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1950-03-29 第7回国会 衆議院 経済安定委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十九日(水曜日)     午後二時九分開議  出席委員    委員長 小野瀬忠兵衞君    理事 小川 平二君 理事 金光 義邦君    理事 志田 義信君 理事 永井 英修君    理事 勝間田清一君 理事 笹山茂太郎君    理事 米原  昶君 理事 高倉 定助君       田中不破三君    南  好雄君       森山 欽司君    羽田野次郎君       竹山祐太郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         農林政務次官  坂本  實君         食糧庁長官   安孫子藤吉君         経済安定政務次         官       西村 久之君         経済安定事務官         (生活物資局         長)      東畑 四郎君         経済安定本部貿         易局長     谷林 正敏君  委員外出席者         経済安定事務官         (物価庁総務課         長)      高橋 時男君         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八二号)  公共事業及び経済復興に関する件  事業者団体法に関する件  参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 ただいまより会議開きます。  これより飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案を議題に供し、質疑を行います。質疑通告順にこれを許します。勝間田君。
  3. 勝間田清一

    勝間田委員 この際、一番重要だと思います食糧政策について、政府に質問をさせていただきたいと存じますが、最近新聞紙上などで伝えられるところによりますと、日本食糧政策について、肥料かあるいは食糧か、いずれかの輸入政策によるべきであるという方針日本政策で立てて来るようにというGHQからのサゼスチョンがあつたと聞きますけれども、この事実はございましようか。ございましたならば内容はどういうものでありましようか。その点をまずお尋ねしたいと思います。
  4. 森幸太郎

    森国務大臣 お答えいたします。肥料輸入した方がよいか、食糧輸入した方がよいかという話は、公式の問題ではなかつたのであります。司令部のある一部の人が、日本は将来肥料をさらに輸入した方がいいのか、または食糧輸入した方がいいのか、どちらがいいんだというような、少し意味の了解しかねるような話があつたのであります。それにつきまして、日本としましては、できるだけ食糧の増産をはかつて自給度を高めておるわけであるから、外国食糧に依存するという根本方針を持つわけではないのである。肥料の点においても、これは肥料生産について、日本としてはできるだけの労力を使つてつているわけであるから、どうしても足らぬ場合においては輸入を仰がなければならぬけれども、現在に起きましては肥料を極端に輸入せる必要はないのでありますから、どちらがかんじんであるというような結論は下されない、こういうようなことを当時事務当局として——これは公文で来たわけでも何でもないのでありますが、回答を與えておつたような次第であります。
  5. 勝間田清一

    勝間田委員 さらに新聞紙上に伝えられるところによりますと、関税を永久に食糧についてかけないようにという話があつたというのでありますが、この点についての事実はどうなつておりますか。
  6. 森幸太郎

    森国務大臣 これも先ほど申しました通り公文で来たわけでも何でもないのであります。一九五二年まではこのままで——承知通り政府食糧輸入しておりますから、補給金を出しております関係上、関税はとつておりませんが、将来一九五二年まではこのままとして、そうして食糧については将来永遠関税をかけないというようなことを考えてはどうかというような話を持ち出したのであります。これはえらいことであるというので相談をいたしまして、もちろん大蔵省といたしましても、農林省といたしましても、また政府といたしましても、さようなことは承認のできるはずがないのでありますから、今後自主的な貿易ができるようになりましたときにおいても、この関税政策をやはり今までも持つているということで、特に法律をもつて一箇年間これを免除するという方針をとつて来ておるわけでありますから、やはり食糧に対しましては、将来場合によつて関税をかけ得られるような措置を持つことが必要であるので、この問題に対しましては政府といたしまして、さようなことは絶対にでき得ないという意思表示をいたしておつたわけであります。
  7. 勝間田清一

    勝間田委員 関税について永遠にという言葉を、向うから言つて来たということも聞いたのでありますが、その点の真実なるところはいかがになつておりましようか。
  8. 森幸太郎

    森国務大臣 私の聞いたときには、一九五二年まではこのままで、それから永遠に、こういう言葉があつたようです。
  9. 勝間田清一

    勝間田委員 そこで今後の食糧政策の上に、もう一つお尋ねしておきたいと思いまするのは、国際小麦協定参加の許可が、かなり遅れておるように考えるのでありますが、この進捗状態なり、将来の見通しなりを、お尋ねしたいと思います。
  10. 森幸太郎

    森国務大臣 内容は詳しく存じませんが、この六月にはこの協定がさらに研究されるようでありますが、日本小麦をどこから買い受けるかというような問題で、イギリスが異議を申し立てておつたというようなことを聞いておりますが、詳しいことは、向うからそういう通知があつたわけでありませんので、はつきりしたことは申し上げられませんが、イギリスとして、日本が今後小麦をどこから買い取るかという、買取り先についての意見があつて、あの場合に決定しなかつたということを聞いております。
  11. 勝間田清一

    勝間田委員 国際小麦協定参加の問題と、先ほど来問題になつた二つの問題は、いずれにしましても非常な重要な問題を含んでおると考えるのでありますが、最近伝えられるところによりますと、何か湯河原会談とか何とかで、政府與党との間の話合いが進められておるということも聞いておるのでありますが、しかしこの問題はかなり重要だと思うのであります。特にこれから苗代も始まるというような時期にかかつておりまして、農業に対する影響は非常に大きいだろうと考えるのであります。従つてこれに対する政策をはつきりしておきませんと、農家の方には非常な御迷惑がかかるのではないだろうかという感じがいたすのであります。ましてや料飲店に関する問題なども、そういつた食糧問題が主となつておるわけでありますから、これについてこれから農林大臣及び安本政務次官に対しまして、食糧政策のことについて若干お話を聞かしていただきたいと存じます。  まず問題のスタートといたしましては、今までの輸入状況がどうなつておるかということです。予算状態から行けば、四月一日以降大豆を含めて三百七十五万トンという数量輸入するということを聞いておるのでありますが、しかしそれも、契約された数量であるか、実際その年に入つた、いわゆる到着した食糧数量であるかによつては、相当数字も違うように私は見受けるのでありますが、実際最近の状態だと、一—三月などは、相当食糧入荷が、早く言えば進捗しておる、こういうような状況のようでありますから、食糧輸入計画と現在の輸入状況という点について、ひとつお尋ねを申したいと思います。
  12. 西村久之

    西村(久)政府委員 お答え申し上げます。食糧輸入成績につきましては、いわゆるローガン構想に基きまして、ローガン構想の以後の成績は順調に行つておりますけれども、その後ポンド資金関係から輸入状況が非常な変化を来しまして、減少の形をとつておるわけでございます。
  13. 勝間田清一

    勝間田委員 その数字はある点までわからないでしようか。
  14. 西村久之

    西村(久)政府委員 数字持合せがありませんので、数字が御入用でございますれば、取寄せましてお示しいたしたいと思います。
  15. 勝間田清一

    勝間田委員 ローガン構想の問題が出たのでありますが、日本食糧輸入については、今たとえば一部救済費勘定からも来る、あるいは今後としては、どうしても一般の為替資金輸入されて行くということもございましよう。われわれは為替予算というものはよく知らされておらないわけでありますが、為替予算の中に含まれておるいろいろな状況もあろうかと存じますので、アメリカ地域、あるいはポンド地域、それをどういう資金で買つて行くか、それが現在協定貿易でどういう制限があるか、この問題についてひとつ状況を承らしていただきたいと存じます。
  16. 森幸太郎

    森国務大臣 今資料を持ち合せておりませんから、しぼちくお待ちを願います。
  17. 勝間田清一

    勝間田委員 それでは今の問題については調査資料参つてから御答弁をいただきたいと思います。  現在入つておる外国食糧値段と、国内のそれに匹敵する主食値段との開き状態について、お尋ね申し上げたいと思うのでありますが、ポンド地域から入つて来るもの、それからアメリカあたりから入つて来るもの、特にまた最近もし国際貿易協定に参加するといたしますれば、どの程度数字で入つて来るか、これと内地産の農産物との値段は、どのくらいの開きになつて来るのか、この点をお尋ねしたいと思います。
  18. 西村久之

    西村(久)政府委員 はつきりした数字資料持合せがないので申し上げられませんが、大体予算明細書輸入食糧価格は出ておるのでないかと思うのであります。そして四百六十五億という食糧輸入調整費が、予算に現われておると思いますけれども、今ここに数字持合せがありませんからわかりませんが、大体三百六十五万トン、その調整費関係が四百六十五億円程度になつておるかのように記憶いたしまするが、その差がどのくらいになりますか、ここではつきり数字を申し上げるわけに参らぬということで、御了承願いたいと思います。
  19. 勝間田清一

    勝間田委員 私予算委員をやつておりますが、予算の方に出ている数字は総括的な数字でありまして、そういう数字を私お尋ねしておるのではありません。現に入つて来ておる食糧値段というものが、各国別にあるいは地域別に幾らで入つて来ておるか、これが非常に重要な問題だろうと思うのであります。  それからもう一つは、国際貿易協定に参加するということになつて来れば、どのくらいの数字で入つて来るのか、この点も大事であろうと思うのであります。この点を明確にして行かないと、政府は今度は七月あたり肥料補給金を撤廃して、七割か七割五分の肥料値段を上げるというような状態にあるし、いろいろな問題もあるわけでありますから、現に入つている食糧値段地域別にひとつぜひお知らせ願いたいと思います。
  20. 西村久之

    西村(久)政府委員 勝間田委員要求に対しまする数字はお示しをいたすことにいたします。小麦協定参加後の価格は、大体二割程度値段が安いということに御了承おき願いたいと存じます。
  21. 森幸太郎

    森国務大臣 こまかい事務的なことは、食糧庁長官でも呼びましてお答えいたします。私の持つております資料だけでは、二十五年度輸入計画についてでありますが、小麦が二百四万五千トン、大麦か十六万五千トン、米が九十三万三千トン、合計三百十六万三千トンということになつておるわけであります。このうちで小麦ガリオアで百五十万トンが予定されております。オーストラリアが二十万トン、アルゼンチンが十二万五千トン、カナダが二十二万トン。大麦スターリング地域で十万トン、エジプトで八万五千トン。米はビルマが二十一万八千トン、シャムが三十六万五千トン、朝鮮が二十五万トン、エジプト等が十万トン、こういう数字になつておるのであります。価格の点につきましては、米及び小麦国内生産者価格国際価格との比較でありますが、小麦国内産が、一九五〇年六月のパリティーは一六六でありますが、対米価比率生産者価格において八一・三%、これは現行通り価格でありますが、トン当り生産者価格が二万四千四百三十六円三十九銭、ドル建にしますとトン当り六十七ドル八十八セント、これが国内の一九五〇年六月の一六六のパリティー指数によつた価格であります。国外品価格を一〇〇といたしますと七四・五、小麦協定最高価格を一〇〇とすると八三・三になるわけであります。小麦協定最低価格を一〇〇とすると一〇一・三、こういう価格になります。
  22. 勝間田清一

    勝間田委員 今の数字についての資料は後ほどいただきたいと思いますが、三百十六万トンというのは、おそらく四月一日からの契約量から見た数字だろうと思います。入荷量から見たら、計画通り三百四十五万トンという数字になるだろうと思いますが、そう見てよろしゆうございましようか。
  23. 森幸太郎

    森国務大臣 これは貿易予算の範囲内におきまして、期別輸入計画を建ててあります。そういう関係で一応二十五年の四月から二十六年三月までの輸入計画が、今申しました三百十六万三千トンということになつておるのであります。
  24. 勝間田清一

    勝間田委員 それは会計はそうでありますけれども、実際上四月一日以降現物が入つて来る数量計算をするのか、あるいは契約数量計算するのかということが、結局数字の違いになつて来るのではないかと思います。
  25. 森幸太郎

    森国務大臣 それは食糧庁需給課からの資料によりますと、二十五年産の買入れは三百十五万トン、二千百万石という数字を一応考えておるわけであります。
  26. 勝間田清一

    勝間田委員 どうも農林大臣お話はよくわからぬのですが、それでしたならば、その問題は別問題といたしまして、その数量が入つて行つた場合における、ことしの十一月の持越量は一体いかに考えておられるか。
  27. 西村久之

    西村(久)政府委員 十一月の計算はいたしておりませんが、年度計算持越量は三百四十七万トンという予定にいたしているのであります。
  28. 勝間田清一

    勝間田委員 三百四十七万トンを石数に直してみると、どうなるかわかりませんが、少くとも千九百万石とも言われ、二千万石とも言われている米に関する持越量数字を、ひとつ明らかにしていただかないと、ことしの農家への影響度というものが、非常に重要になつて来ると思います。農林大臣の方ではその数字はわかりませんか。
  29. 森幸太郎

    森国務大臣 こまかい数字を持つておりませんが、食糧長官でもまた出まして、詳しく御説明いたしますが、本年度は先ほど申しました通り、二十五年産の買入れといたしましては、米、麦、大麦、裸麦、雑穀、かんしよ、ばれいしよ等も十一月の繰越買入れがありますから、そういうものを入れて四千二百六十八万六千石という供給高を見て、需給推算を立てているのであります。これが会計年度計算が出ているものですから、十月の端境期にどれだけ持ち越すかということは、今資料が見当りませんけれども、食糧長官が出まして詳しく御説明申し上げます。
  30. 勝間田清一

