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1950-04-18 第7回国会 衆議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十八日(火曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長代理理事 川端 佳夫君    理事 高塩 三郎君 理事 田中 角榮君    理事 永田  節君 理事 藤枝 泉介君    理事 金子與重郎君       尾関 義一君    瀬戸山三男君       高木 松吉君    中馬 辰猪君  出席政府委員         大蔵政務次官  水田三喜男君         大蔵事務官         (管財局長)  吉田 晴二君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     植田 俊雄君  委員外出席者         大蔵省主計官  佐竹  浩君         農林事務官         (農地局総務課         長)      山本  廉君         農 林 技 官 河田 五郎君         農林事務官   伊藤 辰雄君         経済安定事務官 小笠原喜郎君         会計検査院長  佐藤  基君         会計検査院事務         総長      東谷傳次郎君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 四月四日  昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和二十三年度国有財産無償貸付状況計算書 の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十三年度特別会計  歳入歳出決算  昭和二十三年度国有財産増減及び現有額計算  書  昭和二十三年度国有財産無償貸付状況計算書  公共事業費等認証制度に関する報告聽取     —————————————
  2. 川端佳夫

    川端委員長代理 これより会議を開きます。  本日は日程に掲載の順序に従つて、まず昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算議題とし、大蔵当局からその説明を聽取することにいたします。水田大蔵政務次官
  3. 水田三喜男

    水田政府委員 昭和二十三年度歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算会計検査院検査報告とともに国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  総決算に計上いたしました歳入決算額は、五千八十億三千七百七十六万余円でありまして、これに対して歳出決算額は四千六百十九億七千四百六万余円でありますから、歳入歳出差引四百六十億六千三百六十九万余円の剩余を生ずる計算であります。しかしこの剩余金額中には、昭和二十四年度繰越しました歳出財源に充てなければならない額が十六億七千五百七十九万余円ありますので、これを差引くと、結局昭和二十三年度一般会計の純剩余金は四百四十三億八千七百八十九万余円となるのであります。  しかしてこの剩余金額中には昭和二十二年度剩余金使用残額三十億八千五百万余円が含まれておりますので、これを差引きました四百十三億二百八十九万余円が本年度新たに生じた剩余金となる計算であります。  なお右の剩余金財政法第四十一條の規定によりまして、一応翌年度歳入に繰入れるものでありますが、この二分の一相当額は同法第六條の規定によりまして、公債または借入金償還財源に充てることとなつております。  次に昭和二十三年度歳出予算額は四千七百三十一億四千五百六十万余円でありますが、予算決定後において昭和二十二年度から昭和二十三年度に十七億千二百八十一万余円の予算繰越を承認しましたので、右の歳出予算額予算決定後の増加額合計いたしますと、予算現額は四千七百四十八億五千八百四十一万余円となる計算であります。  以上昭和二十三年度歳入決算額を同年度歳入予算額に比べると、三百四十八億九千二百十五万余円を増加し、歳出決算額を同年度歳出予算現額に比べると、百二十八億八千四百三十五万余円を減少しておる次第であります。なお歳出予算現額のうち支出済みなつ金額は、前記の通り四千六百十九億七千四百六万余円でありまして、昭和二十四年度繰越しました金額は十六億七千五百七十九万余円でありますから、これらの金額差引昭和二十三年度歳出予算の不用となつ金額は百十二億八百五十五万余円となる計算であります。  次に昭和二十三年度一般会計における予備費予算額は六十五億円でありますが、これの使用決定いたしました金額は六十二億七千七百六十一万余円でありまして、結局差引予備費使用残額は二億二千二百三十八万余円となる計算であります。右の予備費使用につきましては、国会事後承諾を求むるため本国会において承認を求むるため提出いたしてあります。  次に昭和二十三年度一般会計の国の債務について概説いたします。財政法第十五條第一項に基く国庫債務負担行為昭和二十三年度限度額は百二十二億八千三十万余円のところ、実際に債務を負担いたしました債務額は十億二万余円でありまして、これに財政法附則第四條に基く繰越国庫債務負担額四十億三千三百七十二万余円を加えますと、債務負担総額は五十億三千三百七十四万余円でありまして、そのうち本年度支出その他の事由によつて債務の消滅いたしましたものは、十五億五千七百五十三万余円でありまして、差引年度以降へ繰越しました債務負担額は三十四億七千六百二十一万余円であります。  次に財政法第十五條第二項に基く国庫債務負担行為昭和二十三年度限度額は三億六百三十三万余円でありますが、実際に負担いたしました債務はなく、財政法附則第四條に基いて国庫債務負担行為となりました二億九千七百万余円がありますので、結局債務総額は二億九千七百万余円でありまして、そのうち本年度支出によつて債務の消滅いたしましたものは、二億七千百五十九万余円でありますから、差引年度以降へ繰越しました債務負担額は二千五百四十一万余円であります。  次に公債でありますが、昭和二十三年度発行額戰時補償特別措置法第六十四條に基くもの等が三百七十七億八千九百九万余円でありまして、これに既往年度からの繰越額千八百六十七億八百六十五万余円を加えますと、債務総額は二千二百四十四億九千七百七十五万余円であつて、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは三十五億四百九十二万余円でありまして、差引年度以降へ繰越しました公債債務負担額は二千二百九億九千二百八十二万余円であります。  次に借入金でありますが、昭和二十三年度借入額は百億円でありまして、これに既往年度からの繰越額五百三十九億千六百七十万余円を加えますと、債務総額は六百三十九億千六百七十万余円であつて、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは百億円でありまして、差引年度以降へ繰越した借入金債務負担額は五百三十九億千六百七十万余円であります。  次は昭和二十二年法律第四十二号第九條第三項の規定による元臨時軍事費特別会計借入金借入額は七十億円でありまして、これに既往年度からの繰越額七十億円を加えますと、債務総額は百四十億円であつて、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは、七十億円でありまして、差引年度以降へ繰越した債務額は七十億円であります。  次は大蔵省証券または一時借入金でありますが、その昭和二十三年度発行限度額は六百億円でありましたが、実際発行した最高額は三百七十億円でありまして、発行総額は八百九十億円でありましたが、本年度全額償還済みであります。以上は昭和二十三年一般会計決算に関してきわめて概略を申し上げたのであります。  次に昭和二十三年度特別会計決算について一言申し上げます。昭和二十三年度における特別会計の数は二十八であります。これら各特別会計歳入決算額及び歳出決算額等につきましては、特別会計決算書によつて御了承願いたいと存じます。しかしてこれら各特別会計歳入決算額合計額は一兆千四百四十三億六十二万余円、歳出決算額合計額は一兆九十五億九千五百二十八万余円であります。しかしながらこれら各特別会計及び一般会計各相互間におきましては、相当多額重複額がありますので、これらを控除調整した決算の純計額歳入一兆千百六十八億六百五十六万余円、歳出一兆三百八十五億九千八十三万余円となる計算であります。  以上昭和二十三年度一般会計及び特別会計決算に関しまして、きわめて概略を申し上げましたのでありますが、さらに御質問によつて説明申し上げたいと存じます。  何とぞ十分御審議のほどお願いいたします。
  4. 川端佳夫

