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大池事務総長 先日
彈劾裁判長の
古島義英君から御提案にな
つておりました
裁判官彈劾法の一部
改正法律案は、一応小
委員の手元で下
審査を願いまして、本
委員会で御
決定を願うことにな
つておりました。しかして、小
委員会で質疑応答を十分いたしました結果、その
修正をいたした次第であります。御承知の通り、
裁判官彈劾法の第三條の中では訴追
委員会というふうにありまして、その訴追
委員会というのは、だれを訴追するのか、
裁判官彈劾法でありますから裁判官にきま
つているのだけれ
ども、
委員会の名前が訴追
委員会とな
つてお
つて、すべての公文書を出をしたりする場合に一般的に不明であるので、裁判官訴追
委員会というふうに改めてもらいたいというのが向うからの提案でありましたので、同じ法文の中に訴追
委員会と彈劾裁判所とありまして、訴追
委員会だけに裁判官という名前を冠して、彈劾裁判所に裁判官という頭を冠しないのはおかしい、彈劾裁判所もやはり裁判官彈劾裁判所と改めた方がいいということで、
両方に裁判官を付することに
修正いたした次第であります。
従つて、それ以下の條文におきまして彈劾裁判所並びに訴追
委員会とありますのは、すべて裁判官彈劾裁判所、裁判官訴追
委員会というふうに改めまして、そういう呼び名でいたすことにな
つております。ただ法文の中では、第三條の一番初めにこの正式の名前を用いて、以下は單に訴追
委員会または彈劾裁判所という向うの案通りにな
つております。
それから訴追
委員がやめたい場合に、提案におきましては、開会中は訴追
委員会を経由して衆議院の許可を受けるようにな
つておりまして、
閉会中だけ訴追
委員長を経由して衆議院
議長の許可を受けることにな
つておりましたけれ
ども、開会中と
閉会中とによ
つて経由の相手方をかえることはおもしろくない。なお訴追
委員会を経由するとすれば、
委員会の承認がいるのかいらないのか、そういう点がきわめて不明確でありますので、
国会法にあります各常任
委員等が
委員を辞職いたします際に
委員長を経由しておる先例によりまして、
閉会中であろうと開会中であろうと訴追
委員長を経由することに
修正をいたした次第であります。それ以外の原案は、みな大体それに基きまして、裁判所の方と訴追
委員会の方と同様にいたした次第であります。
ただ開会中職務を行う場合に、訴追
委員長もしくは
彈劾裁判長の職務雑費を
議会の各常任
委員長並びに特別
委員長の
議会雑費と共通にしていただきたいという提案でありますが、この点については、裁判長も訴追
委員長も
閉会中の手当をと
つておりますので、その
閉会中の手当と開会中の雑費との公平を得るように、裁判長の方は
両院議長が
協議をして定めるようにな
つておりまするし、訴追
委員長の方は衆議院
議長が定めることにな
つておりますが、
議長が定める場合に十分その間の公平を得られるように、当
委員会に
諮問して定めるという
意味合いにおいて、原案がそのまま認められた次第であります。
それから機構の場合におきまして、裁判所の方は参事及び主事が一名増加しておるのが原案でありますが、訴追
委員会は事務が多いのにかかわらず増加しないのは不公平ではないかという
議論がありました。しかし、
予算的措置の
関係上、裁判所の方には設け得るけれ
ども、訴追
委員会には設け得ない事情にありますので、とりあえず裁判所の方を増員いたしまして、訴追
委員会の方は
予算をとり次第これと並行を保つようにやるということで、原案通りにな
つた次第であります。
それから附則のところで、職務雑費は昭和二十四年十一月三十日にさかのぼ
つて適用するという案でありましたが、それは前
年度予算のことであ
つて、よろしくない。
従つてこれは削除いたしまして、本
年度予算、すなわち昭和二十五年四月一日から適用することに小
委員会で
修正をいたした次第であります。それ以外に、ただいま名前をかえました結果、
国会法並びに
国会職員法におきまして訴追
委員並びに訴追
委員会とありますところを、それぞれ裁判官訴追
委員、裁判官訴追
委員会というふうに
修正をして来ておるのでありますが、それは特に
修正する必要なしということで削除いたした次第であります。
国会法並びに
国会職員法等における名前を特に読みかえの
修正をする必要なしという理由は、憲法におきましては
両院議員をも
つて組織する彈劾裁判所をこしらえろとあるのでありまして、その
両院議員をも
つて構成した裁判所を裁判官彈劾裁判所と呼んでも何らさしつかえない。また
国会法におきまして、訴追
委員をこしらえる場合、衆議院議員をも
つて訴追
委員をこしらえろとあるのでありまして、その通りや
つておるのでありますから、その訴追
委員を裁判官訴追
委員と呼んでも
国会職員法と何ら矛盾ないことと思いますので、その点削除いたしました。しかして、この
修正案に対しては本日
オーケーも参
つておりますので、当
委員会でその通りお認めを願えますれば、明日一日のことでありますから、これを本
会議に上程をいたしまして、至急に
参議院の方におまわしを願うように御処理を願いたいと考えます。