○池田
説明員 会計検査院の第一局長でありますが、ただいまの御質問に御
説明いたします前に、私の方の所管であります第一局といたしましては、大蔵本省
関係とか、総理府とか
経済安定本部、そうしたものを担当いたしております。従いまして本日ただいま御審議に
なつております
公共事業費の
認証制度の問題でありますが、これは
経済安定本部が
認証いたしておりまする
関係上、
認証のことまで、並びに
大蔵省の主計局で
予算を
経済安定本部から
各省へ移しかえますまでの
予算執行の
段階でございます。これを私の方で検査を担当いたしておりまして、なお決算の総括の検査の
関係を担当いたしております
関係で、私本日御
説明のために参つたような次第であります。
各省が
公共事業費を
予算の移しかえを受けてから、
事業の執行に関します
関係でございます。これは二局、三局、四局それぞれ
各省所管を担当いたして検査を実施しております。従いまして私の担当いたしておりまする
関係は、
工事の実施の末端の方はいたしておりませんので、本日御
説明の衝にあたります上に、必ずしもその面は適当でなかつたかもしれませんが、私の
関係しておりまする範囲におきまして御
説明申し上げたいと思います。
公共事業費の
認証制度の件、また
予算の編成のことにつきましては、先ほど来
各省の担当の方から御
説明がありましたことによりましておわかりのことと思いますが、会計検査院といたしましては、
予算なりその他の行政施策の執行を検査いたしておるわけでありますが、ただいま
農林省なりあるいは
建設省から御
説明がありましたことによりまして、
認証制度の検討上、
安本の
認証に要する期間等につきまして御
説明がありましたが、私の方で
承知いたしておりますことを大体御
説明申しますと、二十四年度の
公共事業費の今日までの
認証額を各
四半期ごとに大体申し上げてみますと、第一・
四半期が百四十六億、第二・
四半期が百三十二億、第三・
四半期が百五十九億、第四・
四半期が百六億と大体こういうふうに
なつておるのでありまして、たとえば
農林省、
建設省の例をと
つて見ますと、
認証のために
安本で
各省からの
申請を受けましてから、
審査の
手続を済ませますまでに要する
日数は、昨今ではよほど期間が短く
なつております。二十二年度におきましてはかなり
日数を要した
関係上、
各省からも苦情等がございまして、
認証の
手続の簡易化、促進につきまして、いろいろ
希望がありましたにつきまして、仮
認証制度というものを、たしか二十二年度の末ごろからつくりまして、一応
申請を受けて、
安本ではこれを仮
認証して、
各省にそれぞれこれを
内示する。そしてあとほんとうの
認証をやる。そうすることによ
つていわゆる
予算の
配賦の迅速化、支拂いの迅速化を努めて来られたわけであります二十三年度まで大体それでや
つて来られたわけでありますが、二十四年度からは大体そうした必要も少く
なつて参りましたので、仮
認証制度を廃止して参られました。二十四年度の
認証のための
審査に要する期間は、先ほど
農林省から
お話がありましたように、一週間前後、早いのは一両日で済んでおるようであります。ただ先ほど
農林省の方からも御
説明がありましたように、
申請をします前の
段階におきます予備
交渉でありますが、その協議のために要する期間が、相当
日数を要しておられたように聞いております。それからいわゆる
認証が済みまして、
予算が
安本の方の所管から
農林省なり
建設省なりにこれを移管になるのでありますが、移管までに要しまする
日数、これが
建設省、
農林省、それぞれ時期によ
つても違いますが、
申請の受付の日から大体二十日から一箇月ぐらいのところではないかと思いますが、早いのになりますと、最近は、第四・
四半期の例で申しますれば、
建設省の例をと
つて申しますと、二十四年の十二月の十四、五日ごろ
申請なす
つたのが四十五億の金がありますが、これは大体早いのは一両日あるいは六、七日を要しまして
認証に
なつておりまして、それを
予算の移しかえが済みましたのが結局二十四年の十二月二十四日、こういうふうに早いのもあるような状況でございます。従いましてこの
認証の
関係でございますが、これは二十一年度はたしか経済安定費ということでや
つておられたと思うのでありますが、
公共事業費になりましてから二十二年度、二十三年度、二十四年度にわたりまして逐次
認証関係も改善されて来ておると思います。これは結局資金なり資材あるいは労力等の面、そうした諸般の
事情の変化によ
つて、
認証関係も非常に楽に
なつて来たということもあるかもわかりませんが、ともかく昨今では
認証の
手続は
安本で正式に
申請を受けて
認証を済ませますまでの期間は、非常に短縮改善されて来たように私見ております。
なおただいまの御質問の一番の要点は、結局会計検査上、この
認証制度なるものが必要であるかどうかの問題でございますが、多少私の個人的な
意見にわたるかもわかりませんので、その点は御了承願いたいと思いますが、私
どもとしましては最も会計検査上重点といたしまして見まするところは、支拂いの迅速化、これを一番私
ども公共事業費の検査等につきましては要点に置いておるわけなのであります。それがためには結局
予算の
配賦等が迅速に行われなければならない次第でございまして、
予算の
配賦が迅速に行われるためには、現在御
承知の通り財政法、
会計法にいろいろ制約がありまして、やむを得ぬような規則のために
各省で非常に手数をかけておられまして、それがために
各省で非常な努力をなさ
つても、相当の
日数を要して拂払い遅延を起しやすいという面は、これはいなめない事実かと思うのであります。そんな次第でございまして、私
どもといたしましては
認証制度があるために、これが支拂い遅延の決定的な
原因に
なつているかどうかということにつきましては、必ずしも
各省と
意見が一致しないこともないではないかと思うのでありまするが、要するに
認証のために相当の人数を要することは事実であります。なお
認証制度がかりに廃止されて、他の
制度なりによりましてこれにかわるようなことになりますれば、そのためにまたある
程度の
日数を要するということは避けがたいことではないかと思うのであります。問題は、私
どもといたしましては、率直に申し上げますれば、二十一年度の経済安定費、二十二年度から
公共事業費に
なつておりまするこの
予算の編成なり、あるいは
予算の執行の
認証制度のことなり、これは当初創設のときよりも現在は、私から申し上げるまでもなく、資金面なりあるいは資材面なりにつきましては、
事情が非常にかわ
つておりまするので、これが創設当時ほど
公共事業費の
認証制度が必要ではないということは、私
どもの一致した
意見と申し上げられると思うのであります。要するに私の方といたしましては、
工事が適正に執行され、支拂いが迅速に行きますれば足りるわけですが、今の国の状態におきまして、何らかこれにかわるような企画の機関、これが必要であるかどうかにつきましては、非常に重大な問題と思います。