    川端委員長代理 次にただいまの御説明に引続いて一応会計検査院当局より決算検査概況説明を承りたいと思います。
  5. 佐藤基

    佐藤説明員 昭和二十三年度決算検査報告につきまして、その概要説明いたします。  御手元に配付してある昭和二十三年度決算検査報告には、憲法第九十條及び会計検査院法第二十九條の定めるところに従つて、国の收入支出決算確認検査上不当と認めた事項のほか、会計事務職員に対する懲戒処分の要求、出納職員に対する弁償責任の検定、政府出資団体等に関する検査事項等を記述いたしてあります。昭和二十三年度一般会計決算額は、歳入五千八十億余万円、歳出四千六百十九億余万円、各特別会計決算額合計歳入一兆一千四百四十三億余万円、歳出一兆九十五億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額を総計いたしますと、歳入一兆六千五百二十三億余万円、歳出一兆四千七百十五億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆三百五十三億余万円、歳出九千七百八十二億余万円となり、前年度に比べますといずれも倍額以上の増加となつております。  以上申し上げました一般会計及び各特別会計決算額のうち、会計検査院においてまた検査が済んでいないもの、すなわち検査確認といたしました全額は、一般会計におきましては歳入八千五百余万円、歳出百四十三億四千三百余万円、また特別会計におきましては歳入八億一千二百余万円、歳出四百二十六億八千七百余万円でありまして、未確認額総計額五百七十九億二千九百余万円に上ります。  右の未確認金額のうちおもなものは、終戰処理費関係で概算払いしたもののうちで、まだ精算を終つていないものなどが八十八億八千五百余万円あるのと、食糧管理特別会計支出のうちで、まだ本院で調査中のものなどが三百七十四億二千八百余万円あるのとであります。  次に会計検査院歳入徴收官及び支出官歳入歳出証明額と、日本銀行における現金出納金額とが符合するかどうかをも検査いたしておりますが、その検査の結果によりますと、一般会計歳入において、三百六十余万円だけ日本銀行の方が多く、これは主として出納職員が所属の会計年度を誤り、すなわち二十四年度歳入に属すべきものを二十三年度歳入として、現金日本銀行に払い込んだものがあることによるもので、また特別会計歳入において、五千八百四十余万円だけ日本銀行の方が少く、これは主として出納職員日本銀行出納締切期日直前現金を收納し、日本銀行への払込みが日銀出納締切期日に間に合わず、翌年度になつて日銀に払い込むようになつたものなどがあつたことによるものであります。  次に会計検査の結果経理上不当と認めた事項、すなわち批難事項として、昭和二十三年度檢査報告に掲げました事項の件数は、歳入に関するもの三百十九件、歳出に関するもの百九十件、その他国有物件に関するものなど百十四件、合計六百二十三件に上り、前年度の三百八十六件に比較して、著しく増加しておりますことは、国家財政が国民の租税などをおもな財源としておりますことにかんがみまして、はなはだ遺憾にたえないところであります。  なお不当と認めた事項のうち、事態軽微等事由でこの檢査報告に掲記しなかつたものは多数に上るのでありますが、これらについては別途にそれぞれ関係機関に対し、嚴重な注意書を発しておきました。前に申し上げました六百二十三件の批難事項につきましては、この検査報告の第五章に詳しく記述してありますから、これによつて御承知を願いたいのでありますが、一応全体を通覽してその概要を申し上げます。  第一は歳入收納未済についてであります。一般会計の二十三年度收納未済額は八百十四億余万円であり、これに特別会計收納未済額三百三十九億余万円を合せると、收納未済額は一千百五十三億余万円の多額に上り、さらにまだ徴收決定をしていない金額を考慮すれば、事実上の收納未済額巨額に上るものと認められます。これらの收納未済額は、そのうち租税收入六百六十四億余万円を除きますと、そのほとんど大部分が物件売渡代金または貸付料その他国の反対給付を伴う收入であり、しかもこれらの代金料金等については、前納の建前となつておるものについても前納させないで処理するなど、收入確保についての処置が十分でない点は改善の必要があります。  第二は政府支払遅延についてであります。各官庁工事等を請け負わせ、または物品購入した場合その代金支払いが著しく遅延しているものが少くなく、ことに終戰処理費国有鉄道事業関係等にその事例が多く見られるのであります。このような事態は、各官庁予算を越えて債務を負担したり、支払手続に関する事務が澁滯したり、支払資金が不足したことなどがその原因としてあげられるのでありまして、先般公布を見ました政府支払遅延防止等法律によりまして、この点はよほど改善されることとは存じますが、なお一般的には予算を計画的に経理するとともに、支払事務を促進する必要があります。  第三は職員厚生施設についてであります。時節柄の傾向といたしまして、予算積算がないのに職員宿舎等を新設したもの、予算を流用して職員厚生福祉施設を新設拡張した事例などが各官庁に見出されましたが、これらのうちには事情の了とすべきものもありますので、今後は必ず予算に計上してこれを実施すべきものと考えます。  第四は工事施行についてであります。二十三年度中におきまして、公共事業費関係事業費は四百八十九億余万円、終戰処理費関係工事費は百八十九億余万円で、これを合計いたしますと六百七十八億余万円の巨額に上るのでありますが、その施行にあたり、処置当を得ないものが少くないのであります。