    勝間田委員 会計年度でなく、できれば農林大臣はひとつこの端境期持越量くらいは御計画をしつかり覚えておいていただきたいと思います。千九百万石ないし二千万石に相当する持越量があるということになると、ことしの食糧というものは、われわれの常識から見れば持越量はほとんど平時の三倍に相当するものだろうと私は思う。そうなると農家への圧迫が非常に強いわけです。その反面において現在われわれは不足に思いますのは、精白度を高めて行くということを農林大臣はしよつちゆうおつしやつているようでありますし、あるいは二合七勺という数字を維持して行くかふやして行くかということも、非常に御研究になつてつたようでありますが、いまだに増配量もきまつて来ないし、精白度も高めて来ない。そういう状態であつて、しかもこれだけの厖大な持越量を持つて、現在四苦八苦してやつているという状態、これはどういうわけになりましようか。この間の事情をはつきりしていただきたいと思います。
  31. 森幸太郎

    森国務大臣 持越米の点でありますが、ここに大体おわかりになる資料があるようでありますから、これを申し上げますと、これは二十五年の米穀年度資料であります。年度当初の持越量は総計二百五十九万トン、その内訳は米が百三万四千トン、麦類が七十一万二千トン、いも類、これは加工品も含んでおりますが、現在のところでは十二万七千トン、雑穀が一万二千トン、そうして輸入食糧が七十万五千トンとなつてつて合計で三百五十九万トン。前年の同期に比べますと約六十万トンの増加となつているのでありますが、これは主として輸入食糧持越しの増加したためであります。国内産食糧の買入れについては、昭和二十四年産作物については、米及び米代替雑穀以外のものは、一月以降はほとんど買い入れない見込みでありますから。十一月一日以降十二月までの実績を計上したのであります。それは麦類が三万四千トン、かんしよが三十二万九千トン、ばれいしよが五万一千トン、いも加工品が七万二千トンとなつております。それで昭和二十四年産米米代替雑穀については、その最終供出見込みを四百五十万トンと見込んで、これから十月の末までの買入れ数量を控除した残余を、昨年の実績参考として米、雑穀にわけて計上したのであります。以上二十四年産作物年度間買入れ合計しますと三百七十九万六千トンとなるのであります。昭和二十五年産作物について米及び米代替雑穀について、いわゆる早期供出見込量を百二十七万四千トンと見込み、これを米及び雑穀にわけて、麦については十月末までに買い入れる予定数量を百二十万一千トンと計上したのであります。なおかんしよについては二億七千万貫のうち、十月末までの買入れ見込み数量を十五万二千トンと推定しております。ばれいしよについては一億三千万貫のうち、十月末までの買入れ見込みを十万一千トンと計上しであります。右を合計しますと二十五年産国内食糧の十月末までの買入れ見込みは二百七十四万二千トンでありまして、持越し及び買入れを総計いたしまして、年間の供給高は八百四十二万三千トンとなるわけであります。輸入食糧については十一月、十二月中の到着実績は三十六万七十トンであります。一月以降十月までの到着見込みは二百八十二万四千トンが、買付状況から推定すると、主食用として一応予定されているのでありますが、この到着については今後の推移によつて変更されるのであつて、確定的な見通しは困難でありますが、本表においては一応この推定量を計上しているのであります。しかして各国内産食糧は、品目別別表のごとく消費することが望ましいので、右の輸入食糧、すなわち持越し到着合計三百八十九万六千トンのうち、年内の消費としては二百五十四万四千トン程度を消費することが適当でありまして、残りを明年度に持ち越すようにいたしたい。こういう見込みであります。
  32. 勝間田清一

    勝間田委員 別表と言われても私の方には別表がございませんが、今年の持越量かどうなるだろうか。来米穀年度へ持ち越す量がどうなるだろうか。初めの方の当初持越量か二百五十九万トンということはわかりましたが、これから先の来米穀年度への持越量がどうなるか。その点をお伺いいたします。
  33. 西村久之

    西村(久)政府委員 二十六年度持越し予定いたしておりまする量は、大体三百七十万トン程度予定いたしておるわけでございます。それを持越すといたしますれば、三百八万トン乃至十万トン程度輸入を必要とするわけであります。
  34. 勝間田清一

    勝間田委員 そこでわかつたわけでありますが、当初二百五十九万トン、今年の暮れの来年度への持越量が三百七十万トン、ずいぶん大量な、ここで持越量になるわけでありまして、その間においてそれだけ大量の持越量予定されているにかかわらず、現在精白度及び増配について考慮されていないのはどういうことであるか。
  35. 森幸太郎

    森国務大臣 増配につきましては、この七月の切かえ、米国の日本に対する食糧対策の切かえの状況によつて考えたいと思つておるのであります。当初二合八勺くらいな配給もできるというような推算も立つには立つたのでありますが、これは司令部関係から七勺にとどめよという趣旨がありましたので、二合七勺にとどめざるを得なかつたのであります。しかしこの精白度は昨年の十二月の配給からこれを高めております。粉類におきましても、すでに粉にしたものがありますので、この三月の配給から精白度の高まつたものが配給されておるのであります。さらに今司令部とも交渉いたしまして、その精白度を高め、また製粉の歩合も変更いたしたいと、交渉いたしておるようなわけであります。そういう関係から労務加配の量もいくらか増加いたしまして、また学校の給與の方面にもパンをまわすというような方針もとりまして、いくら増配のできないかわりに、できるだけの処置をとりつつあるわけであります。七月以降の推算によりまして、基準量の変更もあるいはなし得るのではないかと考えておるわけであります。
  36. 勝間田清一

    勝間田委員 今、農林大臣のおつしやいましたような形で行つて、そして非常に未曽有持越量予定されるような状態で、しかも輸入は現在のところは相当高い輸入で、四百六十五億円も実はここに輸入補助金を出すというような形に行つておるのであります。そこでわれわれ農業政策上、そこに心配になることが非常に多いのであります。  次にお尋ねいたしたい事柄は、先ほどお話があつたいろいろの輸入小麦がございますけれども、各地域別に見たら非常に大きな違いがあるのではなかろうか。特にアメリカのようなところでありますと、ガリオアとかあるいは政府資金によつて価格が維持されておりますけれども、アルゼンチンのような地域でありますと、値段は非常に安いというような状態が起きているのではないかと私は考えておるのであります。この外国市場農産物状況というものを一つお尋ねしてみたいと思います。
  37. 森幸太郎

    森国務大臣 外国市場状況でありますが、相当現地では安いようであります。ビルマ朝鮮——朝鮮の米は別でありますが、ビルマにしましてもその他の南方諸国にしましても、ああいう地方でありますので、非常に安いそうであります。しかし今、商務官等の派遣もありませんし、また日本の商人が向うに駐在いたしておるわけでもないのでありますために、先方から代表者が参りまして輸入計画をいたすということ、その価格等の決定によりまして相当のむだがあるのではないだろうか、それで中間経費相当かかるようにも考えられるのでありまして、今後はビルマ等におきましては、こちらから責任者を派遣いたして買付け等をやる、そうして日本の船をなるべく使つて、できるだけ安いものにしたい、いわゆるつまらぬ金を拂わないようにいたしたい、かように考えておるのであります。むろん各地において価格が別々でありまして、詳細は私存じておりませんが、朝鮮のごときも二十五万トンが予想されておりますが、現在契約ができましたのは、御承知かとも存じますが、まだ十万トン契約か結ばれておりません。その価格もたしか百四十ドルだつたと存じますが、いろいろまちまちでありますが、その現地における価格とできるだけその中間経費を安くして輸入いたしたいもかように取計らいたいと考えております。
  38. 勝間田清一

    勝間田委員 先ほどの問題とも関連する問題ですが、一体非常な大量のストックを予定されているような状況であつて、しかも精白度農林大臣は十二月から若干よくなると言うのでありますが、それでも依然として三百七十万トンの持越量予定されるという状態、そこに御存じの通り、四百六十五億円というような輸入補給金が行われて行くということでありますが、私は現在日本貿易に対する、特に食糧輸入に対する自主権というものが、はたしてどの程度あるのか、これを非常に疑うものでありまして、何か知らん、現在世間で考えられていることは、外国はもう食糧相当生産があがつている、もちろん地域的にはかなり違いがありますけれども、農林省の統計などを見ても、戰前の一一〇%ぐらいは、小麦その他はできている、世界は今まさに過剩の傾向にまで進んでいる、そういう矢先において一体これほど増配もせず、あるいは精白度も大したこともなくてしかも三百七十万トンも持ち越されるというような状態で、どんどん食糧が入つて来るということ自身が、私は農家が非常に不安を持つていることであると同時に、日本の経済の再建の上において、非常に障害が予定されるような感じが私はいたすのでありまして、非常に悪い言葉かもしれませんけれども、食糧が押付けられているのではないかという疑念を国民は持ちますが、この点について農林大臣はどう考えていらつしやるか。
  39. 森幸太郎

    森国務大臣 その点でありますが、この三百十六万トンの輸入予定いたしましても、これのずれが次の食糧年度になることも考えなければならぬことと、それから今占領地といたしましてもアメリカ日本食糧に対して責任をもつて計画を立てているのであります。従つて日本国内食糧事情がどうであるかということは、非常な関心を持つておりますので、先般九原則が出ましたときも、国内における食糧というものは、あらゆる協力をもつてこれを確保せよということを指令いたしておりますので、政府といたしましてはその方針を持つて進んで参つたのであります。ところが、二十四年、昨年の生産状況から見まして、当初生産計画をいたしましたものを、二百四十五万石補正をしたこの補正が妥当であつたかどうかは存じませんが、農家としましては、そのくらいの補正ではなかなか受取れない。それだけ供出したら困るというので、さらに六、七十万石というものを、面積措置によつて供出量を減して行くように、日本食糧計画を建てましても、そういう状況で農民の協力がなかなかむずかしい。予定通り食糧日本政府は手に入れることができない。しかも政府としましては、二合七勺の基準配給を、これは適当であるかどうかは別問題といたしまして、責任を持つていたすことになつておるのでありまするから、三千万石の供出を予定しておつたが、二千万石しか農家が出してくれない、そういう場合には、日本政府の責任はもちろんでありますが、連合国といたしましても、当然責任をとらなければならない。そういう関係で、この食糧需給推算につきましては、相当の余裕を見ておる。こういうことは当然責任を持つ政府の立場としても考えざるを得ないことであります。しかもガリオアがいつまで続くか——来年か再来年で打切られるかもしれませんが、先ほども申しました通り、百五十万トンぐらいしか小麦ガリオアでは来ない。そうすれば、あとは輸入輸出の関係で、商業資金で買入れるわけでありますから、これは日本の輸出力のいかんによりましては、予定通り入るということは必ずしも保証できないような立場にもありますので、できるだけこの需給推算を十分に見まして、そうして二合七勺の配給を傷つけないような処置をとることも、考えなければならぬと思うのであります。そういう関係で、この三百十六万トンの輸入はぜいたくである、それだけ輸入をしなくてもいいじやないかというような意見も一応あるわけでありますが、政府といたしましては、そういう立場から、この輸入計画につきまして方針をきめておるようなわけであります。
  40. 勝間田清一

    勝間田委員 どうも供出が悪いし、ガリオアあるいはコンマーシヤル・アカウントの方からもあまり予定できないから、食糧政策に責任を持つ立場からいつて、これくらいの余裕を特たなければならぬ。その余裕を持つた数字としてこれだけ入れるのだという御説明でありますが、そうしますと、そういう立場から考えて行つて今後の食糧政策をとる場合に、最近新聞紙上湯河原会談等々いろいろ議論がされておるようですが、ともかく統制を撤廃するというようなことが、盛んに新聞やなんかに書かれておる。この統制撤廃、特に主食の米、麦等の統制の撤廃について、一体湯河原等でどんなことをお話になつたのか、われわれはこれをはつきりさせる必要があると思いますので、その点を農林大臣にお尋ねしたいと思います。
  41. 森幸太郎

