっと横道にそれるかもしれませんが、大事な点ですから言わせていただきますが、来年度の国全体の資金繰りはどういうふうにお考えになつておるか。
  64. 河野一之

    ○河野政府委員 私は関係がないとは決して申し上げなかったのでありまして、千五百億の見返り資金があるから地方債が幾らできるということでなしに、そのほかに郵便貯金が幾ら集まるであろう。あるいは銀行預金がどの程度あるであろう。あるいは証券の自己資金の投資というものがどのくらいあるだろうという資金計画全体を見てきめるべきものであるというふうに申し上げたのであつて決して関係が゜ないというふうに申し上げたわけではございません。来年度の資金計画の問題につきましては、これは予算とそれから見返り資金をどういうふうに使うかという問題、それから貯蓄の計画ということと相関連いたしますので、目下その問題について検討中でありまして、ただいまどの程度というふうに申し上げる段階に至つておりません。
  65. 村瀬宣親

    村瀬委員 それでは三百五十億ということと、今お話になりました二十五年度の起債の範囲、これはシヤウプ・ミッションにあるということでありますが、大蔵省の御意見は御発表がないのでありますが、大蔵省としては来年度の起債の範囲はどのくらいにおきめになるか。シャウプ・ミッションはとにかくとして……
  66. 河野一之

    ○河野政府委員 シャウプ・ミッションにはそういうふうなことが書かれておつたというふうに今申し上げましたが、来年度の問題は先ほどもたびたび申し上げました通り、明年度地方の税制をどういうふうにするかということとも相関連する問題でありますので、それから地方財政の規模をどういうふうに見るのか。従来のごとく公共事業につきましては必ず起債で行くというようなイージイ・ゴーイングな考え方でなしに、常に地方財政の範囲内で、ある程度積極的な建設面もやって行けるというような態勢に持つて行かなければならぬ。その面から起債の面がきまつて来るであろうという意昧で申し上げたのでありまして、来年度幾らというふうにはまだ具体的にはきめておらない次第でございます。
  67. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質問はありませんか。
  68. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 ただいま主計局長が見えておられますから、今村瀬委員からお尋ねがありました見返り資金は国有の強制貯蓄みたいなものであるということに開連して、先ほど安本次官も言われましたけれども公共事業費その他に対しては非常に見返り資金、——ほかの点でも同じでありますが、特に見返り資金公共事業費みたいに出しにくいということでありますが、大蔵省としてはそれがどこに原因があるかおわかりになりませんか。私はこうい、うことを考えるのです。大体国民の負担が見返り資金の積立てになつておるわけでありますが、それを一部——と言うと、共産的になってえらい弊害があるかもしれませんけれども、大きな企業の資金にするとか、あるいは設備資金その他運転資金にするという方にはまわされますけれどもほんとうに国民大多数が困つておる、農村その他が非常に困つておる、そういう大衆のために使うような事業には——一種の投資という頭があるからかもしれませんけれども、そういう面にはきわめてまわしにくいというような日本政府考え方であるかりあるいに向うさんの考え方であるか。もし言いにくかつたら速記をとめてもらつてもいいですが、そういう声は相当あります。それは国民が集めた金を一部の企業その他にだけ使うということについては、私もあまり賛成しかねるという気がいたしますので、さしつかえなかつたら率直にお話願いたい。
  69. 河野一之

    ○河野政府委員 アメリカから来ますもので今年度見返り資金の対象になつておるものは四億ドル、この半分以上はガリオアですから当然食糧であります。それで食糧は小麦の形で買いましたものを積み立てるわけでありまして、これは必ずしも強制貯蓄というふうに申すのがいいのか悪いのか。これは考えようでありますが、私どもは必ずしも強制貯蓄というふうには考えておりません。ただ国民のふところから出る金でありますので、これが一般の循環過程に入らない限り、そういうような御議論もできるかと思いますけれども、少くとも私どもは強制貯蓄というふうには考えておらない次第であります。問題は、これがどういうふうに出て行くかということと相関連するわけであります。最近まではいろいろ手続の問題もありましたし、それから解除の申請につきましても、——これは語弊があるかもしれませんが、あたかももらう金のごとく考えられて来た面もいろいろありますが、これが各国につきまして行われましたと同じような方法によつて行われているという点から考えまして、最近は非常に順調に出て参っております。最近、この補正予算の御審議を願うころまでは、一般の私企業につきましては、三、四億しか出ておらなかつたのでありますが、この約二週間ほどの間に、私企業だけでも二十億ほど出て来ておる。その他国債の償還も三百億程度も行われておるというようなことで、私は必ずしも強制貯蓄ということでなしに、これが正当な循環過程に入つてつて日本経済の真の復興再建に役立つようになるということを信じておるものでございます。
  70. 淺利三朗

    淺利委員長 大体質問はこの程度にとどめましていかがでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは各当局から一通り説明を承つて大綱はわかつたようであります。  よつて本日はこれをもつて散会いたします。    午後四時三十四分散会