すなわち工事の計画または設計の立案にあたりまして、調査研究が不十分なため、結局工事が失敗に終つたり、工事の手直しをしたものがあり、また契約当時の設計を変更して、契約代金の増額をするにあたりまして、過大な積算をしたり、さらに工事完成検査が十分でなく、請負人の工事費についての申出額をそのまま認めて過大な支払いをなしているもの、あるいは官給材料残材回收について、何らの処置をとつていないものが少くないのであります。  第五は補助費についてであります。補助費昭和二十三年度支出額は、一般会計及び各特別会計を通じ二千百八十億余万円に上つておりますが、補助事業年度内に完成せず、はなはだしいものは着工さえしていないのに、年度末に至つて補助金全額支出しているもの、あるいは補助金交付当時、精査すれば補助金交付の必要がないか、または少額で足りることが判明したはずであるのに、示達された補助予算全額を交付したため補助超過となつておるもの、あるいは補助金交付後における事業実施状況確認が十分でなく、補助事業精算及び超過交付した補助金回收についても、漫然放置しているものが少くないのであります。  第六は事実に基かない不当の支出についてであります。工事施行物品等購入の事実がないのに、その事実があつたように関係書類を作為して小切手を振り出し、その金を別途に保管して、交際費旅費等使用したり、職員宿舎の新営物品購入費などに充てるなど、予算を無視して随時随意の費途に使用している事例が認められますが、このような作為は会計経理として、はなはだ公明を欠くものであるばかりでなく、関係者が公金をほしいままに費消する誘因ともなり、嚴に戒むべきものであります。  第七は物品経理についてであります。物品経理につきましては、従来から現金に比べ、とかく軽視される傾向が少くありませんので、二十三年度にあつては、特に物品経理状況を重視して検査施行しましたところ、終戰処理関係薪炭需給調節国有鉄道事業等におきまして、特に改善を要する事項が多いと認められました。すなわち物品の調達にあたり、実情をよく把握しないで購入したために、多額の過剩品を保有することとなり、やむを得ず購入後、間もなく不用品として他に売り渡したような事例があります。  また物品出納につきましても、物品出納簿記帳整理が十分でなく、はなはだしいのは、数年にわたり現品確認することなく放置し、帳簿上の在り高と現品保有高とが符合しなかつたり、故意に帳簿外に保有してこれを使用したり、あるいは現品は払い出しているのに、仮渡し整理をして、物品出納簿には現品があることとなつているものなど、正規の払出し手続を経ていない事例があります。さらにその保管にあたり注意不十分のため、これを亡失したり、品質低下を生じさせているもがのあるなど、物品経理については、特に制規による的確な経理保管上周到な注意が望ましいと存じます。  第八は国有財産管理及び処分についてであります。国有財産管理について、その効率的運用をはかつているとは認められない事例が多く、たとえば公用財産が、その用途に十分活用されないでいたり、普通財産のように利用されていたり、普通財産でも特殊の目的のため特に低価で貸し付けたものが、その目的外使用されていたりしているものなど、当然利用の現況に照しまして、調整を要すると認められるものがありますのに、そのまま放置されている状況であります。また財産売渡し処分についても不当に低価に売り渡しているもの、財産売渡し代及び財産貸付料の徴収が著しく遅延しているものなど、その経理が妥当でないと認められるものが多くあります。  第九は職員の犯罪についてであります。支出官補助者小切手用紙及び官印を盗用して偽造小切手を振り出し、金銭を詐取したり、出納職員またはその補助者所得税その他の収入金等を横領したり、司法事務局職員収入印紙に消印をしないで、これを横流ししたなどの事例が多く、嚴正な官紀の確立が望まれます。  以上その概要説明いたしましたような不当事項発生については、検査院といたしましても、極力その再発防止について努力を盡しております。  なお、検査報告説明を終るにあたりまして、会計検査院検査状況及び検査方針について一言つけ加えたいと思います。  検査院会計検査は、書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査のため、各省各庁から還付を受けました収入支出等計算書は、二十四年一月から十二月までの一年間に十七万二千余冊、その証拠書類は五千九百余万枚の厖大な数量に上るのであります。同期間中に実地検査しました箇所は、延三千二百三十箇所でありまして、書面検査と相応じて、会計検査の完璧を期しております。また検査院職員は、現在事務官以上八百二名であります。  次に政府及び政府関係機関会計経理に対しては、検査院は、特に収入確保及び支出の節約をはかり、経費を効果的に使用し、また事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理処分するとともに、債務支払い遅延などにより、一般民間に不当な損害を及ぼすことのないよう関係機関注意を喚起し、一般的に当務者経理の適正を期し、かつ不当事項の是正及び発生防止をはかるなど、適正な経理事務の執行を確保するよう検査の徹底を期したいと存じている次第であります。  以上をもつて説明を終ります。
  6. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは質疑はあとにまわしまして、昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並昭和二十三年度国有財産無償貸付状況計算書一括議題として審議を進めます。まず大蔵当局より説明を承ることにいたします。古田管財局長
  7. 吉田晴二