    森国務大臣 一応これは新聞等に書かれておりまして、誤解もありますので、ざつくばらんに聞いていただきまして御判断を願いたいと存じます。今、日は記憶いたしませんが、私が司令部へ参りましたときに、司令部農業関係の一人でありますが、これは決して局の意見でもなければ課の意見でもなく、ただぼく一個人の意見だが、日本政府としては、今日まで食糧の供出には非常に苦心した来た。また自分らも供出割当、補正割当等で非常な困難を感じて来た。しかも政府は、二合七勺の配給を堅持する上においては、相当強力に供出をさせなければいけないはずである。だからこういうことを続けて行くことはどうかとぼく個人は思う。二合七勺を、二合五勺なら二合五勺、二合二勺なら二合二勺として、たとえば米にして三千万石割当てるところを二千万石余りに減したらどうだ。そして供出に困ることの要らぬような数字にこれを直すと、農家の手元も幾らか余裕のあることになる。従つて二合七勺の基準量を下げて、従来通り輸入食糧によつて、二合二勺なら二合二勺米と麦とで配給するようにしたらどうだ。そうすれば政府も非常に楽ではないか。また農家も供出について、今までのような不平不満、裸供出だ還元だという騒ぎはないではないか、ぼくはこう思うがどうだという話があつたのであります。私も常々皆さんに申し上げております通り、供出制度はいろいろと改編されて今月に至つたわけでありますが、決して完全なものではありません。地方で勘案して割当てるわけではありませんし、大体県へ持つて行つた——しかもそれが末端へ行きますと、一箇年の食糧を確保し得ない農家にまで供出させている。いわゆる裸農家というものにまで供出さしているというような状況でありますので、これは何とか適当な方法を考えなければならぬということは、常に考えておるところであります。ことに来年三月三十一日で、一応現在の食確法なり管理法の期限が切れることになりますから、一日も早く新しい方針をきめる必要に迫られているのであります。でありますから、司令部行つて、そういう質問があつたときに、実はこういう方法ではこちらにも迷惑をかけ、日本政府としても、供出割当てについては知事から村長にまで迷惑をかけて苦しんでいる。何とか方法をかえなければいかぬ。またその時期も来たと考えている。しかし今お話のように、アメリカから食糧をもらつているのに、余裕綽々としたのんきな食糧政策は立てられない。だからこれは十分考慮しましよう。一日も早く考えなければならぬぞというような話があつたわけです。ところが、これは関係者が違うのでありますが、安本の係りの者が司令部へ行つたときに、四、五日あとでありましたが話があつて日本食糧需給推算を立てて来い、こういう指示があつたのであります。そういうことから私は二、三の責任者を呼びまして、こういうことを聞いた。これは食糧生産の基本法が改正される前であつて、当然考えなければならぬ問題だし、司令部は今までとはまつたく違う方針で考えているようでもあるが、それはそれとして、政府政府方針をきめなければならぬから、大いに研究しろと命令したわけであります。その研究を重ねておりましたときに、政務調査会の方でもこの話を聞きまして別に委員会をこしらえて、政府の係りの者に来て状況報告をしてくれ、意見を聞いてくれ、こういうことで経済安定本部で二回か三回会合をしたようであります。第一回のときは、私に様子を聞かしてくれというので、政調会の二、三の人の集まりましたところで、今申し上げた通りを話したのであります。それについてはひとつ研究しようというので、調査委員をこしらえて調査を進めて来たようでありますし、この間湯河原で会合したようでありますが、それは私の方から会合を求めたわけではありませんので、政調の連中が集まつて、さらに研究を進めたようであります。結論が出て政府と何か意見が一致したように考えておりますが、私といたしましては、あの結論に対しましては、全然反対ではありません。一部には同意する点がありますけれども、私の意見は一つもあそこに現われておるわけではないのであります。私といたしましては、すでに二十五年の米の生産は計画いたしまして農業者に供出の責任を持つてもらつておるわけでありますから、この二十五年度産米は、当初の計画通り政府はこれを買い入れ、また超過供出制度もあり、早場米奨励の施設も現在あるわけであります。何倍に買うか、どれだけの奨励食を出すかということは、まだ閣議で決定しておりませんけれども、政府としては当然この制度を持続すべきものと考えるならば、この二十五年の十月ごろにまきつける麦からは、あるいは新しい制度に切りかえて行かねばならぬぬかもしれませんが、現在青々としております今年収穫する麦、あるいは今苗しろにまかんとする米に対しましては、事前の計画通りつくるのが当然であり、またその方針は私は今でもかえておらないのであります。ただ二十五年の割当供出をした場合に、その残余を自由の位置に置く、いわゆる自由販売ということがうたわれておりますが、その問題につきましては、超過供出の制度のある以上は、自由販売ということは許されないわけであります。もし自由販売を認める場合においては、超過供出の奨励金は出す必要がなくなる。昨年のいもと同じようなことになるわけでありますが、今まだその結論は出ておりません。ただ、今まで考えております計画のもとに、二十五年の米作は進めて行きたいと言う考えを持つておるわけであります。
  42. 勝間田清一

    勝間田委員 そこでもう一つ問題になるのは、農林大臣がこの点をどう考えておるか。すなわち食料もずいぶん入つて来る。それから先ほど来話があつたように、関税の問題、輸入の問題等が向うから話が出て来る。そこへ持つて来てこの前までは政令で、ああいつた食確法の改正のようなことを実際は実行して、非常に強権的な供出制度をまだやつたばかりであります。そのやつたばかりの直後において、もう今年の産米がどうのこうのというような問題が出て来るということについて、一体これは供出制度にむりがあつて、どうも迷惑をかけたからというようなことであるのか、世界の食糧政策の上に大きな転換がある、特にアメリカの転換がそこにあるのか、こういう食糧事情の大きな変化をもどう理解しておるか。この食糧事情の大きな変化に対して、日本の農民をどう守つて行こうとするか、この点をきようはひとつ率直にお話を伺いたい。
  43. 森幸太郎

    森国務大臣 これは話が二つにわかれると思います。日本食糧をどうするかという問題と、その結果によつて日本の農村をどう守つて行くかという二つの問題にわかれると思うのでありますが、私は日本国民全体が外国から食糧を仰がなければならないという事情はわかつておりましても、できるだけ外国食糧輸入するということは、日本農業を将来圧迫することになるから、増産に協力して一トンでも外国食糧を駆逐する、少くするというこの協力がなければならぬのではないかと思うのであります。今食確法をやつたじやないかということでありましたが、あの食確法は、私が説明するまでもなく、事前割当をし、そうしてその割当か納まつたが、なお豊作であつた。そうして外国から食糧輸入するということがあつては、日本食糧事情が——アメリカからただもらう場合にはともかくも、金を出さなければならぬような場合にあつてはたいへんであるから、そういう場合に作柄のよかつた場合は超過供出をさらに数学的に割り当てて供出せしめるというのが、食確法の改正の目的であつたのであります。また一部に不作があつて、どうしても事前割当が完納できないという場合においては、補正減額をいたしまして、そうして片方に豊作の所があつた場合においては、そこから今申した補正増額と申しますか、できるだけ国内食糧を確保して、そうして足らぬ分だけを外国に依存するというのが私の考え方であります。今でもその通りであります。それでありますから、昨年の麦の收穫におきましても、なかなか政府の割当に応じてくれない。そんな割当はどうしても受けられない、中央調整委員会を開いたときにはそういう強力な反対があつたのであります。従つて仕方がありませんから、司令部の方へ交渉して割当もいくらか減額して割当をいたした、ところが供出になりますと、さきに考えた割当以上に供出があつた。こういうふうな問題が起り、どうも日本食糧政策に生産者である農家が協力するのかしないのかわからないというのが、司令部としての考え方であります。それで私はこのままにおきましては、やはり外国に依存せざるを得ないことになりますから、できるだけ国内食糧を生産して自給度を高めて、やむを得ないものだけは仕方がないから外国から買うという方針に持つて行かなければならぬ、かように考えておるのであります。ところで今外国から買つておりますのは、御承知のように割高であります。日本農産物より高いのでありますから、むしろ言い方によれば、高い食糧を食いながら、日本の農作物を安く押えておるというような考え方も一応考えられますが、今日配給制度をいたしまして、消費者と生産者両方の立場から、生産者の生産に要する経費、これは勝間田君もいろいろ御議論があると思いますが、あの価格決定の方式によつて一応やつておるわけでありまして、その価格以上の輸入食糧に対しましては、補給金をもつてつておる。こういう状況でありますが、もし将来において、安い外国食糧が来る。しかもその食糧価格日本農産物価格がしわ寄せされる場合において、日本農業経営ができないといつたようなことがあつては、それこそたいへんでありますから、そういう場合におきましては、政府政府の手において輸入、国産両方の食糧を管理いたしまして、そうして農業が経営し得られるように保護政策をとつて行く。いわゆる価格政策によつて農業を保護して行くという制度に持つて行かなければならぬ、かような考えを持つておるわけであります。
  44. 勝間田清一

    勝間田委員 そこで農業保護政策をとつて行くという場合に、やはり一番中心になつて行くのは、どの程度輸入に対する自主性があるかということに私は帰着すると思う。外国から来る食糧のみならず、関税輸入計画その他の問題についても、どの程度食糧輸入の自主性を持ち得るかということに、やはり帰着するのではないかと思う。それが完全に確保されていなければ、今農林大臣の言われたことは画餅に帰する。早く言えば非常に農民を圧迫する原因をつくることであると思われるので、その点についてはどういう政策をとつて行かれるか、この点をお尋ね目したい。
  45. 森幸太郎

    森国務大臣 それは現在のようにガリオア資金によつて輸入を受けておるという点につきましては、ほんとうに、自主的に日本がこれを考えることは全部にわたつて許されないことではないかと思います。しかしそれもいつまで継続されるかわかりませんが、長い期間ではないと考えております。しかも今後ガリオアは年々減らされて行きまして、今申しました三百十六万トンのうちで百五十万トンしかガリオアにはなつておらないのであります。従つて残りの百余万トンに対しましては日本の自主的な貿易の体形によつて輸入をして行くという自主的な立場に置かれておる、かように考えるわけであります。
  46. 勝間田清一

    勝間田委員 そうするとガリオアの條件もそういうふうになる。それから国内はやはり保護して行かなければならぬという面のことも出て来たわけであります。そういう面から言つて、先ほども二十五年度産米の問題について若干御意見があつたようでありますが、今後の食糧統制という問題、配給と供出という問題をどういうふうに推移されて行くか、その点を最後にお尋ねしたいと思います。
  47. 森幸太郎

    森国務大臣 まだ決定しておりませんので、今後供出制度をどうするか、配給制度をどうするかという問題ついては結論を得ておりませんが、私は有る期間、この市場操作のでき得る措置ができた上において、漸次自由な立場に置いて行くということであつて、今にわかに統制を全部撤廃してしまうことは、混乱に陷れるもので、消費者に非常な迷惑を来すということを私は考えておるのであります。まだ結論に入つておりませんから、こうする、ああするということは申し上げられませんけれども、今日供出の実情から、生産者がどういう立場におるかということも考えております。また消費者をにわかに全部自由市場に置くことにいたしますれば、正米取引所というものもできますが、それについては倉庫をつくらなければ、ほとんど役に立たない。そうして相当倉庫の管理をしなければ、これは実際に行われませんし、この市場を認めることについては、そういう相当の準備が必要である、かように考えておるわけであります。
  48. 勝間田清一

    勝間田委員 もう一つだけ……。それでは協定貿易に対して、日本食糧関係から見た発言権はありますか。
  49. 森幸太郎

    森国務大臣 それは閣僚審議会というものをつくつておりまして、各四半期別に輸出入の計画に基いてその品目をきめ、量をきめることになつておるのであります。
  50. 勝間田清一

    勝間田委員 その立案はどちらでしますか。
  51. 森幸太郎

    森国務大臣 通産省でやります。
  52. 勝間田清一

    勝間田委員 かなりわかつて来たように思うのですけれども、まだほんとうのところがもやもやしていてわからないので、今度西村政務次官にひとつふんどしを締めてお願いしたいと思うのであります。食糧輸入についての先ほどの農林大臣の話によりますと、ほとんど大転換があるように私たちは考えるのです。その場合に食糧輸入の自主権というものが、ほんとうにあれば私たちは安心もしておられますけれども、その自主権というものが、協定貿易なり、あるいはガリオアなり、いろいろの面でないのに、こういう政策に転換されることになりますと、私は日本農業の前途は非常な危險な状態に陷ると思う。この問題について安本はどう考えておるか、お尋ねしたいと思います。
  53. 西村久之

    西村(久)政府委員 私は輸入に対する関係は自主権があると考えております。
  54. 勝間田清一

    勝間田委員 現在の協定貿易の中で、食糧輸入については現在どういうふうに扱う計画をされておりますか。
  55. 西村久之

    西村(久)政府委員 実は協定貿易によります実績について、いつぞやの委員会でそういう点を考慮されての質疑かどうか知りませんが、米原委員からもお尋ねがあつたと思うのであります。その点については、米原委員からはつきりと具体的にまだお問いがなかつたので、私どもの方からもはつきりしないお答えを申し上げたのでありまするが、去年の四月以降の上半期の貿易状況は、米原君も指摘されたように入超と申しまするか、日本貿易じりがだんだん資金が減つて参る経緯をたどつたのであります。     〔委員長退席、永井委員長代理着席〕 従いまして、一月から六月までの下期の協定において、上期で食い込んだものを調整する形によりまして、六月末の国際協定貿易関係の收支のバランスを、元へもどすという形に協定をいたしておるわけであります。つまり上期の食い込みは、下期の輸出を増して、輸入関係とバランスをとつて、こちらの方の輸出がふえる、こういうような意味の協定をいたしておるわけであります。そのうち食糧がどれだけ入つてつて、どういう関係になつておるかという内部の関係は、ここに数字持合せがありませんが、一九五〇年、今年度貿易協定関係内容はそういうようになつておると記憶いたすのであります。
  56. 勝間田清一

    勝間田委員 ローガン構想は、輸入先行という状態をつくり出しておいて、初め非常に輸入をやつて、下半期において輸出をやつて行くのだというお話であります。それについて言えば、この三百四十五万トンというような食糧を、しかも先ほどのお話のような非常に厖大なるストックを持つてつて行こうという形では、日本貿易の自主性がどうしてもそこに認められていない証拠じやないでしようか。
  57. 西村久之