    吉田(晴)政府委員 ただいまお手もとに配布しました昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況計算書について御説明申し上げます。  まず最初に昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書について申し上げます。昭和二十三年度中に増加しました国有財産総額は、七百四十四億五千七百四十五万余円でありまして、同年度中に減少しました国有財産総額は、百八十八億四千七百五万余円であり、差引五百五十六億千三十九万余円の純増加になつております。しかして昭和二十二年度末現在額七百億四千六十六万余円に右純増加額を加算した千二百五十六億五千百六万余円が、すなわち昭和二十三年度末現在における国有財産総額ということになります。この総額の内訳を申し上げますと、行政財産は八百三十三億八千三百七十六万余円、普通財産は四百二十二億六千七百三十万余円となつており、さらにこれを区分別に申し上げますと、土地百九億七千四百七十五万余円、立木竹百四十一億九千五百三十六万余円、建物二百二億四千三百十四万余円、工作物二百六十八億六千九百三十七万余円、機械器具百九十六億四千五百十六万余円、船舶三十億九百十二万余円、有価証券その他三百七億千四百十二万余円、計千二百五十六億五千百六万余円であります。  なお、昭和二十二年度末現在額に対する昭和二十三年度における増加額の割合が多額なのは、現在額は、大体において明治、大正、昭和の各年代の取得価格であり、現況において一律に再評価しなければ二十三年度増加額に対する比較にはならないものであることを御了解願いたいのであります。  以上が昭和二十三年度における国有財産増減及び現在額総計算書概況でありますが、なお念のため申しますと、この国有財産増減及び現在額総計算書には、道路、港湾、河川等公共物は、国有財産法第三十八條の規定によつて計上してありません。また普通財産のうちで神社、寺院、教会用財産及び地方公共団体公園用財産につきましては、国有財産法施行細則第七條の規定によつて土地の面積のみを掲げ、価格は計上してありません。  次に昭和二十三年度国有財産無償貸付状況計算書について御説明申し上げます。昭和二十三年度中に増加しました無償貸付国有財産総額は、千百二万余円でありまして、減少しました総額は一億百二十八万余円であり、差引九千二十六万余円の減少であります。これを前年度末現在額一億二百六十一万余円から差引きますと、昭和二十三年度末における無償貸付国有財産の現在額の総額は、千二百三十五万余円であります。  かように昭和二十三年度総額において著しい減少を示しましたおもなる理由は、昭和二十三年七月より国有財産法等が改正せられまして、旧軍用財産等において多少無償貸付範囲の特例が認められましたものの、全般的には新国有財産法第二十二條の規定により無償貸付をなし得る範囲が具体的に制限せられたことによるものであります。  以上御説明申し上げました昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況計算書は、昭和二十三年七月改正されました国有財産法に基いて調整しましたもので、会計検査院検査を経たものであります。しかしてその検査報告及び報告書とともに、国会報告のため提出した次第であります。  何とぞ御審議の上御承認あらんことをお願いいたします。
  8. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは次に会計検査院当局より、概括的な説明を伺います。
  9. 東谷傳次郎

    東谷説明員 昭和二十三年度国有財産検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況計算書は、昭和二十四年十一月四日会計検査院においてこれを受領し、その検査を了して、同年十二月二十四日に内閣に回付しました。  国有財産の二十二年度末における現在額は七百億四千余万円でありましたが、昭和二十三年度中の増七百四十四億五千七百余万円、同年度中の減百八十八億四千七百余万円でありまして、同年度末における現在額は一千二百五十六億五千百余万円となり、前年度末に比し、五百五十六億一千余万円の増加になつております。  次に国有財産無償貸付状況について申しますと、昭和二十二年度末には、一億二百六十余万円でありましたものが、昭和二十三年度中の増一千一百余万円、同年度中の減一億一百余万円、差引き九千余万円を減少し、同年度における無償貸付財産総額は、一千二百余万円となつております。また国有財産の取得処分及び管理について不 と認めましたものは、昭和二十三年度検査報告に詳しく掲記しております。これらの事項については、いずれ二十三年度決算の御審議の際御説明する予定でありますが、これらの事項をとりまとめて申し上げますと、国有財産の取得に関するものが一件、管理に関するものが六十件、処分に関するものが四件、計六十五件になつております。  なお、終戰処理費支弁によつて国が取得した国有財産は、昭和二十三年度末までに三百五十七億余万円でありますが、管理庁において調査未了の状況でありまして、増の部に掲記されたものは、わずかに十四億七千余万円にすぎません。また財産税法及び戰時補償特別措置法によつて物納されたものは、昭和二十三年度末までに土地、建物等六十一億五千余万円となつておりますが、事務処理が遅れ、増の部に掲記されたものは、このうち四十六億九千余万円であります。  以上をもちまして、昭和二十三年度国有財産検査報告説明を終りたいと存じます。
  10. 川端佳夫

    川端委員長代理 ただいままでの説明につきまして、御質疑があればお許しいたします。
  11. 高塩三郎

    ○高塩委員 会計検査院の方にお伺いいたしますが、ただいまの説明中の不当事項というか、批難事項の中で、二十三年度検査報告に掲げました事項は、歳入に関するものが三百十九件、歳出に関するものが百九十件、その他国有物件に関するものが百十四件、合計六百二十三件という数字に上つておりまして、これが前年度の三百八十六件に比較して著しく増加しておる。この増加しておる詳細は説明でわかるのでありますが、前年度に比して約倍の多きに達するこれら批難事項の概括的な御説明を願いたいと思うのであります。どういうわけでこういうふうに年年歳々ふえて行くのであるか。あるいは二十五年度においてはそれでは千件にもなるのであるか。これは人員が少いために、検査が十分に行われなかつたためにこういう事件が起るのか。あるいは上役が職務怠慢の結果こういう事件が起るのか。中には職員の犯罪の事項がありますが、たとえば偽造小切手を行使したというようなことは、これはおそらく上役の監督が不十分であつたのではないかというように考えられるわけでありますが、こういうふうに前年度に比較して批難事項が多いというのは、どういう関係で多くなつたのか。将来はこういう関係で多くならないであろうという見通しがつけばなおけつこうでありますが、大体の御説明を願いたいと思います。
  12. 東谷傳次郎

    東谷説明員 二十三年度検査報告に掲げました不当事項が非常に多いが、これはどういうわけかという御質問でありましたが、ただいまのお話にありましたように、会計検査院検査もだんだん徹底して来たということも言えるのであります。と申しますのは、新憲法の実施までは非常に人が少かつたのでありまして、約三百四、五十名でありましたのが、新憲法の実施とともに、会計検査院法の大改正をいたしまして、いわゆる新検査院法にかわりまして、人員も大体三倍以上になつて、千二百名であります。これは雇用人も入れてであります。しかしただ人員だけをふやしただけでは効果が上らないのでありますが、その間教育をいたしまして、検査の要領というものを教育いたしておるわけであります。そういうような関係で、従来の二十三年あるいは二十二年度会計検査のときよりも、会計検査院検査がだんだん徹底して来ておるということももちろん言えるのであります。しかし一般の行政官庁においての心構えでありますが、私どもは常に血税の行方について、これは国民の血の固まりの予算でありますから、その行方は嚴格に見て行かなくちやならぬという気持でおるのでありますが、えてして国会予算が通りますと、通つた予算は使わなければ腕がないというような気持の方もときにはあるのであります。むろん血税そのものであるから、一円といえども節約して、効果的に使用しなくちやならぬという心構えの人が多いのでありますが、間々そうでない方もありまして、現にここに揚げられておりますように、歳出の面におきましても百九十件というたくさんの不当件数があるのであります。心構えはだんだんよくはなつておると私ども考えるのでありますけれども、やはり検査をいたしますると、たくさんの方の中には、その心構えがよろしくないというような者も相当たくさんおるのであります。ことに職員の犯罪、虚偽の証明というものが、これははなはだ遺憾でありますが、年々多くなつて来るようでありまして、まことに寒心にたえないのであります。なおこういう点があるのであります。官吏の給与はどこでも薄俸でありますけれども、生活費をまかなうのに、場合によれば足らないという面がありまして、結局職員組合からの厚生施設などの要望が強いのでありまして、先ほど委員長から要望がありましたように職員厚生施設というようなものにも相当な金を使つておられるのであります。しかしそれらのものにつきましては、予算積算はないけれども、やむにやまれず、厚生施設はやつてやりたいというので厚生施設をやります。会計検査院は、それは事情の了とすべきものがありまして、することはよろしいけれども、予算になくてはそれはよろしくないというので、批難いたしておるのであります。もの自体はよろしいけれども、会計検査院の見る会計法規、財政法規の尺度から見れば、よろしくないというようなものが多々あるのであります。一番大きな事項としてましては、検査報告の第一項に掲げてありますけども、石炭手当などの十数億が出ておる。こういうものも、自体そのことはよろしいのでありますけれども、それに対応する法律が出ていない。従いまして、予算にもそれが計上されていないにもかかわらず、政府は出さなければならないというところに追い込まれて出しておられるというようなことでありまして、世相を反映した点もあるのであります。会計経理の秩序の弛緩ということの以外に、そういう事情によりまして、遂に不当の支出をするということになつておるのも相當たくさんあるのであります。かれこれいたしまして、会計検査院の批難を受ける事項が多くなつておるというふうに御了承願いたいと思うのであります。
  13. 川端佳夫