    西村(久)政府委員 先ほど農林大臣のお答えは、その点がはつきりせなんだようでありますが、二十六年度と申しまするか、次年度への持越量を私が三百七十万トン程度であるということを申しましたのは、実は前年度よりも、御意見の通り持越量かふえる形になつておるのであります。その点に疑義があるのじやないかと思います。その持越量がふえております見通しの上からと申しまする関係は、御案内の通り先ほど勝間田委員から御指摘になりせんが、大体中央に食糧管理庁と申しまするか、管理部と申しまするか、そういうものを置きまして、末端はこれを自由に切り放そうという考え方をしておるわけであります。従いまして各府県に昔の卸商、問屋と申しまするか、卸商式の店が複数制に制定せられまして、その卸商の下に多数の小売商ができるわけであります。その多数の小売商は消費者の方の登録制によつて扱い得る数量がきまる。この小売商の登録を集録したものが卸商に集まつて、その卸商の、取引数量かきまる。こういうような機構で将来進まなければならないのではないかという一応の考え方をいたしておるのであります。こういう機構に改めまするその過程におきまして、食糧が不足を訴えて参るというようなことになりますると、ここにまた食糧にある程度不安を感ずるわけであります。のみならず、二十五年度は御案内の通り、国外的には外国食糧輸入いたしまする関係が、先ほど農林大臣もお述べになりました通りに、援助資金関係から貿易資金に切りかえられつつある状態に置かれておるのであります。この間を一本で行かない関係から、予定してある食糧を完全に確保するという見通しがつきかねる関係等も考慮いたしまして、そこへ多少のゆとりを持たせる持越しを考えなければいけないじやないか、かようなことで実は三百七十万程度持越し予定いたしておることを、御了承おき願いたいのであります。
  58. 勝間田清一

    勝間田委員 政務次官の答えは、かなりその意味ではつきりしたのでありますが、配給機構をかえること、すなわち配給機構をかえて行けば、そこにかなり滑剤としての持越量が必要となつて来るということと、それからもう一つは、ガリオアをフィナンシャルな資金にかえて行くために、将来あやしいし、困難が来る場合があるから、現在買いだめて置くのだということで、持越量が三百七十万トンになるという御説明があつたのであります。そこで今の配給機構を今いつたような姿にかえて行くのは、いつからかえて行かれるか、その点をお尋ねいたとたいと思います。
  59. 西村久之

    西村(久)政府委員 的確にここで申し上げる段階ではないと存じまするが、今担当の安定本部で考えておりまする時期は、正確な発足は来年の一月一日から発足いたして行きたいと、希望いたしておるわけであります。ただその間末端配給をここへこしらえる資金面の問題が伴うて参るのであります、莫大な金を要します関係上、十月ごろから発足する段階に至るべく、心構えをとりまして、それまでの間に諸種の準備を整えさせて、準側が完了いたしますれば、一月一日からやらせる、こういうふうに大事をふんで進みたいと存じます。問題が出て参りますのは、今年の五、六月ごろからそういうふうな機構をこしらえるべく、地方の指導もいたさたければなりませず、また地方における資金の調達の面も、地方々々で考慮していただきまして、政府もある程度これを指導して行きつつ、十月ごろに大体それが見当がつくであろうという見通しがつきますれば、一月一日を期してやりたいというふうにも現在は考えておるわけでございます。
  60. 勝間田清一

    勝間田委員 その場合において一つ問題になるのは、資金も問題になりましようが、同時に共同の販売組織を認めて行くのか、行かないのか、それかららもう一つは、委託になるのか、買いとりになるのか、この点をお尋ねしたい。
  61. 西村久之

    西村(久)政府委員 中央から地方卸売商に。その卸売商の登録に基きまする権利と申しまするか、扱い得る数量を中央から——従前公団に送りましたような形で、送つてやりまして、中央はその卸売商と決済をいたす仕組みになるのであります。それで卸売商は自己の資金をもちまして、それを買いとつて、その買いとつたものを、登録いたしましたところの小売商に、末端の登録を土台とした、こなし得る数量だけのものを、渡しまして、小売商店から金を徴收する、こういう段階になつて参るのであります。そういうふうに考えておるわけでございますので、御了承おきねがいたいのであります。
  62. 勝間田清一

    勝間田委員 時間も何ですから、最後に今度は価格政策について、若干お尋ねしたいと思います。今は高い輸入食糧が入つて輸入食糧補給金も多額に出している状態であります。これも適当な安い地域からなるべく輸入するという方法をとれば、私はかなり下る可能性を持つていると思いますし、それから今後はやはり世界の農業事情等を勘案してみれば、確かに農産物価格は安くなると、私は考えているのであります。その反面に、一体日本主食価格をどういうように、これを落ちつけて行かれようとするのか、これを私は重要に思つているものであります。それは今ではパリティーはきまらない、まだ尚早だというようなことにもなろうかと存じますが、そうじやなくて、たとえば現在の政府状態を見ると、小作料及び地価をだんだん上げて行くというような傾向があるようであります。その基礎のもとには、また地方税が今度は相当土地にかかつて来るということがいえると思います。そこへまた肥料補給金が撤廃されて来る状態もあろうと思う。この税改革が米に及ぼす影響、あるいは今言つた肥料その他の予算措置が、米の生産費に及ぼす影響等々を考えて行きますと、日本国内主食の生産費価格は、今後は決して下らないと私は思う。むしろある程度上るのじやないか、また上らなければならないのじやないかというような考え方がいたします。そこで主食農産物価格政策をどういうようにこれから調節し、国際価格との関係において農業を保護して行くか、この問題についてできるだけ具体的な例でお話を願いたいと思います。
  63. 西村久之

    西村(久)政府委員 勝間田さんの御意見はごもつともであります。安定本部の私どもの考え方といたしましては、日本農産物価格は、決して他の物価に比べて高いものと考えておりません。しからばというて、今日の価格を持続して行くかということになりますと、これを持続して行くことになれば、結局農家が負担等の関係から考えて、苦しみを長らくしなければならないという結果になりますので、経済安定の見通しがつきますれば、国際価格日本農産物価格はさや寄せして行くという方向に、進んで行きたいものであると考えております。
  64. 勝間田清一

    勝間田委員 国際価格へのさや寄せということになると、現在の国際価格ではけつこうでありますが、今後予定される国際価格にさや寄せすると、かえつて安くしなければならぬ條件が出て来るのではなかろうか。そこで一つ私の最後にお尋ねしたいのは、日本農産物最低価格保証という線が出て来て、国内と国外というものは。ある程度また遮断して、その間の問題は、プール計算なり、あるいは消費者が負担するなり、あるいは国家がそれを負担するなり、とにかくそこで国内的には最低価格を、国外的にはその日本への影響を調節するという問題が、出て来るのじやないかと私は思うのであります。私は單に国際価格にさや寄せするという言葉では、済まされない事態が来たのではなかろうかと思うのであります。もう一度この点についてお考えを伺いたい。
  65. 西村久之

    西村(久)政府委員 お説の通り、現在は国際価格が高いのでありますが、将来を考えて、しからば国際価格日本農産物の生産価格よりも下に来る場合には、一体どういうふうにするのかというような意味の御質疑だと思いますが、御承知通り向うが豊作であり、数量が多いからと申しまして、ヨーロッパあるいはアメリカ諸国のあらゆる物価対策と申しまするか、経済上の変動に伴いまして、向うの物価も左右せらるるものであろうと思うのであります。今日の段階から考慮いたしまして、豊作があつたからというて、一年や二年で向う農産物価格だけがとつぴようしもない安い値段に落ちて来るという考え方は。実はいたしていないのであります。日本農産物が現在実際国内の物価の価格より以下に、押えられているのじやないかというような考えがいたしまするので、先ほど申しましたようなおいおい国際価格にさや寄せをして行く、こういうふうな意味で申し上げたわけであります。向うの物価が下つて来る時分には、おのずから向うの経済情勢が非常に変化を来して参る時期でなければならぬ、かように考えるのであります。その時分には国内の経済情勢も農村ばかりでなしに、全体を通じて経済情勢がかわつて来るものと、私は考えておるわけでございます。
  66. 勝間田清一

    勝間田委員 しかし先ほど農林大臣からお話のように、たとえば国際小麦協定に参加した場合に、九十万トンにしても、百万トンにしても、いろいろの数字になつても、最低価格はもうすでに国内生産価格を下まわるわけであります。現在国内生産価格を、小麦協定最低価格にすれば一〇一・三%になることは、先ほど農林大臣からお話になつた通り、だから現在の国際小麦協定の最低値段をもつていたしましても、現在の内地産の小麦というものは、外国小麦よりもCIFに持つて行つて、しかも高い。だから私は現在の価格はどつちかというと、峠の上に立つておると思うのであります。これからはむしろ下る條件の方が多くなるのではないか思うのであります。そこへもつて来て現在の国際小麦価格が、そういう状態で必ずしも最低ということをすぐとるのは、あるいは西村さんのおつしやる通りむずかしいかもしれませんが、條件はそういう條件があることは確かに事実なのであります。そこへもつて来て日本の今後というと、一年先になりますか、半年先のことを考えますと、さつき言つたように、生産者が上つて参るわけであります。だから現在の小麦値段というものは、当然上げざるを得ないということになると、国際小麦協定値段というものから見ると、非常に大きな開きが出て来て、むしろ内地産のものが高くなるという状態が来ておると思うのであります。もう一つ私は西村さんと若干意見が違うのでありますが、アメリカ小麦がとにかくあれだけたくさん豊作になつてつて、しかも現在の価格を維持しておるということは、私はむしろガリオア・フアンドがあるからこそ、政府支出があるからこそ価格が維持されておるのであつて、もし政府小麦その他を買上げて欧州なりに送つておるという状態がなくなれば、むしろアメリカの方ではかえつて麦の値段というものは安くなつて来るというように思う。現在はむしろ政府によつてそれが維持され、引上げられておるのだ、それが証拠にはアメリカアルゼンチン、その他の国の食糧値段も、私は相当違うのではないかと思うのであります。だからアメリカ小麦等が今後値上りして行くのだという、そういう観察をされることは大きな間違いでなかろうかと考えておるのであります。しかしこれは議論にわたりますので、御答弁はあるならばけつこうでありますが、なければ私の質問は、大体これで終りたいと思います。
  67. 永井英修

    ○永井委員長代理 勝間田委員にお尋ねしますが、今食糧庁長官が見えておりますが、御質問はありますか。
  68. 勝間田清一

    勝間田委員 先ほどの数字をお知らせ願いたいと思います。
  69. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 外国食糧と内地の食糧との価格の比較というお話でありますが、小麦について申し上げますと、ただいま買つておりますものは、トン当り平均九十五ドルでございます。これを換算いたしますと、トン三万四千二百円になります。それの現在の内地における販売価格、これは生産者価格にその他の中間経費を加えたものでありまして、これがトン当り二万三千七百五十円八十銭、そういうことに相なつております。それで結局この差額が補給金として出ておるわけであります。この補給金は一万四百四十九円三十銭、こういう価格に相なります。それから御参考までに小麦協定に参加いたしました場合の小麦の最高面格と最低価格というのがございます。最高価格は八十六・五十ドル、換算いたしまして三万一千百四十円、こういう価格になるわけであります。最低が八十一・五十ドルでございます。大麦は七十二ドルで大体買つております。換算いたしますと、二万五千九百二十円に相なります。内地の販売価格でございますが、二万五百十一円、それからライ麦は七十二ドル、やはり二万五千九百二十円、これの内地の販売価格が二万三十七百五十円八十銭、それから米でございますが、昨今の米は大体百二十ドルぐらいでございます。朝鮮米は百四十二ドルでございますが、その資料を整理いたしましたときの大体の見通しとしまして、百六十ドルに見当と想定いたしておりました。百六十ドルといたしますと、五万七千六百円、内地の販売価格が三万四百九十七円五十銭、百六十ドルの問題は大体一割五分、二割近くのものが下つております。大体そんな見通しでございます。
  70. 勝間田清一

    勝間田委員 小麦及び米ぐらいでいいと思いますが、国別にかなり値段の違いがあるのではありませんか。その点がわかりましたらひとつ……
  71. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 手元に資料はございませんが、私の方で昨今の国別の市況を調査して整理したものがございます。あしたにでも資料としてこちらにお届けいたします。
  72. 勝間田清一