    川端委員長代理 ちよつと念のためにお願い申し上げておきますが、質疑は次会から本格的にやつていただくことにしまして、本日は総論的な質疑と申しますか、そういう意味の質疑にとどめていただきたいと思います。時間の関係もございますから、ちよつと念のためにお願いいたしておきます。
  14. 高塩三郎

    ○高塩委員 だいまの委員長の御説明で了承いたしましたが、本日は委員も少いのと、本会議も始まりました関係上、ひとつ質疑は本日はこの程度で打切りまして、次会にお願いしたいと思います。
  15. 川端佳夫

    川端委員長代理 ちよつと御了解を得たいのは、今度の新しい予算に伴う補助金交付等の状況について、認証手続等が前回委員会の問題になりましたが、補助金等の交付状況がどういうふうに進んでいるかということを、きよう聞こうというので、関係各省からみな来てもらつておるのですが、いかがいたしましようか。——それではお諮りいたします。ただいま高塩委員からのお話がございましたので、本日は二十三年度決算関係並びに国有財産関係の質疑はこれで打切りまして、公共事業費認証制度と、補助金交付状況についての説明を聞くことにいたしたいと思いますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは、本日は今までの説明の分についての質疑を打切ります。     —————————————
  17. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは前会公共事業費認証制度と、補助金交付状況につき説明を聴取したのでありますが、今期昭和二十五年度における現実の送金手続、支払い関係等の実施面についてどういうふうに進んでいるかということを、各省について説明を伺いたいと思うのでありますが、最初に経済安定本部から大体の御説明を伺いたいと思います。経済安定本部小笠原事務官
  18. 小笠原喜郎

    ○小笠原説明員 公共事業の認証の点につきましては、前会この席上で御説明申し上げましたが、昭和二十五年度の認証の実情を概略申し上げますと、公共事業費の認証は、関係筋の了解を得まして原則としては年二回ということに相なり、これを四月十一日の閣議にお諮りいたしまして、閣議の決定を見まして、公共事業処理要綱の一部の改正をいたしました。これで本年度から原則といたしまして公共事業の認証は二回ということになりまして、認証制度の回数の多いために来る手数の煩雑さを省略することに御協力できると思います。  それでは上半期の第一次の認証について申し上げますと、昭和二十五年度公共事業費の上半期の第一次の認証の金額としては、三百三億一千百二十五万円でございまして、その金額範囲内で第一次の認証手続をとることにいたしております。そういたしまして、各省からそれぞれ認証申請書が参りまして、大部分の認証の手続は済みまして、各省にそれぞれお返しいたしておりますが、ただいままで認証の済んでいないのは農林省の営繕関係、法務府の行刑施設営繕関係、この二つであります。農林省の営繕関係は、まだ書類が参つておりません。それから法務府の行刑施設営繕関係も、まだ書類が私の方には参つておりません。建設省の中の資材関係、厚生省の水道関係は書類は参つておりますけれども、内容に若干疑問がありますので、ただいま課内において審査中であります。  認証の手続が済みまして、あとの手続が現在どの程度まで進んでおるかということは、個々別々に、それぞれ違つていると思いますので、実際の資金がどういうように令達されておるかということは、ちよつとわかりかねますので、関係会計課長さんなり何なりからお聞き願いたいと思います。
  19. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは続いて農林省関係の事情を聽取いたします。最初に農地局総務課長、山本説明員。
  20. 山本廉

    ○山本説明員 農地局関係の農業公共事業の二十五年度の第一・四半期の農林省の令達関係について申し上げます。ただいま安本の方から御説明になりましたように、第一・四半期の認証を終りましたので、公共事業費が一日も早く地方農村へまわりますように、前々から準備をいたしておるのではありますけれども、事業費の総体のわくの関係で、いろいろ割振りの上におきまして、最後の結論になりますまでにはやや時間がかかりましたが、お手元に差上げました資料にございますように、大体四月十三日ころからここ二、三日前までのうちにおきまして、各県への内示を大体終つたのであります。この内示に基きまして、ここでは大蔵省の方の支出負担行為計画表及び支払い計画表の大蔵省の認証が大体二十日ころに承認を得る予定でありますので、それと前後しまして、各県からの申請によりまして、私どもの方は農地事務局に回付いたしまして、事務局の方から直接県に令達いたすことになつております。この間若干の時間はかかると思いますが、大蔵省の承認を得次第なるべく早く交付するようにいたしたいと準備を進めておる状況でございます。簡單でございますが、農地局関係の大体の状況につきまして御説明を終ります。
  21. 川端佳夫