    勝間田委員 農林大臣に先ほど聞こうと思つてつたのですが、最近湯河原会談か何かやられていろいろの結論を出されたようでありますが、しかし農林大臣とかなり意見も食い違つておるように、先ほど答弁にもございました。また新聞紙上によると秘密協定——秘密協定というか、秘密的な條項もあることも実は聞いております。しかし苗代を始めて行く農民としては、非常に関心が深いのでありますから、この内容を公式に一ぺん御説明願いたい。     〔永井委員長代理退席、委員長着席〕
  73. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 新聞等に出ておりますように、会談あるいは秘密協定でありますとか、あるいは最終的な結論を得たというようなことはございません。いろいろ今後の食糧行政を考えて参ります上に、いろいろ意見の交換をしておることは事実でございます。またいろいろな事情からいたしまして、この際日米側の政策の転換についてのまとまつた意見を、至急にとりまとめなければならぬような状況もあるわけであります。そのためにトピックといたしまして、いろいろな点についての論議をいたしたのであります。もちろん非常にむずかしい問題でありまして、早急に最終的な結論等は、私どもは持ち得ないのであります。従つてただいまお尋ねがありましたような、ここでこういう結論を得た、あるいはこういうような内容で行こうというような点はございませんことを、御了承願いたいと思います。  ただ問題といたしまして、どういう点が論議されておるかという点を、御参考までに申し上げておくことが適当と存じますので、それを申し上げてみたいと思います。御承知のように、食糧確保臨時措置法が来年の三月をもつて失効いたします。現在までの食糧確保臨時措置法の運用に当つて参りますと、食確法自体に運用上非常に困難な点が多々ございます。それから理論といたしましては、まさしくその通りでありましても、現状からいたしましてその通りに、なかなか運用のできない問題も生じて来ておるのであります。従つて食糧確保臨時措置法を、そのままの形において来手三月以降も持つて行くということは、なかなか困難でもありますし、適当ではなかろうと思つております。この点についてはもう少し従来の運用の状況も参酌いたしまして、別途な方策を考えて参らなければならないのじやないか、かように考えておる次第であります。それから現在の食糧管理形態を考えて参りますと、昨今において相当配給辞退が出ておるということであります。今年の麦については相当そういう問題も大きくなつて来るのではないか。要するに全国のプール計算方式による統制方式というものは、いろいろ矛盾のあるものであります。産地におきましては生産者価格よりも高く、消費者価格よりも安く物が流れる。従つて統制がなかなかその通りには行われない、計画的に行われにくいという実情が、ぼつぼつできて来ておるのであります。この矛盾は、今年の麦類の収穫以降においては、相当顕著になつて来るのではないか。そういう点からも食糧管理制度自体の検討を必要とする面も出て来ておるのであります。しかしながら何と申しましても、日本といたしましては三割五分ないし三刷程度食糧輸入をやらなければやつて行けないような状況にありますので、外国食糧を将来にわたつて政府が一手に掌握いたしましてやつて行くことが、生産者のためでもあり、また消費者のためにもなるという政策樹立の基本になるのではなかろうかというふうに、一応考えられるのであります。そうした場合に、内地の食糧についてもやはりいろいろな矛盾が出て来るにせよ、ある程度の統制は継続して行く必要があるのではないか、その辺はどのような限界をとるべきであるか、またそれと並行いたしまして今後の外国の穀物価格が、どういうふうに変動いたして行くものか、あるいは内地のパリティー指数にどういうふうな変化があるだろうかというような点もにらみ合せまして、問題を処理して参らなければならないというふうに存じておるのであります。そうした点についていろいろ意見を交換いたしたのでありまして、新聞等にも出ておりますような秘密協定でありますとか、あそこで一つの結論を出したということはございません。この点は御了承願いたいと思います。これは非常にむずかしい問題でありますので、今後各方面の御意見を十分に承りまして、当局としては一つの成案を得て参らなければならないと思つておる次第でございます。
  74. 米原昶

    ○米原委員 これは食糧庁長官関係になるかどうかわかりませんが、ほかの方がいらつしやらないのでお尋ねいたします。先ほども農林大臣からお話があつたのですが、ビルマの米の値段現地では非常に安いということですが、その間の事情はどういうことになつておるのか、御存じであつたならばお伺いしたいと思います。
  75. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 詳しい実情は私も承知いたしておりませんが、百二十ドル見当で、現地における生産者価格は、日本に入つておりますもののおそらく半値くらいだろうと思います。国内におきまする販売価格は輸出ものよりも三割ないし四割安ということじやないかと思います。その間に相当の値開きがあるわけであります。これがどういう形でどういうところにビルマ国内において流れているかということは実は承知しておりません。また相当の値開きがあるということだけは事実でございます。
  76. 米原昶

    ○米原委員 シャムの場合も何か二重価格制度になつている、現地では半値以下になつているということを聞いておりますが、そういうような事実があるのですか。
  77. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 シャムにおきましても、ビルマと大体同じような状況だと思います。
  78. 米原昶

    ○米原委員 ビルマからの輸入計画でありますが、今までのビルマの米の輸出状況を見ますと、戰前まで——戰後もそのようでありますけれども、相当大きな量がたしかインドの方に出ておつたと思うのですが、今度これだけ日本に来るとなると、インドの方に行くのが非常に少くなつて、その点でインドとビルマの間に問題かあるということを聞いておりますが、そういう点は御存じでしようか。
  79. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 日本に参りますものが多くなりました関係で、インド向けが少くなる、その結果問題があるということは私はあまり叩いておりません。もちろん従来の取引関係から見ますと、ビルマの米は相当インドに流れておつたようです。御承知のように、昨今インドといたしましては振興の気分に燃えておりまして、国内の各種の増産施策に相当力を入れているようであります。その一つといたしまして、食糧の増産と申しますか、米の増産にも非常に大きな努力を拂つているように私は聞いております。インドの低濕地帶の開拓というようなことにつきましては、南米あるいはアメリカ等の機械化米作などを取入れまして、インド政府といたしましては国内の大増産をはかつて行こうという状況にあります。それにいたしましても、インドとしては相当食糧を当分入れなければならない。日本向けが多少ふえましたけれども、そのためにインドにいろいろな問題を起しているということは——あるいは通商関係の上では問題を起しているかどうかその点は存じませんけれども、大した問題ではなかろうと思つております。
  80. 米原昶

    ○米原委員 それから先ほど安本の政務次官がおつしやつたのですが、日本のポンドが非常に不足している状態になつたので、実際にはなかなかポンド地域からの輸入計画ができないような状態であるということをおつしやつたのですが、それと関連して、東南アジア向けに肥料の輸出の問題が出ているようでありますが、これはどういうような状態になつているのかお聞きしたい。
  81. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 肥料輸出の問題は私承知いたしておりませんので、別の方に連絡をとりましてまたお答え申し上げることにいたします。ボンドが非常に不足いたしておりまして、その面からの輸入が困難であるということはその通りであります。
  82. 米原昶

    ○米原委員 それでは食糧庁長官に聞きますのは、ただいまもお話にありました湯河原会談で問題になつておることでありますが、大体どういう事情で問題になつたということだけおつしやつたわけであります。先ほどの農林大臣の話を聞きますと、結論はまだ出ていないようで、聞いてもむだかもしれませんが、大体の根本的な考え方でありますが、供出量を今まで三千万石のものを三千万石に——二千万石かどうかしりませんか、相当減らして、そうして配給量を二合七勺よりもつと下げて、あとは自由にするというような行き方のことが問題になつておるのでありましようか。そういうような考え方が大体考えられておるのでしようか聞きたいと思います。
  83. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 速記を止めて……     〔速記中止〕
  84. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 速記を始めて……
  85. 米原昶

    ○米原委員 一ぺん確かめておきますが、現在の供出制度は完全なものでないと局長も考えておられるでしようが、どういう点がいかぬと考えておられるか聞きたいと思います。
  86. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 私どもは食確法を運用して、何と申しますか、困難をいたしておりますのは、具体的な問題はいろいろあろうかと思いますけれども、補正量を個人別に公正になかなか決定できないということが一つあろうと思います。事前割当制度でありますので、事前に生産目標を示して、その後災害等があれば、その分は引いてやるということにいたしております。ところが一人々々の実收高というものは、実ははつきりいたさないのであります。その実收高から保有量を差引いて、残り全部供出してもらうということになつておるわけでありますが、生産計画並びに供出計画というものは、御承知通り上から下りております。政府、県、市町村、個人という形に行つておるのであります。その間に資料ももちろん整備しておりますし、また実際御承知のように面積等についても、いろいろ意見がありますので、そういう点の大きな食い違いが個人々々についてはあると思います。そうした基礎の土において事前割当をやつて、災害があると引いてやる、こういうもののなかなかその通りには行かない。引くにいたしましても、御承知のように、昨年等は生産者の意見をまとめたものと思われる府県の減額要請が千二百万石くらいになるのであります。県からはどうしても災害のために供出を減らしてもらわなければならぬと言われるものは一千万石を越える、私どもは必ずしもそうは思わない。しかしまた政府のきめたのは二百四十五万石でございますが、これも必ずしも適正であるという確信もなかなか持ち得ない。それが順次末端に下るに従いまして、いろいろ不明確な点が出て参りまして、災害を受けた農家は非常に気の毒な状態に追い込まれる、災害を受けない農家は比較的にその点においては惠まれるというような、供出に対する不均衡が実際問題として出て来ておるのであります。その辺は現在の事前割当制度では解決が困難ではなかろうかというような印象を持つております。
  87. 米原昶

    ○米原委員 そういう点確かにあると思いますが、それもそういう欠陷が出ているもつと根本的なやり方に、問題があるのではないかと思うわけでありますが、たとえば今度の三・一センサスで数字は忘れましたが、あれで耕地面積はどのくらいになつておりますか。戰前の昭和五、六年ごろ一般に言われていたのは、たしか六百万町歩くらいだと思います。ところがあのセンサスで見ると、四百何万町歩というような数字が出ているわけです。実際にはそういうことはあり得ないと思います。実際にそれだけ耕地面積が減つているとは考えられない。これは供出制度が事実上そういうことをさせているのではないかと考えざるを得ないのですが、この点についてお考えを伺いたい。
  88. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 作付面積の正しいかどうかは別といたしまして、生産高でありますとか、あるいは作付面積等が供出制度が順次強化するに従いまして、それが隠れて行つたということは争いのない事実であろうと思います。供出を嚴重にやるに従いまして、生産高についても隠れるものが相当出て来た。そのためというわけではありませんが、作物報告事務所等ができまして、その点は順次正しいものをつかもうという努力をいたしておるわけでありますが、それが個人別にはなかなかはつきりいたしません。国全体として、あるいは県全体として、昨今は一部は町村の段階まで行つたところもあります。その点で作付面積というようなものは、順次はつきりはいたしておりますが、しかしそれは必ずしも個人別にははつきりいたさない。その町村といたしましては、何百町歩の面積があるはずだというだけでありまして、それがだれの分がいくらであるということは、はつきりしないのであります。ところが供出とか、あるいは生産の割当等になりますと、個人々々の供出量、個人々々の生産量というものが、もつと切実な問題になつて参ります。その点に非常に大きな食い違いができるのであります。それから今年は地方によりまして、町村の段階までの面積、あるいは收穫量というようなものを調査いたした部分もあります。その結果、食確法の運用上非常にプラスになつたかと申しますと、実はそうプラスにならない部面も出て来たわけです。これは非常に感の行政で、そういうことは理論的におかしいじやないかという批判を受ければそれまででありますけれども、統制なり、供出制度をやつてからかれこれ十年、この間各地方、各町村の事情が織り込まれまして、各町村のバランスをとつた供出割当が実際に行われておつたと思います。それが実状と非常に食い違いのある場合には、その次の年にはある程度直されてある程度均衡がとれておる状態にあると思うのです。ところが町村ごとの数字が作報の方へ出て参りますと、それとまた非常に別な形がそこへ出て来ておるわけであります。そしてある村は非常に軽くなり、ある村は非常に高くなつておる。そこで従来の均衡が数字的基礎の上において、くずれて来ておるという現象があるわけなのです。そういたしますと、その間の調整が非常に困難になつて来る。もちろん基礎数字がほんとうに確かなものであつて、何年間かの経過をたどつて、その形に持つて参りますことが最も望ましいと思いますが、過渡期におきましては、そういういろいろな困難が地方で起きておるということも事実だろうと思います。お答えの点には直接沿わないかもしれませんが、そういうように思つております。
  89. 米原昶

    ○米原委員 私もその点同感でありますが、そこに供出制度が日本農業の実態を非常にゆがめてしまつたのではないか。そこで現在の供出制度を理論的にそのままあてはめようとしてああいつた作報なんかで調査をやる。調査をやつて実際にうまく行くかというと、決してうまく行かないという現象が逆に起つて来ている。実際あの数字を見ましても、ああいう数字を元にして日本農業の方策を立てることはできないのではないかという感じがしたわけなんです。戰前と比べても、百五十万町歩近くも作付面積か減つておるということは、実際考えられないのです。百五十万町歩というとも大体四分の一も減つておるのでありますが、われわれ農村をまわつても、そんなことは実際に考えられない。むしろ戰後最近の状態では、戰前よりも作付面積かふえておるところが、多いのではないかというくらいに感ずるのであります。ところが表の数字はそういう数字が元になつてできている。供出の問題にしても、そういう数字が元になつてやられておるが、実際にはそれ以上だろうということは理論的にもわかる。そこでそれを矯正するために、食確法の問題とか、いろいろな問題が起つたのだろうと思いますが、それをやつても結局いけないというところに問題があるのだろうと思います。そこで日本食糧が実際に需給力がどのくらいあつて、どのくらい輸入したらいいのか。先ほども輸入食糧はできるだけ不必要なものを入れぬようにする方針だというお話があつた。ところが事実のところは、日本に実際にある食糧の実態を、ほんとうはまだつかめないのではないかという気がするのです。今までのところは農村によつて、また農民の層によつて非常に違いがありますが、何としても供出が非常に負担になつて、供出したくないという傾向が強かつた。しかしことしになつて来ると、相当多くのところで、むしろ進んで供出をやるというふうになつて来ておるのではないか。つまり非常に不景気になつて来たということですね。そういう状態になつて来ると、この輸入食糧の問題と関連して、今までのような表に出た数字を元にして考えると、非常に間違つた結果になつて来るのではないか。一旦方策をかえた場合に——かえなくても今年の調子では相当食糧か出て来るのではないかと思うのですが、かえた場合に意外に日本食糧が多いという結果が出て来て、それがむしろ過剩になつて来て、農村を圧迫するようになつて来るのではないかという気がするのであります。そこに問題があるのです。表に出た数字以上のものが実際にあるということを、どうしても考えるのであります。実際には配給量だけで食つておる国民は非常に少いのではないか。実際は食糧ははるかに多いのじやないかという気がするのでありますが、大体日本において食糧は実際にどのくらいあるとお考えでありますか。
  90. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 要するに供出面に載つております三千万石程度政府の收買数量のほかに、流通過程に入ります数量が、どのくらいあるかというお尋ねのようですが、これはこの間もあるところで議論かあつたのでありますが、結局実はわからぬというようにお答えをするよりほかはないと思います。やはりそのときの経済情勢によつて、これは非常に変化をいたします。昨今のように農村の金詰りがひどくなりますと、その量がふえて来ておる。それほどの金詰りが農村にありません場合には割合に少い。しからばその限界はどの程度であるかということになろうかと思うのであります。これは私どもといたしましても、簡單に申し上げるわけにも参りませんので、実はわからないと申し上げるよりほかはなかろうと思います。しかしそういうものが相当あるということだけは事実だろうと思います。従つてそういうものがプラス・アルファー、国内供給としてあるわけであります。いろいろ議論の際にそのプフス・アルファーを非常に多く見ますと、日本では大体食糧の自給ができるのだという議論になつて行き、それを非常に少く見ますと、三百万トンか四百万トンのものを入れなければならぬということになつて来るのであります。それはそのときのほかの経済的な情勢と、国内におきますいろいろな取引機構の問題とからんで、その間に若干の彈力はあると思います。しかし絶対量においては私どもは足りないと考えております。御承知のことでありますけれども、朝鮮や台湾から千万石から千五百万石も入つて、当時の人口が六、七千万人であつたということを考えますと、八千万以上の人口をかかえまして、そういう給源が全然ないという場合に、国内食糧だけでもつて食糧が大体まかなえるというようなことは、どういう方策をとりましても、むりではないかという気がいたします。
  91. 米原昶