    川端委員長代理 次に林野庁治山課河田説明員。
  22. 河田五郎

    ○河田説明員 林野庁関係の公共事業の第一・四半期の交付状況について御説明申し上げます。第一・四半期の各府県に対します予算の割当につきましては、大体三月下旬から四月初めにかけまして、林野庁より各県に通知済みとなつております。現在のところまだ各県からそれに対しまする補助申請書が到着しておらないのでありますが、おそらく数日中には参るものと考えております。それで先ほども安定本部から御説明がありましたように、安本の認証は四月六日にしていただいたのでありますが、まだ大蔵省より支払い計画の負担行為に対します許可がありませんので、それが来次第さつそく準備にかかりまして、逐次各府県に対しまして補助金を交付して行きたいと存じております。なお林野庁におきましては、今二十五年度より農林省の官房会計課を経由せずに、林野庁におきまして直接補助金の交付と指令の発行ができるようになりますので、昨年に比べまして相当時間的に敏速に地方に対しまして御交付できるようになると思つております。簡單でございますが御説明を終ります。
  23. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは次に水産庁漁港課伊藤説明員。
  24. 伊藤辰雄

    ○伊藤説明員 水産庁の漁港課の内容をお話申し上げます。二十五年度の漁港の修築の割当につきましては、いろいろ検討いたしました結果、三月二十九日に決定通知を出しました。この中には維持補修費と申しますか、二千二十五万円の金の割当が決定いたしませんので、この分だけを差引きまして年間の計画を一応立てました。  次に目下維持補修費の割当につきまして大体大臣の決裁を経ましたので、今明日中に追加の分を通知いたすことにいたしております。この認証につきましては四月十日に安本の認証を受けております。これに対しまして府県からの補助金の補助申請提出の状態は、ただいまのところで五、六件参つております。これも日限を切つてありますので、電報あるいはいろいろな方法で、府県から相当な申請書の報告が参つておりますから、大蔵省の方の金の令達が二十日あるいはその後に大体決定になりますれば、急速に四月末あるいは五月初めには、府県の方に第一・四半期の金の令達ができると思つております。大体総体的に考えますと、去年よりは決定通知におきまして一月半ぐらい、それから金の交付の状態におきましては、少くともこれも一月半ぐらい早くなるのじやないか、こういうような見当でおります。簡單でございますが以上でございます。
  25. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは建設省関係の事情を承ります。植田会計課長。
  26. 植田俊雄

    ○植田政府委員 建設省関係につきましては、予算に計上せられた年間の予算額が五百十二億ございまして、公共事業費では一番大きいと考えております。この支払い促進につきましては、私ども真劍に考えているわけでございますが、ただいままで農林省関係で御説明がありましたことについて、全般の関係で、特に建設省を例にとりましてもう少し詳しく申し上げてみたいと存じます。  安本の認証は先ほど安定本部の方からお話がありましたように、従来、年四回でありましたのが、今度は年二回になつたわけでございます。しかしながら会計法の面から申しますと、会計法は依然として年四回でございます。従つて、二回でわけた工事を、また四つに割つてみなければならぬ、こういう問題があるわけであります。ただいままで公共事業費の配分につきましてやつておるやり方を申し上げますと、当初私ども公共事業費の配分につきまして準備いたしました書類は、年二回という方針が確定いたさない前に準備いたしておりましたので、ただいま配布を準備しておる資料といたしましては、年四回の認証として計上しましたものが、ただいま手続中でございます。残りました年二回の認証との間の差額は、これから支出負担行為で会計法上の手続支出負担行為計画、支払い計画の変更という形で、この第一・四半期でまた追加して配布するということになるわけでございます。たとえば例を申し上げますと、河川の工事でございますが、河川工事は年間として約百十七億予定されているわけでございます。ただ先般の閣議において年二回の認証、但しこれは五割々々にはならない。前半は六割で、後半は四割、こういう算定をいたすことになつております。従つて六割と申しますと、河川関係で約七十億が前半につくということになりまして、残りが会計法上の第三、第四ということになるわけでございます。上半期につきました七十億という予算を、会計法上ではどういうことにいたすかといいますと、上半期の七十億というものは、会計法の第一・四半期の支出負担行為計画、その範囲だけは契約してよろしいという金額になるわけでございます。七十億の中のどれだけが予算として配布されるかというとは、大蔵省の支払い計画によつてきまつて来るわけでございます。従いまして、河川は六割でございますが、都市計画とか住宅になりますと、これは五割という率に下りますし、また一番問題になるところの地方の土木災害の復旧補助でございますが、これになりますと、八割を上半期で支出負担行為計画がつくということになつておりますから、相当大きな金額になるわけでございます。これが上半期全部に支出負担行為としてつきましたものが、上半期に完全に支払い計画がつくということになりますと、建設省だけで三百六十二億という金が、支出負担行為計画としてついて来るわけでございますが、これは国の財政の立場から相当の制約があり、また相当御検討の上で大蔵省か組まるべきものであると、かように考えております。これが上半期分でございます。上半期の全般の計画は、大蔵省には提出いたしておりませんで、ただいまのところ従来の第一・四半期に当るものを手続中でございます。この方で申しますと、河川、砂防、道路、都市計画、住宅、官庁営繕というようにございますが、これは従来通り、年間予算の四分の一ということで計算いたしております。また災害復旧の方は二分の一、五割ということで計算いたしております。従いまして災害復旧でございますと、一応五割として計上しましたものに、近いうちにもう三割つけ加えて八割の支出負担行為計画にこれを改訂しなければならぬわけでございます。ただいままで進捗しております従来の四半期分として計上いたしました金額が、約百九十三億になりますが、この方の安本の手続、大蔵省の手続についてただいまから申し上げますと、これにつきましては、先ほど安本からお話がありました資材関係につきましては実は——資材関係と申しましても機械でございます。土木機械の購入、整備の方の金でございますが、この関係について安定本部の方で若干検討中のようでございますが、その他につきましては、今月初めから順次認証が進んで参つております。認証が済むのを待たないで、私ども安本と大蔵省の並行審査という建前から書類を出しておりますので、会計法上の手続といたしまして、私どもの手元から書類を先週末に大蔵省に届けております。従いまして残る問題は、大蔵省ではその書類を審査されまして、それに対してどの程度の支払い計画をつけるかということにかかるわけでございます。支払い計画の方針さえきまれば、ただちに補助金は各地方庁に流すことができる、かように考えております。
  27. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは大蔵省で、支払い計画等に伴つて、どういう準備が進められておるかという状況を承りたいと思います。大蔵省主計官佐竹説明員。
  28. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 大蔵省での事務の進捗状況をお知らせいたします。安定本部で、上半期の第一次分として認証されましたものが、三百三億一千百余万円ございますが、そのうち大蔵省で予算の移しかえの手続を終りました分は、十八億二千百余万円であります。残りのうち約二百八十一億円余りが、ただいま大蔵省で審査中でございます。大部分はこのうち、たとえば農林省でありますとか、建設省でありますとか、先週末ごろに大蔵省に書類が届きました分でございますが、これが大体二、三日中には移しかえの手続を完了いたしたい、おそくも今週一ぱいにはこの二百八十一億余万円の手続中の分の移しかえを終りたいと考えております。そういたしますと、すでに移しかえ済みが、先ほど申し上げましたように十八億円でありまして、ただいまの審査中が二百八十一億円、合せまして二百九十九億円でございます。これを認証計画額の三百三億余万円に比べますと、この差はわずかに三億一千万円ばかりでございます。この三億円余りのものが、先ほど安定本部から説明がありましたごとくに、たとえば法務府のように移しかえの手続をまだ大蔵省へ出しておられないというものが若干あるだけでありますが、これもおそらく近日中に出て来ることと思います。そこでいずれにしましても、上半期の認証計画額は、大蔵省といたしましては大体今週一ぱいには、全部各省に所管の移しかえを終ろう、こういうことでやつております。
  29. 川端佳夫