    ○米原委員 二十四年度輸入食糧でありますが、予算より相当たくさん実際には入つて来たのではないかと思いますが、現在までにどのくらい入つておるかということを伺いたい。
  92. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 正しい資料については別にお答え申し上げたと思いますが、二十四年度会計年度で申しますと、二十四年四月一日から二十五年三月三十一日までに、トン数にいたしまして二百六十三万五千トンが入る見込みであります。
  93. 米原昶

    ○米原委員 私数字を忘れたので、ちよつと伺いたいのですが、予算に組まれた額より大体何万トンぐらいふえておりますか。
  94. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 予算は二百四十万トン程度だと思います。ただこの二百四十万トンは原穀と申しますか、小麦であれば小麦、米であれば米の原穀のトン数であります。私が申し上げました二百六十三万五千トンは、全部を玄米に換算したトン数であります。だから原穀に直しますとこれより一割程度またふえるということになるのであります。どうぞそんな見当で御比較を願います。
  95. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 竹山君。
  96. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 今議題となつております飲食営業の法律の問題について、安本と同時に農林省に伺いたいのは、現行通りで延期するということになつておりますが、食糧の情勢が非常に急変をして来たのに対して、この法律について政府は中味をかえられるお考えはないのか、その点をお伺いしておきます。
  97. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 ただいまのところは中味をかえる考えは持つておりません。
  98. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 現実の情勢か非常にかわつて来ておるということは私が申し上げるまでもない。それに対して今国会でそのまま法律を延長しても、すぐ修正しなければならぬということが起るのじやないかと私は思う。ことに輸入食糧アメリカ予算とにらみ合せて、最終的な決定を行う六、七月後において、これを直すというような必要が起るようにも考えられるが、その時期においても政府はかえる見込みを持つておらないかどうかを何つておきたいと思います。
  99. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 ただいまのところは私といたしましては、ぜひ延長をお願いいたしまして、やつて参りたいと思うのであります、今後の情勢の変化につきましては、実は先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましても確たる見通しは、なかなか困難であるのであります。今後の情勢の推移によりましては、またこれを改めますなり、別途の方策を講ずることが、適当であるようなこともあり得ると考えます。
  100. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 つつ込んで少し伺いたいのは、私は今後の食糧の情勢の一番大きな変化は、米と小麦粉の比率の問題であろうと思います。今までより一層小麦の消費量をふやさなければ、やつて行けないように思うのでありますが、そういう点について今後の消費の方面の趨勢とあわせて、どういうお考えで進むつもりか、ひとつ安本当局の御見解を伺いたいと思います。
  101. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 米と小麦粉の比率をどうするかという比率の問題でありますが、われわれの見通しといたしましては、今年と来年はそう大きな変化はないというように考えております。昔の米と小麦粉とを比べて、その当時より小麦粉の消費量が相当ふえていることは認められますけれども、本年度から来年にかけて小麦粉の消費がふえるという現象には、あまり大きな変化はないものというように考えております。
  102. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 今、外食券制度とかいろいろややこしい制度がありますが、もうこの段階に来れば、米とか、小麦粉とか、麦とか、そういう券を出せば、——米と小麦粉のわくはある程度守らなければならぬが、そのおのおのの中においては、自由に消費のできるような状態に持つて行く方が現実に合うように思う。これは今の段階でも一向さしつかえないように思いますが、これに対するお考えを伺つておきたい。
  103. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 われわれの見通しといたしましては、日本人の今の消費性向といいますか、消費の方法といたしましては、むしろ米の方は需要の緊要度が強い、メリケン粉の方は米に比較いたしまして、需要の緊要度はやや低い。こういうように昨年のCPSの分析から考えておるのであります。従いまして米でも小麦でも自由であるということになりますと、米のやみ価格、そういうものの需要が上る。むしろ小麦粉よりは米の方に需要があるということになりまして、一般の消費者にとりまして小走粉そのものが少くなる、むしろ配給面から統制その他の方法に影響を及ぼすということを、懸念いたしておるのであります。従いましてただいまのところは政府といたしましては、配給統制をいたし、かつ米麦の消費規正というものも、なおかつ守つて行くということの方がより安全ではないかと考えておる次第であります。
  104. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 私の申し上げたこともそういう意味なのです。私の盲つておるのも、米と小麦の比率というものは維持するというよりも、相当強化して行かなければならぬ。今お話のように国民の嗜好には少しむりが行く程度に、小麦の消費量をふやして行かなければならぬのが、日本食糧情勢じやないかと思う。これをもう少し端的に例を上げて申し上げるならば、そういう意味において自由選択制をとるならば、どうしても米の方に偏して行く。だから逆にどうしても小麦の消費をふやす方向に食糧の管理、配給制度をもつて行かなければ、これを維持することは困難だと私は思う。そういう意味から、現在小麦の消費の方法について非常にきゆうくつな方法をやつておる、パンとか麺とか非常にきゆうくつな消費の方法をとらせておるところに私はむりがあると思う。だから小麦粉については消費者が自由にその消費のでき得るように、いろいろなこまかいわくを、もし支障がありとするならば、この法律改正の際にその程度のことならば現行法でやり得るかどうか、そういう点を私は一つの例として懸念をし、また考えますから今伺つておるわけで、この点に対してひとつ……
  105. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 今の御質問の、日本小麦粉の消費をばふやして行つて、米の需要を小麦粉の方に転化して行く方が、よりよいというお話でありますが、それについて考えられる点は、一つの小麦の製粉歩どまりの問題と考えます。それからもう一点は、やはり小麦粉そのものの価格になると思います。前者につきましても後者につきましても、新しい麦の生産者価格等がきまります際に、研究をいたさなければならぬ問題だと思います。方向といたしましては、われわれとしては小麦粉の方をより安く、より上質のものを配給いたしますことによつて、徐々に解決をいたしたいという考えでおります。
  106. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 その問題はその程度にいたしておきますが、私例示的に申し上げたのは、たとえばパンとか麺とかいうことで、非常にきゆうくつに今配給の方法をとつているが、これを今の法律の制度で白田になし得るならば、消費者は小麦の券でもつて、何でも食えるというふうな方法を、都市においてとることの方が、消費者は非常に便利になるであろう。同時にそれが消費量をふやす方法である。そういうことが現行法でやり得るかどうかという点を、少しこまかい問題だから、あとでひとつ御答弁をいただきたいが、さかのぼつて私がこの麦の問題を強く申し上げるのは、現在の食糧情勢の急変に対処して一番の問題は、私は麦だと思う。先刻安本の西村次官の答弁を伺つてつても、米の問題の方にまず重点を置いてお考えになつているのではないかという感じを私は受けた。私は今の日本食糧政策からいつて、米の問題はさしあたり大した心配はない。むしろ麦だ。麦に対する食糧政策がしつかりとられるかどうかということが、一番眼目であると思う。私が申し上げるまでもなく、かつての農村恐慌のときにも日本国内生産が一千万石に低くなつてつた。これが実質的には農業の恐慌の実態であつた。それを農林省が、小麦の五箇年計画で三千五百万石まで、急速にふやしたという実績から考えても、私は日本の置かれている状態が、政府食糧政策のやり方いかんによつては、かつて農業恐慌の実態と同じように、国内の麦の生産というものが、急速に減退するおそれがある。しかし米は決して減りはしない。食糧を、国民あるいは都市の人たちが、米によつて観念をしているところに非常に大きな間違いか起る。従つて先般の政府與党の間において決定をされたと報ぜられているところの、新しい食糧政策の方向において、麦を非常に軽く見ている。麦はもうすぐにでもはずして行くような考え方をとつている。しかもこれを将来においてどう確保をするかという点について、一向触れておらぬように思いますが、私の心配をし、また今政府かとらんとする政策の一番の弱点はここにあると思う。従つて私が消費の面からまずお伺いを立てたのは、国内におけるこの小麦あるいは大麦の問題であるけれども、すぐ火のついた問題であつてこの方向というものをどうするのか。麦の価格政策、需給政策輸入食糧とのにらみ合せを、米とどの比重において考えて行くかという根本の方針を、しつかり立てなければならぬ重大な時期だと思います。その意味において伺つているので、まずその前段として、実は今長官からもちよつと御答弁があつたように聞きましたが、あらためて、一体今度政府及び與党食糧政策の修正をなさろうという動きの出ましたもとについて、率直に申して司令部の方面から具体的な指示があつたのであるか。政府みずからのお考えでおやりになつているのであるか。その辺を農林政務次官にお伺いしたいと思います。
  107. 坂本實

    ○坂本政府委員 最近供出制度の問題や、あるいは配給制度の問題につきまして、いろいろ新聞紙等に報道されているのでありますが、本委員会におきましてもしばしばお答えを申し上げました通り、何ら正式な司令部からの御意思の伝達を受けているのではないのであります。しかしながら一部にはいろいろ最近の食糧事情につきまして、個人的な御意見はあるのでありまして、われわれもまた今日の食糧需給の事情から考えまして、この際いろいろ各方面から研究をいたしているのであります。ただいまのところまだ結論には到達しておらないのであります。なおまた先ほどお話がありました麦の問題でありますが、決してわれわれは麦を軽視しているのではないのでありまして、十分これらの措置につきましては、愼重を期したいと考えているような次第でございます。
  108. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 きわめてはつきりしませんが、これ以上伺いません。麦の問題について重ねて伺つておきたいのは、今年度、今の麦について政府は何らかかわつた処置をとらなければならぬ事情になるか。またそういうお考えがあるかどうか、伺いたい。
  109. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 私どもとしては、ことしの麦については食確法に基く割当もいたしていることでありますから、現在の体制で進みたいと考えております。もつとも今後の情勢の推移によりましては、多少超過供出等のことにつきまして、これは関係方面との問題になるわけでありますが、奨励金その他の関係につきまして、いろいろ問題がありますので、その面からもう一度見直してみる必要もあろうかと思いますが、ただいまのところは現在の既定方針通りで進みたいと考えております。
  110. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 その問題についてあるいは予算措置なり、あるいは現行法律の運用上の問題等について、本国会後において来年の春まで、あるいはことしの冬まで、そういう情勢の維持ができないというような場合において、あらためて、そういう食糧政策だけではないと思いますが、臨時国会等において審議しなければならぬという事態を予想し得るかどうか。そういうことのお考えがあるかどうか。農林政務次官に一応伺つておきたい。
  111. 坂本實

    ○坂本政府委員 ただいまのところはさような考えはございません。
  112. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 安本に伺つておきたいのは、先般伝えられる食糧肥料との問題についてでありますが、現在の肥料輸入については、依然として今までの計画を必要とお認めになつておられるかどうか、食糧に関連して、物資局長にはむりかもしれませんが、あるいは農林当局から伺つてもけつこうであります。
  113. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 肥料の問題は私から申し上げないで、責任の当局の方からお答え申し上げる方がいいと思います。
  114. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 今答弁者がおりませんから、別の機会に答弁していただくことにいたします。
  115. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 先ほど私が問題をそらしてしまつたものだから、御答弁がないのですが、生活物資局長に先ほどの飲食営業の法律について、今私が申し上げたような場合における処置は、法律の修正を要するかどうか、現行法においてもそういうことの処置がとり得るがどうかを伺いたいのであります。
  116. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 お尋ねの点は、小麦製品の自由選択の問題だと思います。これは御承知のように、現在でも各府県によつて状況は違つておりますが、東京都におきましては、一定のクーポンで加工形態がAであろうが、Bであろうが、Cであろうが、自分の欲するものをとれるようなやり方をやつておるわけであります。県によつてはまだその辺がまちまちになつております。お尋ねの点はおそらく小麦粉並びに小麦粉製品のフリー・クーポン制をとることによつて解決し得るようなお尋ねじやないかと思うのであります。私どももその点については、いろいろ研究をいたしておりますが、早急に実現することは、あるいは困難かと思いますけれども、大体の方向といたしましては、そういう方向で考えて参りたいと思います。
  117. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 そうすると現在の法律は直しておく必要はなく、実施の方法として、政府がとればとられるというふうに解釈しておいてよろしゆうございますか。
  118. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 その通りであります。
  119. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 それから麦に関連して伺つておきたいのは、今地方でも非常に心配をしておりますのは、小麦よりも大麦の問題であります。これがことしの生産状況から見て、非常に私は心配になるのでありますが、これについては今できたものをどうするということよりも、食糧政策をもう少し広げて、えさの問題についてもつと大きな視野から考えなければならないのじやないかと思います。アメリカ食糧が余つておるならば、入れないことを非常にむりに強調をしておるというふうにとられることは、はなはだしく消極論であつて、むしろただででも入れてくれるならば入れて、主食のわくを非常にきゆうくつな考え方をしないで、どんどん家畜の飼料とすることによつて、その製品を南方等に輸出をする、農業の高度化にこれを向けたらいいのであつて、現在の政府のように、この大麦その他をもてあましておるような向きの事実は、私は非常に実態に沿わないと思うし、今後非常に憂慮をされる一つの傾向であると思いますが、これについての今後の考え方をひとつつておきたい。
  120. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 私の範囲外の問題も含んでおるようでありますが、大体お答え申し上げます。大麦等は御承知のように従来は大体自家用に使われている。それで食糧が非常に窮乏して参つておりまするので、大麦ももちろん主食の中に入れまして、配給品の一つとして参つて来ておるのであります。かりに今後相当食糧事情が安定して、質の改善も十分実行ができまして、需給の操作も非常に楽になるのだという状況に相なりますれば、今お話のようなことは実現し得ると思います。また外国から入つて参りまする大麦その他につきましても、従来はガリオア・ファンドで相当つて来ておりますので、われわれといたしましては選択の道が比較的なかつたのでありますが、今後商業資金によつて輸入相当多くなつて行くという状況におきましては、その辺の事情も十分考慮いたして輸入品目を考えて参りたいと存じます。
  121. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 新しい食糧政策の転換に、早く手を打つておかなければならぬ問題が、たくさんあると思うのでありますが、その中の一つとしては農業倉庫の問題だと思います。都市の倉庫が非常に戰災等で減少をしておる。今後ある程度の自主的統制を中心に強くやつて行かなければならない場合において、今の農村経済力をもつてしては、なかなかこの拡充ということは私は困難だと思う。今のうちに政府が全国の農業倉庫網というものを、戰災その他を考えて十分に整備をしておかなければならないと思いますが、これに対して現農相の表看板でやられた、いものキュアリングの倉庫に対する見返り資金すら今日まだ出ていない。公約をどうなさるのかと私は伺いたいのでありますが、こういうような状況ではとうてい私は今後の新しい食糧管理制度を持つて行くわけに行かない。これを言い出したからといつて、すぐにできるものじやない。ですから十分手早く用意をいたしておかなければならないと思いますが、その倉庫に対する政府の用意、お考え、また実情を一応伺つておきたいと思います。
  122. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 農業倉庫の改善につきましては、竹山さんのおつしやる通りと思います。食糧管理制度の委員会ができまして、供出配給制度がここまで参りました一つの大きな力といたしましては、農業倉庫の普及というものかあつたからだと思います。戰争中に補修もいたしませんので、現在農業倉庫は相当いたんでいるのは、御承知通りであります。燻蒸もなかなかできないような状況に荒れております。私どもはどうしても農業倉庫の修理をいたしまして、また必要な土地には新しい倉庫を建設いたしまして、農業倉庫の充実をはかつて参りたいというふうに考えております。従前でありますと、農業倉庫の建設につきましては、補助金等を出せましたのでありますが、現在の財政状況におきましては、なかなか補助金を出すというところまでには参らないのである。補修その他につきましてはエイド・ファンドの方からある程度の金を出したい、あつせんをいたしたいというようなことで、ただいま話を進めておる状況であります。
  123. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 それから倉庫に関連して、現在正確に承知をしませんから伺いたいのですが、農村の農業倉庫の政府米その他の保管料と、政府輸入して来た輸入食糧の営業倉庫における保管料との間に、非常に差があるように私は聞いております。なければけつこうですけれども、それが結局農村に大きな犠牲を負わしておるので、そういう差別待遇があるとするなら、はなはだけしからんと思います。何も余分に出せとは言わないが、大きな食糧政策の基礎的な犠牲を負わされておる農業協同組合が、御承知のように今日は気息奄々、危機まさに寸前という状態になつておる。こういう点を考えて、政府はこの犠牲を負わされておる農業倉庫の保管料等について、もつと積極的に、合理的にお考えになる余地はないかどうか、一応伺つておきたいと思います。
  124. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 私の記憶では、営業倉庫と農業倉庫では保管料に区別があつたと思つております。今はつきりした数字を持つておりませんが、これは原価計算とかその他いろいろな関係を基礎にいたしまして、決定いたしておりますので、特に営業倉庫については甘い処置をとり、農業倉庫についてはきつい処置をとるという、そういうアンバランスはないと思います。なお十分検討いたして見ますけれども、私はそういうふうに考えております。
  125. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 食糧の生産確保をしなければならぬということを、大臣はしばしば言われておる。ちようど安本当局と農林当局かおそろいですから、この機会に両政務次官に伺いたい。  私が何回も伺つておる農業生産を中心とする農林方面に対する見返り資金が、もはや余日二日しかない今日、二十四年度においてまだ一文も出ないという事実、これは出すお考えがないのかどうか。それから、開くところによれば、二十五年度においては、農業の割当は削られたそうである。先般安本の長官がわざわざ見えて、ここで私の質問に対して、二十五年度計画には入つておるような答弁をされておりますが、その後の情勢ではむしろそれが悪くなつたというようなことも聞いておりますので。この点について、両当局のお考えを伺つておきたい。
  126. 西村久之

    西村(久)政府委員 見返り資金からの農業方面への融資の関係はどうかというお尋ねでありますが、実は政府といたしましては、案を立てまして、関係方面と折衝を重ねておるのでありますが、お説の通り、今日までまだ承認を受けていない実情にあるのであります。二十五年度関係のものを抹殺されたというようなことは、まだ聞き及んでおりません。二十五年度は二十四年度のものが時期的にずれがあつたとしましても、二十四年度と二十五年度は別箇の費用を要求いたしまして、承認を得るように努力中であるのでございます。さよう御了承願いたいと思います。
  127. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 最後に簡單に、これは安本当局、農林当局どちらでもけつこうですが、雑穀の統制あるいは管理方式を、近いうちに変更されるお考えがあるかどうか。その時期等について何かお考えがあれば、率直に伺つておきたいと思います。
  128. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 雑穀の統制撤廃の問題は、いろいろ新聞紙上にも出ておりますし、また大臣が、七月あたりからはずすのだと言われたような記事も出ておりますが、大臣も、そういう考えはただいまのところ持つておりません。やはり従来の方針通りに参りたいというふうに考えております。
  129. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 安本の方から貿易局長谷林政府委員がお見えになつておりますので、先ほど米原委員の留保されたことについて御質問願います。
  130. 米原昶

    ○米原委員 先ほど聞いたのは肥料の問題であります。ポンドが不足しているので、南方からの食糧輸入予定通りできないという事情を、先ほど安本政務次官から聞いたのであります。そこで、最近言われている東南アジヤに硫安を輸出する問題が、やはりそういう観点からしても起つて来るじやないかと思いますが、どういうふうになつているか、ひとつ聞きたいと思います。
  131. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 代つて私からお答えいたします。先般関係方面からの、肥料を輸出して食糧を入れる方がよいか、国内肥料を投下して食糧増産をいたした方がよいかということが、新聞紙上にも載つてつたようでありますが、その問題は別といたしまして、肥料を輸出して朝鮮なりあるいは南方から食糧を入れるかどうか、こういう問題に対しまして、われわれといたしましては、国内肥料の需要がある限りは、なるたけ国内に投下いたしまして、日本農業の増産をはかりたいという考えを持つてつたのであります。その後肥料の生産が相当上まわつて参りましたこと、及び国内の需要も末には七貫以上になつて、多少需給が緩和して参りましたこと、並びに季節的に相当需給度が緩和して来た。肥料は、ある時期においては非常にストックが多くなり、季節的に需要が非常に片寄る商品であります。多少その間、南方方面に出して食糧を入れることも考え得る段階に来たのではないかというので、目下そういうことの利害得失等につきまして、政府部内において研究をいたしておりますが、まだ具体的に、肥料を出して食糧を入れるという決定には達しておりませんので、さよう御承知を願います。
  132. 米原昶

    ○米原委員 それと関連して、この前新聞にも出ておりましたが、硫安が相当輸入されているようでありまして、また今後も輸入されるようでありますが、それは大体どういうふうな状態になつておりますか。
  133. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 今までのところ、硝安が非常に輸入されておりますが、アメリカの方で硫安の生産も相当ふえて来たということは事実でございます。しかしわれわれとしましては、硫安は内地でできる。硝安と硫安とどちらがよいかと申しますと、内地の水田等は硫安がよいのでありますが、畑作等につきましては、特殊のものがあるために、硫安の方を好まぬ場合が多いのであります。これは肥料全体の状況から考えまして、原則としては国内の硫安を使いたいと思つているのであります。季節的の繁閑等の特質から見まして、必ずしも硝安でなければいけないという関係もないと思います。硝安でも硫安でも国内の自給が足りない場合には、ある場合は硝安にかわつて硫安の輸入も考え得ると思います。
  134. 米原昶

    ○米原委員 たしか先日の新聞で見たところでは、アメリカ陸軍省発表であつたと思いますが、六月までに硫安二十万トンという数字が出ていたようでありますが、それはすでに相当量入つて来ておるようにも聞いておりますが、どういう状態になつておるか、その数量を聞きたい。
  135. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 最近の資料は持つておりませんが、硫安の輸入はまだないと記憶しております。今後のことについてはアメリカの生産事情等から硫安の生産がふえておりますから、あるいは硫安が来るということが三十万トン来たというこうに出ておつたかしれませんが、現実としてはまた硫安は入つておりません。
  136. 米原昶

    ○米原委員 私よくわからないので初歩的なことを聞くのでありますが、一方では硫安を輸出する問題が起つて来ておる。そこで一方では硫安を輸入するというのはあまり理解できないわけですか、どういう関係でそうなつて行くのか聞きたい。
  137. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 輸出して輸入するということは非常に奇異なることでありますけれども、農村における肥料の消費が春肥と秋肥とございまして、その間相当国内に何十万トンというストックができるという場合等を考えますと、理論としては非常にあり余つたときに南方等の需要があるという場合には出して、こちらが足りない場合は入れるということも考えられますか、そういうことがよいかどうかについては、まだ結論に達していない次第であります。
  138. 米原昶

    ○米原委員 まだちよつとそこがわからないのですが、輸入する硫安の価格の点では補給金を出すという問題ではないわけですね。
  139. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 外国の硫安の価格と内国の硫安の価格と考えまして、向うの方が高い場合には当然輸入補給金の問題が出て来るわけであります。そういう財政上の見地等も考えた上で、なお価値判断をいたさなければならぬのでありますが、向う価格がだんだん下落しつつあるということを考えた上での判断をつけております。ただいまのところではやはり外国の方も内地の方も価格補給金をつけておる次第でありまして、価格補給金を内地で撤廃された場合における外国硫安と、内地硫安の価格ということになると、また問題は別になつて参ります。そういうものも今後の趨勢を考えました上で研究いたしたいと思います。
  140. 米原昶

    ○米原委員 その点は外国の方がまだ高いとすると、補給金を出してまで輸入しなければならぬということになりますと、むしろ計画的に輸出の方をやめて、輸入もやめるということの方が合理的だと思いますが、それが理解できないわけでありますが。その点いかがなものでありましようか。
  141. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 外向の価格が高いと言いいましても、輸入補給金がついておる場合でありまして、内地の方においても価格補給金がついておるが現実でありますが、内地の方が漸次撤廃されるということになると、どうしても内地の価格が高くなるということになるのであります。そういうことと絡み合つて外国硫安の方が安くなるという現象が起つて来るのであります。ただいまのところでは輸入補給金価格補給金の両方がついておりますから、外国の方が高いのであります。七月あるいは年末等に価格補給金が撤廃されたときにおける内地の価格は、外国よりも安いということは考えられない。そういういろいろな計算等のもとに検討しておる次第であります。
  142. 米原昶

    ○米原委員 それではその先のことではなくて、今言いました六月までに二十万トンも入るというのは全然根拠のない話なんですか。
  143. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 外国の方から硝安等が今のところも入つておりますし、過去においても入りましたし、今後も日本の需給事情から申しますと、窒素肥料というものは、ある程度輸入をいたさなければならない、こういうことになつております。硫安か硝安か結局窒素肥料としてこれだけの需要があるという前提で輸入計画を立てておるのでありまして、それが硫安で参りますか、硝安で参りますかはわからないのであります。今までのところは硝安で参つておりますか、アメリカの方で硝安よりは硫安の生産が出て来たということになつて、窒素に勘算して何トンの窒素がとれるか、こういうことが計算になるわけであります。硝安で参るか、硫安で参るかということは、ただいまのところ別段関係がないことになつております。
  144. 米原昶

    ○米原委員 そうしますと硫安を入れるか、硝安を入れるかは、日本の方がきめるのではなくて、向うがきめるわけですか。
  145. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 ガリオア資金で参りますものにおいては、最後は向うの決定で参るのでありますけれども、その間硝安でもらうとか、硫安でもらいたいということは、日本政府の意思でいろいろ懇談をし得る余地はあるわけであります。
  146. 米原昶