    川端委員長代理 何か御質疑はございませんか——それでは私からちよつとお伺いいたしますが、認証が二回制度に切りかえになつて、いわゆる上半期、下半期ということになつた場合には、この切かえはすぐつきますか。
  30. 小笠原喜郎

    ○小笠原説明員 年二回に認証制度をかえるということは、完全に了解を得るのに大体年度末までかかりましたので、準備だけは従来通り四半期ごとの認証準備をお願いしておりまして、暫定的措置として二十五年度上半期は二回ということになりましたけれども、四回の認証を二回にすることは、認証制度を運営いたしております私たちのところでは、何ら特別にさしつかえる問題は起りません。
  31. 川端佳夫

    川端委員長代理 大蔵省の方ではどうですか。
  32. 佐藤基

    佐藤説明員 大蔵省としましても別に支障はないと思います。安定本部で認証計画を済まされて、所管の移しかえの手続ということになれば、あとはきわめて事務的な問題が残るだけでありますので、別に支障はないと考えます。
  33. 川端佳夫

    川端委員長代理 それで農林省関係から表が出ておりますが、これを拜見しますと、府県からの補助申請が各項目とも遅れておるようですが、これは一応期限か何か付して申請をさせておるはずだと思いますが、遅れておるという理由はどういうわけなのですか。せつかくこうして前年度と比べても、いろいろな事務がスムーズに行つておるにもかかわらず、例年と同じような日にちがかかつておるのか、あるいはこの申請が遅れているのか、ことし特別に遅れておるような事情はないものでありますか。ちようと農林省の事情をお伺いしたいのですが。
  34. 山本廉

    ○山本説明員 今農地局関係の補助申請のお話がございましたが、これは特別にことし遅れておるという理由はないのでございまして、先ほどもちよつとお話しましたように、一応県に内示をいたしますれば、県としてはいろいろ準備をしておりまして、すぐ出て来るようにいたしておりますので、目下のところは全然出ておりませんけれども、すでに内示の書類が県に到達しておりますから、間もなく出て来ることと思つております。ただ私の方は御承知のように農地事務局というものがありまして、一応公共事業費予算令達は農地事務局に割振りまして、事務局の方から県に申請を出させまして、事務局の方で支出するということになつておりますので、その間本省から事務局へ行く間だけの、時間的の若干の余裕は見なければならぬと思いますけれども、特別に申請書がおそくなるとは思つておりません。
  35. 川端佳夫

    川端委員長代理 何か御質疑ございますか——それでは前会に引続いて補助金交付をすみやかにやつていただきたいという希望のもとに事情を伺つたのでありますが、今後一層各関係省とも努力をしていただくことを要望いたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。     午後三時六分散会