    ○米原委員 ガリオアというと援助資金だと思いますが、日本でいらないものを援助という名目で入つて来るというのが、私は合点が行かないわけであります。
  147. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 日本でいらないものを申請いたすことはないのでありますが、日本で必要な窒素肥料というものを硝安という形でもらうか、硫安でもらうかという問題だと思います。これは農民の消費その他によつて決定すればよいことでありまして、硫安で来るから困る、硝安で来るからよいというものではないと思います。
  148. 米原昶

    ○米原委員 それではほかの問題、先ほどの問題でちよつと農林政務次官に聞きたいのでありますが、先ほど食糧庁長官に伺つたのでありますが、ビルマでもシャムでも現地肥料価格は、われわれが買つておるものの半値くらいである。こういう事情が大体わかつておるようでありますが、そうしますと日本国内生産者価格にひとしいようなものではないかと思います。日本の米価についてはわれわれが非常に疑念を持つておるわけで、結局低賃金を基礎づけるための低米価、そのために農民が非常に困つておると、われわれは考えておるのであります。供出制度が結局うまく行かなかつたということも、あまりにも生産費を償う米価ということになつてない。そのために実際上は幾ら法制的にいろいろな措置をとつても、今までは少くとも米を農民は出したがらなかつた、今になつてみると、すつかり農民は收奪されてしまつて、むしろ今は出したいという傾向が起つておると思います。そういう意味では現在の米の価格は食管法にしても、食確法にしても、非常にゆがめられた意味での一種の支持価格制度になつておるというふうに思います。こういうものは決してよいものではないと思いますが、今農民が不安に思つておるのは、大量の安い輸入食糧が入つて来る時代が案外間近に迫つておるのであります。これは最近農民の非常に不安に思つておる点だと思います。そうなるとまだ今の統制方式でも幾らか農産物の支持価格の意味を持つておる、それを撤廃されるということに非常に不安を持つておるように思う。そこに根本問題があるように思いますが、その議論は別として、そういう犠牲になつて一方では外国から高い食糧が来ておると思つてつたところが、東南アジアの農村の場合を考えると、やはり日本の農民と同じような收奪を受けておるのじやないかというような印象を私は受けるのであります。ことにビルマやシャムの方でも、最近では非常に民族問題が起つておるわけであります。民族独立の運動が第二次大戰後非常に起つておるわけであります。この前のジエサツプ大使の報告が新聞に一部分出ておりましたが、あの様子を見ると、ことにビルマは非常な状態になつておることは明らかであります。われわれが聞いておるところでは、日本食糧輸入相当ビルマ国内問題になつておりますが、こういうような政策がはたして妥当であるかどうか。非常に安い値段向うでは実際に買い上げておる。そこでビルマの農民にとつては非常な損失になるのではないか。今までビルマ外国に非常に輸出しておりましたが——大部分はインドです。ところが日本から大量の注文が来てそれにやはり出す。しかも安い価格で出すというような問題があると思いますが、この点については、現在の占領下におきましては、日本政府としてやつて行くということに非常に困難な点があると思います。しかし日本がかつてのアジアの少数民族に対して、いわゆる東亜共栄圏というか、何か名目はいいけれども、非常にアジアの諸民族を圧迫し、搾取するように動いていた。この印象がまだ消えていないのが東南アジアの実情だと思う。そういう点から考えても、また日本国内問題として考えても、向うでは非常に安く買つておるのに、非常に高く入つておるというところに非常に問題があると思う。この問題は政府として何とか日本国内食糧問題という見地からばかりではなく、今後もアジアに日本がかつてのような搾取者、帝国主義者として立つて行くのでなく、平等な平和な民族として立つて行くためには、やはりこの点も十分に考慮しなければならぬと思うのでありますが、この点に対して農林省の方はどういうふうに考えておられるか、ひとつ聞きたい。
  149. 坂本實

    ○坂本政府委員 東亜地域におきまする米作国がどのような状態にあるか。さらにまたそれの米の買上げに対しまするその国の政府方針等につきましては、ちよつと詳細に存じませんので、お答えいたしかねるのでありますが、わが国の場合を考えまするとき、今日行つております供出制度につきましては、多くの不備欠陷はあると思うのであります。しかも事前割当等におきましても、実は作付の面積、反收等の十分な資料もなかなか得がたいのでありまして、またこれらの点につきましては、作報等の機関を通じてやつておりますが、なおかつ農家の考え方と必ずしも一致しない点もあるかと思うのであります。かような意味におきまして、供出制度も農家が了解しがたい点もあるかと思いますが、今お話になりました米価の問題につきましても、生産者の立場から見まするならば、必ずしも満足する価格ではないかもしれないのでありますが、御承知のように米価の算定基礎は、パリティー指数によつておりますし、そのパリティー指数内容は、必ずしもわれわれは否定すべきものではないと思うが、十分論議の余地はあると考えておるのであります。なお今後におきまして、いろいろお話がありますが、需給事情等の変化によりましては、十分これらの点も是正いたしたい。そうして現在のいわゆる報奨制度というようなものは改めまして、むしろ保護政策に転換をして行くことになろうかと考えておる次第であります。
  150. 米原昶

    ○米原委員 それからもう一つ外国食糧の問題でありますが、先ほど言いましたビルマやシャムの現地の米は非常に安い。ところがそれが高く入つておるという問題であります。これに対して今後政府はどういうふうな処置をとられようとしておるか、ひとつ聞きたい。
  151. 坂本實

    ○坂本政府委員 ただいまのわが国の現状におきまして、いわゆる自由な買手国といたしまして、これを操作することは困難な実情にあるものと考えております。
  152. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは次に小川委員。
  153. 小川平二

    ○小川(平)委員 現在外食券食堂においては酒類の販売が許されておりませんが、これを許してほしいという強い要望がありますので、これについてお尋ねをいたします。このことが希望される理由といたしましては、現在外食券食堂を経営しておる者は、統制の行われる以前において酒類の販売をもあわせてやつてつた業者が大部分であるということ。すでに酒類の統制が撤廃されておること。また外食券食堂を利用する人たちは、独身者であるとか、あるいは薄給のサラリーマンというような人たちであつて、これらの人たちに慰藉を與える必要があるのじやないか。飲食営業臨時規整法においては、外食券食堂は外食券と引きかえに主食を提供するものと規定されておるだけであつて、酒類の販売を行つてはならないという規定はないので、運用上の措置によつてこれを許してほしいという要望が強いのでございます。この点について御意見を承りたいと思います。
  154. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 外食券食堂につきましては、外食券と引きかえに主食を提供するというのでありまして、ただ運用上旅館等と区別されまして、外食券食堂で酒類を販売することは運用上禁止いたしております。その運用をかえる意思があるかどうかという問題でありますが、これは率直に申し上げまして、飲食営業臨時規整法をつくりますときに、この法の解釈の妥当につきまして、日本政府及び関係方面と十分打合せをして遺憾なきを期して決定いたした次第等もありまして、そういう意見等があることも十分聞いておりますので、そういう方面についてはさらに政府部内及び関係方面の完全な了解を得ましたならば、運用方針をかえることについてはやぶさかでないのでありますが、ただいまのところまだそういう会議をいたしておりませんので、かえる意思ありということは申しにくいのであります。
  155. 小川平二

    ○小川(平)委員 関係方面と折衝の結果、運用上許されないことになつておる由でありますが、それにしても何か根拠がありそうなものでありますが、なぜ運用上これを許さないことになつておりますか。先ほど申し上げました理由というのは、いずれもしごくもつともな理由であつて、この状態になつてなおかつ酒類の販売を禁止しておるという積極的な根拠は、ちよつと考えられないのですが、その点いかがでありましようか。
  156. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 主食を出す料飲店主食を出さない料飲店というものとが、外食券によつて区別されておるのであります。主食を外食券でやつて、同時に酒類等、いわゆる軽飲食店となりますと、その間が非常に混同される。結局軽飲食店で外食券をして主食等を出すやみ的なものとの区別がつかなくなつて来る等の議論がございまして、一応外食券食堂については酒類等を出すことを禁止して、酒預を出すものとは別個のものにするという解釈を当時はいたしたのであります。旅館等につきましては、現実問題として外食券で主食を出すという法律上の建前になつておりますが、その條文をしつかり記憶しておりませんが、たしか條文の表現で、飲食という場合と、もうひとつ——ちよつと忘れましたが、外食券食堂の場合の條文と多少字句がかえてあると思います。この族館の方の條文解釈を、われわれとしましては宿泊者の疲れを休めるという意味等もかねまして、ここにおける飲食というものは酒類を含んでおる、こういう解釈がし得るということによつて、族館等においては主食を出してもなおかつ酒類も出せるのではないかという解釈を、実はいたしておるのであります。外食券食堂につきましては條文解釈上、どうしてもできないということ等のために、ただいまのところ解釈上運用できないという見解をとつております。ここらをもう少し拡張解釈いたしますならば、酒類を出してはいけないということにはならないのでありまして、要は法律解釈の運用の問題に帰するのであります。そういう方面等のことについては、十分関係方面等と連絡をいたしまして、至急御趣旨に沿うような努力はいたしたいと考えております。
  157. 小川平二

    ○小川(平)委員 御説明十分に了承いたしました。この法律の制定の当時とは状況がすつかりかわつておることでもございますし、ただいまのお話の方向に向つて、それが許可されるように、ひとつ盡力を希望する次第であります、
  158. 羽田野次郎

    ○羽田野委員 時刻も来ましたから、ごく簡単に一点だけお尋ねいたします。例の報奨衣料の問題でございますが、これは非常に重大な問題であることは申すまでもございません。この対策を経済閣僚会議あるいは閣議できめるということを、最近一週間くらい言つておるのでありますが、これはいつごろ決定されるお見通しでありますか。次官でおわかりでしたらお答え願いたい。
  159. 坂本實

    ○坂本政府委員 ただいま御指摘になりました報奨物資の滯貨処理の問題については、早急に解決をいたしたいと、いろいろ努力をして参つたのでありますが、実は先刻もいろいろ政府部内において協議をいたしました。また明日の閣議でも諮うてもらいまして、最終的な結論を得たいと考えておるわけであります。
  160. 羽田野次郎

    ○羽田野委員 安本の方にお聞きしたいのでございますが、昨日この問題について本会議で緊急質問がございましたが、これに対して、農林省の坂本次官、通産省の宮幡次官からは御答弁があつたのでありますが、安本の方からは何らお答えがなかつたわけであります。そうして農民側から要求しておる値引の問題について、坂本次官は値引ができそうな口吻でありました。また宮幡政務次官も同様でありました。安本の方は値引について、どういう御見解でございましようか。
  161. 西村久之

    西村(久)政府委員 実は昨日本会議でお答えするようにと思つて、壇の上に出たのでありますが、御質問なされる方が最後のくくりで、三項目をあげられ、大蔵、農林、通産の三大臣の答弁を求むると結論をくくられましたので、私はお答えせずに席を去つたわけであります。あしからず御了承をいただきます。従つてただいまお尋ねの報奨物資に対する値引は、適当なるところへ値引をして、報奨の趣旨に沿うようにいたし、農民の方に品物をおあげしたい、こういうふうな線に進んでおるわけであります。この点は閣議の承認を得て、表向きに発表いたしたいと考えておる次第であります。
  162. 羽田野次郎

    ○羽田野委員 値引の金額、あるいはその金額に対する根拠、そういうものについてかなり食い違いがあるように承つておりますし、特に値引論について東畑局長が反対論を持つておられるということを耳にいたし先のでありますが、お尋ねしなくてもいいようなものでありますけれども、東畑局長がこちらの農民側から根拠を持つてつておるのに、それに反対されるというのは、何かわけがあると思うのですが、もし反対論を持つておるならば、その理由を参考までにお聞かせ願いたいと思います。
  163. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 農民団体の方から値引案等について、私のところへ実は参られました。私も十分懇談いたしたのでありますが、値引をいたしまする場合における問題として、私として農民団体に申し上げたことが、私が反対をしておるというようなことになつたかと思います。率直に申し上げまして、二点申し上げた。第一点は農民に対しては報奨をしたいけれども、私生活物資局長として農民のみならず、勤労者に対する労需物資等も考えております。農民だけの問題としてこれを限定し得るかどうか。あるいは労働者の問題はどうかというような問題になつた場合に、愼重に考慮をする必要がある。そういう問題についての報奨というものの意味をはつきりしておくことを、基本的にはつきりいたしておきたいという点を申し上げました。それから値引案につきましては、値引をしましても、その方法はいろいろあると思います。われわれといたしましては、事務的に値引案が最後まで実行し得るようなことでありませんと、いろいろの関係において支障を来すために値引をするという簡單な表現だけではなかなか解決がむづかしい。相当事務的によく練つていたしませんと、実行上いろいろな支障を来しては、かえつて御迷惑をかけることになるために、相当事務的にもよく練つた上で案を練りたいということを、実は申し上げておるのでございます。反対という意味はそういうようなものが、かりに実現した場合に、支障を来さない案が立てられるべきであるという意味のことを申し上げておるのでありまして、政府の決定がありますれば、それを実行いたしたいと考えております。
  164. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 ほかに御質疑はございませんか——なきものと認めます。それでは本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  なおこの際お諮りいたします。事業者団体法の審議の愼重を期するため、明三十日開会の本委員会に、参考人として経済同友会生活経済研究所長野田信夫君、日本貿易会專務理事猪谷善一君の両君を招致いたし、意見を聽取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会いたします。  次会は明三十日午後一時より本委員室において開会いたします。     午後五時二十九分散会